世の中のすべての萌えるを。

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[他作品]クロスオーバー・あずまんがSSスレッド-参[混合]

1 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2007/02/18(日) 20:33 ID:???
クロスオーバースレも3スレ目となりました。
ここはあずまんが×他作品のクロスオーバー作品用スレッドです。
あずまキャラを他の世界観に置き換えたり、また逆も然り。
そんな想像を作品にしてどんどん投下していって下さい。
また〜り楽しんでいただければ幸いです。

★主な注意事項
1.原作の対象範囲は「あずまんが大王」及び、連載中の「よつばと」とします。
2.ここの作品はいわゆる「戦い系」の長編作品を多く含みます。
3. その場合、あずまんがキャラでの戦闘を描いている為、原作の雰囲気を変化させ、またキャラクターも
  精神的・身体的に強化されているものもあります。
4. あずまんがキャラと、SSの作者のオリジナル・創作キャラクターとの共演もあります。
5.他人の作品に対し罵倒、中傷は絶対にしないでください。
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します

85 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:23 ID:???
「気をしっかり持て!!こんな所でやられたりしたら笑いものだぞ!!」
TEAM SNOW隊長のニード・楼(ロウ)が激を飛ばす。彼は戦闘機ガナバに乗って
ゼルエムオメガに攻撃を仕掛ける。

「あんたのかっこいいとこ初めて見たよ。けど同意だ!俺だってこんな所で立ち止まるつもりはねぇ!!」
尚貴・S・ラプターはバイク型戦車ダリムゾンに乗って砲撃する。グレネード弾が発射され腹部に直撃する。
さらに、尚貴は戦車から降りて自らヒートサーベルで切りかかった。
ゼルエムオメガに傷をつける事に成功する。

「この、カスが!!」
「休ませるつもりはない!ウツ、僕達も続こう!」
「そうだな、行くぞ!!」
宇都宮博之、小室久志の二人は乗り物にのらず、地上からの銃『スノーシューター』で
尚貴がダメージを与えた箇所にクリーンヒットさせるのだった。

「ヴィディアちゃん!あなたにシャイニングバーストとその転送ルートを送るからしっかり届けてね!」
マーガレット・メル・ラシェラは人造生命体であるヴィディアにシャイニングバーストの転送を命令した。
どうやら千尋やかおりんの通信はちゃんとこちらにも受信できていたようだ。

「分かったよ、マーガレット!」
ヴィディアはそれに従い、空高く浮き上がる。そしてシャイニングバーストのエネルギーをその体に受け、
さらにそれを増幅させた後に、集束ポイントに向けて放つ。人造生命体ならではの手法である。
ちなみに彼女は妖精を彷彿とさせるくらい小さい。

「ミィナ、私達も続くわよ!」
「うん、アリサ!アイスブレイズ!!」
ミィナとアリサはTEAM SNOW基地に設置されている砲台アイスブレイズを発射する。
アイスブレイズをくらったゼルエムはみるみるうちに凍っていく。

「とどめはあなたに譲るわレン!」
「頑張ってレン!」
「ええ、行くわよ!ブリザードクロス!!」
彼女が乗るのはTEAM SPEARが乗る人型戦闘ロボットタイプ「アーグ」だった。
紫と白のカラーリングのその機体の後ろには二台の砲台がついている。
アーグはそこから氷のビームを発射する。

「こ、この俺がぁぁぁぁぁ!!」
ゼルエムオメガはそれに直撃してついに爆破された。

86 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:25 ID:???
「あとはゼルエムだけね」
レンはそう呟いた。

「頼んだわよヴィディア!」
「届け、あたしのエネルギー!!」
ヴィディアはシャイニングバーストを日本へと送り続けた。

その頃、日本ではジェロスとマッド星人も戦列に加わり、決死の抵抗を続けていた。
そして集束ポイントのエネルギーはかなりの量に達しようとしている。

「TEAM SNOWからもシャイニングバーストが届いている。ちゃんと伝わっていたんだ。
榊さん、大阪さんもうすぐだよ!」
南極方面からシャイニングバーストが放出されたのを見て千尋は感動すら覚えた。
集束ポイントには久世怜香とそれに抱かれたマヤーが榊に会いに来ていた。

「榊さん、それに他のみんなも頑張って!この子と一緒に応援しているから!」
怜香の言葉に同意するかのように、マヤーは手を差し伸べてきた。そのマヤーの手を
ギュッと握る。

「ありがとう」
榊もその手を握り返す。そして彼女達は巻き込まれないようにこの場を離れた。

「もうすぐエネルギーがたまるんやな、今度は勝てるんやろか?」
「今度は負けない。この光のエネルギーにはみんなの思いがこもっているから」
まだ不安そうな歩に榊は力強く答える。

「頑張ってかおり。そして榊さんや他のみんなも」
「私も応援しているよ、だから諦めないで!」
かおりの母親や、以前レギュラン星人事件に巻き込まれた歩に似た女性、神戸みどりも応援している。

「弥生ちゃん」
「お〜い、歩ぅ」
その時、誰かが歩を呼ぶ声がした。振り返ってみて歩は驚いた。

「お父さん、お母さん!どうしてここに?」
思わぬ来訪者である。

87 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:26 ID:???
「お前に一言エールを送ろ思てな。頑張ってき。ゼルエムだかなんだかよーわからんけど、
ぶちのめしてくるんや。弥生さんや翔、ゆりちゃん、それに他の人達と一緒にな」
歩の父親である春日浩一は歩の肩をがっしり掴んできてそう告げた。

「歩ちゃん、ジャスティスさんとうまくやるんやで。弥生さんの方はレイさんやったっけ?
しっかりやりぃな」
母親である春日遥の発言には歩だけでなく、榊までもビックリさせられた。

「何でその事知ってるん?」
「何でやろな。何かそんな感じがしたんよ」
尋ねる歩に遥はニッコリ笑って答える。横の浩一もショックを受けた様子が見られないので
気づいているのだろう。

「いやぁ、自慢の娘がウルトラマンやなんて最初は度肝抜かれたけどな。でもこれはこれで
ありやないかと思えたんやね。俺らにとっちゃ歩や翔が何であろうが関係あらへん。
歩は歩、翔は翔ってこっちゃ」
「もちろん、弥生さんやゆりちゃんかてそうやで。どんなんなっても弥生さんは弥生さん、
ゆりちゃんはゆりちゃんやで」
「お父さん、お母さん・・・・・・・」
歩の中で何かがこみあげてくる。

「じゃあもう俺らは行くで」
「しっかりな、歩ちゃん、弥生さん」
そうして彼等はここを後にする。しばらく二人はそれを見送っていた。

「弥生ちゃん、あたし、何かやる気出てきたで」
榊に振り返った歩の表情にもう迷いはなかった。

「良かった。ん?メールが来てる」
榊が歩に微笑みかけようとした時、榊の携帯に誰かからメールが来た。
榊はそのメールを見る。そしてそのメールを見た後、微笑みながら携帯をしまった。

「誰からなん?」
「私の母親からだった。私を応援してくれるメッセージが書いてあった。
さっきの歩じゃないけど、私ももっと頑張れる気がした」
「そうなんや。よかったなぁ」
歩はその話を聞いて微笑み返す。

「気持ちは分かるよ大阪さん、榊さん。私もそうだもん!」
千尋もまた両親や祖父から応援メールを頂いたのだった。

88 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:34 ID:???
「やった!ついにフルパワーになった!」
千尋が喜びの声をあげる。各地で放射されていたシャイニングバーストはついにジャスティスとレイを
出現させるまでに至ったのである。

「行くよ、榊さん、大阪さん!!しっかり受け取ってね!!」
最後に千尋がそう言うと、集束ポイントに集まったシャイニングバーストは一気に榊と歩に向かって
降り注ぐ。いや、正確には彼女達が持つ〈ジャストランサー〉、〈シャインリング〉に向って光が吸い寄せられていっていく。

「あたしの中にたくさんの光が流れ込んでくる」
「私の中にもだ」
そして二人は何か懐かしい感覚に覆われた。

『感謝する、歩とその仲間達に』
『私もこの通りだ。今度こそ終わらせよう、弥生』
そうそれは紛れもないジャスティスとレイの声だった。

「あたしの中にジャスティスを感じる!」
「私もだ。今、私の中にレイを感じる!」
二人は互いに見つめあいながら、変身アイテムを高く掲げる。

「ジャスティ―――――ス!!」
「レイ――――――――!!」
二人とも今までで一番勢いよく叫んだ。そして二人は光に包まれる。
そして、ゼルエムと他のウルトラ戦士達の間に二人のウルトラマン、ジャスティスとレイが姿を現した。

「ジャスティス!」
「レイ!!」
誰もがその名を叫んだ。

「どうやらうまくいったみたいね、私も行こう」
千尋は作戦室を後にする。

「ほう、どうやって回復したかは知らないが大したものだ。だが、いくら復活しようとも
結果は同じだ。再び消し去ってやるまでだ」
ゼルエムは二人の出現にもまったく動じなかった。足元ではジェロスとマッド星人が倒れている。
またジュリスを初めとする戦士達も膝をついていた。

89 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:37 ID:???
しかし、ジャスティスとレイはそれに構わず他の三人に向き直り、手から黄金の粒子を
発する。ジャスティスはコスモスとシェイドに、レイはジェネシスにそれぞれ分け与える。
するとどうだろう。三人のカラータイマーの点滅が止まり、赤から青に戻った。
「ジャスティスアビリティ」「レイリムーバー」である。

『エネルギーが戻った!』
『これでまた戦える』
コスモスとシェイドが喋る。

「お姉ちゃん!!」
「弥生さん!!」
「どうやら復活できたようだな。こうして一緒に戦える時が来るなんて思わなかったよ」
今度は変身している翔、百合子、大山が語りかける。

「何人増えようと同じ事だ!まとめて屠ってくれる!!」
「ジョアッ!!」
ゼルエムは目からの光線デモンズアイを発射する。ジャスティスはこれを飛んで回避して、
ダグリューム光線を放つ。今回のジャスティスは最初からクラッシャーモードでの登場だ。
それがゼルエムの首に命中する。

「こざかしい!」
「エイヤッ!!」
ゼルエムは連続して放つ衝撃波イーヴィルフォースを放ってきた。
だがレイは、これを複数の刃を発射するブレードストームで衝撃波を
ことごとく切り裂き、最後には腹部にその刃を命中させる。

「ぐっ!」
「てやぁ!!」
今度は念動力を使って、浮かび上がらせようさせるが、コスモスは精神を集中させてそれを無効化させる。
そして右手から放つコズミューム光線を放つ。それがゼルエムの背中に命中する。

「ならば、これはどうだ!!」
今度は地を這うエネルギー波であるデビルスラッシュが迫る。

「おおおおお、でやああああああ!!」
シェイドはカラータイマーから高出力のエネルギーを発射して(フォトンスクリューブレイカー)、
デビルスラッシュを無効化し、さらにはゼルエムにダメージを与えた。

「攻撃させるつもりはない!ジェネシスブレード!!」
ジェネシスは黒い光の剣を、ゼルエムの第三の眼に向って投げ、突き刺す。

90 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:39 ID:???
「ぐおおおおお、よ、よくもやってくれたな!」
今までの余裕が嘘のように苦しみだすゼルエム。さらにそこに合流してきたTEAM HOLYからの
追撃も浴びせられる。

「強いぞ、今度のジャスティスとレイ!」
「頑張れレイ!!!」
「いけー!!」
シェルターの中にいる人達はウルトラ戦士達の奮戦ぶりを見て希望を取り戻す。
その中にはかつて榊が出会ったレイを応援した少年の姿もあった。よつばは一番前でそれを食い入るように見ている。

「千尋、あなたが戦闘機に乗って戦闘に参加するなんて珍しいじゃない!」
「最後だからね。基地の中でじっとしているよりはみんなと一緒に飛んでいたいからね」
かおりんの質問に千尋は笑って答える。彼女が乗っているのはレッドファルコン3号機だ。

「さすがは俺が見込んだ嫁だぜ」
「だから、お前の嫁になった覚えはないっての!」
「とかなんとか言ってまんざらでもねーんじゃねーの?」
「それは言えてる。ともに同意。それよりもトライアングルフォーメーションやるけど、
千尋ついてこれるか?」
「任せといて!」
マッド星人の軽口に反応して突っ込む暦に対して智と神楽は冷やかす。が、神楽はすぐに真顔に戻り、
千尋にトライアングルフォーメーションが出来るかどうか尋ねる。それに対して千尋は自信を持って答える。

「行くぜ、トライアングルフォーメーション!!」
レッドファルコンの搭乗者である三人が三方向から同時に仕掛ける攻撃だ。
千尋は初めてこの連携を使ったにも関わらず息ピッタリだった。ゼルエムの眉間にレーザーが命中する。

「私達も行きますよ、よみさん!!」
「そうだな、これでもくらえ!」
暦とちよは低く飛んで足元を攻撃する。さらに京子と後藤も加わり、ゼルエムの心臓部分にミサイルを叩き込む。

「俺達もお前らに遅れてられないぜ!」
「まだまだ私たちだっていけるわよ!」
「よし一気に決めよう!合体光線だ!!」
大山がジェネシスの中から他の四人に指示を出す。

「だああああああ!!」
それに従い、ジャスティスはパトレックショット、レイはレイバーストショット、コスモスはルージュシューター、
シェイドはフォビトンレイジ、ジェネシスはヴォイドシェノサイドを同時に放つ。

91 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」[ :2007/04/27(金) 01:43 ID:???
「ぐぬうううううううう!!」
ゼルエムに命中して、ゼルエムはゆっくりと後ろに倒れた。

「やったよ、恵那!!」
「うん、勝ったんだね!」
恵那とみうらはそれを見て抱き合って喜びを表現する。他の市民達もそれを見て狂喜乱舞する。

「どうしたの?あずさちゃん?」
「まだ・・・・・・終わってない」
表情を崩さないあずさを心配して澪が声をかけるとそんな返事が返ってきた。

「終わっていない?」
隣にいた紗奈が怪訝な表情で聞き返す。
マッド星人やリーンバイスの人間達は協力しあって何とか起き上がっている。
TEAM FLAMEの面々も同様だ。

「どうしたのゆかり?いつもなら一番に喜びそうなのに」
「納得いかないのよ。何かあっさりしすぎていて」
ゆかりもまた、あずさと同じような思いだった。そしてその不安は的中する事となった。
ゼルエムはゆっくり起き上がった。

「やってくれたな。ここまで追い詰められるとは正直思わなかったぞ。ならば、俺も最後の手段に
出るとしよう。ぬうううううん!!」
ゼルエムの二つの目が真っ赤に光る。潰された第3の目が消滅する。さらにその後、
足が後ろにも生え四本足となる。さらには無数の触手らしき物体が生える。
さらに大きさも各ウルトラマンや巨大宇宙人を遥かに凌駕している。

「そんな、あいつまだ奥の手を隠していたのかよ!」
後藤もこれには愕然となる。

「この姿になったからにはもはや貴様達に未来はない!ふん!」
ゼルエムが腕を一振りするだけで、マッド星人やジェロス、ザビロンなどウルトラマン以外の
者達は全て吹き飛ばされた。

「な、何て威力だ!ただでさえ強いのにますます強くなっている!」
ジェロスの中に絶望的な何かが漂った。

92 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:46 ID:???
「いくらお前が何になろうと僕達は負けはしない!てやぁ!」
ジェネシスが飛び上がり、ゼルエム最終形態の頭上に蹴りを入れようとする。
だが、ゼルエム最終形態はこれを軽く爪で叩きつける。地面に落下したジェネシスを
ゼルエムは容赦なくジェネシスを踏みつけた。

「ぐっ!」
「ジェネシス!!」
これを見たコスモスとシェイドが助けに入ろうとゼルエムの足を持ち上げ、ジェネシスを救い出す。
しかし、完全に持ち上げる事は出来ず、ゼルエムに大きく振りほどかれてしまった。

「かああああああ!!」
ゼルエムは以前までの形態にはなかった「冷たく輝く息」で攻撃してきた。その攻撃をくらった
コスモスとシェイドは仰向けに倒れこんだ。

「だあっ!」
「えいやぁ!!」
ジャスティスとレイが同時に高速回転してゼルエムに体当たりする。
しかし、ゼルエムの体にそれは効果を及ぼさず、それどころか触手によって二人とも
捕らわれてしまう。敵は捕らえた二人を掴んだまま真下へ叩きつけた。

「この野郎!!ストライクバニッシャー!!」
「フレイムブラスター!!」
援護すべく、後藤と京子が同時に攻撃する。

「ふん!」
しかし、それはゼルエムが発した灼熱の火炎によりかき消され、さらには機体にもダメージを与えた。
見る見るうちに炎に包まれていく機体。

「脱出!!」
やむを得ず二人は、機体から脱出する。直後に機体は大爆発を起こす。

「おおおおお、であっ!!」
ジャスティスとレイは全身から発するエネルギー〔ボディスパーク>で掴まれている
触手を焼ききった。

「凍てつく波動をくらうがいい!」
ゼルエムの全身がフラッシュすると、強烈な波動が発せられ、ウルトラ戦士の体にあちこち爆発が起こる。

93 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:48 ID:???
「のわああああああ!!」
五人のウルトラマンはそれぞれ建物に突っ込んだり、近くの海面に叩きつけられたり、あるいは地面に倒れこんだりした。
ゼルエムは近くにいたジャスティスを踏み潰そうとするが、ジャスティスはすんでのところで
転がって回避する。その直後に地面は大きくめり込んだのだった。

「この!!いい加減にしろ!!」
神楽、智、千尋はトライアングルフォーメーションを使ってゼルエムを、暦、ちよもそれに続く形で集中砲火する。
しかし、ゼルエムは動く事すらせず、その体で軽く弾いてしまった。

「貴様等にはこのミサイルの雨をプレゼントしよう」
ゼルエムの手の甲から何と無数のミサイルが発射された。まさにミサイルの雨である。
とてもかわしきる事など不可能で、全員被弾してしまった。コクピットを直撃しなかったのが
不幸中の幸いといったところか。

「コントロール不能!!不時着します!!」
「ここまで来たってのに!!」
しかし全機体がコントロール不能となり、ほとんど墜落に近い不時着となった。

「どんな位置からでも俺は即座に攻撃できる」
ゼルエムは宣言すると、各エリアに向ってビームは発射した。それは各地にゼルエムオメガを
派遣したエリアにまで届いた。
世界各地に広がるATDFの者達の戦闘機や、そのエリアにいる怪獣達に攻撃が当たる。
それは宇宙にいるムーンキャッスル艦隊や、ミステラー星人カルナ、バルック、アテリア星人アヌビスも
例外ではなかった。

「フレアレインXXに損傷!発射口が破壊されて、発射できません!」
「なんて事だ!畜生!これであいつ等を援護する事が出来なくなったじゃないか!」
部下の報告を叩いて、長谷川は壁を左拳で殴った。

「これで分かっただろう。何をしようと無駄だという事が!」
「ぜあっ!!」
しかし、それを聞かされてもなおジャスティス達は立ち上がり、先程使った合体光線を
使った。それはゼルエムの首の下に命中するが、少し後ずさりしたに過ぎなかった。

「合体光線も効かないのか!?」
「無駄な事を。貴様達にこの私を倒す事など出来しない!」
ゼルエムは「終末の雷塵」と呼ばれる雷を発生させ、5人に命中させる。

94 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:50 ID:???
「ぐわああああああ!!」
5人のウルトラマンの体に強烈な雷撃が走り、ビリビリとスパークしたまま、うつ伏せに倒れる。

「今度こそ復活できないように消してやろう」
ゼルエムが5人にゆっくりと迫る。その時だった。
一筋の光が放たれたかと思うと、巨大なビーム砲がゼルエムに命中した。
横殴りにくらったからか、ゼルエムのボディが歪む。

「何だ?一体何をした?」
ゼルエムがビーム砲が来た方向を見ると、そこには宇宙に上がるための巨大戦艦エクセリオンがあった。

「あれは!?エクセリオン!!」
「でも一体、誰が?」
「私だよ」
暦と京子が訝しがっていると、通信機から男の声がした。
その男こそ、これまでHOLYやFLAMEと対立してきた関屋参謀であった。
そしてこの事から先程発射されたビーム砲はエクセリオンの主力兵器である「ゼロドライブイリュージョン」と
見て間違いないだろう。
もっとも超獣や怪獣を一撃で粉砕するこのビーム砲で倒せないという事は、
それだけゼルエムの最終形態は桁違いという事だが・・・・・・

「関屋参謀!どうしてあなたが?」
「どうしてだと?おかしな事を聞く物だな、美浜隊長よ。人間である私が故郷である地球を守る為に、
そしてその地球を守る同志であるウルトラマンに手を貸す事に何の疑問があるというのだね?」
「それはそうですけど・・・・・・・」
しかし、これまでのウルトラマンに頼り切った発言が多かった事から、参謀自らがこのような行動に
出るとは誰も思わなかったのだろう。

「私とて、この地球の平和を願っているのは同じだ」
「関屋参謀、あなたはもしかして・・・・・・」
その様子を見ていた琴音は主人の元から離れ、関屋に声をかける。

「ゼロドライブイリュージョン、もう一度くらえ!!」
密かにエクセリオンを改造していたのか、本来なら再チャージに時間のかかる
ゼロドライブイリュージョンを間髪おかずに関屋は発射した。

「ふん、そんなものが二度も通用するとでも思っているのか!」
ゼルエムの手から「凍てつく波動」が発射され、ゼロドライブイリュージョンがかき消された。
しかし、関屋はそれに動揺する事もなく、エクセリオンをゼルエムに向って突き進ませる。

95 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:53 ID:???
「総監、お別れです。これが私なりの地球を守る方法だ!!」
そしてHOLYやFLAMEの諸君、今まですまなかった。元GENESISだった諸君、
後は頼んだぞ!」
「関屋参謀、待つんだ!!」
何かを決意した顔で彼等にメッセージを伝えると、彼は通信を切った。後藤は制止の声を
かけるが、もはやその声に反応する事はなかった。

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
関屋参謀の乗せたエクセリオンは、ゼルエムに体当たりした。
ゼルエムも流石にこれだけデカい規模のものをとっさに避ける事は出来ず、直撃した。
直後に大爆発を起こし、関屋はその爆発の炎の中に消えた。

「関屋参謀―――――――!!」
ジェネシスの中の大山と後藤があらん限りの声で叫ぶ。

「愚か者めが、この俺がそんな事で倒せるとでも思ったか。無駄死だったようだな」
しかしゼルエムはそれでもまだ生きていた。だが流石にダメージを負ったようで、ややフラついている。

「そんな、関屋参謀、命まで賭けたのに・・・・・・・」
ちよはその場に崩れ落ちそうになるが、それを智と神楽の二人が支える。
他のみなにも絶望が走る。

「諦めるな!!」
その時、誰かが声をあげる。何とそこにいたのは松岸だった。全身ボロボロになりつつも、
彼の瞳にはまだ生きていた。

「これが最後の戦いなんだ!勝って平和を取り戻すんだ!!それが、それが総司令としての
私からの最後の命令だ!そうですね、総監?」
といって自らも銃を構えてゼルエムを撃つ。琴音は一度主人に振り返るが、主人は頷くだけであった。
しかし、それで十分なのか琴音は振り返り、そして発言する。

「その通りです。みんな、必ず勝って!!」
「隊長、行きましょう!!」
「勝って終わらせるんです!!」
上野や松戸を初めとするFLEMEメンバーが京子の指示を待つ。

「分かってるわ、行きましょう!!」
「了解!!」
そしてTEAM FLAMEは動き出す。

96 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:54 ID:???
「私達も行きましょう!」
「おう!!」
HOLYメンバーもそれに続く。そしてそれに呼応するかのように
他のメンバーも立ち上がり、抵抗を試みる。

「あがくな屑共!屑は屑らしくこの俺に消去されていろ!!」
ゼルエムもまた怒号をあげる。

「このままでは駄目だ。合体してあいつを倒そう」
「合体?」
「そんな事出来るのん?」
大山の提案に、榊と春日姉妹は驚く。特に春日姉妹はハモっていた。
しかし、百合子だけは驚かなかった。

「過去のアーカイブを調べたら、コスモスとジャスティスは以前、ギガエンドラの戦いで合体して
ウルトラマンレジェンドという戦士になった事があるのよ」
『そういうことだ。だから合体が不可能という事はない』
『しかし、今度はレイとシェイドがいる。またレジェンドになるとは限らない。私も知らない
新たな戦士になるかもしれない』
『それでもやるしかない』
『私もそれに賛成だ』
会話の中にジャスティス、レイ、コスモス、シェイドの意識が流れ込んでくる。
コスモスも意見を述べたものの、合体する事にしては反対しなかった。

「決まりだな。僕達のエネルギーをジャスティスに集めるんだ」
大山の提案に頷く。

「春日さん、頼んだよ」
「歩さん、あなたにすべてを託すわ」
「お姉ちゃん、がんばろな」
大山、百合子、翔が歩の体に重なり合うように、歩の中へと入っていく。ジャスティスも同じように
ジェネシス、シェイド、コスモスをその体内に取り込んでいく。最後に榊が残った。

「歩、また後で会おう」
「うん、弥生ちゃん」
互いに笑いあった後、榊は歩の中へと入っていく。そしてレイもまたジャスティスの中へと入る。

「何をしているが知らんが、これで終わりだ!」
ゼルエムの手から凍てつく波動が発射される。それらが命中したのか、ジャスティスの姿が消えた。

「まさか、やられちまったのか?」
「いや・・・・・・違う」
やんだと同じような思いを周囲の市民も抱いていた。しかし、あずさは首を横に振った。
そしてジャスティスがいた場所から金色の光を発しながら、新たなウルトラマンが姿を現した。

97 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/04/27(金) 01:55 ID:???
Bパートを使い切っても終わらなかったので、今回はCパートまで使います。
今日はここまでです。

98 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:04 ID:???
「あれは・・・・・・ジャスティス?」
「違うわ!あれは5人のウルトラマンが合体した姿よ」
「ウルトラマンジェレイドってとこかな?」
ちよの言葉にかおりんと千尋はそれぞれの見解を口にする。確かに顔はジャスティスであるものの、
体の模様やカラーリングはそれぞれのウルトラマンをミックスしたように見える。

「まさか、こんなの見れるなんて思わなかった!」
「すげえ!最後の最後でこんなすげー奇跡が見れるなんて!」
智と神楽も興奮している。

「私はきっとこの光景を忘れないだろうな」
暦も静かにしかしハッキリと口にする。

「いくら姿を変えようと無駄だ!最強である私に勝てはせん!!」
ゼルエムから終末の雷塵を放ってきた。しかし、ジェレイドは腕を十字に
組んで発射するジェレイドカノンで打ち消し、さらにはゼルエムにそのまま命中させる。

「ぐおおおおおおお!!」
今までほとんどダメージを受けなかったゼルエムが悲鳴をあげる。
触手などが次々に崩れ落ちていく。

「こ、このいい気になるなよ!!凍てつく波動と輝く冷たい息をくらえ!!」
ゼルエムはこの二つの攻撃を同時にするが、ジェレイドはそれらを
両腕で無効化した。そして上空へと飛び上がる。

「叩き落してくれる!!」
ゼルエムはミサイルや触手をあらん限りに放つが、ジェレイドはそれらを全て回避する。
そして一旦上空で立ち止まる。

「ジェレイドクロススラッシュ!!」
ジェレイドの体が黄金色に輝き、ゼルエムに向って突き進んでいく。
その目にも止まらぬ速さで、ゼルエムの全ての攻撃を回避し、ついには
ゼルエムの体を貫通した。

「ご・・・・・・あ・・・・・・・・」
貫通されたゼルエムの体は徐々に崩れていく。

「ごふっ、この俺が・・・・・・やられるとはな・・・・・・・見事と言うしかないな・・・・・・
認めようではないか・・・・・・この俺の敗北をな、ぐおおおおお!!」
そしてゼルエムはついに消滅する。

99 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:05 ID:???
「やったのか・・・・・・」
「ああ、どうやらそうみたいだぜ」
「やっと終わったんだな」
智、神楽、暦は戦いが終わった事を確認しあう。

「私達、勝ったんですね!」
「やったね、かおりん!」
「うん、千尋!!」
互いにハイタッチするかおりんと千尋。

「やった―――!!」
よつばが大きな声で叫んだのをきっかけに、その様子を見ていた人々の狂喜乱舞する。
そしてジェレイドは分離して5人のウルトラマンに戻った。

「空が晴れていくわ」
「平和が戻った事だね」
木村夫妻は光を取り戻した世界を見て、笑いあった。

「どうやらあいつ等やったみたいだな」
「ヒヤヒヤさせてくれるよね、まったく」
「そんな風には見えなかったよ、ゆっきー」
月にいるムーンキャッスルの面々も戦いが終わったのを見届けていた。

「やったわね」
「ああ」
和田と長谷川が互いに頷き合う。

「戦いは終わった。さっさと引き上げるとするか」
「彼女達に会わなくていいのか?」
「そんな必要はない。またそんな義理もない」
「私はメールくらいしておくわ」
バルック、カルナ、アヌビスは月面から引き上げる事になった。
そしてカルナからのメッセージがちよのメモリーディスプレイに入っていた。

「やっぱり、来ていたんですね。ありがとう、バルックさん、アヌビスさん、カルナさん」
そのメールを見て、ちよは顔を綻ばせた。

100 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:06 ID:???
「モーグ、いっちゃうのか」
「よつばちゃん、モーグとはいつでも会えるわよ」
「またな、モーグ」
名残惜しそうにしているよつばを恵那は諭した。そうして、みうらと一緒に帰っていく
モーグに手を振っていた。

「お別れだ、紗奈。私はまた宇宙の旅に出る。しっかりな」
「せっかくまた会えたのに。さびしいな」
去ろうとするザビロンを見て、紗奈はうつむく。
そして、顔をあげる。その時、紗奈は涙を流しつつも笑顔で手を振る。

「また私に会いに来てね、約束だよおじさん!」
「ああ。そうさせてもらうよ。私にとって大事な娘だからね」
ザビロンは、背中を向けて紗奈の前から去っていった。

「頑張ったね、紗奈ちゃん」
「私もそう思う。強くなったよ、紗奈」
澪とあずさが紗奈に歩み寄る。あずさは珍しく笑顔だった。

(やったね、お姉ちゃん)
心の中で姉のかなめに呼びかけていた。

「さらばだ、あさぎ」
「うん、またね」
ザナックとあさぎはあっさりと言っていいくらいの別れの挨拶を済ます。

「シンプルだこと。まあらしいけどね」
と興味なさげにタバコを吸う虎子。

「あ、待ってよザナック。じゃあ、あたしもう行くから」
ミルファがそう言ったのは京介達4人だった。ザナックの後を追うように
去っていった。

「ミルファさーん。今度来る時はあなたの猫耳も作っておくからー」
「何と言うか、お前は怖い物知らずだな」
「でも、似合いそうな気はするよね」
「うん、かわいいかも」
(駄目だ、この三人俺には荷が重い)
あくまでマイペースな工藤、みるちー、ゆかの前に京介はどっと疲れを覚えた。

101 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:10 ID:???
「奴は倒した。これで俺もこの地球にいる理由はなくなった。さらばだ」
ジェロスはHOLYやFLAMEのメンバーに一言そう告げて去っていった。

「私もそろそろ帰ります。地底の仲間達が待っていますから。いつか機会があったら
私達の元に来てくださいね。特に彪乃さんと咲月さんは大歓迎です」
「ああ、是非ともそうさせてもらうよ」
「またな」
ルミアは神楽と咲月に別れの挨拶をする。神楽と咲月はそれに答える。
そしてルミアは姿を消した。

「私も自分の星へと帰ります。さようなら皆さん、そしてさようなら歩さん」
「またな〜ジュリスちゃん」
ジャスティスの中から歩がジュリスに手を振っている。ジュリスもまた球体となって
宇宙へと去っていった。

「もう一度会えて嬉しかったよ、アレックス」
アレックスがゆっくりと顔を近づけてくる。暦はアレックスの頬を優しくなでる。
そしてアレックスは母親のバレンシアと一緒にまた宇宙へと旅立つのであった。

「俺達も行こう」
「地球という星に降りてみたが、悪くはないな」
「そうね、また来てみたいわ」
「お姉さん達またね!」
レクシオン人のカノン、シェスター、カスケード、リルも別れの挨拶もそこそこに
自分の母星へと帰っていたのだった。

「元気でな〜」
智は去ってゆく彼等に手を振る。

「オレ達も帰る事になりそうだな」
「みたいね、段々と体が薄れていってるみたいだし」
「ちぇっ、もう少しゆっくりしていきたかったんだがな」
「バイバイみんな。もしこっちに来る事があったらボク達とまた冒険しようね」
リーンバイスからやってきたハリアー、アーシャ、リックス、レジィナの四人も別れの挨拶を
終えた後に、この世界から姿を消した。

「メルビィさんがこの場にいたら大喜びしたんだろうな」
かおりんは消えていった4人の方角を見ながらそんな事を思い浮かべていた。
そして各地でもシーモンスやシーゴラス、リアード夫妻、リドリアスといった面々がそれぞれの住処へと
戻っていった。かおりんの言葉どおりメルビィは、仲間達と勝利の喜びにひたっていた。

102 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:11 ID:???
「さあて俺も行くとするかね。あ、そうそう、地球の男に飽きたらいつでも俺が嫁にしてやるぜ。じゃあな」
最後の一言は暦に向けてのものだった。そしてマッド星人も地球を去る。

「うわぁ、宇宙人からプロポーズされるなんて、よみいいなぁ」
「よくねーよ!あさぎさんやザナックみたいならまだしも、あいつにそんな事されてもうれしくないっての!」
「とかなんとか言って満更でもないんじゃないの」
「千尋、殴るぞ」
千尋に冷やかされ、顔を紅潮させて怒る暦。

「あんたねぇ、贅沢言ってんじゃないよ。異星人との恋愛なんてそうそうできるもんじゃないわよ」
「言ってる事には同意するけど、顔がニヤけてるわよ」
ゆかりは明らかにこの状況を楽しんでおり、それをみてみなもはやれやれとため息をついた。

そしてジャスティス、レイ、コスモス、シェイド、ジェネシスからそれぞれ
歩、榊、翔、百合子、大山の五人が分離する。

(僕はまだ生きている。それに何故だろう?今までのダメージがすっかり消え去ったようだ)
大山は自分が置かれている状況に戸惑っていた。

「まさか、ジェネシス、君が!?」
しかし、ジェネシスはその返事に答える事はなくそのままスーっと消えていった。
その時、大山はジェネシスの声を聞いた気がした。ジェネシスは大山が人工的に作り出した
ウルトラマン。意思など持つはずがなかった。それでも大山はこう言わずにいられなかった。
「ありがとう」と。

「よぉ、お互い生き延びたな、親友」
「そうだな」
歩み寄ってきた後藤に、大山は笑って応える。

「ありがとうシェイド。感謝しているわ」
『礼を言うのは私の方だ。君がいなければ私という存在はなかったのだから』
「これから、どうするの?」
『宇宙の旅に出ようと思う。宇宙にはまだまだ私の知らない事があるだろうからな』
「レクシオンに初めて行った時もそんな事を言っていたわね。さようならシェイド。あなたの事忘れないわ」
『私もだ。お別れだ、百合子』
百合子とシェイドが別れの言葉をかわす。

「やっぱ行っちゃうのん?」
『ああ、いつまでもこの星には留まる事は出来ない』
「あたしはムサシさんと比べたら駄目駄目やったかもしれへんけどな〜」

103 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:13 ID:???
『そんな事はない。私は翔の純粋な心がムサシと同じように好きだ。
いつまでもその純粋な心を忘れないでほしい。それが私からの願いだ』
「うん、約束するで。バイバイやで、大好きなコスモス」
『さらばだ、翔、シュワッ!』
『だあっっ!!』
翔と別れの挨拶を済ませた後に、コスモスとシェイドは地球から飛び去っていく。
そしてそこに翔の友達や、百合子の仲間達が駆け寄ってくる。

『弥生、お別れの時だ』
「うん。寂しいけど、仕方がない」
榊はレイとの会話で涙くんでいた。そしてマヤーがやってきて榊はそれを抱き上げる。

「これからどうするの?」
『私もまたシェイドと同じように色々な星を巡ってみようかと思う。そしてその後、
コスモスやジャスティスのように宇宙を守る戦士になるつもりだ』
「そうか。レイは目標を見つけたんだね。頑張ってレイ。私からはそれしか言えないけど」
『私にとってはその言葉だけで十分だ。私を生み出してくれたのが弥生でよかった』
「こちらこそ、レイに出会えてよかった」
『さようならだ、弥生。えいやっ!』
「さようなら、レイ!」
飛び去っていくレイに榊は手を振っていく。

「今までありがとう歩」
「ジャスティス・・・・・・・」
ジャスティスと歩は向かい合う。しばらくの間沈黙が続く。

『とうとうこの日が来たな。別れの時が来たのだ』
「どうしても行ってしまうのん?あたしとずっと一緒にいる事は出来ないん?あたしは
あんたと別れるの嫌や!」
歩にしては珍しく感情を爆発させる。

「歩さん」
「お姉ちゃん」
「歩・・・・・・」
百合子、翔、榊が呟く。

『君の気持ちは嬉しい、しかし、それは出来ない。この地球を守る任務が終わったら、
私は少しの休息の後、また別の惑星を守る任務につく。それが私のすべき事だから』
「・・・・・・・・」
それを聞いて歩は俯いてしまう。

104 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:17 ID:???
「やっぱり寂しいもんやな。分かってはいたけど、でも涙が出てくるんや」
歩が再び顔をあげると、その顔には大粒の涙がこぼれていた。

「あたしはあんたと一緒やったから、ジャスティスがいてくれたからどんな困難も
乗り越えてこれたんや。あたし一人やったら無理やった」
『そんな事はない。君は君で必死に困難を乗り越えてきた。時には私の想像の及ばぬ方法を用いたりしてだ。
それに君はもう立派に成長した。私がいなくても君は一人で歩き出せる。
私がいなくても素晴らしい仲間がいるから』
ジャスティスはジュリの姿を映し出し、歩に伝える。そしてちよ達を指差す。

「なぁ、ジャスティス。また会えるんよな?きっと会えるんよな?」
しかし、ジャスティスはその質問には答えず、上に顔を向ける。ジュリの姿も消える。
そして彼女達の変身アイテムも役目を終えたとばかりに消滅した。

「ジュワッ!!」
そしてジャスティスはこの地球を去っていった。夕焼けに染まる空へと・・・・・・・

「ジャスティス――――!!」
歩はあらんかぎりの声で叫ぶ。そしてその場に崩れ落ちて泣く。
ちよが声をかけようとして、榊はそれを遮って歩の元へと近づいて肩を置く。

「歩、これで最後って訳じゃない。私達がこうしてまた再会したように。きっとまた会える時が来る」
「そうですよ、大阪さん」
ちよも歩の涙を拭う。

「弥生ちゃん、ちよちゃん!」
歩は二人に抱きかかり、その腕の中で泣いたのだった。

「百合子さん、やりましたわね」
「やったなゆりゆり!」
「これで平和が戻ったんですね、ゆりゆり先輩!」
「百合子先輩、無事で何よりです!」
「始めまして百合子先輩。私、風香の友達の島袋と言います。喜びの創作ダンスを
躍らせていただきます」
「あ、ありがとう」
静、咲月、風香、七瀬が百合子にそれぞれ労いの言葉をかける。
しまうーのいきなりの創作ダンスに流石の百合子もポカーンとなる。

105 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:19 ID:???
「百合子、おかえり」
「ただいま京子」
京子と百合子はお互いにガッツポーズをとる。

「お疲れ様、ふたりとも」
舞は二人に笑いながらその言葉をかける。

「ゆりちゃん、お疲れさま」
百合子の母親も自宅で百合子に労いの言葉をかける。

「翔ちゃん、良かったよ!無事で!」
「全く、見ているこっちはハラハラしたぜ!」
「美空ちゃん、瑠菜ちゃん、あたしはこの通りピンピンしとるで」
翔は美空、瑠菜と喜びを分かち合う。その後で両親に気づき、ピースサインを送る。
両親もそれに気づいて手を振る。

「やったね、弥生さん!」
「ありがとう怜香さん」
怜香と榊はハイタッチする。

「凄いわね、あなた達の教え子達は。それにこんな事態でも全く取り乱さないあなた達も」
「おぉー栄子じゃん。なぁーに世の中なるようにしかならないって事ね」
「栄子お久しぶり。今度、舞ちゃんも誘ってまた食事に行きましょう」
栄子とゆかりとみなも、かつての同級生達はまた再会の喜びをかみしめていた。

「終わったのね」
「ああ、終わったんだ。もうHOLYも必要ない。彼女達にはまた穏やかな日常が待っている」
「そうね、この日を持ってHOLYもFLAMEも解散ね」
琴音と木村がそんな会話をかわす。

「諸君、ご苦労だった。総監からの意思、そして私からの意思を伝える。本日をもって現HOLYと
FLAMEは解散する。新たな一歩を踏み出してほしい。もちろん私もそうするつもりだ」
松岸の言葉に隊員達はそれぞれ思い思いの表情をする。

「我々の活動もようやく終わりを迎える事が出来たか」
「死んでいった仲間達も浮かばれるかな」
「私達はHOLYに比べると短い期間だったけど、解散となるとやっぱりほんの少し悲しいな」
上野、松戸、絵里が語り合う。

106 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:21 ID:???
「しばらくは体休めよう。俺は釣りでもするわ」
「じゃあ俺はSNOWの連中と音楽セッションでもするかな?」
「あ、じゃあそれにあたしも参加する」
金沢と浅倉、美里はこれからの事を話し合っていた。

「明日からあたし達も普通の一日に戻るんだな」
「そうだな。明日からまたみんな、離れ離れになるんだな」
「そんなに気にする程の事でもないだろう。また会おうと思えば会えるんだし」
智と神楽はこの一年近くに渡って怒った出来事を振り返る。暦がそんな二人に
笑いながら話しかける。

「この制服とも今日かぎりでお別れになるのね」
「やっぱり一年以上、この服を着ていたから、急に着なくなるのはさびしいものがあるね」
かおりんと千尋は制服の袖をいじりながら、思いを語る。

「私もですよ、やっぱり愛着湧きますよね」
「こういう事習慣になっていたから」
マヤーを肩にのせつつ、榊とちよも制服に対する愛着を語る。

「普段着にすればええんちゃう?」
「いや、それはちょっと・・・・・・」
歩の提案に、全員首を横に振った。そうして彼女達にとって忘れられない一日が過ぎていく。

「やったね、ちよ」
「メルさん!ありがとうございます!」
メルビィからの電話にちよは若干はしゃぎながら答えた。

「あんた達〜記念写真とったげるからそこ並びなさい」
「マジで!じゃああたし真ん中ね!」
「バカ!私だって!」
「お前らそんな事で争うなって」
「私は榊さんの隣!これだけは譲れないわ!」
「私はどこだっていいや」
智と神楽は位置を巡って争うが、それを暦が諌める。
必死なかおりんに対し、千尋はあまりこだわりを見せないなど見事に対照的だった。
ちなみにまたもかおりんは榊と腕を組んでいた。しかし、榊は別に気にした様子もなかった。
結局、真ん中はちよで、前列にちよ、歩、智、神楽が、後列に暦、榊、かおりん、千尋が
並ぶ事になった。

「よーし、じゃあ行くぞ。ハイ、チーズ!」
カメラのシャッターを押すゆかり。
そして彼女達はカメラに向ってスマイルする。それは今までで一番の、そして最高の笑顔だった。
その後、ゆかりやみなも達も交えた全員集合のスナップも撮影する。
そうして時が過ぎ、季節は春を迎えていた。

107 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:24 ID:???
エピローグ
「大阪、早くしろって!置いてくぞ!」
「待ってや、ともちゃん。早いて」
歩と智がどこかに向かって走っている。そうして向った先にあるのはマジカルランドと呼ばれる
テーマパークだった。

「遅いぞお前ら」
既にそこには神楽と暦、榊とかおりん、ちよの姿があった。

「しょうがねーだろ。大阪の奴、寝坊するから慌ててきたんだよ!」
「大阪らしいといえばらしいが、ちよちゃんはあんまりこっちにいられないんだから、気をつけろよな」
「いいですよ、よみさん。私は気にしていませんし」
「あとは千尋だけね」
「ごめーん、みんな待った〜」
かおりんが名前を言うと同時に、千尋がやってきた。

「大丈夫、みんなそんなに差はないから」
と榊は千尋に優しく笑いかける。ペットの持ち込みは禁止な為、マヤーは怜香に預けて
きているのだった。

「私達にとってはこれで2回目のマジカルランド全員集合だけど、かおりんや千尋に
とっては初めての事なんだよな」
神楽はそう言うと、千尋の方を見て、ニヤリと笑う。

「ところで千尋、長谷川とはうまくいってるの?」
「あーそれ私も知りたい」
「ちょ、ちょっと神楽さんもよみも何言い出すのよ!」
顔を真っ赤にして首を振る千尋。

「最近の変化で一番大きいのはそれですよね。あとは私達全員無事
大学3年生になれたって事くらいで」
ちよまでニッコリ笑って千尋に話かける。

「千尋ちゃん、ええなぁ」
「この中で千尋が一番先に結婚するかもな」
「とうとう長谷川君、告ったもんね」
その時の様子を説明すると、「そろそろハッキリさせなさい!」と和田に焚きつけられる形で
長谷川は千尋に告白したのだった。

「お、俺と付き合ってくれ!千尋ちゃん!!」
このセリフを言うまでかなりじれったくイライラしたとはゆっきーの談。

「こんな私でよければ」
と千尋もOKを出し、現在に至るのである。賭け事でもしていたのか、何故か
松田が異様に喜んでいたという。

108 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:28 ID:???
「おめでとう、お二人さん!」
「これで晴れて公認のカップルだね!」
「おめでとう。あーあと俺、かなめちんと結婚すっかもしんないわ。じゃあ」
長谷川と千尋のカップルが成立して沸きあがる中、橘が衝撃的な発言をする。
みんなが「え?」となり、振り返るとゆっきーは「ポッ」となっていた。
そして踵を返す橘の後ろをゆっきーが寄り添うように歩いていく。

「そんな事を言うなら、ちよちゃんこそ大山君とどうなの!?」
「わ、私は何もありませんのだ!ただ文通しているだけですじょ!」
(何故に文通?メールじゃないの?)
ちよの言葉に全員が同じツッコミをする。

「さあ、そんな事よりさっさと遊びにいこうぜ!」
「ああ、思いっきり遊ぶぞ〜」
「あのレールチェイスの奴やってみないか?」
「ああ、それ前にゆりゆりがやってた奴だよね?」
「あと和田さんも」
智、神楽、千尋、かおりん、暦は善は急げとばかりに歩き出す。

「私達も行きましょう」
「うん」
ちよと榊もそれに続いて歩き出す。歩はしばらくその場に留まっていた。

「どうしたんですか大阪さん、早く行きましょう」
「ちょっと考えとったんや、ジャスティスやレイ、それにコスモスやシェイドは今、
元気でやっとるんかなーって」
歩の発言に二人は顔を見合わせる。しかし、二人はニッコリと笑いかける。

「大丈夫、みんな元気に宇宙を飛び回っている」
「そうですよ、心配いりませんって」
「そっか、そうやな」
歩もそれを聞いて安心したように笑う。

「おーい、何してんだ。置いてくぞ〜」
遠くから彼女達を呼ぶ声がする。

「さあ、行きましょう大阪さん」
「行こう、歩」
ちよと榊に手を繋いで歩は歩き出す。

「なあ、ちよちゃん、弥生ちゃん。みんな一緒ってええもんやな」
「はい」
「うん」
歩の言葉に二人は満面の笑みで答える。
この物語はここで終わりを迎える。しかし、彼女達の日常はまだまだ続く。
平凡だけどかけがえのない日常。そして未来へと・・・・・・・・    第78話 終    
ウルトラマンジャスティス   完

109 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/04/28(土) 23:33 ID:???
ついに終わりました。この物語が始まってから4年ちょっとたってますが、
正直ここまで続くとは思いませんでした。
(それこそムーンキャッスルなんて影も形もなかった)
最終回は特に長いですけど、これでもかなり削った方だったりします。
今までこの長い話を読んでもらえた事に感謝です。
どうもありがとうございました。

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