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きのうものすごい、恐ろしい体験をした

1 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 15:15
夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
壁のむこうから誰かの喘ぎ声が聞こえてきたんや・・・




みたいな感じで書いていってやー。

77 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:57 ID:???
赤い女 其の1

「あんな〜。私、最近気になることがあるねん」
と大阪が窓枠に腰掛けながらそう言った。

薄曇の、今にも雨が降りそうな日曜の午後。ちよ、暦、智、榊、神楽、大阪の6人は
珍しく大阪の自宅へ集まって過ごしていた。
智が突発的に立てた企画「あなたのお部屋に訪問」で集まることになったのだ。
もちろん目的などはない。集まってお菓子をつまみながら話をしていた。
話のネタが尽き、6人が6人とも思い思いに過ごしている時、大阪が切り出したのだ。

「な〜に〜。ちょっとお姉さんに話してみ」
「また、大阪の気になる話か。まぁいいや、ちょうど退屈してたところだ。で、何が気になるの」
「私な。東京へ越してきてもう2年経つやんか」
「そうですね。もう2年になるんですね」
「越してきたばかりの頃はな、こうして窓から外を眺めてな、大阪と東京の違いってなんなん
 やろ?って考えてたんやわ」
「ふ〜ん。それで?」
「で、いつの間にやら窓の外を眺めるゆうんが私の習慣になってしもたんや」
「?あぁ。そうなの。で?」
「最近は、町並みよりも、この窓の下に見える細い路地を眺めてるんや。ネコとかも通るんやで」
「…ネコさんの集まる路…」
「ん。ネコも多いけど、たまに人も通るんや」
「そ、そりゃぁ通るだろ」
「でな、最近気付いたんやけど。ちょうど今日みたいな曇りの日で、雨が降り始めるとこの通りを
 同じ人が通るねん」
「ふ〜ん」
「その人、全身赤で統一した服装でな。スカートはいてたから女の人やと思うんやけど」
「それはまた派手だな」
「いつも広い通りの方から、この細い通りの方へ、あっちからそっちへ歩いていくねん」
「…それで?」
「30分ぐらいするとな。また、通りのほうから同じ格好をした人があっちからそっちへ歩いてくねん」
「ふーん。このへんをぐるぐる散歩してるんかね?」
「多い時は1時間に3回くらい見かけるねん」

78 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:57 ID:???
赤い女 其の2

「か〜っ。大阪〜。おまえずっと見てたのかよ。そんなのよく眺めてられるな。暇な奴〜」
「何を話したかったのかよく分かりませんでしたが、変わった人もいるんですね」
「大阪も変わってるよ!」
5人は大阪の話を、いつものわけの分からない話として流した。
空が暗くなってきて、ポツポツと雨が降り始めた。
部屋が薄暗くなったが、部屋の主である大阪は明かりを点けようとしない。

「あんな…」
「あん?まだ続きがあるのか?」
「この通りな…。ちょっと行くと袋小路やねん」
「?」
「高い塀に囲まれて行き止まりやねん」
雨の降りがやや強くなり、窓の外からサーーッという音がした。
「この先、行き止まりなのに、あの赤い服を着た女の人、何度も何度も広い通りから、行き止まりの
 細い通りに入ってくるねん」
部屋は次第に暗さを増してくる。
「ずっと見ててもな…逆に広い通りに出て行くのは見てないねん」
部屋の空気が粘り気を帯びたように重くなってきた。
「あの人、どうやって行き止まりの道から広い通りに戻ってるんやろな?」
薄明るい窓を背景に、大阪のシルエットが浮かび上がっている。みな、大阪から目を離せなくなっている。
沈黙の中、サーーッという雨の音のみが響いている。
「あの女の人、何のために行き止まりの道へ何度も入って行くんやろな」
暗い大阪の影の中、話を続ける大阪の白い歯だけが浮かび上がっている。
「な?不思議やろ?」
雨足は少しずつ強くなって行った。
「そろそろ…。来そうやな…」
大阪が口の端を吊り上げながら笑ったように見えた。

(終)

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