■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 最新50 スレ内検索
【智】ともかぐ萌えスレッド【神楽】
- 330 :風児 ◆iQwkicAw :2005/12/28(水) 01:39 ID:???
- 「っぷはぁっ!」
「ダメだダメだ!全っ然ダメだ!やる気あるのか!?とも!」
「・・・ぅっ。ご、ごめん・・・神楽・・・」
「泣き言はいい!いいか?クロールってのはもっとこう体全体をだな・・・」
先輩と、後輩。遠目からはそう見えても、彼女達は歴とした同級生。
声を荒げているのは神楽、らしくもなくしおらしくなっているのは滝野智。
―水泳部ってのは泳げない奴が入っても親切に教えてくれるのか?―
智の脳裏に、先日の神楽に投げかけた言葉がよぎる。
―いやお前はいらん―
無慈悲に一刀両断された。しかし智はそこで引き下がらなかった。
神楽のひたむきに上を目指す姿。好きな事に全力で打ち込む姿。
智のその想いは、「憧れ」だった。打算的な自分には到底成せる芸当ではない。
もっと神楽を目に焼き付けておきたい。断られてからも、智は神楽以外の部員と、
水泳部の受け持ちの黒沢先生が帰宅した後に、練習を続ける神楽のもとへ、
連日足を運んでいた。
―何だよとも。帰ってなかったのか?―
―うん―
晩夏の時期、すでに辺りは薄暗い。怪訝そうに問いかける神楽に、
飛び込み台の上から智は手を後に組みながら屈託の無い笑顔で応じた。
それは智には珍しい、実に女の子らしい仕草だった。
―入部の申請だったら黒沢先生に・・・いや、お前はどうかなぁ・・・―
―別に入部させてもらおうと思って来たわけじゃないよ―
―へ?―
―ほら神楽、インターハイ近いんだろ?泳いだ泳いだ!―
―い、言われなくても分かってるよ!・・・・・・なんだってんだよ・・・・・・―
しばらくして練習を切り上げ、プールから上がった神楽に、智が一言「じゃあね」と言って
帰っていった事以外には、二人の初日のやりとりはこれだけだった。
154 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver2.0 beta3 (03/08/25)