世の中のすべての萌えるを。

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[他作品]クロスオーバー・あずまんがSSスレッド-参[混合]

1 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2007/02/18(日) 20:33 ID:???
クロスオーバースレも3スレ目となりました。
ここはあずまんが×他作品のクロスオーバー作品用スレッドです。
あずまキャラを他の世界観に置き換えたり、また逆も然り。
そんな想像を作品にしてどんどん投下していって下さい。
また〜り楽しんでいただければ幸いです。

★主な注意事項
1.原作の対象範囲は「あずまんが大王」及び、連載中の「よつばと」とします。
2.ここの作品はいわゆる「戦い系」の長編作品を多く含みます。
3. その場合、あずまんがキャラでの戦闘を描いている為、原作の雰囲気を変化させ、またキャラクターも
  精神的・身体的に強化されているものもあります。
4. あずまんがキャラと、SSの作者のオリジナル・創作キャラクターとの共演もあります。
5.他人の作品に対し罵倒、中傷は絶対にしないでください。
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します

2 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2007/02/18(日) 20:35 ID:???
★このスレッドでの注意事項
1. 作品の展開・都合により「『あずまんが大王』『よつばと!』のキャラが死亡する」、
 「『あずまんが大王』『よつばと!』キャラの身体・精神が傷つく」
 等の(精神面を含む)暴力的な表現、またグロテスクな描写が出る場合があります。閲覧は自己責任でお願いします。

その様な描写を含む場合、作者は、自身で文章中の暴力・グロ表現の程度を考えた上で、
予め注意書きのテンプレートである

===========================
この作品はグロテスクな表現が含まれています!
閲覧は自己責任で!!!!!
===========================

を投稿する文の一番上に記載する事をお勧めします。
また、単純に殺人・猟奇・グロのみを扱ったSSの投稿は
『グロまんが大王』
ttp://so.la/test/read.cgi/oosaka/1081698529/1
でお願いします。

2. クロスオーバーなので他の作品との絡みがあります。
   その系統が苦手な方には、申し訳ありませんがあまりお勧め出来ません。

3.エロ、非エロのどちらを書かれても構いません。
  但し、板の性質上、過激なものは避けてください。
  (ソフトなえっち程度ならOKです。)

4.常にsage進行でお願いします。強制下げになっていますが、万一スレが上がってしまった場合は、
  感想などでスレに書き込む際、メール欄に「supersage」と入力してください。

5. 大型AAについては文章スレッドであるので使用しないでください。

6. スレの趣旨に関係のない書き込みはしないでください 。

7.作者さん達はどんなに遅くてもいいので自分で創作した物語を完結させるように頑張ってください。

8.合作・リクエスト等の打ち合わせや、長くなりそうな議論・雑談等は『あずまんがラウンジ』の「SS書きの編集会議室」
  にて行ってください。

9.他のスレ、板、およびHPから、このスレに転載された作品は批評しないでください。

3 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2007/02/18(日) 20:37 ID:???
主な関連スレッド・及びサイトへのリンク

前スレ
【他作品】クロスオーバー・あずまんがSSスレッド-2-【コラボ】
ttp://so.la/test/read.cgi/oosaka/1137063697/
【他作品】クロスオーバー・あずまんがSSスレッド【コラボ】
ttp://so.la/test/read.cgi/oosaka/1125758648/
SS書きの編集会議室 4
ttp://so.la/test/read.cgi/azuentrance/1131446577/
【あずまんが】SS書きの控え室7
ttp://so.la/test/read.cgi/oosaka/1115481963/l50
あずまんがSSを発表するスレッド パート4!!
ttp://so.la/test/read.cgi/oosaka/1115996693/l50
SS書きの控え室@大阪板 SSまとめ
ttp://azu.qp.land.to/
修正した作品のまとめサイト転載用うpロダ

4 :27GETTER ◆mRZMzGA.po :2007/02/18(日) 20:37 ID:???
遅くなりましたが次スレです。
只今沈下作業中です。

5 :名無しさんちゃうねん :2007/02/18(日) 22:16 ID:???
>>1
乙です。

6 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/02/22(木) 23:22 ID:???
>>1
乙かれさまです。

7 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/24(土) 23:43 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」
最強生命体ゼルエム  破滅怪獣バラッシュ 登場

前回までのあらすじ
宇宙空間に漂うちよ父は最強の存在でもある宇宙恐竜ゼットンを送り込んだ。
これに対し、平井百合子、春日翔、榊弥生、春日歩は疲弊しきった体に鞭打ちながらも、
ウルトラマンシェイド、ウルトラマンコスモス、ウルトラマンレイ、ウルトラマンジャスティスへと変身する。
ゼットンの圧倒的な力に追い詰められつつも、HOLYの協力もあって彼らはゼットンを倒す事に成功する。
だが、その過程で彼女達は自分達の正体を知られてしまう。
そしてゼットンを倒されたちよ父はついに……

「どうやらこの俺自ら出向かねばならないようだな、地球へと!」
地球にかつてない危機が訪れる。

『歩、いよいよだ。最後の戦いの時が近づいてきている』
「あれが来るって事やな」
『そうだ。そしてその戦いが終わった時、私と君の別れの時だ』
深層世界にてジャスティスと歩は向かい合っていた。今回ジャスティスはジュリの姿を
とらずにそのままの姿でいる。

「やっぱり帰ってしまうのん?ずっと一緒にはいられないん?」
『以前にも言った通り私はいつまでもこの星にはとどまる事は出来ない。
限界が近づいているとな』
「さみしゅうなるな〜」
『正直どこまでもつか分からない。もしかしたら死ぬかもしれない。
しかし私は最後の炎が消えるその瞬間まで戦う!』
「ジャスティス、弱気になったらあかん!ポジティブシンキンやで」
『そうだな』
ジャスティスが笑ったように歩には見えた。そしてジャスティスが姿を消していく。

『ゼットンという最強の存在を失った今、次は恐らく奴自身が来るだろう』
「あの人形の事?」
『そしてその戦いが私達にとっての最後の戦いとなる』
「最後の戦い・・・・・」
こちらでも深層世界にて榊とレイが会話をしている。

8 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/24(土) 23:46 ID:???
『ジャスティスと歩は以前からそうだったが、私と弥生もゼットンとの戦いでのダメージが
尾を引いていて、残ったパワーはほとんどない』
「レイ・・・・・・」
榊は歩と違い、目に見えて弱っている事はなかった。

『ジャスティスはこの戦いが終わったら恐らくまたどこか別の星を守る任務をつくだろうな』
「レイはどうする?」
『分からないな。その時になってみないと』
「・・・・・・・」
答えるレイにどことなく不安を感じた榊だった。

『弥生!私は君の大切なみんなを守りたいという思いから生み出された。
弥生が守りたいと思うものを私は守りたい。そして弥生の事も私は守りたい!その気持ちに嘘偽りはない!』
「私も同じ気持ちだ。そしてレイ、あなたの事も」
レイからの気持ちを聞かされた榊もまたハッキリと気持ちを口にする。
二人は改めて互いの絆を確かめ合う。そしてレイは姿を消す。
榊が目を開けるとそこには歩やちよを初めとするメンバーの顔がそこにあった。

「おはよう弥生ちゃん。あたしよりお寝坊さんやな〜」
「何言ってんのよ!あんただってついさっき起きたばっかじゃない!」
のんびりとした口調で話かかけてくる歩とそれに突っかかるかおりんの姿があった。

「まあまあかおりん、そんな事で怒ってもしょうがないよ」
「よぉ榊。思ったよりも元気そうだな」
千尋がかおりんをなだめ、神楽が気さくに話しかけてくる。

「さっきまでゆかりちゃんとにゃもちゃんが見舞いに来てたんだけどよ。ゆかりちゃんってば
すげーんだぜ!大阪や榊ちゃん、翔に百合子の正体を一発で当てちゃうんだから!」
智はやや興奮気味に話す。それだけゆかりが正体を知っていた事に衝撃を受けたのだろう。

「二人とももう大丈夫なのか?」
「うん」
「心配かけてごめんな〜」
暦に尋ねられ、二人はちゃんと立ち上がってそれに答える。

「翔や百合子はどうしたんだ?」
「まだ眠っています。さっき静さんや咲月さんや七瀬さん、
美空さんや瑠菜さんがお見舞いに来てましたよ」
暦に聞かれてちよはそれぞれの友人が来ていた事を伝える。

9 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/24(土) 23:48 ID:???
「二人も大変やったんやな」
「ゆりゆりは私達を守ったりしながら、一人で戦ったりもしてたから」
歩と榊はこれまで共に戦ってきた二人に思いを馳せる。

「百合子は百合子で大変だったみたいだな。セラフィムだっけ?そういう奴と戦ってたんだろ?
あと前に私達の前にいた霧生仁とかっても戦ってたらしいし。大変だよな」
神楽はその辺の事を妹分である堀江紗奈から聞いている。

「私達が平和だと思っていたところで必死で戦っていたって事だよね?」
「まあ、そこらへんは持ちつ持たれつってとこじゃないの?私達が大変な時は
割と平和なキャンバスライフを向こうは送っていた事もあるんだし」
とかおりんと千尋の会話である。

「大変といえばムーンキャッスルのみんなは今どうしてるんでしょうね?」
「宇宙から来る侵略者相手に戦ってるんでしょうやっぱり。で、千尋の方はどうなの?」
「どうって何がよ」
かおりんの質問を聞いてちよと歩以外は興味津々というよりニヤニヤした顔になる。
しかし、当の千尋は困惑の表情を浮かべるだけである。

月面基地ムーンキャッスル―――
ここでジェロス襲来から再び異変が検知された。

「先輩!例のポイントからまた何かが来ます!」
「奴の送り込んだ敵か!?」
「いえ、違います!これは!?奴そのものです!!あの宇宙生命体です!」
「何だと!?」
和田明菜と松田千秋の報告を聞いた長谷川一志は狼狽する。
それはそうだろう。まさか、敵の大将が自ら向かってくるとは思っていなかったからだ。

「それならそれでぶっ叩く絶好の機会だ!ここで仕留められれば戦いを
終わらせる事も可能だ」
「そうか、そうだね。先輩あったまいい」
結城かなめに褒められ満更でもなさそうな橘瞬。

「よし、そういう事なら任せろ。フレアレインXXで一気にカタをつけてやる!今度は外さないぜ!」
長谷川が命令を出して、フレアレインXXの発射を指揮する。長谷川はバーミンガムに搭乗している。
ゆっきーはモンブランへと、和田はネレイドへと乗り込んでいる。

「今回は俺も出る!」
橘もバーミンガムへと乗り込んだ。そうこうしている間にちよ父と思われる赤い何かが接近してくる。
ゼットンの時以上に早いスピードだ。

10 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/24(土) 23:51 ID:???
「これで終わりにしてやる!フレアレインXX発射!!」
長谷川が向かってくるちよ父に向かってフレアレインXXを発射する。
しかし、ちよ父は避けるどころか真っ直ぐ向かってくる。
そしてあろう事かそれを全身から光を発してかき消してしまった。

「今のは何だ?攻撃のつもりなのかな?」
「そ、そんな!直撃した筈なのに!!」
長谷川は激しく動揺する。それはこの艦に乗る全員が同じ気持ちだろう。

「何をしている!?攻撃の手を休めるな!!」
「了解!砲撃用意!」
「了解です!!発射!!」
橘の一喝により、浮き足立っていた隊員達は立ち直り、ゆっきーのモンブランや、
和田のネレイドが砲撃を開始する。松田は衛星レーザーを用いての攻撃だ。
それらはピンポイントでちよ父に命中し、大爆発を起こす。
だが、それでもちよ父に傷ひとつ負わす事が出来ずに、侵攻を許してしまう。

「行かせるか!!」
トーチカや砲台を撃つように橘は指示し、それらで対抗するがちよ父の勢いは止まらない。
ちよ父は彼らのすぐそばを猛スピードで通過していった。
それだけで各艦に物凄い衝撃が走った。

「きゃあああああ!」
「うわああああああ!!」
船内で悲鳴があがる。

「みんな大丈夫か!?」
「な、何とか生きているわ!」
「それにしても何て奴だ!フレアレインXXが効かないばかりか、通り過ぎるだけで
こっちがダメージ被るなんて反則だって!」
橘の呼びかけに和田と長谷川が答える。長谷川の顔には憔悴の色が伺える。
施設の何件かが吹き飛ばされている。

「あいつは今どこへ向かったの?」
「敵は地球へ向かって真っ直ぐ進路をとっています」
ゆっきーの質問によつばとに登場したプールの監視員の女性の姿をしたAIが答える。

「ヤバいです!無傷の戦艦はひとつもありません」
「分かってるわよコロム!私はこの事を地球に伝えるわね!」
松田はコロムと話した後に、地球へと連絡を取る。

11 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/24(土) 23:53 ID:???
ATDF基地にもその緊急通信は入った。
ちょうどそこに松岸翔一郎も入ってきた。

「一体どうしたんだ?」
「あ、総司令!今、ムーンキャッスルの松田さんから連絡があって、
こちらに例の生命体が向かってると報告を受けました!」
入ってきた松岸にちよは状況を説明する。

「ムーンキャッスルの状況はどうなっている?」
「今のところ全員無事のようです」
報告をするかおりんも幾分ホッとした顔をしている。

「で、そいつは今どこにいるんだ?」
「それが・・・・・・」
神楽に聞かれた千尋は言いよどんだ。

「どうしたんだよ?」
「ここに真っ直ぐ向かってきてるよ!」
「何だって!?」
千尋の発言に智も暦も目を丸くする。

「ゼットンの時と同じって訳か」
榊は静かに呟いて、上空を見上げる。そしてその直後にオレンジ色の球体がこの基地
目掛けて飛来する。しかしゼットンの時と違い、球体のまま基地に侵入する。
建物をすり抜ける形となって・・・・・・・

「すり抜けよったで!」
歩は驚きの声をあげる。

「奴は今どこにいるんだ!?」
松岸がそう叫んだ後に、突如オレンジ色の球体が彼女達の目の前に姿を現した。

「外からじゃなく中から直接ここに来るなんて!」
今までにない侵入方法をされ、ちよも驚く。
そしてそれはみるみるうちに形を変え実体化する。それは確かにちよ父だった。

12 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/24(土) 23:55 ID:???
「ハローエブリニャン。アイアム ファインサンキュー」
いきなり英語でちよ父は挨拶をしてきた。

「は?」
歩と榊以外の全員が目が点になる。

「夢の中に出てきたのと一緒や」
歩だけは夢の中でそれを見た事あるからか冷静だった。榊も油断なく身構えている。

「ごきげんようHOLYの諸君。相変わらず無駄な努力をしているようだな」
今度は日本語で挨拶する。ちよ父の声に僅かだが、怒気を帯びている。

「この、ふざけんな!!」
神楽はレーザーガンを取り出し、撃とうとする。

「せっかちだな、君は」
ちよ父の色が黄金色に輝くと何かが発せられたのか、神楽は後ろに吹き飛んだ。

「うわあ!!」
「神楽!!」
「神楽さん!!」
智とちよが駆け寄る。

「神楽・・・・・・許さない!」
今度は榊がレイの力を借りてウルトラ念力をかけてちよ父の動きを封じようとする。
あたり一面が青くなった。一瞬ちよ父がその呪縛に囚われたかに見えたが・・・・・・・

「こんなもので私の動きを封じようなどとは笑わせる。はっ!!」
しかし、ちよ父は簡単に打ち破ってしまう。

「うっ!!」
衝撃波が榊に襲い掛かり、彼女を吹き飛ばした。

「榊さん!!」
かおりんが榊に駆け寄る。

「大丈夫」
「あたしも平気さ!」
榊、神楽共に大した事ないようで、暦やちよ、かおりんに支えられて立ち上がった。

13 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/24(土) 23:56 ID:???
「次はお前だウルトラマンジャスティス!」
ちよ父の目が光り、光線が発せられる。

「危ねぇ大阪!!」
とっさに智と千尋が歩を庇って光線を避ける。

「あ、あんがとうともちゃん、千尋ちゃん」
「今まで何度も助けられてきたんだから、これぐらいはね」
礼を言う歩に千尋は笑って答える。

「さて、君達への挨拶がわりはこれぐらいにしておこう」
と言うとちよ父は松岸を真っ直ぐに見据える。

「久しぶりだな我が半身よ」
ちよ父の口から衝撃的な言葉が発せられる。

「え!?」
これには誰もが驚いた。全員の視線が松岸に集中する。

「やはり、知っているのか。私の中に『彼』がいる事を」
松岸は口を開いてちよ父にそう言った。

「当たり前だ。気づかないとでも思ったか?とはいえ気づいたのはつい最近だがな」
「どういう事ですか総司令?」
「君達には話していなかったが、かつてグラムドによって襲われた私はとある生命体と
一体化する事で生き延びる事が出来たんだ。そして目の前にいる奴は彼の半身だ」
ちよに事情を問われ松岸が答える。

「そこから先は私が話そう」
急に松岸の声が別人のものとなり、目も赤く光りだした。

「かつて私達はひとつの生命体だった。ゼルエムという史上最悪の悪魔として全宇宙を
絶望と恐怖に陥れていた」
「グラムドみたいに?」
「あんな奴ごときと一緒にしないでくれたまえ!」
千尋の問いかけに気分を害したのか、ちよ父の口調は荒い。

「しかし私達は現れた伝説の巨人によって倒され、精神を分離されて封印された。
それがこのぬいぐるみだったという訳だ」
松岸に乗り移っているものがちよ父を指差す。

14 :名無しさんちゃうねん :2007/02/24(土) 23:59 ID:???
「しかし、その封印も長い年月を経て解け俺はこうやって
復活する事が出来た。こう見えても私は紳士でね。あまり自分の手を
汚すのは好きではないのだよ、それで怪獣達を送り込んでいたという訳だ」
「いや、それはないない」
榊とちよ除くHOLYメンバーが手を左右に振って否定する。

「そう言う訳でここに来た目的はもうお分かりだろう。私の目的は
貴様と一体化し再びゼルエムとして復活する事だ」
「そうはさせるものか!貴様の思い通りに行くと思ったら大間違いだ!」
松岸は銃を取り出してちよ父めがけて撃つ!だが、銃弾はあらぬ方向へと跳ね返ってしまう。

「大丈夫、跳ね返した!」
「私が思った事と同じ!」
ちよ父の行動を見て、榊は思わず叫んだ。

「今度はこちらから行こう、入れ物に用はない!」
「ぐおおおおおおお!!」
ちよ父の両目が光ると松岸が頭を抱えて苦しみだす。
その場に膝をついて夢中で頭を振る。

「松岸総司令!しっかりして下さい!」
「く、来るな!!」
近づこうとしたちよを松岸は手を振って拒絶する。
そしてその状態がしばらく続いた後に変化が起こる。
何と松岸の体から青い体の生命体が姿を現したのだ。ちよ父のオレンジに
対しこちらは青である。

「お父さんが二人!?」
榊と歩が同時に発した言葉だった。ちよ父の事を「お父さん」と呼ぶのは
彼の夢を見た二人しかいない。
そして青いちよ父はオレンジ色のちよ父に吸い込まれていく。そして二人のちよ父はひとつとなる。
直後に赤くなったり白くなったりと明滅を繰り返している。

「ふはははは、再びひとつとなったぞ!ゼルエムとして復活の時だ!!
この世界をトマトのように赤く染めてくれるわ!!」
ちよ父と思われた生命体は高い笑い声をあげて光の粒子となって消える。
だが、その刹那邪悪な何かが全員の目に映った。
残ったのは抜け殻となったオレンジ色のちよ父の人形だった。

15 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/25(日) 00:02 ID:???
「行っちまったな」
みなしばらく呆然としていたが、智がやっと一言それだけ搾り出した。

「総司令の中にお父さんがいたなんて驚きや〜」
「でも考えてみればそれらしい発言を何回かしていた」
歩は驚いているが、榊に思い当たる節は何度かあった。
しかしそれはありえない事なので、頭から除外していたのだ。

「総司令しっかりして下さい!!」
ちよは倒れた松岸を揺すってみるが、起き上がる気配はない。

「もしかしてあの生命体がいなくなったから死んじゃったんじゃ・・・・・・・」
「縁起でもない事言うなよ」
千尋の推測に暦は首を横に振って否定する。
しかしそれを確認するよりも、警報を知らせるアラームが鳴った。

「今モニターに映像を出すね」
かおりんが素早く席に座り、モニターのスイッチを入れる。
するとそこには怪獣らしき姿が映っていた。

「この基地より少し離れたポイントXL地点に、怪獣出現!!」
映像に映っている怪獣は魚と鳥を組み合わせたような醜悪な外見をしていた。
魚人を思わせる顔に、鳥のような羽が生えている。
目は青く光り輝いている。口からリング状の光線を発射してビル街を破壊する。

「あいつがそのゼルエムって奴か!?」
「今、データに出してみる!」
暦に聞かれた千尋は急いでデータリンクを出す。

「怪獣のデータが出たよ。どうやらゼルエムとは違うみたい。名前はバラッシュ!
ただあのゼルエムが送り込んだ怪獣には間違いないよ!」
パソコンの画面上にはバラッシュと確かに表示されていた。
バラッシュは両翼を使って大きく羽ばたくと、強風を発生させ周囲にあるものを全て
吹き飛ばしていた。その中で何人かが巻き添えになり、その風によって吹き飛ばされる。

16 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/25(日) 00:04 ID:???
「ちよすけ!早く出撃しようぜ!!」
「でも総司令が・・・・・・」
「総司令は私達がメディカルルームに運びます!」
そこに一般隊員が姿を現し、松岸を担ぐ。

「あなた達は一刻も早く出撃してください!」
「だから負けないで下さい!」
一般隊員達は松岸をメディカルルームへと運んでいく。

「あなた達は今自分がなるべき事をしなさい」
そこに総監である木村琴音が入ってきて、穏やかかつそれでいてはっきりとした
意思を感じさせる口調で彼女達のすべき事を伝える。

「総監!分かりました。総司令もきっと同じことを言うと思いますし」
その言葉にちよは自分を奮い立たせる。

「すまねぇ、恩にきるぜ!」
神楽は彼女等に例を言うと、走り出す。その後に智が続く。
そして、暦、榊、かおりん、千尋、歩、ちよと続く。
自分の今すべき事をする為に・・・・・・

「みんな、頑張って・・・・・・」
彼女達が去った後、琴音は祈るように両手を合わせた。

17 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/02/25(日) 00:04 ID:???
前半終わりです。

18 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2007/02/25(日) 01:30 ID:???
>>1 >>7-17
お疲れ様です。

19 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/27(火) 23:45 ID:???
「ブルードラゴン出撃します!!」
「ホワイトウイング、TAKE OFF!!」
「レッドファルコン、発進するぜ!!」
「シルバースコーピオン、発進するよ」
「ブラックイーグルで出る」
ちよはブルードラゴン、暦はホワイトウイング、歩、神楽、智はレッドファルコン、
かおりんと千尋はシルバースコーピオン、そして榊はブラックイーグルに乗り込む。
それぞれの愛用の乗り物に乗って出撃する。
現場のすぐ近くでバラッシュは暴れている為にすぐにたどり着けた。

「攻撃を開始します!私が先行して仕掛けますからその後に続いてください」
「分かったよ、ちよちゃん」
ちよはその言葉通りに、まず正面からバラッシュに攻撃を仕掛ける。
レーザーがバラッシュの皮膚に当たり、バラッシュは怯む。そこを逃さず暦の乗る
ホワイトウイングが頭部に向かってミサイルを撃ち込む。
くらったバラッシュは二機を睨み、撃ち落そうと水流波を口から噴射してくる。
彼女達はそれを機体を低く飛ばす事で回避する。

「今度は私達の番だね!」
「榊さん、見ていてください!」
シルバースコーピオンに乗る千尋とかおりんが上に気をとられている隙に
シルバースコーピオンに取り付けられた砲台を使って、膝を攻撃する。この攻撃にバラッシュは横倒しになる。

「それじゃあ私も」
静かに呟きながら榊はブラックイーグルでバラッシュに接近して見事背中に攻撃を命中させる。
バラッシュの注意は今度は地上に向けられた。

「よーし、次はあたし等ボンクラーズだ!神楽、大阪、分離するぞ!!」
「りょーかいやで〜」
「よっしゃあ!行くぜ!!ってボンクラーズって。まあいいけどな」
智の指示でレッドファルコンは三機に分離する。
智は正面から、歩は右側面から、神楽は左側面からデルタ状に攻撃をする。三人が最も得意とする
陣形だ。歩と神楽のビーム攻撃はバラッシュの両翼を、智は口付近に命中させる。

「よっしゃあ命中!!」
智と神楽は同時にガッツポーズをする。これに怒ったバラッシュが風を発生させるが、
三機とも素早く動いて影響下から離脱する。

20 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/27(火) 23:46 ID:???
ブラックイーグルに乗る榊に向かってリング状の光線を吐き出すバラッシュだが、
榊は巧みな運転技術でこれらを見事にかわしていく。
榊はある程度進んだ後に、急に動きを止めた。

「ちよちゃん、みんな行ってくるで」
機体をオートコントロールに切り替えて歩は皆にそう告げる。
そして胸元からジャストランサーを取り出す。

「私も歩と一緒に行ってくる」
榊もシャインリングを装着する。

「おう行って来い榊!」
「榊さんならきっと勝ちます!絶対です!」
神楽とかおりんは榊に向かってエールを送る。
神楽は力強く笑みを浮かべ、かおりんも微笑んで告げる。

「あんな奴ひとひねりにしてこい大阪!」
「私達がついてるから安心しろ!」
「きっちりフォローしてみせるわ!!」
智、暦、千尋は歩に激励の言葉を送る。三人とも歩に笑いかける。

「大阪さんも榊さんも頑張ってください!!」
ちよも大きくはっきりと聞こえる声で二人に言った。
二人とも大きく頷いた。

「ジャスティース!!」
「レイ!!」
歩はジャストランサーを胸のあたりにかざし、榊はシャインリングをクロスさせる。
そして地上に赤い巨人ウルトラマンジャスティスと青い巨人ウルトラマンレイが姿を現す。

「あ、ウルトラマンジャスティスだ!!」
「ウルトラマンレイもいるぞ!!」
今まで逃げ惑っていた民衆は二人の出現を見て歓喜の声をあげる。

「ジョアッ!!」
「エイヤッ!!」
ジャスティスとレイはバラッシュに向かって走っていき、両脇から掴みかかる。
そして同時に蹴りを見舞い、バラッシュをよろめかせ投げ飛ばす。
バラッシュは風を発生させるが、レイはそれよりも素早いスピードで接近し、
上空から飛び掛り、もつれ合う。馬乗りになり殴りかかるレイだが、バラッシュは
それを振りほどいて逃げる。

21 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/27(火) 23:49 ID:???
「ヘアッ!!」
バラッシュは空中に飛び上がり空から奇襲をかける。
レイとジャスティスはこれをまともに受け、吹き飛ばされる。

「せいっ!!」
尚も空中飛行を続けるバラッシュをジャスティスは空中に飛び上がって追いかける。
そして空中で交差した後、ジャスティスはバラッシュを蹴り飛ばす。地上へと落下していくバラッシュ。
かなりの高さから落下したにも関わらずバラッシュはまだ起き上がる。
そして次の瞬間驚くべき行動に出る。何と二つに分離したのだ。

「おいおい、分裂なんてありかよ」
と智は悪態をついた。ただこのバラッシュ、微妙な差異があり、最初に出現した方にはなかった尻尾がついていた。
バラッシュは最初に来た方が水流波を、もう一方は火炎を吐いてきた。

「のわああああ!!」
ジャスティスは火炎を、レイは水流波はまともにくらって吹き飛んだ。
さらに二人と挟み込んで両側から強風を発生させる。
この風の影響をまともに受け、ジャスティスとレイは動きを封じられてしまった。
そこからジャスティスの方のバラッシュは尻尾で、レイの方は体当たりで吹き飛ばした。

「ぐふっ」
うつぶせに倒れる二人。

「ジャスティス、レイ!!皆さん、大阪さんと榊さんを援護しましょう!!」
「了解!!」
「神楽、機体をまたひとつにするんだ!」
「分かったよ!私達は榊をフォローする!」
「私も!」
神楽と智はレッドファルコンを合体させ、ひとつにする。

「よみさん、ジャックナイフフライト行きましょう!!」
「分かった、ちよちゃん!」
ちよと暦はジャスティスこと歩の援護に回る。

「分かったよ、怪獣の弱点が!水流波を吐く方も、火炎を吐く方も
その溜めの時間に最大の隙が生じるの!そこが最大のチャンスだよ!!」
千尋がデータリンクを終えたのを報告する。

22 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/27(火) 23:51 ID:???
「この榊さんを離せ!!」
かおりんはレイを掴んでいるバラッシュに向かって砲撃する。
これによりバラッシュは前のめりに倒れこんだ。

「ジャックナイフフライトだ!!」
ちよは敵の喉元ギリギリまで接近して、急上昇する。
そして注意がそちらに逸れた一瞬の隙をついて暦が喉にレーザーを撃ち込む。
ダメージを負ったバラッシュもジャスティスから離れた。
ジャスティスとレイは同時に側転しての蹴りで二体を吹き飛ばす。
吹き飛ばされた二体は水流波と火炎を吐く体勢に入る。

「今だ!トリプルサンダー!!!」
「行くよ!グランドスクリュー!!」
智と神楽はレッドファルコンが合体している状態から使えるビーム砲トリプルサンダーを発射する。
対して千尋は、ゼットン戦でも使ったグランドスクリューを放つ。
水流波を放とうとしたバラッシュは口にまともにくらい、苦しみながら地面をのた打ち回る。
グランドスクリューをまともにくらったバラッシュは竜巻に巻き込まれ、天高く舞い上がる。
そして勢いよく地面に叩きつけられる。

「やっぱりこれ、凄い強力だなぁ」
と千尋は自分の作った武器に感嘆するのだった。
いずれも立ち上がったものの、もはやフラフラだった。

「今です、ジャスティス、レイ!!」
二体にミサイルで攻撃しながらちよは二人に呼びかける。
そして二人は頷く。

「はああああああ!!」
ジャスティスはクラッシャーモードへとチェンジする。
そしてバラッシュを掴んで投げ飛ばす。

「スロゥッ!!」
レイも高速移動で近づいてバラッシュを殴り飛ばした。
仰向けに倒れるバラッシュ。

「はあああああっ、でやっ!」
「おおおおおお、えいやあああああ!!」
ジャスティスは弓を引く動作の後に光の矢を発する「パトレックショット」を、
レイは空中高く飛び上がって急降下蹴りを繰り出す「キャノンストライク」をバラッシュにくらわせる。
二体はそれをくらった後に、後ろ向きに倒れてそして大爆発を起こす。

23 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/27(火) 23:54 ID:???
「やったあ!!」
ちよはメンバーの中で誰よりも高い声で喜ぶ。

「この調子であのゼルエムって奴も倒しちゃおうぜ」
「いけるぜ!」
智と神楽も最高に気分がハイになっている。

「それはどうかな?」
突如その声がしたかと思うと、バラッシュが爆発した場所からちよ父が現れた。
黄金色に輝いている。

「ついにラスボスの登場かよ」
「つまりあいつを倒せば終わりって事ね!」
暦の言葉に千尋はそう答える。

「ここまでやった君達に敬意を表して私も真の姿でお相手しよう」
ちよ父いやゼルエムがそう言った後に、ちよ父の体が爆発したかのように
砕け散る。そこから現れたのはまさに悪魔と呼ぶにふさわしい外見の者だった。

「あいつがゼルエム・・・・・・・」
「RPGのラスボスがそのまま目の前に現れた感じがするな」
ゼルエムは額にも赤い目があり、3つの目を有している。
悪魔のような羽根を持ち、足の爪先は尖っている。
体の色はグレーを基調としており、所々燃えるようなマグマな色をしている。

「さて、始めようか」
ゼルエムは手から衝撃波であるダークスマッシュを発射する。レイはそれをとっさに防ごうと
イージスウォールを展開するが、簡単に破られ、遥か後方へと吹き飛ばされる。

「うわあああああ!!」
「レイ!!」
「余所見をしている暇はないぞ!」
ゼルエムがジャスティスに向かって手をかざすと、ジャスティスは何かに捕まったかのように動きがとれなくなった。

「どうしたんだジャスティスは!?」
「多分、念力の一種みたいな奴に捕まっているんだと思う」
状況が掴めない暦に千尋が説明する。ゼルエムが腕を動かすと、ジャスティスの体が空高く浮かび上がる。
そしてゼルエムが腕を振り下ろすと、ジャスティスも地面に叩きつけられる。

24 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/27(火) 23:58 ID:???
「ごほあっ!!」
ジャスティスが苦悶の声をあげる。

「へあっ!!」
「えいやっ!!」
起き上がったジャスティスとレイはゼルエムに向かっていき、パンチやキックを浴びせる。
だがゼルエムは全く応えておらず、逆に二人の腕や足を持って軽々と投げ飛ばしてしまう。

「これはどうかな?」
ゼルエムの第3の目とも言える赤い目から光線を発射する。二人はとっさにそれをかわすが、
彼等のいた場所が一直線に焼かれていた。
そしてもう一度放たれた攻撃がカラータイマーを直撃する。

「うわあああああ!!」
ウルトラマンと同化している中の歩と榊が悲鳴をあげる。カラータイマーに直撃された場合、
彼女達にも多少なりとも影響を及ぼすようだ。
ジャスティスとレイのカラータイマーが点滅を始める。

「大阪さん、榊さん!!」
これを見てちよは真っ先に攻撃を始める。

「やらせるか!!」
「神楽、あたし達も行くぞ!!」
「おう!!」
「榊さん!!」
「この!!」
暦、神楽、智、かおりん、千尋もちよの後に続いて攻撃する。
トリプルサンダーやグランドスクリューを交えて攻撃する。

「こざかしい!!!」
ゼルエムがなぎ払うように手を動かすと、巨大なエネルギー波が発生して、それらの攻撃を
全てかき消した。その上で、レッドファルコン、ホワイトウイングがそのエネルギー波の攻撃を
受けて撃墜される。デビルスラッシュという技らしい。
そしてシルバースコーピオンの二人もその影響で車体から投げ出される。

「きゃああああああ!!」
「ち、畜生!!」
「みんな!!」
ちよは何とか助かったからか、そのままレーザーで攻撃をする。しかし、ゼルエルはそれを
片手でシールドを発生させ防ぎ、逆に衝撃波でブルードラゴンを撃墜する。

25 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/28(水) 00:00 ID:???
「きゃっ!!」
ちよのブルードラゴンもそのまま降下していく。
それを見てジャスティスとレイは立ち上がる。

「はああああああ、でゅわああああああああ!!」
ジャスティスは両腕を前に突き出して放つダグリューム光線、レイは腕をL字型に組んで
発射するレイバーストショットを発射する。ネオウルトラダブルフラッシャーである。
それはゼルエムに命中して、大爆発を起こす。

「やったのか・・・・・・・」
期待を込めて神楽は言う。だが、その考えも空しく爆炎の中からは何事も
なかったかのようにゼルエムが出現する。

「今、何かしたかな?」
二人の光線を受けても全く動じずにゼルエムは不気味に笑った。

「そ、そんな!!」
信じられない出来事に千尋は言葉を失う。

「ふん!!」
「うおおおおおおおお!!」
再び念力でジャスティスとレイは空高く持ち上げられそして地面に叩きつけられる。
さらに追い討ちをかけてくるゼルエム。
目から発した光線デモンズアイが命中して吹き飛ばされるジャスティスとレイ。

「榊さん、大阪さん!!」
ちよはそれを見てレーザーワイヤーを発射する。ゼルエムの動きを封じる。

「ミスティックスマッシャーだ!!」
間髪入れずに暦はミスティックスマッシャーを発射する。

「あたし達も続くぞ!!」
「おうよ!」
智はレイフォース、神楽はレイストームを投げつける。
それらはゼルエムの顔面に次々と命中して爆発する。

「大丈夫、かおりん!?」
「ええ、何とかね」
かおりんは千尋に手を貸してもらう形で、起き上がった。
シルバースコーピオンは今の攻撃で完全に大破していた。

26 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/28(水) 00:04 ID:???
しかしゼルエムは、その攻撃を受けてもまだ平然としていた。

「邪魔だ!!!」
ゼルエムが目からの光線デモンズアイを発射する。彼女達の目の前で
爆発が起こった。その衝撃で彼女達は吹き飛ばされた。

「先に死にたいのならいつでも殺してやるぞ!!」
彼女達の目の前には巨大な穴が出来ていた。

「ち、畜生なんて奴だ!」
神楽が歯噛みする。
その頃、月面基地ムーンキャッスルでもこの状況がモニターされていた。

「何てことだ!このままじゃやばいぜ!!」
「私達は見ている事しか出来ないの!?」
長谷川もゆっきーに焦りの色が見える。

「先輩、様々なポイントから何かが接近してきます!」
「敵か!?」
松田のもたらした情報に橘はやや動揺しながらたずねた。

「わかりません!ただ地球を目指している事は確かです!!」
レーダーで捕らえたそれぞれの反応が何れも強力な反応を示していた。

「もし、これが敵の侵略部隊だったら私達はもうお手上げね」
和田は冷や汗をかいていた。

「ふん!!」
デビルスラッシュが再びレイとジャスティスのカラータイマーに命中する。

「あああああああああ!!
中の二人が悲鳴をあげ、意識を失う。ジャスティスとレイのカラータイマーの
点滅も早くなっていく。

『弥生!!』
『大丈夫だレイ、歩と弥生もまだ生きている。だがこのまま攻撃を
くらい続けたらいずれ・・・・・・・』
『そんな事はさせはしない!』
『もちろん私も同意見だ!!だがいつまでも庇いきれないぞ!』
ジャスティスとレイはよろよろと起き上がる。

27 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/28(水) 00:06 ID:???
「誰か止めて!このままじゃ榊さんと大阪さんが死んじゃう!!」
ちよが泣きながら叫んだ。

「ふははははは、どうだ!この俺の力は!素晴らしいだろう。さらにはこんな事も
可能だ!バラッシュ!!」
ゼルエムの3つの目が光ると何とバラッシュが出現した。それも一体や二体ではない。
ざっと見積もっても数十体はいる。

「行け!世界を終焉の闇で覆い尽くすのだ!!」
バラッシュは命令通りに行動を開始し、世界中へと散らばっていった。

「総監!世界各地でバラッシュが出現して猛威を振るっていると連絡が入っています!!」
かおりんや千尋の変わりに入ったオペレーターが世界各地の情報を知らせる。
東南アジア、アメリカ、中国、オーストラリア、南極といったこれまでに登場したATDFチームと
バラッシュとは早くも交戦状態となった。しかしバラッシュは傍若無人に暴れ周り破壊を繰り返す。
バラッシュは地球だけでは留まらず宇宙にまで飛び上がっていくものもいた。

「ヘアッ!!」
「えいっ!!」
ジャスティスとレイは起き上がりゼルエムの体を掴んで両方から蹴りを入れる。
そして大きく投げ飛ばす。

「はあああああ、だあっ!!」
「いりゃああああ!!」
ジャスティスはパトレックショット、レイは右腕から赤い光球ブリッツボールを発射する。

「ぬるいわ!!」
しかしゼルエムはそれを軽々と弾いてしまう。

「そんなものがこの俺に通じると思ったか!お返しだ!」
今度は衝撃波イーヴィルフォースを連続発射し、それを連続で当てられる。

「ぐおおおおおお!!」
二人は一回転しながら倒れこむハメになった。

「歩さん、弥生さん・・・・・・」
「お姉ちゃん、弥生お姉ちゃん・・・・・・」
メディカルルームの翔と百合子は状況が分かるのか、二人の名前を呟いた。

28 :第76話 「史上最大の危機!絶望をもたらす者」 :2007/02/28(水) 00:07 ID:???
『み、美浜ちよ』
ジャスティスとレイがちよに呼びかける。

「ジャスティスとレイが私に話しかけているのですか?」
意外な展開にちよは驚きの声をあげる。

ついに姿を現した最強の敵ゼルエムの出現によってウルトラマンジャスティスと
ウルトラマンレイは絶体絶命のピンチに追い詰められた。果たして歩と榊の運命は!?
さらに宇宙から迫り来る物の正体は何か!?この地球はどうなってしまうのか!?

第76話   終           第77話へ続く

29 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/02/28(水) 00:48 ID:???
次 回 予 告

ゼルエルの復活そして圧倒的な強さの前に絶望の淵に
追い込まれる人々。

「これが最後の戦いになる、いえしてみせるわ」
「もうこれで終わらせるんや」

「待て!その体で行ったら今度こそ命を落とすぞ!!」
「今動かないでいつ動くんだ!彼女を守るためならこの命惜しくはない!!」
しかし、まだ諦めず最後まで立ち上がる者達もいた。そして・・・・・・

「こんな事ってありえるのか?」
「これが彼女達が今までしてきた事への結果か・・・・・・」

次 回 ウルトラマンジャスティス
第77話 「いくつもの絆 切れない絆」
「この地球をお前に渡すわけにはいかない!」

30 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/02/28(水) 01:28 ID:???
76話終わりです。
次回は今回よりは長めになる予定です。

31 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:17 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」
最強生命体ゼルエム 破滅怪獣バラッシュ他 登場

前回までのあらすじ
ちよ父ことゼルエムはついに地球へと侵入する。
その際にムーンキャッスルが迎撃にあたるもののフレアレインXXすら弾かれてしまう。
そしてHOLY基地に現れたゼルエムは松岸と同化していたちよ父と再合体をし、
完全なる姿で復活を遂げ、配下の怪獣であるバラッシュを送り込んできた。
ちよ達はこれを迎撃すべく出撃する。そして歩と榊も残り少ないエネルギーを振り絞り、
ジャスティスとレイに変身、これを撃破する。
だが、そこにゼルエムが現れその圧倒的な力の前にジャスティスとレイは窮地に立たされる。
そしてゼルエムはバラッシュを世界各地へと送り込んだのである。

『み、美浜ちよ』
ジャスティスとレイがちよに呼びかけている。

「ジャスティスとレイが私に呼びかけているのですか?」
意外な展開にちよは驚きの声をあげる。

『そうだ。君に弥生と歩を託す』
『このままでは彼女達は死んでしまうからな』
「え?」
『彼女達を頼んだぞ』
ジャスティスとレイがカラータイマーから何かが放射される。
直後にちよの目の前に榊と歩が横たわっていた。

「榊さん!大阪さん!!」
『彼女達を連れて逃げるんだ!』
彼等はそう言うとゼルエムに向かって振り返る。

「これで終わりにしてやろう」
ゼルエムがイーヴィルフォースを発射してジャスティスとレイのカラータイマーに直撃させる。

「うおおおおおお!!」
ジャスティスとレイは凄まじい勢いで吹き飛ばされ、いくつものビルを巻き添えにして吹き飛ばされた。
そしてついに恐れていた事態が起こったのだ。
ウルトラマンのカラータイマーの点滅が止まってしまったのだ。そして目の光も消えてしまった。
ゆっくりと倒れこむジャスティスとレイ。

32 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:19 ID:???
「ジャスティスとレイが・・・・・・・」
ちよは呆然とその光景を見ていた。
そして二人のウルトラマンはスーっとその姿を消してしまった。

「ジャスティスとレイが死んだ・・・・・・・」
その様子を見ていた人々のうちの誰かが一言呟いた。

「ジャスティス、レイ――――!!」
智はあらん限りの声で叫んだ。しかしその声に答えるものはいなかった。

「そ、そんなジャスティスとレイがやられちまうなんて」
神楽はがっくりと崩れ落ちた。

「違う。こんなの何かの間違いだわ。あっていい事じゃない」
「かおりん・・・・・・」
かおりんも必死に頭を振る。千尋はかおりんの肩に手をかけ首を横に振る。

「みんなしっかりしろ!!とにかく一旦体勢を立て直そう!榊と大阪だって
まだ目覚めていないんだからそれしかない!」
そんな中、暦は皆を叱咤激励する。

「ふん、貴様等を逃がすと思うか?一人残らず殺してくれる!
その後で残る二人のウルトラマン、コスモスとシェイドも始末してくれる!
これで私に逆らう者は誰もいなくなる!」
ゼルエムはこちらに向き直り、デモンズアイを発射しようとする。

「みんな逃げろ〜〜〜〜!!」
智はあらん限りの声を出して叫ぶ。

「無駄だ!塵となれぃ!!」
デモンズアイがちよ達に向かって発射された。暦とちよは目を閉じた。
しかしその時、横からビームが発射されデモンズアイを相殺した。

「何者だ!?」
「誰かが私達を助けてくれたんですか・・・・・・」
彼女達が頭上を見上げるとそこに一機の戦闘機が飛んでいた。
それは旧世代機のものであるゼクセクスだった。

33 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:20 ID:???
「あの機体・・・・・・まさか中に乗っているのは松岸総司令!!」
神楽の思っていた通り中に乗っていたのは松岸翔一郎だった。

「総司令!」
「ここは私が時間を稼ぐ!君達は早く逃げるんだ!!」
「でも・・・・・・・」
「急げ!そう長くはもたないぞ!!」
確かに松岸の声はどこかつらそうだった。

「ふん、奴の『入れ物』の方か。今更貴様ごときが何をしようと無駄なあがきだ!」
「それはどうかな!行くぞ!!」
松岸は無数のミサイルを発射して攻撃する。ゼルエムは全てをはじいた。

「さあ、行きましょう!総司令が食い止めてくれている間に!!」
「分かった!!」
ちよ達はその場から離れる。

(・・・・・・・・)
関屋参謀はその様子を黙ってモニターで見ていた。

「歩さん、弥生さん!!」
「お姉ちゃん、弥生お姉ちゃん!!」
その頃、メディカルルームで眠りについていた平井百合子と春日翔が目を覚まして起き上がる。

「あ、目を覚ましたわ」
そう言ったのは風香だった。
百合子と翔は顔を見合わせるとすぐに動き出そうとする。

「先輩達、まだ動いちゃ駄目ですって!」
「怪我も治りきっていないのに!」
「今行ったら死んじまうぞ!!」
青森七瀬、日吉美空、風森瑠菜はそんな二人を止めようとする。

「そこをどいて!今行かなければならないのよ!」
「お姉ちゃん達が危ないねん!!」

「はっ!」
別の場所では一人の男が急に飛び起きた。そこは誰かの部屋だった。

34 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:23 ID:???
「僕は一体今までどうしていたんだ?」
「おっ、やっと目を覚ましたか。お前ずっとうなされていたんだぜ」
すると部屋にもう一人の男が入ってきた。

「そうか、僕はずっと今まで・・・・・・」
男はそれに気づいてうなだれる。

「くらえ!ガトリングブラスト!!」
松岸のゼクセクスから大量のミサイルが発射される。しかしゼルエムには通じない。

「そんなものでこの俺が倒せるとでも思っているのか!?笑わせる!!」
ゼルエムは高笑いをあげる。

そして地上を逃げるちよ達のもとに二台の車が到着する。
車に乗っている主を見てちよ達は驚いた。

「ゆかり先生!にゃも先生!どうしてここに!?」
「いいから早く乗りなさい!急いでこの場から離脱するよ!!」
「さあ、あなた達も早く!!」
「はい!」
ちよ、歩、かおりん、榊はみなもの車に、智、千尋、暦、神楽はゆかりの車に乗り込んだ。

「ってゆかりちゃんの車だとかえって危ねーんじゃないか」
「よみ、今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!一刻を争う事態なんだから!」
「そうか、そうだな」
神楽に諭され、渋々ながら暦もこれに乗り込む。

「バカめ!逃がす物か!!」
ゼルエムがイーヴィルフォースを車に向かって発射してきた。

「しまった!間に合わない!!」
松岸の迎撃も間に合わなかった。しかし、その時何かが割って入ってきた。
そして光線の直撃を受ける。やがてそれは半透明ながらもひとつの形を成す。
それは分離されて抜け殻となったはずのちよ父だった。

「ふん!まだ完全に消滅していなかったのか。しぶとい奴だ」
「やらせはせん!この子達だけはやらせはせんぞ!!あの子達は私にとって娘同然の存在、
それを守るのは父親として当然の事だ!」
「お父さん!!」
思わずそう叫んだのは誰あろうちよであった。

35 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:25 ID:???
「ふふふふ、最後の最後でそう呼んでもらえて嬉しいぞ」
「黙れくたばりぞこないが!!これで終わりだ!!」
ゼルエムは出力をアップする。それによりちよ父の体が耐え切れなくなり、
ついに消滅していく。

「どうか生き延びてくれ。それが私の最後の願いだ」
「おとうさ―ん!!」
ちよが再び叫び声をあげる。榊はその光景に思わず目をそむけた。

「今のうちに発進するよにゃも!!」
「分かってるわ!あんた達、今回は運転が荒っぽくなるけど我慢してね!」
ゆかりとみなもは車を急発進させる。

(君にも色々迷惑をかけたな、すまなかった。さらばだ)
消え去る刹那、松岸にちよ父はメッセージを送っていた。

(そんな事はない。私は君のおかげでこうして生きている事が出来たのだから。
そして君と同じで私はあの子達を守る!!)
松岸は再び攻撃を開始する。

「いい加減に消えろ!!」
ゼルエムのデモンズアイがついに松岸の機体を捕らえる。
ゼクセクスはどんどん高度を下げていく。

「ぐっ、こんな所でやられる訳には・・・・・・・」
しかし、松岸のその思いも空しく、機体は地面にぶつかり爆発した。

「ふん、手間をとらせおって。まあよい、ここから先は俺が出るまでもない。ガルーゼ行くがいい!」
ゼルエムの呼びかけに応じてガルーゼを閉じ込めている無数のクリスタルが召喚される。
そして世界中に向かってクリスタルは飛んでいく。さらにそのうちのいくつかはこの場で実体化する。

「ガルーゼよ。この世界を徹底的に破壊するのだ!遠慮はいらぬ。特にHOLYの奴等は一人も逃がすな。
いいな。フハハハハ」
ゼルエムはガルーゼに命令を下すとその姿を消した。ガルーゼは命令に従いバラッシュと暴れ始める。

「総司令までやられちまった・・・・・・」
「これから一体どうすればいいんだ」
松岸が撃墜されたのを見て、暦や神楽に絶望的な感情がよぎる。

「とにかく一旦基地に行ってみよう。ゆりゆりや翔ちゃん達の事も気にかかるし」
榊の提案に誰も反対しなかった。

36 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:26 ID:???
「二人とも、その体で戦えば今度こそ助からないかもしれないわよ!
それだけあなた達の特に百合子さんの体はもうボロボロなのよ!」
ドクターである井上舞は飛び出そうとする二人に対して警告をする。

「でもそうしないとお姉ちゃん達やみんなを助けられへん!」
「このままじっとしているくらいなら、私が今出来る事をするわ!」
翔や百合子の決意は固かった。

「そうね、確かにここでじっとしているよりはマシよね」
そこにTEAM FLAMEの隊員服に身を包んだ相田京子が入ってきた。

「京子」
「キョロ」
「ジャスティスとレイが負けて、HOLYも一時退却を余儀なくされた。そして奴は次に
コスモスとシェイドを狙っている。一部の市民や上層部にはコスモスやシェイドを
引き渡して自分達だけ助かろうと考えている人もいるわ」
「な!?」
この話を聞いて静や咲月、そして通信でそれを聞いていた歩達も驚愕する。
しかし、百合子は別段驚いた表情はしなかった。

「やっぱりそういう人間が出てきてもおかしくないわね」
「百合子先輩も翔ちゃんもまさか自分が犠牲になって私達を助けようと・・・・・・」
「安心なさい風香、それはないわ。私も翔さんも死ぬつもりはない。ちゃんと生きて帰るつもりよ」
「あたしもや、みんなのところに帰ってくるで」
風香の言葉に百合子と翔は笑って否定する。

「わたくしは百合子さんや翔さんを信じますわ」
「あたしもだ。これまでだってゆりゆりはどんな困難も乗り越えてきた。今度だって絶対帰ってくるさ」
「ゆりゆり先輩はいつだってちゃんと約束を守ってくれました!」
静や咲月、七瀬といった面々が百合子と握手をする。

「私は先に行ってるわよ、百合子、翔ちゃん」
相田京子は一足先にこの場を離れた。
「絶対に帰ってこいよ」
「百合子さんは無敵だ!絶対に負けるもんか」
「待ってるからね」
「頑張ってね、ゆりゆり」
彼女の大学の友人である新城和人、上野成一、東山亜紀、佐藤沙織もまた彼女に激励の言葉を送る。
唯一赤羽広哉だけは何も言わずに黙って見送った。

37 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:28 ID:???
「翔ちゃん、必ず帰ってきてね」
「帰ってこなかったら承知しねーぞ!」
「美空ちゃん、瑠菜ちゃん!行ってくるで!」
翔は美空と瑠菜と抱き合った後、向き直る。

「分かったわ、私からはもう何も言わないわ。思う存分戦ってきなさい」
最後には舞も彼女達を送り出す事にするのだった。

「行きましょう翔さん」
「うん、百合子お姉ちゃん」
力強く一歩を踏み出す二人。そして二人が外に出た時、
そこにはちよ達がちょうどここにたどり着いた時だった。

「お姉ちゃん、弥生お姉ちゃん。行ってくるで!」
「翔・・・・・・・頑張ってきいや!」
「翔ちゃん」
翔は意識を取り戻した歩と榊の二人に笑いかける。
二人とも一瞬迷ったものの、すぐに笑みを向けて応える。

「最後になるかもしれないからこれだけはやらせて」
百合子は智と暦の二人に抱きついてほお擦りする。
かつて二人に一方的に友達宣言をして行った事を今またしたのである。
しかし今度は二人とも逃げようとしなかった。

「あなた達に会えてよかった。あなた達がどう思っていようと私にとって最高の友達よ!」
「なーに言ってんだよ、お前らしくもない。それに最高の友達ならキョロ達だってそうだろ」
「いつもの百合子で行ってこいよ。自信に満ち溢れてみんなを引っ張るいつもの百合子にさ」
「そうね、それもそうよね」
暦や智の言葉を受け、どことなく迷いがあった百合子の顔から迷いが消えた。
さらに百合子の携帯に誰かからメールが入った。

「最後の最後まで自分自身を貫き通せ。お前が信じた道を。
ゆりちゃん、翔ちゃん頑張って。遠くにいてもあなた達の事を応援しているわよ」
それは百合子の両親からだった。翔にもメールが送られている。
それを見た百合子や翔は心が高ぶるのを感じた。

「行きましょう翔さん、これが私達にとって最後の戦いよ」
「うん、分かってるて百合子お姉ちゃん!」
そして二人は一歩踏み出してそれぞれの変身アイテムであるコスモストーンとデスブリンガーを
取り出して装着する。

38 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:30 ID:???
「コスモ―――――ス!!」
「シェイド―――――!!」
二人はあらん限りの声を発してウルトラマンコスモスとウルトラマンシェイドへと変身する。
目の前にはバラッシュとガルーゼが1体ずつ迫っていた。

「でやっ!」
「しぇあっ!!」
コスモスとシェイドは出現するなり、二体を蹴り飛ばした。

『シェイド、行こう!この戦いを終わらせる為に!!』
『ああコスモス!勝って終わらせるぞ!!』
コスモスとシェイドは互いに会話をしあった後にそれぞれ戦いだす。
コスモスがバラッシュ、シェイドがガルーゼを相手にする事になる。

「頑張って翔さん、百合子ちゃん!!」
ちよは二人の巨人に向かって変身している人間の名前を呼んで応援をする。

「あたしの中からジャスティスがいなくなってもーた」
「私の中にもレイが感じられない」
歩と榊は自分たちの中にジャスティスとレイがいない事を感じ取った。

「榊、大阪、それはな」
神楽はその事態を説明する事になる。

「はっ!!」
コスモスはルナモードからエクリプスモードへとチェンジして戦いを挑む。
シェイドもコスモスもちよ達を巻き込まないようにバラッシュとガルーゼを
ジャアイントスイングで遠くに投げ飛ばす。

「であっ!!」
ガルーゼの爪がシェイドに迫る。だが、シェイドはその攻撃を
逆に受け止めそのまま腕を捻ってから投げ飛ばした。

「えいやっ!!」
コスモスは正拳突きの連打でバラッシュに反撃の間を与えなかった。バラッシュは水流波を吐いてくるが、
コスモスはサンライトバリアと呼ばれるシールドでそれを防御する。
しかし、その後の空中からの奇襲でコスモスは吹き飛ばされた。
シェイドもまた口からのミサイル攻撃により地面に倒れてしまう。
追い討ちをかけようと二体が迫る。だが、その時何者かが攻撃してそれを阻んだ。

39 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:32 ID:???
「私達TEAM FLAMEがいる事を忘れてもらっては困るわね!!」
「キョロちゃん!」
それを見て千尋が声をあげる。

「でもあの子達がウルトラマンだなんてこの目で見て初めて実感が湧くものね」
とみなもは戦いの様子を見ながら言った。

「行くわよみんな!いい?」
「了解です隊長!!」
「俺たちはいつでも準備OKだぜ!」
「ここまで来たら一蓮托生って奴ですよ!」
「あんた達、くっちゃべってないでとっとと行くわよ!」
「HOLYだけじゃないぞ!俺達だってこの地球を守っているんだ!」
「行きましょう!!」
相田京子のスペリオルドラゴンと上野英次と松戸幸成が乗るイエローシャークEX1がガルーゼを、
結崎美里と川瀬絵里の乗るEX2と金沢尚登、浅倉哲哉の乗る地上メカヒートスティンガーは
バラッシュをそれぞれレーザーによる波状攻撃でよろめかす。

「だああっ!!」
「せいいいいっ!!」
起き上がったコスモスとシェイドはそれぞれの相手を担ぎ上げて地面に叩きつける。
シェイドは空中高く舞い上がり、そこから叩き落すという荒々しい戦闘スタイルを用いて。
二匹の怪獣がフラフラになったところを見てコスモスとシェイドは光線の発射体勢に入る。

「はあああっ、ぜあっ!!」
「おおおおお、でやあああ!!」
コスモスは両手を大きく広げて光球を投げつけるルージュシューターを、シェイドは腕を前方に出して
エネルギーを丸めたカラミティストリームを発射する。二体の怪獣はこれをくらって粉々になる。

「やった!」
かおりんは快哉の声をあげる。

「ふふふふふ、現れたなウルトラマンコスモス、ウルトラマンシェイド!」
不気味な声と閃光を発しながら、ゼルエムが姿を現した。

「わざわざ死にに来るとはな。こちらの手間が省けるというものだ」
『お前を倒してこの世界に平和を取り戻す!』
『勝つのは私達だ!!』
「ふん、寝言は寝てから言うんだな」

40 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:35 ID:???
「ゼルエム!!攻撃を開始するわよ!くっ!」
京子達も攻撃態勢に入る。だが、そこをバラッシュが襲い掛かってくる。
地上の金沢と浅倉にはガルーゼが襲い掛かってくる。

「貴様らごときこの俺が戦うまでもない!」
ゼルエムがコスモスとシェイドに向き直り、不適な笑みを浮かべる。

「てあっ!」
「ヘアッ!!」
コスモスとシェイドはゼルエムに向き直り、殴りかかろうとする。

「甘いわ!!」
ゼルエムはジャスティスやレイにも使った念力を使った。
それによってコスモスとシェイドは宙に浮かび上がり地面に叩きつけられる。

「うわあああ!」
「ぐおおおお!!」
苦悶の声をあげるコスモスとシェイド。その後反撃しようとしたところにゼルエムが
なぎ払うような動作をするとデビルスラッシュという衝撃波が発生し、二人を吹き飛ばした。

「翔!百合子ちゃん!!」
歩は感情を高ぶらせて叫んだ。
その頃、綾瀬家にもバラッシュやガルーゼが迫っていた。

「早く逃げるんだ!みんな車に乗れ!!」
「なんなんだよ!これ!怪獣の群れじゃないか!!」
「私、なんだか怖い!」
ジャンボの用意した車で恵那やみうらは乗り込む。すっかり二人とも怯えてしまっている。

「まるでこの世の終わりみたいだ」
「馬鹿な事言わないでよ」
淡々と喋る虎子に対してあさぎは怒鳴った。

「しっかり捕まってろよよつば!」
「へーきだとーちゃん!よつばはつよいこだからまけない!!」
こんな事態になってもよつばはまだ持ち前の明るさを保っていた。

「うわあ、空からも地上からも怪獣だよ」
やんだもこの光景に唖然としている。

41 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:36 ID:???
「先輩達こっちだ!!」
「待って京介君、私もう走れないって!」
「みるちー頑張って!!」
京介やみるちー、ゆかもこの中を逃げ惑っていた。その後ろで怪獣に捕まったのか人の悲鳴が聞こえる。

「うへぇ、ああはなりたくねーな」
耳を塞ぎながら工藤は彼等の後に続く。

「紗奈ちゃん、こっち!あずさちゃんも!」
木村澪と結城あずさ、そして堀江紗奈も逃げ惑っていた。しかし、その中であずさだけは上空を見上げていたのだった。

「どうしたのあずさちゃん?」
「何かが来る。地球からも宇宙からも」
心配そうに尋ねる紗奈にあずさは上空を見上げたまま答える。
あずさには普通の人間には感じる事の出来ないものを感じ取る事が出来るのだ。

宇宙にもバラッシュやガルーゼの大群が押し寄せている。ネレイドやモンブランもあっという間に
沈められてしまった。現在はバーミンガムに長谷川、和田、松田がそれぞれ乗り込んでいた。

「畜生!このままじゃやられるのも時間の問題だぜ!!」
「冗談じゃないわよ!せっかく基地の再建が済んだってのに、また破壊されるなんて!」
「でも、私達だけじゃどうにもならない」
「先輩・・・・・・・・」
「・・・・・・・」
長谷川や和田は歯噛みし、ゆっきーや松田には絶望が心を覆っていた。
打つ手が無くなったのか、橘も無言だった。
さらなる敵の攻撃の激化が予想されたその時、無数の青い光が半数の怪獣軍団を一気に消滅させていった。
さらにその青い光は地球に向かって真っ直ぐ進んでいった。

「先輩!今のってもしかして一気に大量発生した反応のものじゃ・・・・・・」
「私達を助けてくれたのかしら?」
「まさか・・・・・・まさかあいつ等が・・・・・・・だとしたら!」
橘には心当たりがあるらしい。
ゆっきーの言うとおりこれこそがゼルエム出現と前後して発生した反応の源であった。

「僕の事をかくまってくれたのか」
「私はそこまでの事は知らなかったわ。でも大山君が怪我してるのを見て放っておけなかったし、
それに後藤君に頼まれもしたしね」
三つ編みの女性が大山将之に対して説明する。彼女の名前は下館瑞希(しもだてみずき)と呼ばれ、
愛称みっちゃんである。ゆっきーや和田の親友の一人である。

42 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/11(日) 23:39 ID:???
「それにしてもびっくりだなぁ。大山君がジェネシスだったなんて」
「春日さんや榊さんにも。まさかジャスティスやレイが彼女達だったなんて思わなかった」
そこにもう二人の女性が部屋に入ってきた。セミロングの髪をした女性と黒髪のロングヘアーの女性がいた。
片方はゆっきーを彷彿とさせる外見の左山(さやま)みずほ、もう一人が門間右京(かどまうきょう)という。
どちらもみっちゃんと同じで以前ムーンキャッスルのメンバーが地球に遊びに来た時に、登場している。

「何でその事を!」
「いやいずれバレるんだったら話しておいた方がいいと思ってな」
ばつが悪そうな顔で後藤隆が出てきた。

「それに彼女達がいなかったら俺達は今もこうしていられなかったろうしな」
後藤や大山はジェネシス事件の後に姿をくらませていた。
しばらくは山中や人目の付かない場所に身を潜めていたが、やがて限界が来て倒れてしまう。
しかし、そこにハイキングか何かで通りかかったみっちゃん達に発見され、現在に至る訳だった。
彼女は特に理由も聞かずにこうして彼等の世話をしてくれたのだった。

「ありがとう」
「いいっていいって。困った時はお互いさまでしょ」
みっちゃんの言葉を聞いて笑顔になる大山だが、すぐ表情を引き締め外に出る。
そこではコスモスとシェイドがゼルエムによって苦戦している場面だった。

「確かシェイドが私達と遊園地で一緒になった和田さんそっくりの百合子さんで、
コスモスが春日さんの妹の翔ちゃんだったよね」
「和田さんは大丈夫かなぁ」
みずほの言葉を聞いてそこに和田がいる訳でもないのに上空を見上げて和田の心配をする門間だった。

43 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/03/11(日) 23:40 ID:???
前半終わりです。
後半に突入します。

44 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/03/12(月) 00:47 ID:???
また直すの忘れてたorz
将明でした。

45 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:08 ID:???
「せいっ!」
「いりゃああ!!」
コスモスのコズミューム光線、シェイドのフォビトンレイジが同時に発射される。
それらは途中でひとつの光線となりゼルエムに命中する。いわばコスモスとシェイドの
ウルトラダブルフラッシャーといったところだった。
しかしゼルエムはそれが命中して体に火花を散らせても平気な顔をしていた。

「ふっふっふっ、そんなものか貴様達の力は?痛くも痒くもないぞ!」
ゼルエムは嘲笑した後に、目にも止まらぬスピードでコスモスとシェイドの目の前に現れ、彼等を
両手で突き飛ばした。遥か後方に倒れこむ二人。
危機を知らせるカラータイマーが青から赤に変わり点滅を始める。

(大丈夫、翔さん?)
(あたしは平気や。それよりも百合子お姉ちゃんの方こそ大丈夫なん?)
中の百合子も翔も相当につらそうだった。

「僕に変身する力が残っていたら・・・・・・・」
その様子を見ながら大山は悔しそうに拳を握る。

「あ、まだ動いちゃ駄目よ」
動こうとする大山をみっちゃんは支える。

「よせよ、お前はまだ意識を取り戻したばかりでまともに動く事だって出来ないだろ。
そんな状態で無理をすれば今度こそ助からないぞ!」
後藤も今にも飛び出しそうな大山を制する。

「だけど、このままここでじっとしていても何も変わらない!僕は彼女を守りたいんだ!
その為の力が欲しい!僕は死んだって構わない!彼女を守る事が出来るんならそれでも!!」
「おい、お前!待てよ!!」
その思いに答えたのか、大山の体が金色に包まれた。
それはほんの一瞬の事だった。

「え?何、今の光?」
「もしかして今のが・・・・・・」
そのまぶしさに目を伏せていた瑞穂と門間は状況が飲み込めずきょとんとしている。

46 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」[ :2007/03/19(月) 00:09 ID:???
(ジェネシス、もう一度僕に力を貸してくれるのか?)
心の中でそう呟くと、大山の目の前にジェネシスが一瞬現れ、そして頷く。

「彼女達を助けに行ってくる。うおおおおおおおお!!」
大山があらん限りの声で叫ぶと、金色の光が発生してそこに光の巨人が姿を現す。

「あれがウルトラマンジェネシス」
現れた巨人を見てみっちゃんは呟いた。

「大山君、ガンバ!!」
「みんなを守ってあげて」
瑞穂と門間の二人はジェネシスに向かってエールを送る。ジェネシスは二人に頷く。

「シュワッ!」
ジェネシスは決戦場へと飛んでいく。

「こうしちゃいられねえ!!」
「どこ行くの後藤君?」
「決まってんだろ!」
そう瑞穂に答えると後藤はみっちゃんの家から駆け足で出て行った。
ジェネシスの行く手には数匹のバラッシュが立ちはだかった。

「邪魔だ!!」
ジェネシスは切断技ジェネシスカッターや腕にある武器アームドジェネシスでまとめて切り裂いた。

「あれはガルーゼ!こっちに来る!」
ちよ達の元にガルーゼが現れ迫り来る。

「このっ!」
智や神楽は光線銃で対抗するものの、ガルーゼは何ともないらしくゆっくり近づいてくる。
そしてちよに狙いを定めた。

「畜生!何が何でも私達を始末する気かよ!!」
「ちよちゃん、逃げろ!!」
ちよは逃げようとするが、間に合わない!!
 
「だあっ!!」
その時彼女達の目の前にジェネシスが現れた。ジェネシスは地上に降り立ち、
ビームランプからの光線サンダースパークでガルーゼを消し飛ばす。

47 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:11 ID:???
「ジェネシス・・・・・・・大山君!!」
「大山君生きていたんや」
ちよと歩は感激の声をあげる。ジェネシスは一度振り返った後、また飛び上がっていく。

「なーんだジェネシスの正体って大山だったんだ」
どうやらゆかりもジェネシスの正体までは知らなかったようだ。

「あんたってこんな時でも本当に動じないわよね」
みなもはこの腐れ縁の同僚を見て、自分もこの状況で落ち着いているのに気づいた。

「ふはははは、貴様達もこれまでだな」
その頃シェイドとコスモスはゼルエムによって追い詰められ地に伏していた。

「てやああああああ!!」
今まさにとどめを刺そうとしたゼルエムをジェネシスは蹴り飛ばした。

「貴様はジェネシス!ふん、まだ貴様のような出来損ないが生きていたとはな」
「大丈夫か?二人とも」
大山の声で二人に語りかけるジェネシス。

「まだまだ戦えるわ!どうやら今回あなたは味方になってくれるようね」
「あたしもまだ平気や〜」
中の百合子も翔も疲弊しているが、気合を振り絞る。それに答えるようにコスモスとシェイドも
立ち上がった。

「お前を倒す!そして平和を取り戻す!!」
「ふん、ほざけ!一人増えたとこで同じ事、貴様等まとめて地獄に送ってくれる!」
「行くぞ!!」
ジェネシスはゼルエムに戦いを挑む。ゼルエムはイーヴィルフォースを発してくるが、
ジェネシスはそれを跳躍してかわして、ゼルエムを投げ飛ばした。

「一気に決めてやる!!デストロイスタッド!!」
ジェネシスは腕をL字型にして放つ必殺技デストロイスタッドを放った。

「ぐ。ぐぬううううううう!!」
ゼルエムがそれに直撃して爆発した。

「やったの!?」
千尋は淡い期待を抱くものの・・・・・・・

48 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:13 ID:???
「ふふふふふ、やはり出来損ないは出来損ないでしかないな。ふん!!」
何事もなかったかのようにゼルエムが現れる。またも念動力を発するゼルエム。

「その手は食うか!」
ジェネシスは上に飛び上がってかわす。

「甘い!!」
ゼルエムの全身がまばゆいばかりに輝く。すると全身から光線が発せられジェネシスを捕らえた。

「ぐおおおおおお!!」
ジェネシスはそれをまともに受けて地面に落下する。
そしてジェネシスを蹴飛ばす。完全に回復していない為か早くもカラータイマーが点滅を始めた。

「そのザマで俺に勝てるはずがないだろう」
「彼を援護しましょう!!」
「分かったで!」
シェイドとコスモスは立ち上がって左右から攻撃を仕掛ける。

「無駄だ!」
ゼルエムの目が光り、コスモスとシェイドを吹き飛ばす。

「このままじゃみんなやられてしまう!」
「どうしたらいいの?」
「あたしはもう変身でけへん」
「私ももう変身する事は出来ない」
「今度ばかりはもう駄目かもしれない」
この事態によりメンバーの心は打ちひしがれていた。
神楽ですら弱気になっていた。

「・・・・・・・・・」
ちよも目の前の光景に目を背けてしまう。

「打つ手なしか・・・・・・・」
暦も諦め気味になっている。ゆかりやみなもが何かを言おうとしたその時、智がみなの前に立つ。

「とも?」
「ともちゃん?」
今までにない真剣な表情の智に釘付けになる7人。

49 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:14 ID:???
「チョーップ!!」
と言って一人一人の頭にチョップをする智。

「いって〜!!」
「何しやがるんだとも!!」
「痛いですよ〜ともちゃん」
「よーし、そんだけ元気なら大丈夫だな」
皆が一様に智を非難するが、智はその反応を見て満足そうに笑った。

「まったくみんな揃いも揃ってらしくもない事すんなよな!今更諦めたってしょうがねーだろ!
最後の最後まであたし等らしく行こうぜ!」
「智・・・・・・・」
智のどこまでもポジティブな考えに、沈んでいたメンバーの顔に生気が戻りつつあった。

「そうだよな、まだ終わってないんだよな!」
「だったら私達は今できる事をするだけだよ!」
神楽はレイフォースを、千尋はパソコンで再びデータを検索し始める。

「ちぇ、せっかくあたしがこの場面でかっこよくハッパかけてやろうと思ったのにともに先を越されちゃったよ」
「それだけ私達が思っている以上に成長しているって事よね」
拗ねるように言ったゆかりに対してみなもは笑いかける。

「これだからバカは困る!それなら今すぐ殺してやろう!!」
ゼルエムが何か指示を出すと、バラッシュが彼女達めがけて飛んできた。

「危ねぇ!!」
基地の外でその様子を見ていた咲月が叫んだ。だが、その時!!
上空から青い光のひとつが飛んできてバラッシュに体当たりしたかと思うと、
それはバラッシュを消し飛ばした。

「一体何が?」
ちよ達は目の前で繰り広げられた光景に驚く。やがてその青い光がひとつの形を成す。
それはとある異星人の姿をしていた。

「まさかマッド星人!」
「よぉお前等また会ったな。ある奴から地球のひいては俺の嫁の危機だと聞いてな。
こうして参上したって訳だ」
と、マッド星人は暦の方を見ながら笑いかける。

50 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:16 ID:???
「だ、誰が嫁だ!?」
「よかったなよみ〜結婚相手がいて〜」
「ふざけんな!あんたも冗談はやめろよな!」
「俺が戦士として認めたんだから、嫁としての素質も十分って事さ!」
「何だ、その理屈」
暦はこの宇宙人と語っていてどっと疲れを感じた。

「それとお前等がジャスティスとレイだったんだな。意外ちゃ意外だったぜ」
「私達の事」
「気づいてるん?」
「まあちょっと前にな。おっとこんな事してる場合じゃねーや。こいつ等を片付けるとするか。
ああ、それとここにやってきたのは俺だけじゃないぜ!」
マッド星人はそれを伝えると、近づいてくるガルーゼと組み合った。

「消えちまいな!!マッドインフェルノ!!」
マッド星人の全身から炎から沸きあがり、それを放出する。ガルーゼは瞬く間に炎に包まれ、
一瞬のうちに消し炭と化した。そしてどこかへ向かって飛んでいく。
マッド星人の言葉を裏付けるように今度は天空よりフェニックスを思わせる外見をした怪獣が二体
現れ、ガルーゼやバラッシュと戦いを始める。大きいほうはバラッシュと空中戦を展開し、小さい方は
ガルーゼと地上戦にもつれこむ。

「あれはバレンシア!よみさんが育てた怪獣ですよ!」
「まさか、アレックス!アレックスなのか?」
信じられないといった表情で暦は目の前の光景を見る。
そして地上のバレンシアがガルーゼを吹き飛ばした後に、こちらに向かって鳴いたのだった。
そのバレンシアは暦の姿を見るなり喜びの声を出す。間違いなくあの時のアレックスだった。

「きっとお母さんであるよみさんを守りに来たんですよ!」
「また会えましたわね暦さん」
あの時、話を聞いていた静も直感でそれが暦の言うバレンシアである事が分かり、そう告げる。

「まさか、またこうして会えるなんて夢にも思わなかった」
暦は感動のあまりか、涙を流していた。それほどまでにうれしい事なのだろう。

(最後まで諦めないで下さい!かつて私達があなたや咲月さんから教えられた言葉です)
「え?その声。まさか!」
神楽の頭の中に誰かが語りかけてきた。その声に神楽は懐かしい気持ちになった。
それは咲月にも聞こえてきた。

51 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:20 ID:???
「もしかしてあん時の!」
そして地底から一人の女性が現れた。

「ルミア!ルミア・モービス!」
神楽はその女性の名前を呼ぶ。

「お久しぶりです彪乃さん。そして咲月さんに他の地上の方々も」
「地上に出れるようになったのか?それとモービスに変わる新しい都市は出来たのか?」
「ええ、試行錯誤の末、何とかこうして地上に出れるようになりました。といってもまだ私一人だけですが。
でも離れていてもあなた達の勝利を皆信じています!
もちろんですよ、あの時以上に素晴らしいものになっています」
ルミアは神楽に聞かれた事ににこやかに笑って答える。

「今度は私達があなた達を守る番です!」
彼女が何かを呟くと神楽達の周囲にシールドが張り巡らされ、バラッシュやガルーゼの侵攻を阻んだ。

「すげえルミア!」
「やるじゃん。さっすが女王様ってか」
神楽と咲月が感嘆の声をあげる。

「歩さん、あの時の約束通りあなたを助けにきました」
「ジュリスちゃんやないか!ホンマに久しぶりやで〜」
歩の目の前に現れたのはかつて歩が助けたアクア星の住人ジュリスだった。
ジュリスは歩に微笑みかけた後、怪獣に向き直り、空を飛んでいたバラッシュを
泡状の球体を発生させてその中に閉じ込めてしまった。

「アクアバブルって言うんですよこれ」
歩に笑いかけた後、球体が爆発する。これによってバラッシュは地上にまっさかさまに落ちていった。
近くにいた仲間も巻き添えで下に落ちていった。

「すごいな〜ジュリスちゃん。あ、女王様達ってどうなん?」
「みんなとても元気ですよ、ほら」
と、そこに立体映像が発せられる。

「わらわ達は元気でやっておるぞ!歩達よ、おぬし達も最後まで頑張るのじゃ!」
女王であるリナールは一言アドバイスを送った後に姿を消した。

「ね?」
「リナール様もみんな元気そうでよかったで〜」
と胸をなでおろす歩。

52 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:22 ID:???
その後ろで千尋とかおりんが何やらパソコンを打ち込みながら何かしていた。

「何をしているんだ千尋、かおりん?」
「こんな時こそ、何かいい作戦を練らなきゃと思って」
「私達オペレーターだからね。でも今回は私達だけじゃ足りないかも」
神楽の質問にかおりんと千尋はそう答えた。

「くそ〜あさぎさん達とはぐれちまった!無事だといいんだが!」
「駄目、もう追いつかれる!!」
みうらがジャンボにしがみつく。恵那も目を閉じた。
ジャンボと小岩井の乗る車にはもうすぐそこまでガルーゼが迫っていた。

「よつば、車から降りるんだ!!」
「やだ!とーちゃんといっしょにいるんだ!」
小岩井はよつばに降りるように言うが、よつばは頑として拒んだ。
車を踏み潰そうと足をガルーゼがあげたその時、ガルーゼの足元が崩れ、
ガルーゼは何かに引きずられた。
そして地中からもぐらの怪獣が出てきた。

「モーグだ!!」
「あの時、私達と一緒に遊んだあのモーグが・・・・・・」
「私達を助けに来てくれたんだ!」
モーグはガルーゼの足を掴んだまま、ガルーゼを地面に叩きつける。
そしてモーグはみうら、恵那、よつばの姿を見つけて笑ったような顔をする。
モーグは起き上がったガルーゼに突進攻撃をくらわせて吹き飛ばした。

「あれおまえの友達か?」
「そうだぞとーちゃん。モーグはよつば達の友達だ!」
「凄いの友達にもったもんだなおまえ等」
「俺も今回はやんだの意見に同意」

あさぎや虎子の運転する車にはバラッシュがしつこく付きまとう。
何とか逃げ切っているものの、いつ捕まってもおかしくない!

「もっとスピード出ないの虎子!」
「これで精一杯だって!!」
が、その時空中から何かが降り注ぎバラッシュを地面に叩きつけた。

53 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:24 ID:???
「大丈夫か、あさぎ!」
そこにいたのは真っ赤な髪をした宇宙人だった。モタビア人という。

「ザナック!!まさかまた会えるなんて!ミルファはどうしたの?」
「別の場所にいるぞ。彼女も私と同じように戦っている!」

「はっ!!」
その言葉どおり青い髪のモタビア人ミルファはみるちーやゆか等に迫った怪獣を
目を青く光らせて放つ衝撃波で倒していた。

「助かったみたいだな、俺ら。あの人が助けてくれたのか」
「こういう事になってるとは思わなかったよ」
京介はホッと一息つく。

「ありがとうございます。助かりました」
「ありがとう!あの、お名前は?」
みるちーとゆかはミルファにお礼を言う。

「ミルファだ。べ、別にお礼を言われる程の事じゃないわよ!嬉しくなんかないんだからな!」
「おお、宇宙人にもツンデレはいるのか!何か感動」
顔を赤らめて否定するミルファに、工藤は変なとこで感動を抱いていた。

そして紗奈、澪、あずさのいる場所にも一匹の怪獣が現れ、ガルーゼとバラッシュを
始末する。そこに現れた怪獣は鳥と人間を組み合わせたような姿だった。
この怪獣の名前をザビロンという。

「おじさん!!」
紗奈はザビロンを見て嬉しそうに叫んだ。

「紗奈、久しぶりだな。そこの二人は友達か?良かった、私がいなくなってもうまくやっているようだな」
「うん。友達もそして大切なお姉ちゃんも出来たよ!」
紗奈は目を輝かせながらザビロンに思いを伝える。

「紗奈ちゃん良かったね!始めまして紗奈ちゃんの友達の木村澪です!」
「この怪獣、いえこの人が紗奈ちゃんを育てたっていう・・・・・・あ、私は結城あずさです」
澪はザビロンを見ても表情を変えずに、笑いかける。あずさは無表情のままだった。
これ以外にもアメリカにはリドリアスが出現してガルーゼに戦いを挑む。

「あんたもあの子達と関わりがあるんだね、あたしには分かるよ」
リドリアスを見て、メルビィ・クリスティは呟いた。リドリアスはバラッシュを上回るスピードで翻弄する。

54 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:33 ID:???
さらに東南アジアではシーモンス、シーゴラスが目覚め津波と竜巻を駆使して
バラッシュの水流波をものともせずに撃破する。そして異世界からもあの四人が来ていた。

「よく分からないが、弥生達がいる世界に来てしまったようだな」
「うん、この近くにみんなの存在を感じる」
「しかし、怪獣ってのがうじゃうじゃいるなぁ」
「全部蹴散らしていきましょう!」
リーンバイス四人組であるハリアー・アグレスト、アーシャ・クレイドル、
リックス・イクスミッド・ガルオス、レジィナ・ルム・カーシスは近くで襲われている人を助け出した。

「た、助かったわ」
襲われていたのはゆかりとみなもの同級生の城山栄子だったりする。

オーストラリアでは何の因果かあのリアード夫妻が現れ、夫婦揃っての強力攻撃で怪獣軍団を
撃破し、中国ではマッド星人と新たに現れたジェロスがデスゲイズ軍団を撃破する。

「よぉ、あんたもあの連中に影響を受けたクチかい?」
「勘違いするな。俺は目障りなゼルエムを消す為にここに来ただけだ。降りる場所を少し間違えたけどな」
「へいへい」

「お姉さん達の怪我をあたしが治してあげる」
「ありがとうリルちゃん」
レクシオンのリルも地球に来て歩達の怪我を治していく。

「私達は襲われている人達を助けましょう」
「地球人に助けられた俺達が今度は助けるのか、悪くないな」
「それが今俺達に出来る彼等への最大限の礼さ」
カノン、シェスター、カスケードもそれぞれの場所へと展開する。
カスケードは口から吐くファイヤーボール、シェスターは尻尾からの電撃ライトニングテイルで、
カノンは爪から発する針ニードルクローでデスゲイズを倒す。
敵側はデスゲイズまでも繰り出してきているのだった。

地球だけに留まらず、宇宙でも同じようにムーンキャッスルを援護するものがいた。
ミステラー星人カルナ、バルックそしてアテリア星人アヌビスだった。
カルナとアヌビスはバラッシュを手に持った光の剣で切断する。バルックは必殺メテオスマッシャーで
数多くの敵を一掃する。

「あんた達が何でまた俺達の加勢に?」
橘が不思議そうに聞く。

55 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:39 ID:???
「君達もあの子達の仲間なのだろう。だったら助けるのは当然の事さ」
「それにあなた達の活躍も最近よく耳にするわよ。凄いんですってね」
カルナやアヌビスは橘に握手を求める。橘もそれに応える。
しかしバルックだけは別の事だけを考えている。

(美浜ちよ。よもや諦めてはおるまいな。俺に諦めるなと言って生き方を変えさせたお前が
諦めるなど絶対に許さん!!)

「ねえ、聞いて長谷川君!大山君と後藤君生きてたって!今みっちゃんからあたしにメールは入ったよ!
それも大山君は今ジェネシスとして戦っているんだって!」
「何だって本当か!?」
「本当だよ。後藤君も戦線復帰してゼルエムって敵と戦ってるって!」
ゆっきーのもたらした情報に憔悴していた長谷川はみるみる生気を取り戻していく。
そばで聞いていた和田や松田も微笑する。

「ちくしょう、あいつら心配させやがって!生きてるんなら生きてるって連絡しろよな!」
「こんなところで絶望している場合じゃないわよ、みんな気合を入れなさい!!」
「はい!!和田司令長官!!」
ビシィと指をさして全員に通達する和田明菜。これが隊員達の士気を高める。

「愛しの千尋ちゃんの為にもここで倒れる訳には行かなくなったわね」
「おうよ、たりめーだ!これで一気に粉砕してやる!フレアレインXX!!」
松田の言葉に今度は照れたりせずに長谷川は力強く答える。
バーミンガムから発するフレアレインXXで大半を消し飛ばした。

「モンブランMarkUのビームで一気に片付けちゃえ!」
「分かりました。ターゲットロックオン。敵一団を掃討します!」
プールの監視員のお姉さん風のが狙いを定める。沈んだ一号機に変わり新たなゆっきーの
戦艦がモンブランMarkUだった。そのビームで敵を一掃する。

「そっちの方は任せたぞ」
「了解、任された」
「元隊長や副隊長も戦っているんだ。俺達だって負けてられないぜ!」
橘の指示に従ったのはこのムーンキャッスルに転属となった
元GENESISの葛城一哉と貴水大介だった。
彼等はムーンキャッスルの中では珍しく戦闘機に乗って出撃している。
そしてそれがもう一組。

56 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:40 ID:???
「私達にとってはやっぱりこっちの方が扱いやすいわ!」
「向こうへ行ってしまったV7の分まで頑張らないとな」
元宇宙ステーションX7に所属していた浅野望と木根信也だった。彼等V7もまた
敵の襲撃に合い全滅してしまったのだ。彼等はその生き残りである。
彼等は以前智達がムーンキャッスルと共同戦線を張った時同様、いやそれ以上の操縦テクニックで敵を撃破する。

「あ、かおりや千尋からだ。なんだろ?」
ムーンキャッスルに転属となったイリーナ・ジュレスが地球からの通信を傍受する。

これに対して各防衛チームも黙っているはずがなく必死の防戦を試みる。
まずは東南アジアエリアを担当するTEAM FANGである。

「シーモンスとシーゴラスに続くんだ!我々も行くぞ!!」
FANG隊長リーバイン・ガーランドが激を飛ばす。

「了解ですぜ!隊長!」
「いつでも準備OKだぜ!」
「カリス、遅れるんじゃないわよ!」
「誰に言ってんだよ!」
隊員であるライザー・ギャラック、ステビア・エアーズ、フィン・ノーティラス、カリス・ディルフォート、
それに呼応する。ライザーとリーバインはメタルブラックα、βに乗っている。

「通信が。HOLYのチヒロからだわ」
オペレーターのメロディ・ミストは千尋からの通信を傍受する。

「私は君達を信じるだけだ」
とベイル・サンダース総司令。

「行って来い!行って我々の強さを思い知らせてやるのだ!」
「もちろんです長官!」
TEAM BLADE長官であるゼイヴィア・グラムナードに隊長のヴィアス・スレンガーが敬礼する。

「行くわよ!あなた達ちゃんとついてきなさいよ!」
「誰に対して言ってるのかな?
「俺らを甘くみんなって!」
「こういう状況でこそ燃えてくるね!!」
セレスティア・ヴァレンタインはナイトストライカーという戦闘機で(ヴィアスはグラディウス)、
マイケル・レイノルズ、ウェッジ・クラフト、ビックス・マイヤーは地上からの出撃となる。

「これは、カオリからの通信だわ!」
リスティナ・ハーディンへはかおりんが通信を送っていた。

57 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:43 ID:???
「我々も遅れるな!!」
TEAM PROMINENCEバーナード・リンクス長官も隊に出撃命令を下している。

「奴等をこれ以上前進させるな!!」
「はい!」
「まとめて相手してやる!!」
「メイファ、調子の方はどう?」
「絶好調ってとこね」
ペルセウスには隊長であるアルヴィス・グローリーが、アルビレオにはシェン・メイファ、ローズ・リムステルが、
地上マシンであるプロキオンでスレイド・モルガノ、ゼレオン・シンドーが出撃する。
このエリアの敵はガルーゼUだった。

「ん?おお撫子ガールからじゃないか!ひっさしぶりだぜい!」
フェリオス・ワードナーは千尋やかおりんからの通信に狂喜乱舞する。
こんな事態でも何かを食べており、今回は何故か濡れ煎餅を食べていた。

「彼等に遅れをとるな!!中華の底力を見せてやるのだ!朱雀、出撃する!」
SPEAR隊長道・龍(タオ・ロン)は気合の声を発する。

「李神狼(リー・シェンラン)、玄武出るぜ!!兄貴、行くぞ!」
「李王(リー・ウォン)、白虎行くッス!!おうよシェンラン!」
「あの暦って子が残した先行者のデータは無駄じゃなかったわね。
燕沙凛(フェイ・シャーリン)、青龍行くわよ!!」
彼等が乗る機体はいずれも暦が乗った先行者をベースにしており、もちろん中華キャノンも出る。

「これは・・・・・・TEAM HOLYからだ!」
残ったオペレーターの古美鈴(クー・メイリン)は直接HOLYメンバーに会った事はなかった。
それは神狼や王も同じだが・・・・・・

「私達は絶対に諦めないわよ!!フレイムブラスター!」
相田京子のスペリオルドラゴンからフレイムブラスターがゼルエムに命中する。
しかしゼルエムは鬱陶しそうに振り払う。

「そんなに死にたければ貴様から先に殺してくれる!!」
ゼルエムは京子に向かってデモンズアイを発射しようとする。しかし、そこをミサイルで攻撃して
動作を中断させた者がいた。その機体は後藤が愛用したメタルブラックに他ならなかった。

58 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:44 ID:???
「あなたは元TEAM GENESISの後藤副隊長!」
「大山と一緒に舞い戻ってきたぜ!京子隊長、俺も参戦するぞ!仲間を援護する為に!!」
「ええ大歓迎だわ!」
「またうっとおしいのが増えたか。目障りだ消えろ!」
「消えるのはお前だ!ストライクバニッシャー!!」
後藤の放ったストライクバニッシャーがゼルエムに直撃する。しかし、ゼルエムは倒れない。

「今まで私達と戦ったり出会ったりした人達が地球の危機に来てくれた」
「こういうのを奇跡って言うんだろうか?」
ちよや暦はその様子をじっと見ていた。

「それは違うわよ」とみなも。

「これは今まであなた達が行ってきた事に対する結果よ。つまりあなた達のこれまで
してきた事は決して無駄ではなかったのよ」
「そうそう、もっと胸はんなさい」
みなもは至極真剣に言うが、ゆかりは砕けた調子で言う。

「そうそう、にゃもちゃんいい事言う〜。まあほとんどあたしのお陰だけどね〜」
「コラ!お前は本当にこんな時でも調子いいよな〜」
相変わらずの幼馴染みの態度に暦はため息をつく。

「でも、その方がともちゃんらしいです!」
「ともちゃんはみんなのドリームメーカーやしな〜」
「それを言うならムードメーカーだろ!」
珍しく神楽が歩に突っ込む。そんな時智に電話がかかってきた。

「こんな時に。誰からだ?」
「は〜い、智久しぶり。シルビィだよ」
それはチャイルドバルタンであるシルビィだった。

「もしかしてお前がメールでみんなに知らせてくれたのか?」
「そうだよ。レクシオン、デゾリス、アクアはあたし達とも交流があったから
すぐに連絡とれたし、他のみんなも絵里や智達からメールで知っているから
声をかけるのはそんなに難しくなかった。あとはバレンシアやマッド星人みたいにあたしが
声をかけなくても自発的に駆けつけたのもいるしね」
「そうだったんや〜」
「それに今回地球に来ていないみんなからも応援メッセージを貰ってるから、送るね」
シルビィは一旦電話を切る。すると智に電話がかかり映像が切り替わった。

59 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:46 ID:???
そこには榊が大好きなキャッツ星人やミルビス、デゾリスの住人が移っていた。
どうやらシルビィが彼等に与えたものらしい。まずキャッツ星人が移る。

「久しぶりだな。あのバンドコンテスト以来か。今時分が出来る事を最大限にするんだ。
そうすればきっと道は開ける」
「は、はい!」
ねここねこ似のキャッツ星人に、榊はすっかり感極まっていた。後ろではミルビスも
「そうだ」と言わんばかりに鳴く。

「俺達は地球に行けないけど、あんた達なら絶対にゼルエムに勝つって信じてるぞ!」
「最後まで諦めないあなた達ならきっと大丈夫よ!」
「そういう事じゃな」
デゾリスの少年フラッシュや女性であるキャスティ、そして長老のゲインとどれも見覚えが
ある者達だった。

「任せとけって」
答えたのは神楽だった。

「みんな、ファイトだよ!」
最後にシルビィがもう一度電話をして、エールを送った後に電話を切った。

「しかし、まさか宇宙から応援メッセージもらえるとは思わなかったなぁ〜」
「あら、宇宙だけじゃないわよ。この基地のネットにだってあなた達への書き込みが来ているわよ」
と言ったのは井上舞。彼女が教えた所にアクセスすると、確かにその書き込みがあった。

「姉ちゃん達、頑張れ!」
それはベムスターとの戦いの時の市民や、かつてHOLYを批判した住民達からのものであった。

「やっぱり嬉しいですよね、こうして応援してもらえるのは」
「そうだな」
書き込みを見ながらちよと暦は笑いあう。

「我々も忘れてもらっては困るな。特にホットでクールな私を!」
急に別の通信が割り込んできてキョンシー映画に出てきそうな眼鏡かけたおっさんが写った。

「あなたは南極のTEAM SNOW隊長ニード・ロウさん!」
「僕達もここに配属になったんだ」
「榊隊員、今度僕とお互いの猫をお見合いさせない」
元GENESISの小室久志と宇都宮博之の姿もあった。
さらには美男子風の男性と妖精のような外見をした少女がいた。どう見ても後者は人間ではない。

60 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:49 ID:???
「だって?どうする榊?」
「いや、いいけど・・・・・・」
「重度の猫マニアはどいてろ!始めまして尚貴・S・ラプターだ。この隊の随一にして
唯一無二のイケメンとは俺の事。俺のような・・・・・・・」
「ナオキ邪魔!あたしヴィディア。よろしくね」
互いに押し合いへし合いながら自己紹介するSNOWの面々。
後ろを見ると敵が迫っていて、隊長のニードがいきなりやられているが、誰も気にしていない。
ちなみにヴィディアは、人造生命体である。小さな外見に似合わず怪力である。

「まったく何やってるのよ!今は戦闘中でしょ!あ、私はレクリサンダ・フランジュ副隊長です。
レンって呼んでね」
さり気なく副隊長である事をアピールするレン。褐色の肌に美しい顔立ちだが、目に傷跡がある。

「私はマーガレット・メル・ラシェラ総司令です」
「ミィナ・ダニンガンだよぉ」
「アリサ・ダンニガンだ!おめーらちょっと有名だからって調子のんなよ!」
赤毛のアンを彷彿させる容姿のマーガレット・メル・ラシェラは整備士でもある。
セミロングでオールバックの外見がアリサ・ダニンガンである。もう一人ミィナ・ダニンガン。
二人は従姉妹である。ミィナはショートヘアーとなっている。
いきなり喧嘩を吹っかけてくるアリサ。彼女達は基地内にいるらしい。

「うわっあいつ等榊ちゃんや神楽より胸でけーな!」
「ホンマや、おっぱい大きいわ〜」
「わ、私だって大きくなったらきっと」
「上には上がいるって事か」
智、歩、ちよはその大きさに驚いている。暦が静かにつぶやく。
ちなみにマーガレット、アリサ、レン、ミィナの順らしい。

「凄いけど、別に羨ましくはないな」
「うん」
素っ気無い反応な神楽と榊。

「それよりいいんですか?あなた達の隊長後ろでやられてますよ」
「ああ、気にしないで。うちの隊長基本的に『ヘタレ』だから」
「は、はあ」
レンの物凄い淡白な言い方にHOLYでよかったと思うちよだった。

61 :第77話 「最終章―いくつもの絆 消せない絆―」 :2007/03/19(月) 00:56 ID:???
「あんた達気をつけなよ〜そんだけ大きいとたれた時悲惨よ〜」
「ゆ、ゆかり!いくらなんでもそれは失礼よ!」
ゆかりがとてつもない失言をしてみなもがそれを咎める。

「何だと〜それはどういう意味だ〜!うっ、ゴホゴホ!!」
怒り出したと思ったらいきなり吐血するアリサ。相当の高血圧らしい。
隣でミィナがオロオロしている。

「だ、大丈夫か?何か出血してるぞ!」
「ああ、大丈夫大丈夫。これいつもの事だから」
トダバタしたまま通信は一方的に切れたのだった。

「何だったんだ今のは?」
暦含めてその場にいた全員がポカーンとなる。

「弥生さ〜ん」
そんな時、誰かが榊に向かって呼びかけた。
彼女の腕には榊になついているイリオモテヤマネコのマヤーがいた。
榊と一緒に住んでいる大学の親友である久世怜香だった。

「怜香さん!それにマヤーも!どうしてここに?外は怪獣達がいて危ないのに」
「この子がどうしても行くんだって暴れて聞かないから、仕方ないから
連れてきたのよ!一人で行かせるのも危険だしね。それは私も同じだったけど、
途中にミルファとかいう人に助けてもらってここまで来たの」
「ミルファ・・・・・・怜香さんもマヤーも無事でよかった」
榊はミルファの事を思い出し、怜香を助けた事にちょっぴり嬉しくなった。
マヤーは榊の顔を見ると一直線に榊の胸に飛び込んできた。
榊はマヤーをいとおしく抱きしめると智の肩に手を置いた。

「智、あの時学園祭の準備でやった人形の遊びでの言葉を言う時だよ」
「え?ああ、あれ言うのか?でも今の状況にピッタリだもんな。てか榊ちゃんよく覚えてたな」
「何でかな?ふと思い出した」
「そうなんだ。けどそういうのは嫌いじゃないから、行ってくる」
智は榊に促され、一歩前に出る。

「ゼルエム!お前にこの地球を渡す訳には行かない!」
ゼルエムを指差し、智はかつて学園祭での言葉をこの状況で発した。
第77話 終            第78話(最終回)へと続く

62 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/03/19(月) 01:09 ID:???
かつて戦った敵や助けた仲間、そして交流を深めた者達の助けを
借りながらも彼女達は立ち上がる。

「雑魚がいくら集まろうと結果は同じだ!まとめて蹴散らしてくれる!!」
咆哮をあげるゼルエム。

「これが私達にとっての最後の戦いです!」
「皆さん、決して諦めないで下さい!最後まで希望を捨てないで下さい」

「君の思ったとおりに行動すればいい」
総監の夫も再び現れる。

『今までありがとう歩』
「ジャスティス・・・・・・」

次 回 ウルトラマンジャスティス
第78話(最終回) 「そして未来へと・・・・・・」
次回、ついに完結!

63 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/03/19(月) 01:13 ID:???
最終回間近という事で、今まで関わった人達を出してみましたが、
何とも物凄い数になってました。
入りきらないものとかも出てきました(春日姉妹の両親とか)
それらは次回の最終回で入れる予定です。

64 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2007/03/19(月) 20:02 ID:???
>>19-63
お疲れ様です。いやー、長かったジャスティスもついに次回で完結ですな。
どのような結末を迎えるのか楽しみにしております。

>>60-61
御願いを聞き届けていただき感謝いたしますが
アリサは女言葉で喋るんですよ……
それとニード・楼隊長の苗字の「楼(ロウ)」ぐらい漢字で書きましょうよ……

それと
>「あんた達気をつけなよ〜そんだけ大きいとたれた時悲惨よ〜」
「あんた達気をつけなよ〜。そんだけ大きいとたれた時悲惨よ〜」
とかって句読点を付けたほうがよろしいかと

65 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:22 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第78話(最終回) 「そして未来へと・・・・・・・」
完全生命体 ゼルエム 登場

前回までのあらすじ
最強の生命体ゼルエムの出現によってウルトラマンジャスティスとウルトラマンレイは絶体絶命の危機へと
追い込まれ、歩と榊に分離。そして消滅してしまう。
ちよ達を逃がそうとちよ父の人形が意思を持って動き出し彼女達を庇ったり、
松岸が出撃したりしたが彼等もまたゼルエムの犠牲となってしまう。
世界各地にバラッシュ、ガルーゼ、デスゲイズといった敵がバラまかれ世界は闇に包まれる。
春日翔と平井百合子、そして大山将明はコスモス、シェイド、ジェネシスに変身し、
死を覚悟でゼルエムに戦いを挑むが、大苦戦を強いられる。
さらには宇宙にもバラッシュの大群がバラまかれ、ムーンキャッスルの命運もまた風前の灯となった。
しかし、そこにマッド星人やバレンシア(アレックス)、ザビロンを始めとするかつてHOLYと戦った者、
あるいは絆を築いた者達が、地球の危機に駆けつけたのだった。
そして彼等と連携しての反撃が開始されたのだった。

「ゼルエム!お前にこの地球を渡す訳にはいかない!」
智はかつて学園祭での言葉をこの状況で発した。

「ほざけ!下等生物が!今にその口を聞けなくしてくれる!!」
ゼルエムはそれに怒ったのか、荒い口調で返した。
ゼルエムは飛び道具を放つが、ルミアのバリアーによって遮られる。

「どこへ行くの?あなた達」
舞は外に出ようとしている咲月達に声をかける。

「この近くに避難施設があるだろ?そこに行って逃げ遅れてる奴等を連れてくるぜ」
「わたくし達も少しはお役に立ちたいですわ」
「それにこういった状況はもう慣れっこですから」
咲月、静、七瀬が笑いながら答えた。

「お姉ちゃんや恵那達、無事だといいけど」
「心配いらないだろ。虎子も一緒だし、それにあさぎを気に入ってる宇宙人が助けてるっていうから」
心配する風香に広哉はそう答え、咲月達の後をついていく。

「全く困った子達ね。なら私も本来の職務をまっとうするだけね」
と言って舞はメディカルルームへと戻った。

66 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:26 ID:???
「やっぱあんた強いな。エアルと同化していた時よりも強いんじゃないのか?」
「その話はするな。吐き気がする」
マッド星人に過去の話をされジェロスは不機嫌そうに答える。ジェロスは手に持った大鎌と雷撃で、
マッド星人は曲刀などを使って怪獣軍団を殲滅する。それにTEAM SPEARが続く形となる。
バラッシュやデスゲイズ軍団は彼等の奮闘により数を急激に減らしていた。
他のエリアも怪獣や宇宙人と防衛チームの連携によって確実に撃破していく。

「ふん、まあいい。ならばこうするまでだ!」
ゼルエムが左腕をあげると、各地にいたバラッシュやガルーゼ、デスゲイズが集結していく。
そして、各エリアに一体ずつゼルエムによく似た個体の生命体が現れた。

「そいつ等は我が分身ゼルエム量産タイプだ。ゼルエムオメガとでも呼ぼうか。
私に比べれば戦闘力が劣るものの、それでも貴様達なら十分に相手できる」
それらはゼルエムに比べるとやや小さかった。色もグリーンがメインとなっている。

「ジャスティスとレイを復活させる?」
「そんな事が出来るのカオリ?」
「それは本当かい撫子ガール?」
メロディ、リスティナ、フェリオスはかおりんや千尋からの提案を聞いて驚く。

「うん、まだジャスティスとレイの光エネルギーは私達ATDFそれぞれの基地から発して
結集した光エネルギー、シャイニングバーストを放出させて、それを大阪さんや榊さんの持つ
ジャストランサーやシャインリングに集束されれば復活は出来るよ」
「太陽エネルギーみたいなものって訳ね。でもそんなうまくいくかな?」
「もちろんただ放出しただけじゃ駄目だけどね。途中でそれぞれの戦闘機に中継させて一箇所つまりは
ここに効率よくシャイニングバーストを集める必要があるけどね。機体には集束ポイントに正確に誘導する装置と
そのエネルギーを増幅させる装置もつけるけどね」
古美鈴(クー・メイリン)の質問にかおりんは答える。

「そして、それには今、戦闘をしていないメンバーが不可欠だね」
「そこであたし達の出番って訳だ」
智は自信満々とばかりに胸を叩く。

「月面からのエネルギーはどうするのかしら?」
「それは私がやるさ。私はグリーンキャリバーのメインパイロットだしな」
イリーナからの通信に暦が答える。

「榊さんと大阪さんはここにはいなくてはいけないですからね。私はじゃあアメリカに飛びます」
「だったら私はオーストラリアだ」
「あたしはじゃあ中国かな。でもそうすると一つ足りないぞ」
「東南アジアには私が行く事にするわ。コンピューター関連なら千尋の方が強いしね」
と名乗り出たのはかおりん。

67 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:28 ID:???
「決まりだね。榊さんと大阪さんはそこから少し離れた場所に移動して。そこが集束ポイントになるから」
「了解や〜」
「分かった」
千尋に言われた通りに、榊と歩は指定されたポイントへと移動する。

「何だよ、どうせならあたしが操縦してもよかったのに」
「車であれなのに、戦闘機なんて余計任せられないわよ」
ゆかりは冗談めかして言うが、みなもはそれに対して首を横に振る。

「TEAM SNOWには要請しないの?」
「連絡してみたけど、ちょっと無理みたい」
かおりんはTEAM SNOWの事も聞いてみたが、千尋は首を横に振った。

「では行きましょう。私はアメリカ、よみさんが宇宙、ともちゃんは中国、神楽さんはオーストラリア、
そしてかおりんは東南アジアに向ってください。そして各国のオペレーターと連絡を取り合い、
シャイニングバーストを中継して大阪さんと榊さんに集めます!それじゃあ皆さん行きますよ!
『オペレーションジャスティス』開始です!」
「ラジャー!」
こうしてオペレーションジャスティスが発動する。

「何が来ようと倒すだけだぜ!ソリッドクラッシュ!」
マッド星人は先制攻撃に必殺技のひとつであるソリッドクラッシュを放った。

「ふん!」
しかし飛んでくる球体をゼルエムオメガは片手で難なく弾いてしまう。

「うりゃあああああ!!」
しかしマッド星人もそれは予想していたらしく、その隙をついて殴りかかる。
だが、ゼルエムオメガは彼の攻撃が届くより先に殴り飛ばしていた。

「がはっ!」
「そんなパンチでは俺は殺せない」
嘲笑うゼルエムオメガ。本物に比べると喋り方はどこか機械的である。

「量産型ごときがこの俺に勝とうとするなど笑わせる!!」
大鎌でバラッシュを切り裂いたジェロスは今またそれでゼルエムオメガに斬りかかる。
だがゼルエムオメガはその太刀筋を見切ったのか、受け止めた。

68 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:30 ID:???
「何!?がはっ!」
「遅いな」
そして本物と同じように目からの光線デモンズアイを発射してくる。胸に受けジェロスはうつぶせに倒れこんだ。
そしてSPEARの機体に向って殴ったり、蹴り飛ばしたりした。

「きゃあああ!」
「みんな大丈夫か!?」
「な、何とか平気です!」
「いてててて」
隊長である道・龍(タオ・ロン)は他のメンバーに声をかける。一応全員無事なようだが、機体にはダメージを負っていた。

東南アジアではゼルエムオメガはシーモンス・シーゴラスの津波と竜巻の二段攻撃の前にも全く動じず、
逆に連続発射される衝撃波イーヴィルフォースでこの夫婦怪獣にダメージを与える。
さらに援護に入ったTEAM FANGの攻撃に対しても全く寄せ付けない!

「あのシーモンスとシーゴラスの津波、竜巻攻撃が破られるなんて!」
「そんなものでこの俺を倒せるとでも思ったか?笑わせる。ふん!」
ゼルエムオメガは黒い球体であるダークスマッシュで、メタルブラックα、βにダメージを与えて撃墜する。

「脱出するぞ!ライザー!」
「畜生!今までとは比べものにならない敵だ!」
さらに地上のステビア、フィン、カリスにまでその弾は発射され、彼等の前で爆発が起きる。

アメリカでもゼルエムオメガの出現で、戦況は不利となっていた。
リドリアスやTEAM BLADEは地を這うエネルギー波『デビルスラッシュ』で次々になぎ払われていった。

「大丈夫か、セレスティア!」
「申し訳ありません!不時着します!!」
「さっきまでの勢いはどうしたのかな?ふふふふふ」
ヴィアスは何とか回避するものの、セレスティアの方は不時着を余儀なくされる。
マイケル、ウェッジ、ビックスは既に倒れている。

「あの子達も頑張っているんだ!あたしだって諦めないわ!」
メルビィはその様子を避難施設の中にあるTVで見ていた。

オーストラリアでもリアード夫妻がゼルエムの圧倒的な力の前に成す術もなかった。
TEAM PROMINENCEでもゼレオンとスレイドの乗るプロキオンが爆破された。

69 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:33 ID:???
「ゼレオン!スレイド!!」
「何とか平気です!」
「ちょっと怪我しちまったみたいですけどねぇ」
アルヴィス・グローリーの呼びかけに二人はそう答える。

「やはり貴様達はそれが限界のようだな」
ゼルエムオメガが嘲笑する。

そして宇宙のムーンキャッスルもゼルエムオメガの出現によって再び劣勢を強いられる。
カルナ、アヌビスが吹き飛ばされ、バルックが飛び掛るが触れる事すら出来ない。

「おのれ!!」
「ミステラー星の戦闘隊のエースとまで呼ばれた男も、そしてATDFで最も強いとされる
ムーンキャッスルも私にかかれば赤子と変わらん!」
バルックを蹴飛ばした後、ゼルエムオメガはデモンズアイで艦隊を次々に破壊される。
橘のいる施設や、バーミンガムも被害を被った。

「うぐっ!だ、大丈夫か松田!」
「へ、平気よ、これくらないなんて事ない!」
長谷川は松田を助け起こす。

「無駄な抵抗はやめろ。おとなしく俺に殺されるのを待つがいい」
「冗談言うな!これからだってのによ!」
「誰もあなたなどには屈しません!!」
橘、和田がビシィとゼルエムオメガを指差しながら言った。

「あんな思いはもうさせない!」
今までに見せた事のない凛々しい顔をゆっきーは見せる。

そして南極のTEAM SNOWもゼルエムオメガの登場で戦況不利となる。
レクリサンダの乗る人型機体が煙を噴出し、中のレクリサンダも苦しそうに息をしている。

「レン!あまり無理をしないで!」
「分かってるわアリサ!」
アリサはレクリサンダの体を気遣う。

「何度再編成しようとまた潰すだけの事だ!」
ゼルエムオメガがゆっくり迫る。

70 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:35 ID:???
場面は日本へと戻り、ゼルエムはちよ達が動き出したのを見逃さなかった。

「何をするつもりか知らんが、目障りだ!消えるがいい!」
ゼルエムの第3の目が真っ赤に光ると、ルミアの貼ったシールドが破られる。

「きゃあ!」
「うあっ!!」
ルミアは吹き飛ばされ、さらにジュリスも吹き飛ばされたルミアにぶつかりその下敷きとなって倒れる。

「させないわ!!」
京子の乗るスペリオルドラゴンがミサイルを網の目のように発射する。しかし、ゼルエムはそれを難なくかわしてしまった。
コスモス、シェイド、ジェネシスも地面に倒れたままだ。
そしてゼルエムは光線を発射しようとする。しかし、そこをバレンシア親子が決死の覚悟で、体当たりしてくる。
ゼルエムは地面に倒される。

「バレンシア!アレックス!!」
暦が叫んだ。

「怪獣如きが!この俺に戦いを挑もうなどとは身の程知らずが!」
ゼルエムは超能力を使って、バレンシア親子を同時に持ち上げ、地面に叩きつける。
その後ろから今度はモーグが突進してくる。

「雑魚が!!」
デモンズアイでモーグは近づく事すら出来ずに、仰向けに倒れた。

「モーグ!!」
「がんばれ、モーグ!!」
よつば達はモーグに必死の声援を送る。今度はザビロン、ザナック、ミルファが彼等の前に立ちはだかる。

「ここから先へは行かせない!!」
基地への道を阻むかのように彼等は立ちふさがる。

「次から次へと鬱陶しい!!」
ゼルエムは一瞬で間合いを詰め、三人をまとめて吹き飛ばした。

「急ぎましょう!彼等が食い止めてくれている今がチャンスです!!」
「分かってるよ!あたしは準備OKだ!」
「こっちもOKだぜ!」
「いつでも発進可能だ!」
「ごめん、遅くなって!いいよ、ちよちゃん!!」

71 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:37 ID:???
「それじゃあ、発進します!!」
ちよはブルードラゴン、智と神楽はレッドファルコン(EX1、EX2。EX3は自動操縦による攻撃)、
かおりんはホワイトウイング、暦はグリーンキャリバーによってそれぞれのポイントに向って出撃する。

「あんた達〜絶対成功させさいよ〜、でないと罰金ね!」
「あんたって。でもみんな頑張って!」
ゆかりとみなもはそれを見送っていった。

「何をするつもりか、知らんが消してくれる!」
「そいつは俺達を倒してから言うんだな!」
「私達もいるわよ!」
今度はハリアー達リーンバイスの人間達と、カノンを初めとするレクシオンの人間が集結した。
ファイヤーボールなどで攻撃を仕掛けるが、その効果はなきに等しかった。

「お前たちがいくら束になろうと俺の敵ではないわ!!」
ゼルエムの体が黄金色に輝くと、彼等はまとめて吹き飛ばされ、さらには近くにいた
TEAM FLAMEの戦闘機などもその影響で一時的に操縦不能になった。

「お父さんとお母さんも早く!」
「やれやれ、どこにいたって危険な事に変わりないのに」
「そうよ、どうせだったら家でゆっくりしていたかったな」
風香に連れられた綾瀬家の両親は緊迫感のない声でそう言った。ここは避難施設の一種で
よつば達もそこに合流していた。

「無理だよ、勝てっこねーよ!」
「いくら彼女たちの事を助けにきた宇宙人や怪獣がいても次元そのものが違うんだ」
城山栄子ややんだは諦め気味でそれは他の市民にも言える事だった。
重い空気が場を支配している。

「これも運命なのかもしれんな」
と老婆が呟く。

「馬鹿野郎!もう諦めちまうのかよ!最後の最後まで諦めるんじゃねーよ!」
「よつばはあきらめない!ちよややよいたちはぜったいかつ!」
咲月が怒鳴り、よつばもそれに続く。

「皆さん、どうか希望を捨てないでください」
突如モニターが切り替わり、そこにとある人物の姿が映し出された。
それはATDF総監である木村琴音であった。

72 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:39 ID:???
「おかあさん!」
思わず澪は母の事を呼んでいた。

「皆さん始めまして。私はATDF総監である木村琴音です」
映し出された琴音にみな一斉に注目する。

「今、私達の地球は最大の危機に直面しています。滅亡の危機に
晒されていると言ってもいいでしょう。でも、だからこそ諦めないで下さい。
今、世界中のATDFは滅びをもたらす者と必死に戦っています!これまで
絆を深めてきた怪獣や宇宙人と一緒に。例え戦う事が出来なくても私達の
事を信じて彼等を応援してあげてください。それこそがその思いこそが私達にとって何かを
守る事において最大の原動力そして絆となりますから」
一気に言い終えると、モニターの映像が切れた。

「けっ、応援や想いで勝てるだけなら苦労しねーんだよ!」
「全くだ」
避難した市民の中には悪態をつく者がいた。しかし・・・・・・

「俺は信じるぜ!だってあの人達は今までだって俺達を救ってくれたんだ!」
「そうだよ、私達が信じないでどうするのよ!」
かつてHOLYやFLAMEによって救われた市民達はそれに反対する。

「あたしはおかあさんのいう事を信じる!」
「私だってお姉ちゃんを信じる!」
澪の言葉を聞いて、あずさは珍しく感情を表に出した。

「私もその人達を信じてもいいんだよね?」
「もちろんだよ、しまうー!」
しまうーとは風香の高校時代の同級生であった。

「畜生、もう一度あたしと兄貴が変身できたならな」
「さっちゃん、今はそれを言ってもしょうがない。今はみんなを信じようじゃないか」
咲月は悔しそうに壁を殴る。そんな咲月を見て広哉はたしなめる。

「相変わらず妹には甘いね」
「広哉さんは昔からそういうとこ変わってないしね」
虎子は無表情のまま、あさぎは少し笑いながら感想を述べる。

73 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:42 ID:???
「これで良かったのかしら?」
「素晴らしかったよ、マイワイフ」
琴音が一息つくと背後にはいつからいたのか、彼女の夫がいた。
HOLYメンバーや翔の高校の教師である木村先生でもある。

「あなた・・・・・・」
「君の思ったとおりに行動すればいい。私の教え子達と同じようにね」
「ありがとう」
琴音は疲れているのか、彼にもたれかかった。木村もそれを拒む事はなかった。

「今はゆっくり休みなさい。無理は体に毒だから」
普段は見せないような一面を彼は琴音と二人きりの時は見せるという。
琴音は天使のような微笑みをする。

そしてHOLYメンバーは目的地へと到着する。
後はシャイニングバーストを発射するだけである。

「準備OKみたいだね。じゃあ、みんなで一斉にシャイニングバーストを発射するよ!
せーの、シャイニングバースト発射!!」
「了解!シャニングバースト発射!!」
千尋の合図で各基地からシャニングバーストが発射される。千尋の発したシャイニングバーストは
歩と榊の頭上に発射され、集束するのを待つかのようにその場に漂う。

「まずは私からですね!」
ブルードラゴンに乗っているちよがアメリカ基地から発せられたシャニングバーストを機体に
当てて、集束ポイントへと誘導する。
これの為に機体の真下には誘導用そしてシャイニングバーストを増幅させる装置が取り付けられている。

「うっ!これは結構きますね!」
ちよは機体に受ける衝撃に少し驚いていた。一瞬ガクッとなるが、何とか機体を安定させる。

「大丈夫?美浜隊長」
「ええ、大丈夫です。リスティナ隊員」
BLADEのリスティナ・ハーディンに心配されるが、ちよはそう答える。

「次はあたしだな」
中国に着いた智はレッドファルコン1号機にて、待機する。

74 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:46 ID:???
「本当に大丈夫なの?」
「心配性だなぁ。メイは。大丈夫、あたしにまっかせろっての!」
「分かった。行くよ!」
幾分不安そうにしていた古美鈴(クー・メイリン)もその言葉を聞いて、
シャイニングバーストを発射する。そしてEX1がそれを日本へと向わせる。

「ヒュー、撫子ガールにこうしてまた共同作戦とれるなんて、嬉しいねぇ」
「相変わらずだな、その軽いノリ。とにかく頼むぜ!」
「OKOK、撫子ガールの頼みとあらばおやすい御用さ。シャイニングバースト発射!」
TEAM PROMINENCE隊員のフェリオス・ワードナーのノリに、少し呆れ気味の神楽だが、フェリオスは
作戦を決行する際にはこれまでに見せた事のないシリアスな顔をしていた。
レッドファルコン2号機でシャイニングバーストを日本へと誘導する。

「はぁい元気してた?暦。私は今こうしてムーンキャッスルの一員になってるわよ」
「あんたといいともといい、緊張感ってものを感じさせないな。ま、その方がらしいというか」
「なるようにしかならないからね。じゃあ行くわよ」
「ああ、頼んだ!」
月面のイリーナ・ジュレスが発したシャイニングバーストを暦が乗るグリーンキャリバーで中継する。

「お久しぶりね、カオリ。デゾリス事件の時以来かしら」
「そうね、確かにそれくらいだわ」
TEAM FANGのメロディ・ミストとかおりんは再会の挨拶を軽く済ませる。

「チヒロが言っていたのはこの事だったのね。お願いするわね、カオリ」
「ええ、任せてメロディ。こういうのあんまりやらないからちょっと緊張するけどね」
かおりんの乗るホワイトウイングに、シャイニングバーストが照射されて、これも集束ポイントへと
向っていく。

「見て弥生ちゃん。光が集まってくるで」
「ああ、みんなが作ってくれた光だ」
歩と榊は上空に溜まっていく光を見ながら言った。そしてジャストランサーとシャインリングを
見ると確かに輝きを放ち始めている。
集束ポイントに放たれたシャニングバーストは一箇所に集められる。

「行くよ大阪さん、榊さん!しっかり受け止めてね!!」
「分かった千尋」
「OKや、千尋ちゃん!」
千尋の指示を聞いて榊と歩は変身アイテムを上空に掲げる。
集められたエネルギーが歩と榊に向かって降り注いでいく。

75 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:48 ID:???
「そこで何をしている!!かあああああ!!」
ゼルエムがそれに気づき、衝撃波であるダークスマッシュをHOLY基地に向かって
放ってきた。上半分の部分をかすめていった。

「きゃああああ!!」
千尋のいた近くで建物の天井が崩れ落ちてきた。その天井にこそ当たらなかったものの、
振動により千尋は床に倒れこんだ。

「この基地もいよいよ危ないわね!」
メディカルルームにいた井上舞も、今までにない程厳しい表情になっている。
木村夫妻はその場から動こうとせずに成り行きを見守っていた。

「千尋!」
「千尋ちゃん!!」
「だ、大丈夫!まだMAXにまで行ってないからそこにいて!!」
千尋は起き上がり再びシャイニングウィザードを放出する。

一方、各国のゼルエムオメガもそれに気づき、基地に向かってデビルスラッシュや
イーヴィルフォースで攻撃してくる。それぞれの基地の周囲やすぐ近くで爆発が起き、発射が中断される。

「く・・・・・・」
「大丈夫ですか、リスティナさん!」
「大丈夫よ!それより作業を続けるわよ!!」
アメリカではちよに心配されるが、リスティナも同じように立ち上がって、エネルギー照射を始める。

オーストラリアでは基地の外壁が大破し、むき出しとなっていた。しかし、中にいるフェリオスは頭から
血を流しながらも、立ち上がった。

「血が出てるぞ!すぐに止血しないと!」
「こんな傷すぐ治るさ!それよりも今は作戦を続ける事が重要だ!!」
「分かったよ!あんたのこと少し見直したよ!」
「撫子ガールに褒められたよ。最高の起爆剤だぜ!!」
フェリオスの決意を見て、神楽も頷いてそのまま作業を続ける事にした。
中国でも美鈴(メイリン)のいたすぐ隣が爆撃され、その爆風に彼女は吹き飛ばされる。

「智!しっかり届いてるよね?」
「もちろんだって!任せとけって!絶対届けるからな」
古美鈴(クー・メイリン)は体を震わせながらも、必死で作戦を実行しようとする。智もその思いに
答えるべく作業は中断しなかった。

76 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:50 ID:???
東南アジアではメロディが衝撃でバランスを崩してしまい、転倒する。
その為にシャイニングバースト放出が一時中断された。

「メロディ!」
「諦めるもんですか!カオリ、受け取って!!」
「ええ、もちろんよ!!」
かおりんがメロディに声をかける。それにメロディは力強く答える。
宇宙ではイリーナの乗る艦にビームが当たり、大きくバランスを崩した。

「きゃっ!!」
イリーナは慌てて、そばの柱を掴んだ。

「暦!そっちにしっかりエネルギーは届いてる!?」
「心配するな!しっかり届いてるぞ!!それよりそっちこそ大丈夫なのか!?」
「心配しなくてもこのエネルギーは絶対に送り届けるから安心して!!」

「まだ粘るか。ならば今度はその中継している機体を落としてくれる!!そして
そこの二人もなぁ!!」
ゼルエムは榊と歩の二人に狙いを定める。榊も歩もそして他のメンバーも今の状態では動けない。

「であっ!」
「しぇあ!!」
それを聞いたコスモスとシェイドが起き上がり、ゼルエムを両方から押さえつける。

「邪魔だ!!」
ゼルエムが衝撃波らしきものを発すると二人とも吹き飛ばされた。

「今度は僕の番だ!!」
「ふん!」
ジェネシスは飛び蹴りを仕掛けるが、当たる前に超能力で弾き飛ばされた。

「ぐっ!!」
「邪魔をするな。奴等の始末が済んだら貴様達もすぐに殺してやろう」
「松戸、結崎、川瀬!!ショックウェイブオブブラックで奴の動きを封じるんだ!!」
「了解!!ショックウェイブオブブラック発射!!」
上野、松戸、美里、絵里の乗るイエローシャークEX1、EX2から真空波であるショックウェイブオブブラックが発射される。
これは敵の動きを封じる為に使われるものである。それはゼルエムに命中する。

「金沢!ツインブレードアークインパルスだ!!」
「分かってる!これで決めてやる!!」

77 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:52 ID:???
ヒートスティンガーから降りた金沢がフレイムデリンジャーと呼ばれる専用の武器で、
刃状のビームを発射する。浅倉は引き続いてヒートスティンガーからのレーザーを発射する。

「フレイムブラスター!!」
「ストライクバニッシャー!!」
京子のスペリオルドラゴンからの炎のエフェクトのレーザーであるフレイムブラスターと、
後藤のメタルブラックから発せられるストライクバニッシャーが立て続けに命中する。
四連続攻撃は流石に効いたのか、多少だがゼルエムはよろめいた。

「無駄だという事がまだ理解できるか!愚か者め!!」
ゼルエムの目からデモンズアイが発射され、EX1、2に命中する。

「脱出しましょう!!」
「分かったわ!」
「くっ、駄目だ!機体のコントロールが出来ない!」
「やむをえん!不時着する!!」
EX2に乗っていた絵里と美里は脱出し、EX1に乗っていた上野と松戸は不時着を余儀なくされた。

「危ねぇ!!」
金沢は浅倉をとっさに突き飛ばしてヒートスティンガーから下ろす。直後にヒートスティンガーは
爆発を起こした。しかし、その影響で金沢も爆風で吹き飛ばされた。

「金沢!金沢しっかりしろ!!」
浅倉は自身もフラフラになりながら金沢に歩み寄る。
彼等TEAM FLAMEの頑張りを見たのか、怪獣達は立ち上がり、モーグとバレンシア親子は互いに共同戦線を張り始める。
またジュリスやルミアも立ち上がる。リーンバイスの四人や、レクシオンの四人、
そしてザビロン、ザナック、ミルファもそれに続いた。そしてそれは日本だけではなかった。

「頑張りなさいちよ!そしてTEAM BLADEのみんなも!!」
メルビィは精一杯の声援を送る。彼女は危険を顧みず彼等に声援を送りにきたのだった。

「メルさん!はい!!」
ちよはメルビィの声援を聞いて、力が湧いてくるのを感じた。

「我々はここで屈する訳にはいかない!行くぞみんな!!」
「了解です!あなた達もしっかりついてきなさい!!」
「おうよ!!」
「こんなのどうって事ねーよ!!」
「倒してやるよ!!あいつを」

78 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:54 ID:???
ヴィアスとセレスティアの激によって、倒れていたウェッジ、ビックス、マイケルも起き上がって
ゼルエムオメガに総攻撃をかける。そこにリドリアスも光弾を吐きながら戦列に加わっていく。
ヴィアスがグラディウスから攻撃する以外は全員地上からの攻撃だ。するとどうだろう?
今まで押していたゼルエムオメガが押され始め、ついには撃破されていった。

「よし!」
その様子を見ていたゼイヴィア長官もガッツポーズをする。

「これはなるべくなら使いたくはなかったが仕方がない!行くぞ!!」
TEAM PROMINENCE長官でもあるバーナード・リンクスは何と母艦である『シューティングスター』に
乗って特攻を仕掛ける。この巨大サイズの戦艦の突然の出現、そして特攻は流石のゼルエムオメガも
読めずに直撃する。バーナードは衝突寸前で脱出するものの、シューティングスターは大爆発を起こした。

「ぐぬぅ!」
「長官の行動を無にするな!総攻撃開始だ!!」
「了解!行くよ、メイファ!」
「ええ、行きましょうローズ!!」
ヴィアスはアルビレオ、メイファとローズはペルセウスで攻撃する。
さらにリアード親子が息のあったコンビプレイでゼルエムオメガに着実にダメージを与える。

「スレイド、とどめを刺すぞ!」
「任せろって!!」
最後にスレイドとゼレオンのとどめの一撃により、ゼルエムオメガは消滅する。
そして東南アジアのTEAM FANGもまたシーモンス・シーゴラスが起き上がり、竜巻津波攻撃するのを見て、攻撃を決意する。

「シーモンスとシーゴラスの攻撃と同時に攻撃するんだ!」
ベイル・サンダースが命令する。

「了解!みんな、行くぞ!!」
「合体攻撃って奴か!やってやるぜ!!」
「ステビア、フィン外したら承知しないぜ!」
「誰にもの言ってるんだよ!」
リーバイン、ライザー、フィン、カリス、ステビアは地上から総攻撃する。
シーモンスとシーゴラスの攻撃と複合させる。その複合攻撃を受けて、ゼルエムオメガは
完全に消え去った。

「スパイラルハリケーンといったところかしらね」とフィン・ノーティラス。
中国SPEARではまずジェロスが智に向かってきた攻撃を大鎌で弾き飛ばした。

79 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/03(火) 23:58 ID:???
「ありがとう、お礼は言っておかないとな」
「ふん!こうなったら必殺の一撃で決めてやる!グランドウェーブ!!」
「お、そうこなくちゃな。それじゃあ俺も必殺技で決めるとしますか!マッドインフェルノ!!」
ジェロスは地面に大鎌を撃ちつけ白い波動エネルギーをゼルエムオメガめがけて発射する。
対してマッド星人は全身から炎を発する必殺技マッドインフェルノを放った。

「我々も負けてられんな!行くぞ、パワーアップした中華キャノンを見せてやる!雷衝波!!」
道龍(タオ・ロン)の乗る朱雀の股間からあの「中華キャノン」が発射された。
三発同時に強烈な攻撃をくらったからかゼルエムオメガの動きが停止する。

「幻影無段脚!!」
「猛虎滅砕爪!!」
「これで終わりよ、龍牙氷翔!!」
神狼と王の乗る白虎と玄武のコンビネーションでダメージを与えた後、沙凛の乗る青龍は形を龍形態へと
変化し、口から冷凍光線を吐いてゼルエムオメガを凍らせた。ゼルエムオメガはその直後の追撃で
完全に砕かれた。
宇宙でもまだ彼等は奮戦していた。だが、押され気味である。

「無駄だ!この俺に勝てはせん!」
「それはどうかな?」
「最後までやってみなきゃ分からないわ!!」
「油断大敵だ!くらえ!メテオスマッシャー!!」
カルナ、アヌビス、バルックの三方向から飛び道具を発射する。

「望!俺達も続くぞ!」
「もうそうしてるわよ!!」
木根と望もギリギリまで接近してありったけのミサイルを叩き込んだ。それらをくらって尚生きているゼルエムオメガ。
しかし、この攻撃の間にムーンキャッスルの面々は一斉攻撃の準備を終えていた。

「かなめちん!外すなよ!」
「分かってますよ先輩!!」
「俺達ももう一度フレアレインXX撃つぞ!松田、眠そうな目をしているけどちゃんと起きてるか!?」
「起きてるわよ!どうせ私は垂れ目よ!フレアレインXX発射準備出来たわ!」
「砕け散りなさい!!!」
和田が気合の声を発する。そしてゆっきー達はコロニーレーザー、そしてネレイドからはフレアレンXXが発射された。

「ぐ、ぐぬうううううう!な、何故この俺がこの程度の連中にぃぃぃぃ!!」
その一撃を受け、ゼルエムオメガは消滅する。

80 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/04/03(火) 23:59 ID:???
流石にこれ以上長く出来ないので、ここで一旦区切りました。
後半へと続きます。

81 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2007/04/04(水) 00:06 ID:???
>>65-80
リアルタイムで読ませていただきました。
お疲れ様です。

>そしてゆっきー達はコロニーレーザー
何時の間にそんなものを……
>そしてネレイドからはフレアレンXXが発射された。
フレアレインXXは、総旗艦バーミンガムの専売特許だったハズでは?

82 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/04/04(水) 00:14 ID:???
>>81
修正し忘れです。毎度すいません。

83 :名無しさんちゃうねん :2007/04/04(水) 00:15 ID:???
ケンドロスさん乙。
次でラスト、楽しみにしてますよ。

>>79
ネレイドっていうユグドラシルは前話の
>>41で撃沈されたんじゃ?

84 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/04/04(水) 01:03 ID:???
>>83
あ、バーミンガムに訂正します。

85 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:23 ID:???
「気をしっかり持て!!こんな所でやられたりしたら笑いものだぞ!!」
TEAM SNOW隊長のニード・楼(ロウ)が激を飛ばす。彼は戦闘機ガナバに乗って
ゼルエムオメガに攻撃を仕掛ける。

「あんたのかっこいいとこ初めて見たよ。けど同意だ!俺だってこんな所で立ち止まるつもりはねぇ!!」
尚貴・S・ラプターはバイク型戦車ダリムゾンに乗って砲撃する。グレネード弾が発射され腹部に直撃する。
さらに、尚貴は戦車から降りて自らヒートサーベルで切りかかった。
ゼルエムオメガに傷をつける事に成功する。

「この、カスが!!」
「休ませるつもりはない!ウツ、僕達も続こう!」
「そうだな、行くぞ!!」
宇都宮博之、小室久志の二人は乗り物にのらず、地上からの銃『スノーシューター』で
尚貴がダメージを与えた箇所にクリーンヒットさせるのだった。

「ヴィディアちゃん!あなたにシャイニングバーストとその転送ルートを送るからしっかり届けてね!」
マーガレット・メル・ラシェラは人造生命体であるヴィディアにシャイニングバーストの転送を命令した。
どうやら千尋やかおりんの通信はちゃんとこちらにも受信できていたようだ。

「分かったよ、マーガレット!」
ヴィディアはそれに従い、空高く浮き上がる。そしてシャイニングバーストのエネルギーをその体に受け、
さらにそれを増幅させた後に、集束ポイントに向けて放つ。人造生命体ならではの手法である。
ちなみに彼女は妖精を彷彿とさせるくらい小さい。

「ミィナ、私達も続くわよ!」
「うん、アリサ!アイスブレイズ!!」
ミィナとアリサはTEAM SNOW基地に設置されている砲台アイスブレイズを発射する。
アイスブレイズをくらったゼルエムはみるみるうちに凍っていく。

「とどめはあなたに譲るわレン!」
「頑張ってレン!」
「ええ、行くわよ!ブリザードクロス!!」
彼女が乗るのはTEAM SPEARが乗る人型戦闘ロボットタイプ「アーグ」だった。
紫と白のカラーリングのその機体の後ろには二台の砲台がついている。
アーグはそこから氷のビームを発射する。

「こ、この俺がぁぁぁぁぁ!!」
ゼルエムオメガはそれに直撃してついに爆破された。

86 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:25 ID:???
「あとはゼルエムだけね」
レンはそう呟いた。

「頼んだわよヴィディア!」
「届け、あたしのエネルギー!!」
ヴィディアはシャイニングバーストを日本へと送り続けた。

その頃、日本ではジェロスとマッド星人も戦列に加わり、決死の抵抗を続けていた。
そして集束ポイントのエネルギーはかなりの量に達しようとしている。

「TEAM SNOWからもシャイニングバーストが届いている。ちゃんと伝わっていたんだ。
榊さん、大阪さんもうすぐだよ!」
南極方面からシャイニングバーストが放出されたのを見て千尋は感動すら覚えた。
集束ポイントには久世怜香とそれに抱かれたマヤーが榊に会いに来ていた。

「榊さん、それに他のみんなも頑張って!この子と一緒に応援しているから!」
怜香の言葉に同意するかのように、マヤーは手を差し伸べてきた。そのマヤーの手を
ギュッと握る。

「ありがとう」
榊もその手を握り返す。そして彼女達は巻き込まれないようにこの場を離れた。

「もうすぐエネルギーがたまるんやな、今度は勝てるんやろか?」
「今度は負けない。この光のエネルギーにはみんなの思いがこもっているから」
まだ不安そうな歩に榊は力強く答える。

「頑張ってかおり。そして榊さんや他のみんなも」
「私も応援しているよ、だから諦めないで!」
かおりの母親や、以前レギュラン星人事件に巻き込まれた歩に似た女性、神戸みどりも応援している。

「弥生ちゃん」
「お〜い、歩ぅ」
その時、誰かが歩を呼ぶ声がした。振り返ってみて歩は驚いた。

「お父さん、お母さん!どうしてここに?」
思わぬ来訪者である。

87 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:26 ID:???
「お前に一言エールを送ろ思てな。頑張ってき。ゼルエムだかなんだかよーわからんけど、
ぶちのめしてくるんや。弥生さんや翔、ゆりちゃん、それに他の人達と一緒にな」
歩の父親である春日浩一は歩の肩をがっしり掴んできてそう告げた。

「歩ちゃん、ジャスティスさんとうまくやるんやで。弥生さんの方はレイさんやったっけ?
しっかりやりぃな」
母親である春日遥の発言には歩だけでなく、榊までもビックリさせられた。

「何でその事知ってるん?」
「何でやろな。何かそんな感じがしたんよ」
尋ねる歩に遥はニッコリ笑って答える。横の浩一もショックを受けた様子が見られないので
気づいているのだろう。

「いやぁ、自慢の娘がウルトラマンやなんて最初は度肝抜かれたけどな。でもこれはこれで
ありやないかと思えたんやね。俺らにとっちゃ歩や翔が何であろうが関係あらへん。
歩は歩、翔は翔ってこっちゃ」
「もちろん、弥生さんやゆりちゃんかてそうやで。どんなんなっても弥生さんは弥生さん、
ゆりちゃんはゆりちゃんやで」
「お父さん、お母さん・・・・・・・」
歩の中で何かがこみあげてくる。

「じゃあもう俺らは行くで」
「しっかりな、歩ちゃん、弥生さん」
そうして彼等はここを後にする。しばらく二人はそれを見送っていた。

「弥生ちゃん、あたし、何かやる気出てきたで」
榊に振り返った歩の表情にもう迷いはなかった。

「良かった。ん?メールが来てる」
榊が歩に微笑みかけようとした時、榊の携帯に誰かからメールが来た。
榊はそのメールを見る。そしてそのメールを見た後、微笑みながら携帯をしまった。

「誰からなん?」
「私の母親からだった。私を応援してくれるメッセージが書いてあった。
さっきの歩じゃないけど、私ももっと頑張れる気がした」
「そうなんや。よかったなぁ」
歩はその話を聞いて微笑み返す。

「気持ちは分かるよ大阪さん、榊さん。私もそうだもん!」
千尋もまた両親や祖父から応援メールを頂いたのだった。

88 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:34 ID:???
「やった!ついにフルパワーになった!」
千尋が喜びの声をあげる。各地で放射されていたシャイニングバーストはついにジャスティスとレイを
出現させるまでに至ったのである。

「行くよ、榊さん、大阪さん!!しっかり受け取ってね!!」
最後に千尋がそう言うと、集束ポイントに集まったシャイニングバーストは一気に榊と歩に向かって
降り注ぐ。いや、正確には彼女達が持つ〈ジャストランサー〉、〈シャインリング〉に向って光が吸い寄せられていっていく。

「あたしの中にたくさんの光が流れ込んでくる」
「私の中にもだ」
そして二人は何か懐かしい感覚に覆われた。

『感謝する、歩とその仲間達に』
『私もこの通りだ。今度こそ終わらせよう、弥生』
そうそれは紛れもないジャスティスとレイの声だった。

「あたしの中にジャスティスを感じる!」
「私もだ。今、私の中にレイを感じる!」
二人は互いに見つめあいながら、変身アイテムを高く掲げる。

「ジャスティ―――――ス!!」
「レイ――――――――!!」
二人とも今までで一番勢いよく叫んだ。そして二人は光に包まれる。
そして、ゼルエムと他のウルトラ戦士達の間に二人のウルトラマン、ジャスティスとレイが姿を現した。

「ジャスティス!」
「レイ!!」
誰もがその名を叫んだ。

「どうやらうまくいったみたいね、私も行こう」
千尋は作戦室を後にする。

「ほう、どうやって回復したかは知らないが大したものだ。だが、いくら復活しようとも
結果は同じだ。再び消し去ってやるまでだ」
ゼルエムは二人の出現にもまったく動じなかった。足元ではジェロスとマッド星人が倒れている。
またジュリスを初めとする戦士達も膝をついていた。

89 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:37 ID:???
しかし、ジャスティスとレイはそれに構わず他の三人に向き直り、手から黄金の粒子を
発する。ジャスティスはコスモスとシェイドに、レイはジェネシスにそれぞれ分け与える。
するとどうだろう。三人のカラータイマーの点滅が止まり、赤から青に戻った。
「ジャスティスアビリティ」「レイリムーバー」である。

『エネルギーが戻った!』
『これでまた戦える』
コスモスとシェイドが喋る。

「お姉ちゃん!!」
「弥生さん!!」
「どうやら復活できたようだな。こうして一緒に戦える時が来るなんて思わなかったよ」
今度は変身している翔、百合子、大山が語りかける。

「何人増えようと同じ事だ!まとめて屠ってくれる!!」
「ジョアッ!!」
ゼルエムは目からの光線デモンズアイを発射する。ジャスティスはこれを飛んで回避して、
ダグリューム光線を放つ。今回のジャスティスは最初からクラッシャーモードでの登場だ。
それがゼルエムの首に命中する。

「こざかしい!」
「エイヤッ!!」
ゼルエムは連続して放つ衝撃波イーヴィルフォースを放ってきた。
だがレイは、これを複数の刃を発射するブレードストームで衝撃波を
ことごとく切り裂き、最後には腹部にその刃を命中させる。

「ぐっ!」
「てやぁ!!」
今度は念動力を使って、浮かび上がらせようさせるが、コスモスは精神を集中させてそれを無効化させる。
そして右手から放つコズミューム光線を放つ。それがゼルエムの背中に命中する。

「ならば、これはどうだ!!」
今度は地を這うエネルギー波であるデビルスラッシュが迫る。

「おおおおお、でやああああああ!!」
シェイドはカラータイマーから高出力のエネルギーを発射して(フォトンスクリューブレイカー)、
デビルスラッシュを無効化し、さらにはゼルエムにダメージを与えた。

「攻撃させるつもりはない!ジェネシスブレード!!」
ジェネシスは黒い光の剣を、ゼルエムの第三の眼に向って投げ、突き刺す。

90 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:39 ID:???
「ぐおおおおお、よ、よくもやってくれたな!」
今までの余裕が嘘のように苦しみだすゼルエム。さらにそこに合流してきたTEAM HOLYからの
追撃も浴びせられる。

「強いぞ、今度のジャスティスとレイ!」
「頑張れレイ!!!」
「いけー!!」
シェルターの中にいる人達はウルトラ戦士達の奮戦ぶりを見て希望を取り戻す。
その中にはかつて榊が出会ったレイを応援した少年の姿もあった。よつばは一番前でそれを食い入るように見ている。

「千尋、あなたが戦闘機に乗って戦闘に参加するなんて珍しいじゃない!」
「最後だからね。基地の中でじっとしているよりはみんなと一緒に飛んでいたいからね」
かおりんの質問に千尋は笑って答える。彼女が乗っているのはレッドファルコン3号機だ。

「さすがは俺が見込んだ嫁だぜ」
「だから、お前の嫁になった覚えはないっての!」
「とかなんとか言ってまんざらでもねーんじゃねーの?」
「それは言えてる。ともに同意。それよりもトライアングルフォーメーションやるけど、
千尋ついてこれるか?」
「任せといて!」
マッド星人の軽口に反応して突っ込む暦に対して智と神楽は冷やかす。が、神楽はすぐに真顔に戻り、
千尋にトライアングルフォーメーションが出来るかどうか尋ねる。それに対して千尋は自信を持って答える。

「行くぜ、トライアングルフォーメーション!!」
レッドファルコンの搭乗者である三人が三方向から同時に仕掛ける攻撃だ。
千尋は初めてこの連携を使ったにも関わらず息ピッタリだった。ゼルエムの眉間にレーザーが命中する。

「私達も行きますよ、よみさん!!」
「そうだな、これでもくらえ!」
暦とちよは低く飛んで足元を攻撃する。さらに京子と後藤も加わり、ゼルエムの心臓部分にミサイルを叩き込む。

「俺達もお前らに遅れてられないぜ!」
「まだまだ私たちだっていけるわよ!」
「よし一気に決めよう!合体光線だ!!」
大山がジェネシスの中から他の四人に指示を出す。

「だああああああ!!」
それに従い、ジャスティスはパトレックショット、レイはレイバーストショット、コスモスはルージュシューター、
シェイドはフォビトンレイジ、ジェネシスはヴォイドシェノサイドを同時に放つ。

91 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」[ :2007/04/27(金) 01:43 ID:???
「ぐぬうううううううう!!」
ゼルエムに命中して、ゼルエムはゆっくりと後ろに倒れた。

「やったよ、恵那!!」
「うん、勝ったんだね!」
恵那とみうらはそれを見て抱き合って喜びを表現する。他の市民達もそれを見て狂喜乱舞する。

「どうしたの?あずさちゃん?」
「まだ・・・・・・終わってない」
表情を崩さないあずさを心配して澪が声をかけるとそんな返事が返ってきた。

「終わっていない?」
隣にいた紗奈が怪訝な表情で聞き返す。
マッド星人やリーンバイスの人間達は協力しあって何とか起き上がっている。
TEAM FLAMEの面々も同様だ。

「どうしたのゆかり?いつもなら一番に喜びそうなのに」
「納得いかないのよ。何かあっさりしすぎていて」
ゆかりもまた、あずさと同じような思いだった。そしてその不安は的中する事となった。
ゼルエムはゆっくり起き上がった。

「やってくれたな。ここまで追い詰められるとは正直思わなかったぞ。ならば、俺も最後の手段に
出るとしよう。ぬうううううん!!」
ゼルエムの二つの目が真っ赤に光る。潰された第3の目が消滅する。さらにその後、
足が後ろにも生え四本足となる。さらには無数の触手らしき物体が生える。
さらに大きさも各ウルトラマンや巨大宇宙人を遥かに凌駕している。

「そんな、あいつまだ奥の手を隠していたのかよ!」
後藤もこれには愕然となる。

「この姿になったからにはもはや貴様達に未来はない!ふん!」
ゼルエムが腕を一振りするだけで、マッド星人やジェロス、ザビロンなどウルトラマン以外の
者達は全て吹き飛ばされた。

「な、何て威力だ!ただでさえ強いのにますます強くなっている!」
ジェロスの中に絶望的な何かが漂った。

92 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:46 ID:???
「いくらお前が何になろうと僕達は負けはしない!てやぁ!」
ジェネシスが飛び上がり、ゼルエム最終形態の頭上に蹴りを入れようとする。
だが、ゼルエム最終形態はこれを軽く爪で叩きつける。地面に落下したジェネシスを
ゼルエムは容赦なくジェネシスを踏みつけた。

「ぐっ!」
「ジェネシス!!」
これを見たコスモスとシェイドが助けに入ろうとゼルエムの足を持ち上げ、ジェネシスを救い出す。
しかし、完全に持ち上げる事は出来ず、ゼルエムに大きく振りほどかれてしまった。

「かああああああ!!」
ゼルエムは以前までの形態にはなかった「冷たく輝く息」で攻撃してきた。その攻撃をくらった
コスモスとシェイドは仰向けに倒れこんだ。

「だあっ!」
「えいやぁ!!」
ジャスティスとレイが同時に高速回転してゼルエムに体当たりする。
しかし、ゼルエムの体にそれは効果を及ぼさず、それどころか触手によって二人とも
捕らわれてしまう。敵は捕らえた二人を掴んだまま真下へ叩きつけた。

「この野郎!!ストライクバニッシャー!!」
「フレイムブラスター!!」
援護すべく、後藤と京子が同時に攻撃する。

「ふん!」
しかし、それはゼルエムが発した灼熱の火炎によりかき消され、さらには機体にもダメージを与えた。
見る見るうちに炎に包まれていく機体。

「脱出!!」
やむを得ず二人は、機体から脱出する。直後に機体は大爆発を起こす。

「おおおおお、であっ!!」
ジャスティスとレイは全身から発するエネルギー〔ボディスパーク>で掴まれている
触手を焼ききった。

「凍てつく波動をくらうがいい!」
ゼルエムの全身がフラッシュすると、強烈な波動が発せられ、ウルトラ戦士の体にあちこち爆発が起こる。

93 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:48 ID:???
「のわああああああ!!」
五人のウルトラマンはそれぞれ建物に突っ込んだり、近くの海面に叩きつけられたり、あるいは地面に倒れこんだりした。
ゼルエムは近くにいたジャスティスを踏み潰そうとするが、ジャスティスはすんでのところで
転がって回避する。その直後に地面は大きくめり込んだのだった。

「この!!いい加減にしろ!!」
神楽、智、千尋はトライアングルフォーメーションを使ってゼルエムを、暦、ちよもそれに続く形で集中砲火する。
しかし、ゼルエムは動く事すらせず、その体で軽く弾いてしまった。

「貴様等にはこのミサイルの雨をプレゼントしよう」
ゼルエムの手の甲から何と無数のミサイルが発射された。まさにミサイルの雨である。
とてもかわしきる事など不可能で、全員被弾してしまった。コクピットを直撃しなかったのが
不幸中の幸いといったところか。

「コントロール不能!!不時着します!!」
「ここまで来たってのに!!」
しかし全機体がコントロール不能となり、ほとんど墜落に近い不時着となった。

「どんな位置からでも俺は即座に攻撃できる」
ゼルエムは宣言すると、各エリアに向ってビームは発射した。それは各地にゼルエムオメガを
派遣したエリアにまで届いた。
世界各地に広がるATDFの者達の戦闘機や、そのエリアにいる怪獣達に攻撃が当たる。
それは宇宙にいるムーンキャッスル艦隊や、ミステラー星人カルナ、バルック、アテリア星人アヌビスも
例外ではなかった。

「フレアレインXXに損傷!発射口が破壊されて、発射できません!」
「なんて事だ!畜生!これであいつ等を援護する事が出来なくなったじゃないか!」
部下の報告を叩いて、長谷川は壁を左拳で殴った。

「これで分かっただろう。何をしようと無駄だという事が!」
「ぜあっ!!」
しかし、それを聞かされてもなおジャスティス達は立ち上がり、先程使った合体光線を
使った。それはゼルエムの首の下に命中するが、少し後ずさりしたに過ぎなかった。

「合体光線も効かないのか!?」
「無駄な事を。貴様達にこの私を倒す事など出来しない!」
ゼルエムは「終末の雷塵」と呼ばれる雷を発生させ、5人に命中させる。

94 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:50 ID:???
「ぐわああああああ!!」
5人のウルトラマンの体に強烈な雷撃が走り、ビリビリとスパークしたまま、うつ伏せに倒れる。

「今度こそ復活できないように消してやろう」
ゼルエムが5人にゆっくりと迫る。その時だった。
一筋の光が放たれたかと思うと、巨大なビーム砲がゼルエムに命中した。
横殴りにくらったからか、ゼルエムのボディが歪む。

「何だ?一体何をした?」
ゼルエムがビーム砲が来た方向を見ると、そこには宇宙に上がるための巨大戦艦エクセリオンがあった。

「あれは!?エクセリオン!!」
「でも一体、誰が?」
「私だよ」
暦と京子が訝しがっていると、通信機から男の声がした。
その男こそ、これまでHOLYやFLAMEと対立してきた関屋参謀であった。
そしてこの事から先程発射されたビーム砲はエクセリオンの主力兵器である「ゼロドライブイリュージョン」と
見て間違いないだろう。
もっとも超獣や怪獣を一撃で粉砕するこのビーム砲で倒せないという事は、
それだけゼルエムの最終形態は桁違いという事だが・・・・・・

「関屋参謀!どうしてあなたが?」
「どうしてだと?おかしな事を聞く物だな、美浜隊長よ。人間である私が故郷である地球を守る為に、
そしてその地球を守る同志であるウルトラマンに手を貸す事に何の疑問があるというのだね?」
「それはそうですけど・・・・・・・」
しかし、これまでのウルトラマンに頼り切った発言が多かった事から、参謀自らがこのような行動に
出るとは誰も思わなかったのだろう。

「私とて、この地球の平和を願っているのは同じだ」
「関屋参謀、あなたはもしかして・・・・・・」
その様子を見ていた琴音は主人の元から離れ、関屋に声をかける。

「ゼロドライブイリュージョン、もう一度くらえ!!」
密かにエクセリオンを改造していたのか、本来なら再チャージに時間のかかる
ゼロドライブイリュージョンを間髪おかずに関屋は発射した。

「ふん、そんなものが二度も通用するとでも思っているのか!」
ゼルエムの手から「凍てつく波動」が発射され、ゼロドライブイリュージョンがかき消された。
しかし、関屋はそれに動揺する事もなく、エクセリオンをゼルエムに向って突き進ませる。

95 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:53 ID:???
「総監、お別れです。これが私なりの地球を守る方法だ!!」
そしてHOLYやFLAMEの諸君、今まですまなかった。元GENESISだった諸君、
後は頼んだぞ!」
「関屋参謀、待つんだ!!」
何かを決意した顔で彼等にメッセージを伝えると、彼は通信を切った。後藤は制止の声を
かけるが、もはやその声に反応する事はなかった。

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
関屋参謀の乗せたエクセリオンは、ゼルエムに体当たりした。
ゼルエムも流石にこれだけデカい規模のものをとっさに避ける事は出来ず、直撃した。
直後に大爆発を起こし、関屋はその爆発の炎の中に消えた。

「関屋参謀―――――――!!」
ジェネシスの中の大山と後藤があらん限りの声で叫ぶ。

「愚か者めが、この俺がそんな事で倒せるとでも思ったか。無駄死だったようだな」
しかしゼルエムはそれでもまだ生きていた。だが流石にダメージを負ったようで、ややフラついている。

「そんな、関屋参謀、命まで賭けたのに・・・・・・・」
ちよはその場に崩れ落ちそうになるが、それを智と神楽の二人が支える。
他のみなにも絶望が走る。

「諦めるな!!」
その時、誰かが声をあげる。何とそこにいたのは松岸だった。全身ボロボロになりつつも、
彼の瞳にはまだ生きていた。

「これが最後の戦いなんだ!勝って平和を取り戻すんだ!!それが、それが総司令としての
私からの最後の命令だ!そうですね、総監?」
といって自らも銃を構えてゼルエムを撃つ。琴音は一度主人に振り返るが、主人は頷くだけであった。
しかし、それで十分なのか琴音は振り返り、そして発言する。

「その通りです。みんな、必ず勝って!!」
「隊長、行きましょう!!」
「勝って終わらせるんです!!」
上野や松戸を初めとするFLEMEメンバーが京子の指示を待つ。

「分かってるわ、行きましょう!!」
「了解!!」
そしてTEAM FLAMEは動き出す。

96 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/27(金) 01:54 ID:???
「私達も行きましょう!」
「おう!!」
HOLYメンバーもそれに続く。そしてそれに呼応するかのように
他のメンバーも立ち上がり、抵抗を試みる。

「あがくな屑共!屑は屑らしくこの俺に消去されていろ!!」
ゼルエムもまた怒号をあげる。

「このままでは駄目だ。合体してあいつを倒そう」
「合体?」
「そんな事出来るのん?」
大山の提案に、榊と春日姉妹は驚く。特に春日姉妹はハモっていた。
しかし、百合子だけは驚かなかった。

「過去のアーカイブを調べたら、コスモスとジャスティスは以前、ギガエンドラの戦いで合体して
ウルトラマンレジェンドという戦士になった事があるのよ」
『そういうことだ。だから合体が不可能という事はない』
『しかし、今度はレイとシェイドがいる。またレジェンドになるとは限らない。私も知らない
新たな戦士になるかもしれない』
『それでもやるしかない』
『私もそれに賛成だ』
会話の中にジャスティス、レイ、コスモス、シェイドの意識が流れ込んでくる。
コスモスも意見を述べたものの、合体する事にしては反対しなかった。

「決まりだな。僕達のエネルギーをジャスティスに集めるんだ」
大山の提案に頷く。

「春日さん、頼んだよ」
「歩さん、あなたにすべてを託すわ」
「お姉ちゃん、がんばろな」
大山、百合子、翔が歩の体に重なり合うように、歩の中へと入っていく。ジャスティスも同じように
ジェネシス、シェイド、コスモスをその体内に取り込んでいく。最後に榊が残った。

「歩、また後で会おう」
「うん、弥生ちゃん」
互いに笑いあった後、榊は歩の中へと入っていく。そしてレイもまたジャスティスの中へと入る。

「何をしているが知らんが、これで終わりだ!」
ゼルエムの手から凍てつく波動が発射される。それらが命中したのか、ジャスティスの姿が消えた。

「まさか、やられちまったのか?」
「いや・・・・・・違う」
やんだと同じような思いを周囲の市民も抱いていた。しかし、あずさは首を横に振った。
そしてジャスティスがいた場所から金色の光を発しながら、新たなウルトラマンが姿を現した。

97 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2007/04/27(金) 01:55 ID:???
Bパートを使い切っても終わらなかったので、今回はCパートまで使います。
今日はここまでです。

98 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:04 ID:???
「あれは・・・・・・ジャスティス?」
「違うわ!あれは5人のウルトラマンが合体した姿よ」
「ウルトラマンジェレイドってとこかな?」
ちよの言葉にかおりんと千尋はそれぞれの見解を口にする。確かに顔はジャスティスであるものの、
体の模様やカラーリングはそれぞれのウルトラマンをミックスしたように見える。

「まさか、こんなの見れるなんて思わなかった!」
「すげえ!最後の最後でこんなすげー奇跡が見れるなんて!」
智と神楽も興奮している。

「私はきっとこの光景を忘れないだろうな」
暦も静かにしかしハッキリと口にする。

「いくら姿を変えようと無駄だ!最強である私に勝てはせん!!」
ゼルエムから終末の雷塵を放ってきた。しかし、ジェレイドは腕を十字に
組んで発射するジェレイドカノンで打ち消し、さらにはゼルエムにそのまま命中させる。

「ぐおおおおおおお!!」
今までほとんどダメージを受けなかったゼルエムが悲鳴をあげる。
触手などが次々に崩れ落ちていく。

「こ、このいい気になるなよ!!凍てつく波動と輝く冷たい息をくらえ!!」
ゼルエムはこの二つの攻撃を同時にするが、ジェレイドはそれらを
両腕で無効化した。そして上空へと飛び上がる。

「叩き落してくれる!!」
ゼルエムはミサイルや触手をあらん限りに放つが、ジェレイドはそれらを全て回避する。
そして一旦上空で立ち止まる。

「ジェレイドクロススラッシュ!!」
ジェレイドの体が黄金色に輝き、ゼルエムに向って突き進んでいく。
その目にも止まらぬ速さで、ゼルエムの全ての攻撃を回避し、ついには
ゼルエムの体を貫通した。

「ご・・・・・・あ・・・・・・・・」
貫通されたゼルエムの体は徐々に崩れていく。

「ごふっ、この俺が・・・・・・やられるとはな・・・・・・・見事と言うしかないな・・・・・・
認めようではないか・・・・・・この俺の敗北をな、ぐおおおおお!!」
そしてゼルエムはついに消滅する。

99 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:05 ID:???
「やったのか・・・・・・」
「ああ、どうやらそうみたいだぜ」
「やっと終わったんだな」
智、神楽、暦は戦いが終わった事を確認しあう。

「私達、勝ったんですね!」
「やったね、かおりん!」
「うん、千尋!!」
互いにハイタッチするかおりんと千尋。

「やった―――!!」
よつばが大きな声で叫んだのをきっかけに、その様子を見ていた人々の狂喜乱舞する。
そしてジェレイドは分離して5人のウルトラマンに戻った。

「空が晴れていくわ」
「平和が戻った事だね」
木村夫妻は光を取り戻した世界を見て、笑いあった。

「どうやらあいつ等やったみたいだな」
「ヒヤヒヤさせてくれるよね、まったく」
「そんな風には見えなかったよ、ゆっきー」
月にいるムーンキャッスルの面々も戦いが終わったのを見届けていた。

「やったわね」
「ああ」
和田と長谷川が互いに頷き合う。

「戦いは終わった。さっさと引き上げるとするか」
「彼女達に会わなくていいのか?」
「そんな必要はない。またそんな義理もない」
「私はメールくらいしておくわ」
バルック、カルナ、アヌビスは月面から引き上げる事になった。
そしてカルナからのメッセージがちよのメモリーディスプレイに入っていた。

「やっぱり、来ていたんですね。ありがとう、バルックさん、アヌビスさん、カルナさん」
そのメールを見て、ちよは顔を綻ばせた。

100 :第78話(最終回) 「光り輝く勝利の為に そして未来へと・・・・・・・」 :2007/04/28(土) 23:06 ID:???
「モーグ、いっちゃうのか」
「よつばちゃん、モーグとはいつでも会えるわよ」
「またな、モーグ」
名残惜しそうにしているよつばを恵那は諭した。そうして、みうらと一緒に帰っていく
モーグに手を振っていた。

「お別れだ、紗奈。私はまた宇宙の旅に出る。しっかりな」
「せっかくまた会えたのに。さびしいな」
去ろうとするザビロンを見て、紗奈はうつむく。
そして、顔をあげる。その時、紗奈は涙を流しつつも笑顔で手を振る。

「また私に会いに来てね、約束だよおじさん!」
「ああ。そうさせてもらうよ。私にとって大事な娘だからね」
ザビロンは、背中を向けて紗奈の前から去っていった。

「頑張ったね、紗奈ちゃん」
「私もそう思う。強くなったよ、紗奈」
澪とあずさが紗奈に歩み寄る。あずさは珍しく笑顔だった。

(やったね、お姉ちゃん)
心の中で姉のかなめに呼びかけていた。

「さらばだ、あさぎ」
「うん、またね」
ザナックとあさぎはあっさりと言っていいくらいの別れの挨拶を済ます。

「シンプルだこと。まあらしいけどね」
と興味なさげにタバコを吸う虎子。

「あ、待ってよザナック。じゃあ、あたしもう行くから」
ミルファがそう言ったのは京介達4人だった。ザナックの後を追うように
去っていった。

「ミルファさーん。今度来る時はあなたの猫耳も作っておくからー」
「何と言うか、お前は怖い物知らずだな」
「でも、似合いそうな気はするよね」
「うん、かわいいかも」
(駄目だ、この三人俺には荷が重い)
あくまでマイペースな工藤、みるちー、ゆかの前に京介はどっと疲れを覚えた。

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