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きのうものすごい、恐ろしい体験をした
- 1 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 15:15
- 夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
壁のむこうから誰かの喘ぎ声が聞こえてきたんや・・・
みたいな感じで書いていってやー。
- 2 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 18:12
- 嫌だ
- 3 :名無しさんちゃうねん :2002/08/23(金) 07:56
- 9/11の朝にマンハッタンに居ましたが、何か?
- 4 :キルロイ ◆IofpVHHg :2002/08/24(土) 15:44
- 夜、道路で一人っきりで歩いてた時、 どこからともなく・・・・
8頭身にゃもが乗った車がものすごい勢いで追いかけてきたんや・・・・
- 5 :名無しさんちゃうねん :2002/08/31(土) 23:13
- >>1
「壁の向こうから」なのならば「どこからともなく」ではないような気が…
- 6 :名無しさんちゃうねん :2002/09/01(日) 21:19
- 夜、なかなか寝れなくてボーっとしてた時、どこからともなく・・・
子どものっぽいげっぷが聞こえてきたんや・・・
- 7 :名無しさんちゃうねん :2002/09/04(水) 21:26
- ふと気がつくと、いつのまにか
「大阪近鉄バファローズ」が
「大阪バファローズ」に・・・
- 8 :名無しさんちゃうねん :2002/09/07(土) 22:31
- >>1
http://lounge.dip.jp/upboard/img-box/img20020830154355.jpg
- 9 :名無しさんちゃうねん :2002/10/09(水) 01:40
- >>8
「ガキの使い」の24時間耐久鬼ごっこを思い出した…
- 10 :大阪 :2002/10/10(木) 10:11
- あたしの口からいきなり……
「きゃるーん」とか
「まいっちんぐ」とか
「メイっぱい」とかいう言葉が飛び出してきたんや……
- 11 :美紗さん(・∀・)イイ!! :2002/10/10(木) 15:38
- >>10
それは恐ろしい事ではないっスよ♪。
むしろ喜ばしい事っス!
更に「するっス」という言葉が出てくるようになればみんなを幸せに出来るようになるっス!
「みーんな幸せにするっス!」
- 12 :大阪 :2002/10/10(木) 16:08
- いつのまにかてひひひーとか言ってました。
どうしたらええのっすかー?
あ、なにこれ。羽根?
- 13 :名無しさんちゃうねん :2002/10/16(水) 19:34
- 夜、部屋に一人っきりのとき、知らない男の人から電話がかかってきて・・・
「すーぱーろぼっとたいせんに出てみませんか?」言われたんや・・・
「なにゆーてんの?」言って切ったけど、いまだに意味がわからへんねん・・・
- 14 :名無しさんちゃうねん :2002/10/16(水) 22:16
- >>13
そ、それはたしかに怖い体験や…
- 15 :智ぴ〜 :2002/10/16(水) 22:24
- 昨日ちよパパに犯されたんや・・・
- 16 :名無しさんちゃうねん :2002/10/16(水) 23:29
- >>15
死ぬようなことを…(ズゴゴゴゴゴ…)
- 17 :名無しさんちゃうねん :2002/10/17(木) 07:28
- >>15
>>16
ねじ込まれても死なない頭もあるので、君も一度ねじ込まれてみなさい。
…ていう同人誌知ってる?
ねじ込まれるのは榊で、
大阪は榊になすびを突っ込みに来るだけなんだけど。
- 18 :名無しさんちゃうねん :2002/10/18(金) 00:06
- 夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
蚊が飛んできたんや…
- 19 :名無しさんちゃうねん :2002/10/18(金) 00:14
- 、
フ r┐ ┼┐ヽ
て ノ / 、/ ・ ・ ・
_,,. --,.、- ..,__ _,. -- ..,, へ へ
,. ‐ニ-- ′ ` " `'ー 、 ,. ‐''"::::::::::::::::::::::::`ヽ、 / ヽ / ヽ
/ / ,、,.、 ヽ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`/ ヽ / ヽ
i / , / `、 ト、 ヽ ヽ. ', /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ‐`‐'‐ ゙,
. ! i | ,/-─- `、 |'ヾ~|ヾ i i /:::::::::n::::n::::::::::::r;:::::;ィ:::::::/ ゙,
/ _,| ,| /-─‐-、ヽ.ir‐ヽ!‐ヽ|ヽl i:::::::::::| i:;;|_ヽ:::::/. !:/ _|::::,' ゙,
i´'| / |/| }ー!. |i,| ! |::ハ:::l ヽ! ヽ' '/~ .レ'i i
ヾ|/} ''ー---‐'' 'ー---‐|゙ ' 〉! ○ ○ ! , -r‐;- 、 ,. -r‐:;- 、 i
\_ し l i i 〈 |;;;;;| 〉 〈. |:::::| .〉 i
/ ト、 u./! ヽ、 r─┐ J i `'‐'--'‐'" `''‐'--'‐'" i
,/ i. ヽ つ ,/ヽ,| ト、 ヽ ,ノ ,| !
ヽ i `''‐--‐''i" | ト、 /:::::`':.、 _,.. '"| `(二フ′ l
\\,_ i─- / // ヽ /::::::::::::;:r‐|. | |
- 20 :名無しさんちゃうねん :2003/03/25(火) 01:15 ID:???
- age
- 21 :ちよちゃんの弟子 :2003/03/27(木) 14:23 ID:???
- 昨日鼻を指でつまんで鼻から息をだしたんや・・・
いつもなら耳が「ビグジョッ!」っていうのに
目から息が出てきて「ピ〜〜〜」って鳴ったんや
恐ろしかったわ〜
- 22 :名無しさんちゃうねん :2003/06/21(土) 14:14 ID:???
- test
- 23 :名無しさんちゃうねん :2003/08/05(火) 04:18 ID:???
- 「きのう、ものすごい恐ろしい体験をした。
部屋にひとりっきりのとき、どこからともなく
私のやないおならのにおいがしてきたんや……
それで、ふと上を向くと、天井に毛むくじゃらのおじさんがへばりついてたんや。
あー、さっきのおならはこの人がしたんやなー思て見てると、
そのおじさんが壁をつたってするするとおりてきたんよ。
それで、私にこういうんや。
『わしの姿を見たことは誰にも言うな』
どうや? おそろしいやろ?」
- 24 :名無しさんちゃうねん :2003/08/05(火) 04:18 ID:???
- 何かが天井から降りてきた。
「約束を破ったな……」
春日歩の背後に降り立った毛むくじゃらの男は、低い声でそう呟くと、
おもむろに懐中から刃物を取り出した。
赤いものが飛び散った。
鮮血が智の顔にふりかかる。
思わず両目をつむった。
なにかが裂け、砕けていく音が聞こえた。
足元に何か重いものが転がる。
春日歩の生首だった。
血だまりの中、彼女の二つの瞳は、何があったか理解できぬかのように
ぽかんと空を向いていた。
- 25 :名無しさんちゃうねん :2003/08/05(火) 04:18 ID:???
- 驚愕と恐怖のため思わず叫び声をあげながら、智は目を覚ました。
「なんだ、夢か」
ほっとため息をつく。
鼻を、硫黄のようなにおいがついた。
なにげなく上を見上げた智の視界に、
毛むくじゃらの男が天井にへばりついているのが見えた。
- 26 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/08/05(火) 07:49 ID:???
- それは確かに恐ろしいな……。
- 27 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/08/05(火) 20:34 ID:???
- 怖ぁ・・・・
- 28 :名無しさんちゃうねん :2003/08/09(土) 02:50 ID:???
- 「こわい話教えたる。
そのかわり、途中で逃げちゃだめやで?」
踏み切りの前に立った少女に、関西なまりの声が語りかけてきた。
- 29 :名無しさんちゃうねん :2003/08/09(土) 02:50 ID:???
- 「きのう、部屋にひとりっきりのとき、
どこからともなく私のやないおならのにおいがしてきたんや。
それで、後ろをふりむいてみたらな。
部屋のドアが開いてて、知らない男の人が立っとったんよ。
その人は、右手に赤い包丁を持っとった。
血で染まってたんよ、その包丁。
たぶんあの人にお父さんとお母さんも殺されたんや。
最近、一家惨殺事件がはやっとるからな。
だから私、必死で逃げたんや。
窓から外に出て、はだしのままで走って逃げたんよ。
それで、ここの踏み切りにさしかかったんや。
あの人はまだ追ってくる。
ああどうしよう思っとると、かんかんかんって踏切がおりてきたんよ。
ここをすばやくくぐりぬけて向こう側に逃げれば、あの人から逃げ切れる。
そう思て、急いで踏み切りをくぐったんや」
- 30 :名無しさんちゃうねん :2003/08/09(土) 02:50 ID:???
- 「それで、このざまや」
電車にはねられ引きちぎられた春日歩の上半身は、そう言って話をしめくくった。
- 31 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/08/09(土) 03:02 ID:???
- イヤァアァアアァア
- 32 :名無しさんちゃうねん :2003/08/15(金) 10:04 ID:???
- (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
- 33 :名無しさんちゃうねん :2003/08/17(日) 03:13 ID:???
- 「こわい話教えたる。
そのかわり、途中で逃げちゃだめやで?」
踏み切りの前に立った少女に、関西なまりの声が語りかけてきた。
- 34 :名無しさんちゃうねん :2003/08/17(日) 03:14 ID:???
- 「きのう、部屋にひとりっきりのとき、
どこからともなく私のやないおならのにおいがしてきたんや。
それで、後ろをふりむいてみたらな。
部屋のドアが開いてて、知らない男の人が立っとったんよ。
その人は、右手に赤い包丁を持っとった。
血で染まってたんよ、その包丁。
たぶんあの人にお父さんとお母さんも殺されたんや。 」
そこまで聞いたとき、少女は声の主の居場所を見つけた。
遮断機のわきにぼうぼうと茂る雑草の中に、その声の主はいた。
彼女は、雑草の中に横たわっていた。
顔があった。
首があった。
胸があり、肩があった。
腹部から先は、ちぎれていた。
赤い液体が地面を浸し、緑の草が赤色に染められている。
その、上半身だけの少女が、彼女に語りかけているのだった。
- 35 :名無しさんちゃうねん :2003/08/17(日) 03:14 ID:???
- 「――――!」
ありうべからざる光景を見た少女は、声にならない悲鳴をあげ、一目散に駆け出した。
「人の話は――」
後ろからのんびりした声が追ってくる。
彼女は、走った。
かの幽霊から、逃れるために。
地面をつま先で弾く。
風が、耳をかすめる。
胴に、何かが当たった。
棒。
黄色と黒の縞模様。
それが遮断機だと気づいたときは、既に遅かった。
全速力で走っていた彼女は、勢いあまって前のめりに飛んだ。
耳元で轟音。
高速で踏み切りを横切る列車にぶつかり、少女の胸から先がけしとんだ。
車両が赤色に染まる。
弾き飛ばされた彼女の下半身が、ほどなくしてぼたりと線路わきの地面に落下した。
「最後まで聞かなあかん。
途中で逃げたらあかんゆーたやん」
切断面からどくどくと血を流す少女の下半身に向かい、春日歩は呟いた。
- 36 :名無しさんちゃうねん :2003/08/26(火) 22:52 ID:???
- (((( ;゚Д゚)))なんでこんな線路だらけなんだよぉ!!
- 37 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
- 彼女たちが高校を卒業してから、四ヶ月ほどの時が流れた。
大学生となった彼女たちに、長い夏休みが訪れる。高校の頃の夏休みとは桁
違いの日数を、自由に費やせるのだ。
そこで提案されたのが、みな揃っての旅行である。
皆、例年どおり美浜ちよの別荘に行く心づもりであった。しかし、美浜ちよ
自身が、留学先でごたごたと雑事が絶えぬらしく、都合のあう日がなかったた
め、今年は彼女ぬきで集まることと相成った。
数度にわたる電話やメールのやりとりから定められた事項は次の通り。
集合場所は、海岸沿いの旅館の一室。
集まる人数は、智、暦、春日歩、榊、神楽にかおりんを加えた六人である。
はじめ、暦はかおりんを呼ぶことには否定的であった。なぜなら、現在彼女は
大学受験のため浪人中の身。『天王山』とも呼ばれる夏の貴重な時間のうち数
日を遊んで暮らすのは、かおりんにとってあまりにも危険であると暦は考えた
のである。
しかし、仕切り役の智は、暦の危惧にまるでとりあわなかった。
「去年の夏だって、ちよちゃんの別荘にみんなで行ったじゃん? 数日勉強し
てないからって、どうってことないって。それに受験生にも息抜きは必要だし
さー」
軽口を叩き、直後にかおりんに誘いをかけたのである。
勿論、はじめ、かおりんは遊びに行くことに乗り気ではなかった。
しかし、「榊も来る」と智が告げた途端にかおりんの態度は豹変し、鼻息も
荒く二つ返事で誘いを受け入れたのである。
――彼女の受験生活は、よほど潤いに欠けたものであるようだ。 (1/5)
- 38 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
- 約束の日。
かおりんは、足どりも軽く、集合場所である海岸沿いの旅館に向かった。
夕陽が赤い。一日じゅう夏の日差しを受けとめていたアスファルトの舗道か
ら、むっとする熱気が立ちのぼってくる。地面から流れる暖気の渦が、体全体
にまとわりつきながら空気に溶け込んでゆく。
額から流れる汗を、手にした花柄のハンカチでさっと拭った。
「暑いなあ」
呟いた。
その顔には笑みがのぞいている。
頬が心もち赤いのは、暑さのためばかりではない。
海を眺めながら坂を登りつめると、しばらく先の道筋に旅館が見えた。
「はたごや……はたごや」
手元のメモ用紙と行く先に見える看板の文字を見比べ、確かめる。遠くの文
字がよく見えないので、看板を見やる時に少し目を細めた。勉強のしすぎで少
し視力が落ち……もとい、視力が悪くなったのかもしれない。
ともあれ、行く手に見える旅館は彼女が目指している場所に間違いないとい
うことが確認できた。懐かしい友たち、そして憧れの人と再び会える喜びに、
かおりんはすっかり有頂天になって急ぎ足で坂道を下ったのである。(2/5)
- 39 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
- 302号室。
木目の鮮やかな薄茶色の扉の前に立ち、かおりんは胸に手を当てた。
目を閉じ、大きく息を吸い込む。
ゆっくりと息を吐き終えると、ノブに手を伸ばし、扉を押し開けた。
がちゃと音がして、戸が開く。
玄関と部屋の間に、山の絵が描かれた襖があった。
「来たよー」
声をかけながら、襖を横にひいた。
部屋は畳敷き、中央にテーブルがおかれていて、左側の壁には押入れ、右側
の壁には寝るときにテーブルをたてかけて置けるだけのスペースがあった。部
屋の奥には大きな窓があり、窓の向こうには海の見えるベランダがある。
そして、テーブルの周りには智、暦、大阪、神楽が座っていた。それぞれの
手元に湯のみとカードがある。どうやら、トランプか何かをしているところの
ようだ。
「お、きたかかおりん」
神楽がトランプから目を離し、入ってきたかおりんに声をかけた。
「ひさしぶりー」
他の三人も、続いて挨拶する。
一人足りない。
「あの、榊さんは?」
かおりんは、部屋を見回しながら四人に尋ねた。
答える者はなかった。
皆、顔をうつむけ、黙っている。
「……どうか、した?」
かおりんが問いかけた。四人は頭を寄せ、ひそひそと何か話し合っている。
「どうしたのよー」
「……かおりん、何も聞いてないのか?」
不満げに声を上げたかおりんに、暦が低い声で言った。
「……榊は――、ここに来る途中、交通事故で死んだんだ」 (3/5)
- 40 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
- 放心状態だった。
温泉に入っているときも、夕飯を食べるときも、彼女はうわのそらだった。
他の四人も、元気がない。
そうこうして、間もなく寝る時間がやってきた。
いつもならばはしゃいで枕投げなどをするであろう智も、さすがに今日はお
となしく布団にもぐる。
「それじゃ、電気消すよ」
全員が布団に入ったのを確認して、暦がスイッチに手を伸ばした。
その時である。
扉をノックする音がした。
「は、はい」
「……遅れた……」
かおりんが反射的に起き上がりながらノックに応じると、ドアの向こうから
聞き覚えのある声が聞こえた。低い、静かな声がひとつ――まさしく、それは
ここに来る途中交通事故で死んだはずの榊の声だった。
「榊さん!」
かおりんは、叫ぶと、電気仕掛けの人形のように立ち上がった。
「待て、かおりん!」神楽が遮った。
「あいつは……死んだんだ」暦が静かに呟く。
「ドアを開けちゃだめだかおりん、連れて行かれるぞ」智が布団の中で震えながら叫ぶ。
「こんな時は死んだふりやー」大阪はそう言って目を閉じた。
かおりんは、止まらなかった。
神楽を押しのけ、入り口に走った。
(榊さん――榊さん!)
ドアに飛びつき、鍵を開けた。 (4/5)
- 41 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:52 ID:???
- 目の前に、榊の長身があった。
長い黒髪、切れ長の眼、筋の通った細い鼻、小さな口――
昔のままの、榊だった。
「榊さん……」
かおりんは、うっとりと榊を見つめる。
「……かおりん」
榊が、口を開いた。
「……今回のことは、……残念だったな」
「え?」
「……まだ、聞いてないのか。
あいつら四人は、ここに来る途中、交通事故で……死んだんだ」
「えっ!」
榊の言葉に驚き、振り返って見ると、部屋の中には誰もいなかった。 (5/5)
- 42 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/09/24(水) 02:08 ID:???
- オカ板で見た事があるような・・・
- 43 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 02:28 ID:???
- >>42
(;´д`)マジカヨ
- 44 :名無しさんちゃうねん :2003/09/27(土) 19:24 ID:???
- でも(・∀・)イイ!!
- 45 :名無しさんちゃうねん :2003/10/05(日) 05:03 ID:???
- ゆかり車
みんなでちよちゃんの別荘にいくことになりました。
ゆかり先生と黒澤先生が車で連れて行ってくれることになったんですけど、
ゆかり先生は運転がすごく下手糞だと黒澤先生は言っていました。そのことは、
ゆかり先生の車のいたるところがぼこぼこにひしゃげていることからも想像できます。
じゃんけんに負けた私とちよちゃんは、ゆかり先生の車に乗ることになりました。
バックミラーを何気なく見てみたら、見えるのは運転席にいるゆかり先生のはず
なのに、なぜか知らない男の人が見えるんです。しかも、頭とか口とか鼻とか、
そこらじゅうからだらだらと真っ赤な血を流していて、目玉がほとんど飛び出てるんです。
そして、その男の人は、時々苦しそうに顔を歪めながら、「あー、うー」って呻くんです。
怖なってゆかり先生を呼んでみたら、運転席から振り向いたのはたしかにゆかり先生でした。
それで、「この車、どこで買ったんですかー」って訊いてみたんです。そしたら、
「あー、父さんが中古で買ってきたのよ。なんか事故車らしくて、すごい安かったんだって」
って先生が言ってました。
そらそうや、バックミラーから前の持ち主さんが恨めしそうに見とるで。
とにかくまあ、前の持ち主さんは見てるだけやし、じきに慣れたんです。
でも、今度は他の人が窓の外から覗いてるんです。
時速80キロや。でもぴったり窓にくっついてのぞいとるんです。
おじいさんです。顔中しわだらけで、目じりに目やにがたまってます。
一本も歯の残ってないふにゃふにゃの口で、にやにや笑ってます。
あ、ちよちゃんが気づいた――
「あー! おじいちゃんが、おじいちゃんがー!」
ちよちゃんが叫ぶと、そのおじいさんは、こっちを追い越して走り去ってしまいました。
- 46 :名無しさんちゃうねん :2003/10/05(日) 05:03 ID:???
- 他の別荘
夜です。夏といえば怪談です。
よみちゃんが「なんか怖いの知ってるの?」と聞いてきたので、さっきの
ゆかり車での出来事を話そうかとも思ったのですが、帰りもあの車に乗るとなると
今人に喋ったら悪いことが起こりそうな予感がしたので、やめておきました。
そしたら、ちよちゃんが話しはじめたんです。
「他の別荘の話で、夏にゴキブリが大量発生して、もうそこらじゅう――」
え!
ちよちゃん、なんで知っとるの!?
去年の夏、私の別荘にゴキブリが大発生したこと、なんで知っとるの!?
それで、帰ってみたら家もゴキブリに占領されてて……
倒しても倒しても、次々とゴキブリが出てきます。
占い師さんの話では、どうも私のお父さんがゴキブリの霊に呪われてるらしくて……
そのせいか、私のお父さん、今年の春に死んでしもうたんや。
お父さんが朝起きてこないので部屋に様子を見に行ったら、お父さんの周りに
ゴキブリが山のようにたかってて……。殺虫剤を持ってきて吹きかけたら、生きてる
ゴキブリはみんなにげていったんですけど、うつぶせになってるお父さんをひっくり返してみたら、
耳とか鼻とか口とか、あらゆる穴にゴキブリの死骸がぎっしりつまってました。
あとでわかったことやけど、肺とか胃袋とか腸にもぎっしりゴキブリが入り込んでた
らしくて……。お父さんは、窒息死でした。
結局家を引っ越すことになったんやけど、この話前にちよちゃんにしてたんかな。
- 47 :名無しさんちゃうねん :2003/10/05(日) 05:04 ID:???
- 自白
「ドラマやったらこーゆー状況で連続殺人があったりすんねんなー」
「あーそだなー」
よみちゃんが私の話を聞いてくれてます。
第一の被害者 ともちゃん、そして次々と殺されるみんな……
「犯人は私!」
「……思い出したのか……」
私の言葉に、よみちゃんがぽつりと呟きました。
目が覚めると、血まみれの包丁が私の手に握られてました。腕も服も真っ赤です。
部屋を見渡してみると、みんな血まみれになって死んでました。
ちゃうねん。
これはな……ちゃうねん。
涙が止まりませんでした。
- 48 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/10/05(日) 05:57 ID:???
- >>45-47
こ、怖わぁ〜。
- 49 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/10/05(日) 09:58 ID:???
- 恐っ!
- 50 :◆Chihiro :2003/12/27(土) 16:33 ID:???
- kosoritest
- 51 :♯z :2003/12/27(土) 16:35 ID:???
- kosoritest
- 52 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/12/28(日) 09:17 ID:???
- >>50
>>51
なんだかわかりませんが、阻止しておきますね。
- 53 :名無しさんちゃうねん :2004/01/21(水) 00:45 ID:???
- 保(略
- 54 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2004/01/21(水) 01:48 ID:???
- ここはdat落ちしないから保守しなくても大丈夫ですよー
でももうすぐdat落ち機能が付くという噂。
- 55 :大阪 ◆LNZbyB1zfI :2004/01/23(金) 01:35 ID:???
- 夜中にな。雨が降るような音で目が覚めてん。ザーッザーッてね。
なんや雨かいな、嫌やな思てたら、何かちゃうねんて気がついたんや。
音が近すぎるねん。目を開けたらな、視界の端を何かが通ったんや。
あれは、人の足やった。暗がりではっきりは見えんかったけど、誰かが
四つん這いで歩いてるねん。わたしすぐ泥棒や思うてな、震えとったんや。
せやけどな、何かおかしいねん。ずっとその音はわたしの布団の周りをまわってるねん。
それでわたし、思い切って正体見たろ思うて目を大きく開いたんや。
するとな、どうも私の周りを廻っているのは足だけやねん。正確に言うと
人の腰から下だけやねん。下半身だけが膝をずりながらザーッザーッて這ってるねん。
わたし固まってしもうてな。そんでもずっと音がし続けるねん。
…ザーッザーッザーッザーッザーッザーッ…
もう気が狂いそうになって「ええかげんにせぇ!」って思わず叫びながら
身体を起こしたんや。
で、そっから記憶ないねん。
布団の周りを這っていたのは人の下半身だけやった。ほならやー、上半身は
どこやったんやろ?なんかわたしな、身体を起こした時にものすごく恐ろしい
ものを見たんやないかと思うけど…。ひょっとして残りの上半身?
ずっと私の上に乗ってた…。
あかん怖いわ…。もう思い出すのやめよう…。ほなさいなら。
- 56 :名無しさんちゃうねん :2004/01/23(金) 18:41 ID:???
- >>55
マジで怖いのは止めてくれ〜!
俺も畳の部屋で寝る人間なんだよう。
想像したらめっちゃ怖いやんか〜。
- 57 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:03 ID:???
- 智、神楽、よみの三人は人気の無い雪道をいつものように帰宅していた。
いつもは通らないのだが、今日は智が雪合戦をしたいといって空き地にいったため、この道を通っていた。
「よみ〜また太っただろ!!」
「何を〜〜」
「ほーら、ぷにょんぷにょん!」
そういって、よみの腹をつつく。
「こら〜!」
よみが雪球を投げる。しかし、智は素早くかわし反撃にでた。
ボカッ!ドサッ・・・
智の投げた雪球はよみの顔面に命中、そのままよみは倒れた。
「おいっ!よみ!!大丈夫か!?だいじょ…ぐっ!?」
近寄る智に、よみは立ち上がるや否や、首を片手で締め上げ持ち上げる。
「ぐっ!かふっ…かはぁ…」
「おい!よみ!!止めろ!智が死んじまう!!」
よみの尋常でない行動を神楽が止めようとした、が…
「うわっ!」
よみはもう一方の手で神楽を突き飛ばし、近くの氷柱を手に取り、神楽の腹に突き刺した。!
「かっ…かぐ…」
「に…げろ…」
よみが途切れ途切れの声で智に訴える。
「よみ、一体…?」
「身体の…自由が… もう一人の私が…早く逃げて…」
「もしか…して… 二重人格って…やつか…」
「ああ…智、逃げて…そうじゃないと…」
「ぅ…ぁ…」
智は最後の力を振り絞って氷柱を抜いて、よみに突き刺そうとした。が…
―だめ…それじゃぁよみが死んじゃう。私そんなこと…!!!
ボキィ!
「ぐがっ!」
「智ぉぉぉーーーーーー!!」
よみの力は智の首を絞めるどころか首の骨を砕いてしまった。智の身体は糸の切れたマリオネットのように雪道の上に落ちた…
- 58 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:04 ID:???
- 「ふふふふふ…」
よみが気味悪く笑う。もはや彼女はよみの身体だが、精神はよみではない。彼女は氷柱を手に持って、一歩、また一歩、神楽に近づく。
「やっ…やめ…」
「あーなにやっとるん?」
そう言って出てきたのは大阪だ。それを聞いたよみは大阪の方を向き、氷柱を振りかぶる。
「大阪!危ねぇ!!」
「えっ?」
ザクッ…
神楽は最後の力を振り絞って大阪の前に立ちはだかり、自ら大阪の盾となった。氷柱が今度は神楽の胸を貫いた。
「よっ、よみちゃん!何やっとるん!?」
「逃げるんだ…よみは二重…じんか…く…智もやられ…っっ!!!」
そこまでいったとき、神楽の喉を氷柱が貫いていた。
「かっ、神楽ちゃ…いややぁぁ〜〜〜」
大阪はすぐさまその場を走って家まで逃げていった…
- 59 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:05 ID:???
- 次の朝、大阪はとぼとぼと学校に向かっていた。
―夢や!あんなの、絶対夢や!!
そうだ、あんなことは夢だ。と思い、警察にも電話はしていない。運がいいのか、悪いのか、家族は全員旅行に出かけている。
学校に行ったらいつものように笑顔で迎えてくれるはずだ…
しかし、そう思いながらも、家中の刃物を全て持ってきているのは、どこかでそう信じていない現われなのだろう。
そして、学校につき、玄関にはいろうとしたという時…
ザッザッザッザッ…
その時、後ろから誰かが歩いてくる音が…
―!!まさか!!!
大阪は準備していた包丁を握る。そして…勇気を振り絞って振り返った。
そこに立っていたのは予想していた人物だった。いつもなら冗談でも言って、一緒に教室に行ったことだろう。
しかし、そこに立っているよみの手にはナイフが…
「いややぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大阪はすぐに部屋においてあった刃物を片っ端からよみに投げつける。
ドスッ!ザシュッ!ガスッ!!
よみの身体に次から次へと包丁やらカッターやらが突き刺さる。が、彼女は一歩一歩近づく。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
全ての刃物を使い切った大阪はよみを突き飛ばし、玄関に飛び込んで、階段を駆け上がり、教室へ…
- 60 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:05 ID:???
- 「うわぁ!」
教室に入った瞬間、大阪は床につまずいた。そして、顔に生暖かいものが…
「ちっ、ちよちゃん!!あっ!ゆかり先生!!」
つまずいたのは喉をぱっくりと裂かれたちよの死体…さらにそのそばにはゆかりの生首が…
そして、ベランダには昨日のままの格好で凍り付いている智と神楽…
「いやや!そんな!!」
あたりを見回した。周りは一面血の海。割られた窓の間から吹き込む吹雪で、血は凍り、死体もカチカチである。
「だっ!誰かぁ!誰かぁぁ〜〜!」
大阪は半狂乱になって学校中を駆け回った。
他のクラス、他の学年、教官室…
しかし、どこにも生はなかった。あるのは死体の山。
かおりんも上半身と下半身を真っ二つにされ、にゃも先生は階段から突き落とされたらしく、頭を割られて死んでいた…
「そんな… !!」
その時、よみが来た。体中を刃物に突き刺されながら…ここは倉庫。出口は無い…
「いやっ!よみちゃん!元に戻って!お願いや!!」
大阪は座り込みながら後ずさりをする。
「た…すけ…て…身体が…」
「よみちゃん!がんばって!お願いや…おね…!!」
とうとう、大阪の背中が壁に着いた。
「………」
「よみちゃん!止めて!やめっ…!!」
その時、大阪の喉を熱いものが走った!!
そして、その日の午後…
「午後のニュースをお伝えします。今日、東京都○○区、東高校で生徒、教官、合わせて623人が変死しているのが発見されました。
犯人は今だ不明です。しかし、女子生徒1名の死体が発見されず行方不明となっており…」
- 61 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:08 ID:???
- さぁ、こんなことが貴方の身にもおこらないとは限らない。
二重人格は誰にでもおこりうる…
次にこんなことになるのは貴方かもしれない…
- 62 :名無しさんちゃうねん :2004/01/24(土) 07:44 ID:???
- >>57-60
残酷な話ではありますが、怖さの演出が出来ていません。
これではむしろギャグになってしまいます。
なぜか?
あずまんがのキャラは普通の人間なので、
人間離れしたアクションなどは不可能です。
(首を片手で締め上げ持ち上げる、ひとりで600人以上殺すなど)
ですから人間ではありえない行動をとらせると
それはギャグにしかならないのです。
むしろオリジナルで超人的なキャラクターを使った方が良いでしょう。
(例えばモンスターが暦の姿だけを真似ているなど)
どんな話でもリアリティがないと興ざめしてしまいます。
- 63 :眠い名有り :2004/01/24(土) 11:41 ID:???
- >>62
あれですよ。ほら、人間は力を100%出せていないって。
だから力を100%使えばそのくらいできるかな〜って…
出直してきます。
- 64 :名無しさんちゃうねん :2004/01/24(土) 13:29 ID:???
- ……また藻前か
- 65 :新大阪駅 ◆oSakaLmHFc :2004/01/24(土) 13:55 ID:???
- >>57〜>>60怖かないがおもしろいのでグッドっぽい
- 66 :名無しさんちゃうねん :2004/01/25(日) 23:16 ID:???
- 家で一人勉強していると、携帯が鳴った。智からだった。
昼間のちよちゃんの家でのことを詫びていた。
「…だからさ。ごめんよ、よみ。元気出してくれな。」
「あぁ、いいよ別に。いつものことじゃないか。もう気にしてないよ。」
「そ、そっか…。…?あれ?」
「どした?」
「そっち誰か居るの?」
「いや、一人で勉強していたんだが?」
「え?だってよみ以外の声がするよ?」
「あぁ、ラジオだろ。今聞きながら勉強してるんだよ。」
「え…。でもさぁ。」
「なんだ?」
「その声、『こっち見て、こっち見て』って笑いながら言ってるんだよ…」
〜終〜
- 67 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 13:23 ID:???
- あう…。ちょっと会話が変。修正します。
家で一人勉強していると、携帯が鳴った。智からだった。
昼間のちよちゃんの家でのことを詫びていた。
「…だからさ。ごめんよ、よみ。元気出してくれな。」
「あぁ、いいよ別に。いつものことじゃないか。もう気にしてないよ。」
「そ、そっか…。…?あれ?」
「どした?」
「そっち誰か居るの?」
「いや、一人だが?」
「え?だってよみ以外の声がするよ?」
「あぁ、ラジオだろ。聞きながら勉強してるんだよ。」
「え…。でもさぁ。」
「なんだ?」
「その声、『こっち見て、こっち見て』って笑い声で言ってるんだよ…」
〜終〜
- 68 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 14:28 ID:???
- >>66-67
修正しなくても十分怖いです。
なんか想像したらどんどん怖くなってきた……。
- 69 :潜む者@ :2004/01/26(月) 19:34 ID:???
- 学校の帰り道、よみは1人で歩いて帰っていた。腐れ縁の智は、今日は大阪と一緒に駅前へ寄り道をしている。
久しぶりに物思いに耽りながらの静かな帰り道だった。
「なんだかショボくれたおっさんだなぁ」
よみは歩きながら思った。
ショボくれたおっさんというのは、しばらく前からよみの前を歩いている男のことである。
その男は背は高いが猫背気味で、ヨレヨレのスーツを着ていた。全体の雰囲気から中年ぐらいの男に思える。
その後ろ姿は古文担当の木村先生に似ているが、違うのはスーツがつんつるてんなところだ。
ファッションとかのレベルでは無く、サイズが2周りは小さいのではないかというくらいに袖の短いスーツを着ている。
ヤバイおっさんかも知れないと思い、よみは男を追い越さないように気を付けながら歩いた。
どのくらい経っただろうか。男は依然とよみの前をヒョコヒョコ歩いている。どうやら、男の目的地はよみの自宅の方向
のようである。
「こんなおっさん近所にいただろうか?」
よみの記憶では、こんな男に心当たりはない。挙動不審な人間が近所に住んでいれば、近所づきあいが薄れている現代とは
言え、うわさとして耳に入る。が、こんな男については記憶に無い。
「ま、どうでもいいか。」
同年代の男ならまだしも、ショボくれた中年男に興味を持つことが馬鹿馬鹿しくなったよみは、その男についてあれこれ考える
のを止めた。自宅への道の最後の曲がり角を曲がるまでは、完全に関心を無くしていた。
- 70 :潜む者A :2004/01/26(月) 19:34 ID:???
- 最後の曲がり角を曲がったとき、よみは信じ難い光景を見た。前方を歩いていた男が突然1軒の家の門扉をすり抜けるように
入って行ったのである。その家はよみの自宅であった。
「な?!あぁん?なんだ、あのおっさん!」
男は門扉脇の呼び鈴を鳴らすでもなく、すっと入っていった。空き巣だろうか?今日は両親の帰りは遅い。留守番はよみの
仕事である。普通の女の子ならここで近所に駆け込むか、携帯で警察を呼ぶかするところだろうが、よみは不審人物との
対決姿勢を高めていた。自宅の門扉まで走り、用心しながらも中に入る。時間的にも男はまだ家には入っていないはずだ。
表には人影は無かった。よみは庭に練習用に置いてある父親の安物のゴルフクラブを手に取ると、家の裏に回った。
しかし、人影はなかった。その後、家の周囲を何回か回ったが、不審な人物を見つけることは出来なかった。
「おっかしーなー。確かに入ったのを見たのに…」
よみはこの出来事の合理的に処理しようとし、自分が裏に回っている内に外に出ていったとストーリーで納得することにした。
ポケットから鍵を出すと鍵穴に差し込み捻る。カチャっという音と共に鍵が解除された。玄関は鍵が掛かっているのである。
中に入られたということは無いだろう。そう思ってよみは靴を脱ぎ、家に上がった。
バタン!!
戸が閉まる大きな音がした。突然の物音に、よみは思わず固まった。音のした方を見ると父親の書斎の方だった。
「な、中に入ってやがったのか?」
よみは玄関の傘立てに挿してある木刀を手に取ると、恐る恐る父親の書斎へ行った。勢いよくドアを開け木刀を構える。
が、何も気配はない。書斎を見回すが、人影はない。机の下も見たが何も居なかった。人が隠れられそうなところは
無かった。父親のクローゼットを除けば…。
- 71 :潜む者B :2004/01/26(月) 19:35 ID:???
- 父親のクローゼットは大きい。紳士服を入れるものだからそれは当然だろう。人間2人くらいは隠れることが出来そうだ。
よみは開けたらすぐ離れて何が飛び出しても木刀で打ち据える事が出来るよう、頭の中でシュミレーションを繰り返しながら
心の準備をした。覚悟が出来たところで、思い切ってクローゼットを開き、すぐさま木刀を上段に構えた。
しかし、何も居なかった。ただ、父親の紳士服やコート、Yシャツがいくつも下がっているだけであった。木刀の先でつついてみたが
服の陰に誰かが隠れている様子もなかった。
「わかわからん…。疲れてるのかな…」
ドアの閉まる音は空耳だったかも知れない。いや、空耳だったんだ。よみは自分にそう言い聞かせながら、クローゼットの戸を閉めた。
そして、ふとクローゼットの戸を見たときに、よみは眼鏡がずり落ちそうになった。
クローゼットの戸の下から、スーツの裾がはみ出していた。さっき開けたときはスーツは全て突っ張り棒に掛かっており、戸の下から
裾がはみ出るようなスーツは無かったはずだ。誰かがそこでスーツを着たまましゃがんでいるのでなければ…。
よみが見ている前で、はみ出したスーツの裾は、ズッズッと中に引っ込んでいった。
よみはゆっくり踵を返すと書斎を出、靴を履き、木刀を傘立てに戻し、外に出た。玄関の鍵を掛けると、隣の智の家へ向かった。
ちょうど智は帰ってきていたので、部屋に上がらせて貰った。そしてそのまま両親が帰ってくるまでよみは智の部屋に居座った。
智は相変わらずの馬鹿話でよみをからかったりしていたが、この時ばかりは智の馬鹿話も、よみにとっては救いになった。
(終)
- 72 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 20:03 ID:ez-SomWfG7c
- >>69-71
読者が気になるところをあえて伏せておくのが
良いですね。
気になって夜も眠れそうにありません。
- 73 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 22:49 ID:???
- 俺なら放火して自宅ごとオッサンを燃やしちまうな……
- 74 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/26(月) 23:35 ID:???
- ども。66と67、69-71を書いた者です。
>>72
お褒めに預かり恐縮です。ありがとうございます。
本当に怖い怪談というものは、やはり、聞き手の想像力を煽るような話だと思います。
敢えて正体をボカす。真相は明らかにしない。これが原則だと思ってます。
>>73
燃える相手なら、ね…。
- 75 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:09 ID:???
- 「記念写真1」
2学期が始まって…。ある日の昼休み。
「お〜い。夏の別荘の写真出来たぞー」
「わー。智ちゃんありがとう」
「はい、これ大阪の分ね」
「智ちゃん、おおきにー」
「これちよちゃんの」
「ありがとうございます」
「これは〜っと、よみ」
「サンキュッ」
「神楽はこれ」
「おっ。サンキュー」
「榊ちゃんはこれ」
「…ありがとう」
「去年は榊ちゃんの後ろに怖いものが写ってたやんか〜。今年はどうやろな?」
「え…」」
「今年は、あたしもよく見たけどさー。残念ながら無かったよん」
「そっか〜。残念やな〜」
「…よかった…」
「…ん?何か変やな…。ん?」
「どした?大阪」
「ん。何でもあらへん。何でもあらへんよ」
- 76 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:09 ID:???
- 「記念写真2」
下校時。
「あんな〜みんな。私あれからずっと写真見てたんやけどな〜」
「大阪…。おまえ授業中珍しく起きてると思ったら、そんなことしてたのか」
「ん〜。昼休みにパ〜と写真を見てた時に、ちょっと引っかかる写真があったんやわ〜
で、どうしても気になってしもて」
「え?なになに。心霊写真見つけたの?」
「う〜ん。それがよくわからへんねん」
「わからん…ってどういうことだよ」
「この写真なんやけど」
「帰りに撮った集合写真じゃん。これがどうかしたのか?」
「わからんかな〜?よく見てみ」
「誰のものでもない手とか足でも写ってたのかな?」
「じゃあしらみつぶしにチェックしてみようぜ」
「あ〜。そーやなくてー」
「言うな言うな。大阪に分かって私に分からんのは悔しい。まだ言うなよ」
「まずよみの周り!…特に何も無いな〜」
「智の周り…も別に写ってないな…」
「最有力の榊ちゃんの周り…もないね」
「大阪の周り…もない」
「私の周りもないですねー」
「あたしも無いよ」
「にゃもちゃんも…ないね」
「ゆかり先生…もないな」
「ん〜?何か他にも写ってるか?」
「……。あ…!(ブルブルブル)」
「あ〜榊ちゃんは気付いたようやな」
「え?榊さんも?え〜何だろ…。…!あ、あ、あぁ…」
「え?何だよ?おまえら3人何怖がってんだよ。この写真の何がおかしいんだよ?」
「よみさん…。この写真。全員が写ってますよね…」
「あぁ。全員が写ってるよ。それがどうかした…。!!」
「気付きましたか。この写真…一体誰が撮ったんでしょう?」
「た、確かにゃも先生が、自分は他所のクラスだからって、撮ってくれた覚えが…」
「じゃ、じゃぁ…ここに写ってるにゃも先生って一体…?」
-終-
- 77 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:57 ID:???
- 赤い女 其の1
「あんな〜。私、最近気になることがあるねん」
と大阪が窓枠に腰掛けながらそう言った。
薄曇の、今にも雨が降りそうな日曜の午後。ちよ、暦、智、榊、神楽、大阪の6人は
珍しく大阪の自宅へ集まって過ごしていた。
智が突発的に立てた企画「あなたのお部屋に訪問」で集まることになったのだ。
もちろん目的などはない。集まってお菓子をつまみながら話をしていた。
話のネタが尽き、6人が6人とも思い思いに過ごしている時、大阪が切り出したのだ。
「な〜に〜。ちょっとお姉さんに話してみ」
「また、大阪の気になる話か。まぁいいや、ちょうど退屈してたところだ。で、何が気になるの」
「私な。東京へ越してきてもう2年経つやんか」
「そうですね。もう2年になるんですね」
「越してきたばかりの頃はな、こうして窓から外を眺めてな、大阪と東京の違いってなんなん
やろ?って考えてたんやわ」
「ふ〜ん。それで?」
「で、いつの間にやら窓の外を眺めるゆうんが私の習慣になってしもたんや」
「?あぁ。そうなの。で?」
「最近は、町並みよりも、この窓の下に見える細い路地を眺めてるんや。ネコとかも通るんやで」
「…ネコさんの集まる路…」
「ん。ネコも多いけど、たまに人も通るんや」
「そ、そりゃぁ通るだろ」
「でな、最近気付いたんやけど。ちょうど今日みたいな曇りの日で、雨が降り始めるとこの通りを
同じ人が通るねん」
「ふ〜ん」
「その人、全身赤で統一した服装でな。スカートはいてたから女の人やと思うんやけど」
「それはまた派手だな」
「いつも広い通りの方から、この細い通りの方へ、あっちからそっちへ歩いていくねん」
「…それで?」
「30分ぐらいするとな。また、通りのほうから同じ格好をした人があっちからそっちへ歩いてくねん」
「ふーん。このへんをぐるぐる散歩してるんかね?」
「多い時は1時間に3回くらい見かけるねん」
- 78 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:57 ID:???
- 赤い女 其の2
「か〜っ。大阪〜。おまえずっと見てたのかよ。そんなのよく眺めてられるな。暇な奴〜」
「何を話したかったのかよく分かりませんでしたが、変わった人もいるんですね」
「大阪も変わってるよ!」
5人は大阪の話を、いつものわけの分からない話として流した。
空が暗くなってきて、ポツポツと雨が降り始めた。
部屋が薄暗くなったが、部屋の主である大阪は明かりを点けようとしない。
「あんな…」
「あん?まだ続きがあるのか?」
「この通りな…。ちょっと行くと袋小路やねん」
「?」
「高い塀に囲まれて行き止まりやねん」
雨の降りがやや強くなり、窓の外からサーーッという音がした。
「この先、行き止まりなのに、あの赤い服を着た女の人、何度も何度も広い通りから、行き止まりの
細い通りに入ってくるねん」
部屋は次第に暗さを増してくる。
「ずっと見ててもな…逆に広い通りに出て行くのは見てないねん」
部屋の空気が粘り気を帯びたように重くなってきた。
「あの人、どうやって行き止まりの道から広い通りに戻ってるんやろな?」
薄明るい窓を背景に、大阪のシルエットが浮かび上がっている。みな、大阪から目を離せなくなっている。
沈黙の中、サーーッという雨の音のみが響いている。
「あの女の人、何のために行き止まりの道へ何度も入って行くんやろな」
暗い大阪の影の中、話を続ける大阪の白い歯だけが浮かび上がっている。
「な?不思議やろ?」
雨足は少しずつ強くなって行った。
「そろそろ…。来そうやな…」
大阪が口の端を吊り上げながら笑ったように見えた。
(終)
- 79 :名無しさんちゃうねん :2004/01/27(火) 07:10 ID:???
- >>75-76は怪談のポイントはきっちり押さえてあるものの、
お話自体は無難なものだと思います。
しかし>>77-78は本当に怖い。
赤い服、雨、袋小路などの恐怖を連想させるキーワードの使い方や
謎が謎のまま残る歯切れの悪さなどが実に巧みです。
大阪の謎の笑みが短編の締めくくりにピタリとはまっていますね。
- 80 :名無しさんちゃうねん :2004/01/27(火) 12:13 ID:???
- 「それにしても榊ちゃんが あたしの家に来てくれたなんてびっくりやった〜」
「ん?なに?大阪の家に榊ちゃん来たの?」
「せやで〜 あたしがともちゃんから借りたビデオを見てたらな〜」
「うんうん」
「なんや井戸みたいなのんが写ってて…」
(私そんなビデオ貸したっけ……?)
「その井戸から髪の長い女の人がでてきてん そうしたらTV画面から這い出てきたんや〜」
「……へ?」
「それでな?はじめは誰かわからへんかったんやけど……
髪が長い知り合いいうたら榊ちゃんやーってピンときたんや〜」
「……それでどうしたんだ?」
「とりあえず座ってもらってー ジュースとお菓子をだしてあげた〜
そうしたら爪が剥がれてたみたいやから…… 手当てしてあげてー
あと 少し汚かったからお風呂に入れてあげたで〜」
「ふ、ふーん……それでどうしたんだ……?」
「そうしたらなー?榊ちゃんが妙に低い声で…」
『……………もういいよ…』
「って言ってTVの中に帰ってしもた〜」
「………あんた……すごいな… ついでにそれ榊ちゃん違うと思うぞ?」
「あーやっぱりなー…… 榊ちゃん前髪あんな長くしてへんもんな〜」
「目の付け所が………ちょっと違う」
- 81 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 01:09 ID:???
- >>79
ん〜。ご指摘の通り、「記念写真」はオーソドックスな怪談話です。
あずまんがのキャラたちに当てはめて書いてみましたが、
もうちょっとシンプルに書いたほうが良かったかな?
「赤い女」は、むか〜しラジオか何かで聞いた話を、うろ覚えで
思い起こして書きました。元の話はオチがあったような気がするんですが
忘れてしまいましたので。
- 82 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:01 ID:???
- よみの不合格のわけ
よみはホテルの一室で、赤本のチェックに余念が無かった。
時刻はすでに夜中の11時を廻っている。
よみが滑り止めのつもりで選んだ大学は、朝イチで行くには少しばかり遠かった。
そのため、今回に限り、大学近辺のホテルに一泊することになった。
宿泊先として選んだホテルは、この時期になると受験生向けに営業展開をしている
ごく一般的なビジネスホテルだった。部屋の中にはベッドとちょっと仕事が出来る程度の机、
ユニットバス一式が揃っており、更によみが予約したホテルの部屋はユニットバスの前に大き
な姿見が掛けてあるので、チェックアウト前に身だしなみを整えられるようになっている。
「ん〜〜〜っ。もう11時半か。明日に備えてそろそろ寝るか」
よみは明日の準備を整えた後、伸びをすると軽くストレッチをした。そして、ベッドに潜り込ん
で、枕元のスイッチを切って部屋の明かりを全て消した。
よみは真っ暗でないと眠れない性質なのだ。
- 83 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:02 ID:???
- よみの不合格のわけ 其の2
…ピチョン、…ピチョン、…ピチョン…
水が滴るような音で、よみは目が覚めた。枕もとの携帯電話を見ると午前2時を差していた。
「あれ?蛇口の栓、ちゃんと締めて無かったかな…」
よみはふとんを出るとメガネをかけ、明かりも点けずにそのままスタスタとユニットバスの戸の
前に立った。
…ピチョン、…ピチョン、…ピチョン…
音は中から聞こえてくる。戸の側のスイッチを入れて戸を開けると、ユニットバスの蛇口から
水滴が滴っていた。栓をきつく締めたが、水滴は止まらない。しばし蛇口付近を眺めていた
よみは、シャワーと蛇口を切り替えるレバーを強く蛇口側にひねってみた。
果たして、蛇口からは勢いよく水が出、すぐに止まった。シャワーのホースに溜まっていた
水が原因のようだった。原因が分かったのにホッとし、また原因を見事突き止めた自分に
「冴えてる冴えてる。今日の試験は大丈夫だ」などと嬉しくなり、よみは意気揚々とユニットバス
から出た。
戸を閉め、スイッチを切り、ベッドに向かう。途中、姿見に映った自分が目に入った。
姿見はよみの全身をはっきりと映し出していた。よみはまっすぐ立ってみたり、
ちょっとポーズをとってみたりした。
「勉強に根を詰めてたからな。少しはダイエットになったかな」
腰に手を当てたりして入念にチェックする。一通り気の済むまでチェックしたが、
こんなことしてる場合じゃないと気付き、そそくさとベッドに潜った。
- 84 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:05 ID:???
- よみの不合格のわけ 其の3
「ん?」
何かがよみの心に引っかかった。しばらく天井を眺めていたよみは、急激に自分の心に不安な
気持ちが膨れ上がるのを感じた。
何かがおかしい。
よみは上体を起こした。そして目を凝らしながら部屋を見回した。
真っ暗である。
多少、カーテンの隙間から漏れる夜明かりで朧気に室内の様子は分かる程度である。
ベッドから姿見の位置は見えるが、姿見は黒い四角い板にしか見えない。
なぜ、あの暗闇の中で、自分は姿見にはっきりと映っていたのか。パジャマの柄までもはっきりと
映っていたのか。部屋は真っ暗だったのに…。
よみはふとんを頭まで被った。
必死で眠ろうとしたが、鏡の件を合理的に納得できず、なかなか寝付けなかった。
試験の結果は無残だった。
以来、よみは明かりを点けたまま寝るようになった。
(終)
- 85 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 08:11 ID:???
- >>80
怖い話のあとに読むとホッとするような話ですね。
大阪らしさがよく出てます。
>>81
元ネタの方にはオチがあったのですか……。
でも>>77-78のほうが完成度は高いと思いますね。
>>82-84
少し話の流れが苦しいですね。
映らないはずのものが映っていた、というのが伝わりにくいせいでしょうか。
読者を誘導するような仕掛けがあると良いでしょう。
- 86 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 12:58 ID:???
- いや、ここ最近の全部素晴らしいと思う。
つーか、何だこのスレ!?
レベル高過ぎ
- 87 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 14:57 ID:???
- >>85
う〜ん。苦しかったですか。
読み返してみると確かにそうかも…。
元ネタは先輩に聞いた話で、サラリーマンが主人公でした。
真っ暗闇の中で見えるはずのない自分の身だしなみを整えて
寝るときにその異常さにハっと気づくという話です。
もうちっとよく推敲してみますね。
厳しい意見ですが、参考になりました。
- 88 :85 :2004/01/28(水) 16:27 ID:???
- >>87
苦しい、というのはあくまで怪談としての部分ですから……。
あまり気にしないでください。
それよりも暦の裏話としての部分が良く書けていると思います。
- 89 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 23:46 ID:???
- 全然怖くないですが…
「花粉症」
花粉症の季節がやってきた。
症状が目に来る人も大変だが、鼻に来る人も大変だ。
よみは鼻に来る方で、日中は薬で抑えているが、
家に帰ればティッシュ箱を抱えて過ごしている。
ある休日、その日も鼻水が止まらないよみは
ティッシュを傍に置きながら自室で本を読んでいた。
さっき新品を開けたばかりのティッシュは、もう残り
わずかしかない。
何回かかんでいたらラスト一枚になってしまった。
紙を引っ張ると抵抗があった。おかしいと思いながらも
強引に引っ張ったら難なくとれた。
が、次の瞬間箱から白い手がすっと伸びティッシュをつかんだ。
呆気にとられるよみをよそに、その白い手は箱に引っ込んでいった。
ち〜ん……。……へーちょ…。
箱からくしゃみが聴こえた気がした。
〜終〜
- 90 :伯爵 :2004/01/29(木) 12:03 ID:???
- こう言うのは好きですw
- 91 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 18:05 ID:???
- >>82->>84
おい!
これ読んだら、夜暗がりで鏡が視界に入るのが
怖くなっちまったじゃねーかよ…
どうしてくれるの〜?!
- 92 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 19:20 ID:???
- >>91
スレの素人
- 93 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 21:40 ID:???
- >>92
レスじゃぁ・・・
- 94 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/30(金) 02:16 ID:???
- 「覗き」
学校で天文部に入っているかおりんは、自宅にも自分の天体望遠鏡を持っている。
学校に入って間もなく父親から贈られたものだ。
星が見える夜は天体観測をするのが日課になっているかおりんだが、最近は覘きというよからぬことも
日課にしていた。
きっかけはちょっとした好奇心だった。
「榊さんの家は遠いけど、ひょっとして窓から見えるのかな」
天体を眺めるのと、クラスメイトの榊へ一方的に憧れることは似ているのだろう。
かおりんの自宅は町ではやや高台にあり、町内を一望できる。
かおりんはすぐさま、クラス名簿の住所と地図を照らし合わせ、それを窓からの風景に置き換え、
という窓の景色から榊の家を特定する作業に没頭し始めた。まるでいつも星を探す時のように…。
その時は結局、榊の家がかおりんの自室からでは窓の中が見えない角度であることが分かり、
目的は達成できなかったが、かおりんはそれ以来、他所様のプライベートを覗き見る面白さという
ものを知ってしまった。
その日も一通りの天体観測を済ませた後、天体望遠鏡を自室に持ち帰って窓際にセットし、明かりを
消して覗き見を始めた。
「今日はどのへんを見ようかしら…」
望遠鏡には次々と、他人の生活風景が飛び込んで来る。
テレビを見てくつろいでいる人、風呂上りのおっさん、机に向かって勉強している様子、etc...。
他愛もない風景だが、それが面白い。
「あら?榊さんそっくり…」
あるコーポの窓を覘くと、こちらに背を向けてソファーに座り、テレビを見ているらしい女性が見えた。
髪が長く、様子から見て背も高そうに見えたので榊さんそっくりだと思い込んだのだ。
「どんな人なんだろう…。こっち向かないかしら。」
ドキドキと期待しながら、しばらく様子を見ていた。しかし、その女の人に動きは無かった。というより
微動だにしない。たいてい、途中で姿勢を変えたりするのだが、そういう様子はない。
「あれ?テレビを見ているんじゃないのかな…」
かおりんはしばらく見ていて気付いたが、その女の人の前にあるテレビらしきモノは画面が真っ暗だった。
- 95 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/30(金) 02:19 ID:???
- 「覘き」其の2
何分ぐらい眺めていただろうか。女の人は相変わらずソファーに座ったまま微動だにしない。
一向に動かない女の人に、かおりんもさすがに興味を失った。
しかし、もう止めようと思った頃、女の人が突然立ち上がった。そして直後その部屋の明かりが消えた。
消える寸前女の人がこちらを振り返ったように見えた。
急に室内が寒くなった。夏だというのに鳥肌が立ってくる。
同時に何か腐敗したような匂いも漂ってきた。
背後に何かの気配を感じたのと、かおりんの両肩に突然手が置かれたのはほぼ同時だった。
ぞっとするほど冷たい手だった。かおりんは思わず小さな悲鳴を上げて固まってしまう。
「覘いちゃ…ダ・メ・ヨ」
ややくぐもっているが若い女の人のような声がかおりんの頭上から聞こえた。
「でもそんなに私が見たいなら…。見せてあげる…」
手が肩を掴み、かおりんを後ろに向けさせようとする。
(見たらヤバい。絶対にヤバい)
かおりんは足を踏ん張って振り向くまいと必死で抵抗た。しかし肩を掴む手の力は強く
徐々に徐々に振り向かされる。それでもせめて首だけとも、顔を必死で背ける。
突然視界が暗闇に覆われた。暗闇の正体が長い髪の毛に覆われたことによるものと気付くのに
しばし時間を要した。突然視界を遮られ、かおりんは恐慌に陥った。
頭上から小さな柔らかいものがポロポロ落ちてくる。それは首筋などに容赦なく進入してくる。
てに落ちてきたものを見るとウジだった。ウジに驚いた瞬間、かおりんは頭を掴まれ
上を向けさせられた。
ガン!ドターン!!バタッ!ドドドドドッ
かおりんの両親が居間でくつろいでいると、階段から転げ落ちるように娘が駆け下りてきた。
顔は青ざめ、目は大きく見開き、口は何かを言おうとしているが声にならない様子で、荒い息をしながら
階段前の廊下に倒れていた。娘のただならぬ様子に、父親が用心しながら2階を見回ったが特に何も無かった。
両親が事情を聞こうとしても、かおりんは「きょ、今日は下で寝させて…」というだけで何も分からない。
結局何があったのか両親は聞きだせず、とりあえず娘を1階で休ませることになった。
これを機にかおりんは覗きをきっぱりと止めた。
あのコーポの例の部屋は、昼間に通ると空き室となっていた。
おそらくは何かあったんだろう。
しかしそれを調べてみるよりは、あの時のなにもかもを忘れてしまいたい
かおりんだった。特にあの時上を向いて見てしまったものについては…
(終)
- 96 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/30(金) 02:24 ID:???
- 予告
次に怖い目に合うのは、にゃも。
- 97 :伯爵 :2004/01/30(金) 02:38 ID:???
- かおりんっぽいひどい目の会い方ですなw
思わず対抗意識が芽生えてしまうじゃないですか(←子供)
では、私も今晩中に一つ。
- 98 :『一つ目』 :2004/01/30(金) 05:40 ID:???
- 目を閉じて深い闇の中に落ちていく。
深く息を吸って四つ数えて、気管を締めないで一秒
息を止めてゆっくりはきながらまた四つ。意識の区切
り呼吸の区切りをしてしまわないように気を付けて。
そうしておいて闇の中に投射する。力の赤い三角形、
知恵の黄色い四角形。
夜の闇の中で智の胸元が深い呼吸に上下した。
魔法使いになる本。
智がそんな題名の本を見つけたのは、学校の図
書室の単行本コーナーだった。古い書棚の一角に
ひっそりと置かれたその本は陳腐な題名とは裏腹に、
表紙のデザインがかなりこっており、中身も緻密な
銅版画が大部分をしめる興味深い本だった。
「魔法使いになる方法、か」
図書室から借りて読んでみようと思ったのは興味と、
ありえないとは思いつつも願望があった結果である。
魔法使いになれるかもしれない。
一読して理解が難しく、それでも自分なりの儀式が
出来るようになったのはつい最近のことである。
と言っても本に書いてあるとおりではなく、(罪人
の左腕とか刑場の土なんてどうすればいいのだ! )適
当にアレンジしたものだ。
特殊な呼吸と瞑想を真っ暗な部屋の中で横になって行なう。
細かな部分をかなり省いたが、これでも十分効果があるはずだ。
現に魔術の象徴の図形を暗闇の中に描き出すことが出来るよう
になった。
「これさえ出来るようになればもうあっという間だって書いてあったな♪」
このイメージを暗闇の中に投影していけば遥か異世界への扉が
開かれるという。魔法使いになるためにはそこで力を手に入れな
くてはならないのだ。
「ヨッド・ヘー・バウ・ヘー」
暗闇に智の声が溶ける。 ふわりと体が浮いた。
- 99 :『一つ目』 :2004/01/30(金) 05:47 ID:???
- 浮いたのはイメージの身体だ。
世界が後ろに飛び去っていく。
闇の向こう側白い点が見える。
白い点は地平線へと変わって。
智はくるくると宙を舞い上り。
その彼方のなる闇へまた闇と。
吸い込まれていく闇の果てはぐんぐん迫ってきて。
その闇が瞼を開いた。
闇と目が合った。
目に吸い込まれる前に、目が覚める。
手にはべっそりと汗をかいていた。
「そんなことがあったんだよー」
ちよちゃんの別荘で智がこの話をしたのは、怪談話を
せがむ大阪に答えての事。しかし、智がこの話を二度と
しなかったのは、自己の体験に比べて皆がそれほど怖がって
くれなかったからではない。
その日同じものをみてしまったからだ。
- 100 :名無しさんちゃうねん :2004/01/30(金) 12:55 ID:???
- >>99
ごめん…。どこらへんが怖いのかよく分からない。
闇=大阪の目だったってこと?
- 101 :名無しさんちゃうねん :2004/01/30(金) 16:32 ID:???
- >>98-99
智が魔術を使うシーンは神秘的な雰囲気がよく出ていますね。
一つ目、というのは異世界への扉のことなんでしょうか?
(闇が瞼を開いた、とか……)
恐ろしいモノのイメージが伝わりきっていないためか
少し尻切れとんぼな印象なのが残念です。
- 102 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/31(土) 01:39 ID:???
- フリーマーケット
黒沢みなもは、一人暮らしに女性にはよくあることだが、
室内用の雑貨で自室をコーディネートする趣味がある。
休日ともなれば、特に学校に用事が無い限り、雑貨屋巡りをして過ごすことも多い。
最近では、雑貨屋に飽きたらず、より掘り出し物の一品を求めて
骨董市やフリーマーケットにも足を運ぶようになってきた。
気に入った物が見つかれば、多少値が張っても購入する。
ここいらへんは、同僚の谷崎ゆかりとは対照的である。
とあるフリーマーケットで、みなもは気になるチェストを見つけた。
小型でデザインはやや東南アジア風だが、自室の壁紙や家具類と並べてみても調和しそうに思えた。
少々提示額が高かったが、売り出し人と交渉した結果、あれよあれよと値を下げられ、
最終的には提示の3割で購入できた。
この時、妙に売り出し人がこのチェスト手放したがっているような気がしたが、
この時はあまり気にしなかった。
家に帰り、さっそくチェストを壁際に置いてみる。
思っていた以上に他の家具類と調和して見えた。
みなもは良い買い物が出来たので、満足げに頷いた。
その日の深夜、みなもは人がボソボソと話す声で目が覚めた。
複数の人間が声を潜めて話をしているようだった。
隣室へ気遣って声を潜めているのかも知れないが、こういう時は却って
声を潜めている方が耳障りな場合もある。
気にはなったが、抗議しに行くのも面倒だったので、その日はそのまま寝た。
翌日の晩も人の声で目が覚めた。
隣室に抗議しようかと思ったが、相手も一応は声を潜めているので
こちらの抗議を伝えるのは難しそうだとも思い、この日も我慢することにした。
その翌日も、翌々日も深夜に人の声で目が覚めた。
トータルでは十分睡眠時間を取っているとはいえ、途中で起こされるのは気分が悪いものである。
実際みなもとしては少々寝不足感があった。
学校でもイライラして些細なことで生徒を叱ったりしてしまった。
- 103 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/31(土) 01:40 ID:???
- フリーマーケット 其の2
「今日こそは抗議してやろう」
みなもは意を決すると、隣室を訪ねた。
何回か呼び鈴を鳴らすと、水商売風の女が出てきた。
言葉を選びながらみなもが抗議すると、相手もやんわりとそんなはずは無いと否定してきた。
深夜は仕事に行っており留守なのだという。
ラジオを点けっ放しにしていないかとも疑ったが、それも否定された。
そもそも、防音完備のマンションでそれはないだろうとも付け加えられた。
結局それ以上追求できなかったみなもは、その場は引き下がった。
その晩も声は聞こえてきた。みなもはベッドから抜け出すと、声の発生源を探して出した。
隣室側の壁に耳を当ててみたが、壁からは聞こえてこない。
どうやら、室内から聞こえているようである。
「私のラジオかしら」
オーディオを見たが、今電源は入れていない。
みなもは手を耳に当て、神経を集中して音源を探っていった。
するとおおよその音源の方向が掴めた。
その先にはフリーマーケットで買ったチェストがあった。
「買ったときには気付かなかったけど、小型のラジオでも入っていたかしら」
引き出しに手を掛け、引いてみると予想外に重かった。
「あれ、大したもの入れてないのに?」
勢いをつけて引き出しを引いた。
中では男女6人の生首が話をしていた。
みなもは腰が抜けて、その場に尻餅をついた。
その音に、生首はいっせいにみなもの方を向いた。
そして目が合うと、白い歯を見せてゲラゲラと笑い出した。
窓から差し込んだ朝日で、みなもは目が覚めた。床で仰向けになっていた。
どうやらあれから気絶していたようだった。
恐る恐るチェストを見たが、別段何も入っていない。
次の休日、みなもはチェストをフリーマーケットに売りに出した。
捨てると何かありそうだし、寺で供養しようにもやったことがないし、だいいち
話を信じてもらえるかどうか怪しい。それに割り引かれたとはいえ結構な金を
払って買ったものであるから、みなもとしては損害を取り返したかったのが本音だったのかもしれない。
なんともハタ迷惑な聖職者らしからぬ行動なのだが、自分の奇怪な体験を理由に
相手を気遣って売らないと判断するほどにはあれを信じたわけでもなかった。
ただ、気味が悪いので売りに出すのだ。
チェストはみなもが購入した額より高く売れた。
- 104 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/31(土) 01:43 ID:???
- すいません。ちょこっと訂正。
其の2
2段落目の1行目末
×「音の発生源を探して出した」
○「音の発生源を探し始めた」
ついでに次回予告
次に怖い目に合う人は、神楽さん。の、予定。
- 105 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/31(土) 01:48 ID:???
- >>98-99
乙です。
いやぁ、自分のと比べると表現力が数段上ですね。
こんなふうに書けるようになりたいです。
でもごめんなさい。
私も>>100同様、どこが怖い点なのか今ひとつ分かりませんでした。
- 106 :伯爵 :2004/01/31(土) 02:05 ID:???
- >>105
ならびに皆々様。
確かに怖くなかったですね。猛省しております。
自己の体験をあずキャラに投影したのが無理の始まりでしょう。
一時期魔術の実験をしていた頃がある。
横になって暗闇に思いを馳せると、遥か彼方に
小さな光の点があった。
じっと見詰めると、ずんずん近づいてくる。
ようやくわかった。あれは誰かの目だ。
闇の中の目。じろりと私をみた。
急いで瞑想を解くと、手足にべっそり脂汗が浮いている。
その目を思い出した日は、寝るときに明かりが消せない。
ってな経験をアレンジしたのですが。どうも文章では
難しい。
PASCOさんの文章は読みやすくて、その上キャラの
特徴もよく出ていて楽しいです。お褒めの言葉、ありがとうございます。
お詫びがてらのライナーノーツであります。
- 107 :名無しさんちゃうねん :2004/01/31(土) 02:14 ID:???
-
197 :風と木の名無しさん :03/11/23 01:36 ID:HPhFIFIi
\ ,、-''"´::::::::::::::::::::::::::::`‐、
い ボ `、/.. ::::::::::ィ::::::::::::::::::::::::::ヽ
う .ク ',:::::::::::.....,.../ |';......::..........:..::::. ',
ん に ',:::::::イ:/.;/ |.';ト:::|l:l';::::::::::::::::::i
で 何 i::::::;'lヘ/ | l リ_レi:::::::::::::l
す を |::::;'.「ト:iヽ -‐7'iフ‐、 l:::::::::/
か. す |';l:l L;! l::::::ノ l::::',ヽ
? る .| ', 、 //`‐ |l 丿 ,、-‐ー、
っ l ヽ r-ー、 ニ-く / ヽ
て l >、`‐-' ,、 ' 7 ',
', / i `‐- ´ 、 ノ _,、'´ ',
..ヽ、__.,ノ ', ヽ ,' ´ ヽ, ',
', ヽ ', '、
', ', `、. `、
`、. `、 `、 `、
`、. `、 .. `` 'i、 ',
ヽ ヽ ::::..... lヽ i
', ヽ l'´ ノ
ヽ. ヽ l /
`‐、.i l_,、ァ'´
ノ、 ` __lニ/
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/i / l l
,、-'´ l/\ /_ l
/⌒, -'´ l >'´ ``‐、 l
/ / ゝ'´ \ l'
まあ正直言って元ネタがあるなら教えて欲しいわけであるが
198 :風
- 108 :名無しさんちゃうねん :2004/01/31(土) 08:49 ID:???
- >>107
誤爆?自爆?
- 109 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/31(土) 09:21 ID:???
- >>107
一応マジレスしておきますと、小さい頃から怖い話が好きで、
その手の本や映画は数え切れないくらい見たり読んだりしてました。
面白いもので、怖い話も数多く読んでると、同種のパターンの話や展開が見えてきたりします。
さらに読み込むと、元ネタが同じとしか思えない話も、書き手次第で恐怖が倍増したり
逆に陳腐な話になっていることにも気が付きます。
だいたい自称心霊研究家みたいな人の話は表現力に乏しくてつまらないですが、
現役の作家や、若手で怪奇物をよく書いている人の文章は巧みで些細なことも
非常に恐ろしく書いていて面白いですね。
私の元ネタは、今まで見聞きしてきた怪談ものの中で特に印象に残ったもの半分と
自分の創作1/4とあずまんが1/4です。
- 110 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/31(土) 13:11 ID:???
- 団欒
神楽は基礎体力作りと小遣い稼ぎも兼ねて、早朝の新聞配達をやっている。
始めた頃は配達先の名前と場所を覚えるだけでも大変だったが、2週間も経つ頃には
自分の担当エリアの住民の名前はほとんど覚えてしまっていた。
新聞配達を始めて知ったのは、朝早くから仕事をしている人がたくさんいるということだった。
まだ高校生である神楽には新鮮な発見であった。元々社交的な性格をしているため、
配達先で会う人会う人に元気よく挨拶をし、おかげで向こうも神楽のことをよく覚えてくれた。
朝のこの時間帯は、神楽にとって水泳をしている時に次いで充実したときであった。
あの日を覗けば…。
あの日、ある家の玄関口の新聞受けに新聞を差し込もうとしたとき、神楽はおや?と思った。
この家は、いつもこの時間はまだ寝ているのか灯りがついていないのだが、今日は灯りがついている。
新聞を投函すると、
「おはようございま〜す」
「いつもご苦労様です」
と元気な声が中から聞こえてきた。
玄関が少し開き、中からまだ就学前くらいの女の子が顔を出し
「おねえちゃん、いつもありがとう〜」
とニコニコ笑いながら言ってきた。
神楽は嬉しくなり、
「おはようございます!ありがとうございます!」
と返事をした。
ここの人は何か良いことがあったのかな、と思いながら配達を続けた。
配達所に戻ってくると、所長が
「おい神楽ちゃん。キミは○○町の△×さんとこ配達してたよな?明日からあそこは配達は無しだ」
○○町の△×さんというのは、さっき家族全員が挨拶してきた家のことだ。
「え?なんでですか?他の新聞に換えられちゃったんですか」
「違う違う、あそこは昨日これで誰もいないんだそうだ」
所長は首をくくる真似をしてみせた。
あの家で一家心中があったらしい。
神楽はまだ新聞配達を続けている。
いつものように配達先の人達に元気に挨拶しながらやっている。
ただ、あの家の前を通るときは、下を向いて急いで走り抜けている。
まるで何者かに呼び止められるのを避けるように…。
(終)
- 111 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/31(土) 13:17 ID:???
- 次は誰にしようかな?
- 112 :名無しさんちゃうねん :2004/01/31(土) 15:07 ID:???
- 普通に「挨拶した後に心中してしまった」方がコワイ
と個人的には思ったが
それだと怪談というより単なるキツい話になってしまうか
- 113 :名無しさんちゃうねん :2004/01/31(土) 21:53 ID:???
- >>112
スレは「恐ろしい体験」だから、それもありかと。
- 114 :PASCO :2004/02/01(日) 23:50 ID:???
- 全然怖くないですが…
経文
夏休み。恒例の美浜家別荘での合宿へ向かう道中にて。
教師谷崎ゆかりは父親の車に、教え子の滝野智、榊、隣のクラスのかおりんを乗せて
暴走していた。ただでさえめちゃめちゃな運転を、助手席の智が煽るため、今回は
いつにも増してひどい運転であった。
センターラインははみ出す、前の車を煽る、信号は無視する、ジグザグ運転するetc…。
後部座席に座った榊とかおりんは既に顔面蒼白である。
調子に乗って法定速度の倍以上のスピードで一般道を飛ばしていた時、
突然何の前触れも無く車が止まった。ブレーキの音もタイヤがアスファルトに擦れる
音も一切無く、唐突にピタっと止まった。ゆかりたちも前に放り出される反動も無く
ただ、止まった。
ゆかりと智が降りて、車をよく見てみるとタイヤに一枚の経文が張り付いていた。
(終)
- 115 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/01(日) 23:51 ID:???
- トリップ忘れてた。
まだまだネタはありますが、誰を当てはめると怖いかで迷ってます。
- 116 :名無しさんちゃうねん :2004/02/01(日) 23:59 ID:???
- >>114
いい仕事ですね。
この手の現実とのブレは意外な事件を引き起こしたり
あるいは何かのメタファーになりえます。
ん?
という出来事は大好きです。
- 117 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/02(月) 18:16 ID:???
- 今回は榊さん。でもあまり怖くない…。
人形@
榊は高校2年目の夏休みに、思い切ってアルバイトを始めた。
アルバイト先は、キャラクター人形を扱う大型店舗で、神楽が探してきてくれた店だ。
時給が割とよく、ねここねこシリーズも扱っているというので、初めてのアルバイトにも関わらず、
榊は珍しく積極的に行動し、雇ってもらった。
この店では、人形は店の中央に山のように積まれ、客が実際に手で触れて商品を確かめて購入することが
出来るようになっている。人形の積み方には一定のルールがあり、人気商品や、人形の元のアニメやお話の
中で主人公である人形は上に方に配置され、その他の人形は人気商品を支えるように下の方へ積まれる。
アルバイトの仕事は、主に接客や、商品の陳列の直しである。
大好きな可愛らしい人形に囲まれ、また客もほとんどが就学前の子供を連れた若い母親であることが
多かったため、榊にとっては実に充実した夢のようなアルバイトとなった。
また客である子供達も、榊を「おっきくてきれいなおねえさん」「どんな高い棚の人形もさっと取ってくれるおねえさん」
として慕ったので榊は人気者の店員となった。
アルバイトを始めて1週間が経過する頃、榊は妙なクレームが発生することに気が付いた。
「人形が生きているのではないか?」という内容だった。
聞いただけではクレームを挙げた人間の頭を疑いたくなるような内容ではあったが、実際に榊は
子供達から「あのお人形さん怖いよ〜」と泣き付かれることがしばしばあった。
中にはある人形を乱暴に扱った子供が転んで頭を商品棚の角にぶつけて怪我をしたといった類
の相談もあった。奇妙なことにその人形というのは特定の1体の人形であった。
その人形については、榊にも心当たりがあった。
その人形は物語の中では脇役なので、当然山の下に配置しているのだが、気が付くと一番上に
乗っているのだ。初めのうちこそ、遊んでいた子供が上に放り投げてたのだろう程度にしか
思わなかったのだが、あまりにその頻度が多いにも関わらず、誰かが上に運んでしまう現場は
見たことがなかった。以来、榊は件の人形を注意して見ることにした。
- 118 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/02(月) 18:17 ID:???
- 人形A
その日のアルバイトが終わる頃、榊は上がる前に人形棚の整理をしていた。もう客はまばらであった。
例の人形はまたしても上の方に鎮座している。榊は両手を伸ばし、人形の両脇を持って下ろそうとした。
人形が、身をよじった。
榊の手から逃げるように身をよじった。
榊は驚いて人形を落としてしまった。人形が一瞬睨んできたような気がした。
榊はすぐに店長に相談し、人形を処分した方がいいのではないかと進言した。
店長は考え込んでいたが、そんなオカルトのような話では処分できんが、汚れが目立つと言うことでなら、
と処分を認めた。事の真相はともかく、その人形を気味悪がる客も増えていたので店長も何か対策をと
考えていたのだった。
件の人形は店員が袋に入れ、倉庫にしまわれた。
その後アルバイトの契約期間が終わるまでは、特に何事も起きなかった。
最後の日、榊はどうしても気になって、例の人形を倉庫まで見に行った。
単に機械仕掛けが入っているのか、得体の知れない何かが潜んでいるのか。
1人で確認するのが怖かったので、バイト仲間と正社員の店員にも付いてきて貰った。
みな、榊と同様に人形が身をよじるのを経験している。
糸切り鋏を手に、中を覗いてみるために、人形の縫い合わせの部分の糸を切った。
恐る恐る中を覗いたが、綿が入っている以外は別段何も無かった。
その場に居た者は一斉に安堵の溜息をついた。
榊が帰宅すると、母親から自分宛に電話があったことを知らされた。
電話の主は母親に対し、「おまえの娘。ひっで〜女だな〜」と言ったらしい。
榊は自分の無実を母親に説明するのに1時間あまり費やした。
- 119 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/02(月) 19:23 ID:???
- これまた怖くない話。
公衆電話
神楽が夕方のランニングで某公園内を走っていたとき、ふいに電話の音がした。
音のする方を見ると、公衆電話が鳴っていた。
「え?あれ?こういう時ってとったほうがいいのかな」
誰宛かも分からない電話が鳴り続けることに不気味さを感じていたが、
このまま通り過ぎることが性格上出来なかった神楽は、意を決して
受話器を取った。
「…も…、もしもし?」
「……あ……。……もしもし?」
「もしもし?私、通りすがりに電話を取ったものですが…」
「……わ、私も通りすがりに電話が鳴っていたので取ったのですが…」
「えぇ?!そ、そうなんですか…。え…と、どうしたもんですかね」
「あの、そちらはどこの電話でしょうか?こちら北海道なんですが…」
「こっちは東京だけど…。」
「………」
「………」
「………あの」
「………うん?」
「同時に切りましょうか…」
「そ、そうだな…。じゃ、せーので切ろう」
「はい…」
「せーの」「せーの」
ガシャコ…。
神楽はしばらく公衆電話を眺めていたが、もう鳴ることはなさそうだった。
「身体、冷えちゃったな」
神楽は勢いよく走り出した。
公園を出る頃、また電話が鳴ったような気がした…。
(終)
- 120 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/02(月) 19:52 ID:???
- 心霊モノもいいですが、人間が怖いという話も書いてみたいです。
ただ、後者は書くのが結構難しい。
ゾッとする人間って、あずまんが大王キャラなら誰が適当でしょう?
無難なところで大阪かな。意表を突いて榊さんかな。
智が怖いというのもかな〜り意外かも…。
- 121 :名無しさんちゃうねん :2004/02/03(火) 01:25 ID:???
- PASCO氏へ。
えらいペースで書き込んでますが…。
怪談を立て続けに書くといろいろあると聞きます。
貴方の身の上に起こるであろうことが、
このスレ最大の怖い話にならないことを祈ります。
ヒヒヒ…
- 122 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/04(水) 00:57 ID:???
- ヤバイ。
体調崩してきた…。
仕事も急にテンパってきたし…。
シッカリシナクテハ…
- 123 :伯爵 :2004/02/04(水) 01:26 ID:???
- >>122
焦らず急がずで。
気候の変わり目ですからお風邪などひかないよう。
- 124 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 02:37 ID:SLCC8iZ6
- 『学校であった怖いあずまんが』
新聞部の大山君(名前はプレイヤーが変更可)が放課後、七不思議の取材をする
密室で大阪・智・暦・神楽・榊・ちよが順順に話していく
ライトノベル形式で順番次第で話の内容が変わり、もちろん選択肢次第でも変わる
そして六話目に誰を選んだかによって
七話目に登場する人物が木村・ゆかり・にゃも・後藤・かおりん・そして……
と多彩に変化する
全254話+α隠しシナリオ3本
- 125 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 16:41 ID:Iqp.DqNs
- 昨日の夜
身体に電気ショックがかかったかと思うともう一発電気ショックをくらった
そうするといきなり赤ちゃんの画像があらわれた
そしてこの目で見たのか頭の中で見たのかわからないがそこには
要するに「グレイ」って奴がいた
- 126 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/04(水) 18:32 ID:???
- 何とか体調持ち直しました。
>>121
ははは。気を付けます。少しインターバル置こうかな。
>>123
ありがとうございます。
ご心配をお掛けしました。
>>124
あっ。そうゆう形で綴っていくのも面白そうですね。
では、1本上がりましたので…。
- 127 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/04(水) 18:34 ID:???
- 酔っぱらい -1-
土曜日の明け方、閑静な住宅街を、谷崎ゆかりはふらふらと千鳥足で歩いていた。
時々立ち止まっては、道路へ向かって派手に吐瀉物をぶちまけている。かなり酔っ払っているようだ。
「ちっくしょう〜。にゃものやつ。本当に先に帰りやがって〜〜。薄情者〜〜!」
ゆかりは昨晩、いつものように同僚であるにゃもこと黒澤みなもを誘って飲みに行った。
そしていつものように強くもないのに浴びるように酒を飲み、いつものように泥酔したのだ。
ただ、今回はみなもが愛想を尽かして先に帰ってしまった。酔いに任せてみなもを怒らせるようなことでも
言ったのであろう。
あまり有り難くない印を、飲み屋からここに至るまでにそこかしこに残しながらも、
ゆかりはついに自宅まであと100mというところまで辿り着いた。
が、ここまで来ていながら、ゆかりはもうどうだっていいやという気分になってしまい、よその家の塀に
もたれながら、しゃがんでしまった。
かったるそうに時計を見ると午前5時を指している。だが空はまだ暗い。
しばらくしゃがみこんだまま何処を見るでもなくボ〜ッとしていた。
突然、がんがんがんと音が鳴り響いた。
何か金属製の板を叩くような、今のゆかりにとっては非常に不快に頭に響く音だった。
「うるっせーなーっ!誰じゃ?」
音のする方を見ると、ちょっと行ったところに空き地があり、そこから聞こえているようだった。
「今、人が通りかかったら、確実に私が騒音の犯人にされるじゃない!」
そう思ったゆかりは、のそりと立ち上がると、空き地へ向かって歩き出した。
空き地は何かの建設予定地らしく、資材と資材小屋らしいものがある。しかし、計画が何年も滞っているのか
資材小屋は随分古びて見えた。音はその小屋から聞こえた。
ゆかりはつかつかと歩み寄った。どこかの馬鹿が中で暴れているのだろうと決めつけていた。
とにかく頭に来ている。引き戸に手を掛けると怒りにまかせて勢いよく開き、
「やっかましいぞ馬鹿野郎!!」
と怒鳴りつけた。
- 128 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/04(水) 18:38 ID:???
- 酔っぱらい -2-
小屋の中に人影は見当たらなかった。あるのは建設資材らしきものが少し。他には何もなかった。
音も止んでいる。
普通ならここで、背中に冷たいモノが走るのだが、今のゆかりはかなり酔っ払っている。吐いて幾分
楽になったとはいえまだまだ立派な酔っぱらいだ。よって普通ではない。
酔眼で小屋の中を睨み回し、犯人を捜していた。しかし何度見ても人影はない。
ゆかりは怒りをぶつける相手が居なかったので、ますます頭に来ていた。
どうにかして相手を見つけだして怒鳴りつけてやらないことには腹の虫が収まらない。
自分が納得できない事に対する、酔っぱらい独特の怒り方である。
ゆかりは戸を閉めるとその場にドカッと座り込み、戸を睨み付けた。
「んにゃろ〜。馬鹿にしやがって」
戸を閉めて暫くすると再び戸ががんがんがんと鳴り響く。
ゆかりは素早く立ち上がると、バーンと大きな音を立てて勢いよく戸を開いた。
「馬鹿野郎!てめぇ!いい加減にし……」
途中まで怒鳴って、ゆかりは固まった。
目の前に足がぶら下がっていた。
もちろん足は床に着いていない。
ゆっくりと見上げると、天井近くで横に渡してある梁に、作業着姿の男が引っ掛かっている。
特にひものようなものは見えず、引っ掛かってると言うしかないようなぶら下がり方だった。
「こいつ、一体どうやってあんなところにぶら下がってるんだろう…?」
酔ってはいたが、意外に冷静な頭でゆかりは男を観察していた。
暗がりでよく見えないが舌をだらしなく垂らし、目もカッと見開いているようだ。
ふいに、男が首を動かし白く濁った目でゆかりを見た。ゆかりと男は目が合った。
「えへっ、えへへっ、えへへへへへ…」
男は歪んだ口を更に歪めながら笑い出した。
ゆかりは戸をそっと閉め、家に向かって歩き出した。
酒は大分醒めたらしく、千鳥足ではなくなっているが、時折ひざがかくんかくんと折れている。
腰が抜けているように見えるのは気のせいではない。
空が白みはじめていた。音はもう聞こえなくなっていた。
この住宅街では、早朝けたたましく戸を叩く音が鳴り響くことがある。
住人の一部の間では既に知られていることであるが、
家の中に居る分には耐えられる程度の音なので、
あえて原因を確かめようとする者は少ない。
また、確かめに行った勇者も、その後は深く追求しようとはしないようだ。
-終-
- 129 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/04(水) 19:53 ID:???
- もう1題
新幹線
大阪こと春日歩は親戚の家に行くために新幹線に乗っていた。
駅弁を食べてすっかり満腹になった春日家は、全員座席の上でとろけていた。
乗った新幹線は博多行き。親戚の家は岡山にあるので、寝過ごすわけには行かない。
が、春日家は歩を見れば分かるとおり全員があんな調子なので、この状況はかなりピンチである。
もうすぐ岡山というところで、歩は服の肘の部分をクイックイッ引かれて目が覚めた。
見ると一目で年寄りのものだと分かる手が、座席の隙間から肘を引っ張っていた。
後ろをふり返ると柔和な顔をした老女がにっこり笑いながら
「そろそろやでぇ」
と囁きかけてきた。
直後、間もなく岡山駅であることを告げる車内アナウンスが流れた。
歩はまだとろけている家族を起こすと、降りるために慌てて
荷物棚から荷物を下ろしたりした。
家族は全員、無事岡山駅で降りることが出来た。
しかし、歩は浮かない顔をしていた。
新幹線を降りるときに、自分が最後尾の座席に座っていたこと
を思い出したからである。
(終)
- 130 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/05(木) 19:52 ID:???
- 車窓に映る光景@
よみ抜きでマジカルランドへ行った帰り道のこと。
智、大阪、ちよ、榊の4人は電車に揺られていた。
時刻はもう午後8時を回っている。ちよは疲れたのか、榊にもたれかかりながら寝ている。
智と大阪は相変わらず馬鹿話をし、榊は静かに笑いながらそれを聞いていた。
話が途切れ、ふと智が隣を見ると同じシートに1人分間隔を開けて、中年のサラリーマン風の
男が大きく舟を漕いでいた。よほど疲れているのだろう。激しく揺れているが目を覚まさない。
「あのおじさん危なっかしいなぁ」
「よーさん働いて疲れてるんやなぁ」
智と大阪はしばらくその男が舟を漕ぐのを眺めていたが、再び他の話題に入り、盛り上がった。
何駅か過ぎた頃、智はふと正面の窓ガラスを見た。外が暗いので、車内の様子が鏡のようにはっきりと映っている。
隣を見なくても、榊にもたれて寝ているちよ、ちよが倒れないように背中に手を回して優しく支えている榊、
ぽ〜っと前を見ている大阪、そして自分がよく見える。自分の隣には女の人が座っており、そのまた隣りに
さっきから舟を漕いでいる男も映っている。
タタンタタン、タタンタタン、タタンタタン……
列車が規則的に揺れる音以外は、ほとんどの音が聞き取りづらく、それが却って列車内の静けさを
際立てている。夜の電車独特の雰囲気であろう。
話を再開しようと大阪の方へ顔を向けようとした時、智の心に何かがひっかかった。
もう一度、向かいの窓ガラスを見て、次に揺れる男の方を見る。再び窓ガラスを見る…。
「智ちゃん、どないしたん?」
智の様子に異変を感じた大阪は、智の顔をのぞき込んだ。
智の顔は心なしか血の気を失っている。
「どーしたん?お腹痛いんか?」
「お、大阪…」
「なんなん?」
「向かいの窓ガラスを見ろ…」
「見たで?」
「じゃぁ…次は私の隣を見ろ」
「?」
「なんか…気付かないか?」
「ん?……あ……」
窓ガラスに映る車内の様子では、智の隣りに女の人、そのまた隣りに大きく舟を漕ぐ中年男が寝ている。
しかし、横を見ると、智の隣は1人分空けて中年男が座っている。
大阪は智同様、血の気が引き、その場に固まってしまった。
「お、大阪にも見えたか…」
- 131 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/05(木) 19:54 ID:???
- 車窓に映る光景A
女はただじっと座っているわけではなかった。それどころか隣の中年男の頭を人差し指で小突いている。
女に小突かれるたび、中年男は身体を大きく揺らしている。
榊のように髪が長く、前髪も長く垂らしているため顔がはっきり見えないが、その様子から笑っているようだった。
しかし、声はまったく聞こえない。
まるで無声映画を見ているようだった。
智と大阪がじっと見入っている間、女の小突き方は徐々に激しくなってきた。
今まで指で小突いていたのが、だんだん平手、平手から拳になてきた。
女が男の首を突いた途端、男は激しく咽せこんだ。
かなり苦しそうである。顔色も悪い。
智と大阪が窓ガラスを見ると、女は大笑いしていた。
普通の笑い方ではなかった。
口を大きく開いて真っ黒な口腔を見せ、それとは対照的な真っ赤な舌を出し、腹を抱えながら笑っていた。
哄笑という言葉がぴったりな禍々しい笑い方であった。
しかし、それでも笑い声は全く聞こえない。
ふいに中年男が座席に倒れ込んだ。額から脂汗を流し、苦悶の表情を浮かべている。
が、すぐに身体を起こして寝始めた。その様はまるで誰かに腕を引かれて起きるように見えた。
実際、窓ガラスの中では女が男の手首を掴んで引き起こしたところだった。
男を引き起こすと、女はまた男を小突き始めた。
智と大阪の2人は、車窓に映る車内で展開する、その異様な光景から目が離せなくなっていた。
タタンタタン、タタンタタン、タタンタタン……
車内には列車の音だけが響いている。
2人が我に返ったのは、ちょうど榊がちよを抱き上げた時だった。降りるべき駅に着いたのだ。
智と大阪は逃げるように電車を降り、すぐさまふり返った。
中年男はまだ揺れている。激しく揺れる男を乗せたまま、列車は出発した。
「あのおっちゃん大丈夫やろか」
「なんか苦しそうだったよな〜」
「…うちらが小突かれんでよかったな。」
「そ、そうだな…。それに…」
「それに?」
「あの女と目が合わなくて良かった…」
榊がそんな2人を不思議そうに見ていたが、ちよちゃんを家まで送っていくとかで
ちよを背負って歩き出した。
4人はそのまま駅で解散した。
その晩、珍しくニュースを見ていた智は、最近電車内で突然死してしまうサラリーマンが多いという話を聞いた。
原因は、この不景気と苛烈なリストラにより、会社に残れた人の負担が増え、過労になってしまうということだった。
しかし、車内に限っては突然死の原因は他にもあるのではないかと、智は思った。
理解し難い不気味な原因が…。
- 132 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/06(金) 00:48 ID:???
- 眼差し
ある晩、榊は夜中にふと目が覚めた。
誰かの視線を感じる…。
半身を起こして部屋を見回すと、
部屋中のぬいぐるみが榊を見ていた。
榊はそのまま後ろに倒れると、
布団を頭まで被って無理矢理寝た。
榊は怖かった…。
ぬいぐるみが一斉に彼女を見ていたこともだが、
その目が全てアーモンド形のあの目だったから…。
- 133 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/06(金) 00:55 ID:???
- めっちゃ忙しいときに限って、電波の受信も良好。
脳細胞が活発になってるからか、
単にSSを書いて現実逃避しているのか…。
間違いなく、後者。
- 134 :☆ :2004/02/06(金) 16:15 ID:???
- 「あの目」って、「あの目」ですか?
- 135 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/06(金) 17:11 ID:???
- そうです。「あの目」です。
- 136 :名無しさんちゃうねん :2004/02/06(金) 23:05 ID:???
- ちょっと突っ込んでいいかな・・・・?
いや、やめとこう・・・・
もはや体験談じゃなくて職人さんのSSうpスレだなんて
言えるわけがないじゃないか・・・・
- 137 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/07(土) 13:52 ID:???
- >>136
………あぅ。
まったくもってその通りですね。
といって、この手のSSは他のスレでは浮いちゃうし…。
どうしましょうね?
でも私のうpが、体験談を書き込みたい人の妨げになっているなら
控えた方がいいのかな。
- 138 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/07(土) 14:22 ID:???
- 追記
許されるなら、私はここで書いていきたいです。
- 139 :名無しさんちゃうねん :2004/02/07(土) 14:26 ID:???
- どうせ体験談書くひとなんて誰も(ry
いいんじゃない?ここで書いても。
- 140 :名無しさんちゃうねん :2004/02/07(土) 16:33 ID:??-Sp0Ivvk2
- >>136は精薄
気にせず書くべし
- 141 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 10:48 ID:???
- 書くべし
- 142 :136やけど :2004/02/09(月) 12:37 ID:???
- いや、何気ない一言があかんかったみたいや・・・・ごめんなー
気にせずにうpしてくれるとうれしいでな。
なんだかんだ言って職人さんのSSはかなり楽しみなんや・・・・
- 143 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 18:02 ID:???
- まー体験談でもSSでもこのスレではOKってことで。
- 144 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/09(月) 21:02 ID:???
- >>139-143
読んで下さって、ありがとうございます。
この手の話はここしかないので、有り難いです。
遠慮なくうpさせて頂きます。
- 145 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/09(月) 21:03 ID:???
- 御守り 〜1〜
いつもと変わらぬ学校の帰り道、滝野智は道ばたで御守りを拾った。
見た目は小汚く別段何か御利益のありそうなものには見えなかったし、いつもの彼女ならこんなシケた物はまず拾わない。
が、この時智は何かに惹かれたように拾ってしまった。
家に帰ってから、智は改めて拾った御守りを眺めた。
幾種類もの糸を編んで作られた小さな御守り袋で、綺麗と言えば綺麗ではあるが、
何の変哲もない御守りだった。
「なんであたし、こんなもの拾っちゃったかな?」
智は御守りを引き出しにしまうとそれっきり忘れてしまった。
智の身に災難が起き始めたのは、その頃からだった。
学校では、些細なことで怪我をすることが多くなった。
悪ふざけがエスカレートすることも多くなり、いつものグループの中でも浮いきてしまった。
大阪や神楽と本気で口論になったり、ちよのツインテールを引っ張りすぎて本当に泣かせてしまったり、
それが元で榊を本気で怒らせてしまったり、etc…。あの暦ですらフォローしきれなくなっていた。
災難は智自身だけでなく、身内にも及んだ。
まず、父親が交通事故に遭って重傷を負い、入院してしまった。
空き巣に入られたり、不審火でボヤが起きたりと続いたために、母親が心労で倒れた。
親戚でも祖父母が相次いで入院した。
智は次第に暗くなり、表情も沈みがちになってきてしまったが、悪ふざけのツケで、声を掛ける者はいなかった。
暗く孤独な雰囲気を持った人間は、犯罪者にも狙われやすいものだ。
そんな智に追い討ちを掛けるように、ある日の帰り道、智は暴漢に襲われた。
性的な暴力こそなかったものの、殴る蹴るの暴行を受け、財布を奪われた。
翌日、智は体調を崩し、学校を休んだ。精神的にかなり参っていた。
たいがいのことは持ち前の明るさと元気さで耐えられる智だが、身内の不幸と、学校生活の不調が重なり、
とどめを刺すように暴漢に襲われてしまった。
さすがの彼女も鬱状態になっていた。
心労で臥せている母親には悪いと思ったが、とにかく現実逃避でも何でもいいから眠りたかった。
自室で1人で眠っていて、智は妙な夢を見た。
夢の中でも、智は自分の部屋でベッドに横たわっている。部屋は真っ暗だった。
ふと見ると、いつの間にかドアの傍に子供が立っている。年の頃は小学校3〜4年生ぐらいであろうか。
野球帽をかぶっており、半袖半ズボンという格好であったから男の子のようだった。
真っ暗なのに何故か少年の出で立ちがはっきり見えたのは、夢だからだろう。
ドアが開く音はしなかったが、とにかく気が付くとその少年は立っていた。
「誰?」
と声をかけるが返事はない。
やがて少年は四つん這いになって這い回りだした。その様子は何か落とした物を探しているようだった。
智は何をするでもなく、ただぼんやりとその様子を目で追っていた。
時折、ポタッポタッと何かが滴るような音がする。
少年がベッドの近くまで来たとき、その小さな手が智の顔を触ったりしてきたのでさすがにその時はビクッとなってしまったが、
不思議とそれほど恐くはなかった。
やがて、少年は智の机の前に立ち、引き出しを指差しながら何かを訴えるような仕草で
智を見つめた。
そんな夢を、何度も見るようになった。
- 146 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/09(月) 21:05 ID:???
- 御守り 〜2〜
日曜日の朝。学校に来なくなった智を心配して、暦が様子を見に来た。
暦は、母親が出て来なかったことにいつもと違う雰囲気を感じた。
そして、自分を出迎えた智が別人のようにやつれていたのを見て驚いた。
すぐに部屋に上がりベッドの上へ智と並んで腰掛けた。
始めは自分に相談も無しにずっと学校を休んでいる智を叱ろうと思っていた暦だが、智の様子に只ならぬものを感じた。
「智。様子を見るとずいぶん大変だったようだけど…。一体何があった?私で良かったら聞こうか?」
暦は努めて優しく訊いた。
暦から自分を気遣う言葉を久しぶりに聞いて、智は視界が涙でぼやけた。
そして、とつとつと、今まで自分の周囲で起きた不幸な出来事を話した。
暦はうなずきながら注意深く話に耳を傾けた。
普段怒らないようなところで無性に腹が立ったり、簡単に感情がエスカレートしたりしたこと……。
父親が交通事故にあったこと、家に放火されたこと、空き巣が入ったこと、親戚が次々と入院したこと、暴漢に襲われたこと、etc…。
話は長く、全て聞き終わる頃には昼を回っていた。
「…そっか。そんなにヒドイ目にあってたんだ…。大変だったなぁ」
「よみぃ。あたし、辛いよ〜」
「うんうん。分かるよ。今までよく耐えたよ。」
「よみ〜」
暦は智の頭をそっと抱きしめ、智が落ち着くのを待った。
そうしながら、智の身の上に立て続けに起こった不幸に、偶然ではない何かを感じていた。
しばらく泣いた後、智は次第に落ち着いてきた。
「なぁ智ー。これだけ不幸が続くのって、偶然では片付けられないような気がするよ」
「っていうと?」
「智さ、何か罰が当たるようなことをしたとか…。心当たりはない?」
「…よみってそういうの信じるほうなの?」
「いや、私もこういう非科学的なことはあまり信じないけどね。こう不幸が続くとそういう関係かなって」
「そういえば最近変な夢を何度も見るよ」
「どんな夢?」
智は暦に夢の内容を話した。何度も見ているので、詳細にわたって解説できた。
「…それって智の机の引き出しに何かあるんじゃないの?」
ここに至ってようやく、智は道ばたで拾った御守りのことを思い出した。
机の引き出しを開けて、中をさばくると、古ぼけた御守りが出てきた。
- 147 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/09(月) 21:06 ID:???
- 御守り 〜3〜
「何それ?」
「御守り。この前拾ったんだ」
「おいおい。そういうの拾って持ってるのってあまり良くないんじゃないか?」
「自分でもそう思うんだけど、何故か拾っちゃたんだよ」
「怪しいな。ちょっと見せてみ」
暦は御守りを受け取ると、つぶさに観察した。
「智。これって御守りなのか?」
改めてその御守りを見ると、御守りと呼ぶにはおかしな点があった。神社の名前が何も書いていない。
指で押さえると、中に何か入っている。取り出してみると、薬包紙に包まれて何重にも折り畳まれた小さな紙が出てきた。
「なんだこれ?妙にごわごわした紙だな。何も書いてないぞ」
暦はその紙を裏返してみたり、透かしてみたりした。
「厚みの不均一さから、和紙のような気もするけど、それにしてはきちっと平面になっていないし…」
「ん?よみ〜。なんかよく見ると小さな穴がポツポツとあるけど」
2人はまじまじとその紙を見た。穴はどうみても毛穴のように思われた。
「これって…毛穴!…ってことは、これは紙じゃなくて…皮だな…」
「よみぃ…、これって…人間のかなぁ…」
「…さ、さぁ。どうだろ…」
「あぁ!」
「な、なんだ、智」
「夢に出てきた少年って、あれボロボロ野球帽を被ってる思い込んでたけど…、頭か顔の皮がずる剥けてぶら下がっていたんじゃ……」
「…うぁ…」
ポタッ…、ポタッ…、
ふいに2人の鼻腔を、膿のような嫌な臭いが刺激した。
後ろのドアのところに誰かが立っているような気がする…。
2人は背後から濃厚な気配を感じて動けなくなった。
ボタッ…ボタタッ……
すぐ耳元で、絨毯に何か粘りけの強い液体を垂らしたような音がした。
智と暦は人気のない河原へ行き、小さな焚き火を作り、その御守りを燃やした。
御守りは呆気ないくらいに、瞬時に灰になった。
その後、智の父親の怪我は順調に回復し、親戚も病状が良くなり次々と退院していった。
空き巣及び、放火の犯人も捕まり、少し心が晴れたのか母親も快復した。
智自身も、暦の助けもあって以前の明るさを取り戻していった。
すぐにではないが、全てが少しずつ順調に好転していったようである。
- 148 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/10(火) 01:00 ID:???
- ちよちゃんを怖い話に絡めたいのですが、
状況が思いつかないです…。
- 149 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 01:47 ID:???
- それは榊さんが家に泊まった日のことでした…
「おやすみマヤー…」
榊さんはそう言って眠りにつきました。
私もそれを見届けて目を閉じました。
でも…なんだか眠れなかったんです……
そうしたら突然…
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
と、戸を引掻く音がするんです。
私はてっきり忠吉さんだと思って目を開けました。
暗がりにポウと浮かび上がる白い影…
私の部屋で寝ているのは紛れもない忠吉さんでした。
それじゃあ戸を引掻いてるのは誰なの?
私は怖くて布団の中で震えていました。すると突然音がやんだのです。
恐る恐る戸を見ると… スーッと何かが入ってきました。
それはマヤーを抱いて寝てる榊さんに近寄っていきました。
榊さんが危ない!私がそう思ったとき、それは榊さんの胸のマヤーに寄り添ったのです。
私は直感で確信しました。それはマヤーの… あの時のマヤーのお母さんだと…
しばらくその光景をじっと見ていたのですが、それが榊さんにお辞儀したように見えた次の瞬間には消えていました。
あれは結局なんだったのでしょうか…?
- 150 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 07:45 ID:??-A3PhhLFk
- 御守り怖すぎ・・・
面白いけど
- 151 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/10(火) 12:59 ID:???
- >>149
乙です。
なるほど。他の人を絡ませて、それに巻き込まれる形なら、ちよちゃんでも
怪談ができそうですね。どうもあのキャラの幸せすぎる環境自体が、
眩しすぎるというか怪談にし辛いところがあるものですから…。
ただ、1つ指摘させてください。
>私は直感で確信しました。それはマヤーの… あの時のマヤーのお母さんだと…
とあるのに、
>あれは結局なんだったのでしょうか…?
だと、話の流れがおかしく感じます。
確信したのですから、それを根拠とした結論で結んだ方が良かったと思います。
逆に謎のままに終わらせたかったら、「私は直観で〜」の文を削除した方が
すっきりします。その上で榊さんに結論を出させるのも手だと思います。
(例:榊さんの主観でマヤーのお母さんが夢枕に立ったとか…。)
差し出がましいことをしました。気を悪くされたらごめんなさい。
- 152 :149 :2004/02/10(火) 15:42 ID:???
- ご指摘どうもです。確かにわからないままのほうが怖いことは怖いのですが、
本当にあの時わかったんですよ。死んだうちの猫だって・・・
というのも、実体験と創作と半々なので
- 153 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 16:28 ID:???
- >PASCO ◆LNZbyB1zfI さんへ
家族ぐるみでとろけていた大阪家とか、智を労う暦とか、ただの怪談に止まらない部分があるのが好きです。いずれここでうpするときは宜しくです。
- 154 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 17:08 ID:???
- >>152
私ってそういうの見えへん人やから、見えるのってうらやましー
- 155 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/10(火) 18:04 ID:???
- >>150
お褒め頂きありがとうございます。
>>152
いえ、こちらこそ生意気書きました。すいません。
それにしても、実体験だったんですか…。羨ましい。
私はそういう経験がほとんど(おや?ってのはありますが)ないので、
だからこそ恐いのに憧れるというか…。
>>153
ありがとうございます。
「ただの怪談に止まらない部分がある」
この点は特に注意している事なんですよね。
特に怪談っていうのは登場人物は誰でも良かったりするのですが、
彼女たちに適したシチュエーションを考え出し、彼女たちならではのリアクションを
描写していくことで、単調になりがちな怪談に膨らみを持たせていくことに
努めているつもりです。文章力や表現はまだまだだなぁと痛感しますが…。
- 156 :名無しさんちゃうねん :2004/02/15(日) 00:22 ID:???
- 今日初めてこのスレ見ました。素晴らしいですね。
特にPASCO氏、ご自分でもおっしゃっていますが、怪談という題材でしっかりあずまんがを描いている。
他の書き手さんも、共通の題材でありながらそれぞれの文章に異なるカラーがあり、非常に面白かったです。
これからもひっそりと見守らせていただきます。
で、ここからスレ違いな話題なんですが。
PASCOさん、どうも。某スレで議論してた名無しです(これでわかるか不安ですが)。
今回の一連でのあなたの発言や態度にどうしても敬意を表したく、誘導のURLを踏んできました。
残念な結果になりましたが、あなたの振る舞いから自分を省みるきっかけを得られたのは
私にとって非常に幸運な事です。言葉足らずですが、この場を借りて感謝の意を述べます。
また、今後のご活躍にも勝手に期待しています。
スレ汚し失礼しました。
次にお邪魔する時はなんか書いてこれたらいいと思います。
- 157 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/15(日) 23:32 ID:???
- >>156
こんにちは。「ゆかりとおはなし」を書かれた方ですね?
こんなふうに書いていただいて恐縮です。照れます。
スレ違いの話の件ですが…。
私のほうこそ、結局見守ることしか出来ず、会議室で行われた議論を
後になって眺めていて正直、みなさん、特にあなたの発言・態度には
脱帽しました。
本音を言えば、今回の件で心にどす黒い感情が渦巻いてしまったのも
事実ですが、努めて頭を冷やしてから書き込みました。直接言い合っ
ている訳ではないので、頭を冷やす時間があるのがこの場のいい所です。
感情に任せて書き込んでいたら更に後味の悪い結末になっていたかも
しれません。
貴方の発言を読んでいて、紳士的かつ主張すべき点を明確に鋭く行って
いたのにはただただ感心していました。
私の方こそ、ほとんど代弁してくださって感謝しております。
言葉足らずですが、そういうわけでした。
作品ですが、もうしばらくお待ちを。仕事がめちゃくちゃ忙しくなって
家に持って帰って図面引いてる有様なので…。
- 158 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/16(月) 17:35 ID:???
- 結婚式その1
夏のちよちゃんの別荘にて
な〜に盛り上がってんだぁ?あん?誰が一番怖い怪談を話せるか競ってる?
ゆかりちゃんも参加しろ?
ふ〜ん。じゃ、とっておきのを話してやろうじゃない。
私も結構、恐いの知ってるんだからね〜。
あ、こら。榊。退席するんじゃない。人が話をする時は座って聞け。
さて、これは最近の話なんだがね。
この間親友の結婚式に呼ばれたのよ。
その親友ってのが、世間知らずのお嬢様でさ。
一体、どんな男を捕まえたのかと思って見てみたらこれがびっくりよ。
そいつは大学時代に同学年に居た、女たらしで有名だったMだったのよ。
Mってのはまさに女の敵って奴でね、学生時代はそりゃぁ何人もの女を泣かせたのよ。
えっどうやって泣かせたかって?
ん〜。ちよすけには後でゆっくり解説してやるよ。
大阪!おまえが解説せんでもいいっつーの。
ま、とにかくMはひものような生活をして、次々と女を喰ってたのね。
で、同席した同窓の奴らに聞いたら、つい最近まで相変わらずのたらしぶりだったみたいなのよ。
なんであんなのに引っ掛かって結婚なんてするのか不思議だったけど、まぁたぶん親友の家ってのが結構
資産家らしいもんでそれ目当てってのが妥当な線なんだろうね。
それ以外にMが結婚する理由なんて思いつかん。
え?私?Mをどう思ってたか?わたしゃ、そういうのはさばさばしてるからね。男に貢ぐなんてとんでもないし。
一度声をかけられたことあるけど、お互いくれくれ君じゃすぐ別れるわな。
にゃもはひっかかりそうだったんだよね〜?
痛い、痛い。分かった分かったそう怒るな。昔の事じゃないか〜。
で、まぁ、とにかくそのMと親友の結婚披露宴が始まったのよ。
ところがさぁ、どういうわけか式の進行がぎこちなくてね。
些細なミスで進行がちょくちょく止まるのよ。仲人の挨拶やら、主賓の挨拶やらでマイクが入らなかったりね。
なんかおかしいなと思ったのが新郎新婦の生い立ち紹介の時よ。
あのスライドで2人の生い立ちを写真で綴るやつね。
そんなもん見たかねーよ、と思って料理平らげるのに夢中になってたらさ、
ざわざわとみんなが騒ぎ出して、雰囲気がおかしくなったのよ。
ん?なんだ?と思って見上げたらさ、写真の中で新婦の顔が全部真っ黒になってんのよ。
きれいにマジックで塗り潰したみたいにね。
そりゃあもう新婦側の親族が怒り出しちゃってさ。なんとかその場は司会者がまとめて納めたけどね。
式場のスタッフ、もう顔真っ青でさ。痛々しくて見てらんなかったわよ。
お色直しで新郎新婦とも退室したときも、スタッフ集まって何やら慌ててチェックしてるのよ。
- 159 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/16(月) 17:39 ID:???
- 結婚式その2
で、キャンドルサービスの時もね…。凄かったよ〜〜。
こう、2人して各テーブルのキャンドルに灯を点けて回るんだけどさ、なかなか点かなかったのよ。
まぁろうそくの先っちょを濡らしておくのは友人としてのお約束だけど、親族のろうそくまでなかなか
点かなかったからね〜。で、最後にハート型に飾ったキャンドルに灯を点けたらさ、全部点けた瞬間に
室内が真っ暗になったのよ。停電で照明が消えたのなら分かるけど、蝋燭の明かりまで消えたからね。
もう会場中パニックよ。ま、しばらくして照明は回復したんだけどね。何故か蝋燭の明かりまでフワっと
回復したのよ。
司会者が停電の不手際を一言詫びてたけど、声が可哀想なくらい震えてたわよ。
ケーキ入刀の時もね、ケーキを切ったらナイフが折れたのよ。
こう、さくっとケーキに2人がナイフを入れるわね。
で、みんなが写真を撮り終わってナイフを抜こうとしたらポキッて。
あれにはみんな唖然としてね。スタッフの人が慌ててケーキを下げてたわよ。
この時ばかりはニヤニヤと不敵に笑ってた新郎も少しブルー入ってたわね。
その後はね、一応はつつがなくプログラム通り進んでいったのよ。
で、何とか会場の雰囲気も回復してね。
最後に新郎新婦から両家の両親に花束贈呈する場面になったのよ。
あの鬱陶しい儀式な。
会場を暗くして、新郎新婦とその両親にだけスポットライトを当ててな。
「かーさんがーよなべーをしてー」なんてBGMが流れてね。
もういい加減にしろっと思ってたらまたここで面白いことが起きたのよ。
両家の親が立ってる後ろになかなか見事な屏風があったんだけどさ、その上に白い手が
かかってたのよ。2本。屏風の反対側に誰かが両手でつかまってぶら下がってる感じにね。
なんだあれ?って思ってたら、隣の知り合いもそれに気付いて
「キャーーーー」って悲鳴を上げたのよ。
連鎖的に1人、2人とその手に気付き初めてもうパニックな。
しかもだんだん両手の間から頭らしいものが上がってくるんだわ。
髪の長い女みたいだったわ。そーだなー、ちょうど榊が前髪を伸ばして垂らした
感じかな。おい榊、狸寝入りするな、起きてきちんと聞け。
顔全体が上がったらさ、前髪の隙間から片目がぎょろりと新郎を睨んでるのよ。
そう、ちょうどあの映画「リング」の貞子みたいな感じね。
もう会場総立ち、みんなが悲鳴を上げて阿鼻叫喚の地獄みたいだったわよ。
あ?なんだ智?阿鼻叫喚ってなんだってか?お前は国語もちゃんと勉強しろ。
その後、スタッフが慌てて全照明を点けたらパッとその女は消えていなくなったけどね。
その後は、もうぎくしゃくしたまんま無理矢理終わってさ、新郎新婦と両親が客を送り出すときも、
みんな顔真っ青だったわよ。
はじめ不敵な笑みを浮かべていた新郎も、哀れなくらい落ち込んでてね。
元気づけようと思って「今日は最高に面白いエンターテイメントだったわよ!」
って言ったら引きつりながら笑ってたわ。
その女の正体?さぁねぇ?
前に付き合ってた女が自殺してってのが、この手の話の王道じゃないかしらねぇ?
その後、2人がどうなったかって?
はっ!そんなもん私が知るわけねー。
(終)
- 160 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/16(月) 19:07 ID:???
- 壁 @
大阪の部屋は、女の子の部屋にしては飾り気がない。
いや、一般的に見てもやや寂しい部屋に見える。
原因は簡単だ。壁に何も掛かっていないのだ。
服やポスターならともかく、時計やカレンダーすら掛かっていない。
よく遊びに来る智からは度々指摘されているのだが、その度に大阪は静かに笑って誤魔化している。
壁に何も掛かっていないのには、人に説明するのが難しい、ちょいとしたわけがあった。
大阪こと春日歩が東京に引っ越してきた頃のこと。
中古物件ではあるが、春日家の新居は造りもしっかりとした綺麗な家だった。
歩は父親から2階の一室を割り振られた。よく朝寝坊するのできちんと起きられるようにと
窓が東向きになっている部屋である。
8畳ぐらいの広い部屋であり、窓からの眺めも良かったので、歩はすっかりこの部屋が気に入ってしまった。
引越の荷物を運び終えると早速、部屋のコーディネートに取り組み始めた。何回かやり直しながらも、机やタンス、
小物入れなどの配置を決めて行く。
納得のいく物の配置が決まった頃には既に日はとっぷりと暮れ、夕食の時間になってしまっていた。
あとは、部屋の飾りである。それは夕食後の楽しみとして取っておくことにした。
夕食後も、部屋の飾り付けに夢中だった。歩は壁にポスターやらカレンダーやら貼りまくった。
壁掛け時計も父親に釘を打って貰い、掛けた。制服を掛けておくハンガー掛けも取り付けた。
全部終わる頃には時刻は翌日になっていた。
歩は寝る前に一通り室内を見回すと、にんまりと満足げに笑みを浮かべた。
翌朝、歩が目を覚ますと部屋の様子が変わっていた。
壁に貼ったり掛けていた物が全て落ちてしまっていた。
「あれ〜?ウチの貼り付け方が甘かったんやろか?」
しかし、ポスターやカレンダーはともかく、壁掛け時計も落ちていたし、制服もハンガーごと
落ちてしまっていた。
「わ〜。アイロンかけ直さなあかんやん」
歩は制服をつかむと慌ててアイロンをかけに階下へ下りていった。
歩は学校からの帰り道にホームセンターに立ち寄り、強力な粘着テープや糊を買ってきた。
それらを用いて、昨日落ちてしまった物をもう一度壁に貼り直した。
接着後に自分で引っ張ってみて、簡単には剥がれないことを確認した。
一安心した歩は、居間へ降りて行き、家族とテレビを見たり夕食をとったりして過ごした。
やがて風呂に入る時間になり、歩は着替えを取りに部屋に上がって行った。
- 161 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/16(月) 19:08 ID:???
- 壁 A
掛けた物、貼り付けた物が全て落ちていた。
「なんでやねん。なんで掛けられへんねん」
そこから、歩の挑戦が始まった。
掛けては落とされ、掛けては落とされ、掛けては落とされ…。
何回か繰り返している内に、歩はあることに気が付いた。
まず、壁にものを掛けられないのは歩の部屋だけであること。
そして、絶対に目の前では落ちないことである。
「家族の誰かが落としてるんやろか?」
そう思って家族を疑ったが、「そんなことしてなんかいいことあるんか?!」
と反撃され、逆に家族中からアホ扱いされてしまった。
「私の部屋の壁には誰かが埋め込まれてるんやないやろか?」
歩は原因を超自然的なものに求め、父親に原因究明を求めた。
父親はそんなアホなと思いながらも、事実壁に何も掛けられないのは
確かなことだったのでしぶしぶ娘の疑問に答えるべく不動産屋で調べて貰った。
しかし、別に事故物件でも何でもなく、壁の厚みからしても誰かを
埋めるのは不可能だとも言われた。
歩は父親から不動産屋の話を聞かされ、誰も埋められてなんか無いことには一応は納得した。
しかし相変わらず壁に何かをかけても見ていないときにいつの間にか落ちてしまう。
歩と壁の戦いは続いていった。
その日も、歩は脱いだ制服にアイロンを掛け、ハンガーを通し、壁に取り付けたフックに掛けた。
しっかりフックに掛けたことを確認し、居間に戻ろうと歩き出した。
途中、母親に見せるべきプリントがあったのを思いだし、歩は引き返した。
パシッ………ッファサッ
歩の目の前で、制服が床に落ちた。
制服はフックの真下ではなく、2m程離れたところに落ちた。
カレンダーならまだしも、果たして制服が自然落下でそんな離れたところに落ちるだろうか?
横から何らかの強い力がかかって、飛ばされたと考えた方が自然だ。
例えば、誰かが制服を強くはたき落としたのなら…。
- 162 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/16(月) 19:08 ID:???
- 壁 B
歩は脱力して、その場にヘナヘナと崩れるように座り込んだ。
自然と涙が溢れてきた。
「もう、駄目や…。誰やら知らんけど、かなわんわ…」
なかなか降りてこないのを心配して母親が様子を見に来るまで、歩は膝を抱えて泣いていた。
母親が何を聞いても「ウチの負けや…」を繰り返すのみであった。
風呂から上がる頃には、歩は落ち着きを取り戻していた。
「お父ちゃん。ウチな、もう壁に何か掛けたり貼ったりするの諦めるわ」
歩は階段を登る前に父親に告げた。
「それがええ。たぶん…神さんが住んどるんや。逆ろうたらあかんのや」
父親はしばらく歩の顔を見ていたが、パンっと手を打ち、ゆっくり吐き出すように応えた。
「…何の神さんやろな」
「それはな。たぶん…その…あれや。壁紙や」
「お父ちゃん、それ寒いわ」
歩はふとんに入りながら考えた。
今度の休みにはクローゼットを買って貰おう。
せっかく部屋は広いんやし、壁にはかけないんやから大丈夫なはずや。
この部屋には壁に何かを掛けたり、貼り付けたりするのを嫌うものがいるんやな。
でも、それさえしなければ特に何かしてくるわけではなさそうや。
壁に何かをしなければ何も問題はないんや。
そういうことにしよう…。
歩は、そう割り切ることで心の重荷がふっ切れたようだった。
そう。こういう不可解なことと上手く付き合うには、多少の妥協が必要である。
そういうものなんだと割り切ってしまう方が賢明である。
…例え、
寝ているすぐ傍に、
何かが居るとしても…。
- 163 :名無しさんちゃうねん :2004/02/16(月) 20:18 ID:???
- 「あんたなにやってるの?」
あたしは答えます。
「ときどき目の中にゴミがうつるやんかー それを追いかけてんねん」
でも本当に目で追いかけてるのはゴミなんかやのうて……
- 164 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/16(月) 20:32 ID:???
- >>163
うわっ。首筋にさぶイボできた。恐い〜〜。
これは、面白いです。
- 165 :名無しさんちゃうねん :2004/02/17(火) 00:43 ID:???
- >>160-162
乙。
面白かったが、一つツッコミをば…。
大阪の一人称は、「私」だ。「ウチ」じゃないよ。家の中じゃどうか知らんけど。
- 166 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/17(火) 01:50 ID:???
- >>165
…本当だ。確認不足でした。
ご指摘ありがとうございます。
- 167 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/17(火) 17:31 ID:???
- 小ネタ。以前、別スレに投稿したもののVer.アップです。
着ぐるみ
高校1年目の文化祭。
ちよちゃんと榊さんは、交互に猫の着ぐるみの人と記念撮影して上機嫌です。
「ところで中に誰が入ってるんですか?」
ちよちゃんが尋ねました。
ところが猫の着ぐるみの中からは返事がありません。
「…大丈夫か?自力で脱げないのか?」
榊さんも尋ねましたが、これまた返事がありません。
「榊さん。ひょっとしたら中の人は答える気力も無いほどバテテるのかもしれません。
無理させちゃいました。早く脱がせた方がいいかもしれないです」
「うん。わかった」
榊さんはすぐさまネコの着ぐるみの頭を両手で持って引き上げ、脱がせました。
頭はすぽっと抜け、胴体部分はその場にぺしゃんと崩れ落ちました。
…中には誰も入っていませんでした…
「う…うぁ…」
「きにゃーーーーーー!!」
(終)
- 168 :名無しさんちゃうねん :2004/02/18(水) 02:19 ID:???
- ttp://aki-souko.hp.infoseek.co.jp/01/tape.html
スレ違いだけどさ、このフラを聞いてみ。
- 169 :名無しさんちゃうねん :2004/02/18(水) 12:10 ID:???
- >>168
マジ、ビビった。昼間なのに冷や汗出た。
漫喫茶でヘッドホンして聞いてしまって、鬱だ。
- 170 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/18(水) 17:43 ID:???
- >>168-169
確かに恐いです。引っ張って引っ張って、最後にパンっと展開して。
すごく参考になりました。
さて、前に>>120で(人間が恐いSS)を書きたいと言いましたが、
今回とりあえず1本うpしてみます。
読まれる前に、一応内容はソフトですが、にゃもファンの方々と
読んだとき食事中だった方には、先に謝っておきます。
- 171 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/18(水) 17:44 ID:???
- 一途 其の1
男は小さなマンションの前で深い溜息をついた。
「さすがに怒っているだろうな…。みなものやつ…」
この男、拓郎(仮名)の誕生日を一緒に祝おうと、みなもに誘われたのが1週間前のこと。
今日はもう約束の日から3日経過している。
みなもはルックス・スタイル共に良く、性格も優しく、彼女にするには文句のない女だった。
しかし付き合ってみて分かったのだが、過剰なまでの世話焼き女房振りを発揮する女でもあった。
こういう女がいいという男も勿論いるのだろうが、この拓郎という男にとっては非常に鬱陶しく、また重た行為であった。
だから、今回はみなもとの約束を破ってサークルの仲間達と一緒に合コンに行って派手に騒いできてしまった。
合コン中、何度かみなもから携帯に電話が入っていたが無視していた。
翌日、みなもは大学に来なかった。翌々日も、そのまた次の日も大学でみなもの姿は見えなかった。
全く連絡もつかなくなったので、さすがに心配になってこうして様子を見に来たというわけである。
訪ねに行くのに3日もかかったのは、約束をすっぽかした後ろめたさと咎められる怖さがあったのだろう。
案外、気の小さい男であった
拓郎はドアの前で、何度目かの深呼吸をした。
さっきから呼び鈴を鳴らそうとしているのだが、ドアの向こうから只ならぬ気配が溢れているような気がして躊躇していたのだ。
ここへ来る前に、自称みなもの親友、谷崎ゆかりとかいう女に言われたことがふっと頭をよぎる。
「えーー?!にゃもとの約束すっぽかしたの〜?恐ぁ〜。知らねーぞー」
「あの子さぁ、あんたが初めての交際相手なんだよねぇ」
「普段はすごく真面目ちゃんだけどねぇ。思い詰めるタイプなんだよね〜」
「そーかー。3日も来てないかー。相当キテるかもなー」
「ま、頑張んな。骨は拾ってやる」
親友という割には、彼女もみなもを訪ねていないようなのだが…。
拓郎は、みなもが怒っているだけならまだマシだと思い始めた。
もし思い詰めて、最悪の行動を取っていたら…。
勇気を出して呼び鈴を鳴らした。
反応は無い。
もう一度鳴らす。
やはり反応はない。
拓郎は嫌な予感がして、ドアノブを回した。
鍵がかかっている。
ポケットから合い鍵を取り出すと、急いで差込み、鍵を開けた。
- 172 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/18(水) 17:44 ID:???
- 一途 其の2
中にはいると、かすかに異臭が漂っていた。何かが腐ったような、饐えた臭いだった。
部屋の中は、冷房もつけずに窓を締め切っているせいか蒸し暑い。
嫌な予感がして拓郎は土足のままみなもの部屋に上がり込んだ。
はたして、みなもは、いた。
部屋の真ん中にあるテーブルに椅子を2つ向かい合わせに配置し、そのひとつに座っていた。
拓郎が入ってきた事にも気付かず、虚ろな目でテーブルの上を眺めている。
テーブルの上には豪勢な料理とワイン、花を生けた花瓶が並べられており、2人だけの豪勢なパーティーの準備が整っていた。
もっとも、花は萎れ、料理は異臭を放ち、ハエが何匹も飛んでいたのだが。
「みなも…!おい、みなも!」
拓郎に呼ばれてようやく気が付いたみなもは、やつれた顔をゆっくりと上げた。
「おかえりなさい、拓郎…。来てくれたのね」
声に力が無い。目が正気を失っているように見える。
「あ、あぁ…。ただいま。その、待たせて、悪かったよ」
拓郎はすぐにでも土下座しようと思っていたのだが、不気味な雰囲気に気圧されて立ち尽くした。
「拓郎。誕生日、おめでとう」
「す、すまん。約束入ってて、連絡が付けれなくて、その…」
「貴方のために腕によりをかけて作ったの」
みなもには拓郎の声が耳に入っていないようだった。
ナイフとフォークを手に取るとローストチキンを切り分け、そしてフォークを右手に持ち替えてその1切れを刺し、
ゆっくりと持ち上げた。肉からは粘液が糸を引いており、どう見てもそのまま食べられる代物には見えない。
みなもは母親が幼児に食事を与えるように、左手を添えて、ローストチキンを拓郎の目の前に差し出した。
そして、やつれた顔ににっこりと精一杯の笑顔を浮かべ、言った。
「さぁ…、食べて」
(終)
- 173 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/18(水) 18:00 ID:???
- あぁ!先に謝っておくと言っておきながら書き損じた。お馬鹿〜。
にゃもファンの方々、読んだとき食事中だった方々ごめんなさい。
- 174 :名無しさんちゃうねん :2004/02/18(水) 22:44 ID:???
- >>171-172
とても面白いです。
私は超常現象、と言うか幽霊系の話よりも、こういう人間の狂気系のほうが好きです。
機会があったら、また書いてください。楽しみにしてます。
- 175 :名無しさんちゃうねん :2004/02/18(水) 22:49 ID:???
- 拓郎逝ってよし
なぜその場で土下座しない!?
俺だったら「うおおおおおおおお、許してくれえええっ!!」
と叫んでにゃも先生をぎゅっと抱きしめるぞ!
つーわけで乙。
最後まではかなり雰囲気が出ていたが、落ちが少し弱かったかな。
でも、にゃもが首吊ってたりしていなくて良かった。
次回も頑張ってくれ
- 176 :怪談 :2004/02/18(水) 23:16 ID:???
- 智はベッドの上で目を覚ました。そして、また目を瞑った。ぽたり、ぽたりと何かの音が聞こえる、水の滴る音。
水道の蛇口だろうか、雨樋を伝わる雨の滴だろうか、そんなことはどうでもいい。
智はビデオの恐怖映画を見たのだった。
大学に進学して一人暮らしを始めた智は、久しぶりに会った友人と肝試しをすることになった。
夏の蒸し暑い夜を、恐怖映画を見て過ごす。五本ぶっ通しでみて、
「何か」が起こるのを待とう、そんな話だった。勿論、何かなんてあるはずがない、はずだった。
智の額を何かが触れた。――指だった。ヒトの指、それも、恐ろしく冷たい。
智は触覚でそれを知った。目を開けることはできない。恐怖のために。
指は額中を這いずりまわり、べたべたと触れた。額一面に冷気が伝わり、
触れられたあちこちを生々しい嫌悪が嘗めていった。智はほとんど息をしていなかった。
……やがて、息を殺し全身を強張らせていた智は、指の陵辱から解放された。
安堵よりも恐怖は本当に過ぎ去ったのかという疑念が沸き起こって、智はただ荒く震えていた。
次の日、智は高熱に襲われた。
智の高熱は一週間あまり続き、熱は42度を越えた。一時は両親も娘の死を覚悟した程だった。
だが、智はまだ運の良かった方といえるのかも知れない。
同じ肝試しをした暦は夜の裡に死んでいた。
怪談を好むものが霊の注意を惹いて呪われたという話を智は思い出した。
そのせいか、それからの智はまったく不幸な人生を送った。
- 177 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/19(木) 01:09 ID:???
- >>174
ありがとうございます。
でも書いてみて感じましたが、狂気系は難しいですね。
周囲に変な人はいますが、それを恐怖に結びつけるのが、難しいです。ハイ。
>>175
まぁまぁ落ち着いて。気の弱い男だったのですよ拓郎は。
でも登場人物へのレスって嬉しいです。
落ちが少し弱いという点は、痛い指摘です。
どうしたら怖くなるか、ラストでかなり考え込んだので…。
今読み返して、ラストはもう少しシンプルにした上で、
みなも視点の導入部があったら良かったかなとも思いました。
>>176
なんか似たような経験(熱は出ませんでしたが)をしたことがあるんですが、
私大丈夫でしょうか?
>>怪談を好むものが霊の注意を惹いて呪われたという話を智は思い出した。
このスレを全部読むとヤバいかも、です。
- 178 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/19(木) 18:34 ID:???
- >>173
このあとどうなったんだろうか…
ともあれ乙!
>>176
その不幸の人生を見てみたいなぁ(ぇぇ
- 179 :名無しさんちゃうねん :2004/02/20(金) 21:59 ID:???
- パスコ氏の新作まだァー?
- 180 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/21(土) 10:50 ID:???
- もうちょっと待ってね。
ネタはあるんだけど、不慣れなせいで巧く文章化できないもんで。
あんな短いSSだけど、けっこう工程を踏んでるもんだから…。
- 181 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/21(土) 14:45 ID:???
- とりあえず超短篇。
届け物
「…じゃね神楽。今晩、私の携帯に電話してくれ」
智は携帯を切ると、どこの誰とも知れない人のお墓の前に置いた。
昨日深夜ラジオで聞いた、墓地に直接電話させるという悪戯を企んだのだ。
深夜になって、事情を話して怖がらせようと思い、智は神楽に電話をかけた。
「あぁ?おまえそんなことしてたのかよ」
「へへ〜ん。どうだった?何か出た?」
「いや、なんか知らない人が出たぞ。携帯を拾ったって。智んち知ってるから届けるってさ」
「へ?」
コツコツ
誰かが窓を叩く音がした。
(終)
- 182 :伯爵 :2004/02/21(土) 17:00 ID:???
- ゴチックホラーだ!!
- 183 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/22(日) 15:29 ID:???
- 日記 1
ある夏休み、智は親戚に会いにとある山村にやってきた
「やっとついた。かわってないな〜。」
と、そこへ従兄弟がやってきた
「智ちゃ〜ん」
「おぉ、げんきにしてたか〜?」
「うん!」
「あのね〜智ちゃん」
「ん?」
「わたし、さっきこんなものひろったんだ〜」
と赤い古びた手帳を差し出した。
「手帳?どこで拾ったんだ?」
「あの山のトンネルだよ」
「ふーん。まぁとりあえずおばちゃん(しんせき)の家にいこうか」
家について、夕飯を食べて部屋にもどると従兄弟がいた
「お?どうした?」
「これね、日記になってるんだ。だから一緒に読もうと思って」
「おし。よむか」
そして手帳の1ページ目を開いた。
- 184 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/22(日) 15:55 ID:???
- 日記 2
X月X日
明日は友達とかくれんぼをする約束をした
場所はあそこのトンネルでやるらしい
たのしみだなぁ
X月○日
今日はかくれんぼをしようとトンネルに行った
約束の時間を過ぎてもだれもこない
一体どうしたんだろう?
そしたら一人やってきた。だけどなんか様子がおかしい
「みんな都合がずれたからあさってにしよう」
といわれたので家に帰った
X月□日
言われたようにトンネルにやってきた
知らない人が何人もいて嫌な予感がした
一度家に戻ったらお母さんがあわてながらこういった
「さっき友達がトンネルで通り魔にあったんだよ。あんたはだいじょぶだった?」
そのとき思った
(あの人だかりってまさか)
変な胸騒ぎがおきたので
きょうは早く寝た
X月△日
トンネルにいった
白いチョークで人の形に書かれた模様があった
その周りには赤いものがあった
血だ
ようやくわかった
やっぱり殺されたんだ
だれかの目線を感じたので振り返ると
大きな刀をもったお兄さんが立っていた
ものすごい顔でこっちを見ていた
殺されるとおもった
私は急いで逃げた
おにいさんも追いかけてきた
「この日記なんかおかしくないか?」
「と・・・智ちゃん・・・怖い」
「お前はもう寝た方がいいよ」
「うん・・・」
従兄弟が自分の部屋に戻っていった。
一人になった。
智は次のページをひらいた。
- 185 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/22(日) 16:16 ID:???
- 日記 3
X月◎X日
きずいたら森の中にいた
相変わらずガサガサと言う音と刀が月光に反射する光が少しみえる
水は近くに川があるから良いけどおなかが減った
どうしよう・・・
X月◎◎日
ついに見つかってしまった
無我夢中で逃げた
まだ追いかけてくる
なぜ私を狙うのか?
もしかして・・・
友達を殺した犯人って・・・
こいつかもしれない
あのトンネルの前についた
トンネルの中は暗い
中に隠れた
男がやってきた
私は息を殺した
何かブツブツつぶやいている
一体あいつは何なのか?
ほんとにこ・・・・・・
日記はここで途切れていた。
「何!?これ!?」
智がさけんだ。
次のページに血がたくさんついている。
「え・・・これって・・・まさか!?」
智はおそるおそるページをめくった
- 186 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/22(日) 16:51 ID:???
- 日記 4
くび くびはどこ?
いたい
だれか・・・
血文字でこう書かれたいた
次のぺージに続いている
くびをみつけた
こんなところにあったんだ
「うそ?!こんなこと・・・」
智は驚いた。
死んだ人間が日記をつけているのだから。
だがいたずらかもしれないと智は思った。
ガサガサッ
智は振り向いた。
外は暗く良く見えない。
目を凝らすと少女がいた。
首がなかった 智は目を疑った。
やがてその少女は地面に手を入れると、
首がでてきた。
目が合ってしまった。
「しまった!」
少女がこっちに向かってきた。
智はカーテンを閉め、隠れた
ドン、と何かが窓にぶつかった。
カーテンの隙間から腐りかけた顔が覗いた
「うわああぁぁ!」
- 187 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/22(日) 17:02 ID:???
- 日記 5
きずいたら朝だった
あの少女の姿は無かった
その後従兄弟と一緒に手帳を拾ったトンネルに行った
「あれ?ここじゃないのか?」
「あれぇ、きのうトンネルがあったのに」
しかしトンネルは無い、ちいさなお墓と立て札がありこうかかれていた
昭和58年、ここで通り魔事件がおきました。
犯人は不明 被害者は6人出てしまいました。
そのうちの―――ちゃんは首が無い状態で発見されました
ご冥福をお祈りいたします
「え?じゃぁ昨日の夜の出来事とこの手帳って・・・」
(終)
- 188 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/22(日) 17:16 ID:???
- 無印不良品 ◆BrCAYsapQAさん
乙です。
読んでいてその場の情景が頭に浮かんでくるようです。
智の頭の中で日記の内容の情景が鮮明に浮かび、
その続きが現実に間近に迫ってくる…。なかなかに怖かったです。
私は今まで出来るだけ恐怖の元の正体を明かさない方向で、
かつグロい描写無しでの怖さの演出を心がけてました。
しかし、何本か書いている内に、グロい描写無しの怪談も
だんだんワンパターンになってしまってなかなか難しいですね。
私もそろそろグロ描写解禁しようかな…。
(今までうpした中では、首吊り男だけだなぁ…)
- 189 :名無しさんちゃうねん :2004/02/22(日) 17:34 ID:???
- >>183-187
乙。
怪談の王道を行くストーリーですな。
描写がいい。
ただし、細かいツッコミをさせてくれ。
>>187だが、こういう事件現場に立つのがお墓というのはちょっと不自然。
無いとは言い切れないが、普通は慰霊碑かお地蔵様だと思う。
犠牲者が子供ならなおのこと。
水を差してすまんかったが、面白かったよ。
次回作も期待age
- 190 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/22(日) 17:38 ID:???
- >>189
わかりました
次ぎ書く時はそこんとことか
気をつけます
- 191 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/22(日) 17:40 ID:???
- あれ?読んだ時にまだ187が無かったもんで変な感想になったかな。
私の書き方だと186で終にしてしまうところだから、ハハハ。
それにしても昭和58年というのが気になります。
実際に無印不良品さんの知ってる場所で何かあったんでしょうか?
- 192 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/22(日) 18:07 ID:???
- 首の無い少女が家の前に立っていたって言うとこはマジ
友達がそれみたんだってね
- 193 :被告(1 :2004/02/23(月) 10:38 ID:???
- ことの発端は、ぼくの教育実習だった。ぼくは小学校の教師になるつもりなんてなかっ
たが、とにかくこれをやっておかないと単位がもらえない。ふつう教育学部の学生なら、
教育実習は自分の卒業校でってことになるんだろうけど、申し込みが遅かったせいで、ぼ
くの出た小学校は枠がいっぱいになってしまっていた。ぼくの小学校だけじゃなく、大学
に近い小学校はほとんどすべてだ。
ゼミの先輩があの小学校を紹介してくれたのは、ただの偶然だった。「郊外における先
進的教育試見」という卒業論文に取り組んでたせいで、先輩はあちこちの郊外の小中学校
にコネがあったのだ。面倒を見る人間がいないという理由で――実のところは面倒くさい
だけの――実習生を取る予定のなかったあの小学校に、無理やりぼくを押し込んでくれた。
実習自体は、思っていたよりおもしろかった。だが、その半面、レポートだなんだで、
実習生の分際で学校に最後まで残っているという日が珍しくなかった。
その子が現れた日も、ぼくひとりで職員室に残ってレポートを仕上げていたときだった。
柄にもなくレポートに熱中しているうち、もうすっかり日が傾いて、デスクライトをつけ
ようと顔を上げたとき、その子に気づいた。
もちろん、びっくりした。その子が驚くほど整った顔をした可愛い女の子だったからだ
けではない。なにしろその可愛い顔があちこちアザだらけだったからだ。
いつの間にか雨音が聞こえてきた。降りだしたらしい。
「転んだの」。『二年一組・きしもとみちる』の名札をつけた子はそう言った。
ぼくはすぐに嘘だとわかった。転んでできた怪我じゃない。
「どこで転んだのかな」
稲妻が光り、みちるの無残な傷跡がぼくの瞼に残像となって焼きついた。
「美浜さんと遊んでるとき」。みちるは答えた。
- 194 :被告(2 :2004/02/23(月) 10:39 ID:???
- 二年一組の美浜ちよの存在は知っていた。財閥の娘、同時にこの学校の校長の姪でもあ
る。みちるとは別の意味で魅力的な少女だった。地域のアイドル。何人もの取り巻きに囲
まれて登校してくる姿を見かけたこともあった。
「美浜さんとよく遊ぶの?」
みちるは黙ったままだ。なんとなく背景が見えてきた。
「お父さんやお母さんは怪我をしたの知ってる?」
みちるは頷いた。
「パパもママも美浜さんの会社で働いてるの」
この辺りの地域はほとんど美浜財閥の息がかかっている。この学校だけの話ではなく、
商店街から私設警備隊の運営までだ。その庇護の下から出ることは、この地域では廃業を
意味する。
「転んだの、わたし」
窓の外にまばゆい光があふれ、轟音が響いた。落雷だ。職員室の蛍光灯がパッと消えた。
一瞬の暗闇から、蛍光灯が再び瞬いて職員室に明かりが戻ると、もうそこにみちるはいな
かった。
- 195 :被告(3 :2004/02/23(月) 10:39 ID:???
- 次の朝、教頭の訓示が終わると、ぼくは二年一組の担任をつかまえた。担任は中年の女
性教諭で、夫はやはり美浜系列の会社で働いているらしい。
「先生のクラスに岸本という生徒、いますよね」
担任の顔がさっと青ざめた。
「どういう子ですか?」
「どういう子って・・・。確かに岸本はうちの学級の子でした」
過去形?
「でも、なんであなたが岸本のことを知ってるの? あの子が事故で死んだのはあなたが
ここに来る前だったのに」
死んだ? そんなバカな話があるかと呆然となっていたぼくに、担任は言った。
「あの子も、かわいそうな子だったわね」。そう言い残すと担任は授業へと出かけていっ
た。始業のチャイムが鳴っていた。
ぼくはその日の昼休み、図書室で新聞をめくっていた。あった。
「小学生、工事現場で死亡」という見出しで始まる地方版記事には、三ヶ月前、終業後の
建設途中のビルの資材置き場になぜか入り込んだ小学生「岸本みちる」が積んであった資
材の下敷きになって「事故死」したことが書かれていた。
「みちるちゃんは暗い性格で友達も皆無。以前から一人で資材置き場で遊んでおり、事故
の数日前にもそこで転んで顔にアザを作っていた」という担任教諭の証言、それに両親は
「事故」の後に他県に引っ越していったともあった。
- 196 :被告(4 :2004/02/23(月) 10:40 ID:???
- みちるはどうしてぼくの前に現れたのだろう。それに、新聞記事の内容のなんとなくも
腑に落ちない。
ぼくが現場の資材置き場に出向いたのは、次の日曜日のことだった。資材置き場には簡
単に入ることができた。
現場はすぐにわかった。ワイヤーでくくられた鉄骨の山の傍ら。枯れた小さな花束がそ
こには置かれていた。
「何してるんですか」
振り向いた僕の前に立っていたのは、美浜ちよだった。高価そうな子供服を着ていたが、
ブルジョワな様相とは裏腹の、まだ子供っぽさを色濃く残したあどけない表情。ぼくはち
ょっと、意地悪をしたくなった。
「君こそ何してるんだ。またここで誰かをいじめてたのかい」
ちよは首を傾げた。そして不思議そうに、言った。
「何のことですか? 私、知りません」
その口調は、やけに落ち着いている。ぼくはさらに続けた。
「みちるちゃんが死んだのは、本当に事故だったのかな」
ちよは、まったく動揺しているようには見えない。
「みるちー、遊び相手がいなかったんです。だから、いつも一人で遊んでいて、あの日も
一人でここに来て、事故にあったんです」
ぼくはちよの瞳を見つめながら言った。
「こないだ、職員室にみちるちゃんが来たんだよ。傷だらけの顔をしてね」
ちよは大きく目を見開いた。
「うそです! みるちーはもう死んじゃったんです! 先生の嘘つき!」
そう叫ぶと、ちよはどこかへ走り去ってしまった。
- 197 :被告(5 :2004/02/23(月) 10:41 ID:???
- ちよの「事故」のニュースを聞いたのは、翌朝学校でだった。美浜ちよは、昨夜、資材
置き場で事故死したというのだ。みちると同じように崩れてきた資材の下敷きになって。
事故があったのは、ぼくと話した数時間後のことだという。
ちよの死は、地域を揺るがせた。同時に、みちるの「事故」に対する再調査も始まった。
きっかけはぼくの発言だった。
やがて、ちよとみちるの評判は逆転した。「意地悪なちよ」と「かわいそうなみちる」。
しかし、まだ『何か』がぼくに考えることをやめさせなかった。
ほんとうにちよはみちるを殺したんだろうか。なぜちよは、何度も資材置き場に行った
のだろうか。故意にせよ、過失にせよ、自分が原因でみちるを死なせたとしたら、その現
場にたった一人で少女が行ってみようという気になるだろうか。
あのとき、傷ついた可愛らしいみちるの顔を見て、ぼくはみちるが一方的な被害者であ
ると信じた。ひょっとして、みちるの死は本当にただの事故だったのかもしれない。友達
のいない孤独な少女の事故。死んだみちるは、ふだんから仲間に囲まれたちよが妬ましか
ったにちがいない。評判の逆転。
みちるとちよ。どちらが真の被害者だったのか。ぼくはいまでも二人の少女のことを考
えている。
- 198 :名無しさんちゃうねん :2004/02/23(月) 15:27 ID:???
- >>193-197
乙。ちよちゃんが、高校進学前に死んじゃったよぅ。
でもなかなか不気味で面白いな。
しかしなんだな。
このスレ、SSのレベルがだんだん高くなっているな。
他のスレも最近急に職人さんが続々降臨して、クオリティの高いSSを投下
してるけど、ここも他のSSスレに負けてないな。
みなさんガンガレ!
つーわけで期待age
- 199 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/23(月) 16:19 ID:???
- 知らない親父
榊は悩んでいた。
なぜ自分の写真にだけ知らない親父が写っているのか。
(授業に集中しよう)
とりあえず榊は考えるのをやめた
その夜
榊は心霊写真をよくみてみた
ますます不気味だ。
(笑ってる・・・のか?)
(動物には見えないものが見えるってテレビで言ってたっけ)
「あ!じゃぁ・・・」
いつも猫にかまれるのは私の後ろになにかいるからか?と榊はおもった。
「近いうちにどうにかしないと・・・ あ、神社に持っていこう」
榊は明日、写真を持っていくことにしてベッドにもぐりこんだ。
榊は突然、息苦しさを感じた。
目をあけるとなんか白いものが通ったような気がしたのであたりを見回した。
しかし何も無かったのでそのまま寝た。
すると今度は金縛りに襲われた。
「うっ・・・くっ!」
なんだ?と思い目を開ける。
すると、あの写真に写っていた親父の顔が天上いっぱいに広がっていた。
榊と目が会うとその顔はニヤリと笑った。
(終)
- 200 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/23(月) 16:24 ID:???
- >>193-197
乙です
ちよちゃん・・・ご冥福を祈ります
でも面白かったよ グッジョブ
あと 知らない親父 の状況がよく把握できなかったら
あずまんが大王の第1巻 98ページ 知らない親父をみれば状況が把握できるかも
- 201 :名無しさんちゃうねん :2004/02/23(月) 17:37 ID:???
- >>200
やあ!新人さんかい?初めまして。
ここにはいろんなスレがあるから、自分にあったところを見つけてほしいな。
四匹スレやエロパロ板の存在は知ってるよね?
- 202 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/23(月) 17:41 ID:???
- いや、新人ではない
前まで名無しだっただけだ
- 203 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/23(月) 18:25 ID:???
- おぉ!何だか優れた作品が次々とうpされて行くではありませんか!
>>193-197
乙です。面白かったです。
真相が分からない、という結末は個人的に一番不気味で恐い話だと
思ってます。
う〜ん、対抗意識がメラメラと…。
最近、いろんな人の良SSがどんどん入るようになって嬉しいです。
辛抱強くSSを次々とうpしてきた甲斐がありました。
さてと、私もうpしようかな。ちょっとグロ解禁したので、グロ苦手な人
要注意です。
- 204 :赤いゴム鞠−1:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/23(月) 18:27 ID:???
- 「ちよちゃ〜ん。お好み焼き食べに行こか〜」
放課後の帰り道、大阪がちよを誘った。
「やっとこのへんでも美味しいお好み焼き屋を見つけたんや。一緒に行かへんか?」
「お好み焼きですか。いいですね。行きましょう」
ちよは今日は炊事当番ではなかったので、行くことにした。それに大阪と行けばよみ達と比べて量が少ないので
夕食にそんなには影響が無いと思われた。
大阪が見つけた店は、帰り道としては少し遠回りの方にあった。
「ちよちゃん、ここいらへんはちょっと大きな車の通りが激しいから気を付けてや」
「ほんとにダンプとかが多いですね。近くに何か大きな建物でも建つんでしょうか」
実際、縁石を境界線として歩道はあるのだが、狭いので傍をダンプが通るとかなりスリルがある。
2人はダンプが通る度に、立ち止まりを繰り返しながら時間をかけて歩いていった。
目的店は交差点の角にあった。
中に入ると、ソースの焦げた臭いや、肉やイカなどを焼いた良い臭いが漂い、2人の食欲を刺激する。
店は結構繁盛しており、空いた席は見当たらなかった。
カウンター席も満員だったので、2人は座敷で相席となった。
相席となったのは机では、幼い女の子を連れた若い母親が先にお好み焼きを食べていた。
とても社交的な人で、相席になった大阪とちよに気さくに話しかけ、ラムネまで奢ってくれた。
なんでも、自分も同じ高校の卒業で、懐かしくてつい声をかけたのだという。
女の子の方はまだ幼稚園の年少組で、今4歳とのことだった。
おさげが似合う可愛らしい子で、特にちよのことが気に入ったのか、一生懸命話しかけていた。
微笑ましい一時も終わり、旦那の夕ご飯の準備をするとかで、その母親は帰り支度を始めた。
女の子の方は、もっと大阪・ちよと話がしたかったようだが、ちよがまた遊ぼうねと声をかけると
「お姉ちゃん、今度一緒にボール遊びしてね」と大きな声で元気良く返事をした。
そして満面の笑みを浮かべ、愛用のゴム鞠を抱きかかえながら力一杯手を振ってよこしてくれた。
大阪もちよも嬉しくなってしまい、その子が店の外に出るまで手を振ってあげた。。
「大阪さん、あの子可愛かったですね」
「うんめっちゃ可愛かった。子どもってええなぁ」
さっきの母子との話しに夢中で、お好み焼きはまだ食べ終えていなかった。
少し冷めたお好み焼きに箸を付けた時、パンッと何かがはじけたような乾いた音が聞こえた。
- 205 :赤いゴム鞠−2:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/23(月) 18:27 ID:???
- ギィーーッギギギィーーー!
直後、外で金属が擦れるような音がした。同時にドンっと何かがぶつかる音や、倒れた音、そしていくつかの悲鳴があがった。
店内にいた客が、何事かと何人も外に飛び出していった。
「うわっ…。こりゃひでぇ」
「おい!救急車を呼べ!」
「大至急だ!10台くらい呼んどけ!」
表で怒号が飛び交う。大阪とちよは恐る恐る表に出てみた。
外はゴムの焼けたような臭いが漂っていた。
ダンプカーが交差点に飛び出す形で止まっており、辺りには人が数人倒れている。みなうめき声を上げながらのたうち回っていた。
どうやらダンプカーが歩行者が渡っている横断歩道に突っ込んだらしい。運転手はハンドルに突っ伏したまま
動こうともしない。
と、突然凄まじい叫び声が聞こえた。その場に居た者の視線が一斉にその声の主に集中する。
あの母親だった。泣き声とも怒りの声ともつかない、口の中で全ての感情が入り交じって吐き出されたような
叫び声をあげながら、ダンプの周りを何かを探すように歩き回っていた。
「おいっ!子どもが!!」
誰かが大声であげながら指差した。その先には、ダンプの下に隠れるように幼い子どもの身体が見えた。
母親もそれに気付き、子どもを抱きかかえようと走り寄る。が、抱きかかえることは叶わなかった。
子どもの頭はタイヤの下にあったからだ。まるでタイヤから子どもの首から下が生えているようにも見える。
それに気付いた母親は半狂乱となり、頭を抱えながら絶叫した。
大阪は凄惨な事故現場を見た事によるショックよりも、母親の心情を察していたたまれなくなり、目を背けた。
「大阪さん?一体何があったんですか?」
人ごみのせいで、ちよには事故の状況は見えない。
「ちよちゃん。見ない方がええよ。いや、見たらあかん」
大阪は涙目になりながら答えた。
と、その時野次馬から怒号が上がった。
「お、おい!おまえ何をするんだ!やめろ!」
大阪が思わずダンプの方を見ると、あの母親が子どもをダンプの下から出そうと子どもの足を引っ張っていた。
男達が数人止めに入ろうと駆け寄ったが間に合わなかった。
- 206 :赤いゴム鞠−3:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/23(月) 18:28 ID:???
- ミチッ、ミチミチッ
嫌な音と共に子どもの身体はタイヤから抜けた。鮮血が溢れ出るのも構わず、母親は首のない子どもを抱きかかえた。
駆け寄った男達もその異様な雰囲気に気圧されて止めに入れなくなった。母親は辺りに救いを求めるような目で周囲を見回した。
そしてちょうど大阪と目が合った。母親は子どもを抱きかかえながら大阪が居る方に駆け寄った。
ブラウスを血で真っ赤に染めながら首のない子どもを抱きかかえて駆け寄る様は、さながら鬼女のようであった。
ちよは駆け寄った母親の姿をまともに見てしまい、気絶した。
「誰かなんとかしてぇ!なんとかしてよぉぉぉぉ!」
母親の絶叫が交差点に響き渡り、周囲はパニックになった。
「ダンプの運転手は携帯電話をかけながら運転してたらしいですね」
「それで信号が赤なのに気付かんで突っ込んだらしいな…」
「亡くなったのはあの子だけだそうです…。他の人は重傷だったけど命に別状は無かったそうです」
「あの子を轢いた時は、ブレーキかけてなかったらしいな…」
「あのお母さん、大丈夫でしょうか?」
「可愛い盛りの子やったなぁ。めっちゃ気の毒や」
大阪とちよは、あの事故以来、ショックで1週間ほどここに来る気にはなれなかった。
しかし、たまたまここを通りかかった榊からすでにかなりの量の献花があったことを聞かされ、
直前まで話をしていた者、死を見届けた者としての義務感のようなものを感じ、献花しに来たのだ。
事故現場には、おそらくあの子が通っていた幼稚園の先生や園児、その親達からものであろう献花や、おもちゃや
お菓子などのお供えが山のように置いてあった。教室でも人気の子だったに違いない。
大阪とちよは、献花をすると手を合わせ、女の子の冥福を祈った。
2人がその場を立ち去ろうとしたとき、2人の足に続けざまに何かが当たった。
ふと見ると鞠が1個、足下に転がっていた。
転がってきた方向を見ると、お好み焼き屋の前で小さな女の子がニコニコ笑いながら立っていた。あの子だった。
大阪とちよはほぼ同時に互いの顔を見た。2人とも見えたようである。
もう一度女の子の方に顔を向けたが、もう姿は見えなくなっていた。足下の鞠も消えていた…。
- 207 :赤いゴム鞠−4:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/23(月) 18:29 ID:???
- その晩。
大阪はなかなか寝付けなかった。布団の中でごろごろしていたが、一向に瞼が重くならない。
何度目かの寝返りを打った時、外でテンッ…テンッ…という音が聞こえたような気がした。
「ん?何の音や?」
耳を澄ましていると、どうやらゴム鞠を突く音のようだった。
音は家の周りをゆっくり回っていた。
「あかん…。入ってくる気や」
音がだんだん近づき、家の中に入ってきた。大阪は心の中で必死になってお経を唱え、
「成仏してくれ、成仏してくれ」と祈った。
音は遠ざかり、やがて聞こえなくなった。
その頃、ちよは目を覚ましていた。いつもなら9時頃に寝て朝までぐっすり寝ているのだが、今晩に限って
途中で目が覚めてしまったのだ。時刻を見ると午前1時を指している。
ちよは天井をぼんやりと眺めながら、眠気が訪れるのを待っていた。
何となく、1週間前の事故のことや、昼間の出来事が思い浮かんだ。
状況からみて、あの子はほぼ即死。痛みなど感ずる時間も無かったのではないか?
死んでしまったこと自体、本人は分かっていないかも知れない。死の瞬間まで一体何を思っていたのか?
ちよは初めて死というものについて考えさせられた。
ふいに、遠くからテンッ…テンッ…という音が聞こえてきた。どうやらゴム鞠を突く音のようだ。
ちよの脳裏に昼間見た光景が浮かんだ。足下に転がってきたゴム鞠、お好み焼き屋の前に立っていたがすぐに見えなくなった女の子…。
ちよは混乱した。あれは幻覚ではなかったか?今聞こえているのも幻聴では?
鞠を突く音はゆっくりと屋敷の周りを回っていたが、やがて音が近くなってきた。
音の主が屋敷の中に入ってきたようだ。
これは幻聴だ、これは幻聴だ、これは…幻聴だ…。ちよは必死で自分に言い聞かせた。
しかし、ベッドの傍で寝ていた飼い犬の忠吉のうなり声が、ちよの祈りにも似た思いをうち砕いた。
音は階段を登り、ゆっくりと廊下を進み始めた。
- 208 :赤いゴム鞠−5:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/23(月) 18:29 ID:???
- テンッ…テンッ…テンッ…テンッ…
音が近づくにつれて、忠吉のうなり声も次第に弱気な鳴き声に変わってきた。忠犬の変わり様に否応なく恐怖心が倍増する。
テンッ…テンッ…テンッ…テンッ…
音は、とうとう部屋に入ってきた。誰かがドアの前に立つ濃い気配が漂ってきた。
ちよは震えながらもふとんに潜り、目を固く閉じて恐怖に耐えようとした。
音に変化が起きた。
テンッ…テンッ…、…ドスッ……ドスッ……ドスッ……
何か重たいモノを突いているような音に変わった。
ふいにゴム鞠を突く音が途絶えた。鞠を放ったのだろう、ドッ…、ドッ…とこちらに向かって弾む音がし、
ちよの枕元にポスッと落ちてきた。
ズッ…、ズッ…。
床を靴で擦るような音がゆっくりと近づいてくる。おそらく放ったゴム鞠を探しているのだろう。
そしてそれはちよの枕元のすぐ傍に転がっている。音の主が枕元に辿り着くのは時間の問題である。
ちよは耐え難い恐怖に頭を抱えて縮こまった。
「お姉ちゃん、遊ぼっ」
枕元の鞠がしゃべった。
「え?」
枕元の鞠を見て、ちよはそのまま気絶した。
数日後、件の交差点には小さいながらも立派なお地蔵様と祠が祀られた。
街の噂では、美浜財閥からの寄付で急遽作られたという。
あれから、ちよの身には何も起きていないらしいが、
トラウマとして車に続いて、ゴム鞠が追加された。
その理由を知る者はごく一部の近しい者だけのようだ。
そして理解している者となると、大阪だけらしい。
(Fin)
- 209 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/23(月) 18:35 ID:???
- うひゃー、怖っ。
ちよちゃん、車とゴムマリか、可哀想だな
いや、面白いです。乙です
子供もこわかったがお母さんも怖いw
流石です
- 210 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/23(月) 19:05 ID:???
- 願いを叶える者 1
あしたはいよいよクラス替え。
また榊さんと一緒になれたらいいな〜
そう日記に書くのはかおりんである。
「はぁ〜、一緒になれるかな〜」
大きなため息をし、つぶやく。
ふとかおりんはラジオのスイッチをいれた
ダイヤルを回していると、いつもは使われていないチャンネルから番組が流れた
みなさーん、こんばんわー
あなたの願いをかなえまーす
え〜、まずは東京都にお住まいの・・・
「あれ?いつにまにこんな番組できたんだろう?」
かおりんは不思議におもった。
いつもならなにも流れないはずのチャンネルに突然ラジオ番組が始まったからだ
「まぁ、いいか」
かおりんはその番組に聞き入った
じゃぁつぎの願い事ねー
えーと、東京都にお住まいのかおりんさん
「え!?」
なになに・・・
あしたはクラス替えで好きな人と同じクラスになれるか心配です
おなじクラスになったら死んでもかわまないです
ぜひおねがいします・・・だって
よし!この健気な女の子の願いかなえてあげよう!
じゃぁ次ね
「うそ!?」
かおりんが驚くのも無理は無い。
なぜならさっき書いた日記の内容とほとんど一致しているからだ。
「え?ど どうしよう」
かおりんは嫌な予感もしたが期待もしてしまった。
「まぁ 冗談番組かも知れないしね」
かおりんはすこしさめたココアをのんだ
- 211 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/23(月) 19:24 ID:???
- 願いを叶える者 2
次の日
かおりんは千尋と登校した。
その際、きのう起こったことを話した
「へぇー、そんな番組があったんだー いいなぁ」
「いいわけないよ」
「なんで?」
「だってハガキも出してないのにそのとき思ってたことがまるごとラジオに言われたんだよ?」
「まぁ、ねぇ」
下駄箱には人だかりが出来ていた。
(あ!クラス替えがあるんだっけ)
かおりんは隙間から覗いてみた。
「あ!!」
(あったー!)
かおりんは見事、榊とおなじクラスだった。
その1日は幸福であった。
(あぁ 榊さん 榊さん! 榊さん!! あ〜!)
夕方
かおりんは幸福の余韻に浸っていた
「あのラジオほんとだったんだー」
かおりんの顔から笑みがこぼれる
(ん?たしかあしたはクラス替えで好きな人と同じクラスになれるか心配です
っていったあと死んでもかわまないですって言ってたっけ・・・!?)
「死!?」
ガサッ・・・ゴソッ・・・
お母さんだった。
「なんだ、お母さんか」
しかし様子がちがかった。
いつもなら陽気だったはずなのに無言で近ずいてきた。
「なに?なんかよう?」
振り返るとものすごい形相で包丁を振り上げたお母さんがいた。
「え?」
- 212 :無印不良品 ◆BrCAYsapQA :2004/02/23(月) 19:31 ID:???
- 願いを叶える者 3
次の日
緊急集会があった。
いきなり校長先生のお話があった。
「えー、きのう、真に残念なことが起こりました。
きのう、相田かおりさん宅で相田かおりさんが死体で発見されました。
第一発見者はお母さん、警視庁の調べによると・・・」
(終)
- 213 :名無しさんちゃうねん :2004/02/24(火) 01:24 ID:???
- >>199
乙かれ〜。
うぇ〜。怖っ!確かに天井いっぱいに顔があったら…。
今晩は眠れそうに無いな…。
>>204-208
乙。
この手の、転がってきたものが生首というパターンは、怪談では王道だけど、
演出が怖い…。って言うか、お母さんが怖いよ!
>「ちよちゃん。見ない方がええよ。いや、見たらあかん」
>大阪は涙目になりながら答えた。
何気に大阪がかっこいいね。
>>210-212
かおりんが死ぬ場面をもう少し練ったほうがいいような。
ちょっとあっさりしすぎてると思う。
でも面白いよ。
期待age
- 214 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/26(木) 02:07 ID:???
- 書きかけは何本もあるんですが、全然筆が進まなくなった…。
仕事が忙しくなってしまったせいもあるけれども…。
恐怖ネタはいっぱい知っているのに、上手くあずまんが変換が出来ない。
しばらく、他の上手い職人さんのSSを読んでイメージを膨らまそうかな。
ちょっとインターバルをとろうか。
SS書く人の苦労が今少しずつ分かってきたような気がします。
以上、独り言でした。すんません。
- 215 :名無しさんちゃうねん :2004/02/26(木) 14:46 ID:???
- SSではなく、映画・小説・漫画・ゲームなどに触れるのがよいかもしれません。
様々なところから、様々なものを吸収して、スーパーPASCO人になってください。
応援してます。
そして、負けません。
つーか、勝つ。
- 216 :無印不良品 ◆sYRqmcZNGU :2004/02/26(木) 18:58 ID:???
- ネタがないんだよ
ネタ、ありきたりなのは話が単調になるからなぁ
- 217 :結局家でも仕事なの、のPASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/27(金) 00:23 ID:???
- >>215
助言どもです。
しかし、スーパーPASCO人って?
負けません?
つーか、勝つ?
ほぇ?
ひょっとして神楽さんですかい?
>>216
そーなんだよなー。今持ってるネタは全てありきたりか、あるいはあずまんがの
雰囲気にそぐわないというか…。
単調にならないようにと思うと、行き詰ってしまう。
視点を変えればあるいは…。
以上、仕事が煮詰まって現実逃避に来たPASCOでした。
- 218 :名無しさんちゃうねん :2004/02/28(土) 11:31 ID:???
- >>210-212
某アニメで、似たような話をやっていたような気がします。
そのアニメでは主人公が、ある文房具屋で日記を購入します。
そして、日記に、好きな人と隣の席になれたら死んでもいいと書いて・・・
日記の内容が現実となって、主人公は死んでしまうという話でした。
あ、気分を悪くされたらすみません。独り言だと思ってスルーしてください
- 219 :名無しさんちゃうねん :2004/02/28(土) 13:57 ID:???
- いや、この手の話はオリジナルが難しいんだよ。出尽くしてるkanがあるから。
ただ、そのアレンジのユニークさが書き手のスキルかな。
- 220 :今日は息子のお遊戯会だった…すげぇ疲れたPASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/28(土) 22:32 ID:???
- >>218
怪談本を20冊くらい読むと、話のパターンの分類が出来て面白いですよ。
類似した怪談の多いこと多いこと…。
- 221 :身内(1 :2004/02/29(日) 08:49 ID:???
- おお、黒沢さん、いらっしゃいいらっしゃい。去年遊びに来たとき以来じゃな。汽車は
混まんかったかの? いま東京からだとどのぐらいかかりなさるね。六時間? そうか。
女の一人旅は難儀だっただろう。
あ、そのままそのまま。なあに、わしに気を使うことはないて。バアさん、わしに茶を
いっぱい持ってきてくれんか。ああ、ありがと。
どれ、どっこいしょと。
しかしなんだの、わざわざこんなところに来てくれるなんてありがたいことじゃの。ゆ
かりもあれでなかなか奔放での、急なことじゃったし他のもんには連絡できんかった。他
で来てくれたのはあんたぐらいじゃよ。学校に連絡? すまんのう、わしらそういうのは
わからんのじゃ。おお、あんたがしてくれたのかい、いろいろ悪いのう。
それなら、黒沢さん、お礼も兼ねてたんと食っとくれ。ほら、箸が止まっとる。遠慮な
んぞいらんから。
いや、わしはいいんじゃよ。野良に出る前にたんと食ろうたからのお。
ははは、飯がうまいっつうても、このへんの自慢は米と水ぐらいしかないからの。都会
の人の口に合うもんは、ほかになあんもないよ。
え? 祭り? 来なさったとき祭りの行列を見た? ああ、あれは祭りというわけでは。
そうかそうか、よそもんが見たら祭りに見えるかもしらん。神輿?
おい、バアさん、聞いたか。ゆかり、神様になってしもうとるぞははは。
いやなに、あれは祭りなんぞではなくての。このへんの在郷の葬式なんじゃよ。よそと
ちごうて、のぼりやら何やら派手に立てるで、祭りに見えても無理ないんだがのう。
黒沢さんが神輿と思うたのは、なに、棺桶じゃよ。このへんではお送り樽と呼んでるがの。
それそれ、お代わりはどうした。バアさんバアさん、まったく気がきかん年寄りじゃ。
なに? 年寄りはお互い様? そりゃそうじゃははは。
一杯だけなんぞといわず、十杯でも二十杯でも好きなだけお代わりしてくだされよ。米
ならいくらでもあるでの。煮つけのほうも残さず食ろうてくだされよ。こんな山里の肉料
理なぞうまいはずもなかろうが、ばあさんが朝はようから煮こんどいたんじゃ。そうそう、
それでええ。
- 222 :身内(2 :2004/02/29(日) 08:50 ID:???
- で、なんだったけの? ああ、葬式か。聞いとると思うが、ゆかりがおっちんだのは昨
日のことでの、帰省中に交通事故で一発じゃ。かわいそうに結婚もしとらんというのにの
お。そう、その葬式が今朝。わしら? ああ、このへんでは葬式は身内だけでやるのがな
らわしなんじゃよ。通夜なんぞというもんもねえ。
かといって、けして村のもんがゆかりの死を悲しんどらんというわけではないぞ。みん
な、きょうはゆかりのことを胸に刻みこんどる。
ゆかりはきょうの形見分けで、村のもん全員に弔ってもろうておるんじゃ。そう。ここ
では誰かが死ぬと村の人間全員、赤子からわしらのような年寄りまでの全員に形見分けす
るんじゃ。これはこのへんのような山里ならではかのう。
なにしろトラックだなんだっつうもんがなかった昔の頃は、山里では魚なぞ手に入らん。
獣なんぞも獲れんよ。このへんはみな将軍様のお鷹場だったでのう。村人が勝手に猟なぞ
したら打ち首じゃ。そもそも永禄二年、近くの山で白いお鹿さまが取れて以来、歴代の将
軍様が・・・。・・・なんの話じゃったかの。
そうそう。形見の話じゃな。そういうわけで、なんだ、その、たん、たん、たんぱく質
とやらが足りんかったのよ。それでまあ、死んだもんがおったらみなで形見として少しず
つ・・・。どうなさった、青い顔をして。貧血かの。それはいかんぞ。体が資本と言うか
らの。ほれ、煮つけをもっと食べなさい。むかしから貧血には肝がいちばん。ゆかりもあ
んたの血となり肉となるなら本望・・・。
これ、黒沢さん、黒沢さん、しっかり・・・、ばあさん! ばあさん! 黒沢さんが倒
れなさったぞ! ばあさん! ばあさん!
- 223 :名無しさんちゃうねん :2004/02/29(日) 15:07 ID:???
- こえぇ('A`)
- 224 :名無しさんちゃうねん :2004/02/29(日) 15:49 ID:???
- カニバリズムはオススメできない……。
- 225 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/01(月) 00:35 ID:???
- >>221-223
こ…こわひ…。
やはり一番怖いのは人間だ。
何かの怪談で、人肉を食べた者は口の中が真っ赤になる、とあったよ。
このネタで派生できそうだな…。
- 226 :名無しさんちゃうねん :2004/03/03(水) 12:57 ID:???
- 初めましてじゃねーけど、初めまして、だな。夜露死苦。
突然だけど、オレの好きなもんを紹介するぜ。自分語りウゼーってんなら飛ばしてくれ。
ドラマ:世にも奇妙な物語
小説:1999年のゲームキッズ
漫画:学校怪談
ゲーム:トワイライトシンドローム
映画:タタリ
つーことで、何が言いたいかってーと、このスレ大好き。めっちゃ好き。
んで、しばらくROMってたわけなんだけどよ、そのうちオレも一枚噛みたくなってきたってわけさ。二つ三つ投げ込ませてもらうぜ。
ま、ちんけなヤローだが、広い心で頼むわ。具体的には出羽海ぐらい。
あー、それから批評とか?そういうの、歓迎なんで一つ4649、センパイ。
んじゃ、早速一つ目、行くわ。
――と、その前に、『グロ注意』な。
- 227 :夜の窓から :2004/03/03(水) 12:58 ID:???
- 最後の数式を解いたところで、水原暦は大きく伸びをした。
やっぱり一人でやるとはかどるものだ。当社比1・5倍速で予定が終わった。
いつものうるさいあいつは、どういうわけか今日は来ない。大方、同じ大学に受かった友人とどこかに遊びに行っているのだろう。
学習環境の上では滝野智は全くのマイナス因子で、暦は彼女の妨害を避けるためだけに美浜家に行って勉強することさえあった。あそこなら彼女の運動エネルギーは人数分拡散される理屈だ。
(このままずっと来てくれないと助かるな)
本人が聞いたら「そりゃないゼ、せにょ〜る」とか嘆きそうなことを考え、暦はスタンドライトのスイッチをoffにする。心地よく疲れた頭が、軽い気分転換を欲していた。
窓へ向かう一歩一歩は、座布団大の電気カーペットから貰った温もりを、惜しみなく足下の絨毯に分け与えていく。だが、それも今は火照りが滲んだ体に気持ちいい。冬の外気はより爽やかな感覚をもたらしてくれることだろう。
分厚いカーテン、白いレース、窓に映った顔の順にビジョンが移り変わり、次いで漆黒の闇が視界に訪れた。
ほっ、とついた白い息が夜に溶ける。
夜空に星は雲に覆われているのか見えなかったが、街灯や家々の明かりが点々と地上の星図を織りなしていて、暦の脳は期待通りの安息を得た。
(ん?)
赤い星雲が彼方で靄っている。
いや、あれは赤色灯だ。いくつかまとまったそれらが、建物や夜霧に浮かびながら、瞬きつつ移動してしているのだ。
パトカー……消防車……救急車……恐らくその類だろう。
数からすると何か大きな事故でもあったらしい。この辺りでは珍しいことである。
ふぅ…、と湿った風が栗色の髪を撫でた。
「…………」
冬の冷気とは違った空寒さを感じて、暦は窓とカーテンを閉めた。
- 228 :夜の窓から :2004/03/03(水) 12:59 ID:???
- そろそろ英語に手を付けよう。国語と同じで、長文読解には毎日の慣れが必要だ。
机に戻ろうと振り返り、
――バン!
先ほど閉めたカーテンに背中を貼り付けた。布越しのガラスが震える。
それまでなかった物が部屋の真ん中に転がっていた。いくつも、いくつも。
何かをつかむような形のまま硬直した手。
青いジーンズを履いたまま、ありえない方向に折れ曲がった脚。
すでに原型がわからないほどにまで引きちぎれたピンク色の何か。
それらが赤黒いものをまぶした状態で散らかっている。バラバラだった。
目の前が真っ暗になって、頭の中は真っ白になって、パクパクと開閉する口からは叫び声さえ出ない。
何か巨大な獣が無雑作に噛みちぎったとしか見えない死体だった。
服を身にまとっていなければ、人間とはわからなかったかもしれない。
服――
そこで初めて暦は、脚部のサイズに切り取られたジーンズが、自分のそれと同じであることに気づいた。
青いというだけではない。色の薄れ方、裾のかすれ具合、履かれた際に空く肌と服のフィットも……そうだ、脚のサイズでさえ、同じ――
(!!!)
息をのむ。
同じ。
みんな同じ。
真っ赤になっていてわからなかったが、あの裁断されてねじけたトレーナーのプリントは、暦が着ているものと同じ。
きれいに切りそろえたはずの爪も、人差し指の根本に付いたホクロも、暦の手を同じ。
そして、多分、多分あの「中身」も同――
胃の内容物がふいにせり上がってきて、暦は顔を抱えるように口を押さえた。
視線は図らずも足下へ行き、そして、「それ」を見た。見てしまった。
栗色の髪、眼鏡越しの双眸、色鮮やかな切断面。自分の頭部。
飛び出るほど見開かれた眼球がグルリと動き、血走った瞳に「同じ姿」を映す。
何かを訴えかけるように黒く、丸く開かれた口から低音の響きが生じた刹那、暦は意識を失った。
- 229 :夜の窓から :2004/03/03(水) 12:59 ID:???
- 翌日、暦は近所の踏切で若い女性が列車に轢かれたことを知った。あの赤色灯はそれだったわけだ。
レールと車輪に幾度も挟まれた死体は、手の着けようもないほどバラバラで、あたりは一面、誇張抜きで血の海だったそうだ。警察はバケツでそれらを回収したらしい。
あくまで推測だが……あの時見たものが夢や幻でないとするならば……
あれは轢かれた女性の断末の思いが見せたものだったのではないか。
窓を開けた時、その思念が夜風と共に飛び込んできたのではないか。
確定する証拠は何もなかったが、暦にはそうとしか思えなかったのである。
それ以来、何も変わったことは起きなかったし、暦の生活はいつものままだった。
ただ、美浜家における勉強会の回数が増えたことと、滝野智を自室に招き入れる態度が以前より穏和になったことが変化といえば変化だったと言えるだろう。
そして、暦の部屋のカーテンは、夜の間は決して開かれることはなくなったということだ。
- 230 :まだ仕事中だが読んじゃったPASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/03(水) 18:29 ID:???
- >>227-229
乙です。良いですね〜。
目を瞑って状況を想像すると、よみの身に起きた出来事はかなり恐いですね。
そのへんの描写も緻密でGoodです。
日常生活の描写から始まり、急激な非日常の展開を迎え、再び日常に戻るが、
主人公の行動には何か変化が起きている…。
怪談の重要なポイントを押さえた良作ですね。
最後の、何かが変わったけどいつも通りの生活が続いていく、という描写が
恐怖の余韻としていいですね。
私も同じ手法で怪談を紡ぐ者として勉強になります。
ちょっと…燃えてきましたよ。
頑張って考えよう。
その前に、仕事を終わらせなければ…(トホホ
- 231 :まだ仕事中だが読んじゃったPASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/03(水) 18:32 ID:???
- >>226
追伸
二つ三つと言わず、ドシドシ投下キボン。
キミの熱い思いでこのスレを盛り上げてくれ!
- 232 :別荘にて@:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/04(木) 12:55 ID:???
- 「…以上がこの別荘を使う上での注意事項です。みなさん、よろしいですか?」
2年目の夏休み。
今年もちよ達一行は、ゆかり・にゃも両先生同伴の上で美浜家別荘にやってきた。
別荘利用の注意事項については、ちよは去年もみんなに説明したのではあるが、
今回は新メンバーとして神楽が参加していることと、やってはいけないことを敢えて
してしまう者が約1名いるため、再度改めて説明したのであった。
特に後者については、合宿の初っ端からやってくれたので、ちよは念を入れた。
みんなの顔を見回していると、ゆかりが手を挙げた。
「おい。ちよすけ」
「はい。ゆかり先生」
「前回も気になっていたのだが、何で風呂は深夜12時以降は入っちゃいけないんだ?」
「え…と、それはですね」
ちよは、説明しようとして言い淀んだ。
入っちゃいけない理由はお父さんから何度も言い聞かせられている。
だが、ここで言ってしまっていいものかどうか。
いや、言ってしまえば楽しい別荘合宿がぶち壊しになるかもしれない。
第一、話したところで信じてもらえるかどうか。
ここはやはり適当な理由をつけて黙っておくべきだろう。
(実際、私も見たわけじゃないですし…)
「この別荘のお風呂は、私の家族が過ごす分には十分にお湯があるんですが、今回は8人も居ますから、
途中から水になってしまうんですよ」
「ふ〜ん。電気温水器かなにかか。ん。分かった。どうしても入りたかったら水風呂ってことだな」
「(ん〜それも少し困るけど…)あ、あぁそういうことです。はい」
長い説明で待ちくたびれた智が仕切りだす。
「はいはいはい。説明は終わったね。ね?」
「あ、はい。以上です」
「ん!そんじゃー早速!海水浴だー!」
昼間、彼女たちはまぶしい太陽の下、大いに海水浴を堪能した。
しかし、最近の真夏の太陽は紫外線が強い。ちょっとやそっとの日焼け止めでは効果が無い。
もともと日焼けしていた神楽、高価な日焼け止めを持ってきたちよ、及びそれを使わせてもらった
暦、榊、日中ずっと傘の下にいたゆかり、みなもは大丈夫だったが、残りの智、大阪は
安い日焼け止めだったせいか、夕方頃から肌がひりひりしてきた。
沖まで流されていた大阪は特に肩の辺りの日焼けがひどかった
肌の火照りは夜になるとますますひどくなり、気になって眠れないほどになった。
- 233 :別荘にてA:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/04(木) 12:55 ID:???
- 「なぁ、大阪。起きてる?」
「ん?起きてるで。どうしたん?」
「あたし体が火照って眠れない」
「わたしもや。肩がヒリヒリや」
「わー。なんか火ぶくれ寸前って感じだなぁ。どうしようか?」
「別荘に置いてある薬で、何かええのんないやろか…」
「そうだなー。でも薬の場所がわからんな。ちよちゃんを起こすか」
「え?でも、ちよちゃんぐっすり寝てて起こすの気の毒やわ」
「いやいや。あんたのほうがもっと気の毒だ。こういう場合はしょうがないよ」
「そやな。ちょっとお願いしようかな」
「じゃぁ起こそう」
智と大阪はふとんから出ると、ちよを起こした。
「わ〜大変ですね。火傷みたいになってますよ」
気持ちよく眠っているところを起こされて始めは不機嫌だったちよだが、大阪の肩の状態を見て
目が覚めたようだ。心底心配そうな顔をしている。
「何か軟膏があった気がしますよ。下に行きましょう」
3人は1階に降りていき、薬を探した。
「確かここの棚の奥なんですが…。大阪さん取ってもらえますか?」
「ええよー」
薬はすぐに見つかった。しかし速効で冷やすタイプのものは無かった。
大阪の日焼けの状態は、薬よりもまず冷やすことが大事と思われた。
「薬よりもまず冷やした方がよさそうですね。氷と氷嚢を持ってきましょう」
「ちよちゃんそれはたぶん駄目だ」
「え?なんでですか」
智は冷凍庫を開き指し示した。コンビニで買ってきた氷は残って居らず、
製氷器の氷もまだ充分には凍っていなかった。
「さっきみんなで散々冷たいモノ飲んだからな。氷を補充したのも寝る前にやったばっかなんだわ」
「そうでしたか。じゃぁ保冷剤は…。あっ、出しっぱなしですね。」
「あちゃ〜。駄目か…」
「なぁなぁ、ちよちゃん。水風呂なら全身冷え冷えでええんとちゃうか」
「おっ。大阪、それは良い考えだ」
「え?でも深夜0時以降はお風呂使っちゃいけないんですよ?」
「水風呂になるだけだろ。何も温かいお湯に入ろうってわけじゃないんだからさ。な?な?」
ちよは迷った。入っちゃいけない本当の理由を言うべきだろうか…。
でも大阪の日焼けはすぐに冷やした方がいい状態だ。
ちよは目の前の問題を優先することにした。
「わかりました。確かに今は冷やす方が大事です。入ってもいいですよ」
「おおっ。ちよすけ偉いぞ」
「…私はタオルとか薬を塗る準備をしますので先に入ってて下さい」
智と大阪はいそいそと浴室へ向かっていった。
そんな2人を見送るちよの脳裏に、父の言葉がよぎった。
『いいかい?別荘のお風呂には、夜中の12時から朝までは入ってはいけないよ』
『夜中のその時間だけは、あのお風呂は×××の貸し切りになるからね…』
お父さんはあんなことを言っていたけれど、今まで別におかしなことはなかったから、大丈夫だよね。
いつものお父さん一流のジョークなんだと思う。きっとそうだ。そうに違いない。
ちよは予備のタオルを取りに行った。
- 234 :別荘にてB:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/04(木) 12:56 ID:???
- 脱衣所に入った智と大阪は、早速パジャマの脱ぎ始めた。
服が皮膚に擦れたとき、2人の口から思わず苦痛の悲鳴があがった。
「っぃ〜〜〜。シャツが擦れただけで痛いや」
「私もや〜。肩の裏がめっちゃ痛いわ〜」
「早く冷やそうぜ」
智は大阪が服を脱ぎ終わるのが待ちきれなくなり、風呂場の戸に手を掛けた。
ザパーーッ カコン。
風呂場から湯浴みの音がした。
「あれ?誰か入っているのか?」
「どーしたん?智ちゃん」
「大阪ぁ。今中でお湯を流す音しなかったか?」
「えー?聞こえへんかったよ?」
「??気のせいかな…」
カラカラカラッ
智は首を傾げながら戸を開けたが、中には誰もいなかった。
湯船の蓋を開けると、湯気が辺りに立ち込めた。
しかしお湯自体は大分ヌルくなっており、今の2人にはちょうどいい塩梅になっていた。
ザッパーン。
「うは〜〜っ気持ちいい〜〜」
「はぅあ〜〜。ええ気持ちや〜。熱がぴよぴよ抜けそうや〜」
この別荘の湯船は2人で入るにもかなり大きいため、智も大阪も目いっぱい足を伸ばしてくつろいだ。
「入ったついでだ。頭も洗っとこうかな〜」
「あ〜わたしも〜」
智と大阪は湯船から出るとシャワーの前に座り、頭を洗い始めた。
智がガシガシ頭を洗っていると、何か違和感があった。
妙に洗いにくい。
どうも頭皮をかき回している手が1本多いようだ。
「大阪〜やめろよ〜。洗いにくいだろ〜」
「へ?何?わたし何もしとらんよ」
「ああん?」
かき回していた手がふっと離れた。同時に洗面器にボトリと何かが落ちた。
大きな青黒い手首が洗面器の中をカサカサと蠢いていた。
「な?!」
自分の目に映ったモノが信じられなかった智が、もう一度よく見ようと目を見開くと手はもう消えていた。
「なんだ?今の…」
- 235 :別荘にてC:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/04(木) 12:57 ID:???
- 大阪がゆっくりと髪を洗っていると、カラカラカラッと戸が開く音がした。
「あ、ちよちゃんおかえり〜」
智も大阪も頭を洗っている最中で、戸のほうは見なかった。
突然、大阪は背中に抱きつかれた。背格好からしてちよちゃんのようだった。
「わぁびっくりや。ちよちゃん止めてぇな、今手が離せんねん」
抱きついていた者はスっと離れた。
「ああぁっ!!」
同時に叫び声が聞こえた。
何事かと智と大阪が戸口の方を向くと、ちよがタオルを持ったまま凄まじい形相で立っていた。
目をカッと見開いて2人を凝視し、口も大きく開いていた。
何かとてつもなく恐ろしいモノを見たような顔だった。
「あれ?ちよちゃん、なんでそこに立ってるのん?え?さっき抱きついてきたのって…」
別荘の風呂場は広い。大阪が座っている場所から戸のところまで5m近くある。
大阪に抱きついてきた者はちよちゃんだと思っていたが、そのちよちゃんらしき者が離れたのと、
ちよちゃんが叫び声をあげたのは同時だった。
しかも彼女は5mも離れた場所に立ち尽くしている。
「えぇ〜?さっきのはちよちゃんじゃないの…?ほんなら…」
ちよは智と大阪を凝視したまま固まっている。口の端が引きつっているようにも見える。
「お…おい…。ちよちゃん。どうしたんだよぅ。何を見たんだよぅ」
「ひっ…ひっ…ひっ…、ひゅぅぅぅぅ」
ちよはしゃくりあげるように奇声を上げた後、ゆっくりと仰向けに倒れていった。
「わぁ!ちよちゃん!しっかりしろぉ」
「ちよちゃ〜ん」
- 236 :別荘にてD:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/04(木) 12:58 ID:???
- 智と大阪はちよを1階のリビングまで運んで寝かせた。
騒ぎを聞きつけて、残りのメンツも全員起きてきた。
体育教師のみなもが介抱してやるとちよは意識が戻り、
その大きな目をぱちくりさせ上体を起こした。
一体何事かという皆の質問には、智が説明した。自分の体験は伏せて
ただ、ちよが何かに驚いて失神したとだけ言った。
一体何を見たのかという質問に対し、ちよは頑なに口を閉ざした。
ただ一言、
「やはり規則は守るべきでした」
とだけ呟いた。
全員が、恐怖に怯えた顔のまま失神してしまったちよの顔を見ている。
立ちくらみだとかそんな理由では納得しないだろう。
それに一言の内容も気に掛かる。
その場の雰囲気に押されるように、大阪がちよに尋ねた。
「あんなぁちよちゃん。智ちゃんは黙ってたけど、私も変な体験したんやで」
「…」
「私らが頭洗ってたときにちよちゃん戻ってきたやろ?」
「…」
「私そのとき後ろから誰かに抱きつかれたんよ。背格好が似てたからてきりちよちゃんだと思ったんやけど」
「……」
「でも、ちよちゃんはその時はまだ戸のところにいたから、抱きついてきたのはちよちゃんやなかったんやな。
智ちゃんは私の隣で頭を洗ってたし」
「………」
「ちよちゃん見たんやろ?私に抱きついてきた何かを」
ちよの小さな身体が小刻みに震え始めた。
目は虚ろになり焦点が合っていない。何かをブツブツ言っている。
「お父さん…、ごめんなさい…、ごめんなさい…。もう約束は破りません…」
「お、おい。ちよちゃん…」
「ちゃんと言いつけは守ります…。だから、許して…、許して…」
「ち、ちよちゃん?」
「いやぁぁぁ!もう出て来ないでぇ!あぁぁぁぁぁぁ」
「ち、ちよちゃん?落ち着きなさい。落ち着きなさい!」
結局ちよを鎮めるのに1時間近くを費やし、鎮められたというよりは怯え疲れて、彼女は寝てしまった。
- 237 :別荘にてE:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/04(木) 12:58 ID:???
- 当事者3人を除く5人は納得のいかない顔をしていた。
怪奇現象のようだが、話の捉えようによっては痴漢がこの別荘に侵入したとも考えられる。
教師2人の指導のもと、手分けして別荘内を、特に浴室周辺は念を入れてチェックしたが、
鍵は全て内から掛かっており、また誰かがどこかに潜んでいる様子もなかった。
「なんかすっきりしないなぁ。一体ちよちゃんは何を見たんだ?」
「もうええやんか。これ以上ちよちゃんを追求したら、ちよちゃん壊れてまうで」
「…ちよすけが昨日言ってた風呂を深夜に使ってはいけない理由ってこのことだったんかね?
どうりで歯切れの悪い回答だと思ったよ」
「まっさかー。ゆかり先生までそんなこと言わないで下さいよ」
しかし、皆、先ほどのちよの錯乱振りに圧倒されて、やはり怪奇現象だったのではないかという雰囲気になっていった。
「いや。何かの見間違いとかじゃないのか?私は怪奇現象なんか信じないぞ」
現実主義の暦はまだ疑っていた。榊も青い顔をしながらコクコクと頷いていた。
ザバーーッ、バシャーーン… カコーン
風呂場から一際大きな湯浴みの音が聞こえた。
合宿のメンバーは今全員リビングにいるのに、だ。
皆、互いの顔を見合わせた。
「…寝よっか。とりあえず」
ゆかりの一言により、皆すごすごと寝室に戻っていった。
それ以後の合宿の日程は順調にこなされていった。
極めて順調に…何事も無かったように。
努めて何かを忘れようとするように…。
この別荘は今でも美浜家の所有になっている。
ロケーションが素晴らしく良いため、少々の難点は取るに足らないとされたからだ。
ちよの友人以外でも美浜家の知人が何度か利用しているが今のところトラブルはない。
実際、アレは規則さえ守れば実害はなかった。
あくまで、今のところは、だが。
(Fin)
- 238 :226 :2004/03/04(木) 14:43 ID:???
- おっ、感想サンキュな。ここまで褒められると、何か背中がムズ痒いーけどよ。
へー、こーゆー見方もあんだな。書いたオレでも気づかなかったぜ。
…で、悪ィとこ言われねーんで、自己卑下してみっけどさ、死体の描写、甘くねーか?
実はコレ、あんまイメージして書いてねーんだわ。そこらへんがテキトーなんで、グロ怖さが半減してんじゃねーかって思うんだけどよ、どーよ?
まー、聞きっぱなしってのもアレなんで、PASCOっチのSSを語ってみっか。
禁断の領域に足を踏み入れる必然性っての? うまく設定してるよナ。
恐ろしいことが起きてんのに、本人たちはあんま気づかないってのも「志村、後ろ後ろ!」ってな感じでオモロイわ。…あー、気にさわったか? オレ、にゃもがゆかり食った話で笑っちまったタイプの人間なもんで、コレ、褒め言葉。
えーと、それからそれが本当に恐ろしいものだってのは、ちよちゃんの反応を使って表現してるってワケね。勉強ンなったわ。
ただ、注文つけっと、あれだな、もう一つ二つ演出が欲しかった気がすんぜ。お化け屋敷のアトラクションを増やしてほしーってガキのおねだりだけどよ。しっかりできてる分、盛り上げはドバーっとやっても良かったと思うぜ?
んじゃ、次回作期待ってことで。負けねーぜ?
- 239 :只今仕事中の息抜き中:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/04(木) 15:55 ID:???
- >>238
ども。
具体的に褒められると、こちらとしても尻の穴がムズ痒くなりますな。(オイ
指摘された点も、実は結構迷っていた箇所なので吃驚です。
まず自分で思ったのは、いたずらに話が長くなってやしないかという点。
あまり長引かせるとダレるのではと思いながらもディディールにこだわったら
こんなんなりました。
あと演出の点。実は始めはもう2〜3恐怖場面があったんですわ。しかし書き上がって
読み直したら、却って恐怖のポイントが散在して、あまり恐くなくなったんですな。
それで思い切って削った次第です。自分としては少しはすっきりしたというところですが
まぁ物足りない方もいるだろうなぁ。参考にしておきます。
>…で、悪ィとこ言われねーんで、自己卑下してみっけどさ、死体の描写、甘くねーか?
ん〜〜。大阪板ではこれでも充分かと。
(以下グロ描写注意!!)
ただ、グロが平気な立場から言えば、ご自身で言われているように描写にもう一工夫欲しいところですね。
例えば、肉や血の描写だけでなく、ぷつぷつとした黄色っぽい脂だとか、ピンク色の
脳漿だとか、肉体から湯気が立ち上ってるとか、臭いだとかの描写が加わればおぞましさ倍増です。
このへんはogrish.comだとかrotten.comの写真を見て工夫するとよろしいかと。
で、繰り返しますが、この板ではあれでも十分恐いですよ。
- 240 :名無しさんちゃうねん :2004/03/04(木) 19:15 ID:???
- 226に萌えた。
- 241 :名無しさんちゃうねん :2004/03/04(木) 20:13 ID:???
- 「先生ぇ。>>233の×××って何ですかぁ?」
「そんなことどーでもいいの。気にしないの」
「でも、むっちゃ気になるんですが」
- 242 :ゆかりとおはなし(書いてるやつ) :2004/03/04(木) 22:15 ID:???
- PASCOさん、相変わらずいいですな。
>>226氏が指摘した点ですが、個人的にはそのままの方が好み。まあ趣味の問題ですが。
そして>>226さん。素晴らしいですね。
書きたいものを書いてんだってのが伝わってきます。てか単純にすごくうまいし。
次回作も楽しみにしてます。
- 243 :名無しさんちゃうねん :2004/03/04(木) 22:18 ID:???
- ……名前消したはずなのに……?
ごめんなさい、気にしないで。
- 244 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 11:42 ID:???
- ハンギング
神楽は基礎体力作りと小遣い稼ぎも兼ねて、早朝の新聞配達を続けている。
もうかれこれ半年近くになろうか。
その間、早朝猛スピードで走る車にヒヤッとしたことや、少しオカルティックな恐いこともあったが、
そんなことで止めてしまうような神楽ではなかった。
神楽の担当エリアはほとんどが一戸建ての住宅だが、いくつかコーポのような共同住宅もある。
その中で、一棟だけ、配達先が一室しかないコーポがあった。
2階建てのコーポなのだが、古いコーポなので2階はすべて共同の通路で繋がっている。
配達先はその一番奥だった。
普通なら嫌がられる配達先なのだが、このアルバイトの目的を基礎体力作りとしている神楽は、
そういう配達先も喜んで引き受けた。
ある朝、いつものように件のコーポの2階の人に配達に行くと、1つ手前の部屋の台所の窓が開いているのに気付いた。
なんとはなしに見ると、一見暗そうな女が立ってこちらを見ており、目が合った。
咄嗟に神楽は大きな声で
「おはようございます」
と挨拶をした。咄嗟に挨拶が出来るのは神楽の長所だ。
相手は挨拶を返さなかったが、そういうことを気にする神楽ではない。
目的の部屋に新聞を投函すると、次の投函先へと駆けていった。
よく朝も、その女は台所の窓を開けてこちらを見ていた。もちろん神楽は元気良く挨拶をした。
神楽は気にせずに仕事を続けた。
そのまた次の日も、また次の日も、その女は窓から神楽を見ていた。
そして神楽もその度に挨拶をして通り過ぎた。
5日目の朝。例の部屋の前を通り過ぎようとしたとき、窓が閉じられ、ドアの下に菊の花束が供えられているのに気付いた。
何があったんだろうと思いながら目的の部屋に投函すると、部屋の主がドアを開けた。
「あっ。おはようございます」
「あぁ、おはよう。いつもご苦労さん」
部屋の主は、新聞と表に置かれた牛乳を手にした。
「あの…。お隣は何かあったんですか?」
「ん?あぁ、これね。一人暮らしの女性が首を括ったんだよ」
「……えっ?」
「死後4日経ってたとよ。ノイローゼだったらしいな」
「!!」
「若いのに、自殺して4日も発見されないなんて気の毒な女性だったんだなぁ…」
神楽は顔面蒼白になりながら、コーポを後にした。
コーポを出るとき、微かに「…おはよう…」と聞こえた気がした。
(終)
- 245 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 16:18 ID:???
- よく読み返してみたら、なんで隣人も4日間気が付かなかったのかと…。
窓は開いていたんだし、ちょっと矛盾するかな。
ものすごく無関心だったということで…。
- 246 :伯爵 :2004/03/06(土) 19:54 ID:???
- >>245
そんなこと、ないですよー。
こういうの、よくあることのようです。
しかし、神楽は、何故自殺者にこうも縁があるのかw
- 247 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 23:51 ID:???
- >>246
私の中では、神楽のキャラは表裏が無くまっすぐで、かつ、お人好しな性格になっていて、
そういう人が恐怖に遭遇するシーンというと、どうもこういうシチュエーションになって
しまうんですよ。後になって気付く、というパターンですね。
彼女には申し訳ないんですが(w
- 248 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 23:54 ID:???
- あと、もしその自殺者が、もう少し早く神楽のような人間と巡り合っていたら
違う人生だったかも、という意味も持たせています。
ごめんなさい。今思いついた理由です(汗
- 249 :名無しさんちゃうねん :2004/03/07(日) 03:37 ID:???
- パスコ氏乙カレーさまです。読みました。
今回も面白かった。
「別荘にて」は少しもだれては感じませんでしたよ。
×××の正体が気になって夜眠れないんですけどw
物語の構成がよく練れていてぐっどです。
>>244 ハンギング
は最後の「…おはよう…」が少しおちとしては弱いかなと思いました。
もっと不気味な言葉の方が恐怖は出せると思います。
神楽に挨拶を返すというつながりがあるんでしょうけど。
御参考までに
ところで突然ですが脳味噌を吹っ飛ばされた死体ってマーボウ豆腐そっくりだそうですよ。
中国で銃殺を見学させてもらった人の話です。
- 250 :名無しさんちゃうねん :2004/03/07(日) 14:37 ID:???
- 「じゃあ、百物語始めますよー」
「あれ?これだけか?」
「ええ、神楽さんとかおりんは部活で来れないそうです。榊さんは用事があるそうです」
「じゃあ、一人20回話せばいいんだな?」
「そうですね!」
「じゃ、一番初めは私から。
こんな話知ってる?
江戸時代の話なんだけど、とある狩人が山奥に獲物を見つけに入ったんだって。
でも、いくら山を歩き回っても、全く獲物に出会わなかったんだって。
それで、家に帰ろうとしたら水音が聞こえる。なんだろうって覗いたら、そこには水浴びをしている綺麗な女性
がいた。
あまり綺麗なのでぼおっとしながら見ていたら、その女の人も気がついちゃって。
絶対に裸を見たことを言いふらさないように約束させたんだ。
ところが狩人はうっかりしゃべっちゃったの。
実は女の人は神様で、約束を破った狩人はバチが当たってあっという間に消されちゃったんだってさ。
それも本人の身体だけじゃなく、彼が生きた形跡も、人々の記憶からも、消されちゃった。
それ以降、この話を口にする人は狩人と同じようにこの世から消されちゃうんだってさ」
「うーん……それはギリシャ神話をアレンジしたものですよー。それに、その話には欠陥があります。もしみんなの
記憶から狩人さんの記憶が消えていたら、狩人さんが消えたという事実を誰も話せないです」
「ちよすけ……なに独り言を言っているのだ?」
「決まってるじゃないですか。私は……えーと……あれ?」
「しっかりしぃ、ちよちゃん」
「大阪といつも一緒にいるから、忘れ物能力が伝染ったんじゃないのか?」
「よみちゃん、そりゃひどいで〜」
「あはは……で、一番初めは誰がしゃべりますか?」
「は〜い。私から行かせてもらうで〜。今はもうつぶれて廃墟になった病院の話なんやけど……」
(完)
- 251 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 04:06 ID:???
- >>250
最初意味がわからなかったです。怖い・・
センエツながら私も・・・
大学1年となった夏休み、ちよすけ達はまたみんなで旅行にいくことになった。
「元気してましたかぁ?」
「ちよすけも海外は慣れたか?」
「(榊さんだ・・・)」
「大学生活で太ったんじゃないか〜?」
面々は親友との再会に喜び、会話を楽しんだ。
「ところで今回、海に行くっていうけどどうやっていくんだ?」
「電車ちゃうん〜?」
「違いますよ、車ですよ」
「でも運転は誰がやるんだ?」
その質問にちよすけは言葉をにごらせた。
「ちよすけー、何か隠してるな!!」
智の執拗なチョップにも、今のちよすけは微動だにしなかった。
「実は・・・運転してくれるのは、この人なんです」
---- 完 ----
- 252 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 08:10 ID:???
- >>250
消えたのは千尋?
- 253 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/08(月) 12:04 ID:???
- >>249
いつもありがとうございます。その言葉で一層、書く気も起ころうってもんです。
「ハンギング」のオチですが、始めはもっとグロいのを用意していました。
しかし、
1.死体と気付かず4日間挨拶していた。
2.霊から強烈な返事を貰う。
の両方を載せたら、ちょっと自分が求める恐怖からズレた気がしたので…。
結局2.のオチは消してしまいました。結果的にちょっと弱いオチになってしまいましたが。
ちなみに2.は、神楽が家に帰って気配に気が付いて振り向くと天井からぶら下がった女の人がおり、
「…お、おびゃびょう…ゴボッ」と汚物を吐きながらわざわざ返事をしてくれるという結末でした。
最後
さらりと恐いこと書きますね。麻婆豆腐ですか…。
>>250
なかなか…こういうのも恐いですね。
元ネタの神話では確か鹿に変えられるんだったかな。
でも、一番気掛かりなのは貴方が消えていないかということですよ。
>>251
これ以後>>250さんからのレスが無かったら一番の恐怖ですね…。
SSですが、ごめんなさい。誰が運転するオチなのか分からなかった。誰なんだろ?
>>252
たぶん千尋で正解。あと250氏自身。
- 254 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 13:33 ID:???
- これで250が何故かへーちょになってたら、もう大爆笑!
- 255 :伯爵 ◆xTfHc.nBiE :2004/03/08(月) 13:39 ID:???
- >>251
ゆかりちゃんだな……間違いないw
>>250
色々意見が出てますが……。
私は、誰でもない、と考えております。
誰も話していない怪談を、誰かが話したはず、というシチュエーションは、萌えです。
大阪の病院の話って?
- 256 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 13:52 ID:???
- >>255
そうともとれるが…。
ただ、例えば話をした千尋が話し終わった途端に、千尋自身の存在がみんなの記憶からも
消えてしまって、タイムラグでほんのちょっとだけちよちゃんが覚えていた、と考えた方が恐いなぁ。
ところで伯爵さん、トリップ付けられてますが、どうかしたんですか?
いや、一瞬見慣れなかったから。
- 257 :『蝿』 :2004/03/08(月) 14:07 ID:???
- 弁当を食べていると、机を蝿が這っている。
「あ」
美浜ちよは、小さく驚いた。
大阪が蝿をその細い指先で、捕らまえたからである。
「つかまえたー」
春を感じさせる暖まり始めた日差しに、まだ寒かった冬の名残の風が溶けた、そんなお昼だった。
「殺しちゃうんですか? 逃がすんですか? 」
「うーん、命があるまま捕まえて、殺すのはかわいそうやなー」
柔らかく握った拳の人差し指と親指が、太った蝿をつまんでいる。手を掏り合わせる蝿。
「なんか、拝んでるみたいですよ」
ちよが言うとおり、蝿はもがくように両手を掏り合わせている。細かに動く頭が、お辞儀をしているようにも見えた。
「許してあげましょうよ」
ちよが大阪の顔を見ると、彼女は何故か優しく目を閉じている。穏やかな微笑みすら浮かべて。
蝿は、必死に懇願している。私を助けてください、と。
「わかった」
大阪が口を開いた。
「赦す」その途端。
蝿はぴたりと動きを止めた。
ネジの切れた玩具のように。
「さ、ごはん、食べよー」
「大阪さん、蝿、蝿は。どうして? 」
「あー、手、あらわななー。でも、お箸持ってるから、平気や」
「ッ! そうじゃなくて! 」
魂の抜けた蝿の亡骸が、床で風に吹かれてかさかさ揺れている。
冬が終わろうとしている、三月のうららかさだった。
- 258 :伯爵 ◆xTfHc.nBiE :2004/03/08(月) 14:10 ID:???
- >>256
いろいろ書き込んだりしているので、自分の存在証明。詳しくは、編集会議室参考のこと。
ご心配かけてすまぬ。
『虫』明日投稿予定。
- 259 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 14:46 ID:PvZHfOOw
- >>250はやはり千尋と考える方が
キャラの影の薄さと相まって秀逸だな
よく考えると消去法で推測できるようになってる仕掛けがグー
- 260 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 15:22 ID:???
- 最近ここのスレも伸びがいいな。
投下されるSSも良作ばかりだし。
- 261 :226 :2004/03/08(月) 18:38 ID:???
- うぃーす、ごぶさたぁ。
ちょっちヤボ用で遙かまで消えてたもんで。
手みやげの一つもねーけど、オレの体の無事こそが何よりの土産ってことでな。
ま、ともかく。
久しぶりに覗いてみたら、新鮮なSSが入ってたんでマンモスうれぴーぜ。いや、今のはオレもどうかと思うな。
で、SS。やっぱいい。いすぎる。流石のオレも背ぇ向けて屁をこきたくなってきたぜ。
特にPASCOっチ、あんたのSS……
オレが書こうとしてたのと、ネタ被っとる! Yaeh!
おーい、まぢかよー、まいっちんぐ。
どーすんよ、オレの数少ないネタが……
いや、いいけどよ。
こーゆーこともあるよな。
PASCOっチの筆力にゃ何の罪もねーし、執筆速度上げろって神さんのお告げかもしれんし。
OK、OK。
ちくそー、二番煎じを承知でやったらー! いくぜーっ!!
- 262 :星を見る人 :2004/03/08(月) 18:40 ID:???
- 通学路が行きと帰りで違う人はそれなりにいる。
その理由は交通量の違いであったり、寄り道の存在であったり、単なる気分であったり
様々だが、かおりんの場合は光量によるものだった。三年間通い続けた経験から、街灯が
照らす通路だけで繋がれた帰路を見つけ出したのだ。
行きと比べて少し距離が遅くなるが、日の短い冬などは女一人の身にとってはかなりの
安心を与えてくれる。特にここ数日は、中学最後の発表ということで、資料のまとめで閉
門ギリギリまで校内に残っていたため、一度の例外もなくこの「安全通路」を通っていた。
気力ゲージが赤ランプになっている彼女は、マフラーの巻かれた首を上に向けた。
天高く澄み渡った空気に、星々が光り輝いて散りばめられていた。
生のままの目に映る星の広がりは、天体望遠鏡から見るのとはまた違った趣がある。凝
り固まった不純物が透明になって溶けてゆく気持ちよさを感じながら、かおりんは鞄を片
手に歩を進めていった。
やがて足はマンションの建ち並ぶ一画の前を通った。
屹然とそびえる人間の城。かおりんは見上げる視線を星空からその壁面に向けた。
カーテン越しに光が溢れる窓もあれば、雨戸を閉めて冷気を遮断している窓もある。人
の生活の息をそれぞれに感じる多くの面……
ふと、奇妙な「一面」に目が止まった。
真っ暗な窓がある。
雨戸はおろか、カーテンも閉まっていない。この寒いのに、だ。留守だとしてもカーテ
ンぐらいは閉めるだろう。
他愛のないことに気が向くのは少女特有の好奇心だったかもしれない。闇に慣れた目を
凝らすと、そのむき出しのガラスに何か映った。
何か……影……人影……人?
人だ。男の人。背の高い男性が窓際に立っている。
物憂げな、それとも夢見るような目をやや上に向けている。
空を見上げているのだ。ただ静かに上を。
ああ、そうか。かおりんは合点した。
私と同じだ。星を見ているのだ。
それにしても、なんて……。
改めて夜空を見上げる。
なんて素敵な人だろう。この星の素敵さを知っているなんて。あの人は冬の寒さに勝る
審美眼を持っているんだ。
ちょっと胸を温かくして、少女は家路についた。
- 263 :星を見る人 :2004/03/08(月) 18:40 ID:???
- 翌日、かおりんはまたしても遅い夜道を歩いていた。
発表準備は大詰めだ。けれどまだまだ自分の満足にはほど遠い。今日は家でできることはなるたけやっておこうと、鞄の中は資料でぎっしりである。
ふと、足を止めた。
またあのマンションだ。
あの星を見る人は今日は何をしているだろうか。
見上げると満点の星空。そして、
あ…、とつぶやく。
あの人がいた。また星を見ていた。
その翌日も、そのまた翌日も。
男の人は星を見ていた。
帰りが遅くなり、あの道を通ると決まったとき、空に星があるのを確かめては、かおりんの胸は何か不思議に温かなもので満たされていくのを感じていた。
星を眺めるあの人を見つめられる喜びで。
- 264 :星を見る人 :2004/03/08(月) 18:41 ID:???
- そして、朝。
かおりんは帰りと同じ道を歩いていた。
もちろん星は出ていない。あの人を見ることはできないだろうが、それでも同じ窓を人目見上げてから登校したかった。
そう思うと自然足が速まった。いつもより早く学校に行けそうだ。
そして、件のマンション。
心持ち胸を押さえて、高きを見上げ…………凍り付いた。
あの人がいた。
やはり、顔をやや上向きにして、空を見ていた。何もない空を。
おかしい。なぜ? どういうことだろう。
困惑と疑念が渦巻く。
そういえば、あの人は毎晩ずっと同じ方向を見ていた。まるで少しの変化もなく。
かおりんは殴り込むように管理人の扉を叩いた。
ガチャリという音とかおりんは飛び込むのは、ほぼ同時だった。
真実を確かめたいという思いは、たちこめる悪臭に気づかない。管理人が制止する声も聞こえない。
「その部屋」に飛び込んだ少女の目に映ったのは……
だらん、と垂れ下がる両腕。宙に浮く両足。縄のかかって上向きになった首。
かおりんの初恋は終わった。
- 265 :226 :2004/03/08(月) 19:02 ID:???
- つーわけで書いてみたけどよ、どんなもんかね。
すっかり鮮度がなくなっちまったが、そんでも読めるってんなら、オレもそこそこってことかな。
ま、感想シクヨロ。
あと、>>251だけどよ、勝手に続き書いてみたぜ。
>五人が前を見ると……頭部シートの影からウェーブのかかった長い髪が、無数の蛇のよ>うにうねっていた。ように見えた。
>石化した精神に、そのゴーゴンたる女性が追い打ちのように声をかける。
>「おーし! 目的地までは峠も高速もあるんだよなー! 燃・え・る・ぜー!!
>野郎ども、 な ら な い か … ?(風に)」
>
>――その日、五人は真っ白に燃え尽きた……
>
>END
てな、とこで。
あ、蛇足ついでにもう一つ。
>>240
オイラに惚れちゃ、ケガするぜ?
- 266 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 19:14 ID:???
- >>262-264
乙!
すげぇ。決して二番煎じなんかじゃねーよ。別物と考えて良し。
PASCO氏のもいいが、こっちの方がより場面を想像できていいぞ。
かおりんの心象描写が素晴らしい!
ラストの男の描写、最初は物足りんと思ったが、
読み返すと、かおりんの心象描写も考えてあのくらいシンプルな方でいいな。
ところで何かトークが丸くなったかい>>226さん。
ひょっとして地はめちゃめちゃ良いひとだったりとか…?
- 267 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/08(月) 20:58 ID:???
- >>262-264
お疲れさまです。
二番煎じだなんてとんでもない。
あのネタで、ここまで話を膨らませるなんて…。
自分のSSが、シンプルに1レスにまとめてしまったのが悔やまれるくらい、
貴方のは素晴らしい出来です。
かおりんの描写がなんとも、いい雰囲気が出てますね。彼女らしいと言うか…。
星を探す少女の思いが、とてもよく表現されています。
最後の場面がシンプルですが、話の流れとしてはあれで良いと思います。
かえってグロを細かく描写すると、ここまでのかおりんの描写が生きない
と思います。
逆に、もっとラストを詩的に書くと、美しくも恐い話になるかも、です。
私ももっとよく錬ってみよう…こねこね
- 268 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 01:15 ID:???
- >>265
「星を見る少女」そのままじゃないですか。
盗作はダメですよ。
- 269 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 02:16 ID:???
- >>268
これのことですよね?
http://osi.cool.ne.jp/UL/n34.htm
でも、そのままじゃないよ。226氏はちゃんとあずまんが大王のキャラに
変換し、かつ細部まで独自に書き込んでいるよ。
それでも盗作として認められないのなら、PASCO氏のだって半数以上盗作になってしまうよ。
(俺は元ネタの本について見当がついた)
大多数の怪談や都市伝説系の話はオリジナルが何かとは特定できないと思うよ。
- 270 :269 :2004/03/09(火) 02:19 ID:???
- 単に登場人物の名前を挿げ替えてるだけじゃないよ、彼らは。
ちゃんとそのキャラにふさわしい状況や行動、セリフに置き換えて、
時には話の展開自体を変更して書き換えてるよ。
そのへんに創作性は認められないものかね?やっぱり盗作か?
- 271 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 02:25 ID:???
- あずまんが大王バージョンということで…。
- 272 :伯爵 ◆xTfHc.nBiE :2004/03/09(火) 02:40 ID:???
- これは、盗作ではありません。
何故なら、>>269さんのおっしゃるとおり。
この物語の現ネタは『都市伝説』という、著作権の発生しない、風評が元ですので。
また、その都市伝説の中ででてくる、「somebody」にキャラクターを当てはめて、調理してある。
描写についても、仔細に表現している。悪くない。
しかし、こういう指摘が出るなら、元ネタがある場合は、一応出典を明らかにしてみたらどうだろうか?
物語の後で、参考文献として、書名を後書きに載せてみる、ってのはいかがでしょう?
- 273 :268 :2004/03/09(火) 07:59 ID:???
- >>269-272
いいえ。
つくばんが大王という同人誌にほとんど同じ話の展開で載ってるんですよ。
>かおりんの初恋は終わった。
この言葉なんか一言一句同じです。
- 274 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/09(火) 08:53 ID:???
- >>273
ほとんど同じであって、まったく同じ=コピペでは無いんですよね?
同人誌の方を見てみないことには何とも…。
そのぐらいの一文の一致は偶然でも十分起こりそうですし。
言い訳に聞こえるかも知れませんが一応。
怪談ってね。けっこうみんな考えること同じだなぁと思わされるジャンルなんですよ。
どんなにオリジナルを考えたつもりでもどこかで聞いた話になってしまう…。
それだけ不特定大多数の人達の間で語り継がれ、変化・分派していったってことなんですよ。
元ネタ辿ると100年以上昔に遡るものもありますよ。
- 275 :266 :2004/03/09(火) 08:59 ID:uwgw79U6
- うわっちゃあ! オリジナルがあったのかよ!
いやな、コレ、4,5年前に後輩から聞いたのを元ネタにしたンだけどよォ、「自分で作りました」なんつってたんで、状況設定の矛盾とかとっぱらったり、あずキャラをハメこむ調整したりして、うpしたんサ。
しっかし、見れば見るほど>>269とクリソツだな。
悪気はねぇし、悪くもねぇんだろうけど、悪ィな。後でその後輩シメとっから。
かーっ! 他力本願でバチあたっちまったゼ!
んで、あれかい。>>237、その話がマジもんだっつんなら、「元の都市伝説」→「星」→「かおりん」の連想で話し作るってヤツが他にいたんだな。作ったのがオレ、ってんならオチもついだんだろうけどよ、オレ程度のことは誰でも考えるってこったかい。
余計な疑いかけちまったな、気ぃ悪くしないでくれ。残りの1・2作は完全オリジナルでいくからよ、多分。まぁ、生暖かく見守ってくれや。
反省っつやー、アレだ、誤植とかかなりあるしな。
言い訳すっと、一日で書いてソッコうpしたもんでよ? 普段ならムダっつえるくらい寝かせとくんだけどもな、今回は日が経つほどPASCOっチのSSと距離が開きまくるし、NET環境が19:00までだったンであせりまくりのラクリマ・クリスティさ。
ハッ、っきしょー! 次はぜってー汚名挽回してやっからな!
>>266-267
あー、確かに前半のくどさの割に、後半スカスカかもなァ。そこかしこにアセリが見えんぜ。
>>266
ギクリ。セリフも練り込み足りんかったぜ。
- 276 :226 :2004/03/09(火) 10:31 ID:???
- ↑
わりぃ。自分のコテ間違ってりゃ、世話ねーや。
- 277 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/09(火) 16:33 ID:???
- >>272
必要なら出典を明らかにするのも手ですね。
一応リストアップぐらいしておきましょうか。
しかしこういう場で盗作云々の指摘は、正直なところ興醒めです。
間違っちゃいませんが、正しくもない。
同じ話でも、SSの書き手が、
・誰をキャスティングして、
・どういう料理をし、
・結果読み手をどれだけゾっとさせたか
が、少なくともこのスレのSSの妙だと思っていましたので。
- 278 :へーちょ :2004/03/09(火) 16:52 ID:???
- >>57〜>>60
水原暦、600人撃破!!大阪「聞きしに勝る猛将やで!!」大阪軍、士気上昇!ってか?
亀レスですがよみは何処へ行ったんですかねぇ?
もう一つ聞きたいのですがこのスレは実際の怪談をあずまんが大王の世界に当てはめて少し変えただけの作品があるのですが、
そうゆうのを作ってもいいんでしょうかぁ?
それとどこかで千鶴が消えてしまう話を書いた人がいましたけど私の聞いた話では老婆だったのですが地方によって違うんですかねぇ?
まぁどちらにしても怪談を話しただけで実際に人が消えるのはありえな
- 279 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 17:39 ID:???
- >>278
おもしろい内容のレスだね。端々にユーモアのセンスを感じるよ。
でも君の場合、中に悪意を混ぜてしまったのがいけない。
だめだよ。ちゃんとした意見は意見として言わなきゃ。場を荒らしていると思われてしまうよ。
要は「少しだけ改変した作品は盗作ではないのか」ということだよね? で、それに対する僕の意見は「少しだけ改変した作品は盗作だ」。
でも、何をもって「少し」とするかわからないのが難点だね。
だから、ここは
@少しでもオリジナル要素を入れている
Aあずキャラの設定がうまく組み込まれている
BSS全体の完成度が高い
という三点を満たしていたら、もしくはそれを目指す姿勢が表れていたら、寛容に受け止めてもらえないかな。
「狂戦士大王」は面白かったでしょ?
- 280 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 18:17 ID:???
- >>278
>もう一つ聞きたいのですがこのスレは実際の怪談をあずまんが大王の世界に当てはめて少し変えただけの作品があるのですが、
>そうゆうのを作ってもいいんでしょうかぁ?
今後のためにも、具体的にどのSSのことかご指摘頂きたく、宜しく御願いします。
特に、「実際の怪談」と言われましたが、誰が考案した怪談のことでしょうか?
それも具体的にお願いします。
- 281 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/09(火) 18:47 ID:???
- >>277での発言はちょっと著作権法上問題ありでしたね。
軽率でした。ごめんなさい。
引用により問題が無くなるのであれば、出典は明らかにします。
>>278
そうですね。少し変えただけというのは確かに著作権法上問題ありです。
しかし、怪談はその性質上、著作権自体が成立しうるのかどうかとなると難しそうですね。
ホラーの長編小説は問題ないと思いますが、基本的に怪談というのは短いため、
口伝で広く伝播しています。つまり似たような話が非常に多い。
もちろん法をそのまま解釈すれば、怪談をまとめて執筆し出版した著者には、もちろん
著作権は発生するでしょう。しかし、伯爵さんも言って居られますが、風評を元に作られた話
にそもそも権利の侵害の指摘が実際上可能かどうかは多いに疑問です。
似たような話を書いた人間に著作権侵害だと訴えたところで、自分も人から聞いて執筆した
と反論されるのが関の山ではないでしょうか。私も法に詳しくないのでこんなこと書いたら
大火傷しそうですが。
決して盗作を正当化しようという弁ではないです。念のため。
一応SSを書く者としても、まるっきりそのまま話を使うのは芸が無いですし、
ちゃんと考えに考えてあずまんがキャラに変換、話の練り直しをしてるという自負はありますから。
あと、怪談そのものにマジレスするのはいかがなものかと…。
>>279
ひょっとして、エロパロ板の88さんですか?
お疲れさまです。
>>280
そうですね。私も気になります。
- 282 :279 :2004/03/09(火) 19:08 ID:???
- うん。このスレ、毎日見てるんだ。というか
- 283 :テイルズウィーバーにはまってる無印不良品 ◆sYRqmcZNGU :2004/03/09(火) 21:04 ID:???
- >>778
その作品が作られて作者が死んだときから50年ほどたってないと
著作権は有効となってしまいます。
話は面白かったのでこんどはオリジナルでおねがいします
- 284 :テ無印不良品 ◆sYRqmcZNGU :2004/03/09(火) 21:08 ID:???
- そろそろなんか書かんとあかんなぁ
- 285 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 22:05 ID:???
- そもそもここ自体あずまんがの二次創作の場なのに
著作権を援用して正邪を論ずるのも違う気がするけど……
こういう場合、法律論というより単純に信義則の問題でしょ。
自分で作ったわけじゃないものを自分で作ったように偽ったら
信義に反すると、ただそれだけの話。
まあ、今回の場合は意識的に偽ってるわけでもないのだし、
問題視するようなことでもないでしょう。
- 286 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 23:03 ID:???
- >>285
はげどうでございます
- 287 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 23:04 ID:???
- >>280
昔購入していた「恐怖の実話怪談」とかそう言うタイトルの雑誌(多分ほん恐と同じ会社)に載っていた話を
一部変更して使っているSSがここにあるのは俺も知っているな。
まぁそれを言ったらつまらないからどれがとは言わんが……。まぁ別にいいんじゃ無いか?
- 288 :名無しさんちゃうねん :2004/03/09(火) 23:04 ID:???
- >>285
禿同。
まったく…。鬼の首を取ったように、
無粋なつっこみを入れる輩はどこにでもいるもんですなぁ。
>>268も>>278も大阪板そのものを否定する気かね?
- 289 :ボタン :2004/03/09(火) 23:47 ID:???
- 「やめてって言ったのに押したですね?」
教室でちよが半分怒った口調で言った。
彼女が言ってるのは、智が夢の中で自分の死亡ボタンを押したことである。
「ボタンがあったら押すだろー」
智が反論する。
「で、その隣に私の死ぬボタンがあったんだけど… それはさすがに押せなかったよ」
「そのボタンって…このボタンじゃないですか?」
ちよはそう言うと、カバンの中から一つのボタンを取り出した。
「智ちゃんも押したから私も押しますよ」
その時、智はちよの足がすけていることに気づいた。
「ちょっ、ちよちゃん待って!」
プチッ…
- 290 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/03/09(火) 23:48 ID:???
- 以上、駄作でしたww
- 291 :285 :2004/03/09(火) 23:56 ID:???
- 結局、程度問題なわけで……
本当に原典の丸写しだったりすればそれは問題と言わざるを得ないし。
そうだと思って指摘した人の義侠心も理解はできる。
まあ、書く側も疑いをかけられない程度に気をつけた方がいいとは思う。
妙な功名心を出さず、むしろ元ネタをどう料理できるかにこそ挑戦してみよう、
というくらいの意識でね。
そんな感じで、書き手も読み手もマターリといきましょう。
- 292 :伯爵 ◆xTfHc.nBiE :2004/03/10(水) 04:34 ID:???
- >>290
眠い名有りさん
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1060962498/l50
ちょとここまで来てくださいな。
- 293 :名無しさんちゃうねん :2004/03/10(水) 09:20 ID:???
- >>289-290
秀作!
ぬしゃ、なかなかやるの。
謙遜は必ずしも美徳じゃなか。
そげんおのれを卑下することもなかよ。
- 294 :226 :2004/03/10(水) 09:50 ID:???
- やれやれ、ちっと責任感じちまうな。
これじゃ、シャク爵も投下しづれーだろうし、「虫」。
ワビも兼ねて次は三つぐれー一気に行こうと思うんだがよ、
>>249、ちょいと電波もらってもいいか?
>>289
怪談ってな、理不尽に襲い来る恐怖っつーのが怖さのメインになってる部分あるかんな。かといって、余りに荒唐無稽だとわけわからんし。その点のバランスがうめーよ、コレ。
- 295 :伯爵 ◆xTfHc.nBiE :2004/03/10(水) 11:36 ID:???
- >>294
シャク爵は投下しずらいわけじゃなくて、完成していないから投下できないだけなのだった。
わはは。
しかも、あほなミスしたせいで、当分ネカフェから出なければ書き込めないのであるよ。
気にさせてすまないです。
- 296 :名無しさんちゃうねん :2004/03/11(木) 14:26 ID:???
- >>295
ネカフェに行くお金があるんだったら何故YahooBBに(ry
小一時間問い(ry
早く戻ってきてね。
- 297 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/12(金) 08:47 ID:???
- 226さんのSSに対する批評はここに直接書いていいですか?
みんなと違ってかなり辛口の評価だったりするのですが。
- 298 :名無しさんちゃうねん :2004/03/12(金) 12:04 ID:???
- >>297
どーじょ。
会議室や一言スレでも良いけど。
ここのがダイレクトでいいかな。
- 299 :226 :2004/03/12(金) 12:29 ID:???
- >>297
そーゆーの、大歓迎だぜ?
遠慮ねく、言ってくんな。
- 300 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 02:25 ID:???
- じゃーま、遠慮なく。
>226さん
あなたの作品は、単なる思い付きをあまり考慮せず並べているように見受けられます。
まずは「夜の窓から」ですが。
自分のバラバラ死体を見て、何故よみは電車に轢かれた女性の断末の思いが見せたものだと
思ったのでしょう?
人は理解不能な現象に直面すると本能的に理解可能な説明をつけようとするものです。
死体が轢かれた女性の身体ではなく自分の身体であったという、恐怖を増幅させる重要な
ファクターの意味を考えないキャラクターは、作者に都合のよい人形にしか見えません。
次に「星を見る人」。
これは題名からアウト。
「星を見る少女」を知っている人ならストーリーから結末まで読めてしまいます。
そしてその予想通りに本筋が進むとあっては……
また、かおりんは「なんて素敵な人だろう。この星の素敵さを知っているなんて。」と思う
キャラクターでしょうか?むしろ「素敵なあの人にこの星の素敵さを分かって欲しい」と
思うキャラなのでは?
何より、こんなショッキングな経験をすれば星空がトラウマになってしまうと思うのですが。
他にも、街灯が照らす道で星空を楽しむのも変ですし、夢見るような目が見えるのもおかしい。
「星を見る少女」を本ネタに使うなら、せめて星を見上げてみることをお勧めします。
- 301 :名無しさんちゃうねん :2004/03/13(土) 08:00 ID:???
- >300
なるほど。
言われてみれば226氏の作品は確かに荒いところがありますね。
勢いで書いているって感じがします。
その勢いが魅力的なので難しいところだけどね。
- 302 :名無しさんちゃうねん :2004/03/13(土) 09:23 ID:???
- >>300
そこまで立派な御託を並べるんなら、よほど素晴らしい文章を書かれるのでしょうね。
ぜひともあなたの文章を拝見したい。
- 303 :226 :2004/03/13(土) 10:11 ID:DrXPmgVQ
- >>302
まぁ、落ち着けって。率直な批評はもともとオレが頼んだことなんだからよ。
それに蛍の字もSS書いてるヤツなんだし、てめーでも激辛の批評求めてるって意思表示と受け取ったぜ? オレは。
っつーわけで、感謝な、蛍の字。本当はSS書く姿勢とかも>>257のレスから批判されるんじゃねーかって、期待してたんだが、そう見るとまぁ辛口っつってもバーモントカレーぐらいってとこかな。
まぁオレも何も考えねーで投稿するほどアレじゃねーし、一応反論とかしておくな。
「夜の窓から」ね。まぁ、意味を考えりゃ、何で無関係のよみン家に女性が入ってきたのかとか、よみの姿をとって現れたのか、わけわかんねーよな。
でもな、わけわかんなさが怖さに繋がるんじゃねーか? で、わけわからんものには手近な理由を付けたがるもんだぜ、パンピーはさ。
ただ、まぁ「星を見る人」の指摘と重なっけど、読んでるヤツが途中で疑問符付けまくる展開はまずいよな。スムーズに話しに入っていかせなきゃいけねーもんよ。
しかし、理不尽な恐怖を演出するのと、論理性をきっちりするのと、バランスが難いんだよなぁ。どちらも兼ね備えられんなら問題ナッシングにしても、どっちか選ばなきゃならねーんなら、
どっちを選ぶよ? 蛍の字だったら、どう書いたか、教えてくんねーか?
あと、「星を見る人」な。まぁ、元ネタがあった時点でアウトだな。っつっても、そんなんあったなんて知ってりゃ、書きもしなかったはずだぜ。だから、題名うんぬん以前の問題だってこった。前レスよく見てくれや。
で、かおりんは星が好きっつーメルヘンチックな性格だ、オレん中でな。となりゃ、同じものがとても好きだってゆーヤツに親近感を持つのは自然じゃねーかな?
それが仄かな想いに発展するきっかけになるんも、まぁお約束ってこってさ。
星空トラウマって意見だが、それが男性恐怖症になって、高校で榊さんに……って脳内で辻褄でも合わせておいてくれ。後ろ向き過ぎるか? んじゃ、その心も星空が癒してくれたってことでどーだ?
暗さと明るさ、都会の中で星が見えるかってことに関しては……ま、その通りだな。こっちは市内とはいえ田舎だから、街灯が照っていても暗くて星が見えるんだよ。
東京じゃ星なんぜ見えなかったぜ。……あずまんがの舞台ってどこだ?
まぁ、そんなとこだ。オレの反論に対する反論も待ってるゼ。蛍の字も機会があったらこっちに投稿してくんな。
- 304 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/13(土) 13:45 ID:???
- >>300
私の作品は、どうでっしゃろ?……ドキドキ
- 305 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 14:19 ID:???
- なんというか、指摘していることと完膚なきまでずれてるんですが。
「何故無関係な女性がよみの姿で入ってきたか」の論理性がないのが問題ではありません。
「自分のバラバラ死体を見て、何故よみは電車に轢かれた女性の断末の思いが見せたもの
だと思ったのか」の論理性がないのが問題です。
それともよみ自身が理不尽な恐怖だとでも言うつもりですか?
「星を見る人」は、本ネタがあることは何人かの人が述べているように、問題とは
なりません。
単純にあなたの演出の問題ですよ。
結局あなたは後輩から教えてもらったストーリーをまんま使ったのであって、「星を
見る少女」が有名だったことは別問題です。
また、かおりんはどう見ても直情突撃ストーカーで、愛をゆっくりはぐくむなんて
タイプではないでしょう。
あと、読者に辻褄を合わせることを要求する態度は、物書きとして最低の態度ですよ。
- 306 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 14:32 ID:???
- PASCOさんの作品は一定の品質を保っていると思いますよ。
あえて批判をするなら、小さくまとまりすぎて、これはという作品がないのが問題かと。
- 307 :名無しさんちゃうねん :2004/03/13(土) 16:06 ID:???
- >>304
PASCOさん、最近あんたの文章ビミョウに他人の影響受けてるよね?
ハクシャク氏とか『ゆかりとおはなし』の人あたりから。早くも蛍さんからもw
- 308 :307 :2004/03/13(土) 16:12 ID:???
- あ、叩いてるワケじゃないよ。
むしろイイ事だと思うよ。
貴殿自身が意識的にやってんのかどうか聞いてみたかっただけっす。
気ー悪くしたらゴメン
- 309 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/13(土) 22:02 ID:???
- >>306
う〜ん。
まだ、表現に膨らみが足りないせいかな。どうも淡々と書いてしまうので。
あと派手な恐怖を求めていないので、結果として小さくまとまってるかな。
参考にします。ご意見ありがとうございます。
>>307
読んで下さる人達がいると意識した辺りから、文章を何度も見直すようにはしてますよ。
もちろん他の熟練SS職人さんたちの表現方法などを参考にしながらね。
というわけで、他人の影響は微妙どころかかなり受けていますよ。
- 310 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 00:06 ID:???
- >>302
書いてみましたので投下します。
【ビジター】
- 311 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 00:06 ID:???
- その日はゆかりの書類作成に付き合わされて、家にたどり着いた頃には10時を回っていたわ。
いつもはシャワーで済ませるんだけれど、ふと湯船につかりたくなって、私は部屋を片付けながら
お風呂にお湯を張っていたの。
そしたら、誰かがアパートの階段を上る音がする。
それもね、警戒にトントントンって感じじゃなくって、きしっきしっって。
なんか気になって、私はお湯を止めてその音に注意を傾けたのよ。
階段を登り終わった足音は、通路を通って私の部屋の前で立ち止まったわ。
あれっと思っていると、ドアのノブに映った蛍光灯の光がかすかに動き始めたの。
そう、ノブがね、音もなく、ゆっくりゆっくり回ってた。
私、またゆかりの悪戯かと思ってドアを開けてみたの。
そしたらね、なんかやせこけた男の人がいてね。「あ、間違えました」とか言って、逃げていったの。
……もし、あの日湯船につかろうと思わなくてシャワーを浴びてたら、私、どうなっていたんだろうね。
- 312 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 07:29 ID:???
- 訂正。
警戒→軽快です。
警戒じゃあかん。
- 313 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 11:09 ID:???
- 螢石のも、文は上手いが、大して恐くないね。もう2ひねりぐらいほしい。
- 314 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 14:27 ID:???
- 蛍石さんへ
確かに「夜の窓から」のは、言われてみれば、轢死した女の人とよみとの関係が
ちょっと強引だったかもしれないですね。せめて、よみが事故現場を目撃してしまっただとか、
その女の人と直前に関わってしまっていたとかの伏線が欲しい。
よほどよみが日ごろから何でもオカルティックに考えるちょっと電波な人でも
ないかぎり、指摘されたような思考は不自然ですね。
でも、>>300で
>これは題名からアウト。
>「星を見る少女」を知っている人ならストーリーから結末まで読めてしまいます。
と書いておいて、
>>305で
>「星を見る人」は、本ネタがあることは何人かの人が述べているように、問題とは
>なりません。
と書くのはどうかと。
何か、自分が元ネタを知っていることを前提に批評を書いてしまっていて
今ひとつ何を批評したいのか分からないんだが。
>また、かおりんはどう見ても直情突撃ストーカーで、愛をゆっくりはぐくむなんて
>タイプではないでしょう。
この批評はズレてると思う。226氏はかおりんの性格をこう捉えている
と解釈するだけですむことではないですか?それとも貴方の言うような
性格として捉えなければいけないので?
かおりんは榊さんのことに対してのみ冷静ではいられないかもしれないよ?
また、かおりんは星を眺める人に自分の境遇を重ね合わせたと考えれば別に
おかしくないと思うよ。
- 315 :314 :2004/03/14(日) 14:36 ID:???
- あと>>300の
>何より、こんなショッキングな経験をすれば星空がトラウマになってしまうと思うのですが。
話の後にそうなったかもよ?別におかしくないだろう。
>夢見るような目が見えるのもおかしい。
これこそ貴方が原作を知っているからじゃないかな?
原作は確か窓が2だったか4階にあるんだったよね。
でも226氏は何もそのへんは書いてないよ。1階だったら見えるかもね。
街灯に照らされて(w
>他にも、街灯が照らす道で星空を楽しむのも変ですし、
これは俺も?だった。確かに街灯の照らす路で、満天の星空はないね。
でもまぁ、226氏も投稿前にもう少し矛盾点がないかのチェックが必要と思われる。
こういう矛盾点をつぶしてこそ、不条理な怪奇現象が引き立つんだよ。
- 316 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 15:06 ID:???
- >>311
乙。
悪いけど率直な感想、批評をした割には…の出来だな。
最後が、にゃもちゃんの語り口調で他人事みたいに語らせてるせいで怖さが
半減しているように思う。
実際、こういうのって一昔前なら怖い話だけど、今じゃリアルで身近によく
起きているもんだからあまりゾッとしない。
もう少しにゃもちゃんに怖い目みせんと。
あとさ、226氏への批評も、こうした方がより怖くなるという書き方
のほうがよいと思われ。
- 317 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 15:11 ID:???
- そですか。
ではこれを。
【波のまにまに】
- 318 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 15:12 ID:???
- 道を下ると、彼女は砂浜に一人座っていた。
「どうしたの?こんなところに呼び出して」
私が隣に座ると、彼女は顔を上げた。
「あ、先生……昨日はごめん」
「何の事?」
「恥かかせちゃって」
すごく申し訳なさそうな顔で、泣きそうな顔で、謝る。
「ああ、あれ。神楽のせいじゃないわよ。忘れちゃってたのは事実だし」
「先生……」
「あ、でもね。学生のときはできたんだから」
念を押す。
何の意味もないのに。
でも、彼女はにっこり笑って頷いた。
「信じるよ。先生は少なくとも私には嘘つかね―もん」
「でも、進学のこととか指導できにくくなっちゃったかな」
軽くため息をついて、海に目を向ける。
- 319 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 15:12 ID:???
- その中に。
「……てくださーい!!」
かすかな声。
「せ、先生!あれ、ちよちゃんじゃないのか?お下げが見えてる!」
彼女は私の腕を掴んで立ち上がった。
「あのあたりは深いんだ!早くしないと!」
だけど、私は彼女を止めた。
「待ちなさい、神楽」
「どうしてだよ!」
「落ち着いて。こんなに暗いのに、お下げまではっきり見えるのは変でしょう。
それにあれがおぼれているように見える?」
そう、ここから見えるお下げの少女は、波のまにまに顔を浮かべているだけだった。
ばたついている様子もない。
そして何より、その顔は。
薄く目を細め、嬉しそうに笑っている。
まるで、ケラケラと笑い声が聞こえてきそうなくらいに。
「あれはこの世のものじゃないと思う。先輩に聞いたことがあるのよ。夜の海には、人を呼ぶ何かがいるって。
その言葉に耳を傾けちゃいけないって。耳を傾けたら、ものすごい力で引きずり込まれて、次に陸に着くのは
死体になった後だって」
彼女の足が止まる。
沈黙。
- 320 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 15:13 ID:???
- 次に私の耳に入ってきたのは、彼女の舌打ちだった。
「え?」
驚いて彼女の顔を見る。
それは呟いた。
「冷静なんだな」
少年みたいな教え子の顔に、ひどく陰惨な笑いが浮かべて。
そう、海の中の何かと同じように――
目を覚ますと、私はタオルケットに身を包んで、居間に横になっていた。
外からラジオ体操の音楽が聞こえる。
どんなに恐ろしい出来事も、夢なら安心。
覚めてしまえば消える。
手首が赤いのは、腕枕で寝ていたからだ。
それがまるで手の形に見えるのは――あんな夢を見たからに違いない。
(Fin)
- 321 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 16:05 ID:???
- >314
題名については、指摘したかったのはぶっちゃけ他人のネタを下敷きにするなら
題名くらい変えるべきってことです。
あと、かおりんの性格ですが、二次創作は「かも知れない」じゃだめなんですよ。
それができるんなら「大阪のあの性格は実は仮の姿で、実は榊さんを超える万能
少女かも知れない」という設定を読者になんの断りもなしに使ってもいいことに
なります。
逆に納得させる描写があればOKなんです。226さんにはそれがありません。
かおりんだったら、一目ぼれして、窓の数から号室割り出して、郵便ポストチェックして
「あの人、○○さんって言うんだ……素敵な名前だな」なんてのたまう方が
仄かな恋心を抱くより彼女らしくありませんか?
そして、そういう行動を取らせてはいけない理由は、私には残念ながら見出せません。
最後に、多分見落としていると思うのですが、作中のかおりんは中学3年生ですよ。
- 322 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 16:49 ID:???
- 蛍石氏もけっこう自分流にかおりんイメージを膨らませ杉の気が
- 323 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 17:14 ID:???
- 蛍石さんのかおりん評には賛同しかねる部分があるが、確かに226さんのかおりんがなんからしくないのも事実なんだよな。
- 324 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 17:56 ID:???
- >分厚いカーテン、白いレース、窓に映った顔の順にビジョンが移り変わり、次いで漆黒の闇が視界に訪れた。
> ほっ、とついた白い息が夜に溶ける。
> 夜空に星は雲に覆われているのか見えなかったが、街灯や家々の明かりが点々と地上の星図を織りなしていて、暦の脳は期待通りの安息を得た。
漆黒の闇なのに、街灯や家々の明かりが見える?
いや、そもそも1階にあるはずのよみの部屋から、何故そんなものが見えるんだ?
よみの家は山中の一軒家か?
>目の前が真っ暗になって、頭の中は真っ白になって、パクパクと開閉する口からは叫び声さえ出ない。
> 何か巨大な獣が無雑作に噛みちぎったとしか見えない死体だった。
> 服を身にまとっていなければ、人間とはわからなかったかもしれない。
> 服――
> そこで初めて暦は、脚部のサイズに切り取られたジーンズが、自分のそれと同じであることに気づいた。
目の前が真っ暗になったはずなのに、ジーンズが見えるのは何故?
こんな文章をうまいと思ってしまったのは何故だろう。それが一番謎。
- 325 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 18:37 ID:???
- >>324
要するに「木を見て森を見ず」ってことじゃないかな。
部分部分としては良いんだけど、全体を通してみると
違和感があるっていう事。
- 326 :314 :2004/03/14(日) 22:29 ID:???
- >>321
>最後に、多分見落としていると思うのですが、作中のかおりんは中学3年生ですよ。
ごめんなさい。完全に見落としていました。
貴方の指摘はもっともだ。
逝って来る…。
- 327 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/15(月) 00:31 ID:???
- >>310-312
乙枯様です。
こういうのって怖いですよね。類似した被害をリアルで被ったことのある身
としては、ホラーとは別種の怖さがあります。
文章も簡にして要と言った感じで上手くまとめられていていいです。
こういうふうに私も書けたらなぁ…。
ただ、気になったのは、>>316の人に言われてしまいましたが、
にゃも先生の語りで書かれているのに、まるで他人事のようセリフで
終わっている点が、ちょっと恐怖を削いでしまいました。むしろ
おいおい、にゃもちゃん平気なの?と彼女にツッコミを入れてしまいそうです。
>>317-320
こちらは秀逸ですね。意表を突かれました。
話自体は水に関わる幽霊物のオーソドックスなものでしたが、
まさか冒頭から登場していた神楽までもがあちらの住人だったとは…。
しかも正体に気付いた後の出来事を、手首に残った赤い痕で語らせる
あたりが、いいです。正直この部分でゾッとしました。
そして私の大好きな話のパターン、主人公が怪奇体験をなんとか
自分の中で合理化し、日常に回帰するという展開…。イイです!
- 328 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/15(月) 07:28 ID:???
- >327
PASCOさんにまで言われるんじゃちょっとひねりすぎたかもしれません。
もう一度311の文章をにゃもちゃんが語るのを想像してみてください。
どこか作り話めいた話、普通だったら採るわけのない行動、他人事みたいに淡々と
語るにゃも。
よーく考えると怖くありませんか?にゃもちゃんが。
317はアレンジの見本として船幽霊とのっぺらぼうを本ネタに書いてみました。
ぞっとしていただいたみたいで光栄です。
- 329 :226 :2004/03/15(月) 15:39 ID:???
- うぃっす。
当の本人が返レスしなくてマジ悪ィな。
んでな、蛍の字の歯に衣着せねェ批評にゃ感謝してんだ。わざわざ目ぇ通してくれ、しかもこんだけ長いレス返してくれたってのは、オレの短けースレ人生の中じゃ、初めてのことだかんな。
他のヤツらももちろんサンキュだぜ。なんかここまでの流れ、討論会みてーでとてもイイ感じだ。おかげでこのスレ、めっちゃ熱くなってるよなっ。
ま、批評についちゃ今後もどんどんやってもらいてーな。特にオレのに関しちゃ、手加減しなくていいぜ。そっちの方がこっちも楽しーしな。
さてと、まぁ時間もねぇんでここらでお暇すっけど、皆々のレス様にゃいろいろ参考になるとこあったし、スレの活性化にもなるンで、次作の時にゃまたこんなやりとりができたらイイなって思うぜ。んじゃな。
なんて、このまま行っちゃ何かシツレーな気がすっから、真面目に蛍の字の批評してみっか。
【「ビジター」について。】
「何気ない日常に訪れる、災厄になる可能性を持った微かな事件」ってヤツな。少し意味を噛みしめてみると、ぞくっとするもんがあるぜ。
ただ、カギについて言及してねーのが不自然に感じたんだが、そこらへんどーよ?
いやな、女の一人暮らしにしちゃ警戒心ねーよな、開けっ放しならさ。
それに、あずまんがへの繋がりを配慮するつもりなんなら、齟齬ができっよな。ゆかりちゃんが入ってこれなくなっちまうわけだ。今まで閉めていたにしても、これから戸締まり用心するにしてもだ。
やっぱ、一言ぐれー書いといたほーがいいと思うぜ。カギ。
【「波のまにまに」について。】
や、良かったぜ。夢か現かってオチもいいし、実は神楽が…って真相も、しょっぱなに真面目な話をしていることで読者を騙す仕掛けが効果的になってる。
ただ、ちよすけが溺れてるって状況が逼迫してるってのを読者に伝えるにゃ、神楽のあのあわて方じゃチョイ甘い。もっと泡食わせる必要あるんじゃねぇかな。それとも全体的な表現力の問題なんかな?
あとは、あれだ。WHENが夜だってのは1レス目に示したほうがいいと思うぜ。
最後にな、言っとくと、書き手が作品についての解説をすんのはまぁいいとしてもな、それを読みとらせられなかったってのは、やっぱり書き手の方に問題があるって、書き手は思ったほうがいいんじゃねぇかな。
ま、蛍の字なら釈迦に説法か。
んじゃ、今度こそ本当に、アバヨ。
- 330 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/16(火) 08:46 ID:???
- >>329
意趣返しのつもりですか?
ならば自分が惨めになるからやめた方がいいですよ。
もし本気でそう思っているなら、私はもう語る言葉をもちません。
どうぞご自由にSSをお書きください。
- 331 :名無しさんちゃうねん :2004/03/16(火) 09:56 ID:???
- >>330
まぁまぁ。餅つきなさいって。最近何か嫌なことでもあったの?
そういうレスすると、あなたが226氏への嫌悪感だけで辛口な批評をしたかのように
とられますよ。実際そうなのかな?
人のSSを批評をするからには、自分のSSへの批評も謙虚に受け止めないと。
自分のSSに自負心を持つからこその発言とは思いますが。
>>329の批評もあながち的外れでも無いとは思うんだけど、どうですか?
「ビジター」は>>328にあるとおりの意図があるなら、あのままでいいとは思いますが、
「波のまにまに」については、226氏の指摘を読んでから見直すと、>>319の冒頭の描写
が今ひとつ緊迫感に欠けると思いますよ。敢えて不自然さを強調するためにそうしたのなら
ごめんなさい。あと、話の冒頭で夜の海の描写を入れると、一層、恐怖が引き立つのでは。
激しく批評し合うのもいいですが、不毛な物言いはやめましょうよ。
あと、ヌルイと言われるかも知れませんが、ガーッと批評した上で、1箇所くらい気に入った
点を評価するなどした方が、言われた方も受け入れやすいのではないかと。
- 332 :名無しさんちゃうねん :2004/03/16(火) 10:16 ID:???
- >>330
そういう言いぐさはないだろう。
- 333 :名無しさんちゃうねん :2004/03/16(火) 10:37 ID:???
- >>328
なるほど。「ビジター」確かに不自然な描写が多いとは感じていたが、わざとだったのか。
個人的にやせこけた男ってのがすごく引っ掛かる。
実は恐い目にあってるのはその男ではないかと、エロパロ板の住人としては
思うわけであります。
見方を変えると妄想が膨らむSSだなぁ。GoodJobです。
- 334 :名無しさんちゃうねん :2004/03/16(火) 11:53 ID:???
- 人を批評する者は、人に批評される。
辛辣な批評をすれば、辛辣な批評が返ってくる。
物も言いようで角が立つ。
ただそれだけのこった。
- 335 :226 :2004/03/17(水) 06:56 ID:???
- 蛍石氏へ。
>意趣返しのつもりですか?
ああ、そのつもりだったぜ?
オレはあんたに感謝してたんだ。今だってしている。SS書く姿勢に変化を与えてくれたんだからな。
もともとオレは「ギャグは笑わせたら勝ち、エロは勃たせたら勝ち、ホラーは怖がらせたら勝ち」って考えてた。だから整合性は二の次にしてたわけだ。
けど、きっちり細かいとこまで読んで考えてくれるヤツのことまでは考えてなかった。言われてみて初めて、甘さを指摘されても仕方ねーって思ったよ。
「次こそは見てろ!」ってガッツも湧いてきた。このスレの文面を見ちゃあ、何度も次作に手を加えてたもんさ。
そんなだから、オレがあんたの書いたSSを前にして素通りしちゃ、失礼だと思ったんだよ。そうだろ? 顔見せて、あんたのSS見なかったことにして、ってのはまずいだろ?
そりゃ、オレはあんたから見りゃ素人かもしれねぇ。けど、どんな未熟なもんであれ、レスはレスだ。反応だ。見てるって意思表示だろ。だから、「それは見当違いですよ」と言われる恐れを押して、レス入れたんだ。
「意趣返し」……その言葉が冗談で使われてたらどんなに救われたか。
あんたとは真剣で斬り合うような、鋭くて熱い関係を期待してたんだがな。
……いや、今からでも遅くねぇ。そういう関係を結べるはずだ。
>どうぞご自由にSSをお書きください。
って、あんたは言ったな。サンキュー! そこまで言うなら、協力してもらおうじゃん。
わかりあうにゃ対話しかねーんだ。「コテハンに一言スレ」に書き込んでくれや。
オレのことが嫌いなんだろ? どこが嫌いか教えてくれ。オレが悪けりゃ直すからさ。お互い色々話し合おうぜ。正直オレにゃ、何が問題なのかすらわかんねーんだ。
オレはみんなと一緒に楽しみたいんだ。みんな、ってのはあんたも含まれるんだぜ? 「ご自由にお書きください」……今は不自由なんだよ。原因はオレとあんたの関係だぜ。
この話題に関しちゃ、もうこのスレにゃ書かねぇ。向こうで待ってる。来てくれ。
- 336 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/18(木) 21:55 ID:???
- 北の国からポ〜イ
(・∀・)ノ ⌒ □
- 337 :急制動1:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/18(木) 21:56 ID:???
- この日もみなもは、愛車のヴィッツを軽快に飛ばし、職場への道を急いでいた。
助手席では同僚のゆかりが盛大にいびきをかいて爆睡している。
毎朝の変わらぬ風景である。
「あ〜つかまっちゃった。間に合うかしら?」
大通りの交差点で信号に止められ、時計を気にしながら青に変わるのを待つ。
隣を見ると、ゆかりは相変わらず大いびきで寝ている。
一体、誰のせいで遅れて、誰のせいでこんなに急いでいるのか?
毎朝疑問に思うのだが、何故、私はこいつを毎朝迎えに行って車に乗せてやらなければならないのか?
苦々しげに呟きながら、ゆかりを睨み付けるが、彼女は無邪気な寝顔を見せるだけ。
「ほんと。なんでだろう」
苦笑しながら、前へ向き直ろうとしたとき、後ろから派手な爆音が聞こえてきた。
信号がまだ赤なのを確認しつつ、バックミラーで後ろの様子を窺うと、いかにも走り屋といった感じの
白いスポーツカーが、ジグザグと前の車をすり抜けながら猛スピードで迫ってくるのが見えた。
「何かしらあの車。乱暴な運転ねぇ」
みなもが呟いている間にもその車はグングン間を詰め、あわや追突すると思った瞬間に
急ハンドルを切り、みなもの車の左隣に割り込んできた。
「いったい、どんな奴よ」
運転手を睨み付けてやろうと、みなもが左側を見たとき、ちょうどその車が急ブレーキを掛けた。
目付きの悪い男だった。
こちらを鋭い目で見ながらも口元に薄ら笑いを浮かべている。
しかし、それが見えたのはほんの一瞬だった。
みなもは急ブレーキで男が前のめりになることを予想したが、走り屋独特のシートベルトでしっかり固定されていたため、
身体はあの急制動にも関わらずシートに張り付いたままであった。
しかし。
勢いの乗った頭部は、
落ちた。
ポロッと呆気なく、椿の花が突然落ちるように、ポロリと。
首が無くなった。
首の無い男がシートに座って、ステアリングを握っている。
落ちた首を拾うでもなく、ステアリングを指でトントン落ち着き無く叩きながら信号を待っている。
その異様な光景に、みなもの思考は停止した。
目の前に映るものが信じられない。ただただ呆然と眺めていた。
どれほどの時間眺めていただろうか。
やがて男は、派手にタイヤの擦れる音を立てて車を発進させた。
首を落っことしたまま、何事もなかったかのように走り去っていった。
- 338 :急制動2:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/18(木) 21:56 ID:???
- みなもが我に帰ったのは、誰かに激しく肩を揺り動かされてだった。
見ると、ゆかりが怪訝な表情をしてみなもの顔を覗き込んでいる。
「信号!青ぉ!何ボッとしてんのよ!」
「え?あっ、あぁ、そうね。青ね。急がなきゃ」
後続車からの激しいクラクションの洗礼を浴びながら、みなもはのろのろと車を発進させた。
「どうしたの?にゃも。顔色悪いよ」
職員室に入ってからもボウッとしているみなもに、珍しくゆかりが心配そうに声を掛けた。
「ねぇ、ゆかり。馬鹿なこと聞くけどさ。人の首って簡単に外れるものかな」
「はぁ?!何寝ぼけてんだにゃも?しっかりしろ」
「ゆかり。ちょっとごめん」
みなもは、にゃもの頭を両手で挟んでいきなり上へ力一杯引っ張りあげた。
「いででででで!痛い!何すんだ、この馬鹿体育教師!」
「あ。あぁごめんなさい。やっぱり抜けるわけ無いわよね」
「ったりめーだろ。何考えてんだ?」
「ごめんごめん。どうかしてたわ、私。あ、朝のHR行かなくちゃ」
「おー。しっかりしやがれ」
「ゆかりもでしょ?」
「わたしゃ、あともうちっと準備がある」
みなもはそそくさと出席簿などHRに必要なものを抱えて席を立った。
朝のあの訳の分からないもののことは、もう忘れることにした。
考えてもしょうがない。ちょっと寝ぼけていただけだ。きっとそうだ。そういうことにしよう。
気合を入れなおし、職員室を出ようと引き戸に手を掛けた。
「やべぇやべぇ。もう少しで外れるとこだった…」
みなもの耳にゆかりの呟き声が聞こえた気がした。
(fin)
- 339 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/18(木) 21:59 ID:???
- ちょっとわけワカメなSSになっちゃったかな。
- 340 :名無しさんちゃうねん :2004/03/19(金) 10:50 ID:???
- んにゃ、乙ん。
- 341 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/19(金) 21:57 ID:???
- 226さん関連は「コテハンに一言」スレへ書き込みました。
- 342 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/20(土) 11:50 ID:???
- >>331
一部向こうに書き忘れたことを書いておきますね。
「波のまにまに」への指摘は半分当たっています。
というか、貼り付けを間違えて318と319の間に抜けてしまった一文があるんですよ。
「星空と、静かな波の音。」
これが抜けている一文です。
- 343 :名無しさんちゃうねん :2004/03/20(土) 17:13 ID:???
- >>342
あぁ。なるほど。腑に落ちました。
319の出だしが、何の中なのかちょっとひっかかってたから。
- 344 :名無しさんちゃうねん :2004/03/21(日) 13:57 ID:???
- 横レススマソ
>>226さん
あなたの取った行動は
1.相手にSSを批評された
2.その批評を曲解して反論
3.相手に曲解部分を指摘された
4.指摘を無視して相手のSSを批評
でしょう。
そりゃ相手怒りますって。
- 345 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/22(月) 02:32 ID:???
- >>342
なるほど。
なんか繋がりが変だとは思っていましたが。
みなものセリフから頭の中で勝手に補完してました。
- 346 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 13:59 ID:???
- 順番:レス番,『題名』,SS作者,登場人物
1話:>>23-25,『無題』,名無し氏,大阪&智
2話:>>28-30,『無題』,名無し氏,大阪
3話:>>33-35,『無題』,名無し氏,大阪
4話:>>37-41,『無題』,名無し氏,智&暦&大阪&榊&神楽&かおりん
5話:>>45,『ゆかり車』,名無し氏,ゆかり&ちよ&大阪
6話:>>46,『他の別荘』,名無し氏,よみ&ちよ&大阪
7話:>>55,『無題』,大阪=PASCO氏(トリップが同じ),大阪
8話:>>57-60,『無題』,眠い名有り氏,暦&神楽&大阪&ほぼオールキャスト?
9話:>>66&67,『無題』,名無し氏=PASCO氏,暦&智
10話:>>69-71,『潜む者』,名無し氏=PASCO氏,暦
- 347 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 13:59 ID:???
- 11話:>>75-76,『記念写真』,PASCO氏,ちよ&大阪&榊&暦&智
12話:>>77-78,『赤い女』,PASCO氏,ちよ&暦&智&榊&神楽&大阪
13話:>>80,『無題』,名無し氏,大阪&智?
14話:>>82-84,『よみの不合格のわけ』,PASCO氏,暦
15話:>>89,『花粉症』,PASCO氏,暦&大阪?
16話:>>94-95,『覗き』,PASCO氏,かおりん
17話:>>98-99,『一つ目』,伯爵氏,智&榊&神楽&大阪&ちよ&暦
18話:>>102-103,『フリーマーケット』,PASCO氏,みなも
19話:>>110,『団欒』,PASCO氏,神楽
20話:>>114,『経文』,PASCO氏,ゆかり&智&かおりん&榊
- 348 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 14:00 ID:???
- 21話:>>117-118,『人形』,PASCO氏,榊
22話:>>119,『公衆電話』,PASCO氏,神楽
23話:>>125,『無題』,名無し氏,名無し氏?
24話:>>127-128,『酔っぱらい』,PASCO氏,ゆかり
25話:>>129,『新幹線』,PASCO氏,大阪
26話:>>130-131,『車窓に映る光景』,PASCO氏,智&大阪&ちよ&榊
27話:>>132,『眼差し』,PASCO氏,榊
28話:>>145-147,『御守り』,PASCO氏,智&暦
29話:>>149,『無題』,名無し氏,ちよ&榊&マヤー
30話:>>158-159,『結婚式』,PASCO氏,ゆかり&その他合宿メンバー
- 349 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 14:00 ID:???
- 31話:>>160-162,『壁』,PASCO氏,大阪
32話:>>163,『無題』,名無し氏,大阪&千尋?
33話:>>167,『着ぐるみ』,PASCO氏,ちよ&榊
34話:>>171-172,『一途』,PASCO氏,みなも&ゆかり
35話:>>176,『怪談』,名無し氏,智&暦
36話:>>181,『届け物』,PASCO氏,智&神楽
37話:>>183-187,『日記』,無印不良品氏,智
38話:>>193-197,『被告』,名無し氏,ちよ&みるちー
39話:>>199,『知らない親父』,無印不良品氏,榊
40話:>>204-208,『赤いゴム鞠』,PASCO氏,ちよ&大阪
- 350 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 14:00 ID:???
- 41話:>>210-212,『願いを叶える者』,無印不良品氏,かおりん
42話:>>221-222,『身内』,名無し氏,みなも&ゆかり
43話:>>227-229,『夜の窓から』,226氏,暦
44話:>>232-237,『別荘にて』,PASCO氏,ちよ&大阪&智&その他2年目の夏の合宿メンバー
45話:>>244,『ハンギング』,PASCO氏,神楽
46話:>>250,『無題』,名無し氏,ちよ&暦&智&大阪&千尋?
47話:>>251,『無題』,名無し氏,ほぼオールキャスト?
48話:>>257,『蠅』,伯爵氏?,大阪&ちよ
49話:>>262-264,『星を見る人』,226氏,かおりん
50話:>>289,『ボタン』,眠い名有り氏,智&ちよ
- 351 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 14:03 ID:???
- 51話:>>310-311,『ビジター』,蛍石氏,みなも
52話:>>317-320,『波のまにまに』,蛍石氏,みなも&神楽?&ちよ?
53話:>>337-338,『急制動』,PASCO氏,みなも&ゆかり
何をカウントしてるかって?
あと47話で百物語完成ってことさね。
誰が地雷を踏むのかにゃ〜?
- 352 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 15:34 ID:???
- >>346-351
お疲れさん!
その作業の手間に敬意を表して、保守してあげよう。
- 353 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/23(火) 00:39 ID:???
- >>346-351
乙です。
私は26本も書いてたのか…。
いっぱい書いたな〜。
- 354 :名無しさんちゃうねん :2004/03/23(火) 15:41 ID:???
- >>353
じゃああと倍書けばいいんだね♪
- 355 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/24(水) 01:12 ID:???
- >>354
)
_ ,, -ー=- 、 ヽ 異議あり!!
ゝ、ニ 二 _ ミミV, )
マ二 ニ、 r' ..,,_ ヽソ, `v'⌒ヽ/⌒ヽ/ ,. ‐- .. _
`ヽ、 { a`' tij` _! / __ `` ー- 、
|ノゝi ,_〈 , ィ/ ゝヽ ̄ヽ ー- '
/ t -‐ ,'" _ / { {ヽ、_ ヽ' ノ_,.〉
/! `>、 _/_ -ァー- 、_ ... -‐ ' ヽヽ、 `>、..ノ=┘
/j >-‐ ' ´/ / / / _ノ \ `ー '!
, -‐ 7´/{⌒| / _/ j >‐'
/ / //| 〉‐f/ \' ! , ' ´
/ ,' > .|/ レ ゚ノ | ,.. -‐ '"
/ { ヽ | 〉 /__ t ,. -‐ ' ´
| ヽ| / / ' ` ヽ、 /
| `!// /
- 356 :名無しさんちゃうねん :2004/03/24(水) 12:27 ID:???
- >>355
却下します。
- 357 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/24(水) 15:11 ID:???
- >>356
_, ,_
ヽ(゚∀゚)ノ
- 358 :名無しさんちゃうねん :2004/03/24(水) 17:07 ID:SiYeULyU
- >>357
そして過労死したPASCO氏は亡霊となり…
- 359 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/24(水) 19:19 ID:???
- >>358
きみに取り憑くのだった…。
△
(゚∀゚)ノ アーヒャッヒャッヒャッヒャッ
- 360 :名無しさんちゃうねん :2004/03/25(木) 08:25 ID:???
- >>359
PASCO! そんなことをして、遺された奥さんと子供が喜ぶと思っているのか!
- 361 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/26(金) 00:55 ID:???
- >>360
きみにも取り憑くのだ…。
△
(゚∀゚)ノ アーヒャッヒャッヒャッヒャッ
- 362 :名無しさんちゃうねん :2004/03/26(金) 01:39 ID:???
- >>353-361
ワロタ
軽快なやりとりが(・∀・)
- 363 :名無しさんちゃうねん :2004/03/26(金) 18:01 ID:???
- (´・ω・`)
もう1週間以上、恐いSSが投下されてないよ…。
職人さん達ガンガレー
期待age
- 364 :名無しさんちゃうねん :2004/03/27(土) 17:12 ID:???
- 【どうして?】
ちよ「どうして大阪さんは授業中に寝ちゃうんですか?」
大阪「家に帰るとな、つかれてまうねん」
ちよ「大阪さん、体力ないですからねー」
大阪「ちゃうねん。PASCOさんにとりつかれるんや」
ちよ「え」
大阪「せやから、アーヒャッヒャッヒャッヒャッって笑い声でこのごろ夜寝れへんのやー」
- 365 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/27(土) 17:24 ID:???
- 勝手に364の続き
大阪「やっぱりこの前握り締めて無駄にしてもうた『風味上質 十勝つぶあんパン』の呪いやろか」
名古屋ローカル?
www.pasconet.co.jp/test20030829/new/008.html
- 366 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 01:29 ID:???
- どうもぉ。
お一つお聞きしたいのですがぁ、
私はしばらくしたらとある有名な恐怖FLASHの設定を使いSSを書きたいのですがぁ
コテハンスレの騒動をみる限りぃ、3次創作は作者の許可を貰わないとぉ、
無理みたいなんですがぁ、やはりこれも許可を得なくてはぁいけないんですかぁ?
許可を貰わなくてはいけないんだとしてもぉ、どこで貰えばよいか分からないのですがぁ
無許可でやってよろしいでしょうかぁ?
- 367 :伯爵 ◆xTfHc.nBiE :2004/03/28(日) 03:39 ID:???
- >>366
そういう質問は、編集会議室でお願いします
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1076610111/l50
お手数ですが、このレスについての返答はこちらで
私もレスしておきます
- 368 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/28(日) 10:13 ID:???
- >>364
…あっしは死んでるんですかい?(TωT)
>>365
蛍石さんまで!!
- 369 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 15:10 ID:???
- >>364さんの【どうして?】を見て思いついた話ですが…
(アニメの5巻の話から)
【眠い理由】
私は消しゴムを買いに夜のコンビニに向かう途中で神楽さんに出会い、買い物に付き合ってもらいました。
そして、ジュースを買って近くの公園で、神楽さんといろんなお話をしました。
「インターハイ出られるといいですね」
「ああ……。じゃ、もうそろそろ帰るか」
夜の公園なんて初めてだったので、もう少しここにいたいなぁ、なんて思いました。
「もう少し、お話しましょう。夜の公園なんて滅多に来ませんから」
「いや、私は別に走って逃げれるからいいんだけど、ちよちゃんは逃げ切れないだろう」
逃げ切る? 何の事だかわかりません。
「ほら、最近ニュースでやってるじゃん。えっと…りょ、りょ、りょうきさつじんってやつ」
思い出しました。
最近、ここの近所で猟奇殺人事件が多発しているらしいです。犯人はいまだ逃走中で、遺体は体中を鋭利な刃物で滅多刺しにされていたそうです。
私は急に怖くなりました。
「そ、そうですね。帰りましょうか…」
「いてぇぇぇぇぇぇ!!」
突然、後ろから男の人の悲鳴が聞こえました。私はびっくりしてジュースを落としてしまいました。
「や、やめろぉぉ、な、何なんだよ、てめぇは…」
振り返ると、ベンチのあたりに、二人の人がいました。
一人は、地面に倒れていて、ふくらはぎのあたりを押さえてもがいていました。
そして、もう一人は……
「お、おい、ちよちゃん。あれやばくないか?」
神楽さんは顔を真っ青にして、もう一人を見つめていました。
「と、とりあえず警察を……」
「ひぎぃぃぃぃぃ!!」
私達の見ている目の前でそれは起こりました。
もう一人が、倒れている人のお腹めがけて手を振り下ろしたのです。その手には、何かが握られていました。
「わ、わ、わぁぁぁぁぁ!!」
神楽さんが大きな声を上げて走っていってしまいました。
「ま、待ってください、神楽さぁぁぁん!!」
私は叫びました。けど、神楽さん振り返らずに、闇の中へ消えていってしまいました。
私は逃げるために足を動かそうとしました。だけど、足は竦んで動きません。
そして私の目は、恐怖という感情とは逆に、ベンチの方へ向いてしまうのです。
クッチャ、クッチャ、クッチャ…
豆腐を箸でつぶすような音が、公園に響き渡りました。
もう一人が、動かなくなった一人に何度も何度も手を振り下ろしています。その様子をずっと見ていると、もう一人の手に握られたモノが、公園の外灯の光を反射しているのがわかります。
……包丁。
どれだけ時間が経ったでしょうか。
私は地面にペタンとお尻を付きながら、その様子をずっと見ていました。
すると、もう一人が不意に立ち上がりました。涙でその姿はよく見えませんが、その人は真っ黒でした。顔から服まで真っ黒でした。
そして、その人はこっちには目もくれず闇の中へ消えていきました。
…私の中で何かが切れました。そして、私は耳が痛くなるほど大きな声で泣きました。
「へーちょ」
私が泣き始めるちょうどその時、もう一人が消えていった闇の向こうで、そんな声が聞こえたような気がしました。
- 370 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 17:00 ID:???
- 遅ればせながら螢石氏
貴殿の「怖い話」二作品を拝読いたしました。
一言で言えばスゲエ。
二言で言えばちょースゲエ。
なんというか、ダントツで上手いし、怖かった。にゃもの話は他の人はなにやらいっていますが、
最後のみなもの「どうなっていたのだろうね」で一気に鳥肌が立ちました。
あの文を挿入する事で怖さが増しています。全体的にレベルが高いのですが。
そもそも、その「痩せた男」が人間なのかどうかは判りませんし。
(だから「カギ」云々の批評はピンとはずれだと思います)
船幽霊の話はマジで背筋がぞっとしました。細かい表現と一字一句にまで霊が篭っているような名文です。
はっきりいって、このスレで一番レベルが高い。満腔の絶賛を送りたい。あなたはそれに値する。
私が常々恐れているのはいわゆる「ホメ殺し」になってSS書きさんをダメにすること。
賛辞はときに驕りを生み、驕りは文章の衰退を招く。だめになって欲しくない。
だから私は常々辛口の批評を意識して手放しで誉めたりはしない。
だが、今回のあなたはあなたがコテで行った批評ゆえに反感を招き、
不当に低い評価を受けているように思える。だから絶賛する。
あなたの批評は的を得ていると思う。言葉もきついとされているが、
私にはあれくらいは当然だと思う。従って、応援する。
今、あなたはラウンジのスレでも論争を続けておられるが、あなたの論はSSのキレと同じく筋が通っている。
私は、あなたを支持する。
色々とたたかれるかもしれないが、可能な限り、私はあなたを微力で以ってバックアップする。
なぜなら、今萌えBBSで一番力量のあるSS書きはあなたであるし、あなたくらいものだからだ。
- 371 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 17:16 ID:???
- 54話:>>369,『眠い理由』,名無しさん,神楽&ちよ&大阪?
あと46話……
- 372 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 17:19 ID:???
- >>370
さり気なく、蛍石氏をホメ殺ししとらんか?
- 373 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 17:24 ID:???
- >>372
さあ。この程度でホメ殺されて駄目になるようならそれまでの器。
私は優れた人を客観的に優れていると述べただけです。
そしてこれからも優れたSSを書かれる限り、私は全面的に螢石氏を支援する。
- 374 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 17:33 ID:???
- >>373
ここ萌えBBSなんですよねぇ。
プロ並みの書評を皆が求めているわけではないし。
器云々って、ここを文壇にしたいの?
誤解ないように言っておけば、
辛口の批評をなさる蛍石氏も、相手に一言断ってから
批評をする配慮をしてまっせ?
貴方にそういう配慮できる?
いきなりばっさり切り捨てたら、荒れるよ、ここ。
- 375 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 18:07 ID:???
- >>374
私は螢石氏を美めただけであって、群を抜いているとは謂ったが、
他の諸氏のことを辛口に批評した覚えはないが?
ばっさり切り捨てるって何を?
いったい何を興奮しているかは知らないけどそういう態度こそ荒れを招くよ。
- 376 :無印不良品 ◆sYRqmcZNGU :2004/03/28(日) 20:09 ID:???
- >>374
こういう文章で萌えることができるひとがいるから書くんだよ
さらにいい作品ができるようになるために辛口批評をするんだよ
萌えBBSだから怖い文章はダメ、そんなことダレが決めたんですか?
怖い中にも、萌えはあるんじゃないんですか?
- 377 :無印不良品 ◆sYRqmcZNGU :2004/03/28(日) 20:26 ID:???
- 車
ブォォォ・・・というエンジン音とともに、銀色の(ベコベコした)車は変な軌道を描きながら
進んでいく。 ゆかり車である。
にゃも車をはるか後方に置いていきながら山道を走っていた。
途中、トンネルを抜けていく。光が(ベコベコになった)車体を照らしている。
急にガガガ・・・という音とともにエンストをしてしまった。
「ん? エンストしたか・・・おかしいなぁ」
ゆかりがエンジンのボンネットをあけてみた。ちよ、大阪も車から降りて覗いてみた。
エンジンになにか白いものがついていた。
「なんだこれ?」
手に持って見ると軽くどこかで見たことあるようなものだった。
「ま、いいか」
と早速車にのって別荘に向かっていった。
途中、ボンネットが開いてるのにきずき、閉めようとしたが閉まらなかった。
開けてみると白骨化した変死体がエンジンの上にあった。
つまらない、すっごくつまらない(´・ω・`)スィマセン
腕おちたなぁ俺 _| ̄|○ドウシヨウ・・・
- 378 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 21:34 ID:???
- 「さ、いつまでも起きてないでさっさと寝るぞ」
「えーまだ10時じゃん!ちよすけじゃあるまいしー」
「早寝早起きはホルモンのバランスがとれて体にいいんだよ」
「……ははーん?また新しいダイエットですかなー?」
「う、うるさいな!さっさと布団に入れバカ!」
「はいはいわかりました! …ったく こんな時間に寝れる……わ…け…」
……すー すー
「………ほんっとに子供だな… さて、私も…」
- 379 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 21:35 ID:???
-
―――――ん…
「ふぁー…目覚めちゃった……今何時だってまだ2時じゃん!
やっぱ早すぎんだよなー あーどうしよう目が冴えちゃって寝れないよー」
ムク…
「あれ?よみも起きたのかー?やっぱ寝るの早すぎたんだろー
だからあたしが言ったじゃん!だいたいよみはーって!どこいくんだよー おーい!」
「………」
「んだよー返事くらいしてくれたってー……
暇だし後つけてみるか!名探偵ともちゃんの力見せてやるぜー!」
ギシ…ギシ…ギシ… ガチャン…
(……よみ…電気もつけないで…… 冷蔵庫になにして……)
ぐちゃぐちゃ……にちにち…
(……おいおい…その肉生のままじゃん… もしかしてあいつ…起きてるけど寝てるのか?)
ギィ…バタン
(ヤバ!見つかる!早く戻らなくちゃ!)
タタタタ… ガバ!バフン!
(もしかして私……見ちゃいけないもの見ちゃったのかな…… くっそー怖くて布団から出れねー!)
- 380 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 21:35 ID:???
-
――――ふぁー
「おい、とーも!朝だぞ!起きろよー」
「あ、あぁ…よみ……おはよう…」
「どうしたんだ?目の下真っ青だぞ?さては寝た振りして一晩中起きてたな?」
「そ、そんなことないよ それよりよみ、体重……量ってきてみ」
「言われなくてもそうするよ! ……あ…」
「………増えてるんだろ」
「なっ!」
「あたしさー、よみはダイエット一生無理だと思うよ」
「うるさいな!なんでそんなこと言えるんだよ!」
「…えーっと…… とりあえず朝飯抜きは基本だよな!」
「……言ったからには付き合えよ」
「えーなんで私までー!だいたいよみはダイエットに人を巻き込みすぎだー!」
(よみが夢遊病だからだなんて… さすがの私でも言えないよ……)
「ところでさー ……よみは一回病院行った方がいいよな」
「それはお前だ!」
- 381 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 22:09 ID:???
- >>376
?? まったく論点が違うよ。
「所詮萌えBBSなんだから、楽しけりゃいいよ。最低限、他人への思いやりは必要だよ」
って言ってんじゃないの? 374氏は。
- 382 :374 ◆4VymWDIuME :2004/03/29(月) 00:16 ID:???
- >>375
>>370=>>373(=375)のつもりでレスします。
違っていたら失礼。
>他の諸氏のことを辛口に批評した覚えはないが?
でも、>>370で
>だから私は常々辛口の批評を意識して手放しで誉めたりはしない。
と仰ってますよね。辛口の批評をするつもりはあるんですよね。
私は別に辛口の批評がいかんと言っているのではなくて、
相手への配慮も忘れずにと言いたかったのです。
>ばっさり切り捨てるって何を?
ですが、私の言葉に間違いがありました。ごめんなさい。
切り捨てる、じゃなくて斬り付けるです。全然意味が変わりますね。
不注意でした。重ね重ねごめんなさい。
いきなり前フリも無く辛口の批判したら、それなりのレスが返って来ますよ
と言いたかったのです。
>>376
まず論点は>>381さんが記したとおりです。
あと、辛口批評と怖い話が混同されてませんか?
相手を見極めて、配慮して批評したほうがいいよ、ということです。
- 383 :数える者 :2004/03/29(月) 00:48 ID:???
- 55話:>>377,『車』,無印不良品氏,ゆかり&大阪&ちよ
56話:>>378-380,『(無題)』,名無し氏,智&暦
あと…
44話…
クックックックックックッ…
- 384 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/29(月) 02:37 ID:???
- 投下です。
【バースデープレゼント】
- 385 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/29(月) 02:37 ID:???
- 3。2。1。
ぱんぱぁん
真夜中の下宿にクラッカーが鳴り響く。
「ともちゃん、お誕生日おめでとうございます!」
「ともちゃんもとうとう二十歳やなー」
目の前には大阪とちよちゃん。
「お酒やっと飲めるようになったなぁ」
「それはボケか?この前よみと梅酒の飲み比べしてたのは誰だ」
と突っ込んで、気づいた。
よみ、20歳になったと同時に電話くれるって約束してたのに。
さては忘れてやがるな。
薄情な奴。
わざわざこの日の為に帰国してくれたちよちゃんを少しは見習いたまえ。
- 386 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/29(月) 02:38 ID:???
- 「あ、そうだ、ともちゃん」
ちよちゃんがカバンの中をごそごそ探って、
「これ、プレゼントですよー」
ニコニコしながら私に包みを差し出す。
くーっ!これだよ、これ。
プレゼントのない誕生日なんて喫茶店にパフェがないようなものだから。
「わーい。開けてみていい?」
「はい、どうぞ」
包みを破って箱を開けると、そこには手鏡が鎮座していた。
色は、紫。
紫?
- 387 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/29(月) 02:38 ID:???
- 「あ、あのさぁ」
なるべく陽気に、陽気に。
「もう、私20歳になっちゃったから絶対大丈夫だと思うけど。ムラサキノカガミの話って……迷信だよ、ね」
だけどちよちゃんはニコニコ顔のままでちょっと首を傾げた。
「さあ、どうでしょう。でも、もう少しでわかりますよ。さっきともちゃんが台所に行った時に時計を10分進めて
おきましたから」
なんですと――!
「ちょっと待て。大阪おまえなんで止めてくれなかったんだよ」
「言ってる意味がよくわからへんねんけど……そもそもムラサキノカガミの話ってなんや?」
あ、あ、あ……
わ、忘れなきゃ忘れなきゃ。
そうだ。
「大阪!!」
「なんやー」
「その忘れ物能力貸せ!!」
「へ?」
「あと10秒切りましたね」
あ、あ、あ……
「大阪!!私の頭殴ってくれ!!」
「なんやのー?なんか変やで智ちゃん」
「3、2、1……0」
うああああああ!
0と同時に胸の上で激しく震えだす何かに私は混乱して。
それが約束通りのよみからのおめでとうコールだったことに気づいてもまだ心臓がバクバクしていた。
- 388 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/29(月) 02:39 ID:???
- ……ねえ、ちよちゃん。
時計を10分ずらしたのって、チテキコーキシンとかいうやつだよね?
「やっぱり迷信でしたね」って言う顔が少し残念そうに見えたのは、私の錯覚、だよね?
ね?
(Fin)
- 389 :名無しさんちゃうねん :2004/03/29(月) 02:47 ID:???
- ちなみにムラサキノカガミというのはこんな話です。
http://osi.cool.ne.jp/UL/n36.htm
わりとマイナーな話なのかな?
- 390 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/29(月) 02:50 ID:???
- >>PASCOさん
ええっ?PASCOさんって『風味上質 十勝つぶあんパン』だったんだー
>>370さん他
誉められるのは嬉しいですけど、今の時期にはちょっと控えて欲しいなあ。
- 391 :名無しさんちゃうねん :2004/03/29(月) 09:34 ID:???
- >>384-389
乙です。
恐かったというより、ワロタ。
ちよちゃん、智ちゃんで実験したな?
原作の死ぬボタンの仕返しか、はたまた、自分に迫り来るかも知れない災厄の検証か。
読み終わった後思わずニヤリとしてしまった。
蛍石さんのSSは読みやすくて、しかも面白いんで好きだなぁ。
でも紫の鏡の都市伝説は知らなかった。
女の子の間ではメジャーなんだろうか?
>>390
上
たぶんPASCO氏はアンパンマンよりグレードが上なんですよ…。
- 392 :数える者 :2004/03/29(月) 10:33 ID:???
- もうちょっとまとまってからカウントすることにしよう…
このスレで100話になるかどうかは、微妙なところだな。
興の乗った職人さんが、長編を投稿したらちょっとヤバイかも。
- 393 :名無しさんちゃうねん :2004/03/29(月) 12:59 ID:???
- >>384-389
むしろユーモアですね、これは。
もちろん、このスレに投稿したことによって
さらにいい味が出たのですが。
>>392
まあ、100話になったら投稿が打ち切られるとは
誰も言ってないんだからいいんじゃないでしょうか。
- 394 :数える者 :2004/03/29(月) 13:33 ID:???
- >>393
下。
うーん。個人的にね、1スレで百物語になってたら、
すげぇ恐いスレになるなぁと思って期待しているのさ♪
勿論、100を越えても投稿はずっと続いて欲しいと思うよ。
- 395 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/30(火) 00:24 ID:???
- >数える者さん
あれ?百物語って一夜で百語られないと怖いことって起こらないんじゃなかったでしたっけ。そこまで
リアルにする必要もないかもしれないけれど……やっぱここは夜7時とかちょっと早めの時間にSS書き
が集まって百書くほうがもっと面白いと思われ。それまでに書き溜めておいて少しずつ投下とかする。
とりあえず提案まで。
- 396 :数える者 :2004/03/30(火) 00:31 ID:???
- >>395
それって、とってもハードな悪寒。
書き手の負担とか。サーバーとかは大丈夫なのかな?
ちなみに私が考えていたのは、後でこのスレを見に来た人が
一夜で百物語を読んでしまう羽目になるという意味でつ。
だいぶソフトですが。
でも蛍石さんの案も面白いなぁ。
- 397 :名無しさんちゃうねん :2004/03/30(火) 02:03 ID:???
- >>381
別に人を傷つけるような投稿はした覚えがないのだが。
それとも自分以外の職人が賞賛されるときずつく人でもいるのか?
- 398 :数える者 :2004/03/30(火) 03:02 ID:???
- >>397
名無しでそんなこと言われても、
名無しの記憶なんざ知らんとしか言いようがないのだが。
自分のことだけで話をしなさんな。
あと過去ログをちゃんと読め。
特に>>382辺りを。
- 399 :名無しさんちゃうねん :2004/03/30(火) 03:44 ID:???
- アマアマの感想書かないためには辛口を心がけたほうがちょうど良い、
という程の意味で書いたんだが。何をそんなにピリピリしてるのやらw
- 400 :名無しさんちゃうねん :2004/03/30(火) 08:30 ID:???
- >>397
覚えが無くても傷つけてるかも、です。
賞賛の仕方にもよるでしょうね。
あからさまに特定の人物を比較してのやり方だと角が立つかも、です。
>>399
批判的な意見が排除されるような雰囲気は、私もどうかと思うので賛同。
だけども、いきなり見ず知らずの人間から苛烈な辛口な批評をされては角が立つかも、です。
ちょいと辛口の批評をするがよろしいかといった前フリは必要じゃないかな。
ほとんどのSS書きは忌憚無い意見を求めているようなので、要らぬ心配かも知れませんが。
- 401 :名無しさんちゃうねん :2004/03/30(火) 09:08 ID:???
- >覚えが無くても傷つけてるかも、です
まあ、それは気をつけます。
>だけども、いきなり見ず知らずの人間から苛烈な辛口な批評をされては角が立つかも、です
何か誤解されてるみたいだけど、この板でも、他のネットでも
僕そんなに鬼のように厳しいことしたことないですよ。
どっちかというと辛口にしてまだ客観的に甘いくらいですから。
そう強調したまでで。
第一、それなりに厳しくするなら私もそれなりに気を使うし、
使ってきましたよ。そんなのは辛口うんぬん以前に常識でしょうが?
それくらい一住人としても弁えていると思って欲しかったんですけどね。
- 402 :名無しさんちゃうねん :2004/03/30(火) 09:34 ID:???
- >>401
了解しました。
- 403 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 10:32 ID:???
- >>394
思ったんだがここはちょうど1000になると同時に100話目の物語が終わると言うのはどうだ?
- 404 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 10:56 ID:???
- >>403
スレの容量的に微妙…。
職人さんには短篇でお願いしないと…。
- 405 :私が名無しさんだー! :2004/04/01(木) 01:47 ID:3RqW3VPE
- エイプリルフール記念パピコ
名前欄をとくと見よ。
- 406 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/02(金) 00:34 ID:.HQfdTpY
- 大阪「きのうものすごいおそろしい体験をした」
智「おっどうした!?朝起きたら滝野板になってたとかか!?」
大阪「そ それもこわいなあ」
智「だろ?」
大阪「お おひゃー」
智「それは別にいいから先を話せ」
- 407 :名無しさんちゃうねん :2004/04/02(金) 00:50 ID:???
- 【本編】
このごろな、隣の家から赤ちゃんの夜鳴き声が聞こえて良く寝れへんねん。
でも隣の家には若い夫婦が住んどったからしゃーない。
その夫婦がおととい引っ越していったんや。
だけどまだ夜鳴き声が聞こえるんやー。
- 408 :名無しさんちゃうねん :2004/04/02(金) 01:26 ID:???
- 今リアルで誰もいないのにゴミ袋がガサガサなってんだけど・・・・しかも近づくと止むし・・・・
- 409 :名無しさんちゃうねん :2004/04/02(金) 08:37 ID:???
- >>408
1.ゴキブリ
2.ねずみ
たぶん後者。が、ごみ箱の中で生首が上目遣いにこちらを見ていたら
と想像するとゾっとする。
- 410 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/06(火) 08:46 ID:???
- >407
ネタはいいけど書き方がイマイチなんでリメイクしていい?
- 411 :名無しさんちゃうねん :2004/04/06(火) 10:12 ID:???
- >410
えーよ
つか、蛍石さんにリメイクしていただけるなら光栄やー
- 412 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/11(日) 08:01 ID:???
- リメイクしてみたけど、あんま怖くならなかった。
【夜泣き声(元:本編)】
隣の家に若夫婦が住んどって、そこの赤ちゃんが夜泣くんよー。
夜寝られへんから時々文句を言いにいってたんやけど、とうとう3月一杯で若夫婦
が引っ越したんや。
じゃあ、昨日の夜泣き声は一体どこに文句をいいに行ったらええんやろか。
- 413 :小麦 ◆LNZbyB1zfI :2004/04/12(月) 18:57 ID:???
- こんばんは。PASCO改め小麦です。
>>407さん
私もそのネタ使っていいですか?
- 414 :名無しさんちゃうねん :2004/04/13(火) 00:03 ID:???
- >413
えーよ〜(゚∀゚)〜
- 415 :小麦 ◆LNZbyB1zfI :2004/04/13(火) 08:31 ID:???
- >>414
ありがとうございます。
ちょっと時間はかかりますが、ネタとして使わせていただきます。
- 416 :DEATH ジャッカル :2004/04/28(水) 22:08 ID:???
- 彼女の行方
榊さんと一緒の写真を智に撮ってもらった後、私は上機嫌で廊下を歩いていた。
その時、
「あ、かおりーん」
私は親友のちづるの声に振り向いた。
振り向くとちづるは笑いながら私の所に駆け寄ってきた。
「あ、ちづるー」
「探したよー、今日でもうお別れだから一緒に帰ろうよかおりん」
- 417 :DEATH ジャッカル :2004/04/28(水) 22:18 ID:???
- 「それでさー、智ったら千円なんて冗談言うんだよー」
「でも本気にするのがかおりんらしいよねー」
「そうそう、そういえば夏休みちよちゃんの別荘でね……」
私達は3年間の思い出を会話にしながら帰り道を歩いていた。
そういえばみんなと別のクラスになってからよく一緒にいたのはちづるだけだった。
今日でもうお別れだから………
ちづるの言葉を思い出すと少し涙が出そうになってくる。
それでも私は涙をみせまいと元気に振る舞っていた。
私もちづるも意識してか歩く速度は普段と遅くなっていた。
しかしそれでもすぐに家についてしまった。
- 418 :DEATH ジャッカル :2004/04/28(水) 22:34 ID:???
- 家の前でも名残惜しくなり、無理に私は会話を引き延ばしてちづるを引き留めた。
ちづるは嫌な顔一つせずに最後まで付き合ってくれた。
大学に入ればもう顔を合わせる事も無くなるのでは無いか……
そんな恐怖が私の中を駆けめぐっていたから…。
そしてとうとう話題もなくなり引き留める事も出来なくなった。
目から止めども無く涙があふれる。
「ねぇ、ちづる、私達卒業しても会おうね絶対」
「うん……………」
そう言い、うつむくちづるの顔もとても悲しそうだった。
しかし、
「うん、大丈夫だよ。絶対必ず会えるから。卒業したあとでも必ず。だから泣かないでよかおりん」
と明るい顔で言ってくれた。
- 419 :DEATH ジャッカル :2004/04/28(水) 22:40 ID:???
-
「約束だよ。卒業しても絶対に会おうねちづる」
・・・・・私が涙を拭くともうちづるはそこに居なかった。
「………ちづる?」
私の声の返答の代わりに、風に吹かれた桜が花びらを散らしながら音をたてていた。
私はただ呆然とちづるが居た所を眺めるばかりだった。
- 420 :DEATH ジャッカル :2004/04/28(水) 22:48 ID:???
- ……その日の夕刊にとある記事が載った。
××高校で卒業式の日、一人の女子高生が車にひかれて病院に運ばれたが治療のかい無く
死亡したと言う、
大して世間を騒がせる事の無い小さい記事だった。
そして奇妙な事に、死亡した女子高生は遺体に大した損傷は無かったが、
何故か病院で死亡した時、少女の顔には笑みが浮かんだと言う。
これはその時居合わせた者しか知らない事実ではあるが。
- 421 :DEATH ジャッカル :2004/04/28(水) 22:51 ID:???
-
「ダイジョウブダヨ、ソツギョウシテモカナラズアエルカラ、ダカラナカナイデカオリン」
END
- 422 :DEATH ジャッカル :2004/04/28(水) 22:56 ID:oiTV5uI6
- なんか久しぶりに文章を書く難しさを知ったな。
他の職人は偉大だと思える今日このごろ……。
すまないなこんなもので……。
- 423 :しゅ :2004/04/28(水) 23:40 ID:D4qw26Pg
- いえとんでもないです、とてもその情景が頭の中に描きやすい文章でしたよ?
あのスミマセン、読解力のない私だからでしょうが亡くなられたのはどちらなんでしょう?
・・・・本当に無粋なことを聞いてごめんなさい、二通りに話が理解できてしまったので、つい
- 424 :DEATH ジャッカル :2004/04/29(木) 00:08 ID:???
- >>723
ちづるの方ですよ。
- 425 :しゅ :2004/04/29(木) 00:17 ID:g20LIiqU
- あ、わざわざどうも、なるほど、それでは亡くなった筈のちづるさんと
お話していたわけですね・・・・・・・・・コ、コワー
- 426 :名無しさんちゃうねん :2004/04/29(木) 03:34 ID:???
- >>422
ちづる?
オリジナルキャラでっか?
- 427 :DEATH ジャッカル :2004/04/29(木) 14:40 ID:???
- >>426
言われてようやく気づいた………
すまん……今日まで千尋をちづると読んでた……パソコンで打ち込んでようやく。
アニメでも呼ばれた事少ないし原作でふりがなが付いていなかったんで……
リアル工房なんでこれからも多分こんな事があるかもしれないから気をつけます。
- 428 :名無しさんちゃうねん :2004/04/29(木) 15:27 ID:???
- >>427
あんた「千と千尋の神隠し」も知らんのか。
- 429 :あぼーん :2004/05/04(火) 23:59 ID:???
- >>428
sage
- 430 :happy azumanga life :2004/05/05(水) 00:00 ID:???
- このスレは430を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立てて下さい。
- 431 :名無しさんちゃうねん :2004/05/05(水) 14:28 ID:???
- >>430
(・∀・;)
おいおい…
- 432 :名無しさんちゃうねん :2004/05/08(土) 01:09 ID:???
- なんでNが来ると荒れるんだろう。
- 433 :名無しさんちゃうねん :2004/05/12(水) 23:36 ID:???
- 今気づいたんだが、395って縦読みなのな。
- 434 :名無しさんちゃうねん :2004/05/13(木) 00:11 ID:???
- と、本人がコソーリ種明かし。
- 435 :名無しさんちゃうねん :2004/05/13(木) 10:09 ID:???
- >>433-434
蛍石氏?
新作まだぁ?
- 436 :小麦 ◆UDON. :2004/05/13(木) 17:44 ID:???
- ひさしぶりに投稿します。
>>407さんごめんなさい。ネタをお借りしましたが、
思いのほか長くなってしまい、まだ出来ておりません。
今回は全然違う話です。
- 437 :合わせ鏡@:小麦 ◆UDON. :2004/05/13(木) 17:47 ID:???
- 満月の美しい夜。
学校の図書館で借りてきた本を広げながら、智は着々と準備を進めていた。
準備といっても大した事ではない。
鏡2枚を向かい合わせに置く、いわゆる合わせ鏡というやつだ。
深夜0時に合わせ鏡をやると悪魔が鏡の間をすりぬける、と借りてきた本には書いてある。
用意する物は鏡だけ。あとは合わせて待つだけだ。
智は、コンパスで正確に南北を確認し、定規を使いながら鏡をきっちりと配置した。
普段はいい加減だが、こと悪戯の準備に関しては真剣にやるのだ。
時計はさっき時報で正確に合わせた。あと5分。
智は目を輝かせながらも、少し不安になりながら、刻がくるのを待った。
時計の長針と短針、秒針がぴったりと重なった。
智は思わず息を呑む。
果たして、向かい合わせの鏡から青白い光が発せられ、部屋の温度が急激に下がり始めた。
鏡の辺りから重低音が響き始め、部屋全体がビリビリと振動している。
そして、鏡からはゆっくりと、得体の知れない何かが出てこようとしていた。
夜のしじまを、獣のような叫び声が切り裂いた…。
「ねぇねぇ。これ、何だと思う?」
翌朝、智は教室でよみに聞いてみた。
「あ?なんだこりゃ」
智の手には、矢印のような形をした長さ20cmほどの黒い棒が握られている。
棒には細かな短い毛がはえていた。
一瞬何を想像したのか顔を赤らめたよみだったが、すぐに平静にもどり、
智の手からその物体を受け取るとしげしげと眺めた。
棒は弾力があり中に何か芯が入っているような感触がした。手にずっしりと重い。
「・・・・・・つの?じゃないな・・・なんだこれ?」
智はよみの回答を聞くと勝ち誇ったような気分になり、思わずにんまりと笑った。
「これは、悪魔の尻尾なのだー!」
よみのメガネがズれる。
「昨日、合わせ鏡をしてGETしたのだー!」
- 438 :合わせ鏡A:小麦 ◆UDON. :2004/05/13(木) 17:47 ID:???
- 「はぁ?何言ってんだおまえ」
「だからー。昨日の夜中に合わせ鏡してー、悪魔を呼び出してー、その証拠に尻尾をGETしたのーぉ」
「合わせ鏡っておまえ・・・そんなので呼び出せるわけねぇだろ?迷信だ迷信!」
よみは信じてくれない。智は少しムキになった。
「でもほら。ここに証拠の尻尾あるゾ。こんな形の尻尾は悪魔しかいないゾ」
「〜〜っ。わかったわかった。落ち着け。話は聞いてやるから」
智がムキになったから、と言うよりは教室で大騒ぎされるのが面倒だからか、よみは呆れ顔しながらも
智をなだめた。
「で?悪魔が合わせ鏡で出てきたとして、どうやって智が尻尾をGETしたんだ?」
やっと聞いて欲しいことを質問してくれたと、智は目を輝かせながら話し始めた。
「合わせ鏡をしたらな。急に部屋が冷え込んで、鏡から光が出てきて・・・」
「ふんふん。で?」
「なんかズズズズズ〜って低い音が響いて部屋中が震えてね」
「なかなか本格的だな」
「鏡から何かが出てきたの」
「ふん。で?」
「わったし、本当に出てくるとは思わなくてさー」
「そらま、普通はそうだ」
「恐くなって鏡を動かしちゃったのよ」
「ふむ?」
「そしたら、すごい悲鳴が鏡から聞こえてきて、鏡の前にこの尻尾が落ちてたのよ」
「〜っ。昨日の夜中の悲鳴はおまえのところか!!」
「うん。そだよ」
「・・・無理矢理解釈すると、出てくる最中に鏡をズラしたから、異次元の扉が閉じてしまって、こっちの世界に出てた
部分を残して向こうの世界へ帰ってしまったってところか。ん?でもなんで尻尾だけなんだ?」
「いやーそれがさー」
「ん?」
「大きな鏡無いから小さな手鏡で間に合わせたんだよねー。そしたら尻尾しか出んかったのよ。
しっかし自分が通れないような小さな合わせ鏡でもちゃんと出てこようとするんだから、悪魔も
けっこう律儀だよねー。マヌケだけど」
「・・・マジかよ」
(fin)
- 439 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/13(木) 23:06 ID:???
- >435
5/5に発表スレ、5/8にグロスレに書いてるよ。
恐ろしいネタはネタの神様がなかなか降臨しなくてね。
降りてきたら書きます。
- 440 :名無しさんちゃうねん :2004/05/14(金) 13:11 ID:???
- おっ。久しぶりにSS投下されてるでないの。
乙〜っ。
>>437-438
まぁまぁ面白かったけど、えっそこで終わりなのって感じ。
つーか恐くないし。
智らしさは出てて良かったかな。
でも出来ればもっと恐いのキボン。
>>439
蛍石さん期待してますよ〜
とりあえず保守age
- 441 :名無しさんちゃうねん :2004/05/15(土) 01:45 ID:???
- 今回は両者ともイマイチですな。
蛍石氏も大麦氏も。もっと精進してたもれ。
まあ、上のほうで偽名つかってるNに比べりゃはるかにマシなんだが(w
- 442 :名無しさんちゃうねん :2004/05/15(土) 22:23 ID:???
- >>441
大麦って誰やねん?
- 443 :名無しさんちゃうねん :2004/05/22(土) 19:58 ID:TaF0gcQ2
- >>441
その名前をそこで出さない方がよろしいかと。
- 444 :名無しさんちゃうねん :2004/05/22(土) 19:59 ID:???
- sage忘れスマソ
- 445 :名無しさんちゃうねん :2004/05/23(日) 17:53 ID:yHq2mBWk
- なんか、下手なSSが多いな。
一人だけまともな人がいるんだが・・・。
- 446 :あははー天才に勝ったー :2004/05/23(日) 20:11 ID:???
- 昨日遊んでて針を口の中に入れてたら飲みそうになった・・・。
冷や汗かいた・・。
- 447 :名無しさんちゃうねん :2004/05/23(日) 22:45 ID:???
- 本来は>>446のようなレスがこのスレの趣旨なんだよな
と思った。
でも職人さんSSキボンヌ。
- 448 :名無しさんちゃうねん :2004/05/24(月) 22:11 ID:???
- ×きのうものすごい、恐ろしい体験をした
○きのうものすごく恐ろしい体験をした
- 449 :名無しさんちゃうねん :2004/05/26(水) 02:00 ID:???
- >>448
( ゚Д゚)ハァ?
原作3巻を読んでねーのかよ>>448は?!
- 450 :THE RED ROOM(前) ◆zc1//XZ1ho :2004/05/26(水) 07:19 ID:???
- 「赤い部屋」
この言葉を知っている人間は多分このスレには多い事だろう。
ネット上に一つの噂がある。
突然画面に奇妙なポップアップ宣伝が現れる。不思議な事にそれは最小化と最大化
のボタンは一応ついているが全く意味をなさず、つまり最大化と最小化は不可能。
そしてどこのサイトへもリンクはされていないという。
そしてそれは決して消去してはならない。出会う可能性は極端に低い物の、
もし運悪く出会ってしまったら、ただ何もせずPCの電源を切るしかない。
それしか逃れる方法は無いのだから。
そしてもしそれを消すと…………………
- 451 :THE RED ROOM(前) ◆zc1//XZ1ho :2004/05/26(水) 07:19 ID:???
- 「殺されるってか〜うっそで〜!!」
神楽の言った話を智は片手をふりながら笑い飛ばした。
「ホントなんだよ、私の兄貴の友達とそのクラスメートとがそれで死んだん
だって」
放課後、智達は4人で一緒に帰りながら怪談話をしていたのである。
そこで神楽が奇妙なポップアップの話をしたのだ。
「しかしポップアップ宣伝を消しただけで殺されるというのはすこし……」
「お前騙してからかってるだけじゃないか?」
智と同じくちよとよみも信じていないようである。
「だーかーらーホントなんだって。そいつが兄貴にそのポップアップを探す
と言って、その次の日にそいつが自殺したんだ。私もそいつの知り合いだっ
たから兄貴からその話を聞いた時は驚いたぜ」
その話を聞いて唖然とするよみとちよ。
「それで兄貴もそれから興味本位で探してるみたいだけどもしそれがポップ
アップが呪いだとしたら心配でさ…………」
- 452 :THE RED ROOM(前) ◆zc1//XZ1ho :2004/05/26(水) 07:20 ID:???
- そして話を聞きながらしばらく顎に手を当て「ん〜」と考えていた智が
「よし、神楽くん」
突然手を叩き、人差し指を神楽に突きつけながら智が言った。
「ここは私が人柱になってやろう」
「「人柱?」」
「また何を言い出すかな〜こいつ…」
「つまり、私がその宣伝を見つけて消してやろう。それで私が生きていたら
それもタダの偶然と言うわけだ。君のお兄さんも探すのを止めるだろう」
「智ちゃん……じゃあ、もしポップアップの呪いが本物なら?」
「その時はその時」
- 453 :THE RED ROOM(前) ◆zc1//XZ1ho :2004/05/26(水) 07:21 ID:???
- あっさりと智は言い切った。最初からそんな事起こりえないと確信をして
いたからだ。
「あっさりと!?」「いいのかおい!」
「いいのいいの。あ、じゃ早速家に帰って調べてみるから。じゃね〜」
智は言い終えるとマラソン大会の時のような全力ダッシュをした。
こういう変わった話には首を突っ込まずにはいられない智らしい行動である。
「お、おい智」「智ちゃん!」
神楽とちよが呼び止めるが止まるはずがない。
「はぁ〜全くあいつは……」
頭を押さえてため息をつくよみ。
小学校の頃から一緒だけあってこうなる事を予想していたようだ。
後には呆然とする神楽とちよ、そして呆れ顔のよみが残されていた。
見ると空は赤一つにそまり、上空ではカラスが羽ばたいて鳴いていた………
- 454 :THE RED ROOM(前) ◆zc1//XZ1ho :2004/05/26(水) 07:23 ID:???
- 家へ帰って、智はパソコンに向かいながら一つの事に気づいた。
「しまった〜〜!そういえばどこのサイトに出るか聞いてなかった!」
智らしいと言えば智らしい。
「ん〜神楽に聞くのもシャクだし……
まっいっか。適当に探しとけばその内でるだろ」
そんな能天気な考えで智はとりあえず例のポップアップの検索を始めた。
- 455 :THE RED ROOM(前) ◆zc1//XZ1ho :2004/05/26(水) 07:25 ID:???
- 狭い部屋の中で、キーボードを叩く音と、マウスの音。
これだけが全てを支配していた。やがて赤かった空が、しだいに暗くなるに
したがって智も半分飽きてきていた。
窓の外を見ると電気がついている家はほとんど無い。まだこの時間は早い
所を見ると近所のほとんどが留守にしているのだろうか?太陽もほとんどし
ずみ、ここらで明かりがあるのはほとんど街灯を除けば自分の家だけに思える。
思えば数時間近くパソコンと向き合っている。じっとしているのが苦手な
智には似合わない状態である。
最も智の両親は今日は遅く、家には智一人だけだったので誰も文句は言わなかったが。
「あーあ。何か時間無駄に使った感じー」
机に両足を乗せ、椅子のせもたれに寄りかかり首を反らす。
「ま、いいか。こんな事さっさと止めてまたよみん所でも行くかな……」
流石に飽きてきたのでウィンドウを全て閉じてデスクトップに戻った。
するとその瞬間─────
「あなたは×××××…好きですか?」
…………一つの音声と共にポップアップがデスクトップに現れた。
- 456 :◆UYleBl5vm. :2004/05/26(水) 07:28 ID:???
- トリップミスってた………
- 457 :名無しさんちゃうねん :2004/05/26(水) 09:11 ID:???
- >>456
誰だろう?
何となく見覚えのあるトリップだけど・・・
- 458 :まめちしきー ◆T.MS2jAd0k :2004/05/27(木) 19:24 ID:???
- >>450-455
元ネタは知ってるんだけど微妙に違うので続きがすげぇ気になる。
- 459 :THE RED ROOM(中) ◆UYleBl5vm. :2004/05/27(木) 23:09 ID:???
- 1
「これって…………」
小さいウィンドウの中に赤い背景、それに「あなたは/好きですか」と言う
奇妙な文字。「あなたは」と「好きですか」の間には何故か切れ目が入っていた。
神楽からはテキストスピーチが流れどこにもリンクされていないと聞いた
だけだったが智はこれが例のポップアップだと何故か確信できた。
神楽の言葉が頭をよぎる。そのポップアップを消すと殺されると言う言葉が………
智は消すのを躊躇った。いくらなんでもこんなに唐突に現れるとは思わなかった。
窓の外はもはや闇一色。電気を点けている家はほんのわずかだ。
頼りの明かりである月でさえいやな雲に隠れてしまった。
- 460 :THE RED ROOM(中) ◆UYleBl5vm. :2004/05/27(木) 23:11 ID:???
-
しかしもしも消さなかったら神楽に馬鹿にされるのではないか?
そんな思考が彼女に行動を起こさせた。
実際は神楽には消したと嘘をつけばいいのだがどうも本当に消したらどうな
るかと言う興味もあったのだ。
「ま、いっか。いくらなんでも殺すなんて無理そうだし」
智は本当に何処にもリンクされていない事を確認し、
そのポップアップを、
───消した。
ガタッ!
「!!」
突如の物音に智は後ろに振り返った。しかし何も無い。
気のせいかと思いまたパソコンに向き直る。智はこの時気付くべきだった……
閉まっていたはずのドアがわずかに開いている事に………!
窓の外では少し雨が降り始めていた………
- 461 :THE RED ROOM(中) ◆UYleBl5vm. :2004/05/27(木) 23:13 ID:???
- 「あれ?」
パソコンに目を向けると消したはずのポップアップがまた姿を現していた。
「なんだこれ?面白ーい」
智は面白くなってマウスポイント閉じるアイコンにあわせたままマウスを
連打した。そのたびに声が流れ、消え、また流れが繰り返される。
神楽から聞いた話も恐怖もすでに忘れていた。
しかし……………
突然真ん中の切れ目から一つの文字が出現した。
あなたは赤/好きですか
「…………え?あなたは赤、好きですか?」
そこには大きく赤とだけ書かれていた。
「何……これ……
─────────え!!」
その瞬間、もうクリックしてはいないのに、
ポップアップが何回も現れては消えるのくりかえしを始めた。
- 462 :THE RED ROOM(中) ◆UYleBl5vm. :2004/05/27(木) 23:14 ID:???
-
「な……な……なに…」
智には訳が分からない。
唖然としている間にも、ポップアップは消去、復活を繰り返す。
そして切れ目から文字が少しずつ出現した。
あなたは赤/好きですか
あなたは赤し/好きですか
あなたは赤い/好きですか
あなたは赤い部/好きですか
あなたは赤い部屋/が好きですか
…………とうとう一つの文章が完成した。
- 463 :THE RED ROOM(中) ◆UYleBl5vm. :2004/05/27(木) 23:16 ID:???
- 先ほどの雨が短時間で激しくなっていたらしい。連続的に水が窓を叩く音が部
屋を新たに支配してきた。
「こ…これって…………
……………………………………ああ!」
突如パソコンがフルスクリーンに切り替わり、ポップアップ同様の赤い背
景に黒い文字だけという、そんな画面がディスプレイに映し出される。
竹内修一/田中聡/谷川大気/釣谷安晃/辻直人/野崎香奈/今田嘉幸/出崎美香/
二丘正幸/鈴木隆/中島太一/斉藤翔/徳岡幸弘/長瀬次郎/馬場達郎/浜田雄介/
林晋也/浜田勝義/橋本由紀子/浜川宗/畠道徳/徳久雄一/東百合子/福岡将弘/
藤川小康/福邊直美/増野講治/星篤郎/松田深雪/松永沙希/丸島未来/
三田典史/丸島徳英/松本幸雄/暗部弾尾/山川大祐/神楽日影
「これ………みんな人の名前?なんなの!?」
その時、智の目に最後の方の名前が目にとまる!
神楽日影…………
「まさか………これ……」
智の頭に神楽の兄の話が過ぎった。
- 464 :THE RED ROOM(中) ◆UYleBl5vm. :2004/05/27(木) 23:18 ID:???
- (もういい!)
ホラー映画を見る時、よみに追い掛け回される時の恐怖とは異質の恐怖が生まれ、
智の体は自動的にパソコンを切る行動に出ていた。
しかしどういう事かパソコンの電源を切ろうとしても全く止まらず
Alt+F4キーでの脱出もできない。智の脳裏はしだいにパニックに犯されていく。
(え、なんで!?あ、そうだ!!コンセント!!)
彼女らしい最も単純な方法を思い出し智は行動に移る。
コンセントで電源を切るのは本来危険なのだが今はそんな場合ではない。
そう考え智は引き千切らんばかりの勢いでコンセントを───引き抜いた。
これでパソコンも止まるはずだ。そういう希望を胸に智はパソコンに目を向ける。
しかしディスプレイには変わりなく元の画面が映し出されていた。
そのリストに新たに一つの名前と一文が追加されている事を除き…………
藤川小康/福邊直美/増野講治/星篤郎/松田深雪/松永沙希/丸島未来/
三田典史/丸島徳英/松本幸雄/暗部弾尾/山川大祐/神楽日影/滝野智/
そんな事しても手遅れですよ………
- 465 :名無しさんちゃうねん :2004/05/28(金) 11:42 ID:???
- 単にキャラ使っただけの文章だけど、最後の一文は良かったな。
こちらの考えを読まれてる感じで。
- 466 :名無しさんちゃうねん :2004/06/10(木) 19:18 ID:???
- The Red Room(下)は〜?
- 467 :◆UYleBl5vm. :2004/06/10(木) 21:59 ID:???
- いや〜何分自分でも恐ろしいくらいの鈍筆でして……
今がんばって書いていますんでもう少しお待ちを。
- 468 :とんとん :2004/06/11(金) 19:04 ID:cJ4mAjjg
- うぉぉ〜こりゃすんごいスレだ。
も〜レベル高すぎっ!てかんじ。
あたしも思いついたら書きますんでヨロシクです
- 469 :名無しさんちゃうねん :2004/06/11(金) 19:10 ID:pleb1WlE
- ひょう!
背筋が凍るぜ!
- 470 :名無しさんちゃうねん :2004/06/11(金) 23:44 ID:???
- 【稲川】
夏休み。美浜家の別荘にて。
ワイ談と成り果てた去年の反省から、今年は怪談にあいなった。
蝋燭の灯りを囲む九人。話の進むほどに冷えていく夏の空気。
八番目、水原暦が話し終わるのとほぼ同時に、柱時計の短針と長針が重なる。
午前0時を告げる鐘の響く中、暦が最後の語り手にランプを手渡した。
「智。…あんただ」
- 471 :名無しさんちゃうねん :2004/06/11(金) 23:45 ID:???
- 「…これ話すの初めてじゃないかな。アタシが去年実際に体験した話なんだけどね。
アタシね、この前みんなでごはん食べてたんだ。仲のいい友人三人と
Tちゃーん、夏休みどーするー、なんてね、あーでもねーこーでもねーって話しながら。
その時一緒にYって女がいてね、そいつアタシの幼馴染なんですけど、
楽しく話してたら、ふいにヒョッてそいつが赤い何かを口に持っていく。箸で。真っ赤なんだ…。それ。真っ赤なんだ」
「(Yって…)」
「ありえないでしょ?ありえないんだ。真っ赤なんだから。
だからアタシそいつに、おい、なんだそれーって聞こうと思ったんですよ。
ヤダァ〜って思ってね。でも聞けなかった。
そいつ、それ美味しそうに口にいれてはクッチャクッチャクッチャクッチャ噛み続けんだもん。
クッチャクッチャクッチャクッチャ噛み続ける。
背筋がゾクーーーーッて来てね。見ちゃダメだ〜、見ちゃダメだ〜って思っても目がそらせない。
アタシもそういうの嫌いじゃないもんだから、ついにそいつの口見ちゃった。
そしたらね、ふいに開いた口ん中がね、舌も何ももう真っ赤っ赤なんだ…」
「……」
- 472 :名無しさんちゃうねん :2004/06/11(金) 23:46 ID:???
- 「アタシも意を決して、オイ、なんだそれーって聞いてみたんですけど、
するとYがアタシ見てね、イィィィ〜ッてイヤ〜な笑みを浮かべるんですよ。そしたら意識がスゥ〜…
ハッと気付くと、Oってのがいて、これは関西の人間なんだけれど、YがそのOの口に例の赤いものを押しこんでる!
ナニしてんだお前、ナニしてんだお前って止めようとしたけどもう遅い。食っちゃったんだぁ。
そしたらね、Oの顔がみるみるうちにサーッて青くなって
ハ ー ー ー ァ
Oは口おさえて痙攣しながらシャレんならんぞほんま、シャレんならんぞほんま、って呟きつづけるばかりだし
Yは狂ったみたいになってゲーラゲーラゲーラゲーラ笑ってるしね、
もうスタジオ…じゃなかった、教室は大混乱でしたよ。
よみさん、あれは一体なんだったんでしょうかね…?」
- 473 :名無しさんちゃうねん :2004/06/11(金) 23:47 ID:???
-
「……」
「終わりだよ?」
「……」
「…あれ?」
「……」
「…この話には続きがあってね? その子しばらくしたら回復したんだけど」
「……」
「痙攣が止まらなくなって…」
「……」
「…アタシ思うんだ。
もうみんな飽きてるんじゃないかって・・・・ 」
「当たり前だ」
「ふざけるな。つーかその口調をヤメロ」
「 そ ん な こ と 言 っ た っ て 帰 ら な い よ 〜 」
「帰れ」
ちよちゃんにまで白い目で見られていたのがちょっとショックだった高校三年生の夏休みでした。
- 474 :名無しさんちゃうねん :2004/06/12(土) 11:03 ID:???
- >>470-473
こわい話じゃないじゃん!激辛コロッケかよ!
でも智は素でこういうこと言いそうだよなー。
- 475 :470 :2004/06/16(水) 03:24 ID:???
- 【二年目の榊さん】
「おはようー」
「あ、榊さん。もう来たんですか?集合時間まで一時間もありますよ?」
「うん。待ってる…。忠吉さんと」
* * * * * * * * * *
「おはよう。忠吉さん」
庭の木陰で涼んでいた、忠吉さんの隣に座る。
雲一つない青空の下、真夏とは言え午前七時の日差しはまだ柔らかい。
木陰の芝生はひんやりとして気持ちが良かった。
今日は、また友達と旅行に行くのだ。
去年の今日、私はちよちゃんに誘われて、初めて友達だけの旅行をした。
人とあまり深く付き合った事がなかった私だから、前の日に少し不安になったりもしたけれど、
蓋を開けてみれば、今までで一番楽しい経験になった。
中学生や小学生の頃の修学旅行なんかだと、私は班の『お客様』みたいなものだったから…。
私にも原因があるのはわかっているのだけど、実際どうしていいのかわからない。
今だってそうだ。自分にとって初めての『親友』になれるかもしれない現在の友達とさえ
ところどころでつい一線を引いてしまう自分がいる。
包み隠さないで、何でも話したり、笑ったり悲しんだり、感情をぶつけ合ったり、
私も誰かとそういう関係が持てる日が来るのだろうか?
去年の旅行はおおむね楽しい事ばかりだったが、そうでない事もあった。
夜うなされたのだ。理由はわかっている。この世ならざる何かのせいだ。
私の家系は、代々そういうものに縁が濃いと、母がそう言っていた。
猫には嫌われるのに…。いや。だから、なのかもしれないけれど。
- 476 :470 :2004/06/16(水) 03:25 ID:???
- あの夜。
夜。奇妙な息苦しさに目覚めると、人の声のようなものが漂っているのに気付く。
何を言っているのかはわからない。ところどころかすれる。唸り声に近い。
人間とは面白いもので、人の声となると、つい何を言っているのか聞き取ろうとしてしまうのだ。
それが聞かないほうがいい類のものであっても。
それは言葉だった。早すぎて、唸っているようにしか聞こえないほどの早口だ。
男。ゆっくりと、ゆっくりと、声の速度は落ちていく。
でも声量は上がっていく。聞きたくない。聞いてはいけない。
けど体が動かない。誰も気付いてくれない…誰にも聞こえていないのだ。目だけは開けない。
汁気のある声。曲がりくねって歪んで、低いかと思うと突然高くなる。
恨み言だと思った。これは狂った男の恨み言だ。体が動かない。
今でははっきり聞こえる。息使いまで。そう。きっと自分にだけ聞こえる。
近づいてくる。
足に、何かのしかかった。
その重さはじっとりとして、ずるずると布団越しの体を上る。誰か。
いまや声の一言一句が頭に突き刺さる。言葉は誰にも向かっていない。誰に向けた言葉でもない。
重さがとうとう胸にさしかかると、ねっとりとした空気が…息が、はっきりと顔にかかった。
目を開けてしまう。
目が合う。赤い。
そして気を失い、再び目が覚めると夜明け前だった。
体中がいやな汗にまみれていて、夏なのに寒い。
金縛りは解けていたけれど、私はみんなの起きるまで、布団に包まってじっとしていた。
何も見たくないし聞きたくない。息も出来ればしたくない。
部屋中に線香の臭いが漂っていたからだ。
- 477 :470 :2004/06/16(水) 03:28 ID:???
- …こんなことが、ちよちゃんの別荘にいた三日間続いた。
これ以外は本当に楽しい事ばかりだったのだ…。これ以外は。
後日、旅行の写真をもらったのだけど、ある一枚、写真の中の私の背後に男が写っていた。
あの目。あの男。その写真は捨ててしまった。
私は誰にもこのことを話さなかった。
せっかくの楽しい旅行が台無しになるからだ。ちよちゃんなんか眠れなくなってしまうかも。
私一人が黙っていれば、みんな楽しいままでいられるんだから、それでいい。
友達って、そういうものなんだろう?
正門のほうから聞き慣れた声が響いてきた。
もうすぐ集合時間なのだ。今年は神楽も参加するし、きっともっとにぎやかで、楽しい旅行になる。
今年は、大丈夫…。
みんなに見えないように鞄の内側につけたお守りをぎゅっと握った。
「行ってきます、忠吉さん」
私は、立ちあがってみんなの元に向かった。
【終】
- 478 :470 :2004/06/16(水) 03:40 ID:???
- 稲川ネタがアレだったので、スレの趣旨に沿うものを書こうと思ったんですけど難しいですね。
>>474
ともちゃんと稲川の語り口は相性が良さそうだと思ったんですけど、
>>470は稲川の怖い話を聞いたことないと意味不明になってしまう気がします。
稲川好きなので書いてる間はのりのりゴーでしたが…
- 479 :名無しさんちゃうねん :2004/06/23(水) 21:23 ID:NzzKSsb6
- なかなか期待できそうなお方が訪れましたなぁ
次作をはよぉうpしてナ
- 480 :名無しさんちゃうねん :2004/06/29(火) 17:04 ID:???
- 480age
- 481 :名無しさんちゃうねん :2004/07/01(木) 02:01 ID:lrbhUgYA
- http://www.nurs.or.jp/~gatoo777/souko_gif/akai.html
ここマジでやばいですわ。
- 482 :470 :2004/07/17(土) 03:13 ID:20fJjZXg
- 【ガイシュツ】
小春日和の日曜日。彼女達はいつものように美浜家へ集まって受験勉強である。
「お菓子が切れちゃったので買い出しに行って来ますね」
「よみったら食いしんぼさん」
「なっ!?ぱかぱか食べてたのはお前だろ?私はダイエット中なんだ!」
「ちよちゃーん、よみダイエット中だからシュークリームいらないんだってさー。あーあ残念でしたー」
「なっ!?…くっ」
「そんな、ちゃんとよみさんのシュークリームも買ってきますから安心してください。それじゃ忠吉さん、行きましょう」
「わ、私も行くよ…」
こうして、ちよちゃんと榊と忠吉さんは午後三時のおやつの買い出しに行った。
今ちよちゃんの部屋には…というか、家には四人が残っている。
参考書に向かうよみと神楽。それを邪魔する智。そんな彼女らを意にも介さずうとうとしっぱなしの大阪。
晩秋の日差しが照らす部屋の中、ゆっくりと時間は過ぎていった。
ピピピピピピピ、ピピピピピピピ。
突然、部屋に響く電子音。電話だ。
「これちよちゃんかな?」
「いや、ちよちゃんって携帯持ってただろ?
ちよちゃんだったら私たちの携帯にかかってくると思うけど…っておい智。勝手に出るなよ」
智はちよちゃんの机の隣にある電話機に駆け寄っていった。
- 483 :470 :2004/07/17(土) 03:15 ID:???
- ガチャ
「はいはーい、滝野…じゃなかった、美浜ですよー。100点ですよー」
少しの間。そして、智の顔がさっと曇る。
「お前が死んじゃえーー!バーーーーカ」
智は受話器を本体に叩きつけた。
「誰だったんだ?」
「それがさー、電話に出たらいきなり『殺す』とか言って。黒社会を牛耳ってる美浜家にこんなイタ電するなんて勇気あるよね」
「勝手に設定作るなって」
「出たのがちよちゃんじゃなくて良かったよな」
「…ひ、ひどいよ神楽。あたしだってほんとは怖くてどうしていいのかわからないのに」
「顔が笑ってるぞ」
そして十分後。
ピロロロロロロロロロロ、ピロロロロロロロロロロ。
「またか…」
「いや、今度は違う人かも知れないぞ」
「そういえば音が違う」
再び智が電話器の方に向かい、受話器に手を伸ばし…そこで動きが止まる。
電話機を見つめる智は、神楽の目から見ても明らかに緊張していた。
「なんだ?怖気づいたのか?」
今の智には神楽のこんな声も聞こえていないようだ。
部屋に響きつづける呼び出し音。
智は、意を決したかのような真剣な顔で受話器を取る。
「…もしもし。…あ、ちよちゃんか。うんうん」
電話の相手はちよちゃんだったらしい。智の顔が一瞬緩むが、すぐにまた沈む。
- 484 :470 :2004/07/17(土) 03:20 ID:???
- * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
ちよ「携帯忘れてしまいまして、ともちゃんが出てくれて良かったです」
とも「うん。で、何の用?」
ちよ「あのケーキ屋さん…フルールが定休日だったもので違うお店で買おうと思ったんですけど
そこってともちゃんが好きなシャルロット・オ・フランボワーズがないんですね」
とも「ああー、そっか。じゃあ私らそっちに行くよ」
ちよ「え?」
とも「うん。大丈夫だから安心して。絶対そこにいて。とにかく、すぐ行くから…じゃね」
ちよ「え?え?」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
ほうっ、と息を吐き、受話器を置く智。
「ちよちゃん携帯忘れたんだって」
「で、何て?なんかあったっぽいけど」
「…えっと、なんか、大切な…うん、大切な話があるからすぐに来てほしいって。駅前で待ってるよ。行こ。…大阪、起きろ大阪」
智は慌てていた。そして、何かに怯えているようでもあった。
大阪を叩き起こし、引きずるようにして連れていこうとする。
「おい智。なんか変だぞ?」
「どうしたんだお前」
「…いいから!こら神楽、コートなんか着てないで!」
「なんやともちゃん怒っとるの…?」
いつもとは違う智に急き立てられ、部屋を出る三人。智は一番後ろだ。
ピピピピピピピ、ピピピピピピピ。
再び鳴り響く電話。
びくっ、と体を振るわせるが、智は電話のほうには目もくれない。
ドアを閉めることもせず歩き始める。
「出ないのか?…おい…智」
智は答えるかわりに、三人の袖を強く引いて玄関へと向かった。
- 485 :470 :2004/07/17(土) 03:22 ID:???
- 美浜邸は広い。
玄関に近づくにつれ、四人の…正確には智の歩みは大きく、速くなっていった。そして智を追う三人。
玄関を抜けて正門から美浜家の敷地外に出る頃には、四人とも全力に近い速さで疾走していた。
「なんだってんだよ!?」
最初に口を開いたのは神楽だった。息を切らしていてまともに喋れないよみと大阪は、目で智に抗議している。
角を二つほど曲がったところ、どこまでも走っていく智を神楽が引きとめたのである。
智は息も絶え絶えにしゃべり始めた。
「…な、内線…」
「はあ?」
「内線だったんだ!」
「意味がわからん…落ちつけ智」
「だ、だからさっきのイタ電…、電話機が、ちよちゃんの時はちゃんと外線ってところにランプついてて…。
よく考えたらイタ電の時は違うところにランプついてて…」
「…もしかして」
呼吸の整ったよみが聞く。
「さっきのイタ電は、内線…ちよちゃんの家の中からかかってきてた…ってことか?」
うなずく智。目に涙がたまっている。
「そういえば呼び出し音がちよちゃんの時と違っ…。え?まさか、そ、それって…」
神楽の顔がさっと青くなった。
「いきなり『殺す』とか言って」…イタ電に出た後の智のセリフが、神楽の頭の中でフラッシュバックする。
「うあーん、よみー、怖かったよー!」
智はよみに抱きついて泣き出した。
緊張の糸が切れたらしい。
「お、おい智…どうするんだこれから」
智はよみの胸の中で泣きつづけるばかりだ。
震える智の頭をなでてやりながらよみは聞くが、誰も答えない。
そんな中で最初に動いたのは意外にも大阪だった。
「…警察や」
大阪は携帯を取り出した。
- 486 :470 :2004/07/17(土) 03:23 ID:???
- それからほどなくして、美浜家に不法侵入していた男が逮捕された。
一月前、隣町にある精神病院から脱走してきたこの男は、5年前同じように民家へ侵入し、家族を皆殺しにしたのである。
精神鑑定の結果、重度の障害が認められたために刑務所ではなく病院に送られたのだった。
美浜家に侵入した時、この男はナタを二本と改造拳銃一丁を所持していた。
【終】
- 487 :名無しさんちゃうねん :2004/07/17(土) 17:08 ID:SnNwWI7E
- >>486
うわっ、こわぁ〜
- 488 :名無しさんちゃうねん :2004/07/17(土) 17:10 ID:???
- ともの様子の変動から、読み手にも緊張が伝わってきて
適度な恐怖感を与えている。
幽霊とか超常現象とかよりもこういう出来事のほうが
リアリティと怖さが演出されていて面白いな。
- 489 :【警告】 :2004/07/18(日) 10:10 ID:???
- 電波発信源
>>221-225
>>249
- 490 :50%増量 :2004/07/18(日) 10:13 ID:???
- とも「(もぐもぐ)」
神楽「(もぐもぐ)」
よみ「美味しいな。これ、全部大阪が作ったのか」
榊「本当に……美味しい」
神楽「ああ、これもあれもどれも、みんなうめーな!」
とも「でも、大阪じゃなくて、ちよちゃんちの機械が作ったんだろ?(もぐもぐ)」
よみ「らしいな」
神楽「けどさ、大阪に機械の操作なんてできんのか?」
榊「大丈夫……ちよちゃんがついてる」
とも「大阪のヤツ、ボタン操作までちよすけに任せてんじゃねーのか?」
よみ「ありえるな」
神楽「あれ、ちよちゃん、戻ってきたぞ」
ちよ「わー、お料理いっぱいできましたねー、こうして見ると壮観です」
よみ「ちよちゃん、大阪はどうしたんだ?」
ちよ「最後の料理は自分だけで作るんだそうです。……私がほとんど操作してたら拗ねちゃって」
とも「わははは!」
神楽「大阪、ときどき意固地になるからなぁ」
とも「泣く子と馬鹿には勝てん!」
神楽「確かにお前には勝てんな」
とも「何ー!」
神楽「やるかー!?」
よみ「黙れ、ボンクラーズ。……それにしても、これだけの量を短時間で作れるなんて…
…本当にボタンとかだけでできるの?」
ちよ「はい。全自動の調理機で、おっきなホールに材料を放り込むだけでプログラム通り
に調理できるんです」
よみ「皿に盛りつけるのまで?」
ちよ「そうです、作った料理の量に合わせて器の大きさまで臨機応変に対応してくれます。
ファジー機能付きで、関係ない食材が加わっても、美味しく感じるように調理でき
るんですよー」
神楽「それで出来た料理は自動的にコンベアに運ばれてくるわけかー!」
榊「すごいな…」
とも「しっかし、ホントにどんな材料でも料理してくれんの? 蟹とかも? まんま?」
ちよ「もちろんです。椰子の実をそのまま入れてもパカッと割って、ココナッツミルク
やナタデココも作ることができます」
よみ「蟹だったら、甲羅を割って身や蟹みそを取り出して調理してくれる訳か」
ちよ「はい、そうですよー」
神楽「すげー!」
- 491 :50%増量 :2004/07/18(日) 10:15 ID:???
- よみ「それを知った大阪が『私も何か作らせてー』と言ったわけだな」
ちよ「あはは…そうです」
とも「でも、大阪が作るのは結局最後の一つだけになっちったな!」
ちよ「…………」
神楽「どうした、ちよちゃん?」
よみ「わかってるよ。何とかに刃物、ってんだろ? 心配だよな」
ちよ「い、いえ、そんなことは」
榊「一人で大丈夫かな……足を滑らせたり…」
ちよ「だ、大丈夫です。余程のことがなければ」
よみ「余程のことをあいつは起こすぞ」
ちよ「ぁ、あぅ…」
とも「大丈夫だって。どうせ一品だけじゃん。それにちよすけの作り方、こんなにいっぱ
い見てたわけだしな。んで、よみもここぞとばかりにたらふく食って、一石二鳥!」
よみ「なっ、そ、そんなに食べてない! 食べてないぞ!」
とも「いいって、いいって。たっぷり肥えたらちよすけの機械で料理してもらおうぜ。
ま、脂身多すぎて食えたもんじゃないだろうけどな!」
よみ「ちょーっぷ!!」
とも「ぎゃふん!」
ちよ「チョップスティックでチョップですか…」
神楽「おっ、次の料理が来たぜ。これが最後のヤツか!」
とも「めいど・いん・おーさかだな……何だろ?」
榊「麻婆豆腐だ……」
とも「おー、真っ赤っかー」
よみ「辛そうでいいな。四川風か?」
神楽「よし、早速味見味見! …おっ、うめー!」
とも「どれどれ……おおっ、マジでうめー!」
ちよ「もう、ご飯無しで食べちゃうなんて変ですよー。あ、でも、本当に美味しいですねー」
榊「うん、そのままいける」
よみ「すごいな、今までこんなにうまい麻婆豆腐は食べたことないよ。
まあ、大阪の腕じゃなくてちよちゃんの機械がすごいんだろうけど」
神楽「すげー、どんどん食えるぜ」
とも「うめーなー」
ちよ「ちゃんと大阪さんの分も残さなくちゃだめですよー。もうすぐ戻ってきますから」
神楽「大丈夫だって。大阪、そんなに食えないじゃん」
とも「そうだよな、あいつの胃の容量って、脳味噌と同じで少ねーもん」
よみ「お前も後半部分は共通してるだろ」
神楽「それにこんなにたくさんあるしな、麻婆」
ちよ「そういえば、そうですね……。
(おかしいな、用意してた材料、こんなに作れるだけあったっけ?)」
- 492 :50%増量 :2004/07/18(日) 10:16 ID:???
- 榊「(もぐもぐ)」
ちよ「……あれ、みんなお口真っ赤ですよ?」
とも「そーゆーちよすけこそ」
ちよ「え?」
よみ「ああ、多分辛さで腫れたんだろ。うーん、でも赤がきつい割には辛くないんだよな……?」
榊「むしろまろやか…」
とも「辛いと大阪が食えねーからじゃん?」
ちよ「でも唐辛子じゃないとすると、この赤はどこから取ってあるんでしょうか?」
神楽「ま、気にすんなよ。料理は心さ」
よみ「それは何か違うぞ」
神楽「よーし、早食い競争だ! いくぜ!」
とも「負けるかぁ!」
榊「もっとよく噛んで食べないと駄目だ」
ちよ「もう、二人ともー」
よみ「ほっといていいよ。こっちはじっくり食べよう」
とも「(ガツガツガツガツ)」
神楽「(ガツガツガツガツ)」
ちよ「(もぐもぐ)」
榊「(もぐもぐ)」
よみ「(もぐもぐもぐ)」
ちよ「(……大阪さん、遅いなぁ……)」
end.
- 493 :( ̄〇 ̄).。oO(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/07/18(日) 10:22 ID:???
- >>490-492((((((((((;゚Д゚))))))))))
- 494 :名無しさんちゃうねん :2004/07/18(日) 11:28 ID:???
- 専用ブラウザなんで最初にオチが見えちまったよ……orz
- 495 :小麦 ◆UDON. :2004/07/18(日) 23:59 ID:???
- やはり夏は怖い話ですなぁ。
>>482-486
>>490-492
乙です。堪能しました。
- 496 :名無しさんちゃうねん :2004/07/19(月) 23:27 ID:???
- 専用ブラウザじゃなくても最初にオチが見えてしまったよ
- 497 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/07/20(火) 21:07 ID:???
- 多分豆腐は大阪の脳みそか……
- 498 :名無しさんちゃうねん :2004/07/20(火) 23:05 ID:???
- あれ?衣服と骨は何処へ……
後、腹の中のうん(ry とかも……
- 499 :小麦 ◆UDON. :2004/07/21(水) 01:03 ID:???
- >>492
食後
智 「あれ?ところで大阪は?」
ちよ 「…今、十二指腸の辺り…」
- 500 :名無しさんちゃうねん :2004/07/21(水) 07:45 ID:???
- 500
- 501 :& ◆9teOCxGjlc :2004/07/21(水) 16:47 ID:???
- >後、腹の中のうん(ry とかも……
もったいないから食べちゃった♡
- 502 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/07/21(水) 20:36 ID:???
- >>501
私にも分けろ!独り占めすな!!
- 503 :名無しさんちゃうねん :2004/07/22(木) 08:28 ID:???
- よみ「蟹だったら、甲羅を割って身や蟹みそを取り出して調理してくれる訳か」
人間だったら、頭蓋骨を割って脳髄や脳味噌を取り出して調理してくれる訳ですね。
ちよ「……あれ、みんなお口真っ赤ですよ?」
肉(しし)喰った報いですね。
榊「もっとよく噛んで食べないと駄目だ」
大阪をね。
よみ「ほっといていいよ。こっちはじっくり食べよう」
大阪をね。
ちよ「(……大阪さん、遅いなぁ……)」
“頭数”は揃ってますよ。
- 504 :世はなべて事もなし :2004/07/23(金) 12:28 ID:???
- よみ「おはよう」
大阪「おはよ。珍しい、早いやん」
よみ「ああ、何か智が目が覚めるのが早くてな」
大阪「へー、何やろなぁ。……あれ? その智ちゃんは?」
よみ「朝から腹の調子が悪いらしくてね。今トイレ」
大阪「あー、トイレといえばなぁ、昨日の夜のニュース見た?」
よみ「見たが、何だ?」
大阪「大ちょー菌何とかが流行って、人が三人死んだやん。やっぱり、トイレん中で下痢
ピーピーしながら死んだんかなー」
よみ「それはないだろう」
大阪「それから、今朝のニュースではバスの横転事故やっとった。こっちは、五人死亡や
て、あははっ」
よみ「そうだったけな」
大阪「でも一番の話題はあれやな。十歳の子どもが友達に殺されたヤツ! あれはビックリや!」
よみ「ああ、確かテレビゲームのいざこざが原因だっけ。ボールペンで目を突かれたんだろ」
大阪「そうや! 力が入りすぎたんか、一発で脳まで突き刺さってポックリや!
その後もすごかったな! あははは、証拠隠滅図って灯油をかけて燃やされたんやて!
それはいくらなんでもバレるわー。あ、でも、惜しかったなぁ、もしそん時、
ちょっとでも生きとったら、焼死ってことになっとたはずや。小四が焼死や。そな
いなったら、見出しは『ショーシがショーシ』になるやん! あはははははは!!」
よみ「そのタイトルはどうかと思うな」
とも「……お、おはよう。ふぃ〜、お腹の中身を出し尽くしましたぁ…」
大阪「あ、ともちゃん、死なへんかった?」
とも「?」
よみ「何でもない。気にするな」
大阪「ともちゃん、今日は何で早く来たのん?」
とも「あー、今日は早く目が覚めたんよ。……実はさぁ、ちよちゃん殺しちゃった」
大阪「ホンマ? ホンマに?!」
よみ「ふーん」
不続)
- 505 :470 :2004/07/25(日) 01:52 ID:???
- 【そして彼女達に朝の来ることは無かった】
ここはちよの別荘。
一同は別荘一階、北側の隅にある、廊下の狭い客間で怪談を行うこととなった。
この部屋は、何故か他の部屋から少し離れた位置にあるため、毎年恒例の夏の集まりでも使うことはなかったである。
こもっていた部屋の窓を開け、暗闇の中でささやかな助けとなる程度の照明の下、怪談が始まった。
「私は…ねこにはあんまり好かれないんだけど。
でも…轢かれたねことか、捨てられて衰弱死したねことか…そんなねこには縁が濃いんだ。
多い時で一週間に二匹とか…私たちの町は、結構、多い…」
「そりゃお前がよく会うだけだ」(神楽)
「あたしなんかそんなもん一回も見たことねー」(智)
- 506 :470 :2004/07/25(日) 01:53 ID:???
- 「…うぅ。
…こ、これは一昨日の話だ。
買い物の帰り、路上で死んでいるねこを見つけたから、
歩道側によせて手を合わせた。次の人生?では幸せになれるといいね、って…。
その後保健所に電話をして、家に帰った。勝手に埋葬するとおこられてしまうんだ…。
夜。
鳴き声で目が覚めた。見ようとしても体が…うごかない。金縛りなんだ。
何かの気配がして、それはだんだんだんだん増えていく。
鳴き声も、最初はか細くて小さな鳴き声だったんだけど、どんどんどんどん…増えてく。
にゃあ。にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ。にゃあ。なーーーあああーーーーーって。
そう。ねこ…なんだよ。私は部屋の中でひとり、たくさんのねこに囲まれていた…。
部屋の窓は…暑いから少し開けていたけど、だからと言って
そんな大勢のねこに囲まれるなんてありえない。ありえないんだ…。
- 507 :470 :2004/07/25(日) 01:54 ID:???
- ねこの鳴き声はうるさくなるばかりで、いつの間にか、頭が割れるんじゃないかっていうくらいの…大合唱になってて、
体がうごかない私にはそれをどうにも出来なかった。待つしかなかったんだ。
頭の中だけで鳴いているのか、それともほんとに鳴いているのか、もう、わからなかった…。
にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあああああああああーーーって部屋の中どころか、家の外まで響いてるんじゃないか。
にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ。
どんどんどんどん肥大していく。肥大していくねこの合唱で頭がパンクしそうになって、もう耐えきれない、だめだ…、って思った時、
がしゃああああん!
…物凄い重い痛い音が頭の中でぶつかって弾けて、それっきり…消えた。
気配も消えて、体も動くようになった。
今にして思えば、あれは何かが車がぶつかった時の音なんじゃないか、って…思う。
何かって…その日出会った、死んだ、ねこだ…。
もちろん、ねこは体が小さいからあんなにすごい音はしないだろうけど、当のねこにしてみたらあれくらいの衝撃だったはずなんだ。
だから、私は思った…。きっと、あのねこだ、って…。
- 508 :470 :2004/07/25(日) 01:56 ID:???
- …こ、この話にはまだ少し、つづきがある。
か、体が、体が動くようになった後、私は部屋の電気、部屋の電気をつけた!
そうしたら… 部 屋 中 の 人 形 が グ ル リ と 私 を 囲 ん で い た ん だ ! 」
物静かで穏やかな、普段の榊からは考えられない大きな声。驚く一同。
榊の顔は高潮し、はためから見ても明らかに興奮していた。
その鬼気迫る形相に誰も何も言うことは出来ず、
彼女の大柄な体が次第にかたかたとふるえだしてもそれを黙って見ているしかなかった。
部屋の空気が淀んでいる。
ささやかにつけていたはずの照明がいつの間にか落ちていて、
外の深い闇が、窓を開け放したこの部屋へと侵食を始めていたのだ。
波の音、風の音、虫の音、そして…何か、何か別の音、低い低い、地を這うような低音がいつの間にか混じっていたのを
その場にいた何人が気付いたろうか?
榊はいまや両の手で頭を抱え、全身の震えの大きさはもはや病的であった。
その震えが最高潮に達した時、彼女の絞り出すような低い声が部屋に響いた。
- 509 :470 :2004/07/25(日) 01:57 ID:???
-
「……か、かわいかった…!」
- 510 :470 :2004/07/25(日) 01:59 ID:???
- 絶句する一同。
「かわいかったのかよ!」(智)
「オチをつけてどうするんだ?」(暦)
「そういや、お前んちの人形ってよく考えたら全部ねここねこだったな」(神楽)
「榊ちゃんはすごいなぁー」(大阪)
「…うぅぅぅ…ひっく、ひっく」(緊張の糸が切れて泣き出すちよちゃん)
「ほら、アンタがくだらない話するせいでちよちゃん泣いちゃったわよ」(ゆかり先生)
「ちよちゃんおおよしよしうふふふふふ」(泣くちよちゃんを膝に乗せてご満悦のみなも先生)
「(榊さんすごいかっこいいステキステキステキ)」(かおりん)
- 511 :470 :2004/07/25(日) 02:00 ID:???
- 「き、きっと、あのねこが最後にお礼をいいに来てくれたんだ…」(榊)
「それは違う」(暦)
「ていうかー、呪い?祟り?」(智)
「お前ってホントねこに嫌われるヤツだなぁー」(神楽)
「榊ちゃんはすごいなぁー」(大阪)
「…うぅぅぅ…ひっく、ひっく」(意味不明の涙が止まらないちよちゃん)
「ちよちゃんちよちゃんちよちゃん」(泣くちよちゃんを抱き寄せてご満悦のみなも先生)
「(榊さんすごいきれいステキステキステキ)」(かおりん)
「…うう…。ねここねこに囲まれて、私は夢の中にいたみたいだったんだ…」(榊)
「まだ言うかお前」(神楽)
- 512 :470 :2004/07/25(日) 02:06 ID:iEWFHP16
-
先刻から、バイクによるものらしい轟音が遠くから小さく響いてきていた。
「飲みなおすか…。それにしてもここらへんさっきからゾッキーがうるせえわね」
口の開いてない一升瓶をふり回しつつ、部屋の照明スイッチへ手をかけるゆかり先生。
この時、おびただしい数の虫が天井を埋め尽くしていたのに誰も気付く事は無かった。
怪談の直前、部屋の窓を開けるときに智が網戸も開けてしまっていたせいで
外の虫たちがいとも簡単に小さな照明灯に寄って来ており、
また照明灯そのものも虫に埋め尽くされていたため光を失っていた。
そして、パチリ。
部屋が明るくなり、彼らは一斉に少女達へ飛びかかったのであった。
「ギャーーーーーーーーッ!」
(終)
- 513 :名無しさんちゃうねん :2004/07/25(日) 05:09 ID:???
- >>505-512
状況の整理が上手く出来ていないように思えます。
(私に読解力が無いと言われればそれまでですが)
せっかく怖い雰囲気を醸し出すことには成功しているのに
話の繋がりが見えないので台無しです。
必要のない部分は切り捨ててみては?
- 514 :( ̄〇 ̄∋ )<.。○(眠い名有り)@ウィルスでした :2004/07/30(金) 20:54 ID:???
- >>505-512
ちょっとナレーションが少ないですね。
ストーリーはしっかりしていてよいと思います。
- 515 :名無しさんちゃうねん :2004/08/02(月) 17:30 ID:???
- 削るというよりは、付け加える形でわかりやすくした方がいいと思う。伏線が生きるように
さりげなく。この点、「ぬいぐるみがグルリと取り囲んでいた」必然性を説明することに
関しても同様だ。
全体として甘さは残るが、表現として面白い箇所はいくつもあったし、
アイデアもなかなか。次作が楽しみだ。
- 516 :トマト BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:01 ID:???
- 「おっす榊、どうしたんだボーっとして」
「うん………」
「どうしたんだ?何かすっげー影ついてんぞ?」
「実は最近……ここらへんに猫さんがあまりいなくなって…」
「ん?そうか?あたし猫なんて全然興味無いからさ」
「猫さん…みんなどこかに引っ越しちゃったのかな……」
「まぁいいじゃねーか!どうせ会ったって噛み付かれるだけだしさ。
「(グサッ」
「前向きに考えろよ前向きに」
「ま…前向き……(汗」
- 517 :トマト BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:02 ID:???
-
───────放課後の帰宅路、
榊は帰宅途中、いつもの噛み猫と出会った。
彼女は───吸い寄せられるように───かみ猫へと向かっていく。
かみ猫は別に榊など興味を示さないように、そっぽを向いて見せてたが、
彼女が一定距離に近づいた瞬間────
- 518 :トマト BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:02 ID:???
- ガブ!!
突然跳躍し榊の差し伸べられた手に噛み付いた。
「───っ!!」
そして素早く口を離しヒット&アウェイの要領でその場から素早く立ち去っていった。
榊は手の傷を押さえながらもせっかく久しぶりに会えた猫なのにまた撫でられなかった
無念にため息をつき、ただ立ち尽くすのだった。
────そしてそれを見ていた影があるのには気付く事は無かった。
- 519 :『トマト』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:03 ID:???
- 一方かみ猫。
かみ猫は小さい通りの突き当たりに当たる堀の上で、弱いものイジメのごとく、榊に噛み付いた事でかなり上機嫌で丸まっていた。
人間だったら恐らく口笛でも吹いてるだろう。
その時、突然日の光が何かに遮られる。
何だろうと思い見上げると、そこにはいつもの女より背の低い人間が居た。
どこかで見た気がする…だが別にいつもの女でなければ興味無い。かみ猫は目をとじる。
しかしその影の手はかみ猫の頭をいきなり掴んだ。
- 520 :『トマト』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:05 ID:???
-
かみ猫には訳が分からなかった。とにかくその手を引き離そうと手の甲を引掻きまくった。
何とかしなければ………普段野良猫の上に立つ存在であるが故、人間なぞ別に怖い物でもなかった
が、何故か『それ』の存在には頭が混乱し、何か大きな波が、流れが頭をかき乱すようにも彼は感じた。
そいつの手はやがてかみ猫の後頭部を掴み、左手は前足をしっかりまとめて顔と顔をあわせる。
やはりどこかで見覚えは有るものの、別にどうって事の無い女、
そう、そのはずなのに彼はこれ以上とない感情の激流、つまり死の恐怖が全身に行き渡った。
何故?自分はこいつにこんな事をされるいわれはない!
かみ猫は声で抗議を表す。
その影はビニール袋にかみ猫を入れ、勢い良く、
「何度も言っただろ。噛み付いたら駄目だろと」
叩き付けた。
- 521 :『トマト』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:06 ID:???
-
バキュ、ボキュ、ボキュ!
二度、三度、全身の骨が砕ける音。「痛い!頼む、止めて!」と悲願するようなかかみ猫の声
グチャ、ブチャ、ビチャ、グチャ!
六度、七度、八度、九度! 全身の骨が殆どなくなり肉と血がミンチになる水音。
袋の中身は言うまでも無くもはや………真っ赤になり『トマト』…………
無論かみ猫はすでに何も思考不可能になっていたが、おそらく途中まで、
まだ思考回路が無事なら気付いたかもしれない。彼女が誰で何故こんな事をするのか。
「口で分からない奴にはこうしないとな…………!」
その影──────神楽は『トマト』につぶやいた。
- 522 :『トマト』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:07 ID:???
- 「よう、榊。どうしたんだ、前よりもっと暗い顔してんぞ」
「ん、たまに見かけたかみ猫まで見かけなくなった…………」
「だからぁ〜気にすんなって!噛まれなくなってよかっただろ?」
「………………(汗」
「プラス思考だプラス思考!!」
- 523 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/06(金) 23:09 ID:???
- とりあえずRED ROOMの書き貯めしといた奴が全部あぼーんしちゃったんで
息抜きと言う事で……。
- 524 :キラートマト :2004/08/08(日) 09:13 ID:???
- >>523
お前のんが怖いわ!!
- 525 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/08(日) 11:10 ID:???
- 57話>>385-388|『バースデープレゼント』|蛍石氏 |大阪&智&ちよ
58話>>406-407|『泣き声(仮)』 |蛍石氏 |智&大阪
59話>>416-421|『彼女の行方』 |DEAET ジャッカル氏|千尋(千鶴はミス)&かおりん
60話>>437-438|『会わせ鏡』
61話>>450-455,
>>459-464|『THE RED ROOM』(未完)|MAD WRITER氏 |智&神楽&ちよ&よみ
62話>>470-473|『赤い物(仮)』 |名無し氏 |
- 526 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/08(日) 11:29 ID:???
- 63話>>482-486|『ガイシュツ』|470氏|6人オールキャスト
64話>>490-492|『50%増量』|名無し氏|6人オールキャスト
65話>>504のみ|『世はなべて事もなし』|名無し氏|よみ&智&大阪
66話>>505-512|『そして彼女達に朝の来る事は無かった』|470氏|6人&先生2人&かおりん
67話>>516-522|『トマト』|MAD WRITER氏|神楽&榊&かみ猫
- 527 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/08(日) 11:31 ID:???
- 名無しでやつつもりが名前付けたままだった……
何はともあれ百物語まで残り33話っと。
- 528 :名無しさんちゃうねん :2004/08/09(月) 12:12 ID:7zTINP92
- >>525
加筆修正
60話>>437-438|『会わせ鏡』
↓
60話>>437-438│『合わせ鏡』│小麦氏│智&よみ
失礼だろお前。
- 529 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/09(月) 18:33 ID:???
- >>528
しまった…。教えてくれてどうもです。
後再確認しただけでも『二年目の榊さん』>>475-477が抜けてたり
赤い物(仮)にはちゃんと題名があったり
間違いだらけでした……
すいませんです小麦さんと470さんm(_ _)m
- 530 :528 :2004/08/09(月) 19:10 ID:???
- オレも書き方きつかった。すまん。
でも名前を間違えられたり忘れられたりするのはあまりいい気分ではないからね。
これからも書き込み前の確認は慎重にね。
自分が恥書くだけなら良いけど、相手がいることだから、こういうミスは気を付けた方がいい。
- 531 :名無しさんちゃうねん :2004/08/13(金) 10:57 ID:???
- ■みんなは、どういう系統の「化け物」が恐いん?■
1 幽霊、強盗、ゾンビといった、人間が元になっている存在
2 妖怪、妖精、怪物といった、動物的なものが元になっている存在
3 宇宙人、魑魅魍魎、神といった、未知の新生物といえる存在
4 視線、威圧感、臭気といった、目に見えない感覚の存在
5 時間や空間、意識に対する、精神的な得体の知れない不安
6 1〜7では説明できない恐さ
- 532 :名無しさんちゃうねん :2004/08/13(金) 10:59 ID:???
- >>531
7はなんなんだ
- 533 :名無しさんちゃうねん :2004/08/13(金) 11:50 ID:???
- >>532
7
摺醴霾醴髏蠶蠶鸛躔か ベ∃壮鎧醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
勺儲靄靄醴醴醴蠶體酌偵Auru山∴ ベヨ迢鋸醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
∃儲霾ヲ露繍蠶髏騾臥猶鬱h ご笵此∴ ∃f謳廱躔騾蔑薺薺體髏蠶蠶
ヨ儲諸隴躇醴蠶歎勺尓俎赴 f蠶蠶蠢レ ∴f醴蠶鬪扠川ジ⊇氾衒鑵醴蠶
ヨ鐘諸薩讒蠢欟厂 ベ状抃 傭蠶蠶髏厂 .ヨ繍蠶蠶臥べ泣澁価価櫑蠶蠶蠶
f罐諸醴蠶蠶歎 マシ‥…ヲ冖 .∴瀦醴蠶襲jJ鶴門門攤蠶蠶蠶蠶
加罐讒蠶蠶欟厂 ヘ ∴f醴醴蠶甑欄鬮°f蠢蠶蠶蠶蠶蠶
溷霾醴蠶蠶勸 ∴ヨ繍醴蠶蠶鬮狡圷し醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶
醴蠶蠶蠶蠶髟 ベ湖醴醴蠶蠶蠶庇⊇⊇體髏髏蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶欟 f繍蠶蠶蠶蠶蠶曲三三巛憫髏蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶歉 澁畄_迢艪蠶蠶蠶蠶蠶蠶甜川⊇川川衍捫軆髏髏
蠶蠶蠶蠶髟 コ醴蠶奴繍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶齡辷シジ⊇川介堀醴醴
蠶蠶蠶鬮か .ベ苛ザベ繍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶醯己に⊇三介f繙醴蠶
蠶蠶髏鬮シ 尽慵蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶自辷三沿滋鐘醴蠶蠶
蠶蠶醴勸 氾隅髏蠶蠶蠶蠶蠶靦鉱琺雄躍蠶蠶蠶蠶
蠶蠶醴訃 ∴∴∴沿滋溷醴髏蠶髏髏韲譴躇醴蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶髟 _山辷ムf蠡舐鑓躍醯罎體體體驩讎櫑蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶a f躍蠶蠶J蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶醯註珀雄醴醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶廴 f醴蠶欟閇憊體醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶靦錐讒醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶欟シ 禰蠶蠶蠢螽螽f醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶監シ ∵ヴ門夢曠髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶a ∴シ∃愬嚶髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶診 ベ沿u旦以迢u讒醴髏曠醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶髏蠶
蠶蠶蠶甑シ .げ隅艪蠶蠶蠶蠶蠶蠢J蠶髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
- 534 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/08/13(金) 21:07 ID:???
- 2chネタですが。
【(^^)】
投下します。
- 535 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/08/13(金) 21:08 ID:???
- その日、私はちょーご機嫌で登校した。
来週の日曜日になれば、よみを出し抜いてオ・ト・ナになる。
「おひゃー」
挨拶も軽快、ぜっこーちょー!
ん?なんだ、ちよすけ。こんなめでたい日に景気の悪い顔をして。
おねーさん気分がいいから何でも聞いちゃうぞー!
え?オフ会って何?
ああ、ネットで知り合った人と実際に会うことをそう言うんだ。ふーん。
なるほど。ネットだと顔見せずに済むから、ちよちゃんでも高校生で通用するもんねー。
あ、ごめんごめん。謝るから続きを話しなよ。
カラオケボックス行ったのか。で、何歌ったの?
歌ってない?じゃあ、何のために?
相手がHな本を読み始めた?
手でしてくれって言われた?
そいつ変態じゃん。何で逃げ出さなかったの?
電話のある真下に座られた。あー、あれ、入り口のそばにあるし、それじゃ逃げよう無いね、確かに。
まあ、犬にかまれたと思って……え?それだけじゃない?
いやにネオンがきらきら光る建物に無理やり連れ込まれそうになった?
それって、いわゆる……ごほん。
で、連れ込まれたの?
嫌な予感がしたから大声あげて逃げた。
そりゃ正解だったよ。そのまま連れ込まれてたらひどい目にあってたよ。間違いない。
まあ、最悪な事態は回避できたんだし……
はぁ?まだある?これを見ろ?
えーと
ちよちゃんの胸はまだふくらみかけだろうけど、いつかきっと……おい、エロメールじゃん、これ。
しかもこの差出人の名前は。
いや、なんでもないぞ。えーと、こういう時の対処法はだな。
そうそう、大阪、その通り。メールアドレスを変えれば良いんだ。うん。
おいおい、大阪ー。みょーに詳しいな、フリーメールの取り方。
……なんだと?同じ奴に被害にあったことがある?転校前に?
有名なんだ、この男。
帰ったら私もメールアドレス変えなきゃな。
- 536 :名無しさんちゃうねん :2004/08/13(金) 22:51 ID:???
- >>535
これはあくまでフィクションであり実際にこんな事はありえません
と言う事をねがいますね………フフ…
- 537 :小麦 ◆UDON. :2004/08/13(金) 22:57 ID:???
- >>534-535
お久しぶりですね。
こういう日常の落とし穴ってのも怖いですね。
実際に行ったオフ会も、会う前はいろいろ怖い考えが浮かんだり…。
- 538 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/13(金) 22:58 ID:???
- 536が名前消えてた……
- 539 :小麦 ◆UDON. :2004/08/13(金) 23:01 ID:???
- 昨日は流星群が凄かったのか。
- 540 :小麦 ◆UDON. :2004/08/13(金) 23:02 ID:???
- すいません>>539は誤爆です。すいません。
- 541 :名無しさんちゃうねん :2004/08/17(火) 22:30 ID:aThx5mUY
- >>535
おつ
- 542 :470 :2004/08/20(金) 17:18 ID:???
- 大分遅くなりましたが、真摯なご指摘、感想等痛み入ります。
>>513
グダグダな感じを出したかったんですが、
ちょっとムダが多すぎたり必要なところが足りなかったりしたと思います。
>>514
必要なものが少なくて、あんまりいらないものが多かったというか。
我ながらバランスが悪いですね。
ストーリー誉めてくださってありがたいです。
>>515
あまり文章を長くしたくないので基本的には短くまとめようと思ったんですが、
短文での的確な描写が出来ないせいで説明不足になってしまったようです。
期待していただき、恐縮であります。
- 543 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:08 ID:???
- 「いやー昨日は少し遅くまで起きててさー朝からめがさえねぇ」
「智ちゃんー授業で嫌っちゅーほど寝てたやんー」
「でもさぁ、三時半まで起きてたのにあんだけじゃたりねーよ。あーねみ」
「それ……少しっていうん?」
3月某日、段々と春の陽気近づいてきたこの頃、
大阪と智が一緒に下校をしていた時の事。
「あ、待ってー」「もう間に合わねぇーって」
交差点にて点滅しはじめた青信号を追い、走る大阪。
しかし一般人が歩くのと大差ないスピードでは間に合わない。
仕方なく止まる大阪。そしてその時、大阪の視界に警官が入った。
(おまわりさんや……信号は守らな────!!!)
突如大阪が何かに気付く。次の瞬間に大阪の表情は青ざめた。
- 544 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:11 ID:???
- 後から来た智は大阪の視線の先を見る。
「あ!!オマワリさんだ!事件だ!」
大阪は口元に手をあて、少し俯いていた。
────どうしたんだ?大阪はそんなに警察が怖いのか?
ははーんさては犯罪者だな!!────
「と、智ちゃん!真っ直ぐ行く道をみるんや!」
「え?」
そんな事を考えると突然大阪が大きな声で叫んだ。
「いいから、おまわりさんの方見たらあかん!逮捕や、逮捕されるで!!」
「あ、うん…」
「絶対に下を向いたらあかへん!得におまわりさんの所を見たら怪しまれるで!
犯罪者で無い風を装うんや!カーーーーッ」
「わ、分かったから大声だすなよ」
その物凄い剣幕にさすがの智押し切られた。
大阪はそれ程に警察が怖いのか?とりあえずは智は言う通りにしようと……
「………………(チラ」
せずに目線を警察が集まってる所に移s
- 545 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:12 ID:???
- 「智ちゃん!!」
「うわぁ!?」
「見たらあかん見たらあかん三田羅亞巻
ミタラアカンみたらあかん+#蛛>?u!!人のいう事ききなさい!カーーーーーッ」
「分かった落ち着け!文字化け起こしてるぞ大阪!?っていうかなんで怒られんの?」
- 546 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:14 ID:???
- 自販機の前まで着いた。
「大阪、どんな感じだった?見たんだろあそこん所」
「え?」
「だから、さっき大阪私に見せてくれなかっただろあそこ?
ひょっとして殺人事件?それともひき逃げ?食い逃げ?」
「え、……っと、 智ちゃんなんにも見てへん?」
「あれ?」
「だから何もみてへんと聞いてるんや」
「え…嫌、見て無いけど……」
───見れる訳無いだろ、あんな事されて…
- 547 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:17 ID:???
- 大阪の顔が多少青い。
しかし目は真剣に真実を求めるそれそのものだった。
「そっか…よかった…」
そのまま大阪は俯いてしまう。
「死体とかはあらへんかった。多分事故かなんかやと思う」
何だか大阪の様子が変だ……
「そうか、それでさ、あれが事件なら刑事(デカ)が───
まぁ変なのはいつもの事だ。そう思い智は別の話を始めた。
- 548 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:20 ID:???
-
「…………う…うう」
智と別れた後、大阪は電信柱に左手を付け、
そしてもう片方の手は口元に持っていた。
智といた時には堪えた吐き気が込み上げてくる…
だが何とか、自身が小食である事も幸いし彼女は耐える事が出来た。
───智ちゃんは何も見てへんかった…よかった…
彼女は心からそう思った。おそらく彼女の性格からああでもしなきゃ
好奇心旺盛な彼女の事、
絶対に見ていただろう……警官の間から彼女が見てしまったものを…。
- 549 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:22 ID:???
-
思い出すと先ほどではないにしろ嘔吐感が戻る。
いっそ戻した方が楽な気がしたが、とりあえずは迷惑を考え耐える。
明日になったら忘れられる……大阪はこの時ばかりは自分の忘れ物
能力に感謝した。
大阪は思った。
───おそらく明日は同じ道を通っても…嫌、しばらくは智ちゃんを朝向かえに行って
別の道を通ろう……───
- 550 :見てはいけない物 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/25(水) 00:25 ID:???
- 実際先ほどの所には警官は先ほどとは別人のがまだ数名居たが
大阪が見た物(かつては者)は───黒いビニールに包まれ───どこかへ運ばれていた。
見てしまった物の付近にある赤い液体の溜まり、
─────そしてゴミ箱の陰にあって見つからなかった指一本と、
糸がついた黒と白がのビー玉──目玉を除けばの話ではあるが。
- 551 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 20:32 ID:???
- >>543-550乙!
実際にありそうで、現実味を持ったいいssですね。
でも>>544のや>>550の最後で間違ってるのが……
ついでに言うと、大阪の思ったことだったら、大阪弁のほうがいいです>>549
- 552 :名無しさんちゃうねん :2004/08/26(木) 14:52 ID:???
- 最後の落ちを生かすために伏線を張るか、
もしくは落ちにもっと意外性を持たせるか、
あと一歩の工夫が必要な印象を持ちました。
普通に面白く読めたのですが、
やっぱり何か印象に残る物が欲しいのです。
- 553 :MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/08/26(木) 20:27 ID:???
- 感想どーもです
>>551
「智押し切られた」とか「黒と白がの」とか……何処の方言言ってんだ私OTL
ご指摘ありがとうです。
>>549の方はぶっちゃけ…どうやって大阪弁にしたらいいのか分からなくて……
馬鹿ですいません…。 SS誉めてくれてありがとうございます。
>>552
ふむ……詳しくありがとうです。
そこら辺を気をつけます。
- 554 :552 :2004/08/31(火) 18:19 ID:???
- いや、単純に面白かったんですけどね。大阪の必死さとか。あれ、よかったです。
- 555 :名無しさんちゃうねん :2004/09/03(金) 22:08 ID:WjbebHpg
- 555げと。そしてあげ。
- 556 :名無しさんちゃうねん :2004/09/20(月) 22:49 ID:VFHSJI6g
- この前、本屋の帰りにコンビニによってジュースをかった。
そして自転車でジュースを飲みながら帰った。
いつもの通り、誰もいないことを確認して
ペットボトルをポイ捨てした。
そして家に帰り、部屋にはいると
自転車のかごに捨てたはずのペットボトルが・・・
- 557 :名無しさんちゃうねん :2004/09/20(月) 23:47 ID:???
- ペットボトルをポイ捨てしようとするお前の神経が怖いわ
- 558 :『血みどろ』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/12/12(日) 10:28 ID:/NiTy2Xo
- つい最近の事だ…。 私は夜、楽しみにしていたよつばとの3巻を買って
帰宅した…。
だがその日は仕事があったので、止むを得ず仕事を優先し、よつばとを
横に置いて準備をするためカッターナイフを用意した…。
だが不覚にも私は指を切ってしまった…。ティッシュを探すうち、不覚にも
よつばと3巻の表表紙のよつば、その丁度顔の部分にだけ血がポタリ、ポタリ、
と滴ってしまった…。
私は見つけたティッシュで指をぬぐった後、そのティッシュでよつばの顔を拭う。
だが慌てて自分の血のついたティッシュを使ったのがマズかった。 悲惨な事に
よつばは顔を中心に血が胸まで広がり、説明をしたくないオグリで見たグロ画像のように
なっていた…。 ぞくに言う「うわー大惨事や」
- 559 :『血みどろ』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/12/12(日) 10:28 ID:/NiTy2Xo
- 気が付くと絶望と脱帽感、そして自分のアホ加減に対する怒りからもう仕事をする
気力がなくなっていた……。
「寝よ…」
明日上司に少しどやされればそれで終わる事だ……。
私は布団を頭まで被り羊を数えた。
それから数時間たっただろうか? 時計は4:30を指している。
窓は闇一色に塗られている。 あんな事になっては読む気が正直しなく、
結局は寝てしまったがやはりよつばとの内容が気になって仕方が無いのだ。
私はスタンドを付けて、本を手元に引き寄せる。 やはりよつばの呆けた顔に
鮮やかな血が塗られている。 おや……っと思った。
おかしい…私が血をたらしたのは何時間も前の事だ。 事実指の怪我は絆創膏を
はがせばもう瘡蓋になっている。 では何故このよつばの顔を染める血は鮮やかな
ままなのだ?
- 560 :『血みどろ』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/12/12(日) 10:30 ID:???
- 嫌な予感がしながらページを捲る…的中した。 まず最初に目に入ったのはあさぎと
一緒にいるよつば……その顔には表紙と同じように顔が血まみれだった…。
更にページを捲った。
目次のあっけらかんとした笑顔のよつば…うちわを片手に持ちスイカを頬張ってる…らしいよつば…。
二つとも私の好きな顔である…いや、後者は『であろう』と言う方が正しいか…
前者は鼻、口、目から表紙のように赤い液体を流し、後者はドバッと顔に
赤い絵の具をぶちまけたようになっていた…。
次々とページを捲る…出てくるよつば…動物園のよつばも…花火大会のよつばも全て…
必ずどこかに、顔に、口に、胸に、赤い物がついていた…。 私はたまらず本を閉じた。
どういう冗談だ……? 私は再度本の表紙を見る。 思わずゲッと叫んだ。
顔を血に染めたよつば、その赤い部分の中で、二つの大きな黒点があった…。
いや違う…それは黒点では無い…。 よつばの目だ…。
顔を血に染めたよつば、その赤い部分の中で、耳まで裂けた口があった…。
いや違う…それは裂けているのではなく…笑っている…。
- 561 :『血みどろ』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/12/12(日) 10:34 ID:/NiTy2Xo
- 奥の恵那も…みうらも同じような顔をして私を笑っていた…。 黒一色の目…
耳まで裂けた黒い口…。
次の瞬間、私は本を投げ捨て、布団をもう一度頭も出さないよう被り、ふちを両手両足で塞ぎ、
完全防壁シェルターを作っていた。
日の光が上りきった朝…あれから結局一睡も出来なかった私は布団シェルターからゆっくりと
亀のように顔をのぞかせる。部屋の隅にそれはあった…。 よつばと3巻…手にとってまじまじと見る…。
表表紙には血など付いていなかった…。 ただのほほん顔のよつば、後から困った顔で
「ちょっとよつばちゃん待ってー」と言わんばかりの恵那、その後には目を三角にしたみうら。
見ているだけで少し癒される…それだけの表紙だった。 中身を再度見るが予想通り以上無し。
中学の国語の授業で「神様」と言う人間と熊のほのぼのな一日を描いた小説があったが、どこから
ともなくそれと同じ空気を感じさせる、そんな漫画だった。 それだけだった。
私はとりあえず会社を無断欠勤する言い訳を風邪にするか、それとも遅刻してでもしっかり行くかを
まず悩んでいた。
- 562 :『血みどろ』 BY MAD WRITER ◆UYleBl5vm. :2004/12/12(日) 10:43 ID:/NiTy2Xo
- とりあえず、この話を読んだ人。あんたは…大事な本は無いか?
それを…得にその主人公の顔や体を何かで汚してはいないか?
もしその本を愛してるならしっかりとキレイにしてやった方がいい。
日本人形は作っている内に魂がこもると聞く。 日本人形に限らず、
人の気持ちを込めて作り、人の形をした人形は全てな。
日本の漫画キャラクターだって魂がこもってもおかしくはないだろう?
まぁ今思えばあの笑いは子供がドロ遊びをして汚れた時のような無邪気な顔な
だけだったのかも知れんが。 私の場合。
結局よごれは自分で拭いたのか…? まぁいいや。 考えても分かる物でもない。
- 563 :名無しさんちゃうねん :2004/12/12(日) 14:06 ID:???
- GJ
変則的な視点の書き方が興味を引いた。
- 564 :名無しさんちゃうねん :2005/01/13(木) 13:57 ID:???
- ‖
___ ‖
/ `ヽ‖
,:' 、ゑ
,' ; i 八、
|,! 、 ,! | ,' ,〃ヽ!;、
|!| l川 l リへ'==二二ト、
リ川 !| i′ ゙、 ', ',
lルl ||,レ′ ヽ ,ノ ,〉
|川'、 ,,.,.r'" ,,ン゙
`T" ! ,/ '.ノ,/|
/ ,!´ !゙ヾ{ |
/ ,' i ゙ ! ,l゙
,r‐'ヽ-、! ', l|
{ `ヽ ! 「゙フ
,>┬―/ ; i,`{
/ /リ川' ', ゙、
/ ,/ ゙、 ゙、
ノ / ', `、
\_/ ; ゙、ヽ、
l__ ! ___〕 ,、l
 ̄`‐┬―r┬‐r'´ `'‐'′
| .! | |
| | .| |
| j | !
| Y ,)
! 〈 /
| ! /
'、 /ー'
`''"
- 565 :名無しさんちゃうねん :2005/01/14(金) 18:24 ID:???
- 廃れちゃったね・・・
- 566 :名無しさんちゃうねん :2005/01/15(土) 12:30 ID:???
- そだね。
- 567 :小麦 ◆KOMUGI :2005/01/15(土) 16:05 ID:???
- >>565-566
(´・ω・`) スミマセン…
- 568 :名無しさんちゃうねん :2005/01/16(日) 16:17 ID:???
- 別にあなたが謝る必要はないと思いますが。
- 569 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/01/16(日) 22:41 ID:???
- 【アロンアルファ】
がん
椅子を蹴られた。
春休み。
気が向かなかったけれど、散々せがまれて仕方なく入った映画館。
予想を裏切らず暗くなった途端に「うを」とか「うひゃぁ」とか騒ぎ出して。
「静かにしてろよ」なんて聞くはずもない注意をしていたら。突然。
振り向くと、小太りに長髪の男の人が憎しみを込めた目でこちらを睨んでた。
「すみません!ほら、智、お前も謝れ」
でも、智は男の人を一瞥してふんと鼻を鳴らした。
「謝る必要、ねー。うるさかったら別の席に移ればいいじゃん。こんなにガラ空きなんだしさ」
「おい、智」
「大丈夫だって、よみ。こういう奴等っていきがるだけで何かする勇気なんてないんだからさ」
ケラケラ笑ってふてぶてしく同じ席に座り込む。
付き合いきれねえよと思いつつも、もしなんかあるといけないんで、仕方なく私もその隣に座る。
幸運なことに、智は本編に入ってすぐに寝入ってしまったし、男の人も間もなく席を立った。
だから、私は程なく映画に集中することが出来た。
でも。
エンドロールが終わっても、館内が明るくなっても、智はまだ寝ていた。
私はため息をつき、智の肩をゆすってやった。
異変に気づいたのはその時だ。
普通、肩をゆすれば頭ががくがく揺れるじゃない。
それが、揺れなかった。
……智の頭は――正確には智の髪は――椅子に張り付いていた。
アロンアルファで、しっかりと固定されていた。
だから、私は映画を見るときには必ずコーヒーを飲む。
それも必ずブラックで。
(Fin)
- 570 :小麦 ◆KOMUGI :2005/01/16(日) 23:06 ID:???
- >>569
乙です。
智がばっさり髪を切ったのにはそんな理由があったのか・・・!
面白かったです。
女性にとっては、せっかく伸ばした髪をこういう理不尽なことで
切らなければいけないのは、かなりの恐怖でしょうね。
- 571 :名無しさんちゃうねん :2005/01/17(月) 18:05 ID:???
- >>569
待たせた割には大したこと無いな
- 572 :名無しさんちゃうねん :2005/01/17(月) 20:00 ID:???
- >>569
乙カレー
相変わらず文が巧いですね。
ただ、怖さが足りない気がします。
もう少しそのキモオタデブ男の狂気じみた恐怖を
表現できていればと思います。
- 573 :@小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:11 ID:???
- 【隧道】
《大阪のはなし》
「あっ!榊さん。夕食の買い物ですかー?」
「あー。榊ちゃんやー」
日曜の午後のこと、榊がスーパーで買い物をしていると、ふいに声をかける者が現れた。
ふり返ると、美浜ちよと大阪こと春日歩が買い物かごを下げて立っていた。
「うん…。お母さんから頼まれたんだ。ちよちゃんも、夕食の材料を?」
榊がちらっとちよの買い物かごを見ると、既にキャベツや肉、牛乳が入っている。
「はい。そうですよ。今日は私が炊事当番なんです」
「え?ちよちゃんが作るのか…。凄いな…」
榊はちよがエプロン姿で台所に向かって料理をしている場面を想像して頬を赤らめた。
「榊ちゃんとこは、今夜はなんなんー?」
大阪が榊の買い物かごを覗く。
「え…と。たぶん、寄せ鍋だと思う…」
「寄せ鍋かー。ええなー。あ、そや。ウチはなんやと思うー?」
大阪のかごには、カレールーの素と、ジャガイモ、人参、葱、豚の細切れ肉が入っている。
「カレーライス…かな?」
「惜しいなー。ウチは今晩はカレーうどんやー。うどんは今から買うんや」
「あ。それで葱を買ってたんですね」
ちよもカレーライスだと思っていたらしい。
「…ちよちゃんは?何を作るの?」
「回鍋肉と、中華スープと、中華サラダですよ」
「わー。ちよちゃんは今晩は中国人や。冷しゃぶにする榊ちゃんは日本人や。ほならカレーうどんの私は何人やろなー?」
「大阪さんったら…」
3人は会話を弾ませながら、一緒に買い物をした。
- 574 :A小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:12 ID:???
- 「…そういえばなー」
買い物をしながら、大阪が切り出した。
「うちからは回り道になるんやけど、○○駅の近くに高架下をくぐる道路があるやろ」
「うん」
「あそこ、出るらしいで」
「…な、何が?」
榊はうわずった声で聞き返す。
「これ」
大阪はニヤリと口の端を吊り上げて笑いながら、右手を高めに、左手を低めにだらんとさせて、幽霊のまねをした。
「昼でも暗いあそこはな、女の人の霊が出るそうやでー。」
「お、大阪さんー。恐い話は止めてください。私も榊さんも恐いのは苦手ですー」
「その人全身血だらけで濡れたようになっていてなー。
交通事故で死んだ人だとか、事件に巻き込まれてあの高架下で殺された人とも言われてるらしいんや」
「やーめーてー」
「………」
ちよが耳を塞いで怖がったので、大阪はあわてて話を止めた。
「あ、ごめん、ごめん。かんにんや。雨の日しか出ないらしいから。
今日は晴れてるし、予報でも降水確率低かったからきっと大丈夫や」
「そ、そうなんですか。ホッとしました」
しかし、この季節の大気の状態というのは実に不安定であり、天気予報もそうは当てにならない。
3人が揃って買い物を済ませスーパーを出てみると、来たときには晴れていたはずの空は
雲が低く下がってどんよりとしており、今にも降り出しそうになっていた。
ちよと榊はジト目で大阪を見る。
「だ、大丈夫や。噂話やし、通らなければ問題あらへんし」
大阪は慌ててフォローした。
「大阪さんは回り道かも知れませんけど、私と榊さんはあそこを通るんですよー」
ちよは即座に反論する。
「…降らないウチに行けば、少し遠回りしてあそこを通らずに行けるかも知れない…」
「そやそや。降らないうちに帰ればいいんや。ほ、ほな、さいならー」
「あ、大阪さん」
「さ、ちよちゃん。急ごう」
- 575 :B小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:13 ID:???
- 《異界への分岐点》
ちよは大阪の後ろ姿を恨めしげに見送ったが、すぐに気を取り直して自転車をこぎ出した。
ちよはいつもより急いでこぎ、榊もちよのペースに合わせて自転車を走らせた。
しかし、あともう少しで例の高架下と回り道との分岐という辺りで、頬に冷たい物が当たり始めた。
空を見上げるとさっきよりも雲が低く垂れ込めている。
そして、
ピカーーーッ ドドドドドーーー
と突然の雷。雷が苦手な2人にとっては最悪の事態である。
ちよの身体が硬直した。榊も顔面蒼白になっている。
2人はとりあえず雨をしのごうと高架下に入った。
この高架下の隧道は長さ30m程度で、対向2車線の車道と狭い歩道がガードレールで仕切られている。
どこにでもあるような隧道なのだが、車通りも人通りもあまり多くはない。
随道内の照明は定期的な保守点検がされていないのか、ぼんやりとしていて照明と言うにはその役割を
果たしていないような代物だった。また、雨のせいもあるが、空気は湿っぽく淀んでおり
あまり長くいると気分が悪くなりそうである。
2人にとってはいつもの見慣れた風景のはずなのだが、大阪からあんな話を聞かされた後で
改めて見るとけっこう不気味な条件を揃えた隧道であることに気付く。
否応無しにこの風景から恐怖心と想像力がかき立てられ、入るのを躊躇してしまう。
回り道をすればここを通らずに済むが、家までの行程は倍近くなる。その間雷雨に曝されることになる。
ここを通れば早く家に着くが、出来れば見たくない物を見てしまうかも知れない。
外は雷雨、しかし幽霊は恐い。究極の選択である。
ピカーーーーーーッ バリバリバリッ ズドドドドドォーーー
再び曇天が雷光に照らされ、空を割らんばかりの雷鳴が轟いた。
結局、雷に背中を押されるかたちで、2人は高架下を進んでいった。
- 576 :C小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:14 ID:???
- 「…あれ?」
隧道に入ったとき、榊は思わず声を出した。
「ど、どうかしましたか?榊さん?」
ちよが怯えた表情で榊を見上げる。
「…い、いや。なんでもない…」
「そ、そうですか?本当になんでもないですよね?」
「う、うん。私の気のせいだ…。ごめんね」
この隧道は、2人が居る側から抜けると反対側で上り坂になるため、
向こう側から入ってくる車や人が入口手前からでも確認できる。
2人が隧道に入る前、榊には向こう側から入ってくる自転車が見えた。
狭い歩道なので一旦外に出て待った方がいいかなと思ったので、その自転車を見たのは確かなはずだった。
しかし、今、隧道の中には自分たち以外には誰もいない。
入ってきたのなら、今前方に見えているはずだ。
(引き返したのかな?きっとそうに違いない。そういうことにしておこう)
「ちよちゃん、行こう。本降りになる前に」
榊は後のちよを気にしながら、自転車を走らせ始めた。ちよもそれに続く。
ほぼ同時に、雨が強く降り出した。
- 577 :D小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:14 ID:???
- 《佇む者》
榊は前方の出口からの外明かりを頼りに、自転車を走らせた。
後ろでは、ちよが置いてかれまいと必死にこいでいる。
短い隧道なのだが、今はとても長く感じられる。
ふと、前方の歩道上に誰かが立っているのが見えた。
入ったときには見えなかったため、まるで突然わいて出てきたような錯覚を覚える。
出口から差し込む淡い明かりのシルエットからして、女の人のようであった。
大阪が言っていたことが、榊の脳裏をよぎる。
『女ノ人ノ霊ガ出ルソウヤデー』
噂話だ…!噂話だ…!
榊は自分に言い聞かせた。
歩道は歩行者の脇を自転車ですり抜けるには狭すぎる。
自転車を降り、押しながら横を通るしかない。
榊が降りると、ちよもそれに続いて降りた。
「榊さん…あの人…」
ちよが不安げに榊に話しかける。
「大丈夫…」
答えたが、心なしか声が震える。
近づくにつれて、女の姿がはっきりと見えてきた。
服装からしてOLらしく、雨をしのいでたのか、上着を頭上に被せて両手で持ちながら立っている。
顔は俯いているのと、上着と長い前髪で隠れているのとではっきりとは見えないが、全体の雰囲気から若く見えた。
女はしばらくここで雨をやり過ごすためか、一向に動く気配はなく、ただそこに佇んでいる。
榊は軽く会釈をし、その女の脇を通り抜けようとしたが、・・・
「……ちゃった…」
すれ違いざま女が何かを言った。
何と言ったのか聞き取れず、榊は反射的に「え?」とふり返ってしまった。ちよも女の顔を見上げる。
「…濡れ…ちゃった…」
2人の足が止まった。無視してやり過ごせばいいものを、つい女の方を見てしまう。
「わたし…こんなに…濡れちゃった…」
- 578 :E小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:15 ID:???
- 間近で見ると、女は全身ずぶ濡れだった。
前髪の先や、服の裾からはポタポタと滴が垂れている。
ただ、その滴は暗がりで分かりにくいが、赤くてやや粘りけがあるように見えた。
『ソノ人全身血ダラケデ濡レタヨウニナッテイテナー』
再び大阪の言葉が頭をよぎる。
この女をずぶ濡れにしている赤い液体は…、ひょっとすると…。
そう思った途端、2人の鼻腔を生臭ささと鉄臭さが混ざったような異臭が刺激した。
ザーーーーーーーッ
雨音は一層強くなり、隧道の中に響き渡る。
女は、俯いたままじっと佇んでいる。
榊とちよは、金縛りにあったように動けない。
- 579 :F小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:16 ID:???
- 《狩り》
ふいに、女が動いた。
ゆらりと、緩慢な動作で腕を下ろし、顔を両手で覆い、そしてゆっくりとだが榊たちの方へ向き直った。
鈍い照明に照らされて赤くヌメヌメと光る手は、時折その指の隙間から赤い液をブジュッブジュッと
嫌な音を立てながら溢れさせる。
女は顔を覆う手の指を徐々に広げ、その隙間から目らしきものを覗かせ始めた。
「キャーーーーーーーー!!」
榊もちよも、堪えていた恐怖心をはじけさせた。
派手にガシャガシャと音を立てながら自転車に跨り、勢いよくペダルを踏む。
互いに互いを気遣う余裕もなく、がむしゃらに自転車を漕いで
とにかくその場から逃げようとした。
恐怖で足がすくんでいるせいか、ペダルがとても重たい。
出口まであと20m足らずだったが、遙か遠くに感じられた。
どれくらいの時間を走ったのか、何とか隧道を出たときには雨足も弱まり、
東の空は夜のように暗いが、西の空には晴れ間も見えていた。
榊は崩れ落ちるように自転車を降り、そのままその場にへたり込んだ。
そして気が付いた。
ちよちゃんがいない。
榊は狼狽した。
一緒に走り出したのは覚えているのだが、今ここには自分しかいない。
ちよちゃんはどうしたのだろうか?
振り返り隧道の中を覗いてみるが、中は相変わらずぼんやりと暗く、向こうの出口の光以外はよく分からない。
彼女はまだ出て来ていないのか。
もう一度目を凝らす、がやはり分からない。
榊は自転車のスタンドを立てると、意を決して隧道の中へ入っていった。
- 580 :G小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:17 ID:???
- 《ちよ狩り》
ちよは自転車を必死で漕いでいた。
あの妙な女の人から離れようと無我夢中で自転車を漕いだが、気が付くと一人で走っていた。
前を走っていた榊はとうに先へ行ってしまったようである。
前方にぼんやりと見える出口には彼女の影は見えない。
もう榊さんはこの隧道から出ていってしまったのだろうか?
それにしても何と遠い出口なのか。
いつもならどんなにゆっくりこいでも、ものの十数秒もあれば出られる隧道である。
それが今はまるでkm単位に長いトンネルのようだ。
一人で走っている心細さと、大した距離もないはずなのに一向に出口へ近付けない
この理解し難い状況に、彼女の心は挫けてしまいそうだった。
ふと、ちよの周囲が薄暗くなった。
下を見ると、自分のややはっきりと見える影よりも2回りほど大きな影が、ぼんやりと囲うように重なっていた。
その影は、自分の挙動とは関係無しに左右へフワフワと揺れ、気のせいか徐々に大きくなってきている。
誰かが後ろにいる?
そう思った瞬間、背後から
「ウフフフッ」
と女の笑い声が聞こえた。
一瞬にして、ちよの全身に鳥肌が立った。
「うわあぁぁぁぁん」
今まで堪えてきたモノが弾け、思わず泣き叫ぶ。
背中に悪寒が走った。
直後、何者かが背後から腕を回して覆い被さり、ちよの耳元で囁いた。
「つ か ま え た…」
冷たい腕だった。しかも真っ赤な液体でヌラヌラと濡れている。
ふりほどこうと身体を振ろうとしたが、次第に服を浸透して肌に触れてくる液体の感触に身体が強張った。
右側から何者かが顔を覗こうとしてくる。
鼻腔を刺激する強い鉄臭。
視界の隅に映るのは真っ赤なサッカーボール大の塊。
ちよはその豊かな想像力で、何が自分を覗こうとしているのかを理解してしまい、そして…。
自らの意志で気絶した。
遠のく意識の中、ちよは誰かに腕を引っ張られるのを感じた。
- 581 :H小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:18 ID:???
- 《帰還》
「…よちゃーん、ちよちゃーん、どないしたんやー?しっかりしぃー」
ちよが目を開けると、心配そうにこちらを見ている大阪と榊がいた。
「え…。あれ?榊さん。それに大阪さんも」
榊は目に涙を一杯に溜め、ただひたすらに
「ちよちゃんごめんね。置いていってごめんね」
と詫びている。
「そんな榊さん。私も無我夢中で榊さんのことを考える余裕なかったですし。それより…」
榊をなだめつつ、ちよは大阪に向き直った。
「大阪さんはどうしてここに?」
「私が置き去りにしてしまったちよちゃんを、大阪さんが助けてくれたんだ」
ちよへの負い目が彼女を雄弁にしたのか、榊は大阪が答えるより先に話し始めた。
「私がガード下から出たら、ちよちゃんが居なくて。
それで私、慌てて引き返して・・・。
入ってしばらく歩いたら、ちょうどちよちゃんが自転車で転びそうになっているのが見えて・・・。
私、走ったんだけど間に合わなくて・・・。
そしたらちよちゃんの後ろから大阪さんが出てきて、すんでの所でちよちゃんを抱き止めたのよ。」
言い終えると榊は袖で涙を拭いながら、しゃくりあげた。
「榊ちゃーん。もう大丈夫やで。せやからもう泣かんといてや。」
大阪が榊を慰める。そしてちよに向き直り、
「いやー。あんな話をしてしもたもんで、やっぱり心配になって引き返してきたんや。ふたり恐がりやろ?」
と、照れたような、バツが悪そうな顔をした。
「やーびっくりしたで。心配になって引き返してきたら、ちょうどふたりがガード下に入っていくところやったんやけど。
声かけよう思たら、ふたりとも急に自転車に跨って走り出してん。
ちょっと待ったぁ思て、追い掛けたら、榊ちゃんはぴゅーってあっと言う間に見えんようなってしもたんやけど、
ちよちゃんがなんかえらくゆっくりこいでるねんな。
そしてな、追いついて声かけたらちよちゃん急に倒れてしもて、わたし咄嗟に手を引っ張って抱き止めたんよ」
ちよは怪訝な表情をしながら大阪の顔を見つめ
「それだけですか?他になにも無かったですか?」
と問い掛けた。大阪さんは何も見ていない?
- 582 :I小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:18 ID:???
- 大阪は二人の顔を交互に見つめ
「ん?さっき言うた通りやで?」
と不思議そうに答えた。
「なんやふたりとも暗い顔してるけど・・・。ひょっとして、ほんまになんか出たんか?」
榊とちよは何と答えたモノかと逡巡し、その沈黙の間が大阪の問いを肯定した。
「ほんとうに大阪さんは何も見ていないんですよね?」
「え?ふたりは何を見たん?」
「大阪さんが言ったままのものを見たんですよ。それよりまずこのトンネルから出ましょう」
三人は立ち上がり、出口へ向かって歩き始めた。
歩きながら、ちよと榊は各々が見たモノを、大阪に聞かれるままに詳しく話す。
途中でトンネルからは出てしまったが、出て少し歩いたところで立ち止まり、話を続けた。
一通り話を聞いた大阪は
「えーほんまに出たんかー。わたしも見たかったなー。」
と驚いてみせる。本当に何も見ていないのであろう。
「でも、すっごく怖かったんですよ?私はもう二度と見たくないです」
「私も・・・ダメだ・・・」
榊もちよも、あからさまに嫌そうな顔をして答える。
「でもやー。すぐ後ろに来てた私には何も見えへんかったんは、なんでやろなー?
ひょっとすると二人とも、二人ともめっちゃ恐がりやから
わたしが言うたことと、急な大雨と雷さんで暗示にかかったんかもしれへんなー?」
あれほどの恐怖体験を暗示の一言で片付けられそうになったちよは、少しムッとなった。
あんなに怖かったのに、怖さのあまり気絶までしたのに・・・。それが暗示のせい?
しかし、見ていない者からしたらもっともな指摘ではある。あれは恐怖心の為せる業だったのかもしれない。
何より、ドングリまなこでこちらを見つめる大阪のほんわかとした顔を見ていると、本当にそんな気がしてきた。
少し気が晴れてくる。
「暗示ですか。そうかもしれませんね。私の苦手な雷もあったことですし、いろいろ怖い想像が働いたのかも知れません」
「・・・そうだね。怖かったけど、たぶん神経のせいなんだね。」
ちよと榊の表情が少しだけ晴れた。
「あー。そういうつもりで言うたんやのうて、わたしもその女の人を見てみたかったんやけどなー。」
「いいんです。気のせいですから」
- 583 :J小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 00:19 ID:???
- 《手土産》
「さて。帰りますか。お父さんとお母さんがきっと心配しています。」
ちよがそう言うと、榊と大阪も本来の目的、おつかいを思い出した。
「あー。はよ帰らんとお母はんに怒られるわー」
言いつつ大阪は、ちよと榊と同方向に歩き出す。
「大阪さん、家は反対方向じゃないんですか?」
言われて大阪は
「やーちよちゃんと榊ちゃんにはえらい恐い思いさせてもたから、せめて送らせて。」
とはにかんだ。
帰る方向を見ると先刻の豪雨が嘘のように晴れ上がり、
西の地平線に沈もうとしている夕日が壮大な夕焼け空を作っていた。
3人は後ろをふり返ったが、そこには何の変哲もない隧道がぼんやりと口を開いているだけである。
榊とちよにとっては、昨日までの見慣れた風景であった。
今はその風景に、言い表せない違和感を感じているのだが、その正体は未だに分からない。
やはり、大阪の言うとおり、暗示にかかってしまったのかも知れない。
やがて3人は家の方向へ向き直ると自転車を押し、
いつものように明日のことなどを話しながら歩き始めた。
強い西日に照らされて、彼女たちの後ろには影法師が伸び、ユラユラと揺れていた。
長い、長い、四つの影法師が・・・。
(fin)
- 584 :J小麦 ◆KOMUGI :2005/01/19(水) 01:01 ID:???
- 訂正します。
>>573
×「わー。ちよちゃんは今晩は中国人や。冷しゃぶにする榊ちゃんは日本人や。
○「わー。ちよちゃんは今晩は中国人や。寄せ鍋にする榊ちゃんは日本人や。
’’’’’’
>>582
×ひょっとすると二人とも、二人ともめっちゃ恐がりやから
○ひょっとすると、二人ともめっちゃ恐がりやから
- 585 :名無しさんちゃうねん :2005/01/21(金) 01:23 ID:N71DOFdc
- なんだここ?
- 586 :名無しさんちゃうねん :2005/01/24(月) 22:39 ID:???
- 身近にあるけどそれまでは気づかなくて、それが何のことのないある日に突然降りかかってくる、そんな恐怖。
最後の後味の悪いオチもいい感じ。
ちよちゃんと榊さんがよく通る道なのにそれまで幽霊に出会わなかったのは、大阪の話しで誘発された恐怖が幽霊を呼んでしまったという解釈でOKか。
それともそこいらは想像する面白しろさか。
- 587 :小麦 ◆KOMUGI :2005/01/25(火) 00:53 ID:???
- >>586
感想ありがとうございます。
>ちよちゃんと榊さんがよく通る道なのにそれまで幽霊に出会わなかったのは、
>大阪の話しで誘発された恐怖が幽霊を呼んでしまったという解釈でOKか。
>それともそこいらは想像する面白しろさか。
解釈は読み手に任せるのが私のやり方でございます。
その方が怪談は面白いと思いますので。
- 588 :名無しさんちゃうねん :2005/01/26(水) 20:14 ID:s7wI/cGE
- >>569
乙。
いつもながら文は上手いと思うけど、怖さが足りない。練りも足りない。
もうちょっとゾクゾクするような描写キボンヌ。
あと、必ずしも特定のキャラ視点で書くのがいいというわけでも無いような気もする。
キャラ視点で書くのは蛍石さんの流儀なんだろうけど。
>>573-583
とりあえず乙。
まぁそれなりにまとまってて面白かったけど、敢えて批判するなら
話の起伏が乏しい上に中途半端に長いから、せっかくの恐怖の描写もインパクトに欠けている。
もう少し削って5〜7レスぐらいにまとめればもっと怖く感じる話になったんじゃないかと思う。
落ちも面白いけど(憑いて来ちゃったってことだよな?)、何というかもう少しドラマティック
に描写した方がいいと思う。
- 589 :588 :2005/01/26(水) 20:21 ID:???
- あ、すまん。ageちまった。
一応sageとくわ。
いろいろ書いたけど、素直な感想としては面白かったんよ。
久々に投下されてて久々に読んで。
とにかく職人さん乙。
次作品期待してまつ。
- 590 :名無しさんちゃうねん :2005/01/27(木) 00:01 ID:???
- >>587
挽いてサーターアンダギーにしたいHNですね。
- 591 :小麦 ◆KOMUGI :2005/01/27(木) 01:05 ID:???
- 【衝動】
あぁっ。なんでこんなことに。
よみぃ、ごめんよ。
私、我慢できなかったんだ。
あんたの部屋に遊びに行くたびに、
あんたがそれをやるたびに。
堪えてたんだけど、今日は我慢できなかったんだ。
つい押しちゃったんだよぅ。
本当にごめん。
だからいつまでも寝てないで起きてっ。
目を開けてくれよぅ。
まず何をするべきかも分からず、
ただただ、オロオロとうろたえる智の足元で、
耳に深々と耳掻きが突き刺さった暦が倒れていた。
(fin)
- 592 :小麦 ◆KOMUGI :2005/01/27(木) 01:07 ID:???
- >>590
そう言われたのは初めて。
新鮮だ。
どうぞ僕の顔を食べてください。
- 593 :名無しさんちゃうねん :2005/01/27(木) 01:18 ID:???
- 初期のアンパンマンならお断りです。ハンニバルになりますから。
- 594 :名無しさんちゃうねん :2005/01/31(月) 11:53 ID:???
- >>591
アホかうぉのれはぁぁぁぁ!!!!!
>>593
よく考えたらあのアニメも「愛と勇気だけが友達」などと孤独ぶりを発揮して
自分の顔をはがして食べさせるなどの虐待行動、首が外れたり殴るけるなどは当たり前の
過度な暴力描写………。 そもそも首が外れて生きてるし…。人間は死んでも生き返ると
誤解を与えかねないな…
ったく…なぜ北斗の拳にキーキー言ってたPTAの奴等はあのアニメにはよぉ…。
- 595 :名無しさんちゃうねん :2005/01/31(月) 11:55 ID:???
- いかん…言い忘れる所だったぜ…。
禿ワロタw
- 596 :名無しさんちゃうねん :2005/02/01(火) 11:37 ID:YFwiX.D6
- age
- 597 :名無しさんちゃうねん :2005/02/01(火) 18:53 ID:???
- >>591
激ワロタ。
気持ちは分からないでもない。
- 598 :名無しさんちゃうねん :2005/02/05(土) 13:09 ID:???
- a
- 599 :名無しさんちゃうねん :2005/02/05(土) 13:10 ID:???
- >>591
なんか怖い話というよりは、痛い話のような気が。
でも確かに智ならやりかねん。
大阪もやりそうだ。
>>590,>>593
…何でSSと全く関係ないレスをするかな。
確かに別にここがSS専用スレというわけじゃないけども。
もうちょっとこれまでの流れや空気を読んでレス出来ないもんかね。
最近の大阪板全般の傾向だな。なんでも雑談スレ化するの。
>>594
あれ?あんたマッドライターだろ。
書き込み規制中じゃなかったの?
文章で誰なのか一発で分かるよね。
相変わらず他者への配慮の欠けた書き込みで…。
また規制喰らうぞ。もう少し学習能力は無いのか?
- 600 :◆szlil.l..Y :2005/02/05(土) 13:12 ID:???
- しかしそう言うあなたも空気嫁w
- 601 :名無しさんちゃうねん :2005/02/05(土) 14:24 ID:???
- >>600
揚げ足取るなや、脳味噌煮込みさんよ。
- 602 :名無しさんちゃうねん :2005/02/06(日) 13:32 ID:???
- >>599
上・中
これには概ね同意だし、もっともな意見だとは思いましたが、
下
は、貴方自身も配慮に欠けているような気が…。
>>601
脳味噌煮込み?
なんか凄い差別用語のような気がしますが。地域的なモノがあるのかな?
いずれにせよもう少し言葉を選べませんか?
でもまぁ、そんなことより、
職人さんの降臨キボンヌ
- 603 :名無しさんちゃうねん :2005/02/06(日) 21:37 ID:???
- こういうはなし かいてみたい
ttp://uso8oo.com/wara/bangai03.html
- 604 :名無しさんちゃうねん :2005/02/06(日) 23:37 ID:???
- >>603
犯人はちよで?
- 605 :名無しさんちゃうねん :2005/03/08(火) 23:36 ID:???
- >>569
何故ブラックコーヒーを飲むようになったのかがわからない俺も
アロンアルファで貼り付けられたほうが良いでしょうか?
よろしかったら解説お願いします。
- 606 :名無しさんちゃうねん :2005/03/09(水) 01:30 ID:???
- >>605
砂糖入りのコーヒーは眠気覚ましの効果が薄い
…ということではなかろうかと。
- 607 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/03/10(木) 01:17 ID:???
- >>605
眠らないようにする為です。
ブラックなのはその方が効きそうだからです。
実際には変わらなくてもね。
- 608 :涙のダイエット名無し :2005/04/01(金) 16:24 ID:???
- 水原板記念マキコ
- 609 :& ◆RWwNEVt54c :2005/04/25(月) 20:04 ID:???
- ちょっと、失礼します
ついさっき、他のスレッドを見てきたところ、
黒ちよ、黒大阪、黒恵那などをベースとした「あずまんが大王」×「銀狼怪奇ファイル」とか、
「あずまんが大王」×「怪奇倶楽部」とかみたいなのがあったら面白そうだという書き込みを見掛けまして
私も、確かにそういうのがあったら面白いと思いまして、どなたか、このスレッドで先に述べた二つのうち、
どちらかのSSをできたら連載もので書いていただけませんか?
(他力本願で申し訳ありません)
- 610 :名無しさんちゃうねん :2005/04/25(月) 21:12 ID:???
- >>609
うーむ、実は「自分の欲するものは自分で供給せよ」という「言い出しっぺの法則」というもの
がありまして、それはまぁ、本当に
「それを是非、私に書かせてください!」
とか言い出した人がいる場合は、話は別でしょうが。後、あなたは、言い出しっぺではないのでしょうが、
自分が読んでみたいというものは、自分で書くべきかと思うのです。
- 611 :609 :2005/04/25(月) 21:14 ID:???
- >>610
わかりました。勝手なことを言って本当に申し訳ありませんでした
- 612 :& ◆HLEBd9vFxY :2005/04/25(月) 21:17 ID:???
- >>611
いえ、こちらこそ偉そうに語ったりして、すみませんでした。
- 613 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/04/25(月) 21:42 ID:???
- 俺はその法則に引っ掛かって結構大変だけどそれでよかったと思ってるよ。
- 614 :名無しさんちゃうねん :2005/05/02(月) 06:35 ID:4d/FcUao
- 「THE RED ROOM」の続きがもの凄く気になりまくっているのだが
- 615 :名無しさんちゃうねん :2005/05/14(土) 19:50 ID:???
- さびれとるな〜
- 616 :名無しさんちゃうねん :2005/05/29(日) 09:46 ID:???
- グロまんがスレで結構怖い系列のSSが投下されとるがね
- 617 :小麦 ◆Pasco :2005/05/29(日) 16:10 ID:???
- >>616
上手い人が来てましたね。
グロい要素を抜いたSSをこっちでも書いてもらえないかななんて思いました。
書く意欲と時間がある人に期待!
- 618 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/06/13(月) 00:34 ID:xT499RP6
- 久々にSSの神様が降臨したので書いてみました。
【ちよちよ】
- 619 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/06/13(月) 00:34 ID:???
- エレベーターを降りたところで、気がついた。
アパートの、私の部屋のドアの前にたたずむ予期せぬ客。
「ちよちゃん?」
私が名前を呼ぶと、彼女は顔を上げた。
「榊さん。おかえりなさい。どうしたんですか?お酒の匂いがしますよ。それに
少しタバコくさいような」
「あ、ああ。コンパ帰りだから。それよりちよちゃんこそどうしてここに?」
2ヶ月前。卒業後すぐにちよちゃんはアメリカに留学した。
それから何度か手紙をやり取りしたけれど、帰国するなんて話は聞いてない。
「なんとなく榊さんに会いたくなって、来ちゃいました……ごめんなさい」
彼女は少し困惑したようにまた俯いた。
「ともかく、こんなところで立ち話もなんだし中に入ろう。話はそれから」
部屋の電気をつけると、今まで寝ていたらしいマヤーが耳をぴくりと動かし、そして
立ち上がってちよちゃんに向って威嚇の声をあげ始めた。
「こら、マヤー。ちよちゃんだろ?」
「私のこと忘れちゃったかな?でも元気そうで何よりです。
ここ、いいお部屋ですね。それにとってもかわいくてすごく榊さんらしいです」
「ありがとう。オレンジジュースしかないけれど、いいかな」
「いえ、お構いなく」
冷蔵庫からオレンジジュースを出し、キッチンでコップに注いでいると、後ろからぎゅっと抱きつかれた。
「ちよちゃん?」
「あの、私たちずっと友達ですよね?」
向こうで何かあったのかな?
私はそっと彼女の頭を撫でてあげた。
「うん、ずっと友達」
その時、電話がなった。
「ごめん、ちよちゃん。ちょっと待っててね」
私は彼女をなだめつつ離し、受話器を取って―-唖然とした。
なぜなら受話器の向こうの声は。
「もしもし、美浜です。今、日本は午後11時頃ですよね?随分帰り遅かったんですね」
ちよちゃんの声。
(どうして?)
何も答えられずに放心状態でいると、目の前の少女は全てを察したようにくすっと笑った。
「ずっと友達ですよね?」
そして立ち上がり、窓を開けて、出て行った。
(ちょっと待って!ここは四階!)
どさり
何か重いものを地面に叩きつけるような音。
「どうしたんですか、榊さん?」
受話器から聞こえた声がその夜の最後の記憶。
だから、あの時窓の真下に何があったかは知らない。
(完)
- 620 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/06/13(月) 00:35 ID:???
- いかん、久しぶりだとあげてまう……
- 621 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/06/13(月) 05:50 ID:???
- 怖い、怖いよ…
- 622 :小麦 ◆Pasco :2005/06/14(火) 00:40 ID:???
- >>618-619
お久しぶりの蛍石さんだ♪
忙しい合間のSS投稿、お疲れ様です。
こういう得体の知れない恐怖って好きです。
榊さんの前に出現したちよちゃんの正体が何なのか、
(何だと一番怖いだろうか?)
気になって今夜は眠れそうにありません。
どーでもいいけどお酒は20歳からだよ榊さんw
- 623 :臨死 ◆p.Yo7BdKcg :2005/06/15(水) 22:07 ID:???
- ピチャン。
額に水滴があたり、神楽は目を覚ます。
「あれ?」
「先輩。寝たら溺れますよ」
神楽の目の前には水泳部の後輩が顔を覗かせていた。
「寝てた?」
「はい。仰向けになってプールに浮きながらスヤスヤと。十秒くらいだと思いますけどね」
「あれ?ちよちゃんやともは?大阪・・・榊と水原はどこだ?」
神楽は辺りを見回す。
だが、いるのは水泳部員と顧問の黒澤先生。
「ここ。学校のプール?私、ちよちゃんの別荘で・・・あれ?」
「寝ぼけてるんですか?明日はインハイなんですから、今日は早めにあがってゆっくり休んだほうがいいですよ」
「え!?明日?・・・あ、あれ?私。寝ぼけて?え?」
納得出来ない顔でプールから上がる。
「大丈夫?神楽」
黒澤先生が近づいてきて声をかけてくれる。
「あ、はい。先生は別荘・・・あ、いいです。今日はもうあがります」
「えぇ。今日はゆっくり休んでね」
更衣室で着替え帰路につく。
夏の日差しと夏の音。
(私、ちよちゃんの別荘で遊んでたはずだよな。たしか、海で遊んでて・・・夢だったのかな?)
家に帰ると、いつものように母親が出迎えてくれる。
そのまま部屋に戻って上着だけを脱ぐとベッドに倒れこむ。
神楽は夢だとわりきってそれを何度も何度も思い出そうとする。
「インハイ出て・・・でも、結局2位で。その後にちよちゃんの家の別荘で・・・夏祭り・・・海」
鮮明に思い出される夏休みのこと。
2位で悔しい思いをしたが、榊たちと行った別荘は楽しいことだらけだった。
「でも、夢。なんだよな」
顔だけを横に向けてカレンダーを見る。
そこには、ある一日だけ○がついておりそこにインターハイと書かれている。
そして、その前々日まで×印で潰されていた。
今日がインターハイの前日であるということが確実となった。
- 624 :臨死 ◆p.Yo7BdKcg :2005/06/15(水) 22:07 ID:???
- 「え?優勝・・・?」
「やったじゃない神楽!!」
プールから上がった神楽の側に水泳部の仲間や黒澤先生が笑顔で祝福してくれる。
「私が優勝?2位じゃなくて?」
「何行ってるのよ。大会新よ大会新。さすが神楽ね」
電光掲示板もそれを示していた。
大会新記録を出し、2位に1秒近い差で勝っている神楽の名前。
「え?」
気づくと神楽は一人取り残されていた。
目の前にはもう一人の神楽。
その神楽は先生や仲間に囲まれ自分も笑顔で喜んでいる。
「違う。あれは私じゃない。私は負けた・・・1位の人に・・・1秒近い差で。自分の力が至らなくて」
もう一度電光掲示板を見る。
名前が変わっていた。
1位と2位の名前が入れ替わっている。
「そうだ。これが現実。私・・・そうだ、海で泳いでで、今日のこと思い出して・・・落ち込んで」
目を瞑ると、真っ暗な空間に徐々に夢だと思っていた部分が現実味を帯びて思い出されてくる。
「そうだ!溺れたんだ。苦しくて苦しくて」
神楽が目を開く。
そこは先ほどまで居たプールではない。
真っ白な部屋。
「あ、神楽さん!」
すぐそばにはちよが立っていている。
涙を流していたのか、その頬は濡れている。
「ちよちゃん。ここは」
「目を覚ましたのか!!」
「よかったぁ。神楽ちゃん心配したで」
「まさか、神楽がおぼれるなんてな」
「・・・でも、目を覚ましたのなら・・・もう、安心だ」
部屋の中に智、歩、暦、神楽が順番に入ってくる。
「えっくえっく。神楽さん死んじゃうかとおもって。っく」
- 625 :臨死 ◆p.Yo7BdKcg :2005/06/15(水) 22:08 ID:???
- 海で溺れた神楽は、榊と黒澤先生に助けられ病院に運び込まれたが、意識は戻らなかった。
結局、彼女が目を覚ましたのは、溺れてから3日後のこと。
それまでずっと、彼女の友人たちは代わる代わる部屋で様子を見ていたのだ。
「みんな。心配かけてごめん。あと、ありがとう」
「えへへ。いいんです、ちゃんと目を覚ましてくれましたから」
「じゃあ、あれは夢だったのかな」
「夢?」
神楽は意識の無い間に見ていたものを教えた。
「走馬灯やな」
「大阪さん、走馬灯は意識のある時に見るものですよ」
「・・・それは多分、臨死体験だと思う」
「それって、賽の川原が見えたりするやつじゃないのか?」
暦が榊に問いかける。
「憶測だけど・・・神楽さんが一番悔やんでいた時間・・・それを無くすことで不安を消すとか」
「あぁ。そういえばよく、お花畑が見えるとそういうのもあるな。快楽の方に行ったら死ぬって言う」
「じゃ、じゃあ。神楽さんがその夢の大会で満足してたら」
ちよの問いに神楽が一気に青ざめる。
「・・・よく生きて帰ってきたな!!」
智が神楽の背中をバシバシと叩く。
「ほんまや。ともちゃんなら絶対に死んでるで」
「どういう意味だよ」
病室の中に苦笑が漏れる。
「神楽さん」
「ん?」
「これからは気をつけてくださいね。がんばれば大会には何度でも出れますけど、死んじゃったらおしまいなんですから」
「・・・うん。そうだよな。今回は負けたけど、次頑張ればいいんだ。悔むよりは努力だな」
「はい!」
ちよの笑顔。
それを見て、初めて生きているという実感がわいてきた神楽だった。
(完)
- 626 :限界 ◆p.Yo7BdKcg :2005/06/15(水) 22:09 ID:???
- 恐怖SS投下。
まぁ、内容はあまり怖くないんですけど。。。
7割が実体験。
あはは、改め客観的に書いてみて少々青くなりましたとさ。
次回も恐怖系の予定。でわ
- 627 :名無しさんちゃうねん :2005/06/15(水) 22:26 ID:???
- たまにはこういう終わり方の話も良いと思いますよ。
次回作も期待してます。
- 628 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/06/16(木) 02:26 ID:???
- なんとなくもう一本
あんまり怖くないかもしれませんが
【あーゆーあゆむ?】
- 629 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/06/16(木) 02:26 ID:???
- 「ねえねえ、ちよちゃん。夏は怪談だよね」
またです。智ちゃんは私が怖がりなのを知っていてわざと。
でも、もう私も高校三年生です。いつまでも怖がりで良い訳がありません。
「そうですねー。やっぱり夏は怪談ですよね」
「お、ちよちゃん、いつになく乗り気だね。じゃあ、取って置きのお話を
してあげよう」
そんな気遣いはいらないです。
でも、受けて立ちましょう。
「ある夜のこと。妙に寝苦しくて天井を見たら、なんか変な影があったんだ。
それで、よーく目を凝らしてみたら、それは人の形をしてたんだよね。
その人は私も、ちよちゃんもよく知ってる人だった。誰だと思う?実は私だった
んだ。私がね、私を天井からじっと見下ろしていたんだよ。
そう気がついた途端、天井の奴はにやりと笑って、こう言った。
『おまえ、もう随分生きてきただろう。そろそろ私と替わってくれないかな』」
……
取って置きの話というから身構えていましたが、その話なら安心です。
元ネタは大阪さんの夢です。
「こんな夢をみたんや〜」って前に大阪さんが話してくれたストーリーに
語りを入れて私を怖がらせようとしているだけですね。
私がもう見破っていることも知らず、智ちゃんは話を続けます。
「その時、私はぞっとしたね。でも、そいつはそんな私をあざ笑うように
ひたひたと近寄ってくるんだ。『なぁ〜、いいだろぉ〜』
それで、私はトイレに逃げ込んだんだ。しばらくして、もういなくなったかな
と思ってドアに耳をつけて外の様子をうかがうと、なんかザッザッて軍隊みたいな
足音が聞こえてくるんだ」
「智。無駄だよ。ちよちゃん、もう作り話だってわかってる」
よみさんが私の余裕に気づいたようでツッコミを入れます。
「作り話やったんかー。真に迫っていたから本当の話かと思ったわ」
「どこがだよ」
返す刀で大阪さんにも突っ込みを入れるよみさん。
……あれ?
ちょっと待ってください。
えーと、大阪さん、自分の話した事を忘れているだけですよね?
……本人、ですよね?
(完)
- 630 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/06/16(木) 04:57 ID:???
- >>626
夢、怖いですね
神楽ガンバレ
>>629
こ、こわ〜、入れ替わってるん?
- 631 :名無しさんちゃうねん :2005/06/16(木) 08:41 ID:mHQsjaB2
- ようやく3/4ですね……
フフフ……
- 632 :へいちょ :へいちょ
- へいちょ
- 633 :& ◆LMRaV4nJQQ :2005/06/16(木) 22:28 ID:???
- >>632
何なんだいったい!?
- 634 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 10:43 ID:???
- >>80氏の設定使わせてもらっていいか…?
貞子がビデオの掟には逆らえずまた大阪のもとへ…
と言う話考えたんだがね…。
やろうとすれば>>80氏の設定無くとも出来そうだけど使った方が設定スッキリ
としそうなんで…。
- 635 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 18:24 ID:???
- きのう物凄い、恐ろしい体験をした
私のやないオナラに…ストーブが引火したんや
- 636 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 20:55 ID:2BwFWeIQ
- >>635
その恐ろしさは次元が違うよ、死んじゃうって(汗
- 637 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 21:00 ID:???
- ageのままだったすいません。
しかし皆上手いの考えて凄いな、これからも期待して読みます
- 638 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 22:50 ID:???
- きのうものすごい、恐ろしい体験をした…。
実はあたし、10日くらい前和歌山の友達から呪いのビデオを
送ってもらったねん…
それで昨日が丁度一週間の日やったんや。
昨日あたしが電気点けたまま寝ていると自分のくしゃみで目が覚めたんや。
するとなー消しといたはずのテレビが付いていて何かうつってんねん。
あかん、電気代がもったいない、このテレビの電気代で世界中の子供達が救える
かもしれへんのにーと思って電源切ろうと思ったんやけどいくらスイッチ押しても
何の反応も無かったんや。
それでな、大工さんが配線間違えたのかもと思ってチャンネルボタンや音量ボタン、
ステレオモノラル切り替えボタン、そんでしまいには色とか音声の傾きのつまみとかやってみたん
やけど色彩も音も変えられないねん。コンセント抜いても同じやった。
- 639 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 22:52 ID:???
- こらあかん、壊れてもうたと思っておとーさん起こそうと思ったんやけど
ドアが鍵付いてないのにノブも回らなくなっててー、困ってたんや。
結局それで自分で直したると閃いて何か机の中に閉まっているレンチとかトンカチとか
色々試してみたんやけどテレビのネジが全くビクともしないねん。
新品やからネジが壊れているなんて無いはずなのに、
思ってたら(自分の足に躓いて)転んでレンチもトンカチもドライバーも全てテレビ
に大命中したんや。
それで壊れてもうたか? と見てみたんやけど傷一つ点いてなかった。
するとしばらく見ているとな、髪の長い女の人が出てきた
そんでビショビショのまま近づいてきたんや。
両手の怪我は治ってたみたいやけどまたビショビショのままやと
風邪ひく思てタオルを取ってこようと思ったんやけど思うように体がうごかへんねん
- 640 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 22:53 ID:???
- それでなー少しずつ近づいてきてそんでもって私の目の前に来た所で─────
「「大阪──────!!!!」」
「ああ〜〜」
ドガラッシャーーーン
智と神楽、ボンクラーズの両名が大阪のそれぞれの足を掴んで引き倒す。
「あ、あ あ あ あ」
「足はあるよな!?幽霊じゃないよな大阪!?」
大阪の足を確かめるように摩り、つねって、弄繰り回す二人。
「あはははは、痛い、痛い智ちゃあはははは…」
「滝野智中尉、大阪の存命を確認しました」
「了解、引き続き大阪の証言をとれ!」
神楽と智が軍隊のようなやりとりをする。
- 641 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 22:54 ID:???
- 「そ…それで一体…どうなったんですか?」
と、真っ先に逃げようとしたが智に捕獲されて強制的に聞かされていたちよちゃん。
「ああ、それなー。今ここにおんねん」
その場に居た全員ギクリと氷つく。
大阪はポケットから『それ』を取り出した。
そこには…
「な…な…な…」
よみが大阪の持っている物を指差して口をパクつかせる。
「なんだそれ…」
大阪が両手で持てる程度の大きさの『アレ』が居た。
『アレ』とは、つまりバービー人形サイズの貞子。
「ケホ…ケホ…」
その掌サイズの貞子は狭い大阪のポケットが息苦しかったのか顔を真っ赤にして
息が荒かった。
「なんだそりゃああああああああ!!!」
- 642 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 22:57 ID:???
- 大阪の話によると昨日の夜彼女がテレビから出てきたのはいいが、
そのテレビが超小型サイズのテレビだった為にそうなったとか…。
やがて息を整えた彼女は大阪の掌でハッと顔を上げる。
どうやら自分がたくさんの人物に見られているのに気付いたようだ。
そして長髪の隙間から上目を見せる、いわゆるあの数多くの男女の心を射止めた
貞子殺拳奥義睨み殺しを行う。
が…全く効き目は無い。
実物大だとショック死させるあの攻撃もフィギアサイズだと可愛い物だった。
「……………クス」
ハムスターのように全く迫力の無い威嚇をする彼女に思わずちよは微笑みをこぼした。
先ほど『どかーん』モードに切り替わりかけた様子はもはや残っていない。
「「あーはっはっはっはっは」」
ボンクラコンビはコンビで遠慮が無い。
ちよと智&神楽のトリプル笑い声に烈しく打ちのめされる彼女…。
体勢は俗に言うorzとなっている。
- 643 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 23:00 ID:???
- 「大阪の天然は呪いすらも打ち破るのか…!?」
真剣に論文を作って発表しようかと悩んでいるよみ。
と、そこに
「それ…」
ふと気が付くと、いつの間にか行方不明になってた榊が
姿を現していた。
ジロジロと顔を近づけて凝視する。
貞○も負けずと睨み殺しで返すがやっぱり効果は無い。
そして榊から次の一言を貰い、彼女は
「可愛い…」
「///」
頬を赤く染めた。
- 644 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 23:01 ID:???
- その後変わった事。
呪いのビデオの噂がその後プッツリと途絶えてしまった事。
ちよ家の住民が忠吉、マヤーに次いで増えた事。
その住民は普段はマヤーや忠吉に跨って、今は智にねこじゃらしで突付かれている事。
変わらない事。
彼女達の平和な生活。
終
- 645 :名無しさんちゃうねん :2005/06/18(土) 23:58 ID:???
- 以上、
ちなみに貞子が乗り移ったTVは破壊出来ないってのは脳内設定
・変更点
「ごめんなさい…掟なの…あなたを…さなきゃ…」などのように
>80とつながりの有る台詞や描写を数箇所カット。
- 646 :名無しさんちゃうねん :2005/06/19(日) 02:58 ID:???
- 昨日、普通の路上を歩いとった金髪で筋肉質なオッサンがいきなり
「ザ・ワールド!」とか叫んでいきなり目の前から消えたと思ったら
今度は別の人が空から急に降ってきおったねん
恐ろしかったぁ〜・・・
- 647 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/06/20(月) 21:41 ID:???
- 昨日、普通の路上を歩いとった変な色の植物みたいな髪形のオッサンがいきなり
「俺のそばに近寄るなァーーーッ!!!」とか叫んでいきなり目の前で車に轢かれたと思ったら
今度はまた同じ人が空から急に降ってきおったねん
恐ろしかったぁ〜・・・
便乗してみました、>>646さんごめんなさい
- 648 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/06/20(月) 21:47 ID:???
- 昨日、血だらけの怪我人が路上にいたから近寄ったら急に手に頬ずりされて
「勃起しちゃいまして…」とか叫んでいきなり目の前で救急車に轢かれたと思ったら
こんどはまたその人が安心なんてないところに連れて行かれたねん
恐ろしかったぁ〜・・・
便乗スマソ
- 649 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/06/20(月) 22:58 ID:???
- 昨日、普通の路上を歩いとったら目の前の黒人のオッサンがいきなり
「時は加速するッ!!!」とか叫ぶといきなり首にかかる力がなくなって
振り返ったら空中をぶらぶらと手首が飛んどったねん
恐ろしかったぁ〜・・・
ボスキャラ総出演の予感・・・スマソ
- 650 :名無しさんちゃうねん :2005/06/20(月) 23:45 ID:???
- 元ネタあまり知らない私にはどうとも(ry
きのうものすごい、おそろしい体験をした。
ある日私が部屋にいると髪の毛を金髪にした兄ちゃんとデブのおッちゃんが
現れて「わ わりぃここしか無かったんだ」と言ってたんや…
- 651 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/06/21(火) 00:02 ID:???
- そのデブのおっちゃん…ちよちゃんのお父さん…?
- 652 :名無しさんちゃうねん :2005/06/21(火) 00:28 ID:???
- いや…つまりドラゴンボールが元ネタでだ、
それで金髪=孫悟空 デブのおっちゃん=セル で状況は間も無くセルが自爆
しそうなんで止むを得ず大阪の家に避難してきたと言う…
また滑ったギャグを解説するハメになろうとは…orz
- 653 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/06/21(火) 00:30 ID:???
- いやいやDBってのはわかってましたけど
セル=若本=ちよ父なんで
確かに説明するのは辛いですね
- 654 :名無しさんちゃうねん :2005/06/21(火) 22:58 ID:???
- あ〜…そうかなるほど…。
- 655 :名無しさんちゃうねん :2005/07/04(月) 01:45 ID:fC2Cw4.U
- 亀レススマソ。
>>618-619のSSを読んだ直後、
>榊さんの前に出現したちよちゃんの正体
について、私は真っ先に
『ドッペルゲンガー』
という言葉を頭に思い浮かべました。
- 656 :名無しさんちゃうねん :2005/07/29(金) 09:43 ID:???
- 68話:>>534-535,『(^^)』,蛍石氏,智&(ちよ)
69話:>>543-550,『見てはいけない物』,MAD WRITER氏,大阪&智
70話:>>558-562,『血みどろ』,MAD WRITER氏,私
71話:>>569,『アロンアルファ』,蛍石氏,よみ&智
72話:>>573-584,『隧道』,小麦氏,榊&ちよ&大阪
73話:>>591,『衝動』,小麦氏,智&よみ
74話:>>618-619,『ちよちよ』,蛍石氏,榊&ちよ
75話:>>623-625,『臨死』,限界氏,神楽&オール
76話:>>628-629,『あーゆーあゆむ?』,蛍石氏,ちよ&智&大阪
77話:>>638-645,『無題』,名無し氏,大阪&オール
- 657 :名無しさんちゃうねん :2005/07/30(土) 03:49 ID:???
- 怖い話
ttp://horror.dot.thebbs.jp/r.exe/1070091645.e40
だいぶ昔の板だが。
- 658 :名無しさんちゃうねん :2005/08/11(木) 12:40 ID:FCSny0gI
- 夏age
- 659 :名無しさんちゃうねん :2005/09/03(土) 03:37 ID:???
- 新作来たれ!
- 660 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/10/17(月) 06:58 ID:???
- 小ネタ。
【何か】
- 661 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/10/17(月) 06:58 ID:???
- 榊さんのお膝で眠っていたマヤーが、ふと起きだすと、天井の隅を凝視しはじめました。
でも、その視線の先を見ても、特に何もありませんでした。
だから私は冗談で、「猫さんには私たちに見えない何かが見えているのかもしれませんねー」って言ったんです。
そしたら大阪さんが一言「せやな」って。
妙に真剣な声で。
気がつくと、大阪さんもマヤーと同じ天井の隅を凝視していたんです。
(完)
- 662 :名無しさんちゃうねん :2005/10/17(月) 10:49 ID:???
- 大阪も何を見ていたんだろう…ちよちゃんもそんな2人と1匹と大変だ
- 663 :名無しさんちゃうねん :2005/10/17(月) 22:39 ID:???
- それは目の中のゴミや
- 664 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/10/31(月) 00:38 ID:???
- ある意味怖い話。
【薬】
「あーあ、お前は幸せだよな、大阪。それだけでおなか一杯になるなんて」
その言葉、待ってたんや。
今なら渡しても不自然やない。
心臓がバクバクするけれど、顔に出さんよーに、出さんよーに。
「ほなら、ええモンあるで?飲むだけですぐ痩せられて、しかもな、勉強の効率が上がる薬なんや」
ちゃんと用意しておいた言葉やけど、それでもなんか声が上ずる。
よみちゃんは怪訝そうな顔をして聞き返してきた。
「そんな魔法みたいな薬があるのか?」
「あるんや。ほら」
私は汗ばむ手で紙でかわいく包んだ錠剤を筆箱から取り出した。
嘘は言うてへんで。ほんまに痩せられるねん。集中力も上がるねん。
「ま、とりあえず騙されたと思って」
「ふーん」
よみちゃんの指が少し逡巡して、それから意を決したように包みを摘み上げ。
解いて。
錠剤を手のひらに移して。
口に放り込んで。
お茶をぐいっと飲み乾した。
……飲んだ。
成功や。
- 665 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/10/31(月) 00:38 ID:???
- この間、夏休みに一緒にマグネでバイトしていた男の子が、今私が言った謳い文句でこの薬を勧めてきた。
すぐにわかった。
顔色悪かったし、私の目を見ていなかったからなー。
やめられへんけどお金が足りなくて、売ったら回してやるとか言われて、それで私やったら押しに弱いと
思ったんやろな。
そのとおりやから、少しだけ買ってあげた。
でも絶対使えへんし、かといって捨てるのも怖かったから今まで机の奥にしまっておいたんやけど。
それだけでもこの魔法の薬に毒されてしまったのかも知れん。
ごめんな、よみちゃん。
私だって、ただ智ちゃんと出会うのが遅かったってだけであきらめられるほどには、人はよくないねん。
十五年の差は、二人が一緒に居る限り絶対縮まらん。
方法は一つ。
よみちゃんを智ちゃんの目の前から取り除くことしかない。
二、三日経ったら、きっとよみちゃんは喜びの表情を顔一杯に浮かべて私に聞いて来る。
「よく効いたよ。あれもっとほしいんだけど、なんて名前でどこで売ってるんだ?」
そしたら予定通り、売ってくれたあの子の名前を告げる。
これで私の役目は最後や。
あとは放っておいても、勢いのついたトロッコのように、物事は走りつづける。
数ヵ月後、よみちゃんは私たちの前から消える。
きっかけを作ったのは私やから何か言われるかも知れへんけど、そんな薬とは知らんかったで通せばいい。
ガクガクブルブルして涙の一つも浮かべれば、かえって同情してくれるかも知れん。
それが3ヶ月前の話。
何であんなこと考えてしもうたんやろな。
運命のトロッコは私が考えていたよりももっとずっと走ってしまった。
注意力散漫な智ちゃんをなんとかしようと、よみちゃんがあの薬を飲ませてしまうなんてな。
そんなこと,予想もせんかったわ。
私は友達を二人も不幸にしてもうた。
もう戻れない。
どうせ戻れないなら、せめて全て忘れてしまいたい。
この薬は、私の願いを叶えてくれるやろか。
- 666 :名無しさんちゃうねん :2005/10/31(月) 22:08 ID:???
- 久々の作品だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
- 667 :名無しさんちゃうねん :2005/11/01(火) 08:23 ID:PsIHnqDk
- 唐揚
- 668 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/11/01(火) 20:23 ID:???
- >>664-665
ガクガクブルブル(AA略)・・・ってヤツですね。
こういうのもなんですが、今回の大阪はあの同人誌を俺の中で越えましたよ・・・
GJ!!
- 669 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/11/26(土) 13:16 ID:???
- ちょっと毛色の変わったもの
【異本】
- 670 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/11/26(土) 13:16 ID:???
- ちよちゃんの残した書類が、灰になってゆく。
全て燃えたら、アクセサリーを粉々にしたあとであの本を探しに
行こう。
あれはこの世にあってはならないものに違いない。
例え事件の謎を解く手がかりであったとしても。
事の起こりは4ヶ月前。
まだ夏の盛りの頃だ。
突然私のアパートを訪れた神楽は、思いつめた表情で言った。
「榊。あまり時間が無いから率直に言う。あんたを見込んで頼み
たいことがある。預かって欲しいものがあるんだ」
そうして彼女は私に古びた本とアクセサリーのようなものを手渡
した。
本はひどく不快な手触りの革が張ってあって、題名はかすれて読
めなかったが、アクセサリーにははっきりと何かが刻まれていた。
魚ともトカゲともタコともつかない奇妙な生き物の紋章の周りに
記された文字も、なんとか読むことが出来た。
ただし、私には全く意味不明ではあったけれども。
神楽は続けた。
「私はしばらく旅をしなきゃならない。もしかしたらもう戻って
これないかもしれない。もし、そうなったら……3ヶ月たっても
私が戻らなかったら、本は焼き捨て、聖印は誰にも知られること
なく処分して欲しい。
これらの事を忠実に行って欲しい。そうしないととてつもない
不幸が訪れるかもしれないから」
そして、ちらりと時計を見ると慌てたように「頼んだからな!」
と言い残し、走り去った。
「あ、待って」
呼び止めたけれど、待ってはくれなかった。
- 671 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/11/26(土) 13:16 ID:???
- そして神楽はそれ以来姿をあらわすことはなかった。
だから3ヶ月たったあの日、みんなに電話をかけてみた。
訳を話して神楽がどこに言ったか知らないか聞いてみたんだ。
結局誰も知らなかったけど、アクセサリーの表面に刻まれていた
意味不明の言葉−ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るる
いえ うがふなぐる ふたぐん−をちよちゃんに伝えたら、もし
かしたら件の本を調べてみればわかるかもしれない、って言った
んだ。
私は迷ったけれど、一縷の望みを託してちよちゃんに件の本を送
った。
でも、それは間違いだった。
ちよちゃんは死んでいた。
アーカムという町の、小さな宿屋で。人知れず。
丸っこい、特徴のある彼女の文字で記された書類−おそらくはあの
本の訳文−を前にして。
耳まで避けそうな笑顔を浮かべ、机に突っ伏したまま息絶えていた。
私は書類を読んだけれど、内容は覚えていない。
途中で気絶してしまったから。
おそらくは本能がブレーカーを落としたんだろう。
でもちよちゃんは、理解してしまったんだろう。
だから。
あの忌まわしき本は、なぜか部屋中を捜しても見つからなかった。
その本を探し出して処分することが私の使命だ。
例え一生かけたとしても。
それが神楽との約束であり、ちよちゃんへの償いだから。
(Fin)
- 672 :名無しさんちゃうねん :2005/11/27(日) 00:33 ID:???
- おぉ!ラヴクラフトだ!
- 673 :名無しさんちゃうねん :2005/12/03(土) 17:42 ID:2u0kHMxA
- キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!
- 674 :名無しさんちゃうねん :2005/12/18(日) 23:22 ID:???
- >505-512
遅レスだけど、最後みんな蟲に食われたの…?
どかーn(ry
- 675 :名無しさんちゃうねん :2006/01/28(土) 22:50 ID:???
- 期待あげ
- 676 :名無しさんちゃうねん :2006/01/28(土) 23:16 ID:???
- あげるならこのくらいageようぜ
- 677 :名無しさんちゃうねん :2006/01/28(土) 23:16 ID:mq0QByRw
- ……('A`)
- 678 :眠名有 :2006/01/29(日) 20:26 ID:6.XOHgEw
- 編集室の>>345の公約を守りに参上しましたよ!
- 679 :ボタン :2006/01/29(日) 20:27 ID:???
- 周りを見回す。
何もない。
あるのは台座と、その上に設置された、赤いボタンだけ。
一人の少女がそれに手をかけようとすると、どこからともなく、声が聞こえた。
必死に彼女を制止するような声が……
だめです!それを押したら―――!
- 680 :ボタン :2006/01/29(日) 20:27 ID:???
- 教室の中央。
いつものメンバーが話しているのは、智の夢についてだった。
「でさぁ、今日もその夢だったんだよ」
「はぁ?お前今日で五日連続だぜ?」
「ともちゃんは何で毎回毎回押すですか!もう」
智が、業務上過失致死で、ちよをボタンで死なせてしまうという夢。
これが四日も続いたのだ。
「でも、何か変だよな。それ」
確かに気になることではある。
「でも、もしかしたら、もしかしたらやなぁ」
「何が?」
大阪が、別荘での怪談話などに見せた表情で話し始める。
「ほら、よく言うやんか。同じ夢が何度も続くと、それ現実になるって」
「!!!!」
大阪の言葉に、全員(特に榊)が驚く。
沈黙が、ほんの一瞬だけ続いた。
「わ、私はともちゃんに殺されるんですか?」
「されるかもしれへん」
「そんなー、ともちゃんでも実際には押しませんよ」
苦笑いしてちよが言う。
だが、彼女と智以外は、おそらく確信しているだろう。
智は「押す」と。
「そうそう、私は押さないよ。あったりまえじゃん」
「…………」
信じられない。
「でもやっぱりネタバレって面白くないよねー。二日目はもう「押したら」の部分で押したし、今日なんて「だめ」の部分でもう押しちゃった」
「自慢することじゃねーだろ」
すかさずによみの突っ込みが入った。
- 681 :ボタン :2006/01/29(日) 20:27 ID:???
- その夜。
今日も、その場所だった。
真っ白くて、何もない空間。
そして、その中にある台と、その上のボタン。
ただいつもと違った点は、ボタンとの距離がかなり遠いこと。
百メートルくらい離れている。
「とうとう、ここまで来ちゃいましたね」
「その声、ちよちゃんか?」
ふと、後ろから声が聞こえた。
振り向こう、と思ったが、まったく振り向けなかった。
金縛りにあったいるように、指一本動かせない。
動かせるのは、顔の部位だけ。
首すら動かせない。
視界の左端からちよが現れ、寂しそうな目で見つめていた。
「ちよすけ、しつこいぞー。どうせ毎日私にボタンを押されてるくせにー」
「ともちゃんはあのボタンの恐ろしさを知らないからです!!」
ちよが怒鳴った。
この気迫の前に、流石の智も、笑みを失った。
「私のあのボタンは最初じゃないんです!あれは最期なんです!!」
智にはいまいち状況が良くわからないようなので、さらに付け足す。
「二日目からはこう言おうとしたんです。『それを四回押したら、ともちゃんは死にます!』って!!」
「え、おい。どういうことだよ?私、死んじゃったのか!?」
智は、突然のことなので、泣き出すというよりも、焦っているように見える。
「もう少しで、私みたいになります」
「?」
「ほら……」
ちよが智に腕を突き出すと、それは彼女の胸をすり抜けた。
「!!」
「あとは、私みたいにならないためにともちゃんができることは…… 大阪さんを止めることです」
「え、大阪?」
いつの間にか、例のボタンの前に、大阪が立っていた。
「あのボタンが、ともちゃんの命です。大阪さんからは私を見ることも、聞くこともできませんから、ともちゃんが自分で止めなきゃいけません」
不意に金縛りが解け、地面に倒れこんでしまった。
「ちよちゃ……」
「何やってるんですか!早く大阪さんを止めないと!!」
涙を飛ばしながら、ちよが叫ぶ。
そうだ、あれを止めなければ!
「大阪ぁっ!!」
智は大声で怒鳴った。
意味の無い奇声を上げるときよりも。
悲鳴を上げるときよりも。
智は必死に走った。
榊との競争のときよりも。
運動会のラストスパートよりも。
「なんや〜?」
プチッ
- 682 :ボタン :2006/01/29(日) 20:28 ID:???
- それは、まるでマリオネットの糸を切ったようだった。
智の全身から力が抜け、倒れた。
「あああっ!と、ともちゃん……」
大阪が泣きながら智に駆け寄る。
「ごめん、ごめんな……」
そう言った後、彼女はフッと消えた。
それから数分して、目の前が暗くなった。
数秒の闇の後、鏡が置かれていた。
自分が立っている。
少しにやついた顔で。
立って……?
ありえない。
自分は大阪にボタンを押され、倒れたはずだ。
そして、今も頬には地面の感覚がある。
これは……
「あ〜〜〜、今日から私が滝野智かぁー!」
突然、声があたりに響いた。
私の声だ。
と、智は思った。
「やっとこの時がきたかー!現実世界だ、現実世界だぁ!!ひゃっほー」
まるで遊園地の時のようなはしゃぎっぷりで、前にいる“智”が踊りだした。
「だ、誰だよあんた」
智が恐る恐る尋ねた。
ふと、金縛りが解けていることに気づき、立ち上がる。
こうしてみると、この“智”が本当に自分そっくりで、前に鏡があるだけなんじゃないかと思えてしまう。
もちろん、こちらが右手を動かしても、相手は何も反応しない。
「私?私はあんただよ。何言ってんの?」
“智”が聞き返す。
「お疲れさん。今日から私が滝野智だから!そんじゃ、そーゆーことで」
「ちょっと、私はどうなるんだよ!」
その”智”の服を引っ張ろうとした。
腕は、彼女の体の中を通り過ぎた。
「え?」
「今日から、私が現実の滝野智。あんたが、夢の中の滝野智。じゃ、そーゆーことね」
「待てよ、おい!待てったらぁ!!」
必死になって“智”を掴もうとするが、無駄な努力に終わった。
大阪の時の様に、“智”の姿がだんだんと薄くなり、消えた。
真っ白い世界に、智はただ一人取り残された。
そこに“智”の声が響く。
「ま、安心しろよ。すぐに友達がくるさ」
- 683 :ボタン :2006/01/29(日) 20:29 ID:???
- 数週間
「あんなー、この頃妙な夢見るねん」
大阪がよみに話しかける。
「?」
「ほら、ともちゃんがちよちゃんをボタンで死なせてしまう夢あったやんか」
「ああ」
「あれのともちゃんバージョンの夢を見とるねん。四連続で」
その会話を聞いていたちよと智の顔が、一瞬笑ったような気がした……
- 684 :眠名有 :2006/01/29(日) 20:31 ID:???
- 以上、>>289のリメイクでした。
- 685 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/29(日) 22:21 ID:???
- >>679-683
お疲れ様です・・・・・・・怖い。
閉じ込められ系は昔からツボ(恐怖麺での)なんですよ・・・。
ずっと一人ぼっちって言うか、日常から完全に隔離されてしまったって感じで。
しかもこの話を読んだあとにコミックを読んでみると・・・更に怖いですね。
GJです。
- 686 :名無しさんちゃうねん :2006/01/30(月) 19:57 ID:???
- kowakatta...
- 687 :名無しさんちゃうねん :2006/01/31(火) 01:34 ID:???
- すっげぇ…こわかった!
Goodjob!!
- 688 :◆KOMUGI :2006/01/31(火) 01:45 ID:???
- >>684
GJ!
名有さん、どんどん上手くなっていきますね。
その上達振りを見ていると、「継続は力なり」という言葉の意味がよくわかります。
- 689 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/01(水) 00:02 ID:???
- ふと思いついたネタを勢いに任せて30分で書いてみました。
【SS書き】
- 690 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/01(水) 00:02 ID:???
- あら、滝野さん、まだいたの?
もう帰ったと思っていたのに。
え?イゴールナクって何かって?
どうしてその言葉を知っているの?
……そっか、読んじゃったんだ。私の小説。
隠しておいたのに。
うん、そうよね。隠しておくとよけい読みたくなるものよね。
特にあなたの場合は。
「もう長い間、イゴールナクは壁の向こうで眠っている。レンガを乗り越えてそこに入り、
眠るイゴールナクの体の上を横断する者がいても、それがイゴールナクだとは気がつかな
いであろう。しかし、彼の名を口にしたり、書き物の中にある彼の名を読んだりすれば、
彼はやってくる。」
グラーキ黙示録の一説よ。
でもね、私の名前を知った人は生かしておいてはダメなのよね。
冗談?ううん。本当よ。
あなたの首筋って綺麗よね。
うっとりしちゃう。
……謝る必要なんてないわ。
だって、私のことあなたに知って欲しかったんだもの。
うふふ。脈が速くなったわね。
私も同じよ。
ドキドキしているの、わかるでしょう?
力を入れるにしたがって、紫色に変わっていく顔。
飛び出る目の玉。
痙攣する脚。
失禁。
痺れちゃう。
だけど楽しみは長く続かないのよね。
ほら、もう死んじゃった。
まあいいわ。次があるし。
あなたの首筋も負けず劣らずステキよ。
(Fin?)
- 691 :名無しさんちゃうねん :2006/02/02(木) 22:50 ID:???
- ようやく意味がわかった。
こわ〜
- 692 :名無しさんちゃうねん :2006/02/05(日) 01:34 ID:???
- あ、なるほど。ゾクッときますた。
次は小ネタでないSSをキボンヌ。
- 693 :名無しさんちゃうねん :2006/02/08(水) 00:09 ID:???
- こ、こわー…
でもちょっと上の二人が何に対してなるほどといっているのかが分からないのですけど…
一番最後の一行ですよね?
- 694 :名無しさんちゃうねん :2006/02/10(金) 01:21 ID:???
- そうだね
- 695 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:28 ID:???
- 恐怖系は初めてです・・・
恐いかなコレ?うーん・・・
投下いきます
「山小屋にて」
- 696 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:29 ID:???
- 「私の、私のせいなんですっ・・・私が皆をスキー旅行になんて誘わなければっ・・・!」
「落ち着いてください、美浜さん。・・・お友達は我々が必ず救助しますから。とにかく落ち着いて」
「あ・・・は、はい。すみません・・・取り乱してしまって」
「ええ、大丈夫です。・・・お友達を見失う直前の状況を・・・詳しく教えていただけますか?」
「あ・・・は、はい・・・吹雪が強くなってきたので・・・先行していたともちゃ・・・滝野さんと・・・春日・・・さんを皆が止めようと追いかける形で・・・」
「・・・成程。その後は・・・どうなりましたか?・・・」
「吹雪に巻かれて・・・気が付いたらっ・・・私以外の皆がいなくなってて・・・・・・」
- 697 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:30 ID:???
- ―豪雪。山の天気は変わりやすい。極寒の中においては、スキーウェアを着ていても、体は徐々に冷えていくばかりである。
絶望的な状況。・・・そして追い討ちをかける出来事が、ちよを除いた5人に降りかかっていた。
「大阪っ!おい大阪っ!しっかりしろ!」
神楽の怒号に近い叫びも、豪雪にかき消され、先頭を歩く暦の耳にも、何とか届いた程度だった。
「どうした?・・・!大阪っ・・・!?」
異変に気付いた暦が取って返し、それにつられる形で、智も神楽の声の方に向かう。
そこには、榊に背負われた大阪が、目を閉じ、ピクリとも動かず、ぐったりと榊の背中に寄りかかっている光景が在った。
「大阪ぁ!しっかりしろよおっ!山小屋はあとちょっとなんだぞぉっ!」
智が涙声で大阪の名を呼び、体温の無くなった大阪の頬を叩くが、やはり反応は無かった。
「・・・とにかく、今はあの山小屋に行く事が先決だ。・・・榊、大丈夫か?・・・私が交代しても構わないが・・・」
暦が冷静に榊に促す。・・・どこか諭した様子を浮かべながら。・・・何故なら、大阪は既に・・・。
「いや・・・大丈夫だ」
暦の気遣いだけを汲み取り、榊は大阪を再び背負い直し、歩き出した。暦は「そうか」と一言だけ発した後、
再び列の先頭に立ち、智も、慌てて暦の真後ろにつき、深い雪の中に歩を進めた。神楽は大阪を背負う榊の後に付き、
最後尾を務めた。足は重くなる。それでも、目的があれば精神的な苦痛は取り除かれる。
やがて5人は、その目的である山小屋へと到着した。
- 698 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:30 ID:???
- ・・・腰を下ろしてからは、誰もが無言だった。聞こえてくるのは、小屋に吹き付ける雪交じりの風の衝突音と、
智の無言のすすり泣きだけだった。榊が、動かない大阪の体を仰向けに横たわらせ、暦がその冷え切った体の
左胸に手を当てる。・・・沈黙を破ったのは、暦のあまりにも静かで重々しい声だった。
「・・・ダメだ・・・死んでる」
「っ!うわぁぁぁぁぁっ!おおさかぁぁぁっ!うわぁぁぁぁっ!」
堰を切ったように、智が大阪の亡骸にすがり付き、号泣した。
智を咎める者はいなかった。いるはずもなかった。
何故なら、そこにいる全員が、声こそ上げないにしろ、涙を流していたのだから。
「泣くな」と智に言う事の出来る者は一人もいなかった。
大阪は、智を追いかける途中、大きく転倒し、足を折っていた。しかも、運の悪い事に、
転んだ勢いで自分のスキー板が大腿に突き刺さり、大量に出血していた。
応急処置は、比較的知識のある神楽が行い、急いで宿泊している旅館に戻ろうとした・・・ところで、
彼女達は初めて自分達が吹雪によって完全に方向を見失い、遭難していることに気付いたのである。
榊が大阪を背負い、山を下る途中に偶然見つけることの出来た山小屋で大阪を休ませようと歩き続け・・・
しかし、大阪は直前で息絶え、今の状況・・・である。
- 699 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:31 ID:???
- 大阪が息絶えてから、どれ程の時間が経ったのだろうか。
(4人には時間の認識は出来なかったのだが)夜も深く刻み始め、吹雪は一層激しくなり、4人の体力は寒さで確実に
奪われていた。いくら小屋の中に身を置いているとはいえ、暖をとれる物は僅かなランプの炎しかない。眠ってしまえば、
それは間違いなく死を意味する。それでも寒さは無慈悲に体力を奪い、そして眠気を誘う。
言葉を掛け合う事が出来れば良いのだが、人間が一人死んだこの状況、しかもその亡骸が傍らにあるのでは、話題も浮かばない。
だが、その沈黙を破る者がいた。暦である。暦は、重々しく、憔悴しきった声で、3人に言った。
「・・・考えが、あるんだ・・・このままじゃ、確実に皆凍死してしまう・・・。そこで、あるゲームを思いついたんだ・・・聞いてくれるか」
「ゲー・・・ム?」
神楽もまた、憔悴した声で暦の提案を聞こうとする。智と榊も、朦朧状態のまま、何とか暦の方に向き直る。
冷静な暦は、極限状態にありつつも、なんとか残る全員が生き延びる事の出来る良い方法は無いかと模索していたのである。
「よし・・・じゃ・・・3人とも立ってくれ・・・」
暦が、ふらつきながら立ち上がり、3人に促す。何が始まるのか、考えている時間は無い。言われるままに、神楽が無言で立ち上がり、
それに榊が続き、そして智が最も危なげによろめきながら何とか立ち上がった。
「よし・・・じゃあ・・・皆それぞれ・・・小屋の角に一人ずつ散らばってくれ・・・その後・・・」
ゲームの内容はこうだった。
まず、それぞれが小屋の4つ角に散らばる。散らばったら、最初の一人が壁沿いに走り、前の人にタッチする。
タッチした人はその場に留まり、また後ろの人にタッチされるまで待つ。タッチされた人は同じように走り出し、
一連の動作を朝まで繰り返す。これならば、決して眠る事は出来ないし、もし途中で動作が途切れたのならば、
誰かに異変が起きたとすぐに知る事が出来るのである。
- 700 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:32 ID:???
- 「いいか・・・絶対救助は来る・・・ちよちゃんが連絡してくれてるハズだ・・・だから、くじけるなよ・・・それじゃ・・・私から・・・」
「うん」
「分かった」
「・・・ああ」
3人の声を確認し、まず暦が走り出した。暦は、前にいた智にタッチする。朦朧とする意識の中、確かに暦は、
智が走り出すのを認識した。
―大丈夫だ・・・死んで・・・たまるもんか・・・―
暦の全身全霊は、ただその思考だけを噛みしめていた。
他の余計な事は、その時は何も考えられなかった。ただ、生への執着が、暦に前だけを見据えさせた。
そしてそれは、他の3人も全く同じだった。誰もがただ黙々と走り続けた。
- 701 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:32 ID:???
- ・・・ゲームは途絶えることなく、朝になった。吹き荒れていた吹雪も既に止み、太陽が昇っていた。大阪を除いた3人は、
奇跡的に誰一人欠けることなく救助された。
生への執着の成せる業だろうか。4人はゲームを始める前よりも、体力こそ回復しないものの、精神力だけは取り戻していた。
小屋の上を通過する救助隊のヘリのプロペラ音に気付き、暦と榊を除く2人は小屋の外に出て、ヘリを出迎えたほどだった。
智と神楽の表情は明るかった。勿論大阪が死んでいるので、喜ぶ事は出来ないが、助かったという現実が、大阪の死という陰りを
一時的にではあるが、吹き飛ばしたのだろう。
表情が暗いのは暦と榊だった。智は訝しげに、ただ小屋から出ようとしない2人に詰問した。
表では神楽が合図を送り続けている。
「どうしたんだよ、2人とも・・・そりゃあ・・・大阪は・・・戻ってこないけど・・・私達は今こうして助かる事が出来たんだから・・・」
「違う、違うんだ・・・!」
暦は、尋常ならざる表情を浮かべ、諤々と震えていた。
そして榊もまた、同じように全身を震わせ、暦と同じように震えていた。
ヘリのプロペラ音はどんどん大きくなる。
「と・・・とも。お前は・・・私の前にいたよな?」
「え・・・?う、うん・・・?朦朧としてたから分からない・・・けど・・・多分・・・」
「・・・榊・・・お前の後ろにいたのは・・・」
「・・・神楽だ・・・ああ・・・ああああああああああっ!うわああああああああああっ!」
「うわあああああああああああああっ!」
榊が「神楽だ」と言った瞬間、暦と榊は同時に恐怖に怯え絶叫した。
「ど、どうしたんだよ!?2人とも、落ち着いて!大丈夫?」
智が諫めるように2人を交互に見やった。だが、次の瞬間、暦は尋常ではない挙動で、智の肩に両手を伸ばし、絶叫した。
「ともっ!」
「な、何だよっ!?痛いよ、よみっ!」
「私は誰にタッチされたんだ!?」
小屋の中央には変わらず大阪の亡骸が横たわっていた。
―終―
- 702 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:34 ID:???
- 以上です。
冷静に考えると、このゲームには大きな矛盾が存在するんです。
- 703 :名無しさんちゃうねん :2006/03/23(木) 01:46 ID:???
- あー、5人いないと矛盾するわけか
- 704 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 01:57 ID:???
- >>703
はい。意識が朦朧としていたのでよみも榊もその時は気付かなかったんです。
- 705 :名無しさんちゃうねん :2006/03/23(木) 02:20 ID:???
- お、スタンダードなネタですな。乙
大阪よ皆を助けてくれてありがとう、やすらかに…
- 706 :名無しさんちゃうねん :2006/03/23(木) 02:26 ID:???
- _,,,,、、、、、、,,,_
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,、'_ ゝ、‐'`、
/ " '''' ‐‐ ‐ ‐‐,、‐‐__'',,'',,',,,"_´_ '、
,'‐ ,‐ -,‐ ''''.ィ'"/ l'、 ヽ.. \ ```::::.、',
! { :/l ..::/i'../ |\:..'、::. \ :::::::::i
.i ! .::〔_!:::;' i':/. '、 \ヽ\ヽヘ | ::::::::|
.| .l ::/ !,ヘ,l/_ ヽ _,,>;<,;ヽ\| :::::::|
! |::/ ,r"r'´´ヾ ""r'"`ヾ`、 i ::::::::|
| ;/i, ii' {、 { {、 .{ }i:| ::::::::l よみちゃん、
i '. {'i!, '、 ソ0} ;丶 ノ0} ノ!:| :::::::| あたしや
l i ,,,,ゞ,、、',;;;;;;;;;;;;::::;,,,,ゞ -、'、, .:| ::::::::i
i l ''""´´´`゛゛゛´´ ..::| ::::::::|
l '. ` .::、_| :::::::::!
}. `.、 、--‐,丶 .:::;、'::i' ::::::::::!
| ::::`..、 `'''" ,、‐"l:::::i ..::::::::::!
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! :. ::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::;::::::ヽi ::;.::::::::::::::!
l :::. :::::::::::::::::::::::::l ::::::::::: '",':::::::::i' .:::::::::::::::::::l
i ::::. :::::::::;、:::::::::,、'! ,:'::::::::,、i .:::::::::::::::::::::}
! ::::::. ::::::::ヽ/|,,、i ,;;;;;;;;;;;;;;/イ .::::::ノノ\::::::}
'、 、::::. :::::,イ i'i' `"´ .//´i .::::::y''ソ⌒``ヾ.
ヽヾ、.. :::i i' i'_‐_-_-_-_- .// i ..::::/ :::::',
ヽ、ヽ:::〈 i'i'r;; i'i' ``'' ノイ'/ ::::::',
` /ヽヽ i'i' `' i'i' ;、 // ::::::}
キャアアアアアアアアアアアア!
どかーん!どかーん!
- 707 :名無しさんちゃうねん :2006/03/23(木) 13:35 ID:AgjpwN.s
- おお!久々に良作が。乙ですー
- 708 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/23(木) 22:55 ID:???
- ぎゃあ。
>>701の1行目
>大阪を除いた3人
3人じゃなくて4人ですね。当たり前ですが・・・
人数意識して書いてたたからミスらない様に
注意してたのに・・・畜生。
あと10行目
>ただ小屋から出ようとしない2人
「ただ」ってなんだよorz
「一向に」「未だ」とでも置き換えといて下さい
>>705
ありがとうです。な、成程・・・そういう見方も出来ちゃいますね(苦笑
でも大阪さんの場合だと何か自分が死んだ事に気が付かずに
「何やー?なんで皆走っとるん?私も入れてやー」
・・・みたいなノリで走ってそうな気が(笑)
>>706
ギャー
>>707
嬉しくて嬉しくて言葉に出来ない
私はどうすればいいんだろう
大阪さん、ごめんね。本当にごめんね。勝手に殺したりして。
- 709 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2006/03/24(金) 13:05 ID:???
- >>708
遅くなりましたが、御疲れです。
しんしんと伝わってくる恐怖ってのが凄いですよね、この話。
でも大阪さんはお亡くなりになってからも皆のことを…って考えると、
しんみりときてしまいますね。
GJです。
- 710 :理由 :2006/03/24(金) 21:47 ID:???
- その日私はちょっとわけありで急ぎ足でかえっていた。
寒さでか、急いでいたからなのか息はちょっと切れ気で。
手を返して時計を見た。12時15分。
夜は静寂そのもので不気味なほど静まり返っていた。
「…早く帰りたい」
そう思いながら進んでいくと背後に誰かの視線を感じた気がして振り返ってみた。
誰もいない。
気のせいだという事にしたが、用心するに越したことはない。少しスピードを速めた。
でも一向に違和感は消えない。
おかしいと思いつつも家が見えてきてホッとした。
ドアに手をかけると不意に肩に手がかかり、
「ツ カ マエ タ」
背筋に一気に痺れるような緊張が走った。寒いのに、汗が出てくる。
振り返ってみると、肩に手をかけていたのは…お巡りさんだった。
普通なら安心するんだろう、でも私はこの人に恐怖しか感じなかった。なぜなら…
「榊サ ンデス ネ?美浜ち よ殺人 容 疑デ逮捕ス ル」
(終)
初めて書くので文章力皆無ですけど(汗
殺人の動機なんて考えてもないですしorz
- 711 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/26(日) 01:55 ID:???
- >>710
榊サん・・・ラリッちゃっタノ・・・?
>>709
げた氏
ダメです!怖がって下さい!(笑)
しんみりダメ!
- 712 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/26(日) 02:01 ID:???
- んー・・・しんみりとは無縁のBADエンドverも一応あるので
投下しちゃいます。
ただ、あんまりそれまでの話の経過と繋がりが無いので・・・
(ゲームの必然性がナッシング)
完全に独立したもうひとつのルートとして読んで下さい。
>>701と挿げ替えて読んで下さいな。
- 713 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/26(日) 02:02 ID:???
- 救助活動の拠点となったテントの下で、諭したように、待機中の救助隊員が無線からの連絡を受けていた。
「・・・了解」
「な、何か分かったんですか!?皆は・・・皆は無事なんですか!?」
昨晩からちよは一睡もしていなかったため、顔色は良くない。だが、そんなちよに対しても、現実は無情だった。
ちよに情けをかけてはくれなかった。目の前の救助隊員の諭した様子が、ちよの胸騒ぎを増長させる。
・・・そして。
「・・・たった今、5人全員の遺体が山中の山小屋から発見されました・・・残念ですが」
残酷な、あまりに残酷な宣告が告げられる。
「・・・っあ・・・ああ・・・そん・・・ぁ・・・」
「・・・心中お察しします・・・残念で・・・なりません・・・」
「うあああああああああああああああああああー・・・!」
―ちよの慟哭は、誰に届くともしれず、冷たすぎる雪山の朝焼けを虚しく駆け抜けるのみだった。
・・・そして、彼女は何を思うのか。
5人の死因が、「凍死ではない」ことを知ったとき。
全員が、「出血多量による出血死」であるということを知ったとき。
そして、あまりに多くの矛盾点が存在する事を知ったとき。
「これは・・・一体どういうことだ?この不自然な遺体の位置・・・1人は中央、4つ角にきっかり1人ずつ・・・こんな事が有り得るのですか?検死官殿」
「・・・この足の折れている遺体・・・美浜さんの話から考えて・・・春日歩・・・以外の遺体は・・・全て他殺によるものですね」
「状況からすれば、春日歩が遭難によるあまりの極限状態から錯乱してしまい・・・他の4人を殺害した・・・ように見えますが・・・」
「・・・」
「ですが・・・足の折れた錯乱状態の人間が、こうも『正確に大腿部だけを狙って』4人もの人間を殺害できるものでしょうか・・・?」
「いえ、そんな憶測は無意味です」
「?どういうことですか?」
「春日歩の遺体は他の4人の遺体と比べて、損傷が激しい。おそらく彼女は小屋に入った時点で、既に死亡していたものと考えられます」
「・・・では、異なる第三者・・・しかも通り魔的な人間がたまたまこの小屋にやってきて・・・彼女達を殺害した・・・というのは?」
「・・・この吹雪に通り魔、ですか・・・それも有り得ません。第一、この小屋には彼女達5人分の靴跡しか残されていません・・・」
「では一体誰が4人を殺害したと!?」
「ですから!」
「…!」
「奇妙すぎるのです!有り得ません・・・っこんなことは・・・!」
「死体が動きでもしない限り・・・!」
- 714 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/26(日) 02:02 ID:???
- ―・・・何でや・・・何で私だけが死ななあかんのん?―
―・・・よみちゃんも、ともちゃんも、神楽ちゃんも、榊ちゃんも―
―嫌や・・・おいてかんといて・・・待ってや・・・―
―・・・何で待ッテくれへンねン・・・―
―自分達ダケ助かろウとするヤナんテ―
―友達ヤ思てタノニ・・・!―
―許セヘン―
―皆、許サヘン―
―殺シタル・・・!―
―皆、殺シタル・・・!―
―ミ、ン、ナ、コ、ロ、シ、タ、ル―
―終―
- 715 :名無しさんちゃうねん :2006/03/26(日) 11:56 ID:???
- >>712->>714
おお、すげえGJ!
でもこの大阪ってなんとなく某漂流教室の影響受けてそうだな。
そのうちちよも連れてかれそうな気がする(笑)
- 716 :710 :2006/03/26(日) 21:05 ID:???
- >>711
うう…後ろから来たのは幽霊とか怖いものだと思わせといて実は榊さんのほうが悪者だったみたいな展開にしたかったんですが全然駄目でした、すみません。
別ver読ませていただきました。すげえ面白かったです。
か、格が違う…!!!
- 717 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2006/03/26(日) 21:14 ID:???
- 恐ぇぇぇぇぇえええええ!!!
検視官の方の最後の一言がゾクっときましたよ。
大阪さん…怖い…(しんみりとか言っちゃってごめんなさい)
- 718 :眠名有 ◆h8AqQULsMs :2006/03/26(日) 21:25 ID:oZrQufoM
- 大阪さんこわい……
けど、これがあったほうがこっちのスレに当たってるな。
この後ちよちゃんにも何かありそう……
- 719 :名無しさんちゃうねん :2006/03/26(日) 22:53 ID:???
- |\ ,. ‐''":::::::::::::;::::`'-、
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゙、 ヽ`、 | / レ' /
────── ゙、 / `ヽ''" i. /
- 720 :名無しさんちゃうねん :2006/03/27(月) 00:47 ID:TGxgyIT2
- >>719
なんか違うw
- 721 :風児 ◆iQwkicAw :2006/03/27(月) 01:33 ID:???
- うひゃあ。思ってたより反響が良くて嬉しいです!
>>715
そんなちよちゃんの咽喉笛に文化包丁ズドンな同人なんて知らないんだから!
>>716
もう「すげえ面白かった」なんて言ってもらえるだけで
どんなに励みになる事か・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
もうホントありがとう。
>>717
_,,,,、、、、、、,,,_
,、-‐''"" ````''''''::::``丶、
.,、 '´ ` 、::::::`:,、
,、'_ ゝ、‐'`、
/ " '''' ‐‐ ‐ ‐‐,、‐‐__'',,'',,',,,"_´_ '、
,'‐ ,‐ -,‐ ''''.ィ'"/ l'、 ヽ.. \ ```::::.、',
! { :/l ..::/i'../ |\:..'、::. \ :::::::::i
.i ! .::〔_!:::;' i':/. '、 \ヽ\ヽヘ | ::::::::|
.| .l ::/ !,ヘ,l/_ ヽ _,,>;<,;ヽ\| :::::::|
! |::/ ,r"r'´´ヾ ""r'"`ヾ`、 i ::::::::|
| ;/i, ii' {、 { {、 .{ }i:| ::::::::l
i '. {'i!, '、 ソ0} ;丶 ノ0} ノ!:| :::::::| げたさん感想ありがとうですー
l i ,,,,ゞ,、、',;;;;;;;;;;;;::::;,,,,ゞ -、'、, .:| ::::::::i そのリアクション待ってました・・・
i l ''""´´´`゛゛゛´´ ..::| ::::::::| ニヤリッ
l '. ` .::、_| :::::::::!
}. `.、 、--‐,丶 .:::;、'::i' ::::::::::!
| ::::`..、 `'''" ,、‐"l:::::i ..::::::::::!
.| ::::::::::::`:‐.、,,,,,,,,、 - ''´:::::::::l:::i : :::::::::::::!
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! ::::::. ::::::::ヽ/|,,、i ,;;;;;;;;;;;;;;/イ .::::::ノノ\::::::}
'、 、::::. :::::,イ i'i' `"´ .//´i .::::::y''ソ⌒``ヾ.
ヽヾ、.. :::i i' i'_‐_-_-_-_- .// i ..::::/ :::::',
ヽ、ヽ:::〈 i'i'r;; i'i' ``'' ノイ'/ ::::::',
` /ヽヽ i'i' `' i'i' ;、 // ::::::}
>>718
>眠名有さん
はい。ちよちゃんの運命はご想像にお任せします・・・。
>>719
「皆殺したるー」
>>720
絵にしたら多分こうなっちゃいます。
だってあずまんがですから・・・(笑)
- 722 :名無しさんちゃうねん :2006/04/03(月) 01:25 ID:???
- >702
世にも奇妙な物語でも都市伝説でも、色々と使われてきた奴ですね
大阪はみんなを助けるために…
- 723 :風児 ◆iQwkicAw :2006/04/05(水) 01:43 ID:???
- >>722
都市伝説としては知っていましたが、
世にも奇妙な冒険でも使われてたんですか・・・。
じゃあ案外メジャーだったって事ですね・・・。
自分がこの話を初めて知ったのは小学校の図書館に
置いてあった児童向け怪談本です。
幼心にビビリまくり、トイレを5日間も我慢したほどでした(マジです)。
あと、部屋の隅に行くのが怖くなったりw
色んな意味で思い出の怪談です。
- 724 :名無しさんちゃうねん :2006/04/10(月) 05:33 ID:???
- 大阪「かゆい うま」
- 725 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/05/24(水) 01:14 ID:???
- とっても久しぶりに書きます。
【さわさわ】
夜、私がベッドに入って5分くらいたつとマヤーがこっそりやってきて、お布団の上にのるんです。
昼間はあまりになついてくれないのに。
お母さんが恋しいんでしょうか。
そんな時には私はそっとなでてあげるんです。
さわさわさわさわ。毛並みに沿うように。
すると安心できるのか、いつもいつのまにか気配がなくなっているんです。
このごろは大きくなって重くなったのか、現れるとちょっと息苦しくなっちゃうこともあります。
時にはすごく身体が重くなっちゃうことも。
でも大丈夫。なでてあげればそのうちいなくなってくれますから。
……ですから、わざわざ目を開けて確認なんかする必要はありません。
- 726 :名無しさんちゃうねん :2006/05/24(水) 21:20 ID:???
- なんというエロい幽r…いや、マヤーだ!
- 727 :名無しさんちゃうねん :2006/09/03(日) 02:27 ID:2AqjCdyU
- 78話:>>660-661,『何か』,蛍石氏,ちよ+榊+大阪+マヤー
79話:>>664-665,『薬』,蛍石氏,よみ+大阪+智
80話:>>669-671,『異本』,蛍石氏,ちよ+榊+神楽
81話:>>678-684,『ボタン』,眠い名有り氏,智+ALL
82話:>>689-690,『SS書き』,蛍石氏,にゃも+滝野
83話:>>695-701,『山小屋にて』,風児氏,ちよ+ALL
84話:>>710,『理由』,名無し,榊
85話:>>712-714,『山小屋にて 別ルート』、風児氏,ちよ+ALL
86話:>>725,『さわさわ』,蛍石氏,榊+マヤー(?)
あと14話ガンガレ
- 728 :名無しさんちゃうねん :2006/09/03(日) 02:58 ID:???
- そしたら百物語オフでもやるか
- 729 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/09/10(日) 13:19 ID:???
- >727
82話、一番大事なところが理解されていない(´Д⊂
しかたない、今行きます。まってなさい。すぐ行きます。
- 730 :ボーイング727 :2006/09/11(月) 10:27 ID:???
- >>729
あわわ。ごめんなさい。ごめんなさい。勘弁してください。
こっち来ないで下さい。来ないで〜〜!
あ"あ"〜〜〜〜〜〜っっ!!
は、はだじで、はだじでぐだ、 ざ、 い…
バキッ
ゴリッ
……………。
- 731 :ボーイング727 :2006/09/11(月) 10:32 ID:???
-
⊂⌒⊂( 。A。)つ 『82話:>>689-690,『SS書き』,蛍石氏,にゃも+滝野+……読み手』
- 732 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/09/12(火) 23:50 ID:???
- >730
そこまでわかってて何故にゃも?
- 733 :ボーイング727 :2006/09/13(水) 00:36 ID:???
- >>732
⊂⌒⊂( 。A。)つ
「……………」
へんじ が ない。
ただ の しかばね のようだ。
- 734 :名無しさんちゃうねん :2006/09/13(水) 14:04 ID:o31xDOZI
- フローライト は しかばね を しらべた
フローライト は ちいさなメダル を みつけた。
- 735 :名無しさんちゃうねん :2006/09/15(金) 18:46 ID:MCUD6dOo
- かゆい うま
- 736 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/09/30(土) 17:35 ID:???
- 久しぶりに一本
【浴衣】
「ちよちゃん、なに見とるん?」
「あ、大阪さん。別荘での写真ですよー」
「私にも見せてー」
「いいですよー」
「どれどれ……あ、この時の亀かわいかったなー」
「そうでしたねー。結局釣りませんでしたけど」
「あ、智ちゃんの顔、ケチャップまみれや」
「あはは、よみさんがあきれ顔してますよ」
「こうしてるとゆかり先生もお嬢様っぽくみえるんやけどな」
「それは本人の前で言わない方がいいですよ」
「にゃも先生は浴衣より着流しの方が似合う気がするな」
「そうですか?それを言うなら神楽さんのほうが」
「いや、神楽ちゃんは法被やろ」
「法被だったら榊さんの方が」
「逆に浴衣が一番よく似合うのはかおりんやな。おかっぱ頭によく似合っ……」
「ほんとですね。あの時はぜんぜんきづかな……」
「……」
「……」
「……なあ、ちよちゃん?」
「……なんでしょう?」
「ひとつ確認してええ?」
「だめです」
「かお」
「だめです」
(Fin)
- 737 :名無しさんちゃうねん :2006/10/01(日) 11:00 ID:yG3K8X8M
- >>736
いるはずのないかおりんが写真に写ってたってこと?
- 738 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/10/01(日) 19:52 ID:???
- そゆこと。
あず世界を保ちながら怖い話を書くのは難しいねぇ。
- 739 :麦酒 ◆KOMUGI :2007/08/19(日) 16:37 ID:UDTBUYM.
- 日本テレビの24時間テレビで、癌で余命半年と宣告された女性が
残された時間を、今までお世話になった友達を訪ね歩くという話。
「千の風になって」の詩を好む女性が、詩になぞって別れ際に
「また、近いうちに会いに来るからね」
「また、桜の季節に来るからね」
と言い残す話。
いい話なんだが、不謹慎なことを想像してしまった。
「また、会いに来るからね」の意味をちょっとだけ取り違えると怖い話になってしまう。
誠に、死にまつわる感動話と怪談は紙一重というか…。
- 740 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2007/08/19(日) 21:31 ID:???
- 「菊花の約」でつかー
- 741 :麦酒 ◆KOMUGI :2007/08/21(火) 00:30 ID:???
- >>740
ふーむ
そんな古典があったのですか。
また一つ賢くなった。
- 742 :ふぁんとむ :2007/09/20(木) 22:15 ID:rEdEBXlA
- 初めまして…僕の名前は、ふぁんとむと申します…お世話になります…。
【皿】
時は江戸。超豪華な城がある。そこには大阪と言う殿様が居た。ある日、ちよと言う
女が殿の大事な皿を割ってしまった。しかもその皿は死んだ父からの形見。怒りのあまり
殿はちよの首筋を裂いて、頭を斬り落として殺してしまった。
- 743 :ふぁんとむ :2007/09/26(水) 18:59 ID:jwjfqpUs
- それ以来、殿は悪夢に魘されるようになった。ある日の夜、殿は夜遅くまで起きていた。
するとその時。
「い…いい…い…」
外から女の声が聞こえてきた。
「な…何だ…こんな夜遅くに…ガキが遊びにきてんのか?」
「一枚…二枚…三枚…四枚…五枚…」
怖くなった殿が逃げようとするが体が動かない。
(な…なんだ!?金縛りか!?)
「六枚…七枚…八枚…九枚……………あと…一枚…足りない…」
襖がすぅー…と開いて、出てきたのは殺した女の生首。
「殺す…!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
【終】
- 744 :ふぁんとむ :2007/09/26(水) 19:23 ID:jwjfqpUs
- 二作目
【変態】
優香「真由。」
真由「ん?」
優香「こんな噂知ってる?○月●日の夜にエロい格好で電車に乗るとね…秋葉原で電車が停まって
黒い肌のデカいコスプレ男が乗って来るんだってさ」
真由「うわっ、コスプレとかオタク?マジでキモいんですけどー!」
優香「ねえ。アンタさ、今日気をつけて帰れよ。アンタの今日の格好マジでエロいから。今日○月●日だよ」
真由の格好は男にとってキラーである。此の学校では制服が禁じられており、上着はブラが透けて見えるぐらい薄く、それに胸元
をザックリ開けている。肌はBLEACHのウルキオラより白い。その上超ミニスカである。
歩く度にパンツに重力が掛かり、はみ出てしまう。それに黒いソックス。これは流石に男には刺激が強過ぎる。
その夜、真由は居残りで遅くなった。真由の家は遠い為、電車で帰る事になっている。
真由「ちっ、かなり遅くなっちまったぜ。あのハゲが…殺す」
秋葉原に到着した時、全身にアニメで悪者がよく着ている鎧のようなモノを纏った、黒肌の巨漢が真由の隣に座った。
男「……………」
男が真由をジロジロ見ている。
真由(うわっ、何こいつ!?オタクか!?キモッ!!)
- 745 :名無しさんちゃうねん :2007/09/27(木) 23:38 ID:???
- 久しぶりの作品投下ではないかっ!
>>742-743
…。
番町皿屋敷そのまま?
せめて一ひねり欲しいね。
>>744
あずまんが関係ある?
ってかまだ書き掛けですか?
書き上げてから投下するほうが吉だよ。
- 746 :眠名有 ◆h8AqQULsMs :2007/10/04(木) 23:01 ID:8r4hOuqo
- とても恐ろしい体験をした
よつばと!7巻
よつばが「NO!」というシーン。
その上のシーンのジャンボの足に注目……
(((((゜Д゜;)))))
- 747 :麦酒 ◆KOMUGI :2007/10/05(金) 23:21 ID:???
- >>746
ん?どれどれ?
(パラパラ…)
パラ…
?
!
/\___/ヽ ヽ
/ ::::::::::::::::\ つ
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::| わ
| 、_(o)_,: _(o)_, :::|ぁぁ
. | ::< .::|あぁ
\ /( [三] )ヽ ::/ああ
/`ー‐--‐‐―´\ぁあ
- 748 :タキノ13 ◆MMMMMM. :2007/10/05(金) 23:33 ID:???
- こ、これは… 恐い
- 749 :◆iBook :2007/10/05(金) 23:39 ID:???
- >>746
(;゚Д゚)
- 750 :名無しさんちゃうねん :2007/10/08(月) 17:28 ID:???
- >>746
だれか画像うpしてください・・・今月じゃ買えそうにないし、
来月じゃ修正されてるかもしれないから・・・
- 751 :福いたら里 :2008/03/20(木) 08:36 ID:???
- もしあずまんが大王の配役が入れ替わるトシタラ
ちよちゃん…大阪
智…よみ
よみ…智
大阪…木村先生
榊ちゃん…榊ちゃん
神楽…ちよちゃん
- 752 :麦酒 ◆KOMUGI :2009/11/11(水) 01:13 ID:???
- ちょっと足跡
読み返すと、何でこんなにも怖い話執筆に熱を上げていたのかと
不思議な気分です。
- 753 :名無しさんちゃうねん :2009/11/15(日) 01:24 ID:???
- 昔は色々ありましたねえ
- 754 :jUpWKRrWbo :2013/04/02(火) 20:45 ID:???
- When you think about it, that's got to be the right anwesr.
- 755 :名無しさんちゃうねん :2016/07/01(金) 23:03 ID:???
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