世の中のすべての萌えるを。

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あずまんがSS書きの控え室8

90 :古文の時間 〜1時間目〜 :2006/06/22(木) 23:05 ID:???
 「……ハァ……」

 ――ガラガラ

 「あっ……せ、先生……」
 「まったく、凄い雨ですなあ。今日は傘を忘れてしまいまして、帰るに帰れないのですよ。」
 「そ……そうですか……」
 「榊くんも、そういった事情ですか?」
 「え……いや……あの、そうです……」
 「フム、私の通った小学校では、傘を忘れた子のために黄色い傘を常備していたものですが……
 やはり高校にないというのは……いかにも社会人になるに連れて、自分の失敗を自分で取るということを暗に伝えているような気がしますなあ。」
 「…………」
 「しかしまあ、小学生もなかなか立派なものです。小学生の子が傘を忘れるよりも、教師が忘れて借りていくほうが多いというのですから。
 もしかしたら社会人になりきれていない教師の方々のためにあるのかもしれませんな。いやこれは傑作だ!」
 「そう……なんですか……フフッ……なんだかおかしいですね……」
 「……やはり人は笑っているほうがいい。女性に限らず、男性だって。」
 「あ…………」
 「なにか悩み事でも……? 私でよければ……」
 「……いえ……別に……」
  「うら若い女子高生が、放課後の教室でひとり、ため息をついているなんて、悩み事がないほうが不自然ですな。」
 「…………」
 「やはり、私では役不足ですか。谷崎先生や黒沢先生のほうがいいみたいですな。」
 「い、いえ……別にそんな……」
 「なら話してくれますね?」
 「あ……その……いえ、ただの思い過ごしかも……」
 「そういったほのかな心配事を聞くのも、教師の仕事です。それができないようでは、教師をする資格などありませんよ。」
 「……あの……私の……友達のことなんですけど……」
 「わかりました、どうぞ気が楽になるように吐き出してみなさい。」
 「……私は……みんなの中で……その……浮いている気がして……」
 「…………」
 「私は面白い話もできないし……愛想笑いもできない……ただいるだけで、その場をシラケさせてしまっているような……そんな気が……」
 「…………」
 「このあいだも……ちよちゃんの別荘に行ったんですが……やっぱり私は、なんか打ち解けてない気がして……」
 「…………」

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