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きのうものすごい、恐ろしい体験をした
- 1 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 15:15
- 夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
壁のむこうから誰かの喘ぎ声が聞こえてきたんや・・・
みたいな感じで書いていってやー。
- 82 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:01 ID:???
- よみの不合格のわけ
よみはホテルの一室で、赤本のチェックに余念が無かった。
時刻はすでに夜中の11時を廻っている。
よみが滑り止めのつもりで選んだ大学は、朝イチで行くには少しばかり遠かった。
そのため、今回に限り、大学近辺のホテルに一泊することになった。
宿泊先として選んだホテルは、この時期になると受験生向けに営業展開をしている
ごく一般的なビジネスホテルだった。部屋の中にはベッドとちょっと仕事が出来る程度の机、
ユニットバス一式が揃っており、更によみが予約したホテルの部屋はユニットバスの前に大き
な姿見が掛けてあるので、チェックアウト前に身だしなみを整えられるようになっている。
「ん〜〜〜っ。もう11時半か。明日に備えてそろそろ寝るか」
よみは明日の準備を整えた後、伸びをすると軽くストレッチをした。そして、ベッドに潜り込ん
で、枕元のスイッチを切って部屋の明かりを全て消した。
よみは真っ暗でないと眠れない性質なのだ。
- 83 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:02 ID:???
- よみの不合格のわけ 其の2
…ピチョン、…ピチョン、…ピチョン…
水が滴るような音で、よみは目が覚めた。枕もとの携帯電話を見ると午前2時を差していた。
「あれ?蛇口の栓、ちゃんと締めて無かったかな…」
よみはふとんを出るとメガネをかけ、明かりも点けずにそのままスタスタとユニットバスの戸の
前に立った。
…ピチョン、…ピチョン、…ピチョン…
音は中から聞こえてくる。戸の側のスイッチを入れて戸を開けると、ユニットバスの蛇口から
水滴が滴っていた。栓をきつく締めたが、水滴は止まらない。しばし蛇口付近を眺めていた
よみは、シャワーと蛇口を切り替えるレバーを強く蛇口側にひねってみた。
果たして、蛇口からは勢いよく水が出、すぐに止まった。シャワーのホースに溜まっていた
水が原因のようだった。原因が分かったのにホッとし、また原因を見事突き止めた自分に
「冴えてる冴えてる。今日の試験は大丈夫だ」などと嬉しくなり、よみは意気揚々とユニットバス
から出た。
戸を閉め、スイッチを切り、ベッドに向かう。途中、姿見に映った自分が目に入った。
姿見はよみの全身をはっきりと映し出していた。よみはまっすぐ立ってみたり、
ちょっとポーズをとってみたりした。
「勉強に根を詰めてたからな。少しはダイエットになったかな」
腰に手を当てたりして入念にチェックする。一通り気の済むまでチェックしたが、
こんなことしてる場合じゃないと気付き、そそくさとベッドに潜った。
- 84 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:05 ID:???
- よみの不合格のわけ 其の3
「ん?」
何かがよみの心に引っかかった。しばらく天井を眺めていたよみは、急激に自分の心に不安な
気持ちが膨れ上がるのを感じた。
何かがおかしい。
よみは上体を起こした。そして目を凝らしながら部屋を見回した。
真っ暗である。
多少、カーテンの隙間から漏れる夜明かりで朧気に室内の様子は分かる程度である。
ベッドから姿見の位置は見えるが、姿見は黒い四角い板にしか見えない。
なぜ、あの暗闇の中で、自分は姿見にはっきりと映っていたのか。パジャマの柄までもはっきりと
映っていたのか。部屋は真っ暗だったのに…。
よみはふとんを頭まで被った。
必死で眠ろうとしたが、鏡の件を合理的に納得できず、なかなか寝付けなかった。
試験の結果は無残だった。
以来、よみは明かりを点けたまま寝るようになった。
(終)
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