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あずまんが太平記

1 :名無しさんちゃうねん@239 :2002/12/26(木) 15:04 ID:Pi9PicBs
彼女たちを戦国時代にとばして大暴れさせよう!というスレです。
参考までに、「ある高校の3組の一日」。
http://www.patipati.com/test/read.cgi?bbs=oosaka&key=036338920&ls=50

では、いってみよーー!!

117 :名無しさんちゃうねん :2003/01/10(金) 19:53 ID:/y9FBaf6
小田原城に逃げ戻った一同は、被害の大きさに言葉を失った。
じつに2万人を失ったのである。半分が死者で、
残りは敵の数に怯んで逃走したものだった。
そして、よりによって総大将を失ったのである。
ゆかりの娘はまだ幼かったため、とりあえず筆頭家老の
大山が総大将代理になったが、彼では神楽や大阪と比べて
人物として器が小さすぎた。10万以上の兵士を指揮する器ではない。
それに・・・・・
「大山君じゃテスト満点にできへんもんなー」
「ごめんな大山。テスト100点が目的だったんだ」
大阪と神楽はさっさと小田原戦線を離脱した。
「・・・・どうしよう」
大山は藤原政衡に知恵を請うたが、政衡は猫である。
「にゃー」
としか大山には聞き取れない。じつは猫戦国武将の言葉は、
天才とバカにしか聞き取れないのである。
半端にお利口な大山には無理なことであった。
そんなうちに智ちゃんによる強攻がはじまった。


118 :名無しさんちゃうねん :2003/01/10(金) 20:25 ID:/y9FBaf6
「西で榊謙信復活」の報が入ったのは、
ゆかりの首実検をしているときであった。
死亡したと噂された謙信が四国と九州の猫武将を手懐け、
一気に四国・九州を平定し、さらに中国地方の半分を
わずか2週間で平定すると、軍を整えて京を伺い始めたという。
「あの軍神が・・・・」
神楽もいいかげんバケモノ武将であるが、
榊謙信といえば現人神ともいえる最強の軍神だ。
彼女は戦争の天才ゆえにかえって
領土的野心をあまり持っていなかったため、
周囲の大名は滅ぼされずに済んでいたのである。
それが突然の変心だ。あまり強い武将がいない西日本など、
強豪がひしめく地域でさらに最強を謳われる謙信にとっては
ほとんど赤子の手を捻るようなものだっただろう。
それが焦りを生み、短期決戦へと移行させた。
20万近い兵士が毎日のように攻め寄せてくる。
いかな小田原が日本一の堅城とはいえ、大砲や鉄砲を
大量に抱える智陣営の攻勢を受けては、守備する兵士も疲れる。
ふつう城を落とすには守備兵の数倍は必要とされる。
この場合数の差は2倍もなく、智ちゃん軍の被害は増すばかりだった。
だが――ある日のことであった。城内の兵士がばたばたと
たおれだした。変な臭いがする。
「これは・・・・毒の空気か?」
大山は戦慄した。
「あちらには仁道を重んじる徳川ちよがいるのに、なぜだ」
たしかにちよは毒など用いない。だがこの作戦は
そのちよが考えたことであった。小田原城に近い小山の
稜線に、お尻を向けた男が数万人並んでいる。それを見て大山は気付いた。
「お、おならだー!」
そうなのだ。ちよはおならを小田原城に流していたのである。
「そろそろいいですね。火矢を!」
ちよの命令で火矢が射られた。おならが燃え、
小田原城はたちまち火に包まれる。
「おならー!」
大山は火に消えた。
こうして小田原城は落ちた。
藤原政衡は捕らえられ、ちよの飼い猫となった。

「さあちよちゃん。暦を生き返すため、ちよ父の居場所を教えてくれ」
「お父さんはですねえ、榊さんと一緒ですよー」
「なにー!」
智ちゃん軍は一路京を目指した。
ちよは大阪・神楽とにらみ合うため関東・東海を動けない。
そのころ榊謙信は怒濤の進撃をつづけ、織田麾下の石原勝家と
対峙していた。
「わしは筆頭家老じゃ。簡単には負けないよーん」
しかし5秒で負けた。
「ちよちゃんそのうち2メートル越えるぞ」
榊謙信は京に入り、かおりん天皇に面会した。
その場で興奮したかおりんが榊をいきなり征夷大将軍に任じた。


119 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/12(日) 17:11 ID:Le7/16ek
「なんと!榊さんが!?」
ちよは、小田原城落城後、三河に戻っていた。
そして、そこでその報を聞いた。
ちよの横に座っていた人・・・ではなく、人の姿をした猫が、何事かつぶやいた。
「にゃにゃにゃ、にゃああ?」
それを聞いたちよが、
「幕府は既に置かれたのか?」
と使者に尋ねた。
「まだでございますが、そろそろ置かれるかと。」
「そうか。ご苦労。休んでいくとよい。」
ちよは、そういって使者を下がらせた。
「さて、智ちゃんはうまくやってくれるかな・・・?」
ちよは、智の勝利を願うしかなかった。

120 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/12(日) 17:28 ID:Le7/16ek
そのとき、ちよに名案が浮かんだ。
「そうじゃ、政衡殿。奥州へ下り、藤原氏の力で大阪さんと神楽さんが攻めてこぬよう止めてはくださらぬか?」
政衡に聞いた。
「やってもよいが、その代わりに・・・」
「その代わり?」
「説得したら、そのまま奥州に戻りとうござる。よろしいか?」
ちよは答えに窮した。政衡は、ちよにとってもはや重臣であった。
「それが認められないのなら、大阪殿と神楽殿を止める自信はござらぬ。」
政衡にそういわれては、ちよに選択の余地は無かった。
こうして政衡は、大阪と神楽を奥州に止め、奥州藤原氏の館に戻っていった。
そして、その報告を受けたちよは、智に合流するために三河を発った。

121 :名無しさんちゃうねん :2003/01/13(月) 02:36 ID:9RavqTFc
ちよは合流の合間に、上田に寄って真田忠吉を説き伏せた。
ちよ「おぬしとは本来悪い仲であったが、もし榊謙信が日本を統一すれば、
猫武将が重用されて犬武将がないがしろにされる可能性があるぞ」
忠吉「わん!(わかったでござる)」
天下無双の誉れ高い真田一門を仲間にすることに成功した。


幾つかの前哨戦や駆け引きの後、両軍は関ヶ原に陣取った。

東軍 兵力15万  総大将 織田智
主な武将 徳川ちよ 真田忠吉 羽柴暦(死体) 石原勝家 前田千尋
主な剣豪 黒沢武蔵(なぜか智陣営に) 柳生キムリン

西軍 兵力18万  総大将 征夷大将軍 榊謙信
主な武将 長宗我部ねこ 島津こねこ 毛利マヤー 小早川かみねこ
主な剣豪 ちよ父 佐々木ゆかり 旗持ち大山
主な足手まとい かおりん天皇(なぜか戦場にいる)


さらに東北では代理戦争が行われている。
大阪・神楽は榊謙信への忠誠をすでに表明していたのだ。

東軍代理 兵力6万 藤原政衡

西軍代理 兵力5万 神楽政実 大阪政宗

122 :名無しさんちゃうねん :2003/01/13(月) 15:36 ID:???
関ケ原――
上古の時代は不破の関と呼ばれる隘路であり、壬申の乱をはじめとして
古来から、数多の会戦が行われていた戦略上の要衝である。
中山道を西に進めば、草津、膳所と経て一気に京洛に達し、
進路を北に向ければ、北国街道を経て、木之本、敦賀へ達し、日本海の水運を
利用することができる。
一方、中山道を東に進めば、大垣にでて、そこからは岐阜、鵜沼方面へ向かう道と
養老、桑名方面に向かう伊勢街道に分かれている。
決して広いとはいえない山間の盆地に、両軍併せて33万という史上空前の大軍が
結集している。

西軍配置図(北から南へと記載)

笹尾山麓
榊謙信の本陣(3万)
※旗持ち大山、足手まといのかおりん天皇も在陣

島津こねこ(1万)
小西ゆか(1万)
宇喜多みるち〜(4万)
大谷かみねこ(1万)

松尾山麓
小早川こころ(3万)※特別出演

南宮山麓
毛利マヤー(2万)
吉川まるちゃん (1万)
長曾我部ねこ (1万)
安国寺こねねこ (1万)
※剣豪ちよ父、佐々木ゆかりは位置不明

123 :名無しさんちゃうねん :2003/01/13(月) 15:58 ID:???
一方、東軍の配置

(榊本陣、島津ゆか、宇喜多みるち〜、大谷かみねこ軍の正面)
相田忠興(1万)
前田千尋(2万)
和田長政(1万)
石川高虎(1万)

前線からやや後方(東方)にある桃配山
織田智の本陣 (5万)(羽柴暦も本陣に安置)

(松尾山に陣を構えた小早川こころ軍の正面)
真田忠吉(2万)
後藤正則(1万)

垂井方面(桃配山より東にあり、毛利マヤー軍と対峙)
石原勝家(1万)
浅野マルコ(1万)

※黒沢武蔵 柳生キムリンの位置も資料に現存せず

124 :名無しさんちゃうねん :2003/01/13(月) 16:15 ID:???
>>123
追記
織田智の本陣に徳川ちよも在陣
(指揮下兵力500…残りは智ちゃんに取り上げられた)

125 :ちょっと修正 :2003/01/13(月) 20:09 ID:???
>123さんへ
設定乙〜。
でも一度出た名前をいきなり変えないでくださいねー。
ここは便宜的に微修正させてください。

大谷かみねこ→大谷こころ
小早川こころ→小早川かみねこ

もうひとつ、今までの流れを読んだらわかると思いますけど、
大山はいつもゆかり先生と一緒に行動してます。
智が大山をゆかりから獲得しようとして失敗しています。

さて、後は・・・モンプチは誰になるんでしょう。

126 :123 :2003/01/13(月) 20:23 ID:???
>>125さんへ
意識的に設定を変えたわけではなくて、単に気がついていなかったよ。
いずれにしても、ごめんなさい and 修正お疲れ様

127 :うちゅー :2003/01/14(火) 22:30 ID:/lloSM3w
 午前6時――榊謙信は采配を振り上げると、無造作に振り下ろした。
 それを合図に本陣の鉄砲が火を噴き、前線の兵士達が一斉に駈けだす。

「はじまったか……」
 朝霧の中響いてきた遠い音に、織田智はなんとはなしにつぶやいた。
彼女も采配を持っているが、それはまだ動かぬ。
「前線のことはしばらく現場に任せよう。だがまさか……猫と天下を競うとは」
 榊謙信が重用する武将のことごとくが、猫武将であった。
人間には羽柴暦子飼いだった武将が多いが、
これは榊に負けて下った連中だ。彼らは主に最前線に出されることで、
うかつに裏切れなくなっているのだ。裏切れば即後方から突かれてしまう。
 榊謙信の戦上手はさすがと言う他ない。だいいちこちらは数で劣勢のうえ、
決戦前の陣取りでも負けて半包囲されている状態での開戦を余儀なくされている。
いや、朝になったら包囲されていた、というのが正しいところだ。
こちらからはうかつに仕掛けられない。準備する期間があまりに短すぎた。
「こうなったら、謙信の首を取ることを考えるか……」
 智はいかにして謙信の本陣を突くべきか思案を巡らしはじめた。
それには奇襲しかないが、人材として最適なのは自分しかいないことを
智は理解していた。他の奴らには真似はできない。
 智は皆に黙って奇襲の準備をはじめた。


128 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/15(水) 19:29 ID:mjaqf85o
榊の軍を奇襲するには、榊軍を孤立させる必要があった。
そこで、小西ゆかと宇喜多みるち〜、それに島津こねこの軍を笹尾山から
松尾山方面へ引きずり出すことにした。
「前田殿に伝えよ。小西、宇喜多、島津を笹尾山から引き離せとな。
それから、相田殿、和田殿、石川殿には、前田殿の後方に控え、笹尾山に戻ろうとしたら全力で阻止せよと伝えよ!」
各隊に、指示が伝えられ、作戦が実行された。

129 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/15(水) 19:40 ID:mjaqf85o
「小西、宇喜多、島津の各軍、前田殿の軍勢の挑発に乗り松尾山方面へ移動中とのことにござります!」
伝令が駆け込んできた。
「よおし!でかした!相田殿、和田殿、石川殿に、笹尾山への道を封鎖せよと伝えよ!」
作戦は成功した。榊軍は、笹尾山に取り残された。
後方は高い山で、大軍が移動することは出来なかった。
智は、精鋭騎馬600を選び、自ら率いて笹尾山榊軍本陣の後方へ回り込んだ。
かの源義経が、一ノ谷合戦でやってのけた、「鵯越の逆落とし」を再現するために・・・。
 ↓

130 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/17(金) 19:31 ID:8wAwsRa6
再び霧が出てきた。数百メートル下にあるはずの榊軍本陣は見えなくなった。
「霧とは好都合じゃ。我らの姿は敵には見えん。一気に決着をつけるぞ!」
智が兵たちを激励する。しかし、叫び声はあげられない。敵に見つかれば、一溜まりもないのだ。
「よし、出陣!榊を倒し、天下を取るのじゃ!行くぞぉッ!!」
「オーーーッ!!」
600騎が急斜面を滑り降りる。
智も後ろに続いた。
まもなく、前方から吶喊の声が聞こえてきた。
どうやら、榊軍本陣を見事に発見したようである。
智も、絶叫と悲鳴の渦の中に突っ込んでいった。
  ↓

131 :名無しさんちゃうねん :2003/01/18(土) 04:04 ID:???
「いっとぉーしょぉー!」
なぜか騎兵に混じり柳生の気合。
柳生は帝目がけ突進。


132 :名無しさんちゃうねん :2003/01/18(土) 12:56 ID:???
「きゃー」
かおりんが泣き叫ぶ!
「天皇をお守り参らせよ!」
榊謙信の号令というかその声にかおりんは感動した。
「榊さん・・・・好き」
「一等賞ーー!」
柳生キムリンは強い。先頭に立ち、守る兵ともをつぎつぎとぶちとばす。
「キムリンビーム!」
キムリンビームでさらに攻撃力倍増だ。
「少数でここまで来るとは、なかなかの根性だ。だが・・・・」
キムリンたちの前に、榊謙信自らが立った。
「キムリンビーム」
ビームで榊の乗っていた馬が焼け死んだ。
しかし榊さんは空を飛んでいた。
「キムリンビィーーーーム!」
榊さんはビームを刀で斬った。
「そんなばかなー!」
「死ね」
榊さんの一閃でキムリンは真っ二つになった。
あまりの剣圧でキムリンの後方の地面が100メートルに渡って裂けた。
さらにキムリンの後方からついてきていた騎馬300騎余が
一瞬にして木っ端微塵となって血の雨が降った。
「残念賞ー!」
キムリンは叫びながら絶命した。
旗持ち大山は思った。
(そんなに強いなら、自分で前線に出ればいいのに・・・・)
しかしようやくゆかりから解放されたので、我慢してなにも言わなかった。


133 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/18(土) 18:48 ID:ckwBiDvE
「半数を一瞬で失っただと!?こちらはまともな戦さを繰り広げてるのに、なんという奴らだ・・・。」
一瞬で300騎も失った智軍奇襲部隊の士気は、瞬く間に失われた。数で勝る榊軍に押されていた。
「狙うは榊の首一つ!雑兵どもを相手にするな!!」
智の号令で、残りの300騎が榊に殺到した。
榊は、それでも冷静に、確実に智軍の兵を斬り倒していった。
しかし、先ほどとは違って、300騎が四方八方から斬りかかってくる。
さすがの榊にも疲れが出てきた。
「埒が開かない・・・」
そのとき、山の下から吶喊の声が聞こえてきた。
戦さの騒ぎを知った相田、和田、石川の軍勢が笹尾山を駆け上ってきたのである。
その数併せて3万。榊軍と同等になる。
榊軍の兵は、逃げ腰になった。
関ヶ原での戦闘は、東軍優勢で続いていた。
相田、和田、石川の兵には、勢いがあった。
「よう参ったッ!榊のみを狙えッ!!」
無数の兵が、榊に殺到した。
榊軍は、崩壊寸前。天下の趨勢も決しつつあった。
 ↓

134 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/18(土) 19:38 ID:ckwBiDvE
榊は、太刀を振り回しつつ、殺到する兵たちから離れた。
体中に刀傷があった。
「わたしはうぬらのような雑兵の手には掛からぬぞ!榊謙信の死に様、とくと眺めるがよい!!」
そう叫ぶと、榊は自らの腹に太刀を突き立てた。
智も兵たちも、それを黙って眺めていた。というより、驚愕のあまり動けなかった。
榊の太刀は、頑丈な鎧を引き裂いていた。
「織田殿・・・わたしを殺して、天下を取れなんだら・・・そなたをあの世に連れて行きまするぞ・・・。」
榊はそう言うと、太刀を口にくわえると、頭から落馬した。
壮絶な最期であった。
「榊、そなたの死、無駄にはせぬぞ・・・。」
珍しいことに、智の目には涙が浮かんでいた。

榊自害の報は、瞬く間に戦場を駆けめぐり、西軍は散り散りになって敗走した。
かおりん天皇はとらえられ、隠岐に流された。
大山の行方は誰も知らない。
そして、東軍勝利の報は全国に広がっていき、奥州で対峙する藤原政衡と大阪・神楽の耳にも入ったのだった。
 ↓

135 :名無しさんちゃうねん :2003/01/19(日) 14:20 ID:JND4mlXg
そのころ、佐々木ゆかりと黒沢武蔵は決闘していた。


136 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/20(月) 10:26 ID:1VtZFKR2
奥州の合戦は、2つの戦場で展開していた。
1つ目は、平泉・衣川柵での、大阪軍2万と、政衡の弟である時衡・紀衡軍2万5000の戦い。
もう1つは、盛岡・厨川柵での、神楽軍3万と政衡軍3万5000の戦いである。
展開とはいえ、全軍が衝突するような大規模な戦闘は発生しておらず、小競り合いが続いていた。
しかし、関ヶ原合戦で東軍が勝利したことから、周辺の国人衆が東軍方、すなわち藤原方に付き、
大阪と神楽は周囲を取り囲まれる状況になっていたのだった。

藤原軍の陣は、まるで自分たちが勝利したかのように沸き返った。
それは、厨川柵も衣川柵も変わらなかった。
「我らの勝ちじゃ!奥州は再び我らの物になったぞッ!!」
皆、こんな意味のことを言っていた。奥州が、再び蝦夷の物になったということだ。
この合戦は、蝦夷と源氏の戦いでもあったのだ。

一方の大阪軍の陣と神楽軍の陣は、まるで人がいないかのような静けさであった。
大阪も神楽も、意地を見せつつ、いかに生き残るかに全思考を働かせていた。
そして2人とも、同じような脱出方法を考えていた。
それは、全軍で本陣にギリギリまで突入するように見せ、そこで突如反転して、戦場から離脱する、というものだった。
今や東軍の藤原方は官軍と言ってもよく、西軍の大阪、神楽方は賊軍と言ってもよかった。
それ故、藤原軍に被害を出させる訳にはいかなかったが、この策ならどちらにも被害は出ないはずだった。

こうして、大阪軍と神楽軍が、撤収準備を始めた。
しかし、この策が、自分たちの身を危険に晒すことになるとは、このときは2人とも考えていなかったのであった。
 ↓

137 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/21(火) 20:55 ID:h8KFmAgA
「ただ藤原方の陣の鼻先をかすめて国元へ帰るだけじゃ。我らが負けたわけではない。ここで死んでは勿体ないぞ!必ず生き残れ!!」
神楽軍が北上川を渡り始めた。全軍が川を渡り終えたら、藤原軍の陣に向かって突進する。

その様子は、藤原軍からも確認できた。
「殿、神楽軍が北上川を渡っておるとの由、物見から報告がございました。」
政衡にも、それが伝わった。
「撤退か、それとも攻めてくる気か・・・。見極める必要があるな。忠信、騎馬100を率いて様子を見て参れ。危うくなったら即座に本陣に戻るのじゃ。」
「ハッ!」
もし神楽軍が藤原軍の騎馬に手を出したら、それは陣に突入する気だということだ。
そうなれば、陣から本隊が出向くという算段であった。

「殿!藤原の陣から兵が出て参りました!」
「出て参ったか。前線の兵に決して手出しせぬように伝えよ!」
手出しせねば、すぐに引き返すだろう。そう考えていた。
しかし、実際にはそう行かなかった。騎馬の恐怖に耐えきれなくなった一部の兵が、騎馬部隊に矢を放ってしまったのである。
「誰ぞ一人本陣に戻り、殿にご報告申し上げよ!」
忠信の部隊が前線の歩兵たちと戦闘を開始した。次第に戦闘の規模が大きくなっていった。
その騒ぎは、本陣にも聞こえ、政衡たちの本隊が出てきた。
「殺すまでもない、追い返すだけで十分じゃ!ただし、刃向かってきたら容赦なく斬れ!」
こうして、両軍不本意ながら、大規模な戦闘に発展してしまった。

それは、衣川の大阪軍と時衡・紀衡軍も同様であった。
前哨部隊の小競り合いから、全軍が衝突していた。
両戦場とも、士気に勝る藤原軍ペースで戦闘が進んでいた。
特に時衡・紀衡軍にとっては、突然襲われたに等しい。
時衡も紀衡も必死であった。
「行けッ!逃すな!!皆殺しじゃあッ!!」
全軍が、追い返すのではなく、本気で戦っていた。
「退くんやッ!戦うんや無い!手を出すなぁッ!!」
大阪軍は、大阪の叫び声もむなしく、ほぼ壊滅に近い被害を出してしまった。
一方の神楽軍は、政衡が追い返すのに専念したために、多くの兵が離脱することができた。
しかし、大阪も神楽も、奥州の盟主としての地位を失ってしまったのであった。
この戦闘は、奥州の覇権が完全に奥州藤原氏に復したことを象徴しているかのようであった。
 ↓

138 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/01/21(火) 22:12 ID:h8KFmAgA
翌年、織田智が征夷大将軍に任じられ、安土に新たな幕府が設立された。
安土幕府である。初代将軍は織田智、嗣子に子の織田智信が控え、智信の後見職に徳川ちよが就いた。

また、奥州での功を認められた政衡たちは、朝廷と幕府から同時に辞令が出た。
朝廷からは、
「藤原政衡殿
 従四位下・奥州特別行政区総理大臣兼奥州衛府将軍、オオセ出サル」
「藤原時衡殿
 従五位下・奥州特別行政区副総理大臣兼陸奥守、オオセ出サル」
「藤原紀衡殿
 従五位下・奥州衛府副将軍兼出羽守、オオセ出サル」
とあり、幕府からは、
「藤原奥州ノ総理殿
 台慮ヲモッテ、奥州政事総裁職、オオセ出サル」
「藤原陸奥守殿
 台慮ヲモッテ、奥州政事副総裁職、オオセ出サル」
「藤原出羽守殿
 台慮ヲモッテ、奥州政事官房長官職、オオセ出サル」
とあった。
「奥州特別行政区」と「奥州衛府」は、新設されたものである。幕府のごり押しで決定したのである。
それまで無位無官で、しかも蝦夷の彼らにとっては、史上稀に見る大出世であったが、
朝廷から見れば彼らは永年の敵であり、その敵に既存の位を授けるのが惜しかったのであろう。
また、「奥州政事総裁職」等も、安土幕府が設置されたことによって新設された役職である。
これらは、事実上、奥州の独立を認めたものであり、蝦夷に自治権を与えたに等しかった。
この後、奥州は、政衡たちの手によって、日本で最も豊かな土地になるのであった。
 ↓

139 :名無しさんちゃうねん :2003/02/01(土) 00:18 ID:???
それで政衡って誰よ?

140 :名無しさんちゃうねん :2003/02/06(木) 16:10 ID:9cz4nDAc
日本を統一した智はチョコレートの躍り食いをして、チョコレートをのどに詰まらせて死亡した。
めでたしめでたし。

141 :名無しさんちゃうねん :2003/02/06(木) 19:37 ID:???
そのころ、地獄……

羽柴暦「……で、私はどうなったんじゃい」

142 :名無しさんちゃうねん :2003/02/06(木) 22:56 ID:???
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143 :名無しさんちゃうねん :2003/02/08(土) 19:33 ID:???
織田智によって日本は再びまとまった・・・・
しかし、ある事件がきっかけで世は再び戦乱の渦に飲み込まれるのであった。
その事件とは徳川ちよの裏切り。
そう、ちよちゃんは最初から天下を手中に収めようとしていたのだ。
低脳であるが、カナリの勢力を持っていた織田を利用しココまでのぼりつめた・・。
時は熟した。
今こそ織田と徳川の天下を賭けた物語が始まる

144 :名無しさんちゃうねん :2003/02/11(火) 22:04 ID:???
しかし智は死亡していたので、ちよちゃんは7日で日本を統一してしまった。
ここに江戸幕府が誕生する。めでたしめでたし。

145 :名無しさんちゃうねん :2003/03/25(火) 17:05 ID:???
age

146 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/04/01(火) 15:31 ID:WMNAjoEU
散々好き勝手に書いて、しばらく消えていました。
ご迷惑おかけしました。(特に>>136-138

さて、似たようなスレがありましたが、これはなんでしょうかね?
http://www.patipati.com/test/read.cgi?bbs=oosaka&key=1047653944&ls=50

147 :名無しさんちゃうねん :2003/04/01(火) 21:31 ID:ysWhnq5A
で、政衡って誰よ?

148 :名無しさんちゃうねん :2003/04/02(水) 00:32 ID:i.pcowFw
字太いな

149 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/04/02(水) 16:37 ID:tTZWIlug
>>147
そ、それについては不問に・・・。
暴走してすいませんでした。m(__)m

150 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/06/11(水) 21:16 ID:???
(勝手ながら続けさせていただきます)
織田智によって幕府が開かれて5年が過ぎた。
この間、徳川ちよは様々な権謀を駆使して、多くの手蔓を作っていた。
幕府政所執事・大阪貞明、相模国領事・神楽昭義、幕府兵部頭・榊仲時など、
いづれも幕府の要職にある者ばかりであった。
ここまで権謀を巡らしてもそれが発覚しなかったのは、智の鈍感さ、智信の凡庸さ、
そして幕府全体の緩みからくるもの以外の何物でもなかった。
将軍後見であり何事にも聡いちよは、その状況の全てを分かっていて、
憤慨するとともにいい機会とも見ていた。いや、いい機会どころではない。
立てと言われているも同然である。元々東国を支配していたちよは、
幕府を倒せば残る障害は朝廷のみであった。もっとも、朝廷とて敵ではないように思えた。
ちよは、いよいよ幕府に見切りをつけ、反旗を翻す決心をした。
 ↓

151 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/06/13(金) 23:41 ID:???
6月の雨の夜。ちよは遂に行動を開始した。
安土城防衛の名目で、名古屋城から4万の軍を出陣させたのである。
3日後、彦根城に入城したちよは、そこに大阪、神楽、榊ら内通する者らを集め、手筈を伝えた。
「よいか、我が軍勢が安土城を包囲したれば、城内の兵を用いて大暴れさせて下され。とにかく、智たちを動揺させるのじゃ。
どんな手段を用いても構いませぬが、死人だけは出さないで下され。後が面倒になりまする。よろしゅうござりますな?」
「心得てござる。あとは、ちよちゃん次第でいつでも。やはり、智なんぞとは違いますな。ちよちゃんこそ将軍に相応しい。」
神楽が言う。他の者らもそれに相槌を打つ。
「で、ちよちゃん。成功したら、ホントにええよぉにしてくれるん?」
大阪がちよに聞いた。ちよは、大阪に方に向きを変えて、
「もちろん。皆様あっての謀反にござります。よろしゅうお願い致します。」
そう言い、頭を下げた。
ちよは、早くも謀反成功のその先に思いを馳せていた。

152 :名無しさんちゃうねん@239 :2003/06/14(土) 18:22 ID:???
徳川軍が彦根城に入った翌日。安土城では、相変わらず智が酒に溺れていた。
「ちよちゃんが安土を守ると言うておる故、我らは何の気兼ねもなく酒を飲んでおられる。あやつは忠義の者よな。」
智は、まさかちよが謀反を企て、実行に突き進んでいるとは、夢にも思わなかった。

こちらは徳川軍本陣。物見がちよに城内の様子を報告していた。
「安土城内は平穏そのもの、我らのことなど全く疑っておらぬ様子にござります。」
「そうか・・・。ご苦労じゃった。下がってよい。」
ちよはそう言って、物見を下がらせた。そして、深く考え込んでしまった。
<城内に何も動きが無いと言うことは、智が私を信用しておる為であろう。
いくら智のような奴とはいえ、私を信用してくれている者を、私欲の為に裏切ってよいものか・・・>
ちよは迷った。智などとうの昔に見限ったはずであったが、いざ裏切るとなると哀れみが先に出てしまう。
だが、ここまで来たからにはもう引き返すわけにはいかない。
<しかし・・・、智を倒すことは民の為なのだ・・・!>
そう自分に言い聞かせて、出陣の命を下した。
 ↓

153 :名無しさんちゃうねん :2004/07/26(月) 20:13 ID:???
おしまい

154 :名無しさんちゃうねん :2004/10/10(日) 12:06 ID:???
もう終わり?

155 :名無しさんちゃうねん :2005/02/26(土) 13:26 ID:???
test

156 :名無しさんちゃうねん :2005/05/11(水) 11:40 ID:???
http://jadre.jp/"sanbaka/azumanga1.html

157 :名無しさんちゃうねん :2005/05/11(水) 18:43 ID:???
しかし、ここにもう一人、天下を掠め取ろうとする者がいた。
安土に向かう超大型軍船「雷童丸」(「かってに桃天使」の)
巨大戦艦の上に簡単な城壁を乗せたような甲板と城の天守閣をそのまま乗せたような船橋が特徴的な
水上艦艇である。
その船橋の縁側に立っている、太政大臣であり、この雷童丸の船長でもある小直衣姿の男…小岩井道盛。
彼は、公家の出身でありながら、兵法を学び、奸智と謀略に長けた野心家である。彼は、あれで皇室の
遠縁でもある智を拉致し、新朝廷を設立し自らは裏で実権を握るつもりなのだ。
小岩井「ちよのヤツ、ようやく本格的に動きはじめたか!…だが、麿が先なのだよ!
   …手はずは整っているな!?」
小岩井太政大臣直属の副官である綾瀬あさぎ弾正台大忠が答える。
あさぎ「はっ!ぬかりございません、船長。船長は朝廷が智将軍に爵位を授けるための勅使ということに
   してあいます」
小岩井「よし、いいだろう。安土についたようだな…雷童丸、停泊だ。…では、行って来る」
副船長兼参謀長である鷹司虎子兵部卿があさぎと共に見送りの言葉をかける。
あさぎ&虎子「お気をつけて」
小岩井「うむ」
安土の港に停泊している港から小岩井太政大臣の勅使(名目上)の一団が安土城内に入っていく。

158 :名無しさんちゃうねん :2005/05/11(水) 19:04 ID:???
安土城内にて
小岩井「朝廷より参った者です。帝は遠縁でもある智将軍に爵位を送ると申されておじゃる」
智「おぉー、それは良い、して、どのような爵位を…うっ!」
智に異国から取り寄せた最新式の連射式拳銃を突きつける小岩井。
小岩井「麿は道化ではありません!」
智「な…何っ!?」
小岩井「お立ち願おうか!智殿には、麿と共に来ていただく!」
智「うっ、太政大臣!反逆する気か!?」
小岩井「智殿、麿が今日まで黙っていたのは、皇室の血が流れている貴女を帝に擁して、麿が
   天下の…この日本列島の実権を握るつもりでいたからでおじゃりますよ!」
智「こっ…小岩井!」

159 :名無しさんちゃうねん :2005/05/11(水) 19:17 ID:???
一方、こちらは、ちよ軍の本陣…
榊「物見からの報告で、安土城内が急に騒がしくなったとのことです!」
ちよ「なんですってっ!?神楽殿、安土の港に停泊している軍船は、野心家で有名な小岩井太政大臣自ら
  船長を務めているという”雷童丸”であったな!?」
神楽「はっ!」
ちよ「よし、私自ら様子を見てきます。幸いこちらの謀叛はまだ全然ばれてないようですし…」
ちよ(おかしい、我々はまだ安土城になんの工作もしていないのに…まさか!?)

160 :名無しさんちゃうねん :2005/06/07(火) 00:35 ID:W3CfXGuU
>>82
ボンクラーズ相撃つ
続編キボン

161 :名無しさんちゃうねん :2005/06/07(火) 00:50 ID:???
「太平記」って戦国時代だったっけ・・・
なんていまさらなツッコミは気にしないで、続編期待

162 :名無しさんちゃうねん :2005/06/07(火) 02:51 ID:???
ちょっと書いてみる…
>>82
神楽旅団旗艦”ダルマシアン”艦内…
艦首メインブリッジ内…
榊艦長「全艦戦闘準備完了!…千尋副参謀のオーラファイター”ガラバ”前に出ました」
艦後部第壱サブブリッジ内…
神楽司令「よし、それでいい。作戦スタートだ!全艦、春日艦隊に対し威嚇射撃。続いてモビルドール部隊発進!
    私もオーラボンバー”ブブリィ”で出撃する!コ・パイとナビゲーターに招集をかけておけ!」

榊艦長「各艦に通達、急げ!」

神楽司令「…よし艦長、悪いけど私が帰艦するまで提督代行のほうも兼任しといてくれ!」

榊艦長「はっ!お任せください!……司令…いや神楽、気を付けて……」

神楽司令「榊……おうっ、任せとけって!」

163 :名無しさんちゃうねん :2005/06/07(火) 03:30 ID:???


164 :名無しさんちゃうねん :2005/06/07(火) 04:05 ID:???
とりあえず空気読め。
銀英伝のファンにはろくなのがいねーな。

165 :名無しさんちゃうねん :2005/06/07(火) 04:28 ID:???
>>164 のような輩から逃れるためスーパーさげ

166 :名無しさんちゃうねん :2005/08/07(日) 00:25 ID:???
「本編」は「閑話休題」を。誰でもいいから>>162から「神楽隊出撃」続編、激しくキボン
それとあげ

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