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【智】ともかぐ萌えスレッド【神楽】
- 334 :風児 ◆iQwkicAw :2005/12/28(水) 01:41 ID:???
- 鳴き声に覆いかぶさる、智の突然の告白。
破裂。智の想いはちゃらけた態度に圧殺されていた。
―否。殺されてはいなかった。内に秘めていた、神楽への憧れ。
いつしかそれは神楽への恋心へと変わっていた。
それが今、耐え切れずに弾けたのだ。「憧れ」が「恋」へと変わる。
それは恋の流れとしては珍しいケースではない。恥じることではない。
―ならば、その想いを封じなければならないものは何であったか。
それは。
「私は・・・女だ・・・よ?とも・・・」
同姓であるが故の、世間体。後ろめたさ。
「・・・っ!・・・分かってるよそんなことはっ・・・やっぱり・・・あんたはバカだ・・・」
「!」
神楽は後悔した。もし、時が戻せるなら。今、周知の事実を言葉として
発してしまった自分を、この上なく後悔した。
「女同士だから・・・」。当たり前なのだ。智も、そんな事は分かっているに決まっているのだ。
「女同士だから・・・」。それを知りつつ、切実な想いを告げた智を、神楽は傷付けてしまったのだ。
何故それを瞬時に推し量ってやれなかったのだろう。智はそんな言葉は聞きたくなかったに違いは無かった。
「もう・・・いいよ・・・ごめんね。神楽・・・」
遅すぎた。神楽の一瞬の気後れが、智をズタズタにした。
思春期の女の子の内面。それを傷付けることの罪深さは、推し量れない程に大きい。
神楽は何か言おうとした。―が、言葉にならない。なるはずもない。
智はプールサイドの方へとおぼつかないフォームで泳いでいく。
ヒグラシの哀調なる鳴き声は、更に激しさを増していた。
終
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