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【これはこれで】キムリン【それいいじゃん!】
- 1 :名無しさんちゃうねん :2002/11/17(日) 14:17
- 少ない出番でおいしいところを全部もっていくキムリンを語ろう。
- 2 :名無しさんちゃうねん :2002/11/17(日) 14:20
- >>1
また糞スレかどうか微妙なスレを立ておって。
関連スレ?
私が古典の木村です。質問に答えますよ
http://www.patipati.com/test/read.cgi?bbs=oosaka&key=036497467&ls=50
先生について語るスレ
http://www.patipati.com/test/read.cgi?bbs=oosaka&key=030809635&ls=50
- 3 :2 :2002/11/17(日) 14:23
- >>1
取り合えず、良スレにしたければネタを書け!書くんだ!!
- 4 :1さんへのアドバイス :2002/11/17(日) 15:42
- よいネタスレの立て方。
スレを立てる事を思いつく。
↓
同じようなスレが無いか探す。←1さんはやりましたか?
↓
ネタを考える。←意外と見落としがちです。
↓
スレを立てる。1に、スレの内容を書く。←1さんはちゃんとやっていますね。
↓
すぐに自分で考えたネタを書く。←盛り上げたければなるべく面白いネタを書こう。
↓
盛り上がるまで自作自演でネタを書いたりレスしたりする。
自分で書くネタすら無いようならば、そもそもスレを立てるのはあきらめよう。
- 5 :1 :2002/11/19(火) 21:55
- スマソ。勢いだけでスレをたててもた。
ちなみにオレは『これはこれで』で1週間もちます。
- 6 :八八艦隊司令大阪さん :2002/11/19(火) 22:07
- ただこのまま終わるのも可哀想なので
「木村は何故そんなにもかおりんに引かれるのか!?」
と、話題になるか微妙なことを言ってみる
- 7 :HYPER ◆DKhyper2 :2002/11/19(火) 23:20
- キムリンは榊さんに恋心を抱くかおりんの姿に自分の青春時代の姿を重ね合わせ、
自分の夢をかおりんに託しているのだ!
- 8 :名無しさんちゃうねん :2002/11/22(金) 02:46
- 単に高校時代に好きだった子に似てたとか。
でも仮装競争の木村の様子を見ると節操ない感じもするしなぁ。
- 9 :八八艦隊司令大阪さん :2002/11/23(土) 04:12
- 仮想競争で婦人警官に興味を示さないあたりさすが木村
かおりんのことが好きなのではなく父親が娘を見守る気持ち説に一票
- 10 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/25(月) 05:13 ID:Fozv.90M
- 前略 こういうネタを少し書きためてあります。
木村スレはあってもSSが書けそうなスレはないし、
かと言って板の状況を見ると新スレという感じではないし。
「それで私にどうしろと?!」
某SSスレで相談の上、あらためて各木村スレをみると、
空気からしてここかなあと。
もし、気に入っていただける様でしたら時々おじゃまさせてください。
皆さんもネタを出していただければもっとうれしいです。
キーワードはただ一つ。
「実は木村は、全ての事を生徒のためによかれと思ってやっている」
- 11 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/25(月) 05:14 ID:Fozv.90M
- 【『この道一筋に生きて』 生涯一教師:木村の回顧録 1−1】
職業は、生きていくための手段だ、と割り切っていたはずだった。
正直な話、若者と接するのは、今でもあまり気が進まない。
気がついたらある程度の大学へ進学する道を歩いていて、
なんとなく国文学を選び、なれたから教師になった。
自分と妻、子供を養って、分相応の余暇や趣味が購える給料をもらい、
その範囲だと自分が思うだけの仕事をする。あとは、年齢相応の出世。それだけだ。
と、こうして文字に書くと冷淡な感じがするが、
私は決して、自分のその考えが他人と比べて特段冷淡だとは思わない。
逆に諸兄に尋ねたい。
仕事が楽しくて仕方がないと思っている人間がどれほどいるのか、と。
使命感を第一に据えて職業生活を送っている人間がどれほどいるのか、と。
就きたいと思った職にそのまま就ける人間が、いや、
そもそも就きたい職をあらかじめ明確に選べている人間がどれほどいるのか、と。
むしろそれらに当てはまる人間の方が、言葉は悪いが、おめでたい部類ではないだろうか。
…あの出来事に、そして彼等に出会わなければ、きっと私は墓へ入るまでそう思っていただろう。
- 12 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/25(月) 05:15 ID:Fozv.90M
- 【生涯一教師:木村の回顧録 1−2】
あれは確か、1学年の古文の授業だった。そこに至るまでの流れは忘れてしまったが、
進路について今から考えておく様に、という話になった。
すると、一人の生徒が、お前はどうして教師になったのか、と問いかけてきた。
この問いに、私は激しくうろたえた。
人にそう問われるのはもとより、自分自身で考えた事すらなかったからだ。
思えば不思議な偶然だったが、十数年この職にあって誰からも尋ねられたことがなかったため、
生徒向けの取って付けた様な答えすら用意していなかった。
だが、その事を正直に言うなどという選択は、あり得なかった。
それでは、「今から考えておく様に」という前言を自ら否定してしまう事になるではないか。
生徒の大半は、かつての自分と同じ様に、漠然と大学に進む以外
進路のことなど考えられなくされている人種だったから、否定したところで影響はなかろう。
しかし、中には明確な将来の希望を持っている生徒も見受けられた。
私が夢や希望云々という事を特段考えずに生きてきて、それに満足しているからといって、
わざわざそういう人間の芽を摘むことまではしたくなかった。
何よりも、生徒の将来への影響の有無はさておき、
あっさり前言を否定すれば、どちらの生徒も私に著しく低い評価を下す事だけは確かだった。
それではこのクラスの、ひいては職場の居心地が悪くなってしまう…。
- 13 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/25(月) 05:16 ID:Fozv.90M
- 【生涯一教師:木村の回顧録 1−3】
そこで、軽く冗談を言って流してしまおう、という結論を私は見つけた。
たまたま個性的で存在感のある女子生徒が多いクラスだったので、
「女子高生が好きだから」という冗談を思いつき、そう言った。
あとは、笑い声が起こるか、つまらない冗談として失笑を買うかだ。
後者の場合、当座は少し苦しいが、人の噂も何とやらで忘れ去られるのを待てばいい。
だがしかし、生徒達の反応は、そのどちらでもなかった。
全員が真剣な眼差しで、一斉に私に注目した。
とっさに思いついたことを口に出したので、やや大声になったせいもあるだろうが、
私の言葉に反応したまま、誰一人、声を出すことも動くこともしなかった。
縫い針が落ちる音でも聞こえそうなぐらい、教室は静まり返っていた。
丁度そこでチャイムが授業終了を告げたため、
余計な仕事はしない主義だった私は構うことなく教室を出たが、内心はおだやかでなかった。
私が冗談として言った台詞の中に、何か生徒たちの心をつかむ言葉があったらしい…。
居ても立ってもいられない気持ちで、私は教室の前にとどまって立ち聞きをしてしまった。
女子生徒たちが、しきりに何やら議論している。細かい内容は聞き取る事ができなかったが、
凡庸な教師という私の評価が大きく変わり、畏れ多い者として扱われている様だ。
そして、複数の男子生徒の歓声が聞こえた。その歓声は、私を絶賛していた。「感動した!」と叫び、
涙を流す者までいる様子ではないか。
私の胸に、熱いものが込み上げてきた。………感動だ。
生徒に感銘を与える事がこんなにすばらしく思える事だとは、
今まで知らなかった。考えてもみなかった…!!
私は今までの生き方を恥じると共に、これからは生徒たちに感動や希望を与えられる仕事をし、
そしてそれを目標に生きて行こうと固く誓った。
教師が「女子高生が好きだから」と言う事が、なぜ生徒たちに感動や希望を与えるのか、
それは分からない。でも、とにかくそれが生徒をものすごく元気づける事だけは、はっきりした。
しかし、うわべだけでは偽善でしかないし、いつまで経っても理由を理解できないだろう…。
…こうして私の真の教師人生は、女子高生好きな教師になろうと努める事から始まった。
【2へ続く】
- 14 :名無しさんちゃうねん :2002/11/25(月) 15:04 ID:PBhITtFY
- >漠然と大学に進む以外
>進路のことなど考えられなくされている
あず青先生実は結構マジメにテーマを盛っているヨカン
- 15 :名無しさんちゃうねん :2002/11/26(火) 02:38 ID:???
- グッジョブ先生!期待age!
- 16 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/27(水) 03:59 ID:BYDk46aw
- 【生涯一教師:木村の回顧録 2−1】
当時、勤務先は文部科学省からとある研究の推進校に指定されていた。平たく言えば、多様な生徒を受け入れて一緒に教育することが
どこまで可能か、という事を研究するため、一人頭いくらという研究費と引き換えに、入試の成績や資格要件に関係なく生徒を入学させる制度だ。
私は、発想自体は悪くないと今でも思っている。だが、やはり役所のやることだった。
予算を出すだけで、検証をしない。年に一度か二度、形ばかりの書類を提出させられるだけである。金目当てに推進校に名乗りを上げ、
入れたら入れっ放しにしておいても全く分からない。
まさにこの学校もそれで、私はこの前の年まで教務部主任として無難な報告書を作成する任にあった。しかし、少数とはいえ
文字通り規格外の生徒を入れているだけ、この学校はまだ正直な方だった。学校の眼鏡にかなった勉強の出来る中学生をスカウトして
無試験で入学させ、この枠で受け入れたと称して、研究費だけ受け取っている学校が大半だったからだ。
前置きが長くなったが、ある日廊下で、この枠で入学してきた二人の女子生徒に出会った。
春日歩と美浜ちよ。二人とも、他の研究指定校が辞退した枠を引き受けたため、年度が始まってから急遽受け入れた生徒であるが、
すっかり学校になじんでいる。
多くの教師がこの特別枠で入学した生徒の受け持ちを回避したがる中で、谷崎君が二人を喜び勇んで引き受けてくれた。
彼女たちはさぞかし谷崎君に愛されている事だろう。あるいは、谷崎君は特別枠の趣旨を勘違いして手を挙げた可能性もあるが、
そうだとしても人間味豊かな谷崎君の事だから、それに気付いた頃には二人を手放せなくなっているだろう。
春日君が美浜君を指して、女子高生好きって、ちよちゃんはどうなんですか、と聞いてきた。
他の生徒がただただ私の変化に驚くばかりの中で、何の躊躇もなく話しかけてくる。すばらしい事だ。
- 17 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/27(水) 04:00 ID:BYDk46aw
- 【生涯一教師:木村の回顧録 2−2】
ここで、読者諸兄にこういう疑問を持たれた人がいないかどうか、問うておきたい。
春日君はさておき、美浜君がなぜ特別枠なのか、かような天才少女なら、日本中の進学校が競って受け入れるだろうに、という疑問を。
それは若さゆえ恐れを知らない者の疑問だ、と注意しておきたい。十歳にしてこれだけの頭脳を持ち、人格も大人の様に
出来上がっている。心ある教育者ならば、むしろ異常を感じるべきであり、想像を絶する複雑な事情を推量すべきである。
逆に、安易な名声欲しさに計算高くあればあったあったで、とんでもないリスクをも背負う可能性を読み取る事ができるだろう。
例えば、凄惨な犯罪を犯した少年少女には、早熟ゆえ周囲の過剰な期待に押しつぶされてかかる行動に走ってしまった者が少なくない。
しかし、受け入れてしまったからには、他の生徒たちと分け隔てなく接するのが教師の努めだ。いや、人間として、
人一倍彼女に愛情を注ぎ、彼女が健やかに育って行く事の助けになりたい…。
子供にしてなかば大人の頭脳と心を持ってしまった美浜君と、なかば大人にして子供の様な頭脳と心を持つ春日君。
互いに自分にないものを認め合い、相手にないものを補い合って、姉妹の様にむつまじくしている二人。全く正反対にありながら、
出会ったばかりにしてこの様な関係を結べている彼女たちを、引き離してはならない。とりわけ、美浜君のために。
私が受け入れるというからには、彼女も他の女子生徒と同様、私が好きということになっている女子高生であるのを
認めてやらねばならない。しかし、女子生徒として高校に身を置くにはあまりにもいたいけなその姿に、言葉がなかなか出なかった。
結局、なすすべもないまましばし美浜君を眺めたあげく、これはこれで…、とだけ言うのがやっとだった。
しかし、美浜君のみか春日君もあまり元気のいい顔をせず、心にもない事を言ってしまった呵責だけが残った。
美浜君。一刻も早く、君を女子高生だと思える様になる事で、君を来るには早すぎる場所に来させてしまった大人社会の身勝手を償いたい。
後生だから、願わくば今しばらく時間を与えたまえ、と、神に祈るしかなかった。
- 18 :名無しさんちゃうねん :2002/11/27(水) 18:21 ID:???
- 先生!相変わらず素晴らしいですが、改行はきちんとした方が良いと思います!
- 19 :名無しさんちゃうねん :2002/11/27(水) 22:30 ID:jqRSZP7Y
- 大阪・ちよペアの解釈ナイスです。
この2人ってデフォルト的なペアの1つなのに
意味づけする人がいなかったんだよな。
- 20 :八八艦隊司令大阪さん :2002/11/28(木) 00:35 ID:???
- 木村が不憫に思えてきました・・・
- 21 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/28(木) 02:07 ID:TNiKbZMc
- >>18
本物の本の様に、改行箇所以外の行をきれいに埋めようとして
失敗しました。今日一日後悔しきり。いい方法があればご教示を。
…文学を以て教壇に立つ者のはしくれとして、
やはり基本は手書きだな、と、私は強く思った。
そこで色あせた原稿用紙を取り出し、久しぶりに万年筆を走らせていると、
これが思いの外面白かった。妻が寝巻にカーディガンを羽織って
茶を運んできたのに気づき、ふと時計を見ると、零時を回っている。
「あら、万年筆をお使いになるなんて、珍しいわね」
「ああ、何年ぶりかな…あれ、」
「どうしました、あなた」
「木村の村って……これでいいんだよな…」
…結局、すっかり夜ふかししてしまい、疲れで今日は執筆を休む羽目になった。
これでは何の為だかわからない。やはりパソコンにすべきだろうか。
>>20
これぐらいの情がないと、
天使の様な妻は獲得できないのでは、と。
>>19
ええ、ネタにする人も少ないですよね。
でもそれ以上に、いくらでもネタがありそうな木村創作が
前人未踏だったのが不思議で仕方がありません。
後に続いて欲しいので上げ進行にしませんか。
- 22 :名無しさんちゃうねん :2002/11/28(木) 03:57 ID:???
- >>21の>18
休むと言いつつそれでネタやってるし…
夜ふかしの原因は執筆だけではなく(略
- 23 :1 :2002/11/28(木) 21:36 ID:dSWlLZ/k
- すごいです。
勢いでたててしまったスレがこのような展開になってしまうとは。
大阪もある意味天才だから、ちよちゃんとは天才コンビと言えるかも知れませんね。
- 24 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/29(金) 05:22 ID:/J4vf1Zo
- 【生涯一教師:木村の回顧録 3−1】
女子生徒の多くが嫌がっているので、体育祭を機にブルマを廃止してはどうか、という提案が職員会
議でなされた。太ももをさらす様な服装を一律に求める事は女性差別だ、という意見も女性の同僚たち
から出された。
しかし、私からすれば、これらはとんでもない勘違いだ、と言わざるを得ない。
元来ブルマは、女性は着物やドレスに身を包んでおとなしくしているべきだ、という封建的な発想か
ら女性を解放すべく、女性の教育者が考案したものだ。そして、はしたない、という男社会の声と闘い
ながら定着してきた、女性のための運動着である。そういう歴史を、彼女たちは知っているのだろうか。
他人の視線が気になる、という声がある事も知っている。だが、魅力的あるものに人々が注目するの
は当然の事だ。若々しい肉体が爽やかな汗を光らせて鍛えられて行く姿が、魅力でなくて何だというの
か。注目される事がマイナスに受け取られ過ぎている。横並び社会の弊害と言うしかない。
また、興味本位に観察の対象にする人間がいるじゃないか、とも言われるが、本末転倒の議論だ。悪
いのは興味本位に観察する方であって、彼女たちは何も悪い事はしていない。悪い事をしていない側に
遠慮をさせている様では、生徒を元気にする事など到底できない。学校がすべきは、地域と連携
するなどしてかかる不心得者の発見に努め、捜査機関に引き渡す事だ。
歴史を教え、信念に基づいて本来あるべき姿を説くことなくして、声が多いから反対、でいいのだろ
うか。この同僚たちは、もし生徒の多くが授業反対と言えば、授業を廃止してしまうのだろうか。確か
に生徒を満足させるのが私たちの目的かも知れないが、それは生徒の要望を無批判に聞き入れる事でな
されるべきではない。
こうした思いから、私は、毅然として廃止反対を唱えた。提案者や賛同者の女性教諭たちは猛烈に反
発し、この女性差別主義者、という罵声まで飛んだ。歴史を見ろ、どっちが女性差別主義者なのか、と
叫びたいのを抑え、私はこんこんと自分の考えを説き続けた。
だが、ほどなく議長役の同僚が、多数決を取ると言い出した。冗談ではない。多数決は民主主義の原
理だなどと言われるが、それと表裏一体の原理である「少数意見の尊重」が、それに比べてあまりにも
軽んじられている。この原理ゆえに討論があるのだから、ぎりぎりまで議論を尽くすべきであろう。何
よりも安易な多数決は、無責任にだんまりを決め込んで多い方に手を挙げる輩や、万一の時の責任逃れ
のために一応反対を表明しながら、それ以上議論をしようとしない卑怯な人間を生み出す。
私が憎むのは反発する女性教諭たちではなく、むしろ先ほどから黙って多数決がとられるのを待って
いるこうした連中だ。全人格を以て若者を教育すべき職にある人間が、そういう事でいいのだろうか。
職員会議の大半を占めるこの空気は、尋ねるまで何も発言せず、尋ねても優等生的な答えしか返さない
多くの生徒と重なるものがある。そして、ブルマを嫌がる女子生徒たちの姿とも重なる。
- 25 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/29(金) 05:24 ID:/J4vf1Zo
- 【生涯一教師:木村の回顧録 3−2】
そう考えると、なおさらここで折れる訳には行かなかった。一年ちょっと前までは、私もだんまりを
決め込んで会議の終了を待つ一人だった、という負い目もあった。
生まれて初めて、私は職場で頭に血を昇らせて吠えた。それが通じたのか、もう少し、議論してみま
しょうか、という声が挙がった。再び女性の同僚たちとの議論になったが、しばらくすると、彼女たち
の舌鋒に躊躇が見られる様になった。そしてそれに応じるかの様に、一人、またひとりと、私の援護射
撃をしてくれる同僚が現れ始めた。日頃人格者で通っている後藤さんなどは、「私は木村君の意見に賛
成だったのに、こうなるまでそれが言えなかった、私は卑怯者だ、と、涙を流して反省してくれた。
最後までブルマ廃止を主張していた黒沢君が、もう少し生徒を説得してみます、と言った頃には、時
計の針は午後十時を回っていた。何の意見も表明しなかったのは、はじめから寝ていた谷崎君一人だっ
た。これほど白熱した職員会議は初めてであったが、それを自分が作ろうとは、夢にも思わなかった。
数日後の体育祭はもちろん、体操服にブルマという姿の女子生徒たちが秋晴れの中に輝いていた。
自分たちの服装を眺めながら、言葉を交わす女子生徒たちがいた。谷崎君のクラスの、神楽君や水原
君だ。教職員全員で確認した熱い思いが、彼女たちをして自分たちの美しさに気づかせた様だ。谷崎君
の居眠りには困ったものだが、熱い思いを伝え、生徒を一生懸命にさせる力には学ぶべきところがある。
私は思わず、万歳を叫んでしまった。さすがに少し照れくさくなり、とぼけた英語で神楽君をほめた。
神楽君も照れくさいらしく、少し恥ずかしそうだった。
美しいものは美しい。若人よ、ありのままの自分の姿を愛せよ。
そのための課題は、ブルマだけではない。体操服の裾が挟まれたりからまったりしては危険なので、
日頃から体操服はブルマの中に入れておくべきだと言っているが、彼女たちなかなか聞き入れない。体
のラインをさらしたくない、という、彼女たちのこれまた卑屈な思いが、少し大きいサイズの体操服を
着て裾を出しておく、という行動に走らせている。
この事もいずれ議論して、彼女たちが自分を肯定できる様にしてやらねばならないだろう。
- 26 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆cYgcZQZw :2002/11/29(金) 05:27 ID:???
- >>25の「省略されました」はスペースを消し忘れて
オーバーしているだけです。気にせず続けて>>26に
進んでください。
そろそろ、かおりんにこだわる事の真意を明らかにしなくては。
- 27 :名無しさんちゃうねん :2002/11/29(金) 05:50 ID:???
- >>24〜
>>25
…そうだったのか…
でも、>>26の説明は>>24>>25の間違いでしょ?
>寝巻にカーディガンを羽織って茶を運んで
の木村妻萌え!!なのは漏れだけ?
- 28 :名無しさんちゃうねん :2002/11/29(金) 08:30 ID:???
- >>27折れも。
そりゃこういう経緯ならバンザーイ!!も言いたくなる罠。
このスレ読んだ後原作を読むと泣ける。
- 29 :名無しさんちゃうねん :2002/11/30(土) 02:06 ID:???
- 物は言いようだなあ…w
- 30 :名無しさんちゃうねん :2002/11/30(土) 02:23 ID:???
- >>24
「ブルマの歴史」とやらはマジでつか?!
- 31 :ツインテール ◆2uyAKgTA :2002/11/30(土) 04:55 ID:???
- >>30
いやそれがあんた!本当なんですよ。
詳しくは以下のアドレスを参考
ttp://home.intercity.or.jp/users/ath/ath/library/history/history.html
- 32 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/01(日) 01:15 ID:.aycmxAw
- >>31様いつも恐れ入ります。
>>30にあてて、「スカートの下の劇場」(上野千鶴子 河出書房)ほか…
と書こうと思ったら、まさかネット上に史料があるとは。
こじつけを楽しむSSではありますが、
こじつけの論拠はちゃんとしたものにしようと。
というわけで次代の教育を担う若き諸君よ、
「スクール水着の歴史」について調べてみたまえ!!
- 33 :名無しさんちゃうねん :2002/12/01(日) 05:33 ID:geZp/FOI
- >>26
かおりんも何か教育者からすると放っておけない事情が…
それとも「美しいものは美しい」みたいな事を言うのか…
「あずまんが漂流教室」の木村を思い出してしまふ。
- 34 :名無しさんちゃうねん :2002/12/02(月) 02:03 ID:.2.Qt6vc
- >>33
結局善人だったよなああの人。
- 35 :名無しさんちゃうねん :2002/12/04(水) 05:52 ID:???
- 先生ぇ、まだよみとも終わらないのですか?
- 36 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/06(金) 02:56 ID:jd7.yYtw
- >>35他読者諸兄すみません。
かおりんこだわりネタが最も難しい事を忘れて
次回予告にしてしまった手前、あうーです。
一番困っているのは、苗字がないので
真面目な教師の回顧録にしづらい事です。
…他のネタでよいのならスタンバイありなのですが。
他の方、特にストーリー未挑戦の方、ぜひここを練習台に
していただいて刺激をください。
- 37 :名無しさんちゃうねん :2002/12/06(金) 04:01 ID:???
- >>36
先生、かおりんを苗字にしてしまっては?
- 38 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/07(土) 05:50 ID:rl1nuaks
- 【木村の回顧録:4−1】
いきなり下世話な話で恐縮だが、暑い季節になると疥癬菌という
水虫などをもたらす細菌の活動が活発になるそうで、
水虫、それに陰金田虫といった皮膚病を持つ諸氏は、地獄の季節だ、と言われる。
足や股間を湿気と暑さからなるだけ解放することが、症状の緩和、そして一番の予防となる。
さて、陰金田虫というと男性の病気というイメージがあるが、女性も罹患する。
愚妻によれば、男性の病気という固定観念があるため女性たちに警戒心がなく、患者は結構多いそうである。
そして、かかればかかったで、先述の固定観念と、場所が場所だけに恥ずかしいという事とで、
相談も治療を受ける事もままならず、重症になるまで一人で苦しんでしまう例が多いそうだ。
思えば、女性はいつの世でも男性社会から必要以上の羞恥を強いられ、様々な犠牲を被ってきた。
一例を挙げれば、関東大震災の際、多くの若い女性が、裾が乱れるのを恥じて燃え盛る建物から
飛び降りる事を拒み、死を選んでしまった話は有名だ。教育者として、この歴史に終止符を打たなければ。
そこで夏のある日の授業で、女子にスカートを脱いでブルマ一枚になる事を許可してみた。
もちろん、陰金田虫云々という説明などはしない。それぐらいのデリカシーは、私もわきまえている。
着替えをする事になる訳だから、当然男子生徒を促し、彼等と廊下に出た。彼等は一言も詮索などしない。
単に頭が良いだけではなく、優しさや気遣いも備えた、素晴らしい生徒たちだ。
- 39 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/07(土) 05:50 ID:rl1nuaks
- 【木村の回顧録:4−2】
が、しかし、しばらくして教室に入るや、女子生徒は一人残らずスカートをはいたままだった。
意外な結果に、私は呆然とした。これでは彼女たちが病気になってしまう!そして、
この程度の事を恥じる様では、人に相談すらできず、泣きながら陰部のかゆみに堪えるという
悲しい結末になる事は、火を見るより明らかだ。
君たちは、男性社会に羞恥を強要された、先輩たちの過ちを繰り返すのか。
何よりも、先に述べた男子生徒たちの優しさを、何とも思わないのだろうか。
涙を堪えながら、どういう事なのか、とつぶやくしかなかった。
だがしかし、考えてみれば、いきなり気遣いをされても、戸惑ってしまうのは無理もない。
さりげなく、しかし何度も何度も繰り返すしかない。とりわけ、疥癬菌の伝染の
危険が最も高いプールで、彼女たちに寄り添う事を外してはならないだろう。
神楽君などは、すでに病に一人苦しんでいるやも知れぬ。息の長い仕事になろうが、
彼女たち自身に気づいてもらわなければ、彼女たちの解放は成し遂げられない。
- 40 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/07(土) 05:55 ID:???
- …ごめんなさい、先送りしました。
しかも、神楽ファンに後ろから刺されるかも知れませんね。
ご感想ご要望をお待ちしています。
…あ、別におじゃましているだけですから、
私のネタに関係ない木村話も遠慮なくどうぞ。
- 41 :名無しさんちゃうねん :2002/12/07(土) 18:12 ID:???
- 結局、原作でも創作でも木村はキ○ガイということか。
- 42 :山田大惨事 :2002/12/07(土) 19:34 ID:BW5HqEj.
- 亀レスですが・・・
ここの木村の回顧録シリーズ楽しみにしてます。
特に >>17 の大阪、ちよペアに関しての下りとか好きでしたー
今後もあず青先生の木村シリーズに期待という事で。
- 43 :名無しさんちゃうねん :2002/12/07(土) 23:03 ID:???
- 神楽を気にしているのはそういうわけだったのか。
- 44 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/09(月) 02:52 ID:6JACtA4Q
- >>43
部屋で一人、下半身裸で局部をかきむしるうち
微妙な部分に触れてしまい、いつしかかゆみなど忘れて
生まれて初めて感じる禁断の悦楽にもだえる神楽…
※これは私の妄想で木村先生の妄想ではありません。
- 45 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/10(火) 03:58 ID:0st/8.uU
- ネタの上に>>44で、Garm氏あたりに刺されるかと思いましたが
無事でしたね。止まっているぐらいなら刺された方がいいのですが…。
- 46 :Garm ◆c.KAGURA :2002/12/10(火) 21:38 ID:???
- いやだなぁ、刺したりなんかしませんよ(^-^)y-~~~
4.8t榴爆弾で都市区画ごと(ry
- 47 :名無しさんちゃうねん :2002/12/11(水) 06:01 ID:???
- >>46ワロタ
- 48 :名無しさんちゃうねん :2002/12/11(水) 08:25 ID:???
- >>46
漏れも参加しよう。
- 49 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/15(日) 03:20 ID:1WFrTHN2
- …「東京」と呼ばれていた都市の残骸の中から、ただ一人復活した私。
国会議事堂だった建物の頂に腰かけ、今後について思案する。
うーん…かおりんを名字にしては、という案もあったが、
「かおりん」はあだ名であると、本人が私…じゃなかった木村に
ハッキリ言っているからなあ…。
明日あたり、またストックネタでいくか。
それとも>44をベースに桃色のSSなぞを…(全然懲りてない)
- 50 :BAYONET ◆c.KAGURA :2002/12/16(月) 06:31 ID:???
- なるほど…たしかに、今の装備では貴様を「殺しきれん」ようだ。
また会おう、邪教徒。次は確実に殺る。
(´-`).。oO(かおりんの苗字か・・・渚カヲリとか言ってみるテスト
- 51 :名無しさんちゃうねん :2002/12/17(火) 03:52 ID:6SCV7ty.
- …神楽萌えはトリップにこだわるんだなあ。
もはや神楽萌えからラシュディ氏扱いのあず青先生。
- 52 :名無しさんちゃうねん :2002/12/17(火) 14:26 ID:???
- いっそ野川かおりんに、と言ってみるテスト
- 53 :AngelDust ◆c.KAGURA :2002/12/17(火) 21:17 ID:???
- >>51
別に神楽のみではないのだが・・・
まあおまいらきむりん萌えどもはこれでも付けてなさいってこった。
( ゚д゚)ノ#_nuY$SLG
- 54 :◆KIMURAWE :2002/12/18(水) 03:53 ID:???
- テスト。
- 55 :54 ◆KIMURAWE :2002/12/18(水) 03:54 ID:???
- WEが余計だなあ
- 56 :名無しさんちゃうねん :2002/12/18(水) 08:35 ID:???
- 木村・・・私達?
- 57 :AngelDust ◆OOSAKA/o :2002/12/18(水) 21:48 ID:???
- >>55
ま、せいぜい晒すとしたら6文字完一までですね。
もったいないでしょ(w
ところで新しい構想とやらはまだですかねぇ?
- 58 :◆KIMURAWE :2002/12/18(水) 23:34 ID:???
- 木村達になってみる(w。
- 59 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆KIMURAWE :2002/12/19(木) 02:05 ID:BiXLiG/6
- >>57
恐れ入ります。
黒ちよの作業が終わるまでお待ち下さい。
…私も木村になってみたよ。かわいいぞー!!
- 60 :名無しさんちゃうねん :2002/12/19(木) 02:54 ID:???
- 先生は何もしなくてもはじめから(ry
- 61 :名無しさんちゃうねん :2002/12/19(木) 12:57 ID:???
- でも木村と違って生徒から慕われてるみたいで羨ましい。
- 62 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/22(日) 09:23 ID:9aM.oaS.
- 【生涯一教師・木村の回顧録 5−1】
授業の空き時間。普段は見ることができない生徒の横顔を探して歩くよい機会
であるが、事務仕事にかまけていたり、休み時間の様に考えていたりする教員の
なんと多いことか。実にもったいない事だが、かつては私もその一人だったから、
あまり大きな事は言えまい。
さて、どこへ行こうか。あてもなく校内を見て回ろうと職員室の扉を開けたそ
の時、いつだったか、谷崎君が生徒に混じって体育の授業に参加した事が思い出
された。机に向かうのは苦手だが体を動かすなら任せておけ、という生徒は多か
ろうし、その逆の生徒が、努力したり工夫して楽しんだりする姿も見ることがで
きるかもしれない。教室では見ることのできない生徒たちの姿や表情を見る、と
いう点では、この上なくいい教科だ。谷崎君は、実にいい着眼点を持っている。
そこで、時間割表で体育の授業を探したが、あいにくと2年生の水泳しかなか
った。体を動かすのはあまり得意ではないが、それでも運動着は持って来ている。
しかし、さすがに水泳着はない。だが、プールにやってきて、ひとり背広姿で見
ているというのは、黒沢君や、真面目に授業に取り組む生徒諸君に失礼だろう。
そう思って何人かの同僚を尋ねて歩いたところ、なぜか後藤さんが水泳着を持っ
ていた。少しクラシックなデザインで若干抵抗を覚える品だったが、ともあれそ
れに着替え、プールに向かった。
- 63 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/22(日) 09:24 ID:9aM.oaS.
- 【生涯一教師・木村の回顧録 5−2】
2年の女子生徒たちは、少し驚いているらしく、表情が硬かった。それはそう
だろう。担当でもない授業に関心を持ち、わざわざやってくる教師など、この学
校にはなかなかいないからだ。それも、(自分で言うのも恥ずかしいが)「女子
高生好き」という事で畏敬の対象となっている==なぜこの事が生徒たちに感動
を与えるのかがいまだに分からないのだが==私が現れたとあってはなおさらだ。
しかし、そのせいで彼女たちをぎこちなくさせては、何にもならない。緊張を
和らげようと、黒沢君が指示を出すべく、はーいそれでは、と言ったところへ、
すかさず、そのまま体育館へ行ってバスケをしよう、と、ジョークを言ってみた。
我ながらいいタイミングで面白いジョークが言えたと思ったが、しかし女子生徒
たちは硬い表情のまま、こちらを見ている。
私は、すぐに自分の過ちに気づき、はっ、となった。そうだ、彼女たちが私に
求めているのは浅はかなジョークなどではなく、「女子高生好き」としての真摯
な態度だ。だが、努力の甲斐もなくいまだそれになり切れていない私は、何を言
えばそれを表明できるのか迷いに迷った。とっさに思い浮かんだのは、目の前で
生徒たちの着ている水着が、女子高生を好む者の間で非常に注目されているらし
い、という事を思わせる雑誌の記事だった。その記事から推測するに、特に泳い
で濡れている状態が好ましいらしい。何のことはない、要は、彼女たちが水着を
濡らしている姿にこだわってみればいいのだ。
できるだけその思いになり切って見ると、すっと言葉が出た。
「…しかし濡れている方が…そうだ、一度水につかってから体育館に行こう」
すると、黒沢君がこちらの思いを察してくれたらしく、漫才師の突っ込みの様な
いいタイミングで、違います、と言ってくれた。生徒も元気づけられたらしく、
春日君が、水球をやってはどうか、と口を開いた。…教室の授業では、自分から
話しかけてくる姿など想像しがたい春日君が、口火を切ってきた。しかも、私の
提示した要望を的確に満たす、なかなかの提案だ。正直、特別枠という事もあっ
て、私は彼女を頭が悪いと評価してきたが、彼女の言葉を聞いてその偏見を恥じ
るとともに、やはり教師はこまめに生徒と接するべきだ、と強く思った。
- 64 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/22(日) 09:25 ID:9aM.oaS.
- 【生涯一教師・木村の回顧録 5−3】
授業が始まった。若者が情熱を燃やして、ひたむきに向上を求める姿は、美し
い以外の何物でもない。私は黙って見つめるばかりだった。思わず、美しい、と
一度口に出したが、黒沢君も同じ思いであるらしく、黙っていた。
ふと、滝野君が平泳ぎをしているのが目に止まった。よく見ると顔を水に漬け
ている時に、頭を完全に沈めてしまっている。本当は頭を沈め切ってはいけない
のだが、上手に動いて、さも頭が少し水面上にある様に見せており、少し見ただ
けでは分からない。彼女も特別枠で、勉強の出来はよくないが、考えたり工夫し
たりする力をちゃんと持っているのだ。明らかに反則なのだが、あえて、反則す
れすれですな、と黒沢君に指摘して見せたが、さすが専門家だけあって、その様
な事はとっくに気づいた上で黙認している、という風だった。
だが、黒沢君にもまだまだ教師としての甘さがうかがえた。私が生徒の姿をず
っと見ていることが不満らしく、浮かない顔をしているのだ。この仕事に限らず、
仕事中に一人の女性であることが前面に出てしまうというのは、非常によくない
傾向だ。女性である事を売りにして仕事を要領よくすすめる、という姿勢を招き
かねず、それは女性の地位向上に逆行する。
しかし、ここでその様な説教をしても、素直に聞けないだろうから、申し訳程
度に彼女の姿を眺めてから、やきもちを妬いているのか、と指摘したところ、黒
沢君は顔を赤らめ、照れ隠しに、もう帰ってください、などと言う始末だ。困っ
たことだ。素質があるだけに、余計にそう思う。ただ、幸い彼女は、谷崎君とい
う、女性である事など忘れているかの様に、誰に対しても体当たりで接する同僚
を友人にしている。だから、いつか気づいてくれるだろう。いや、目の前の生徒
たちの将来を本当に心配できれば、気づいてくれるに違いない。
【つづく】
- 65 :名無しさんちゃうねん :2002/12/22(日) 10:15 ID:???
- 先生キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
- 66 :八八艦隊司令大阪さん :2002/12/22(日) 10:32 ID:???
- ,. -───-: 、
/::::::::::::::::::::::::::::::::\
/ '':::::::::::::::::::::::::::::::''''' ヽ
!::::::::::ィ::ハ:::;::::::::::::::::::::::::::!
i::|:::i::/l/ i;::ト、:、:::i:::::::::::::::i
|::i/レ'-i'' 'ヽi-ヾ,ヽ!:::::::::::::l
|::ハ -‐- -─- i::::::::::::::l
|::::::l| | | | |::::::::::::::! 先生があたしを褒めてくれはった〜
|::::::ヽ | r---、! l,.!::::::::::::::l 先生ただの変体やおもてたけど
l::::::::::::`;'-'=,‐,='r''i~!:::::::::::::::| ほんまはやさしかったんやな〜
!:::::::l、::r'"´'. ' l ' i::::::::iヽ:::l
i:l、:::|./、_____,l::::;l:/‐'ヽ!
'!ヽ;i'>l____,.//-‐'''"ヽ
!/ |.VVVVVVVV.lV\!. i
| | | l
最近本当に木村を見る目が変わってきてるんですが・・・
あと、顔沈めきっちゃいけないんだ・・・
- 67 :名無しさんちゃうねん :2002/12/22(日) 12:01 ID:???
- 木村先生萌えになりそう・・・
- 68 :窒素酸化物 :2002/12/22(日) 17:03 ID:???
- ううぅ、いい話だ(涙
- 69 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/23(月) 04:45 ID:dcKnqmAU
- 「黒ちよ」の仕事から帰ってきたらレスがたくさん…励まされます。
- 70 :名無しさんちゃうねん :2002/12/23(月) 21:23 ID:???
- 感動age
- 71 :山田大惨事 :2002/12/23(月) 22:06 ID:???
- えぇ話や・・・
- 72 :名無しさんちゃうねん :2002/12/24(火) 23:31 ID:???
- そう?
ただの基地外にしか見えん。
- 73 :名無しさんちゃうねん :2002/12/25(水) 02:13 ID:???
- 「同人誌を出版しる」を見ると
先生そろそろ暇になって沢山書いてくれるんじゃ・・・
- 74 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/26(木) 01:59 ID:1KKicwEY
- 【生涯一教師・木村の回顧録 6−1】
教師として学校にいると、教室全体に対して何かを伝えたり、何かを求めてく
る生徒に応えたり、といった事が優先になりがちだが、決してそれだけが教師の
役目ではない。何も言ってこない生徒、あるいは学校に来なかったり激しく反抗
的な態度を取ったりする生徒ほど、実は教師に深刻な求めを秘めている、という
例は、実に多い。
あるクラス==授業を少々持っているだけだが、個性的で目立つ生徒が数人い
るため否応なしに気をつけて見ざるを得ないクラスだった==に、とても元気の
ない女子生徒がいた。内気で非常に存在感がなく、時々、今日は学校に来ていな
いのでは、と思ってしまうほどだ。内気であるだけならそれも一つの個性だと言
えなくもないのだが、彼女は何人かの女子生徒から時々声をかけられるのみで、
どうやら友人といえる存在はいない様なのだ。
こういう生徒に働きかけて、社会性の獲得を手助けするのが教師の重要な仕事
の一つだ。私は、てっきり谷崎君が目をかけているものだと思っていたが、入学
後半年余りにしてその生徒に変化がないところを見るに、やはり声をかけてくる
生徒への対応に追われてしまっているようだ。
ここで私が谷崎君に声をかけて注意を促すのは簡単だ。だが、同じ教師である
私が、問題を感じつつも彼女を放置してきたのもまた事実である。ここはやはり、
まず気がついた私がやらなければなるまい。谷崎君も、それを見てきっと気づい
てくれるだろう。
- 75 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/26(木) 02:00 ID:1KKicwEY
- 【生涯一教師・木村の回顧録 6−2】
さて、教室の会話によく耳を傾けると、意外なことに、その生徒にはあだ名が
ついている。あからさまな蔑称であれば別として、あだ名は関心を持たれている
証である。が、おそらく彼女がそのあだ名を受け入れていないのだろう、なかな
か彼女がそう呼ばれる機会に出くわさない。
周囲は彼女を包み込む環境にあるのに、本人が拒んでいる。はたから見れば実
に理不尽な構図だが、そうであるが故に当事者の悩みは深いのだ。だが、よく観
察してみると、おいそれと他人を信じる事ができない彼女の心が何となく読める。
彼女はよく、榊君を眺めて顔を赤らめている。同性愛者なのだ。
同性愛。少数派であるというだけで、立派な愛の形だと私は思うが、ひところ
ほどではないにせよ偏見や誤った見方が根強い。それでも男性の場合は特定の時
代や階層において肯定された時代もあったが、女性の場合は一貫して否定され続
けてきた。当事者が、そのことに限らず、他人や社会に対して用心深くなるのは、
無理もないことだ。だが、その偏見と闘うぐらいの意気込みがなければ、彼女が
愛を貫くことは難しいだろう。彼女を受け入れるべくつけられたあだ名を拒む様
な精神では、それはかなわない。
幸せを願わない生徒などいないが、考えるうち、彼女にはぜひとも想いを貫い
て幸せになってほしい、と強く思うようになった。
明日から、彼女をそのあだ名「かおりん」と呼ぼう。嫌がることは目に見えて
いるが、これは彼女が強く生きていくための課題そのものなのだから、彼女のこ
とを本当に考えるのなら、簡単に妥協すべきではない。だから以降、この回顧録
においても、彼女を「かおりん」と記す。
【つづく】
- 76 :あず青労同大阪派 教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/26(木) 02:02 ID:1KKicwEY
- まだ学校の本もあるんで別に暇になってはいないのですが・・・
30日はできればよろしく。X−40bです。
さて、呼称の問題が解決したので、かおりん行ってみました!!
なかなかそう呼ばれる機会に出くわさない、って、そりゃ脇役だからだろ
といった冷静なツッコミも歓迎です。
数々の反応、うれしいですが、後に続いてくれるともっとうれしいです。
「ええ話や」
「やっぱりキチ○イ」
まあ、どっちの感想もありだと思います。一般的な見方との落差を
楽しむもよし、その中に含まれる勘違いの激しさを楽しむもよし、なので。
ところで、現場にいて一つ言えるのは、
わいせつ事件で三面記事を飾る教師に、いかにも…という人間はいない事ですね。
「真面目な教師で、まさか…」というありがちな校長コメントは、
半分は責任回避でしょうが半分は本音でしょう。
もちろん真面目ではない人も含まれてはいる様ですが、勤務時間がいいかげん
など、わいせつとは別の要素だそうです。
- 77 :名無しさんちゃうねん :2002/12/26(木) 04:34 ID:???
- いい先生だなあ・・・かおりんにはいい迷惑だが。
- 78 :名無しさんちゃうねん :2002/12/26(木) 13:24 ID:???
- オープンなやつ(いかにも怪しい)は「オープン」によって
発散できているわけで、一線を越えるやつはストレスを内に
込めてしまってプライベートでも発散できなかった要領の悪いやつ。
話は変わるが、正直あずまんが漂流教室ではキムリン性善説が
語られているのはリアリティーがあって評価に値する。
(そもそもヤツは学外だと極めて善人である)
かおりんの残酷ともいえる過剰防衛反応は、
偏見というものの本質を突いていて見事だろう。
- 79 :名無しさんちゃうねん :2002/12/26(木) 13:27 ID:???
- もっとも肝心のあずまきよひこ先生は
キムリンを完全な記号のようにしか扱っておらず、
学外善人もギャグネタの位置から離れていない。
それゆえキムリンはファンがその人格を一人歩きさせるのに
向いているキャラといえるだろう。
これは完全なフィクションである黒ちよと
同類の自由さを持っている。
- 80 :あず青労同大阪派教労委員会 ◆39Qwkk1o :2002/12/27(金) 10:25 ID:.nnJCHsc
- >>78・>>79のキムリン論
その通りだと思います。なので黒ちよみたく盛り上がってくれると
いいのですが。やはり、真面目なものやほのぼのしたものを
笑いや黒いものにするよりも、その逆は難しいのでしょうか?
- 81 :名無しさんちゃうねん :2002/12/27(金) 19:26 ID:???
- というより木村だから…理由はそれだけだろう。
- 82 :名無しさんちゃうねん :2002/12/28(土) 03:48 ID:???
- >>81
いや、>>79の言う「自由さ」を感じて
何か書こうとしてるが結構難しいぞ。
SS見れば何のことはないと思うのだが。
ところで先生、文化祭でプールの水を
執拗に要求したのはどのような教育的効果を狙っての事ですか?
- 83 :名無しさんちゃうねん :2002/12/28(土) 23:38 ID:???
- 生徒の健康を守るため、プールの衛生状態を検査とか。
- 84 :名無しさんちゃうねん :2002/12/29(日) 18:04 ID:???
- ツッコミ歓迎ということなので特にフォローもなしで失礼。
「原作:変態(黒)」に対し「創作:実は真人間(白)」という狙い(期待)が、
「創作:真性(黒?)」になってしまったところに盛り上がりに欠けた原因
があると思われ。
白キムを狙ったが中途半端な色になってしまった感。
- 85 :名無しさんちゃうねん :2002/12/31(火) 13:08 ID:???
- >一般的な見方との落差を楽しむもよし
>その中に含まれる勘違いの激しさを楽しむもよし
という意図は分かるんだけど、
「勘違い」の部分がことさらに目立つよね。
読み手はみんな「キムリン=変態」といふ色眼鏡で見てるから。
- 86 :名無しさんちゃうねん :2003/01/01(水) 21:16 ID:???
- キムリン誕生秘話
学生時代の木村は「完璧超人」だった。
勉強もスポーツもクラスメートが皆、羨み妬むほど出来た・・・いや・・・出来すぎた。
完璧過ぎるがゆえクラスメートから敬遠され、孤立していた。
けど、彼は「いつの日にか友達は分かってくれる。自分は完璧な人間ではない
寂しい人間だ」と言う事を・・・
そう思い、木村は生来の優しさと人を思う気持ちでクラスメートに接していった。
そんなある日・・・
クラスメートのブルマーが盗まれると言う事件がおきた。
偶然が重なり、木村が犯人と決め付けられてしまう。
木村は思った・・・「あぁ・・・ボクはもう友達が一生できない。一生一人ぼっちだ」
ただでさえ敬遠されていたのにブルマー泥棒という濡れ衣・・・
絶望の淵に立たされ、打ちひしがれる木村。
・・・が、奇跡は起きた。
クラスメートの男の子達が、「なかなかやるジャン!!」「隅に置けないな!!」
「おまえも俺たちと同じだな〜(w」と集まってくるではないか!!
奇しくもこのブルマー事件はクラスメートの、木村の近寄り難い「完璧な偶像」を
壊し、親しみやすい「卑俗な人間」へと変化させてくれたのだ。
その後・・・ブルマー盗難疑惑も解け、軽蔑されていた女子の信用も回復し、クラスメ
ート男女ともから愛される木村になった。
(ブルマーを盗まれた女子は、のちの木村の奥さんと呼ばれる事になる)
この事件で、木村は悟った・・・「変態はみんなに好かれる」と。
時は流れて、木村は「完璧な学力と運動能力とやさしさ」をすくすくと伸ばしながら、
生徒から教師へと成長していく。
そして・・・今!!教壇に立つ木村。いつも生徒達に伝えたいと思う気持ちがある。
(ボクは完璧超人じゃないよ。君たちと同じ卑俗で弱い人間なんだ!!だから仲良くしようね)
この気持ちを言葉に乗せて木村は叫ぶ!!
「女子高生が好きだから!!」
fin
駄文長文スマソ
折れの木村のイメージでした。
- 87 :名無しさんちゃうねん :2003/01/01(水) 22:02 ID:???
- 結局キムリンは少し頭のねじがぶっ飛んでる御仁という事か(w
- 88 :あず青労同大阪派教労委員会 ◆39Qwkk1o :2003/01/03(金) 23:46 ID:QL1qpFxQ
- >>86
よくできましたというかシャレになりませぬ。
教師にありがちな生い立や思考回路を、見事に想像できています(笑)。
さて、みなさんあけましておめでとうございます。>84>85率直なご感想サンクスです!
えーと、長々とそもそも論を書くことで、「木村世代、特に教師などやっている人間
にとっては一つの正論を吐いているに過ぎない(その結果はこれまた教師にありがちな
勘違いではあるが)」という筋書きにして、それと世間一般とのギャップを笑って
もらおう、と思ったのですが、よく考えたら、それには木村世代や教員という人種に
ついての予備知識がいりますよね。
笑っている人にしても、今や熱いポリシーを持って仕事をする事自体が変人の所業に
なってしまっていて、内容以前にそこで笑いが取れてしまっているかもしれませんね。
というわけで、黒だとか白だとか考えないで書いてみました。
こんな「裏木村」はどうでしょう。
- 89 :あず青労同大阪派教労委員会 ◆39Qwkk1o :2003/01/04(土) 04:54 ID:2iEm4u/Q
- 昨日、文化祭行ったんです。文化祭。
そしたらなんか店ばっかりでジャマで通れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、おとぎの部屋とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。バカかと。
お前らな、店ごときで普段居眠りしてる教室で盛り上がってんじゃねーよ、ボケが。
ぬいぐるみだよ、ぬいぐるみ。
なんか着ぐるみかぶってるヤツとかもいるし。大汗かいてねここねこか。おめでてーな。
それは通天閣です、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、古文の単位やるから家に帰って学校来んなと。
文化祭ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
「クラス討論・有事法制を撃つ」と右翼体育会の奴らとでいつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供はすっこんでろ。
で、やっとその店を通り抜けたと思ったら、隣の教室で、水泳部が喫茶店やってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、運動部が店なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
水泳もしないで、何が水泳部だ。
お前は本当に水泳をやりたいのか問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
お前、面接やなんかで「運動部に入ってます」って言いたいだけちゃうんかと。
古き良き文化祭通の俺から言わせてもらえば、どうしても水泳部が店やりたいなら
間を取って、神聖なユニフォームであるところの水着で店、これだね。
海パンやスクール水着で水泳部らしい喫茶店。これが通の店のやり方。
飲み物はいろいろあっていい。その代わりプールの水で作る。これ。
で、それを水着で出してくる。これ最強。
しかしこれをやると客を取られた他の運動部にボコボコにされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、何部か分からなくなって休部状態になってなさいってこった。
…まあ、殺伐としてる必要はないけど、どこもかしこも飲食店やりたがるのは
木村ならずも何とかしたいものです。せめて運動部は演武なり紅白試合なりを。
- 90 :名無しさんちゃうねん :2003/01/04(土) 12:02 ID:???
- とあるスレより
>あず青先生「私は希望の星、私は愛の使者。そして最強のキムリン」
- 91 :名無しさんちゃうねん :2003/01/04(土) 20:50 ID:???
- >>89
なにもそこまでという気もするが、自分の学校で演劇部まで食べ物屋はどうかと
思った17歳です。
- 92 :名無しさんちゃうねん :2003/01/05(日) 20:56 ID:???
- >>90
コミケでブースのそばに行ったら、それらしい人が
「さっき隣のサークルの顧問の先生と話したんだが・・・」
ってものまねしてた。姿形は似てないけど上手だった。
生徒とおぼしき女の子が「泣いてる・・・マジ泣きだよ」って楽しそうに相手してた。
- 93 :あずbund春日派 ◆YYV3WzHk :2003/01/06(月) 00:59 ID:???
- うちの高校の文化祭は物品販売や飲食店は禁止(!)でした。
映画部が校内で堂々と当時話題だったX指定映画「氷の微笑」「硝子の塔」を
上映してたのが一番人気でした。
- 94 :名無しさんちゃうねん :2003/01/08(水) 07:22 ID:???
- 木村の回顧録 外伝(2巻011ページ)
智 「やっぱりどう考えても木村にあの奥さんは変だ。
木村はあの子供を誘拐して、身代金代わりにあの女の人の写真を手に入れ、
あまつさえ一緒の写真に収まるという暴挙に出たに違いない」
暦 「確かに。口を閉じているあの顔はいつもの木村の顔じゃない。
それが罪の意識とか緊張によるものだと考えれば納得がいく」
春日(木村先生、女子高生が好き言うとったのに、既婚者とはどういうことやろう。
うそついとったんやろうか。
ちゃうねん。あの女の人も、昔は女子高生やったんや。そういえば
あの子供も将来は女子高生になるんやなあ。ああ、つまりあれや。
おませな正太くんがいっとった。『女子高生とは、過去および将来の女子高生を含む
抽象的な観念的統一体としての女子高生を言う』ってやつやな。
でもそうやとしたらどうして木村先生は現在の女子高生たるちよちゃんのことを
『これはこれで』なんていったんやろう。
木村先生が好きな女子高生というジャンルに含まれる筈のちよちゃんに関して
積極的な肯定ではなく、認容という消極的な態度を示した…ということは、
あれ、何考えてたんやっけ、えーと、つまり先生は嘘ついてたんか。
嘘はいかん。悪いことや。悪いことやったら警察が出てくるんや。)
「警察に知らせといた方がええんちゃうか」
智 「そっ そうか」
- 95 :名無しさんちゃうねん :2003/01/08(水) 07:24 ID:???
- ちよ「そんな、みんなひどいですよー、はんざいちゃみたいにー」
智 「はんざいちゃ」
ちよ「確かに変な先生だけどー」
智 「はんざいちゃ」
春日「犯罪者みたいやん」
智 「はんざいちゃみたいだね」
ちよ「…えーと それは 趣味が合ったり…」
彼女たちは知らなかった。写真の女性が木村の真の妻であることを。
そして、夫に先立たれ、娘・香織を女手ひとつで育てている彼女を、励まし勇気付けていたのが
木村であったことを。そして、彼女の切なる願いにより木村が香織の新しい父親になったことを。
- 96 :名無しさんちゃうねん :2003/01/08(水) 09:29 ID:???
- 夏、墓地
8月某日。墓地に出向く。彼に会うために。盆には妻・娘と連れ立って行くのだが、
妻の夫としてではなく、一人の友人として会うには、やはり家族が一緒では何かと気まずい。
高校時代からの親友で、大学は違ったが同じ寮に寝泊りし同じ釜の飯を食った仲間だ。
ここでは、便宜的にKと記しておこう。
Kは、5年前の今日、一人で海水浴に行き、溺死した。高校時代は水泳部のエースとして
活躍し、その並外れた泳ぎのうまさから浪裏白跳とまで渾名されていた彼だけに、その死を
聞いたとき私はわが耳を疑った。
大黒柱である彼を失った彼の妻と娘の生活は、育ちのよい私から見れば、ひどく苦しいものに
違いなかった。彼女は昼間はスーパーでパートを、夜はコンビニでアルバイトをして一人娘を
養っていた。私がたまに様子を見に訪問すると、彼女は自らの苦労や疲れをおくびにも出さず、
にこやかな笑顔で私に接するのだった。
最初は、気の毒な女性だと思った。こんな華奢な女性と幼い娘を、そして親友である私を残して
逝ったKを夢の中で責めた。
次第に、彼女の元を訪れる機会が増えた。
そして、彼女とその娘をいとおしく思うようになっていった。
Kが死んでから1年ほどたったある日、ついに心配していたことが起こった。彼女が倒れたのだ。
病室に駆け込んできた私を、彼女はまた笑顔で迎えた。だが、その笑顔には明らかに疲労の色が
濃くにじみ出ていた。そんな彼女の姿を見ることは、私にとって苦痛だった。…彼女にこれ以上
苦痛をかけるのは嫌だった。といって、私が力になってやれることなど高が知れている。私は、
彼女を思う気持ちを抑えつつ、再婚を勧めた。まだ若いのだし、彼女たちを養っていける財力のある
男性で、彼女と再婚してもいいという男性がきっといるはずだ。
私が再婚を勧めると、彼女は喜び、「わたしのようなものでよろしければ、ぜひ」と答えた。
…どうやら彼女は、私からの再婚の勧めをプロポーズと勘違いしたらしかった。
「ぜひ、お願いします。木村さんがお父さんになってくれれば、香織も喜ぶでしょう」
あれから、4年。香織もずいぶん大きくなった。私も、ここ数年のうちに、教師として、また
人間として、大きくなった気がする。
「…今年も来たぞ」
花を供え、水をかけて墓石を冷やしてやり、数十分話した。
「…盆には2人も連れてくる。来年も来る」
(木村と入れ違いに墓地に入ってくる神楽)
神楽「さっきのは、木村…。木村がこんな所に何しに来たんだろう」
(墓を見る神楽)
神楽「あれ、花が…
伯母さんたちが来てたのかな…
伯父さん、あと、えーとご先祖様たち、今年のお盆はちよちゃんの別荘に行くから、ちょっと
早めにお参りに来たんだ。親父ったら、私が浴衣ないかって聞いたら新しいの買ってくれてさ
- 97 :まずいミス :2003/01/08(水) 09:50 ID:???
- >神楽「さっきのは、木村…。木村がこんな所に何しに来たんだろう」
このせりふは無視してください。話の流れに合わないので・・・
- 98 :あず青労同大阪派教労委員会 ◆39Qwkk1o :2003/01/09(木) 04:50 ID:???
- 少しずつ盛り上がってきましたね。
>>94
よかったです。あえて仕事から離れてみるのは、いい発想の転換ですね。
…さりげなくオチまでついていますし。
>>88の反省を踏まえて、もう少し簡潔に。
- 99 :あず青労同大阪派教労委員会 ◆39Qwkk1o :2003/01/09(木) 04:55 ID:9M1M1dCo
- 【生涯一教師:木村の回顧録 7】
正月、神社に初詣に行った。例によって世界人類の平和をお祈りしてきた。
春日君たちに出くわしたが、「一万円で願い事はそれだけなのか」と驚かれた。彼
女たちに限らず、こうした祈りをすると、「無欲」「善人」という解釈をされる様だ。
だが、果たしてそうだろうか。私自身はむしろ、一万円で世界平和などというスケ
ールの大きい事を成就させてもらおうというのは、とんだ欲深ではないか、と家に帰っ
て自省している。
進学や就職、恋愛、家内安全、その他諸々の身の回りの事ども。確かに切実な願い
であり、神仏の力を求めたくなるのは無理もないが、一方でそれらの多くは情熱や努
力で可能性を広げることが、往々にしてでき得る。
これに対して、世界平和は一人の力ではどうしようもない。一国の政治を担う立場
にある人々さえ、争いに参加し、時には自ら争いを引き起こす事は、新聞やニュース
を見るまでもない。いわんや、一介の市民をやである。
そして何よりも、進学を目指して勉強できることも、恋愛が成就すれば楽しい生活
が過ごせることも、そして大勢で神社仏閣に赴いてそれらを願うことも、平和だから
こそである。愛すべき妻と可愛い娘に恵まれた自分のすばらしい家庭生活も、例外で
はない。だから、私利私欲がない、などという事では決してない。
私の願い事を不審がる方には、そういう思いを込めて、こう答える。
「他に何があるというのですか」
私の事をいぶかる女生徒たちの幸せのためにも、私は今年も世界平和を願う。
- 100 :名無しさんちゃうねん :2003/01/09(木) 21:54 ID:???
- 回顧録復活ageそして200ゲットォ!!!
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