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スレッドが大きすぎます。残念ながらこれ以上は書き込めません。

【あずまんが】SS書きの控え室6

1 :◆5xcwYYpqtk :2005/02/03(木) 23:43 ID:???
 ストーリーの構成、キャラの造り方、言葉の使い方など、あずまんがのSSや
小ネタを作成する上で困ったことや、悩んでいること、工夫していること等を話し合う
スレです。
 また〜り楽しんでいただければ幸いです。
 ここで新作をUPすることも可です。

★主な注意事項
1. sage進行でお願いします。
2. 対象範囲は「あずまんが大王」及び、連載中の「よつばと」とします。
3. 他人の作品を善意であっても批評しないでください。(自分の悪いところを
教えてくださいというのは可です。)
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します。

101 :名無しさんちゃうねん :2005/02/16(水) 21:02 ID:???
>>97
惑星クラスの超巨大なゲッターロボ。ゲットマシン形態でも惑星より遥かに巨大で
口から発射するゲッタービームが必殺武器、合体すると惑星をも握りつぶす(石川氏談)
2chの「漫画界最強キャラ決定〜〜」スレの常連。

102 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/02/16(水) 21:08 ID:???
ゲッターエンペラーに続く大きさのゲッター聖ドラゴンは出そうにないかな
あれも惑星サイズの大きさ

103 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/02/16(水) 21:59 ID:???
>>102
聖ドラゴンですか・・・・漫画で一回しかでてきてないので分かりませんね・・・。
個人的にはOVA「チェンジ!!」のゲッター1を改造した機体「ブラックゲッター」が
好きです。

104 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/02/16(水) 22:06 ID:???
ブラックは格好いいですね、渋くて
聖ドラゴンはOVAの「新」でも出てましたよ

105 :序章〜流竜馬〜(2) 1/2 :2005/02/16(水) 22:28 ID:???
===========================
この作品はグロテスクな表現が含まれています!
閲覧は自己責任で!!!!!
===========================

CHANGE GETTER ROBOT THE STORY
序章〜流竜馬〜(2)

「そこの女ぁ!! 伏せろぉっ!!! 」
男の声だった。とっさに神楽はともと共に床に伏せた。

ドグォォォォォォンンンン

凄まじい轟音が轟き彼女たちの耳をつんざく。
それから少したった頃、二人は顔を上げて絶句した。
天井から巨大な「腕」が生えて「怪物」のいた場所を叩き潰していた。
辺りには血が飛び散り、「怪物」の「人間だった頃」身につけていた服の破片や肉片がともと神楽の服を汚していた。
「おい! そこの二人、怪我はないか?」
さっきと違う男の声がした。その声からはなんとなく知性が感じられた。
「竜馬、無茶をするな。こいつは今、足の部分が無人でバランスが取れてないんだぞ。」
「だが、ああしなきゃこいつらは間違い無く御陀仏だったぜ。」
わざと聞こえるようにしているのか巨大な腕の上の方から二人の男の声がする。
そのときだった

106 :序章〜流竜馬〜(2) 1/2 :2005/02/16(水) 22:28 ID:???
「おい、大丈夫か?」
先ほど声をかけてきた男が二人に声をかける。
「あ・・・あぁ、怪我は・・・・ない」
「う・・・・うん・・・」
神楽とともが応答する。
「悪かったな、怖がらせちま・・・・?」
男の声が止まる。そして二人が「腕」の先を見たときだった。

グギャァァァァァァァァァッ!!!!!!!

腕の「怪物」はまだ生きていた。腕が千切れ、上半身を半分失ってもまだ生きていた。身体を半分潰されながらもまだ向かってくる
「しぶといんだよ!! この虫ケラがぁ!!」
そう叫ぶのと同じに「腕」が完全に「怪物」を押しつぶした・・・・・もう向かってくる気配は無い。
「ざまぁみやがれ!!」
意気揚揚と男が叫ぶ。ともと神楽はもう既に半ば放心状態である。
(ねぇ・・・・神楽・・・これってさぁ・・・夢の続きなのかな・・・・)
(・・・・多分・・・違うんじゃないかな・・服・・血なまぐさいし・・・・・)

このまま気を失ってしまうんじゃないかと二人は思った。
「あれあれ・・・のびちまったか?」
「仕方ないだろう。あんなもんみちまった・・・・!? 」
言葉が途切れる。
「竜馬ァ!! 二人を起こせ!!」
「どうした 隼人!?」
「そこいら中、敵だらけだ!! 急げ!!」

まだ、恐怖は終わってはいなかった・・・。

to be counted

107 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/02/16(水) 22:29 ID:???
ホラーっぽい終わり方ですいません・・・。

108 :ふれあい :2005/02/17(木) 01:59 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第47話 「ふれあい」

ちよ達が住む街から離れた場所にある浅霧高原。ここに今、幼き少女達がやってきていた。
一件すると男の子と見間違うばかりの外見の女の子早坂みうら、
緑色の髪が目立つ外見はちよとそっくりな小岩井よつば、長い髪をたなびかせて
いるのは綾瀬家の三女綾瀬恵那だった。
さらに今回はそれ以外の面子もいる。おっとりとした印象を持たせる女性、
そしてその女性の娘と思われる子供もいた。それはこのATDFの総監とその娘であった。
そしてもう一人、堀江紗奈の姿もあった。

「ここがあのでこの姉ちゃんが別荘持ってるってとこか」
「なんだかわくわくするね、よつばちゃん」
「おーそうだな〜」
早くもテンションが高くなっている三人娘。

「え?じゃあ木村先生の奥さん、今日いないんですか?」
作戦室内でちよはその話を神楽から聞いた。

「ああ。紗奈があのちびっこいの三人と一緒に浅霧高原に行く事話したら、
娘連れて行くって言って出て行ったよ」
現在は神楽とちよの二人しかおらず、他のメンバーはまだ来ていない。

「そういえば紗奈ちゃんは結局神楽さんの家に引き取られたんですね」
「まあね。私としても妹が出来たみたいで悪くないね。ちよちゃんやキョロには
悪いと思ってるよ。ごめんな」
「そんな事ないですよ〜。紗奈ちゃんも喜んでたじゃないですか〜」
「そうか。そうだな」
「おっ、珍しい組み合わせじゃん!」
「本当だ」
そこに智と暦が入ってきて、続いてかおりんと榊、千尋と歩の順に入ってきた。

「千尋ちゃん、あれからおじいちゃん達とうまくいってるん?」
「そりゃあ前よりはね」
「遅くなってごめん!意外と長引いたもんで」
「私も」

109 :ふれあい :2005/02/17(木) 02:00 ID:???
「いや別に構わないですよ〜」
全員が所定の場所に着くとモニターにある男の顔が映し出された。

「大橋副総監!」
「総監は今外出中という報告は聞いている。だから総監に変わり、私が指揮をとる。
異論は・・・・・・って何だあんた!?」
モニターに映って喋っていた大橋だが、何者かに押しのけられる。
変わりに映ったのは顔や肌の色が悪く、撫で方で眼鏡をかけた中年男性が姿を現した。
その眼鏡の奥の瞳はまったく見えない。

「やぁ、君達久し振りだね」
「き、木村先生!!何で!?」
そうそれは、かつて国語の授業を教えてもらった木村だった。
ついでに総監の旦那である。

「もちろん、妻の代理としてだ。さて諸君にはスクール水着に着替えて
もらって任務についてもらおうかと思う」
「そんなん出来るか――――!!」
かおりんと神楽が同時に叫ぶ。

「こら!いきなり出てきて勝手に仕切るんじゃない!指示は私が・・・・・・
ってコラ何をしている!」
「じゃあ体操服で・・・・・・・」
「断る!!!」
とても頼もしく力強い声で暦は否定する。

「仕方ない。飲みに行きましょう」
「って私もか!待て!私にはまだ任務が!どこ連れてく気だ!!」
木村に引っ張られて大橋副総監はモニターから姿を消した。
結局指揮は松岸が採る事になった。

「なんやったんやろ〜一体?」
「さあ。それにどうやってあそこに行ったんでしょうね?」
謎は深まるばかりだ。

「どうしてるかな?紗奈は?」
神楽は浅霧高原にいるであろう妹分の事を考えていた。

110 :ふれあい :2005/02/17(木) 02:02 ID:???
その紗奈は木村奥さんの娘と仲良く喋っていた。歳が同じという事もあり、
すぐに親しくなったのだった。彼女達は恵那とみうらより、一つ下である。

「ここっていいとこだよね、澪(みお)ちゃん」
「紗奈ちゃんもそう思うの?私もここは綺麗でいいとこだよね」
どうやら木村教師の娘の名前は澪と言うらしい。ちなみに奥さんの名前は琴音(ことね)。
ちなみに澪と紗奈は同じクラスとなった。

「あ、あそこが別荘みたいね。さあみんな着いたわよ」
琴音はここに来る前に百合子の許可を貰って別荘を使わせてもらう事にした。
別荘に辿り着いた面々は夏は泳ぐ事の出来る海で駆けずり回った。
実際、百合子とその仲間達は高校時代によく来ていたらしい。
そして夕飯は川でとれた魚を使った料理を奥さんは振舞うのだった。

「よつばがいちばんとったぞ〜」
「すごいな、よつばちゃんは」
よつばの所業に関心する澪と紗奈。恵那は台所で琴音の手伝いをしている。

「みうらちゃんも手伝ってよ」
「な、何で恵那は平気なんだよ。だってそれピクピクしてるじゃん!」
みうらは相変わらず魚を捌くのを見るのが苦手らしく近寄ろうとしない。
しかし、食べる時になればそんな事などすっかり忘れてあっという間に
平らげてしまうのだった。

その翌日・・・・・・・
恵那とみうらと澪が百合子達の住む桜花の街がよく見える場所へ行く道の途中で
彼女達はとんでもない者に出くわす。
彼女達が前を歩いていると横から怪獣と思われる者の姿が見えた。
その者は何かを食べているらしく、バキバキと噛み砕く音がした。そしてそれはこちらを向いた。

「も、もぐらかな?」
「そ、それにしてはでっかいよな?」
恵那とみうらがの言う通り、それはもぐらの姿をしていた。だが、そのサイズは
彼女達よりも大きかった。さらにこのもぐら、口のまわりが血でしたたっていた。
何かを食べていたのは明白だ。
みうらと恵那は声と足が震えている。

111 :ふれあい :2005/02/17(木) 02:03 ID:???
「も、もしかして怪獣!?」
澪の声も震えてる。その怪獣はこちらに気づき、一歩ゆっくりと踏み出してきた。

「ね、ねえみうらちゃん」
「そ、そうだな。今日は帰ろう」
「あっ、待って!!」
みうらも恵那も慌てて別荘の方向へと逃げ出す。澪も少し遅れて逃げ出す。
しばらくするとなんとそのもぐらが彼女を追いかけ始めたのだ。
もぐらがベースの怪獣なので当然四足歩行である。

「みうらちゃん、何かあの怪獣追いかけてきてるんだけど」
「な、何であたし達を追ってくるんだよ!!」
「とにかくみんなの所に戻ろう!」
その頃、別荘でも悲鳴を聞きつけ、奥さんとよつばと紗奈も外へ出る。

「あの声は・・・・・・何かあったのかしら?」
「あっ、えなとみうらとみおだ〜どうした〜?」
相変わらず呑気な声でよつばは尋ねる。そこに息せき切りながら三人が現れた。

「どうした〜じゃないよよつばちゃん!怪獣が出たんだよ!」
「も、もぐらの怪獣が!」
「あっ、こっちに来た!!」
そうこうしているうちに先程のもぐらが姿を現した。これには琴音も度肝を抜かれた。
しかし、他の三人に比べれば落ち着いている。紗奈もじっと怪獣を見ている。

「お〜もぐらのかいじゅうだ!おまえ、つよいのか?」
よつばが近づいていくが、怪獣は特に何もしてこなかった。
しばらくそのままの状態で時間が流れる。

「ねぇ、その怪獣が持ってるのって恵那ちゃんが持ってる人形じゃない?」
それまで黙っていた紗奈がもぐら怪獣が手に持っている物を指差して言った。

「え?」
恵那はもぐら怪獣の手を見てみると、確かに恵那がよく遊ぶ人形を手にしていた。
どうやら恵那はこの別荘に来る時もその人形を持っていたようだ。
逃げる時に落としたのだろう。

112 :ふれあい :2005/02/17(木) 02:04 ID:???
もぐら怪獣は恵那にその人形を差し出す。

「あ、ありがとう」
恵那はまだ警戒しつつも人形を受け取る。

「でも本当にこいつ襲ってきたりしないよな〜」
「大丈夫だよ。この子はとっても大人しいから。多分遊びたかったんだよ」
みうらも遠くに離れているが、紗奈は怖がる事なく怪獣に近づいていく。

「紗奈ちゃん、怪獣の心が分かるの?」
「何となくね」
そこらへんはやはり怪獣(ザビロン)に育てられた影響もあるのだろう。
怪獣も彼女らに危害を加える事なく、接してきた。
澪もよつばと紗奈にならって、怪獣に近づく。

「大丈夫みたいだねみうらちゃん。でもこれがカエルの怪獣だったら、
みうらちゃんはもっと驚いていたかもね」
「そ、そんな事ねーよ!変な事言うなよ!」
恵那に笑われ、みうらは首をぶんぶん横に振りながら否定する。

「この怪獣の名前なんてしようか?」
「モーグなんてどうかな?」
澪が発案する。反対する者はおらず、それが怪獣の名前となった。

「モーグ、よろしくな〜」
モーグの体をたたきながら、よつばは言った。モーグも嬉しそうによつばを撫でる。
そして彼女達はモーグと色々な遊びをした。
ボール遊びをしたり、もぐら叩きの真似事をしたりと・・・・・・・・・

「お母さん。怪獣って恐ろしいのばっかりじゃないんだね」
澪は目を輝かせて母親に言った。

「そうよ。怪獣といっても私達人間と同じ様にいろんなのがいるのよ。
もちろん悪いのもいるけど、あの怪獣みたいに人懐こいのだっているのよ」
天使の如く穏やかな笑みを浮かべる琴音。後で分かった事だが、
モーグはやはりもぐらの突然変異らしい。

113 :ふれあい :2005/02/17(木) 02:05 ID:???
「あっ、総監から連絡が入ったわ」
「何かあったんですか?」
「あるにはあったみたい」
かおりんと千尋はなんとも気の抜けるような声を出した。

「もぐら怪獣が出たんだけど、とても大人しくて人懐こい怪獣なんだって。
モーグって名づけて娘さん達と遊んでるって」
「紗奈も楽しんでるならいいや」
「しかし、モーグってそのまんまじゃん。もう少しなんとかなんないかなぁ?」
「子供の考えた名前なんだから仕方ないだろ」
「ともちゃんかて同じぐらいやん。痛い、やめてや〜」
暦の突っ込みの後、智は歩の脳天にチョップしていた。
神楽は紗奈が楽しんでいる事を知ってほっとしていた。

(またねこさんの宇宙人来ないかな?)
みんなとは離れた位置でぼーっとモニターを見ながら榊はそんな事を考えていた。

「このまま何事もなく終わってくれればいいんですけど」
ちよはボソリと呟く。

「モーグこっちだ〜」
モーグはよつば達と追いかけっこをしている。最初はおっかなびっくりだった
恵那やみうらもだんだんと自然に振舞うようになった。

「紗奈ちゃん、どう?楽しい?」
「うん、とっても」
澪の問いに紗奈はにっこり笑って答えた。

「おじさんがいなくなった時はとても淋しかったけど、今は彪乃お姉ちゃんが
いるし、それに澪ちゃんやよつばちゃん達もいるから」
「さあ、みんな。お昼が出来たわよ」
そこに奥さんがカレー鍋を持って皿に盛ってみんなに渡す。モーグにも渡す。
モーグも文句一つ言わずにそれを平らげた。

だがこの時、邪悪なる者が影からこの様子を見ていた事にその場にいた誰もが
気づく事が出来なかった。

114 :ふれあい :2005/02/17(木) 02:06 ID:???
>>107


前半はここで終わり

115 :National defense Secretary(国防委員長) ◆pD5R0lbW0. :2005/02/17(木) 03:15 ID:???
>>114
質問!!「大橋副総監」のフルネームが知りたいです。

116 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 19:14 ID:???
歴代ウルトラマン VS ゲッターエンペラー1

117 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 19:16 ID:???
「神隼人君と愉快な中間達」なら並の怪獣を素手でバラバラにできそうだ

118 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 19:23 ID:???
>>117
ま・・・まさか「モグロー」を・・・・・(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル ((((

119 :118 :2005/02/17(木) 19:25 ID:???
「モーグ」だった

ゴメソ

120 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/02/17(木) 19:29 ID:???
作品製作・・・・開始ッ!!

121 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/02/17(木) 20:01 ID:???
===========================
この作品はグロテスクな表現が今回は含まれていません!
閲覧はご自由に!!!!!
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CHANGE GETTER ROBOT THE STORY
序章〜流竜馬〜(2)

「なんだと!?」
「竜馬」と呼ばれた男がそれに驚き、叫ぶ。
「あぁ、かなりの数だ。さっきの「機甲蟲(バグズ)」は囮だったようだ、この学校はまだ無事だが・・・・このままでは
 制圧されるのも時間の問題だ・・・・。」
「くそっ!! この学校にはプロトゲッターのパイロット候補も通ってんだぞ!!」
「・・・・恐らく、奴らもそれを知ってて襲ってきたんだろう。「プロトゲッター」を完全な「ゲッターロボ」にさせない為に・・・
この「弁慶」の欠けた「旧ゲッター」じゃ奴らと闘うのは・・・・無理だからな」
悔しそうにもうひとりの男がつぶやく
「隼人、今は泣き事言ってる場合じゃねぇ さっさと蟲ケラを叩き潰すぞ!!!」
竜馬はあくまでも強気だ。これはある意味どんなことにもプレッシャーを感じない大阪と似たことがある。
「ん・・・・・・? 何故だ?・・・レーダーから「機甲蟲」の反応が消えている・・・・・。」
「な・・・・何!?」
確かに・・・・数秒前まで真っ赤な点で埋め尽くされていたレーダーは今は綺麗に真っ白である。

「・・・・・・隼人、ゲッターを頼む。俺はこいつ等を保護する。聞きたいこともあるからなそれと「ジジィ」にこの事を伝えてくれ」
「あ・・・・あぁ、頼む・・・・・・。」
そういうと竜馬はコックピットのボタンを押し、機体の外へ飛び出した・・・・ちなみに高さ15メートルである。
「ほらよっと」
・・・・全く信じられないがこの高さから飛び降りてまったくダメージを受けていなかった。普通の人ならここからまともに
飛び降りれば天国か病院行きは確実である。
「お〜い、だいじょうぶか〜?」
やや穏やかな口調で二人に問い掛ける竜馬、
「いやいや・・・・・たいした・・・・・ふに・・・・」
「・・・さか・・・しょ・・・ぶ・・・・・・・・・・」
とまた二人は器用な寝言を呟いていた。

to be counted

122 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/02/17(木) 20:48 ID:???
>>118
モグローは恐竜帝国の地中魚雷ですよ。
それに・・・・「奴ら」ならやりかねない

123 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 22:22 ID:???
最近スレタイ無視の多いスレはここですか?

124 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 22:24 ID:???
いや、別のスレだと思うよ。

125 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 22:48 ID:???
ここって、『あずまんが』のSSのスレだと思うんですが、そんなにゲッターエンペラーやらが良いのなら板をつくっていただいたらどうなのですか?
正直に言うと知らない人間からみたら単なる雑談かレスの無駄使いにしか見えません。
無論、作品は違いますが

126 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 23:01 ID:???
いや、ここは控え室ですし、SSがらみの話題だと思うのですが…
あずまんがと別作品との融合作品は認められているわけですから。

127 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 23:08 ID:???
>>126
私は融合スレのことを言っているのではありません。
あんまりルール無視の雑談なするなと言いたい。>>1-2

128 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 23:14 ID:???
じゃあドコで議論すればいいのか? やっぱスレ立てかな?

129 :名無しさんちゃうねん :2005/02/17(木) 23:30 ID:???
こことかは?
http://so.la/test/read.cgi/oosaka/1044204645/l50

130 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2005/02/17(木) 23:35 ID:???
>>115
特に設定してません。すいません

131 :名無しさんちゃうねん :2005/02/18(金) 00:19 ID:???
戦い系多いな、そんなに良いのか?
何を求めてるのやら

132 :Wish your happiness 1 :2005/02/20(日) 02:32 ID:???
「wish your happiness」

 今、かおりんが心配に思っていることが一つだけある。しかし、一つだけとは言え最大
の心配事でもある。
 それは、かおりんの最愛の人・榊に関しての心配だ。最近、榊がどこか淋しそうな表情を
浮かべているのが妙に気になっているのである。
 今日も廊下ですれ違いざまに榊にあいさつをしたが、榊はどこか上の空で何かを思いつ
めたかのように見えた。そんな榊の顔を見つめるたびに、かおりんの胸にも氷のように冷
たく、そして重苦しいものを感じるようになった。
(今日も榊さんの様子が暗く沈んでいるわ。何か心配事でも抱えているのかしら?もし、
私で良かったらいつでも相談に乗ってあげられるんだけどな……)
 榊の顔を見るたびにそうは思うものの、実際には励ましの声すらかけられないことに、
自分自身でも苛立ちを感じていた。
 
 昼休み、かおりんは廊下で暦と会い、榊が最近淋しそうな表情を浮かべている理由をさ
りげなく尋ねることにした。
「よみー。最近榊さんの様子がどうもおかしい……っていうと変な感じなんだけど、何か
最近沈みがちって言うか、淋しげなのよね。何か知ってる?」
「そうか? もともと榊って物静かだから、智と違って感情の起伏があんまりよく分から
ないんだよな。でも、何か物思いにふけって淋しそうな表情で空を見上げることがあるな」
「やっぱり? あの物思いにふけりながら空を見ている榊さんの表情が素敵なのよねー。
くはー、同じクラスだったときは授業中によく見ていたのに、今はクラスが別なのが口惜
しいわ! 何で私は4組なのよ!」
 次第に顔が赤らみ、一人で勝手に盛り上がるかおりんの姿を、暦は冷や汗をかいて見つ
めていた。

「よみちゃーん。どうしたん?」
 大阪が不思議そうな顔を浮かべて、暦のもとへと近づいてきた。
「あっ、大阪。最近榊に変わったことないか? かおりんが言うには、何か榊の表情が淋
しげだって言うんだけど」
「榊ちゃんが? そやな〜」
 大阪はそう言って、腕を組み、首を斜めに傾けて考え込んだ。その様子は考えているよ
うでもあり、眠っているようでもある。かおりんと暦は大阪の顔をじっと見つめた。
 この状態が1分ほど続いた。

133 :Wish your happiness 2 :2005/02/20(日) 02:32 ID:???
「ちょっと早く教えなさいよ!」
 かおりんは、考え込んでいる大阪に早く返事を求めようと襟首をつかみそうになるのを
懸命にこらえながら、固唾を呑んで大阪の口から繰り出される次の言葉を待った。
「あっ、そうや。ピカニャーが死んでもうたんや」
「ピ、ピカニャー?」
「せや、ピカニャーや。それでショックを受けたんとちゃうんかな〜」
 ピカニャーの言葉の意味を尋ねるようにかおりんと暦は同時に叫んだが、大阪は二人の
聞き返した言葉の意図など全くお構い無しといった具合に返事をした。
「で、ピカニャーって何なの?」
「それはな〜」
 ちょうどそのとき、休み時間終了を告げるベルが廊下中に響き渡った。
「あっ、鐘が鳴ってもうた。教室に戻らないと。ほな〜」
 大阪はかおりんの質問を聞いていたのか聞いていなかったのか分からない状態のまま、3
組の教室の中へと戻っていった。

「それじゃ、私も戻るよ」
 暦も大阪の後に続いたため、廊下にはかおりん一人が残されるような形になった。
 かおりんは一人残された廊下でピカニャーの言葉の意味を探っていた。
「ピカニャーって何だろう? ニャーって言うぐらいだからネコのことかしら?もしかし
て、榊さんが飼っているネコが死んでしまって、それで落ち込んでいるのかしら……?」
 すでに他の生徒が教室へと戻っているが、推理に夢中なあまり、そんなことなど全くお
構いなしだ。
「そうよ、私も経験があるから分かるわ。自分が飼っていたネコが死んでしまうのって、
とても悲しいことだもん。榊さんは心優しい人だから、きっとそのことを気に病んで、そ
れで……。あぁ、何てかわいそうな榊さんなの!」
 勝手に結論を出すと、自分の瞳に熱いものが浮かぶのを感じた。そして、両手を組んで
廊下の窓から見える空を見上げた。青空からまぶしい太陽の光が差し込んでいる。
「榊さんのお力になりたい! 傷ついた榊さんの心を癒してあげたい! そして……」
「そして、どうするんだい?」
 突然、耳元で聞き覚えがあり、かつ耳障りな声が聞こえるのを感じた。
「まさか、この声は……?」
 恐る恐るその声の方向を見ると、一人の男性がかおりんの顔をじっと見つめたまま立っ
ている。

134 :Wish your happiness 3 :2005/02/20(日) 02:33 ID:???
「ひいいいいい。き、木村先生!」
 自分の目の前に立っている木村の顔を直視できず、恐怖のあまり思わずのけぞってしま
った。
「だめじゃないか、かおりーん。もう鐘は鳴ったんだから教室に戻らないと〜」
 木村がかおりんのそばへ自分の顔を寄せてきた。もう、あと数センチ近付いたらキスが
できそうなくらいだ。
「それとも、僕が来るのを待っていたのかい?あぁ、かおりん。な、何て素敵なんだ……」
 木村は両手を広げて最大限に喜びを表現した。感激のあまり、涙まで流している。
「かおりーん。やっぱり僕達二人の愛は永遠なんだね〜」
 木村が喜びに浸っている間に、かおりんは一目散に走り出し、4組の教室へと戻った。
「ふぅ、何でこうなるのかしら。私には榊さんがいるのよ。そして、榊さんが気落ちして
いる理由が分かった以上、私の力で何とかしなくちゃ!」
 握り拳を作りながら、心の中で強く誓った。「榊さんは私が救う」と。

 放課後、榊と話をしようと思い、勢い勇んで3組へ向かい榊を探した。しかし、榊の姿
はそこにはなかった。
「よみー、榊さんは?」
 とりあえず、近くにいた暦に榊の居場所を尋ねることにした。
「榊なら今さっき帰ったぞ」
「ええっ!?」
「今さっき教室を出たばかりだから、追いかければ間に合うんじゃ……あれ?」
 しかし、暦が呟いたときには、かおりんの姿はなかった。かおりんはすでに榊を追いか
け始めていたのだ。

 かおりんは周囲の動きがスローモーションに見えるほど、物凄い勢いで走り出した。
「確か、榊さんの家はあっちの方だったな……」
 少し息切れした自分の呼吸を整える時間も惜しむ程の勢いで、榊が歩いたはずの道筋を
急いで走った。
 歩道がなく、道路の両側が塀に覆われた少し狭い路地に入ったとき、自分の視線の先に
ようやく榊の後姿がぼんやりと見えてきたことに気付いた。

135 :Wish your happiness 4 :2005/02/20(日) 02:34 ID:???
「あっ、あの長い髪、すらっとしたスタイル、そして凛とした後姿……。あぁ、あれは間
違いなく榊さんだわ! やっぱり榊さんのお姿って素敵〜! ピンク色の制服が鮮やかに
映えているわ〜」
 すぐさま、榊のところへ向かおうとした。しかし、その瞬間、突然胸が高鳴り、苦しさ
を覚えた。その上、足が鎖に縛られたかのように突然動きが遅くなってしまった。まるで
榊の周りにバリアが張られていて、進めなくなってしまったかのようだ。更に息切れした
呼吸も覚束なくなっている。

「どうしたんだろう。もしかしたら、急に全力で走ったから体がおかしくなったのかもし
れない……。でも、少し休めば大丈夫かな。そうよ、大丈夫よね。だって、榊さんはすぐ
近くにいるんだし、すぐ追いかけられるもん……」
 近くの電柱に体を委ねるようにもたれかかったまま、視線だけは榊を見失わないように
後ろ姿を追いかけていた。
 少しして、重苦しい足の呪縛がようやく解けてきた。やはり、急に走り出したのがいけ
なかったようだ。足がまだ少しだけガクガクと震えていて、電柱に身を任せる必要があり
そうだ。息が荒い上に、胸の高鳴りも収まりがついていない。いや、胸の高まりはさっき
より加速しているようだ。

 走り続けていたからとも考えられるが、どうもそれだけではなさそうだ。普段榊と一緒
の空間にいることで感じる胸の高鳴りよりも、もっとスピードが速く、もっと鼓動がドクドクと
響いている。もしかしたら、自分の胸の高鳴りはこのまま止まることを知らずに走り続ける
のではないか。しかし、そんなことを気にしている暇はない。
「早くそばに駆け寄って声をかけなければ……。榊さんが行ってしまうわ。私が榊さんを
救うのよ。そして、榊さんのハートをゲッチューするのよ。こんな所で立ち止まってどう
するのよ。さぁ、行かないと……」
 幸い、榊はその場に立ち止まり、ブロック塀の上で寝ている猫を眺めていた。
「よかった、榊さんがまだいるわ……」
 電柱に身を委ねたままだが、榊の姿をしっかり目で追いかけていた。榊がブロック塀の
上で寝ている猫を撫でようとしているのが見える。
「あっ、榊さんが猫を撫でようとしている。まるですべてを癒す天使のような高貴なお姿
だわ……。きっと、死んでしまった猫の姿をあの猫に見立てているんだわ。あぁ、何てか
わいそうなの!」
 涙を流し、かつ自分の顔が赤くなっていくのを感じると、頭のてっぺんまで血が上って沸
騰するんじゃないかとまで思えてきた。このまま失神してしまいそうだ。

136 :Wish your happiness 5 :2005/02/20(日) 02:35 ID:???
 しかし、次の瞬間、その上りかけた血が一瞬にして引くような光景が目に入った。猫が
榊の手に噛み付いているではないか。榊が慌てて手を振り上げている。
「あぁぁぁぁ、何してんのよ!」
 急いで榊を助けに行きたかったが、まだ足が言うことを聞いてくれず、思うように動け
そうにない。
 そうこうしているうちに、猫は榊の手から離れ、ゆっくりとかおりんの方に向かってト
コトコと歩き出した。
 榊は一瞬淋しそうな目で猫を見ると、くるっと背を向けて再び歩き出した。かおりんの
姿は電柱が陰になって見えなかったようだ。

 猫は何気ない顔でかおりんの足元へやってきた。自分が何をしてきたか全く分かってい
ないような猫のおすまし顔をみると、ひどく腹立たしいものを感じた。
「あんた何してんのよ! 榊さんがなでようとしているのに、何で噛むのよ!」
 思わず右手で猫の頭を叩いていた。叩かれた猫は首をすくめている。
「私だってまだ榊さんの手を噛んだことがないのに、何であんたに先を越されなきゃらな
いのよ!」
 怒りはまだ冷めやらず、思わず二度、三度と猫の頭を叩いた。すると、猫は四度目に叩
こうとした瞬間に、「フギャー」という喚き声とともにかおりんの右手にガブッと噛み付い
てきた。
「痛っ!」
 猫はかおりんの手を思い切り噛んだ後、すぐさまどこかへ走り去った。
「何すんのよー、このバカ猫! あっ、でも、榊さんと同じ噛み傷ができたんだ。これっ
て間接キスならぬ間接噛み傷? あぁ……」
 猫に噛まれた右手をそっと撫でながらも、さっき引きかけた血が再び頭に沸き上がるの
を感じた。
 そして、我に返ったときには視線の先に榊の姿が消えていた。

「あっ、榊さんがいない! バカ猫めー! あんたのせいで榊さんを見失っちゃったじゃ
ない!」
 すでにその場からいなくなっていた猫に怒りをぶつけながら、ようやく震えが治まった
足を軽くマッサージすると、小走りで榊が行ってしまったと思しき方向へと向かった。た
だ、胸の高鳴りはさっきよりは落ち着いたものの、まだかすかに残ったままだ。

137 :Wish your happiness 6 :2005/02/20(日) 02:35 ID:???
「あぁ、榊さんを完全に見失っちゃったわ。どこに行ったのかしら?多分こっちの方角だ
と思うんだけど……」
 キョロキョロと左右を見回しながら、見失ってしまった榊の姿を探していると、視界前
方に一人の女性がうずくまっているのが見える。
 ただ、それは自分が追い求めている女性の姿ではなかった。黒いドレスを着て、真っ白
な髪をなびかせている老婆だった。
 老婆はしゃがんだ姿勢のままだったが、右手を腰に当て、左手は地面をついていた。ど
うやら腰を痛めているようだ。

「あらっ、大丈夫かしら」
 老婆のただならぬ様子が気にかかり、そばに駆け寄った。
「あ、あのぅ、大丈夫ですか?」
「うぅ……」
 老婆は自分の体に響き渡る痛みからか、うめき声を出した。
「大丈夫ですか? 救急車呼びますか?」
「痛たたた……」
 しかし、老婆は痛みをこらえたままで、かおりんの問いかけには答えなかった。

「困ったなぁ。早く榊さんを探さないとならないのに……。かと言って、このお婆さんを
放っては置けないし……」
「あっ、お嬢さん。ちょっといいかね……」
 榊の家がある方角を向きながら、少し困った表情を浮かべていると、老婆が突然呼びか
けてきたので、その言葉に反応して老婆の顔を見た。
「ちょっと、腰をさすってもらえないかね」
「あっ、はい、分かりました」
 老婆に言われるがままに、腰を時計回りにグルグルとさすることにした。

「あー、やっぱり若い人にさすってもらえるといいわ」
「はぁ、そうですか……」
 気持ちは榊を早く追いかけたいという気持ちで満ちていたが、この老婆も放っておけず
にいるために、半ばうわの空の状態で老婆の腰をしばらくの間さすり続けた。この状態が
数分続いた後、老婆が突然「ふぅ」と大きくため息をついた。

138 :Wish your happiness 7 :2005/02/20(日) 02:37 ID:???
「あー、だいぶ楽になった。ちょっと、あんた肩を貸してくれるか?」
「あっ、はい……」
 老婆の右横にしゃがむと、老婆はかおりんの肩を土台代わりにして、ひょいと立ち上が
った。さっきまで腰を炒めていたとは思えないほど軽快な動きだ。
「ふぅ、助かった。まったく、年はとりたくないもんだわ」
 老婆がしゃがんだときにドレスについた土ほこりを払いながら呟いた。
「ありがとうな。あんたのおかげで助かったわ。最近の若い者は薄情かと思ったけど、あ
んたのような人がいてよかったわ」
「いや、そんな……。でも、無事でよかったです。それじゃ」
 手を横に振って謙遜すると、さっきから気にかけていた自分の役目を思い出し、老婆に
一礼して、そそくさに走り出そうとした。
「ちょっと待たんかい!」
 しかし、突然老婆が繰り出してきた大声で、呼び止められてしまった。

(ちょっと何よ〜? 急いでいるのに〜)
 内心では不満を浮かべているものの、老婆にはそれを悟られないようにして振り返った。
「こうして助けてもらったんでな。お礼でもしたいのだが……」
「いや、そんなお礼だなんて、いいですから……」
 早く榊を追いかけたいと思っているため、再び手を横に振って断った。また、こんなと
ころでこれ以上時間をつぶしたくない、早く追いかけたいと心から思っているせいか、身
体は今にも走り出そうという状態になっている。
「あんたの願い事を何でも叶えてやるぞ」
「えっ?」
 老婆が少しニヤリとした不敵な表情を浮かべて、かおりんを見つめた。それを見て、榊に
向かって走り出そうとしていた体勢を老婆へと向き直した。
「それって、本当なの……?」
 半信半疑な口調で老婆に尋ねた。老婆は黙ってうなずき、またニヤリと微笑んだ。

「あぁ、あんたの願い事を叶えてやるぞ。何せ私は魔法使いだからな」
「はぁ?」
 あまりにも予期せぬ言葉が出てきたため、無意識に唖然とした表情が浮かび上がった。

139 :Wish your happiness 8 :2005/02/20(日) 02:37 ID:???
(魔法使いって、確かにそれっぽい格好はしているけど。でも、まさか本当にいるなんて
……。ただの妄想じゃないの……?)
 老婆の身体を上から下までなめるように見つめながら、少し怪訝そうな表情を浮かべた。
「何だその信じていなそうな顔は!嘘などついておらん!」
「誰も信じてないとは一言も……」
「まぁいい。信じていようがいまいが関係ない。とにかくお前の願い事を一つだけ叶えて
やる! 何か願い事はないか?」
 老婆の問いかけに一瞬言葉を詰まらせた。いきなりそんな事を言われてもとっさに出て
くる訳がない。ただ、次の瞬間には願い事が1つだけ脳裏に浮かんだ。それは今の彼女に
とって最大の願い事だ。

「あります。それは……」
「ちょっと待て!」
 願い事を言おうとした瞬間に、老婆が目の前にしわだらけの手の平を突き出してきた。
「ただし、1億円が欲しいとか、女王様になれますようにとか、願い事を1個から100個
に増やしてくださいという私利私欲な願い事はダメだぞ」
「違います。そんなことではありません。私の大切な人のことです。私の大好きな人……
榊さんという人がいて、その人が最近元気がないんです。どうも、飼っていた猫が亡くな
って元気を無くしているみたいなんです。ですから、榊さんの元気を取り戻してください。
これ以上、落ち込んでいる榊さんの顔を見たくはありません!」
 老婆に向かって思いの丈を述べているうちに、次第に言葉に力が入ってきた。そのせい
か身振り手振りのアクションが大きくなってきた。更に、瞳には涙を浮かべている。
 老婆はかおりんのオーバーアクションに少し引け気味になりながらも、黙ってかおりん
の顔を見つめた。そして、かおりんが叫び終えた後も、しらばく沈黙を続けていた。
 更にしばらく間を置いて、老婆が沈黙を続けていた唇を開いた。

「よかろう。その願い事を叶えてやろう。やはり、あんたは私が思った通りの人じゃった。
私が腰を痛めてうずくまっていたのを助けてくれたんだからな」
 老婆は目をつぶったまま何度もうなずいた。
「本当ですか?」
「あぁ、あんたが榊という人を思う気持ちが十分伝わってきたからな」
 ドレスの中から小さな杖を取り出すと、杖を天高く突き上げた。

140 :Wish your happiness 9 :2005/02/20(日) 02:38 ID:???
「この少女の願い事を叶えたまえ! キエーッ!」
 その瞬間、老婆の杖の先端から小さな稲妻が飛び出した。稲妻は青空の広がる雲を
突き抜けて空高く消えていった。
「願いは天まで届いた。後はあんたが今日の夜、そして明日の朝、昼と天に向かって3度
同じ願い事をすれば大丈夫じゃ」
 老婆がかおりんに向けて笑みを浮かべた。今度はニヤリといった感じではなく、どこと
なく安堵の表情を浮かべている。
「あ、ありがとうございます! ありがとうございます!」
 かおりんは老婆に向かって何度もおじぎを繰り返した。
「そういえば、なんか急いでいるようじゃったが」
「あっ、いえ……。もう大丈夫です」
 願いが叶うのであれば榊をこれ以上追いかける必要もない、そう思ったからだ。
「それでは、さらばだ」
 老婆は手の代わりに杖を高く振り上げて、かおりんが進もうとしていた方向へと歩いて
いった。かおりんは去り行く老婆の背中を見て、再びおじぎをすると、踵を返して家路へ
と向かった。

 翌日、老婆に言われた通りに昨日の夜と、今日の朝と昼の3回、榊に元気が戻るように
と強く願って天に向かって願い事をした。
 榊の表情は今日もまだどことなく沈みがちだった。その表情の曇りをいち早く消し去る
ためにも心から強く願った。そして、3度目の願い事を学校の屋上で済ませると、太陽の光
が眩しい青空に向かって微笑んだ。
「これで大丈夫ね。もうこれで榊さんの悲しそうな顔を見ないで済むのね……」
 安堵の表情を浮かべながら、昨日会った老婆に感謝し、屋上を後にした。
 3度目の願い事を屋上でした直後、青色に染まっていた空から、突如黒い雲が漂ってきた。
しかし、黒い雲は何をするわけでもなく、ただぼんやりと空を漂っている。

 こうして、放課後を迎えた。
「榊さん、元気になったかしら」
 帰りのホームルームが終わると、すぐさま榊の様子を見ようと3組へと走り出そうとし
た。しかし、突然自分の首根っこをむんずと捕まれてしまった。
「ちょっと何をするのよ!」
 睨むような形相で後ろへ振り向くと、千尋の姿が見えた。千尋はかおりんのただならぬ形相
を見てひるんだ表情を見せたが、すぐに表情を戻し、逆にかおりんの顔をじっと見つめ返した。

141 :Wish your happiness 10 :2005/02/20(日) 02:39 ID:???
「ちょっと、かおりん、今日あんたも掃除当番でしょ。サボらないの! はい!」
 千尋が2本持っていたほうきの1本をかおりんに手渡した。
「あっ、何で今日に限って掃除当番なの?あぁ、榊さぁ〜ん……」
 渡されたほうきを持ちながら、せめてもの抵抗をするかのように3組の方角へと手を伸
ばした。しかし、助けてくれる者など誰もいない。そのため、掃除当番という役目から逃
れることはできなかった。
 そのとき、空を漂っていた黒い雲が風に吹かれてどこかへと流れ始めた。

 ようやく掃除を終えて3組の教室にたどり着いたとき、すでに教室にはほとんど人はい
なかった。榊の姿も見えない。
「榊さん、帰ってしまったの?」
 榊の姿を一目見て、自分の願いが叶ったのか確かめたかったのに、それができないこと
で表情に少し焦りの色を浮かべた。目の前にあった答えが直前で持ち越された気がして、
やきもきした気分さえ覚えた。
「あれ? かおりん、どうしたんだ?」
 後ろから聞こえるその声に気づき振り返ると、神楽が立っていた。
「あっ、榊さんはもう帰っちゃったの?」
「あぁ、確かちよちゃんと大阪と一緒に帰ったぞ」
「そうだ。榊さんの様子はどうだった?」
「特に変わったところはなかったと思うぞ。でも、今日の体育で榊に勝ったんだー。これ
で自信がついたよ」
(榊さんが負けるってことはまだ元気になってないってことじゃ……? もしかしたら、
願いは叶っていないのかしら? やっぱり、自分の目で確かめないと……)
 自分の心はすでに走り出している。迷っている暇などない。

「そう、分かった。じゃあね!」
「おっ、おい。かおりん……」
 神楽が何か呼びかけていたようだったが、そんなことなどお構い無しに教室を出て、急
いで榊がいると思しき場所へと走り出した。
「もぅ、掃除に時間がかかっちゃったし、かなり差がついているはずだわ。急いで追いか
けないと……」
 今日も周りの流れがスローモーションに見えるほどの勢いで走った。昨日みたいに足が
ガタガタ震えても構わない。それくらいの覚悟はできている。

142 :Wish your happiness 11 :2005/02/20(日) 02:40 ID:???
(昨日のおばあさんの言うことは全くのデタラメだったのかしら。魔法使いだなんて非現
実的なことを信じるべきじゃなかった。やっぱり、私が榊さんを直接その悲しみから救い
出さなきゃいけないんだわ! 榊さん、待ってて! 私が今すぐ榊さんを悲しみの底から
救い出すから!)
 走りながらも、頭の中ではそのことだけをずっと考えていた。
 不意に空を見上げると、青空に混じって一つだけ黒い雲が漂っているのが視界に入った。
「あれ、あの雲は何だろう? 何か榊さんがいる方向に漂っているように見えるけど……。
まさか、あれが榊さんのいる目印? とにかく行ってみよう」
 あの雲が榊がいる目印だと勝手に信じ、黒い雲を見ながら少し呼吸が乱れがちなのにも
関わらず走り続けた。

 突然、黒い雲が地上に向けて鋭い光を放った。まさに雷のようだ。だが、雷を放った黒
い雲は次の瞬間には青空の彼方へとゆっくりと消えていった。
(ああっ! まさか榊さんに向かって雷が!? 大変だわ!)
 急いで雷が落ちた場所へと向かった。もう一息だ。

 大きな曲がり角を曲がり終え、現場まであと100メートル近くという地点まで来たとき
だった。突然、かおりんの元へ10匹以上もの大量の猫が走り出してきた。
「な、何なの?」
 自分に向かってきた猫に一瞬立ち止まり、ひるんだ表情を見せた。しかし、猫はかおり
んの姿など全く気にも留めず、そのままどこかへと走り去っていった。その様子はどこと
なく慌てていて、一目散に逃げ出しているようにも見える。
「一体何があったの……?」
 自分の横をすり抜けて行った猫たちの姿を見て、何か異常な事態が起こっていると感じ、
急いで現場へと再び走り出した。

 ようやく現場と思しき場所へとたどり着いたが、そこは何事もなかったかのように静け
さだけが漂っている。地面に少し黒く焦げた跡が残っていた以外は何一つ目立った形跡さえない。
「えっ、いったい何が……? それに、榊さんは……?」
 何が起こったのか分からないが、走り続けた疲れもあって、その場にへなへなと座りこ
んだ。結局、その日は榊の姿を確認することができぬまま、時が過ぎていった。

143 :Wish your happiness 12 :2005/02/20(日) 02:40 ID:???
 翌日、かおりんはまだ気をもんだまま、学校に向かった。
(榊さんはどうなったのかしら。元気になっていればいいんだけど……)
 しかし、榊となかなか会えず答え、もどかしさを抱えたこの心境は2時間目まで続いた。
 2時間目の休み時間、廊下で榊とすれ違ったことで、ようやく榊の姿を見ることができ
た。榊の表情はどことなく明るそうだ。
(よかった、願いが叶ったみたい……)
「さ、榊さんおはようございます!」
「あっ、おはよう……」
 榊はかおりんに微笑みながら、そのまま通り過ぎていった。
「はぁ〜。やっぱり榊さんはこうでないと」
 両手を組んだまま、自分の横をすれ違って行った榊の後姿をじっと見つめ、ため息をつ
いた。安堵の表情が思わず浮かんでいる。

「かおりん、どうしたんだ?」
 榊の後姿を見つめていたかおりんに暦が声をかけた。
「あっ、よみー。榊さんの表情に元気が戻ったみたいなのよ!」
「そうか、確かに今日はなんだが表情が明るいもんな」
 暦の言葉もほとんど耳に入らない状態で榊の後姿を見つめていた。瞳には背筋をピンと
伸ばし、普段から高く見える背丈が更に大きく見える程に凛々しい後ろ姿が映し出されている。

「ピカニャーが来て、榊ちゃん元気になったんや〜」
 突然大阪が二人の目の前に現れ、視界を遮った。
「ちょっと邪魔! 榊さんが見えないじゃないの!」
 思わず大阪に向けて声を荒げたが、大阪は何で自分が怒鳴られているのか分からないと
いった表情を浮かべたまま、かおりんの横をすり抜けていった。
(榊さんが飼っていた猫が生き返ったのかしら……。もしかしたら、あの願い事は死んで
いた猫を生き返らす魔法だったのかもしれないな。ありがとう、お婆さん。榊さんに笑顔
を戻してくれて)
 榊の姿が視界から消えるのを見届けると、窓から見える青空を見上げて、自分の願い事
を叶えてくれた老婆に感謝した。
(榊さんに笑顔が戻って本当によかった。やっぱり榊さんは笑顔が一番素敵だわ……)
 すでに視界から榊の姿は消えていたが、明るさを取り戻した榊の表情を何度も思い出し
ては、歓喜の世界に浸り、顔を赤らめた。
(終わり)

144 :名無しさんちゃうねん :2005/02/20(日) 03:05 ID:???
>>132-143
GJ!!
あー・・・久々に充実感のあるSS読んだな・・・
私はやはり連載小説のドキドキより、読みきりの充足感が好きなんだな・・・
と、自分の事は置いといて、ちょいと感想を。

まず、かおりんの、作品にない普段の行動を補完したものとして、とても良い作品ではないかと思います。
榊さんを追いかけるくだり、実際にかおりんがやっていそうですね。
容易に場面を思い浮かべる事ができました。
また、マヤーがどうして沖縄まで来れたのか、という謎を埋めるものとしても、
面白く読む事ができました。

あと、一点。
>願い事を1個から100個に増やしてください
ハゲワロ
(私はこの手の質問には、いつもこう答えているのですw)

145 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2005/02/20(日) 03:53 ID:???
>>132
 凄く良かったです。話に芯がしっかりと入っていて、読み応えがありました。
 特に主役となった、かおりんの心理描写が巧みですね。
 榊さんにラブだけど、困っている人を放っておけない、基本的には善人で
あるという解釈も、しっくりときました。
 また、大阪のまったりとした性格も、よく捉えられているように感じました。
 何より、原作とオリジナルキャラが違和感無く溶け込んでおり、
2次創作小説としては、完成度が高いように思えます。
 敢えて気になった部分を挙げるとすれば、人物名を丁寧に書きすぎて
文章全体がやや重たくなっているところでしょうか。

 次回作があれば、楽しみにしたいと思います。

146 :名無しさんちゃうねん :2005/02/20(日) 17:32 ID:???
美化しすぎな気がするな、好きなものを美化したがるのは分からなくはないが
ちょっとね

147 :名無しさんちゃうねん :2005/02/20(日) 17:35 ID:???
>>132
GJ!
普通に面白かった!
作り方うまいなあ。

148 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2005/02/21(月) 20:11 ID:???
>132
かおりんの行動の一つ一つに笑わせてもらいました。
猫とのやりとりは特に。
面白かったです。

149 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:15 ID:???
「おい見たかアレ、もぐらの怪獣だぜ」
「へい、アニキ!」
よつば達がモーグとふれあってるのを近くの木の陰で見ている二人組がいた。
一人はノッポ、もう一人はデブと極めて分かりやすい外見だった。
人相もかなり悪い。アニキと呼ばれた方がノッポだった。

「あれぐらいの大きさなら俺達でも扱えそうだな。奴を捕まえて物好きな
金持ち連中に売れば、ボロい商売になるぜ!」
「さすがアニキ、頭いい!でもどうやって?」
「それはこの麻酔弾を使って、奴を眠らせちまえば簡単よ!幸いあいつの
周りにはガキと人妻しかいねぇからおめぇでもどうにかできるだろ」
「何で人妻って分かるんで?」
「俺のカンって奴よ」
「へぇ」
そこは首をかしげる弟分。

「そういう訳で、行くぞ」
「何がそういう訳なのかしら?」
「そりゃあ、おめぇ・・・・・・・って、何でおめぇがここにいんだ!?」
いつの間にか彼らの間に奥さんが姿を現していた。
しかもよつば達もこちらに顔を向けていた。

「そりゃあ、あんな大きい声で喋ってればねぇ」
「誰だって聞こえるよ」
みうらと恵那は呆れ顔で言った。

「モーグを売るなんてひどい!」
「おまえわるいやつだ〜」
「アニキ!こうなったら仕方ねぇ!やっちまおう!」
弟分はよつばと紗奈に飛びかかろうとジャンプする。
だが、頭を思い切り木の枝にぶつけてどすんと音をたてて地面に倒れこむ。

「ぎゃふっ!」
「うわぁ、痛そう」
澪は顔をしかめる。奥さんは彼に妙な親近感を感じた。

150 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:16 ID:???
「大丈夫か!?」
「アニキ、こいつら強ぇ!ガキと思って甘く見すぎた!」
「いや何もしてないし・・・・・・・」
「変なおっさんだな」
恵那達は何だかコントを見ている気分になった。そんな中、奥さんはクスクスと笑っていた。
モーグもおかしそうに腹を抱えている。

「兄弟!やりやがったな〜!もう許せん!くらえ!!」
アニキは麻酔弾らしきものを取り出し、モーグの額に命中させる。
これでモーグは大人しくなるかと思われた。
だが、予想とはまったく違った結果となってしまった。
なんとモーグの体が他の怪獣達と同じぐらいの大きさに巨大化してしまったのである。

「うわぁ〜でっかくなった〜!」
よつばはそれを目の当たりにしてもむしろ嬉しそうだった。

「なんだよ、麻酔弾じゃないのかよ!」
「みうらちゃん、そんな事言ってる場合じゃないよ!逃げよう!」
恵那はみうらの手を引いて、モーグから離れる。

「おかあさん、一体どうなってるの?」
「多分、薬の副作用でしょうね」
モーグは近くにあった岩石を前足で持って投げ飛ばした。
どうやら薬の影響で凶暴化しているようだ。

「あ、アニキ!やべぇよ、俺達も逃げよう!!」
「くっそ〜!巨大化するなんて聞いてねーぞ!」
悪態をつきながら二人もその場から離れる。
だが、モーグはその二人を見て前進を始めた。

「モーグ・・・・・・・・」
紗奈はその様子を悲しそうな目で見ていた。
そしてその事態はHOLYへとすぐに伝わった。

「モーグが巨大化して暴れているわ!」
「武器は持ってないみたいだけど、あの巨体で市街地に入られたらまずいわね!」
かおりんと千尋はその様子をモニターに出す。千尋はすでにアナライズを終えている。

151 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:17 ID:???
「HOLY、出動します!」
「了解!」
ちよの指示の元、TEAM HOLYは出動となる。今回の布陣は榊と歩が空中の
レッドファルコンで、残るメンバーがよつば達を避難させる事も考慮して地上から出撃する。

「大阪さん、榊さん!閃光弾で怪獣を海の方へ誘導してください!」
「分かったで〜」
「うん」
指示に従い、二人は閃光弾でモーグの気をそらす事にする。
モーグはそれに引っかかり、榊達を追い初める。
そして地上でも残る四人がちよはよつば、暦と智は恵那、みうら、澪を保護する。

「よつばちゃん、大丈夫?」
「おーちよ。またあったな〜」
こんな状況だというのに、よつばはそれを楽しんでいる。

「どうやらみんな無事みたいだな」
「ありがとうございます」
「いやいや、それほどでもありますよ」
「相変わらずエラソーな姉ちゃんだな」
恵那と澪はお礼を言うが、みうらは智の態度に不満を表す。

「紗奈!大丈夫か?」
神楽は紗奈に駆け寄る。紗奈は笑顔で応じた。

「うん、大丈夫だよ綾乃お姉ちゃん。それよりもモーグを止めてあげて」
「アニキ!こいつらHOLYですぜ!」
「冗談じゃねぇ!こいつらに獲物横取りされてたまるかってんだ!」
逃げていたアニキは今度こそとばかりに再び麻酔弾を発射する。

「おやめなさい!」
琴音が止めようとするも、一足遅く麻酔弾はモーグに命中してしまう。結果は同じだった。
再び、向きを変えてモーグがこちらに猛然と向かってくる。

「何をやってるんですか!?」
ちよは二人に対してレーザーワイヤーで絡めとり、動きを封じる。

152 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:19 ID:???
「うわっ!何だこりゃあ!」
「あ、アニキ!かなりきついですぜ、これ!」
その場に倒れこむ二人組。

「こうなったら仕方がない!食い止めよう!!」
暦はやむを得ず、攻撃を決意する。上空でその様子を見ていた歩と榊は
互いに目を合わせる。そして頷きあう。

「あたしが行くで」
「頼んだ」
「ジャスティース!!」
歩は胸のジャストランサーに手を添え、目を閉じる。彼女を赤い光が包み込み、
光となってモーグの前に落ちる。そしてウルトラマンジャスティスへと姿を変え、
モーグの侵攻を体全体でガッシリと受け止める。

「あっ、ジャスティスだ!」
「身近でみるのは初めてだな」
澪にとっては間近でみるのはこれが初めてである。

「でゅおおおおおお!」
モーグは振りほどこうと暴れるが、ジャスティスは完全にロックして離さない。
だが、モーグは強引に振りほどき、ジャスティスを振りほどく。
勢いよく投げ出され、ジャスティスは反対側の地面に背中を強く打ち付ける。

「ごはっ!」
モーグは再び進もうとするが、今度はジャスティスが後ろから掴みかかり後ろへと引きずる。
そして今度は大きく後ろに投げ飛ばしてモーグを地面に叩きつける。
するとモーグは地面に潜り、その姿をくらましてしまう。

「もしかして・・・・・・・・」
ちよは何となく嫌な予感がした。モーグはジャスティスの背後に現れ、手で殴ってきた。

「えぃぃぃ!!」
ジャスティスはすかさず反撃の蹴りを見舞うが、素早く逃げられてしまう。
そしてモーグは再び地面から顔を出し、今度は横から殴る。
すかさず反撃を試みるが、やはり地面に潜られてしまう。

153 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:20 ID:???
「やっぱりもぐら叩きそのものでしたね」
「なんかたのしそうだな〜」
「私達とさっきまでやっていたよね?」
ちよの予想は的中する。恵那とみうらは先程までそれを自分達もしていた事を思い出していた。

「ヘアッ!」
段々、モーグの地面を潜るスピードは早くなり、目で追うのがやっとになっていく。
そして攻撃を受け、地面にうつ伏せに倒れる。

「ジャスティス、みぎだぞ〜」
「違うって。左よ!」
よつばと澪はまったく逆の方向を指示する。それが余計にモーグ発見を困難にしていた。
そしてジャスティスは手から武器を出現させる。なんとそれはハンマーだった。
もちろんもぐら叩きで使うハンマーである。

「ジャスティスものってるな」
「あたしもやってみてぇ」
「私も」
智と神楽はやる気満々である。今回暦はジャスティスにも冷めた視線を送っている。
どちらかというと歩の人格の方が今回は前面に出ているのだろう。

(楽しそう)
榊までもがそれを少し羨ましそうに見ていた。

「はああああああ!」
ジャスティスはモーグの出現位置を予測して、手前にハンマーを振り下ろす。
狙いは当たり、モーグの脳天直撃する。

「うわっ、痛そう!」
澪は両手を口で覆った。榊も気の毒そうな顔で見ている。

「モ、モゴっ」
モーグは苦悶とも思われる声を発し、頭を抱えてすぐまた地面に潜ろうとする。
だが、ジャスティスは背中に組み付いて、必死に潜ろうとするモーグを無理矢理地上に引きずりだす。
これに対し、モーグも死に物狂いで抵抗する。

154 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:22 ID:???
後ろ足で土を蹴ってジャスティスの顔に浴びせかける。

「フンッ!!」
だがジャスティスに軍配が上がり、再び地上に戻されたモーグ。ちなみにハンマーは
いつの間にか消えている。モーグは近くにあった岩石をジャスティス目掛けて投げつける。
これに対しジャスティスは何とハンマーで打ち返す。
逆にモーグが顔面にまともにくらうはめになり、モーグは地面に倒れこむ。

「ナイスバッティング!」
「ピッチャー返しだ!!」
興奮しながら智と神楽は叫んだ。

「ジャスティス、もうやめて!」
紗奈が叫ぶ。ジャスティスはその声を聞いて、振り返り頷く。
そしてモーグの手をとって起き上がらせる。モーグは正気に戻ったのか、
よつば達に謝り、元の大きさに戻った。どうやら動き疲れたらしい。
奥さんは何も言わなかったが、ジャスティスにニッコリ微笑みかける。

「シュワッ!」
ジャスティスはそれに首を縦に振り、飛び去っていく。

「ありがとう、ジャスティス」
飛んで行くジャスティスに紗奈と澪は感謝の言葉を述べる。
しかし、いつの間にか例の二人組がどうやったのかちよのレーザーワイヤーから脱出していた。
この間に榊と歩も地上に降りていた。

「あーいつの間に!!」
ちよが大声をあげる。

「はっはっはっはっ、今回はウルトラマンと怪獣に免じて見逃してやろう!
だが、次はこうはいかんぞ!」
「お前ら、何者なんだよ一体?」
暦が呆れた表情で尋ねる。

「俺達かい?俺達は悪いことなんでもやっちゃうワルワルブラザーズさ。
俺達ワルワルブラザーズの暴走は誰にも止められないぜ!」
「アニキ、かっこいいぜ!」
「なにぃ!そうと聞いちゃ黙っていらんねー!神楽、大阪!」
「おう!」
智が一歩前に出て神楽と歩を呼び寄せる。そして横並びに並ぶ。

155 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:23 ID:???
「ボンクラーズ1号!」
「2号!」
「3号!」
「そっちは二人、こっちは三人!ボンクラーズの勝ち〜あははははは」
くるくる回りながら勝利の高笑いをするボンクラーズ。

「なんだ、その勝負の基準は・・・・・・・」
暦は激しい脱力感に襲われる。HOLYとして出動してからこれほど
脱力感に襲われた事があっただろうか?

「しまったぁぁ!何てこった!俺達が負けるなんて!」
「アニキ!奴等、ひょっとしたらライバルかもしれやせんぜ」
「何で・・・・・・・」
何故か異常に悔しがる二人組に榊も呆気にとられてしまった。

「それに、あたし達がボンクラーズをやめてもすでに後継者はいるんだ!ほら!」
智はそう言ってよつば達五人をさした。

「みんな見込みありそうや〜」
「いやちょっと待ってくれ。紗奈は勘弁してやってくれ」
紗奈が入ってる事に抗議する神楽。

「おーボンクラーズだ〜」
「え〜!?何で私達がそんなの継がなきゃいけないんだよ!」
「よく分からないけど、何か嫌な感じがします」
「彪乃お姉ちゃんが入ってるなら私も入ろうかな?」
「お母さん、ボンクラーズって何?」
よつばと紗奈が肯定派、恵那とみうらが否定派、澪は意味が分かっていなかった。

「紗奈ちゃん!考え直して!!」
モニターごしにかおりんが必死に呼びかける。

「とっても楽しい事よ」
天使のような微笑で答える奥さん。
澪はそれで何か納得したような表情をした。

156 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:24 ID:???
「あの、それでいいんですか?」
千尋も琴音の言った事にダラ汗を流す。
そんなバカな事をやってるうちに、ここに警察が数人姿を現した。

「こらぁお前ら〜見つけたぞ!バイクを盗むなんてけしからん!逮捕してやる!」
「やべぇサツだ!おい、お前ら今日のところはこれくらいにしといてやらぁ!あばよ」
「あ、アニキ。ちょっと待ってくれよ」
弟分は随分と息を切らしている。運動は苦手らしい。そしてあっという間に
盗んだバイクで走り出すワルワルブラザーズ。警官達もそれを追跡する。

「あ〜こら待て〜〜〜〜!!」
「よせってとも。あいつらを捕まえるのは警察の仕事だよ」
追おうとする智を暦は制する。

「何だったんでしょうね、あの二人」
激しい戦闘をした訳でもないのにちよはどっと疲れた。

「モーグ、どうしようか?」
「どうするの?」
神楽が何気なく発した言葉に紗奈は不安そうに神楽を見る。

「お母さん」
澪も母であり総監である奥さんの顔を見る。

「どうしますか総監?」
「そうねぇ。リアードの夫婦がいる島。あそこなら迷惑がかからないから、
そこに転送する手配をしましょう。それは別のセクションの人間が頼めばいいしね」
「ありがとう」
琴音にお礼を言う紗奈。そんな紗奈を見て澪はにっこり微笑んだ。

「よかったね、紗奈ちゃん」
「うん」
紗奈も微笑み返す。

「皆さんお疲れさま、今日の任務はこれにて終了よ。
ゆっくりと羽を伸ばしてきてらっしゃい」

157 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:25 ID:???
「やりぃ!そうでなくちゃ!」
「はしゃぎすぎだろ」
喜びを体全体で表す智に対して、暦が釘を刺す。だが、そんなところに木村教諭が姿を現した。

「やぁ、君達。どうやら任務も無事に終わったようだね」
「き、木村先生!一体どこから!」
ちよは驚きのあまり、声が上ずっている。彼の視線は妻と娘に注がれている。

「マイワイフ、マイドーター。今日は家族で食事にでも行こうじゃないか」
「あら、久し振りね。それじゃあ今から行きましょう」
「うん、お母さんお父さん。紗奈ちゃん、よつばちゃん、恵那ちゃん、
みうらちゃんまたね。あとHOLYの皆さんも」
琴音も澪も嬉しそうに旦那の後をついていった。

「おう、またな〜」
「よつばちゃん、みうらちゃん。私達もそろそろ帰ろう」
「あ、そうだな。電車もそろそろ来る頃だし」
よつば、恵那、みうら三人組は列車のある駅へと歩き出す。
しばらく目の前の光景に呆気にとられ、固まっていたHOLYメンバー・・・・・・・

「あーびっくりした!何か見なくてもいいものみちまったよ!」
「普通なんだけど、木村がやると違和感あるよな」
「普段が普段だからな」
智と神楽と暦は特に圧倒されていた。

「あ、そうそうかおりんも行くかい?」
不意に通信機ごしにかおりんに話しかける木村。

「かおりんって呼ばないで下さい!それに行きません!!」
一方的に通信を切り、かおりんはさっさと帰り支度を始めてしまった。

「あっ、待ってよかおりん!」
すかさず千尋が追いかける。だが、そこに再び通信が入る。
今度は奥さんからだ。

158 :ふれあい :2005/02/21(月) 21:26 ID:???
「そんなに怒っちゃ体に悪いわ。ね?」
あなたの旦那が私をそうさせてるんですと言いたいかおりんだったが、何故か
琴音の言葉には逆らう事が出来なかった。

「あ、はいすいません」
(天使のような人だなぁ、やっぱり)
その様子を見ていた千尋はそんな感想をもらす。この後、琴音奥さんは自動販売機にぶつかった。

「お母さん、大丈夫?」
澪は心配そうに見ている。

「ええ、大丈夫よ」
何事もなかったかのように奥さんはいつもの笑みを浮かべる。
そこで通信が切れる。

「あたし等もいこうか?」
「ああ、そうだな」
智と暦も歩き出す。

「私達も帰ろうぜ、紗奈」
「うん、綾乃お姉ちゃん」
神楽は紗奈を呼ぶ。すると紗奈はすぐに神楽にくっついてきた。

「楽しかったか紗奈?」
「とっても楽しかった」
「そっかそれは良かった」
紗奈の頭を撫でながら、神楽もニカッと白い歯を見せて笑った。

「なんだか神楽さんと紗奈ちゃん、本当の姉妹みたいですね」
「うん。神楽ならいいお姉さんになる」
そんな二人をちよと榊は優しく見守っていた。そして浅霧高原を後にする。

ちなみに彼女達が乗ってきた戦闘機はオートコントロールで
基地に帰還するようプログラムされており、そのまま基地へと飛んでいった。
彼女達がしばらくいなくなってから、別働隊が現れ、モーグをリアードのいる島へと運んでいった。

第47話   終    第48話へ続く

159 :名無しさんちゃうねん :2005/02/21(月) 21:31 ID:???
>>158
おもしろかったです!
こういう話もいいですね。
木村先生の奥様素敵すぎ。

160 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2005/02/21(月) 21:32 ID:???
次 回 予 告
歩は風邪を引いてしまい、HOLYの仕事や大学を休む事になってしまう。
しかし、そんな時に宇宙から侵略者が現れ、双子怪獣を引き連れ東京を
沈没させようとする。

「大阪さん、無理しちゃだめです!」
「あたし一人休む訳にはあかんやん!」

次回 ウルトラマンジャスティス
第48話 「東京沈没!?双子怪獣の猛威!」
荒れ狂う津波が日本列島に迫る!

161 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2005/02/21(月) 21:35 ID:???
今回は気の抜ける話を書いてみました。最近シリアスに偏り気味だったんで、
久々のギャグ話です。マッド星人の時もそうですが、二人組のキャラが
濃くなってしまいました。次回はまたシリアスになりそうです。

>>159
どうもありがとうございます。

162 :名無しさんちゃうねん :2005/02/21(月) 23:16 ID:???
キャラ崩れすぎだと思うが・・。
原作の面影なさ過ぎるな。

163 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/02/22(火) 20:30 ID:???
>>161
今回も乙彼 自分も時間が出来次第投下します

164 :名無しさんちゃうねん :2005/02/23(水) 19:59 ID:???
下駄に期待
展開が遅くても続きが見たい

165 :名無しさんちゃうねん :2005/02/24(木) 19:05 ID:???
>>161
>>163
反対派に負けずに頑張ってくれ

166 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/02/26(土) 19:55 ID:???
単発で少ないですけど投下します

167 :CHANGE GETTER ROBOT THE STORY 序章〜流竜馬〜(4) :2005/02/26(土) 20:46 ID:???
===========================
この作品はやや暴力的な表現が含まれています!
閲覧は自己責任で!!!!!
===========================

CHANGE GETTER ROBOT THE STORY
序章〜流竜馬〜(4)

「寝てんじゃねぇ!!!!!!!!」
竜馬が二人を叩き起こす、その怒号で二人は目を覚ます。
「うん・・・・?あんた・・・誰?」
神楽が竜馬に尋ねる。
「あぁ?俺は流竜馬だ、「あんた」じゃねぇ。これからはそう呼べ。」
少なくとも初対面の女性二人に言う言葉ではない。それに続いてともが
「あのさ、ねぇ竜馬あの腕・・・・・・・」
天井から地面に向かって生えている先程怪物を叩き潰した腕について訪ねる
「あれはな「ゲッターロボ」ってんだ・・・・・知らないのか」
二人(こくこく)
「本当に・・・・知らないのか・・・・?」
二人(こくこく)
「ま・・まぁいいや。」
一応納得したようだが、歯切れが悪いようだ。
そのとき

テク・・・・テク・・・・・テク・・・・・

と廊下を靴で歩く音が聞こえた。
そして見てみると木村が何時ものようにやや前屈みの姿勢でこちらに歩み寄ってくる。
しかし、その腕から血が流れ傷を手で押さえた弱弱しい格好だったが。
「き・・・木村先生っ!」
神楽とともが歩み寄る。
「や・・・やぁ、君達か・・・・・生きていて・・・くれたのか・・・・よ・・・よかった・・・」
「せ・・・先生、な、なにが・・・・なにがあったんですか!?」
「と・・・突然・・生徒が虫のように・・・なり・・・襲ってきたんだ・・・教師は私を含め、数名が襲われたが・・・生徒は・・
今どうなっているのか・・・・検討もつかない・・だが・・・逃げろ・・・・戻っては・・いけない・・・・・」
そういって木村は気を失った。
「せ・・・先生っ!!!死んじゃ・・・死んじゃ嫌だーーーーっ!!!」
ともが涙交じりで叫ぶ。そこへ

168 :CHANGE GETTER ROBOT THE STORY 序章〜流竜馬〜(4) :2005/02/26(土) 20:46 ID:???
ドゴッ

「い・・・・・痛ったーーーーーーい!!!」
竜馬の鉄拳が炸裂した。
「うるせぇっ!!!わめくな!!それにコイツは死んじゃいねぇ、気を失っただけだ。」
「あ〜ぁ、大の大人がこんな事で情けねえ」
そんなことを木村が竜馬に言われる筋合いは無い。その背後ではともが竜馬に対して罵倒の言葉を投げかけていたが
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ーーーーーーーーッ!!!!
すっごい痛いじゃないかーっ!!慰謝料!慰謝料よこせーーーーーっ!!!!」
「うるせぇ!!!ウダウダ言ってんじゃねぇ!!!てめぇが悪いんじゃねぇか!!!!」
「な・・・なんだとーーー!?殴ったのはそっちじゃないかーーーー!!!訴えるぞー!!!!」
「あぁ!!!やってみな!!こちとら無敵の未成年様だぜ!!上等だ!!!!」
こんなやりとりを見ていて神楽はなんか頭痛がしてきた。
それにこんな考えが頭をよぎった。
「(未成年なのか・・・・・・・・・。)」と
to be continued

169 :名無しさんちゃうねん :2005/02/27(日) 17:34 ID:???
>>167-168
-無敵の未成年様だぜ!!
激しくワラタ こういうの好き

170 :名無しさんちゃうねん :2005/02/28(月) 21:21 ID:???
>>167
ところで隼人君は?
彼が学生の顔の生皮を剥ぐのはいつかね?

171 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/02/28(月) 21:27 ID:???
目と耳と鼻を削ぐんですね…

172 :名無しさんちゃうねん :2005/03/01(火) 07:27 ID:???
>>171
そうなんです、新ゲでもやりましたよー

173 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/03/01(火) 19:16 ID:???
はっきりいって俺はド素人なんで文章力が足りないとこは自覚してます
自分で読み返して後悔した部分も多いですがなんとかカ頑張って見ます
>>170
当時アレを見てトラウマになった人は多い筈
ところで次の話辺りで(やっと)下駄ロボを出しますから

174 :りきまる :2005/03/01(火) 23:27 ID:???
こんにちは。また書き込ませていただきます。
あずまんが大王の男子生徒の日常というものを書いてみたくなりました。
感想やご指摘などをいただけたら嬉いです。

175 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2005/03/01(火) 23:27 ID:???
>>173
いつもお疲れ様です。
文章力が上手い、下手っていうのは、いろんな要素が組み合わさった
結果に過ぎないから、もう少し細かく分析してみるといいかも。

176 :大山の一日1(全部で13レスあります) :2005/03/01(火) 23:29 ID:???
僕には言うべきことがあった。
「男女七歳にして席を同じゅうせずっていう言葉がある。
礼記っていう書物に載っているんだけど、これはまさに言い得て妙だと思う。
だいたい男と女がいて、男の方が人数が多いのならばまだしも、女のほうが多い状態なんて
男にとって目も当てられないことになるのは、誰から見たって明らかだ。
女は何々君ってかっこいいわよねえ、あっでも誰々君もそこそこ………、
なんて、男なら絶対に女性の前ではできない話を教室でごく自然にやってのける。
もちろんそこにいた男は場違いな所にいる気分で出て行かざるを得なくなるんだ。
もてない男の気持ちなんてこれっぽっちも考えてくれない。
そもそも女性という人種は煩い。女と三回書いて姦しい、なんて言葉があるくらいだ。
古代から煩かったに違いない。古文の木村先生は「嬲」という字は女性軽視の字だ、と
言っていたけど、じゃあ「嫐」という字は男性軽視にならないのだろうか?
個人的には、「嫐」のような状態の方が、より悲劇的な気がするんだけどなあ。
木村先生はいい先生だけど、近視眼的なフェミニストの所だけはいただけない。
女は弱いというけれど、それも明らかに偏見だ。
クレオパトラや卑弥呼など、古代には女性で強力な王だっていたじゃないか。
いや、現在だってイギリスは女王のはずだ。
それに、妲己や楊貴妃を見ても判るように、女は男を意のままに操ってしまうことがある。
女の武器って奴だ。そういえば、男の武器なんて聞いたこともないぞ。
以上から、やっぱり女は強い。それに平均寿命も長いし。
女性的っていう言葉は、おしとやかという意味だけど、
それは人類最大級の意味のとり間違えだと、僕は思う。
とにかく、男女が一緒に勉強するというのは、間違ってるんだ」

177 :大山の一日2 :2005/03/01(火) 23:30 ID:???
「………で、それが中間テストのトップを取り損ねた言い訳か?
 何をいまさら。言い訳にもなってない。情けなくって涙がでるね」
一緒に登校していた後藤は大きく欠伸をしながら言った。
それをみると、こちらはくしゃみがしたくなってくる。
「なんていうか、アホとしかいいようがないよな。だいたい男女の差でテストの点が
変わるかって。お前のほうがよっぽど近視眼的で短絡的だ」
ほぼ予想通りの答えだ。
こいつは木村先生の影響を受けた極度のフェミニストで、自分をいかに
目立たなくさせるか、ということしか考えていないような男なのだ。
「そもそもお前、ちよちゃんに勝とうとすること自体、無謀だっつーの。
 あの子は天才なんだからさ」
「天才だって?ちょっと脳に血が多く通ってるだけじゃないか。
 ああいうタイプは大きくなったら伸び悩むんだよ」
ちよちゃんとは、美浜ちよといって、入学式のすぐ後に転入してきた十歳の女の子だ。
その歳で高校に入学できるほど頭がいいときた。全く、世の中どっか狂ってきている。
「だいたい僕もちょっと油断したんだ。あの時………」
「はいはい。ちよちゃんが来るまで学年トップだったお前にとっちゃあ、悔しいだろうさ」
後藤は僕が喋ってるのに、それを笑い飛ばした。これだからこの男とはやってられない。
「それに比べて俺の潔いことといったらないね。
高校に入ったとたん成績が落ちていったって、全然気にしてないんだから」
「それを開き直りという。まあ、どっかのアホの変な山勘に惑わされるだけのことはあるな」
僕はそう言ってくしゃみをした。
今日はポケットティッシュを少ししか持って来てないから、気をつけないと。
後藤はむっとしたように、
「お前も騙されてたじゃねえか」
「騙された具合が違う。君は僕とは違って滝野の言うことを鵜呑みにしただろう?
 僕は最後の見直しの参考にしただけだ。ちゃんと勉強してたから」
「は、さいですか、この秀才。それでちよちゃんに負けたんだもんな。何が油断したー、だよ」
雲行きが怪しくなってきた。本当に口だけは達者な男だ。
それに英語に限っていえば、時々僕に迫る点をとる。
だけどそれもアメリカに旅行に行くから、とかいう理由で勉強しているにすぎないので、
二学期になれば本格的に落ちこぼれていくんだろう。
これ以上勉強の話は不毛だと判断し、僕は話題を変更することにした。

178 :大山の一日3 :2005/03/01(火) 23:31 ID:???
今日は家を出るのが早かったので、学校についたときは時間に随分余裕があった。
一階にあるこの教室には、まだかおりと美浜の二人しかいない。
後藤がトイレに行ってしまい時間を持て余した僕は、
自分の席でボーっとしているかおりに話しかけた。
「早いね」
「おはよう。………何か用?」
かおりは明らかに不機嫌そうな口調で返事をしてきた。
昨日、天文部の観測で遅かったので寝不足なんだろうが、いくらなんでもつっけんどんすぎる。
僕だって話しかけたくて話している訳ではない。
「昨日言ってた、春の大曲線の写真が載ってる本、後で部室に置いとくから」
「あっ、ごめん。そうね、ちゃんと見ておかないと。ありがとう」
彼女はクラブの話をすると急に友好的になる。
別にとくに熱心という訳でもないので(事実、シリウス、プロキオン、ペテルギウスを
春の大三角だと信じていたくらいだ)、これはちょっとした謎ではある。
もしかしたらクラブ以外では男と話したくないのかもしれない。
ちなみに部室とは、一階の科学実験室の隣にある実験準備室のことだ。
僕が自分の席に戻ると同時に、榊が音も無く入ってきた。
いや、入ってきたのには気が付かなかったが、かおりの、
「お、おはようございます、榊さん!」
という声がしたのだ。この女は榊に心を奪われているらしい。
「ああ、やっぱり榊さんは素敵………」
なんて呟いて、榊を宝塚女優かなんかと勘違いしている。変態め。
確かに榊は背が高いし、そこそこ美人だけど、なんであんなに夢中になるのだろうか。
僕にしてみれば、あんな無口で何を考えているのか判らない女より、
ちょっとくらい馬鹿でも元気で明るい女のほうがいいと思うんだがな。
戻ってきた後藤とそんな事を喋っているうちに人が増え、ベルがなった。
「おひゃー」
意味不明な挨拶で教室に駆け込んできたのは、校内一やかましい滝野智だ。
テスト前の山勘予報を外し、クラス全員を敵にまわした豪胆の持ち主でもある。
「ぎりぎりセーフ。間に合ったー!」
なんていっているけど、ベルの後に入ってきているから担任がいたらアウトにされていただろう。
「馬鹿で元気で明るいってーと、ああいうのが好みなのか?」
後藤が滝野を親指で指しながらまた馬鹿げたことを言う。
「何度でも言うけど、僕は馬鹿な女が好きなわけじゃない。だいたい、
おひゃー、なんて変に流行に乗り損ねたみたいな挨拶してる奴には関わりたくないね」
「じゃあ、水原さんとかは?結構いい線いってるんじゃね?」
眼鏡の水原暦(なんていって、実は僕も眼鏡なんだけど)には一回、
僕の渾身のギャグを無視されたことがあった。
「別に好みじゃない。やめよう、面白くもない話だ」
実際、僕はちょっと不機嫌になってしまった。

179 :大山の一日4 :2005/03/01(火) 23:32 ID:???
午前の授業が終わり昼休みになると、僕は部室に行って、
かおりに貸す天文の本を置いてきた。
クラブの時に渡してもよかったんだけど、忘れたら困る。
ところでこの部室、放課後はクラブで使う時以外は締め切ってしまう。
それなのになんで教室で直接渡さないかというと、一度滝野に、
「あっ、大山。かおりんにラブレター渡してる?なにそれ、ひゅーひゅー!
 あっついねー!みなさーん、聞いて。大山がさ………」
なんて叫ばれたからだ。
おかげで担任の谷崎先生には色男扱いされるわ、かおりには何故かほっぺたをぶたれるわ、
美浜には、
「みなさん。大山さんの、その、じゅ、純情な気持ちをからかってはいけません!」
なんて、フォローにならないフォローをされるわで大変だった。
こんなときも男は不利なんだ。なんで僕ばっかりこんなに言われなきゃならない?
もともとクールなイメージを保持していた僕にとってこれは致命的なダメージだった。
「なーにがクールだ、この色男め。お前の印象は最初っからずっとへたれだったよ」
勝手についてきた後藤はまた勝手なことを言っている。
よっぽど閻魔大王に舌を引っこ抜いてもらいたいんだろう。
こんな奴ほっときゃいいんだけど、ちゃんと答えてやるのが僕の長所だ。ちょっと腹も立ったし。
「また思いこみと妄想か?だいたい全く目立たなくて、印象ゼロの君にいわれたくないね。
 そもそも、へたれというのは君自身のことだろう?
自分の性格を僕に無理矢理当てはめることでしか心の均衡を保てないのか?」
ここまで言えば、いくら現代ののびろべえと呼ばれる後藤でも
自分の嘘を認めるだろうと思っていたのに、この男ときたら涼しい顔で、
「そうやってむきになるあたりがへたれなんだ。さらに子供っぽい。
 お前がクールなら榊さんはフリーズだ」
なんて訳の判らないことを言っている。
相手をしてやってもいいんだけど、ここで後藤を言い負かすのもかわいそうだと思い、
僕は黙った。後藤はそれでも喋り続けている。
「だいたいラブレターを渡したって勘違いされるような男がクールな訳がねえよな」
「………」
「まあ、今ならお前は変質的な女嫌いとして有名になってるから、間違われることもないけどな」
「………」
「それに、あの本はB5だろ?前のと違ってラブレターに間違われることなんてないって」
「駄目だね。本をプレゼントしたとか、凄く長いラブレターをファイルしたとか
言われるのが関の山だ。」
僕がついに口を開くと、後藤はしてやったり、という顔でにやりと笑った。
なんだかくやしい。

180 :大山の一日5 :2005/03/01(火) 23:34 ID:???
「きゃー!」
なにに驚いたって、僕はその凄い叫び声に驚いた。
午後の英語のひとときという、一日で一番意識が朦朧としている時間に
そんなふうに叫ばれたんだから、僕は一瞬死んだおばあさんが語りかけてきたと
思ってしまった。もちろんその直後の、
「うわ、ゴキブリだ」
という声で我に返ったけど。
なんだゴキブリか、と一気に醒めた僕とは裏腹にクラスは大パニックになった。
「ちょっと、誰か殺しなさい!」
なんて物騒なことを担任がいえば、
「よっしゃー、まかせろ!」
と滝野が乗ってくる。まかせろって、あんな小さな虫ほっとけばいいじゃないか。
殺すなんて残酷なことをよく実行に移そうと考えるものだ。
クラス中が大騒ぎになって、普段どおりの態でいるのは榊と春日歩くらいだ。
榊はともかく、春日は以外だった。
真っ先にうろたえそうなイメージを持っていたのに。
緊急時のときは人間の本質が見えて、全く面白い。
やがてスパーン、と心地よい音がして、ゴキブリは天に召された。
やれやれ、やっと授業再開だ、アーメン。
「あの、もう大丈夫ですから、机から降りたらどうですか?」
見下ろすと、美浜が哀れむような目でこちらを眺めている。
僕は咳払いをして机から降り、上履きを履いた。
ここでクラスのみんなを観察していた、なんて言ってみてもいいのだが、
言い訳がましくなると思い、やめた。我ながら謙虚な男だ。
「そういやさ、最初の凄い悲鳴、誰のだ?」
話しかけられたが、その内容は僕には全く興味のないものだったので、
「さあ、誰だろう」
と答えておいた。
僕か、榊か、春日以外の誰かだろう。
僕を驚かせた罪は重いが、ゴキブリを恐れる気持ちは充分に分かるので、帳消しだ。
くしゃみをしながらそう考えていたんだけれども、
「はいはーい、授業始めるわよー。もうテスト一週間前なんだからね」
谷崎先生がそういった途端、僕は体に電撃が走るのを感じた。
もちろん実際に感電したとか、そう感じるほどの打撃をうけたわけじゃない。
テスト一週間前。そう、この言葉が僕のこころに響いた。
クラブがなくなり、誰もが勉強に集中するこの一週間。すっかり忘れていた。
クラブのせいで美浜に遅れている分を、ここで取り返すのだ。
僕は思わず熱くなった。次は絶対に学年トップをこの手に………。
授業は聞いてなかったのかって?
大丈夫、教壇では担任と滝野がゴキブリの後始末をめぐって格闘していて授業は中断してたんだ。

181 :大山の一日6 :2005/03/01(火) 23:35 ID:???
今日最後の授業は体育だった。
休み時間が十分しかないので、みんな大慌てで更衣室に走っていく。
着替えた後、僕が急いで用を足しに行っていたら教室には誰もいなくなってしまっていた。
春日さえいない。これは遅刻の予感がする。
ふと、誰かの机の上にティッシュペーパーの箱が置かれてあるのに気が付いた。
変な物を持ち込む奴がいるものだ、と思ったけど、時間が迫っていたので、
それ以上は考えずにさっさと準備をして運動場にむかった。
今日はクラス合同ではないので、男女とも一緒の場所でやる。
もちろん場所が一緒なだけで、男女で対戦プレーとか、協力プレーをするわけじゃない。
体育の黒沢先生は、男子のところにきて、
「男子は今日はグラウンドを走ってね。トイレ等に行きたかったらちゃんと私に言うこと。
さぼったらだめよ。チャイムが鳴ったら集合をかけます」
などと言いたい放題言って、女子の方に戻ってしまった。
女子は運動場の奥のコートでバレーボールをするらしい。
男子がマラソンで女子はバレーボール。
この差に男たちは憤慨するかと思いきや、みんな準備体操をしながら、
「よっしゃ、今日は女子を見放題だ!」
なんて言ってにやけている。とくに後藤なんて、
「ブルマっていいよな、やっぱり」
とかなんとか呟きながら鼻の下を伸ばしていた。
ほんと、この学校の男はどっか間違ってるよ。
「おいおいなんだよ、大山は女子を見ないってのかよ」
僕の冷たい視線に気付いたのか、後藤がそう言って因縁をつけてきた。
「いや、見るよ。ずっと走ってるのは退屈だし」
「じゃあ、俺らと同じじゃねーか」
「違うね。少なくとも君みたいに卑猥な心は持っていない」
「はいはい。口じゃあどうとでも言えるわな。せいぜい女の子を観賞してくれや」
もちろん言われなくたってそのつもりだ。
ただ走っているだけじゃ、僕のニューロンたちが退屈してしまう。
こういうときにクラスメイトの人間観察をすることも大切なんだ。
「もうお前の屁理屈はいいよ、走ろうか」
「そうだな」
僕は鼻をかむと、ゆっくり走り出した。

182 :大山の一日7 :2005/03/01(火) 23:35 ID:???
女子たちは六人ずつのチームに分かれてバレーボールの試合をしていた。
女子の試合なので全体的にもっさりとした動きで、あんまり面白味がなかったけど、
それでも凄い奴は凄い動きをする。特筆すべきは、榊の動きだ。
サービスもトスもスパイクも全てにおいて他の人間を凌駕している。
あれは初心者の動きじゃない。
「おい後藤、見たか?榊のあの動き。あいつ、あんなに運動できたんだ。なにやってんのかな?」
「榊さんはクラブには入ってない。色んな所から誘われてるんだけど、
全部断ってるらしい。格好いいよなあ」
そういえば、天文部に誘ったけど駄目だったってかおりがクラブで言ってたっけ。
そのかおりは春日とバックの方でお喋りしている。全くやる気がないらしい。
少しして、横を走っている後藤が話しかけてきた。
「そういやさ、大阪さんはなんで一人称に『うち』って使わないんだろ」
大阪というのは春日の愛称だ。
大阪から転校してきたからっていうのがその理由なんだけど、これは安直にも程があると思う。
後に大坂さんという人が転入してきたらどうするんだろう。先の事を全く考えていない。
それはともかく、今は後藤の話だ。
「大阪人は自分のことを『うち』って言うのか?」
「そうだ。『じゃりんこちえ』ではそうだった」
「………本人に聞いてみたら?」
僕はコートに目を戻して言った。馬鹿の相手は疲れる。
「行くぜー!」
コートでは滝野がサーブしようとしていた。こいつは運動できそうなイメージがある。
実際どうなんだろう。後藤に聞いてみると、
「できない。無駄に元気なだけだ」
後藤の言っていた通り、滝野は思いっきりサーブをミスし、
自分のチームにいる美浜の後頭部にぶちあてていた。
この男はなんでそんなに女子の事情に詳しいんだろう。一度ソースを聞いてみたいところだ。
「大丈夫?ちよちゃん」
水原が美浜に駆けよってきた。
「そこ、どうしたの?」
黒沢先生もよってくる。
「ちよちゃん、頭打ったみたいで、一応保健室連れて行っていいですか?」
なんだか大惨事の予感がする。
「水原さんのああいう優しいところもいいよな」
僕は後藤の頭を小突いてやった。

183 :大山の一日8 :2005/03/01(火) 23:36 ID:???
美浜は滝野に連れられて保健室に行ってしまった。滝野は、
「ちよちゃん、大丈夫大丈夫!」
なんて言って、なぐさめている。自分でやっておいて何を言っているんだか。
「二人も抜けたら試合ができません」
「じゃあ、ここの試合はちょっと中断しましょう」
黒沢先生がそう言うと、榊は先生に何か呟いて、校舎のほうに行ってしまった。
今の間にトイレにでも行ったんだろう。トイレは、下駄箱のすぐ側にある。
「おお、大山。あっちのチームすげーぞ。なんかもう、反則ぎりぎりだな」
後藤は別のチームの試合に熱中しだした。
でも僕にはあんなレベルの低いバレーなんて見たくもなかった。
早く滝野や榊が帰ってくればいいいのに。
祈りが通じたのか、滝野と榊はすぐに戻ってきた。滝野によれば、
「たいしたことないし、ちよちゃんもすぐ来るよ」
とのこと。やれやれ、これでまた榊のプレイが堪能できる。と思いきや、今度は春日が、
「あー、ごめん。わたしもやっぱりトイレに行っていいですか?」
なんて言い出した。そしたら、
「あ、じゃあわたしも行こうかな」
「わたしも」
と、かおりや水原までも、一緒に連れ立って校舎の方に行ってしまった。
ここでもし谷崎先生なら、
「お前ら授業受けたくないんかー!」
なんて言っただろうが、黒沢先生は、
「さっさと行ってきなさいよ、あんまり時間ないんだからね」
なんてありきたりなことしか言わなかった。
もうそろそろチャイムがなる。
結局、美浜と春日たちが一緒に戻ってきたときにちょうどチャイムがなってしまい、
僕たちはそれ以上バレーの試合を見ることはできなかった。

184 :大山の一日9 :2005/03/01(火) 23:37 ID:???
さっさと着替えをすませて教室に戻ると場は騒然としていた。
また滝野が掃除用具でもばらしたか、つっこみをくらって吹っ飛んだかしたんだろうと
思ってたら、そうじゃなかった。
「よみのティッシュの中身を盗んだ奴はだれだ〜!安物だけど薄ピンクだったんだぞ!」
「安物、は余計だ」
滝野が手に持っているのは、体育が始まる直前に僕が見たティッシュの箱だった。
あれは水原のだったのか。しかし盗んだとはまた人聞きの悪い。
「白状しないと全員かえさねーぞ」
滝野は嬉々として言う。きっとテスト一週間前だなんてこれっぽっちも頭にないに違いない。
「あの、それ、ティッシュが入ってたんですよね。一体どのくらい残っていたんですか?」
美浜が質問する、ってことは滝野たちに付き合うってことだ。よくやるよ、ほんとに。
「あと少ししかなかったよ。どっかの馬鹿がゴキブリを教科書につけてしまったからな」
水原が答えた。彼女は不機嫌そうに見えた。
「あ、そういえばとも、ティッシュ濡らして教科書をふいてたっけ。
あれ、よみのだったんだ」
かおりは帰り支度をしながら呟いた。鞄に本がなかなか入らないようだ。
「じゃあ、この箱に中身が残ってたのを見たのはいつですか?」
再び美浜の質問。
「体育の前だ。更衣室に行く前に出して、そのまま忘れてしまったんだ。
 体育が終わってわたしが一番に帰ってきた時には、もうなかった」
水原が答え、僕もしかたなく言う。
「最後に見たのは、たぶん僕だよ。着替えた後、一旦教室に戻ったときに見た。
 中身はあったと思うけど」
僕たちの答えに、美浜はにっこりとした。
「それなら、無くなったのは体育の時間中ということですね。体育の間はここには
 これないので、わたしたちのクラスの人には盗れません」
「じゃあ別のクラスの奴かー!」
滝野はそう叫んで教室を飛び出していった。
「いや、そうでもないぞ」
水原は滝野が出て行ったのを見てから言い出した。
「トイレに行く、とか言って体育をぬけて教室に行ったやつがいるかもしれない」
「男子は一人もトイレに行ったりしたやつはいなかったぞ」
長谷川が口を挟んだ。こいつはいつも男子を見ている変人なので、
言っていることには信憑性がある。美浜は苦笑いを浮かべながら頷きつつ、
「それなら女子ですか。女子でトイレに行った人は………」
「だめだー!一年のクラス全部まわったけど、途中で授業抜けたやつとかいねー!」
滝野が飛び込んできて美浜を押し倒した。

185 :大山の一日10 :2005/03/01(火) 23:38 ID:???
「と言う訳で、結局体育の時間に校舎の方に行った人はこの六人だけということになりました」
美浜が教室にいる僕以外のメンバー、滝野、榊、水原、かおり、春日の顔を見ながら言った。
みんな、後藤さえ、帰ってしまったのに僕だけ残っているのは、今日提出のプリントを
やり忘れていたからだ。
「この中に犯人がおるんやな?」
「犯人というか、ティッシュを使った人がいる確率は高いと思います
流れを、順を追って確認していきましょう」
どうでもいいけど、こっちは勉強してるんだからもうちょっと静かにしてほしいものだ。
「まず、最初に校舎の方に行ったのはわたしとともちゃんです。
みなさんご存知の通り保健室に行きました。ともちゃんはすぐ戻ったんですが、
わたしは少し休んでいました」
美浜がそういうと滝野が、はーいと手を挙げて、
「わたしが戻ろうとしたとき、榊ちゃんが運動場の方から来るのが見えたよ。
 で、一緒に戻ったんだ」
すると榊も、
「わたしも保健室から出てくるのを見た」
「榊はトイレには行かなかったのか?」
水原にそう言われると、榊は顔を赤らめて、
「うん。ちよちゃんが心配だったんだ。大丈夫だとわかったからそのまま戻った」
道理で早く戻ってきたわけだ。水原はうんうんと頷いて言った。
「その後はわたしたちだな。わたしたちは、トイレに行って、そのまま戻ろうとした時に
 ちよちゃんが出てきたから、一緒に戻ったんだ」
「あのう、三人でトイレに行ったんですよね。誰が一番早かったんですか?」
美浜は何を思ったのかそんなことを聞いた。水原は律儀に答える。
「わたしが一番だったな。その後すぐ、かおりんと大阪がほとんど同時に出てきた」
「そうですか………」
美浜は俯いてしまった。そのまま黙り込んでしまう。
「ちよちゃん、これでなんか分かるん?」
春日が聞くと美浜は顔をあげて、
「分からないです。やっぱりこれだけでは情報量が少なすぎますね」
「だな。もうティッシュのことはいいよ。早く帰って勉強しようぜ」
水原もそう言ったので、六人の女子は帰り支度をして教室から出て行ってしまった。

186 :大山の一日11 :2005/03/01(火) 23:38 ID:???
プリントを職員室に持っていったあと鞄をとりに教室に戻ると、
美浜が一人、自分の机についていた。
教科書もノートも出さずに何をしてるんだ、と思ったけど、特に話題もないので
僕はほっといて帰ろうとした。実際、テスト勉強の準備をしないとやばい。
ところが美浜は突然僕に話しかけてきた。
「あの。さっきの話、どう思いますか?」
「さっきの話?」
僕はそう返したけど、もちろんティッシュのことだろうという見当はついた。
「どうというのは、どういうこと?」
「だから、誰がよみさんのティッシュをとったのか分かりますか?」
「分からない」
僕は即答した。
「あの中にティッシュを盗った人間がいると仮定しても、特定できない。
君がいったように、情報量が少なすぎると思う」
美浜はそうですか、と呟いた。なんだか帰りづらい雰囲気だ。
もしかしたら………、僕は嫌な予感がした。
「もしかして、分かったとか?誰がティッシュを盗ったか」
美浜はピクリと体を動かした。
「そうですね」
そう言って立ち上がり、僕の側まで近づいてくる。そして、
「すみませんが、ティッシュを貸していただけませんか?」
と言った。僕はポケットからティッシュを出して、美浜に渡す。
「君が何を知りたいのか判らないけど、これは普通のポケットティッシュだ。
 ごく普通の、市販のやつだよ」
「一枚いただきますね」
美浜はそれを受け取ると、丁寧に一枚だけ紙を取り出して、天井のほうに持ち上げ、
眺めだした。すぐにその動作を終えると、僕にポケットティッシュを返した。
「何がやりたい?」
意味の分からない行動ほど僕が嫌いなものはない。ましてやこんな子供にからかわれる
ような形でこんなことをされて、僕はいらいらしてきた。
「言いたいことがあれば、はっきり言ってほしい」
「わかりました。言います」
美浜はまっすぐ僕の目を見つめて言った。
「あなたがよみさんのティッシュをとったんですね」

187 :大山の一日12 :2005/03/01(火) 23:39 ID:???
「………なんで僕だと思ったんだ?」
「あなたなんですか?」
「質問しているのは僕なんだけど」
「その可能性が、一番高いと思ったからです」
「質問を変えよう。どうしてそういう結論に至ったんだ?」
美浜はそうですね、と首を傾げた。頭の左右におまけみたいにくっついている
おさげが重力を無視するようにはねる。
「わたしは最初、さっき集まっていた人たち、榊さんたち五人のことですね、の
 誰かがいたずらしたんだと思っていました。だけど、その時の状況を考えたら
 だれも一人で教室まで行く時間はありませんでした。二人で、たとえば榊さんと
 ともちゃんが協力した、というのならありえないことはないですが、あまり
 現実的とは思えません。
さらに、わたしたち六人だけになって話し合ったとき、誰も自分がやったと
言い出さなかったので、この中にはいないと思ったんです。このくらいの
いたずらなら六人になったときに白状するでしょうから」
「それで僕だと?」
「そうです。最後に教室に入ったということと、一日中くしゃみをし続けていたことを
 考えると、あなたがやったと考えるのが妥当です」
「………証拠は?」
「さっきあなたからもらったティッシュです」
美浜は片手に持っていた一枚のティッシュをひらひらとふりながら微笑んでみせた。
「透かして見たら、薄い桃色でした。こういう着色はポケットティッシュにはありません。
 よみさんのものを畳んで空のビニールに入れたんですね」
「どうだろうね」
僕は惚けて言った。
「空のビニールに入れたのは本当だとしても、それは家で入れたもので、
水原とは何の関係もないかもしれない」
「あの、わたしは、みんながお互い疑心暗鬼になったりしないか心配なんです。
 本当にやったのなら、言ってください」
美浜は真剣な目で僕を見つめた。こういう目はずるい。思わず舌打ちしたくなった。
「わかった。じゃあ、僕の出すクイズに答えられたら本当のことを言おう」
いい考えが浮かんだ。子供っぽい考えだが、相手は子供だ。からかってやってもいいだろう。
「クイズ、ですか?」
「そう。答えてもらう問いは一つ。僕は体育の時になぜ、着替えた後いったん
教室にもどったのか?」

188 :大山の一日13 :2005/03/01(火) 23:40 ID:???
「それはもちろん、ティッシュの補給をするためです。自分のが無くなったから、
 よみさんのをとろうと思っていたんでしょう?」
「違う。そうじゃない。僕がティッシュの箱に気がついたのは教室に戻ってからだ。
 うん、言い忘れたけど、答えるチャンスは三回だ。今ので一回」
「えっずるい」
「さあ、あと二回。早くしてくれ。僕も帰って勉強がしたい」
美浜は考え込んだように斜め上を見た。
「眼鏡………。眼鏡をとりに行ったとか?」
「違う」
「じゃあ、かおりんさんに渡す本を置きにきた、とか?」
僕は愕然とした。なんでだ?
「誰だ、後藤に聞いたのか?なんでだ?」
「勘です」
美浜はほっとしたように言う。
「朝、あなたはかおりんさんに、本を貸すから部室に置く、みたいなことを言っていましたよね。
 わたしは不思議に思ったんです。今日はテスト一週間前なのにクラブがあるのかなって。
 もしかしたらテスト一週間前だということを知らないのかもしれない、と思いました。
その後、体育が終わってかおりんさんが帰る準備をしているのを見たら、かおりんさんは
なにやら大きな本を鞄に入れていたんです。それがたぶんクラブの本だと見当は
ついたんですが、いつ渡したかは分かりませんでした。
今あなたが出した問題で、もしかしてそのときにかおりんさんの机に入れたん
じゃないかなって考え付いたんです」
そう、僕は着替えたあとすぐに部室まで走って、本をとってきたんだ。
そうじゃないと部室はしまってしまうから。それにしても、なんなんだこの天才は………。
「じゃあ、大山さん。教えてください。本当のことを」
「わかったよ、僕の負けだ。明日、水原とクラスのみんなに謝る」
「そうですか。………あの、わたしも一緒に謝りましょうか」
「いい」
まったく何でこんなことでこんな騒ぎになったんだろう。
ただティッシュを少し拝借しただけじゃないか。そうだ、僕は悪くなんかない。
こんなことを騒ぎ立てたやつこそ………、
「うひゃー。教科書わすれちゃったー!」
「あ、ともちゃん」
「あ、あ、あ、あー!大山、あんた、かおりんだけでなく、ついにちよちゃんにまで
 その魔手を〜?うわー、こりゃ大変だー!よみー、大変だぞー!」
「え、え?ま、待ってともちゃん!これは誤解で、その」
僕はもう固まるしかなかった。明日には変な噂が校内中に広まるだろう。
明日はいい日でありますように、といった希望さえ、僕は持てないというのだろうか………。

おしまい

189 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2005/03/02(水) 00:15 ID:???
>>188
すごく面白かったです。
まさか、ミステリーな展開になるとは…… 意表をつかれました。
大山くんもいい味出していたし、ちよすけの探偵役もはまっていました。

よろしければ、また書いてくださいね〜

190 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/03/02(水) 19:15 ID:???
>>188
乙です。
とても面白かったです。
あと自分の作品ですが当初大山君がプロト下駄に乗る筈でした。

191 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/03/02(水) 20:45 ID:???
んじゃ投下しますね。
今度は今までのより長いですから

192 :序章〜旧ゲッターロボ対機人虫〜(1) :2005/03/02(水) 20:46 ID:???
===========================
この作品はグロテスクな表現が含まれています!
閲覧は自己責任で!!!!!
===========================

CHANGE GETTER ROBOT THE STORY
序章〜旧ゲッターロボ対機人虫〜(1)

「まぁいい。お前等このオッサン連れてさっさと逃げろ。今んとこ確認できた生存者はお前等だけだからな
 それにこの様子じゃ・・・・もう助かったのはお前等だけかもしれねぇ・・・・・・・・・」
「そ・・・そんな・・・・」
久しぶりに神楽が口を開く続いてともが
「じゃ・・・じゃあ、ちよちゃんは?大阪は?よみは?それに・・・皆は・・・・?」
「・・・・とにかくお前等は逃げろ。ウダウダ言ってても始まらねぇんだ。もうすぐ研究所の戦闘員やらが来るから
 それについて行って・・・・・」
「・・・・ボソ・・・・・・・・」
ともが何時もの様子からは信じられないような小さい声を出した
「あ?なんだって?」
「嫌だ・・・・・・嫌だ!!」
神楽も声を出す。既に涙声になっている。
「お・・・おいっ!!!」
いきなり二人は自分たちの教室の方に走り出した。竜馬の静止の言葉はもう既に耳に入っていない
「ば・・・馬鹿な!死ぬ気か・・・・くそっ!!」
竜馬も二人の後を追って走り出す・・・・・木村を放ったらかしにしたまま。

(嘘だ・・・皆が死んだなんて・・・・絶対に嘘だ・・・・・!!)
そのとき
「キシャァァァァァァァァッ!!!!!!!!」
「!!!」
先程ゲッターに叩き潰された怪物の仲間が襲いかかってきた。しかしこちらはこの高校の男子生徒の制服をしているが・・・・。
「危ねぇ!!!!」
竜馬が二人を突き飛ばし、怪物の腕の鎌を素手で受け止め腹に蹴りを入れて跳ね飛ばす。
「オラァッ!!!!」

グシャァ

怪物が苦しんでいる隙に頭を全力の力をこめた拳で完全に叩き潰す。怪物は頭を潰され、ついに動かなくなった。
「オイお前等っ!!何考えてんだ、今俺がこなきゃ死んでたかもしんねぇんだぞ!!」
「だって・・・友達が・・・友達が危ないんだ!!私達だけ逃げるなんてできないよっ!!!」
神楽が竜馬に向かって叫ぶ。その目には涙が浮かんでいる。
「・・・・だからお前等だけで助けるってのか・・・・・死ぬぜ。」
「・・・いいよ。皆がいない人生なんて・・・私も皆を助けに行く!」
ともも神楽に応じて言う
「(フン・・・女のくせに。ったく最近の女ってのはあのハチュウ類よりおっかねぇな)おい待て。俺も行く、乗ったぜその話。」
しかし目の前には既に人の姿を失った生物「機甲虫(バグズ)」が数体が三人に襲いかかろうとしていた
「・・・さっそくきなすったぜ、お前等。俺の後ろに下がってろ。」
そう言われて二人は竜馬の後ろに下がる

193 :序章〜旧ゲッターロボ対機人虫〜(1) :2005/03/02(水) 20:47 ID:???
「うるぁぁあああ!!!」

そう叫ぶと一番近くのバグズに飛び蹴りを叩き込む
「ギシャアアアアアアアアアアアアア」


ちょうどそのころ

一部の生徒はこの事態パニック状態に陥り散りじりになって逃げていた。担任の指示も聞かずただ逃げ惑うばかり。
・・・当然、パニックに陥った生徒はバグズの格好の餌食となっていったが。
「お・・・大阪さん、急いで・・・急いでください!!!」
「わ・・・分かってる、分かってるねんで?」
「・・・急いで、早く逃げなきゃ」
「にゃも!あんたのクラス、全員いる!?」
「あぁ、ったくあの馬鹿どもが・・・・ともと神楽はどこいったんだ?」
だが幸運なことにパニック状態に陥った生徒が囮になったためかなんとか半数ほどの生徒が避難することができた。
しかしそれも長くは続かない。
鋼鉄製の扉の向こうから扉を破壊しようとする音が聞こえる。そして扉がどんどん内側に向かってひしゃげてきた。
それに、体育館の天井や壁からも同様の破壊音が聞こえてくる。
「エグッ あ・・あぁもう・・もう駄目・・・駄目です・・・」
体を震わせて半泣きになっているちよすけ、それを
「・・・まだ、諦めちゃ駄目だ・・・・」
「そうやでちよちゃん。まだ私らは生きとるんや。諦めたらあかん・・・・!」
それを励ます榊と大阪。それに答えて
「グシ・・・そうですね。まだ諦めちゃ駄目ですよね」
涙を拭いたちよちゃんが笑顔で答える。何かふっきれたようだ。
「それじゃみんなで家に帰れるようにがんばりましょ」
と言った瞬間に扉が吹っ飛ばされた。
その奥には全身返り血にまみれた男が立っていた。
その場にいた者達に緊張が走った。だが
「よみー大阪ー!ちよちゃーん!生きてるかー?」
「榊ー!黒澤先せー!!大丈夫かー?」
と聞き慣れた声が聞こえた。

194 :序章〜旧ゲッターロボ対機人虫〜(1) :2005/03/02(水) 20:48 ID:???
「と・・・とも!?」
「神楽・・・・・?」
とよみと榊がリアクションをとった
「あ〜皆無事かぁ〜〜〜良かった・・・・・」
二人は緊張が解けたのか皆の元で急にへたり込んでしまった。
「馬・・・馬鹿!!死んだのかと思ってたぞ!!・・・・馬鹿・・・・」
「ともちゃん・・・・無事で・・無事で本当に良かったです・・・」
へたりこんだともを半泣きのちよとよみが抱きかかえる。
「神楽・・・怪我は無い?」
「神楽ちゃんにともちゃんはみんなに心配掛けすぎやで〜?もっとしっかりしぃ〜」
榊も優しく神楽に語り掛ける。
「うるせぇな・・・よみは・・あ・・・また太ったんじゃないのかぁ?」
「あぁ、私達は大丈夫。それにお前にだけは言われたくねぇな〜?」
「・・・・何が大丈夫だ。俺がいなきゃ辿りつけなかったぜ・・・絶対にな」
竜馬もこちらにやって来る。血も返り血だけで本人は全く無傷だった・・・・信じられないが
「あ・・あの、この人は・・・?」
「あン?あぁ俺は」
そう言おうとしたときだった体育館の壁を巨大な刃が貫いた。
幸い、犠牲者はいなかったがその刃が開けた穴から巨大な目がこちらを睨んでいた。
「キャーーーーーーーーーーーーッ!!」
かおりんが絶叫し失神してしまった。
そしてその穴を巨大な手がこじ開けようとする。
「な・・・何よアレ・・・」
「ちっ厄介な奴が現れやがった・・・ハヤトォ!!」
その瞬間爆音が轟き腕を体育館の壁ごとふっ飛ばした。
「ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
とさっきの怪物を巨大化させたような生物が苦悶の叫びをあげる。その胸には巨大な斧が突き刺さっていた。
その向こうには巨大な真紅の機体、「ゲッターロボ」が怪物と向き合っていた。

195 :序章〜旧ゲッターロボ対機人虫〜(1) :2005/03/02(水) 20:50 ID:???
「大丈夫か、竜馬!!」
「ハヤト、イーグル号をよこせ。あれじゃ奴はまだ死なねぇ!!」
「分かった!!」
そう叫ぶと隼人はコックピットのレバーを倒し機体を三機の戦闘機に分離させた。
そのうちのさきほどのロボットの頭に当たる赤い機体(イーグル号)がこちらに向かって突っ込んできた。
「ああああああああ、な・・・なんか来ます・・・死ぬ・・・死んじゃう〜〜〜!!!」
恐らくゆかり車のトラウマを思い出していると思われるちよちゃんが絶叫する当然他の生徒もビビりまくりである。
「とうっ」
しかし竜馬は慣れた様子でマッハで飛んでくる機体に飛び移り簡単に乗り込んでしまった。
「な・・・なぁ、とも」
「ん?何?」
「あの人さ・・あのひと・・人間なの・・・?」
半分飽きれ果てた状態でよみが尋ねる。
「さぁ。アイツ素手でさっきの怪物の仲間と闘ってたし・・・」
「・フ・・・ふーん・・・・」
そんなことなど露知らずの竜馬は
「隼人、ゲッター1だ。空から攻めるぞ!!」
「分かった!!」
「チェーンジ!!ゲッタァァアアアアワンッ!!!」
戦闘機がフルスピード激突し、先程のロボットに変形する。
「す・・・すげーーー」
そこにいたものは唖然とするしかなかった。
そして怪物に向かって竜馬が叫ぶ
「バグズが、合体したゲッターを舐めるなよ!!!!」
そしてそう叫び、怪物に襲いかかるのであった。

to be continued

196 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/03/02(水) 20:51 ID:???
今後もこんな感じで続けていきたいと思います。
そして疲れたので寝ます。

197 :りきまる :2005/03/02(水) 21:37 ID:???
>>189 紅茶菜月さん
感想ありがとうございます。
後半はだれてしまったかも、と心配していたのですが、そう言っていただけると嬉しいです。
もちろん、またいつか書きこませていただくつもりでいます。

>>191 >>196 ◆gZ3JFQh5g6さん
感想ありがとうございました。
あなたの作品は、原作は知らないのですが、ときどき出てくる独特の台詞まわしがうまいと思います。
「女ってのはハチュウ類よりおっかねぇ」には痺れました。
木村先生やそのクラスの生徒の安否など、気になることが次にどう出てくるか、楽しみです。
これからも頑張ってください。

198 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/03/02(水) 21:49 ID:???
>>197
下駄の最初の敵は宇宙から降り注いだエネルギー、「ゲッター線」によって絶滅した
地球の先住民族「ハチュウ人類」です。
なので「ハチュウ類」という単語を使ってみました。
原作を宣伝するわけではないのですが、原作は絵が独特でとにかく話がシリーズを重ねるごとに
巨大化していくことでも有名です。もしよかったらご一読を。お互いに頑張りましょう。

199 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/03/02(水) 21:53 ID:???
敵側も魅力的ですね
百鬼帝国やらチリュウ一族やら

あのバイオレンスな雰囲気をどう表現していくのか
これからも期待してます

200 :27 ◆gZ3JFQh5g6 :2005/03/02(水) 21:59 ID:???
ゲッターエンペラーを出すかどうか悩んでます。
あんのバケモノは次の下駄サーガでも無敵っぽいし
>>199
ギィムバグ軍曹と最後の最期で地球にワープしてきてドラゴンに食われた戦闘艦ギムスの艦長は
最高に格好よかったと思ってます。
あとオリジナルの下駄を出そうかと考えてますがいい名前が思いつきません(デザインは考えましたが)・・・。

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