世の中のすべての萌えるを。

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きのうものすごい、恐ろしい体験をした

1 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 15:15
夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
壁のむこうから誰かの喘ぎ声が聞こえてきたんや・・・




みたいな感じで書いていってやー。

482 :470 :2004/07/17(土) 03:13 ID:20fJjZXg
【ガイシュツ】

小春日和の日曜日。彼女達はいつものように美浜家へ集まって受験勉強である。

「お菓子が切れちゃったので買い出しに行って来ますね」
「よみったら食いしんぼさん」
「なっ!?ぱかぱか食べてたのはお前だろ?私はダイエット中なんだ!」
「ちよちゃーん、よみダイエット中だからシュークリームいらないんだってさー。あーあ残念でしたー」
「なっ!?…くっ」
「そんな、ちゃんとよみさんのシュークリームも買ってきますから安心してください。それじゃ忠吉さん、行きましょう」
「わ、私も行くよ…」

こうして、ちよちゃんと榊と忠吉さんは午後三時のおやつの買い出しに行った。
今ちよちゃんの部屋には…というか、家には四人が残っている。
参考書に向かうよみと神楽。それを邪魔する智。そんな彼女らを意にも介さずうとうとしっぱなしの大阪。
晩秋の日差しが照らす部屋の中、ゆっくりと時間は過ぎていった。

ピピピピピピピ、ピピピピピピピ。

突然、部屋に響く電子音。電話だ。

「これちよちゃんかな?」
「いや、ちよちゃんって携帯持ってただろ?
 ちよちゃんだったら私たちの携帯にかかってくると思うけど…っておい智。勝手に出るなよ」

智はちよちゃんの机の隣にある電話機に駆け寄っていった。

483 :470 :2004/07/17(土) 03:15 ID:???
ガチャ

「はいはーい、滝野…じゃなかった、美浜ですよー。100点ですよー」

少しの間。そして、智の顔がさっと曇る。

「お前が死んじゃえーー!バーーーーカ」

智は受話器を本体に叩きつけた。

「誰だったんだ?」
「それがさー、電話に出たらいきなり『殺す』とか言って。黒社会を牛耳ってる美浜家にこんなイタ電するなんて勇気あるよね」
「勝手に設定作るなって」
「出たのがちよちゃんじゃなくて良かったよな」
「…ひ、ひどいよ神楽。あたしだってほんとは怖くてどうしていいのかわからないのに」
「顔が笑ってるぞ」

そして十分後。


ピロロロロロロロロロロ、ピロロロロロロロロロロ。

「またか…」
「いや、今度は違う人かも知れないぞ」
「そういえば音が違う」

再び智が電話器の方に向かい、受話器に手を伸ばし…そこで動きが止まる。
電話機を見つめる智は、神楽の目から見ても明らかに緊張していた。

「なんだ?怖気づいたのか?」

今の智には神楽のこんな声も聞こえていないようだ。
部屋に響きつづける呼び出し音。
智は、意を決したかのような真剣な顔で受話器を取る。

「…もしもし。…あ、ちよちゃんか。うんうん」

電話の相手はちよちゃんだったらしい。智の顔が一瞬緩むが、すぐにまた沈む。

484 :470 :2004/07/17(土) 03:20 ID:???
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ちよ「携帯忘れてしまいまして、ともちゃんが出てくれて良かったです」
とも「うん。で、何の用?」
ちよ「あのケーキ屋さん…フルールが定休日だったもので違うお店で買おうと思ったんですけど
   そこってともちゃんが好きなシャルロット・オ・フランボワーズがないんですね」
とも「ああー、そっか。じゃあ私らそっちに行くよ」
ちよ「え?」
とも「うん。大丈夫だから安心して。絶対そこにいて。とにかく、すぐ行くから…じゃね」
ちよ「え?え?」

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

ほうっ、と息を吐き、受話器を置く智。

「ちよちゃん携帯忘れたんだって」
「で、何て?なんかあったっぽいけど」
「…えっと、なんか、大切な…うん、大切な話があるからすぐに来てほしいって。駅前で待ってるよ。行こ。…大阪、起きろ大阪」

智は慌てていた。そして、何かに怯えているようでもあった。
大阪を叩き起こし、引きずるようにして連れていこうとする。

「おい智。なんか変だぞ?」
「どうしたんだお前」
「…いいから!こら神楽、コートなんか着てないで!」
「なんやともちゃん怒っとるの…?」

いつもとは違う智に急き立てられ、部屋を出る三人。智は一番後ろだ。

ピピピピピピピ、ピピピピピピピ。

再び鳴り響く電話。

びくっ、と体を振るわせるが、智は電話のほうには目もくれない。
ドアを閉めることもせず歩き始める。

「出ないのか?…おい…智」

智は答えるかわりに、三人の袖を強く引いて玄関へと向かった。

485 :470 :2004/07/17(土) 03:22 ID:???
美浜邸は広い。
玄関に近づくにつれ、四人の…正確には智の歩みは大きく、速くなっていった。そして智を追う三人。
玄関を抜けて正門から美浜家の敷地外に出る頃には、四人とも全力に近い速さで疾走していた。

「なんだってんだよ!?」

最初に口を開いたのは神楽だった。息を切らしていてまともに喋れないよみと大阪は、目で智に抗議している。
角を二つほど曲がったところ、どこまでも走っていく智を神楽が引きとめたのである。
智は息も絶え絶えにしゃべり始めた。

「…な、内線…」
「はあ?」
「内線だったんだ!」
「意味がわからん…落ちつけ智」
「だ、だからさっきのイタ電…、電話機が、ちよちゃんの時はちゃんと外線ってところにランプついてて…。
 よく考えたらイタ電の時は違うところにランプついてて…」
「…もしかして」

呼吸の整ったよみが聞く。

「さっきのイタ電は、内線…ちよちゃんの家の中からかかってきてた…ってことか?」

うなずく智。目に涙がたまっている。

「そういえば呼び出し音がちよちゃんの時と違っ…。え?まさか、そ、それって…」

神楽の顔がさっと青くなった。
「いきなり『殺す』とか言って」…イタ電に出た後の智のセリフが、神楽の頭の中でフラッシュバックする。

「うあーん、よみー、怖かったよー!」

智はよみに抱きついて泣き出した。
緊張の糸が切れたらしい。

「お、おい智…どうするんだこれから」

智はよみの胸の中で泣きつづけるばかりだ。
震える智の頭をなでてやりながらよみは聞くが、誰も答えない。
そんな中で最初に動いたのは意外にも大阪だった。

「…警察や」

大阪は携帯を取り出した。

486 :470 :2004/07/17(土) 03:23 ID:???
それからほどなくして、美浜家に不法侵入していた男が逮捕された。
一月前、隣町にある精神病院から脱走してきたこの男は、5年前同じように民家へ侵入し、家族を皆殺しにしたのである。
精神鑑定の結果、重度の障害が認められたために刑務所ではなく病院に送られたのだった。

美浜家に侵入した時、この男はナタを二本と改造拳銃一丁を所持していた。

【終】

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