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[他作品]クロスオーバー・あずまんがSSスレッド-2-[コラボ]

1 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/12(木) 20:01 ID:???
クロスオーバースレも2スレ目となりました。
ここはあずまんが×他作品のクロスオーバー作品用スレッドです。
あずまキャラを他の世界観に置き換えたり、また逆も然り。
そんな想像を作品にしてどんどん投下していって下さい。
また〜り楽しんでいただければ幸いです。

★主な注意事項
1.原作の対象範囲は「あずまんが大王」及び、連載中の「よつばと」とします。
2.ここの作品はいわゆる「戦い系」の長編作品を多く含みます。
3. その場合、あずまんがキャラでの戦闘を描いている為、原作の雰囲気を変化させ、またキャラクターも
  精神的・身体的に強化されているものもあります。
4. あずまんがキャラと、SSの作者のオリジナル・創作キャラクターとの共演もあります。
5.他人の作品に対し罵倒、中傷は絶対にしないでください。
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します。

357 :第74話 「駆け巡る思い」 :2006/10/17(火) 00:42 ID:???
ジャスティスはそれをジャンプしてかわし、後ろに回りこんだ。
そして背後のエアルを掴む。

「ジャスティス!ジャスティスはエアルを引き剥がそうとしている!!」
榊がジャスティスの意図を見抜いた。

「ぐっ!」
エアルはジャスティスに光刃の羽根を飛ばす。しかし、ジャスティスはそれを離さない。

「あんな事をしたら、今度はジャスティスに取り付くんじゃないの!?」
「それが狙いなんだよ!ちよちゃん!エアルとジェロスが分離したらレーザーワイヤーを
エアルに撃って!」
千尋は打開策を見出したらしく、ちよに指示を送る。

「わかりました!」
そのチャンスはすぐにやってきた。エアルはジェロスよりもジャスティスを支配する事を選んだらしく、
今度はジャスティスに取り付こうとジェロスから離れた。

「今よ!」
「はい!レーザーワイヤー発射!!」
ちよがレーザーワイヤーを放つ。
ジャスティスに覆いかぶさろうとしたエアルはレーザーワイヤーで絡みとられ、身動きがとれなくなり地上に落下した。

「みんなで合体攻撃です!」
「おう!」
ちよ達はレーザーガンを5つ重ね合わせレーザーを発射する。
エアルは刃でレーザーワイヤーを切り裂き抜け出すが、5つのレーザーショットが目にあたるランプに命中する。
急所だったのか、それとも耐久力の問題か、エアルはそれをくらって地面に叩きつけられ、爆発した。

「やった!後はジェロスだけだ!」
榊とハイタッチしながら暦はジャスティスの方に向き直る。

「えやああ!!」
ジャスティスはジェロスを肩から投げて地面に叩きつける。

358 :第74話 「駆け巡る思い」 :2006/10/17(火) 00:43 ID:???
「はあああああああ、デュオッ!!」
ジャスティスは弓を撃つ動作をする。すると光の矢が現れ、一直線に飛んでいった。
パトレックショットだ。マッド星人の時と異なり、それはジェロスの腹部に刺さった。

「ぐふううううう!!」
ジェロスは叫び声をあげて倒れた。この瞬間に、ジャスティスの勝利が決まったのだ。

「風香お姉ちゃん!お姉ちゃん達が勝ったんや!」
「そうだね。あーヒヤヒヤした」
翔と風香は互いに喜び合う。

「やっと終わったな」
「まさかもう一人敵がいたとは思わなかったけどな」
「ぐ・・・・・・俺は負けたのか・・・・・・・どうやらエアルに意識を乗っ取られていたみたいだな」
ジェロスがよろよろと起き上がった。

「どうしてとどめを刺さない!?」
『決着は着いた。それに私はデラシオンの仲間であったお前をこの手に
かけたくはない』
「甘い奴だ!その甘さが命とりになるかもしれないというのに!」
『だが、私を動かしたのはそのやさしさだ!』
ジャスティスは視線をミオに向けた。

「ジェロス、どうしてあんな事したん?」
あんな事とは金属生命体の破片をつけたり、エアルを装着した事であろう。

「強さが欲しかったからだ。どんな力であろうと、俺の正義を貫く為に必要だった。
だから金属生命体やエアルを利用した。だが、それは間違いだった。結果このざまだ!」
「あたしにはよく分からへん。でもあたしがジャスティスとこうして
一緒にしているのはみんなを守りたいって思いからやで」
『ジェロス、きっとお前にも信じられる者が見つかる。私がそうだったように。
ミオや歩、そしてレイを始めとするウルトラの仲間・・・・・・』
ジャスティスはジュリの声でジェロスに語りかける。

「信じられる者か・・・・・・・」
ジェロスはHOLY隊員や風香、翔、ミオを見る。

359 :第74話 「駆け巡る思い」 :2006/10/17(火) 00:44 ID:???
「俺の意識は変わらない。俺は俺のやり方でやるまでだ。ただ、今度は今までとは違ったやり方でな」
気のせいだろうか?ジェロスが微笑んだように歩には見えた。

「ジャスティス、今度会う時、俺達は敵味方のどっちになるんだろうな?楽しみだ」
ジェロスはそんな疑問を投げかけ、飛んでいった。

「シュワッ!」
ジャスティスもまた、彼とは反対方向へと飛んでいった。

「あーあ。逃がしちゃったよ。いいのかよ、逃がしちゃって。
また悪さしにくるかもしれないぞ!」
「でもなんだかんだ言ってあいつ、マッド星人と同じで関係のない人間には手を出してないんだよな」
智がみなにそう言うものの、それを心配しているような口調ではない。
神楽の言うとおり、ジェロスはHOLY隊員以外には手を出していない。
ミオの時も特に狙った様子もなく、風香と翔にしても彼女達を狙ってはいなかった。

「マッド星人って、あんな格闘バカと同列に語ったら悪いだろ」
「でもよみはまんざらでもないんだよね?」
「なんてったって、マッド星人のお嫁さんになるんだもんね!」
「違う!断じて違う!」
かおりんと千尋にからかわれ、暦は激しく否定する。

「翔ちゃんに風香ちゃんも無事でよかった」
「このとおりやで弥生お姉ちゃん」
「危険だからこんな所にいてはいけませんよ、めっ!」
「ごめんね、ちよちゃん」
風香は笑いながら謝る。ちよもそんなに怒っているようには見えなかった。

「うー、またやってもうた。もうあたしフラフラや〜」
歩はフラフラしながら現れた。

「ほら、しゃきっとしなきゃ!あなたも一応HOLYの隊員なのでしょう」
そこに現れたのはミオだった。フラフラしている歩を支えた。

360 :第74話 「駆け巡る思い」 :2006/10/17(火) 00:47 ID:???
「あ、すいません」
「でもそれだけ厳しいって事よね、HOLYのお仕事ってのは」
歩を離し、ミオはつぶやいた。

「そうだ。もしあの人に会う事があったら伝えておいてくれる。
私は元気にやっているって」
「何でそれをあたしに頼むん?」
「ん〜、何となくあなたとあの人はどこかで会ってるそんな気がしたの。
本当にそれだけなんだけどね。じゃあ、今度こそ行くね」
そう言ってミオは背中を向けた。去り際に一言つぶやいたが、その声は歩やジュリには届かなかった。
「ありがとう」と・・・・・・・

「もしかしたら、あの人、あたし等の事に気づいとったかもしれんな」
『そうかもしれないな。ところで歩、体の方はもう大丈夫なのか?』
「眠くはならへんけど、フラフラや」
『そうか。歩けるか?』
「それはまだ平気や。はよ、皆のところに行かんと」
歩は仲間達の下へと急いだ。
色々質問されたが、今回はミオを助けに行っていたという事である程度は納得してもらえたようだ。

「それじゃあ皆さん戻りましょう」
そして彼女たちは帰還する。歩は風香や翔と一緒に帰った。
風香と分かれた後に、歩と翔は食事や入浴をして眠る事となった。

「おやすみお姉ちゃん」
「おやすみ翔」
二人は自分の部屋に入り、すぐに睡眠をとった。

(奴との戦いの時は近い!そして歩との別れの時も・・・・・・・)
眠っている歩から分離して歩の香をしばらく眺めた後、ジュリは険しい表情で空を見上げた。
そこにいる倒すべき敵を睨み付けるように。

(私に残された力もほとんどない。しかしそれでも最後まで戦い続ける!)
固い決意をして、ジュリは再び歩の中へと入っていった。

第74話  終     第75話へ続く

361 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/10/17(火) 01:20 ID:???
次 回 予 告

宇宙空間に漂うちよ父は今までにない強敵を送り込んできた。
その名は宇宙恐竜ゼットン。

「このゼットンの前にはいかなる相手も敵ではない」
そしてそのゼットンの襲来によってHOLY基地は壊滅の危機に立たされる!

「心配してくれてありがとうな。でもいかなあかんねん!」
疲れた体に鞭を打って、歩は変身しようとする。

「もうそんな無理をしないで下さい!」

次 回 ウルトラマンジャスティス
第75話 『最恐の敵』  

「待てよ、大阪!いやウルトラマンジャスティス!!」

362 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/10/17(火) 01:24 ID:???
最初の予定ではジェロスを倒す予定でしたが、エアルを出したあたりから
変更しました。エアルは最初の予定にはなかったキャラだったのでクレジットされてません。
今回は歩とジャスティス(またはジュリ)を目立たせる為に他のキャラの出番は
ほとんどありません。
そして、次回の話、ようやくここまでたどり着けました。

363 :名無しさんちゃうねん :2006/10/31(火) 20:06 ID:???
同じ電撃系でトリコロや苺ましまろやはやて×ブレードと
コラボしてくれる人おらんかな?

364 :名無しさんちゃうねん :2006/10/31(火) 20:12 ID:???
はやて×ブレードとコラボするとともちゃんがよみにセクハラ発言して殴られて
鼻血まみれになるのが真っ先に浮かんだ。

365 :名無しさんちゃうねん :2006/10/31(火) 20:14 ID:???
苺ましまろやトリコロだとあんまり違和感ないような。

366 :名無しさんちゃうねん :2006/10/31(火) 20:27 ID:???
携帯からだとちゃんと見れるみたい。板の調子悪いんかな?

367 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2006/11/01(水) 23:02 ID:???
時々、専ブラからでも書き込みが遅れる。。

368 :名無しさんちゃうねん :2006/11/01(水) 23:21 ID:???
見た目だけならミカどんなんてまんま神楽だけどな。>>はやて×ブレード
でもそれだと榊さんが毒キャラになってしまう。

369 :名無しさんちゃうねん :2006/11/04(土) 01:40 ID:???
みのりなんて喋り方までほとんどよつばだけどな。
さしずめ紅愛は風香か。

370 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:32 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第75話 「最恐の敵」
宇宙恐竜ゼットン 登場

「大阪さん、また寝ていますね」
大学が終わり、基地に集まったHOLYメンバーだが、歩は相変わらず寝ていた。

「そうだ」
何を思ったのか榊は歩の頭にねねこ、こねねこを乗せる。

「よし」
「いや待て榊!何がよしなんだ?」
一連のやりとりを見ていた神楽はダラ汗を流す。

「かわいいと思うけど」
「いやかわいいけど・・・・・・・」
真顔で言ってきたので神楽もどう対応していいか分からなくなって困っていた。
思わず視線をそらしてしまう。

「あはははは・・・・・・・」
ちよも笑うしかなかった。

「ちよちゃん」
「は、はい!」
いきなり歩に呼びかけられたのでちよはビクッとなって返事をした。
しかし、相変わらず寝ている。

「ちよちゃんはどうして空を飛ぶのん?」
「は?」
どうやら寝ぼけているらしい。

「それもマッハ20の速度で〜。やっぱそのおさげがそうなん?」
「え?あ?大阪さんの夢の中の私は一体何者なんだろう?」
ちよはひき笑いをする。

「おーい千尋〜。これやるよ」
暦は何やら缶ジュースらしきものを持ってきた。メッコールと書いてある。

371 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:34 ID:???
「ありがとう。いただくわ」
千尋がそれを受け取って、それを飲む。かおりんが何か言いたそうにしていたが、遅かった。

「!!!!!!」
数秒後、千尋は豪快にむせた。

「な、何これ!!とても飲めたもんじゃないわ!!」
「あーだから止めようかと思ったのに」
「あたし等も前にそれ飲まされたんだよ!よみって相変わらず変わったもの好きだよな。
激辛コロッケの時もそうだったし!」
かおりんと智は千尋に同情の視線を送る。

「そうか?結構いけると思うけど」
「どれどれ・・・・・・・うわっ、まず!何だよこれ!!」
神楽が聞きつけそれを口に含むが、とても不快な表情をする。
そして自然とばかりに榊に手渡す。

「え?え?」
榊はいきなり手渡されて戸惑う。それはそうだろう。
暦以外はまずいと言っているジュースをいきなり手渡されているのだから。
だが、何だか飲まないような観念に襲われて意を決してそれを口に含む。

「・・・・・・・・・」
榊は首を横に振って思いっきり拒否する。とてもまずそうな顔をしている。

「榊ちゃんならいけると思ったんだけどな。あ、そうだ!」
智はそれを榊からとって寝ている歩に飲ませる。

「あー!!!あー!!!!!」
いきなり口に含まれたものに驚いて歩は左右をキョロキョロする。

「な、何やの!?あたしなにされたん?」
「おーすげえ効果だ。大阪が一発で起きた」
「それってそんなにすごいんですか?」
この中で唯一飲んでいないちよがそれに興味を示す。

372 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:36 ID:???
「お、ちよすけも飲むか」
「ち、ちよちゃん!やめとけって!」
「でもみんな飲んでるのに、私だけ飲まない訳にも」
そういった理由でちよはそれを飲んだ。
結果は他の人間に比べるとリアクションが薄いが、あまりうまそうには見えなかった。

「言うほどじゃありませんけど、飲めて半分が限界ですよこれ」
とちよは苦い顔をする。

「あ、みんなおはよう」
今になって挨拶する歩。皆もそれに対しておはようと挨拶する。

「しかし、ここんところ平和だな」
「特に異常もねーしな」
「このままこの平和が続けばいいんだけどなぁ」
智、神楽、かおりんの呟きに榊はうんうんと頷く。

「そうですね。こんな風なやりとりができるのが一番ですよ」
とちよは言った。

「そうやなぁ。のんびり出来るのが一番ええ事や」
「ってお前また寝ようとすんなよ!どれだけ寝る気だよ!」
寝ようとあくびをする歩に対して暦は少し呆れていた。
とこんな調子で平和な日常がこのまま続いていくのかと思われた。

しかし・・・・・・
宇宙のとあるポイントでちよ父が漂っている。しかし、その周囲には不気味なオーラが発せられている。

「ついに出来上がったぞ。最強の生命体!これが相手ならいかなる敵も敵で無くなる!」
ちよ父の眼前には流星状の物体が出現した。だが、これにはかつてない威圧感が発せられている。

「行くのだ、行ってお前の使命を果たして来い!」
ちよ父の命令に従い、それは動き出した。

373 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:37 ID:???
同時刻・・・・・・・
「どうしたんだ!?一体何に怯えているんだ!?」
東南アジアでHOLYが訪れた島の海上で、シーモンスとシーゴラスが天空に向かって威嚇をしていた。

「一体どうしたんだ?」
「分からない!ついさっきから何かを感じたのか、ああしているんだ!」
この島の管理者は突然の二匹の怪獣の行動に不安を覚える。
これと同じ現象がオーストラリアにいるリドリアス、新たに出来たアノス島にいるリアードやモーグにも起こっていた。
それぞれのリアクションは異なっているが。
オーストラリアにいるリドリアスもまた何かに怯えており、リアード夫妻は気が立っているのか、落ち着きがない。
モーグもまたそわそわしつつ地底に潜る。

荒廃した惑星にいる紫色の体をした宇宙人がいた。名をマッド星人という。
かつて何度か地球を訪れた事のある宇宙人だ。
この星に来て戦いを終えた所なのだ。そのマッド星人は何かを感じた。

「何だよ、この感覚。あの方角は地球!一体何が起ころうとしているんだ?」
そう言ったマッド星人の額には汗を浮かんでいた。

月面にあるムーンキャッスル基地。
ここでも異変がキャッチされていた。

「先輩!例の生命体がいるポイントから強力な生命反応が発せられました!」
「物凄いエネルギー反応です!今までとは比較にならないくらいの」
ムーンキャッスルにいるゆっきー、和田がそれぞれ橘に向かって報告する。

「この進路だと地球へと向かいます!」
「このコースなら俺達の間を通る事になる!迎撃しようぜ、先輩!」
松田と長谷川も進言する。

「よし、迎撃体制をとる。奴が送り込んだ物がここを通り次第一斉攻撃で、始末する!
今回はフレアレインXXも使う!」
橘が的確に指示を出し、ムーンキャッスルの面々は迎撃体制に入る。
ほどなくしてその物体はこのムーンキャッスルへと接近してきた。流星に見える。

「流星みたい」
「違うわ。あれからは生命反応が検知されてるわ」
ゆっきーは問うが、和田はそれを否定する。

「馬鹿な奴だ!このムーンキャッスルの防衛網へ正面から突破しようとするなんて!
見てろ!フレアレインXXで一瞬にして終わらせてやる!」
長谷川はフレアレインXXの発射担当となった。

374 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:40 ID:???
「よし、一斉放射だ!!」
「各艦、撃て―――!!」
橘、和田の指示で流星に向かって一斉射撃をする。
それは流星に全弾直撃する。大爆発が起こる。

「やったのかな?」
「全部の砲弾をまともにくらったんだし、無事では済まないと思う」
ゆっきーと松田が会話する。
だが、その大爆発が収まった後に、流星は何事もなかったかのようにスピードをあげる。

「嘘だろ!直撃のはずだ!」
「・・・・・・・・」
長谷川は驚くが、橘はこの事態を予想していたかのように渋い顔をする。
そして流星はそのまま進むのだが、その際にゆっきーの乗るモンブランと、
和田の乗るネレイドに衝突した。その為、激しい衝撃が艦を襲った。

「きゃああああ!」
二つの艦から悲鳴があがる。

「ゆっきー、和田さん大丈夫!?」
「こっちは大丈夫だよ。びっくりしただけ」
「こっちも平気よ!」
松田の呼びかけに和田とゆっきーが答える。

「ならこれでどうだ!フレアレインXX!!」
長谷川は動揺から立ち直ると、すぐにそれに向かってフレアレインXXを流星に向かって発射した。
しかし流星はそれよりも早いスピードでかわしていった。

「外れた!なら、もう一度だ!!」
「無駄だ!撃っても射程外だ!それくらい頭使え馬鹿!」
「なっ!おいそんな言い方ねーだろ!」
「喧嘩している場合じゃないわよ、二人とも!それよりもこの事を地球に知らせるのよ!」
「じゃあ、あたしが」
「いえ、私がやります」
橘と長谷川の言い争いを和田が仲裁する。そしてそれをゆっきーがしようとするが、松田がそれを制して
地上のATDFへと連絡する。
その通信はすぐに地上のATDFへと伝わっていた。

375 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:43 ID:???
「こちらムーンキャッスル!私達の防衛網をかいくぐって、そっちに何者かが侵入したわ!」
「確かにこっちに猛烈な反応が向かってきているわ!」
松田の通信を受信したのはかおりんだった。レーダーにその様子がハッキリ映し出されている。

「ムーンキャッスルの防衛網を突破した敵がいるだと?」
そこに総司令である松岸が作戦室に入ってきた。

「それで今、それはどこにいるのですか!?」
「それが・・・・・・・」
ちよの問いかけに千尋は言いよどむ。

「どうしたの、一体!?」
「その流星はまっすぐこの基地に向かってきています!!」
榊に先を促されかおりんが答える。

「ここに!?」
それに一同は驚愕する。しかし、それを証明するかのように基地のすぐ近くでその流星は落下する。
そしてそこから何かが出現する。それは巨大な怪獣だった。

「お前の役目はATDF基地壊滅とウルトラ四戦士の抹殺だ!さあ暴れろゼットン!」
ちよ父がそれに命令を下す。
ゼットンと呼ばれた怪獣は甲冑を着込んだ姿をしており、背中にはゴマダラカミキリをモチーフにした甲羅がある。
顔には目鼻が無く、中央に黄色い発光体があって点滅している。

「ゼット〜ン」
とも聞こえるような音と、不気味な電子音を出している。
全身のほとんどが黒く、発光体を除けば手足と角が銀色というカラーリングである。
これまでの怪獣にはない無機質な不気味さが漂っている。

「千尋さん、すぐにデータリンクをお願いします!」
「分かった!」
ちよに言われ千尋はすぐにデータリンクにかかる。
だが、ゼットンは基地めがけて顔から火球を放ってきた。
直撃こそ避けられたが、周囲の建物が破壊され、振動が再び基地を襲った。

「うわっ!いきなりやってきやがった!!」
「ここにいたらまずいんじゃないか!?」
「落ち着け!基地にある防衛システムで何とか食い止めるんだ!上条君!」
「はい!自動防衛システムを起動します!」
パニックになりかけた智と神楽を一喝した松岸は、かおりんに命令を下す。かおりんはそれに従い、自動防衛システムを作動させる。

376 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:45 ID:???
無人の戦闘機と、ビルの地下に収納されていた砲台がゼットンに向かって攻撃を開始する。
戦闘機はレーザー、砲台はミサイルを発射した。
無数の弾丸やレーザーはゼットンの胸に集中砲火を浴びせる。しかしゼットンはビクともしない。
それどころか、手から発する「ゼットンナパーム」と呼ばれる弾丸を発射して戦闘機や砲台を次々と
撃ち落す。それらを撃ち落しつつ、ゼットンは基地に向かってゆっくりと前進を始める。

「あたし達も出撃しようぜ!神楽、大阪。あたしについてこい!」
「おうよ!」
「了解や〜」
智の呼びかけに答え神楽、歩が後に続く。今回神楽はツッコむ事はしなかった。

「私達も行くぞ、榊」
「うん」
榊と暦も後に続く。

「私も出ます!総司令行ってきます!」
遅れてちよも続く。それに対して松岸も敬礼で返す。

「レッドファルコン、出るぜ!」
「ホワイトウイング、出撃する!」
「ブルードラゴン、出ます!!」
それぞれの機体に乗って出撃する。

「相手の正体が分かったよ。宇宙恐竜ゼットン。これまでの敵とは比べ物にならないくらい
の戦闘数値を出しているよ!特にあの火球は強力だから注意して!」
「ありがとうございます千尋さん!皆さん行きましょう!」
千尋のデータリンクに例を言うちよ。ゼットンは新たに現れた三機に注意を払う。
まず狙いをつけたのはレッドファルコンだった。

「よーし、三機分離だ!」
「おう!」
ここも智の指示に従い、三機へと分離してゼットンナパームの脅威から逃れる。
三機に分離したレッドファルコンはトライアングルフォーメーションで三方向から取り囲んで、
ゼットンに向かってビームを発射する。分離した三機が得意とするフォーメーションだ。
智の乗る2号機が正面から顔を、残る歩と神楽の乗る1号機と3号機が両サイドから角に向かって攻撃を仕掛ける。

「足元がお留守になってるぞ!」
暦と榊の乗るホワイトウイングはゼットンの足元めがけて攻撃する。ゼットンはややグラつく。

377 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:47 ID:???
「フォーメーションZ行きます!」
ちよはジャックナイフフライトで、ゼットンの首のあたりにレーザーをぶち込む。
だが、ジェロスの時と違い、あまり効いているようには見えなかった。

「中々硬いぞあいつ!とも、あれで行こうぜ!」
「あれやな〜」
「よっしゃー一回合体してトリプルサンダーだ!!」
レッドファルコンが再び三機合体している時のみ放てるトリプルサンダーをゼットンの胸元に当てる。
それは寸分違わず命中した。
だが、ゼットンはそれをくらっても平然としていた。

「げ!あいつ全然効いていないぞ!」
「すっげー硬い奴だな!」
「来るで!!」
珍しく歩が警告を発する。ゼットンはレッドファルコンを撃ち落そうと火球を発射する。

「まずい!分離だ!!」
慌てて三機は分離して火球をかわす。外れた火球はビルに当たりビルを崩壊させる。

「お姉ちゃん達、大丈夫やろか・・・・・・・・」
「状況は最悪ね」
その様子を地上から見ている者が二人いた。一人は四つに縛った髪が印象的な春日歩の妹春日翔、
そしてもう一人はワンレングスの髪にするどい目つきをした女性平井百合子だった。

「巨大なエネルギーを感知したから来てみればこんな事になってるとはね」
「百合子お姉ちゃん、大丈夫なん?随分つらそうやけど」
翔の言うとおり百合子は立っているのもつらそうな表情だった。
歩と同じようにそれだけ多くの戦いを経て消耗しているのだろう。

「大丈夫よ、まだ変身できなくなった訳ではないから」
「それならええんやけど・・・・・・・」
それでも翔はまだ心配そうにしている。
その時、1号機と3号機がゼットンの両腕から発射されたビームによって迎撃された。

「が・・・・・・・ちくしょう!」
「不時着せな!」
神楽と歩は急いで不時着する。強い衝撃が機体を襲ったが、二人共無事である。

378 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:48 ID:???
「神楽、大阪!!」
「させない!」
榊はホワイトウイングをゼットンの目の前まで接近してレーザーを胸に叩き込む。
しかしそれでもゼットンは怯まない。それどころかゼットンの腕の一撃で逆に叩き落されてしまう。

「くっ!」
「無理をするな榊!何とか不時着するんだ!!」
なおも飛ぼうとする榊を暦は制する。しかし、そこにゼットンが火球を放とうとしていた。

「やばい!脱出しよう榊!」
「駄目!間に合わない!!」
「弥生お姉ちゃん!コスモース!!」
榊の窮地を見た翔はいてもたってもいられず、コスモストーンを掲げて変身する。
火球を吐こうとしたゼットンは手を広げて突き出して現れたウルトラマンコスモスの一撃をくらって
地面に倒れた。コスモスはホワイトウイングをそっと掴んで、地面へと置いた。

「コスモス!何か私、コスモスには助けられてばかりだな」
(翔ちゃん・・・・・・・)
暦と榊に向かって頷いてコスモスは戦闘機を下ろした。
ゼットンは敵をコスモスと定め、ゼットンナパームをコスモスに向かって放ってきた。

「はっ!」
コスモスはムーンライトバリアと呼ばれるシールドを発生させて、これを防ぐ。
そしてすぐさま青のルナモードから赤のコロナモードへとチェンジする。

(翔・・・・・・・・)
歩もその様子を見守っている。コスモスとゼットンは互いに走り出し、お互いにすれ違う。
しかし、直後にコスモスはまるで電撃をくらったかのようにビリビリと痺れていた。

「うっ!」
コスモスは少しよろめく。そこにゼットンがゼットンナパームを放ってくる。
しかし、コスモスはこれを側転してかわす。

「はあああああ!」
今度は金色のカラーリングも混ぜたエクリプスモードへとチェンジする。
走ってきたゼットンを手刀で間合いを離す。

379 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:51 ID:???
「だあっ!」
コスモスは両腕を十字に組んで発射する光線「ルージュシューター」をゼットンに向かって発射する。
だが、ゼットンは自分の周囲にバリヤーを張り巡らせ、これを防いだ。

「バリヤー!!」
「そんなんありかよ!?」
智と暦が同時に声を発する。ゼットンは火球でコスモスを狙ってくる。
コスモスは一発目と二発目は前転して回避するが、三発目をカラータイマーにくらってしまう。

「うおおおおおお!」
「うああああああ!」
地面に倒れこむコスモス。その時、中にいる翔も悲鳴をあげる。
倒れこんだコスモスをゼットンは容赦なく蹴飛ばした。
うつぶせになった所を踏みつけるゼットン。カラータイマーに直撃した為か、早くもカラータイマーが点滅を始めていた。

「コスモス!この〜〜〜〜!」
2号機に乗っている智がコスモスを援護すべく、レーザーを発射する。
しかし、それはゼットンが先程使ったバリヤーによって阻まれる。

「なら後ろからです!」
今度はちよのブルードラゴンが、背後に向かって二発のロケット弾を発射する。
しかし、背後にもバリヤーを張られてかき消されてしまった。

「そんな!」
ゼットンは攻撃をしてきた二機に向かって顔から赤い光線を発射してきた。
それを二機はまともに受けてしまう。ちよ、智共に不時着する事に何とか成功させる。
だが、智の方に向かって、ゼットンはゆっくりと歩き出す。

「ともちゃん、早く逃げて!!」
「そんな事言ったってそんな急には・・・・・・・」
智が脱出に手間取っている間にもゼットンはどんどん接近してきた。
そしてすぐ近くまで来た時、ゼットンは踏み潰そうと足をあげた。

「智!黒き光よ、我が身に宿りて力を示せ!!」
智の危機に百合子はデスブリンガーを交差させて両腕を広げた後に、黒い巨人ウルトラマンシェイドへと変身する。
シェイドは巨大化するなり、振り上げた足を掴んでそのままゼットンを遠くへと振り回して投げた。

「シェイド!」
智に呼ばれてシェイドは振り向き、返事をする。そしてすぐに向き直る。
起き上がったゼットンと向かい合う形となる。

380 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:53 ID:???
(ゆりゆり)
榊は心配そうに見守る。

「はあっ!ヘアっ!」
シェイドとゼットンは同時に走り出し、まずゼットンが右腕で殴りかかってくる。
シェイドがそれを両腕で受け止めた後、2発の手刀をゼットンに決める。
しかしゼットンはそれをものともせずに、もう一方の腕で殴りかかってくる。

「せあっ!」
それを右腕ガードした後、シェイドは反り返るような体勢から右足でゼットンを蹴る。
これによりゼットンは多少だがよろめく。だがすぐに反撃の足払いが来た。
それを横っ飛びで回避するシェイド。しかしその隙をゼットンに突かれ、腹をつかまれる。
動きが止まったところを二発顔面に強烈な殴打が入り、シェイドはきりもみ回転してダウンする。

「ちよちゃん、大丈夫か〜?」
「ええ、大丈夫です大阪さん」
ちよは歩によって助け出されていた。

「であっ!」
起き上がったシェイドは左回し蹴りを仕掛けるが、ゼットンはこれを右腕で軽くガードしてしまう。
反撃にその腕を振り回してくるが、シェイドは側転して反対側に回避する。
ゼットンが左腕で突いてくるが、シェイド小さく飛び上がってそれをかわし、逆にゼットンの後頭部に飛び蹴りを叩き込む。
さすがのゼットンもこれは効いたらしく、ややフラッとなって後ずさる。

「おおおお、せいっ!!」
シェイドは両腕を前に突き出して放つエネルギー光球「カラミティストリーム」を放った。
だが、ゼットンはこれすらバリヤーで防いでしまった。砕け散るカラミティストリーム。

「相手がバリヤーを使っているなら流星キックよ!シェイド!」
『分かっている!』
百合子とシェイドは互いに意思を通じ合わせ流星キックを放つ。
かつてキングザウルス三世のバリヤーをこれで破っている!
しかしゼットンのバリヤーはそれよりも強固らしく、これをもってしても打ち破る事が出来なかった。

「そんな!流星キックでも駄目なんて!」
モニターで見ていたかおりんも息を呑んだ。
ゼットンは着地したシェイドに両方の手で殴りかかってきた。不意をつかれシェイドはよろめく。

381 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/11(土) 22:56 ID:???
「ぐっ!」
もう一撃シェイドを右腕の一撃をかがんでかわした。しかしゼットンは今度はその腕で裏拳を放ってきた。
これを右頬にくらい、さらには腹を蹴飛ばされて倒れこんだ。
追い討ちをかけるようにゼットンは赤い光線をシェイドのカラータイマーに直撃させる。

「うおおおおおおおお!」
シェイドは仰向けに倒れこんだ。そしてコスモス同様カラータイマーが点滅を始める。

「かふっ!」
中の百合子もダメージを負っており、口から血を吐いている。

「何て奴だ。シェイドもまったく歯が立たない!」
松岸もいつも以上に険しい表情でモニターを見ている。

「・・・・・・・・・・・歩」
その様子を固唾を飲んで見守っていた榊だが、やがて歩の方にゆっくり向き直る。
そばにはちよもいる。

「何や?弥生ちゃん。もしかして!」
「二人を助けにいく」
「それならあたしかて一緒に!」
「歩は弱っている。無理はさせられない。だから私が何とかする」
そう言って榊は走り出す。

「待って榊さん!」
ちよは榊の袖を掴もうとするが、あと少しの所で届かず榊は行ってしまった。

「待てよ、榊!」
神楽がその後を追う。しかし、榊のスピードは速くとても追いつく事が出来なかった。

「レイ!」
榊はゼットンの目の前まで接近して変身アイテムであるシャインリングを使って
ウルトラマンレイへと変身する。青い閃光が発生して、ゼットンを吹き飛ばした。
そしてウルトラマンレイが姿を現す。

「ウルトラマンレイ!」
レイの出現を見て、メンバーは喜びの表情を見せず複雑な表情をしている。
何かに気づいたと思われる者、戸惑っている者、不安げな表情など様々だ。

382 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/11/11(土) 22:57 ID:???
前半部終わりです。
後半へと続きます。

383 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2006/11/11(土) 23:10 ID:???
>>370-382
お疲れ様です!
ついに本当に佳境ですね!
後半を楽しみに待っておりますです

384 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2006/11/16(木) 23:17 ID:???
突然すみません。
相変わらず、更新の遅い下駄です。

ttp://www.shikoku-np.co.jp/national/okuyami/article.aspx?id=20061116000489
ゲッター板にて、これを知りました。
正直、未だに信じられません。。。

385 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/11/17(金) 01:17 ID:???
>>384
ご冥福をお祈りいたします。

386 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:18 ID:???
「えいやっ!」
変身したレイは高速回転を始め、そこから光のリングを放出する。
それはゼットンの体を締め付け、拘束する。キャッチリングと呼ばれる技だ。
しかしゼットンはその拘束された状態から、赤い光線を出してくる。
それはレイに当たり、レイは高速回転を止められる。
そしてゼットンにその鎖を引きちぎられた。うつぶせに倒れるレイ。

「スロォッ!!」
すぐに立ち上がりゼットンと向かい合う。
だが、ゼットンは急にその姿を消した。

「消えた!」
暦が思わず口にする。レイは周囲を見渡す。ゼットンはレイの背後に現れた。
現れるなりゼットンは火球を発射する。レイはそれを横に避ける。
後ろにあった基地ビルの窓ガラスが割れる。

「えやあああ!!」
レイは青い光の剣「デュエルセイバー」で斬りかかるが、これもゼットンバリヤーに阻まれ、逆に剣が砕けてしまった。

「レイ頑張って!」
祈るような気持ちでちよが呟く。

「エイッ!!」
しばらく睨み合っていた両者だが、レイが飛び掛る。だが、ゼットンはそれを軽くいなしてしまう。
逆に地面に倒され、さらには首を絞められてしまう。
危機を知らせるカラータイマーが青から赤に変わり点滅を始めた。

「えいやぁ!!」
何とかそれを振り払ってゼットンを投げ飛ばす。倒れるゼットン。
そして仕切りなおしとばかりに向かい合う両者。

「はああああああ、たあっ!!」
レイは腕をL字型に組んで発射するレイバーストショットを発射する。
しかし、これはゼットンの右腕によって吸収されてしまった。
ゼットンは反撃とばかりに両腕から光線を発射してきた。それはレイのカラータイマーに命中する。

387 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:20 ID:???
「うわあああああああ!!」
レイが苦悶の声をあげる。その中で榊もまた同じように悲鳴をあげる。
容赦なくゼットンはもう一度同じ場所に光線を発射してきた。
ゼットンファイナルビームと呼ばれるものだ。それはもう一度カラータイマーに命中した。
レイはゆらゆらとしながら、ゆっくりとうつ伏せに地面に倒れた。

「ぐ・・・・・・・・」
ゼットンはそんなレイに追い討ちをかけるかのように蹴飛ばして仰向けにさせる。

それを見た歩は皆を助けるべく、走り出す。
だが、誰かに袖をつかまれる。ちよだった。

「待ってください大阪さん!そんな体で一体どうしようって言うんですか!?」
今にも泣きそうな顔でちよは訴える。

「心配してくれてありがとうな!でもあたしいかなあかんねん!」
歩はちよの掴んだ手を振り解いてまた走り出そうとする。既にジャストランサーも
取り出している。

「待てよ大阪!」
今度は智が止めに入る。

「とめんといてやともちゃん!」
「待てって言ってるんだよ大阪!いや、ウルトラマンジャスティス!!」
智の発した言葉に歩も、いやその場にいる誰もが驚愕する。
皆、智の方を見る。

「ともちゃん、あたしの事・・・・・・・」
「ああ気づいていたよ、前々からな」
「な、何言ってんだよとも!」
「そうだ、大阪がジャスティスな訳が・・・・・・」
智の発言に暦と神楽が異議を唱える。

「それと榊ちゃんがレイ、翔がコスモス、百合子がシェイド。そうだよな?」
しかし智は二人の意見は聞かずに、そのまま自分の考えを伝える。

「それと分かる根拠はありました。大阪さん達はそれぞれのウルトラマンが出現している間は
いなくなっている。よみさんだって神楽さんだって口にしてはいないけれどその事には気づいていたのでしょう?」
「・・・・・・・・・・」
ちよに聞かれた二人は黙った。図星だからだ。

388 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:23 ID:???
「翔ちゃんや百合子ちゃんの場合はコスモスやシェイドが出てきた時に必ずその現場にいます。
海外に行っている時は別ですけど。もうひとつは今までみんなウルトラマンが怪我した場所と
同じ箇所に怪我をしています。今の大阪さんと同じようにジャスティスが弱っているように」
ちよは彼女達がそれぞれのウルトラマンだという根拠を述べていった。

「じゃあやっぱりレイを見て榊さんだと思ったのは気のせいじゃなかった訳ね」
かおりんはかつて自分が感じた直感が正しかった事を確信した。

「総司令は知っていたのですか!?」
「知っていた。いや私だけでなく恐らく総監もな。だが彼女達の意思を汲んであえて黙っていた」
千尋の問いに松岸は正直に答えた。

「やっぱかなわんなぁちよちゃんには。ともちゃんもそうなん?」
歩の問いに智はうなずく。

「やっぱりそうだったんだな。大阪がジャスティスなのはともかく榊がレイなのは妙に納得しちまった」
「私もだ。最も私の場合は百合子がシェイドだった事だけどな」
神楽と暦がそれぞれの感想を口にする。

「みんなが持ってる道具、それで変身するんだろ?」
「そうや」
「大阪さん、もう無理をしないで下さい!変身しないでください!」
「心配してくれてありがとうなちよちゃん。でもやっぱりあたしは行ってくるわ。
みんなの事放っておけへん」
すがるようにちよは歩に言うが歩の意思は固かった。

「大阪、止めても無駄だからとめねーけど、絶対に勝てよ!負けたら承知しねーぞ!」
歩の手をとって智は笑いかける。

「仕方ないですね。でも大阪さん必ず帰ってきてくださいね!」
「うん約束するで。ジャスティース!」
歩はちよを抱きしめた後、ジャストランサーを天高く掲げる。
みんなの見ている前で歩は赤い光に包まれる。そして赤い光はやがて一人の巨人の姿へと
変わっていく。ウルトラマンジャスティスだ。

「大阪さん」
「大阪・・・・・・・」
誰もがジャスティスの姿を見てそう呟いた。

389 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:24 ID:???
『ジャスティス、何故変身したんだ!?』
「歩、どうして!?」
レイと榊が重ねて変身する。

『このまま黙ってみている訳には行かない。歩と私も同じ気持ちだ』
「やっぱり今まで一緒に戦ってくれたみんなを見捨てるなんてあたしには出来へんよ」
同じようにジャスティスと歩も重ねて答える。

「でやっ」
ゼットンに向き直ったジャスティスは飛び蹴りで奇襲を仕掛けるが、
ゼットンは少し後ろに下がっただけで、逆に蹴飛ばされてしまった。

「だあっ!」
ジャスティスは手刀二発、膝蹴りをゼットンに叩き込むが、ゼットンにはまるで効いていない。
ゼットンが拳を振るってくるが、これを回避し蹴りを仕掛ける。
しかしゼットンはこれを軽々といなし張り手でジャスティスを攻撃する。
再びジャスティスは蹴りを仕掛けるが、ゼットンはこれも軽く捌き、
続いて殴りかかった右手を捕らえ片腕一本で軽々と投げ飛ばしてしまった。

「はああああああ!」
ジャスティスはクラッシャーモードへとチェンジする。
前回使用したパトレックショットを放つ。しかし、それはゼットンバリヤーに弾かれる。
もう一度投げるも結果は同じであった。
ゼットンは火球を放ってくる。ジャスティスはそれを側転でかわす。もう一発くるが、これも横に避ける。
三発目も何とか回避に成功する。

「皆さん、ジャスティスをいえ大阪さん達を助けましょう!」
「了解!!」
ちよの言葉に従って全員援護射撃をする。だが、ゼットンはバリヤーですべて防いでしまう。

「あのバリヤーが厄介だな」
神楽が歯軋りする。

「佐倉隊員、ついに新兵器完成しました!!」
一般隊員の一人が千尋に報告をしてくる。

「そう、間に合ったんだ!総司令!私とかおりんも出撃していいですか!?」
「その言葉待ってたわ千尋!やっぱりここで見ているだけなんて出来ないもの!」
「分かっている。佐倉、上條両隊員とも出撃せよ!」
「了解!!」
かおりんと千尋は一刻も早く現場に着くためにホバークラフトであるシルバースコーピオンへと乗り込む事にする。

390 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:27 ID:???
一方のジャスティスのカラータイマーは既に点滅を始めていた。
頑張れウルトラマンジャスティス。

「ふうううううううん、ていっ!」
ジャスティスは両腕を前に突き出す光線ダグリューム光線を発射する。
ゼットンはすかさずバリヤーを貼る。しかし、ジャスティスも光線を長く出し続ける。
するとゼットンのバリヤーにヒビが入り始めた。
もう少しでバリヤーを破壊できるところまでいったものの、その前にジャスティスのエネルギーが尽きてしまった。
カラータイマーの点滅が早くなり危機を知らせる。

「今ならゼットンのバリヤーを破る事が出来るかもしれねえ!」
「一斉にピンポイント射撃だ!!」
神楽と暦がレーザーを放出する。しかし、ゼットンは新しくバリヤーを貼ってこれを防いでしまう。
智とちよも続くが結果は同じであった。

「そんな、すぐに復元されてしまったらどうしようもないじゃないですか!?」
「どうすりゃいいんだ!?」
そうしている間にもゼットンはジャスティスのカラータイマーに二発の火球を命中させる。

「ぐおおおおお!」
ジャスティスは吹き飛ばされ、地面にうつぶせに倒れる。中の歩もダメージを受け苦しむ。
さらにもう一発火球が飛んできて背中に命中する。

「ぐふっ!」
ジャスティスは立ち上がろうとするが、膝をつくのがやっとだ。

「このままじゃ、大阪さんも榊さんも翔ちゃんも百合子ちゃんもみんなやられてしまう!
どうしたら・・・・・・・・」
かつてない敵に動揺するちよ。と、その時誰かがゼットンに向かって砲撃した。

「みんな遅くなってごめん!ジェロスの時から作っていた新兵器がついに完成したよ!」
それはかおりんと千尋を乗せたシルバースコーピオンであった。かおりんがグレネードラチャーを
発射してゼットンに攻撃しているのだ。

「かおりん!それに千尋さん!!」
ちよの顔が綻ぶ。
ゼットンはシルバースコーピオンに向かって赤い光線を発射してくる。
シルバースコーピオンはそれをギリギリで回避する。

391 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:28 ID:???
「うわぁ、これヒヤヒヤものね」
かおりんは冷や汗をかいている。シルバースコーピオンはゼットンの攻撃を回避しつつ、
ちよ達の元へとたどり着いた。

「一体どんなものなんですか?」
「今回のゼットンみたいにバリヤーを使う敵にはこの上なく有効だよ。説明するよりも実際に使った方が早いよ!」
といって千尋はひとつのスコープを出した。

「それはもしかして前にバランガスの時に使った『グランドウェーブ』か?」
暦がそれを見てその時の事を思い出す。

「そう。その『グランドウェーブ』を改造して作った『グランドスクリュー』だよ。そのままでも使用できるけど、
ゼットンがバリヤーを使用してきた時がベストだね」
「ゼットンにバリヤーを使わせればいいんだな。よしじゃあそうしてやろうじゃないか!とも、行こうぜ!」
「おうよ!」
神楽と智はそれぞれの武器を取り出した。ゼットンはジャスティスを掴んで投げ飛ばしていた。
それぞれ小型爆弾であるレイフォース、それの改良型のレイストームを取り出す。

「私はこれだな」
暦はミスティックスマッシャーを撃つバズーカを取り出す。

「私たちもなるべく注意をひくようにするわ!」
「ちよちゃん、お願いね」
「私が・・・・・・・・分かりました!やってみます!!」
再びシルバースコーピオンに乗り込むかおりんと千尋に向かってちよは決意の表情で言った。

「これでもくらえ!!」
「うりゃーーー!!」
まず智と神楽がレイストームとレイフォースを投げて、ゼットンの足元で爆発させる。
ゼットンの注意が二人に向く。ゆっくり歩み寄ってくる。

「榊さん、今度は私たちが榊さんを守ります!」
「こっちだよゼットン!」
かおりんと千尋は無防備となった背中に向かって砲撃する。少しだがゼットンはよろめいた。

「次は私だな」
暦がミスティックスマッシャーを発射する。するとゼットンはバリヤーを貼ってそれを防ぐ。

392 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:30 ID:???
「今だ!ちよちゃん!」
「グランドスクリュー発射!!」
ちよはスコープで狙いをつけて発射した。
スコープから発射されたそれは、竜巻のごとく螺旋の渦がゼットンに向かっていく。
グランドスクリューはゼットンが貼ったバリヤーをいとも簡単に打ち破り、ゼットン自身をも飲み込んだ。

「やった!!」
ちよが快哉の声をあげる。発生したスクリューに飲み込まれたゼットンは空高く舞い上がり、
上空から地面に頭から叩きつけられた。さすがのゼットンも大ダメージを負ったらしくフラフラしている。

「凄いな。グランドスクリューって言うだけの事はあるよ」
「千尋って時々凄いことするわね」
暦とかおりんはその威力に関心していた。

「これでもうシールドは貼れないはず!一気に攻め込んで!!」
「言われなくてもそうするつもりさ!」
「待ってろ榊、大阪、翔、百合子!今助けるぞ!!」
千尋の言葉に神楽と智は攻撃態勢に入る。
だが、ゼットンはテレポートで一度姿を消した後に、別の場所に現れ
そこから6人目掛けて火球をそれぞれに向かって6連続発射してきた。

「きゃあああああ!」
「うわぁ!みんな避けろ〜!」
6人のいる場所それぞれで爆発が起こり、全員吹き飛ばされる。

「み、皆さん大丈夫ですか?」
「ああ、何とかな」
「く、くそう!弱ってるのにまだあんな攻撃してくるなんて!」
「バリヤーがなくてもこれじゃもたないぞ!」
「も、もしかしたら次はないかもね」
「そ、そうみたいだね」
ゼットンは火球をもう一度放とうと力をため始める。

「も、もう一度グランドスクリューを使ってみます!」
ちよはバズーカを持って立とうとするが、ダメージが大きかった為か持つ手に力が入らなかった。
ゼットンがまさに火球を発射しようとしたまさにその時・・・・・・・

393 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:31 ID:???
「えいやっ!」
「ショアッ!!」
起き上がったレイとコスモスが同時に側転からの蹴りを見舞った。
顔面に当てた為、狙いがそれ火球はあらぬ方向へと飛んでいった。そしてゼットン自身も吹き飛ばされる。

「だあっ!!」
今度はシェイドが起き上がり、ゼットンの腕をとって投げ飛ばした。

「ヘアッ!!」
最後にジャスティスが飛び上がってゼットンの顔面へと強烈なストレートパンチをお見舞いする。
ゼットンは大きく後方へと下がる。

「ジャスティス!大阪さん!」とちよと千尋。
「レイ!榊!」と神楽とかおりん。
「コスモス!翔!」と暦。
「シェイド!百合子!」と智。それぞれのウルトラマンと変身している人間の名前を呼ぶ。
ウルトラマン達は向き直って頷く。

『レイ、コスモス、シェイド!合体光線だ!』
『分かった!』
『了解だ』
『いいだろう』
ジャスティスが他の三人に語りかけ、他の三人もそれに同意する。

「はあああああ、でやぁ!!」
ジャスティスはダグリューム光線、レイはレイバーストショット、コスモスはルージュシューター、
シェイドはフォビトンレイジとそれぞれの得意とする光線技を放った。
ゼットンはバリヤーを貼ろうとするが、グランドスクリューによって張ることは出来なくなっていた。
慌ててゼットンファイナルビームを発射して相殺しようとするが、それも突き破られついにゼットンは
爆発四散した。

「今度こそやったんですね!」
「うん、倒したんだよ!」
ちよとかおりんは抱き合って喜びを分かち合う。

「何とか、何とか勝てたな」
ずっと様子を見ていた松岸も胸をなでおろす。

四人のウルトラマンは限界まで力を使ったからか、その場で変身を解いた。
彼らが消えた場所に歩、榊、翔、百合子の四人が横たわっていた。

394 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:34 ID:???
「大阪さん!」
「榊さん!!」
「翔!!」
「百合子!!」
ちよと千尋は歩へ、神楽とかおりんは榊へ、暦は翔、智は百合子へと駆け寄り抱きかかえる。

「と、とうとうバレてしまったわね、私達の正体」
「せ、せっかく隠してたんのに〜」
百合子と翔は力なく笑う。そんな百合子を智は強く抱きしめる。

「と、智?」
「今回だけだぞ。全くいつもいつも無茶ばかりして周りを心配させんなよな」
そして智は百合子の肩を持って歩く。一方の翔は暦におぶさっていた。

「暦お姉ちゃん。ごめんな〜おぶってもらって」
「何言ってるんだ。お前には何度か助けてもらったからな。これぐらいじゃ足りないくらいだ」
翔も百合子も緊張の糸が切れたのか眠りへとついた。

「ごめん、今まで黙っていて・・・・・・・私にもっと勇気があれば・・・・・・・話せたかもしれないのに」
榊はこれまで自分がレイである事を黙っていた事をわびた。

「何言ってんだよ!そんな事気にする必要ねーよ!」
「榊さんが無事でいる事!それで十分です!」
かおりんと神楽は二人で榊を支える。そしてその言葉にやさしく微笑むのだった。
榊もまた極度の疲労からか眠りについた。

「ちよちゃん、千尋ちゃん。あたしちゃんと約束守ったで」
「はい!大阪さんは私との約束を守ってくれました!そんな大阪さんが私は大好きです!」
「だから今はもう寝ててもいいんだよ!誰も文句は言わないし、私が言わせない!」
「みんな寝てもうたみたいやし、そうさせてもらうで〜」
歩はゆっくりと眼を閉じた。

「ご苦労だった。基地へと戻って彼女達を早く医務室へと運んでやれ」
「はい」
松岸が通信機ごしに語りかけてきて、皆はそれに了解する。
歩き出してしばらくした後、こちらに向かって駆けてきた少女がいた。かおりんと同じようにボブカットにした少女だった。

395 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:36 ID:???
「風香さん・・・・・・・」
「春日さん、榊さん、翔ちゃん、百合子先輩・・・・・・・」
ちよの声が聞こえているのかいないのか、4人の姿を見てしばし呆然としていた。

「風香さんは知っていたんですね?」
その言葉で風香はすべてを理解した。

「うん。イブリースの時からね。妙な胸騒ぎがしたから来てみたんだけどまさか・・・・・・」
「大丈夫です。みんな眠っているだけです!それにきっと舞先生なら治してくれます!」
「そっか、そうだよね。きっと治してくれるよね」
風香は笑ってみせたが、無理をしているのは明らかだ。
消え入りそうな声で「みんなをお願い」と呟いた。それをちよはしっかりと聞き取りうなずいた。

「また無茶をしたのね」
メディカルルームに行く途中に、相田京子と出会う。

「いつまで続ければいいのかしらね?こうして傷つけ合う戦いを」
「キョロ」
「キョロちゃん」
神楽と千尋はどう言葉をかけていいか分からなかった。それはまさに自分達が
思っていた事と同じだったからだ。

「ごめんなさい。こんな事言っても何もならないのは分かっているわ。この戦いを終わらせるには
あの宇宙にいるあいつを倒すしかないってのも分かってるけど・・・・・・・
舞先生ならきっと治してくれるわ」
そう言って京子は歩き去っていった。

「今日はいつも以上にひどくやられたわね。ウルトラマンの回復能力をもってしてもこれは時間がかかるわねぇ」
メディカルルームに着くなり、舞はそう切り出した。

「舞先生、舞先生もやっぱ知っていたのか?」
「そりゃあ私は毎回のように彼女達を診てきたんだから。自然とね」
智は驚くが、舞は大した事ないといった口ぶりだった。

「それで舞先生!治す事は出来るんですか!?」
暦は不安そうに聞いた。舞が難色を示したからだ。

396 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 01:59 ID:???
「出来ない事はないわよ。でも私も万能ではないし、いつまでもこの状態が続けば
彼女達の体はもたないわよ。みんな体に限界が近づいているのよ」
今までにないくらい厳しい表情で診断結果を下す。

「そうですか」
「まあいいわ。やれるだけの事をやるだけよ」
そして舞は4人の治療にあたることとなった。

「今は舞先生を信じるしかないな」
「そうですね」
「お〜い見舞いに来てやったぞ〜」
その時場違いなほど呑気な声が響いてきた。

「ちょっとゆかり!いくらなんでも不謹慎じゃないの!」
もう片方が最初に入ってきた方の行動をたしなめる。

「ゆかりちゃんににゃもちゃんじゃないか」
「先輩!」
智や舞がやや面食らった顔をしている。
しかしそんな事は意に介さず、ゆかりは眠っている四人の顔を見た。

「大変ねぇウルトラマンってのは。こんなになってまで戦わなきゃいけないなんて。
あたしだったら絶対なりたくねーな!」
「え!?ゆかり先生気づいていたんですか!?」
「ゆかりあんたいつから!?」
ゆかりの発言に神楽もみなもも面食らっていた。他のメンバーも同じだ。

「シーモンスとシーゴラスのいる島にバカンスに行ってた時からよ。何だ、お前ら今まで知らなかったのか。
大阪がジャスティス、榊がレイ、神戸がコスモス、電波女がシェイドでしょ。見れば分かるでしょ」
「合ってる・・・・・・」
「わ、私始めてゆかりを尊敬したわ!」
暦とみなもは脱帽していた。

「とにかくさ。そんな顔すんなってちよすけ。なるようにしかなんねーんだから。
でもこいつ等は元気になるわよ。絶対に。な、舞?」
「はい!ゆかり先生!」
「もう!先輩にそんな事言われたら、そうしない訳にはいかないじゃないですか」
ちよは満面の笑みで答えた。舞も文句こそ言っているが微笑んでいる。

397 :第75話 「最恐の敵」 :2006/11/17(金) 02:02 ID:???
「ゆかり先生ってどんな時でも変わらないね」
「うん、いつも自分のペースでみんなを引っ張っていってくれるよね」
かおりんと千尋もお互いに笑い合っていた。

「それはそうとゆかりちゃん、今日は彼氏と一緒じゃないの〜?」
「あ、そうだ。小岩井さんは今日は一緒じゃないんですか〜?」
智と神楽は意地悪く聞いてきた。顔がニヤけている。

「うっさいうっさい!お前らに話すことなど何もないわ〜!」
ややヒステリック気味に叫ぶゆかり。聞かれると恥ずかしいらしい。

「ちょっとゆかり!あんまり大声出すと春日さん達起きちゃうわよ!」
「やれやれすっかりいつもの風景に戻ったな」
微かに笑みを浮かべつつ暦は呟いた。

同時刻アメリカ――――
現在ちよがお世話になっているアメリカのメルビィ・クリスティもまた厳しい表情で暗雲たれこめる空を眺めていた。
別に天候自体はTVや新聞の天気予報が知らせた通りなので、何の疑問も思っていない。
しかし、メルビィはその空を見ているととても不安になるのだ。

「なんだろうね?とてつもなく嫌な予感がするよ。何かが起こる前触れのような気がしてならないよ。
日本にいるちよは大丈夫かな?」
メルビィの眺めている先にはちよのいる日本がある。

そしてかの者がいる宇宙空間では・・・・・・・
「ゼットンがやられたか。私にとっては最高傑作だったのだがな」
ちよ父と思われる存在はゼットンという手駒を失ったにも関らず、余裕の態度は消えていなかった。

「どうやらこの俺自ら出向かねばならないようだな」
地球に最大の危機が迫ろうとしている。
第75話  終       第76話へと続く

398 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/11/17(金) 02:24 ID:???
次 回 予 告

宇宙空間に漂うちよ父がついに地球へと侵入した。

「探したぞ、我が半身よ」
「やはりここに一番に来たか」
その真の正体とは?
傷ついた体をおしながら歩と榊は起き上がり変身しようとする。

「きっとこれが最後になるんやな」
「行こう歩」

次 回 ウルトラマンジャスティス
第76話 「史上最大の危機!破滅をもたらす者」
「誰か止めて!このままじゃ大阪さんも榊さんも死んじゃう!」

399 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/11/17(金) 02:29 ID:???
ゼットン編終わりです。
この話自体はかなり初期から終盤のエピソードとして考えていました。
(その頃は翔も百合子もムーンキャッスルもいませんでしたけど)

ただ最後の方は重苦しく終わる予定だったのですけど、ゆかり先生とにゃも先生を
出したらガラッと変わってしまいました。
何かゆかり先生はあんな状況でも普段と変わらない対応をしそうだと思ったので。
では。

400 :名無しさんちゃうねん :2006/12/07(木) 19:03 ID:???
ところでそろそろ容量も少なくなってきたけど次スレどうする?
まだいっか?

401 :CHANGE GETTER ROBOT THE STORY  第11話 −平− :2006/12/14(木) 00:22 ID:???
CHANGE GETTER ROBOT THE STORY
第11話 −平−

重い。
途轍もなく、感覚が重い。
自分の意識を支配している脳内漆黒とも乳白色ともつかないが
濃厚な配色をした靄(もや)がかかり、その項垂れた頭部を
再び起こし、その靄を振り払う気力も感情が薄れ逝く今では最早無いに等しい。

閉じては開き、開いては閉じの動作の中で、「閉じ」の割合が増えていく。
そして遂に、その意識は途切れ、薄れ逝く視界を完全に闇が閉じる時が訪れた。


但し、それはほんの一瞬の出来事だった。
閉じた直後、ほんのコンマ単位の時間の後に、それは起きた。


スコーーーーーーーーーン

「!?  ―――――――ッ!!!!!!」
突如脳髄に響いた鋭い刺激に、その人物は
うつ伏せの状態から一気に海老反りの体勢に変化した。
気が付く間も無く、その口からは声にならない声が零れ、
机と組み合っていた両手はその刺激の根元を押さえて悶えている。
うつ伏せになっていた状態から、両腕と上半身を机に侍らせた時にできる隙間の
中を目掛けて狙い打たれた白墨の直撃の衝撃は薄れていた感覚を取り戻すのには十分だった。

402 :CHANGE GETTER ROBOT THE STORY  第11話 −平− :2006/12/14(木) 00:22 ID:???
「い…痛ったぁーーーーーーーーーーーーっ!!」
「二時間目から寝てんじゃねーよ、寝るんなら他の教科で寝て頂戴」
「だって一時間目木村だしぃいい!! あいつ寝てると当ててくるんだよチクショー!」
「寝なきゃいいだろ!!」
空かさず、彼女の友人による、電光石火の突っ込みが入る。
「無理!!」
当然の如く、反応する。
火と油の如く。

「あーもーうるさいうるさいうるさーい!!!」
「ちょっとゆかり! 今授業中!」
「うるせー! 人の授業に口出しすんなー!!」
「(もう…ちゃんと授業をしてほしいです…)」

隣のクラスからの客を相手に、漫才を繰り広げる担任。
それを見て呆れる、11歳の天才少女。
よく飽きないものだ、と何人の生徒が思ったことか。
しかし、例外と言うものもある。

「(あ…ネコ…)」

遥か遠く、校庭の端近くでころころと動く黒と白の物体を眺めながら、
一人の少女が幸せそうにぼんやりと眺めていた。
そして、それをこれまた一種の恍惚を帯びたような表情で見つめる少女も一人。
またそのすぐ傍には、喧騒とは無縁とばかりに机に突っ伏している少女が。
これは、智と違って運が良いのか、或いはもう「こいつはもう駄目」と
認識されているのか、それは定かではない。

403 :CHANGE GETTER ROBOT THE STORY  第11話 −平− :2006/12/14(木) 00:23 ID:???
騒がしいが、穏やかな日常。
楽しく、平和な日常。


『あの日』から、約二週間が経った。
あの日のことは、どう処理されたのかは分からない。
分かっていることは、どの人物も、それを深く考えようとしなかったことだ。
いや、そのことを記憶の底へ封殺したかったのだろう。
隣のクラスからは、何時いかなる時も人の声がしなくなった。



そしてこのクラスは、席が二つ、空いていた。
あの日から二週間後の、午前の刻だった。










TO BE CONTINUED

404 :オマケ :2006/12/14(木) 00:41 ID:???
あずまんが大王三巻116p
法律
竜馬「あ!警察(サツ)だ!!(税金払ってないのバレたかなぁ…」
隼人「…(鬼の)死体はちゃんと埋めないとな」
竜馬「そだな」

アピール
隼人「まず、真っ直ぐ前を見て歩け」
竜馬「お?」
隼人「狗共の目を見るな」
竜馬「そうか…」
隼人「ヒヒヒとかヒャハハとか奇声を上げるのも怪しい」
竜馬「(それはてめぇだ)」
隼人「犯罪者でない風を装え」
竜馬「お前には無理だ」


とりあえず、更新遅れてごめんなさい!!!!!!

405 :27下駄 :2006/12/15(金) 21:25 ID:???
ttp://asame5.web.infoseek.co.jp/ytmngf.html
左下の絵に…

ところで、そろそろ新スレでしょうか?

406 :名無しさんちゃうねん :2007/02/15(木) 23:45 ID:???
>>405
スレ立てお願いします。

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