世の中のすべての萌えるを。

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あずまんが太平記

1 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/26(木) 15:04 ID:Pi9PicBs
彼女たちを戦国時代にとばして大暴れさせよう!というスレです。
参考までに、「ある高校の3組の一日」。
http://www.patipati.com/test/read.cgi?bbs=oosaka&key=036338920&ls=50

では、いってみよーー!!

17 :名無しさんちゃうねん :2002/12/26(木) 23:11 ID:???
織田智ちゃんは今川家から独立した松平ちよと同盟を結び、
西の伊勢をたいらげると北の斎藤家を睨んだ。
斎藤家では先日内紛があり、智ちゃんにとって義父でもある
斎藤道山が娘である斎藤ゆかり(注・別人)に殺されたのだ。
智ちゃんは暦に斎藤ゆかり攻略を命じた。
「あとは頼んだよーん。私はちよとゲームしてるから」

18 :名無しさんちゃうねん :2002/12/26(木) 23:23 ID:???
ゲームができると思ったのもつかの間。
尾張、三河地方に一向一揆が発生。
もちろん、黒幕は本願寺の主である木村顕如。
「なんで一揆をおこすんですかー?」
「念仏とか好きだから」

19 :名無しさんちゃうねん :2002/12/26(木) 23:27 ID:???
智ちゃん「もー。面倒だなあ。皆殺しだー!」
織田智ちゃんが虐殺をしてるそのころ、
川中島では愛欲の戦いが行われていた。

榊謙信(影虎)「時代がずれてるような」
智ちゃん「気にするな」

武田かおりん「はあはあ....榊さん、愛してます。私のものになって!」

20 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 00:00 ID:s65T2Jes
川中島の戦いは、結局決着がつくことはなかった。
しかし、その5年後、東北に一人の武将が誕生した。
その名は、伊達歩。
のちに「独眼竜」と恐れられるようになるとは、このとき誰も予想しなかったのである。

21 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 00:07 ID:HpMlUTF2
話は戻って、木下暦。
「ちっ、智のやつ私に面倒な仕事ばっか回して」
暦はあることを思いついた。
「製材を夜中に運んで組み立て、一夜城でゆかり(別人)を驚かせてやる」

22 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 01:56 ID:???
暦「おーい、千尋。蜂須賀千尋はいるかー?」
千尋「あ、よみ、ひさしぶり」
暦「ああ。会って早々なんだが、また智のやつが無茶なこといいだしてさ・・・」

千尋「・・・ええーー?一晩でお城をー?無理よー」
暦「大丈夫、私に策があるから・・・」
千尋「策?」

暦「話はわかったな。じゃあ早速行こうか」
千尋「うん。・・・・ところで、あの、やっぱり私、いろんな脇役で使いまわされる運命なのかな?」
暦「何を言っている?さあいくぞ」

23 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 03:12 ID:HpMlUTF2
いかにも今後も死に役で使い回されそうな斎藤ゆかり(別人)は
智陣営随一の切れ者である暦出陣の報を受けた。
「一言よけいよナレーション」
手下の大山(別人)がまあまあとなだめる。
「相手が暦といっても、地の利はこちらにあります。
柴田や佐久間のときと同様、墨俣への拠点づくりを
執拗に妨害していれば大丈夫のはずです」
「よし、大山ぁ、暦が工事をはじめたところを
見計らって奇襲して追い散らせ。万一失敗したら死ねよ」
「大丈夫です。私の頭脳に読み誤りなどありません。
それより成功の暁には、卒業するまで英語100点お願いします」
「お安いご用さそれくらい」

24 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 10:42 ID:???
その頃、木下暦は長良川上流にいた。
「いいか。ここで城に必要な木材を伐採、製材し、筏を組んで墨俣まで流す。
墨俣では流れてきた木材をくみ上げるだけでいいわけだ。
これでゆかりちゃんたちに気づかれないですばやく築城することが可能だ。
ちなみに、木材の伐採は非常に消費カロリーが多く、また、筋力もつくため
効果的に体重を減らすことができる。」

千尋(それが何の関係が・・・・)

25 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 12:22 ID:s65T2Jes
暦の配下の兵たちが、木材を伐採、製材し、筏を組んで墨俣まで流している。
筏が墨俣付近まで到達したとき、大山の兵たちが矢を放ってきた。
「よいか!誰一人とて墨俣に上陸させてはならんぞ!!」
大山がそう叫んでいるのが聞こえる。
矢の雨は一向に止む気配が無い。
しかし、真夜中で、音を頼りに放つしかない大山方の矢は、ほとんど当たらず、
ほぼ全ての兵が墨俣に上陸し、築城を開始した。

26 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 12:34 ID:s65T2Jes
暦も、陸路から墨俣に入り、築城を指揮した。
「先ず外壁から建てよ!内装は後回しじゃ!!」
兵たちは素直にそれに従っている。
築城のため、篝火を焚いているので、そこ目掛けて大山方が矢を放ってくる。
しかしそれも、外壁に阻まれ、兵には当たらなかった。
「これで安心して築城できる。急げ!今夜中に外壁を全て築くのじゃ!」
暦は兵たちを激励する。
そして、夜が明けたときには、斉藤の本陣からは、墨俣城が突如現れたかのように見えたのである。

27 :うちゅー :2002/12/27(金) 12:57 ID:???
「な、なんだあの面妖な城は……暦は妖術でも使ったか?」
 墨俣一夜城は、正面から見たらメガネの形をしていた!
「大山様、あのメガネが邪魔して火矢も届きません」
「帰れば死が待っている――力攻めしかないな。全軍突撃ぃー!」
 しかし大山隊は城攻めの用意をしていなかった!
 あまりに無謀な命令のため、ボイコットする部下が続出した。
「なんでやねん」
 大山は部下に信望がなかった!
「おまえら忠誠度いくつだー!」
「0%です! ゆかりちゃんが給料払ってくれないので」
「0%です! ちよちゃんのほうがいいです」
「0%です! 女の子の下で働きたいです」
 とっとこハム太郎と逃げてゆく。
「こら待てーー! 敵前逃亡罪で銃殺だー!」
「それは400年近く未来の話だぜ」
「なにー?」
 暦の声にふり向いたそのときだった、大山の眉間を矢が貫いた!
「あぼーん!」
 大山は暦の放った矢にて戦死――ごほごほ、討死した。
 こうして墨俣に美濃攻略の橋頭堡を築いた智ちゃん軍は、
次第に斎藤ゆかりを追いつめ、ついには滅ぼすことに成功した。
「またいいとこなしかよー、今度は覚えてろよー!」
 美濃に入った智ちゃんはこの地を岐阜と改名し、
天下布武へ向けて上洛の機会をうかがった。
 そんなときである、名ばかりとなっている足利将軍家の
血縁の者が、智ちゃんの足元に転がり込んできたのだ。

28 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 13:38 ID:s65T2Jes
その名は、足利かおりん。将軍家の血筋である。
「殿、足利将軍家の者とは申せ、所詮名ばかりにござります。
 何の力もござりませぬが、その地位は利用できるかと・・・」
暦が智に言った。しかし、智には分からないようだ。
「つまり、あの者を奉じて入京するのです。我らには将軍家の者が居る故、何人も手は出せませぬ。」
「なるほど!つまり我らに手を出せば、それはすなわち将軍への反逆となる訳か!」
智も納得し、翌年、足利かおりんを奉じて入京し、かおりんを征夷大将軍に補任。
絶大な権力を手にするのであった。

29 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 13:45 ID:pYlm.2UM
なんで戦国時代になってるの?太平記じゃ無いの?

30 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 13:54 ID:???
気にするな(AA略

31 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 14:05 ID:s65T2Jes
キャラをまとめますと、
智=織田信長
暦=木下(羽柴・豊臣)秀吉
ちよ=徳川家康
大阪(歩)=伊達政宗
神楽=九戸政実
榊=上杉謙信
その他=使い回し

と、なります。では、続きどーぞ

32 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 15:38 ID:???
かおりん将軍「ありがと智ちゃん。智ちゃん副委員長ね」
智ちゃん「だめ。副はもういや!」
かおりん「そんなのダメだよう。だって私が委員長だもん」

智ちゃんはかおりんの副将軍就任要請を断りつづけた。
かおりん「もういや!智ちゃんなんか嫌い嫌い嫌いー!」
かおりんは周囲の戦国大名に智ちゃん打倒を呼びかけた。

33 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 15:45 ID:???
木村義景「はい!かおりんがいいと思います!」
木村顕如「はい!ボクもかおりんがいいと思います!」
木村義継「ボクもかおりんがいいと思います!」
木村弾正「はい!ボクも(以下略

つぎつぎと大名が信長包囲網に参加した。


え?木村だけだって?

34 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 15:47 ID:???
本願寺キムリン「かおりん将軍とか好きだからー!」
キムリンが扇動する一向一揆が智ちゃんを苦しめる。

榊謙信「.....かおりん将軍LOVE」
越後の竜も機会を伺っている。

武田かおりん「キー!あちらのかおりんに榊さんを取られてなるものですか」
勘違いした風林火山も智ちゃん打倒を誓って、
智ちゃんと同盟しているちよちゃんにちょっかいを出すようになった。
ちよちゃん「いやーん」

だが真の敵はもっと近くにいた。
浅井ゆかり「ひゃっほー!」
朝倉にゃも「なんで私が,,,,,」
浅井朝倉連合軍が旗揚げして智ちゃんを倒そうとしてきたのだ。

智ちゃん「うぬぬ、先生コンビめー。許さないぞー。ちよちゃん助けてー」
ちよちゃん「またですかー?」
智ちゃん、ちよちゃんVSゆかり、にゃも。
姉川の戦いがいま、はじまる。

35 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 15:55 ID:???
木村義景「ボクが本物だーい!」
朝倉にゃも「あんたにタッチするわ」
木村義景「わーい!かおりーん!」
にゃも「死ぬのに」

36 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 16:17 ID:???
木下暦「待て、この戦いには私も参加してるぞ!」

37 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 16:20 ID:???
織田智「まあまあ、あんた私の1部下にすぎないしー」

38 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 16:36 ID:???
状況はよくわからないがちよちゃんの活躍で
木村義景と朝倉にゃもは蹴散らされた。
「天才ですからー」
「ちよちゃんありがとー。頭なでなで」
「わーい。ありがとうございます智ちゃん」
呆然とするよみ。
「私は?」
「いやあんた先陣であっさり蹴散らされたし」
そのときだ、比叡山延暦寺で木村が3000人ほど
智ちゃんのエロ同人誌を販売しているという情報が飛び込んだ。

39 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 16:50 ID:???
にゃも「こらー!私戦ってないわよ」
大阪「38訂正やでー」

>木村義景と朝倉にゃもは蹴散らされた。
 ↓
木村義景と浅井ゆかりは蹴散らされた。

ゆかり「キー!またまた負けたー!」
大山「殿、まだ先はありますぞ」
ゆかり「あんたウザい」
ざん。
大山「,.......がく」

40 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 16:53 ID:???
智ちゃんは怒った。
織田智「キムリンで僧侶のくせに私を侮辱するとは許さん!皆殺しにしろ」
木下暦「相手は3000人の木村ですぞ」
織田智「構わない、焼き討ちだー!」

41 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 17:02 ID:s65T2Jes
智は聞く耳を持たなかった。
こうして、智の軍勢が、比叡山延暦寺を目指して、進軍を開始した。
「女であろうと子供であろうと、木村は木村じゃ!一人残さず皆殺しじゃ!!」
「ウオーーーーッ!!」
智の軍勢が、延暦寺境内になだれ込む。たちまち、あちこちで、悲鳴や絶叫が響いた。
「火を放て!一人も見逃すな!!」
本堂に火が放たれた。本堂が燃え上がり、中から僧兵が出てきた。
「織田智殿でござるな!かような狼藉、許さぬ!!」
と、智に襲いかかってきた。

42 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 17:03 ID:RBeG0bGw
兵士たちが延暦寺につくと、3000人の木村が
わさわさとゴキブリのように歩き回りながら
智ちゃんのエロ同人誌を売っていた。

客は誰もいなかった。

43 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 17:04 ID:???
女子供もみんな木村の顔をしていた。
気味が悪かった。呪われそうだ。

本当に皆殺しにしますか?
→YES
 NO

44 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 17:08 ID:s65T2Jes
「殺せ、殺せーーっ!!」
智の声が響き渡る。もはや、狂気に近かった。
木村が次々と殺されていく。たちまち死体の山が出来た。
こうして、比叡山延暦寺は焼け落ち、木村は皆殺しにされた。
そして、智の悪名は全国にとどろき渡ったのである。

45 :うちゅー :2002/12/27(金) 17:14 ID:???
 智に斬りかかった木村を凛々しい顔をした木村が倒した。
「すまぬ、ありがとう」
「いやなに。当然のことをしたまでですよー」
「そなた、名前はなんという?」
「ふっ。私は凛々しい顔をした木村光秀です」
「そうか、木村光秀というのか」
「ちがいます。『凛々しい顔をした木村光秀』です」
「はぁ?」
「以後お見知り置きを」
「まあいいや。配下にしてやる」
「ははあ」
 こうして『凛々しい顔をした木村光秀』が智ちゃんの配下に加わった。
 史実とぜーんぜんちがうって? 気にするな。

 延暦寺焼討ちは世間の非難を浴びた。そしてついに巨星が動いた。
「もう許せません。成敗しちゃいます!」
 武田かおりんが3万余の大軍を率いて上洛を目指して西進を開始したのだ。
 その矛先には、ちよちゃん!
「うわーん。大変ですうー」
 ちよちゃんはわずか1万の軍勢で出陣し、三方ヶ原で武田かおりんと激突した!

46 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 17:17 ID:s65T2Jes
そのころ、奥州では、神楽政実がその報を聞いていた。
「ほう、織田殿が、比叡山を焼き討ちにしたか。」
神楽は、さもありなんといった表情で聞いていた。
「面白き方じゃ、ぜひ一度戦さをしたいものじゃな。」
神楽は、最近それが夢であった。将来、その夢が叶うとは、このときは思いもしなかったのだった。

47 :うちゅー :2002/12/27(金) 17:26 ID:???
 ちょうどそのころ、はるか中国地方は毛利家。

 一代で中国地方の大半を手にした毛利にゃもは、死の床に伏していた。
「朝倉から役替わりでいきなり死ぬんかい!」
 まあまあ。
「まあいい。こちらに来いおまえたち」
「はい」「はい」「はい」
 3人の息子達だ。
「おまえら、この矢を折ってみろ」
「はい」
 ばきん。
「1本の矢だとこうしてすぐに折れる。だが――この3本に束ねた矢を折ってみろ」
「はい」
 ばきん。
「…………」
「それで母上、なんでしょうか」
「……いや、なんでもないです。ぐすん」
 巨星が墜ちた。

48 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 17:40 ID:???
徳川ちよは3倍する武田軍にあっさり蹴散らされた。
ちよ「いやーん」
自分の城に逃げ帰ると、がたがたと震えた。
かおりん「ちよちゃんを倒せー」
武田軍が迫る!
しかしそのときであった。細長い猫が降臨したのだ。
ちよ父「娘をいじめるようなことを,,,,,,」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
武田かおりん以下、上洛の武田軍は全滅した。
ちよ「ありがとう、お父さん」

49 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 17:42 ID:???
つぎは長篠合戦かな。

50 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 17:51 ID:s65T2Jes
三方ヶ原合戦の翌年、将軍足利かおりんと不仲だった智は、かおりんを京から追放した。
「智め〜・・・覚えてろよ〜!!」
かおりんはそう言って京から出て行った。
こうして智は、強大な権力を手に入れることになる。
「はっはっは!わしの天下じゃ!!」
智は次に、自身に刃向かう浅井・朝倉氏を滅ぼすため、行動を開始した・・・。

51 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 17:54 ID:???
甲斐の百合・・もとい、虎の死は武田家により秘匿されたものの、いつしか全国に知れ渡る。

榊謙信「え・・・?かおりんが死んだ?」
最大のライバル、謙信はこの報に衝撃を・・・・・

榊「そう、じゃあ私はマヤーのとこに行かないと」
とくに受けてなかった。

52 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/27(金) 18:54 ID:s65T2Jes
この年、姓を木下から羽柴に改姓した暦。
その暦を先頭に、智軍は、朝倉軍を追って越前へ向かっていた。
その越前では、朝倉にゃもが、落ち着かなく過ごしていた。
「来るなよ来るなよ来るなよ・・・」
念仏のように、毎日そう言っていた。
しかし、智軍は刻一刻と越前に接近し、朝倉氏の居城の目と鼻の先にまで来ていた。

53 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 21:49 ID:???
にゃも「私、さっき死んだばかりだけど」
木村「じゃあボクが朝倉義影やるー!!」
浅井ゆかり「あんたもさっき散々殺されたばっかじゃない」
木村「いいもーん。かおりんの討伐戦やりまーす」

木村義影は鼻を鳴らして智軍を迎え撃った.....
しかし数が違いすぎた。
智ちゃん「強攻だー!!」
木村「一等賞〜〜!!!!!」
こうしてまた1人、戦国武将が消えた。

浅井ゆかり「え?つぎ私?大山、大山ぁー」
大山「はい。また生き返りました」

54 :名無しさんちゃうねん :2002/12/28(土) 00:13 ID:???
 浅井ゆかりの妻はじつは智ちゃんの姉で、娘が3人がいた。
「おいっす。私はおめえと殉じるぜ浅井ゆかり!」
「うわー。おめー、ほんとに顔が智とおなじだなー智姉の方」
「殉じるぜ」
「戦力にならないからいらねーよ。娘3人といっしょに智に返す!」
「えー、そんなー」
 こうして智姉の方と3人の娘は助かった。
 智姉の方はその後「ちよちゃんそのうち2メートル越えるぞ」の
石原勝家の元に嫁ぐことになる。
 浅井ゆかりは「我が人生食い倒れ」と辞世の句を残して満腹死した。

 羽柴暦がさっと顔を出す。
「ところでこの戦い、私が活躍したのだが描写がないな」
 面倒だもん。どうせおまえ智が消えたあと散々暴れるだろ。

55 :名無しさんちゃうねん :2002/12/28(土) 00:37 ID:???
そのころ、伊勢長島で2万匹のかみネコが一向一揆を起こしていた。
かみネコ「がるるるるる,,,,,,,,」
かみネコたちは先年から氏家女生徒Aや智ちゃんの弟織田女生徒Bをかみ殺し、
石原勝家を包帯まみれにするなど暴れ放題である。
榊さん「,,,,話せばわかる」
智ちゃん「なんでやねん!わかるはずがねー。みんな殺す!」
智ちゃんはかみネコを裏から支える木村顕如の影響力を省くため、
海上を封鎖して物資輸送を絶った。
木村「智ちゃんも感じた?」
智ちゃん「うるせー!」
かみネコ「ううう,,,,,,」
かみネコたちは飢えてきた。

56 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/28(土) 10:32 ID:zwKWAvXM
智は、一向一揆を鎮圧すべく、長島攻撃を開始した。
「2万とは申せ、ネコ如きに敗れては織田の名折れじゃ!心して戦え!!」
智の兵たちも、血に飢えていた。
長島方の砦に籠城している2万のかみネコたちは、海上封鎖の影響から餓死するネコが続出、
風雨に紛れて脱出をはかった数千のかみネコが斬り殺された。
その後も籠城戦は続いたが、3ヶ月後にかみネコたちは降伏し、舟で逃走を図った。
しかし智は、
「降伏したに逃げるとは、まだ戦さをするということじゃ!鉄砲隊、構えッ!放てぇッ!!」
と、これまた数千のかみネコを射殺した。
また、まだ砦に残っていた1万近くのかみネコたちも、城門を封鎖し四方から火を放ち、全て焼き殺した。
「思い知ったか!わしに刃向かうとこうなるのじゃ!」
智は、もはや虐殺行為になんら良心の呵責もないようである。

57 :名無しさんちゃうねん :2002/12/28(土) 11:24 ID:???
〜閑話休題〜
 伊達の大阪「わたしはどこに入ったらええのん? こたつもあらへんし・・・。」

〜本編再開〜
 ↓

58 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/28(土) 12:43 ID:zwKWAvXM
武田かおりんの子、武田千尋が動いた。
三河国有海原に兵を進め、徳川・織田勢と対峙した。
世に言う、長篠合戦である。
「智の行動は狂気の行動じゃ!許すことはできぬ!今こそ織田を滅ぼすのだ!!」
千尋の軍勢は、意気盛んであった。
しかし、智・ちよ連合軍の鉄砲三弾撃ちの前に敗れ去ってしまったのだ。
「ちよちゃん、見たか!わたしの鉄砲隊に実力を!」
勢いに乗った智軍は、そのまま越前一向一揆も鎮圧。その勢力範囲を確実に広げていった。

59 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/28(土) 13:02 ID:zwKWAvXM
翌年、智は暦たちに安土城築城を命じた。
「わたしの力を天下に見せびらかすような巨大な城を造れ!」
「はッ」
とは言ったものの、どれくらい大きけりゃいいのか。
「なんでこんな面倒なこと命じるかな・・・」
暦が、珍しくぼやいていた。

60 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/28(土) 14:36 ID:zwKWAvXM
ま、いろいろありながらも、どうにかこうにか安土城が完成した。
「お〜!なんとも立派な城だ!満足したぞ。暦、よくやった。」
「有り難き幸せに存じます」
とは言うものの、暦は次第に智への不信感を募らせていった。

61 :名無しさんちゃうねん :2002/12/28(土) 17:23 ID:???
安土城が完成したころ、西日本で2人の戦国大名が
その勢力を急速に広めつつあった。

ひとりは土佐の出来人、長宗我部ねこである。
「にゃー」
渡川(四万十川)の戦いで土佐を統一し、さらに四国全域に影響力を増しつつあった。

もうひとりは薩摩の島津こねこだ。
「にゃー」
耳川の合戦で大友軍を撃ち破り、確実に九州統一へ北進をつづけている。

62 :名無しさんちゃうねん :2002/12/28(土) 17:40 ID:???
日ごとに暴走女子戦国大名としての奔放さが過激になりつつある智ちゃん。
彼女の鬼神とも天魔ともつかぬ人間離れしたその恐ろしさに、
幾人かの部下が自暴自棄に近い謀反を起こしていた。

まず荒木ゆかりが無謀な謀反を起こして攻め滅ぼし(本人は逃走)、
つぎは松永ゆかりがおなじく謀反を起こした。

しかしその連続裏切りは、じつはゆかり先生の策略なのだ。
ゆかり「ふっ。今川ゆかりから数えてもう何人目になるかわからないけど、
じつは私は死んでないのだー!秘かに智の部下になって裏切り、
そして智の威信を下げる。部下たちは疑心暗鬼になってそのうち
本物の謀反が起きる。すばらしい作戦じゃない?」
大山「あの,,,,,死んでないって、じゃあボクは?」
ゆかり「おまえも何人目だっけ?」
大山「それより殿、智ちゃんの兵が押し寄せましたぞ。城を囲んでおります」
ゆかり「ふーん。わー、たくさんいるなー」
智ちゃん「ねーねー、便利なゾンビ人材の大山君もってるでしょ?
それくれたら命だけは助けてあげるー」
ゆかり「そんな策略に乗るかー!おまえの魂胆はわかってるんだぞー」
大山「殿、いうことにしたがいましょう」
ゆかり「なんだとこの野郎。許さん、おまえの体に爆弾巻き付けてやる」
大山「うわーん。いやーん」
ゆかり「わっはっは!一蓮托生!」

どかーん。
ゆかりと大山は死んだ。
智ちゃん「あーあ、せっかくの機会だったのに」

63 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/28(土) 23:32 ID:zwKWAvXM
1年の内に、2人の家臣に見切りをつけられた智。
しかし当の本人は全く気にしていなかった。
「辞めたい奴は勝手に辞めれば〜?」
という有様。これでは嫌われて当然という気も・・・。
そして智のこの行動が、自らの運命を死に向かわせていることに、
智自身気付いていなかったのだった。



64 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/28(土) 23:42 ID:zwKWAvXM
その翌年、徳川ちよに大事件が起こった。
ちよの子、徳川千尋が、21歳の若さで自害し、果てたのだ。
千尋が自害したのには、彼が今川の血を引いていたこと、器量が大きすぎることから、
智の陰謀によって自害を命じられ、それに従ったのだ。
「ともちゃんはひどいです!」
こうして、智とちよの関係も、急速に冷え込んでいくのだった。

65 :名無しさんちゃうねん :2002/12/29(日) 00:56 ID:???
榊さん「・・・・・・猫さん」
北陸で榊謙信が春日山城で急死したという噂が広まった。
事実は西日本に可愛いねここねこさん大名がいるという噂を
ききつけたからだったが、戦国最強を謳われた謙信がいない
北陸の諸大名は、もはや織田智の敵ではなくなった。
榊さん「猫さん・・・・・・可愛い」

66 :名無しさんちゃうねん :2002/12/29(日) 01:03 ID:???
にゃも天皇「あ!やった!ついに死ななそうな役柄だわ!」
天皇が仲介して、智ちゃんと本願寺の和平調停がなされた。
木村顕如「にゃも、感じる?」
にゃも天皇「頼むからさっさと本願寺から出ていって」
木村顕如「そんなー。私はただ、女子高生の・・・・・・・・うう」
智ちゃん「まじ泣きだ」
暦「ああ、まじ泣きだな」
こうして智ちゃんの強力な敵は1人また1人と消えてゆく。
智ちゃんの天下布武はしだいに現実味を帯びてきた。

67 :うさだ大爆発 :2002/12/29(日) 03:22 ID:???
図に乗った智ちゃんはにゃも天皇に安土城へ来るよう言ってきた。
「安土城の天守に立派な内裏作ったからさあ、来てよー」
「京から動くのはいやよ」
「来てよー」
「いやよ」
「なんだよけちー」
智ちゃんの天皇の権威を無視する行動に、
ついに堪忍袋の緒が切れた男があらわれた。
凛々しい顔をした木村光秀である。
「キンコンカンコンの胸を持つにゃもを貧乳がいじめるなんて許さない」
そのころ石原勝家は越中、羽柴暦は備中でそれぞれ陣中にあり、
徳川ちよちゃんは堺で服部ちよパパ(忍者頭)らに守られて見物観光を行っていた。
「好機は今しかない」
凛々しい顔をした木村光秀は軍勢を引き連れ、
夜陰に乗じてある寺を襲った。その寺の名は、本能寺!

68 :名無しさんちゃうねん :2002/12/29(日) 03:37 ID:B948ikLk
待て、まだ>>46の神楽政実が智ちゃんと戦ってないぞ!

69 :名無しさんちゃうねん :2002/12/29(日) 03:38 ID:B948ikLk
そろそろ史実をなぞるのから逸れるのも手。

70 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/29(日) 12:03 ID:T.WUiC.o
しかし、そこはもぬけの殻であった。
「・・・あれ?」
門に戻り、寺の名を確認すると・・・なんと!
「・・・本熊寺?」
まったく別の寺を襲ったのだった!

71 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/29(日) 12:14 ID:T.WUiC.o
そのころ、史実なら襲われて自害するはずだった智は、
大軍を率いて南越後制圧に向かっていた。すでに板東の大半を制圧した智にとって、次の標的は、上越・東北であった。
南越後と言えば、榊家の所領。しかし、謙信なき榊家は、もはや智の敵ではなかった。

72 :名無しさんちゃうねん :2002/12/29(日) 20:42 ID:???
榊謙信に似た凛々しい女人が、西国に出没しているという噂が流れた。
話によれば、就寝の床にあった長宗我部ねこや島津こねこが
何者かに襲われたというのだが、別に寝首を掻かれたわけではない。
面妖なことに、万力のように体の自由を奪われ、一晩中頬ずりされたというのだ。
ねこもこねこもすっかり長髪の女性が苦手となり、
「子々孫々まで祟ってやる!420年後を見てろ!噛むぞ、噛んでやるぞ」
と誓いを立てているそうだが、にゃんにゃんしか言わないので
言葉の内容が本当にそうであるかは疑問だ。
その誓いは離れ小島にいるヤマネコには届いてないようだ。

73 :名無しさんちゃうねん :2002/12/29(日) 20:51 ID:???
本熊寺を襲った凛々しい顔をした木村光秀の前に、
5メートルはあろうかというちよちゃんが出現した。
ちよちゃん「よくも私を襲いましたね凛々しい顔をした木村光秀さん?」
ちよちゃんは観光をしにわずかな部下だけを連れて京都大阪を巡っていたのだ。
巨大化したちよちゃんは、忍者の作った秘匿兵器だ。
本物のちよちゃんは巨大ちよの操縦席にいる。
ちよちゃん「凛々しい顔をした木村光秀さんを殺しなさい」
巨大なちよちゃんは炎を吐いた。
凛々しい顔をした木村光秀「いやー!!」
悪は滅びた。
ちよちゃん「私が一番安全なはずのこの地で襲われたのは、
智ちゃんの監督不行届です。謝罪と100万両の賠償を要求するニダ」
智ちゃん「おまえは朝鮮人か?殺しますよー?」
ちよちゃん「今のはうそです。ごめんなさい」
あっさりひるがえした。

74 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/30(月) 00:58 ID:4XUyBWyU
凛々しい顔をした木村光秀が討たれると同時に、榊家も滅亡の憂き目にあっていた。
当主である謙信が、わざわざ長宗我部ねこや島津こねこに会いに行ったからである。
「榊家も大したことないのう!」
智はふんぞり返っていた。
一方そのころ、最近すっかり出番のない羽柴暦は、本来自分が討つはずであった凛々しい顔をした木村光秀を
徳川ちよに討たれ、すっかり意気消沈していた。
「なんでわたしの出番が無いの〜!?」
まあまあ、気にするな。奥州合戦が終わったら大暴れさせてやるから。

75 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/30(月) 01:26 ID:4XUyBWyU
さて、智が迫りつつある奥州では、神楽政実と大阪政宗が緊張の度合いを高めていた。
神楽は、というより、神楽が属する南部家は、その年に24代南部晴政が死に、
後を継いだ25代南部晴継が13歳で急死し、結局家督を相続した26代南部信直は
神楽と仲が悪く、神楽は翌年の正月に南部家から一族を率いて独立したのだった。
一方の大阪政宗は、3年前に初陣をすませたばかりの若者ではあったが、父大阪輝宗に家督を譲られていた。
大阪と神楽は、それぞれ「独眼竜政宗」とか「北の鬼」とか呼ばれていた。
互いが互いを認め合っていたので、2人して密談することもしばしばであった。
その2人は、智の奥州進出に強い警戒感を抱き、どうやって智を撃退するか相談していたのだ。

76 :名無しさんちゃうねん :2002/12/30(月) 21:10 ID:???
政宗「なあなあ神楽ちゃん、私なんで関西弁やのん?」
神楽「さあー?別にいいんじゃねえか」
政宗「それでな、わたし寒いのが苦手やねん。こたつ戦場に持っていってええやろか」
神楽「電気がないぞ」
政宗「なら私はどこで寝たらええんやろ」
神楽「さあー?別にいいんじゃねえか」

空回りする相談は永遠につづく。

77 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/31(火) 01:39 ID:g9Obedj2
などと言っている間に、智は奥州の目と鼻の先まで迫っていた。
「大阪政宗と神楽政実の実力、とくと見させてもらうぞ!」
今ここに、奥州最大の合戦が、始まる。

78 :名無しさんちゃうねん :2002/12/31(火) 15:52 ID:lUnHhI5Y
智ちゃん遠征軍と大阪神楽連合軍は、猪苗代湖を東西に挟んで対峙した。
智ちゃん軍7万、大阪神楽連合軍4万。
神楽「数で不利だな」
大阪「大丈夫や。騎馬兵に鉄砲を持たせて撃ったら強いでー」
神楽「おお、なんか行けそうだ!」
大阪「私が発明しました」
神楽「・・・・不安だなー」
大阪隊2万が北岸から、神楽隊2万が時差をつけて南岸から
智ちゃんを挟撃する作戦を採った。
暦「こらぁバカ智!なに寝てる!いきなり先手打たれたぞ!」
智ちゃん「うあぁ?ああ、ボケが動いてるなー」
暦「ボケはおまえだ。さっさと采配しろ」
智ちゃん「よーし、攻撃」
暦「はあ?」
智ちゃん「こうげきー」
誰に攻撃させるかを指示していなかったため、7万全軍が大阪に向いた。

79 :名無しさんちゃうねん :2002/12/31(火) 16:12 ID:lUnHhI5Y
大阪「うわー。3倍以上や!こわいー。撃ちやーー」
政宗自慢の騎馬鉄砲隊が火を噴く!
なまじ狭い平地に7万の軍が密集したため、
多くの兵士が鉄砲の餌食に倒れた。
智ちゃん「なにしてるー。あんなの倒せよー」
智ちゃんは長槍隊を出した。織田軍の長槍は戦国大名の中でも
群を抜いて長く、6m近くはある。文字通りの槍ふすまだ。
その槍に騎馬兵は近寄れない。
しかし!大阪は智ちゃん以上に臆病だった!
大阪「私の長槍隊もいてまえー!」
大阪の足軽は10mの槍を使っていた!!
しかもカーボン製で丈夫!保証書付き。
10mと6mでは勝負にならない。織田軍は逆に押されてゆく。
隊列が崩れたところにさらに神出鬼没の騎馬鉄砲隊が撃ちかける。
智ちゃんの鉄砲隊は足軽のため、
背丈がおなじ槍隊が邪魔してなかなか撃てない。
智ちゃん「失敗かなー」
暦「おいこの寝ぼけバカ、後ろから神楽が来たぞ!」
智ちゃん「ふえ?寝てませんよ、ちゃんと勉強してました」
暦「おまえは大阪かー!」
神楽「行けー!挟撃だー!」
猪苗代湖を北岸から迂回してきた神楽軍が、
怒濤の滝となって智ちゃん軍の後詰めに襲いかかった。
最初智ちゃん軍は大混乱に陥ったが、
寝ぼける智ちゃんの代わりに指揮を取った暦の活躍で総崩れの
危機を脱し、秩序を取り戻して大阪・神楽軍を押し返した。
数では勝っているのである。まともに戦えば智ちゃん軍のほうが強い。
双方とも数千の兵を失い、再編成のために陣に引き返した。
被害はほぼ同数だったので、元の数が多い智ちゃんのほうが
さらに有利な形になったことになる。
しかし智ちゃん軍には大きな心配事があった。
後詰めを襲われたため、運んでいた兵糧をごっそり奪われてしまったのだ。
現地調達しようにも敵地、さらに7万という大軍を養える食糧が
この山地でそうそう集まるとは思えなかった。
智ちゃん軍には7日ぶんしか食糧が残されていなかったのである。

80 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/01(水) 00:17 ID:WMNAjoEU
智軍は、暦の進言でいったん白河小峰城に兵を引いた。
「兵糧を敵に奪われ、長居は出来なくなり申した。もはや策など無用、力で押して押して押しまくるのみにござる!」
冷静な暦までが策など無用と言い出した。怯えが全軍に蔓延している証拠である。
しかし、智はその戦法をよっぽどやりたかったらしく、大いに賛同し、さっそく翌日にでも実行すると言った。

81 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/01(水) 00:45 ID:WMNAjoEU
一方の大阪・神楽軍は、二本松城に兵を引いた。
「大量の兵糧が手に入った故、いかようにも策を立てられるで!ともちゃんはさぞかし慌てとるに違いないな!」
大阪が言った。兵糧が手に入り、兵や将たちにも余裕がある。いますぐ小峰城を包囲すべし、と言う者もいた。
しかし、神楽は慎重であった。神楽は
「この城に籠城しよう。この城ならば、3万6000で6万ほどの敵に太刀打ち出来よう。」
と言い、将たちをなだめた。そして、智軍を二本松城に引き寄せるために、騎馬60騎ほどを小峰城付近に向かわせ、
夜明け間近には、見事に智軍を二本松城にまで引き寄せた。そして、ここで、智と大阪・神楽の最終決戦が行われようとしていた・・・。

82 :名無しさんちゃうねん :2003/01/01(水) 03:19 ID:???
大阪「いまや、ファイヤー!」
大阪が号令を発した瞬間、数百万本の猛烈な火線が智艦隊に浴びせられた。
わずか60隻に狂奔した6万余隻の大艦隊は、
今度はそれに数百倍する規模の反撃を受けて手痛い出血を強いられたのだ。
旗艦の艦橋で智はみるみる生産され直後には
冷たい宇宙に混じり消えてゆく光球の群れを前に、
ただ呆然と立ちつくしていた。その自失が溶けるや彼女の瞳には恨みの
十字星が輝き、たちまち感情は血の炎となって全身を駆け巡る。
智「ゆるさん・・・・・・撃ち返せ!ファイエル!」
それは単純な命令であった。誰にでも言えることだ。
だがそのときは怒号であり、混乱する前線に入れる活としては十分だった。
短時間で秩序の色を注ぎ込まれた智艦隊は、整然の濃度を増しつつ
もつれた戦列の各所で火線を放ちはじめた。
大阪「やばいでー。一瞬やった。ここは引くんや」
大阪の命令は素速かった。これまで幾度となく矛を交えてきた間柄だ、
互いに手の内はわかっている。それは戦機の読みにもいえた。
まさにその通りで、大阪の命令が1分遅ければ、
智軍の苛烈な反撃で大阪艦隊の前衛は補いきれない損失を
出していたであろう。かくして距離を置いた両艦隊を後目に、
動きがあったのは座視を決め込んでいた神楽艦隊が動いてからだった。

83 :名無しさんちゃうねん :2003/01/01(水) 03:20 ID:???
大阪「これはな・・・・・・ちゃうねん」

84 :名無しさんちゃうねん :2003/01/01(水) 03:24 ID:???
とにかく大阪の攻撃でまたもや智は痛い目に遭った。
智「あいつバカでボケのくせに、なぜこれほど出来るんだ?」
暦「そういうおまえもバカだろ」
智「バカじゃない、バカじゃないぞー」
暦「大阪の裏に、誰か軍師がいるんじゃないのか?」
智「誰がいるんだろう」

そのころ、二本松城
神楽「私じゃないぞ」
大阪「誰にむかって言ってるのんー?」

85 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/01(水) 18:01 ID:WMNAjoEU
智軍は、二本松城の包囲を緩め、城を遠巻きに眺める体勢を取った。
城から離れることで、少しでも被害を減らし、最後の総攻撃に掛ける兵力を温存しようというわけだ。
これで、大阪・神楽軍が二本松城から出て智軍に襲いかからない限り、2、3日のうちの短期決戦は無くなった。
その大阪・神楽軍は籠城を決め込み、城からは決して出てこない。
こうして、1週間近い睨み合いが始まった。

86 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/01(水) 18:14 ID:WMNAjoEU
「くっそ〜・・・。あいつら、何が何でも出てこないつもりか。」
睨み合い4日目、智は次第に苛ついてきていた。
智軍からは、日が経つに連れ、兵糧の不足から兵の脱走が増え、今日の時点で
兵が5万8000ほどに減っていた。城攻めには、籠城している兵の3倍の兵で攻めるのが定法である。
3万6000が籠もる二本松城には、大体11万ほどで攻めねばならない。
元々7万しかいない智軍には、無理な注文である。それ故、最後の総攻撃に懸けているのだが、それも兵が減ってはどうしようもない。
智軍は、少しずつではあるが、確実に窮地に追い込まれていった。

87 :名無しさんちゃうねん :2003/01/01(水) 21:20 ID:???
 智ちゃんへの暦の説得
「衆愚の諤々は一賢の唯々に如かずと申し候へば、道を知らざる人の謗りをば必ずしも
御心に懸けらるまじきにて候。ただ戦ふべき所を見て進み、叶ふまじき時を知りて
退くをこそ良将とは申し候ふなれ」

88 :名無しさんちゃうねん :2003/01/01(水) 22:02 ID:???
篭城10日目――
「神楽ちゃん〜そろそろやな」
「そうだな、総攻撃できるな……」
智軍の兵糧がそろそろ尽きるのを推察した大阪、榊連合軍は、
総攻撃を行うことを決めた。

「ほんでもな〜 普通に攻撃してもあかんで〜 」
「えっなんでだ?」
神楽は不思議そうな顔をする。
「智ちゃんの軍は、減ったとはいえ、まだ六万近く。わたしら〜より遥かに
おおいんや、冷静に対処されるとこっちが不利になるで…… 」
大阪は、首をかしげながらのんびりと語る。

「どうすればいいんだ?」
「ここは夜襲や、夜襲をするんや、智ちゃんも暦ちゃんも東北の人間や
あらへんで土地勘ないやろ…… 」
(ほんとは私も和歌山の人間なんやけどな)
大阪は心の中で軽く短い舌を出す。
「当然、指揮下の兵たちも、地理不案内でどこがど〜なっとるか
分からへん。まっくらな所なら尚更や……右往左往は必死やで」

「なるほど〜、普段よく寝てるだけあって、起きている時の冴えはすごいな」
神楽は腕を組んでしきりに感心する。
「神楽ちゃんは、鉄砲騎馬隊の指揮を頼むで、最初に突撃して敵陣をかく乱するんや。
私は、主力を率いて敵を押しつぶすで〜」
「よっしゃ〜燃えるぞ〜この展開」
神楽はわくわくしながら、大阪は不適な笑みを浮かべながら、夜襲の準備に
取りかかった。

89 :88 :2003/01/01(水) 22:05 ID:???
『不適』やの〜て『不敵』や〜
あかん、もうあかんわ……

90 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/01(水) 22:30 ID:WMNAjoEU
日が暮れた。あたりは真っ暗闇である。
「さて・・・、そろそろ行くか。」
神楽が大阪を促す。大阪も、それに頷いた。
「ええか、神楽ちゃん。無理したらあかんで。騎馬隊の4分の1を潰されたら、こっちも苦しゅうなる。頼むで。」
大阪が神楽に注意した。無論、神楽もそれを承知している。

城門が開いた。先ず、鉄砲騎馬500騎で編成された神楽隊が進む。その後に、騎馬1500騎、歩兵3万4000の大部隊が続く。
皆、無言である。鎧の擦れる音だけが聞こえる。静かだが、兵たちの眼はギラギラと光っていた。皆、声を必死で抑えていた。

智軍本陣の灯が、はっきりと見える位置まで近づいた。しかし、智軍はまだ気付かぬようである。
「まだじゃ・・・。もう少し・・・。」
神楽隊がゆっくりと本陣に近づく。大阪隊は後方で待機している。
「今じゃ!全軍突っ込めぇッ!!敵を蹴散らせッ!!」
「ウワアァァァァッ!!」
兵たちが吶喊の声と共に本陣に突入する。銃声も響いてきた。智軍から悲鳴と絶叫が聞こえる。
奇襲は成功したようだ。後方の大阪隊も、動き出した。いよいよ総攻撃が開始された。

91 :88 :2003/01/02(木) 04:08 ID:???
智軍の陣幕の中――
「よみ〜、大好きだよ 」
「私もだ…… 」
甲冑を脱いだ少女二人は熱い接吻を交し合った。
甘く切ない口付けの味が、ここが血煙漂う戦場であることを、一瞬にしても忘れさせた。
この時代、同姓への愛は戦国武将の間では、違和感のないものであり、近侍達も
主君の邪魔をしないように、姿を消していた――

その時――
数百の鉄砲の射撃音が、新月の闇を切り裂いた。
「ウワァ―― 」
直後に、地鳴りのような喚声が、智軍の本陣近くで湧き起こった。
長日にわたる野営による疲労と、兵糧不足による空腹で、戦力が大幅に低下していた
智軍は、注意力が散漫になっていたこともあり、完全にふいをつかれて浮き足立った。
さらに、新月の闇のもと敵味方が判別できず、各所で同士打ちが発生する。
「へーちょ」
「もっともっと」
一方、大阪、神楽連合軍は、同士打ちを回避する為の合言葉が決められており、
味方同士による損害はほとんど発生していなかった。

92 :88 :2003/01/02(木) 04:10 ID:???
大混乱に陥った智軍は組織的な抵抗ができず、神楽指揮の鉄砲騎馬隊は、敵の前衛を
瞬く間に打ち破って、本陣に突入していく。
一方、本隊を率いた大阪も、時を浪費せずに総攻撃に移った。
鉄砲騎馬隊の突入で大混乱に陥った智軍は組織的な抵抗ができず、
思うままに突き崩され、叩きのめされ、押し潰された。

勝敗は決した――

「智、ここは逃げるんだ…… 」
智を馬にのせた暦は、槍の柄で乗馬の尻を叩く。
「ごめん……よみ」
智は、喘ぐような呟きを残した。彼女の乗馬は大きく嘶き、そして猛スピードで
駆け出した。
暦はまわりにいる近侍達に叫んだ。
「私達は殿をする。各々よいな!」
「おう!」
「智〜覚悟しろ〜!! 」
その時、鉄砲騎馬隊の先頭にいる神楽が、本陣の陣幕を切り裂きながら、突入してきた。

93 :名無しさんちゃうねん :2003/01/02(木) 13:53 ID:3cn1gjBs
大阪政宗「おー。がんばっとる。たぶん私の勝利やなー」
義眼「ちがいますよー」
大阪「そうやった。あんたのおかげやった」
義眼「そうです。天才である私の知恵のおかげです」
大阪は独眼竜のはずであったが、この戦場にいる大阪はなぜか両眼が見えていた。
その理由は、片目がじつは義眼であったからだ!
義眼には「天才です」とちいさく書いてある。
この天才のおかげで、大阪は奥州の覇者としてわずか数年で
100万石の領地を手に入れてきたのだ。

そのころ突進する神楽の馬前に、逃げる智を守るように
メガネをかけた騎馬侍の一団があらわれた。
神楽「じゃまをするなあ」
暦「私のかわいいメガネ隊よ、殿をお守りまいらせい!」
メガネたち「おおっ!」
だがどいつもこいつも妙に色白でひ弱っぽい。
それもそのはず、全員あずまんが大王おたくだった!

94 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/02(木) 16:02 ID:tTZWIlug
「うぬらなどに用は無い!道を空けよ!!」
メガネ隊はあっという間に破られた。
「羽柴殿、覚悟せいッ!!」
神楽が叫ぶ。神楽隊が、暦一人に襲いかかった。

95 :うちゅー :2003/01/02(木) 22:52 ID:???
「こなくそっ」
 暦は強く、神楽隊をつぎつぎと屠る。
「一騎倒すのになにを手間取ってる! 手本を見せてやる!」
 しびれを切らして神楽本人が襲いかかってきた。
「大将自ら陣頭に立つとは、将として恥ずかしいぞ」
「うるせえ。私にはこれ以外の方法はない!!」
 数合の打ち合いがあったが、技量は神楽がはるかに勝っていた。
「死ねぇぇぇー!!!」
「ぐふっ!」
 鮮やかな一突きで、羽柴暦は即死した。

「よみ、よみぃぃー!!」
 智の悲鳴に等しい絶叫が響き渡る。
「せめて首だけは取らせるな! 遺体を奪え!」
 智ちゃんの命令でメガネ隊が奮戦し、
9割の損害を出して暦の遺体を首を繋げたまま持ってきた。
「暦……絶対に生き返してやる。伝説のちよ父の魔法で」
 智ちゃん軍は多大な犠牲を出しつつもなんとか戦場を離脱した。

 猪苗代湖は鮮血に染まった。その多くが智ちゃん軍であった。
大阪と神楽は勝ち鬨を挙げ、それはいつまでもつづくのであった――

 智ちゃんは部下の大半に岐阜へ戻るよう支持すると、
商人に変装してわずかなお供を連れ、北へと向かった。
行き先は、津軽は恐山だった。死者の魂を降霊させて
会話ができる、イタコさんが大勢いる霊山だ。
「……ちよ父ってどこにいるんだろ。
私バカで知らないから、やっぱ暦の霊に聞くのが早いよな」

96 :名無しさんちゃうねん :2003/01/03(金) 12:41 ID:???
いたこ「で、誰を呼びたいんじゃ?」
智ちゃん「私が愛する水原暦を」
いたこ「その人は産まれてませんねー」
智ちゃん「ごめんなさい、取り乱してました。羽柴暦を」
いたこ「あじゃぱーほんだらむんげー!・・・・・・ここはどこだ?」
智ちゃん「暦、暦か?」
いたこ「なんだ智! わ、私は死んだはずだぞ」
智ちゃん「・・・・・・すまん黄泉から呼んでしまって」
いたこ「それはおやじギャグか?ギャグだな智!」
智ちゃん「ギャグじゃねー。ちよ父知ってるか?」
いたこ「どうしたんだそいつが。
たしか徳川ちよを武田かおりんから救った化け猫だな」
智ちゃん「そうだ、そいつだ。そいつの居場所を教えてくれ」
いたこ「富士山だ」
智ちゃん「富士だと?徳川ちよの領地じゃないか」
徳川ちよは先年今川家と武田家の残党を完全に滅ぼし、
東海地方一円を支配下に納めていた。
智ちゃん「よし、徳川ちよに連絡だ。ちよ父狩りを行うぞ!」
しかしちよちゃんは断ってきた。
ちよ「私は関東の北条ゆかりと戦うので忙しいんです」

97 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/03(金) 23:05 ID:yKuUh3NQ
〜告知〜
神楽「1月4日(土)午前11時5分から、NHKBS2にわたし(のモデル)が出るぞ!以上、神楽政実でした。」

広告失礼致しました。


本編続きどーぞ

98 :名無しさんちゃうねん :2003/01/04(土) 12:33 ID:???
徳川ちよの協力を得るには北条家を滅ぼすしかない。
智ちゃんは10万の大軍を率いて関東に遠征してきた。
「堺を配下に収めていてよかった・・・」
貿易港である堺を直轄しているため、
関東への主に海輸による兵糧の大量運送が可能になっているのだ。
羽柴暦の亡骸も堺ルートで運ばれる謎の氷によって腐らずに済んでいる。

智ちゃん軍10万は進軍の途上で道中の大名をつぎつぎと無血降伏させ、
その兵力を吸収しつつ関東に入った。さらに呼応したちよ軍も3万近い
兵力を以て参陣し、最終的には20万近い空前の大軍となった。
平和を埋め尽くすあまりの大兵力に、北条ゆかりは心底驚いていた。
「なんだあの大軍は!」
参謀の大山が言う。
「大丈夫です。籠城すれば、敵の兵糧はすぐに尽きるでしょう」
しかし大山の読みは甘かった。智ちゃんには食い物で2度と
失敗するものかという思いがあり、兵糧確保は十分になされていたのだ。

99 :名無しさんちゃうねん :2003/01/04(土) 19:09 ID:???
北条ゆかりは手紙を書いた。
「こんどのテスト満点にしたげるから、私を助けなさい」
大阪と神楽は喜んで出陣し、南下してきた。


100 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/04(土) 22:19 ID:9wyM0sXg
「おおぅ!100ゲトだ!!」
唐突に神楽が言った。
「何言うてるん?」
大阪には、何がなにやら全然分かっていないようだ。
「いや・・・何でもない。」
神楽はそう言うと、再び智と戦さが出来るということに、胸を躍らせていた。
 ↓

101 :名無しさんちゃうねん :2003/01/05(日) 01:00 ID:???
大阪軍2万、神楽軍2万、ゆかり軍8万。合わせて12万の大兵力となる。
それでも20万には叶わない。
大阪「なあなあ私の軍師さん。なにかええ作戦はないやろか」
義眼「そうですねー。大将の首を取るか、食べ物をなくすかですねー」
大阪「ふーん。食べ物なくすのどおー?」
義眼「前回の戦いで用心してくるでしょう。
それに今回は敵にあの天才ちよちゃんがいます」
大阪「きみも天才やけどなー」
義眼「ありがとうございますー」
大阪「前から思ってたけど、ちよちゃんに似てへん?」
義眼「ちがいますよー。ちよちゃんじゃありませんよー」
大阪「まあええわ。智ちゃん殺せるー?」
義眼「騎馬鉄砲隊をうまく使えばあるいは」
大阪「奇襲ってわけやな」

しかし智ちゃんは大阪たちに作戦を練る余裕など与えなかった。


102 :名無しさんちゃうねん :2003/01/05(日) 01:11 ID:???
大阪・神楽連合軍は関東平野に入ったところで、
10万近い智ちゃん軍に行く手を塞がれたのだ。
それを指揮していたのはちよちゃんだった。
ちよちゃん「いくらこちらが数で勝っているとはいえ、
小田原まで行かせる手はありません。その前に潰します」
ちよちゃん軍は火矢を放ってくる。
神楽「ちよちゃんなんか蹴散らしてやるー!」
すさまじい突進をしかけたが、ちよちゃんの見事な采配で波のように引く。
神楽「なんだこいつら、まるで戦ってるという気がしねえ」
ちよちゃん軍は執拗に火矢をいかける。
大阪「熱いねん。中央突破して、小田原城まで逃げ込むねん」
神楽「籠城するゆかりを野戦で援護するのが目的じゃなかったのか?
状況に応じてゆかりが出てきて、挟み撃ちにする作戦だったが」
大阪「相手は20万の大軍やねん。連絡なんか城まで届くはずないやん。
それにこちらは4万もおる。後方攪乱するには数が多すぎて、
かえって20万に包囲されて撃破されてまうわー」
神楽「うぬぬ。言われてみればそうだ。兵力を合わせたほうが
かえって勝機も見えるだろう。行くぞー!」
神楽政実の親衛隊を先頭に、大阪・神楽連合軍は1本の矢となって戦場を抜けた。
ほとんど人的被害を出さずに小田原城に入り込むことに成功したが、
しかし火矢で糧食の多くを焼かれてしまった。
大阪「やるやんちよちゃん。こちらは食い扶持が増えて大変やでー」
ゆかり「どうするんだー!籠城できる期間が短くなたじゃねーか!」
大阪「大丈夫や。食い物はまた奪えばええねん」
大阪の義眼が光った。


103 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/05(日) 12:34 ID:MepSvPOk
「奪うとはまた簡単に言ってくれるな。城下の民から奪うのか?我が軍勢に狼藉はさせぬぞ。」
神楽が言った。城から城下を眺めると、金色の稲穂が海のように広がっていた。
これを手に入れられれば、確かに食料には困らぬようになるだろう。
しかし、民から略奪すれば、その民たちが智軍に荷担する恐れもあるのだ。
「ちゃうちゃう。奪うんやない。この城にはいかほど銭があるんや?」
大阪(義眼)がゆかりに聞いた。
「銭か?銭なら腐る程あるが・・・」
「それだけあれば十分やな。つまり、民から米を買い上げるんや。これならええやろ?」
「なるほど!それなら民も我らも損は無い。それでいこう!」
神楽もゆかりも納得した。
こうして、小田原城の兵たちが、小田原城下の民から米を買い上げていった。
  ↓

104 :名無しさんちゃうねん :2003/01/05(日) 13:38 ID:???
「ふ〜つかれた」
激しさを増す防衛戦を指揮した、長い一日が終わり、
小田原城の本丸の湯殿から上がった神楽は単のみというラフな格好になっている。
「さ〜て、今日はねるか…… 」
神楽は広い寝室まであくびをしながら歩いていった。
そして、金色の彩色がなされた虎が描かれている、大きなふすまに隔てられた、
豪勢な布団に飛びこむようにもぐりこむ。
「……?」
神楽は、中に温かい感触を覚えて、おもわず息をのんだ。
「かぐらちゃん〜まってたで〜 」
「大阪!? 」
神楽の布団の中で仔猫のように丸くなっていた大阪は、いきなり彼女の肢体に
絡みついた。
「ば、莫伽、なにやってんだ、戦闘中だろ! 」
「なにゆ〜てんの」
思いがけない事態に、焦りまくった声をあげる神楽とは対象的に、大阪はいたって
のんびりと口を開く。
「そんなん、警備の兵にまかせとけばええんや、それに最近ごぶさたでな、
我慢できへんねん…… 」
大阪は、顔を真っ赤にした神楽の背後の首筋に軽く接吻をして囁いた。
「きゃう…… 」
可愛らしい喘ぎ声をあげた神楽は、体を鮮魚のように跳ねさせた。
大阪は、彼女の反応を楽しみながら、背後から回した両手で、大きくて形の良い
二つのふくらみを鷲掴みにする。
「……んくぅ…… 」
「ほんでもな〜 神楽ちゃんも胸がおおきくてうわやまし〜わ〜 」
顔を上気させた大阪は、少女の双丘を撫でまわしつつ、深い溜息をつく。
「胸は関係ないだ……んんっ…… 」
神楽は厳しい声で反論しようとしたが、大阪の指先は、的確に彼女の敏感な部分を
刺激し、甘く切ない声に変えてしまう。
「それにな……大きな声をあげると小姓たちに気付かれるで…… 」
「! 」
大阪の警告に、大声をあげようとした神楽は思わず口をつぐむ。
「……ん……くぅ…… 」
しかし、絶え間なく襲ってくる快感に耐えきれず、途切れ途切れに声に
漏らしてしまい、神楽は、その度に顔を羞恥で赤く染め上げた。
城外に展開する攻囲軍による、ゆらめく無数のかがり火が、幻想的な情景を醸し出し、
将兵の甲冑が擦れ合う音も微かに響いている。

105 :名無しさんちゃうねん :2003/01/05(日) 14:45 ID:???
そのころ徳川ちよは織田智に呼ばれていた。
「なんですかー?」
「ちよ助、あやつらが城下一円の食糧を買い上げたせいで、
領民たちが飢えてこちらの食べ物をちょんまげと言ってきた」
「気前よくあげたらいいじゃありませんか」
「なぜそう思う?」
「私たちは将来ここを支配するわけですから、
民に施せば北条への忠誠をすこしは挫くこともできるでしょう」
なるほど、さすがは天才である。智ちゃんは頷いた。
「よし、いくらでもやつらにくれてやろう。
だがそれも北条に持って行かれたらどうなる?」
「戦で危険だからと、民を疎開させたら大丈夫ですよ」
「おおそうか。根こそぎ1人のこらず、城の周囲から消すわけだな」
「私の領地に疎開させます。ちょうど大規模な治水工事を
行っているので、仕事はじゅうぶんにあります」
「えらいぞちよ助!これで城のやつらは1月と持つまい――
してちよ助よ。本当は民を追い立てて城に入れるのが
飢えさせる1番の手だと思うが、なぜそう進言しないんだ?」
「え・・・それは」
智ちゃんは懐から数枚の手紙を取り出した。
「じつは幾人かからそのような作戦立案の書状が届いてな。
どいつもこいつも数度目だが返事をくださいと書いていた」
ちよちゃんの額に、汗がひとすじ。
「おまえが握りつぶしていたんだろ。陣頭に出たせいで、
つい見落としたんだな。まったく優しいやつめ・・・」
智はゆっくりとちよちゃんに歩み寄り、その顎をつかんだ。
いや、掴んだというよりは、優しく押さえた。ついと頭を持ち上げる。
ちよは毅然とした正視を崩さず、しかし表情には戸惑いが混じっている。
「私はべつにちよちゃんをいじめようとは思ってないよ」
そっと口を寄せ、そして唇びるを重ねた。
数秒してゆっくりと離し、互いに微熱を帯びた顔を見つめつつ、
「ちよちゃんらしいなって思っていたんだ」
「智ちゃん・・・」
ちよはまんざらでもない様子だが、すぐになにかに思い至ったのか、
軽く抵抗して智の抱擁から離れようとする。
「私はけっして、ちよを暦の代わりにしようとは思ってないよ」
「・・・あ」
ちよの体から、一気に力が抜けた。
「今夜はちょっと、楽しもうかねえ」
こくり、と幼い少女は受け入れの意を示した。

しかし・・・その夜周囲に漏れた嬌声はもっぱら智ちゃんのものだった。
そのあまりのみだらさに、智ちゃんの寝殿を守る当直の少年たちは
すっかり自慰行為に夢中になってしまったという。

106 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/05(日) 19:32 ID:MepSvPOk
翌朝、城下からは多くの民の姿が消えていた。その報は、朝餉時に彼女たちにもたらされた。
「なんじゃと!城下から民が居なくなったら、城下は盾の意味が無くなる!智軍は火を放つぞ!!」
神楽が言った。城下に火を放たれれば、城にも燃え移る恐れがある。それに士気も大きく落ちるだろう。
「ともちゃんとちよちゃん、なかなかやるなぁ。まさか民を江戸に移すなんて、思いもせなんだ。」
しかし、大阪はさして焦っていないようである。
「いよいよ向こうも本格的に攻めてくる気や。こちらも本気で戦わなあかんな。」
それは事実であった。神楽、大阪、ゆかりの3人は、改めて気合いを入れた。

107 :名無しさんちゃうねん :2003/01/05(日) 22:45 ID:B5f6z/wU
食糧が買えなくなった。
とりあえずあまった金で腕に自信のある者を雇った。
黒沢武蔵「私は体育が得意です。2刀流でいちころよ」
木村佐助「ニンニン、忍者。エロ本1冊でなんでもするよー」


108 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/06(月) 15:08 ID:lk4daRHg
黒沢武蔵と木村佐助が智・ちよ軍内部の情報収集に奔走している。
これでとりあえずは敵軍の細かな動きが分かる。城内の緊張も少しだけ和らいだようだ。
「あ、そうや神楽ちゃん。奥州から誰か来るんやったな?どういう人なん?」
大阪が聞いた。
「奥州藤原氏の末裔だ。なかなか戦さ上手らしい。政もできるそうだ。」
「奥州藤原氏?なんや、源氏に滅ぼされたんとちゃうんか?」
再び大阪が聞いた。
「4代泰衡公はな。しかし、弟の忠衡公が源氏の手を逃れ、血筋は続いていたのだ。」
神楽が言った。神楽は、血筋こそ源氏であるが、奥州に長く住む者は皆蝦夷である、と公言している。
それ故、蝦夷と呼ばれていた奥州の民たちに慕われ、奥州藤原氏と関わりがあったのだ。
そして、奥州藤原氏の末裔、藤原政衡が、小田原城の戦いに参戦することになった。
奥州藤原氏は、このとき10万とも15万とも言われる強大な騎馬軍団を擁していた。
その奥州藤原氏が神楽・大阪方に付くということは、この戦さの趨勢を決するだけでなく、
彼女たちの奥州での勢力を揺るぎない物にすることであった。
「政衡殿が間に合えば、我らに勝機がある!」
神楽の期待を背に、藤原政衡が騎馬2万、歩兵1万5000、鉄砲5000、計4万の大軍を率いて、
刻一刻と小田原に接近しつつあった。
 ↓

109 :うちゅー :2003/01/06(月) 18:15 ID:h/WWOwx.
 藤原政衡って……一体誰の代わりですか? ――千尋?

 藤原千尋南下は仙台に至ったところで
智ちゃんの知るところとなった。
「4万か……これであちらは合わせて16万。こちらは20万」
「数の差が縮まり、必勝の態勢は崩れました。
もはや呑気に城の餓えを待ってはいられません」
 ちよの言はもっともである。
「先に藤原を潰すか?」
「それは後方から北条に攻められる危険を伴います」
「2正面作戦を採ればいいだろ」
「数の差は2割ていどに縮まっています。
万一でもどちらかが負ければ、たとえ片方が順当に勝っても
敵地にいる立場である以上、我々は一気に不利になります」
「時間差での各個撃破は?」
「小田原は優秀な忍者を雇って情報収集は万端のようです。
必ずや呼応して出陣してくるは火を見るより明らかです」
「ということは……合流させて、野戦で一網打尽か」
「そのほうが4万という数の差を最大限に生かせます」
「よし、小田原包囲を解くぞ! 西に転進する!」
 織田智は羽柴暦以上に即決の人であった。翌朝ゆかりが起きると、
あれほど大地を埋め尽くしていた20万の大軍は、
きれいさっぱりと消えていたのである。


110 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/06(月) 19:34 ID:lk4daRHg
むむ。政衡だけはそのまま使ってほしかったのですが・・・。
血筋的に「衡」の字の入った名前をつけて登場させたのですよ・・・。

「武蔵、佐助!」
神楽が呼ぶと、2人が音もなく神楽の前に現れた。
「智・ちよ軍はどこへ行った?」
神楽が聞くと、
「智・ちよ軍は、小田原城の西方、強羅に引きましてござります。」
そのとき、大阪の声がした。大阪が神楽の部屋に入ってきたときには、もう2人の姿は無かった。
「神楽ちゃん!智ちゃんとちよちゃんの軍が消えたで!撤退したのやろか?」
「いや、どうやら強羅に引いたようだ。」
「強羅?何でや?」
「恐らく、政衡殿の軍を避ける為に引いたのだろう。この城の前にいては、身動きが取れなくなる。」
「なるほどなぁ。で、政衡殿はどの辺まで来とるんや?」
「今、宇都宮あたりだろう。まだ時間がかかるな。しかし、敵は強羅に引いて、しばらく攻めては来ぬであろう。」
これで、兵たちも休むことが出来る。本格的な戦闘は、政衡の軍が到着してからとなった。
 ↓

111 :名無しさんちゃうねん :2003/01/06(月) 21:49 ID:???
強羅温泉で智とちよは将棋駒を使って作戦を練っていた。
智「あん・・・ちよちゃん。ここで伏兵を・・・」
ちよ「はいそうですよー。それでですね・・・えい♪」
智「うん・・・くふ・・・本隊が一気・・・に?」
ちよ「ちがいますよー。この場合はもうちょっと待つんです」
智「そ・・・そうか?う・・・気持ちいい・・・」
ちよ「まったくおバカさんですねえ。お仕置き!」
智「あんあん・・・や・・・やめて・・・あ・・・」
ちよ「最後はこうして、ゆかり先生の首を取ります!」
智「ああああ・・・ああ・・・イク・・・イクぅぅ・・・・」
ちよ「・・・智ちゃんばかりずるいですー。私も気持ちよくなりたーい」
智「ちょ、ちょっと待ってくれテクニシャン。おまえ上手すぎさすが天才」
ちよ「10歳ですけどー」

こうして伏兵を用いる作戦が出来上がったようだ。


112 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/07(火) 19:38 ID:730YZ8eI
徳川家臣、井伊千尋の率いる伏兵部隊は、小田原城を見渡せる秋葉山量覚院に待機している。
本隊も、石垣山城に出てきていた。後は、藤原軍が到着し、小田原城内の軍が出てくるのを待つばかりである。
「さぁ、藤原よ早く来るがいい!即座にその首討ち取ってくれるわ!!」
智は、勝利を確信したようであった。

一方の小田原城には、藤原軍が藤沢に到達したとの報が入った。
「政衡殿は藤沢に入ったようじゃ。あと2、3日で小田原に着こう。」
神楽が言った。これでまずは一安心というところか。
「さて、神楽ちゃん。政衡殿が小田原に入ったらどないするんや?」
大阪が聞いた。
「まずは城に入って頂かねば。兵らも疲れておろう。そのまま戦さは出来ぬ。」
「まぁ、せやな。でも4万も入れるやろか?」
「この城は20万でも余裕がある。政衡殿の軍が入ってもまだ16万。問題は無い。」
「ならええな。ところでともちゃんたちは政衡殿の軍に攻撃したりせんやろか?」
言われて神楽は詰まった。入城途中の政衡軍を攻めるなど、考えもしなかったのだ。
2万の騎馬に5000の鉄砲があるとはいえ、倍の敵に攻められたら一溜まりもないだろう。
「ううむ・・・。仕方ない。政衡殿の軍が酒匂川を越えたら、我が軍勢を護衛に向かわせる。それなら向こうも手を出さんだろう。」
この神楽の決断が、智・ちよ軍の策を大きく乱すことになるのだった。

113 :名無しさんちゃうねん :2003/01/08(水) 21:34 ID:L6WeIO6c
藤原軍の同行を監視していた井伊千尋の一部隊が、
神楽隊の哨戒部隊と遭遇した。最初は小競り合いだったが、
隊長が徳川ちよの重臣本多家の親戚筋だったため、死なせてなるものかと
たちまち周囲から援軍が集まって自然に戦闘規模が拡大していった。
「なによ!まだ早いわよ。戦闘らしい戦闘がなかったから、
みんな勇んでいるんだわ。引いて!引かせて!」
戦闘規模が10人から100人を越え、1000人に達したところで
ようやく千尋の命令が発せられた。しかし伏兵した陣から
前線まではかなりの距離がある。しかたなく自ら2000人ほどを
率いて赴くと、ある峠にさしかかったとことで、
自分の部下たちが落ち延びてくるのに出会った。
千尋はその場にいた侍頭に状況を尋ねた。
「・・・・やたら強い一群が来て、ほとんど一瞬でみんなやられました」
「敵将は?」
「それが、わかりません・・・・」
「わかった。後は私が引き受ける。下がって治療を受けろ」
「ありがたや」
「誰なの、敵は・・・」
峠を下っていると、やがて追撃の蹄の音がしてきた。
土埃が舞い上がっている。
「数は100騎前後といったところか・・・」
峠の下に現れた騎馬隊は、そのまま駆け上がってくる。
「こちらは20倍だぞ。相手はバカか!――攻撃」
千尋の命令が飛んだ瞬間、鉄砲と矢が放たれた。
しかし峠道で狭いため、同時に攻撃できる数は限られる。
突っ込んでくる一隊は多少の被害を出しながらも、構わずに突撃してきた。
たちまち乱戦となった。相手の圧力があまりにあるため、
千尋本人までもが抜刀して戦う羽目になっていた。
「敵将とお見受けする!そもさん!」
「せっぱあ!井伊千尋だ!」
「私は北の鬼、神楽政実!」
「おお!相手にとって不足なし」
「千尋殿、その首もらったー!」
「速い・・・・」
千尋は1合も打たせてもらえなかった。
神楽の神速ともいえる一撃の下に、首を刎ねられてしまったのだ。
井伊隊はわずか100騎の前に壊走した。
神楽はその後を追って伏兵の事実を知るのである。
無論ただちに5000の先鋭を以て秋葉山を攻め、
大将を失った伏兵隊は倍の1万を有していながらあっさりと敗北した。
この戦いで徳川ちよは1000人以上の部下を失った。
対して神楽側の死者はわずか50人ていどであったという。


114 :名無しさんちゃうねん :2003/01/10(金) 19:23 ID:/y9FBaf6
作戦がすべてばれた。
「こうなったらあれだぜ、全軍攻撃だ」
ちよと智は全軍を出陣させ、雨天の中、藤原政衡の脇を突いた。
神楽と藤原はふいを突かれた。いくら迎撃しても
次々にウンカのごとく湧いてくる兵士たち。
神楽の部下が木に登って敵陣を見渡すと、雨で見えなくなる先まで
黒々と兵士たちで埋まっていた。
「敵は全軍で殺到してきました!」
「なんだと、そんなバカな」
もしここで小田原から一気にゆかり軍が出れば、
挟み撃ちにして智軍は手痛い打撃を食らうだろう。
「相手は戦争を知らないバカか?」
100人で2000人を破っておいて、神楽は平然と言い放った。
しかし現在の状況が最悪なのはたしかである。
「藤原殿、小田原に連絡は?」
「だめだ神楽殿、送り出した早馬はつぎつぎに討たれている」
ちよの策略であった。雨天の中小田原までは連絡がつかない。危ない。
神楽隊は先陣に立って奮戦したが、いかんせん数の差がありすぎる。
たちまち数千名を失い壊滅しかけたとことで、政衡が神楽隊の全面に出てきた。
「おまえは長い行軍で疲れてるだろ」
「我が輩は猫である。名前はまだない」
「はあ?」
じつは政衡は猫であった。
「我が寿命はどんなに長くてもわずか20年。太く生きてやるのだ」
しゃべる猫は部下たちに号令し、主力の騎馬隊をもって包囲陣の一角を突いた。
さすがにその方面の智ちよ軍は後退を余儀なくされ、空間が開いた。
「いまだ神楽殿、逃げよ!」
「・・・・すまん!」
神楽はのこった部下5000を率いて風となって戦場を離脱した。
追撃が来たが神楽の鬼神のような強さに圧倒され、神楽隊の残りは
ほぼ5000の規模を維持したまま小田原城に逃げ込めた。
一方藤原政衡は貴重な鉄砲隊を中心に据えて守らせ、神楽の後を追って
小田原方面に逃げ出した。全員が騎馬であった神楽隊と異なり、
藤原軍は歩行の兵や荷車隊がいるためその進みは遅い。
そのため外側からじりじりと追いつめられてゆく。
それでも全面崩壊しないのは、主の指揮が秀でているからだ。
「よし、いまです。あの一角に鉄砲を!」
ちよが野戦砲の集中砲撃を浴びせ、さらに鉄砲隊を以て傷口を広げた。
藤原の兵たちがばたばた倒れた穴に、智の親衛隊が斬り込む。
「全員斬り倒せ!」
ついに藤原軍の陣形が乱れた。そこに激しく圧迫を加えてくる大軍。
そのとき・・・・・・
轟音が響き渡った。織田軍の騎馬武者が倒れて落ちる。
藤原軍が温存していた鉄砲隊が、火を噴いたのだ。
「うぬぬ、撤退させろ」
こうして藤原軍は最大の窮地を脱した。
時間を稼いでいる間に、神楽と入れ違いに大阪とゆかりが出陣し、
救援に向かった。時間がなかったため、大阪は1万、ゆかりは3万がやっとだった。
あくまで藤原を助けるための出陣であり、決戦が目的ではない。


115 :名無しさんちゃうねん :2003/01/10(金) 19:33 ID:/y9FBaf6
大阪、ゆかり軍が接近していると通報を受けて、
ちよは智に迎撃を具申した。
「私に任せろ」
智はなんとわずかな手勢のみを率いて本陣を離れた。
「・・・・まさか!」
今は雨天である。

先んじた大阪の騎馬鉄砲隊が一斉射を放ち、
藤原軍に援軍の到来を教えた。藤原軍は元気づき、
一丸となって包囲陣突破を試みた。そして突破は成功しつつあった。
「よし、このままやと逃げてくる藤原軍と交差してまうで、
みんな横によけるんや」
大阪の指示は的確だった。しかし問題は左右のどちらに避けるかだが。
大阪の義眼が言ってきた。
「右ですよー」
「なんでや?」
「左だと、奇襲に巻き込まれます」
「敵なんかどこにもおらんでー」
「とにかく私を信じて、従ってください」
「わかったわ」
ゆかりは逃げてくる藤原軍を避けて左側に移動していた。
「ふう。これで窮地は脱したわね」
「大阪殿より使者です」
「なに?」
使者はいますぐ移動するように忠告してきた。
「なぜよ。ここは安全だわ」
背後は急峻な山である。前後に敵はおらず味方のみ。
使者もその理由を理論的に説明できず、ほうぼうのていで帰っていった。
そのときであった。
雨音に混じって、ホラ貝の音がしたのは。


116 :名無しさんちゃうねん :2003/01/10(金) 19:42 ID:???
「目指すはゆかりか大阪、藤原の首のみ!
この3名以外は手柄には認めないぞ!すべて捨て置け!
3人のうち誰かの首を取った時点で即引き上げだー!」
智ちゃんが、桶狭間を再現してみせたのだ。
全員騎馬で構成された3000の手勢が山を駆け下り、
いきなりゆかり軍の本陣を突いたのである。いや、突けたのである。
これはゆかりの成金性格が災いしていた。本陣だとばれる
ような派手な旗や指物を大量に掲げていたからだ。
このときゆかりの本陣にいた兵士はわずか500余り。
周囲は雨で、味方は奇襲にはなかなか気付かない。
助けに寄せても、織田軍の最精鋭部隊を前にして圧倒される。
ゆかりはまもなく囲まれ、手柄に飢える兵士たちによって切り刻まれた。
「大将討ち取ったりー!引き上げだ!」

様子がおかしいと思った大阪がやってきたときには、
そこには1000人近い死体と、そして頭と五体を失った、
真っ赤に染まったゆかりの胴丸が転がっていた。


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