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スレッドが大きすぎます。残念ながらこれ以上は書き込めません。

あずまんがSSを発表するスレッド パート3

1 :名無しさんちゃうねん :2004/04/12(月) 01:21 ID:???
あずまんが大王のSSを投稿するスレッドです。
みなさんドシドシ投稿してください。

前スレッド
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1070830253/


[注意]暴力・猟奇など読み手を選ぶ内容のSSは別スレッドに投下お願いします。

2 :名無しさんちゃうねん :2004/04/12(月) 01:33 ID:???
暴力・猟奇など読み手を選ぶ内容のSSはこちらへ。

グロまんが大王
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1081698529/

3 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/12(月) 01:35 ID:???
でわ早速
【堤防にて】

4 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/12(月) 01:35 ID:???
静かに黄昏ていく堤防路を、私は走っていた。
毎週土日は20分以上の有酸素運動。
脂肪は20分運動してやっと燃え始めるから。
サランラップを腕とお腹と太ももに。ピンポイントのサウナ効果。
くそ、絶対痩せてやる。
智はおろか大阪にまでコケにされたこの身体、必ず冬休み前の体型に戻してやるんだ。

5 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/12(月) 01:36 ID:???
結局マラソン大会は正月のぜんざいのカロリーを消費させてくれなかった。
眼鏡分の効果すらなかった。
それからダイエットの本を読んで、知った。
1度限りの運動なんてあまり意味がないんだって。
そうして走り始めてからもう3ヶ月。
少しはましになったけど、まだまだ足りない。
――やっぱり毎日じゃないとだめなのかな。
まだまだ2年生になったばかりだし、少しぐらい勉強の時間を削っても大したことはないだろう。
その時間を当てれば、毎日走れないこともない。
うん、そうしよう。
心に決めたその時、向かい側から人が来た。
灰色のアディダスのジャージと見覚えがあるシルエット。
あれは……神楽さん?
仕方ない。今日はここが折り返し地点だ。
じゃ、そういうことで、Uターン。
だけど、一瞬遅かった。
「あれ、水原」
まずい。気づかれた。……逃げなきゃ。

6 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/12(月) 01:36 ID:???
「おーい」
私の後を声が追いかけてくる。
違う。人違いだ。全く知らない人を私だと思って声をかけているんだよ。
呼びかけに答えないのはそのせいだ。
そう思え。
逃げながら、念じる。
「あ、もしかして、勝負か?」
違ーう!
だけど心の中のツッコミは何の効果もなく、軽快な足音はペースをあげてしまった。
私は足は決して遅い方ではないけれど、榊とタメを張るような人が相手では、必死に
ならないと振り切れない。
速く。
とにかく速く。
力の限り速く!
……そんな余裕の無さがいけなかった。
宵の闇の中からぬっと現れた無灯火の自転車。
とっさに避けようとして、方向を間違えた。
道の縁、アスファルトの切れ目を踏んだ私の足が、ぐきりと変な音を立てた。

7 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/12(月) 01:37 ID:???
「おい、水原。大丈夫か?……全く無灯火で走るなんて自転車乗りの風上にも置け
ない奴だな……立てるか?」
「ああ、何とか大丈夫だと思うわ」
そうは言ってみたけれど、歩くと足首がずきっと痛む。
「くじいたのかよ。じゃあ、座って足を貸しな」
神楽さんは自分のウエストポーチからテーピングテープを取り出すと、私の足に巻き
始めた。
「どうだ。これでだいぶ楽になったと思うけど」
私は立ち上がり、ちょっと歩いてみる。
まだ痛いけれど、確かに彼女の言うとおり随分ましになった。
「ありがとう」
「いや、困ったときにはお互い様だ。礼には及ばないよ。でも、あんたも勝負好きなん
だな。怪我するくらいむきになるなんてさ」
屈託の無い彼女の笑顔が、私の心に突き刺さる。
恥ずかしくて、これ以上自分が惨めになるのが我慢できなくて、私は本当のことを言う
ことにした。
「違うの。そんなんじゃない。私はダイエットをしている自分を見られるのが恥ずかしくて、
逃げただけ」

8 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/12(月) 01:37 ID:???
すると、彼女はきょとんとした。
「なんで恥ずかしいんだ?」
なんでって……そりゃだって。
ダイエットしてるって事は、自分がデブだって認めてるのと同じじゃない。
それは恥ずかしいことに決まってる。
ねえ?
でも、そんな私の心なんかくだらないとでも言わんばかりに、彼女は続けた。
「笑う奴には笑わせておけばいいと、私は思うけどな。悪い事してるわけじゃなし、ダイエ
ットだってもっと堂々としてていいんじゃないか?」
……
ぶしつけな言葉だけど、だからこそまっすぐ心に響く。
確かにそうなのかもしれないな。
智はどうせ隠してたって私のこと見透かすんだ。
言われることが同じなら堂々としていたほうが気持ちがいい。

9 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/12(月) 01:37 ID:???
「神楽さん。今日はありがとう」
頭を下げる私に、彼女は恥ずかしそうに手をひらひらさせた。
「さん、なんて要らないよ。神楽でいい」
「そうか。じゃあ、私のこともよみって呼んでくれないか?水原暦の下2文字をとって、よみ」
「変なあだ名だな」
「智がつけたあだ名だからな」
「ああ、あの暴走バカ」
暴走バカ……あまりの的確な評価に、私は思わず笑ってしまった。
「じゃあ、また明日ね、神楽」
「ダイエット頑張れよ、よみ」
私は神楽が朧月夜に溶けていくのを見送ってから、空に向かって背伸びをした。
明日は月曜、学校だ。
新しいクラスメイトとの学校生活は、どんなものになるんだろう。
わからないけれど、きっと楽しいに違いない。
(Fin)

10 :名無しさんちゃうねん :2004/04/12(月) 05:46 ID:???
>>3
さっそく乙。神楽がクラスメイトになる前の話か。
こういうのいいなぁ。面白かったよ。

ただ、よみが足を挫いたときもう少し痛がった方が良かったかもしれない。
あんまりにもあっさりしているから、神楽に手当てしてもらって気を許す過程が少し弱いかも。

11 :名無しさんちゃうねん :2004/04/12(月) 05:50 ID:???
それと、前スレ「ゆかりとお話」作者さま
乙彼です。かなり超大作になりそうですね。
続きじっくり待ってます。

12 :前スレで偉そうな口きいた名無し :2004/04/12(月) 15:51 ID:???
蛍石さん、相変わらずよいお仕事やなあ。次作も楽しみにしとるで〜。

そして前スレ「ゆかりとおはなし」第3話。正直驚いた。
明らかに蛍さんの批評が良い結果になってるね。長い文章だけど印象深い台詞や場面が効果的に盛り込まれてて、飽きもなく読ませられた。
なにより、かなりリアリティのある作品に作りこまれてるよね。丁寧なお仕事お疲れ様。
続きもがんばってや〜

13 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2004/04/12(月) 23:53 ID:???
>>3
 大変興味深く拝読させていただきました。
 ランニングという努力で、問題を解決しようとする暦の描写や、
彼女の悩みに対する神楽のさっぱりとした返答等、
キャラの性格が巧みに表現されているように感じました。
 もっとも個人的には、全然太っていないように思えるのですが、
本人にとっては切実な問題なのでしょうね。
 次回作も楽しみにしております。

14 :さかちー :2004/04/13(火) 00:59 ID:???
今回も面白かったです。
蛍石さんのSSは複雑になりすぎない物語の中に
しっかりとテーマがこめられていてとても好きです。

原作ではあまり接点のない二人の会話が自然に展開されていて、
二人の性格の対比がうまくなされていると思います。

ただ1箇所気になったのが、
>「ああ、何とか大丈夫だと思うわ」
この暦のセリフは「女言葉」であり、彼女のイメージに合わない気がしました。
もしかしたら、普段と違う言葉遣いにすることで
まだ神楽に心を開いていないことを表現しているのかもしれませんが。

15 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/13(火) 08:45 ID:???
作品を語ると言い訳になるので作品を語るのはやめておきます。
で、あと野望まで6つですが、最大の難関「よみさか」が残っているんだよね。

16 :さかちー :2004/04/13(火) 23:41 ID:???
「よみさか」楽しみにしてます。
蛍石さんなりの見識をSSにてお伺いしたい。

17 :◆Ry/////V2E :2004/04/15(木) 02:07 ID:???
遅ればせながら、スレ立てた人おつです。
>>11-12 ありがとうね。

 蛍石さん、新スレを先駆ける良作ご苦労さまです。
あいかわらず一節一節を巧みに読ませますな。
豊かな情景と情感がまるで染み込んでくるようです。
 書き手の意図を理解してもらえないのは歯がゆいかもですね……
まあ、作品が色々な読まれ方をされるも素敵な事かと。(勝手な事言ってますが)
 前スレでもちょこっと仰っていた「野望」の全貌を心待ちにしております。

18 :◆yRuYWNMq4. :2004/04/15(木) 03:38 ID:???
>>17読み返して、ちょっと書き方が悪かったと思うので、念のため自己レス。
「勝手な事言っている」とは僕自身の発言の事で、他意はないです。失礼。

19 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/04/15(木) 08:54 ID:???
>>17
野望とは主要キャラ六人総当りですよ。
「ともにあゆむ」―あゆとも
「おとうとのこと」―よみあゆ
「指」―よみとも
「器用じゃないから」―さかぐら
「同級生に憧れて」―ともかぐ
「白詰草の友達」―さかちよ
「かっこええ女」―あゆちよ
「バースデープレゼント」―ともちよ
「堤防にて」―よみかぐ

残り6組
ちよかぐ、よみちよ、ともさか、よみさか、さかあゆ、あゆかぐ

20 :名無しさんちゃうねん :2004/04/15(木) 19:34 ID:???
くろまんが大王さん居たらこちらに来てください↓
ここのコテハン達に一言

http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1060962498/687
一応他いくつかのSS発表スレに張っておきます

21 :名無しさんちゃうねん :2004/04/16(金) 10:08 ID:???
>>18  酉まちがえてるぞ

22 :名無しさんちゃうねん :2004/04/18(日) 00:38 ID:???
前スレッドの「狂戦士大王」の続き読みたいひといる?

23 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/04/18(日) 07:55 ID:???
>>22 ノ

24 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:24 ID:???
では。前スレッド>527からの続きです。

榊救出隊は途中国王の放った凄腕の殺し屋集団との戦いで苦戦はしたものの、
何とか切り抜け、元来た地下通路を突破していった。
だが、その戦いで毒矢を受けたちよは一行から離脱してしまう。
「姫に爪の先ほどの傷も付けるなと申しただろうが」
国王は暗殺者の生き残りを自らの手で刺し殺すと、そう吐き捨てた。
全身驚くほどやつれた国王の目の窪みに宿る光は全く狂った人間のそれだった。
「お前たちも、侍女でありながらこの度の企てに手を貸しおったのか……?」
「あ……ぁ……」
血走ったまなこを向けられ、侍女二人がビクンと震える。
と、「待ってください」と意識を取り戻したちよが、蚊の鳴くような声を絞った。
「私が無理やり頼んだんです。だから、二人は悪くないんです。お願い、みるちーとゆかちゃんは殺さないで……」
「おう、お前がそういうのなら勿論そうするとも!」
国王がぐしゃりと破顔する。
鼻水を垂らし、涙を流して微笑むその顔は、不気味以外の何者でもない。
もはや臣下や近従の前で体面を取り繕うということも思い浮かばないらしい。
「お願いです、榊さんを追うのはもう、やめてください」
だが、ちよの口から飛び出た言葉が国王をうつつに引き戻す。

25 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:24 ID:???

「お前はまだ、あの者を……」
「榊さんは……もう、手も足も動きません。一年間、闇の中で十分に苦しみました。
陛下も御気が御済みでしょう。――お願い、榊さんを助けてあげて、お父様……」
「…………」
しばしの沈黙。そのしじまを破って、国王は静かにこう宣言したのだった。
「分かった。もうあの男には手を出さぬ。約束しよう」
「ああっ! 良かった」と涙を流して安堵し、そのままちよは気を失った。
そのちよを侍女に下がらせると、国王はこう命じた。狂気に、取り付かれたまなこで。
「黒犬騎士団を参集せよ。黒犬騎士団長・木村に榊一派の追撃殲滅を下命する」

26 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:25 ID:???

「女子高生とか好きだからあああ――――っ!!」
国境に向けて逃げる榊一行を、背後から禍々しい騎兵の集団が追いかけてきた。
騎士団長・木村の手には先程お世話になった村娘の、
無残な切断死体が串刺しにされて掲げられていた。
「あの野郎……!」
殺気立つ神楽たち。
だが、追いかけて来る木村はただの敵ではなく、人知を越えた強さを誇っていたのだ。
そして麾下たちは皆圧倒的な恐怖に駆られて突き動かされているのである。
「一等賞おおお――――っ!!」
あちこちに仕掛けた罠。
だが、木村は断崖から転がり落ちてくる巨石を、ただの拳の一撃で粉砕する。
何人もの部下が下敷きにされて潰れるが、敵は追撃の手を決して罷めようとはしない。
「あいつ、人間じゃない……!」
ざわめく暦たち。だが、神楽にはあることが脳裏に浮かんだのだった。
(この感覚は、まさか……)

27 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:26 ID:???

と、そのとき、無数の矢が飛来した。
矢は神楽たちの頭上を飛び越え、木村たち黒犬騎士団に突き刺さる。
「出迎えの祝砲ってやつだぜ」
ボウガンを肩に担って、不敵に笑ってみせる智、そして麾下の鷹の団将兵たち。
神楽たちは別働隊と合流に成功したのである。
「一回やってみたかったんだ、これ。お〜し、全軍突入!」
智の号令の下、一斉にわっと襲い掛かる鷹の団。
黒犬騎士団も亦応戦する。だが、元々のキャリアが違った。
黒犬騎士団は手練れとはいえ、戦場で弱者への虐殺に狂奔してきただけの集団である。
それに対し、鷹の団は幾多の死線を潜り抜けてきた歴戦の勇士。
そして、なにより今は榊を救う為に一丸となっていたのだ。
「お頭、もう駄目です! やっぱこいつら半端じゃねえ!」
己に総崩れとなって壊走をはじめる黒犬騎士団。
「今だ、追撃だ!」とかおりんを先頭に、鷹の団は攻勢に転じている。
「しょうがないですね。ここは一つ、私が盛り上げますか!」
そう叫ぶと、光に包まれた。
何と、木村の体は見る見ると変形し、膨張していったのである。
敵も味方も唖然として見守る中、果たして、そこには一匹の大猿の化けものが出現していた。
「あ……あ、あれは……」
皆、あまりに現実離れした光景に硬直するなか、雄たけびを上げる木村。
「待ちきれませんなぁ。蝕まで――――」

28 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:27 ID:???

「ぎゃああああああっ!!」
「木村」に喰いちぎられた兵士が、内臓をばら撒いて絶叫する。
木村の猛威の前に、鷹の団の仲間たちは次々と虐殺されていく。
「みんな、逃げろ!」と暦が絶叫した。これはもう、戦ではなかった。
「こいつの相手は私がする!」と、神楽が進みでる。
「いやぁ。若いものはいいですなぁ」
猛然と切り込む神楽。神楽の剣は人の身の丈ほどもある大剣である。
それを猛烈な剣速で振るう神楽の剣技は、まさに超絶的な代物といってよい
。だが、甲冑をもひしゃぐその斬撃も、化け物となった木村の前ではまるで赤子の業でしかないのである。
「君ぃ! なかなか美味しいですよ、君ぃ!」
木村の一撃で、神楽の剣は弾き飛ばされてしまう。そこへもろに巨大な拳の一撃がぶち当たった。
「があああああああっ!!」
弾き飛ばされ、数メートル飛んで、木に激突する神楽。地べたに落ちて、そのまま動かなくなる。
「いやああああっ!! しっかりしてえっ!!」
かおりんが涙を流しながら駆け寄る。
抱き起こす神楽の体に反応は無い。かおりんはその頬を何度もぶった。
「しっかりしなさいっ! あんたはこんなところで終わりなの!? 私を、みんなを守ってくれるんじゃなかったのっ!?」
そこへ――
「なんだ、可愛い子ちゃんいるじゃない」
ぴたっ、と固まったかおりんの顔から、血の気が抜けていった。後ろには「木村」が――

29 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:27 ID:???

「ああっ! 着替えみたいなあ! もうっ!!」
「い、いやああぁぁっ!!」
化け物・木村の巨大な手に掴まれ、身ぐるみを剥がれていくかおりん。
甲冑の下から白い鮮やかな裸体が覗く。
「助けてえっ!!」と、神楽を振り返り、叫ぶかおりん。だが、神楽はぴくりとも動かない。
「前の彼氏のことなんか、僕が忘れさせてあげるよ」
「…………!」
木村の下から巨大な触手が這いあがって来た。それが、かおりんの太股の間を割って入っていく。
「いやあっ!! 神楽、神楽ああ――――っ!!」
そのとき。
「汚ねえもの、おっ勃ててんじぇねえよ」
「ぎゃあああああああああっ!! 僕の×△○があああっ!?」
「神楽……っ!!」
そう。神楽の突き上げた大剣は、木村の汚物に突き立っていたのだった。
木村の手からかおりんが落ちて、神楽の元へ転がる。
「効いたぜ、お前のビンタ」
「あ……ぁ……!」
だが、感動の対面という訳にはいかない。
木村はダメージを与えたどころか、手負いになってますます凶暴化していたのである。
「クケエエエエエエエエエエエエエエッ!!」

30 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:28 ID:???

「チャンスは一度きり」
神楽を落ち詰める木村の頭上で、樹上高く、木村を待ち伏せる神楽。
木村を仕留めるには、顔のある人間部分を傷つけるしかない。
ここぞというとき、落下する神楽。だが、木村はその動きを読んでいた。
「良い線いってたんだけどなぁ」
木村が頭上に拳を振るった。
「残念賞――――ッ!!」
ぐしゃりという音がして、木村の拳は落下物を見る影も無く粉砕する。
だが――それは空の甲冑だった。その更に上から、神楽が降って来たのだ。
「ぐぎょっ!?」
剣は木村の喉に突き刺さり、貫通した。さすがの化け物もこれは致命傷である。
そのまま、神楽は木村の目玉をナイフで抉る。
「ぎょひいいいいいいいいいいいいいっ!!」
木村の巨体は何度も暴れ、神楽を叩き落とそうとするが、神楽は決して離さない。
そうして、木村は遂に倒れ伏した。そのまま、死の痙攣と硬直を始めた。神楽は勝ったのである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
天を衝いて歓声が挙がる。駆け寄って来る仲間たち。そして、かおりん。
――かおりんは自分が裸なのも忘れて真っ先に神楽に抱きついたのだった。
「かおりん……」
その体を満身創痍の神楽がそっと抱き締める。
「やれやれ……」
その有様を、少しため息を吐きながら、暦は離れたところで微笑ましく眺めていた。


<続く>

31 :狂戦士大王 :2004/04/18(日) 08:32 ID:???
あと二回くらいで終わる予定。

32 :名無しさんちゃうねん :2004/04/18(日) 09:30 ID:???
>狂戦士大王

乙狩れさまです。
原作をそのまんまあずキャラに置き換えるのではなく、ハイライトシーンを上手に繋いで書かれているので
とても読みやすかったです。
あと二回か〜、神楽とかおりんがエチィする場面はぜひ書いて欲しいなぁ。

33 :名無しさんちゃうねん :2004/04/18(日) 14:45 ID:Fev1J9gw
>>24->>30
GJ!
ワイ○ルドが木村という配役にはワラタ。
各キャラの個性もしっかり表現されてるよ。

>「一回やってみたかったんだ、これ。お〜し、全軍突入!」
これは智にピッタリの台詞だね。

34 :名無しさんちゃうねん :2004/04/18(日) 14:47 ID:???
スマソ。sage進行だったか。

35 :名無しさんちゃうねん :2004/04/20(火) 20:40 ID:???
>>狂戦士大王

乙です!あと二回ってことは蝕までいきませんよね…?
さすがに蝕は見れん。うぅ、今思い出しても、ピピンタン……

36 :名無しさんちゃうねん :2004/04/21(水) 16:46 ID:???
>>35
ぐろまんがの方で、蝕までやって欲しいけどな。
つーか木村殺してるんだから、そこまで行かんと不公平でしょ。
個人的には蝕まで希望。

37 :名無しさんちゃうねん :2004/04/25(日) 20:19 ID:g61C4NQs
蛍石氏の新作まだァ?

38 :出会いのあとには別れが来る そして新しい出会いが始まる… :2004/04/27(火) 00:44 ID:???
ガッ!
彼女の腕に、ちよが飛びつく。刹那、ダァン!という銃声が空を切った。
「やっぱり記憶が残ってたんですね」
突然のことに、彼女は、呆然としている。
「初めにおかしいと思ったときは、始めて会ったときでした。貴方、私のこと「ちびっこ大学生」と言いました。高校生とは言わずに…」
彼女の表情がピクッと動く。
「次の不思議は、ゆかり先生のおかげでとけました
 まずは、名字。美紗片の「み」は「美浜」と「水原」、「さ」は「榊」、「か」は「神楽」と「春日」、「た」は「滝野」
 みんなの名字の頭文字なんです。
 もっと面白いのは名前です。「桜」、「風藻」、「香緒音」、そしてハトの「かよ」、「みち」、「きよ」…
 香緒音さんの「音」を「音と略して並べかえると、「ちよ」「おおさか」「かぐら」「よみ」「とも」「さかき」…
 皆の愛称になります。
 そして、最後の止めは、お菓子の中に入っていたあの黒魔術の入れ替えの薬。なぜあんなところにあるのか不思議でした」
そこに、車を降りてきた榊達が駆けて来た。ちよがちらりと彼女の家を見る。
「ここからは私の予想ですが、貴方は風藻さんを殺害した後、自殺するつもりだったんじゃないですか?
 あなたは――」
「もう、いいよ。全部わかってるんだろ」
そこにいたのは、美紗片香緒音――いや、香緒音ではなく、二年前に死んだはずの滝野智だった…
「やっぱり、ちよちゃんには敵わないか…」
何もかも吹っ切れたような顔で、智は言った。

39 :名無しさんちゃうねん :2004/04/27(火) 23:09 ID:???
日差しも和らぐ夕暮れ時…
私はいつものように忠吉さんをお散歩させてあげてました。
日中は暑くてグッタリしてる忠吉さんも、夕方頃には元気になります。

公園前を通りかかった時、ちょうどともちゃんと大阪さんに出会いました。

「あ!ともちゃーん!おーさかさーん〜!」
「あぁ…ちよすけ……」
「ほら ともちゃんしゃきっとせなあかんで?」

ともちゃんは心なしか元気がありません。
それになんだか震えてる気もします…

「ともちゃん…どうかしたんですか?」
「ぁ…その…」
「ともちゃんはな?今調教中やねん」
「あの、言ってる意味がよく…」
「つまりこういうことやー」
「! 大阪…!やめ――」

大阪さんがともちゃんのスカートをめくると、
ともちゃんはパンツを穿いてなくて……その…おしっこするところから変なコードが…

「お、大阪さん!!何してるんですかー!!!?」
「ともちゃんはこうしてあげると喜ぶねん… なー?ともちゃん?」
「……は…ぃ…」
「え?え? だ、ダメですよー!!そんなことしちゃー!」
「……なぁちよちゃん ちよちゃんは…いつもともちゃんにいじめられてるやろ?」
「あ、あの…」
「今度はともちゃんを いじめかえしてみぃひん?」
「え?」
「きっと楽しーでー? せやなぁ… 手始めに忠吉さんと――」

私はこの時、話を聞かずに逃げるか断るべきでした…
私は… たぶんもう抜け出すことはできません…

   ともちゃんの恍惚とした苦痛の顔が…

       とても愛らしくて愛らしくて…たまらないんです…

40 :DEATH ジャッカル :2004/04/29(木) 15:06 ID:???
フライパンで起こすのやってみたい………そう思い私は台所から
ふらつきながらお玉(?)を持ち出してゆかり先生の部屋のドアを開けた。
それにしても途中でよみちゃんがギョッとした顔で私を見てたけどどうしたんやろ……。

ガチャ

ゆかり「ZZZZZZ………」

ふふふ………よーく寝とるなゆかり先生……
それでは早速…

ス……

大阪「ゆかり先生〜( ̄▽ ̄)。○
あ〜さ〜や〜〜〜〜     でッ!!」

ザクッ!!

41 :DEATH ジャッカル :2004/04/29(木) 15:11 ID:???
・・・・・あれ?音が変やでこのフライパン…。


大阪「……あ…………痛い……なんで私包丁なんて…」
ゆかり「ん〜〜……?」

…………………ゆかり先生が目を点にしながら私を見て数秒ほどかたまっていた。

ゆかり「!! 大阪!なにしてんだお前!!」
大阪「え?ゆかり先生起こそうと思って……」
ゆかり「誰か来ーい!!大阪が手首切ったー!!」


大騒ぎで部屋から出て行くゆかり先生を私は訳も分からず見送るのだった。

42 :DEATH ジャッカル :2004/04/29(木) 15:13 ID:???
女子A「ねぇ知ってる?3組の歩さんの事」
女子B「知ってる知ってる〜。なんでも担任の前で手首切って自殺未遂したんだってね〜」
女子C「春田さん……何か悩み事でもあったのかな……?」



そんな事があって以来他のみんなが私に優しくしてくれるようになりました。
なんでやろう?

43 :DEATH ジャッカル :2004/04/29(木) 15:16 ID:???
命賭けボケ   END


ノリと勢いONLYで投下してあんたらの口に合わなかったらすまない……orz

44 :名無しさんちゃうねん :2004/04/29(木) 15:35 ID:???
春田って誰だよ?
別のスレで千尋をちづるなんて書いてたり
不注意すぎ。

45 :DEATH ジャッカル :2004/04/29(木) 17:29 ID:???
>>44
ご指摘ありがとうございます。
激しく鬱だ……。

46 :名無しさんちゃうねん :2004/04/29(木) 20:04 ID:1T99dh4k
蛍石氏の新作まだァ?

47 :名無しさんちゃうねん :2004/05/03(月) 04:54 ID:???


蛍石氏の新作まだァ?

ゆかりとお話氏の続きまだァ?

名有り氏の結末まだァ?

パスコ改め小麦氏のSSまだァ?

狂戦士大王の蝕はまだァ?

48 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/05/03(月) 08:32 ID:???
>>47
まだァ

しばらく書いてなかったし、あらすじ忘れてもーた…
ってのは嘘で、どうエンディングを持っていこうかまよってる。

で、狂戦士大王はこっちにハッケソ
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1081698529/

49 :名無しさんちゃうねん :2004/05/03(月) 17:42 ID:???
>>48

あるのはお前が馬鹿さらした恥カキコだけだが?

50 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/05/03(月) 21:52 ID:???
>>49
ごめん、ミス。。気にしないで(何

51 :帰ってきた蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/03(月) 23:09 ID:???
ようやくリアル世界が一息ついたので明日当たり書きますよ。

52 :DEATH ジャッカル :2004/05/04(火) 19:03 ID:???
[伝染]

大阪「へーちょ」
ゆかり「おい大阪、なんだそれは?」
大阪「ゆかり先生〜私かふんちょーやねんー」
ゆかり「あんた……それ……くしゃみなの?」
大阪「やねん。……へーちょ」
ゆかり「……………(汗」

大阪「へーちょ」
ゆかり「……………(汗」

大阪「へーちょ」
ゆかり「……………(汗」
(以下5回程ループ)

53 :DEATH ジャッカル :2004/05/04(火) 19:08 ID:???
ゆかり「へーちょ!!……(グズ)」
にゃも「ゆかり…あんた何それ…」
ゆかり「あー?ちょっと風邪ぎみでな。
………へーちょ!!」
にゃも「……………」

54 :DEATH ジャッカル :2004/05/04(火) 19:11 ID:???
我ながら何を書いてんだ自分………つまらなかったらすいません……

55 :名無しさんちゃうねん :2004/05/04(火) 20:36 ID:???
つまらないと思うなら書くな
今後グダグダくだらねえこと言うなら消え失せろ

56 :DEATH ジャッカル :2004/05/04(火) 21:15 ID:???
>>55
分かった。気をつけるぜ。

57 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/04(火) 23:08 ID:???
すみません。今日中には間に合いそうにありません。
明日こそ書きますんで勘弁してね。

58 :DEATH ジャッカル :2004/05/05(水) 01:35 ID:???
>>57
んー。
まぁ慌てず急がずにいいのを頼むぜ。頑張ってくれ。さーてと、
私も自信がもてるのを書かんとな……

59 :名無しさんちゃうねん :2004/05/05(水) 16:54 ID:???
>>52-53
4コマスレだったら面白かったかもね。

60 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/05(水) 21:06 ID:???
お待たせしました。
【切ない想い】投下です。

61 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/05(水) 21:07 ID:???
「何だ、よみー。突然電話なんかしてきてー」
昔から全然代わらない、飾らない、懐かしい声。でも受話器から聞こえたのは
それだけじゃなくて。
グラスをぶつける音。陽気な大勢の声。コンパらしい喧騒。その中にかすかに
聞こえる、耳慣れたボケボケイントネーション。
「いや、なんでもない」
何とかそう告げて、返事も待たずに電話を切る。
――私の居たい場所には、大阪がいる。
そう思うだけで切なくて。
あれほど離れたいと思っていたのに。今は。
なんなんだよ、あんなに長い間一緒にいたのに。
言いがかりの八つ当たりを携帯電話にこめて、クッションに叩きつける。

62 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/05(水) 21:07 ID:???
私も智達と同じ大学受ければよかったかな。
いや、感情で物を決めちゃいけないよな。
でも目的があってこの大学を選んだ訳じゃなし……別にこの大学じゃなくても
良かったんじゃないのか?
そんなことをうだうだ考えてると、着信音が鳴った。
智かと思って慌てて取る。
だけど、受話器の向こうから聞こえてきたのは、思いもよらない声だった。
「やあ」
「榊?びっくりするじゃないか。何だよ突然」
「ん、ちょっとね……あの、今日、暇かな」
「別に特に用事はないけど?」
「そう。じゃあ、今から会えないかな」

63 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/05(水) 21:08 ID:???
榊が指定してきたのは、夜の公園だった。
高校時代に近道に使ってた公園は、たった一ヶ月くらい来なかった位なのに、
妙に懐かしい。
池沿いのベンチにたたずむ彼女は、白いTシャツに紺のGパン姿。
私は近寄り、声をかける。
「榊か?」
そんなあたりまえのことを確認してしまったのは、仄かな街灯の光に照らされた
彼女が、どこか儚げに見えたから。
飾り気の無いその服装は彼女の凛とした趣を際立たせる、はずなのに。
「横に座ってもいいか?」
私が聞くと、榊は小さく頷いた。
「で、どうしたんだ?」
問い掛けてみたけれど、親指同士をこすってみたり俯いたままふるふる震えた
りするばかり。
なんなんだ、一体。
不審に思い始めたとき、やっと微かな声で答えが返ってきた。

64 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/05(水) 21:08 ID:???
「気になる人が……いるんだ。大学に。だから、確かめたくて」
「何をだよ」
突っ込み混じりの私の言葉をやり過ごして、榊は噴水の方に目を向けた。
「いままでそんなこと無かったのに、GWに入った途端、なんか変なんだ……
ご飯を食べていても、マヤーと遊んでいても、思い出してしまうんだ。会えなくて
イライラしたりもする」
夢見る瞳。
「小説みたいにドキドキとかはしない。胸が締め付けられたりもしない。
それでも、これは、その、好き、なのかな?」
それはまさしく恋する乙女。
砂1kgくらい吐けそうな気分。
「ああ、そりゃあ好きなんだよ。間違いない」
吐き捨てるように私が言うと、榊は何か感じたのか私に頭を下げてきた。
「ごめん、こんなこと君にしか聞けなくて」
そりゃまあボンクラーズ諸君やちよちゃんじゃ聞くに聞けないだろうけど、そもそも
そんなこと人に聞くか?全く。
恋は麻疹とはよく言ったものだ。かかるのが遅いほどひどくなる。

65 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/05/05(水) 21:09 ID:???
「ありがとう。随分気が晴れた」
榊は何か吹っ切れたような笑顔で立ち上がった。
「ああ、せいぜいがんばれよー」
嫌味に抑揚無く吐いたセリフが効く訳も無く、ふわふわ飛びそうな足取りで立ち去る
榊を私は見送ることしか出来なかった。
あいつでも恋をするとへろへろになっちゃうんだな。
――まあ、しかしうらやましくもある。
榊はこれから甘酸っぱい切ない恋を味わうのだろう。
私にはもうここ何年かそんな切ない気持ちになったことないから。
うん、そうだ。
男の子に恋をしたのは何年も前のことだからな。
(Fin)

66 :名無しさんちゃうねん :2004/05/05(水) 23:20 ID:???
蛍石さんキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!

榊たんかわええ(*´д`*)
そして相手にハゲしく嫉妬ヽ(`Д´)ノ

67 :名無しさんちゃうねん :2004/05/08(土) 01:06 ID:???
遅くなったけど、蛍石氏乙。GJ
なんというか、上手いものには上手いとしか言えなくて、
感想は意外と書きにくいものだ。

早く新作を書いてくれ。
期待してます。

68 :名無しさんちゃうねん :2004/05/14(金) 23:30 ID:???
蛍石氏おつ。そしてそろそろ言わせてもらおう。


「ゆかりとおはなし」まだかよ。
あとパスコ氏の連載もたしか未完だベ?


よくSS職人も人間だとか言うが、読者だって人間だ。
書くペースは自由だが間があきすぎると読者に見放されるぞ。

69 :名無しさんちゃうねん :2004/05/15(土) 16:08 ID:???
PASCO(小麦)はともかくゆかりとおはなしを急かすのは酷だろう。
あれだけの質と量を維持するには並みの努力では足りまい。
個人的には急かすよりも質を保ってほしい。

70 :名無しさんちゃうねん :2004/05/15(土) 22:33 ID:???
まぁ、みんなアマチュアだし、学生ばかりでもないから。
社会人だとリアルがめっちゃ忙しい人もいるだろうし。




敢えて、期待しない旨書いたほうが、
焦って書き込んできたりして…。

71 :名無しさんちゃうねん :2004/05/17(月) 03:08 ID:???
「はぁ…また雨かよー」

一日の最後の授業、教科書によだれをたらしていた智が、
外から聞こえるサーという音に目を覚ます。
雨は嫌いだ… 湿気で学校の床が滑るようになる…
そのせいでホコリやゴミが張り付いて、掃除もいっそう面倒になる…
傘をさせば、傘の骨に髪の毛が挟まって髪に傷がつく…
家につく頃にはスカートの裾、靴下がビショビショで…それでいて生暖かくて気持ち悪い…

気づけば授業も終わり、後は帰るだけ…
ぶつぶつ言いながら教室の傘立てから自分の傘を引き抜くときだった。

「なぁともちゃん 一緒に入れてー」

突然聞こえた間の抜けた声に智は返す。

「あんたまた忘れたのかよ」
「せやねん 置き傘もあらへんねん だからいれてー」

そんな話をしながら学校から出ると、一面見事な水浸し。
アスファルトかグランドの土か… 雨特有の泥臭さが鼻につく。

「はぁ…」
「ん?ともちゃんどうしたのん?」
「大阪は嫌じゃないのか?こう毎日雨が降るの…」

傘をさしながら智が聞く…

「雷は嫌やけど…雨は好きやでー」

小さい傘に、二人とも収まりながら大阪は返す…

「雨の日は涼しいしー…… なんとなく周りが静かで落ち着くんや… それに…」


        ―――ともちゃんに こうやってくっついても怒られへん


智の腕にぎゅっと抱きつきながら、二人は小さな傘に収まる…



           ――…たしかに……雨もいいかもな


    智のそんな言葉も、雨が水と一緒に流してしまう…

     そんなある日の午後の小さなできごとでした…

72 :名無しさんちゃうねん :2004/05/19(水) 22:34 ID:???
>>71って百合萌えスレで良くないか?

73 :名無しさんちゃうねん :2004/05/19(水) 23:39 ID:???
もともとそこまで厳格な使い分けがあるわけでもないしいいんじゃないの

74 :名無しさんちゃうねん :2004/05/21(金) 03:42 ID:Ycx3X9yM
>>眠い名有り様
あなたSSの続き、気になります。
エンディング、期待しています。

75 :名無しさんちゃうねん :2004/05/21(金) 16:52 ID:???
つーか百合萌えスレ多いんだからそっちで書けって>>71
百合嫌いな奴だっているんだし・・(自分だがw)

76 :名無しさんちゃうねん :2004/05/21(金) 21:11 ID:???
俺も百合が死ぬほど嫌い! …ですが、ここで書いちゃいけない理由もないと思うよ。うん。

77 :名無しさんちゃうねん :2004/05/22(土) 04:47 ID:jl3Nxw3s
わりばしぱきーんの福音
割箸を真っ直ぐ持って割る、そんな事がこの島の常識でないならば、
わたしも未開人の仲間いりだ。
最近の流行か? ブレイクダンス風なものを踊っては火に飛び込む。
私はそんなものにはつき合ってられぬので、帰らしてもらう。

78 :名無しさんちゃうねん :2004/05/22(土) 08:03 ID:???
百合萌えはさ、蛍石氏が書きかけだからせっかく書いても霞んじゃうので今はあまり書きたくないんだよな。

79 :名無しさんちゃうねん :2004/05/22(土) 10:01 ID:???
>>78
個人的に百合は大嫌いだが、自分で書きたいなら書いていいんじゃない?
だれそれが旨いから霞むとか・・そういう格下意識はつまらんと思う
多少でも人目に晒された方がうまくなってくと思うしな
実もフタも無い言い方すれば、SSなんて所詮自己満足の代物だしw

80 :DEATH ジャッカル :2004/05/23(日) 17:39 ID:yHq2mBWk
誰か私にリクをくれないだろうか。
ここのところレベルのひくい書き手が多いが、
良いものを書いて見せるぜ!

81 :名無しさんちゃうねん :2004/05/23(日) 18:18 ID:???
恐い話スレのレスと照らし合わせると
>>80は騙りの可能性がある。
本物であろうとなかろうとこんなことを言う奴に
リクエストなんかしないけどな。

82 :amns ◆FqzSak5tNk :2004/05/24(月) 00:00 ID:???
2ちゃんのスレでもえらく手間ひまかけて騙りやってますな。
いかにもミエミエなのに本人は策士のつもりなんだろうか。

まあどこかの無礼者のように
邪推を軽々しく口に出すつもりはないけどね……

83 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/05/27(木) 21:55 ID:???

「いつ気がついたの?大阪…いや、桜と入れ替わってるって?」
「お酒をのんだ夜、香緒音さんと呼ばれて桜さんが返事をしたときです。
 いくら酔っているとはいえ、名前を間違えるとは考えられません。その時にあの薬… 都合がよすぎます。
 でもどうして!?どうして神楽さんを…」
ちよは、あえて風藻を「神楽」と呼んだ。
「私達は…生きちゃいけない存在なんだよ」
智は続けた。
「私は…いっつもふざけてばっかりで、皆を傷つけたり、迷惑をかけたり… あげくの果てに神楽を追い込んで…
 神楽も、よみを傷つけたし… わかるだろ。皆がどんな目で私達を見るか!
 でも… 大阪は違う。あいつは何もしてない。だから、お前たちが来てくれて丁度いいと思ったんだ。
 あいつには…こんな所で隠れるように暮らすよりもさ、お前たちといたほうが…」
「違います!!」
ちよの声が、智を遮った。
「大阪さんはそんなことを望んでなんかいません!だって…だって…」
ちよはポケットから、一つの手紙を取り出した。そこには『智ちゃんへ』と書かれていた。
智が手紙を開けるとそこには…
『智ちゃんへ、
 智ちゃんがこの手紙を読むときには、きっと私と神楽ちゃんはこの世にはおらんやろうな。
 じつはな、二人が寝とるときに、神楽ちゃんが相談しにきたんや。
 「初めて智があそこまで落ち込んでいるのを見たよ。
  わかっちゃいるけど、よみが恨めしくて仕方が無いんだ。
  たぶん、よみに対する嫉妬の気持ちもあるのかもしれない…」
 てな。
 そこで私は神楽ちゃんに「耐えられへんのか?」って聞いたんや。神楽ちゃん頷いた…
 私も同じ気持ちやった。心の中でつながっとるさかい、智ちゃんが苦しんでいるのもわかっとった。
 あの薬のことやろ。私も知っとったで…
 そのこと言ったら、神楽ちゃんが「心中させてくれ」なんて言うからなぁ…ビックリしたわ。
 そこで、よみちゃんには悪いけど、智ちゃんには、哀しんでほしくなかったんや。
 私は、神楽ちゃんのことが好きやった。だから、神楽ちゃんに告白した後に飛び降りたらどうか?って言ってもうた。
 もし、智ちゃんがこの手紙を読んどるんなら、きっと、その通りになったんやろうなぁ…
 わかっとるねんで。こんなことしても何にもならへんってのは。
 けど、自分が自分で無いようになってもうて… 智ちゃんがこの手紙を読んどるんやったら…
 智ちゃんやよみちゃんや神楽ちゃんが私のことを許してくれるんやったら…
 生まれ変わってまた一緒になりたいなぁ…』
「大阪…」
智の頬を涙が伝っている…
「なぁ、ちよちゃん、あの薬のこと知ってるか?あの薬はさ、呪いがあるんだって。一生不幸になっちゃうって…
 冗談だと思ったけど、身体が入れ替わったとき本当に怖かった。ふざけ半分でちよちゃんと大阪を…」
「智ちゃん、封筒の中を見てください。もう一つ入ってますよ」
智が覗くと、確かにもう一つ紙が入っていた。
そこにあったのは、あの黒魔術の本の一ページ。丁度あの薬の最後のページと、次のページには、呪いの薬が…
「おいおい、まさかこれって…」
よみが口を挿んだ。
「ええ、ページが一つ抜けていたんです。だから智ちゃんは、この薬に呪いがあると思ってたんですよね。
 大阪さんはそれを知っていて、さっきの計画を立てた…」
「なぁ智、さっき皆がどんな目で見るかって言っただろ。答えは簡単だ。あの時と同じ、親友として見るに決まってるだろ」
「う…うわぁぁぁ!よみぃ〜〜〜!」
智は泣きじゃくった。まるで子供のように…
たった今、彼女は開放されたのだ。仲間を不幸にしたという自分への恨みから…

84 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/05/27(木) 21:57 ID:???
「寝ちゃったよ」
よみに抱かれながら、智は深い眠りについていた。
「今まで辛かったんだろうな…」
榊が呟いた。
皆、何か心の中にあった澱みが晴れた気分だ。
そう、誰も死んでいない。それがわかっただけでよかった。だれも、後悔なんてしていない。

家の前に戻ってみると、風藻と桜が待っているのが見えた。
「風藻さ〜ん、香緒音さんつれてきましたよー 疲れて寝ちゃってるみたいですー」
「おい、起きろ」
よみが智を優しく起こす。昔――もっとも、小学生くらいの時だが――やってあげたように…
「ん?よみぃ?あと5分寝かせて…」
ふざけているのか、それとも寝ぼけているだけのか、昔から聞き飽きるほど聞いてきた、でも懐かしい返事が返ってきた。
「寝ぼけるな。ほら、お前の家だぞ」
「う…ぁ?」
目を擦りながら、智は起き上がって、車から降りた。
「これで…お別れだな」
よみは智の手をギュッと握った。
「バカヤロ!暇ができたら遊びに来いよ」
智がニヤッと笑う。その目に今までの悲しみの表情は無い。
「おう、じゃぁな」
「皆さん、お世話にないました」
ちよが礼儀正しく挨拶すると、風藻も桜もにっこりと笑った。
「縁があれば、また来てください」
「じゃ、さようなら〜」
意外にあっけなく別れた。やっぱり重苦しく分かれるのは、もう会えない時だけだ。
皆、またきっと… いや、絶対会えると信じている。
だって、皆友達。そう、永遠の友達なのだから…

「そういえば、今日はクリスマスだね…」
智…いや、香緒音が空を見上げて言った。
「あら、珍しいじゃない。いつもなら「ケーキだー!」とか「プレゼントは〜」とか言うのに」
風藻がそう言ったが、智は微笑みながら、
「いいの。プレゼントはもうもらったから」
―最高のプレゼントをね…
香緒音は心の中で思った。
―1日でも滝野智に戻れて、皆と会えたこと。それが最高のプレゼント…
深い雪に閉ざされた山は、しんと静まり返っている。長い冬が過ぎて、雪解けの春になれば、また皆が着てくれると信じている。
その時まで、滝野智はお休みだ。また美紗片香緒音としての生活が始まる。
どっちか片方なんて選べない。皆、大事な人だから…
皆と別れるのは嬉しくないが、また新しい出会いがあるから。別ればっかりじゃ人生はつまらない。
今、この同じ空を見上げて、たまに自分のことを思い出してくれるだけでもいい。いつまでも忘れないでくれるなら…

85 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/05/27(木) 22:01 ID:???
出会いのあとには別れが来る そして新しい出会いが始まる…
               〜Fin〜


やっとこさ完結しました。
いや、始めの設定が悪いとここまで苦労するとは…
やっぱ、テスト前に急いで書いたのはだめだったなぁ(苦笑
でも、この作品を通して、文章のテクニック等が学べたので後悔はしていません。

86 :名無しさんちゃうねん :2004/05/27(木) 22:05 ID:???
>>83-85
まずはお疲れ様。
作品が長くなるときは通し番号を振ったり、タイトルをつけるなどして
続きものであることをアピールしたほうが良い。

他人に読んでもらいたいのなら尚更。

87 :名無しさんちゃうねん :2004/05/28(金) 20:44 ID:???
さんざんもったいぶったほどの出来でもなかったな。
まだ初心者なんだからストーリーと構成を決めてから書くべきだ。
結局話の根幹がしっかりしてないから内容が不安定で
話も無駄に長くなってしまうわけだ。
本文以外のところで露骨に感動路線ねらってるのも読者をしらけさせる。
とはいえ文は確実にうまくなってきてるから今後に期待

88 :名無しさんちゃうねん :2004/05/28(金) 22:02 ID:???
まあお疲れとだけ言っておこうか。

89 :名無しさんちゃうねん :2004/05/30(日) 22:57 ID:???
本当にお疲れさまです。
あなたの作品、他の書き手さんのそれとはちょいと違う感覚で楽しませて頂いておりました。
厳しいご意見も出ていますが、あなたの作品をよく読んだ上でのご忠告の筈ですので、
ぜひ謙虚に耳を傾け、理解し、次の作品に生かしてください。
今後のご活躍に期待しています。

90 :名無しさんちゃうねん :2004/06/06(日) 09:04 ID:???
・・・・深夜にセミの鳴く音で目がさめた。
もう一度寝ようとしたが寝れなかった。
こんな日は少し外を歩いてみよう・・・・

91 :ぁひゃ ◆.t4dJfuU :2004/06/06(日) 09:13 ID:???
靴を履き、どこに行くのかも決めてはいない。ただ暇つぶしに歩いてみた。
・・・少し歩いていくとなぜか住宅街に出てしまった・・・。
特に行きたいところもないので、このまま歩く事にする。
ふと家のベランダを見上げると星を見ているのだろうか、とてもキレイな女の子が見えた・・・。
A

92 :ぁひゃ ◆.t4dJfuU :2004/06/06(日) 09:17 ID:???
いきなりですいませんが、これは大阪ととりあえずこの男の子とのストーリーにしたいと思います。
読みにくい事があるかもしれませんが、温かく見守っていただければ幸いです。
でわ、また書いていきたいと思います。。。

93 :あひゃ ◆.t4dJfuU :2004/06/06(日) 13:27 ID:???
その子は月の光に映し出されてとても神々しくに見えた。
・・・話しかけてみようかと思ったが恥ずかしいのでやめた。
でも・・・自分の意識とは別に話しかけてしまった・・・
「あの・・・・何をされてるんですか?天体観測?」
無視されると思ったが彼女は微笑みながら答えてくれた。
「はい〜。星を見てるんよ、君はなにしてんのん?最近よく歩いてるなあ。」
キレイな声で彼女は答えてくれた。
B

94 :名無しさんちゃうねん :2004/06/06(日) 14:39 ID:???
キター(AA略)-!!

95 :名無しさんちゃうねん :2004/06/06(日) 16:11 ID:???
>>93
期待してるよー

96 :あひゃ ◆.t4dJfuU :2004/06/06(日) 16:30 ID:???
「その・・・何をしてるってわけじゃなくて、ただその・・・」
彼女は黙って話しを聞いてくれてる。少し目を上げて答えた。
「歩いてるんだ。寝れなくて。」
「そうなん?私は・・・・昼間寝すぎちゃって。ねえ君知ってる?星って・・・・」
彼女は楽しそうに話してくれた。1時間ぐらい話して、初めて名前を聞いた。
「ねえ君の名前を教えてよ!」
彼女は微笑みながらこう言った。
「また明日、会ったときな〜。」
・・・その夏休みは、僕にとって大事なものになる気がした・・・

97 :あひゃ ◆.t4dJfuU :2004/06/06(日) 16:31 ID:???
番号忘れてました、Cです。
94,95さんありがとうございます。

98 :名無しさんちゃうねん :2004/06/06(日) 20:15 ID:yubjHbAo
うん。いい感じ。

99 :名無しさんちゃうねん :2004/06/07(月) 18:13 ID:???
そういえばバンドのお話って完結したの?

100 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/06/07(月) 19:07 ID:???
新作投下します。
【ママ】

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