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ヒョロメガネ問答
- 1 :大山 :2004/01/19(月) 22:27 ID:XUUuA6B2
- 『だいせん』って間違えないでください、板橋の大山です。
- 697 :693 :2007/04/29(日) 00:32 ID:???
- 「あはは、バッカでー」
「何だとこの野郎」
ったく滝野は男のロマンをわからないらしい
相手がどんな武器を持ってても、それをナイフ一本でけちらすというのが
どれほどのものなのかを!
「ところで長谷川さー」
「なんだよ」
もうすでに意気消沈だ、話を聞く気にもならない
「長谷川ってその・・どのくらいの胸が好き?」
「はぁ?・・・強いて言えば微乳かな。多からず少なからず」
そう、大きすぎれば抱きにくいし、小さすぎれば刺激がない。
何事も中庸が一番いいのだ
「ふ、ふ〜ん///」
オレのこの答えに滝野は顔をわずかに赤らめた。風邪かコイツ?
- 698 :693 :2007/04/29(日) 00:32 ID:???
- 滝野は何だかんだ言って腐れ縁だ。
正直バカ話をするには一番適してる。
大山はマジメすぎるし、後藤は下ネタに走る傾向がある。
そういう面では滝野は話しやすかった。
「なぁ長谷川、アレ取って」
「なんだよアレって」
「いいから早く!」
「ああ、はいはい。ほらよ、孫の手」
「サンキュー!いや〜背中がかゆくてさ〜・・・ってなんでやねん!」
「え?違ったか?」
「っていうかなんでこんなもん学校に持って来てんだよ」
「オレに聞くな」
「誰に聞けばいいんだよ」
「お前はいつからツッコミ属性になったんだ?オレの役を取るなよ」
周りから笑いが聞こえる。笑うな。オレは今疲れてるんだ。
そう、昨日借りてたDVDを一気に観たからな。
だがその日に限って滝野はいつもより絡んできた。
- 699 :693 :2007/04/29(日) 00:33 ID:???
- 「なぁ長谷川、プリント落ちた」
「自分で拾え」
「長谷川ー、ここの問題教えてー」
「水原がいるだろ」
「長谷川、私の分の掃除もしといて」
「お前いつも何もやってねぇだろ」
ああ、本当に疲れてきたぜ。せめて違う日にしてくれ。
そして学校終了のチャイムが鳴った。
「じゃあなー長谷川ー」
「じゃ」
よし、明日までには体力を回復させよう。
そうだ、今日帰ったらヌくのを止めてすぐ寝よう。
- 700 :693 :2007/04/29(日) 00:33 ID:???
- そして翌日――
「やぁ、長谷川君」
「ウィッス、大山」
何と早く寝すぎて早く起きてしまったのだ。
おかげで通学路で大山に会った。これは結構珍しい。
「時に長谷川君」
「何だよ?」
「最近滝野さんと親しくないかい?」
「・・・お前はいつから後藤になったんだ?」
「真似してるつもりはないんだけどな・・」
「話しにくいんだよお前等は。だから滝野と話してるだけだ」
「千尋さんと話せばいいじゃないか」
「・・・ッ・・・」
千尋――彼女はオレの好きな娘の名前だ。
中学では親しかったんだが、最近では一層可愛くなって話しかけることができない。
それでも何の気負いもなく彼女はオレに話しかけてくれる。
彼女がオレに話しかけてくれるたびにオレは嬉しくなる。
「そういえばー」
そうだ、そういえば
「最近千尋と話してないなー・・・」
そうなのだ、いつからだったか、千尋があまり話しかけて来なくなった
「やっぱり滝野さんと話しすぎだよ」
そうか・・・それが原因か。
きっと千尋はオレと滝野が親しくしてるのを見て、遠慮したんだろう。
くそー!可愛いぞ!千尋!!
「そういうことはあまり大声で言わないほうがいいと思うよ」
「え!?今の声に出てた!?」
「うん。ほらあそこ・・・」
確かに周りからは笑いが聞こえる。そして大山の指差す方向に眼を向けると・・
「あ・・・」
いた。千尋が。真っ赤だ。
オレも段々赤くなってきた。
「くそ!!穴があったら入れたいぜ!!」
「長谷川君・・・「入りたい」の間違いでしょ?」
しまった!後藤や滝野と話してる時の言葉が出ちまった!
もうダメだオレ。今の発言で周りからの笑いが大きくなった。
- 701 :693 :2007/04/29(日) 00:33 ID:???
- 結局ホームルーム開始15分前には着いた
朝のうんぬんもあったし、こういうときこそ鬱憤晴らしだよな!
「ウィッス滝野!」
「うわ!なんであんたがこんなに早く教室にいるの!?」
「いちゃ悪いかよ」
「珍し〜!」
「昨日は早く寝たんだ!だから早く起きたんだよ!!」
「それも珍しいね」
「お前もいつもより早いじゃないか」
「まぁ今日はたまたまね」
「なんじゃそりゃ」
「で、何の用?」
「話をそらすな。」
「本題に入ろうよ」
「いや特に何も用は無いが・・・」
そうだ、オレは何がしたかったんだろう。
ただ単にコイツと話したら鬱憤が晴れるような気がした、それだけだよな
「どうした?いきなり考え込んで」
「え?」
時計を見ると10分は経過してた。どうやったらこんなに考え込むことができるのだろうか。
この集中力をテストの時間にもっと使えたなら、大山と張り合うこともできるだろうに。
いや、それよりも、滝野は10分もオレを黙って待ってたのか?
「滝野お前・・」
「あ、もうすぐホームルーム始まる!!ゆかりちゃん最近遅刻しないもんなぁ」
確かに、ゆかり先生は何故か最近遅刻しない。新作ゲームを買うお金が無いのか?
「あ、あのさ・・」
「何だ?もう始まるぞ」
「放課後、屋上に来てくれない?」
何だ?何をする気なんだ?
考える間もなくゆかり先生は来た。
- 702 :693 :2007/04/29(日) 00:34 ID:???
- 昼食時間――
滝野はいなかった。いや、いつものことだが。
この時間になると、ちよちゃん、春日、滝野、水原、榊、神楽の6人はどこかで食べるらしい。
今になって始まったことではない。
あの6人はかなり親しいグループに入ると思う。
「凸凹グループってか・・・」
じっさいかなり性格的にバランスが取れてると思う。
「水原の奴は毎回苦労してるよな・・・」
さて、オレは早めに食べ終わると時計を見た。次の時間まで余裕だ。
千尋は教室にいる。
「おい長谷川ー」
「後藤?どうした?」
「せっかくだから千尋ちゃんと話したらどうだ?」
「な・・」
「あ?それとももう滝野の方へ気持ちが移っちまったか?」
「そんな事ある訳ねーだろ!!」
「じゃあ話して来いよ。暇なんだろ?」
確かに暇ではある。しかし今日の朝の一件があったから・・
そういえば朝の一件はコイツには見られていない。コイツは来るのが遅いからな。
「何で今日に限ってそんな事言うんだ?」
「今日の朝の一件の後、お前と千尋ちゃんが話したらどうなるのか見たいから」
ちょっと待て
「・・・何で知ってる?」
「オレの情報網なめんな」
ウッシッシと後藤が笑う。悪夢だ。
「くそ・・・」
だが、実際千尋と話したいという気持ちもあった。
だから今回は後藤の言うなりにした。
- 703 :693 :2007/04/29(日) 00:34 ID:???
- 「なぁ千尋ー」
なるべく平静を装って話しかける。
「は、長谷川くん?どうしたの?」
にっこりスマイル。オレはすでに悩殺された。
「いや、あの最近話してないなーと思って・・」
心臓がバクバクいってる。音が聞こえるんじゃないか?落ち着けオレ。
「そうだねー」
あえて聞いてみよう
「何で最近話しかけて来なかったんだ?」
「えっと・・智とよく話してるから邪魔しちゃわるいなーって思って・・」
やっぱり、である。オレは何と罪作りな男か。
「でも、長谷川くんに話しかけてもらえてちょっと嬉しいかも・・」
見ると、千尋が赤くなってる。もうダメだ。今すぐ走り出したい。
だがそんな衝動を抑えつつ・・・って千尋今なんて言った?
「ねぇ長谷川くん」
千尋に見つめられる。ああもうダメだオレ。死ぬ。
そんなきれいな瞳で汚れたオレを見ないでくれ。
やばいやばい本当に死ぬ。ああ千尋。。。
千尋は少しずつ言葉を紡んで言った。
「今朝・・の事・・・って・・ホント・・なのかな・・?///」
千尋は真っ赤になって俯いてた。
ああ、もちろんだとも!嘘偽りの無い真実だ!
だがオレの口は一言も発してくれなかった。
ああ、父さん。母さん。オレは今幸せです。
そんな俺たちの様子を後藤と大山はニヤニヤ眺めていた。って大山、お前もか。
- 704 :693 :2007/04/29(日) 00:35 ID:???
- 放課後――屋上にて。
「あ、長谷川・・」
「おう、滝野」
「ちゃんと来てくれたんだね」
「そりゃ呼び出されたからな」
なんか滝野の様子が少しおかしいな。
「あのさ、長谷川」
「何だ?」
「す・・す・・すき焼きって好き?」
何が言いたいのだ
「もちろん好きだぜ!ってか、すき焼きが嫌いな男は男じゃねぇ」
「へぇ、そうなんだ。。って違う!」
「何が!?」
「じゃなくてぇ・・・す・・す・・」
「す?」
「スイカ割りしない!?」
「夏休みまで待とうぜ」
「あ、いや、そうじゃなくて!」
「一体お前は何なんだ」
「だからぁ!」
す?「す」から始まる単語って何かあったか?お酢か?
このままいったら「スマート」だか「トマート」がかそんな言葉が続きそうだな。
「もう・・バカ・・」
「は?」
誰がバカだと?オレ何か変なことしたか?
「長谷川の事が好きなの!!」
「・・・・・・・・・・・・・・へ?」
時が―――止まった。
- 705 :693 :2007/04/29(日) 00:35 ID:???
- 「だから・・長谷川のことが・・」
滝野は今にも泣きそうだ。
というより、滝野は今何と言った?好き?なぜだ?ホワイ?
オレは特に滝野の気を引くようなことはしたつもりもないし、
さっきまで笑い合ってたのにこの急展開。
オレの思考は停止していた。いや、考えるのを拒んだのか。
そもそもワケがわからない。
「た・・きの・・?」
情けないオレはこんな間抜けな言葉しか発することができなかった。
「バカ!!」
滝野は全力疾走で屋上の出入り口から勢い良く校内へと走って行った。
「ば・・」←オレ
オレは・・・どうしたらいい?
オレは―――――――
- 706 :693 :2007/04/29(日) 00:36 ID:???
- 以上。
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