世の中のすべての萌えるを。

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【あずまんが】SS書きの控え室5

29 :華氏903 :2004/08/05(木) 09:38 ID:???
「うーむ、それはピンチだなあ」
「ピンチだろう」
ともは情けない声でため息混じりにつぶやき、あたしもう食欲無くなっちゃった、
といってカレーを投げ出した。もともとともはクラス内でも好戦的な女として有名
であり、学生課の掲示板に頭突きをくらわせて倒したとか、民宿のトイレの壁に
頭突きをくらわせてでかい穴をあけたとか、中華料理屋の座敷のふすまに頭突きを
食らわせて破いたとか、とにかく手当たり次第に頭突きを食らわせて荒れ狂う、
という武勇伝のある人物であった。そんなともがいざ宗教が相手になると、手も足
も出ないのだ。かみさまには頭突きは通用しない。
さて、ともの話を聞いた友達おもいのよみは、やれやれしかたないなあと、
そのお祈りセット一式を見て対策を練るべく、ともの家を訪れることとなった。ま、
成り行き上仕方なかったせいもあるが、怖いもの見たさの好奇心があったことも
否定できない。いずれにしてもよみ自身ではなく、ともに降りかかった災難である。
気はそれほど重くもなかった。
その足でともの家に赴くと、ともはすぐによみを自室へ引き入れ、押入れの奥から
何やら神さまっぽい風呂敷を取り出した。
「うーむかみさまっぽい」
よみはつぶやいた。
「うーむ意表を突いてる。カタチもかみさまっぽい」
よみはやや興奮しつつ、その風呂敷に触れてみた。ややハシャギ気味になっていた
が、ともの目が三角形になっていたので、この辺にしておいた。

「これがおいのりセット一式の全貌だ…」
ともは緊張した声で言うと、中身を取り出した。
まず位牌。「滝野家御先祖供養なんとかかんとか奉り候」とかなんとか書いてある。
そして盃。かなり小さめで。色は真っ白である。これに水を入れて、毎日
取りかえるように言われたらしい。
さらに数珠。それから経本。
「うーむ…これはすごい…」
「すごいというか、怖い…」
とよみは言葉を付け加えて言った。

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