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あずまんがSSを発表するスレッド
- 1 :甘露 :2003/02/25(火) 03:20 ID:Vyn779qA
- 新作、力作、新人、ウェルカム。
- 602 :眠い名有り :2003/12/03(水) 18:09 ID:NOfg61a.
- あ〜〜〜すみません、Aは一応死が入ります。
言うの忘れてました。
あと、主人公が変わる可能性もあります。
- 603 :眠い名有り :2003/12/03(水) 18:51 ID:0723N6rk
- >>599
自分の書きたいものは上から順番ですが、そんなに差はありません。
だから、リクエストで、@かAで迷ってるところ。。
- 604 :眠い名有り :2003/12/03(水) 20:44 ID:vQjZSGCg
- ↑ミス@かAかCで迷ってます。
- 605 :名無しさんちゃうねん :2003/12/03(水) 21:58 ID:ljMDiLPY
- 4番の心が入れ替わるとゆうやつでともとちよの心が入れ替わるなんて
どうでしょうか?
- 606 :眠い名有り :2003/12/03(水) 22:13 ID:vQjZSGCg
- 入れ替わり、主人公については秘密。(フフフ
>>593
今のところ@0A1B0C1(2?)ですね。
でも、入れ替わりは前作並みに長くはならないと思う・・・
二位を次々回作にしよう。
- 607 :ケンドロス :2003/12/04(木) 00:02 ID:???
- >>606
自分も別のスレで入れ替わりの話書いた事あります。
ただし、ここのスレほど深刻ではなく組み合わせも歩と榊でした。
という訳で誰と誰が入れ替わるかが楽しみなので4
- 608 :名無しさんちゃうねん :2003/12/04(木) 00:14 ID:???
- マヤーと忠吉さんが入れ替わり……
- 609 :八八艦隊司令大阪さん :2003/12/04(木) 04:20 ID:???
- マヤーと榊さんが・・・
- 610 :名無しさんちゃうねん :2003/12/04(木) 08:59 ID:???
- 全部書いてくれというのは反則か。
いや、いずれ全部書くのか?
- 611 :眠い名有り :2003/12/04(木) 17:47 ID:WRRzL3W6
- 今のところ@0A1B0C2(5?)ですね。
>>610
@Aは記憶喪失までのストーリーは同じです。
ABもかぶる可能性が高い・・・
C短いと思う・・・
- 612 :眠い名有り :2003/12/04(木) 17:59 ID:WRRzL3W6
- 一応次は入れ替わりで書こうと思うのですが、前作の本編並み(本編よりも完結編のほうが長い物語なのだ!(笑))
の長さで終わると思います。
- 613 :名無しさんちゃうねん :2003/12/05(金) 09:03 ID:???
- ryoukai,tanosimini mattemasu.
- 614 :眠い名有り :2003/12/05(金) 17:00 ID:ZUA412DY
- え〜〜今回は入れ替わりネタなので、主人公(私と使う人物)はいません!!
では・・・
- 615 :眠い名有り :2003/12/05(金) 17:13 ID:ZUA412DY
- ここは教室なにやら智が本を読んでいる。
よみ「珍しいなぁ。お前が本とは・・・」
智「ふっふっふ・・これで私もちよすけを越える天才だ〜〜〜〜〜!!」
よみ「はっ?」
ちよ「ところで何の本ですか?」
黒魔術
よみ「アホか!」
神楽「馬鹿決定だな。」
智「うるさい!!お前らは本当にこの黒魔術の恐ろしさを知らない・・・」
よみ「どんな恐ろしさだか。」
智「成功させたことだってあるぞ。例えば、よみに太れ太れと言ったら本当に!!っっっっっ!!」
よみ「貴様ぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜」
神楽「よみ・・・そのくらいで止めとけよ・・」
智「けほっ、けほっ!くそ〜〜〜そんなら証明してやる!!」
そう言って黒い飴玉のようなものを取り出す。
智はそれをかじって、
智「ちよ!こっち向け」
ちよ「なんですか?」
ポイ!
さっきの飴玉(?)の残りをちよの口に向かって投げた。しかし途中で二つに割れてしまったのだ。
そして、一つはちよの口へ・・
ちよ「(ガリッ!)けほっ!けほっ!何するんですか〜〜〜!」
そして、もう一つは・・・
大阪「ふぁぁぁ〜〜〜〜(パク!)ん?なんやこれ?」
智「あ〜〜〜〜〜!!!」
よみ「どうした?」
智「実は・・あ・れ・・・何か・・・眠く・・・(バタッ!)」
神楽「寝ちゃったよ。」
よみ「ちよ、大阪、お前ら一体・・・」
ちよ「すやすやすや・・・・・」
大阪「ふにゃ〜〜〜〜〜〜」
神楽「結局、睡眠薬か?あれ。」
よみ「さぁ?」
- 616 :眠い名有り :2003/12/05(金) 18:32 ID:MxtcHwB2
- 智「ん・・・ん〜〜〜〜!」
よみ「おお智、起きたか。」
智「あ、よみさん。私は一体・・・」
二人「へっ!?」
二人が驚いたのは無理もない。声と喋り方がまるでちよなんだから・・・
大阪「う・・・あ? うわぁ〜〜〜〜〜〜!!私!!?」
そう言って智を指差す。
智「何言ってるんですか!?私はちよですよ!大阪さん!寝ぼけないでください!」
大阪「何言ってんだ!?私は正真正銘滝野智だ!それに誰だお前!私のニセモノか!?」
ちよ「ふぁ〜〜〜?どうしたん?皆?あ・・・もう一人私がおる。まだ夢みたいやなぁ〜〜」
大阪「ちょっとちよ!どうしたんだよ!まるで声も喋り方も大阪じゃないか!」
- 617 :眠い名有り :2003/12/05(金) 18:44 ID:MxtcHwB2
- ちよ「へ?智ちゃん・・・私のきぐるみでも着とるんか?よくできとるな〜〜でも、私そんなでかくないでぇ〜〜」
大阪「違う!私はきぐるみなんか着てない!!」
よみ「と・も・か・く。一体何がどうなってんだ!?」
神楽「こんなことになったのはお前のあの変な薬のせいだろうな。一体何作ったんだ、お前?」
大阪「その・・・その人の能力をコピーできる薬・・・」
よみ「本当に問題ばっか起こす奴だな!」
智「まず、状況を整理しましょう。つまり・・・私と智ちゃんと大阪さんが入れ替わったってことですか?」
大阪「そうみたいだな。ったく〜〜」
智「では、こういうことになりますね。」
智(の中のちよ)は図を書いた。
体: 私 ・大阪さん・智ちゃん
心:大阪さん・智ちゃん・ 私
智「こういうことになりますね。」
大阪「そうなるな・・・って大阪?何やってんだ?」
ちよは机の上からジャンプしてる。
ちよ「いや、ちよちゃんのこれ(髪)で飛べるかな〜〜〜思て。」
- 618 :名無しさんちゃうねん :2003/12/06(土) 13:36 ID:???
- こう来ましたか。さて、どんな展開になるのか。
- 619 :シーサーやいびーみ? :2003/12/06(土) 18:26 ID:Y1N3wfMU
- 二人だけかと思ったけどまさか三人だとは・・・
- 620 :眠い名有り :2003/12/06(土) 19:43 ID:???
- 注意:名前は身体のほうを使います。
ゆかり「さぁ!今日も・・・なんだ!こりゃぁ!!」
ゆかりが教室に来て驚いたのも無理はない。なんと教室にいるのは神楽、よみ、ちよ、智、大阪、榊だけなのだから。
ゆかり「なんなのよこれ!」
よみ「このごろ風邪流行ってますから・・・」
ゆかり「そうか・・・で、お前らだけ。」
榊「私もいますよ・・・」
神楽「あ、榊・・・!!どうしたんだぁ!!」
榊の体中には引っかき傷や噛み後が・・・
榊「ちょっとね・・」
ちよ「そんなことより、早よ保健室行かなぁ・・」
ゆかり「は?どうしたちよ?大阪の真似か。」
よみ「そっ、そんなことより、早く榊を保健室に!」
ゆかり「そうだな!おい、榊、こっち。」
再び教室は彼女らだけに・・・
ちよ「はぁ〜〜大変やなぁ・・・」
智「それよりも、どうしたら戻れるか、です。智ちゃん、その本に何か書いてないんですか?」
大阪「え〜〜〜っと・・・」
- 621 :眠い名有り :2003/12/06(土) 19:44 ID:???
- >>620
>なんと教室にいるのは神楽、よみ、ちよ、智、大阪、榊だけなのだから。
あ、榊は教室にいなかったね・・・
- 622 :眠い名有り :2003/12/06(土) 22:27 ID:???
- 大阪「え〜〜〜っと」
そう言って大阪(智)は本をめくる・・・
大阪「載ってない!」
智「もう一回作って飲めばもとに戻るんじゃないですか?」
大阪「おお、ちよすけ!グッドアイディア!」
よみ「それが一番かもね。」
大阪「もう一個持ってるぞ。ほら。」
よみ「だったら早く出せ!」
大阪「(ガリッ!)はい智。」
智「(パクン!)はい、大阪さん。」
ちよ「ああ?何〜〜〜〜?(パク!)」
大阪「ふぁ・・・また眠くなってきた・・・」
智「私もです〜〜〜・・・」
ちよ「ふぁぁ・・・・何なん・・この飴・・・」
〜数分後〜
ちよ(大阪の声で)「ふぁ・・・」
ちよ(智の声で)「わ!私と大阪!今度はちよか!!」
ちよ(本物)「違います!私が元に戻って・・」
ちよ(大阪の声)「私変わっておらへんなぁ〜〜・・」
ちよ(三人の声)「えっ!?」
ちよ(智)「ちょっと、ちよと大阪、黙っててくれないか。」
ちよ(ちよ)「はい。」
ちよ(大阪)「わかったで〜〜〜」
ちよ(智)「結局、三人の心がちよの体に入っちゃったのか・・・。どうするんだ、天才?」
ちよ(本物)「・・・わかりませんよ。」
ちよ(智)「第一、もう一回飲めってったのお前だろ!」
ちよ(本物)「そんなぁ〜〜〜(泣)」
よみ「そもそも事の発端はお前だ。」
ちよ(智)「うるさい!そんなの関係あるか!!」
神楽「あるだろ。」
- 623 :眠い名有り :2003/12/06(土) 23:07 ID:???
- 三重人格のちよだ〜〜(笑)
さぁ、どうやって戻そうかな・・・(←まだ決めてないんです(笑))
- 624 :名無しさんちゃうねん :2003/12/07(日) 01:22 ID:???
- >>623
おおっ、これは新しい!やり方次第では面白くなりそうだ。
……あれ、ともと大阪の体はどうなっちゃったの?
- 625 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:55 ID:???
- (たぶんグロあり)
- 626 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:55 ID:???
-
「ようやくついたみたいだな」
「すげーっ! 一面真っ白だよ」
「この辺りは雪が数メートル積もることもあるそうですよ」
ワゴンが停まり、一同は真っ白い大地に降りたった。雪が靴のそこで押し固められて音をたてた。目の前には大きな屋敷が雪にうずもれて佇んでいた。
古い、わらぶき屋根の木造建築である。伝統的な平屋造りだが、敷地が広く屋敷自体も巨大で、その200年に渡る絶対的地位を象徴するようであった。
「今日はとりあえず一泊して、スキーは明日からにしましょう」
「賛成」
「開きましたよ〜」
「うわっ、めっちゃ広いな〜」
戸口から衝立の向こうに廊下が延々と伸びているのが見えた。
途中の部屋、さらに横の通路が何箇所も十字に交わって、遥か奥まで続いている。
智、暦、大阪、榊、神楽の四人は冬休みを利用して北陸にあるちよの別荘に遊びに来ていた。
- 627 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:56 ID:???
-
「ほんとに、全部使っていいのか」
「はい。今は管理人のおじいさんが住んでるだけですから」
「かくれんぼできるぜ、かくれんぼ!」
「お前は子供だな」
「何を〜! あんたの瞳はもう子供のころの輝きを失っちまってんだよ〜」
「まったく、何いってんだか」
「ねえ、そのおじいさんは?」
屋敷には誰もいないようだった。
「迎えに出てくるはずなんですけど……」
背後で物音がした。
「うわっ!」
一同は声を上げた。驚きというよりは、不気味さやおぞましさ、
そして恐怖を感じてのことだった。後ろにはいつのまにか老人が立っていた。
- 628 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:56 ID:???
-
「……ようやく来たか」
それだけいうと、老人は玄関から上がっていった。一同は顔を見合わせていたが、やがておずおずと老人の後を追って屋敷にあがっていく。
醜怪な老人だった。不恰好なほど大きな鼻が顔の真ん中に乗っかっているが、あばただらけで汚らしく、
全体的にしわがれた顔に三白眼が小さな裂け目から外を覗いていた。
「部屋の見取りはさっき言った通りだ。わしはこの部屋にいる。あんたらはどの部屋でも自由に使ってくれ」
そういうと、襖をあけて中の一室に消えて入った。一同の間をややしらけた雰囲気が包み込んだ。
「――今の人が?」
「はい。近所の農家の人で、今は畑仕事をやめて、住み込みで屋敷の管理をしてるんです」
「なんか気色悪い人やな〜」
「確かに。ちょっと気持ち悪かった」
「そんなことより、はやく荷物運ぼうぜ」
気を取り直して、めいめいが手荷物を提げて屋敷を歩きまわる。
部屋数は一同の人数の十倍はある。それぞれ好きな場所に陣取った後、いろりのある部屋に戻ってきた。
- 629 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:57 ID:???
-
「わ〜っ、いろりだよ! 私はじめてみる」
「私も」
「今日はお鍋ですよ〜」
「うおおっ! カニだカニ!」
「今夜はごちそうだな」
「あんたは北海道で喰ってきただろ。喰うなよ」
「何いってんだよ!」
「よし、榊、どっちがたくさん食べるか競争だ!」
「…食べ物はゆっくり噛んでたべなきゃだめだ」
「いっただきまーす!」
「あ〜喰った喰った」
一同は食事を終えると、いろりを囲んでとりとめもない話に花を咲かせた。
友達同士、一緒に泊りがけで遊びに来たときの楽しみだった。
- 630 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:57 ID:???
-
「あ〜喰った喰った」
一同は食事を終えると、いろりを囲んでとりとめもない話に花を咲かせた。
友達同士、一緒に泊りがけで遊びに来たときの楽しみだった。
「それにしても、ちよちゃん家がこんな山奥に、こんなでかい別荘持ってるなんてな〜」
「確かに。別荘というか屋敷だぞ」
「ここは、もともとお祖父ちゃんが住んでた家なんですよ」
ちよが語り始めた。
「うちは、もともとここら辺の庄屋さんだったそうです。それがお祖父ちゃんの
ときから東京で事業をはじめて、今はここにはこの屋敷が残っているだけだそうです」
「へー、そうだったのか」
「そういえば、私のお祖父さんもここら辺り出身だって」
「神楽が?」
「じゃあ、案外親戚同士だったりして」
「別にそんなんじゃないよ」
「……吹雪いてきたな」
不意に、一人がぽつりと漏らした。先ほどからゴー、ゴーという吹雪の音がどんどん大きくなってくる。
たまに、吹き抜けになった高い天上が、ギシッ、と軋む音をあげた。
- 631 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:58 ID:???
-
「もしかして、寒波がきてるんじゃ」
「天気予報だと大丈夫だといってたけどな〜」
「山の天気は移り変わりやすいんだよ」
「――こんな晩は出るかもしれんな」
突然、声がした。
「うわっ!」
みると、管理人の老人がいつの間にか立ちつくしていた。
「な、なんですか?」
「なんですかとはあるまい。わしもいろりに当たらせてくれよ」
「……」
老人はいろりばたに腰を下ろした。
「あのぅ、さっき出るとかいってましたよね。なんなんですか、それ?」
気まずさに耐えかねたのか、神楽が老人に尋ねた。
「このあたりの伝説だ」
老人はそれだけいうと、それっきり黙りこくっていた。
やがて立ち上がると、そのまま去っていった。
- 632 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:59 ID:???
-
「……なんだったんだ、あれ?」
「ねぇ、ちよちゃん知ってる? その伝説とかいうの?」
「……ええ」
「なぁ、ちよちゃん、教えてくれよ。 その話が気になるんだ」
ちよは気が乗らなそうであった。あいまいに頷いてお茶を濁そうとする。
しかし、神楽にしつこくせがまれ、それで仕方なく口を開いた。
「怖いお話ですよ。いいんですか?」
「おっ、怪談か。良いじゃんそれ」
「……わかりました」
ちよは語り始めた。低く暗い声で。
「――昔、この家にそれは美しい娘がいたそうです」
みんなは耳を傾けていく。
- 633 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 01:59 ID:???
-
「その美しさは近隣の村々にも聞こえるほどでした。その娘は、年頃になり、どこか家柄の良い家にお嫁にいくことになったそうです。
ところが、その娘には想い人がいました。相手は近く集落の男でした。娘がたまたま外を通りかかったとき、二人は出会ったのだと。
二人はたちまち恋に陥りました。そうしてついに将来を誓い合う仲になったのだそうです。でも、それは許されぬ恋でした。なぜなら、男は貧しい小作人の子だったからです」
その場はいつの間にか静まり返り、ただ吹雪の音だけが響いていた。
「娘の父親はことを知ると烈火のごとく怒りました。そうして何度も男と合わせないようにしようとしました。しかし、娘は一向にいうことを聞こうとしません。
業を煮やした地主は娘からの手紙を偽って男をおびき寄せると、若い衆を集めて袋叩きにしてしまいました。そうして、吹雪の中、雪に放り込んだそうです。
……夜が開けると、男は跡形も無く消えていました。娘はこのことを知ると嘆き悲しみました。彼女はその男と引き離すため、この屋敷のどこかにある
一室に幽閉されていたのだそうです。男が死んだ翌日、家の者がみつけると、彼女も血を吐いて死んでいました。――それからです、出るようになったのは」
静寂が、辺りを支配していた。
- 634 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 02:00 ID:???
-
「こういう吹雪く晩になると、足音が聞こえてくるそうです。雪を踏みしめる足音が。そうして、朝になると、いつのまにか家の者が一人いなくなっているそうです。
一人、また一人と。そして、雪の中には確かに跡が残っているのだそうです。点々と続く血の後が……。多くの村人は半信半疑でしたが、
実際、その後、村には奇妙な疫病がはやったそうです。大勢がばたばたと倒れ、死んで行きました。やがて付近の人々は男の祟りだと噂しあうようになりました。
男が悪霊となって災いをなしているのだと。結局、その疫病が原因で村の皆は散り散りになり、この辺りも寂れていったんだそうです……」
ちよが語りつくした、そのとき――突然、奇声が轟いた。
「くきぃええええええええ!」
「うわあっ!」
「きゃああっ!」
何人かが悲鳴を上げる。
- 635 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 02:00 ID:???
-
「プッ、ププ、ぎゃははははは!」
智が腹を抱えて笑い転げた。
「ひゃはははははは、ビビってるよ、マジビビってる! あんたら、もうサイコ―!」
「あー、びっくりした! この!」
「お前は調子に乗りすぎだ!」
「智ちゃん、ひっどいな〜。あたし心臓が止まるかと思ったで〜」
「……びっくりした」
智は気にせず笑い転げている。
「バーカ、バーカ」
「ごめんなさい。私がこんな話をするから脅かしてしまいました」
「ちよちゃんは悪くないよ」
やがて、笑いが収まると、再び皆は静まり返った。
「……それじゃ、もうお開きにすっか」
結局、その場は盛り下がってしまったのだ。老人の出現とその話によって。
めいめいは後味の悪さを残しながら、自分の部屋に引きこもっていった。
- 636 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 02:01 ID:???
-
――水の音がした。
智はうっすらと目を開けた。智は寝付けないでいた。皆の前でふざけてみたものの、あの話が気になって眠れないでいた。
その上、さっきからずっと、ポタポタという水が滴る音が暗闇の中を透き通るように響いてくる。
目が醒めた中、ただその音をじっと聞いていた。
「ああっ! うっとおしいな、もう!」
智は布団をけって立ち上がると、懐中電灯を手に襖を開けて部屋の外に出た。
何も見えない中、足元の廊下だけが明かりに照らされて黄色く光る。
他の皆はもう寝入ったのだろうか、屋敷の中は静まり返っていた。
「音はあっちからか」
智は、ただ一人で歩いて行く。さすがに怖くはあるが、すっかり目が醒めて、あの音が気になってしょうがない。
とにかく、音の原因を確かめて消しておく必要があった。ふと誰かを起こそうかと思ったが、みんなを脅かした手前
怖がってるようで決まりが悪い。一人暗い廊下を歩いていった。木目板の軋む音が吹雪の音と共に静かな廊下に響きわたった。
- 637 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 02:02 ID:???
-
「この辺、あやしいな……」
音源がどんどん近づいてくる。台所の方らしい。そのとき、何かが動いた。
智は、はっきりと見た。暗闇の中、影が通り過ぎていくのが。智は慌てて追おうとした。
しかし、何かに掴まれてたように、台所の戸口で立ち止まった。
なぜだか、そこがどうしようもなく気になってしかたがなかったのだ。
あるいは、智の無意識が危険を察知したのかも知れなった。
そのことが智の命を救った。
「一体、何が?」
例の、水の音がする。どうも蛇口をしっかり締めていないらしい。
懐中電灯の明かりを無造作にそっちへむける。そして、映し出した。
――そこにはちよがいた。首をワイヤーで絞められ、目玉を飛び出させて死んでいるちよが。
ちよの首は、あまりに強い力で絞められたのか、ほとんどちぎれかかっていた。
人間が、どうしたらこんな恐ろしい表情になれるのだろうか。ちよの顔は地獄の苦痛のただなかで固まっていた。
「あ……ぁ……」
智が、二歩、三歩後ずさりし、へたり込んだ。
「うわあああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
吹雪の中、けたたましい悲鳴が木霊した。
- 638 :暗い雪の底で :2003/12/07(日) 02:05 ID:???
- 訂正>>626
×「今日はとりあえず一泊して、スキーは明日からにしましょう」
○「今日はとりあえず一泊して、スキーは明日からにしよう」
- 639 :眠い名有り :2003/12/07(日) 10:09 ID:???
- >>624
睡眠中です。
>>638
続編ありますか?
- 640 :名無しさんちゃうねん :2003/12/07(日) 19:16 ID:???
- >>639
然り
- 641 :眠い名有り :2003/12/07(日) 21:47 ID:???
- 続編です!
- 642 :眠い名有り :2003/12/07(日) 21:48 ID:???
- 神楽「それで、お前達・・・他の人格が出てるときも意識があるのか。」
ちよ(大阪)「あるで〜〜。言ってること考えとること全てお見通しや〜〜〜」
よみ「でも、それじゃぁ自分の考えてることも全部丸見えなんだな。」
ちよ(智)「それよりも私と大阪の体をどっか運ぼう。」
ちよ(本物)「そうですね。じゃぁ・・・」
ちよ(三人)「おわぁぁぁ〜〜〜〜!」
ドテッ!
ちよ(三人?)がこける。
ちよ(智)「何だぁ〜〜〜〜!?体が思うように動かんぞ!」
ちよ(大阪)「痛いなぁ・・・・」
ちよ(本物)「三人の意思がまじるわけですから、動かないのは当たり前です。全員の呼吸が一致しないと・・・」
ちよ(智)「ちょっと、三人で話し合いするから。」
よみ「どうやって?」
ちよ(智)「心の中で。」
ちよの心の中
ちよ「それより、どうするんですか?このままじゃ不便で仕方ないですよ。」
大阪「私はこのままでいいで〜〜」
ちよ「私は嫌ですよ。」
智「別にこの方がいいかもな。慣れれば不便じゃなくなるかもね。」
ちよ「そんなぁ〜〜〜〜(泣)」
- 643 :眠い名有り :2003/12/07(日) 21:59 ID:???
- よみ「で、話し合いの結果どうなったんだ?」
ちよ(智)「このままでいる!!」
神楽「はっ?」
ちよ(智)「だって、宿題とかテストとかちよにやってもらえるし。なぁ、大阪。」
ちよ(大阪)「おお、そこまで考えとったんか〜〜〜。流石やなぁ。智ちゃん」
ちよ(本物)(・・・・(ぐすっ))
ちよ(智)「すぐ慣れるさ!ちよすけ。もともとこうしたのはお前だ。」
神楽「責任転換するなよ・・・」
よみ「じゃぁ、智、大阪。この体いらないな。じゃぁ、こーだーーーー!!」
よみが智の顔にラクガキをしていく。
神楽「楽しそうだな。じゃぁ私も!」
神楽は大阪の顔にラクガキを・・・
ちよ(智)「うわぁ〜〜〜お前ら!!!」
ちよ(大阪)「よしてなぁ〜〜〜」
ちよ(本物)「あ、ちゃんと息を合わせないと!!」
ドテッ
- 644 :眠い名有り :2003/12/07(日) 22:36 ID:???
- この作品・・・やっぱ友情物にしよう!
そんなに長くはしません。
ついでに
>>626
>智、暦、大阪、榊、神楽の四人
5人では?
- 645 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 05:03 ID:???
- >>644
そうだった。誤字指摘サンクス。
- 646 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 05:29 ID:???
-
「包丁、果物ナイフ、金属バッドにアイスピックか……まあ、ないよりはずっとマシだな」
武器が皆の手に行き渡る。
金属バッドなどの長柄は暦や智、大阪が持ち、包丁や果物ナイフなど扱いの危険なものは
運動神経のよい神楽と榊に手渡された。榊はちよちゃんが死んだショックからまだ立ち直れて
いないのもあり、もとより暴力を好まない性癖でもあって、最初は刃物を持つことを嫌がって
いたが、暦に強く説得されてしぶしぶ手に取った。
「これからは必ず二人一組で行動すること。何をするにも、絶対に一人になってはならない。トイレにも必ず二人一組でいく。夜寝るときは交代で不寝番をたてよう」
「よみちゃん、あたしら五人やから、一人あまるで」
「そのときは、三人組になるようにしよう」
「それで、とりあえずこれからどうする?」
「ジジイを探そう」
暦は皆を見渡した。
- 647 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 05:30 ID:???
- 失礼、誤爆>>646
- 648 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 05:43 ID:???
- >>625-638の続き
「だめだ! 通じない!!」
「こっちもだ」
よみが携帯を手に首を振った。
「ちよちゃん……ううっ、ちよ……ちゃん……」
隣の部屋で、榊がちよの傍らに腰をおろして泣いている。仰向けに横たわるちよの顔には
白い布がかけられていた。もう、彼女が起き上がることは二度と無い。
「――とにかく、管理人の爺さんを探そう! あいつ、どこいったんだろう」
「……いや、待て、神楽。少し慎重になったほうがいい」
「どういう意味だ?」
「つまり、怪しいんじゃないのか、あのジジイが」
「なに……?」
- 649 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 05:44 ID:???
-
暦はいわくありげな面持ちで口を開いた。
「あいつは昨日の晩から姿を見せていない。部屋に行ってももぬけの殻だった。
この雪では外に出ることさえ不可能なはずなのに、だ。ということは、まだ屋敷のどこかにいるはずなんだ」
「ああ、そういうことになるな」
「――では、あのジジイはどうして姿をみせないで、隠れるようなまねをするんだ?」
「あ……」
よみが、眼鏡を指で押し上げた。
「考えられるのは、あいつが犯人じゃないかということだ」
そのとき、大阪と智が戻ってきた。
「おーい、駄目だったで」
ふすまを開け、大阪が智と一緒に部屋に入ってくる。
- 650 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 05:45 ID:???
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「管理人室の電話は使えんようになっとった」
「使えないって……一体なぜ?」
「どうも電話線が切れとるみたいなんや。ツーツーいう音すらもせんで」
「なっ!?」
二人が声を漏らす。
「やっぱり、私も駄目だった」
智がいう。頭には雪の粉が載っていた。
「すごい吹雪だ。それに屋敷のまわりは完全に雪で埋もれていて、とても外に出られそうにはない」
首を左右に振る。
「たとえ出られたとしても、一番近い民家まで1キロはあるんだろ。それじゃ、とても助けを呼ぶなんて無理だ」
「そんな……じゃ、私たちは……」
「ああ」
暦が頷いた。
「私たちは、閉じ込められた」
- 651 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 05:47 ID:???
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その場が水を打ったように静まり返った。ますます激しくなっていく吹雪が窓ガラスを叩く。
「――とにかく、みんなで固まろう。バラバラになったらまずい!」
智がいつになく神妙な面持ちでいう。
「そうだ! そうしよう」
皆が頷く。
「あそこの部屋がいいだろう。それから、食料などもまとめて運んでおこう」
暦の指示で皆は荷物を手に手に一室に集まった。二十畳ほどある、
一番大きな部屋である。部屋の真ん中に寄り添うように布団を敷き、
まわりにファンヒーターと電気ポッドを置いてコンセントに繋ぐ。
持ってきていたカップめんとお菓子も周りに積み上げた。
「冷蔵庫のものはどうするよ?」
「慎重になった方がいいだろうな……。毒を盛られている可能性がある」
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