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あずまんがSSを発表するスレッド パート4!!

1 :あずまんが王子 ◆N1Y4rpky/o :2005/05/14(土) 00:04 ID:???
前スレのリンクです。
あずまんがSSを発表するスレッド パート3

http://so.la/test/read.cgi/oosaka/1081700484/

暴力・猟奇・グロなど読み手を選ぶ内容のSSは以下のスレッドに投下する点は前スレと同じです。

グロまんが大王
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1081698529/

新しいスレでも、またがんばりましょう。

82 :Moment But Happy Life 〜あっというまだけど幸せな命〜 :2005/06/04(土) 08:48 ID:???
「ちよちゃん、がんばれ。あと少しだからな……」
皆が来るまで、ちよちゃんを見守っていた。
息はしてるから大丈夫だ。まだ間に合うって自分に言い聞かせながら。
「ちよちゃん!」
一番に救急箱を持った榊さんが駆けつけてくれた。
「榊ちゃん!早く解毒剤!!」
「わかってる!!」
中にはメスとかいろんなのが入ってるけど、その中から注射器を取りだして、なんかの容器に突き刺して、中の液体を吸い出している。
そうか、あれが解毒剤か。
で、ちよちゃんの腕に打った。
「どう?」
「多分大丈夫。ともが毒を吸ってくれたんだろ?だからそんなに酷い事にはならないと思う」
これでこれで安心できた。
「よかったぁ」
「ああ……」
いつのまにか皆が私の後ろに集まっていた。
「まぁ、あとはちよちゃんを別荘に運べば終わりだしな!」
「そうね」
ふと気づいた。
皆どこか悲しそうだ。まだ、ちよちゃんが意識戻らないからかな?
まぁいいや。気のせいだ気のせい。
ところで、何か忘れてるような気が……
「そうだ!私も海蛇に噛まれたんだ!!」
ちよちゃんのことですっかり忘れてた。このままじゃ私も死んじゃうところだ!!
「お前…… 本当に気づいてないんだな……」
え?よみ、何言ってんだ?
「もう私でもどうしようもなかったんだ……」
榊ちゃんも。
「本当におっちょこちょいね…… あ、あんたって……」
かおりんまで!?
「何だよ!私がどうしたんだよ!?」
「とも、手をかざしてみなさい」
なんかいきなりトンチンカンな質問だけど、かおりんに言われて左手を夜空向かってかざした。
「はいよ」
なんでこんなこと?べつにどーってことないじゃん
「あんた、本当に鈍いのね……」
へ?何が?
「じゃぁ手を私に向かってかざして、良く見ろ」
「よみ!!それは―――」
「いいんだ…… そのほうがとものためだ」
まったく、私の手に何かついてるの?
まぁわかんないけど私は手を見た。
「!!!!」
手によみの顔が映ってた。いや、よみの顔が透けて見えてる
何これ!?どうなってんだよ!?
「な、なんだよこれ!?」
まさか……まさかまさか、私……

83 :Moment But Happy Life 〜あっというまだけど幸せな命〜 :2005/06/04(土) 08:49 ID:???
「もう、わかっただろ……」
今度は神楽が後ろにいた。涙を零しながら、こっちを見てる。
神楽の両肩から腕が垂れ下がっている。
つまり誰かを背負ってるってことだけど、メンバーは全員ここにいる。ってことは―――
「神楽…… もう、覚悟できてる。だから―――」
神楽の持ってるのが“誰か”くらいわかるよ。怖いよ。それを見るのが……
けど…… 見なかったらどうこうなることはないんだよな……
「ほら……」
器用にその“誰か”を手前にもってきて、お姫様だっこで私のほうに向けた。
いっつも一緒にいて、別々になるなんて夢にも思わなかった。
無茶する私にいっつも耐えてくれた―――私の身体(からだ)。
毎日鏡で見ている姿がそこにあった。嘘みたいだけど―――死んじゃってるんだ。
もう、私は…… 死んじゃったんだよな。
あの時だ。別荘の前で転んだ時。あそこのあと全力疾走したのに、辛いどころか、体がフワフワしてたし。
「笑って…るんだぜ。いかにも…お前らし……っい死に方じゃっ……ねーかよ……」
なんで…… 笑ってるんだ?毒でフラフラになって…… なんで?わからない。
けど、満足したからじゃないかな。ちよちゃんを助けられたから。
別に自分の命がどうこうなんて思ってなかった。ただ、ちよちゃんがこんな悲しい中で死んでほしくなかった。ただ、それだけ……
「なぁとも……」
「何だよ?」
よみの声が震えてる。こんなに悲しそうまよみ見るの、大阪の時以来だ……
「満足……してるか?今まで……」
「ああ!」
そりゃぁもちろん―――
「大満足だ!」
大笑顔で返してやった。だって別に死んじゃったのは私だけだし、悲しむ事はないよな。
「そりゃぁこれからお前たちと喋れなくなるのは悲しいよ。
 でもさ、お前たちの事ずっと見守ってやれるし。御用とあれば、ムカツクやつらを呪い殺してやってもいいぜ」
よみのやつ、クスッって笑って―――
「そうか。ならいい」
って言った。
私も、大阪のところに行く事になったんだ。もう、こっちの人間じゃない……
「わっ!」
「うわぁぁぁぁっ!!」
な、なんだ!?
「あはははははは。変わらんなぁ、ともちゃんも」
この声、この大阪弁、このおっとり感、そして何よりもこの感覚……
「大阪ぁっ!!」
約束、守ってくれた。
会いに来てくれた。
「もう、ともちゃん。死ぬの早すぎやで!」
そう言いながら、私の胸――結構成長したんだぞ――に抱きついてきた。少し、涙声だ……
「なに泣いてんだよ〜〜〜。お前らしくねーぞ!」
「だって、ともちゃん死んでもうたんやで!」
「別にさぁ、人間いつか死ぬんだから〜〜〜。それに大阪だって死んでるじゃん。くよくよしてたってしょうがないし」
嘘じゃない。本当にそう思ってる。
だって私が死んでも、皆がそう考えてほしいから。悲しんでほしくないから……

84 :Moment But Happy Life 〜あっというまだけど幸せな命〜 :2005/06/04(土) 08:51 ID:???
「でも、私が死んだとき、ともちゃんやって泣いとったやん!」
大阪の抱きしめる力が強く――てか、もともとこいつ力弱いけどな――なった。
「そ、それは―――」
「まぁええ。お願いや。このままもう少しだけ……」
「ああ……」
綺麗言かもしれないけど、言葉なんて要らない。
お互いに理解しあえてるつもりだし、満足しあえればそれでいいんだ。
「っと、大阪……」
「ん?どないしたん?」
大阪が私を見上げる。
改めてみると、皆がこっちを見てる。
「お前も大阪も、本当にかわんねーな」
「ほんと、死んだなんて思えない」
「別に、女同士で愛し合うのは悪い事とは思わない」
「これなら、あっちの世界でも安心だな」
あわわわわわ。こ、これはかなり恥ずかしいぞ。
「あの、こーゆーことは成仏してからにしよう、な」
大阪をゆっくりと離らかした。
「せ、せやな」
大阪もかなり赤面してる。やっぱ、皆の前でこんな大胆なのは…… やっぱりなぁ。
「あー、成仏で思い出した。私、ともちゃんを成仏させにきたんや」
「ってことは、お迎え?」
「せやねん」
そっかぁ……
やっぱりこのままここにいるってのはダメだな。
「49日間だけこの世にいれるんやけどな。その前にともちゃんをふつーの人には見えへんようにせんとだめやねん」
へー。そうなのかぁ……
「ちょっと寝過ごして遅れてしまったんや」
……おい。
「なぁ、最期にもう少し時間くれよ。皆に一言ずつ…… な?」
「あ―――、そんなことしたら役人さんに怒られてまうんやけどなぁ……」
天国にも役人いるのか。やっぱり無理だよなぁ……
「まぁええで。ともちゃんの頼みやさかいなぁ。怒られるのはゆかり先生ので慣れとるし」
やったぁ!
やっぱりさぁ、最後くらいはけじめつけてきたいよな。
けど、もうこれで最期…… なんだよなぁ……

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