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スレッドが大きすぎます。残念ながらこれ以上は書き込めません。

【あずまんが】SS書きの控え室2

1 :紅茶菜月 ◆cwYYpqtk :2003/05/14(水) 23:25 ID:???
ストーリーの構成、キャラの造り方、言葉の使い方など、あずまんがのSSや
小ネタを作成する上で困ったことや、悩んでいること、工夫していること等を話し合う
スレです。また〜り楽しんでいただければ幸いです。
ここで新作をUPすることも可です。

★主な注意事項
1. sage進行でお願いします。
2. 対象範囲は「あずまんが大王」及び、新連載予定の「よつばと」とします。
3. 他人の作品を善意であっても批評しないでください。(自分の悪いところを
教えてくださいというのは可です。)
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します。

★前スレ【あずまんが】SS書きの控え室
http://www.patipati.com/test/read.cgi?bbs=oosaka&key=1041566182

301 :名無しさんちゃうねん :2003/08/30(土) 20:45 ID:???
おおっ、ご自身のコテ名の元ネタの怪獣を。
いよいよ最終話か?
なるほど、最後の敵は作者自身だったってオチでつか(w

302 :名無しさんちゃうねん :2003/08/31(日) 00:44 ID:???
ジャスティス新作、乙です。
外人キャラの名前、元ネタは何ですか?

303 :さかちー :2003/08/31(日) 01:48 ID:???
本人ではないけど、答えてしまいます。

>>301
最終回ではなさそうですよ。
そういえば、ケンドロスさんはどんな基準で怪獣を出しているのだろうか?

>>302
ラウンジの雑談スレでいろいろ話し合った結果です。
元ネタは(多分)ありません。

304 :ケンドロス :2003/09/02(火) 02:37 ID:???
>>301>>302
>>303の言う通りです。適当に決めた名前なので元ネタはありません。

>>303
基本的に各ウルトラシリーズで出てきた怪獣を最低1体は出そうという方針
で出してます。偏るのもありますが・・・思いつかない時はオリジナル怪獣です。

305 :ケンドロス :2003/09/03(水) 01:58 ID:???
舞台は再びアメリカに戻り、クリスティ家。
夕飯を終えたちよは日本で同い年の友達であるみるちーとゆかに手紙を書いていた。

「みるちーゆかちゃん、お元気ですか?私は元気です。
アメリカの生活と地球防衛の為の組織『HOLY』との両立は大変ですが、何とか
うまくやっています。HOLYには高校の時の友達も一緒で、命がけで大変な任務
ばっかりだけど、みんなと力を合わせて乗り越えてます。そこで新しい仲間の人達
とも出会いました。私の方は大丈夫だけど、二人はどうかな?
うまくいってる事を願います。それではこれで。 美浜ちよ 」
「手紙書いていたの?」
メルビィがコーヒーを手にしながら入ってきた。

「はい。日本にいる友達に。」
「そう。はいこれコーヒー。」
メルビィはコーヒーをちよのテーブルに置いた。

「あ、ありがとうございます。」
「それ終わったら寝なさいね。夜更かしはよくないわ。特に大学と地球防衛の
任務を両立させてるなら尚更ね。」
「は〜い、メルさん。」
見ると時計は10時を回ろうとしていた。ちよはメルビィに言われた通り眠る事にした。

その翌日、ケンドロスが再び出現し、街の破壊を始めた。

TEAM BLADE本部・・・
「怪獣が出現した。我々はただちにこれを叩き潰すのだ!我々こそが最強
という事をあの怪獣を倒す事で証明するのだ!なぁに、あんなデカブツ我々の
敵ではないさ。」
ウェルバーは声高らかに宣言する。他の隊員達はそれを聞いて高揚しているのか
何かを叫んでいる。ただ一人ヴィアス・スレンガーを除いて・・・

(本当に我々だけで怪獣が倒せるだろうか?)
ヴィアスには一抹の不安がよぎった。しかしそれを表情に出す事はせず出撃する。

306 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:02 ID:???
『BLADE』部隊は今回は空と陸から攻撃する事となった。地上は勿論戦車だ。
ウェルバーはヘリに乗り、後ろでふんぞり返っている。
そしてついに目標を捕捉した。

「見つけたぞ怪獣め!ここで貴様を叩き潰してくれる!全員、撃てぇ〜!!」
地上と空中から一斉射撃がケンドロス目掛けて行われる。しかし、ケンドロスは
まるで堪えていなかった。それどころか、ケンドロスが丸まって転がりこんできたのを
戦車部隊は避ける事も出来ず全滅してしまった。

「司令官!地上部隊は全滅です!!」
「聞こえているともヴィアス。情けない奴等め。こうなれば我々だけで奴を倒すのだ!」
「了解!!」
数十機ある戦闘機のパイロットが答える。しかし、今のでヴィアスの不安は
確実なものになった。

(駄目だ、我々だけでは勝てない。あの巨人の助けは絶対に必要だ。)

その頃ちよはHOLY隊員服に身を包んでメルビィの家を出る所だった。

「行くんだね、ちよ。」
メルビィが声をかける、振り向いてちよは頷く。

「はい。私はこの街が好きです。この街の人達も。だからこれ以上
あの怪獣に好きにはさせない!」
「必ず帰ってくるのよ。」
「約束します!」
ちよはそう言って家を飛び出していった。

しばらくしてこの家に、フェルムがやってきた。リック、フェリーも一緒だ。

「メルビィさん、あの子は?」
「行ったよ。戦いにね。」
「そうか、こうしちゃいられない。乗って下さい!」
フェルムはメルビィを後ろに乗せ、バイクを発進させる。メルビィも頷き乗る。
リック、フェリーも後に続く。

307 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:06 ID:???
その頃HOLY本部もケンドロスの出現を耳にし、モニターでBLADEとの闘いを見ていた。
しかし、ケンドロスの起こす突風とミサイルにより次々撃墜されてゆく。
それを見て智は一同の方に振り向く。

「みんな、隊長のちよすけが今アメリカに行っていてここにはいない。
よってここからは副隊長であるあたしが指揮を執る事にした〜」
それを聞いてキョトンとする一同。

「はぁ?何を言ってるんだ?」
「今から隊長を援護しにアメリカに行くぞ!!」
神楽の苦情を無視して智は宣言する。

「おいおいだから言ってるだろ。問題になるって。」
「あたしはいくで〜ちよちゃん一人にだけ負担はかけさせへん。」
「私もだ!」
「お、おい大阪、榊!」
神楽と暦は止めようとするが、二人の意思が固いのを感じ説得を諦めた。

「榊さんがんばってください!」
「こっちの事は私達に任せて!そっちは任せたよ副隊長!」
かおりんと千尋も応援の言葉を送る。

「ったくどうなっても知らないからな。」
「でも放ってはおけねぇよな、やっぱり。」
「よーし、じゃあHOLY出動!!」
「おー!!」
智の掛け声を合図に格納庫へと向かうメンバーだった。

舞台はアメリカに戻り、ウェルバー司令官は焦っていた。

「何故だ!?何故あんな怪獣如きに歯が立たんのだ!?」
数十機あった戦闘機もたった6機にまで激減していた。

「司令官!落ち着いて下さい!!」
「黙れ!ヴィアス!あんな奴如きに最強の軍である我々が負けてはならんのだ!!」
そこにケンドロスのブーメランが飛んでくる。4機は何とかかわしたが、残る二機は直撃して空中分解した。

「マイク!ブラウン!!」
ヴィアスが叫ぶ。

「こしゃくな真似を!!」
「司令官!後ろ〜〜〜〜!!」
「な、ば、バカなぁ。ぬわあああああああああ!!」
戻ってきたブーメランはウェルバー・ニールセンの乗るヘリに直撃して、爆発した!
残るは三機となった。

「ヴィアス隊長!撤退しましょう!!このままでは全滅です!」
「撤退してどうなる!?この街の人間を見捨てろと言うのか!?それは絶対に許されん事だ!」
だが、内心はヴィアスも部下の意見に賛成だった。このままでは全滅だ。

308 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:07 ID:???
その時、地上から光のワイヤーが放たれケンドロスの動きを封じた。
ヴィアス達が下を見ると、そこにはHOLY隊長の美浜ちよの姿があった。
ちよは独自に持っているレーザーワイヤーを発射する小型メカを装備していた。
動きを封じられもがくケンドロスだが、すぐにこれを引き裂いてしまう。

「もう一回!」
しかし、それでケンドロスは怒ったのかちよに狙いを定め始めた。

「いかん!」
ヴィアスが援護しようとしたところ、別の方向から弾が発射されてケンドロスを攻撃する。
そこに二機の戦闘機が現れた。この国の戦闘機ではない。

「何者だ!?」
「日本の特別地球防衛組織『HOLY』さ。」
答えたのは智だった。戦闘機はレッドファルコンとホワイトウイングだ。

「みんな・・・」
ちよは感激の表情をした。

「色々と問題があるのは分かってるけど、あたし等の隊長のピンチは
放っておけないから来ちゃったよ。」
その時、ヴィアスに通信が入った。

「ゼイヴィア長官!!」
相手はBLADE長官のゼイヴィア・グラムナードだった。少し初老がかった人物だ。

「ヴィアス・スレンガー。君達残存部隊はHOLYと協力して怪獣ケンドロスを撃滅せよ。
なお、以降の命令は実戦経験が遥かに多いHOLY美浜キャップのを最優先せよ!」
「了解!聞いての通りだ。美浜キャップ。我々に的確な指示を与えてくれ!
我々はそれに従う!」
「え?でも?」
「ちよすけ、遠慮すんな!あたし等にいつも通り指示出してる風にすれば
いいんだよ!いや美浜キャップ。」
「分かりました滝野リーダー。では指示を出します。ヴィアスさん率いる
BLADEはケンドロスの背後から攻撃してください!レッドファルコンは左から、
ホワイトウイングは右から攻撃して下さい!」
「了解!分離するぞ!とも、よみ準備はいいか?」
「こっちはいつでもOKだ。」

智、暦、神楽の乗るレッドファルコンは3機に分離してケンドロスを攻撃、
榊、歩の乗るホワイトウイングもそれに続く。そしてヴィアス率いるBLADE部隊
も後ろから攻撃した。『デルタフォーメション』である。

「歩・・・」
「分かってるて。今度は逃さへん。ジャスティース!」
ジャストランサーを掲げ、歩は再びウルトラマンジャスティスに変身した。
アメリカの大地に再び赤い巨人が降り立つ。

309 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:09 ID:???
「ウルトラマンジャスティス!!」
ヴィアスが叫ぶ。

「でやっ!」
ジャスティスは先制攻撃の手刀でケンドロスの腕の部分を破壊した。これで
ケンドロスはミサイルを発射する事が出来なくなった。
次にジャスティスはケンドロスのプロペラの部分を掴み破壊しようとする。
しかし、プロペラが高速回転を始め、ジャスティスの顔面を直撃した。
そのダメージで後ろに倒れるジャスティス。転がって攻撃しようとするケンドロス。

「ジャスティスを援護して下さい!ケンドロスの動きを止めます!」
「了解した!」
「OK!」
HOLY、BLADEの各面々がケンドロスに集中攻撃する。地上でも援軍の戦車部隊と
ちよの波状攻撃が開始される。さすがのケンドロスも動きを止めざると得なかった。
その間にジャスティスは体勢を立て直していた。

ケンドロスは頭のプロペラをブーメランに変型させ、飛ばしてきた。

「よーし、みんなあのブーメランを叩き落すぞ!」
智の声に従い、全員ブーメランに総攻撃し、次々と打ち落とす。ジャスティスも
手で叩き落したり、足で蹴落としたり、飛び蹴りで割ったりしてブーメランの猛攻を防ぐ。

その時、HOLYメンバーに本部から通信が入った。千尋とかおりんである。

「みんな聞いて!ケンドロスの弱点が分かったの!ケンドロスの弱点は頭にある剣輪草よ!
これを破壊されるとあいつはバランスを失うの!」
「榊さん、剣輪草を狙って下さい!」
「分かった!!」
「ありがとうございます千尋さん、かおりん。ジャスティス、
頭の剣輪草を狙って下さい!」
ちよの言葉にジャスティスは頷いた。

310 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:11 ID:???
「はぁぁぁぁぁ!!」
ジャスティスはスタンダードモードからクラッシャーモードにチェンジした。

「変わった。モードチェンジしたというのか。」
ヴィアスはただ驚くばかりだ。

「だぁ!」
ジャスティスは空中に浮かび上がり、そこから自分の体を高速回転させ、ケンドロスに
突っ込んでいった。自分の体をブーメランの様に回転させ突撃する
『クラッシャースパーク』と呼ばれる技だ。
これがケンドロスの剣輪草に直撃して剣輪草は粉々に吹き飛んだ。

これの影響かケンドロスの方向感覚は狂い滅茶苦茶に暴れだした。
が、ここでジャスティスの活動限界を示すカラータイマーも点滅を始めた。

「ぜぁっ!!」
ジャスティスはケンドロスにパンチとキックの連打を浴びせる。やぶれかぶれに
なったケンドロスは丸まって突進してくるも、ジャスティスはその上を前に倒れこむ
ように飛び越えてかわした。しかし、その先には何とちよがいた。

「ちよちゃん!」
「美浜キャップ!!」
だが、間一髪の所でちよを助けだした者がいた。メルビィ達であった。
メルビィはちよを抱え上げる。そしてフェルム達はバイクで猛スピードで横切っていった。
狙いが外れケンドロスはビルにぶつかり動きを止めた。

「メルさん!それにフェルムさん達も!!」
「間一髪だったね、ちよ!」
メルビィが微笑む。
「来て正解だったよ。」


「でやぁぁぁ!デュワッ!!」
ジャスティスは両手をレイのバスターレイのように突き出し光線を発射した。
両手で放つダグリューム光線である。直撃したケンドロスは大爆発を起こし、消し飛んだ。

311 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:12 ID:???
「よーし、やりぃ!」
「怪獣を倒したな〜」
智と神楽が快哉の声をあげる。

「ありがとう。君達のおかげで我々は怪獣を倒す事が出来た。」
「例ならあのリーダーのバカに言ってくれ。あいつがここに行こうって言い出
さなければみんな来なかったかもしれないからな。」
暦は智の方を指差し、ヴィアスに伝える。

歩もジャスティスから元の姿に戻り、榊の乗るホワイトウイングへ戻っていた。

「ふぅ〜疲れたで〜2回も戦うのはしんどいな〜」
「お疲れ・・・」
榊が労いの言葉をかける。

「私からもお礼を言わせてくれ。HOLYならびにウルトラマンには本当に感謝している。
美浜キャップ、あなたの的確な指示も見事だ。」
ゼイヴィア・グラムナード長官だった。

「い、いえそんな事ないですじょ。私はただ普段どおりにやっただけですじょ。」
「謙遜しなくていいよ。」
「かっこよかったぜ。やっぱすげぇよ。」
「俺もリックやフェリーと同じ気持ちさ。」
褒められますます赤くなるちよ。

「本当にすごいものね。ウルトラマンもそうだけど、ちよあなたもね。」
メルビィも少し興奮気味に話していた。そして気づけばこの街の人間が
BLADEとHOLYとジャスティスに歓声をあげていた。

戦い終わり、HOLYの面々はメルビィの家で一泊する事になった。
メルビィが是非ともと言ってきたのだ。
戦闘機は軍の許可を得て近くの格納庫に収容されている。
フェルム達とはちよは再会を誓いすぐに別れた。

312 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:15 ID:???
メルビィは全員にごちそうをした。その中で暦がメルビィの顔を見て何か
思い出して「あっ」と声をあげる。

「何だよよみ?壊れるにはまだ早いぞ。」
「違う!あ、あのメルビィ・クリスティさんですよね?いつも小説読んでます!
それでよろしければ、あ、あのサインもらえませんか?」
暦は『BRAVE STORY』という本を取り出した。この作品はメルビィが発表した
作品の中でも特にファンの間で人気が高いシリーズもののファンタジー小説だった。

「いいわよ。それにしても私も意外と有名になってものね。」
メルビィは快く承諾する。

「あ、ありがとうございます!!」
すっかり舞い上がる暦。

その翌日、メルビィを伴い観光しながら日本に残ったかおりんと千尋の為に
お土産を買う事になった。

「弥生ちゃん、かおりんのお土産何にするん〜?」
「ああそうか。かおりんの事だから榊のお土産じゃないと受け取ってくれないかもな。」
「え!?」
笑いながら歩と神楽は榊に言った。困惑する榊。

「じゃあ私は千尋さんの分を買いましょう。」
「ちよすけこんなんなんてどうだ?」
「何だ?そのグロいキーホルダーは!?嫌がらせにしかならないぞ!」
智にツッコミをいれる暦をメルビィは楽しそうに眺めていた。

さらにそれを遠くから眺めている者がいた。任務を離れて彼女達の様子を伺いにきた
ヴィアスとゼイヴィアだった。

「こうして見ると普通の女の子達ですね。」
「そうだな。しかしいざ戦闘となれば命がけで怪獣や侵略者と戦う事になる。」
「彼女達がこれまで生き残ってこれたのはその強い絆なんでしょうか?」
「さあな。私にはそこまで分からん。」

そしてちよを除くメンバーは日本へと帰国していった。翌日にはまたいつもの
通り大学に通うちよの姿があった。

「それじゃあ行ってきますメルさん。」
「いってらっしゃい、ちよ。」
メルビィに挨拶をしてちよは家を出た。

日本のある場所・・・
「みるちー、ちよちゃんから手紙届いたよ。ちよちゃん頑張ってるみたい。」
「あ、本当だ。写真がついてる。あのお姉さん達と一緒だね。私達も頑張らないとねゆか。」
「うん、そうだね。」
「ほんとすごいなぁちよちゃん。」
この後みるちーとゆかはちよに返事の手紙を書くのだった。 第16話 終わり

313 :ケンドロス :2003/09/03(水) 02:18 ID:???
最初は松岸やら関屋やらを出す予定だったけど、何かいつの間にか高校卒業後
のちよの話になってました。結局ちよ以外のメンバーは最後までほとんど
出番ありませんだした(汗

314 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/03(水) 02:21 ID:???
>>312
お疲れ様です。
遂にアメリカ進出ですな。これからはワールドワイドに活躍ですか?

315 :名無しさんちゃうねん :2003/09/03(水) 12:53 ID:???
乙。いっそアメリカ側にもひとりぐらいウルトラマンに変身するやつがいても
よかったかもです。

316 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/04(木) 23:59 ID:???
新作SSですよー、今回は2本立てですよー。まず一発目。

「The setting sun−夕暮れの散歩道−」

−1−
 今日は、とても天気がよかったものの、9月の残暑にしては少し涼しい天気だった。
 夕暮れどきの空からうっすらと赤い日差しが窓に差し込んでいる。窓から差し込まれた
光が部屋を少し赤く染め、窓の隙間からちよの顔を照らした。
 自分の部屋で本を読んでいたちよは、その日差しに反応するかのように、ふと顔を見上げた。
時計の針は5時半を少し過ぎていた。ちよは時計の針を見てハッとした。
 「あっ、忠吉さんを散歩に連れて行く時間だ」
 ちよは今の時間を確認すると、読んでいた本にしおりを挟んで閉じ、外出用のTシャツ
とハーフパンツに着替えた。

 毎日5時半頃に愛犬の忠吉さんを散歩に連れて行くのがちよの日課である。ちよは少し
急ぎ足で、外に飛び出した。
 外では忠吉さんがすでにいまや遅しと言った具合にちよを待ち構えている。そのせいか、
ちよの姿を見るなり、「わん」と一声鳴いた。

 「ごめんねー、忠吉さん。待たせちゃって」
 ちよはそう言うと、忠吉さんの首輪にロープをつなげた。
 「いくよー、忠吉さん」
 ちよはロープを片手に歩き始めた。忠吉さんもちよのペースに合わせるかのようにゆっ
くりと歩いている。ましてや、大型犬のグレートピレニーズだけに、その体から見る動き
はなおさらゆっくりに見える。

 ちよが忠吉さんと横並びになるように歩きながら、家の門を右に折れた。すると、そば
の電柱で一人の女性が待ち構えていた。淡いブルーのキャミソールとジーンズに身を固め、
長い髪をなびかせた長身の女性がそこにいた。榊である。
 「あっ、榊さん!」
 ちよはロープを持っていないほうの手で榊に向かって手を振った。榊はちよのほうを見
て小さく微笑んでいる。忠吉さんも榊に向かって「わん」と一声鳴いた。
 最近は榊も忠吉さんと一緒に散歩をする事が多く、この場所が待ち合わせの場となりつ
つある。
 こうして、ちよ、忠吉、榊の2人と1匹が横並びになって、夕暮れの道を歩き始めた。

317 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/05(金) 00:00 ID:???
−2−
 今日は近所の高台にある公園まで散歩をすることにした。この公園からは街の景色が一
望できるため、2人が一番気に入っている散歩の場所である。
 高台までの上り坂を歩きながら、ちよは榊に色々と話しかけた。今日の授業のこと、忠
吉さんの近況のこと、そんな他愛もないことなどを話していた。榊はそんなちよの話を静
かに見守るように聞いている。
 こうして、色々と話しているうちに高台の公園までたどり着いた。

 少し赤みを帯びた夕陽が2人の顔を照らしている。忠吉さんも白い毛が少し赤みを帯び
てきた。
 2人は近くのブランコに腰かけた。忠吉さんは首輪に付けられたロープが外されて、自由
がきく状態となったが、ただじっとブランコのそばに座って2人の様子を見ている。
 「忠吉さんはやっぱり暑いのがダメみたいですね」
 ちよがそう言いながら、ブランコをこぎ始めた。榊はそれを黙って聞いていた。
 ちよがこいでいたブランコは、最初はゆっくりとしたリズムを刻んでいたが、次第に勢
いがついてきた。すると、ちよはブランコに立ち上がり、立ちこぎを始めた。

 榊もちよの姿を見て、ゆっくりとブランコをこぎ始めた。
 「そういえば、こうしてブランコをこぐのって久しぶりだな…」
 榊はゆっくりと前後しながら、昔ブランコに乗っていた頃のことを思い出していた。
 「そう言えば、私もちよちゃんぐらいのときはよくブランコに乗ってたなぁ…。でも、
今じゃすっかり大きくなって、立ちこぎしたら頭をぶつけそうだな…。やっぱり、小さく
てかわいい方が良かったな…」
 榊はゆったりとしたリズムでブランコを揺らしながら、隣で勢いよくこいでいるちよを
優しく見守るように見つめていた。その目には少し淋しさが宿っている。

 その後、ちよは座ったままでブランコをこぎ、榊はブランコの横で忠吉さんの頭をなで
ながらそれを見つめていた。
 「そう言えば、最近ねここねこの新しいぬいぐるみが出たみたいですよー」
 ブランコをこぎながらちよが再び榊に話しかけた。榊もそれに二言、三言返した。
 しかし、少ししてちよが急に黙り込んだ。何かをじっと見つめたまま、黙り込んでいる
ようである。
 「…ちよちゃん?」
 榊が急に黙り込んだちよを見つめ、名前を呼びかけた。そのときだった。

318 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/05(金) 00:01 ID:???
−3−
 「あっ、夕陽がきれいですよ」
 ちよが夕陽の方向を見つめて言った。榊もそれにつられる様にして、夕陽の方向を見た。
忠吉さんも同じ方向を見ている。
 「あっ、きれい…」
 そこには夕陽に照らされて赤く染まっていく街並みが見えた。鮮やかに照り映える光を
浴びた街並みがとても輝いて見える。

 「きれいな景色ですね」
 ブランコの動きを止めたちよも、夕陽が映す街並みをただじっと見つめている。
 「わん」
 忠吉さんも一声鳴いた。
 「忠吉さん。忠吉さんもこの景色がきれいだって分かるんですか?」
 ちよがそう言うと、忠吉さんはまた「わん」と鳴いた。
 「ふふふ、忠吉さんにも分かるんですね」
 そういってちよは笑みを浮かべた。榊も忠吉さんにそっと笑みを向けている。

 「でも、本当にきれいですね。榊さん」
 「うん…。そうだね…」
 2人はまた夕焼けが移した街並みに目を向け、その景色を時を忘れるほどにじっと見つめ
ていた。
 その背後には夕陽が照らした2人と1匹の影がまっすぐ伸びていた。そのことさえ気付
かないまま。


続いて、二発目いきます。

319 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/05(金) 00:01 ID:???
「人の役に立ちたいねん」

 最近、私は人の役に立ちたいと思ってるんや。
 そこで、普段お世話になっている人に何か役に立つことをしようと思いついたんや。で、
私が一番お世話になっているのはちよちゃんや。勉強で分からないところなど教えてもら
ってるし、一緒に遊ぶことが多いし、普段お世話になっている分を何らかの形でお返しし
ようと思ってるんや。
 せやけど、私がちよちゃんにできることって何があんのかよく分からへんねん。で、どう
したらええかなって思ってたら、あることで疑問に思ったんや。

 ちよちゃんって一応高校生やけど、本当はまだ小学生や。そんな小さい高校生がおった
ら、誘拐されるんやないかと思ったんや。お金持ちやしな。
 せやから、もしちよちゃんが誘拐されそうになったときに、私がちよちゃんを助けたろ
うと思ったんや。それが、普段お世話になっているちよちゃんへの恩返しになれるかもし
れへんと思うし。
 あっ、でも、ちよちゃんっていつ誘拐されるんやろうか?それ以前にそんなことがある
んか?ちょっと確かめる必要がありそうやな。

 そこで、私はそれとなく聞いてみようと思い、休み時間にちよちゃんに尋ねてみること
にしたんや。
 「ちよちゃんてやー、誘拐されへんのー?」
 私がそう尋ねた瞬間、ちよちゃんと近くにいたよみちゃん、榊ちゃんが言葉を失って私
の顔を見た。そんなに変なこと聞いたかー?

 「私は誘拐されるんですか?」
 ちよちゃんがダラ汗をかいて、少し引きつった不安げな顔で質問してきた。
 「されるかもしれしれん」
 一応それを前提に入れて話をしているんや。ここで「ない」と言ったらこの質問の意味
がなくなってしまうやん。

 「そうなの?」
 ちよちゃんはまだダラ汗をかいたままや。そんなに不安な顔をせんでもええよ。もしその
ときが来たら私が守ったるから。
 よみちゃんが、「何を言い出すかな、こいつは…」と言った表情でこっちを見ていた。なんや、
よみちゃんも疑ってるんか。ちょっと説明せなあかんな。

320 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/05(金) 00:02 ID:???
 私はよみちゃんの目の前に立って、事の次第を説明した。
 「だって家お金持ちやし、ちっこいし、狙われやすそうやと思わへんか?」
 「まぁ…、そうだな」
 よみちゃんもまだダラ汗をかいたままや。なんやみんなしてダラ汗かいて。私は思った
ことを言ってるだけやで。

 そう思いながら、次に私はちよちゃんのおさげを両手でつかんだ。
 「それに捕まえやすいし」
 私におさげを捕まれたちよちゃんは小刻みに震えながらその場から動けなくなってしま
った。ほら、大変やん。ちよちゃんは罠にかかった鳥みたいなもんや。こんなんやったら、
すぐにでも誘拐されるで。

 「で、でもいざとなったら忠吉さんが守ってくれるんです」
 私が両手を離したことでようやく自由がきくようになったちよちゃんが反論した。榊ち
ゃんもちよちゃんの意見に賛同しているみたいや。
 そうか、忠吉さんがおったか。でも、いくら忠吉さんが大きいからって言っても、フランス人
やで。言葉が分からないやないか!そんなんで意思の疎通ができるんか?
 ってより、忠吉さんが出てきたら、私の出番がないやん。忠吉さんには悪いけど、こうさして
もらうわ!

 「バーン!忠吉さんは撃たれました」
 「えーっ!!」
 私がそう言うと、ちよちゃんが声を大にして驚きの声をあげた。その後ろでは榊ちゃん
も驚いている様子やった。

 「じゃあ私はどうすれば…」
 そう尋ねるちよちゃんの目は涙目になってきた。ちょっとかわいそうな事をしている気
になってきたわ。でも、これもちよちゃんのためなんや。私がちよちゃんに恩返しをする
ためなんやで〜。
 「ほら、ドラマみたいにその天才的な頭脳をいかしてー。無駄な抵抗をしてー…」
 あかん、これではちよちゃんが助かってしまう。私が助けると言う設定から遠ざかって
しまうやないか。ここは私がいないとどうすることもできないようにせんとあかん。
 「…殺される」
 これで大丈夫や。で、私が助けるなら大丈夫という設定の完成や。我ながら完璧や。

321 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/05(金) 00:02 ID:???
 「え――――っ!!」
 ちよちゃんがさっきより声を大にして叫んだ。ちょっと刺激が大きかったか?

 「大丈夫。いざとなったらちよちゃんのお父さんがきっととんできてくれる」
 榊ちゃんがちよちゃんにフォローを入れよった。そうか、お父さんがおったか。ちよち
ゃんには悪いけど、お父さんも邪魔やな。ちょっと撃たせてもらおうか。

 「バーン!」
 「ああ!!おとうさんも!?」
 ちよちゃんがうろたえた表情を見せた。ちょっと撃ちすぎか?でも、これも私がちよち
ゃんを助けるための設定のためや。せや、これで私が満を持してちよちゃんを助けるとい
う設定ができあがるんや。大丈夫やで、ちゃんと私が助けたるから。
 しかし、その直後や。さっきから黙っていた榊ちゃんが、
 「大丈夫。はね返した」
と、こぶしを握って力説しおった。

 「うそっ」
 こればっかりは、ちよちゃんだけでなく私もびっくりや。まさか、弾丸を跳ね返すよう
な体を持っとるんか?マトリックスみたいなお父さんやな。
 あかん、こんな完璧なお父さんがおったら、私の出る幕はない。仕方がない、ちよちゃ
んのお父さんが最強なら私がいなくても誘拐される心配はないやん。
 あっ、でも、ちよちゃんが学校におるときはお父さんは出てこないから、そのときは私
が守ったる。ちよちゃんのために私はお役に立つで〜。
 
 あかん、どうやって助けたらいいかまだ考えてなかった…。まずそれを考えないと。
(終わり)

322 :名無しさんちゃうねん :2003/09/05(金) 00:54 ID:???
メジロマヤーさん、新作二本立ておつかれ〜。
ちと、感想をば。

「The setting sun−夕暮れの散歩道−」
うーん、起承転結でいえば、起と承だけで終わってるみたいな。
あと、気になったのは

>今日は、とても天気がよかったものの、9月の残暑にしては少し涼しい天気だった。

の「天気」とか

>しかし、少ししてちよが急に黙り込んだ。何かをじっと見つめたまま、黙り込んでいる
>ようである。
>「…ちよちゃん?」
>榊が急に黙り込んだちよを見つめ、名前を呼びかけた。そのときだった。

の「黙り込ん」とか、同じ言葉を短い間隔で繰り返し使いすぎると思われる点でつ。

「人の役に立ちたいねん」
こっちはとても面白かったです。原作のあのネタに、こんな裏があったとは!
いかにも大阪らしい暴走振り。
こちらにも多少は『同じ言葉を短い間隔で繰り返し』がありますが、気にならないほど
話の展開が面白かった…♪

妄言多謝。

323 :ケンドロス :2003/09/05(金) 01:28 ID:???
>>314
う〜んどうでしょう?今回はたまたまちよがメインだけだったからとも言えますし・・・

>>315
まぁアメリカの人は初めてジャスティスを見たという事になってるんで・・・

324 :ケンドロス :2003/09/05(金) 01:33 ID:???
>>321
二本立てお疲れさまです。
何か最初の奴はアニメ6話を彷彿とさせる展開ですね。
二本目は笑いました。まさか歩さんそこまで考えていたなんて。
彼女らしいです。

次あたりジャスティスでギャグ書いてみようかなぁ。

325 :さかちー :2003/09/05(金) 12:42 ID:???
2本のSSご苦労様です。

一本目
情景がきれいですね。自分へのコンプレックスからブランコに乗らない
榊さんの心境を表現したのが好きです。
しかし、せっかくそういう話にしたのなら、アニメ版「ちよちゃんの一日」で天才ゆえの
孤独を感じていたちよちゃんを榊さんが優しく縄跳びに誘うように、
自分が「かわいくない」ことに淋しさを感じている榊さんをちよちゃんが
ブランコに誘うという展開にして欲しかったところです。
……偉そうにすいません。

二本目
思いっきり笑いました。「実はこんなことを考えていた」という設定が大阪一人称ものの
面白さですね。いつのまにか目的をおざなりにして手段の方に夢中になっている大阪の
思考の展開のしかたが巧いと思いました。

326 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2003/09/05(金) 22:12 ID:???
メジロマヤーさんへ

 SSのアップお疲れ様です。
 今回は、純粋な書評をしたいと思うので、お気に触ることも
あるかと思いますが、ご容赦願います。

 1作目、「The setting sun−夕暮れの散歩道−」 ですが、
「この作品で、何を伝えたいのか」という点が曖昧だったと
思います。
 そのため、読んでいても、文章が頭の中に入ってこなかった、
つまり、非常に読みにくいものになってしまった感じがします。

 2作目、「人の役に立ちたいねん」 については、
1作目とは逆に、非常に分かりやすくて、かつ面白かったです。
大阪の一人称で書かれていますが、彼女らしさが十分に
表れていたと思います。

 2作目に限って、細かい点を指摘いたします。
 まず、各所で「ダラ汗」という単語を使っていますが、この
言葉では、大阪に対する、呆れたような、一種の地球外生物を
みるかのような、複雑で微妙な反応を表す「ことば」としては、
不十分な感じを受けました。

 次に、同じ言葉の多用について記載します。
 これは私自身も、気をつけているのにも拘らず、よくやってしまいます。
 ただ、今回の2作目のように、文章に勢いがあるSSでは、さほど
違和感を感じませんでした。

 最後に、ご参考までに。
 私は、一人称の多用も避けるようにしております。
 その為に、胸のおおきなひと、ショートカットの娘、茶色のふたつの
お下げ、いくら食べても太らない女等と、本人が特定できる、あるいは
推定できるような表現を用いています。

327 :名無しさんちゃうねん :2003/09/08(月) 22:26 ID:???
>あなたの文章真面目に酷評しますPart11
>http://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1061621866/770

こんなトコにまであずネタ書く猛者が! このスレのどなたかでつか?

328 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/09(火) 00:28 ID:???
>>327
私ではありません。
そもそも、「」は改行して一字開けするし、三点リーダーは1個しか使わないし…。
この辺り、直していくか…。

329 :ケンドロス :2003/09/09(火) 01:51 ID:???
>>327
そんなとこに書いたらズダボロにされるのは目に見えてます。
叩かれまくって終わりですね。

330 :◆5xcwYYpqtk :2003/09/09(火) 06:29 ID:???
>>327
犯人は私!

思いっきりスレ違いだったみたいですが…… まあいいや。
いろいろと違った場所で刺激を受けるのもいいかと思って。

(一度、オリジナルも書かへんとあかへんのやろな…… )

331 :名無しさんちゃうねん :2003/09/09(火) 22:12 ID:???
>>330
なんと、貴方でしたか! 
二次創作掲載OKのレスがついたから書いたのに、あの扱いはないですよね。
えらく荒れた直後だったし、タイミングが悪かったのかもしれません。
このスレにはAA張りたくないので、セリフだけでフォロー♪

智「…気にするな」

332 :なも ◆zQyv8380ig :2003/09/09(火) 22:40 ID:???
該当レスみたけど…
2次創作の是非が論点になって,
肝心の批評になってないw

333 :名無しさんちゃうねん :2003/09/10(水) 01:23 ID:???
それどころか、他人の作品をコピペした荒しだと思い込まれてしまってるし・・・・・・(^_^;)

334 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2003/09/10(水) 06:26 ID:???
>>331-333
 読んでくれた方がおられただけ、良かったと思います。
(まさか、創作・文芸板と、大阪板を掛け持ちで、見られている人が
いるとは思いもよりませんでした)

 それとは別に……
 正しい言葉の使い方や、プロット(物語の構想・構成)の作り方等、
SSに関する技術的な問題について、きちんと話し合える機能を
ここのスレで持ちたいと思います。
 皆さんのご意見及び、新規ご投稿をお待ちしています。

335 :名無しさんちゃうねん :2003/09/10(水) 22:06 ID:???
↑ それは素敵な提案だ。上記の「酷評」スレッドですら実現できなかったことを、この板で
ここの皆の力でやれたら……ライフ イズ ワンダフルだ! 
 がんがろー♪

336 :名無しさんちゃうねん :2003/09/10(水) 22:36 ID:???
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/8527/index.html

ここの「小説作法」とかはぜひ読みましょう。

337 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2003/09/12(金) 23:14 ID:???
>>336
「小説作法」を読んでみました。
 表記の方法や、推敲の仕方等、小説をつくる上で必要な事柄が、丁寧に
記載されていると思います。
 それを踏まえた上で、自分はどのようにして文章を組み立てているのかを
書きたいと思います。

(私の場合は、基本的に連載という形でスレにUPしています)

 まず、今回掲載する部分のあらすじを考えて、キーボードを叩きます。
 ここでは、不自然な箇所があってもあまり気にせずに、ラストまでを
書き上げてしまいます。

 原型ができた後で、必要な部分を加え、過剰な記述を削除します。
 不自然な場所を修正すると、周辺の文もそれにあわせて直さなくては
いけません。その都度、読み直して確認します。
 分からない言葉は、必ず辞書を引きます。特にうろ覚えの部分は
要注意です。(時には、小学生でも知っているような言葉についても
調べます。すごく情けない気分になりますが…… )

 この時点では、まだまだ荒削りな状態ですが、敢えて時間を置きます。
 数時間、ないし1日経過し、冷静さが戻ってから、見直しを行います。
 ここでは、文章を声に出してゆっくりと読み、情感をこめることが
できるか否かをチェックします。
(読んで面白くない、またはエッチでないと思った時は、大修正を要したり、
最悪の場合は、廃棄という事態になってしまいます)

 これを3〜4回くらい繰り返し、不自然な所を消していきます。
 そして最後に、声に出さずに、1文字ずつを丁寧に読みます。
 ここでは、誤字、脱字がないことのみを確認します。
 それを終えたら、スレの投稿場所にコピーを行い、「えいやっ」と
書き込みのボタンを押します。
 1回の掲載に要する時間は、3〜6時間程度ですが、推敲に要する
時間は、そのうちの3分の2以上を占めています。

 以上のような形で文章を修正していますが、プリントアウトは
していません。
 みなさんはどのように推敲を行っていますか?

338 :楊痣 ◆5KxPTaKino :2003/09/13(土) 01:31 ID:???
>>327
゚д゚)……
強いスレッドだな……

339 :さかちー :2003/09/13(土) 14:48 ID:???
>>337
やっぱり『時間を置く事』と『何度も読み返すこと』は徹底します。
最低一晩は時間をあけないと冷静さを取り戻せないので。
読み返すときは、句読点の使い方や同じ言葉を繰り返していないかなどに
気を使います。(それでも完成品を見るとかなりやらかしちゃってます)

俺の場合、話を進めている途中にも今までに書いた部分が気になって
修正することが多々あります。気付いたら忘れないうちにやってしまおうということです。
(しかし、実際そんなに気になるのなら、後で読んでもわかると思います。
 集中力の持続という意味でもおすすめできる方法ではありません。)
もちろんこれによって不自然な箇所が生じたら、関連した箇所もまとめて修正します。

推敲の過程で何度も読み返すことになるわけですが、
投稿前にも完成品の状態を必ず全体を通して読みます。

投稿で一番苦労するのはレスの分け方です。
場面が変わったらレスも変わるようにしてますが、一つのシーンが長すぎたり
短すぎたりするとアンバランスに見えてしまいます。
かといって削りすぎたり無駄な文章を追加するわけにもいかないので、
結局はそのままにしています。
みなさんは、1レスあたりの文量や行数に気を使っていますか?
ここと2ちゃんではその制限も異なるようですが。

340 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2003/09/14(日) 02:41 ID:???
>>337
大まかなストーリー構成を最初に作って、あとは打ち込みながら微調整をする感じです。
即日UPはしないですね。一晩置いてから見直したほうが、書いてすぐ見直しして書くよりも
ミスに気付きやすいですし(それでも、ミスタイプが多かったりする…)。

辞書はパソコン内に付属されているのでそれを使っています。最近、自分の語彙の少なさに
気付き、辞書を使ってもっと語彙を広げようと思っています。

長さはワードでの1ページ分(36×40)で書いています。今まで書いて来たのを振り返ると、
このくらいの長さがちょうどいいように感じたので。

ただ、まだまだ自分の文章が拙いと感じており(特に改めて見直して気付く)、まだまだ課題は多いです。

341 :某スレ320(1/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:37 ID:UFiutuao
平生から、決して口には出すまいと心にかたく決めていることは、
たとえ酒を飲んだとしても、しゃべることはないのである。
秘密を聞き出そうとして相手に酒を勧めるのは、むしろ下策であって、
酔っぱらいは、ときに蛮勇を奮うけれども、じつは大変に臆病で、
へべれけになればなるほど、わが身の大事なことには口をつぐむ。
機転や明敏と共に、秘密を語る勇気も、失われてしまうようである。

差し向かいで酌み交わせば、胸襟を開きあって語らうことが出来るなど、思ってはならない。
お互いに、言いたくて仕方がないことを、言っているだけだ。
酒は、つまらないことばかりしゃべらせるのである。
すなわち、つまらないことをしゃべりたいとき、酒を飲むのである。

342 :某スレ320(2/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:38 ID:???
居酒屋に、二人の若い女がいる。周囲の男たちとは異なる気配である。
女たちは私服であった。一人は、赤い模様のついたセーターを着て、パーマのかかった髪を腰まで伸ばしている。
もう一人は、大きな衿のついた青いジャケットを羽織り、黒く光る髪を隙なく撫でつけてある。
ジョッキやお猪口を持つ手は、ともに白い。すでに二時間飲み継いでいる。
二人は同じ高校で教鞭を執る間柄であったから、よく連んでこの店に来るのだった。

赤い服の女は、だらしなく背中を曲げ、テーブルに頬をつけている。一本残った焼き鳥の皿が、その目の前にある。
テーブルの上に、タバコの煙がのっそり流れてくる。じゅうじゅう焼ける肉の匂いがする。
赤い服の女が、うー、とうなった。「ちょっと、ちゃんとしなさいよ」青い服の女が、軽くとがめる。
この女は、みなもという名前だが、あだ名を「にゃも」といった。それが隣の席の若い男に聞かれるのを、
今まで気にしていたのである。独り身であった。「ほら、ゆかりってば」赤い服の女の名である。やはり独身だった。

343 :某スレ320(3/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:39 ID:???
「うっさいわねー、なに隣の男に色目使ってるのよ」
「な、何言ってるのよ」思わぬ意地の悪い反論に、みなもは少しうろたえた。
その席の客たちが席を立ちはじめた。みなもは横目で見送った。それを、ゆかりが見とがめた。
「やめとけ、みっともない。あんな歳の男からすれば、あんたなんかオバサンなのよ。こっち見るわけないじゃない」
「同い年のくせによく言うわ」
「あー、やっぱり気にしてたんだ。ちょっとばかし見た目がいいヤツがいるとすぐこれだ。だからあんたは甘いのよ」
「あ、甘いってどういうことよ」
「んっふっふ〜」
ゆかりは、体を起こし、頬杖をついた。顔が上気し、眼はトロンとしている。
「……ねー、にゃも」
大変お待たせいたしました、熱燗でございます。やってきたアルバイトの娘が事務的に言い、
徳利を三本置いて、空いた皿を片づけた。素早い動作だった。

344 :某スレ320(4/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:40 ID:???
娘が去ったあと、二人はしばらく無言であった。
「何の話だっけ」ゆかりが口を開いた。
「……男、かな」
「そうだっけか。あ、そーいえば、アイツの話、聞いた?」
「アイツ? ……ああ。ヤツのことね」

みなもは苦笑を浮かべた。「聞いたよ。アイツがねぇ。顔が油っぽくて、ニキビのあとがいっぱいあって、
髪の毛はぼさぼさで、黒縁メガネ掛けたオタクっぽいアイツが、よく捕まえられたもんよね」
一気にまくし立てた。タガが外れた風であった。「いったいどうやったのかしらね。無理矢理いったのかしら」
「相手がかわいそうだわ。大学時代は応援団に入ってたって。学生運動にも参加してたって話もある」
「ホントなの? だっさい。私が相手だったらそれ聞いた瞬間に別れるね。
時代錯誤も甚だしいわ」これでも、普段は優しい先生なのである。

345 :某スレ320(5/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:41 ID:???
「それに太りすぎ。汗くさい。悪いけど、外見にも経歴にも、褒めるところが見つからないわね。
ねえゆかり、ヤツの内面についてはどう思う?」みなもは、いやらしい問いかけだと思いつつ、口にした。
批判が出るに決まっていた。

「もう、全ッ然ダメね。ガキなのよ。甘えすぎ、わがままね。それをあまり見せないようにしてるのがまた、
小賢しいわ。頭はちょっといいけど、なんつーの、唯我独尊? 人の恩義は三日で忘れるネコみたい。
偉そうにしてるヤツ、私大嫌いなのよね。知ってる? アイツの勤めてる学校で、
一応優秀な教師で通ってるそうなんだけど、生徒が質問に来ても、
もったいぶってなかなか教えようとしないらしいのよ。
どうしても、とか、そこをなんとか、とか言うと、その言葉を待ってましたって感じで、
嬉々として説明しはじめるって言うじゃない。分かんない問題のとき、無理矢理ごまかそうとするし」

346 :某スレ320(6/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:42 ID:???
ゆかりは残りの酒を一息にあおり、手酌でお猪口に注ぎ足した。二人とも、薄っぺらな批評だと分かっていた。
けれどもそれで、満足した。その満足がつまらないものだとも、分かっていた。
有線放送では、軽いポップスが流れていた。
みなもも、酒を自分で酒を注いだ。飲み過ぎだと思った。暑かった。
「……ずいぶんな言われ様ね。ちょっと頼られたら嬉しかったり、分からないとこはごまかしちゃったりって、
誰にでもあるじゃない」
「ほー、にゃもはごまかしたりするのね」
みなもは、頬を膨らまし、ゆかりをこづく仕草をする。ゆかりは、へへーと笑う。

347 :某スレ320(7/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:43 ID:???
「でも、ほら、アイツって、ちょっと素直なとこ、あったじゃない? 嬉しいことがあると、掛け値なしに喜んだりしてさ」
しゃべりながら、みなもは、ちょっとじゃないような気がしているのである。
「ま、優しいヤツではあったわね。少なくともこんな悪口は言ったりしないわ」ゆかりは、口の端をゆがめて笑った。
「肩を持つのね」「あんたこそね」
二人は再び沈黙した。みなもの酔った眼が、赤く潤んでいた。
「……私たちって、結局」
みなもは、視線をテーブルの汚れにそらした。ゆかりは、空いた徳利を手でもてあそんでいた。
「私たち、結局、アイツと、仲は良かったよね」
みなもは言った。ゆかりは目を閉じてうなずいた。

348 :某スレ320(8/8) ◆./rIHj.W0M :2003/09/15(月) 00:43 ID:???
ふと、みなもは、気掛かりな影を発見した。
「ねえ、ゆかり、見える? あれ、ひょっとして」みなもはその影を、こっそり指差した。
酔ったゆえの見間違いではなかった。それは、薄暗い店の奥まった場所にあるテーブルに腰掛けていた。
清潔なワイシャツに身を包んだ、大らかそうな男の背中が見えた。談笑しているようであった。
その男と対座しているのは、証明に照らされて油っぽく顔が光り、ニキビあとが陰を作り、
ぼさぼさした髪を束ねて横から垂らし、黒縁メガネを掛けた、太った汗かきの、女であった。
手前の男は、女の婚約者に違いなかった。二人とも、声を上げて、平和に笑っていた。
「アイツ、幸せそうね」
「あー、もう! 何であんなヤツが私より先に男ひっつかまえられんのよ! 今度あの男に、洗いざらいしゃべってやろうかしら」
二人は、元同級生が結婚することを、軽くねたんでいたようだ。女子校出身なのである。
ゆかりはレシートを握りしめ、席を立った。くるりと振り返り、レシートをみなもに投げつけた。みなもは、ただ、苦笑した。

――――――――――

「ところで、ゆかり、あのとき、なんて言おうとしてたの?」
「えー? おぼえてなーい」
「何よごまかして。何なの? ……まさか」
「詮索すんな! そういうのはあんたの方が専門じゃない」
「わ、私は、べ、べつに、そういうのは……」
大事な話は出なかった。

349 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2003/09/15(月) 23:13 ID:???
>>348
 お疲れ様です。
「あっ、」といわされました。

 大人の雰囲気がある、しっとりとしたSSですね。
 自分達より先に、男性と結ばれた旧友に対する、嫉妬交じりの
悪口が、穏やかな好意へと変わっていく様子が、ごく自然に語られて
いるように感じました。
 また、酒を飲む人に対する少し皮肉な見方も、物語に個性を与え、
かつ、話全体を引き締まったものにした、と思います。

350 :名無しさんちゃうねん :2003/09/16(火) 00:44 ID:???
>>348

乙です。楽しく読ませていただきました。
二人の会話は、いかにもあの年齢の未婚女性がしそうな内容でリアリティがありました。
巧いな〜♪

ちと気になった点は、

>「相手がかわいそうだわ。大学時代は応援団に入ってたって。学生運動にも参加してたって話もある

この台詞は女友達の素性に関するコメントですよね? 女で応援団? チアリーダーって
ことですか? 私はこの台詞呼んだ時点では、二人は『男友達』について語っているのかと
思ってしまいました。あえてミスリードを狙ったのかな?

あと、酔っ払った二人が主役のせいか、『視点』もかなりふらつき気味で、読んでるこちらも
酔いが回ってしまいそうでつ。
いや、もしかしたら、あえて高度な手法を使用して書かれた作品なのかも。でしたら、ごめ
んなさい。

では。

351 :ケンドロス :2003/09/16(火) 00:49 ID:???
>>348
お疲れさまです。
>>350さんと同じく最初は男友達の事を語ってると思ってたので急に女友達
の話になったみたいで気になりました。

しかしそれ以外は何だか大人は話だなと思いました。
大事な話が何だったか気になる。

352 :かおりん主役SS「名称未設定」1/5 ◆zQyv8380ig :2003/09/16(火) 00:49 ID:???
ACT7:「この思い…忘れたくない,絶対に…」

 暖かい太陽の光が差しこみ、春の陽気に満ち溢れていた一昨日とはうって変わり、
今朝から「寒の戻り」を意識させる凍てついた空気が地を覆い、
その空気を切り裂く勢いを持つカミソリのような冷たい風が街を駆け抜ける。

 天まで吹き抜けるような澄み切った紺碧の空には神々しいまでに白い、もとい銀色の雲が、
群れを成して、戦に急ぐ兵(つわのも)の群れが巻き上げる捲土のように、南の方へと走ってゆく。

 行き交う人々も、どうやらこの冬最期のコート姿に見を包んでいる。
感じられる温度も肌寒いを通り過ぎて刺さんばかりの寒さだ、
誰もが前かがみになりながら襟首に頬をうずめ、急ぐように街を行き交う。

 駅のコンコースを行き交う人々の中から、かおりんは千尋と共に、
待ち合わせている友達を探している。待ち合わせの約束の時間は午前11時、
だけど二人は早めに駅に到着して友達を待っている。

 「ちょっと早過ぎちゃったかな?」
 「どうだろ?智と大阪が遅れるのはいつもの事だから…」

 不安というより、もてあました暇を紛らわすために案ずるかおりんは、
横で一緒に待つ千尋にそれとなく話題を振り出した。
ざっくりとしたフォルムに鈍く黒光りするナイロン地の、
丈の長いベンチコートに身を包んだ千尋はいかにも暖かそうだ。

 「よみ…ちゃんと智を起こしたかなぁ…マヤーもこの寒さ大丈夫かなぁ…。」

 それとなく呟いた自分の言葉にかおりんはハッとした。冬も押し迫った11月に榊さんを頼って、
一人本土へと渡ってきたマヤーでも、やはり沖縄生まれのイリオモテヤマネコだから、
この寒さはこたえるはず。体調を崩してカゼでもひいたのだろうか、そんな不安が頭をよぎる。

353 :かおりん主役SS「名称未設定」2/5 ◆zQyv8380ig :2003/09/16(火) 00:50 ID:???
 「でも…ちよちゃんに榊さんだから大丈夫だよ…。」
 「そうだよね…。」

 確固たる根拠があるわけではないけれど、ちよちゃんと榊さんの二人に対する信頼で、
浮かび上がった心配を打ち消そうとする。今出来る事は…彼女達にとってはそれが精一杯なのかもしれない。

 考えている間に案じている間に、顔はうつむき、行き交う人の顔を探していた視線は下がり、
コートや足元へと視線は移っていた。もうそろそろだろう…。
再び顔を上げた瞬間、人ごみの中でも目立つ小高い一つのシルエットが目に飛び込んできた。
黒錆色の、暖かいウール地で織られたトレンチコートが似合う長身の女性、榊さんだ…。

 むこうもこっちを見つけたようだ、いつもの榊さんの、
無表情ともいえるクールなポーカーフェイスが崩れ笑みがこぼれる。
そして榊さんを、お約束とも言える5人が取り巻いている。

 茶色と白色の襟飾りのついた無骨なインディゴカラーのフィールドコートの神楽、
ちょっと大きめのサイズ、消防士をイメージさせる重厚な鉄色のジャケットの智、
大人っぽく長めの丈でダークブラウンのピーコートのよみ、
そして大阪とちよちゃんはおそろいの真っ白なウール地のダッフルコートを仲良く着込んでいる。

 「かおりん、千尋〜!!」

 両手を挙げてかおりんへと駆け寄る智、智を追っかけて神楽が続き、
さらにちよちゃんの手をひいて大阪が駆け寄る。荷物を持つ榊さんと彼女を手伝う落ち着き払ったよみは、
歩くテンポを速めてこっちへと来る。

 駆け寄ってかおりんの手を笑顔で取る智、釣られてかおりんも千尋も笑顔がこぼれる。

354 :かおりん主役SS「名称未設定」3/5 ◆zQyv8380ig :2003/09/16(火) 00:51 ID:???
 「かおりん…ホントにげんきになったな〜。」
 「大阪、本当に心配させてゴメンね…。それに…ありがとうね…。」

 屈託の無い、「天然」という言葉が似合う大阪の微笑みにつられてかおりんの表情からも笑みがこぼれる。

 「大阪から電話があったときは本当にビックリしたよ〜。涙声で大阪の声が全然解からなかったもん。」

 智の言葉に反応し、大阪がちょっと照れて顔を赤らめる。自分の為に涙を流してくれた友達がいた、
自分を心から心配してくれていた友達がいた。その友達が今自分の目の前にいる。
「ありがとう」という言葉では表しきれない友達への感謝の気持ち。
かおりんはその気持ちを伝える方法は見当もつかない。だけどかおりんの、
無意識のうちの出る笑顔が、その感謝の気持ちの大きさをなによりも雄弁に語っている。

 「かおりん…元気そうだね…。」

 頭の上からかかる榊さんの声に少しかおりんは緊張する。

 「榊さん、マヤーは?」
 「ちよちゃん家から出るときに、湯たんぽと毛布をケージに入れて置いたんだ。
 マヤーも暖かそうだし、大丈夫。」

 腰をおろして榊さんの足元にある緑色のプラスチックのケージを覗き込む。
少し暗いケージの中では暖かそうな、ギンガムチェックの赤い毛布の中でスヤスヤとマヤーが寝ている。
カゼを心配していたかおりんの不安はその姿に払拭された。
よみが近寄ってきて二人に声をかける。

 「かおりん、榊、私らは入場券買ってくるよ。」

 榊とかおりんと千尋を残して、面々はよみを先頭に,券買へと歩いていった。
残された3人の中で,尋は「何か」を感じ取り口を開いた。

 「あ、ちょっと私お手洗い行ってくるね…。」

355 :かおりん主役SS「名称未設定」4/5 ◆zQyv8380ig :2003/09/16(火) 00:51 ID:???
 人ごみを掻き分けて、2人を残し千尋は消えていった。
榊はタイミングを待ちかねたかのようにかおりんへと視線を降ろす。

 「かおりん、メールアドレス持ってる?」
 「え?」
 「初めてペットを飼うから、正直、不安もあるんだ…。だから、かおりんに色々教えて欲しいんだ。
 受験で忙しいところ悪いけど…いいかな?」
 「そんな、めっそうもない!」

 ポシェットから、可愛らしいシールのあしらわれたステンレスの名刺入れを取り出したかおりんは、
その中から1枚を榊に手渡した。突然の榊からのオファーは、かおりんにとって去り行く榊からの静かなエールでもある。
自分が憧れた人がこうして自分を必要としてくれる、自分を大切に思っていてくれた友達がいたからこそ、
どんな形であれ、めぐりめぐってその気持ちを返したい。だから、かおりんは榊のオファーに快く応えたい。
その気持ちを、かおりんは名刺にたくして榊に渡す。

 「おまたせしました〜!」

 ちよちゃんを先頭に入場券を買いに行っていた面々と、お手洗いに行っていた千尋が戻ってきた。
出発までそう時間は残されていない。智を先頭に、一同は改札の方へと向かった。

 ケージを大切に持つ榊は大荷物、彼女のスーツケースをよみと一緒にかおりんが運ぶ。
ガラガラゴロゴロと大きな乾いた音を立ててスーツケースを改札機の間を通す。

 榊が乗る電車が待つ13番ホームへは階段を上る必要がある。幸い、エスカレーターがあるおかげで、
重い荷物でも楽に上に上がれる。智と神楽、よみと千尋、ちよちゃんとかおりん、榊と大阪と二人づつ、
エスカレーターでホームへと登る。

356 :かおりん主役SS「名称未設定」5/5 ◆zQyv8380ig :2003/09/16(火) 00:53 ID:???
 ちよちゃんの顔が少し曇る。何か悪いことでもあったのだろうか?触れてはいけない事だったのだろうか?
ちよちゃんにつられて、かおりんの顔も曇ってゆく。

 「お父さんとお母さんに、今はちょっと危険だから、それと、むこうの大学の入学にあわせて、
 アメリカに行くのは9月からになったんです。それでゆかり先生と相談して、
 前期だけよみさんが行く大学に、聴講生で通うことになりました!」
 「じゃ半年ぐらいまだ一緒だね!」
 「はい!」

 ちよちゃんの元気のいい返事がかおりんとちよちゃんの顔の曇りを吹き飛ばす。
先頭を行く智は既にホームにおりてはしゃいでいる。

 かおりんはホームに降り立った時、智と神楽がはしゃぐのはムリは無いと言う事を確信した。
駅のホームは旅立ちを前に高揚感を胸に抱く人々のオーラに満ち溢れている。
そのオーラに感化されて、自分の心臓が高鳴るのをかおりんも感じた。

 榊が載る予定の電車は既に駅のホームで榊を待っていた。
深い緑色の車体に四角い窓、その窓のから覗く車内では荷物を網棚に乗せる人、
通路を行き交い指定席を探す人、既に席につき昼食を取る人と様様だ。

 「真ん中の方だよな,榊。」
 「あぁ…。ありがとう…。」

 大荷物の榊を手伝ってスーツケースを運ぶよみにねぎらいをかける。
駅の人々のざわめきの中,天井にいくつも備え付けられたスピーカーから大きな音で告げられるアナウンスは,
榊の出発時刻が迫っている事を知らせる。

357 :かおりん主役SS「名称未設定」5/5 ◆zQyv8380ig :2003/09/16(火) 00:56 ID:???
 ∧||∧
(  ⌒ ヽコピペMISSしてどうすんだよ…。
 ∪  ノ
  ∪∪

>>356はこうなります。

 「そういえば、ちよちゃんはもう大学決まったの?」

 自分の受験で精一杯だったかおりんは、隣に乗るちよちゃんの受験の結果についてはまだ何も知らなかった。

 「それが…」

 ちよちゃんの顔が少し曇る。何か悪いことでもあったのだろうか?触れてはいけない事だったのだろうか?
ちよちゃんにつられて、かおりんの顔も曇ってゆく。

 「お父さんとお母さんに、今はちょっと危険だから、それと、むこうの大学の入学にあわせて、
 アメリカに行くのは9月からになったんです。それでゆかり先生と相談して、
 前期だけよみさんが行く大学に、聴講生で通うことになりました!」
 「じゃ半年ぐらいまだ一緒だね!」
 「はい!」

 ちよちゃんの元気のいい返事がかおりんとちよちゃんの顔の曇りを吹き飛ばす。
先頭を行く智は既にホームにおりてはしゃいでいる。

 かおりんはホームに降り立った時、智と神楽がはしゃぐのはムリは無いと言う事を確信した。
駅のホームは旅立ちを前に高揚感を胸に抱く人々のオーラに満ち溢れている。
そのオーラに感化されて、自分の心臓が高鳴るのをかおりんも感じた。

 榊が載る予定の電車は既に駅のホームで榊を待っていた。
深い緑色の車体に四角い窓、その窓のから覗く車内では荷物を網棚に乗せる人、
通路を行き交い指定席を探す人、既に席につき昼食を取る人と様様だ。

 「真ん中の方だよな,榊。」
 「あぁ…。ありがとう…。」

 大荷物の榊を手伝ってスーツケースを運ぶよみにねぎらいをかける。
駅の人々のざわめきの中,天井にいくつも備え付けられたスピーカーから大きな音で告げられるアナウンスは,
榊の出発時刻が迫っている事を知らせる。

358 :なも ◆zQyv8380ig :2003/09/16(火) 01:03 ID:???
前回の >>97 から3ヶ月近く経ってのACT7です。
書き始めたのは早春だったのに既に9月。
全部終わるのは何時の日なのでしょうか?w

>>99
千尋は全編を通して一つの鍵を握る重要な人物なので,
これからもポンポン出てきます。地味だけど重要な役割が出来るのは,
かおりんの一番近くにいた彼女ですからね。

>>100
お褒め頂いてウレシイです。
小物一つ一つは特に気を配った箇所です。
今回も一人一人の着ている,彼女達のイメージにあった,
コートの描写も入れてみました。

>>101
コメントありがとうございます。
「共感がもてる」と表されるとSS書きとしてとてもうれしいです。

さて,ACT7はまだまだ続きます。
次のうpは…今月中を目指します。
(ガンバレ,ヲレ!

359 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:11 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第17話 「Change Of Mind」

HOLYは今日も『ちよ父』の送り込む怪獣との戦いを強いられていた。
布陣はレッドファルコンに智、神楽、ホワイトウイングに暦、ブルードラゴンに
ちよが搭乗し、地上は榊と歩の二人が攻撃する事になっている。

市街地で暴れているその怪獣は2体おり、一体はどくろのような頭と金色の体、
そして凶悪な目つきをした怪獣で、もう一体は白くイエティを連想させる怪獣だった。
二匹は今互いに争っている。力と力のぶつかり合いだ。

「怪獣のデータが出たから送るね。片方はどくろ怪獣レッドキング。とにかく物凄く怪力
だから気を付けて。もう一体は冷凍怪獣ギガス。こっちは特に特筆すべき点はないけど
油断はしないで。」
データリンクの千尋から怪獣の詳細を知らされる。

「ありがとうございます。」
「でもギガスの方はもう負けそうだなぁ。」
かおりんの言う通り、ギガスはレッドキングに圧倒されていた。
その拳で殴られギガスは地面に倒れる。こちらのパンチは逆に受け止められ、
パンチとキックの連打をくらって再び倒れる。

「何だか一方的だな。」
「どーすんだちよすけ?」
「私としてはレッドキングに集中攻撃をかけた方がいいと思うけど?」
「よみさん・・・分かりました!気が進みませんがそれで行きます!!」

その間にも戦いは進んでおり、ギガスの突進を軽々受け止め、レッドキングは
左手を掴み、ギガスを投げ飛ばした。前転するように倒れるギガス。
起き上がった時にレッドキングが頭から突進してきた。ギガスはそれをまともにくらい、
ついに力尽きた。

「歩、行くぞ!」
「おぉ〜」
地上と空中からレッドキングに一斉攻撃が行われた。しかし屈強な体をもつ
レッドキングにはまるで堪えていない。
レッドキングが近くのビルを壊し始める。その瓦礫に歩と榊は襲われる。

360 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:13 ID:???
「うわぁぁぁぁ!!」
「歩!うっ!」
二人は変身する間もなく瓦礫の中に消える。

「榊、大阪!!この野郎〜〜〜!!」
激昂した神楽がミサイルを撃ちまくる。他のメンバーもそれに続く。
その勢いに押されたのかレッドキングは逃げていった。

一方、瓦礫の下敷きになったと思われた歩と榊も何とか無事だった。

「いたた、弥生ちゃん大丈夫か〜?」
「ああ、何とかな。歩は?」
その時、二人はある違和感を感じた。そしてそれはすぐに氷解する。
何と顔をあげた先には『自分』がいたからだ。

「な、何で私が歩で・・・」
「あたしが弥生ちゃんになっとる〜ん〜?」
二人の叫びが大空にこだまする。

「え〜〜〜〜!!榊さんと大阪さん入れ替わっちゃったんですか〜〜〜?」
基地に戻るなりその事実を聞かされた隊長のちよは思い切り大きな声をあげた。そう歩と榊の精神が入れ替わってしまったのである。

「そうらしいねん。」
と榊の姿で喋る歩。

「本当なのか?榊?」
「本当だ・・・」
神楽の質問に歩の姿で答える榊だった。
最初二人は互いに演じてごまかそうと思ったりもしたのだが、他の人間なら
まだしも喋り方が全く違う二人ではそれも無理だと悟り、結局HOLYメンバーに話す事にしたのだ。
二人共演じきる自身がなかったのも原因ではあるが・・・

「うわ〜ん!あんた榊さんの体になるなんて〜羨ましい!じゃない!早く元に戻りなさいよ〜!」
「そ、そんな事言われても・・・」
かおりんに思い切り胸倉を掴まれ、歩は激しく動揺した。

361 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:15 ID:???
「何とかならないんですか?」
千尋は女医井上舞に尋ねる。

「う〜ん、そう言われてもね。人と人の精神が入れ替わるケースなんて今まで診てきた
患者さんにはいなかったからどうしていいか私にはちょっと分からないわ。」
お手上げのポーズをしながら舞は言った。

「そういやさ〜よみ〜。」
「何だ?とも」
「よみはよく榊ちゃんと大阪が入れ替わってるって話すぐに信じたね。
あんたってこういうのってすぐに疑ってかかるじゃん。幽霊の時だって
実際に見るまで信じなかったのに・・・」
「あのなぁ。幽霊はともかくとして、怪獣や宇宙人がこの地球に攻めてきて、
しかも私達はそれと戦う為にこのチームに入ってウルトラマンと一緒に戦ったり
してる事実があるんだぞ。こんだけ信じられない出来事を体験してたら、精神
入れ替わりなんて十分信じられる話だって。」
現実主義の暦も幾多もの信じられない出来事に遭遇して少し考え方が変わったようだ。

「それよりどうするんですか?春日隊員、榊隊員?私達だったから信じますけど、
家の人に説明しても信じてもらえないと思うんですけど・・・」
珍しく相田隊員が話題に入ってきた。百合子が絡まないとなかなか関わろうとしない
京子にしては珍しい事だった。

「心配あらへん。弥生ちゃんがあたしの家に泊まる事にすれば何とかなるやろ。
うちの家族はそういう事気にしない方やし・・・」
榊の姿、声で歩は案を出した。

「お前んとこの家族はどういうとこなんだよ?」
「分かった。そうするしかないな。」
突っ込む暦とやはり歩の姿と声で答える榊。

「ところで京子ちゃん。ひょっとして百合子さんと入れ替わりたいと思ったりしてない〜?」
舞が少し意地悪い顔で京子に尋ねた。
「な!?そんな訳ないじゃないですか!?誰が百合子なんかと・・・」
それを聞いた智と神楽と暦は入れ替わった姿を想像した。

「京子に入れ替わってしまいましたわ〜でも智への愛は変わらなくてよ。」
「絶対やだ!!」
声をそろえて三人は叫ぶ。

362 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:16 ID:???
「いくらなんでもひどいですよぅ、皆さん。」
「それにしても榊さんの体を使って自宅で榊さんと一緒にお泊りですってぇ〜!
き〜〜〜!許せない〜〜〜〜!!」
「か、かおりん!落ち着いて!ね?」
千尋はかおりんの暴走を止めるのに必死だ。

レッドキングも影を潜め、現れる気配がないのでHOLYは一端解散となった。
歩が榊と一緒に家に行く事にかおりんは最後まで嫌がったが結局、みんなの
必死の説得により聞き入れた。

そういう訳で11話と同じ様に榊を連れて自分の家へと来た。厳密には入れ替わった状態でだが・・・
その間、榊は歩の姿でかわいい服を着られて満足そうだった。歩の方も
憧れていた榊の体になって少し嬉しそうだった。

(歩の体ならかわいい服が一杯着れる。いいかも。)
(これが弥生ちゃんの体かぁ。やっぱ胸大きいなぁ。ええなぁ。)
そんな事を考えながら、家のインターホンを押すと前と同じ様に妹の翔が出てきた。

「おかえり〜お姉ちゃん。あ、弥生お姉ちゃんも一緒やん。」
「ただいま〜翔〜」
「こんばんは翔ちゃん。」
榊の肉体で歩の言葉を聞き、歩の体で榊の言葉を聞かされた翔は一瞬硬直し・・・

「うわ〜ん!お姉ちゃんが弥生お姉ちゃんの体を取りよった〜お姉ちゃんのバカ〜!」
何故か泣きながら翔は家に引き返してしまった。

「ほな、いこか。」
「え?あ、ああ。」
歩は唖然としている榊の手を取って歩き始めた。

(気のせいかな?歩が私の体になってるのをみると何だか格好よく見える)
(何や?弥生ちゃんが入ってるからか、あたしがかわいく見えるな〜)
「あらお帰り歩〜それにいらっしゃい〜弥生さん。」
歩と榊が考え事をしていると、玄関から歩の母親、春日遙が声をかけてきた。

「ただいま〜お母〜」
「お、お邪魔します。」
「あら〜翔ちゃんの言う通り本当に入れ替わっちゃったんやね〜。
まあそれよりあがってあがって〜」
遙は翔と違い、いつもと変わらない対応だった。

363 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:18 ID:???
以前と同じ様にリビングに通され、榊は歩の家族と共に夕食をご馳走する事になった。

「歩や弥生さんが羨ましいわぁ。そんな経験滅多にないしなぁ。で、
何がキッカケで入れ替わったんや?」
精神入れ替わりという突拍子もない話を誰一人疑いもしなかったところは
さすが春日家と言えるだろう。その後で父の浩一は二人に対しての疑問を口にした。

「多分、私がレッドキングの攻撃で飛んできた瓦礫から歩を守ろうとして
強く体をぶつけたのが原因だと思います。」
「そうやな〜あたしもそれぐらいしか理由が思いつかんわ〜」
「う〜やっぱり違和感あるでお姉ちゃんと弥生お姉ちゃん。」
翔は口を尖らせる。

「そうやね〜弥生さんの体じゃ歩ちゃんが何か悪さしてもお母ちゃんお盆で
歩ちゃん叩けへんわ〜。」
「お母・・・」
相変わらず突拍子のない事を言う遙にダラ汗をかく翔と歩だった。

「まあ何はともあれまたゆっくりしてってや。弥生さん。」
「はい。」
浩一が笑いながら言い、榊が少し笑みを浮かべながら答える。歩の体で。

「そういえば歩ちゃんも翔ちゃんもゆりちゃんに会うたんやて?折角やからゆりちゃんも
連れてきたらええのに。私達は大きうなったゆりちゃん見てへんからな〜」
「ゆりちゃんか〜懐かしいな〜歩がまだ小さくて翔がまだお母さんのお腹の中にいる
頃に会ったきりやもんな〜。やっぱり自分が従姉妹って事は知らんかったみたいやな。」
「あたしはコスモスが地球に来た時以来、会ってへんなぁ。お姉ちゃん達はどうなん?」
「あたしもあれから百合子ちゃんとは会うてへん。京子ちゃんに聞いたけど、
連絡してもいないみたいなんや〜多分家に帰ってると思うけど、どうなんやろ?」
「従姉妹って・・・苗字が違うんですけどゆりゆり・・・」
榊が割って入る。

「あ〜それか。あの子のとこ結婚して姓が変わったんよ。それまでは春日やったしな。」
浩一はかかかと笑いながら答えた。

「いないんならしゃーないな。それはまたの機会にしよか〜」
遙はそう言って食べ終わって空になった食器を片付け台所へ片付け始めた。

364 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:25 ID:???
この後、それぞれ自分の体でない体で入浴し、翔と三人歩の部屋に集まった。

「いやぁやっぱ大きいなぁ弥生ちゃんの胸。本当にええなぁ。」
「あんまりそう言う事言わないで。恥ずかしい。」
榊が歩の体で顔を真っ赤にしながら俯いた。

「それよりこれからどうするん?お姉ちゃん達はこれからどうしたいん?」
椅子にもたれながら翔が尋ねる。

「とりあえず元に戻る方法を探さないと。」
「せやな。」
「何で〜?お姉ちゃんにとっても弥生お姉ちゃんにとっても理想の体ちゃうん?」
不思議そうな顔をして翔は言った。

「そうなんやけどな。何かちゃうねん。実際にこの体で歩いてみるとこれは
あたしの体にはなれへんってのがよく分かるんや。それにこの胸大きくて羨ましいけど、
いざ自分のものになるとな〜物凄歩きづらいねん。弥生ちゃんはよくこんな体で
あれだけ動けるなぁ〜って関心してまうわ。だから結局弥生ちゃんの体になっても
結局あたしは弥生ちゃんにはなれへんねん。」

「私も歩と同じだ。確かにこの姿なら私がどんなにかわいい服を着ていても違和感がない。
かわいいぬいぐるみも遠慮なく買える。でもそれでも何かが違う。
歩も言ってたけど理想の体だと思っても実際になってみると窮屈な感じがした。
それで分かった。この体を手にしても私は歩になれない。この体は歩だからこそ意味が
あるんだって・・・」
それぞれ違うを見つめながら榊と歩は言った。

「ふ〜んそうなんや。でも戻る方法は見つかったん?」
「それは・・・」
「舞先生も何も思いつかないゆーてたな。」
二人の顔が暗くなる。

「そうなんか。で、一番気になってたんやけど、変身する時はどうなるん?
その姿で行くとお姉ちゃんがレイに変身して、弥生お姉ちゃんがジャスティスになるん?」
「それは・・・」
二人は言葉に詰まった。変身してどうなるかは自分達にも分からない。
ただどちらかが入れ替わっているという理由だけで変身する訳にはいかないのだ。

「まだ怪獣は生きとるんやろ?そしたら怪獣が出てきた時に変身して確かめたらええんちゃうん?」
「危険だけどそれしか方法がないな。」
「こういう事情ならジャスティスとレイも変身してくれるやろしな。」
「ほな、寝よか。寝ないと怪獣に勝てへんからな〜おやすみや〜お姉ちゃん、弥生お姉ちゃん。」
「お休みな〜翔、弥生ちゃん。」
「おやすみ、歩、翔ちゃん。」
以前と同じ様に榊が真ん中に来て二人と手を繋ぎながら寝る事となった。

365 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:26 ID:???
そして翌日、翔の予言通りレッドキングが出現した。

「榊さん、大阪さん!レッドキングが出現しました!すぐ現場に向かって下さい!」
「分かった!」
「頑張ってや〜お姉ちゃん達〜!!」
榊と歩は家を後にし、現場に急行する。

現場に向かう途中にかおりんから通信が入った。怒っている。
「ちょっと春日さ〜ん!榊さんに変な事してないでしょうねぇ!!」
「変な事って何の事〜?」
「べ、別に何もない!」
「そうですか。榊さんがそう言うなら信じます。」
「何やってんのかおりん!レッドキングはまた別の怪獣と戦ってるわ。
詳細が分かり次第そっちにデータ送るね。」
横から千尋が割り込む。

「分かった!行くぞ歩!!」
「ええで〜」
榊はブラックイーグルを加速させた。

現場に到着すると、レッドキングがもう一体の怪獣と戦っていた。しかし、
誰の目にもレッドキングの有利は明らかだった。もう一体の蟻地獄に似た姿を持つ
怪獣はフラフラだった。目が赤く充血し、口は大きく裂けてもいる。

「もう一体の怪獣はちょっと分からない。アントラーって怪獣に似ているけど、
あんな目もしてないし、口も裂けてないわ。とりあえず仮にドミニオンと呼ばせてもらうね。」
千尋からデータが転送された。

「どういう経緯でこうなっとるん?」
歩は上空を飛ぶ、レッドファルコン、ホワイトウイング、ブルードラゴンのパイロットに通信する。

「分かりません。ただ言える事は二匹の怪獣は互いに引き寄せられたとしか。」
「あのレッドキングすげぇよ!ドミニオンの攻撃を全く寄せ付けねぇ!」
「ただのパワーバカとはいえ侮ったら痛い目に合いそうだ。最もバカってだけならここにいるけどな。」
「何だよよみ、それどういう意味だよ!?」

そんな雑談を交わしている間にドミニオンが動き出す。頭の触角から光線を出してレッドキングを攻撃する。
しかし、レッドキングは直撃したにも関わらず痒そうに腹を掻くだけだった。
レッドキングがドミニオンを攻撃しようとする。ドミニオンは触角からバリヤーを発生させ
レッドキングの一撃を防ごうとする。しかし、レッドキングはそのバリヤーすらも叩き折ってしまった。

366 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:28 ID:???
「バリヤーを!?」
「何て奴なの!?」
モニターを見ていた京子と舞もこれにはショックを隠せない。

ドミニオンはその触角でレッドキングを挟み込む。そして大きく裂けた口で
レッドキングの腹に噛みつく。しかしレッドキングは逆にドミニオンの頭に噛み付いた。
ドミニオンは悲鳴をあげ、レッドキングから離れる。その隙を逃さずレッドキングは
両手でドミニオンの角をへし折った。ふたつの触角を折られドミニオンは地面に崩れ落ちた。

「信じられない!あれだけの能力を持っている怪獣を力だけでねじ伏せるなんて。」
「ちよすけ、動揺してる場合じゃないぞ!あいつを攻撃するんだろ?」
「はっ、そうでした!攻撃を開始して下さい!」
「了解!!」
ちよの指示の元、レッドキングに攻撃が開始された。しかし、レッドキングは
ドミニオンを倒した事で勢いづいたのかますます凶暴になっていた。

「あかん。変身せな。ジャスティース!!」
「私も行くレイ!!」
二人はジャストランサーとシャインリングを取り出し変身しようとする。
しかし、何も起こらない。

「何でや!?何で変身できんのん?」
「・・・・・・もしかして・・・歩、私達の精神が入れ替わった事でジャスティスとレイも
入れ替わったのかもしれない。試してみよう。」
「せやな。」
歩の姿で榊はシャインリングを指にはめ、榊の姿でジャストランサーを歩は受け取る。

「うまくいってや。ジャスティース!!」
「レイ!!」
『歩』がシャインリングを前で交差させ、『榊』がジャストランサーを天空に掲げた。
すると二人は変身した。
『歩』はレイに、『榊』はジャスティスへと・・・

二人の上空からの一撃がレッドキングを蹴り飛ばし岩場にめり込ませる。
その後で二人の戦士は地上に降り立った。

367 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:37 ID:???
>>358
続きお疲れ様です。
かおりんと榊さんの絆は例え遠く離れても繋がっているんですね。
ついに別れの時が来るわけですが、この先の展開が気になって仕方ありません。

368 :ケンドロス :2003/09/16(火) 02:56 ID:???
あーあとジャスティス遅くなってすんませんでした。

369 :◆./rIHj.W0M :2003/09/16(火) 07:32 ID:???
>>349-351
感想ありがとうございます。
励みにします。

>>350>>351にある、
「男友達の事を話してるんだと思った」というのは、狙ってやりました。
「あ」っと驚くオチで、ということだったので、
男を話題にしていると思いきや、実は、っていうのをオチその一にしたかったです。
ミステリに叙述トリックが使われることがありますが、その一種とお考えいただければ。
したがって、「アイツ」は、大学時代は応援団で、学生運動にも参加していた噂のある、女、です。

「大事な話」というのは、「……ねー、にゃも」 の後に続けそうになった話(題)のことですね。
内容はだいたい想像できるように書いたつもりです。百合じゃないっすよ。

視線がふらついているのは意図してません。改善したいです。

立て続けに長編が二つ出てますね。お二方とも頑張って。

370 :名無しさんちゃうねん :2003/09/16(火) 22:18 ID:???
>>358
ACT7お疲れ様です。
あいかわらずの丹念な風景描写、もはや独特の作風を形成しつつありますな。
続きが楽しみです♪

でも、ちょっと気になったのは

>ちよちゃんの元気のいい返事がかおりんとちよちゃんの顔の曇りを吹き飛ばす。

この表現、なんか違和感があります。
ためしに「かおりんと」を抜かしてみましょう。
「ちよちゃんの元気のいい返事がちよちゃんの顔の曇りを吹き飛ばす」
ね、なんか変でしょ? え、変じゃない?
あー、うまく説明できねー(w ごめん!

371 :名無しさんちゃうねん :2003/09/16(火) 22:55 ID:???
>>370
自分の返事で自分の顔の曇りを吹き飛ばしているというのなら、最後の
ちよちゃんという表現は変ですYO!…ということが言いたかったのか
な…と、変なフォローをしてみる。自分も2つほど吹き飛ばしてみます。

ちよの元気のいい返事が、両者の顔を曇っていた影を爽快に吹き飛ばす。

ちよの元気のいい返事によって、かおりんとちよの顔に曇っていた影は
風に吹き飛ばされていった。

372 :370 :2003/09/16(火) 23:06 ID:???
>>371

おおっ! その通りです。ナイスフォロー♪

あと、貴方の「吹き飛ばし」例にあるように、地の文では「ちよちゃん」でなく「ちよ」とした
ほうがカッコイイと思いますた。

373 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2003/09/17(水) 21:51 ID:???
>>358
 SSの掲載、お疲れ様です。
 今回は、技術的な事柄について、お話をさせて頂きます。
 
 この物語では、繊細な情景描写が使われていますが、言葉の使い方に
ミスや、不明瞭な点があります。
 1行目から8行目までについてのみ、記述を行います。

 1行目 『 一昨日とはうって変わり、今朝から〜 』 とありますが、
急激な変化を表したいのであれば、「おととい」ではなく、「昨日」
である必要があります。

 5行目 『 〜 巻き上げる捲土のように〜 』 ですが、
これは重複表現です。「〜 巻き上がる土のように〜 」もしくは、
「〜 捲土のように〜 」のみで良いと思います。
 
 7行目 『 この冬最期のコート姿に見を包んでいる 』について。
 誤字があります。「この冬最後のコート姿に身を包んでいる」が
正しいです。
 また、1行目で「寒の戻り」と述べていますが、これは、晩春の
一時的な寒さを表現する言葉であり、早春をイメージさせる「この冬最後」
とは、微妙に時期が異なっています。
 季節感を表現する時は、細部にわたる注意が必要になります。

 8行目 『 襟首に頬をうずめ、急くように街を行き交う 』 ですが、
 「急くように」の表現が不明瞭です。「襟首に頬をうずめ、忙しそうに
街を行き交う」とした方がよいと思います。

374 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2003/09/17(水) 22:01 ID:???
 ご参考までに、自分だったらどのように書くか、を述べたいと思います。


 強さを取り戻しつつある陽光によって、ぬくもりが与えられていた
昨日とはうって変わり、凍てついた空気が周囲を覆い尽くしている。
 時折、身体を切り裂くような突風が、芽吹き始めた街路樹の間を駆け抜ける。

 どこまでも青く澄み渡った空の下、朝の日差しを浴びて銀色に輝いた
雲たちは、強い風によって細かく千切られながら、遥か南へと流れていく。

 通りには、抽斗の奥から慌てて取り出してきたと思われる、コート姿が
目に付いている。
 彼らは一様に、肌を突き刺す冷気から少しでも身を守るために、立てた
襟首に頬をうずめ、背中を丸めて、忙しそうに歩いている。

375 :ケンドロス :2003/09/20(土) 22:08 ID:???
「ジャスティス、レイ!」
声をあげたのはちよだ。

レッドキングは起き上がり二人に向かって突進する。ジャスティスとレイは
それを横にひらりとかわし、すれ違いざまに背中にチョップを叩き込んだ。
レッドキングは再び岩場にめりこんだ。
もう一度突進してくるレッドキング。またかわそうとするが、今度はくらってしまった。
吹っ飛ぶジャスティスとレイ。

殴りかかって来るレッドキングの攻撃をかわそうとした時、二人の体に異変が起きた。
体が思うように動かなくなり、レッドキングの攻撃をくらってしまったのだ。

「ぐはぁ!」
「うぉわ!」
その後のレッドキングの蹴ったり、尻尾で攻撃してきたりする猛攻に二人の戦士は追い詰められていく。

「どうしたんだよジャスティスとレイはやられっぱなしじゃねーか!」
「あのレッドキング、そんなに強いのかよ!?」
「いや、というより何か変だ、ジャスティスとレイ。」
焦る神楽と智に対し、暦は冷静に呟いた。

「そうですね。確かにいつもより動きが鈍い気がします。一体どうしたんでしょう?」
ちよもジャスティスとレイの異変に気づいていた。

「ジャスティス、どないしたん?いつものジャスティスらしくないで!」
『どうやら君達が入れ替わった事が私達にも影響を及ぼしているようだ。』
「どういう事だ、レイ?」
『私と君、歩とジャスティスの波長が合わなくなっているのだ。』
中にいる歩と榊がジャスティスとレイに呼びかける。

『何とかしなければ。このままではクラッシャーモードになる事すら出来ない。』
『しかし、どうすればいい?』
「せめて、私達が元の体に戻れれば・・・」
「でもどうやったら元に戻れるん?」
話し合いを続けてる間もレッドキングの攻撃は続く。

376 :ケンドロス :2003/09/20(土) 22:11 ID:???
レッドキングに蹴り飛ばされ、ジャスティスとレイは地面に転がった。
そこで二人の活動限界を知らせるカラ−タイマーが青から赤に変わり点滅を始めた。

「ジャスティスとレイを援護します!レッドキングに総攻撃して下さい!」
「了解!!」
ちよの指示に従い、全員レッドキングに総攻撃をかける。しかし、レッドキングはビクともしない。
反対にレッドキングの横からの拳の一撃を智、神楽の乗るレッドファルコンと
暦の乗るホワイトウイングがくらってしまう。

「ともちゃん、神楽さん、よみさん!!」
「大丈夫だ!けどこれ以上飛ぶのは無理だ。幸いここは市街地じゃないから不時着する!」
「あたし等も不時着だ!」
「分かってるって!」
二機は何とか機体を不時着させる。

ちよは上空からその様子を見ていて、あっと声をあげた。ここに走ってきている人がいたからだ。

「どうして、翔さんが・・・」
そう、それは歩の妹、翔だった。

「ジャスティス、レイ!聞いてや〜!!」
声を張り上げて翔は叫ぶ。その声が届きジャスティスとレイは振り返る。

(翔!どうしてここに・・・)
(何かを伝えに来たみたいだけど・・・)
「コスモスがあたしを通して伝えてきた事があるんや!ジャスティス、レイ!
ウルトラマインドリフレクションを使うんや!」
よく見ると翔の変身アイテム『コスモストーン』が光り輝いている。
コスモスが翔にテレパシーで伝えてきたのだ。

『そうか!それなら歩と弥生を元に戻せるかもしれない!』
『この際出来る事はやってみよう。』
「お手柄やで〜翔。」
「ありがとう翔ちゃん。」
歩と榊の声を聞き、翔はニッコリ微笑んだ。

377 :ケンドロス :2003/09/20(土) 22:13 ID:???
『行くぞ、レイ。』
『分かった、ジャスティス』
ジャスティスとレイは額にあるビームランプから相手のカラータイマーに向けて白い光線を発射する。
それはカラータイマーの中に入り込み、その中にいる榊と歩に命中した。

「うわああああ、何や?」
「ぐくっ、入れ替わりが元に戻るのか?」
しばらくその状態が続き、やがて光線が消滅した。

「う〜ん・・・!戻っとる!元の体に戻っとるで〜」
「本当だ。」
歩と榊は自分の体を触り、その感触を確かめた。それはまぎれもなく
自分の体のものだった。ジャスティスとレイのマインドリフレクションが成功したのだ。

『さあ行こう歩。』
(え?その声はレイ!何でなん?)
一瞬歩は疑問に思ったけど、その疑問はすぐに氷解する。変身する時
榊は歩の姿でレイに、歩は榊の姿でジャスティスに変身したのを思い出したからだ。

「私がジャスティスの中にいて大丈夫なのか?」
『心配いらない。多少は違和感あるが、さっき程ではない。それに早くしなければ彼女が危ない。』
ジャスティスの視線を榊も一緒に追った。見るとレッドキングによりちよの乗る
ブルードラゴンが追い詰められていたのだ。

「ちよちゃん!ジャスティス、ちよちゃんを助けよう!」
『分かった、弥生』
「レイ、あたしらも行こう!」
『了解した。』
会話を終えるとジャスティスとレイは側転しながら接近し、レッドキングを蹴り飛ばした。
後ろに大きくレッドキングは倒れ込んだ。

「でやぁっ!」
ジャスティスとレイは倒れているレッドキングに回転して体当たりした。その後、レッドキングの
両手を掴み、二戦士は同時にレッドキングを投げ飛ばした。前のめりに倒れこむレッドキング。

378 :ケンドロス :2003/09/20(土) 22:15 ID:???
(ジャスティス、レイ!何があったか知らないけど元に戻ったみたいですね。良かった。)
ブルードラゴンの機体の中でちよは安堵の表情を浮かべる。

(うまく行ったみたいやな〜)
アドバイスを送った翔も同じ様に笑う。そこに不時着したメンバーがやってきた。

「大阪の妹!だめだろ!こんなとこに来ちゃあ!危険じゃないか!」
「あたしには翔って名前があるからそれで呼んでや!」
神楽に大阪の妹と呼ばれ、翔もムッとした表情で言った。

「まあいいじゃないか。翔のおかげでジャスティスとレイも危機を乗り越えたみたいだし・・・」
「でもあの光線何だったんだ!?」
神楽をなだめる智と先程の光線に疑問を抱く暦。

「はぁ!」
ジャスティスとレイは同時にジャンプし、空中で一回転して前後から同時にクロス
するように蹴りを食らわせた。『クロスアタック』である。それを食らったレッドキングは
口から血を流し、地面にうつ伏せに倒れ大爆発した。

「やったな〜」
「まあ、あれがウルトラマンさんやね。赤い人と青い人がいるんやな。」
いつの間にか春日夫妻が翔達の後ろに現れていた。

「お父、お母!どうしてここに来たん?」
「何言うとるんや!お前が怪獣が出たってのに避難しないでどこか
行ってしもたからこうして探しにきたんや!」
「えと、始めましてジャスティスさん、レイさん。娘達がいつもお世話になっております。」
遙はジャスティスとレイに挨拶した。二人の巨人はどう答えていいか分からずただ頷くだけだった。

「シュワッ!」
その後、ジャスティスとレイは飛び去っていった。そして少し離れた場所で歩と榊の姿に戻った。
二人は改めて自分の体を確認した。

379 :ケンドロス :2003/09/20(土) 22:19 ID:???
「はぁ、大変やったな〜」
「まさかジャスティスとレイにも影響及ぼすなんて想像も出来なかった。」
「あとレイになれたってのは貴重やけど、あたしはやっぱりジャスティスの方がええわ。」
「私もジャスティスよりレイである方がしっくり来る。」
二人は変身前に交換した変身アイテムを返した。
『ジャストランサー』は歩に、そして『シャインリング』は榊の指に再びはめ込まれる。

二人が戻ると、春日一家がメンバーに挨拶していた。ちょうどブルードラゴンから
降りてきたちよも合流してきた。
そして二人が元に戻ったのを見て、メンバー共々喜びの声をあげる。

「二人共元に戻れたんですね。良かった。」
「ああ、やっぱりお姉ちゃんと弥生お姉ちゃんはその体が一番や〜」
「せやな〜あたしもこの体が一番落ち着くな〜胸大きうないのは残念やけどな。」
「私もちょっと残念だけど、でもやっぱり自分の体が一番だ。」
歩と榊は微笑みながら言った。

「一件落着やな。」
「そうやな。これで歩ちゃんが悪さしたらこたつ取り上げられるわ〜」
「やめて〜お母さん〜それは堪忍や〜」
「大阪の家族ってみんなこんな感じだったのか。」
一連のやり取りを見ながら暦は呟く。

「ところでさ、神楽。神楽は誰かと入れ替わりたいと思った事はないの〜榊ちゃんとか。」
「そう思った事もあるけどな。あの二人見て大変なのがよく分かったからやめとくよ。
かおりんなら喜びそうだけど・・・」
「私だって別に榊さんになりたいとは思わないわよ!でも元に戻って本当によかった。」
かおりんが神楽の通信機に向かって怒鳴った。

「佐倉さんは誰かに入れ替わりたいとかないの?京子ちゃんは百合子さんなのは分かったけど・・・」
「だから、そんな事思ってません!」
「私はないなぁ。井上先生はどうなんですか?」
千尋の質問に舞は首を横に振った。

「ほなまたな〜お姉ちゃん達〜」
翔達春日一家と別れ、HOLY隊員達は基地へと引き上げていく。

「今日は私と歩にとってもそしてジャスティス、レイにとっても大変な一日
だったな。」
帰り道の途中で榊はそう思った。  第17話 終 第18話へ続く

380 :ケンドロス :2003/09/20(土) 22:48 ID:???
17話終わった〜
何かもう少しギャグにしたかったけど無理だった。入れ替わりはどうしても
シリアスが入ってしまうと痛感。
これからの予定だけど18話がギャグ、19,20話はシリアスの続編ものを予定
しとりやす。

381 :告知 :2003/09/21(日) 04:06 ID:???
ラウンジに新スレが立ちました。

SS書きの編集会議室
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1064083852
作品を作る上での相談や、その他SS関係の雑談などに、
お気軽にご利用ください。
(「SS書きの控え室」よりもさらに軽く話し合える、
 「雑談スレのSS書き版」といった位置づけで考えています)

382 :名無しさんちゃうねん :2003/09/21(日) 14:39 ID:???
ケンドロスって40歳くらい?

383 :ケンドロス :2003/09/22(月) 01:42 ID:???
>>382
40ではありません。あとはご想像にお任せします。
つーか何で40歳なんだろう?

384 :メジロマヤー ◆xoTOMayar6 :2003/09/25(木) 02:38 ID:???
>>380
お疲れ様。
春日家のやりとりとか面白かったよ。


>「え〜〜〜〜!!榊さんと大阪さん入れ替わっちゃったんですか〜〜〜?」 (>>360より)
っていう、ちよちゃんのセリフがいかにもって感じで、個人的にツボに入りました。
次回作も期待しとるで〜。

385 :名無しさんちゃうねん :2003/09/26(金) 00:49 ID:???
「ジャスティス」にTVのウルトラ系のノリで次号予告をつけてみたら面白いと思うぞ。

386 :メジロマヤー ◆xoTOMayar6 :2003/09/26(金) 01:15 ID:???
地味に新作UPをしておくか。
 (この話はSS書きの控え室1の>>255からの続きです。マヤーが西表島を出てからをちょっと想定してみました。)

 『ひとりぼっちのエール』

 夜の風が冷たかった。僕は空き地の土管の中に身を潜め、夜風を防いだ。そうでもしな
いと風邪を引いてしまいそうだからだ。
 僕は土管の中から夜空を見上げた。黒っぽい灰色をした雲が空を覆っているだけで、星
も月も見えない。西表島とは大違いだ。
 僕はそんな星一つ見えない夜空を見ながら、無意識のうちに今までのことを思い出していた。

 榊さんと会った次の日だ。お母さんが車にはねられてしまい、それから僕は独りぼっち
になってしまった。
 もう一人でエサを取れるほどまで成長したとは言え、やっぱり一人じゃ淋しい。そんな
淋しい生活を繰り返しているうちに、無性に何かにすがりたい衝動に駆られた。自分の心
の拠り所となるようなそんな何かにだ。
 そんな時、ふとあの人のことを思い出した。あの日抱かれたときに感じたすべてを癒し
てくれるようなオーラに包まれた榊さんのことを。

 榊さんに会いたい…。
 あの日、別れを惜しむようにゆっくりと水平線の向こうへと消えて行った船を見つめて
いたときから、ずっと心の奥で思っていたんだ。また榊さんに会いたいって……。
 僕は日ごとにそんな思いを募らせていった。そして、遂に僕は西表島を出て榊さんを探
すことを心に決めた。

 きっと、船に乗って着いた先に榊さんがいるはずだ。この島を出るのは生まれて初めて
で、ちょっと怖いけど、怖がっている場合なんかじゃない。そんな不安な気持ちよりも榊
さんに会いたいと言う気持ちのほうが何倍も強いのだから。

 この島を出ると決心した次の日、僕は上原港からどこかのへと発つ船へと潜り込んだ。
そして、人に見つかるとまずいと思ったので、鉄でできた大きな箱の中に隠れた。
 おかげで誰にも見つからずに島を出ることができた。しかし、この箱は頑丈にできてい
て、僕が中に入った後はどうやっても外に出ることができなかった。僕は箱の中でずっと
夜なんじゃないかと間違えそうなほど真っ暗闇と化した空間の中で時を過ごした。

387 :メジロマヤー ◆xoTOMayar6 :2003/09/26(金) 01:15 ID:???
 それからどのくらいの時間が過ぎたのかは分からない。ただ、長い闇から解放され、や
っと光が見えたその先に待っていた景色に僕は言葉を失った。
 そこは西表島にはないような大きなビルが立ち並び、それと同じくらいたくさんの人が
いた。そして、外は夜なのにまだ昼と間違えるほど明るい光があちこちで見える。

 一体ここはどこなんだろう……?西表島ではないのは確かだけど……。
 僕は右も左も分からない景色をあてもなく歩き始めた。
 すると、僕の体に容赦なく冷たい風が吹きつけてきた。こんなのは西表島では感じたこ
とがない。さらに見渡す限りアスファルトばかりの地面は土ほどの温かみがなく、歩くた
びに足に凍えそうなほどひんやりとした刺激を僕の体にぶつけてきた。

 それでも、僕はもう歩くしかないのだ。榊さんに会うために西表島を出ていったのだか
ら、もう引き返すわけには行かないのだ。
 僕は体中に響き渡る冷たさに歯を食いしばって懸命にこらえながら、街灯がまぶしい夜
道を歩き出した。
 そして、ようやくたどり着いたのが今僕がいる場所なんだ……。

 僕はそこまで思い出すと、身を乗り出して土管の外の景色を見た。
 視界の先は草が所々生い茂っているだけの空き地だった。もう、今いる場所が西表島じ
ゃないんだということがハッキリ分かった。
 そう感じると、僕は不意に島のことを思い出してしまった。亜熱帯の原生林に覆われた
大自然の中を駆け巡る自分の姿を、そしてお母さんと過ごした日々を……。

 しかし、今僕がいる場所はそんな大自然ではない。見たこともないコンクリートに囲ま
れた場所だ。そう思うと、ふと心の中に言葉にできない不安が全身を包んだ。そして、自
分が独りぼっちだと感じることで、その不安の色合いを強めていた。
 僕は夜空を見上げた。ようやく雲の切れ間からかすかに月が見えてきた。僕は西表島で
見たときと同じ月を見たとき、懐かしさからか不意に右の目から涙がこぼれた。涙は僕の
頬を流れ、右足の指の隙間を抜けてこぼれ落ちた。そして、悲しい気持ちを溶かすように
土管の中へと染みている。

388 :メジロマヤー ◆xoTOMayar6 :2003/09/26(金) 01:16 ID:???
 「ギャウウウウウ!」
 僕は思わず夜空に向かって力いっぱい叫んだ。今は夜空の向こう側にある天国にいるお
母さんに向かって、会いたいという気持ちをこめて。

 「ギャウウウウウウ!」
 そして、それを同じくらいに会いたいという気持ちを込めて、今度はどこにいるか分か
らない榊さんのもとへ届くように叫んだ。

 「ギャウウウウウウ!」
 僕は何度も夜空に向かって叫んだ。この声が届くようにと。
 しかし、冷たい夜の風が僕の声を掻き消すように強く吹き付けていた。


 こうして、夜が明けた。空は島にいたときと同じように青く澄み渡っている。
 今日こそ榊さんを見つけるんだ。僕は強く心にそう言い聞かせて、土管を後にした。
 やわらかい陽射しが僕に照り付けている。これで寒さは幾分か凌げそうな気がした。西
表島と比べるとやっぱり寒いけれど。
 でも、青空を見ていると、太陽や雲が僕に「頑張れ」って言っているような気がするんだ。
僕はそう思うことで、何とかやっていけそうな気がし、力強く歩き出した。もう一度榊さんに会うために……。

(この話はSS書きの控え室1の>>280に続きます)

389 :名無しさんちゃうねん :2003/09/26(金) 23:53 ID:???
メジロマヤー氏、お疲れ〜♪
あなたの書くマヤーものは大好きなので、新作出て嬉しいですよ。
マヤーが迷わず東京に来れた理由を、鉄の箱(コンテナ)に入り込んでそのま
ま直通で運ばれてしまったってしたのは斬新ですね。なるほど、と思った。
榊さんを慕うマヤーの心情も、上手に表現されてて良かったです。
ぜひ、今後もマヤーもの書き続けてください。

えっと、ちょっと前にアプされてたかおりん主役SSの中の人は細かい突っ込み
入れられてたけど、あれってこのスレ的にはOKなのかな?
……じゃあ、漏れも少しだけ。ごめんなさい。

>僕は土管の中から夜空を見上げた。黒っぽい灰色をした雲が空を覆っているだけで、星
>も月も見えない。西表島とは大違いだ。
>僕はそんな星一つ見えない夜空を見ながら、無意識のうちに今までのことを思い出していた。

ちょい前で「夜空を見上げた」「星も月も見えない」と書いてあるので、「そんな星
ひとつ見えない夜空を見ながら」はいらないのでは。

>やっぱり一人じゃ淋しい。そんな 淋しい生活を繰り返しているうちに、無性に何かにすがりたい

二回目の「淋しい」は同じ理由で不要ではと。

>この島を出ると決心した次の日、僕は上原港からどこかのへと発つ船へと潜り込んだ。

「どこかのへと」とは? 「どこかへと」かな。

>そこは西表島にはないような大きなビルが立ち並び、それと同じくらいたくさんの人が

いくら猫の感覚からとはいえ、ビルの数と街行く人の数を同じくらいに例えるの
はズレてると思われ。

以上です。では。

390 :ケンドロス :2003/09/27(土) 01:35 ID:???
>>388
お疲れさまで〜す。マヤーがどれだけ榊さんに会いたくて、そして思っている
のかがよく伝わりました。
見知らぬ土地に来てしまい、不安で押し潰されそうな心を榊さんに会いたい
という一心で繋ぎとめるマヤーにぐっときました。

391 :ケンドロス :2003/09/27(土) 01:58 ID:???
>>385
え〜とこんな感じ?

ATDF中国支部より新機体が届けられ、暦はそれのテストパイロットとなる。
しかし、それはとても理解に苦しむシロモノだった。

「こんなもん乗れるかぁ〜〜〜〜〜〜!!」
暦の叫びがこだまする。

そこに来襲してくる宇宙人。彼の真意は・・・・

次回 ウルトラマンジャスティス 『Strenger』
その最中に現れたウルトラセブンは『彼女』の夢か?それとも・・・・

392 :名無しさんちゃうねん :2003/09/27(土) 06:48 ID:???
>>391
お〜、リクエストにこたえていただいて感謝でつ!

いや〜、ワクワクしてきましたよー!ついによみも変身するのか否か?
放映が、いやアプが楽しみだな〜♪

393 :ケンドロス :2003/10/01(水) 02:15 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第18話 『Strenger』

その日、ATDF中国支部チーム『SPEAR』より『HOLY』の元に二人の人物が来日した。
中国支部独自に開発した新型機体を届けにきたのだ。そしてそのテストパイロットには
先日のコスモス事件の時に『グリーンキャリバー』で多大なる戦果を挙げた水原暦に
白羽の矢が立ったのである。
一人はいかにも開発研究者というのが分かる白衣に身を包んだ男で、もう一人恐らく
この男のガードと思われる女性隊員だった。頭をおだんごにしている。
ちなみに『SPEAR』隊員の制服はチャイナドレス風にスリットが入っている。

「うわ!お前木村だろ!?」
白衣の男を見るなり、智と神楽が思わず声に出して言った。
それほど木村に似ているのであった。

「いきなり失礼な奴等アルね。私は道・龍(タオ・ロン)アルよ!」
いきなりうさんくさい日本語で喋りだす男。

「何か漫画みたいな喋り方やな〜」
「そういう問題か?」
歩の言葉に暦が突っ込む。

「そして、私がこの人をガードする『TEAM SPEAR』隊員の燕沙凛
(フェイ・シャーリン)ね。よろしく。」
沙凛(シャーリン)は隊長のちよに握手を求めた。少なくとも道よりは日本語はうまい。

「あ、よろしくお願いします。」
ちよもそれに応え握手する。

「でもやっぱり木村先生に似ている。」
榊も思った事を口にした。

「ごめんなさい。私はあなたの顔を見れない。」
かおりんは思いっきり目を背けている。

394 :ケンドロス :2003/10/01(水) 02:16 ID:???
「か、かおりん。何もそこまで・・・」
千尋は少し唖然としながらかおりんに声をかけた。

「そうアルか。残念アルね。それより乗ってほしい機体とはこれアル。」
道がある設計図を取り出した。それを見た一同は驚愕する。

「おい、これって・・・」
「日本で有名なアレじゃん。」
智と神楽は設計図に描かれてる物を見て囁く。それは機体というよりロボットに近かった。

「知ってるで〜これガンダム言うんやろ〜」
歩が描かれてる物体を見て言った。そう、それはどう見てもアニメで有名な
あのガンダムにしか見えなかった。

「凄い!これを作ったと言うんですか。」
ちよは素直に賞賛する。

「これは既に持ってきてるね。この基地に。」
「モニターに出します。」
京子隊員がモニターのスイッチを入れる。そこに確かに機体が映っていた。
しかし・・・

「全然違―――――う!!」
思わず大声でツッコミを入れる暦。それはガンダムとは似ても似つかぬ機体だった。
見た目がひょろくて弱そうにしか見えず、股間と思われる部分に装着されている
キャノン砲と思われる砲台ぐらいしか武器になりそうになかった。

「これが我々が科学の髄を集めて作った中華の兵器先行者アル!」
自信満々に言い放つ道博士。

「何か物凄く格好悪いわこれ。」
「本当ね。」
どっと疲れてしまったかおりん、千尋。

「私もこれはさすがに・・・」
さすがの京子隊員も額に汗が流れていた。

395 :ケンドロス :2003/10/01(水) 02:18 ID:???
「お前等失礼ね!先行者ってのは・・・」
博士の説明が長いので省略するが、要するにガトリングガンとキャノン砲をつんだ
人型決戦兵器という事である。先を行く者の意味を込めてこの名前がつけられた。
ちなみにこの説明をボンクラーズが最後まで聞くはずもなく思いきり居眠りしていた。

(今日はマヤーに何を食べさせようかな〜)
榊に至ってはマヤーの夕飯のメニューを考え始めていたくらいだ。

「とにかくお前これ乗る。いいね!お前エロいからきっとうまく行く!」
「どーいう意味だ!?誰がエロいって〜〜〜〜〜!!」
さっきから沙凛(シャーリン)と道に馬鹿にされているような気がしてならない暦だった。

「あははははははは、よみ良かったな〜選ばれて〜」
「と、とも笑っちゃ悪いだろ。あっはっはっはっはっ、ダメだ我慢できね〜!
は、腹痛ぇ!!」
「よみちゃんはエロいん?そーなんや。あはははははは。」
智は思い切り笑われ、神楽は一応フォローするが、結局大笑いされ、
歩に至っては先行者と関係ないところで笑われる暦。

「笑うな〜!このボンクラーズが―――――!!」
怒鳴る暦だが、周りを見てさらに愕然となる。
榊には顔を手で覆った状態でくすくす笑っており、ちよは気を使っているのは
分かるが明らかに口元が緩んでいる。かおりん、千尋は声こそ出さないが笑ってる
のが分かるくらい背中が震えており、あげく京子隊員にまで笑いを堪えられるまでに至った。

「皆さん・・・くく・・・勤務中ですよ・・・くく・・・水原隊員に・・・くくく・・・
失礼じゃないですか・・・くくくく・・・」
「もう、笑いたきゃ笑え。あーそうさ、笑うがいいさ!どーせ私は笑われるのが仕事さ!
あは、あは、あははははははは!!キェ――――ッ!!」
全員に笑われた為か暦はヤケになって笑い出した。最後には叫びだした。

「わ〜よみが壊れた〜!」
「しっかりして下さい!!」
「あかん、よみちゃんもうあかんわ。」
暴れそうになる暦を榊が後ろから押さえつける。と、その時モニターに何者かの通信が入った。
 

396 :ケンドロス :2003/10/01(水) 02:20 ID:ZUzfetrg
「呑気なものだな、地球人達よ。」
モニターに映し出された宇宙人は頭が三角形の形状で体のあちこちに棘のようなものが
生えていた。体の色は白と黒がミックスされており、腕には凶器と思える曲刀が装着されていた。
目が怪しく赤く光っている。赤いマントまで装備している。

「何者だ!?」と榊。
「私は外宇宙からやって来たマッド星人だ。俺より強い奴を探して宇宙を旅している。」
「?????」
いまいち彼の言う事が理解できずキョトンとするメンバー。

「俺は幾多もの戦いを挑み、勝利してきた。いわば俺は宇宙の帝王だ!」
「だから、私は絶対嫌だからな!!」
「我がまま許されないね!これは本部の決定事項ね!」
「二人共落ち着いてください!」
マッド星人の話など誰も聞いておらず、暦達はまた揉め始めた。

「って話を聞けやコラ!!」
モニターごしに怒鳴るマッド星人。

「ああ、ごめんごめんマッド星人だっけ?で何の用?」
智がやる気なさそうに聞いた。

「俺がこの地球にやってきたという理由はこの星で最も強い戦士と戦う事だ。」
「侵略目的じゃないの?」とかおりん。
「侵略?バカを言うな。俺はそんな俗っぽい事に興味はない。俺をそこらの宇宙人共と
一緒にしないでもらおうか。」
「勝負しに来たって事か。」
言ってみて神楽はこの宇宙人に妙な親近感が沸いた。

「その通り。この星にいる光の巨人の噂は我々の元にまで届いている。
ウルトラマンというそうだな。俺はそのウルトラマンと戦いに来た。青いのと
赤いのがいるそうだが、俺としては『正義』を名乗ってる奴と戦いたい!」
「ジャスティス!」
と千尋は呟く。

「そういうことで今から地球に向かう!首を洗って待っているがいい!くれぐれも
邪魔はするなよ地球人。俺は邪魔されるのが大嫌いでね。邪魔をしたら叩き潰す!」
マッド星人はそういってモニターから姿を消した。

397 :メジロマヤー ◆xoTOMayar6 :2003/10/01(水) 02:29 ID:???
>>393-396
乙かれ〜。これからの展開に期待大だ。
ジャスティスv.s.マッド星人の今後の展開に期待してます。

そして、先行者も(笑)。

398 :メジロマヤー ◆xoTOMayar6 :2003/10/01(水) 02:55 ID:???
うーん、こういう文章を書けるのって羨ましいなぁ。
よーし、おれも頑張るかー。

399 :ケンドロス :2003/10/05(日) 15:10 ID:???
この通信が終わった後、メンバーは迫り来るマッド星人に対して臨戦態勢を整える事に
なるのだが、暦は色々あって疲労がたまってしまったのでメディカルルームのベッドで
仮眠を取る事になった。

しかし、暦が目を覚まし、横を見ると信じられない光景があった。何と、隣で
女医である井上舞が素っ裸で寝ていたのだ。

「な、な、な・・・」
驚きのあまり暦はその後の言葉が続かない。

「な〜にぃ〜どうしたの〜?」
その時、舞が気だるそうな声を出して起きてきた。暦の方を見ているが
ちゃんと見ているかどうか怪しいぐらいの眠たげな目をしていた。

「な、何で井上先生が私と一緒に寝てるんですか!?」
「な〜に言ってるのよ。私はずっとここで寝てたわよ。あなたが気づかなかっただけよ。」
「ええっ!?」
面倒くさそうに答える舞に、暦は驚きを隠せない。

「よみさん、そろそろ起きないと・・・はぁ!!」
暦を起こしに来たちよだが目の前の光景に固まってしまった。
裸でいる舞とベッドで寝ている暦を見てパクパクと口を動かしている。

「よ、よみさん!まさか舞先生とそんな関係だったんですか!?」
「ち、違う!ちよちゃんの考えてる事とは違うぞ!」
「ご、ごめんなさい!私そんな事も知らなくて・・・」
「だから違――――う!!」
いくら違うと言ってもちよは信じようとしない。

「そうよ美浜隊長。私達はたまたま同じベッドで寝ていた。それだけよ。」
着替えを終えいつもの白衣姿になった後、眼鏡をかけながら舞はちよに諭す。

「そ、そうだったんですか。それを聞いて安心しました。舞先生がそういうなら。」
「何で私だと信用しないんだか。まあいいや。それより早く出動しようちよちゃん!」
「そうでした。行きましょう!!」
舞を残してちよと暦はメディカルルームを出た。

400 :ケンドロス :2003/10/05(日) 15:12 ID:???
「忙しい子達ねぇ♪」
騒ぎの張本人は笑いながらちよ達を見送った。

作戦室に入り、マッド星人の動きを探っていたメンバーだが、ここにきて予想外の出来事が起きた。

「美浜隊長!マッド星人が進路を変えました!上陸場所は日本ではありません!」
京子がちよに異変を知らせる。

「何ですって!で、どこに向かっているのですか?」
「この進路だと、中国に現れるわね。」
オペレーターのかおりんは出現予想地点を弾き出した。
と言ってる間にマッド星人は中国に出現した。しかし、着地を誤り
地面にめり込んだ状態で落下してしまった。

「うわぁ〜何やってんだあいつ〜!?」
「死んだん?」
「ならいいんだけどな。」
しかし、ボンクラーズの期待も空しく、マッド星人は何事もなかったかの
ように地面から顔を出した。

「生きてたわね。」
「うん、生きてるね。」
冷めた口調で話すかおりんと千尋。

「いって〜。俺でなければ死んでいたな。」
「何故進路を変えたんだ?」
榊が疑問を口にする。

「目測を誤った。」
と単純明快な答えが返ってきた。

「さあ、地球に来てやったぞ!出てこい、赤いウルトラマン!!」
「冗談じゃないね!あんな奴に自分の国を好きにされてたまるもんですか!
すぐ出撃するね!」
『SPEAR』の沙凛が叫ぶ。

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