世の中のすべての萌えるを。

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スレッドが大きすぎます。残念ながらこれ以上は書き込めません。

【あずまんが】SS書きの控え室5

1 :◆.B5vIcoKkk :2004/07/29(木) 06:25 ID:???
 ストーリーの構成、キャラの造り方、言葉の使い方など、あずまんがのSSや
小ネタを作成する上で困ったことや、悩んでいること、工夫していること等を話し合う
スレです。
 また〜り楽しんでいただければ幸いです。
 ここで新作をUPすることも可です。

★主な注意事項
1. sage進行でお願いします。
2. 対象範囲は「あずまんが大王」及び、連載中の「よつばと」とします。
3. 他人の作品を善意であっても批評しないでください。(自分の悪いところを
教えてくださいというのは可です。)
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します。

2 :◆.B5vIcoKkk :2004/07/29(木) 06:26 ID:???
★その他の注意事項
1. 上記の2.において他作品の批評は不可としましたが、このスレ内で新作をUP
した場合にのみ、常識的な範囲での作品単体に対する批評、感想はOKです。
但し、その場合でも、罵倒、中傷は絶対にしないでください。
2. 他のスレ、板、およびHPから、本スレに転載された作品についても批評しないで
ください。
3. 新作をUPする場合についてですが、エロ、非エロのどちらを書かれても構いません。
但し、板の性質上、過激なものは避けてください。
(ソフトなえっち程度ならOKです。)

3−2.あずまんが、よつばとのキャラが殺される、または虐待されるなど、
残酷な描写はしないでください(2003/12/01追加)

4. AAについては文章スレッドであるので使用しないでください。

前スレ【あずまんが】SS書きの控え室4
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1078404550/

3 :◆.B5vIcoKkk :2004/07/29(木) 06:28 ID:???
前スレの容量が468KBに達しましたので、新しく立てさせて頂きました。
出すぎた真似は失礼。

4 :メジロマヤー ◆xSrSaKAKI6 :2004/08/01(日) 16:35 ID:???
>>1
何だかよく分からないが、お疲れ様

5 :機動戦艦 :2004/08/01(日) 18:35 ID:???
乙!

6 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/01(日) 23:50 ID:???
>>1
スレ立てお疲れ様

7 :華氏903 :2004/08/02(月) 12:07 ID:???
「その音、めちゃめちゃいややなあ」
脇を並んで歩いていた春日が、不意にそんな事を言った。俺はいったい何の事を
言っているのかと不審げな顔で春日を見かえしたのだが、彼女の表情には少しも
冗談くささが無かった。
「え?」
「そのダウンパーカーの音や」
春日はつらそうにそう言った。俺はまだ何の事なのか良く解らないまま、
「そうか?」と軽く答えた。
しばらくはふたりとも黙ったまま歩き続けた。映画へ行く途中だった。
大学の近くの喫茶店で待ち合わせをし、店を出て歩き出したとたんに
春日がそんな妙なことを言ったのだ。俺は春日の言葉を心の中で
訝(いぶか)りつづけたまま、歩いた。

十二月の、かなり寒い日だった。
俺は濃いカーキ色のダウンパーカーを着ていた。春日はこのダウンパーカーの
音を嫌だと言ったのだ。確かに耳を澄ますと小さな音を立てている。
身体を―――特に腕を動かす拍子に生地と生地がこすれ合わさって立てる音だ。
大して変わった音ではない。いったいこの音のどこが嫌なのだろうか。
それとも単なる冗談なのだろうか。

8 :華氏903 :2004/08/02(月) 12:14 ID:???
「ほんまにいやな音やで、それ。」
「どうして?どこが嫌なんだ?」
「だからその音や。ものすご嫌なんや。なんかこう…黒板を爪で
ひっかいたような。あれと似たような感じや。」

黒板に爪を立てる音?
そんな響きはひとつもない。聞き流して当然の、いや、聞くことすらできないほどの
微少な音だ。
「そうか?お前が言うほど、嫌な音には聞こえないけど…」
春日は俺の返事を聞くと、両掌を耳に当てた。
「ほんまに嫌なんよ」

9 :華氏903 :2004/08/02(月) 12:25 ID:???
そのダウンパーカーは、杉並という友人から譲り受けたものだった。
まだかなり肌寒かったから、三月の上旬だったと思う。杉並はふらりと
俺の部屋を訪れ、成田まで自分を見送ってくれと突然俺に頼んだのだった。
「成田って?何処か行くのか」
「ああ…」
心なしか、杉並の表情は暗かった。
「ヨーロッパへ行ってくる」
「え?」
俺は驚きながらも眉をひそめた。杉並の口調が冗談のようであったせいもあるが、
それよりもその不安げな様子に疑問を抱いたのだ。
「いつ?」
「明日の朝一番の便だ。今夜は泊めてくれよな…」
「そりゃいいけど…」
俺は答えながら、なんだか妙な気分だった。そのときの杉並には、旅立ちへの
輝くような興奮も期待も感じられなかった。
「しかし何でまた急に…」
俺は少し遠慮がちに尋ねた。「馬鹿、冗談だ」という杉並の返答を半分期待もしていた。

10 :華氏903 :2004/08/02(月) 12:33 ID:???
しかし杉並は、しばらく口篭(くちご)もってから、
「いや…別に理由なんか無いが。以前から遠くへ行きたいって、言ってただろ」
「そうか…でも…」
俺は改めて杉並の様子をうかがった。しかしどう見ても念願の海外旅行を明日
に控えた男には見えない。
「荷物は?それだけかよ」
杉並は小さなスポーツバッグをひとつ、持ってきているだけだった。
「ああ、身軽なほうがいいのだ。金さえ持っていればな」
杉並は短く微笑んだ。しかし力の無い、嫌な微笑だった。俺はますます不審に
思い、同時に不安にもなって尋ねた。
「お前、なんか変だぞ」
「そうか?」
「何かあったのか?」
「別に…」
杉並の横顔に一瞬影がさした。俺は杉並が何か隠している、と直感したが、
結局問い詰めることはできなかった。

11 :華氏903 :2004/08/02(月) 17:06 ID:???
俺は床に就いてからも、杉並にいろいろ尋ねたい気持ちで一杯だったのだが、
間もなく杉並の寝息が聞こえ始め、それに誘われるように寝入ってしまった…。
そして次の朝、俺が起きると、杉並の姿はどこにも無かった。時計を見るともう十時だった。
杉並の寝ていた枕元に、細かい字で書かれたメモが一枚置いてあった。

『あまりにも良く眠っているのでこのまま旅立つことにする。見送りの無い旅立ちも
また一興だ。昨夜は俺の様子がおかしいなどと言っていたが、別に対したことでは無い
のだ。

どうせ解ってしまうことだから今の内に言っておくが、実はアパートを引き払って
しまった。家財道具も全部売った。その金とバイトの金を旅の費用に当てたわけだ。
親元にも知らせていない。引き止められそうだったからだ。何しろいつ帰国できるか解らないのだからな…

無謀だと思う。その不安が昨夜の俺をあんな表情にしたのだ。心配かけて済まなかった

旅立ちに向けて何か気障(キザ)な台詞でも残そうと思ったのだが、どうもそうはいかなかった
ようだ。無骨な文章になって済まない。
わびの印にダウンパーカーを置いていく。温かいギリシャに行く俺にとっては
必要無いものだ。せいぜい愛用してくれ』

12 :華氏903 :2004/08/02(月) 17:18 ID:???
そしてその日から四日後に、アテネで記録的な大地震があった。杉並からの手紙は
いつまで待っても来なかった。新聞によると、日本人の死者は無し、という事だったが、
杉並は消息を絶ってしまった。

すでに映画は始まっていた。館内は暖房が効いていたので、俺はダウンパーカーを
脱いだ。
「なあ…」
しばらくして、春日に尋ねた。
「これ…そんなに嫌な音か?」
春日は強くうなずいて見せた。たしかに、上映中も俺がちょっとした音をたてると、
隣や前にいる者たちも俺のほうを見るのだ。
映画が終わり、ロビーへ出ると、春日は
「どうや、やっぱりみんな嫌な音やとおもとるみたいやろ?」
と得意げに言った。
春日はダウンパーカーの生地に指先で触れた。不思議そうな顔をする。
「なんか変やな…気のせいかなぁ?」
「何が?」
「いや、やっぱ気のせいや」

13 :華氏903 :2004/08/02(月) 17:27 ID:???
俺は疲れてしまった。
「なあ、俺、帰るよ…」
春日は気の毒に思ったのか、引き止めてくれた。だが、俺は映画館を出た。
「あ、春日!」
そして俺は春日に尋ねた。
「お前、三月ごろに杉並と会わなかったか?」
「杉並くん?」
「ああ、三月頃さ」
「えっと…三月頃言うたら、杉並くんがおらんようになる前やな。
うーん…会わんかったと思うけど」
「…」
「朝倉くん?」
「ん?」
「どうかしたんか?」
「いや、別に。ちょっと思い出したからさ」

俺は早足にその場を離れた。このダウンパーカーにはなにかいわくがあるのか?
杉並は何でこれを俺に残した?
俺は歩きながらいろいろ考えた。
だが、結局何もわからなかった。

          世にも奇妙なあずまんが 終

14 :機動戦艦 :2004/08/02(月) 17:55 ID:???
華氏903乙!
評論は苦手なのでかきませんが、題名は最初に書いてください。

15 :名無しさんちゃうねん :2004/08/02(月) 22:02 ID:???
>>7-13
何かが足りない気がします。
決定的な何かが欠けているような。

16 :名無しさんちゃうねん :2004/08/02(月) 22:22 ID:???
>>7-13
そして、読者も何もわからなかった。

17 :名無しさんちゃうねん :2004/08/03(火) 01:18 ID:???
>>7-13
「自分以外の人が不快感を示すパーカーの謎」を
物語の主軸として提示したのに、その謎の核心には
全く触れておらず、全てが謎のまま終わっているのでは
物語として成り立っていません。
また、ここで大阪が出てきた理由も全くありません。
それどころかあずまんがである理由すら。
自分は何を書きたいのか、物語のテーマはなんなのか、
なぜあずまんがなのか、それらをしっかり考えてから
SSを書いてください。

18 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/03(火) 01:52 ID:???
>>7-13
ダウンパーカーの謎もそうですが、結局杉並がどうなったのか、そこ
までして何故海外に行かなければならなかったのかが明かされないまま
終わってしまったので、かなり消化不良な印象を受けました。
そういう物語だと言われてしまえばそれまでですが、
せめてパーカーの謎だけは明かして欲しかったです。

19 :名無しさんちゃうねん :2004/08/03(火) 02:09 ID:???
>>7-13
謎が謎のままで終わる不気味さを表現したかったのでしょうが、
十分表現しきれていないようですね。
>>17氏も指摘されていますが、あずまんがキャラの絡ませ方も弱いです。
正直、どこにあずキャラがと読み直して探してしまいましたよ。
せめて、キャストを全員あずキャラにしただけでも大分話のメリハリが付いたんじゃないでしょうか。

次作に期待します。

20 :華氏903 :2004/08/04(水) 09:55 ID:???
あずまんが宗教

それは大学三年の冬だった。
ともはよみと遅い昼食をとっていた。ともとよみとは高校三年間同じクラスで、一緒にずいぶんバカをやった(?)仲である。大学で別れてしまってからも、こんな調子だった。
「あのさぁ〜」
ともは大学の知人の話をし始めた。
「そいつがさあ、先週いきなりたずねてきてさぁ、ウチにあがり込んでいろいろ話し出したんだけど、なんかヘンなんだよ」
「へんて何が?」
「だから目つきとかさあ、クスリが効いてるみたいな目してるんだよ。しかも話す内容ってのがご先祖様とかさあ、供養とかさあ、言うわけよ」
「それは、宗教じゃないのか?」
「そう宗教なんだよ。あたしまいっちゃってさあ、でもあからさまに帰れ帰れって言えないじゃん。」
「それで何?その宗教に入信しろって言う訳?」
よみはややオヨビ腰になりながら尋ねた。
(もしかしてこいつ、入信したんじゃ…)
「そーそー、そうなんだよ。もちろん断ったけどねー」
「じゃあいいじゃないか別に」
よみはほっとして言った。
「よくねーんだよなーそれが」
「なぜ?」
あんまりうるさく言うもんだからさー、あたしいやんなっちゃって、金出したの五千円」
「何の金?」
「ごせんぞさまのくよー代金」
「何だよそりゃ…五千円で供養してくれるのか?」
「そぉなんだよ」
「まあ…それだけならいいんじゃないか」
「それだけじゃないんだよぉ。おとといさあ、そいつまた来やがって、なんだか訳のわからないお祈りセット一式みたいなもんを置いていったんだよ。あたし困った」
ようするにともは、五千円出したがために、入信したものとされてしまったのだ。

21 :名無しさんちゃうねん :2004/08/04(水) 10:37 ID:???
華氏903はまたくだらない文章書いてるな。
あずまんがとさっぱり関係ないし、板違いもいいとこだ。

22 :名無しさんちゃうねん :2004/08/04(水) 11:04 ID:???
や、こっから続きがあるんでしょ?
元々あずまんがとは関係ない題材で始まるSSも多いし。
俺は期待してますんで続けてください。

23 :名無しさんちゃうねん :2004/08/04(水) 11:13 ID:???
どうせまたオチなしで終わるさ
それがヤツの作風だ

24 :名無しさんちゃうねん :2004/08/04(水) 12:50 ID:???
>7-13
 大阪を出すことなく、完全なオリジナルで創作板に出すって選択もあったかも。
 得体の知れない気味悪さ、かな? 個人的にはそんなものを感じたよ。
 でも、それをもっと多くの人に伝えるためには、もっとアンテナを設置しとかないと。
 例えば、杉並が海外に行くときや置き手紙に、もっと不自然なものを感じさせる描写を入れるとかね。
 そんなわけで消化不良の感じも受けたけど、それなりに楽しめたり。

25 :名無しさんちゃうねん :2004/08/04(水) 17:17 ID:???
>>21>>23
まあまあ。
批判は、本人が話を書き終わってからにしましょうや。
話の途中でそんな批判をしては、あまりに気の毒だよ。

26 :名無しさんちゃうねん :2004/08/04(水) 17:27 ID:???
それでも切りかたがよくないとは思う。
『これから何か面白くなりそうだ』と
思わせるようなところで中断するべきかと。
>>20の部分だけでは読者に何の感慨も
与えられない。

27 :( ̄〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/05(木) 07:06 ID:???
>>7-13
乙です。

28 :( ̄〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/05(木) 07:09 ID:???
うわぁ、
>>27ミスです。

続きがあります。

やっぱり、杉並と朝倉の方が目立ってますね。どっちかというと創作板行きかな?
それとも、二人をあずキャラに置き換えてみるとか。

>>21 >>23
書くのも自由。読むのも自由。
だが、人をバカにしたりするのはよくない。
本当に嫌いなら反応しなければいい。

29 :華氏903 :2004/08/05(木) 09:38 ID:???
「うーむ、それはピンチだなあ」
「ピンチだろう」
ともは情けない声でため息混じりにつぶやき、あたしもう食欲無くなっちゃった、
といってカレーを投げ出した。もともとともはクラス内でも好戦的な女として有名
であり、学生課の掲示板に頭突きをくらわせて倒したとか、民宿のトイレの壁に
頭突きをくらわせてでかい穴をあけたとか、中華料理屋の座敷のふすまに頭突きを
食らわせて破いたとか、とにかく手当たり次第に頭突きを食らわせて荒れ狂う、
という武勇伝のある人物であった。そんなともがいざ宗教が相手になると、手も足
も出ないのだ。かみさまには頭突きは通用しない。
さて、ともの話を聞いた友達おもいのよみは、やれやれしかたないなあと、
そのお祈りセット一式を見て対策を練るべく、ともの家を訪れることとなった。ま、
成り行き上仕方なかったせいもあるが、怖いもの見たさの好奇心があったことも
否定できない。いずれにしてもよみ自身ではなく、ともに降りかかった災難である。
気はそれほど重くもなかった。
その足でともの家に赴くと、ともはすぐによみを自室へ引き入れ、押入れの奥から
何やら神さまっぽい風呂敷を取り出した。
「うーむかみさまっぽい」
よみはつぶやいた。
「うーむ意表を突いてる。カタチもかみさまっぽい」
よみはやや興奮しつつ、その風呂敷に触れてみた。ややハシャギ気味になっていた
が、ともの目が三角形になっていたので、この辺にしておいた。

「これがおいのりセット一式の全貌だ…」
ともは緊張した声で言うと、中身を取り出した。
まず位牌。「滝野家御先祖供養なんとかかんとか奉り候」とかなんとか書いてある。
そして盃。かなり小さめで。色は真っ白である。これに水を入れて、毎日
取りかえるように言われたらしい。
さらに数珠。それから経本。
「うーむ…これはすごい…」
「すごいというか、怖い…」
とよみは言葉を付け加えて言った。

30 :名無しさんちゃうねん :2004/08/06(金) 16:29 ID:???
あずまんが太平洋戦記の続きキボンヌ

31 :機動戦艦 :2004/08/06(金) 16:36 ID:???
>30
同感!同じく続きキボンヌ!
アルコール!(アンコール)アルコール!(アンコール)

32 :( ̄〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/07(土) 19:11 ID:???
えーっと、次は大きな分岐点になるので、ちょいとかかります。
しかもこの前、予備として取っておいたのもうpしちゃったし……

ついでに9日から受験合宿なので、ここ一週間は期待しないで……

33 :機動戦艦 :2004/08/09(月) 12:35 ID:???
>32 眠い名有りさん乙
1週間・・・・・・長いなぁー 受験・・・・・・もうすぐ私も時期だなー
アカン、あやうく本題を忘れる所だった。本題に入って・・・・

あずまんが太平洋戦記に、ゆかりとみなもを出す予定はありますか?
もし、出る予定がないのなら2011年陸自の対戦車隊入った2人のSSを
太平洋戦記番外編として書きたいのですが、・・・・・・どうでしょうか?
ついでに言うと潮風と、旧軍戦艦、あるOVAの艦隊も出したいのですが、
いいでしょうか?

34 :機動戦艦 :2004/08/10(火) 12:56 ID:???
↑のだと注意事項2に、OVAが引っかかるので付け加えします。

出版社こそ違うも、そのOVAは、あずまんが大王アニメーション製作した
「J、C、STAFF」で製作されたOVAです。
J、C、STAFF公式ホームページ、作品履歴の1996年あたりに
あります。   ケンドロスさんジャスティスまだ?(読みてぇぇ〜!)

35 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/12(木) 02:55 ID:???
>>35
まだ書き終わってない。すまん。

36 :機動戦艦 :2004/08/12(木) 18:32 ID:???
>35
ケンドロスさん番号が自分になってる!
よかった、来ないかと思った。(安堵)

37 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/14(土) 11:11 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第37話 「遥かなる約束」

アメリカのアリゾナ砂漠−
かつてここはウルトラマンシェイドがメフィラス星人と彼が操る超古代怪獣ゴルザと
超古代竜メルバと戦った場所である。その地底深くで今異変が起きようとしていた。
そこにはシェイドの『ダークネスソード』によって切り裂かれたゴルザの死体が埋められていた。

「ふっふっふっふっ、ゴルザよ目覚めるのだ。お前に力をやろう」
宇宙からちよ父からオレンジ色の光を照射する。するとゴルザの瞳に光が宿り、ゆっくりと動き出した。
そして地上に姿を現した。しかしその姿は以前に現れた時と少し違っていた。
以前は黒い表皮に覆われていたが、今回は孔の開いたような溶岩のような表皮をしており、
しかも体にはマグマエネルギーを蓄えて強化された事が一目で分かる程、胸から無数に血管が伸びていた。
またシェイドのダークネスソードによる切り裂き後もあった。

「怪獣だ!!」
「ゴルザだ!!逃げろ!」
その場に観光に来ていた人達はただちに避難を始めた。
強化ゴルザは前進を始め、角からの超音波光線で辺りを破壊しはじめた。
そこに通報を受けたTEAM BLADEの戦闘機群が飛来した。

「どうやら今度のは前回のケンドロスと違い、幻じゃなさそうだな。攻撃開始!!」
「了解!!」
隊長のヴィアス・スレンガーの指示を受け、リスティナ・ハーディンや
セレスティア・ヴァレンタイン達はその指示に従い、ゴルザに集中砲火をかける。
しかし、以前と異なりゴルザはあまり怯まなかった。

「隊長、どうやらゴルザは何者かに強化されているようですね」
「全く厄介な事してくれたもんだよ。どこの誰だか知らないけどさあ!!」
副隊長のリスティナはゴルザ(強化)の分析結果を伝え、セレスは毒づいた。

「あのシェイドが付けた切り傷を狙ってみてはどうでしょう?」
少し太めな体格をした隊員ウェッジ・クラフトがヴィアスに進言する。

「やってみる価値はありそうだな」
ヴィアスはそれに頷いた。

38 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:13 ID:???
「そうと決まれば善は急げだ!鍛えたこの肉体でゴルザなど叩きのめしてくれる!」
「パワーは増しても俺のスピードについてこれるかな?」
鍛え上げられた肉体を惜しげもなく披露しながらビックス・マイヤーと
不気味な程細身の体で顔も真っ白なマクベス・レイノルズがそれに続く。
TEAM BLADEは基本的にこの7人の隊員が怪獣と率先して戦うこととなる。

「よし、ゴルザの傷の部分を狙って集中攻撃だ!!」
ヴィアスの指示と共にゴルザの傷の部分に集中攻撃を開始する。
しかし、ゴルザはその攻撃すらも耐えた。反撃に角からの超音波光線を発射する。
ヴィアスの操る機体『グラディウス』と二機の戦闘機『ナイトストライカー』の内、
リスティナとセレスの乗る機体の方はかわす事に成功したものの、ウェッジ達の乗る
「ナイトストライカー」は右翼に被弾してしまった。

「ウェッジ、ビックス、マイケル!!」
「やられた!緊急着陸します!!」
ウェッジがヴィアスに通信する。彼等の機体は地上に何とか着陸する事に成功する。

『ゴルザよ。そいつらに構うな。目的の場所へと向かうのだ』
ちよ父が宇宙空間より指示を出す。それに従いゴルザは再び地中へと潜っていった。

「逃げられてしまったな」
長官のゼイヴィア・グラムナードから通信が入る。

「申し訳ありませんでした」
「謝る事はない。しかし奴は一体どこへ行ったのだ?」
「まさか、彼女達の元へ!?」
「それはないと思いたいねぇ。ただでさえあそこは激戦区だってのに」
リスティナの発した言葉にセレスは首を横に振る。

「リスティナとセレスは私と共に上空からゴルザが近くにいないか捜索だ。
ウェッジ、ビックス、マイケルの三人は地上から捜索せよ。一時間して何も
発見出来なければ基地に引き上げ、他のチームにこの事を知らせるのだ!」
「了解!」
だが、BLADEの必死の捜索も空しく、ついにゴルザを発見する事は出来なかった。
そして、日本では・・・・・・・・

39 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:14 ID:???
バシィッ!という音がHOLY作戦室内に響いた。そして一人の少女が吹き飛ばされる。
吹き飛ばされた方の名は滝野智。そしてその音を響かせたのは水原暦。
暦が智の頬を思い切り引っ叩いたのだ。

「いってぇ!!本気でやりやがったな!!」
「お前とはもう絶交だ!!」
「あたしもあんたの顔なんか見たくもねぇ!!」
智はそう言って作戦室を飛び出していく。暦もまた逆方向へと飛び出していく。

「とも待てよ!!」
「待ってや、ともちゃん!!」
「私は暦を」
後を追うように神楽と歩と榊が作戦室を飛び出す。

「私も!!」
「だめよ、ちよちゃん!」
「ちよちゃんは私達と一緒にここに残ってなきゃだめ!!」
続こうとするちよをかおりんと千尋が制する。

「でも・・・・・・・」
「気持ちは分かるけど、神楽さんと大阪さんと」
「榊さんに任せましょう。大丈夫だからね」
「・・・・・・・分かりました」
二人に言われてちよは渋々納得した。この時ばかりはTEAM HOLYの隊長としての
肩書きが重くのしかかった。指揮官たる隊長が怪獣や異星人も出現していないのに
勝手にここを離れる事は出来ないのだ。

きっかけは些細な事だった。いつものように智が暦につっかかったのだ。
しかしそれは段々エスカレートし、智は暦にとって一番言われたくない事を口にしてしまったのだ。

「何だよ、あたしと出会わなかったらいつまでたっても優等生だけど暗い性格のまんまでいたくせによ!!」
その言葉を言った瞬間、暦は智の頬を引っ叩いていた。暦にとって一番言われたくない言葉だったのだ。そして今に至る。
殴られた智も暦を睨みながら出ていった。

40 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:15 ID:???
「私は手を貸さないわよ」
そのやりとりの後、その場に居合わせた相田京子は電話して、平井百合子と連絡をとった。
百合子なら二人とも仲が良かったし、何より彼女は智の事が大好きなのである。
きっと協力するだろうと思っていたのだ。だが、帰ってきた答えはNoだった。

「どうしてよ?あなたにとって大切な友達でしょう?その二人が絶交しちゃうかもしれないのよ!?」
「それくらいで絶交してだめになってしまうのならそれまでの関係だったって事よ」
「ちょっとそれって冷たくない?それでも・・・・・・」
「今、私機嫌悪いの。切るわよ」
京子の話が終わらないうちに百合子は一方的に電話を切った。

「何よもう!感じ悪いわねぇ!!」
苛立たしげに京子も電話を切る。

「きっと百合子さんは二人をそんな事でダメになったりしないって信じているのよ」
いつの間にか井上舞が背後に現れ、京子の肩に手をかけ言った。

「私もそう思います。そうでなければともちゃんを大好きな百合子ちゃんは
京子さんが電話をしなくても行動しているでしょうし」
その様子を見ていたちよも京子にそう言った。

「舞先生、美浜隊長。そうですよね」
京子は唇をほころばせた後、席に戻りオペレーターの任務に戻った。その時、
かおりんがアメリカ「TEAM BLADE」からとある通信を受けた。その通信を受けた
かおりんは苦い表情をした。

「よりによってこんな時に・・・・・・」
「何かあったの?」
舞が眼鏡をいじりながら尋ねる。

「TEAM BLADEからなんですけど、どうやらアメリカにゴルザが現れてそして
逃げたらしいんです。次はどこに現れるか分からないから気を付けろってさ」
「ゴルザってシェイドと戦ったあのゴルザ?」
千尋に聞かれ、かおりんは頷いた。今の所レーダーにはそれらしき反応はない。
しかし、言い知れぬ不安があたりを包んだ。

41 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:17 ID:???
智と暦は翔とコスモスが初めて会った森林公園に辿り着いていた。辿り着いた位置はそれぞれ違うが・・・・・・・
そして遠い日の出来事を思い出していた。それは二人が初めて出会った日の事だった。
ファーストコンタクトを・・・・・・

「あんたいつも退屈そうだな?あたしと一緒に遊ばない?」
最初に智が声をかけたのがきっかけだった。

「暦・・・・・・」
呼びかけられて暦は現実に引き戻された。振り返るとそこには自分よりも長身で
プロポーション抜群の女子、榊がいた。

「榊!私を追ってきたのか?」
「良かった。ここにいたんだ」
同じ頃、神楽と歩も智を見つけていた。

「とも〜こんな所にいたのか」
「探したで〜ともちゃん。あかんやん。ボンクラーズは三人揃ってボンクラーズなんやで」
「神楽、大阪。ちょっと昔の事思い出していたんだ」
「昔の事〜?」
「ああ、昔の事だよ。あたしとよみが初めてあった時の事をな」
「良かったら聞かせてくれないか?」
神楽に言われ、一瞬躊躇したが、智は話し始めた。

「私な、昔は榊みたいな感じだったんだ」
「え?」
突然暦にそう言われて榊は目を丸くする。

「いや違うな。榊は無口なだけ。私は暗くて勉強にしか興味なくて他の事には
無関心だったんだ。クラスからも浮いていた。だからさっきともが言った事は間違っていないんだ。
でもだから頭に来たんだ。自分が一番言われたくない事を言われたんだから」
「もし、良かったら私にその話を聞かせてくれないかな?」
「・・・・・・・まあいいか。どうせならみんなにも聞かせてやるか」
暦はそう言って通信機ごしのちよ達にも聞こえるようにした。

「よみさん、ともちゃん」
ちよは通信機ごしに二人の話を聞き入っている。

42 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:18 ID:???
小学生の頃、暦はさっき話したとおりの性格であり、対照的に智は今と変わらず
明るくやんちゃで、男子と殴り合いの喧嘩をしたりもいたが、智には人を惹きつける
魅力があったらしく文句言いながらもみんな慕っていた。

「あんたいつも退屈そうだな?あたしと一緒に遊ばない?」
「せっかくだけど遠慮するわ。あなたと遊んでいるほど私暇じゃないもの」
この頃の暦は今よりも口調が柔らかかった。ただしそれだけで人を寄せ付けない態度であった。
差し出した智の手を突っぱねる。

「そんな事している暇あったら勉強している方が効率的だもの」
「あたしはそんな事よりあんたと遊びたいと思ったんだ。だから遊ぼうぜ」
暦は断るが、智は引き下がらない。

「しつこいわね、嫌よ!!」
「遊んでくれたっていいだろ〜」
「嫌だって言ってんだろ!!バカ!!」
ついに暦は智に口調を荒くして叫んだ。

「へぇ〜優等生のあんたでもそんな口の聞き方するんだ」
カチン!
暦の中で何かが切れた。なんだか物凄くバカにされた気分になったから。
気づくと暦は智を殴り飛ばしていた。

「いってぇ〜。やりやがったなぁ」
智が立ち上がり殴りかかってくる。たちまち取っ組み合いの喧嘩となり、
先生が来るまで二人はずっと喧嘩していた。これが二人のFIRST CONTACTだった。

「最悪の出会いだと思ったよ。でもそれ以降私はともの存在を無視する事ができなくなったんだ」
「そうなんだ」
暦の話に榊は真剣に聞き入っている。

「なんていうかともらしいよな」
「ともちゃんとよみちゃんらしいな〜」
「そんでその後、あいつとも会う事になるんだけどな」
智も話を続ける。

43 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:20 ID:???
その出会いをきっかけにお互い、喧嘩をしつつも一緒にいる機会が多くなった二人だった。
しかし、それを快く思わない者がいた。それこそが平井百合子であった。
彼女もまた、二人と出会う前は誰にも心を開こうとしなかった。
いつも何かと戦うように睨み付けるような表情をしていた。

「そんな怖い顔してないでさ。あたしと遊ぼうぜ」
ある時、智に手を引かれ百合子は一緒に遊ぶことになった。その時、百合子は
胸の鼓動が高鳴っていくのを感じた。初めて自分に裏表なく接してくれた存在、それが智だったのだ。
智の屈託の無さにどうしようもなく彼女は惹かれてしまったのだ。

「私はあなたが大好きよ。私と付き合って」
「やだ。そういうの興味ないし」
あまりにストレートすぎる返事だった。しかし、それで百合子の想いが冷める事はなかった。
むしろ激しく燃え上がったのである。だからこそ常に一緒に行動している暦が気に入らなかったのだ。
百合子はその当時連れていた取り巻き(うわべだけしか褒めない存在だが)を使い、暦にありとあらゆる嫌がらせをした。
机の上に落書きをしたり、椅子に画鋲を撒いたり下駄箱の中に得体の知れない物を入れたりした。

(下らない)
内心、暦はそう思っていた。しかし、それでもそういう事が何日も続けば頭に来る物である。
暦は犯人の検討がついていただけに余計に腹が立っていた。
百合子は自分でももう歯止めがかけられないくらいに暴走していた。
そしてついに事故を装って暦にバケツを持って暦に水をかけたのである。

「あら、ごめんなさい。わざとでなくってよ」
今と違い百合子はワンレングスの髪ではなく、歩に似たヘアースタイルをしていた。
彼女の髪を榊くらいに伸ばしたといった方がいいだろうか。白々しく百合子は暦に言った。

「この!」
ついに堪忍袋の緒が切れて殴ろうとする暦だが、それより早く智が殴りかかっていた。
吹き飛ばされる百合子。

「せこい事してんじゃねーよバーカ!どうせならもっと堂々とやれよな!」
智はそう怒鳴った後、智はどこから用意したのか水道管に繋いだホースを用意して百合子にぶっかけた。目を白黒させる百合子。さらに智は自分にも水をかけた。

44 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:21 ID:???
「くぅー!気持ちいい!お前らもやってみろよ!気持ちいいからさ」
そう言って智は百合子の取り巻きと何人かの生徒を巻き添えにして水をぶっかけた。
教室中水浸しとなり、先生にこっぴどく叱られるが智は全く反省した様子はなかった。
このやりとりを暦は呆然となってみていた。
帰り際暦は智がどうしてあんな事をしたのか尋ねた。

「だってさ、不満があるのにハッキリ言わないであんな陰湿な手口でやるなんて
やっぱムカつくじゃん」
「だからって教室水浸しにすんなよな!!」
「いいじゃん、度は道連れっつうじゃん」
「・・・・・・・・・お前って本当に暴走って言葉が似合うな。
でも助けてもらった事には感謝するよ。ありがとう」
暦は素直にそうお礼を言った。

「気にすんなよあたしたち友達だろ」
「友達?」
「そーだよ。あたしがそう決めたんだから、今からよみはあたしの友達だ。
嫌だって言ってももうこれは決まった事なんだ」
こーゆう所は昔から変わってない。暦はその言葉を心の中で反芻した。友達・・・

「仕方ないな。そう言うなら私もお前の友達だ。でも何でよみなんだよ。私は暦だぞ」
「言いづらいからよみなの。あたしの事もともって呼べ」
「分かったよ、とも」
「よーし。じゃあ帰るか、よみ」
その日、暦は初めて智と一緒に帰った。初めての友達が出来た日だった。

それから数日後、弁当の取り合いとしている二人の前に百合子が姿を現した。

「何だよ何か用かよ?」
二人は彼女を睨みつける。しかし百合子は怯まない。二人に近づいていく。

「私決めましたわ。私はあなた達二人を友達にする事にしたわ」
「え?」
突然の言葉に二人は呆気にとられている。そして百合子は二人の肩に手を回し、頬擦りをする。
しっかりと首を抱えている為、二人は逃げることが出来ない。

45 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:23 ID:???
「うわ、やめろ。あたしはそんな趣味はねぇ!!」
「私もだ。巻き添えにするな〜」
「あら、智ったら嬉しくて照れてるのね。暦も恥ずかしがらなくていいのよ。
大好きな友達ならこれくらい当たり前だもの」
「照れてなんかねぇ〜!!」
二人は大声で叫んだ。クラスの人間達は何か見てはいけないものを見てしまったような顔をしていた。

「ってまあそんな事があったわけ」
「三人共、普通じゃない出会い方だな」
「びっくりや〜」
あんまりビックリしてなそうな声で歩は言った。

「よみに悪い事言っちまったな。謝りたいけど許してくれるかな?」
「大丈夫だってとも!よみだってきっともう怒ってねぇよ」
「あたしもそう思うで〜」
しおらしくなる智に神楽と歩は励ましの言葉をかける。それを聞いて智の顔に笑顔が戻る。

「そうか。そうだよな」
「戻ろうぜ、みんなのとこに」
「賛成や〜」

「榊、私はどうしたらいいんだ?」
「暦は智の事が嫌いになったの?」
寂しそうな顔で榊は暦に聞き返した。

「確かに頭に来たけど、絶交だは言い過ぎたと思ってるよ」
「仲直りしたいならちゃんとした方がいいと思う。そうしないときっと後悔するから」
「榊・・・・・・そうするよ。それとありがとうな」
暦にそう言われた榊は照れくさそうに顔を赤く染めた。
しかし、智も暦もたった一つだけ皆に話していない事があった。それは百合子が友達になった後の事。

「今回みたいによみに何かあったらあたしが守ってやる!それが友達だもんな」
「ああ、私も約束する。お前が危なくなったら私がお前を助ける」
それは遠い日に交わした『約束』だった。その後で百合子にも強引にその約束をさせられたのは言うまでもない。
遥か遠い日に交わした約束・・・・・・

46 :遥かなる約束 :2004/08/14(土) 11:23 ID:???
とりあえず前半ここまで。過去に別のとこで書いた話を少しいじって使いました。

47 :機動戦艦 :2004/08/14(土) 17:01 ID:???
>46
第37話のUP乙!何処かで見たことがぁ〜〜〜思い出せない・・・・
でも正直、ケンドロスさんの作品で「智猫」には萌えたぁ!あぁ〜萌える!

48 :横浜海星 :2004/08/14(土) 18:47 ID:???
乙。

49 :帰ってきた眠名有 ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/14(土) 19:38 ID:???
>>48ageちゃだめ!
ってなことで、受験合宿から帰ってきました。

明々後日から講習会で、また書けるかどうか……○| ̄|_

50 :機動戦艦 :2004/08/14(土) 21:26 ID:???
>49
おぉやっと帰ってきた。ええよいつまでもまとっるで受験頑張り〜
・・・・ハッ!来年 自分も受験ではないか!自分はどうなんだ〜(泣)

ところで>33で書いた案、いいでしょうか?

51 :四国鉄犬 :2004/08/14(土) 23:01 ID:???
(スレ汚してスマソ。タイトル未定。)
ぽつぽつ・・・

ざあぁぁぁぁぁ・・・

雨だ。
傘を持っていなかった俺は、雨宿りをせざるを得なかった。
「・・・まいったな」
(まあ、通り雨だ。すぐにやむだろう。)
がさっ・・
「んっ?」
茂みの中に、何かいる。
それは、しましま模様の猫だった。
「なんだ、猫か・・・」
その猫は、ふらふらしながら俺の前に姿を見せた。
前足を怪我しているようだ。
「罠にでもかかったのか?見せてみろ、ほら・・・」
俺はその猫に手を伸ばした。
「ガルル・・・」
その途端、その猫は外見に似合わない低い唸り声を上げた。
「ガッ!!」
そして、俺の手に噛み付く。
「ぐっ・・・」
手が激しく痛む。
「ガルル・・」
猫は、俺を敵だと思っている様子だ。
「安心しろ。俺はお前の敵ではない。お前に危害を加えたりしない。」
「グルル・・・」
「本当だ。」
俺は噛み付いているのを無理に振り解こうとはせずに、そのまましたいようにしてやった。
「グル・・」
納得したのか、噛み付くのを止めた。
「ふう、どうやら分かってもらえたようだな・・・」
「にゃあ」
猫は申し訳なさそうに、噛んだ俺の手の傷跡を舐めた。
「賢いやつだな、お前は。待ってろ、すぐに手当てをしてやる」
俺は自分のハンカチを包帯代わりに、怪我をした前足に巻いてやった。
それにしても・・・
珍しい猫だ。それに以前どこかで見たような・・・

「もしかしてお前は、イリオモテ」
「雑種」
後ろからの声の主は、同じクラスの榊。

52 :帰ってきた眠名有 ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/14(土) 23:03 ID:???
>>50
退避中の民間人として登場予定。
残念。

53 :名無しさんちゃうねん :2004/08/15(日) 11:13 ID:???
>>51
榊さんとの純愛ものかな? 
期待。

54 :機動戦艦 :2004/08/15(日) 12:26 ID:???
>52
・・・・・・じゃ、やまとが時空超えた後の世界を(ワレ往生際悪しスマソ)
ってSS書き掛けだ・・・・・・とりあえず続きを、

55 :機動戦艦 :2004/08/15(日) 13:44 ID:???
スマソ

56 :遥かなる約束 :2004/08/15(日) 23:49 ID:???
しかしその時、基地では異変を知らせる音が鳴った。

「な、何ですか?」
「どうやら警報みたいね」
ちよが慌ててモニターの方に振り返る。反対に舞は落ち着いている。
かおりんと千尋、そして京子もレーダーに向き直る。

「大変、地中から何かが接近しています!」
「この反応、ゴルザだわ!」
「ゴルザ、地上に出ます!!」
その言葉通り、地底から強化ゴルザが姿を現した。それは榊と暦のいる森林公園の近くだった。

「地震!?一体何が?」
「あれは・・・・・・ゴルザ」
暦はその地震で倒れそうになるが、何とか榊に支えてもらった。
そして榊の目も強化ゴルザを捉えていた。

「地震や!」
「おい、あれ見ろよ!」
神楽達も強化ゴルザの姿を目撃する事になる。智は何か嫌な予感を感じた。
そしてすぐに強化ゴルザのいる方角へと走り出す。

「あ、待てよとも!!」
「待ってや〜二人共〜」
神楽も智に続く。しかし歩は二人に続こうとして躓いて転んでしまう。

「何やってんだ大阪!悪いけど今回は置いていくぞ!!」
神楽はそう言って走り去ってしまった。取り残される歩だが、
そこに一人の人物が立っていた。黒づくめの服装をしている。

「あいつ、街の方へ向かっている!!」
暦の言う通り、強化ゴルザは市街地へ向けて前進を開始する。

「何とかこっちに注意を惹き付けないと」
「そうだな。こっちに注意を向けさせよう!」
言うが早いか榊と暦はハンドガンを取り出し、攻撃を開始する。

57 :遥かなる約束 :2004/08/15(日) 23:51 ID:???
その攻撃は強化ゴルザの背中に命中した。命中した強化ゴルザは振り返る。
強化ゴルザは榊と暦をはっきり敵と認識し、進路を変え襲い掛かってくる。

「あいつはマグマの固まりだ。グラレーンの時に使った冷凍弾を使おう」
「うん」
二人はグラレーンを凍らせた冷凍弾をトリガーに込め、それを強化ゴルザ目掛けて発射する。
しかし強化ゴルザはその冷凍弾のエネルギーをあっさりマグマエネルギーに変換し、ますます凶暴化してしまった。

「冷凍弾が効かない!?」
「危ない!榊、攻撃が来るぞ!!」
強化ゴルザは反撃とばかりに角から超音波光線を発射する。

「うわっ!」
それは榊の前で爆発してその衝撃で榊は気を失った。

「おい!榊!榊!!しっかりしろ!!」
揺すったり頬を叩いたりしてみたが、榊は起きる気配がなかった。

(私がゴルザを引き付けないと榊が危ない!!)
強化ゴルザは尻尾で木々をなぎ倒し、どんどん迫ってくる。

「こっちだ!ゴルザ!!」
暦は榊から離れ、強化ゴルザの頭部に攻撃を仕掛けた。攻撃を受けた強化ゴルザは暦を追い始める。
暦は強化ゴルザに向かってハンドガンで攻撃しながら、強化ゴルザから逃げる。
しかし、ついに強化ゴルザの超音波光線により吹き飛ばされてしまう。
ダメージが浅かったからか、気絶こそしなかったが、その時にハンドガンを落としてしまう。

「しまった!!」
振り返ると強化ゴルザはすぐそこまで迫っていた。立ち上がって逃げようとするものの、
焦っている為かうまく逃げる事が出来ない。強化ゴルザは暦を踏み潰そうと右足を大きく上げた。

(やられる!!)
そう覚悟した時、強化ゴルザの足元に何かが投げ込まれ、爆発する。
その時のショックで強化ゴルザは大きく後ろに倒れる。横を見るとそこには滝野智その人がいた。
智は『レイストーム』を投げていた。

58 :遥かなる約束 :2004/08/15(日) 23:53 ID:???
「とも!!」
「よぉ、よみ。手こずってんじゃん。助けに来てやったぜ」
へへへと笑いながら智は言った。暦は立ち上がりハンドガンを拾う。

「約束はちゃんと守ったからな」
「全くまだそんな事覚えていたのかよ」
そうは言いつつも内心暦は嬉しかった。

(ちゃんと助けてくれたな。そうだよな、お前はバカだけどやる時はやるもんな)
心の中で智に感謝の言葉を述べる暦。その時、立ち上がった強化ゴルザの足元に
もう一発爆弾が投げ込まれ、強化ゴルザを少し後退させる。

「おーい二人共、大丈夫か?」
神楽だった。投げたのは小型の爆弾『レイフォース』だ。

「神楽!そうだ、この先で榊が倒れているんだ!私とともでゴルザを足止め
するから榊を早く助けてやってくれ!」
「分かった!榊を助けにいくから、そっちは任せたぞ!!」
「あたしが来たからにはもう大丈夫だっての!!」
自信満々に智は言い放つ。腰に手を当て偉そうである。神楽は榊を救出に向かった。

(皆さん、頑張ってください!)
基地にいるちよ達も固唾を飲んで見守っている。どうやら今回ちよは出撃しないようだ。

一方歩の前に現れた女性、それはワンレングスの髪と鋭い目付きが印象的な女性平井百合子だった。

「百合子ちゃん!」
「行きなさい!あなたが今すべき事を。私は今回は手を貸さないわ。
だって私が入っては意味が無くなってしまうから。約束の意味が」
「分かったで!」
歩は胸につけている『ジャストランサー』を外す。

暦と智の連携攻撃を受けてなお、強化ゴルザは進撃をやめない。じりじりと迫ってくる。
しかしその時、赤い光が上空に現れたかと思うと、それはすぐに
ウルトラマンジャスティスの姿となり、強化ゴルザの顔面を蹴り飛ばした。
地面を転がる強化ゴルザ。

59 :遥かなる約束 :2004/08/15(日) 23:55 ID:???
「はあっ!!」
何回か空中で回転し、地面に着地してポーズを決めた。

「ジャスティス!!」
暦と智と神楽は安堵の表情を浮かべる。

「でやぁっ!!」
ジャスティスは強化ゴルザに猛スピードで接近し、飛び蹴りを腹に食らわせた後、
強化ゴルザが投げようとする力を利用し、逆に投げ返す。
そして強化ゴルザの頭を抱えたまま、走りつつ顔面に膝蹴りをくらわせ、うつ伏せに地面に倒す。
強化ゴルザに腕を掴まれ、投げられるもののすぐに強化ゴルザを抱えあげて投げる。

「いりゃああ!!」
尻尾の攻撃をかわし、それをドラゴンスクリューの要領で地面に叩きつける。
強化ゴルザが蹴りを仕掛けてくるものの、それをガードする。
そしてお互いに手をがっしり組み合い、力比べをする。
しかし、次第にジャスティスの方が押されていく。不利を悟ったジャスティスは間合いを離す。
そこに強化ゴルザの超音波光線が飛んできてジャスティスのカラータイマーの下に命中する。

「うわあああああああ!!」
後ろに吹き飛ばされるジャスティス。さらに強化ゴルザはその豪腕でその尻尾で
ジャスティスを吹き飛ばす。

「はあああああああ、だああああ!!」
不利を悟ったジャスティスはクラッシャーモードへとチェンジする。
それと同時に胸のカラータイマーが青から赤に変わり点滅を始める。

「ふっふっふっ、ザタンシルバーよ。行くのだ。ゴルザの助太刀にな」
宇宙からちよ父が命令を下すと突然何も無い所から銀色の怪獣が姿を現した。
ザタンシルバーと名づけられた怪獣は強化ゴルザとジャスティスの所へ移動する。
頭に触手らしき物が三本生えており、ザラザラしているのだ。

「どういう事、これ?」
「どうしたの千尋?」
ザタンシルバーのデータリンクをしていた千尋が驚きの声をあげる。
かおりんがすかさず尋ねる。

60 :遥かなる約束 :2004/08/15(日) 23:58 ID:???
「このザタンシルバーって怪獣、生物反応がない!」
「どういう事?」
「つまりあの怪獣は生物ではないの!!」
京子が変わって説明する。ザタンシルバーには怪獣反応も超獣反応も検出されなかった。

「だとするともしかして」
舞は何か気づいたようだ。

「やあっ!!」
新たに現れた敵、ザタンシルバーにドロップキックを決め、同じ様に強化ゴルザにも決め応戦するジャスティス。
しかし、ジャスティスのダグリューム光線をザタンジルバーはエラのような皮膚で吸収してしまった。
たちまちそしてザタンシルバーの吐く糸に絡めとられ、強化ゴルザとの
光線連携攻撃によりジャスティスはピンチに陥る。

「ジャスティスが危ない!!今のジャスティスに2体相手にする余力はない!」
智と暦は強化ゴルザを、神楽は榊を木陰に隠してそこから離れつつ、ザタンシルバーに攻撃を仕掛ける。
強化ゴルザには多少効いているものの、ザタンシルバーには全く効いていなかった。
しかし、その攻撃でザタンシルバーは神楽に向きを変えた。
ジャスティスは糸から逃れ、神楽を助けようとするが、強化ゴルザが邪魔をして助けに行く事が出来ない。
スキをつかれ強化ゴルザに投げ飛ばされてしまう。

神楽はもう一度レーザーガンを撃つが結果は同じだった。ザタンシルバーの固い装甲に弾かれてしまう。
しかし、その時青い光が発生し、ザタンシルバーを下からすくいあげるように吹き飛ばした。
そしてその青い光は巨人へと変化した。

「レイ!ウルトラマンレイ!!」
神楽は安心してその場に座り込んでしまった。

「えいやぁ!!」
レイはザタンシルバーの攻撃を受け止め、掌底を決める。しかし、ザタンシルバーは怯まない。
思い切り遠くに投げ飛ばし、ダウンさせるがこれもあまり利いている様子はない。

「スロウゥ!!」
レイは『バスターレイ』を発射する。しかし、ザタンシルバーの強固なボディは
それすらも全く寄せ付けなかった。突進攻撃をくらいレイは反対方向に吹き飛ばされる。
蹴りを仕掛けるがやはり結果は同じで、蹴り飛ばされてしまう。

61 :遥かなる約束 :2004/08/16(月) 00:00 ID:???
「そうだ、よみあいつの角を狙って攻撃してみようぜ!!」
「だめもとでやってみるか、よし!!」
暦と智は強化ゴルザの額目掛けて、レーザーガンのダブルショットを放つ。
そこに命中した瞬間、強化ゴルザの動きが鈍くなる。智の睨んだとおり、そこが急所だったのだ。

「いりゃあああ!!!」
強化ゴルザを高く抱え上げ、地面に叩きつけた後ジャスティスは弓状の光線
『パトレックショット』を発射する。それは強化ゴルザの角付近に命中し、
強化ゴルザはピクピクと痙攣した後、後ろにゆっくり倒れた。

「せいやぁ!!」
何度目かのレイのパンチ攻撃でついにザタンシルバーの装甲が剥がれ落ちた。
そしてそこにはメカの体がむき出しになった。ザタンシルバーは怪獣でなくロボットだったのだ。

「あいつ怪獣じゃなくてロボットだったのか」
(やっぱり)
神楽は驚き、舞はそう呟いた。

「怪獣反応も超獣反応もしないよねそりゃあ。ロボットなんだもの」
「でもあんなに怪獣にそっくりにロボットを作り上げるなんて」
「私達に見せ付けているんでしょう。想像を絶する科学力を」
千尋はモニターのザタンシルバーを見てため息をつく。
京子に対しかおりんは少し疲れ気味に答えた。

「だあっ!」
レイはむき出しになった部分に両手を前に出して、そこから冷凍エネルギーを送り込んだ。
『フリージングレーザー』と呼ばれるレイの凍結技である。
それまで何事もなく動いていたザタンシルバーはみるみる内に動きが鈍り、ついには完全に機能停止してしまった。

「この!これでもくらえ!!」
神楽は『レイフォース』をザタンシルバーの体内メカ目掛けて撃った。
外からの攻撃には超低温の攻撃以外なら耐えられる装甲も中はモロかった。
その一撃でザタンシルバーは完全に粉砕された。

「やった!ざま見ろ!!」
ガッツポーズを取る神楽。こちらの戦いも終わった。

62 :遥かなる約束 :2004/08/16(月) 00:01 ID:???
「シュワッ!!」
「だあっ!」
ジャスティスとレイは空へと飛び立っていった。

「終わったな」
「ああ」
暦と智はガッチリ手を組んだ。

「そうだ、榊は?」
「私はここだ」
神楽が榊を探そうとした時、榊がこちらに向かって歩いてきた。

「榊、良かった。無事だったか」
「そういや大阪は?」
暦はホッとした表情になり、智があたりを見回す。

「ここやで〜みんなひどいやん。あたしを置いてきぼりにするなんて〜」
息を切らせながら、歩が駆け寄ってきた。

「大阪が遅いからだよ。もうみんな終わっちゃったぞ」
「ふぇ〜そうなん?」
神楽は歩の頭を軽く小突く。それを聞いて歩はがっかりした表情になった。

「ともちゃん、よみさん。何か忘れてませんか?」
と、通信機ごしにちよが語りかけてきた。

「そうだったな。あーよみ、すまん。ちょっと言い過ぎたよ。許してくれよ。
他のみんなも迷惑かけてごめんな」
全然謝っている風には見えない態度で謝る智。しかし、一応頭は下げるのであった。

「全くお前は・・・・・・まあいいか。それがお前だもんな。しおらしいお前なんてらしくない。
私の方こそあんな事言ってごめんな。『絶交』ってのは取り消すよ。
それとみんなを巻き込んでごめん」
暦もみんなに対して頭を下げる。そして暦は知っている。
智があんな風に謝るのは照れ隠しである事を・・・・・・・

63 :遥かなる約束 :2004/08/16(月) 00:02 ID:???
「うんいいよ、二人が仲良くなったんならそれで」
「私も」
「あたしもや〜」
三人共、そんな二人を暖かく出迎えた。それはモニターごしのちよ、かおりん、千尋も同じだった。

「仲直りして本当に良くってよ!!」
突然、後ろから誰かに抱きつかれる智と暦。振り返るとそこには百合子がいた。
かつての時と同じ様に首に手を回され、頬擦りされてしまった。

「も―――――――!!お前こういうのやめろって言ってるだろ!!」
「あら、好きな人を愛でるのは人間なら誰でもする事でしょう」
「どう考えても過剰なスキンシップだろ!!いいから離れろっての!!」
智と暦が抗議の声をあげる。それを見ていた歩達三人は顔を見合わせて笑った。

「本当に相変わらずねゆりゆりは」
「でも必ず近くにいるとは思っていたけどね。
何だかんだでともとよみを心配していたんだよ。ね、キョロちゃん?」
千尋が京子に話を振った時、京子の姿はそこになく、作戦室を出ようとしていた。

「どこへ行くの?」
「TEAM FLAMEの演習です。隊長の私が出ない訳にいませんから」
舞に尋ねられ京子はそう答える。既に京子はTEAM FLAMEの服に着替えていた。
心なしから京子は笑っているように見えた。

(佐倉さんの言う通りね。何だかんだで心配してたのね)
心の中でそう呟きながら、京子は作戦室を後にした。

「さて私達の任務も今日はこれで終わりね」
「そうだね」
かおりんと千尋は大きく伸びをする。

「皆さん、基地に引き上げてください」
「了解。じゃあみんな行くか」
暦が返事して百合子を含めたメンバーはこの森林公園を後にする。
その時暦はある歌を口ずさんでいた。

64 :遥かなる約束 :2004/08/16(月) 00:04 ID:???
その曲名はそれぞれのOne Way・・・・・・・

雨上がりの空からいつもの 夕焼け色がのぞけば 
懐かしい季節の終わりが見えた
私達の毎日無邪気な 同じ会話の流れも
消えていく飛行機が忘れた雲のよう

I  feel a Wonderer
さみしい時は 隣のアイツなら笑いとばす

それぞれのOne Way 歩き出すから
はなればなれに なることもあるよ
また会えるまで 軽く手をふって
思い出にきっと 感謝だよね

「歌がうまくない暦が唯一うまく歌える曲よね」
「だな、よみはこの曲だけはうまく歌えたんだよな」
横から百合子と智が茶々を入れる。しかし暦はそれに対して少し困ったように
笑っただけで、再び歌いだした。他のメンバーはそれに聞き入っている。

間違えてもいいさとちょっとは 気楽な気持ちになれる
不思議なやつらだな 天然センス

面白さに毎日過ぎてく ふと立ちどまる明日も
忘れたり怒ったりふざけ合えればいい

I’m just nasty Girl 
楽しいくせに 時々にアイツには冷たくなる

夢がある My Life 届くようにと
がんばれみんな 大好きな日々を
胸にいつかは 新しい道
思い出は一緒 いつまでもね

(いつかはこの戦いも終わり、みんなと別れる時が来る。再会した奴等と新しく
知り合った奴等と・・・・・・・
でもそれでもきっと会えるよな。卒業してこうしてまたみんなに出会えたんだから)   
空を見上げながら暦は再会した仲間達を見ながらそんな考えを巡らした。
コスモスと翔が始めて会ったこの森林公園に暦の歌声が響いた。

第37話 終 第38話へ続く

65 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/16(月) 00:06 ID:???
えーと今回は次回予告を二つ用意してます。どっちか先に読みたい話を
教えて下さい。多いほうを次の話にします。もちろんもうひとつの話も
やりますが、39,40話が前、後編の為、それより後になります。

66 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/16(月) 00:32 ID:???
次回予告 A
敵の魔手はついにHOLY隊員を狙い始める。狙われたかおりんと神楽。
二人は悪夢にうなされ、苦しむ。二人の榊への『想い』に敵はつけこんだ。
それを知った榊はある決意をする。果たして悪辣な宇宙人軍団を前にして
HOLYはどう立ち向かうのか?

「私だっていつまでもこのままでいいなんて思わない!前に進まなきゃ!」
「私はこんなものに屈しねぇ!こんな所で負けてられねーんだ!!」

次回 ウルトラマンジャスティス
第38話 「飛翔するものたち」
誰にだってゆずれない想いがある!!

次 回 予 告 B
宇宙怪獣がATDFの施設を狙って襲撃してきた。HOLY及びFLAMEの総司令松岸は
その怪獣を見て、人が変わったようにHOLYのメンバーに突撃を命令する。

「あたし達はあんたの道具じゃない!!」
「貴様自身がこいつらを道具として扱ってるのではないのかね?」
松岸に一体何があったのか?そして松岸は語り始める。

「奴は私が倒す!いや、私が倒さなければならないんだ!!」

次回 ウルトラマンジャスティス
第38話 「復讐の戦士」
今、明かされる松岸の過去・・・・・・・

67 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/16(月) 00:36 ID:???
という訳でこの二つのどちらかを次回の話にするです。

今回の話はここまでです。この話は結構前から考えていた(その頃は百合子や
翔もいなかった)色々とエピソード書いてるうちにここまでずれ込んでしまいました。
あずまんがマニアックスという同人誌で結局お蔵入りになってしまったエピソードを
自分なりに解釈して書いたのが今回の話です。
ではまた次回

68 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/16(月) 00:38 ID:???
>>47
ともねこって・・・・・・また随分と懐かしい物を(w
あれ書いてた時はかなりこっ恥ずかしかった記憶があります。

>>48
どうも、初めまして。

>>49
まあ、今回くらいは大目に見ましょう。

>>51
そこから先の展開に期待してます。

69 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2004/08/16(月) 00:44 ID:???
>>66
無責任にBと言ってみるテスト。

70 :機動戦艦 :2004/08/16(月) 17:46 ID:???
展開的にA!

71 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/16(月) 21:39 ID:???
さぁーーーて投下ですよぉー

72 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/16(月) 21:39 ID:???
第陸章【ミッドウェー攻略戦】
時刻五時〇〇分
まだ少し暗めの甲板の上を、カツ、カツ、カツ……木と木が当たる音が響く。
その音の正体は―――智だ。彼女の左足はボッキリと折れていたのだ。まぁ、数ヶ月で直りそうだが……
「大丈夫か滝野?そこまで無理しなくてもいいだろ」
五星が赤城の甲板で、智に声をかける。
「私は全然ダイジョーブ!それに行った方がいい予感がするっ!!」
「予感ねぇ……」
彼は他人のやることに口を入れないタイプだ。普通なら「絶対止めろ」と言うだろうが……
「わかったついて来い」
そう言うと、五星は九九式艦爆に乗り込んだ。智は、慣れない義足で後部銃座に乗る。
「よし、発進するぞ!」
二人が乗った機は勢いよく甲板をけって、まだ朝日が出ていない黎明の空に飛び出した。

数十分後、戦艦大和の艦内では山本長官が見守る中、その46cm砲の発射準備が終わりかけていた。
左に向けられた九門その砲門は、あまり高くない仰角で敵えお捕らえていた。
「目標補足!仰角よし、旋回角よし、射撃準備よし!」
「真珠湾から半年。再びこの大和の主砲の威力を見せ付けるときが来た」
そう言いつつ、山本は戦艦の主砲が威力を発揮できるのは、もう数年だけだろうと思っていた。
彼はすでに航空戦力の強さを知っていたのだ。これからの戦闘は、攻撃機が勝敗を決する、と……
だが、それは―――
「艦長、発射を」
彼は考えるのを止めて、今は今に集中することにした。
「はっ。撃ち方始め――――!!」
大和の主砲が轟音とともにその巨大な砲弾を吐き出した!
同時に長門、日向、霧島……と戦艦をはじめ、巡洋艦、駆逐艦の砲撃、航空機からの爆撃がミッドウェー島を揺るがした!
すでに航空部隊の攻撃で寛大な被害が出ているミッドウェー島の、隅から隅までが炎に包まれる。

午前〇六〇〇。朝日がその燃え盛る島を映し出している。
その上空を大阪とちよの代わりで、よみが戦闘ヘリで飛行していた。
「水原よりやまとCICへ。日本軍機動部隊はミッドウェー島を攻撃中。島に寛大な被害が出ている模様」
「やまとCICより水原三尉へ。こちら神楽。了解した。そのまま島の上空で待機していてくれ」
まだ任務についているので、智や大阪と違い、二人とも愛称では呼び合わない。
かなり高度をとっているので、今のところ日本軍機や米軍機に捕捉はされていない。
――足の遅いヘリだから、捕捉されたらちよちゃんのように―――
そういう考えが、よみの頭をよぎる。そして、
――智も、こんな炎のしたで死んだのかな……
そんな考えも思い浮かぶ。最後の姿すら見れなかった。
首にかけている木製のブローチのカバーをずらす。智と一緒に作った、世界で二つしかないブローチ。その中には二人の写真が。
その中の二人は満面の笑みで笑っている。だが、この笑顔は写真だけのものになってしまったのだ。
しかし、彼女は泣けなかった。仲間の死を経験しすぎていたから……
――もう、智が死んでも泣けなくなっちゃった……
泣きたくても泣けない。説明しにくい感覚がよみを苦しめる。その苦しみから逃れようと、ブローチのカバーを戻した時だった。
ギャウウゥゥゥゥ――――……
爆発音じゃない、何かの鳴き声が辺りに響き渡った……

73 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/16(月) 21:41 ID:???
それは―――鳥のようだった。
体長5m、翼長10mといったところだろうか?
羽毛はなく、茶色い皮膚のようなもので覆われている。後頭部が角張っており、翼の中腹には爪がついている。
まったく見たことのない鳥だ。
「何だあれは?」
零戦や艦爆に雑じって、そいつは飛行し続けていた。
そして、カァ――ッという音が聞こえたかと思うと、口の先の背景が歪んだ。炎の上の背景が揺らめいているような感じである。
ビシッ、ビシビシと九七式艦攻の窓にヒビが入る。直後、鳥は黄金色の光線を吐き出した!
それは正面を飛んでいた艦攻の翼をバッサリと切断した!
さらに、脱出してパラシュートで降下中のパイロットに噛み付くと、体を引き裂き、食したのだ!!
「野郎!」
五星は護衛の零戦に向かって、「あいつを撃ち落せ」と信号を送り、その鳥を指差した。
零戦は一直線にその鳥目掛けて急降下。真上から奇襲をかけた!
20mmと7.7mmの銃弾が雨霰と鳥に降り注いぐ。
羽を打ち抜き、胴体に何発もの銃弾が直撃する。さらにその後上昇して、後ろからの機銃照射。
流石の鳥もこれには耐えられず、呻き声をあげながら高度を下げていく……
そして派手な土埃を巻き上げて鳥は地面に突っ込んだ。その後鳴き声をあげた直後、五星機からの60kg爆弾が鳥の頭蓋骨を粉砕した!
首から上を失った鳥は力なく地面に突っ伏した。
一体あの鳥は何だ?その場にいたほとんどの者がそう思ったに違いない。
その時だった。さらに十数匹、その鳥が現れたのだ!
中央には今までのやつらよりもでかいのが数匹。どう見ても翼長50mや100mはありそうだ。
「何なんだよあいつらは……」
しかも鳥達は進路を変え、艦隊の方へと向かっていったのだ!

鳥が翼を羽ばたかせる光景は、飛行機の飛び交う中で異様に目立っていた。
その中でも異常にでかいのが二つ。最初は観測員もそれが何かはわからなかった。
が、九七式艦攻から、『巨大ナ鳥ガ出現ス。光線ヲ吐キ、危険ト思ワレル』と連絡があって、やっとそれが鳥だということがわかった。
その報告は、真っ先に山本五十六連合艦隊司令長官に伝えられた。
「米軍の――生物兵器でしょうか?」
そばにいた参謀の一人が山本に意見を聞いた。
――地球が…… 怒っているのかもしれんな
前に、ソドムとゴモラという町があり、それらは住人の罪悪の為に神に滅ぼされた。という話を聞いたことがあった。
――それと同じように日本とアメリカも……
彼はそんなことを考えていた。
「長官?」
しかし、それを克服し、屈服させるのが軍人なのだと彼は思う。勝ち負けを考えてはいけない。勝たねばならないのだ。
「少なくとも見方ではないようだ。攻撃目標を米軍からあの鳥に移せ」
そう言った直後だった。
「大型鳥類針路変更!こちらに向かってきます!!」
「対空戦闘用意!目標左舷0266、旋回急げ!」
島を向いてた砲門は、ゆっくりと鳥の方へと向いていく。
零戦が一機、光線によって真っ二つにされ、地上に激突したのが見える。

74 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/16(月) 21:43 ID:???
「艦長。速力を落として砲手があいつらを狙えるようにしてやってくれないか」
山本は一番大きい鳥を指差しながら、艦長の高柳儀八大佐の方を向いた。
「しかし回避が……」
「あんな光線。避けられるわけは無いだろう」
いくら艦長とはいえ司令官、ましてや連合艦隊の司令長官には逆らえない。
「了解しました。速度、第一戦速へ」
艦の速度が遅くなり、他の艦も大和にあわせ減速する。
一方鳥は、零戦の機銃を受けながらも艦隊の中へ突っ込もうとしていた。
小型の鳥――といっても10m位はあるが――が、大型のよりも先に高角砲や機銃の射程内に来た。
零戦の攻撃を見事にかわしながら、こちらに向かってきたのだ。
「第二砲塔目標捕捉!」
「左舷高角砲発射用意よし!」
「第一副砲射撃準備よし!!」
「射撃開始――――っ!!」
無数の砲門が、鳥目掛けて斉射された!
なかなか当たらないが、時折、高角砲や機銃が直撃して海面へ落ちていくのが見える。
そんな時だった。戦艦――長門の第四主砲の砲門をバッサリと切断したのだ!
切断された砲門が甲板を凹ませて落ちたときには、流石の戦艦乗員も肝をつぶした。
さらに戦艦――山城の艦橋をバッサリと切断する。
その特徴的な高い艦橋は、轟音と共に海面に叩きつけられた。無論、艦橋要員は即死である。
しかし、流石に船体の装甲までは破壊できず、削り取る――それでもかなり深いが――程度にしかなっていない。
そんな中、一番の大物がヤ大和に迫ってきた。
「大型鳥類接近してきます。距離10000!」
「主砲、副砲、発射用意よし!」
「艦長、一撃で決めろ」
鳥はまっすぐに大和を目指して飛んできている。
「私の合図で一斉射撃だ」
その時、鳥はまたあの呻き声をあげた。艦橋のガラスにヒビが入る。
このままではガラスが割れる。艦橋要員がそう思い、鳥が目の前まで迫ってきた時だった。
「撃(て)――――!!」
大和の46cm砲が火を噴いた!
その衝撃波で、ヒビの入っていた艦橋の窓はバラバラに吹き飛ばされた――これによって負傷者が数名でた――。
砲弾はうまい具合に迫っていた鳥の少し手前で爆発。無数の鉄片と高熱油の粒を浴びせたのだ。
鳥は火達磨となって、海面に墜落した。
それ目掛けて、砲撃、及び雷撃が加えられる。数十本もの水柱が立ち上がり、流石の鳥もゆっくりと海中に没していく。
が、もう一匹の方が、大和に突っ込んできた。主砲の旋回は間に合わない!
刹那、その鳥目掛けて巨大な火の玉が海中から飛び出してきたのだ!!
それは鳥に直撃し、木っ端微塵に爆砕したのだ!大和を真昼間、いや、それ以上の明るさと熱さが照りつける。
次の瞬間、とてつもなく大きな影が、海中から姿をあらわした!
体長は50mといったところだろうか?それは亀のようだが巨大な牙を持っており、海面から出た瞬間にそれで鳥を一匹噛み殺した。

75 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/16(月) 21:45 ID:???
「鳥の次は亀か?何の冗談だ」
「さぁな。ここは怪獣の研究施設か?」
五星と智がそう話しているうちに、後ろに鳥がついてきていた。振り切れない。
「五星!後ろから来てる!!」
「しまった!振り切れない。撃ち落してくれ!」
智が後方機銃で応戦するも、7.7mmでは致命傷が与えられない。
「ダメだ!撃ち落せない!!」
光線が吐き出される。瞬間、五星は巧みに機体を傾け、それを回避する。
その時、その鳥を一機の零戦が蜂の巣にした。鳥は頭から地面に突き刺さり、動かなくなった。
「春日!」
その鳥を撃ち落したのは春日だった。
春日は五星に『主脚をやられているぞ』――九九式艦爆は固定脚なのだ――と伝えてきた。さっきの光線で斬られたらしい。
機体が少し右に傾いている。と、言うことは左の脚がやられているということだ。
「冗談じゃない。五星、海に不時着しよう。そのほうが……」
「いや、それが……」
五星は冷や汗をかいて、しどろもどろで智に言った。
「エンジンやられたらしくてオイルが……」
智が振り返ると、エンジンから黒い油が漏れ出しているのがわかる。
「どーすんだよ!ここでお陀仏なんて御免だぞ!!」
「そんな状態で出撃するって言ってきたのはお前だ!
 やれることはやるが、もしものときは自分を恨め!お願いだから化けて出てきたりするのは止めてくれよ」
草ぼうぼうの地面が刻一刻と迫ってくる。
「何だよ、お前は生き残るみたいに!」
「ああ、自分は生き残る。どっちか死ぬとしたらお前だ!」
フラップを下げ、極限まで減速する。翼が木をかすめ、風で葉がヒュウとたなびく。
「化けて出てくるのはお前だ。私が生き残る」
「冗談言ってる場合じゃない。不時着するぞ!!」
「「うわぁぁぁぁぁぁ――――――――!!!!」」
まずはしっかり固定されている右の脚が地面を滑る。そして、折れた左足が地面を抉り、ブレーキの働きをする。
当然機体は左へと、草木を引きちぎり、弾き飛ばしながらカーブしていく……
プロペラが土を跳ね上げ、風防を真っ黒に染め上げ、五星の視界をさえぎる。
ガクンガタガタ……と機体が大きくゆれ、二人の体へ衝撃を加える。
そしてズシン!という重い衝撃とともに、岩に激突。やっと機体は静止した。
五星がほっとして前を向き、口を開いた
「おい、滝野」
「あ?」
「すごく言いにくいことなんだけど……」
「うん。こっちもすごく言いにくいことが……」
二人はお互いに振り向きあった。その”言いにくいこと”を確認するために。
予想通りの映像が目に入ってきた。鳥に四方を取りに囲まれている。
「機銃使えるか?」
五星はベルトをはずして、拳銃――五星自身が改造したリボルバーだ――を取り出した。
「ああ」
「よし、援護頼む!」
そう叫ぶなり、五星は鳥の眼球を撃ち抜いた!それが引き金となり、鳥達が正に獲物を目の前にした鷹のように一斉に押し寄せる。
智の旋回機銃が火を噴き、鳥達を蜂の巣に――先ほどとは違い、これだけの至近距離だからだ――仕立て上げる。

76 :あずまんが太平洋戦記 :2004/08/16(月) 21:45 ID:???
一匹が風防を破って五星に襲い掛かってきた!五星は、左手に握った軍刀を鞘ごと鳥に噛ませ、そこから抜刀して鳥の首筋に突き刺した。
彼は風防を蹴破り、機体の外に出た。十数匹の鳥が群がっていた。まだ飛べないらしく、飛び上がって襲い掛かってくる。
主翼の上に立った彼は、飛び上がった鳥目掛けて銃弾を放ち、刀で斬りつける。
さらに、これに気づいた零戦が空中から援護する。
立ち上がる砂煙と鮮血。二人の顔がそれらに汚されるが、そんなことを気にしてはいられない。
そんな時、二人の真上から鳥が二匹突っ込んできたのだ。
最初に気づいたのは智だった。零戦も追ってくるが、こちらが射線に入るので多分撃てないだろう。
だが、そこから脱出するには時間的に足りない距離。
「五星、上!!」
五星が見上げた時、すでに避ける事ができない距離だった。
鳥は銃をごと彼の腕に噛み付いた。さすがの彼も銃を手放し、それを飲まれてしまった。
だが彼がニヤリと笑った直後、バシュッ!という風を切る音が。
それは、いつぞやのボウガンだった。矢の先についた毒は鳥にも効果的で、一瞬にして全身にまわり、その生命を絶ったのだ。
その手を鳥の口から引き抜き、他の鳥に狙いを定め、一匹、また一匹と仕留めていく。
だが、もう一匹が風防を突き破り智の左肩に噛み付いていた。
そのまま座席から彼女を引きずり出した鳥は、空へ連れ去ろうと羽ばたいて上昇を始めた。
「――――っ!!」
彼女も連れ去られまいと、その噛まれている左腕で掴んだ。まだガラスが張り付いている風防の枠を……
手から鮮血が溢れ出す。さらに鳥が揚力を失わないために旋回を始めた。
腕のねじれが限界に達したら一瞬手を離して、また掴む。そのつど違う場所の肉が抉れ、彼女の手を破壊していく。
それに比例して、肩に突き刺さる牙も少しずつ内部へ侵入してくる。
目の前に迫る鳥の目がギョロリと彼女をにらむ。
「痛い、痛い…… 放せっ、放せよぉ……」
かすれた声で鳥に懇願したが、それを聞くわけもなかった。
右手で鳥の顔を叩いたり、口をこじ開けようとするが意味はなく、逆に激痛という形で反動が返ってくる。
――このまま死んじゃったほうが楽もしれない……
頭の中にそんな考えがよぎる。
――助かるわけ…… ないよね……
彼女には五星を呼べるだけの体力が残っていなかった。
それに、彼女は一回死んだ。もう、死ぬのなんて…… 別にかまわない。
そして智は…… 自ら手の力を抜いた。

77 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/16(月) 21:46 ID:???
さて投下完了。明日から学校の宿題にはげまんと(苦笑

78 :機動戦艦 :2004/08/17(火) 15:08 ID:???
お気に入り戦艦長門級キター!
しかし・・・・いったい何が?

79 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/18(水) 00:22 ID:???
お、とうとう化け物襲来か?
世界はどうなるんだか、非常に気になる。

80 :統帥本部総長 :2004/08/18(水) 00:45 ID:???
三式弾を使えば一網打尽だったのに・・・
「天地否、それ、亡びなん」ですか?

81 :名無しさんちゃうねん :2004/08/19(木) 00:56 ID:???
ここのSSってどれもあずまんが大王のSSである必要性がないんじゃないか?

82 :名無しさんちゃうねん :2004/08/19(木) 01:41 ID:???
>>81
それは全ての二次創作について言える。

これらのSSは、あずキャラをこんな舞台で動かしてみたいという、
職人さん達の妄想の産物なのだから、
必要性云々は書き手自身にとっては大した問題ではないだろうね。

83 :名無しさんちゃうねん :2004/08/19(木) 01:53 ID:???
>>81
逆に問う。元ネタのキャラを出す必要性のあるSSとはいかなるやと。後学のためにもご教授を。

84 :81 :2004/08/21(土) 01:47 ID:???
>>82
あなたの言うように書き手自身の問題ではあるのは分かっているが、
他の作品の世界の中についでのようにあずまんがをはめ込んでいるものが多く見受けられるため、
それが我慢できない人間もいるのです。
また、オリキャラに関しても、作品に深みを与える上ではある程度は必要なのかもしれないが、あずキャラ以上に目立ち、
挙句の果てにそのオリキャラが話のメインになってしまうと、それはもうあずまんがであるとは思えないのです。

>>83
やはり、あずまんがの原作に適した世界観のあるSSが必要性のあるSSではないかと思う。
(もっとも、これは一個人の勝手な意見であることは重々承知しているが)

85 :名無しさんちゃうねん :2004/08/22(日) 09:23 ID:???
(控え室5)
 できるだけ原作に依ったものを求める人もいれば、作者の自由な発想を尊重する人もいる。どちらかが一方的に正しく、それ以外は間違っているということはない。
 そのことを改めて認識しただけでも、このレスのやりとりは意味のあるものであったと言えるでしょう。
 書き手としては、全面的に評価もされなければ否定もされないということで、書くかどうかは結局本人の意思次第なのだと理解してくれればよいと思います。

86 :名無しさんちゃうねん :2004/08/23(月) 13:36 ID:???
>>85氏がキレイにまとめた! 

87 :四国鉄犬 :2004/08/24(火) 10:19 ID:???
さーて、誰も読まない>>51の続きでも書くか

88 :四国鉄犬 :2004/08/24(火) 10:31 ID:???
○○(俺)「そうか。この猫はお前の・・・」
彼女は、静かに頷いてみせた。
マヤー「にゃあ」
榊「…そうか。○○が手当てをしてくれたのか。」
○○「分かるのか?そいつの言葉が」
榊「なんとなく・・・」
○○「それはすごいな・・・」
榊「ありがとう…この子を手当てしてくれて」
○○「ああ…」
榊「○○も手を怪我してる…この子が、噛んだんだな…」
○○「いや、平気だよ。このくらいなら…」
榊「でも、傷口から雑菌が入ったら大変だ…」
彼女は、俺を気遣っている。その気持ちを無にしてはいけない。
○○「ああ、分かったよ」
俺は応えた。

89 :機動戦艦 :2004/08/24(火) 18:25 ID:???
>87
そんな事はない、>53氏が続きを期待していたではないか?
かく言う私も期待している。

90 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/25(水) 02:09 ID:???
>>87
ちゃんと読んでるよ〜

91 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:35 ID:???
>>87読む読まないなんて考えるのはいい。小説をかくんだ(ぉ

さて続きを落とすか

92 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:36 ID:???
第漆章【生きたいから……】

「智か?久しぶりだなぁ」
私はよみと浜辺に座って話し合っていた。満天の星が夜空を埋め尽くしている。
約半年振りの再開。山ほどあった出来事を語って、しばらくたった時だった。
「あれ、作ってきたか?」
「おう!!」
二人とも手についた砂を払い、胸元から5cmくらいのブローチを取り出す。
「お前にしちゃめずらしいな。忘れなかったなんて」
「もー! そんなことよりも、ほら!!」
私が木の、よみが金属のペンダントの蓋を外して、交換する。
そんで、それをそれを自分のにはめた。私のと違って、よみのはすごくきれいに作ってあった。
「これで、どこにいても一緒だな」
「うん…… あ――!今、これが最後の別れになるんじゃないかとか思っただろ――――!」
「!!」
得意の読心術を使って、よみの心を読んだんだっけ。
「えーっと…… たとえ私が死んでも死ぬなよって?はっ、死ぬわけないだろ!」
「まったく、心配して損した」
そんで、よみの手を握って、恥ずかしがりながら、
「うれしいよ、よ・み」
って言ったけ。
「ばーか」
二人でクスクス笑った。
「いつか平和になったら…… 帰ってこいよ。待ってるからな」
よみが笑いながら手を強く握ると、
「あったりまえだろ」
私ももっと強く握り返した。
海鳴りが、夜の風と一緒に響いてたっけ……

93 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:37 ID:???
「に、しても……お前が艦長とはな」
やまとの艦橋。壁に寄りかかって、神楽が話し掛けてきた。
「悪いか?」
赤い夕日が、二人きりの艦橋内を照らしてて、機械に反射した光や、機械自体の光が輝き、赤いプラネタリウムみたいだ
「ま、いつかの時みたいに、バカはやらないでくれよ」
神楽はたぶん、あのマラソンの時のこと思い浮かべてたんだろうな。
「バカバカゆーな!」
「ま、そうだな…… 約束でもするか」
神楽は壁から離れ、食堂へつながる階段へ歩き出した。
――私も死なないから…… 死ぬんじゃねーぞ
あいつったら、わざわざ口に出さないで、微笑みながら、どことなく悲しそうな顔をして、心で話してきた……

94 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:38 ID:???
確か横須賀の自衛隊機地。たまたま休暇をとって大阪とちよに会いに行った時だ。
「へぇー 大阪が飛行機に……」
コーヒーが湯気を立てて、私たちの顔をその黒い表面に映し出している。
「そうなんやでー でもな、ちよちゃんなんかもっとすごいで。研究者やりながら飛行気乗りやからな」
轟々と風と雨が外で喚ぎ、時折雷がその声を轟かせる。
「あっ、大阪さに智ちゃん。ここにいたんですか」
ちよちゃんがが部屋に入ってきた。
「ちよちゃ……うわっ、誰っ!?」
ちよちゃんが小さい――まだ0か1歳くらいの赤ん坊を抱えている。しかも、彼女そっくりの。
「うわっ、かわい――――っ!!何!?ちよちゃんの子供?」
一瞬「こいつ、やるな」って思ったっけ。
「いえ…… 私のクローンです。つい数日前に生まれたんですよ」
「へぇー、今の科学はすごいなぁ」
私と大阪がその赤ん坊の頬をうにうにとつつくと、マシュマロみたいに柔らかかった。
「まだ、名前って決めてないんやろ?」
「そーだ。コピーってのはどうだ?ちよちゃんみたいに賢くなるってので!!」
今更だが、クロや大阪みたいにそのまんまの名前だ。
「あははは、そんな賢いだなんて……」
ちよちゃんがが照れ笑いして、頭をかいた。
「それええな!じゃあ、君は今度からコピーちゃんやで〜〜」
「あ、あうう――ああー」
コピーが笑いながら手をばたつかせる。
「かわいいなぁ……」
「智ちゃん、そろそろ時間じゃないですか?」
ちよちゃんが指差した壁の時計を見ると…… 出航時刻まであと少ししかないじゃん!
「やばっ!」
まだ熱いコーヒーをグイッと飲み干して、少しむせてから豪雨の中に飛び出た。
顔を叩きつける雨粒が、少し気持ちよく感じた。
「ともちゃん!!」
出て行こうとする私を、ちよと大阪が引き止めた。
「幸運を!」
「また顔見せてや――!」
私もグッ!とサインを出して、研究所から出たんだよな……

95 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:38 ID:???
「…………」
ぼやけた目の前に広がる艦爆の残骸と、だらしなく垂れ下がる自分の体。
夢から覚めた私が最初に見たのはそれだった。
さっきの夢は何?
皆と別れた時の……

  帰って来いよ                また会おうぜ
              必ず戻ってきて            死ぬんじゃないぞ
                               お別れです                   また会おうな
生きろ        これが最後じゃないぞ
                                         あばよ
                    いつか、戻ってくるから
    じゃ、またな                              今までありがとう。


さっきの四人だけじゃない。
何人もの出会って、そして別れていった仲間達もいる。
その中には…… もう一度再開したやつ、違う戦場へ戦いに行ったやつ、傷を負ったやつ、行方知れずのやつ。
そして、永遠の別れ…… しかも直接最期をみとったやつもいる。
そいつらの心の中は決まって二つのことで一杯だった。
一つは死ぬってのがわかってて、静かに死んでいったやつ。
もう一つは、最期まで「死にたくない」と足掻いていったやつ。
しかも、心が読めるだけに、余計にその辛さが伝わってきて……
残してきた家族、友人、そして自分の人生…… 全部が自分の心の中に入ってくる。
それを考えると、なんて私はバカなんだろう。ただ辛いからっていう理由だけで諦めるなんて……
それに、やっぱり死にたくない!
生きて帰って、よみや神楽や大阪に「お帰り」って言ってもらいたい!
帰れなくても…… ここで歴史を変えて、あんな戦争を起こしたくない!

右手でその霞みを目から拭い取った。ぼやけていた景色が一瞬にしてはっきりする。
だが、それは絶望への扉だった。目の前に鳥の群れが迫っていた。彼女を―――食べるつもりだ!
――生きたいよぉっ!助けてっ!!
智はいつの間にか、勾玉や首飾りと一緒に一緒に、よみのブローチを握っていた……

96 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:38 ID:???
ズキッ!!
「――――っ!」
神楽の頭の奥で、何かが弾けた。全身から力が抜る。
「かっ、艦長!大丈夫ですか!?」
コピーがそばに駆け寄って、倒れ掛かった彼女を支えた。
「ああ。目眩がしただけだ……」
そう言うと、艦長席に腰をかけた。
痛みは頭だけじゃなく、腕、脚、腹にも移っていく。
だが、神楽はそれを口に出さなかった。
今、自分がこの艦を指揮している。自分が倒れたら、この奇妙な状況の中で、誰が指揮をとるんだ?
その仲間を思う気持ちが、彼女を支えていた……

97 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:39 ID:???
「うがぁっ…… がはっ…… このや、うわぁぁっ!!」
智は、鳥に囲まれていた。体中に噛まれながら。
皮膚を裂き、肉を抉り、血管を切る。体中が激痛に包まれる。
さらにその鳥は、実際に智の目に入ってきたのだ。右目に口を衝きたて、眼球を引き抜く。
鋭い痛みとともに、腹部へ垂れる液体の感触。それが、傷口から体内へ流れ込んでくるかのような感覚。
自分が食べられている。食べられていく。皮膚や、肉ではなく、神経自体が切断される激痛。
気が狂いそうだった。だ、彼女は狂いそうになるのを必死で抑えた。生きたかったから……
だが、その希望にも終止符が打たれてしまった。
一匹が智の喉元へ口を近づけてきたのだ。
――ああ、やっぱり無理だった
また、彼女の視界が霞んできた。涙か、それとも意識が遠のいてきたのか……
やっぱり出撃するべきじゃなかった。どうしてこんなに失敗ばかりするんだろうか?
こんな経験、今まで何回もしてきたはずなのに……

智が絶望に包まれた時、あの火の玉が彼女の目の前を照らした!
物凄い熱風だった。目の前にいた鳥は一瞬にして消し飛ばれらのだ。
それが、希望という名の道に見えた。下を向く。五星は最後に残っていた鳥を軍刀で、頭から切り裂いていた。
「五星――――!!」
彼が上を向き、やっと事態を把握した。
それを見計らって、彼女は渾身の力をこめて、腕を…… 自ら引きちぎった。
ブチブチブチという感覚だけが伝わってくる。痛みは―――麻痺していて感じなかった。
そして、肩の関節から腕が引きちぎれ、彼女の体は中に投げ出された。
直後、あの亀から火の玉が吐き出され、彼女を呪縛してた鳥を爆砕した。

98 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:39 ID:???
ドスン!
「っ〜〜〜〜!!」
五星の足がジィ――――ンと痺れる。
「あ、五星」
「大丈夫か、ちょいと待ってろ」
智は立ち上がろうとして、右足を出して、左足も地面につけようとした。が、そのまま前につんのめった。
誰かに脚を掴まれたような感覚。一体誰が?そう思って自分の足を左目で見た。
だが、誰も掴んで、いや、掴めないことがわかった。
彼女の左足は、折れていた膝の下のところから引きちぎられて持っていかれてたのだ。
「この調子じゃ、援軍が来るのに結構時間がかかりそうだな。少し我慢しろ」
「っっ!!」
五星はそう言うと、まず余分な部分の肉や骨を軍刀で切断した。
次に、懐から金属製の容器を取り出して、中の酒を智の傷口にかける。
「この焼酎、結構値が張ったんだぞ」
右目、左肩、左足にその酒をかけられるたび、もぎ取られた時とは違う痛みが体を走る。
そして、智の上着を脱がせ、右腕の部分を軍刀で切り裂く。
胴体の方を左肩に巻きつけて、ギュッと縛る
さらに自分も上着を脱ぎ、それを左足に巻き、腕の部分できっちりと縛る。
そして、引きちぎった腕の部分を右目を隠すようにしてしっかり縛る。
「ま、これで大丈夫だろうな」
腹筋の要領で智が起き上がった。
「あー、クソ。死ぬとこだった!あの鳥、次会ったら絶対ぶっ飛ばしてやる!!」
智が右腕を大きく振り上げる。
「に、しても、よく足と腕と目を持ってかれたってのに…… 元気だねぇ」
先ほどの余った焼酎を飲みつつ、五星がため息をついた。
「だってさ、終わったことクヨクヨしてても仕方ないじゃん!」
「お前…… 大砲くらっても死なねーよ」
「うるせ――――!」
「あっ、あ〜〜〜〜!!」
智は五星から酒を奪い取り、一気に飲み干してしまった。

99 :(。-∋眠)<.。oO(眠い名有り) ◆4sS6D/pkQc :2004/08/25(水) 21:40 ID:???
よーし、次もガンバロー

100 :機動戦艦 :2004/08/26(木) 20:46 ID:???
100GET!
>99
No〜!とぅぉもぉ〜!

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