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スレッドが大きすぎます。残念ながらこれ以上は書き込めません。

【あずまんが】SS書きの控え室6

1 :◆5xcwYYpqtk :2005/02/03(木) 23:43 ID:???
 ストーリーの構成、キャラの造り方、言葉の使い方など、あずまんがのSSや
小ネタを作成する上で困ったことや、悩んでいること、工夫していること等を話し合う
スレです。
 また〜り楽しんでいただければ幸いです。
 ここで新作をUPすることも可です。

★主な注意事項
1. sage進行でお願いします。
2. 対象範囲は「あずまんが大王」及び、連載中の「よつばと」とします。
3. 他人の作品を善意であっても批評しないでください。(自分の悪いところを
教えてくださいというのは可です。)
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します。

484 :LIBRO 7 :2005/04/24(日) 22:43 ID:???
第三部 「いけにえ」

1400・東京都内各所
「中禅寺湖畔での巨大生物の確認」の情報は、都内各所を駆け巡った。
「なに?!その情報は本当か?」
「間違いありません。本1345、ICSAのCOが確認しました。」その報告を佐々木情報・治安担当補佐官から受けた慎吾はため息を大きくついた。
「で、防衛庁・ATDFの今後の対応は?」
「現在陸自宇都宮・北宇都宮駐屯地に部隊の事前展開を開始しております。また、空自の百里基地と海自の厚木基地がスクランブル体制に入ったとの未確認情報も入っております。」
「うむ・・・陸自の航空部隊は?」
「木更津の第一ヘリコプター団ではなく、第十二師団が即応体制に移行しました。また、これに呼応する形で東部方面隊・東北部方面隊が準即応体制に移行を開始したとの情報があります。」
「なるほど・・・」慎吾は顎をしゃくって何かを考え始めた。
「佐々木君、大至急EXCOM Jのメンバーを参集して欲しい。」
「分かりました。大至急首席補佐官に報告します。」同じ頃、東京都千代田区大手町の三千院製薬本社に一台の黒塗りのセダンが正面玄関についた。
「か、会長・・・」受付の係りが慌てた。三千院製薬を中心とする一大グループの総帥がこの事態の収拾に動き始めていた。
「桑原君。情報は聞いたよ。いったい何がどうなっているのかね?」三千院グループの総帥、三千院松治(さんぜんいん まつじ)が製薬工業社長の桑原に尋ねた。
「会長もご存知かとは思いますが、我々と大河内製薬、防衛技研、ATDF技研は共同で“防衛用巨大生物”の開発計画を推進してきました。その過程において、霞ヶ浦のわが研究所の飼育施設を破壊し逃走するという事件が発生いたしました。」
「桑原君、私はそのことを聞いているのではない。この事態、つまり巨大生物の出現がわが社に与える打撃について私は聞いているのだ!」
「会長、それにつきましては何の問題も無いと思います。実質上、我社を支配しているのは大河内コングロマリッドなのですからな。」優勢に立った桑原が言い返した。それを聞いて三千院はあからさまに不快になった。
1990年台初頭まで日本経済に限らず世界経済は、「モノ」を中心に回っていた。つまり、物流とか製造業が中心の世界であったのだ。
ところが、世界のグローバル化は世界に新たな潮流を齎した。1970年代以降の経済システムの激変によって「金融」が世界経済の主役に躍り出たのだ。
その流れにいち早く乗ったのは、終戦後に金融分野に進出した大河内グループだった。
数十年に渡って「金貸屋」などと蔑まされていたのであるが、この流れに乗って勢力を一気に拡大し、日本の各産業の上位10社以上の50%の株式を取得し経営権を支配した。
つまり、今の日本経済の実質上のオーナーは大河内グループといっても過言ではない。この裏では、公正取引委員会や国税庁との熾烈な戦いも今なお繰り広げられている・・・
「我々実質上に会社運営を行なっているものにとって一番怖いのは大河内のオヤジであって、会長、あなたではありません。」
「ずいぶんハッキリと言ってくれるじゃないか・・・」
「会長、この件に関しては私に任せてください。」桑原ははっきりと言い放った。
同じ頃、臨海副都心のATDF本庁では裕正が専用回線で横浜市MM21(みなとみらい21地区)のATDF科学技術センター遺伝子工学研究所の所長、老神賢三(おいがみ けんぞう)と話をしていた。
「ドクター、今回中禅寺湖畔に出現した巨大生物について如何にお考えですか?」
「幕僚総監、あれはただの巨大生物ではありません。日本有事・周辺事態を考慮して遺伝子改造された生物です。よってすべての遺伝子的な情報は我々が有しています。それほど深刻になる問題ではありますまい。」
「ドクター、問題はそこにあるのではありません。この問題がより深刻になりかねないのは、日本有事・周辺事態の想定とはいえ明らかに“兵器”を我々が開発していたということです。
この問題の処理を誤ると政権が転覆しかねません。政府としてはより極秘裏にこの問題の処理を“期待”しています。」
「閣下、可能な限り善処はします。すでにAMBは完成していますし、技術的な問題は生じていません。」
「それを聞いて安心しました。では失礼します。」そういって裕正は回線を切った。

485 :LIBRO 7 :2005/04/24(日) 22:45 ID:???
同じ頃、都内を車で移動していた慎平と孝明、それに遅れてやって来た森田菜穂子嬢、大橋慎平翁お気に入りの榊弥生嬢の元にもこれらの情報が入ってきた。
「そ、そんな・・・」榊の顔は真っ青だった。
「安心しなさい。この情報を齎したのは恐らく、今後にもいる敬愛なるICSAの紳士諸君でしょう。」そう慎平が言うのを聞いて孝明が後ろを見るとぴったりとくっ付いて来る車が一台確かにいた。
「あの車は榊君の専用だな。全く羨ましいよ。諸君らは“公費”で警護がついているんだからな。」フンッっと鼻を鳴らして、慎平が皮肉を言った。
「そう皮肉を言わないでください・・・私たちだって、私たちだって・・・」
「まあそう暗くなることもあるまい?」慎平が励ました。
「情報では滝野君は栃木県警のドクターヘリで自治医科大学病院に搬送されたが命に別状は無いそうだ。」
「良かった・・・」榊はほっとしたようだった。車は中央高速道路を国立府中ICで降りて立川市内へと入っていった。BGMには松任谷由実の「中央フリーウェイ」が流れていた。
東京都立川市広域防災基地、ここに日本国の災害対策・災害復興の指揮を執る役所“国家災害対策庁”(national crisis control center/agency)のヘリポートに向かっていった
そこには大河内財団所有の大型ヘリEHI EH101ヘリに4人は乗り込んだ。ヘリは立川を離陸し首都圏の上空に飛び去っていった。
「さて本題ですな、諸君。」慎平が口火を切った。
「我々人類は自助努力によって自らの問題を解決せねばならない。それが、あの大戦を生き残り高度経済成長に貢献し、今またご奉公している私の責務であると考えている。然るに・・・」
「問題はウルトラマンをどう考えるか、ですわね。」
「その通りだよ、なおちゃん。」そういって慎平は差し出されたコーヒーに口をつけた。
「全く、ウルトラマンが6人も現れるなんて予想だにしていない事態だよ。」
「でも爺ちゃんは少なくとも僕と菜穂子に関してのことは調査したじゃない?」
「まあな、それでもウルトラマンインパルスとトリニティー、そして・・・」
「ダークオブ・ディアボロスのことだけ、ですね。」
「その通り、しかし何だな。ウルトラマンの話をしようとするならばこんな上空で話をせねばなら無いとは不便なものじゃて・・・」そう、彼らはこの話をするためにヘリに乗り込んでいたのだった。
「まあ、榊君は・・・知ってなかったっけ?」
「何をですか?」
「今、目の前にいる人物たちもウルトラマンに変身できるってことをさ。」

486 :LIBRO 7 :2005/04/24(日) 22:45 ID:???
1600・東京臨海副都心・ATDF本庁
ヘリポートにATDF専用ヘリのMH2000が到着した。中から降り立った人物たちは急かされる様に建物の中に入っていった。
「WELCOME TO ATDF。」そう言って裕正が彼らが通された通信指令センターで出迎えた。
「お久しぶりです!大橋海将補!」
「早川君、もう私は将補じゃないよ。海将だ。」
「申し訳ありません!」そう言って早川一等海佐は笑った。釣られて大橋も笑い出した。
「紹介します。統幕情報作戦部情報一課長の佐々木二等空佐と作戦一課長の中沢二等陸佐です。」
「ATDF幕僚総監の大橋裕正です。よろしく。」
「大橋閣下にお目にかかれて光栄です。早速ですが、現在の部隊の状況についてブリーフィングに参りました。」
「お願いします。」佐々木が状況表示板を操作し始めた。
「現在確認されている巨大生物は2匹います。」
「その情報は入っていないぞ!?」裕正は声を上げた。
「現在厚木のP−3Cが追いかけています。目標は房総半島沖の太平洋を時速10キロ以上で鹿島灘方面に移動しています。実際、まだ巨大生物かどうかも分からないのです。詳細は入り次第フラッシュします。」
「頼むよ。で、問題は中禅寺湖のヤツだが・・・」
「現在陸自の第72普通科連隊が宇都宮駐屯地に向けて移動中です。」佐々木に代わって中沢が報告し始めた。
「普連だけじゃ拙いだろう。」
「ええ、ですから第十二特科連隊もくっ付けて“ハイパー戦闘団”を構成します。主力はメーサー部隊と航空機です。」
「なるほど。で、作戦開始時刻等々は?」
「まだ時間が掛かりますね。部隊編成が完了した段階で移行の作戦指揮をお願いする形になりますが・・・」
「中沢さん、加賀美君を知っていますかね?」
「加賀美一佐ですか?無論です。女性でありながら優秀な作戦幕僚ですね。」
「その言い方は女性差別になりますね。」そう言って裕正は中沢を窘めた。中沢はバツの悪そうな顔をした。
「さて、その加賀美君と協議を行なって作戦開始をいつにするか等を考えて欲しい。」
「分かりました。」同じ頃、陸上自衛隊宇都宮駐屯地・北宇都宮駐屯地に続々と部隊が集結しつつあった。その指揮を執るのは第72普通科連隊連隊長支倉令二郎一等陸佐である。ちなみに副連隊長は島津由樹二等陸佐である。
「島津君、部隊の状況は?」
「現在のところ順調です。メーサー部隊はすでに我々の手中にありますし、今のところ問題はありません。」
「部隊の配備の面ではな。」そう言って支倉は書類に目をやった。
「島津君、空自の状況は何か無いかね?」
「空自は今回の作戦には百里と熊谷、入間の作戦機を投入してエア・カバーをかけると息巻いています。実際、先の相模湾で出しそこなったUX−4しか出さないといっています。」
「まあ、今回はしょうがないか・・・」

487 :LIBRO 7 :2005/04/24(日) 22:48 ID:???
1700・東京・丸の内・日本工業倶楽部会館
東京駅の近くにある日本工業倶楽部の会館、そこに黒塗りの乗用車数台が停まった。車内からはシルクハットを被った老人や、いかにもビジネスマンといった感じの紳士、バリバリのキャリアウーマンといった感じの女性が降り立った。
彼らは会館の中に姿を消した。会館の会議室に彼らは集合していた。
「さて、皆さん。我々日本財界は今こそ一丸となってこの困難な局面に立ち向かわねばなりません。」シルクハットをかぶった紳士、大河内グループ総帥の大河内龍之介が口を開いた。
「そうですな。巨大生物災害によってこの一年で株価が2000円以上も下落してしまいました。」日本を代表する重工業グループの社長、平井堅二が言った。
「しかしここ数回は“人災”が多いような気がしますな。特に先のハイパーガルベロスの誘導原因が平井重工業のエンジンの不具合で・・・」
「大河内さん、それを言うなら今回だって大河内製薬と三千院製薬の問題ではないですか?」
「平井さん、この問題は一企業の問題ではありません。日本国、いえ全世界が絡む非常にデリケートな問題です。総合的な国家安全保障の危機なのですよ。」
「そんなことは分かっていますよ。しかし、そのおかげで我々産業界が潤いますな。古代ギリシャ人がこう言いましたな。“戦争は儲からない。しかし戦争をしなければもっと儲からない。”と・・・」
平井がそう言って大河内を見た。大河内は葉巻を銜えていた。その姿はまるで吉田茂元首相であった。
「ところで小笠原さん、小笠原グループの財務状況は?」
「小売業分野の商業販売額指数と景気動向が低迷しています。」小笠原財閥の若き女性頭首小笠原祥子(おがさらわしょうこ)が大河内に言った。
小笠原財閥の頭首であり大河内の戦友でもある小笠原李一郎(おがさわらりいちろう)は病床に臥せっており、その代役として経営に当たっていたのが彼女であった。もっとも、そこをうまくやって小笠原財閥各企業の発行済み株式の33%程度を取得していた。
小笠原財閥が小売・鉄道・不動産等の直接投資を得意としているのに対して、大河内コングロマリッドはその名の通りありとあらゆる金融分野を網羅している。その他、製薬とIT産業、重工業を持っている。
「追加出資しましょうかな?」
「まだその時期ではありません・・・」経済人が日本経済の現状について語っている頃、栃木県の自治医科大学付属病院にともが検査入院していた。巨大生物に救われた後、栃木県警のBK117C−1ヘリに乗せられてここまで運ばれたのである。
「大丈夫ですかー」千代が心配そうに訊ねた。
「大丈夫だって、医者が言うには明日にも退院できるって。そんなに大きな怪我もしていないし・・・なあよみ。」
「なんだ?とも?」
「ひとつ気になることがあるんだ。」深刻そうな顔をしてともがよみに言った。
「政府が怪獣がいることを許しておくと思う?」
「それは・・・分らない。」

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