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大阪のスタンド能力を考えるスレ

1 :空条千代太郎 :2002/10/09(水) 14:35
大阪以外でもかまいません。


115 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:03 ID:???



―午前七時三十二分。春日歩は眠っている。美浜ちよの自室で、未だに。
彼女の母にはある程度事情は説明しておいた。勿論、「スタンド」という言葉には触れずに。
その実、「大阪さんが忠吉さんと遊びたいらしいので」と、誤魔化したに過ぎないが。
その後…玄関からリビングを介せずに、すぐに自分の領域へ入った。

―今は至極普通の朝だ。人通りも殆ど普段と変わらなくなっている…
もうすぐ高速道路も他の車道も障害なく運転できるようになるだろう…
まだやり残している事があるのに―

自室に父が立ち入る。そして、ある事を要求する。
「―今、ですか?」
「今すぐ、だ。人通りか完全に元に戻る…その前に」
「…そうですね……時間が経った後に行うと…危ないですね…わかりました」
(…みなさん、ごめんなさい。また迷惑を掛けてしまいそうです)
―今ちよが背負っている任務。それは、大阪の記憶を―更に巻き戻す事である。
今目の前にいる親友が…スタンド使いだと分かったからには、
多少知らねばならない事がある。

116 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:06 ID:???
ちよのスタンド像が大阪の額に触れる…そして、巻き戻ってゆく。
一日、一週間、一ヶ月、…徐々に過去の映像が広がる―
精神にある程度の労力を要する「通じ合い」―テレパシーとでも言うべきか―を
介せずに過去が読み取れる事は…ちよ自身にとっては都合の良い物であった。
だが、短時間で済ませないと…被害が再び拡大してしまう。
約七十日前の記憶に辿り着く……周囲には花畑が広がり、白蝶が限りなく群れる。
そして、大阪が踊りまわり、花に触れようとする…花弁は彼女の手をすり抜けた。

停止。「どうやら…今回だけではないようだな…無自覚に発動させているのは…
自覚しているときもあるが…恐らく……彼女の場合、前意識にあたる部分が…広い」
「その様です………まだ…もう一つ…ですか?」「そうだ。続けなさい」
一年、一年半、三年、五年、七年、十年…そして大阪が生まれた直後、
脳内に潜在的に記憶されている部分まで戻った。


その頃―七時四十分前後―周辺の地域では…

117 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:06 ID:???

「うわあっ!またかーッ!?」「逃げろおぉぉォォォォー」
「ママ、空にねこたんがたーくさんいるよ!」「ギャァーッ!降ってくる!猫が…降ってくるわッ!」
「おひさまが落ちてくる…こわいよ…まぶたが下がってきちゃうよ、…おねえちゃーん!」
「僕は…こんな事で物怖じしない!寧ろ『リアリティ』を極めるには絶好の時だ…
漫画家として…思い切り外に出てスケッチしないとな!」

「中継です!再び大規模な異常気象です!今回は前より遥かに加速しています!
…猛烈な紫外線です!外に出ている人たちは直ちに避難してください!…焼かれる!焼かれる!」
「これは…『リアリティ』を重視すべきか…自分の命を大切にすべきか…」
「蜃気楼…今までに見たことも無い大規模な…教授!急いで記録の準備を!魚も飛んでますよ!」
「これは今に…食糧がなくなるぜーッ!そうとなれば…買占め!トラックが十台あれば万全!
出発だ!…何だと!?車線がいくつにも分かれて…」「兄さん!前見て!車!車が!」
「何イッ!近い………ガバッ!…あぐああアアァーッ!うげ…」
「えらいこっちゃえらいこっちゃ、よいよいよいよい…踊らにゃ損損!」

「今からこの百貨店にて一斉強奪を……」「止めましょう、混乱が収まっています。空が―」
「雲が引いてきた…車線も四つしかない…この事故も嘘だったら…」「兄さん…よくも僕のトラックを…
十台で幾ら掛かってると思ってるんだ…それにこの玉突き衝突…保険でも大変な額だ」
「お爺ちゃん、そこにいたら危ないよ!雷が…ああっ!…あれ?なんとも無いみたいだね…」
「晴れてきた…元に戻ってる…」「まだまだ。中継続けて!」
「復旧してくれそうにないな…電車……三両…脱線してる…」

118 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:08 ID:???

七時四十五分。―巻き戻し、解除。調査終了。
「数十回発動した形跡が確認できました…スタンド像も…一瞬ですが、二回ほど見えました。
しかもここ一年で発動回数が増えているようです……それと、関西でも今日と同じ現象が…おそらく和歌山市内で」
「そうか…で、『弓と矢』は?」「どちらも見当たりませんでした…」
「ヴィジョン発現あり…しかし手がかりにはならず……か…それでもやはり興味深いが…」

何の手がかりなのか?『弓と矢』…そんな物が…なぜスタンドと関係しているのか?
(特に『鏃』を気にかけているようだが…発動に関わっている、という事は大体分かる)
ちよの父はそれについて何も語らない。ちよも背景にある父の意図を何となく察しているため、
一度も尋ねられないでいる…しかし、ちよにとって今、そんな事はどうでも良かった。
「(とにかく『制御』できるように…しないといけませんね)」

五十三分。「おはよーさん…んー?…ちよちゃんやないかー?」
「おはようございます……大丈夫ですか?」「え?あたし…何ともないで?それよか、ここ…」
「私の家で預かるように頼まれたんです。大阪さんのお母さんに」「あー、ほな、おおきに」
「どういたしまして…です、ところで、あの…『これ』…見えます?」
「あー、幽霊さんやなー、さっきの…ちょっと貸してくれへんか?」
「えーと…実は…大阪さん…


 . . .. .      . .
『持ってます』…その『幽霊』を」「……うそっ!?」
「本当ですよ…」「ほんまか?ほんまやな!?…ほんなら、それ何処にあるか教えてな」

119 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:09 ID:???


「そうですね…ちょっと時間が掛かりますけど…まず手を出してください。
それで…花を握っているのを…どんな花でもいいです…少し力を込めて想像してください」
「こーやな?うーん………どうやろか……あ…見えたでー…」
握られた手の中には…紅いチューリップと向日葵が一輪ずつ。
「やりました!本当ですね!(……おおっ…これは…とても………早いですね…)
そうしたら…壁に触って…自分が最近見た中で一番良かった夢を…」
「…………ドーナツや…ドーナツいっぱい……」壁から段々と広がってゆく効果。
「……そこで…その夢が『この部屋で』起こっていることを確認して…」
「なんやー…?そしたらなんか起こるんかー?」「…いえ…いいんです、それで」


―成功。
範囲が…「部屋の中」で留まっている。自室の数メートル四方に収まっている…菓子が降ってくる映像。
………さて、次の段階…ここからだ。

120 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:11 ID:???
八時六分。
「ところでなー…幽霊さん、は、どないしたん?」
「今から教えます…今壁に当てている右手をじっと見つめてください…それで…
そこから『何か』が分かれ出ることだけを考えてください」
「うーん…何やろ…なにが…出てくるんやー?…」「もっと…腕と心に力を込めて…」
「んんんん……………」「とにかく『何か』を出す事だけに念を…」
「………おぉっ!これ…なんや?変な感触が…あって………さわ…れる…で?」

「それが…大阪さんの幽霊、いや『スタンド』の手です」
「ゆうれいさんこんにちはー、って感じやな…すたんど……すたんどぉ?」
「はい。このような物は一般的に『スタンド』と呼ばれています」
「そっかー…すたんどさんこんにちはー。ほな、あたしにもお顔見してなー」
「右腕から出たら…今度は左腕、その次は頭です。そこまで出せれば後は簡単です」
「……良う分からんけど…こんなんでええんかな……あー……なんか出てきそうや…
……こんなんとちゃうか?このすたんどさん、おもろい顔しとるなぁー」

「そうしたら仕上げに…スタンドの…上半身が前に出て、下半身を大阪さんから引きずり出す…と」
「そんなことするんか!?こわー……でもちよちゃんが言うことやから痛くはなさそーやな…」
「おまじないをかけてあげます…スタンド〜でろ〜…スタンド〜でろ〜…」
「なんかできそうや…えいっ…足も離して………
これやな……これが………すたんどさんの…全身やな?」ここまで、僅か三分弱。

121 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:12 ID:???

そして時計が十分を示した。

「―はい。それで…ちょっと、実感してもらいたいと思います」「何をやー?」
「とりあえず…ベッドに腰掛けていてください」「わかったでー…ひゃっ!?何…ちよちゃんどこ触ってるん!?」
「あ、ごめんなさい。大阪さんには…触れてませんけど」「わかってるねん…でも、変な感じや」
ちよは大阪の隣にいる像…『ヴィジョン』の手を握る。「どうですかー?」「ちょっと……あたしの手が握られてるような気が…」
「そうしたらですね…そのスタンドを動かしてください」「え…これ…自分で動かせるん?」
「はい…取り敢えず、部屋の出口まで歩かせてください。『自分が』動いていると思って念じましょう」

「へー…すたんどさんっておもろいなぁー………ほんまや!動いたで!あれ…なんか…目や耳が…
変な感じやー…段々二つに分かれてくるぅ…出口…まで…すぅーっと動いたけどな…
あたしは出口まで歩いてへんのに…『見える』で」
「(射程距離…三メートルは超えました…そして…少なくとも視覚有り…)
とーっても順調ですよー。それで…できる限り…遠い所まで、歩かせてください…」
「ほな…ちよちゃん家の…ここは玄関…『自分が』動いてるように、やな?」「はい。ちょっと待ってください。
鍵開けますから」「よろしゅうたのみまんがなー…ちよちゃんおおきに…外へ出たみたいやー…
すたんどさんってやっぱおもろいなー」「(30m超過…遠距離ですか…まだ順調…伸びますね)」
「そいで此処が公園…なんかあたしの…あたしのすたんどさん見て驚いてる子供がおるでー…
『なんか変な人形がいるよ』とか『幽霊なんて信じてないぞ』とか聞こえるんやけどなー…
あはっ…なんかくすぐったい…触られてるで…ん…ひゃぁ、ちょっと待ってぇな」

122 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:13 ID:???

「(聴覚も有り…は良いとして…子供達に…『見えている』!?)
………何人触ってますか?それと、公園に何人いますか?」

「……だいたい二十人くらいおるけど…あたしの方に近づいている人は三人…やなぁ」
「ちょっとこの壁に『映して』ください」「!?…あ、この壁に…今見えてるのを…『念じる』…」
「その位で抑えてください…(これは…親子…お父さんと子供…両方見えてますね…それと…別の子供…
自覚してるかどうかは分かりませんが…『見えている』だなんて…まずいです…どうしましょう…
とりあえず気づかれないように……光…光を操作してもらって………透過…)
―自分が…『透明になる』ように…念じてください」

「へ!?ちょ…ちょっと…分からん…どうすれば透明人間になれるんや?」
「方法を考えるより先に…透明になることを『思う』…のです」
「えー…できるんかなぁ………なんか…確かに透明やけど…周りに広がっとるで」
「自分に…そしてそのスタンドに…意識を集中させて…」
「あー…こんな感じやな?……消えたー…って驚いとるみたいやけど…」
「はい…映ってますね…スタンドの方も透明になってます…歩き続けてください」
「透明やー、あたし透明やで…―――そろそろ…ここは駅やな…まだまだ歩くでー…」

八時四十二分…射程距離測定、三十分以上経過。

123 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:15 ID:???

―性能は大体分かった…非常に使い勝手の良い能力だ―ちよは感心してしまった。
だが、何のための「性能」だ?スタンド…精神力の塊―その大方の使用目的は「戦闘」にある。

この地域を、いやこの国を…果ては世界の侵略を試みる者達が町に潜んでいたら…
私は思い切って戦う。スタンドを持っている事に使命感を感じている。
しかし、その時に…戦いを好まないスタンド使い、スタンドを自覚していない者、
スタンドを知らない者……そして何より、目の前にいる親友を巻き込まねばならないのだろうか?

―そんな事は考えてはならない、とちよはあらぬ方向に広がる思考を自制した。
侵略する者など………存在しないはずだ、と。言い聞かせなければならなかった。
一抹の不安を抱きながら―


「これなら…大丈夫です…とてもうまくいってます!最後に…全身の力を抜いて」
「ほなー、何も考えんで力を抜くってことやな?………なんか…きもちえーなぁ…
あたしとすたんどさんが一つになってくよな…」
―ちよもスタンドを初めて発現させたときに同じ感覚を持った…どうやら、スタンドが本体に戻るときや
最大限の力をスタンドが発揮するとき(これは父から聞いた事だが)…本体は妙な一体感を得るらしい。
一種の精神統一だろうか?

…一通り、終わった。この位の訓練でも、能力の暴走はかなり抑えられる。
大阪は上達が早かった。スタンド制御歴の長い父が言うには…このような場合は少なくとも三日かかるらしいが。
実は精神力が強いのだろうか?それとも…自覚して使ったことがあるのか?

124 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:18 ID:???

五十一分。リビングから父の声がする…
「ちよ、こっちに来なさい」「はーい、お父さーん」
「あたしも一緒に行ってええか?ちよちゃんのお父さん、見たことあるけど…話した事ないからなぁ」
「えーと…良いですけど…準備が必要なので、五分くらいそこで待っててくださいね…」
「んー?なんの準備やー?」「…とりあえずそこにいて下さい、できれば」

「―どうだい?あと何時間かかるか…見込みは?」
「いえ…もう『終わりました』」
「……今、何と言った?」「『基礎訓練は終わりました』」
「早い…一時間位しか掛かっていない…?」
「スタンドを分離するまで…約三十分です」「何だと!?それは…『測定』の結果は?」
「遠隔操作―少なくとも500m以上、視聴覚共に有り、スタンド像の大きさは
本体よりかなり大きいです…180cm弱でしょうか…
分かってるとは思いますが…能力は『電磁波操作』…かなり応用が利くようです。
少なくとも…映写、紫外線照射、電波攪乱、透明化…は確認しました。
報道されている限りでは、能力の射程は…数十キロに及びます」
「了解した…」

125 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:22 ID:???

「ところで、教えてください、お父さん…私は感じています…得体の知れないものを」
「『引力』…のこと、か?」
「はい………この町…やはり何かがあるような気がするんです。
少なくとも、私とお父さん…そして大阪さん以外に…いるのは確かです…スタンド使いが。
近くの公園で…三人『見える人』を確認しました…発現しているかは分かりません…
それと、三日前…学校で…恐らくスタンド効果だと思われる現象がありました」
「どんな現象…だね?」
「液状化……校庭が深い池になったんです。土を液体にしたようですけど…
スタンド像も本体も分かりませんでした…」
「学校内で………ちよ、気を付けなさい。誰かが狙っているかもしれない…
それらの現象は…私達に対する『警鐘』だ…間違いなく、『潜んでいる』」
「はい…でも、学校の人たちに…そんな悪い事をする人がいるだなんて、信じませんよ!それだけは!」
「信じるか信じないかはいい。心の準備を済ませるんだ…確実に『引き寄せられている』…一点に。
そして…ともすれば起こってしまうかもしれない、戦いの方向に」
「勇気はあります…『覚悟』もあります…『運命』を受け入れる覚悟も…
でも、巻き込まれる人を、私に守る資格があるんですか……?」

「巻き込まれて死んでしまう人も…傷を負ってしまう人も…破壊されてしまうものも……
多くあるかも知れない…私は長くそれを体験してきた。数多くの痛み、苦しみ、悲しみ、
それ以上の…言葉で表せない事も…―しかし、それでも『守るべきもの』が、その上にある…」

―八時五十六分。

126 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:24 ID:???

「…なぁ…あたしも許さんでー」
「お、大阪さん!いつの間に…」
「あたしも、いざとなったら…皆のために、な」
「そんな…大阪さん、私……大阪さんが危ない目に遭うのは見たくありません!」
「…………あのな、あたし、何か…
…よう分からんけどなー、あたしも感じるんや。はるばるここまで引っ越したのも、
ちよちゃんや榊ちゃんに会ったことも、仲良くなった事も…みんなの間に
とっても強い『力』があるから…と思うんや。だから、な…




―あたしも、『覚悟』してる、で?…大切なもの、守りたいんや…だから……

127 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:24 ID:???

…あ、初めましてー。あたし、春日歩って言います、ちよちゃんの同級生です。
みんなからは、大阪、て呼ばれてます。よろしゅうお願いします」
「春日君…だね?ちよからいつも聞いております。こちらこそ…よろしく願います。
ところで…そのスタンド…もう名前はあるのかい」
「そうやねー…まだ…わからんのや、名前。何にしよかなー」
「それなら…私に名づけさせてくれないか…『ストレンジ・デイズ』と」
「あー…すとれんじ…でいず…よう分かりませんけど、面白う名前ですね」
「気に入ってくれたかい?」「………ハイ」



「これから…起こるであろう事は―感じてはいても―分からない。
しかし、ちよや春日君だったら大丈夫だ。私は信じている。そして…
君達の仲間も、守ってくれるだろう…

―進むんだ。前へ。そして、自分だけじゃあない…大切なものを、信じろ。」

「わかりました…ちよ、頑張りますよ」「あたしも頑張るで…絶対に」

「そうだ。そして私も、君たちのことを見守っている、大丈夫だ。きっと」

128 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:25 ID:???

「―九時のニュースをお伝えします。三時二十分から七時四十分前後にかけて起こった
―市の騒動が収束してから一時間以上経っております…現時点で問題は起こっておりません―」

「あー…大騒動になっちゃったみたいですけど…怪我してる人…大丈夫でしょうか…
こんな事が起こって誰かがもしも……誰かが死ぬような事があったら…」
「春日君は無自覚で発動しただけだ…何の罪もない」
「でも…私達が意図的に『巻き戻し』たのは」
「知らねばならない事を、私たちは知った。そして、それ以上の被害が起こるのを防いだ…
何も施さなければ…どうなっていたと思うか?」
「お父さん…分かってます、それは…でも、とても心が痛むんです」
「…今から進む道は…それ以上のものかもしれない…私が言える事は、それ位だ」
「…………」

129 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:27 ID:???

進む道…進むべき道……幾多の障害…心を蝕むような事…
不安、悲しみ、苦しみ、痛み、絶望…
立ち向かうもの…
決意、覚悟、前進、勇気、努力…
守るべきもの…
世界、人民、正義、平和、仲間…

ちよの脳内に羅列される言葉…今からこんな事を考えなければならないのだろうか…
使命を持った者として―しなければならない事とは、何なのだろうか?


「んー……すたんどさん…すとれんじぃ〜でいず〜……う…あははははははははは」
「大阪さん、どうしましたか!?」「なんかおもろいなぁ〜…『ストレンジ・デイズ』って」
「どうやら…気に入ってくれたみたいだな…とても良いことだ」
「はい…気に入ってるみたいですね…なんだか…
大阪さんのそばに居ると…とっても…心がきれいになるような気がします…
守ってあげたい…って…思うんです」
「ちよ…お前が…私の娘で本当に良かった…ありがとう」

…こんな会話をしていられるのも…こんな雰囲気に包まれていられるのも…
こんなに恵まれて…こんなに幸せに過ごしているのも…今だけかもしれない。

だから…

今だけでも…ここに居る事を大切に思おう。
そう、ちよは感じた。

130 :ストレンジ・デイズ(2) :2005/08/11(木) 00:29 ID:???


―時は進み、午後十一時四十五分。

榊は唯々眠りに就き、夢を見ていた。「……ん………ねこ、さん…ああ…まって…
「にげ、な……ん……――電…話?こんな時間に…」着信あり。

「もしもし。榊君かね」
「…………誰、ですか?……こんな時間に」
「私だ。娘がいつもお世話になっております…」
「…貴方は………………ちよちゃんの……お父、さん?」
「ああ…そうだ…詳しい事は後日改めて連絡するが…いいかね…
   . . .
―『始まる』………もうすぐ……時が来るだろう」

「…?どういう事で…………」

「君も感じているだろう…いや、感じているはずだ…『力』を」
「それは………」「ではまた。君も…そろそろ寝たほうがよいだろうからな」
「何を…一体何を…?あ………もう……切れてる…………
『力』…始まる………前に…ちよちゃんの…お父さん……………言っていた…ような…

まさか……」


明日…巡り会うかもしれない………「力」を感じるもの同士が。


                                     (続く方に三セント)

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