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グロまんが大王

294 :風児 ◆iQwkicAw :2005/11/21(月) 02:14 ID:???
「おい、智。お前もやれや。」
長髪をはじめ、男達が一回りゆかりの乳房に裁縫針を刺し終えたところで、
長髪が智に促した。
「―・・・。」
智は黙していた。そして何故か自分でもその理由が理解できなかった。
自分はゆかりを売った。自分自身の為に、ゆかりを売った。
それは人間として当然の事で・・・人は誰しも我が身が可愛いものなのだ。
自分の為に他者を食い潰す事は、必ずしも罪であるとは限らない。
ゆかりを売らなければ、悔しくても、どんなに恥知らずで罪深い事であっても、男達を、
たとえそれが自分を不幸にした男達であっても、その男達を頼らなければ、死ぬのは
自分だけだ。男達に犯されたという事実だけが残り、ただみじめに死ぬだけだった。
だから、自分は男達に従属した。今までだって、高校時代だってそうして自分の立場を
守ってきたのだから。智は、幼馴染と、一緒に行動していた友人達と、常に一緒にいるようにしていた。頭の悪い自分は、誰かと一緒にいる事で持ち味が出せるのだという事を
本能的に理解していた。自分の生きる術。それは従属する事。哀しい事だが、
智は馬鹿なりにそれを理解していたのである。
・・・従属する為にはゆかりを売らなければならなかった。あの時は、それが最善の
道だと思った。結果として自分は今こうして生きている。決して悪い判断では
なかったのだろう。
―だが・・・智は、大阪の事を考えた。男達に犯され、絶望し、そして・・・
孤独にただ独りで自殺した友人。誰も巻き込まなかった。いや、結果として智は
巻き込まれてしまったが、それはあくまでも偶発的なものであって、大阪のせいでは
無かった。だが・・・自分はどうか。生きるためのエゴイズム。その為にゆかりを故意に
巻き込んでしまった。生きる為に他者を食い潰す事は罪ではない。それは間違いない。
だが、「罪ではないが故の罪」、言いかえれば「気付けない罪」というものに、今、智は苦しめられていた。
―どうして自分は「『気付けない罪』を背負って生きよう」なんて思ったんだろう。それは
「みじめに死ぬ」よりもずっと・・・ずっとつらい事だ・・・。大阪はきっとそれを
理解していて・・・。だから何も言わずに死んだんだ。何で私は・・・そんな事に
気付かなかったんだ―
智の中で、何かが芽生えた。
―私の出来る事は―

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