世の中のすべての萌えるを。

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きのうものすごい、恐ろしい体験をした

1 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 15:15
夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
壁のむこうから誰かの喘ぎ声が聞こえてきたんや・・・




みたいな感じで書いていってやー。

69 :潜む者@ :2004/01/26(月) 19:34 ID:???
学校の帰り道、よみは1人で歩いて帰っていた。腐れ縁の智は、今日は大阪と一緒に駅前へ寄り道をしている。
久しぶりに物思いに耽りながらの静かな帰り道だった。

「なんだかショボくれたおっさんだなぁ」
よみは歩きながら思った。
ショボくれたおっさんというのは、しばらく前からよみの前を歩いている男のことである。
その男は背は高いが猫背気味で、ヨレヨレのスーツを着ていた。全体の雰囲気から中年ぐらいの男に思える。
その後ろ姿は古文担当の木村先生に似ているが、違うのはスーツがつんつるてんなところだ。
ファッションとかのレベルでは無く、サイズが2周りは小さいのではないかというくらいに袖の短いスーツを着ている。
ヤバイおっさんかも知れないと思い、よみは男を追い越さないように気を付けながら歩いた。

どのくらい経っただろうか。男は依然とよみの前をヒョコヒョコ歩いている。どうやら、男の目的地はよみの自宅の方向
のようである。
「こんなおっさん近所にいただろうか?」
よみの記憶では、こんな男に心当たりはない。挙動不審な人間が近所に住んでいれば、近所づきあいが薄れている現代とは
言え、うわさとして耳に入る。が、こんな男については記憶に無い。
「ま、どうでもいいか。」
同年代の男ならまだしも、ショボくれた中年男に興味を持つことが馬鹿馬鹿しくなったよみは、その男についてあれこれ考える
のを止めた。自宅への道の最後の曲がり角を曲がるまでは、完全に関心を無くしていた。

70 :潜む者A :2004/01/26(月) 19:34 ID:???
最後の曲がり角を曲がったとき、よみは信じ難い光景を見た。前方を歩いていた男が突然1軒の家の門扉をすり抜けるように
入って行ったのである。その家はよみの自宅であった。
「な?!あぁん?なんだ、あのおっさん!」
男は門扉脇の呼び鈴を鳴らすでもなく、すっと入っていった。空き巣だろうか?今日は両親の帰りは遅い。留守番はよみの
仕事である。普通の女の子ならここで近所に駆け込むか、携帯で警察を呼ぶかするところだろうが、よみは不審人物との
対決姿勢を高めていた。自宅の門扉まで走り、用心しながらも中に入る。時間的にも男はまだ家には入っていないはずだ。
表には人影は無かった。よみは庭に練習用に置いてある父親の安物のゴルフクラブを手に取ると、家の裏に回った。
しかし、人影はなかった。その後、家の周囲を何回か回ったが、不審な人物を見つけることは出来なかった。
「おっかしーなー。確かに入ったのを見たのに…」
よみはこの出来事の合理的に処理しようとし、自分が裏に回っている内に外に出ていったとストーリーで納得することにした。
ポケットから鍵を出すと鍵穴に差し込み捻る。カチャっという音と共に鍵が解除された。玄関は鍵が掛かっているのである。
中に入られたということは無いだろう。そう思ってよみは靴を脱ぎ、家に上がった。

バタン!!

戸が閉まる大きな音がした。突然の物音に、よみは思わず固まった。音のした方を見ると父親の書斎の方だった。
「な、中に入ってやがったのか?」
よみは玄関の傘立てに挿してある木刀を手に取ると、恐る恐る父親の書斎へ行った。勢いよくドアを開け木刀を構える。
が、何も気配はない。書斎を見回すが、人影はない。机の下も見たが何も居なかった。人が隠れられそうなところは
無かった。父親のクローゼットを除けば…。

71 :潜む者B :2004/01/26(月) 19:35 ID:???
父親のクローゼットは大きい。紳士服を入れるものだからそれは当然だろう。人間2人くらいは隠れることが出来そうだ。
よみは開けたらすぐ離れて何が飛び出しても木刀で打ち据える事が出来るよう、頭の中でシュミレーションを繰り返しながら
心の準備をした。覚悟が出来たところで、思い切ってクローゼットを開き、すぐさま木刀を上段に構えた。
しかし、何も居なかった。ただ、父親の紳士服やコート、Yシャツがいくつも下がっているだけであった。木刀の先でつついてみたが
服の陰に誰かが隠れている様子もなかった。
「わかわからん…。疲れてるのかな…」
ドアの閉まる音は空耳だったかも知れない。いや、空耳だったんだ。よみは自分にそう言い聞かせながら、クローゼットの戸を閉めた。
そして、ふとクローゼットの戸を見たときに、よみは眼鏡がずり落ちそうになった。
クローゼットの戸の下から、スーツの裾がはみ出していた。さっき開けたときはスーツは全て突っ張り棒に掛かっており、戸の下から
裾がはみ出るようなスーツは無かったはずだ。誰かがそこでスーツを着たまましゃがんでいるのでなければ…。
よみが見ている前で、はみ出したスーツの裾は、ズッズッと中に引っ込んでいった。

よみはゆっくり踵を返すと書斎を出、靴を履き、木刀を傘立てに戻し、外に出た。玄関の鍵を掛けると、隣の智の家へ向かった。
ちょうど智は帰ってきていたので、部屋に上がらせて貰った。そしてそのまま両親が帰ってくるまでよみは智の部屋に居座った。
智は相変わらずの馬鹿話でよみをからかったりしていたが、この時ばかりは智の馬鹿話も、よみにとっては救いになった。

(終)

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