世の中のすべての萌えるを。

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レス数が 1000 を超えています。残念ながらこれ以上は書き込めません。

あずまんがSSを発表するスレッド パート2

1 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 05:50 ID:???

2chと同じつもりで投稿していたら、スレッドがいっぱいになってしまいました。
とりあえず新スレを立てておきます。

前スレ
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1046110813/

2 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 05:59 ID:???
なんかスレをいっぱいにしといてなんですが前スレ>652からの続きです。
軽いグロありなので嫌いな人はスルーを。


「だけどよ、まだ爺さんが犯人だときまったわけじゃ……」
「あいつだよ! ちよちゃんを殺したのはあいつに決まってる!」
突然、智が叫び声を上げる。みんなは驚いて智を見上げた。

「私は見たんだ! 廊下を走っていく影を見たんだ。あいつがちよちゃんを殺したに違いないんだ!」
「智、分かったから落ち着け」
暦と神楽になだめられ、智はようやく静まった。皆、一様に沈黙した。
何人かが隣の部屋に目をやる。ふすまの向こうにはちよちゃんの遺体が安置されていた。
「……それで、武器になるものは?」
「これが」
神楽が手に抱えた者を差し出す。

3 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 06:01 ID:???

「包丁、果物ナイフ、金属バッドにアイスピックか……まあ、ないよりはずっとマシだな」
武器が皆の手に行き渡る。
金属バッドなどの長柄は暦や智、大阪が持ち、包丁や果物ナイフなど扱いの危険なものは
運動神経のよい神楽と榊に手渡された。榊はちよちゃんが死んだショックからまだ立ち直れて
いないのもあり、もとより暴力を好まない性癖でもあって、最初は刃物を持つことを嫌がって
いたが、暦に強く説得されてしぶしぶ手に取った。

「これからは必ず二人一組で行動すること。何をするにも、絶対に一人になってはならない。
トイレにも必ず二人一組でいく。夜寝るときは交代で不寝番をたてよう」
「よみちゃん、あたしら五人やから、一人あまるで」
「そのときは、三人組になるようにしよう」
「それで、とりあえずこれからどうする?」
「ジジイを探そう」
暦は皆を見渡した。

4 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:03 ID:???

「あのジジイが犯人かそうではないか、いずれにせよ見つけておく必要がある。
犯人で無いのなら、もう既に殺されている可能性が高い。その場合、何者かが
屋敷に侵入していると考えられる。そしてもし犯人なら、次の凶行に及ぶ前に、
先手を打っておかなければならない」
「ちょっとまってや」
大阪が口を挟んだ。
「よみちゃんのいいようだと、まるで、爺ちゃんみつけたときは――」
「ああ」
暦が頷いた。
「殺すしかないな」
「!!」
皆が再び息を呑んだ。

5 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:03 ID:???

「こ、殺すって……」
暦の眼鏡が無機質に光を反射する。
「もちろん、やむをえない場合だ。私たちを狙う動機も分からないしな。だが、まずは
私たちの身を守らなければならない。もし話し合いでどうにかなる状況で無ければ、そのときは――」
皆が静まり返る。
「――それじゃあ、もう行こうか。みんな気をつけていけよ」
暦が立ち上がる。まだ夜が開けきっていない時間だった。
吹雪はますます激しく、古い木造の屋敷全体が軋みを上げていた。

6 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:04 ID:???

智たちは二つのグループに分かれた。一つは智と神楽、もう一つは暦、大阪、榊の三人である。
智のグループは屋敷の東側を受け持つことになった。
「なあ、今の話どう思う?」
「何がだよ」
おずおずと問う神楽に智はぶっきらぼうに答えた。
「あの爺さんが犯人じゃないかって話だ」
「ああ」
智が手に提げたアイスピックを軽く一振りさせる。
「たぶん、間違いないと思う」
「なんで?」

7 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:04 ID:???

「なんでって、他に考えようが無いだろ。いいか、私たちはつい昨日ここへ来たばかりなんだぞ。
それが電話線を切っておいてから襲おうなんてこと、前もって計画していなければできるはずないじゃないか。
それができたのはあのジジイだけだよ」
「うーん、そうだよな……」
やや黙ってから、また口を開く。
「じゃあさ、さっきのよみの話は?」
「話って?」
「その……殺すってことだよ」
廊下が軋む音をたてた。
「――やるしかないだろ」
智は抑揚の無いでつぶやくように言う。
「で、でもよ……」
「だったら、他にどうする!?」

8 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:06 ID:???

智は弾かれたように振り返り、神楽に怒鳴りつける。
「実際にちよちゃんは殺されたんだぞ! それもあんなに酷い殺し方で!
私らだっていつ同じ目に遭うか分からないんだ! 悠長なこといってる場合なのか!?」
「わ、分かったよ、落ち着けって」
「殺るか殺られるかなんだ! 手段なんか選んでる場合じゃないんだ!
殺るしかないんだよ! でなきゃ、私たちはちよちゃんみたいにみんな殺られてしまうんだ!!」
神楽はびっくりしたように見ている。智が荒く息を吐いた。
「……ごめん。私が大人気なかった」

神楽が首を左右に振る。
「いいって。気にすんなよ」
努めて明るい声を出した。
「しっかし、大人気ないとか、お前の口からそんな殊勝な言葉がでてくるとはな〜」
「何を〜!!」
「ははは」
二人はわずかな間じゃれあっていた。だが、ほんのつかの間のことだった。
二人は再び重苦しい沈黙に包まれた。
「なあ、あたしまだ信じられないよ」
ぽつりと神楽が漏らす。
「ちよちゃんが、ちよちゃんが死んじゃったなんてさ」
「うん……」

9 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:06 ID:???

――そのとき、悲鳴が響き渡った。

「!!」
「い、今の……」

「行こう! あっちからだ」
智がアイスピックを片手に駆け出す。その後を、神楽が慌てて追う。
廊下を走り、畳の上を横断して、なん部屋も通り過ぎながら、薄暗い屋敷を走り回る。
声は西側から聞こえた。暦たちのグループで何かがあったのだ。

「! 智、あそこ!」
廊下の先で誰かが倒れていた。
「うおおおおっ!!」
智がアイスピックを振り回しながら突進する。
「どうした、何があった!? ああっ!!」

10 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:07 ID:???

廊下には榊と大阪が倒れていた。二人とも血を流している。
「おいっ! しっかりしろ!!」
智が大阪を揺り起こす。大阪は頭から血を流していた。
「しっかりしろったら! おい、お前冗談だろ!? おいったら!!」
激しく揺さぶる。反応は無い。さらに叫びかけたそのとき――
「う……ん……」
大阪は薄っすらと目を開けた。
「智ちゃん……?」
「大阪! 生きてたか! 良かったぁ!」
智が歓声を上げる。

11 :暗い雪の底で :2003/12/08(月) 06:07 ID:???

「神楽、そっちは?」
「……駄目だ」
「えっ?」
「もう、死んじまってる」
「そ、そんな……冗談だろ?」
神楽は細かく震えていた。
「榊はもう死んじまってるんだよおおおおおおおおおっ!!」
「あ……あ……そんな……何で?」
榊は腹から包丁を生えさせていた。榊が持っていたはずの包丁を。
榊はいつものやや無表情な顔のまま、少しく目を見開いて、
自らが流した血の海の中でかたまっていた。瞳孔は既に開いている。
「何でなんだああああああああああっ!!
ますます激しくなる吹雪にかき消されながら、智は絶叫した。

12 :へーちょ :へーちょ
へーちょ

13 :へーちょ :へーちょ
へーちょ

14 :へーちょ :へーちょ
へーちょ

15 :へーちょ :へーちょ
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39 :へーちょ :へーちょ
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41 :へーちょ :へーちょ
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42 :へーちょ :へーちょ
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43 :へーちょ :へーちょ
へーちょ

44 :へーちょ :へーちょ
へーちょ

45 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 06:46 ID:???
↑ご苦労様です

46 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 16:56 ID:???
これで即死はなくなったと考えていいのかな?
あ、新スレおめでとうございます。
何せSS途中で切れてしまったものだから、どうなってしまうのか気がかりで……
完結まで頑張ってください。では。

47 :眠い名有り :2003/12/08(月) 17:35 ID:???
新スレだ!!
さぁまた続編書かなきゃ!!

テストだ・・・(鬱

48 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 20:11 ID:MkF4gfIM
>>12-45
朝っぱらからご苦労様です。早起きさんか徹夜さんでしょう。
朝っぱらから大阪板へ自作自演とはおめでてえな。
グロ話の嫌な使徒は33も無駄にしないでその部分飛ばし読みしては如何かな。

これからもこのスレがますます発展していくことを期待します。

49 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 20:42 ID:???
削除依頼出したほうがよいでしょうか。
俺もグロいのは嫌いですが、これはあんまりなので。
>>48を読むまで>>45>>12-44への皮肉だと思ってた)

50 :名無しさんちゃうねん :2003/12/08(月) 22:40 ID:MkF4gfIM
この時間帯2分後に書き込めるなんて同一人物しか考えられません。
DQNのおかげで33も無駄になりますた。

51 :ケンドロス :2003/12/08(月) 23:01 ID:???
俺もグロいの嫌いな方だけど、確かにこれはないよな。

52 :眠い名有り :2003/12/09(火) 16:26 ID:???
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1046110813/642-643
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1046110813/615-622
の続き。

ちなみに心の中のことはそのまま「智」「大阪」といった表現を使います。

53 :眠い名有り :2003/12/09(火) 16:26 ID:???
いきなりゆかりが教室に入ってくる。
ゆかり「よし!じゃぁ今日は・・・なんだぁ〜〜智も大阪も寝て・・!!」
続いて包帯を巻いた榊が・・
榊「どうしたのゆかり先せ!!」
二人が驚いたのも無理はない。智と大阪の顔はよみと神楽によってめちゃめちゃにラクガキされてたのだから・・・
ゆかり「プッ・・・クククク・・・どっ・・どうしたの・・それ!」
ちよ(智)「あ〜〜〜〜!!よみ!!」
ちよ(大阪)「神楽ちゃん!そんなぁ〜〜〜!」
ゆかり&榊「えっ!?」
ちよ(本物)「あっ!」
ゆかり「どうしたんだ?さっきからちよ変だぞ。」
ちよ(もう・・いっちゃう?)
智(ああ。)
大阪(そうやね。)
ちよ(本物)「実は・・・・」

54 :眠い名有り :2003/12/09(火) 16:28 ID:???
ゆかり「そうなの・・・。でもいいんじゃない。それで。」
ちよ(三人)「えっ!?」
ゆかり「だって、そしたら智のうるささも大阪のボケも、ちよすけが止めてくれるでしょ。」
ちよ(智&大阪)(ガーーーン)
ゆかり「それに、受験だってちよすけのおかげでいい大学出れるし。」(←極めつけ
ちよ(智&大阪)(ガーーーーーーン!ガーーーーン!!)
ちよ(智)「あの・・・私ってそんなに馬鹿?」
ゆかり「えっ!今ごろ気づいたの!?」
智(・・・・・ぐす!私ってそんなに馬鹿だったの・・・)(落ち込んでる。
ちよ(智ちゃん。落ち込まないでください。)
よみ(あんた本当に教師か・・・)
榊「私も・・・その方がいいと思う・・・」
ちよ(大阪)「え!榊ちゃんも私のボケが嫌とか言うんか!?」
榊「いや・・・もとに戻そうとしてこうなったんだろ。これ以上無理に戻そうとして悪くなるならこのままのほうがいいんじゃないか?」

55 :くろまんが大王 :2003/12/09(火) 22:50 ID:???
いや、>>45は漏れなんだが・・・。

『暗い雪の底』投下した後、すーぱーさげダッシュされたので、つい苦笑しながら書いた。
基本的に漏れのSSはグロありだろうから、嫌いな人はとりあえずスルーされることを推奨します。

それでは、他の作家さんがたもがんばってください。

56 :名無しさんちゃうねん :2003/12/10(水) 09:55 ID:???
あら、それがHNになったんですか?(w
色々大変ですが、楽しみにしている人もいるのでそれだけは心に止めておいてください。

57 :名無しさんちゃうねん :2003/12/10(水) 17:33 ID:???
>>56
有難う。君の一言うれしい限りだよ。
そして気を引き締めねば。

58 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:54 ID:???

闇が吹雪いていた。暗い雪の底で。ちよと榊、彼女たちに夜が明けることはついに無かった。

「どう……し……て……」
神楽は泣いていた。榊の遺体にしがみついて。一片の陽の光も差し込まぬ中、
ただ、激しくガラス戸を打つ吹雪だけが、世界の輪郭を顕わにしていた。
智は暗い面持ちで大阪を見やった。

「――大阪……何があったか聞かせてくれないか」
「……うん」
大阪がおもむろに語りはじめる。頭には痛々しげに包帯が巻かれていた。

「私らは、よみちゃんについていって、西側の廊下を歩いとったんや……。真っ暗で、
どの部屋に誰が潜んどるか分からんかった。みんな、気ぃつけよっていって……。それで、
よみちゃんが懐中電灯を手に先頭にたっとった。三番目の廊下をまがって、そのときやった。――誰かが廊下を横切ったんや」

59 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:54 ID:???

部屋に、大阪の静かな声が響いた。もう三人だけになってしまった部屋に。
「確かに、みたんや。誰かが横切るのを……。私らはすぐに追いかけた。でも、みんな走っていくやろ。
私は足が遅いから、ついていくうちに遅れてしもうて……。それで二人が先に角をまがったとき、
悲鳴があたがったんや。あたしはあわてて角をまがったんやけど、誰かに後ろから殴られて、そのまま……」
「それで、よみがどうなったかは?」
大阪は首を振った。
「そうか……」

「よみだ」
不意に神楽が呟く。
「なんだって?」
「よみが殺したんだ!」
「なに……!?」

60 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:55 ID:???

智が目を見開く。すぐにその顔が激情に歪んだ。神楽の襟首を掴む。
「おい、おまえ今何といった!? もういっぺんいってみろっ!」
「よみが殺したんだよ、榊を、ちよちゃんを!」
「ふざけるな! 何でよみが二人を殺さなくちゃならないんだ! でたらめもいい加減にしろ!」
「だってそうじゃないか!」
神楽が負けじと大声を出す。
「あいつも一緒に襲われたのならなぜ姿を現さない!? 怪我をしているならどこかから
私たちに助けを求めるはずだろう? あるいは、もう殺されているのだとしたら、
どうしてよみの死体が見つからないんだ? 忽然と消えちまっているなんて可怪しいじゃないか!!」
「それは……」
智が言葉につまる。確かに、暦の姿が消えてしまっているのは不可解だった。
ちよと榊を殺した手口といい、犯人は殺害の痕跡を隠そうとはしなかった。
誰かが来るかもしれない中、わざわざ暦の死体を運んで隠す理由が分からなかった。

61 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:55 ID:???

「あいつが油断させておいて榊を刺したんだ。そして、あとからついてきた
大阪の頭を後ろから殴った。だけど殺し損ねて、それでどこかへ隠れたんだ」
「いいかげんなことを言うな!」
智が怒鳴り散らす。
「じゃあ聞くが、よみに、ちよちゃんと榊を殺す何の理由があるってんだ? いってみろ!」
「理由ならあるさ――よみは榊を憎んでいたんだ」」
智が口をあけたまま固まる。
「――何だって?」
短く、驚きの声が漏れた。
神楽はそんな智を冷ややかな目でみていった。
「よみの奴は前々から榊を忌々しく思っていたんだ」
神楽が言葉を続ける。

62 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:56 ID:???

「美人でスタイルがよくって、男子にも人気があり、スポーツは万能。頭だって悪くない。
あいつはそんな榊を妬んでいたんだ。よみは別のグループとも付き合いがあるだろうが?
実はあいつ、陰で榊の悪口を言いふらしていたんだよ。こそこそとな。お前、かおりんが
なぜ私らのグループから離れていったか知ってるか? 榊が嫌いなあいつとはそりが合わず、あいつに追い出されたんだよ」
「そ、そんな……」
襟首を絞める力が弱弱しくなっていく。
「クラスの中で孤立している前は知らないだろうがな」
ふん、と神楽は鼻を鳴らした。
「――実を言うとよ、私もお前が大っ嫌いだった」
「え?」
智の口からかすれた声が漏れた。

63 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:56 ID:???

「勘違いするなよ。私は榊といるためだけによみたちのグループにいたんだよ。それだけさ。
だけどお前のことは本当にうざかったぜ。はっきりいって大嫌いだった。榊と一緒にいるために我慢して、
適当に調子を合わせていたよ。だけど、たまにマジで殺したいと思った。お前はクラス中から嫌われてるんだよ。
私らのグループ以外の女子は、いや男子も、誰もお前のことなんか相手してなかったろうが?
話しかけても無視されたとき、何かの気のせいだとでも思って自分に言い聞かせてたのか? ハハハッ! 大笑いだな。
よみだけは幼馴染の腐れ縁でしぶしぶお前の面倒をみてたようだけど、それでも半ばうんざりしてたぜ」

智は一点を凝視し、死んだように固まって、残酷な言葉を聞いていた。
神楽が構わずに立ち上がる。手提げの中に水の入ったペットボトルと、食料の一部を詰め込んだ。

「私は、勝手にさせてもらうぞ。もう、うんざりだ。いまさら、お前なんかと一緒にいるつもりはない」
戸口に立ち、そうやって大阪に振り向く。

64 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:57 ID:???

「大阪、お前も私と来い。こんなやつと一緒にいるとロクなことないぞ」
智は固まっていたが、はっとして面を上げた。哀願するようなまなざしで大阪をみる。
大阪はなにやら考えているようであったが、智と目を合わせようとしない。

「――私も、神楽ちゃんといく」

そういうと、智を振り返ろうともせずに部屋を出て行った。

智はただ一人取り残された。二人の死体が残るその部屋へ。
頭の中がぐちゃぐちゃになり、神楽のさっきの言葉が何度も意識の面に出ては消えていった。
ふと手を見ると、榊の遺体を運んだときの血糊がべっとりとこびりついていた。

65 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:57 ID:???

「なんで、こうなってしまったんだろうな――」

自分では泣きたくなんかないのに涙が溢れてきた。
拭っても拭っても、とめどもなく溢れてきて、ポタポタと畳の上に染みをつくった。
智は立てひざに顔をうずめてなきじゃくった。

「よみが殺したんだ!」

その言葉が反芻される。

本当に暦がちよや榊を殺したのだろうか。確かに、老人が犯人だと強く主張していたのは暦だった。
そして、二手に分かれて老人を探しに行かせたのも。
それが、疑いを老人に向けさせ、皆を分散させる手段だとしたら――

「違う! そんなはずはない!」

智は激しくかぶりをふった。自分と死体以外誰もいない部屋に叫び声が響き渡る。

66 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:58 ID:???

「よみは、よみはずっとあたしの友達だったんだ。そんなことするはずなんて、あるわけ……」

幼稚園からずっと、暦は同級生だった。どんな時でも一緒だった。

中学校のとき、智は陰湿なイジメにあっていた。そのとき、智は今からは想像がつかないほど、
内気で無口な生徒だった。そこをつけこまれて、気の弱くて頭もよくない智はイジメのターゲットになっていた。
毎日が地獄だった。死のうとも考えた。そんな智の唯一の友達が暦だった。暦がいなかったら智はとうに自殺していただろう。

高校に入り、智は自分を変えようと必死になった。もういじめられるのはまっぴらだと。
明るく元気な強い自分に生まれ変わるのだと。必死に勉強して暦と同じ高校に入ると、
中学のころの自分を忘れるかのように強気に出た。しかし、それは裏目に出た。

67 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 17:58 ID:???

はしゃいで皆のウケを狙おうといろいろとふざけてみた。だが、本質は昔のいじめられっこままの、
まるで空気が読めない彼女のやることは、皆からひかれ、疎まれるだけだった。
智はいつの間にかクラスで孤立していた。そのことに智は気づかないふりをしていた。
それを認めてしまえば智の心はどん底までおちてしまうから。そうして暦のグループで
はしゃいでるときだけが生きていると実感できた。暦だけが智の心の支えだった。
それなのに、暦が犯人だなどと――

「そんなはず、ない……」

智はただ俯いて泣きじゃくっていた。

――どれほど時間がたったろう。再び、屋敷に響き渡った。誰かの悲鳴が。

68 :暗い雪の底で :2003/12/10(水) 18:01 ID:???
以上>>58-67>>2-11の続き。
長々続けさせてもらったが、次回で完結する予定。

69 :眠い名有り :2003/12/10(水) 22:19 ID:???
続編!!

70 :眠い名有り :2003/12/10(水) 22:20 ID:???
ちよ(大阪)「それにしても・・・どうしたら戻るねんろ・・・」
よみ「智に聞け!智に!!」
ちよ(本物)「智ちゃんは寝てます。」
よみ「そうか・・・いろいろあったからなぁ。」
神楽「でも、智にはいい薬になるかもな。」
ちよ(本物)「えっ!?」
神楽「ちょっと智は調子に乗りすぎてる。少し反省したほうがいいと思うぞ。」
榊(確かに・・・)
ゆかり「それより、さっきの職員会議で決まったわ。今日は学級閉鎖。さぁ、皆帰りなさい。」
神楽「やったぁ!」
よみ「まぁぁぁーーーった!!」
神楽「え・・・?」
よみ「お前と私はこいつらの体を運ぶんだ。」
神楽「どこに?」
ちよ(本物)「私の家がいいと思います。今日は私一人ですから。」
よみ「じゃぁ、ちよの家に決定!!」
ちよ(大阪)「それじゃぁ、あっ!」
ドテ!
ちよ(本物)「大阪さん、智ちゃん、私に体を譲ってください。一人が管理すればうまく歩けると思います。」
大阪(そうやね・・・)

71 :眠い名有り :2003/12/10(水) 22:20 ID:???
〜ちよ宅〜
よみ「ふぅ、重かった。」
神楽「そういやぁ、智と大阪結構静かだな。」
ちよ(本物)「はい、二人ともまだ寝てるみたいです。」
神楽「そうか・・・」
よみ「なぁ、神楽。さっき言ったこと本当に思っているのか?」
神楽「あ、あぁ。」
よみ「確かに・・・あいつ行き過ぎたところもあるけどさぁ・・・ そこまで言うことないんじゃないか?」
神楽「でも・・・あいつちょっとしつこいよ。私は・・・ 私の本音は・・少しあいつが静かになってほしい。」
よみ「そうだよな・・・やっぱりあいつちょっとうるさくて、馬鹿だけどさ・・」
ちよ(智)「お前ら・・・私のことそんな風に思っていたのか!?」
神楽「と・・智!お前・・!」
よみ「智!!こっこれは・・・」
ちよ(智)「そうなんだ。お前ら私なんかいなくなればいいと思ってるんだ!
     私なんか・・・しつこくて・・馬鹿で・・・別に私なんて・・・!」
神楽「違う!これは・・!」
ちよ(智)「もういい!お前らなんか何でもない!いいよ!もうお前らとは絶好だ!!」
よみ「智・・・」

ちよ(智ちゃん、本当に皆がそう思っていると思ってるんですか!!)
智(思うも何も、あいつら自身が言ってたんだ!)
ちよ(でも、皆は智ちゃんのことを思って!)
大阪(そうや、皆智ちゃんのために言ってるんやで!!)
智(そうか・・・お前らもあいつらの肩持つんだな!!そうか、私に見方は誰一人いないんだ!)
大阪(智ちゃん!それはちゃう!!)
智(うるさい!お前らとももう口は利かない!どうせもう元の体には戻れないんだ!
  いいよ!ちよが死ぬまでこの体の中にいる!別に誰も話し掛けなくてもいい!どうせ私は一人だからな!!
  誰も私なんていらないんだ!私なんてこのまま死んでしまえばいいんだ!!)

72 :眠い名有り :2003/12/10(水) 22:32 ID:???
>>58-67
いやーーいい物語ですね!!
最終回楽しみにしています!

あと、できればageで書き込んでほしいデス!!

73 :さかちー :2003/12/10(水) 22:37 ID:???
>ちよ(大阪)「それにしても・・・どうしたら戻るねんろ・・・」
これってどういう言葉でしょうか?大阪ってこんなこと言いましたっけ?

>よみ「じゃぁ、ちよの家に決定!!」
あずまんがキャラの中で「ちよ」と呼ぶのはちよ父だけです。
やっぱりキャラの呼称は大事かと。

>ちよ(智)「もういい!お前らなんか何でもない!いいよ!もうお前らとは絶好だ!!」
                                            ~~~~~~
シリアスな場面で意味が対極になってしまうこの誤字は痛いです。
漢字変換は本人がすっかりそのつもりでいると気づきにくいものです。
よく確認しましょう。

急に重い場面になってしまいましたが、このあとどうなるのか。
続き待ってます。

74 :眠い名有り :2003/12/10(水) 22:52 ID:???
>>73
ギャーーーーー!!
誤字が・・・
あ、
>ちよ(大阪)「それにしても・・・どうしたら戻るねんろ・・・」
にかんしては
「それにしても・・・どうしたら戻るんだろう・・・」
ってことです。

と、言うか、言われるまで「絶好」で正しいと思っていた自分・・・(泣)

75 :◆bO84BHHK5c :2003/12/11(木) 22:06 ID:???
 5月の連休が終わってしまってから、初めての平日。学校への道すがら、ある
女子高生は数日前からの悩みを、未だに悩み続けていた。
(やっぱりこっちのひとに合わせたほうがええんやろか……)
 彼女は、連休中にばたばたと一家で東京に引っ越してきた。せっかく以前
住んでいた場所の高校に合格し、入学してかなりなじんでいたころだったのに、
親の仕事の都合で急に引っ越さなければならなくなってしまったのだ。
ほとんど時間もなく、家族より先に彼女だけ東京に出てきて編入試験を受け、
運か実力かはともかくそこそこ名の知れた進学校にもぐりこむことができた。
 しかし、以前のすみかである大阪からははるかに離れた土地。何度か転校の
経験はあるものの、いずれも関西圏で、違いがあるものの似通った文化を
持つ土地での移動だった。
(変なしゃべりやーって、いじめられるかもしれへんし……)
 大阪を去る時、友達に「向こうに行ってもええかっこして東京弁なんか
使うんやないでー」なんてからかわれたりした。けれど、こちらに来て
街を歩いてみれば、聞き慣れない言葉の洪水。自分は、遠くに来てしまったのだ。
寂しいから、ここが嫌いになったからと言って、簡単に帰れる距離ではない。
(せや。早くみんなと仲よーなるんや。それには、やっぱり最初がかんじんや!)
 関西言葉に、愛着が全くなかったわけじゃない。けれど、よそ者が受け入れ
られるには、仕方のないこと。そう自分を納得させながら、知らない人ばかりの
学校にたどりつき、指示されたように職員室に向かう。
「おーっ! あんたが噂の大阪人ね! よし! じゃさっそく教室に行こうか。
みんな期待して待ってるわよー!」
 新しく自分の担任となる先生の第一印象は、先生らしくない人、だった。
一息入れる間もなく、引きずられるように教室に案内された。

76 :◆bO84BHHK5c :2003/12/11(木) 22:09 ID:???
「はーい。例の転校生の春日歩さんです」
 谷崎ゆかりと名乗った先生の言葉に、教室のあちこちからどよめきがあがる。
転校は初めてではない彼女だが、やはりこの瞬間は緊張する。それに、
なんだか今回は教室の空気がやけに熱い。気圧されながらも、何度も練習した
自己紹介を始める。そう、今回は東京風。
「春日歩といいますよろしくおねがい」
「だめだめ」
 最後まで言い切らないうちに、先生にさえぎられてしまった。
(あ、あかん……。今のは言い方がおかしかったんや。それで、きっと
ちゃんと東京の言葉でできるまでなんべんもやりなおしをさせられるんや……)
そんな心配とは、はるかに別のところにさえぎられた理由はあった。
「そんな気をつかって普通の言葉でしゃべらなくていいから! よろしゅー
たのみまんがなーでいいよ」
「そ、そんなの大阪でも……」
 やっと教室の空気が熱い理由に気がついた。みんな、こてこての大阪人を
期待して待っている。
(これは予想外やった……どないしたらええん?)
 悩んでみても、教室中からの期待のまなざしを受けて、
「はい!」
と先生にうながされてしまってはどうしようもなかった。
「……よ、よろしゅーたのみまんがなー」
 自分でもいんちきくさいと思ったけれど、みんなからは歓声が上がった。
(な、なんか違うでー……せやけど)
そう思いながらも、転校生、春日歩は安堵していた。先生も、クラスの
みんなも、歓迎してくれている。
(……ここの人らと、仲よーなれそうや)
 緊張していた心が、ふっとほぐれていく。初夏の日差しが、優しく教室に
差し込んでいる日だった。

77 :さかちー :2003/12/12(金) 00:58 ID:???
おお、こういう解釈でいきましたか。
ゆかりがどんなつもりだったかはわからないけれど、
大阪にとっては何よりも優しい言葉だった。
心があったかくなる話です。



思えば、まだリンクが貼られてなかったので、
ラウンジの方のスレを紹介しておきます。

SS書きの編集会議室
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1064083852/l50

どんなスレかは、このスレの1をご覧下さい。

78 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:09 ID:???

「――今のは……!」

聞きなれた人物の悲鳴だった。
(一体、どうなってるんだ? なんであいつが……)

だが、間違いない。いつも聞いていた、あの人物の悲鳴だった。
(だって、彼女はあいつと一緒に ――いや、まてよ)

あることが智の脳裡に閃いた。

(まさか……まさか……)

疑惑のかけらが意識の中でつながり、確信へと変わっていった。智はすべてを悟った。

(そうか そうだったのか 犯人は――)

智はアイスピックを片手に立ち上がった。声のした部屋へ。急ぎもせずに歩いていく。
なぜだか、あいつが待っているのは分かった。襖を開けた。

79 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:10 ID:???

「あ、智ちゃん、来たんか――」

大阪が立っていた。血塗られた金属バッドを手にして。
足元には神楽が斃れていた。頭が砕かれ、脳を露出している。

「大阪――」

智は悲しげに呼びかけた。友達だったものへ。不思議と怒りはなく、哀れみさえ感じられた。
不意に誰かが後ろから智を羽交い絞めにした。

「爺ちゃん、ご苦労様。そうやって、それ始末するまで押さえとってや――」
「…………」

後ろには老人が立っていた。

80 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:10 ID:???

「大阪――お前だったんだな、みんなを殺したのは」
「そや」
大阪が答える。いつもののんびりとした口調で。表情の無い顔には神楽を殺した返り血がこびりついていた。

「正確にいうと、私と爺ちゃんの共犯やな。ちよちゃんを殺したのは爺ちゃん、
榊ちゃんを油断させて殺したのは私や。よみちゃんもおるで〜」

大阪はあごをしゃくって右手を示す。押入れの中には暦がいた。喉をぱっくりと裂かれて、絶命している暦が。
老人の腕の中で、智がビクン、と震えた。大阪が智の目の前にまでやって来る。




43 :(-_-)さん :03/12/12 02:40 ID:???

「爺ちゃんがそいつ殺して、ここまで運んでくれたんや。案の定、あんたらは仲間割れ始めたな。思う壺やったで。
――どう? 智ちゃん、悔しい? 大切な友達のよみちゃん殺されて悔しい? よみちゃんとは大の仲良しやったからなぁ。
やっぱ殺されて悔しいやろ。私が憎いやろ。私を殺したいんやろ。殺しとうて殺しとうて仕方がないんやろ?
目の前によみちゃん殺した私がいるのに、何の手出しもできへん自分が悔しいやろ。 なにも出来へんでこれから殺される
バカな自分が悔しいやろが。どや、なんかいうてみい?」

「……今の私には、怒りより、あんたのことが分からない。分からないよ……」

81 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:12 ID:???

「爺ちゃんがそいつ殺して、ここまで運んでくれたんや。案の定、あんたらは仲間割れ始めたな。思う壺やったで。
――どう? 智ちゃん、悔しい? 大切な友達のよみちゃん殺されて悔しい? よみちゃんとは大の仲良しやったからなぁ。
やっぱ殺されて悔しいやろ。私が憎いやろ。私を殺したいんやろ。殺しとうて殺しとうて仕方がないんやろ?
目の前によみちゃん殺した私がいるのに、何の手出しもできへん自分が悔しいやろ。 なにも出来へんでこれから殺される
バカな自分が悔しいやろが。どや、なんかいうてみい?」

「……今の私には、怒りより、あんたのことが分からない。分からないよ……」


フン、と大阪が鼻で哂った。拳を智の鼻面に叩きつける。

「ぐっ!」
「聞いたふうな口たたくもんやないで」

いつもの大阪の声だった。だけど、表情だけが凍てついたように消えていた。ぞっとするほど恐ろしかった。智は鼻血を流している。

「どうして――」
「どうしてか知りたいんか。せやなぁ、何も知らないまま殺されるじゃおもろないもんなぁ
――ちよちゃんの話覚えとるか? あの話には続きがあるんや」

大阪は語り始めた。

82 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:12 ID:???

「小作人の男がおったなあ。男は村人によってたかって痛めつけられて、雪の中に放り出された。
それで、死んで、姿が消えたことになっとる。せやけど、実は、男は生きとったんや。重症を負い、
凍死しかけてもおったが、それでも生きとった。よほど死にとうなかったんやなぁ。酷い傷やった。
よってたかってかたわにされてもうたんや。それでも生き延びたんや。執念やなぁ。そうして、
村から逃げ延びて、西のほうで残りの人生を苦しみのどん底の裡に過ごしたんや。――それが私の祖父ちゃんや」

吹雪が轟いた。

「なぜわたしたちを――」
「まだ分からへんか。あんたがたはなぁ、この家に縁のある人間なんよ」
「私たちが――?」

83 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:12 ID:???

「せや。美浜家のちよちゃんは言うに及ばす、よみちゃん、神楽ちゃん、榊ちゃん、
それに智ちゃん あんたや。みんな先祖はこの村出身なんよ。美浜家の下男だったり、
小作人だったり、疫病と終戦のどさくさでバラバラになってもうて、分からへんようになったけど、そういう接点があったんや」

智は静かに聞いていた。やがて、悲しげに口を開く。

「だけど、それは大昔のことじゃないか。それなのに、まだそんな昔のことで――」
「まだそんなことで、やと? 言うにことかいてまだそんなことで、やと?」
いきなり、大阪が智の襟首を締め上げる。のどが潰れるくらい強く。
「ぐぶっ、ううっ……」
「――なあ、あんたこの部屋が何の部屋か知っとるか?」
「……?」
「この部屋は例の娘が死んだ部屋なんや――」

雪の底が震えたような気がした。

84 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:13 ID:???

「ちよちゃんの話、あれには嘘がある。娘は気を病んで死んだんやない」

大阪が言葉を続けた。

「娘は、無理やり堕胎させられて、それがもとで死んだんや。祖父ちゃんの子をな」
「……!!」
「なあ、智ちゃん。この部屋、何かがあるようにみえんか?
隅の方の暗い陰で、何かが凝っとるようにみえんか?」

大阪はすっと目を細める。闇の底を見通すように。

「思い出せば、哀れな人やったで、祖父ちゃんは。死ぬ最後の瞬間まで恨み言をいうとった。
呪っとったんや、あんたらをな。ほんまに、つまらん人生やったで。ずっと、呪い続けて、それだけでなぁ」

大阪は懐から刃物を取り出した。刃渡りの長い刃物が、金属のこすれる音をたてて鞘からぬき払われる。

85 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:13 ID:???

「あんたを殺せば、これで復讐も完了や。正直、こんなに早うチャンスが巡ってくるなんて思わんかったで。ほなな――」
「お、大阪! あ、あたしたち友達だよね? 友達だよね!?」
智が必死になって叫ぶ。懇願するように、目を潤めて大阪をみるが……。

「!! やめっ……」
大阪は智の腹に刃物を突きたてた。

「ひぎい! 痛い! 痛い! 痛いィ! やめて、刺さってるぅ! ほんとに刺さってるぅ! やめてぇ!!」
老人が後ろから声を掛ける。
「歩、そりゃあ骨にあたっとるんだ。もっとドスこねんかい」
「ほいな」
「ぶぐおおおっ! へぶおおおっ!」
智は狂ったように暴れるが、後ろからしっかり押さえられて動けない。
やがて、友の体はビクンビクンと痙攣しはじめた。それがしだいしだい弱弱しくなっていく。
やがて……
「――死んだで」
老人が智の体を離す。支えを失った死体は力が抜けたように畳の上に倒れ伏した。

86 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:13 ID:???

「爺ちゃん、協力ありがとうな。祖父ちゃんの友達だったあんたが手伝うてくれへんかったら、ここまでうまくいかへんかったわ」
「なに、あいつとは深い付き合いだったからな。あの日、死にかけたあいつを助けたのも儂だった」
老人がつぶやくようにいく。
「歩、ドスかせ」
「はい」
大阪が刃物を手渡す。老人に背を向ける。
「ほんまけったくそ悪いバカやったで、こいつ」
大阪は智の死体の顔面を蹴っ飛ばした。
「それじゃ、さっさと死体片付けよか。バラバラにして、まとめて火にでもくべて――」
後ろを向いた大阪の背中に誰かがぶつかった。みると、老人が体ごとぶちあたってきていた。

87 :暗い雪の底で :2003/12/12(金) 03:14 ID:???

「あれ?」
ゴフッ、と大阪は血を吐いた。老人が持っている刃物は大阪の背中から突き刺さって、内臓にまで達していた。
「なんで……?」
言葉とともに、口から血が溢れてくる。
「儂はな、あいつも憎んでいたんだよ」
老人が再びつぶやくようにいう。
「なぜなら、儂もあの娘に惚れていたからだ。あんな奴に惚れさえしなければ死ぬことも無かったあの娘をな。
あの日、あいつを助けたのは、かたわのまま生きながらえさせて苦しませてやりたかったからなんだよ」
大阪の体は刃物から抜けると、何度か痙攣しながら畳の上に転がった。智の死体の横のちょうど横に。
それを見やると、老人は猛吹雪の中、どこかへと消えていった。暗い、雪の底に。

……やがて冬が終わり、厚い雪の底が解き放たれたとき、女子高生たち六人は遺体で発見された。
六人の間には互いに殺しあった痕跡が見受けられた。遺体は損傷し、激しく腐敗していたが、一人の遺体からは、
はっきりとが確認できたという。――涙の、痕跡が。

<終>

88 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 06:11 ID:???
>>80のヘンな一文は何ですか?

43 :(-_-)さん :03/12/12 02:40 ID:???

89 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 07:33 ID:???
・・・ごめん
某板のクソスレで投下テストしてた
逝ってくる・・・

90 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 10:52 ID:???
ソドムの次はかまいたちの夜か…
などと書き込みしたら殺されますか?
大阪「犯人は私!」
を地でいくSSを読むのはこれで二回目です。
うーん、それにしても、それぞれの黒い部分が細かく書けてますね。

91 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 16:48 ID:???
やはりageたほうがいいのかな? いや、未だにageとsageのメリット・デメリットがわからなくて。
誰か詳しい説明を求む!

92 :眠い名有り :2003/12/12(金) 16:54 ID:???
>>91
スレに関係あることはageで。
関係ない「そーだね」のような相槌などはsageで。

93 :眠い名有り :2003/12/12(金) 18:18 ID:???
翌日、土曜日なので学校はなく、あの三人(五人)はちよの家に集まっていた。
よみ「なぁ・・・大阪、まだ智は・・」
ちよ(大阪)「あかん・・喋るどころか、何一つせんのや。」
よみ「そうか・・私達言いすぎたかもな・・・」
よみはこんなことで智が落ち込むとは思いもしなかった。ここまで落ち込んだのを見たのは初めてだ。
よみは智の「絶交だ!」というセリフが忘れられなかった。本当にもう、喋らなくなったら・・・このまま親友を失いたくはなかった。
よみ「なんか、智が喜びそうな場所に行かせてやりたい。」
ちよ(本物)「私の別荘でも行きますか?」
ゆかり「何ィーーーーー!別荘だと!!私も行くぞ!!」
神楽「わっ!!ゆかりちゃん!何故!!」
にゃも「心配してお見舞いに来たのよ。」
ゆかり「別荘ならすぐ行けるわね。早く行きましょ。」
よみ「ちょっと、ゆかり先生・・・」
神楽「私も行ったほうがいいと思う。智と仲直りできそうだし・・・」
結局、五人は別荘に行く(行かされる)ことになった。(もちろん、被害を最小限にするため、ゆかり車には智と大阪の体をのせた。)

94 :眠い名有り :2003/12/12(金) 18:18 ID:???
〜別荘〜
神楽「やっぱり何度来てもいいよなぁ!」
よみ「ああ、空気もいいしな。」
ちよ(智ちゃん、出てきてくださいよ。皆楽しんでますよ。)
だが、一向に反応はない。
大阪(あかん・・・なんも言わへん・・・)
よみ「智は・・」
ちよは首を横に振る。
よみ「そうか・・・」
神楽「おおぉ〜〜〜高ぇ〜〜〜〜〜〜」
神楽の見下ろした場所は断崖絶壁である。
ちよ(本物)「怖くないんですか〜〜〜(ガクガク)」
神楽「ん?全然。」
ピピピピピピピピピ・・・
にゃも「はい、黒さ・・あ、後藤先生。  はい・・でも・・・はい。わかりました。」
ゆかり「何?」
にゃも「緊急職員会議よ。今すぐ来い。って。」
ゆかり「何ぃ〜〜〜!」
にゃも「仕方ないでしょ。行くわよ。 あ、貴方達大丈夫。会議が終わったらすぐに行くから。」

95 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 18:21 ID:???
>>91
どうだろ、特にルールといえるようなものもないと思うけどね。
ageれば人目にもつくしスレの回りもよくなりやすい。
ただ、特にSS系スレの住人は固定層だろうから人目にさらす意味が少ないし、
発表する人もあんまり出しゃばりっぽく見られるとイヤだから
sageで投稿することが多い、というような感じじゃなかろうか。
俺の場合、ネタ・雑談系スレは普通にageで人を呼ぼうとし、
SS系スレは基本的にsage、停滞してればたまにageてみる、といったところ。
(ちなみに2ちゃんあたりだと荒らしに目をつけられないように
 常時sageが慣習になってる場合も多いけど、ここではそういう心配はないだろう)

96 :眠い名有り :2003/12/12(金) 18:21 ID:???
以上続編。
予定変更して、こいつの続編を書くことにしました。

97 :眠い名有り :2003/12/12(金) 18:21 ID:???
以上続編。
予定変更して、こいつの続編を書くことにしました。

98 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 20:00 ID:???
よし、がんがるんだ!

99 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 20:51 ID:???
>大阪「犯人は私!」
>を地でいくSSを読むのはこれで二回目です。

一つ目は『灯火、風に吹かれて』ですね。
人が殺されるのが苦手な俺にとっては
未だにトラウマですが。
(あれはあれでいいSSでしたが)

100 :名無しさんちゃうねん :2003/12/12(金) 22:11 ID:???
>『灯火、風に吹かれて』

これってどこにあるんですか?

101 :名無しさんちゃうねん :2003/12/13(土) 00:33 ID:???
>>100
「2ch あずまんが大王関連スレ 妄想レス保管庫」にあります
Topページ:ttp://palpop.hp.infoseek.co.jp/index.html
灯火、風に吹かれて:ttp://palpop.hp.infoseek.co.jp/LampLight.html

102 :名無しさんちゃうねん :2003/12/13(土) 09:38 ID:???
>『灯火、風に吹かれて』
でも百合系入ってたんで、少し萌えたり。

103 :名無しさんちゃうねん :2003/12/13(土) 16:39 ID:???
>>101
thanks

104 :眠い名有り :2003/12/13(土) 22:01 ID:???
神楽「それより遊ぼうぜ!」
大阪「そうやね〜〜〜」
しばらくの間皆楽しく遊んでいた。さっきまで智と喧嘩していたことを忘れて・・・
しかし、忘れていない人物が二人・・・二人いた。
その夜・・・
一つの影がおきだす・・・そして、布団の中に眠る人の首に向けて包丁を振り下ろす!が、その手は首に刺さる寸前に止められた。
?「な・・・やめろ!!」
その声に全員が起きた
神楽「どうした!!ああっ!」
そこには包丁を持ったちよがいた。その包丁は抜け殻となった智の体へ・・・
ちよ(智)「ちよ!大阪!やめろ!!止めるんじゃねぇ!!」
ちよ(本物)「やめて下さい智ちゃん!!」
ちよ(大阪)「智ちゃん!!おねがいや!」
神楽「智!やめるんだ!!」
神楽がちよから包丁を取り上げる
ちよ(智)「く・・・」
よみ「なぁ・・なんでだよ・・・お前、まさか・・・」
ちよ(智)「うるさい!!お前らの声なんか聞きたくもない!!」
大阪(どうしたんや、智ちゃん。私の知っとるともちゃんとちゃう!)
智(うるさい!お前も黙れ!!)
神楽「やっぱり、私達が言ったことなのか・・・?」
ちよ(智)「ああ、そうだよ!」
よみ「智・・・あれは!!」
ちよ(智)「うるさい!絶対お前らに復讐してやる!!いつか・・いつか絶対に!!」
ちよ(智ちゃん・・・!もう止めてよ!!)
智(うるさい!お前も・・・復讐が終わったら・・この体ごとお前らも消してやる!!)
大阪(智ちゃん・・・)
全員が智との友情が音を立てて崩れていくのを感じた・・・

105 :眠い名有り :2003/12/13(土) 22:16 ID:???
次の日
神楽「・・・・なぁ、よみ。私達言い過ぎたかな・・・」
よみ「ああ・・・智があそこまで傷つくなんて・・・」
神楽「よみ・・ちょっとこっちに来てくれないか。」

ちよ「う〜〜〜ん・・・」
ちよは起きてすぐ心の中にる智と大阪に声をかけた。しかし・・感じないのだ。今までいたはずの二人を・・・
ちよ(もしかして・・・)
ちよは大阪の側に行って体をゆすった。
大阪「うう〜〜〜ん・・・」
ちよ「やった!!大阪さん!私ですよ!わかりますか!!やったぁ!元に戻ったんですよ!」
大阪「ん・・本当や・・・元の体に・・じゃぁ智ちゃんも。」
智はすでに起きていた。
智「・・・・」
ちよ「そっとしておきましょう。今は・・・」
確かに元に戻った。しかし、壊れた友情は元に戻らないのだから・・・
その時、一つの悲鳴が響き渡った・・

106 :眠い名有り :2003/12/13(土) 22:17 ID:???
以上続編でした。
そういえば、この物語に題名をつけてなかったな・・・

107 :名無しさんちゃうねん :2003/12/14(日) 10:12 ID:???
ただじゃ終わらないと思ってましたが、やはりやってくれましたな。
もー、すごいですわ、あんた。起承転結の転の部分、突出しすぎ。
さーはよ続きを。

108 :眠い名有り :2003/12/14(日) 11:19 ID:???
短編にしようと思ったけど、長編にすることにしました。
あと、何で元に戻ったかって聞かないでね。薬の効果が切れただけだから・・・

109 :眠い名有り :2003/12/14(日) 23:05 ID:???
大阪「ちよちゃん!今の!!」
ちよ「ええ、あっ!智ちゃん!」
智(聞き間違えるか!今の声は・・・!!)
三人は外に飛び出した。そこには、血を出して倒れているよみ、その側に血まみれの包丁を持った神楽がいた・・・
智「よみ!!」
智もさすがに驚いたのだろう。すぐによみに駆け寄った。
ちよ「神楽さん・・・どうして・・・」
神楽「智さ・・・」
大阪「え・・・」
神楽「私、智のこと好きだったんだ。」
智「!!」
神楽「それなのに・・・私は・・・ちょっとふざけちゃって・・・
   私とよみのせいで智がこんなに苦しめて・・・自殺を図るくらい・・・
   だから・・・そのせめてもの償いとして、よみと私が代わりに死のうと・・・」
ちよ「でも・・好きなんでしょ!だったら何であんなこと・・・」
神楽「ああ、でも私はこのごろ智から離れてるだろ。だから・・少しでも智と話したかったんだ。喧嘩してでも・・・
   でも・・あんなことになって・・私は・・私はっ・・」
大阪「でも・・智ちゃんそんなこと望んどるわけないやろ!!それくらい・・・」
神楽「ああ、わかってる!でも、私には耐えられないんだ!智が苦しんでるのを見ると・・・」
智「神楽・・・」
ちよ「よみさんなら大丈夫ですよ。ですから、神楽さん。もう止めましょう。」

110 :眠い名有り :2003/12/14(日) 23:05 ID:???
神楽「私の手・・・」
大阪「えっ・・」
神楽「私の手は・・もう血まみれなんだよ・・皆と違って・・・
   私ったら・・自分で智を傷つけて・・あげくの果てに・・・勝手に勘違いしてよみまで怪我させちゃって・・・
   本当、バカみたいだよね。私って。」
そう言うや否や、神楽は持っていた包丁を自分の腹部に振り下ろした!
智「神楽!よせ!!」
大阪「神楽ちゃん!いややーーーー!!」
ドスッ
神楽「ぐっ・・・く・・」
神楽の腹部から鮮血があふれる。
大阪「神楽ちゃん!」
大阪が神楽に駆け寄る・・、が神楽はよろめいてそれより早く崖から足を踏み外した。神楽はそのまま下に・・・
智「神楽ぁーーーーーーーーー!!」

111 :名無しさんちゃうねん :2003/12/15(月) 14:57 ID:???
智の次に死亡率高いのって、神楽だったり。

112 :YAMATO :2003/12/15(月) 17:56 ID:???
>>111
同感。

113 :眠い名有り :2003/12/15(月) 22:01 ID:???
かしっ!
寸前の所で大阪の手が神楽の腕に届いた。しかし、体力があまり無い大阪は少しずつ崖へと引きずられていく・・・
智「大阪!掴まれ!!」
智は大阪の左腕を掴んだ。が、直後、大阪も神楽と同じく崖へ・・・
智「く・・・」
さすがに、一人で二人を持ちこたえるのには無理がある。智も崖へと・・。即ち死へと引きずられていく。
神楽「大阪・・・離せ・・このままじゃ・・・お前も・・智も・・・」
大阪「わかっとる・・・わかっとるけど、私もは・・・神楽ちゃんと同じこと考えとった。」
神楽「えっ・・・」
大阪「ごめんな・・・友人として許せんのや・・・死にそうな友達を見捨てるんは・・・たとえ死ぬわかっててもな・・・」
神楽「大阪・・じゃぁ、智。お前だけでも生き残れよ・・私と・・大阪のことは・・・」
智「バカやろう!できるわけないだろ!!お前ら・・私のために苦しんでるんだろ!!なのに・・私だけ逃げれるかよ!!
  それに・・・私があんな薬を作らなくて・・・私が・・あんなことでお前らを疑ったりしなかったら、こんなことには・・・
  私が・・・私がよみを傷つけて・・・お前らの手を汚したのも同じなんだよ!!」
智の足はもう半分崖からはみ出している。ふと、智の手を誰かが握った。 ちよだった。
智「バカ!離せ!死にたいのか!!」
ちよ「皆を見捨てるわけには行きません!その言葉は皆にも言えます!
    それに・・・よみさんは死んでないんですよ!!まだやり直すことは・・・」
智「そうだよな・・・やり直すことはできるのにな・・・でも、もう遅いんだよ!」
ドン!
智がちよを突き飛ばした!そして、三人は崖の下へ・・・
ちよ「皆ぁーーーーーー!!」
神楽「お前の手は汚れてない!誠意一杯生きろよ!」
大阪「さよならやーー!」
智「皆によろしくなぁーーーー!!」
ザウウウゥゥゥン・・・
三人は崖下の川に落ちた。ちよはしばらく眺めていた。希望を捨てずに・・・しかし、三人は浮かんでこなかった・・・

114 :眠い名有り :2003/12/15(月) 22:02 ID:???
ちよ「そんなぁ・・・皆・・・」
榊「ちよちゃん・・どうしたんだ?」
ちよが振り向くと、榊とゆかり、にゃもが・・・
よみ「皆・・」
にゃも「わっ!水原さん!どうしたの!?その肩!!」
よみ「たいしたことないです。」
ちよ「それより・・・聞いてください。実は・・・」


ゆかり「本当なの!?その話!」
ちよ「信じたくないけど・・・事実なんです・・・」
榊「そんな・・・なんで・・・」
よみ「私のせいだ・・・」
にゃも「えっ!?」
よみ「私・・知ってたんだ。あの薬の解毒方法。そして、神楽が私を殺そうとしてたのを・・・」
榊「何でだ!!お前なんで!!」
普段無口な榊が起こったのに、よみはもちろん、全員が驚く。それほどショックを隠せないのだろう・・・
榊「もし、お前が皆を元に戻していたら!?神楽の行動を止めていたら!?あいつら死ななくてもよかったかもしれないんだぞ!!」
よみ「そうだよ。でも・・智が少しおとなしくなると思って・・・でも、それで智を傷つけたから自殺しようと思って・・・
  でも・・・全部悪い方向に行って・・・そのせいで皆・・・私のせいだ・・・私の・・・」
ちよ「よみさん・・・」

115 :眠い名有り :2003/12/15(月) 22:13 ID:???
以上続編。
まだまだ続けます!!
>>107
thenk you!
>>111-112
自分もそう思う。(まぁ、1位はダントツ智かと。)

116 :眠い名有り :2003/12/15(月) 22:24 ID:???
>>115
thankのスペル間違ってるね。

117 :眠い名有り :2003/12/15(月) 22:28 ID:???
>>114
あ、榊さんのセリフミス。
あいつら⇒皆です。
榊さんが怒ったときがあまり思い浮かばなかったので・・・
怒っても、今思ったらあいつらとは言いそうにないので。

118 :名無しさんちゃうねん :2003/12/15(月) 22:33 ID:???
なんで後付け設定までして
皆殺しにしたいのかワカラン

119 :名無しさんちゃうねん :2003/12/15(月) 22:49 ID:???
>>117
おまえあずまんがキャラを殺しすぎ。
あずまんがキャラのこときらいなの?

120 :名無しさんちゃうねん :2003/12/15(月) 23:26 ID:???
殺さないとSS作れないんだろうな

121 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 00:05 ID:???
まあ原作がみんな仲良しで、グループ内でケンカなんて殆ど無かったから
そういう連中が分裂するとしたらこういう感じかなって思えて、結構楽しんで読んでる
自分がいたりするんだが、やっぱケンカひとつないってとこに正直うそ臭さを感じてたので
・・って捻くれてるかね、俺って。

でも、殺したり、レズ関係だったりってのが多いのは、正直やだな・・と

122 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 00:39 ID:???
>>121
コマの外では喧嘩してるのさ。
それを想像して書くのがファン心理だろ。
別に捻くれてなんかないさ。

↓ここなんかもっとエグい内容になってきてるよ…。
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071418362/

123 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 00:47 ID:???
>>122
今のエロパロは酷すぎ。
人間の所業じゃない

124 :123 :2003/12/16(火) 00:51 ID:???
>>123
これは言い過ぎた。
なんにしろ流れを変えてほしいところ。

125 :眠い名有り :2003/12/16(火) 07:56 ID:???
・・・まぁ、見ててください。

126 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 10:15 ID:???
うーん、ダークなものが苦手な人の意見、やっぱりあるんだね。
でもね、需要と供給は必ずしも一致しないよ。
これはこれで楽しんでいる人もいるので、職人さんをいたずらに傷つけないよう配慮してくれると嬉しいな。
提案だけど、ほのぼのした日常などのSSを強く求めるなら、そういったSSが出たときに、その職人を大いに褒め称えるレスを入れるようにしたらどうかな?
そうすれば、触発されて新作を出してくれるかもしれないし、電波を受けた他の人が同系統のSSを書いてくれるかもしれないからね。
あずまんがを好きな者同士、仲良くやろうよ、ね?

127 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 12:32 ID:???
>>125
>他人の設定を使うN
はあなたですか?

128 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 15:19 ID:???
>>125
死者がでたからやだ。

129 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 15:47 ID:???
128と違って死者が出たからって読むのをやめるつもりはないが
死者が出てつまらない話になったのは確か。
あの程度の口喧嘩で「壊れた友情」とかいってるし
人が死ぬ場面が簡単すぎ。
命を軽く考えてないか?

130 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 16:54 ID:???
>>127

それは全く考えてなかった。

>>129
ぐ。個人的につまるところあり。

131 :眠い名有り :2003/12/16(火) 20:28 ID:???
>>127
>他人の設定を使うN
ってなんのことですか・・・?

・・・一応言っておきますが、物語は完結してません。
さらに言うと、ナレーションで「死んだ」とは一言も物語中に一言も出してません。
もっと突っ込むとキャラが「死んだ」と発言しても本当に死んだかはわからないのです・・・(確かめない限り。)

・・・・あとは、ストーリー上言うわけにはいかないなぁ。
のちのちわかりますよ。

132 :眠い名有り :2003/12/16(火) 20:49 ID:???
>>127
>>122のことですね。
いいえ、違いますよ。以前注意されたので、グロは入れないようにしています。


>>128
まだ死んだとは決まってませんよ。(フフフ

>>129
死ぬ部分が簡単なのは、話をテキパキすすめるためです。かなり多くなったんで削りました。
実は、入れ替わりは仲直りして終わるはずでしたが、よくあるパターンなので、ちょっと(いや、かなりだな・・・)変更しました。
ちょっと言うと、もっと続編は続きます。

133 :名無しさんちゃうねん :2003/12/16(火) 21:02 ID:???
最近、荒れてきたね。みんなおちつこう。
>>126
ナイスフォロー

>>132くじけず(^-^) がんばっ♪
TUIDENIIUKEDO笑い方があやしいよ。   

134 :眠い名有り :2003/12/16(火) 23:14 ID:???
んじゃ、続き。
>>133ありがとうございます!!

135 :眠い名有り :2003/12/16(火) 23:14 ID:???
その後、警察が来て付近を捜索したが、三人は行方不明。生存の確認も死体もなかった。
よみさんの肩の傷は警察が来る前に洋服を着替えて、包帯を巻いて黙っておいた。
全員、神楽だけに責任があるわけではないのだから・・・

その日の夕方、ちよ宅
よみ「・・・・」
ちよ「何か・・・やりきれないです・・。」
ふと、ちよは”あるもの”を見つけた。
ちよ(これって・・・そうか、だから・・・)
榊「どうしたんだ?」
ちよ「ううん?何でもないです。」
榊「?」
ちよは、その”あるもの”をカバンの底にしまった。
これが見つかったら・・・また皆を悲しませてしまうのだから・・・

136 :眠い名有り :2003/12/16(火) 23:15 ID:???
あれから二年後

ちよ「楽しかったですね〜〜〜。」
にゃも「ええ、一面銀世界。最高の景色だったわ。」
榊(あの小鳥かわいかったな・・)
よみ「さぁ、お土産も買ったし、暗くなってきたからそろそろ帰ろう。」
ゆかり「ええ。にゃも〜〜〜私酒飲んじゃったから運転お願いね〜〜〜」
にゃも「まったく・・わかったわよ。」
ちよ&榊「ほっ・・・」
ゆかり「ん?なんか言った?」
ちよ「いいえ、何も。さぁ、早く行きましょう。」
彼女達は全員がバラバラになったが、交流は途絶えておらず、たまに全員で集まっている。
今日も全員でスキーをしようと長野県のスキー場にやってきたのだ。
しかし、帰りの途中・・・
よみ「かなり吹雪いてますが・・・帰れるんですか?」
ゆかり「大丈夫よ。チェーンつけてるし。」
ガタン!ゴトン・・・ゴトゴト・・・
ちよ「本当にあってるんですか?この道で。」
にゃも「・・・たぶん・・・でも、どっちにしろこの雪じゃ無理ね。ゆかり?外見てくれる?」
ゆかり「あちゃ〜〜〜、タイヤが完全に埋まってるわ。動けないわよ。」
榊「そんな・・じゃぁ、立ち往生・・・」
よみ「・・・やだ・・こんなところで・・・」
それから数時間。吹雪は一向に止まない・・・
ゆかり「まさか・・こんなところで死ぬなんてことにならないでしょうね。」
よみ「おいおい、縁起の悪いこと言うんじゃない。」
ちよ「もし、死んだら・・・智ちゃん達が迎えに来るかもしれませんね・・・」
よみ「おい・・・ちよまで・・・そういや、智達、まだ見つかってないんだよな・・」
ちよ「あっ、すみません。あのこと思い立たせちゃって・・・」

137 :眠い名有り :2003/12/16(火) 23:15 ID:???
コンコンコン
窓の外にコートを着た人影が・・・
ちよ「きゃぁ!!」
よみ「うわぁ!何だ!?」
ちよ「もしかして幽霊・・・」
ゆかり「何言ってるのよ。ただの人よ。」
ウィィィィィーーー
にゃもが窓を開ける。白い雪と一緒に冷機が車に流れ込む。
?「どうしたんですか?こんなところで?」
にゃも「あ・・ちょっと車が雪で・・・」
?「そうですか・・大変ですね。あ、なんなら私の家にきますか?すぐそこですから。」
にゃも「いいんですか?」
?「ええ。部屋は何個も余ってますから。どうぞ。車はここに置いていおいて、吹雪が止んだら掘り起こせばいいでしょう。」
にゃも「すみません。こんな見ず知らずの者を・・・」
?「いいえ。いいんですよ。貴方達をこんなところにおいておくわけには行きませんから。」
その人物は暗くて顔はよくわからなかったが、の声はどこか聞いたことのある懐かしい声だった・・・
五人は車を降りて、5、6分歩いた。地元の雪になれた人なら1、2分でいけるところらしい。その人はペースを五人に合わせてくれた。
ようやくの思いで五人はその人物の家についた・・・・

138 :眠い名有り :2003/12/17(水) 21:58 ID:rgAbtGdM
ガラガラガラ・・・
?1「ただいま〜〜〜。」
?2「あ、お帰り。あら、誰?後ろにいるの・・・」
?1「さっき道で立ち往生して困ってたから家に来ないかって・・・」
ちよ「すみませんいきなり・・・!!」
よみ「ちよ、どうし・・!!」
二人が驚いたのも無理はない。なんと家の中には神楽、いや・・神楽にそっくりな人物がいたのだから・・・
?1「あ、自己紹介がまだだったわね。私は沙美片 桜(さみかた さくら)。あっちは私の姉で風藻(かざも)っていうの。」
にゃも「!!」
榊(うそ・・・)
さらに全員が驚く。無理もない。
振り向いた少女はこれまた大阪そっくり・・いや瓜二つなのだから・・・
風藻「貴方達の名前は?あ、どうぞあがって。」
メンバーは座敷に行きつつ、自己紹介をした。
ちよ「は・・初めまして。美浜ちよです。」
よみ「水原暦です。よろしく・・」
にゃも「黒沢みなもです。すみません。こんな夜分遅くに・・・」
榊「榊です。困っているところをありがとうございます。」
ゆかり「あ、谷崎ゆかりです。どうも・・・」
風藻「へぇ〜〜。美浜さんと水原さん似てるからてっきり姉妹かと・・・皆さん、ご親戚ですか?」
ちよ「あ、いいえ。同級生と昔の先生です。」
桜「え〜〜〜!もしかして、美浜さんって、飛び級とか!?」
よみ「そうですよ。飛び級してきてすごく頭がいいんですよ。な、ちよ。」
桜「すごいですね。ちびっこ大学生か〜〜〜。そういや、風藻姉ちゃん、香緒音はまだ帰ってないの?」
風藻「そういや、まだね。そろそろ帰ってくるころよ。」
ゆかり「えっ、ご姉妹がいるんですか?大丈夫ですか、こんな吹雪の中で・・・」
風藻「大丈夫ですよ。このくらいの吹雪、ここらへんじゃぁよくあることですから。」
香緒音「ただいま〜〜〜」
桜「ほら、帰ってきた。」

139 :眠い名有り :2003/12/17(水) 21:59 ID:???
あ・・忘れ。
香緒音⇒「かおね」って読んでください。

140 :眠い名有り :2003/12/18(木) 22:29 ID:???
香緒音「いやぁ〜〜〜降られた降られた。まったく・・・」
桜「お帰り〜〜。ほら、タオル。」
香緒音「はぁ〜〜寒いあ。あ、はい、これ。おつかいの品。 ・・・ん?誰か来てるの?お客さん?」
桜「ええ、車で立ち往生だったから家につれてきたのよ。」
香緒音「ふ〜〜ん。風藻姉ちゃんは?」
桜「そのお客さんにお茶を入れてるのよ。」
香緒音「じゃ、私も顔のぞかせようかな。お客さんなんてめったに来ないし。」
桜「奥の座敷にいるわ。」

よみ「なぁ・・偶然にしちゃぁおかしくないか?」
ちよ「ええ。二人とも別人だとは思えません。」
ゆかり「でもさぁ、もしあいつらが本人なら何で知らないふりをするわけ?」
ちよ「たぶん、ふりじゃなくて・・・本当に知らないんじゃないんでしょうか?」
ゆかり「えっ?」
榊「記憶喪失か・・・」
よみ「・・・そういや、もう一人妹いるって言ったね。香緒音さんって言ったっけ。」
ちよ「じゃぁ、香緒音さんは、たぶん・・・」
サーーーーー
香緒音「いらっしゃい。貴方達。ここ雪多いから。ゆっくりしてってね。」
全員(やっぱり)
予想はピッタシ当てはまった。香緒音は智にそっくりである。
桜「紹介するわ。妹の香緒音よ。あっ、自己紹介は大丈夫。こっちに来るまで紹介したから。」

141 :名無しさんちゃうねん :2003/12/18(木) 22:58 ID:???
キタ・・・・・・

142 :名無しさんちゃうねん :2003/12/18(木) 23:10 ID:???
こんどは記憶喪失ネタか。
「よくあるパターン」を組み合わせてくるとは思わなかった

143 :名無しさんちゃうねん :2003/12/18(木) 23:34 ID:???
>>142
そうでもしないと書けない素人さんだからしょうがないよ。
素人なら書くなって感じだけどね。

144 :( ̄ー ̄ )イイッテバ :2003/12/18(木) 23:38 ID:???
なんか読んでいて不快な気分になってきた。
こんなのにSSをまかせといていいのか?このスレは。

145 :名無しさんちゃうねん :2003/12/18(木) 23:38 ID:???
>>143
確かにこの人の文章は素人そのものだが
その言い方はないだろ

146 :八八艦隊司令大阪さん :2003/12/18(木) 23:53 ID:???
まぁまぁ、書いてくれる人があってのSSスレなんですから・・・
眠い名有りさんだってがんばってくれてるんですし・・・
あまり喧嘩腰になったらダメですよ

147 :名無しさんちゃうねん :2003/12/19(金) 00:16 ID:???
SSに対して批判的なレスつけること自体は悪くないけど、もちっと建設的な批判をしようよ。
具体的にどこが悪くて、どーすれば良くなるかを書くんだ。

148 :きわむ :2003/12/19(金) 01:37 ID:???
>>147
この意見にさんせい。

149 :名無しさんちゃうねん :2003/12/19(金) 04:32 ID:???
つまんねえくせに自分語りがゥザィんじゃねえの?

150 :名無しさんちゃうねん :2003/12/19(金) 07:48 ID:???
不快・素人・ウザイというレスをしている人たちは、自分が荒らしに類する行為をしていることに気付いているのだろうか。
頼む。落ち着いてくれ。
(作品に関する批評なら、「SS書きの編集会議室」へ行くといい。そこに眠い名有りさんも来ているから)

151 :(* ̄・ ̄)ちゅ :2003/12/19(金) 13:11 ID:???
時には語り合い時には時にはけんかをする。これがスレというやつです。
でも、そろそろけんかはやめてまたSSを語り合いましょう?
それと、このスレは素人お断りなわけではないのだからみんなで眠い名有りさんを最期まで
応援してあげてもいいんじゃないですか?
やぱりスレはけんかより語り合いのほうが楽しいと思いますよ。
てなわけで皆さんが落ち着いてくれると嬉しいです。

 




             素人である俺がスレを語ってごめんなさい。

152 :名無しさんちゃうねん :2003/12/19(金) 18:29 ID:???
いや、あなたのような人がいるからスレはスレない。

153 :名無しさんちゃうねん :2003/12/19(金) 19:20 ID:???
どんな上手な人ももともとは素人なんだから>>143のような発言は道理に合ってない。
回数を重ねれば誰でもうまくなれると思うし。
他人を悪く言うなら自分はSS作れるのかと問いたい。
まぁ、荒らしに負けずがんばれ。無視していいよ。

>>151
「最期」って・・・(笑)

154 :143 :2003/12/19(金) 20:39 ID:???
ごめん

155 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 00:09 ID:???
何があってもボケ倒す大阪さんをどう思いますか

156 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 00:31 ID:???
自分の嫌いなSS・・・・

殺し・殺されモノ あずキャラが戦ったりなやつ(特撮絡み)
レズ・・(いや、百合って言うのか?)

・・・ここのSSの殆どじゃねえか・・・・

157 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 00:45 ID:???
>>156
嫌いなのは分かるが、じゃあどうしろと?
文句ばっかり書かれてもな

158 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 00:50 ID:???
>>156
嫌なら見なければいい。
それだけのことだろう

159 :156 :2003/12/20(土) 00:52 ID:???
>>157
どうもしないが、SS否定派を悪人扱いするなと言いたい。

160 :八八艦隊司令大阪さん :2003/12/20(土) 00:52 ID:???
>>156
逆に好きなやつを聞いてみたい
やっぱり「ちよちゃんとぼく」とか?

161 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 00:54 ID:???
>>156
じゃあお前は何が観たいのだ?

162 :八八艦隊司令大阪さん :2003/12/20(土) 00:56 ID:???
あと悪者扱いとかじゃなくて、SSを発表する場で
SS嫌いって言うのはちょっと違う気がするってことじゃないかな

でも何気にきちんと読んでるんだ・・・

163 :156 :2003/12/20(土) 00:56 ID:???
>>160
うん、個人的にはそういうのだな。
まあ、死が絡んでてもいい話はあるけど・・

164 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 00:57 ID:???
或る個人が嫌いなら嫌いと言えばいいだろ。
胸くそ悪い。
>>156は或る一個人を差してるとしか思えないぞ。

165 :八八艦隊司令大阪さん :2003/12/20(土) 00:59 ID:???
>>163
ちなみに「銀」とか「ボンクラーズの〜」とかは?

166 :156 :2003/12/20(土) 01:00 ID:???
>>163
・・・・微妙・・・・・

167 :八八艦隊司令大阪さん :2003/12/20(土) 01:05 ID:???
>>166
そうか・・・どんなのが好きなのかちょっと参考になったありがとう

>>164
そこまで他意があったのかはわからないけど・・・
あんまりこういう話でここを占領しても悪いのでこのへんで切り上げましょう

168 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 01:10 ID:???
156って「ウルトラマン板」のSSスレで禁煙ならぬ禁あず権を主張したヤシかな?

169 :156 :2003/12/20(土) 01:12 ID:???
>>167
他意はないつもりだけど、此処のSSって最初に言ったのばっかでそれ以外
認めないみたいな印象を受けたので、ちょっと意見しとこうかなと思っただけ
・・気分悪くしたなら謝るよ。

170 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 01:12 ID:???
>>168
違うと思う。あそこでのケンドロス氏との会話を聞く限りではあずは
それほど好きではないみたいだから。

171 :(・∀・)イイ! :2003/12/20(土) 01:14 ID:ヽ(・∀・)ノ
この手の批判等は控え室?とかSS書きの編集会議室あたりでしてはどうでしょう?
私はSSは読んでないので込み入った話にはついていけませんが・・。
ここで論争が起こってSSを発表しにくい雰囲気になるのは得策ではないでしょう。

172 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 02:24 ID:???
素人はカエレだとか百合逝ってよしみたいな意見が出てるけど投下。

173 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 02:24 ID:???
クリスマスイブの日のペア食事券が当たったのが確か11月半ば。
まぁ当日までには誰か男を捕まえられるかな?とかちょっと考えたりもしたけど・・・
やっぱり世の中そう甘くないのね。

「ちょっと待ってよ千尋ー、歩くの速いよー!」
後ろの方から声が聞こえてくる声の主はおかっぱ頭のクラスメート、かおりん。
「もう、置いて行くつもり!?」
私のコートの裾を掴んで動きを止めるとこう口を尖らせた。
・・周りを見てると速歩きもしたくなるわよ。カップルだらけなんだから。

レストランの招待券を貰ったものの結局誰も誘えず、半分諦めてた所に声をかけてきたのがこのかおりん。
彼女も特に予定が無かったらしく二つ返事でOK、一人身同士で食事会の開催が決定したのが先週末。
ここで気になるのは周りの目。でも「高級料理がタダ」の魅力には勝てなかった・・。

174 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 02:25 ID:???
少しスピードを緩めつつもやはり速歩きで商店街を進んでいく。
こんなことなら父親でも誘えばよかったかな・・、でも変な誤解されると・・。
考えながら歩くこと少々、きらびやかなイルミネーションに照らされたビルが見えてきた。
招待券に書かれた地図と照らし合わせる。ここの6階か。

やや大きめのエレベーターに乗り込むがここもカップルだらけ、
肩身の狭い思いをしながら端っこに立って壁を見つめる。
最上階の6階はワンフロア全部がレストラン。
木目調の内装と薄暗い照明とあいまって高級感が漂ってくる。
入り口で招待券を見せるとボーイが席まで案内してくれた、窓際の席だ。
かおりんの向かいに座り、夜景を眺めながら料理が来るまで他愛も無い話をする。
10分ほど待ったところで最初の料理が運ばれてくる、さすが高級と呼ばれるだけあって美味しい。
この後も雑誌でしか見たこと無いような料理が次々と出されてくる。
料理もさることながら街中のクリスマスのイルミネーションが見える夜景も素晴らしい。
ふと気付くとテーブルの向かいが静かだ、視線を向けると無心に食べているかおりん。
あぁ、色気より食い気ってのはこういうのを言うんだな、と苦笑。
食事が終わって再び夜景に目をやる、さっきにも増して綺麗だ。
向かいではかおりんがデザートのアイスクリームに夢中になっている。
景色に見入ってるとかおりんが唐突に話し掛けてきた。
「ねぇ、あんたってさ、暗いところで見ると男に見えなくも無いわね、それも結構美男子」
「なっ・・失礼ね!」
・・でも確かに私の髪型だと男に見えるかもしれない。

175 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 02:25 ID:???
食べ終わった後は少し街を歩いてみることにしよう。と、かおりんの提案。
場違いじゃないかとも思うけど・・・断るのも悪いかと思って従うことに。
先ほど上から見下ろしていた光の回廊を今度は下から見上げる形で歩いてゆく。
「わぁっ、雪だ!」かおりんが歓声を上げる。通りのあちらこちらからも歓声が聞こえてくる。
暫しその場で足を止めて上から舞い降りてくる白い綿のような雪に見とれる。
・・・「うわっ、何でいるんだアンタ!!」
そろそろ動こうか、と視線を前に向けたところで通りの向こうから叫ぶような声、
それもどこかで聞き覚えのあるが聞こえてきた。
視線をやるといつもの6人組と背の高い男、おそらく木村と思われる。
見つかるとマズイ、具体的にはわからないが多分非常にマズイ事になる。
かおりんも同じ事を考えたのだろう、顔を見合わせると早足で見つからぬようその場を去った。

176 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 02:25 ID:???
・・・おそらくここまで来れば大丈夫だろう。
商店街の一角にある噴水広場の前で立ち止まる。
七色に光る噴水と横に並べられたツリー、実に幻想的な光景。
ここから真っ直ぐ歩くと駅だ。
「そろそろ帰ろうか」
何か考え事をしてるのだろうか、隣でうつむいているかおりんに声をかける。
少し間を置いた後顔を上げ、「ねぇ、ここから腕組んで歩こ!」
そう言って私に腕を絡ませてきた。
「ちょ・・・マジ?」
驚いて彼女の方を見る。かおりんも私を見ている。
しばらく無言で見つめあった後、彼女ははにかむような仕草を見せてからこう答えた。
「いいじゃない。ほら、クリスマスなんだしさ」
「いや、クリスマスは関係ない・・」
「いーのっ、ほら行こ!」

おいおい、私はノーマルだぞ。こう自分に言い聞かせながら寄り添って歩き出す。
でも・・・・たまにはこういうのも悪くない・・かな?

177 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 02:52 ID:???
おっ、結構いい感じ。
気の利いたことも言えませんが、いい作品でした。

178 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 04:14 ID:???
乙!
やっぱりかおりんは真性レズなのね・・・

179 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 11:05 ID:???
真に僭越ですが、暇なので、つい>>172さんの
SSをちょっといじってみました。気を悪くしたらごめん。

180 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 11:06 ID:???
クリスマスイブのペア食事券が当たったのが、確か11月の半ば。
「当日までに誰か男を捕まえられるかな」とか、ちょっと考えたりもしたけど……
やっぱり世の中そう甘くはないわね。

「ちょっと待ってよ千尋ー、歩くの速いよー!」
後ろの方から聞こえてくる声の主はおかっぱ頭のクラスメートのかおりん。
「もう! 置いて行くつもり!?」
私のコートの裾を掴んで動きを止めると口を尖らせた。
……速歩きもしたくなるわよ。周りはアベックだらけなんだから。

結局、誰も誘えず、半分諦めてた所に声をかけてきたのがこのかおりん。
彼女も特に予定が無かったらしく二つ返事でOK、一人身同士で食事会の開催が決定したのが先週末。ここで気になるのは周りの目。でも「高級料理がタダ」の魅力には勝てなかった……。

速歩きでアーケードを進んでいく。
こんなことなら父親でも誘えばよかったかな。でも変な誤解されると……。
そんなことを考えていると、きらびやかなイルミネーションに照らされたビルが見えてきた。
券の裏に書かれた地図と照らし合わせる。ここの6階か。

181 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 11:07 ID:???
速歩きでアーケードを進んでいく。
こんなことなら父親でも誘えばよかったかな。でも変な誤解されると……。
そんなことを考えていると、きらびやかなイルミネーションに照らされたビルが見えてきた。
券の裏に書かれた地図と照らし合わせる。ここの6階か。

やや大きめのエレベーターに乗り込むがここもカップルだらけ。
端っこで肩身の狭い思いをしていた。最上階の6階はワンフロア全部がレストラン。
薄暗い照明から高級感が漂ってくる。入り口で招待券を見せるとボーイが席まで
案内してくれた、窓際の席だ。かおりんの向かいに座り、夜景を眺めながら
料理が来るまで他愛も無い話をする。 10分ほど待ったところで最初の料理が運ばれてくる、
さすが高級と呼ばれるだけある。 この後も、写真でしか見たこと無いような料理が次々と出されてくる。
料理もさることながら、眼下に輝くルミネーションが素晴らしい。
ふと気付くと向かいが静かだ、視線を向けると、無心に貪りついているかおりん。
あぁ、色気より食い気ってのはこういうのを言うんだな、と苦笑。
食事が終わって、再び夜景に目をやる、さっきにも増して綺麗だ。
向かいではかおりんがデザートのアイスクリームに夢中になっている。
景色に見入ってるとかおりんが唐突に話し掛けてきた。
「ねぇ、あんたってさ、暗いところで見ると男に見えなくも無いわね、それも結構美男子」
「なっ……失礼ね!」
……でも確かに私の髪型だと男に見えるかもしれない。

182 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 11:07 ID:???
「食べ終わった後は少し街を歩いてみることにしよう」とかおりんの提案。
私たちじゃ場違いじゃないかとも思うけど……断るのも悪いかと思って従うことに。
先ほど見下ろしていた光の回廊を今度は見上げる形で歩いてゆく。
「わぁっ、雪だ!」
かおりんが歓声を上げる。通りのあちらこちらからも歓声が聞こえてくる。
暫しその場で足を止めて上から舞い降りてくる白い花びらのような雪に見とれる。

「うわっ、何でいるんだアンタ!!」

そろそろ動こうか、と視線を前に向けたところで通りの向こうから叫ぶような声、
それもどこかで聞き覚えのあるが聞こえてきた。
視線をやるといつもの6人組と背の高い男、おそらく木村と思われる、がいた。
なにやらわいわい騒いでいる。
見つかるとマズイ! 具体的にはわからないが多分非常にマズイ事になる。
かおりんも同じ事を考えたのだろう、顔を見合わせると早足で見つからぬようその場を去った。

183 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 11:08 ID:???
……おそらくここまで来れば大丈夫だろう。
街の一角にある噴水広場の前で立ち止まる。
虹色に煌く噴水とそれに並べらんだツリー、実に、幻想的な光景。
ここから真っ直ぐいくと駅だ。
「そろそろ帰ろうか」
何か考え事をしてるのだろうか、隣でうつむいているかおりんに声をかける。
少し間を置いた後、顔を上げ、
「ねぇ、ここから腕組んで歩こ!」
そう言って私に腕を絡ませてきた。
「ちょ……マジ?」
驚いて彼女の方を見る。かおりんも私を見ている。
しばらく無言で見つめあった後、彼女は、はにかむような仕草でこういった。
「ほら、クリスマスなんだしさ」
「いや、クリスマスは関係ない……」
「いーのっ、ほら行こ!」

「おいおい、私はノーマルだぞ」 こう自分に言い聞かせながら寄り添って歩き出す。
でも……たまにはこういうのも悪くない……かな?

184 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 12:43 ID:???
後ろの方から聞こえてくる声の主はおかっぱ頭のクラスメート、かおりん

のほうがいいか・・

185 :172じゃないけど :2003/12/20(土) 16:37 ID:???
確かに手直しされて幾分読みやすい文章になったけど、
わざわざそこまでするほどの手直しかどうか。
つーか、これじゃ>>173-176へのレスがつけにくくなるのでは?

186 :眠い名有り :2003/12/20(土) 19:34 ID:???
>>173-176
いいSSですね!!
で、ちょっとマンガにあったシーンが入ってるのもグー(^^)b
>>185
同意見。
あまりかわってない無いような・・・

そういえば・・・もうすぐクリスマスか・・・
1年短いなぁ・・・

187 :眠い名有り :2003/12/20(土) 19:36 ID:???
>>142-172
お騒がせしてスミマセンでした・・・
素人ですが、まぁ、ビシバシ指摘してくださいませ。

188 :名無しさんちゃうねん :2003/12/20(土) 21:30 ID:???
>>184
なるほど。
くどい描写を削ったり、ヘンな改行を訂正したり……確かに読みやすくなってるな。
三点リーダーも正しい使い方に直してあるし(w

えらく手間がかかった「批評」レスですね。乙!

189 :へーちょ :へーちょ
へーちょ

190 :ハ輪 :2003/12/21(日) 23:52 ID:???
初心者です。パクりですがよろしく。

191 :ハ輪 :2003/12/22(月) 00:14 ID:???
榊 「私とちよちゃんがあの島を脱出して3年の月日が
   流れた……。BR法の被害者はその後も増え続け、
   走り出した私達の戦いはもう、誰にも止められ
   なかった……」

   世界はテロルの時代に突入。反BR法組織【ワイルド・セブン】の
   リーダー榊は連続爆破テロリストとして国際指名手配。大人達は
   今、「正義」の名の下に新しいゲームを開始した。
   新世紀テロ対策特別法【BR2】

榊 「私達はかつて私達を殺し合わせた全ての大人を許
   さない。共に立て、そして共に戦おう。私達は今、
   全ての大人に宣戦布告する!!」

192 :眠い名有り :2003/12/22(月) 01:05 ID:???
>>190
パクリと書かないほうがいいと思う。自分でイメージ下げることになる。

一応元ネタ
http://battleroyale.ne.nu/
http://br-new.jp/index.html

193 :くろまんが大王@黒電波充填中 :2003/12/22(月) 02:53 ID:???
とりあえず、思いつきで書いた小ネタ一つ
推敲もろくにしてない駄文でスマンが


「あら、あんた、榊じゃないの?」
カウンターに座って独り座っている女性が振り向いた。
「ゆかり先生……?」
「やっぱり! 榊じゃない! 凄い久しぶりねぇ 元気にやってる?」
ゆかりが彼女の隣に腰を下ろす。
「はい、なんとか」
「今、あんた何やってんの? あっ、マスター、スコッチ頂戴、水割りで」
ゆかりの前にウイスキーがなみなみと注がれる。
「今は、個人経営の動物病院で助手をやっています。卒業するときは研究室に残らないかという話もあったんですけど……」
「あはは、そうよね。あんたにはそれが一番だもんね」
「先生は、今はどうされてるんですか?」
「あたし? あたしはかわんないわよ」

194 :くろまんが大王@黒電波充填中 :2003/12/22(月) 02:54 ID:???

「朝起きて、授業して、テスト作って。あ、たまに遅刻もするけどね。そうそう、にゃもなんか結婚したのよ」
「黒澤先生が?」
「そう! 物好きな男もいたもんよねぇ。お陰で飲むたびにのろけ話聞かされるあたしの身にもなって欲しいわよ」
ふと、ゆかりの瞳が翳った。
「……でも、最近じゃ、にゃもと飲むことは少なくなったかな」
氷が、ゆっくりとグラスの中で溶けていく。それを二人はじっとみつめていた。
「私も、時々想うんです。あの頃を」
榊がぽつりともらすように言った。
「まだちよちゃんも日本にいて、みんなバラバラになる前を……。みんなで同じ教室に通ったり、夏休みには一緒に海にいったり……」
懐かしい遠くを振り返るように。
「あの頃が、一番楽しかった……」
バン、と突然ゆかりが榊の背中を叩いた。

195 :くろまんが大王@黒電波充填中 :2003/12/22(月) 02:54 ID:???

「っ!?」
「なぁに暗い顔してるのよ!!」
ゆかりがにっと笑う。
「あんたはただでさえ何考えているか分からないんだから、せめて顔だけでもニコニコしてなさい」
「はあ……」
「それじゃな。こんな日に一人だからって、ヤケおこして飲みすぎんなよ」
「先生こそ……」
カラン、と入り口のベルがなって、ゆかりは去っていった。
後には、飲みかけのウイスキーのグラスが独り佇んでいる。
「あれから、何度目かな……」
ふと外を見ると、雪が降っていた。ホワイトクリスマス。

196 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 02:56 ID:???
×カウンターに座って独り座っている女性が振り向いた。
○カウンターに独り座っている女性が振り向いた。

197 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 02:58 ID:???
挿入

「あたし? あたしはかわんないわよ」
ウィスキーを飲み干す。


(誤字だらけだな・・・)

198 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 08:50 ID:???
くろまんが大王氏もこういうの書くんだ…。意外。
別スレにも投下してますよね。

199 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 09:57 ID:???
あのSSをこの人が書いたとは誰が思おうか…

200 :きわむ :2003/12/22(月) 12:53 ID:???
>>191
最近見た(BR2)いいよね?あれは。

201 :書き殴りゴメン :2003/12/22(月) 15:58 ID:???
「すっ好きです!つつつっ付き合って下さひっ」
とうとう言ってやった。言ったんだ。
あの憧れの榊さんに告白したんだ。
俺の言葉は榊さんの耳にどう届いただろう。
「お願いしまーすっ!」
俺は頭を下げて榊さんの前に右手を差し出した。
下を向いた俺の視界に榊さんのスラっとした足がある。
心臓の鼓動は速くなり、顔は真っ赤、汗がにじむ。
一秒一秒がとても長く感じられる。

 ―震える俺の手を榊さんの綺麗な手が包んだ。
(!!!!!!!)
俺は顔を上げた。そこには天使がいた。
優しく俺に微笑む榊さんの顔はまさに天使だ。
「私もキミのことが好き」
その言葉が俺の頭の中で強く響く。
「榊さんっ!」
俺は手を伸ばして榊さんに抱きつこうとする。
「好きだーーーーーーー!!!!!」

202 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 16:25 ID:???
おーい、つづきー、かいてくれー!w

203 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 17:17 ID:???
>>202
…という夢を見た。

204 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 17:28 ID:???
>>198-199
別スレで、ゆかりちゃんはちゃんと勘定を払ったのか?だとか、伝票を回された
榊が、勝手ににゃものツケにしちゃうだの、尾ヒレがついてたね。


>>201
いくら電波とは言え、榊さんのリアクションにリアリティが無いというか不自然じゃないか?

>>203
そのへんが妥当だろうな。

205 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 17:35 ID:???
当然、ゆかりなら勘定は榊に押し付け(をい

206 :眠い名有り :2003/12/22(月) 18:10 ID:???
そういや、あの叩かれSSどうしようか・・・(鬱
一応続編は考えてあるけど・・・

207 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 18:13 ID:???
おれは最期まで読みたいけど。

208 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 18:18 ID:???
>>205
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1066573916/より
 360 :メロン名無しさん :03/12/22 04:08 ID:???
    ゆかり先生が支払い済ませて出て行ったのかが気になる。

 362 :メロン名無しさん :03/12/22 08:39 ID:???
    >>360
    勘定の時
    マスター「あのお連れ様の分もお願いしたいのですが…」
    榊「え…?あ…、はい」
    マスター伝票を見せる。
    榊「はうあ?!」

 363 :メロン名無しさん :03/12/22 09:53 ID:???
    榊「ツケにしてください……私は…黒沢みなもと言います」

 364 :メロン名無しさん :03/12/22 10:40 ID:???
    >363
    榊ちゃん、オトナになったなー。w

>>206
楽しみにしております。

209 :眠い名有り :2003/12/22(月) 18:56 ID:???
んじゃ、書くか。今日中にはまた進めます。
あと、物語上に”重要なメッセージ”があります。気が向いたら考えてください。

210 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 20:11 ID:???
>「すっ好きです!つつつっ付き合って下さひっ」
>とうとう言ってやった。言ったんだ。
>あの憧れの榊さんに告白したんだ。
>俺の言葉は榊さんの耳にどう届いただろう。
>「お願いしまーすっ!」
>俺は頭を下げて榊さんの前に右手を差し出した。
>下を向いた俺の視界に榊さんのスラっとした足がある。
>心臓の鼓動は速くなり、顔は真っ赤、汗がにじむ。
>一秒一秒がとても長く感じられる。

「…ごめん」
(!!!!!!!ダメだったか…)
俺は顔を上げた。そこには困惑した表情の榊さんがいた。
「私はきみのことをよく知らない。…だから急に付き合ってくださいと言われても…
 即答は出来ない。」
「お…俺じゃダメかな…?」
「…いや、ダメとかじゃなくて、私はきみのことは本当に知らないんだ。気持ちは
 嬉しいよ。ありがとう。けど…、すぐにはつき合えないと思う。」
「で、でも…。ほ、ほら、とりあえず付き合ってみないとお互いのことはよく分からないと思うよ。
 だ、だからさ。付き合ってくれないかな…。」
「…付き合わないと、分からないものかな…・」
そこへとつぜんおかっぱ頭の女が間に割って入る。
「そーよそーよ。榊さんが困ってるじゃないの。まったく男って自分勝手で独りよがりなんだから。
 あんた逆の立場になってみなさいよ。話したこともないような、しかもあんたみたいなどうでも良
 さそうな男にいきなり付き合ってくれって告られて、はい付き合いますなんて言えるわけねーだろ?」
「か…、かおりん。ちょっとそれは…」
「榊さん、ここは言わせてください。あんたみたいなポっと出の何のプロセスもない男の告白に、女が
 なびくわけないでしょ!女をナメるのもたいがいにしなさいよ!」
「あ…あの、とにかくいきなり付き合うというのは…、私にはできない。…期待に添えなくて、ごめんな。」

きむりん「残念賞ーーー!」

…という展開の方が、榊さんらしいかな?

211 :210 :2003/12/22(月) 20:19 ID:???
>>201
勝手に改造ごめん。
ただ、その展開は榊さんらしくないなと思ってね。
榊さんにとっても本命だとしたら、たぶん顔を真っ赤にしてて微笑みどころじゃ
無いと思うよ。

212 :名無しさんちゃうねん :2003/12/22(月) 20:36 ID:???
>>211
軽いノリで交際の始まる女の子もいれば、ガードの固い女の子もいる。
榊さんに限らず、6人ともそんな気がするが…。
でも、軽いノリで付き合ってくれる榊さんも意外でいいかも。

213 :眠い名有り :2003/12/22(月) 20:57 ID:???
風藻「はい、料理ができたわよーー。」
桜「あ、今運ぶね。」
榊「かぐら、いや風藻さん。手伝いますか?」
風藻「あ、すみません・・・お願いします。」
香緒音(かぐら・・・?)
料理が机に並ぶ。
香緒音「やったぁ〜〜〜!ご飯だぁ〜〜!!」
風藻「落ち着きなさい香緒音。さぁ、いただきましょう。」

214 :眠い名有り :2003/12/22(月) 20:57 ID:???
桜「へぇ〜〜。ゆかり先生の車ってすごいんですねぇ!」
ちよ「もう、死んじゃうかと思いました〜〜〜」
香緒音「おもしろそ〜〜。乗ってみたいなぁ。」
よみ「止めたほうがいいですよ。前にちよちゃんと大阪が乗ったけど・・・」
風藻「大阪?おもしろいあだ名ですね。その人は今日来てないんですか?」
ちよ「・・・・」
ゆかり「・・・大阪は・・死んだんです。二年前に・・・」
風藻「・・そうでしたか。・・すみません・・・」
よみ「いいんです。本当にあったことですから。」
榊「・・・・」
ちよ「あ、そういえば皆さんご両親はどんな人なんですか?」
香緒音「あ、私達は・・」
桜「私達・・・・記憶が無いんです。一年ほど前から・・・」
ちよ「すっ、すみません。こっちのほうこそ思い出させちゃって・・」
香緒音「いいですよ。そういえば懐かしいなぁ・・・あのころ。」
よみ「あのころ?」
ちよ「貴方達が知り合ったころですね。たぶん・・・」
香緒音「ええ、美浜さん。私達は、気づいたら三人川辺に倒れていたんです。その間は風藻姉ちゃんが看病してくれてね。
    懐かしいなぁ・・・そういえば、姉妹になろうって決めたら、桜姉ちゃんが私達の名前つけてくれたっけ・・・」
よみ「えっ、桜さんが・・・」
桜「はい。その名前が強く頭の中に残ってたんです。たぶん・・記憶が無くなる前の私が強く思っていたんでしょうね・・・」
にゃも「思い出せればいいのにね・・・昔のこと・・」
風藻「はい。でも、私達は今のままで満足していますから。」
桜「うん!私も!!」
香緒音「私も〜〜!」
ちよ「本当、仲がいい姉妹ですねぇ〜〜」

215 :眠い名有り :2003/12/22(月) 20:58 ID:???
続編を書いてみた。

216 :ハ輪 :2003/12/22(月) 21:02 ID:???
かおりん 「5年前、私は両親を亡くし木村先生にひきとられた。
      そして3年前、教師であった木村先生は教え子に撃た
      れ、殺された。木村先生が仕上げた最期のその絵の真
      ん中には一人の女の子が描かれていた。その子が私
      じゃいと知った時、私はなんかムカツいた。そして、
      二度と学校には行かなくなった。そして、私はあるゲ
      ームへの参加を決意した。」

かおりん 「私が転入したあずま中学は、全国から不良や不登校な
      どの落ちこぼれ達が集まった中学だった…。みんな大
      人に捨てられた子供達だった。誰にも明日など見えな
      い。」

帰りのバスで私達はいつも通りバカ騒ぎをした。これだけが私にとっての
リアルだった。

とも 「なあ、今日通知表もらったけど、あんた達いくつあった?」
かおりん 「いくつってなにが?」
とも 「もちろん1だよ。どうせあんたおおいだろー?」
かおりん 「し、失礼な!1なんてなかったよ…………
      ギリギリで。」
神楽 「ともはどうなんだよ?どうせオール1だろ?」
とも 「何だとー!!!私はバカじゃ無いぞ!?」
よみ 「バカだろ………」
千尋 「卒業記念にみんなでこの色紙にメッセージ書こう?」
神楽 「よっしゃ!!わかった!!!」

そう言って神楽は大きく「仲間」と書いた。

千尋 「智も何か書いて−。」
とも 「私はいいや。まだなにも終わっちゃいねーもんねー!」
かおりん 「じゃあ、私もあとで書こー。」

いつも通りだった。しかしバスが目的地へ着くのが少し遅い気がした。
でも、みんな気にせず、疲れ果て眠りについた。

217 :眠い名有り :2003/12/22(月) 21:27 ID:???
>>216
分けましょう。
レスは30行すぎると省略されるので、そうならないように投稿したら見やすくなりますよ。

218 :ハ輪 :2003/12/22(月) 21:30 ID:???
どうも

219 :ハ輪 :2003/12/22(月) 21:37 ID:???
このまま行くとおれのSSでは大山君、神楽、千尋、大阪さん、よみさん、ちよちゃん
ゆかり先生、かおりんが死ぬことになるけどどう思う?

220 :眠い名有り :2003/12/23(火) 00:32 ID:???
>>219
別に構わないけど、少々叩かれることを覚悟したほうがいいです。
まぁ、無視すればいいけどね。

221 :眠い名有り :2003/12/23(火) 00:33 ID:???
あと、>>216
始めのかおりんの台詞の「」は無いほうがいいと思います。主人公はかおりんらしいので。

222 :名無しさんちゃうねん :2003/12/23(火) 06:31 ID:XRf/./sg
BRネタか!?

223 :くろまんが :2003/12/23(火) 08:14 ID:???
疲れた・・
少し筆力が下がった・・
黒電波も枯渇気味
しばらく、暖色系を書こうか・・

224 :妄想レス :2003/12/23(火) 11:59 ID:???
>>210続き

「災難でしたね、榊さん。大丈夫でした?」
かおりんが心配そうに榊の瞳を覗きこむ。
「うん……ありがとう」
「もう、大丈夫ですから」
その手が榊の体を抱きしめた。
「え……?」
「榊さんは私が責任を持って守ります。榊さんは私だけのものですから」
「ちょ、ちょっと、かおりん!?」
声が上ずる。真っ赤になって困ったように後ろから抱きつくかおりんを押しのけようとする。
「わ、私、そういうのは……」
かおりんは聞いてはいない。それどころか、とんでもないところをまさぐりだす。
「あっ!? ちょっ、やめ……!」
「好きです、榊さん……」
「だ、だ、誰か……っ!!」

225 :名無しさんちゃうねん :2003/12/23(火) 12:57 ID:???
>>217
>レスは30行すぎると省略されるので、そうならないように投稿したら見やすくなりますよ。

あんたもしかして掲示板の最初の画面からしかここを見れないとでも思ってるのか?
「スレッド一覧」の画面からスレの画面を開けば全部見れるよ。

226 :名無しさんちゃうねん :2003/12/23(火) 13:59 ID:???
>>224
キモ・・・

227 :ハ輪 :2003/12/23(火) 17:10 ID:???
しばらくして、智がめを覚ました。

とも 「あれ?なにーーー!!?」

そこは街中ではなく軍隊の基地であった。バスの周り
は軍人ややじうま、マスコミであふれていた。それに
自分たちの首に変な首輪がされていた。

とも 「みんな!大変だー!!起きろー!!!!!」

その声にとなりの席の神楽がめを覚ました。そして、異変に
気がついた。

神楽 「なんだよコレー!何で首はなんかしてんだよ!?
    それにここどこだよ!?」

そのあと、みんなもめを覚まし、大騒ぎになった。しかし、
かおりんだけが状況を理解したかのように、冷静だった。

よみ 「どうなってんだよ!?何とか言えよ!!」

よみは窓を叩きながら言った。その時バスは止まり、そして
バスのなかに次々に軍人が入ってきた。そして、みんなをバス
の中から無理やり出そうとしてきた。

大阪 「何すんねん!!日本は戦争したらあかんでー!!」

228 :ハ輪 :2003/12/23(火) 17:53 ID:???
このまま行くとキャラが足りないので、オリジナルキャラを作ります。

女子 七海 優香 くろがみで痩せぎみ。佐々木 桜 金髪で不良。
   川原 南 髪は短く不登校ぎみ。田中 夏美 同じく不登校ぎみ。
   久住 典子 茶髪でデブ。平田 優 黒髪で美人。
   齋藤 里香 いじめられがち。 宮田 那津季 ハイテンション。

男子 鈴木 油鵜也 暴走族。 中澤 薫 同じく暴走族
   河田 亨 前に同じ。 北嶋 火路既 金髪で無口。
   池田 直樹 気弱な不良。新山 照 過去に2回逮捕された
   諸井 成行 オールバックで喧嘩好き。
   加藤 龍貴 金髪でオールバック、好戦的。

たぶんほとんどが死にます。

229 :age :2003/12/23(火) 18:10 ID:???
ageてみよーっと

230 :名無しさんちゃうねん :2003/12/23(火) 22:19 ID:???
ここのスレ、伸びがいいよな。
どんなSSでも拒まない雰囲気がいいんだろ。
どんなに叩いても無駄だ。それは見ている者がいることを証明するから、無視されることが一番恐怖の職人にとっては逆効果。
さらに絶対的にフォローする者もいる。それは住人同士の強い結束を表している。
プラスもマイナスも全部上向きの絶対数に変換されるんだ。

231 :ハ輪 :2003/12/23(火) 22:55 ID:???
227のつづき
大阪さんは抵抗したが、マシンガンのようなもので
殴られ、無理やりバスからおろされた。
そして、みんなは金網で囲まれた部屋に移された。

とも 「だせー!ここからだせー!!いったいなん
    なんだー!!!」
よみ 「いったい私たちをどうするつもりだー!!」
中澤 「出さねーとぶっ殺すぞ!!コラァ!!!」

みんなが騒いでいる中、やはりかおりんだけが冷静であった。
その時、ゆかり先生が現れた。

よみ 「先生!?おい先生!!この首輪はなんですか!!?」
とも 「ゆかりちゃん!!」
佐々木 「おい先生!!今すぐ出しやがれー!!」

しばらくしてゆかり先生も、この金網の部屋に入ってきた。
そして生徒達をにらみつけた。右手にはみんなで書きあった
色紙を持っていた。そして、ようやく口を開いた。

ゆかり 「諸君!!メリークリスマス!!!」

そう言うと、ゆかり先生はその色紙をコンクリートの冷たい
地面に叩きつけた。

232 :ハ輪 :2003/12/23(火) 23:00 ID:???
今思ったけど、このスレが1000いくまでにこのSS終らせられるか
自分でも心配です。しかも、まだ続き全部考えてないし。
ヤバイです。

233 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 00:20 ID:???
>>224つづき

「かおりん。こんなところで何をしておるのかね?」
「うわぁ!?あんた何でこんなところに…」
「あんた、じゃなくてきむりんって呼んで!」
「いっ…いやぁ〜〜〜〜!せっかくいいところだったのにぃ!」
「かおりん、待って〜」

取り残された榊。呆然と2人を見送る。
「た…助かったのか?」
「ところで榊くん」
「わぁ!…木村先生?」
「さっきの返答は君らしい回答だが、もう少しわがままに答えたほうが良い。
 相手を傷つけて自分が悪者にならないようにという回答なら止めたまえ。時
 には厳しい態度をとるのも優しさだよ」
「は…はぁ」

234 :ハ輪 :2003/12/24(水) 00:56 ID:???
231つづき
ゆかり 「今あなた達が置かれている状況がわかりますね?」
神楽 「全然わかんねーよ!!」
とも 「ちゃんと説明しろよな!」

そしてゆかり先生は黒板になにか書き始めた。

ゆかり 「木村・・・大山・・・・・・・]
河田 「はあ?訳わかんねーよ!」
鈴木 「バカはほっとけ!!帰るぞ。」
中澤 「おう!!」

そして三人は金網にしがみつきながら大声で言った。

鈴木 「出せコラー!!」
河田 「オラー!!ドアを開けろ!!!」
中澤 「さっさと開けねーと殺すぞ!!」

三人を見た軍人は三人を無理やり金網からとうざけた。

ゆかり 「みんな、これを見て何かわかりますか?」

みんなは解らないみたいで黙りこんだ

ゆかり 「あずまんが大王で名前があった男子キャラです。
     数は圧倒的に女子のほうが上です。この意味が
     わかちますか?みんなの命は平等ではないと言
     うことです。」
大阪 「うわー!!!」

大阪さんはふところにあったナイフをゆかり先生にむかって投げた。

235 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 01:38 ID:???
>金網からとうざけた。

せめて単語くらい正しく使いましょう。

236 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2003/12/24(水) 03:20 ID:???
EX27 2003/12/24 すいまや (よつばと! 電撃大王2002年2月号+吉野屋)

 ふーかはおよげない。おとななのに。
とーちゃんもジャンボもだ。だからよつばがおしえてやる。
 いうこときけといった。へんじない、やるきない、だらしない。
さんまのきもちになれとおこった。よつばさんまをおいかけてとる。
さんまはしぬきょーふをあじわう。とてもはやくなる。
よつばのがはやいからとるけど。
 とにかくおよげるよーになる、これさいきょー。
 しかしりょーしにマークされるというきけんもともなう、
もろはのつるぎ。しろーとにはおすすめできない。
 まー、おまえらうかないおとなは、
うきわでもつかってなさいってこった。

237 : :2003/12/24(水) 03:21 ID:???
↑2003年2月号に帝政

238 : :2003/12/24(水) 03:21 ID:???
↑訂正

239 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 03:44 ID:???
吉野家ネタをここに持ってきますかw

240 :ハ輪 :2003/12/24(水) 12:16 ID:???
234の続き
ナイフははずれた。そして、黒板に刺さった。

ゆかり 「そう言えば、去年のクリスマスに悲惨なテロが起きて
     1年たつよのよねー。」

そう言うとゆかり先生は、黒板に刺さったナイフを抜いた。

ゆかり 「一瞬で大勢の命を奪ったテロリストどもは・・・・・・」

次の瞬間、ゆかり先生は生徒にナイフををむけた。そして、ナイフを
振りながら言った。

ゆかり 「海のむこうの島に立てこもっています!!!!」

それを見た生徒達は、後ずさりをした。

ゆかり 「テロリストのリーダーである榊はこういいました。
     全ての大人に宣戦布告するってさ!!ちなみにこの
     国では大人とは、20歳をすぎた人を指します。そ
     れ以外はみんなガキです。ガキを一人前に育てるの
     に一体いくら銭がかかるのかお前等しってるか!?」

そう言ったあとゆかり先生はナイフを投げた張本人である大阪さんと
目があった。そして、ナイフをにやつきながら大阪さんにむけた。

241 :ハ輪 :2003/12/24(水) 12:32 ID:???
大阪 「何やお前・・・・・・・・なんやねん!!!」

大阪さんがそう言うとゆかり先生はナイフをむけたまま大阪さん
のほうへ走った。

大阪 「うわーーーーー!!なんやーーーーーー!!!!!!!」
ゆかり 「武器は大切にしまっておきな。」

そう言うとナイフをたたんで大阪さんに返した。

ゆかり 「平均して一人当り3000万〜4000万円。これが今のおまえ等
     の値段です。こんなにかかるんです。しかもみんなのようにできが
     悪いガキ達を養うことはもう、ビンボーなこの国にはできません!
     だから我々大人は今度の宣戦布告は受け入れないことに決めました!!
     こんなに戦争したければどうぞガキどうしでやってください!!!!!」

そう言うと金網のドアが開いて緑色の大きなバッグがいっぱい運ばれてきた。

とも 「なんだ、なんだー!!??」
よみ 「なにが始まるんだ?」
ゆかり 「こういうわけで長らくおまたせしました。【BR2】!!!
     今日はちょっと皆さんに戦争してもらいます。」

242 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 14:43 ID:???
>>233
えらく中途半端なところで終わってないか?

243 :ハ輪 :2003/12/24(水) 15:59 ID:???
>>241
そろそろ神楽さんが死にます。

244 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 16:06 ID:???
どんな人間ドラマを見せてくれるのかな? ドキドキ。

245 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 16:06 ID:3F5sDSjI
八輔さんのSSおもしろいな。
たまに文法おかしいけど、気にしちゃいけない

246 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 16:28 ID:???
azumangacation

此処はとある屋外の市営プール
4とかかれたスタート台に
1人の女の子が立っている
夏の暑さのためか、緊張のためか
肌を伝わる汗が落ちて
足元のコンクリートにしみをつくる

「神楽っ!!こんなんじゃインターハイ出場なんて夢のまた夢よ!」
「やった!記録更新。この調子で頑張ろうね」
「今日もお疲れさま、はいコレ、飲む?」

目を閉じると浮かぶ先生の言葉
フゥーとひとつ息を吐く

247 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 16:30 ID:???

雲ひとつ無い青空
ギラギラと照りつける太陽
遠くで聞こえる蝉の声

「いい感じ、リラックス、大丈夫」
「暑いなあ、やっぱ夏だし」
「・・・冬の寒い日にも私は走ってた」
「私はこの日のために頑張ってきたんだ!」

目を開き前方にあるゴールを見つめる
「・・・頑張ってきたんだ」小さく呟く

――位置について、、、よおーい

合図とともに身を屈め、足の指に力を入れる

――スタートッ!!

248 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 16:31 ID:???

綺麗な放物線を描き、プールに飛び込む
その衝突でできた水しぶきは
夏の光線を浴びキラキラと光る
そして次の瞬間、水から浮上し
クロールによる手足の激しい動きが
また新たな水しぶきを生む

「せんぱーいっ!頑張って!」
「神楽さーん!ガンバレー!」
応援の声が聞こえる

「おっしゃーー!神楽いけぇーーーー!」
ともか。あいかわらずうるせーな。
「神楽ちゃ〜〜ん。がんばりやー!」
「がんばってくださーい!!」
「がんばれよっー」
大阪。ちよちゃん。よみ。ありがと。
「か、、神楽っ」
ん。だれだ。
「かっ神楽、がっがんばれ!がんばれ!がんばれっ!!!」
榊か。普段出したこともないよーな声。・・・親友。

「神楽ぁっ!もうすこしでゴールだ!手を前に出せ!もっと強く蹴ろ!」
黒沢先生。先生に恩返しをしたい。インターハイ出場の・・・

最後にめいいっぱい伸ばした左手が壁に触れる
観客からどっと歓声が沸きあがる
水面から顔を出し、3度大きく息をする
ゴーグルはずし周りを見渡す
同じく状況が分っていない様子の他の選手と目が合う

――えー、ただいまの順位を発表します

――1着は・・・6コースの

249 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 16:32 ID:???

夕日が差し込むプールサイド
1人の女の子が立っている
その目は赤く、涙が滲んでいた
彼女は上を向き空を見た

「悔いは無いよ、今まででベストの泳ぎだったじゃん」



頬に一筋の涙が伝わる



鞄の中から携帯の着信音が鳴る

「もしもし」
「あっ、神楽?何時まで待たせるんだよ」
「わかったよ。今行く」
「せっかくゆかりちゃんとにゃもが焼肉奢ってくれるんだから〜」
「(あれあれ、『にゃも』の奢りじゃないの)」
「(なにいってんのよ、あんたも払うの!)」
「ふふっ、あっはっは」
「ん?なに笑ってんだよ、早く来いよ」

彼女は手で顔を拭うと
出口に向けて駆けていった

おわり

250 :ハ輪 :2003/12/24(水) 17:24 ID:???

よみ 「ちょっと待って!そんなの私達が戦争しなくても、軍隊が戦争すれば
    いいじゃないですか!?」
ゆかり 「よみ…あんたもバカねー!私達大人は宣戦布告を受け入れ
     ないって言ったでしょ?人の話はききなさい。」
よみ 「・・・・・・・・・・・・・。」
ゆかり 「ちなみにBR2とは、BR法に乗っ取り考案された全く新しい
     ゲームです。ルールは簡単、制限時間内に島に立てこもる悪の
     リーダー榊を、殺せば勝ち。制限時間は3日間。わかりましたか?」

やはりみんなはまだ状況が理解できないらしく、まだ、呆然としているひとが
目立った。

ゆかり 「この部屋には一本の線がひかれています。この線は勝ち組と負け組
     をわけるラインです。あなたはどっちですか?ゲームに乗る人は右
     乗らない人は左!!」

ゆかり先生がこう言うと、みんなは急いで左へと移動した。

251 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 17:44 ID:???
>>249
せ、青春だなぁ〜。

252 :ハ輪 :2003/12/24(水) 18:52 ID:???
250の続き
ゆかり 「それでは出席番号1番から確認します。
     女子1番滝野さん、男子1番河田君、あ
     なた達は勝ち組ですか?負け組ですか?
     ちなみに負け組には用がないので死んで
     もらいます。」
とも 「な、何だとーー!!?」
ゆかり 「参ります。3…2…1…。」
とも 「ふざけんなー!!」
かおりん 「先生。」

はりつめた空気の中かおりんが手をあげて言った。

かおりん 「先生。私は勝ち組なので勝ち組のほうへ行って
      もいいですか?」
軍人 「なんだ?きさまは!?」

軍人はかおりんに銃を向けた。

ゆかり 「待て。女子3番かおりさん、あなたは勝ち組でよろ
     しいですね?」
かおりん 「はい…。」
ゆかり 「勇気ある彼女にクリスマスプレゼント!!」

かおりんは負け組の線をこえ、勝ち組のほうへ行った。そして、
3と大きく書かれた緑色のバッグをわたされた。わたされると
かおりんは、そのバッグをひざに抱え、すみに座りこんだ。

とも 「おい!!かおりん、あんたなに考えてるんだ!?」

ともが話しかけても、かおりんは無視した。

253 :眠い名有り :2003/12/24(水) 18:58 ID:???
へーBRUってこんなストーリーだったのか。
見たいとは思うが、現実的じゃないので趣味じゃ無かったから観なかったけど・・・
(タダで)観る機会があれば観よう。

254 :ハ輪 :2003/12/24(水) 19:04 ID:???
俺のSSとBR2とは違う所もありますのであまり
さんこうにはなりませんが、本物のBR2は面白い
のでぜひ、DVDをお買いになってください。
(タダ観とは言わずに。)

255 :眠い名有り :2003/12/24(水) 19:12 ID:???
>>254
金ないもん!!(爆)
BRか・・・本当にあったら海外から思いっきり文句言われるでしょうね。(笑)
それにR15だから親が許さないから無断で映画館に行くしかない。(座頭市のように。)
しかも、弟がいるから自分が15歳になっても観れないしね。

256 :ハ輪 :2003/12/24(水) 19:38 ID:???
そう言えば俺のSSは主人公が3人います。
1、智
2、かおりん
3、榊
前にスレの先輩からアドバイスをもらったのですが
台詞とかどうしようどうしたらいいのでしょうか。

257 :眠い名有り :2003/12/24(水) 20:05 ID:???
>>256
主人公は「私」という表現使ったほうがいいです。
あと「」もなくしたほうがいい。

258 :ハ輪 :2003/12/24(水) 20:55 ID:???
>>252の続き
ゆかり 「では、あらためて、滝野さんと河田君勝ち組
     ですか?負け組ですか?3…2…1。」
とも 「…行きゃーいいんだろうが、行きゃー!!」

そしてともは勝ち組のほうへむかい、かおりんと同じ
ように緑色のバッグをわたされた。

神楽 「おいとも!おまえ自分がなにやってるかわかってる
    のか?」
とも 「うるせーよ!!」

そして、ともはゆかり先生をにらみながら言った。

とも 「私はお前等大人を信じねー!ぜってー信じねーからな!!」
ゆかり 「あっそう。」
河田 「智……。」

そんなともを見た河田も勝ち組へむかった。

神楽 「おい、河田……………。」

259 :眠い名有り :2003/12/24(水) 21:06 ID:???
香緒音「さぁ、お部屋はこっちですよ。」
ゆかり「うわぁ〜〜渋くていいなぁ〜〜。」
桜「今、布団出しますから。」
よみ「あ、場所さえ言ってくれれば後は自分でしきますから。」
桜「そうですか。あの押入れの中です。それじゃぁ、おやすみな・・」
クーーーッバサバサバサ・・・
扉の向こうから鳥の声と羽音が。
香緒音「かよ、みち、きよ〜〜〜、今エサあげるからね〜〜〜」
扉を開けると三匹の真っ白いハトが飛び込んでくる。
ちよ「あ、ハト。」
香緒音「ほらっ、おいで。」
香緒音が言うと、三匹のハトは香緒音の肩と腕に降りる。
榊「うわぁ・・・・(////)」
香緒音「今エサあげるよ〜〜。風藻お姉ちゃん、手伝って・・」
榊「あっ・・なんなら手伝いますか。」
香緒音「あっ、いいんですか?それじゃぁお言葉に甘えて。」

260 :眠い名有り :2003/12/24(水) 21:06 ID:???
香緒音「エサ、あげてみますか?」
榊「えっ・・」
そういうと香緒音は榊にエサを握らせた。
三匹のハトは一斉に榊に群がる。
バサバサバサ・・・・
榊「うわぁ、すごい。(////)」
香緒音「そういえば、榊さん。風藻姉ちゃんを見たとき『カグラ』って言ったそうですね。」
榊「!!」
香緒音「できれば教えてくれませんか?風藻姉ちゃんを知っているなら・・・
    風藻姉ちゃんが記憶を無くす前はどんな人だったか・・・・」
榊「・・・・」
香緒音「どうなんですか?風藻姉ちゃんのこと・・・」
榊「いいえ、他人の空似ってやつです。」
香緒音「そうですか・・・」


―どうしてこんなことに・・・ まさかあの人たちと・・・
”彼女”はまさに驚いていた。彼女達に二年ぶりに会ったのだから。無論本人達という確証は無い。
―また”あのこと”を思い出すなんて・・・しばらく忘れてたのに・・・
”彼女”は手を強く握り締めた。また殺意が湧いてきたのだ・・・
―やるしかないんだ・・・やるしか・・・
”彼女”の呟きは吹雪きの音にかき消され、誰の耳にも届かなかった・・・
闇が全てを包んでいった・・・

261 :眠い名有り :2003/12/24(水) 21:11 ID:???
>>260
あ、
風藻姉ちゃん⇒風藻お姉ちゃんです。

262 :ハ輪 :2003/12/24(水) 21:13 ID:???
ゆかり 「次、女子2番よみさん、男子2番池田君。」
よみ 「…くそったれ………。」

そういうとよみも勝ち組へむかった。

池田 「俺やだよ。どうすりゃいいんだ?」
ゆかり 「自分で決めなさい。死ぬわよ?」

それを聞いて池田はビビッて勝ち組へむかった。

ゆかり 「次、男子3番中澤君。3…2…1…。」
中澤 「・・・・・俺は、お前等を絶対殺すからな!!!」

そう言うと、彼もまた勝ち組へむかった。

ゆかり 「次、女子4番神楽さん、男子4番大山君、3、2、1。」

神楽 「私は絶対いかない。」
ゆかり 「あ?」
大山 「悪いけど俺、先き行くから。」
神楽 「勝手に行けよ。」

大山は神楽をおいて、勝ち組にむかった。

263 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 21:19 ID:???
ああー
神楽が死んじゃう

264 :眠い名有り :2003/12/24(水) 21:21 ID:???
あ、重なった・・・

265 :名無しさん『ちゃうねん』 :2003/12/24(水) 21:27 ID:???
>>263
すいません
緊張感損なうレスですね

266 :ハ輪 :2003/12/24(水) 21:29 ID:???
262の続き
神楽 「お前等おかしいと思わないのかよ!!何で私達
    が戦争しないといけないんだよ!!」
ゆかり 「いいんだな?神楽、死ぬぞ3、2、1、よし
     わかった。」

次の瞬間、軍人が神楽の足を撃ちぬいた。

神楽 「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
とも 「何やってんだ神楽…。こっち来いよ!!早く!!
    おい、早くしろ!!!」
神楽 「わ、私は絶対に行かない。」
ゆかり 「よく考えなさい!あんたはもう色んなことに負けて来た。
     これが最期のチャンスだぞ?」
神楽 「まだ負けてない!!!!!!!!!」
ゆかり 「参ります。3、2、1。」

次の瞬間、軍人は神楽の心臓を撃ちぬいた。そして、倒れた神楽に
ともがかけよる。

とも 「なにやってんだよ……。」

そしてともの目に先生が投げたあの色紙が見えた。ともはそれをひろいあげ、
神楽が書いた仲間と言う文字をみた。

267 :ハ輪 :2003/12/24(水) 21:34 ID:???
266続き
とも 「ふざけるなよ…私達仲間なんだろ?ふざけるなよ……
    ふざけんなよ…。ふざけんなよ神楽!!!!!!!」

ともの目から涙が光った………。

女子4番神楽 死亡。
           残り41名

268 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 21:36 ID:???
>>次の瞬間、軍人は神楽の心臓を撃ちぬいた。

軍人が人間砲弾みたく飛んでいって……ガクガクブルブル

269 :眠い名有り :2003/12/24(水) 21:37 ID:???
>>267
連続投稿の場合は「〜の続き」って書かないほうがいい。
あと「>>」使うことをおすすめします。

270 :名無しさん『ちゃうねん』 :2003/12/24(水) 21:38 ID:???
軍人は銃で神楽の心臓を撃ちぬいた。
だったらいいわけだ

271 :ハ輪 :2003/12/24(水) 21:40 ID:???
>>268
ちゃんと拳銃をつかいました。
ごめんなさい。ちゃんと書かなくて。

272 :眠い名有り :2003/12/24(水) 21:41 ID:???
>>268
怖ぁ〜〜〜、何者だその軍人。手刀でも使えるのか〜〜?(笑)
あと、>>266
やっぱりあずまんがの延長線上にあるわけだから、ゆかり先生の性格も考えないと・・・

273 :ハ輪 :2003/12/24(水) 21:43 ID:???
>>269-270
アドバイスありがとうございます。

274 :ハ輪 :2003/12/24(水) 21:56 ID:???
>>272
本物のBR2でもそうですが、最期のほうで先生は元に戻ります。
参考までに本物のBR2の先生のセリフをかいときますね。(多少異なりますが。)

先生「人生には勝ち組と負け組の両方しかない。ホントにそうだろうか?
   その答えはここを行った先ににある。早く行け!
   …先生はみんなとラグビーするの、夢だったんだけどな…………。
   行け−ーーーーーーー!!!!」
そういったあと自分につけた首輪が爆発してしにます。

眠い名有りさん、本当にたくさんのアドバイスありがとうございます。

275 :眠い名有り :2003/12/24(水) 21:59 ID:???
あっという間に自分のSSが消えた(鬱

276 :名無しさんちゃうねん :2003/12/24(水) 22:18 ID:???
>>268
マジレスすると、この部分の少し前に

>軍人 「なんだ?きさまは!?」
>軍人はかおりんに銃を向けた。

って描写があり、軍人が銃を持っているということは読者に知らせてあるので

>次の瞬間、軍人は神楽の心臓を撃ちぬいた。

と、「銃で」を省いても銃で撃ったってのはわかるので、これでもOKと思われ。

277 :ハ輪 :2003/12/24(水) 23:27 ID:???
>>276
自分でも気づきませんでした。ありがとうございました。

278 :名無しさんちゃうねん :2003/12/25(木) 00:14 ID:???
>>246-249
さわやかでいい話でした。
負けてしまったけど、涙は流したけれど、
それは決して悪いことばかりではないと思いたい。

いい出来なんだからもっとレスもらえていいと思うんだが。

279 :竹田隆 ◆IBAs6N75Go :2003/12/25(木) 00:43 ID:???
>>246-249
すげい…
青春じゃん

280 :名無しさんちゃうねん :2003/12/25(木) 00:51 ID:???
でも、この後不良に拉致監禁されて陵辱された挙句、殺されちゃうんだよね、神楽たん……・゚・(ノД`)・゚・。

281 :名無しさんちゃうねん :2003/12/25(木) 00:53 ID:???
亀レスだが、>>223くろまんが氏
俺はあんたの文章、とても楽しみにしてる。
グロは好きなほうじゃあないが、あんたの文章は読者を引き込むような
静かな凄みがあると感じてる。普通にうまいし、単純に小説として高い水準にあるとも思う。
グロでも暖色系でも、思うままに書いて欲しいと、期待をこめてレスしときます。
もちろん、引き続きスレ住人の趣向に最低限の配慮はしたうえでね。

282 :名無しさんちゃうねん :2003/12/25(木) 01:02 ID:???
>>280
いやいや…。エロパロでのくろまんが大王氏のSSは関係ないでしょう…。

283 :眠い名有り :2003/12/25(木) 09:53 ID:???
しばらく控え室のほうでカキコしよう。
あまり、人の連載中には書き込みたくないから。
と、言うことで>>259-260の続きは控え室のほうに書きます。

284 :名無しさんちゃうねん :2003/12/25(木) 11:30 ID:???
鬱鬱鬱うつうて('-')ウテー![+]-')アイ!

285 :KKYY :2003/12/25(木) 11:58 ID:???
挨拶遅れました
>>246−249描いたものです
感想くれた方ありがとうございます
自分はこんな感じです、よろしくお願いします。

286 :名無しさんちゃうねん :2003/12/25(木) 13:00 ID:???
>>283
違うスレでやったらそっちの方が読みにくい。
それに控え室の方も連載中なのは同じ。

287 :眠い名有り :2003/12/25(木) 20:13 ID:???
>>286
そーですね。

288 :ハ輪 :2003/12/25(木) 22:09 ID:???
ちょとネタが浮かばないので、しばらくの間、お休みします。
まあ、三日くらいですが。

289 :眠い名有り :2003/12/25(木) 22:54 ID:???
ちよは考え事をしていた。
あまりにも似すぎている。ただの空似だとは思うのだが・・・
ちよ(そういえば・・あの人何で・・・)
一つ違和感を感じた。他にもあったような気がするが・・・
ちよ(まさか。ただの杞憂ですよね。寝よ寝よ。)
その時、榊が沈黙を破った。
榊「なぁ。誰か起きてるか?」
ちよ「私は起きてますよ。」
にゃも「私も。どうしたの榊さん。」
榊「何かさぁ・・本当に仲がいいのかな?あの人たち・・」
ちよ「えっ?」
榊「私食事の時、風藻さんに「神楽」って言っちゃったんだけど、そのこと香緒音さんが聞いてたんだ。
  そして、ハトにエサをあげた時に聞いてきたんだ。「カグラ」って誰だ?風藻お姉ちゃんのこと知っているのか?って。
  しかも・・・何ていうかな・・心配そうに聞くんじゃなくて・・・
何か人を探っているような・・・何か怪しいような・・・」
ちよ「・・・」
にゃも「思い過ごしじゃない?それよりも・・・本当にあの人たちは滝野さん達なのかしら?」
ちよ「今はわかりませんよ。今は・・・」
そして、何事も無く静かに夜は明けた・・・

290 :眠い名有り :2003/12/25(木) 22:54 ID:???
二日目
桜「おはようございます。皆さん。」
ゆかり「ふぁ〜〜〜どうも〜〜〜。」
ちよ「う〜〜ん・・あれ?桜さん、どこか行くんですか?」
香緒音はマフラー、帽子、手袋、ジャケットと厚着をして、スコップを持っている
香緒音「あ、雪透かししにいくんです。」
風藻「あ、香緒音、ありがとう。こほっ・・こほっ・・・」
ちよ「大丈夫ですか?風藻さん。」
風藻「こほっ、だっ、大丈夫です。」
よみ「香緒音さん、手伝いますか?これだけの雪、一人じゃ大変でしょう。」
香緒音「あ、すみません。じゃぁ、お願いします。」
桜「じゃぁ、私は・・」
ちよ「えっ、きゃぁーー!桜さん!一体何を!!?」
驚いたのは無理も無い。ジャケット、帽子、マフラー、手袋と、ここまでは一緒だが、持っているものは、猟銃とナイフなのだから・・・
桜「あっ、あはははは。これですか。今から狩りに行くんですよ。かよ(ハト)達の散歩も兼ねて。
  去年からやってるんです。冬場は魚があまり取れませんから、鹿とか、熊とかを狩るんです。」
榊(っっ!!!)
ゆかり「美味しいの?熊とか、鹿って。」
香緒音「ええ、すっごく美味しいですよ!」(←トドメ)
榊(ガーーーン!ガァーーーン!!)
ちよ「へーーー。でも、猟銃の免許って・・・」
桜「しーー!(コソコソ)大丈夫。20歳ってことにしてあるから。」
ちよ「(コソコソ)あっそうなんですか(苦笑い) あ、私もついてっていいですか。」
桜「ええ、もちろん。かよ〜、みち〜、きよ〜おいで。行くよ〜〜。」
クーーーーーバサバサバサササ・・・・

291 :眠い名有り :2003/12/25(木) 23:36 ID:???
今日は眠いからここまでにしておこう。

292 :くろまんが大王 :2003/12/26(金) 08:29 ID:???
>>281
ありがとう。こんなに嬉しいレスもらったのは初めてだ。
ブラウザが曇ってるのは涙かな・・・?

293 :名無しさんちゃうねん :2003/12/26(金) 23:14 ID:???
>>292
うんうん。良かったな…。
分かる人は分かってくれるのさ。

294 :293 :2003/12/26(金) 23:27 ID:???
>>292
ちなみに俺もあんたのSSのファンだ。
このスレやエロパロで展開しているSS、続きを楽しみにしているよ。

295 :名無しさんちゃうねん :2003/12/27(土) 10:20 ID:???
眠い名有りさんの話もほのぼのしてきたし、期待。

296 :眠い名有り :2003/12/27(土) 10:20 ID:???
BRのって書くの大変そうですね。
ガンバ!

297 :295 :2003/12/27(土) 15:31 ID:???
おお、かぶってしまった。

298 :くろまんが大王@黒電波充填中 :2003/12/27(土) 16:36 ID:???
>>294(つo`)

299 :眠い名有り :2003/12/27(土) 22:37 ID:???
ザクッザクッザクッザクッザクッザク・・・
桜とちよ、そしてかよ、みち、きよのハト三匹が雪を掻き分け進んでいく。かれこれ二時間ほど歩いている。
その時、茂みから何かが飛び出した。桜が銃を構える。
ちよ「あ、ウサギ。(////)」
桜「しっ・・・」
ダァーーーン!
桜の放った銃弾は見事に獲物の頭を撃ち抜いた。
ちよ「・・・・(ガクガクガク)」
桜「よし、結構うまくいったわね。」
桜は背負っているカゴにウサギを入れる。
ちよ「あの、風藻さん、風邪、大丈夫ですかねぇ・・・」
桜「風藻お姉ちゃんは体が弱くてね・・ だからね私と香緒音がしっかりしていかなきゃいけないの。
  でも、私は風藻お姉ちゃんや香緒音と一緒になれて幸せよ。優しいし、料理は上手だし、物知りだし。
  香緒音は明るくて、気が利いて・・・ それに比べて私なんか・・・」
ちよ「そんなことありませんよ。桜さんだって、こうやって狩りも上手だし、私達を招いてくれたのも桜さんですし。」
桜「ありがとう、美浜さん。あっ、静かに・・」
ダァーーーーーン!
桜はまたもや正確に鹿を撃った。
ちよ「上手なんですね。」
桜「ありがとう。美浜さん。さぁ、獲物も十分取れました。場所を移しましょう。。」
桜は紙になにやら書くとハト(みち)の足に手紙を結び、空へ放った。

300 :眠い名有り :2003/12/27(土) 22:37 ID:???
一方。家の方では・・・
ザックザックザック・・・
よみ「はぁ・・はぁ・・・やっと終わったぁ・・・」
香緒音「ありがとうございます。」
ダァーーーーーン・・・
香緒音「あ、桜お姉ちゃんがやってるのかな・・・」
よみ「そういえば、あれから二時間くらい経つよね。あ、ハト・・」
香緒音「みちだ。ほーら、おいでぇ。」
よみ「伝書鳩?何て書いてあるの?」
香緒音「ウサギと鹿が獲れたって。今日はご馳走だぁ。」
よみ「よかったじゃないですか。あ、ゆかり先生が帰ってきた。どおでした?車?」
ゆかり「ダメに決まってるだろ!軽く1.5mくらい積もってるんだぞ!見つけるのも一苦労だったよ。」
風藻「皆さん。お昼ご飯ができました。どうぞ。」
風藻がご飯と味噌汁、漬物、干し肉を持ってきた。
にゃも「すみませんね。風藻さん。いただきます。」
香緒音「いただきまーす!!」
よみ「美味しいーーー。料理お上手なんですね。」
風藻「あっ・・ありがとうございます。」
ゆかり「(ガツガツガツ)この肉なんだろう?食ったことないけど(ガツガツ)」
香緒音「ウサギです。」
ゆかり「美味しいわね〜〜ウサギって。」
榊(ガーーン)(←すでに食べた。
香緒音「あ、そうそう。桜お姉ちゃんウサギと鹿獲れたって。」
風藻「そう。じゃぁ今夜は、こほっ・・こほっ!」
香緒音「お姉ちゃん大丈夫?ほら、ここは寒いから・・」
風藻「悪いわね。香緒音。貴方や桜にいつも迷惑かけて・・・」
香緒音「そんなことないよ。ほら、お姉ちゃん。」
香緒音は風藻を支えて、家の中に入っていった。

301 :眠い名有り :2003/12/28(日) 00:19 ID:???
>>295
ありがとうございます。

誰か、”隠されたメッセージ”を見つけてくれた人いますか?

302 :名無しさんちゃうねん :2003/12/29(月) 00:55 ID:???
…ちゃうねん…。
む、昔は分かったのよ…。

301「つまり、今はわからない?」

わかんにゃい…。

303 :くろまんが大王 :2003/12/29(月) 19:45 ID:???
2chの猟奇スレで書いてみた
久しぶりに本調子に戻った良作かも
(まあ、勿論反省点はあるが)

304 :くろまんが大王 :2003/12/29(月) 19:51 ID:???
って自分語り痛かったな

305 :さかちー :2003/12/29(月) 19:58 ID:???
>>304
いつもやってる俺としては耳が痛いです。
でも自分の作品について語るくらい信念を持って
書いた方がいいと思いますよ。
(好きなキャラがひどい目にあう話は嫌いなので、
すいませんが読むのは控えさせていただきます)

306 :くろまんが大王@黒電波32% :2003/12/29(月) 23:49 ID:???

「ゆかりー、今日の食事当番……」
「ほい」
………。
「カップ麺かよ!!」
「うっさいわね、遅刻しちゃうでしょ」
コートに袖を通しながらまくし立てる。
「それとも何、遅刻なら二人でゆっくりドライブにでもいく?」
「……いただきます」
合掌。ダダダ、と出て行った。
俺がゆかりと一緒になって半年。こんな生活ばっかりだ。
だが、文句は言えないか。俺だって大した稼ぎがあるわけでもない。
「あんた、なにしてんの?」
「わっ、びっくりした」
ゆかりが立って後ろにいた。机に広げられた辞書をしげしげと見つめている。
「みりゃ分かるだろ。仕事。お前こそどーしたんだよ」
「忘れ物よ」
なにやらタンスをごちゃごちゃやってる。
「ねえ」
「なんだよ」
「あんたって、実はいい男よね」
「……なんじゃそりゃ」
「馬鹿ね。誉めてあげてるのよ」
やっぱり、文句なしの女かもしれない。
ねっとりと、朝の口付けを交わした。

307 :くろまんが大王@黒電波32% :2003/12/29(月) 23:50 ID:???

「ねえ」
「なんだよ」
目をつぶりながら。事も無げに。いつもの睦言のように。
「わたしが死んだら、あの子のことよろしく頼むわね……」
「!! なにいってんだよ!?」
「馬鹿ね。もしもの話よ」
手ですくった髪が乳房を這う。
「あの子がいなけりゃ、私たちもこんなふうになれなかっただろうし」
「まあ、そうだろうな」
捨て子が縁の男と女か。
やや沈黙。
「……ねえ、もっかいしようか」
「! って、学校はいいのかよ」
「こうなりゃどうせ昼からよ」
ゆかりが起き上がった。
「それともやっぱ、ドライブする?」
「!!」
「馬鹿ね、あんたの運転でよ」
ゆかりが俺の頭を小突いた。三度目の『馬鹿ね』。そして最後の。

予感、していたのかもしれない。

――ゆかりは、この日、俺に永遠に別れを告げたのだから。

308 :くろまんが大王@黒電波32% :2003/12/29(月) 23:50 ID:???

「なあ、父ちゃん、なにしてんだー!?」
「お別れ、さ」
最後の、別れを。
「ふーん」
緑の髪が曙光に映えた。ガードレールに捧げられた花束に。
「……それじゃ、もういくか。お隣に挨拶もしておかないといけないしな」
「なーなー、また友達できるかなー」
「きっと、また、会えるさ」
新しい出会いに。涙が、春の光に溶け込んだ。

309 :眠い名有り :2003/12/30(火) 00:43 ID:???
ダァァァーーーーン
弾丸が雉の頭を貫く。
ちよ「あっ、また当った!」
桜「ふぅ、結構獲れたわね。疲れたし、そろそろお昼にしましょう。」
桜が包みを開けて、おにぎりを出す。そして、カゴの中からウサギを二匹取り出して、手早く内蔵などを切り捨てた。
ちよは木の枝を折ってくる。そして、それに火をつけて、さっきのウサギを串刺しにして焼いた。
ちよ「いただきます。」
桜「(モグモグ)かよ、きよ。ほら!」
桜はウサギの肉をちぎって投げる。ハトは美味しそうにそれをつまむ。
ちよ「かわいいですね〜〜どこで会ったんですか?」
桜「この子たちは私達の側にいたのよ。気がついたら、私の側に風藻お姉ちゃんとこの子たちがいて・・側で香緒音が眠ってたわ・・
  その後、私達はあの家のお祖父ちゃんに拾われて・・・お祖父ちゃんやさしかったなぁ・・・
  でも、そのお祖父ちゃんも半年前に無くなって・・いまは三人で暮らしてるの。」
ちよ「すみません。また・・・」
桜「・・!!ちよちゃん!動かないで!!」
桜はナイフをちよに向かって投げた!
ちよ!「えっ!?桜さ・・・」
ザシュ!
鈍い音がしたあと、ちよはそっと目を開けた。
すると、自分の左頬に何かが当った。恐る恐る見ると、それは蝮・・・
口は大きく開かれている。桜が殺さなければちよは今ごろ・・・
ちよ「きゃぁ!」
桜「気をつけて。この季節だと、まだ冬眠してないヘビとかがたまに出るのよ。」
ちよ「あ・・ありがとうございます。(ガクガク)」

310 :眠い名有り :2003/12/30(火) 00:47 ID:???
新作age
今気づいたら生枝燃やしてる・・・
強引に燃やしたんです!(笑)

311 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 01:14 ID:???
名前欄に注意してなかったせいで
>>308>>309が続いているかと思ってしまったではないかw

もしかして緑髪の子供の名前は……なんて妄想してみたりします。

312 :311 :2003/12/30(火) 01:18 ID:???
>>310
それと、前から言おうと思ってたのですが
眠い名有りさんは自分の作品への注意力が足りないです。
一度発表したら修正不可能という意識を持ってください。

313 :眠い名有り :2003/12/30(火) 01:45 ID:???
>>312
いや、気づいたことには気づいたよ。でも・・・
冬に設定したから燃やせるものは生枝しかなくなっちゃったんだよ〜〜(泣
一応燃えますよ。燃えにくいけど。

314 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 02:12 ID:???
>>313
311さんが言いたいのは、自分の作品をもっと大切にしたほうが
良いということじゃないかな。

315 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 02:17 ID:???
せっかく書き上げた作品をすぐにでもUPしたいという気持ちは
わかるけど……。
つまらないミスで後悔するぐらいなら、せめて1日待って
推敲するほうがいいですよ。

316 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 10:04 ID:???
>>310
マタギなら、生枝を燃やす術を心得てまっせ。

317 :眠い名有り :2003/12/30(火) 11:26 ID:???
>>312-315
アドバイスありがとうございます。
これからはもっと見直してから投稿させていただきます。
これからも暖かく見守ってください。

>>316
マタギって誰だろう・・・

318 :八八艦隊司令大阪さん :2003/12/30(火) 11:45 ID:???
たぶん狩人とかそんな人のことだと思う・・・

http://www.gunzosha.co.jp/eiga/matagi/kaisetu/kaisetumatagi.htm

319 :眠い名有り :2003/12/30(火) 12:06 ID:???
>>318
へぇ〜〜

320 :眠い名有り :2003/12/30(火) 12:20 ID:???
榊「どう思う?皆?」
よみ「美紗片姉妹のことか?」
榊「ああ、やっぱりあいつらは・・・」
よみ「私も智達だと思う。」
榊「そのくらいはわかるさ。でも、それを三人に言ったほうがいいのかな・・・」
にゃも「まだ確信は無いんでしょう。それなのに、言うのは・・」
榊「でも、知っておいてほしいんです。三人に・・・ 私達はいつまでも友達だって。
  そして、今までの楽しかったこと思い出してほしいんです・・・」
ゆかり「・・・」
よみ「でも・・・それを思い出すということは二年前のことも思い出させることになるぞ。」
榊「それは・・・」
よみ「そうしたら、あいつらの姉妹としての絆はどうなる?」
にゃも「でも、過去を知って、それを苦しみながらも認めて、乗り越えることもできるでしょ。
     でも、私はこのままでも言いと思うわ。あの子たちの生きてる姿が見られたから。」
榊「・・・」
リリリリ・・・リリリリ・・・
家の黒電話がなる。すぐに香緒音が出る。
香緒音「はい、美紗片・・・はい、はい。そうですか。ありがとうございます。」
よみ「どうしたんですか?
香緒音「あ、皆さん、明日、除雪車が来るそうです。ですからやっと道が開きますよ。」
よみ「そうですか・・・」

321 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/30(火) 16:44 ID:???
ちよ「つっくりましょー、つっくりましょー♪」
大阪「うわっ、ロリ狙いすぎや!」
木村「ほっとけ」

ちよ&大阪「・・・・・」

322 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/30(火) 16:49 ID:???

神楽「なぜ、お前が!?」
智「ふふっ、驚いたか。この大会の勝者は私だ!」
神楽「お前なんかじゃ相手にならねえよ」
智「な、なんだとーっ!」

スタート 「バンっ!」

智「ラストスパート!!」
神楽「はやっ!」

十分後

智「……ゼエッ……死ぬぅ……ゼエッ」
神楽「……懲りねえやつだな、お前」

323 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/30(火) 16:54 ID:???

榊「クソロリのちよちゃん、バカの智、障害児の大阪に、キモ女のかおりん。このマンガはクズばっかりだな……」
ちよ「……榊さん、キャラこわれてますよ」
マヤー「チェックメイト」
ちよ&榊「マヤーがしゃべったっ!?」

324 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/30(火) 16:59 ID:???

榊「私の母乳でケーキ作ってみたんだ。食べてみてくれ」
ちよ「もぐもぐ。わぁー、美味しいです」
マヤー「わぁー、美味しいです」
木村「ぎにゃー」
智「私も、私も」
みんなの拳「お前はいいって」
智「ぶべらっ!」

325 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/30(火) 17:05 ID:???

榊「マヤーはかわいいなぁ」
マヤー「乳揉ませてくれ」
木村「ぎにゃー」
ちよ「私のロリ乳はどうですか?」
かおりん「お供します!」
木村「ぎにゃー」

326 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/30(火) 17:17 ID:???

ちよ「えーん、お父さん、また智ちゃんがいじめるんですぅ」
お父さん「まかせんしゃい。ほい、どこでも○ア!!」
ガチャ
榊「何をしている……」
ちよ&お父さん「入浴中でしたか」
かおりん「キャーキャー!」
榊「あんたたり、そんなに私のおマ○コが見たいのなら見せてやるわよ」
マヤー「これ、はしたない!」

327 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 18:50 ID:???
キャラが飛び抜けすぎだが、上手く一本のSSに仕上げるとかすれば、よいナンセンスギャグになるかもしれん。期待する。

328 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 20:53 ID:???
>>321-326
キャラの性格違いすぎ。
もうちょっと原作から離れないほうが・・・

329 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 21:54 ID:???
>>321-326
逝ってよし!

330 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 22:42 ID:???
>>321-326
「あずまんがの」二次創作であることを忘れてないか?
キャラ全壊したらどんな漫画だっていいことになるだろ。

331 :名無しさんちゃうねん :2003/12/30(火) 22:53 ID:???
みなさん手厳しいね……新人さんにはもう少し優しくしてあげないと、凹んでもう書かなくなってしまうかもしれないよ?
何かアドバイスすることでこれからどんどんいい作品をうpしてくれるだろうし。
ふむ……、キャラを壊すこと自体は悪い事じゃない。黒ちよとか、酒を飲んで暴走、というSSが現にあるからね。
ただ、一度に多くのキャラをそうしてしまうと、よほどの前提条件が無い限り、読者がついていけないだろう。
ナンセンスに持って行くなら、手始めに榊、次に智、という風に段階を踏んで壊してみるのはどうか。
いろいろ工夫してみて欲しい。応援している。

332 :330 :2003/12/31(水) 00:38 ID:???
>ふむ……、キャラを壊すこと自体は悪い事じゃない。黒ちよとか、酒を飲んで暴走、というSSが現にあるからね。

これには同意。しかし、それは黒ちよのように一人だけズレているからパロディになるのであって、
全員同時に壊したらそれはあずまんが大王ではない。

333 : :2003/12/31(水) 07:07 ID:???
1レスのネタで一度に四人のキャラを壊した身としては、何とも言えませんが……皆さん、概ね好意的でした

334 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/31(水) 14:22 ID:???

ちよ「榊さんの念能力を教えていただきたい」
榊「鎖、かな」
ちよ「なぜ鎖なんですか?」
榊「冥府に繋がれておくべき奴が多すぎるからだろう」
マヤー「…………」
ちよ「縛られてるのはお前自身じゃないのか」
榊「貴様に何が分かる!!」
ちよ「こら、人の話はちゃんと最後まで聞けって」
榊「スタスタ」
ちよ「ねここねこ西表山猫バージョンですよ〜」
榊「本当か!?」
ちよ「本当に都合のいい耳してやがるな、てめえ」

335 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/31(水) 14:22 ID:???

大阪「ああ、溶けてまうで〜」
ちよ「またオナニーですか、本当に好きですね。この豚野郎が」
榊「ちよちゃんは今まで何人の男を毒牙にかけてきたんだ?」
ちよ「お前は今まで喰ったパンの枚数を覚えているのか、ですねー」

336 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/31(水) 14:23 ID:???

ちよ「榊さんって、塩素拾わないんですか?」
榊「私は塩素を拾うのか」
ちよ「おい、お前、ちょっくら面かせや」


マヤー「ちんすこう」

337 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/31(水) 14:23 ID:???

ちよ「クリスマスまでこんなところにいるのか。マジでクズだな、っと」
暦「ちよちゃん、なにやってんのー」
ちよ「ああ、よみさん。2CHで煽りを覚えたんですよ〜」
大阪「大変や、忠吉さんがバスジャックしてもうたで」
ちよ&暦「ええ――っ!!」

338 :ちよと愉快な仲間たち :2003/12/31(水) 14:23 ID:???

榊「ひとつ聞きたい」
大阪「なにー?」
ちよ「お前の家族もみんなお前みたいな馬鹿ばかりか?」
マヤー「ああ、射精る、射精る〜」
榊「こら、口の中で出しちゃ駄目だ!」
マヤー「ちんすこう」
智「いや、お前はよくやった!」

339 :名無しさんちゃうねん :2003/12/31(水) 14:44 ID:???
>>334は台詞をちょっと置き換えただけだし
>>336は2行目と3行目が繋がってないし
>>338は榊が聞きたいのにちよが質問してるし
4行目とその前の繋がりが成り立ってないし
もうメチャクチャ。

面白いと思ってやってるのか?

340 :名無しさんちゃうねん :2003/12/31(水) 14:54 ID:???

故意ですが何か?

341 :名無しさんちゃうねん :2003/12/31(水) 15:58 ID:???
>>334-339
逝ってよし!

342 :ハ輪 :2003/12/31(水) 16:24 ID:???
お久しぶりです。AZUMANGA BR2の設定上の新キャラを発表します。
女子
武田尋 自谷みほ 阿部高子 河合広子 牧野史世 新千みや
男子
岡部審 井口龍 三谷亨 小島剣 田辺翔 小原隆 谷岡勇太 坂口照
高木竜太郎 加藤一樹 水野亨

343 :名無しさんちゃうねん :2003/12/31(水) 16:35 ID:???
>>334-339
荒らしか?

344 :名無しさんちゃうねん :2003/12/31(水) 16:38 ID:???
>>339は関係ありませんでしたね。

345 :ハ輪 :2003/12/31(水) 16:39 ID:???
>>267
しばらくして、ピッピッピと言う音が静まりかえった部屋に
響いた。

よみ 「なんだろう、この音?」
小島 「どこからだ?」

その時、大山が立ち上がった。

大山 「俺の首輪からだ。」
ゆかり 「あ!ごめんなさい。1つ言い忘れた!!大山、
     あんた神楽と同じ3番だったわね?」

大山は、おおきくうなずいた。

ゆかり「今度のゲームはタッグマッチです。同じ出席番号
    同しつながっていて、1人が死ぬと、もう1人の
    首輪はドカン!爆発します。」
大山 「マジですか?」
ゆかり「マジ!」

それを聞くと、大山は部屋のすみに走ってみんなに言った。

大山 「みんな俺に近づくな!!」

346 :ハ輪 :2003/12/31(水) 16:54 ID:???
>>345
大山 「俺、みんなに迷惑ばかりかけてきた。せめ
    て死ぬときくらいは迷惑かけたくない!
    みんな、さようなら。」
とも 「ば、バカなこと言うんじゃねー!」

大山の首輪の音は加速していった。ピピピピピピピーーーー
そして首輪は爆発した。そして爆音と共に大量の血がふきだした。

男子4番大山 
     死亡  残り40名

ゆかり「次、女子5番千尋、男子5番鈴木君。」
鈴木 「うわー!!!」

彼の叫び声と共に残りのみんなもあわてて勝ち組にむかった。

ゆかり「大変よくできました。残り40名全員
    参加!!!」

347 :眠い名有り :2003/12/31(水) 18:26 ID:???
>>345-346
おお!BR復活か。
とうとう大山君も・・・
あと、大山君って迷惑かけたことあったっけ?

348 :ハ輪 :2003/12/31(水) 18:34 ID:???
>>347
設定上しょうがなかったんです。
あえて言うならば、クラスの平均点を上げて、ボンクラーズに迷惑を
かけました。

349 :眠い名有り :2003/12/31(水) 19:09 ID:???
>>348
いえてる。(笑)

350 :眠い名有り :2003/12/31(水) 22:31 ID:???
そして日は暮れて・・・
「一杯獲れましたねぇ〜〜〜」
「ええ、大漁。大漁。」
「さぁ、かよ。行ってきてね。」
桜はかよ(ハト)の足に手紙をつけて飛ばした。
「それにしても・・・久しぶりね〜〜 二人で狩りに来たのは〜〜」
「えっ、久しぶりって・・・ 以前に誰かと?」
「ええ、香緒音とね。でも、あの子の銃が壊れちゃって・・で、私が修理してたの。今日中に修理が終わるわ。」
「へぇ〜〜」
そして歩いて数時間。二人はやっと帰途についた。
「ただいまぁ〜〜〜」
「お帰り、桜。結構獲れたんだって?」
「ええ。」
「よし、じゃぁ今日は思いっきり作るわよ。さぁ、桜も美浜さんも疲れたでしょう。お茶沸いてるから。」
「それじゃぁ居間に行って休みましょう。美浜さん。」
「はい!」

351 :眠い名有り :2003/12/31(水) 22:32 ID:???
居間にはすでに皆が集まっていた。ゆかりとにゃもは酒を飲んでいる。
「あ、ちよちゃん戻ってきたのか。狩りどうだった?」
「はい。楽しかったですよーーー」
榊がドキドキしながらちよに質問した。
「・・・やっぱり・・ウサギとか撃ったのか?」
「ええ、桜さんすっごく上手で一発でしとめてました〜〜」
「(ガーーン)・・・やっぱりそうなのか・・・」
「?」
落ち込む榊、それを尻目に桜は香緒音がいないことに気づく。
「そういえば香緒音いないわね・・・」
「ああ、香緒音さんなら屋根の上にハトと一緒出て行きましたよ。呼んできますか?」
「じゃぁ、お願いします。あ、あときよも連れて行ってくれませんか?この子たち、香緒音に一番懐いてるから。」
そういうと桜はきよをよみの肩に置いた。
「そう。じゃぁおいで〜〜。香緒音さんの所に行くぞ〜〜」

屋根の上
「かよ、みち・・・」
「どうしたんですか?香緒音さん。こんなところで。」
「水原さん・・あ、きよ。ありがとうございます。」
「いいえ、別にいいんですよ。」
そう言ってよみは香緒音の横に座った。
(懐かしいな・・・昔はよく智とこんなことしたっけ・・・香緒音さんは本当に智なのかな・・・)

352 :眠い名有り :2003/12/31(水) 22:32 ID:???
さぁ、今年最後のSSだ。
できれば乾燥を聞かせてください。

353 :名無しさんちゃうねん :2003/12/31(水) 22:54 ID:???
乾燥剤

354 :眠い名有り :2003/12/31(水) 22:56 ID:???
きゃーー!ミスだぁぁ〜〜
感想ですぅ!

355 :ハ輪 :2003/12/31(水) 23:50 ID:???
今年も残り10分。最後の感想です。
やはりあなたのSSはおもしろいです。
でも、もう少しだけてんかいを早くしてほしいです。

356 :ハ輪 :2004/01/01(木) 00:01 ID:???
あけましておめでとうございます。

357 :さかちー :2004/01/01(木) 01:01 ID:???
>>352
厳しいことを言うようですが、一度に発表するレス数を考えたほうが
いいと思います。あまりばらばらに発表されると一つ一つの発表部分の
印象が薄くなります。
「そのパートでどんなことを伝えたいか、どのように事態が進展するのか」
を明確にして、それこそ小説雑誌の連載作家になったつもりで
一度に発表する部分を考えてください。

>>355
こちらにも厳しいことを言いますが、BRは重いテーマなので、
漢字を使ったほうがいいと思います。ひらがなが多くなると
読んでいて和やかなイメージを持ってしまいます。
せめて簡単な言葉だけでも漢字にして格好つけましょう。

358 :ハ輪 :2004/01/01(木) 01:19 ID:???
>>357のさかちーさん
アドバイスありがとうございます。参考になりました。
厳しいことでもバンバン言ってください。

359 :眠い名有り :2004/01/01(木) 10:02 ID:???
>>357
ありがとうございます。
今回、例の”メッセージ”の部分で区切ってあります・・・(例外もありますけど・・)
だれかわかった人いますか〜〜〜?

360 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2004/01/01(木) 11:12 ID:???
>>352 >>355
技術的な部分での批評を出しても良いのでしょうか?

361 :眠い名有り :2004/01/01(木) 11:14 ID:???
>>360
いいですよ。

362 :ハ輪 :2004/01/01(木) 11:32 ID:???
>>360
何かあったらドンドンお願いします。

363 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2004/01/01(木) 12:21 ID:???
>>361
 以下で書くことはあくまでも個人的な意見なので、採用するか否かはご自身で
判断してください。

 まず、さかちーさんのレスでもある通り、あまりにも細切れで掲載されており、かつ
レス番号の案内が無い為、物語の展開を追うことに非常に苦労しました。
もう少しまとめてUPされると良いかと思います。
 また、「控え室」でも書きましたが、台本形式(台詞の前にキャラの名前を入れること)は
今の段階ではやめた方がよろしいでしょう。

 次に、文章の使い方で気になった点を羅列します。
@「・・・」という形は通常使いません。「…」三点リーダを使います。
更に3点リーダは、単独では使わず、「……」「…………」等、偶数個を繋げる形が
主流のようです。
A「(////)」は、使ったことを見たことがありません。
B「〜〜〜」は、繋げて使わない方がよろしいかと。「〜」と単独で使うか、
「――」や「……」で代用した方がいいと思います。
C台詞部分の最後には句点「。」を使わない方がいいでしょう。

 3つ目に、文章全体で不足している部分をあげます。
 まず、推敲の時間が圧倒的に不足しているため、誤字、脱字が多く、文章が
雑になっています。記憶が曖昧な漢字は、面倒くさがらずに辞書を引きましょう。
 そして、出来上がった文章は丁寧に読み返しましょう。必ず矛盾した所や読みにくい
部分が出てきます。読み直しと修正を繰り返すことによって、文章の読みやすさは
格段に上がっていきます。
 具体的には、ゆっくりと声に出して読む方法をお勧めします。
 
 表現の仕方も工夫した方がよいでしょう。>>351の1行目でも、
単に、『居間にはすでに皆が集まっていた。ゆかりとにゃもは酒を飲んでいる』
だけでは読み手にイメージが伝わってきません。
 どの程度の広さの居間なのか。部屋は明るいのか、暗いのか。先生達の表情は
楽しそうなのか、それとも淡々としているのか。顔はあかく火照っているのか、普段と
変わらないのか等、想像力を膨らませてください。表現の幅が拡がっていくと思います。
 続きに期待しております。

364 :眠い名有り :2004/01/01(木) 12:44 ID:???
>>363
ありがとうございます!!
@面倒なので、今「・・・」を「…」に変換できるようにしました。
A(////)は恥ずかしがっているとかなどなどの顔が赤くなっているところです。ちょっと使ってみたかったので・・・
B了解しました。
C分かりました…と言いたいけど、くせなので、たまに出ることがあるかもしれません。

今年もよろしくお願いします。
これからはじっくりと考えて投稿させていただきます。

365 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2004/01/01(木) 13:03 ID:???
>>362
 >>363のレスで、台本形式にしない方が良いと私はいいましたが、登場人物が、
あまりにも多数にわたる場合は、キャラの名前を表示することも有りかな、
と思いました。
 バトルロワイアルは、ほとんど知らないので具体的な記述はできませんが、
日常的な事象をほのぼのと描かれているあずまんがとは、対極にある作品と
いうことだけは知っています。
 あずキャラが次々に殺される等の残酷な描写に対しては、大阪板住民の中には
反発を覚える方もおられますし、個人的にも好きではありませんが、文章全体としては
良い意味でシンプルで、かつ構成もよく練られており、興味を惹かれる内容でした。
 敢えて注文をつけるとすると、物語の設定を別のレスであげるのでは無しに、
本文だけで勝負をして頂きたいといったところでしょうか。

366 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2004/01/01(木) 13:11 ID:???
なにやら推敲についての話題が出てますのでちょっとだけ……
私が気をつけている、推敲するときの最大の注意。

「初書きの勢いを消すな」

私は5〜10分おきくらいに読み直して適宜修正しつつ書きますので、
SSレベルの短い文章では間を置いての「推敲」を滅多にしません。
初書きの「興奮」というものは間を置いたらたいてい失われているものです。
そのときの一種のトリップ状態でないと選択されないセンテンス、単語、
文脈の配置などは、後日冷静になった状態で修正すると
その絶妙なバランスが崩壊してしまいかねません。
日本語的には正しくとも、勢いがしぼんでしまい、下手をすれば没個性な
新聞文章になってしまうのです。もはや小説の文ではなくなっています。
だからこそ、「その時に直す」のも良い選択だと思います。
あるいは他の作品を勢い書きした余勢を駆っての推敲も手でしょう。
冷静・客観による推敲というものは、実は小説にとっての敵だと思います。
「文学的な感性」が自身に舞い降りた状態での主観プラス客観こそ、
推敲にもっとも適した表現可能態勢であると思うわけです。

367 :名無しさんちゃうねん :2004/01/02(金) 00:40 ID:???
>>366
でも、推敲というものはある程度の時間を空けて行うべきと思う。
書いてるうちは頭がのぼせてしまい、後で読み返すと結構痛い文章もある。
一晩寝かせるか、最低でも数時間空けて、初めて読む気持ちに戻ってからしたほうが自分はいい。

368 :『推敲』 :2004/01/02(金) 21:00 ID:???
 私がバイトの面接を終えて、新宿に着いたとき、SSのネタを考えな
がら歩いていると、
「とものキス月下のよみ」という句を思いついた。
 そして、「とも」の攻めをあらためて「よみ」にしようかと思った。
 手を動かして「暴走女子高生」と「眼鏡っ子」のしぐさをしてみたが、
「ともよみ」か「よみとも」か決まらなかった。
 と思わず、石原都知事の車につき当たってしまった。
 名無しはつぶさに理由を話した。
 都知事は言った。
「マリみてのほうがよい」と。

 その後、喧嘩になった。

369 :名無しさんちゃうねん :2004/01/02(金) 22:18 ID:???
???

370 :眠い名有り :2004/01/02(金) 22:45 ID:???
>>369
はい?

まぁ、続きです。

371 :眠い名有り :2004/01/02(金) 22:49 ID:???
クーーーバササササ
香緒音の指にハトがとまる。反対の手の指で喉元をなでている。ハトは気持ちよさそうに目を細める。ふと、香緒音が空を見上げた。
「星…綺麗ですね」
「えっ、ええ。東京じゃこんなに綺麗に見えないですよ」
空には、一面の星空が…よく『宝石を散りばめたよう』と例えるが、まさにその通りである。
「あ、流れ星。」
「あっ!やせ…っっ」
つい本音を言ってしまうところで赤面しているよみを尻目に、香緒音は静かに願った。
「風藻お姉ちゃんが早く元気になりますように…」
「(えっ?)香緒音さん…」
「風藻お姉ちゃんよく病気になるから…早く治ってほしいな。
 三人で約束したんです。いつか…私達三人で記憶を探しに行こうって。
 だから、お姉ちゃんの病気が治ったら探しに行こうと思うんです。
 でも、何か嫌な予感がして…昔の私が何をしたか恐ろしいんです…」
香緒音の頬を涙が伝う。香緒音は怯えた声で続けた。
「皆には内緒なんですけど…始めに気がついたの私なんです。気がついたら私達、川岸に倒れてて…
 怖かった。ここはどこなのか?私は誰なのか?って。
 そしたら、そばに風藻お姉ちゃんと、桜お姉ちゃんが倒れてて…
 よく見ると、風藻お姉ちゃんのお腹にすごい傷があったんです。私はとにかく一心に傷口を押さえつけました。
 もしかしたら、私のことを何か知っているかもしれない。もしかしたら家族かもしれないって…
 数時間たって、出血が終わりました。その後疲れてしまって寝て…
 気がついたら、風藻お姉ちゃんが森のなかで、私と桜お姉ちゃんを看病してくれてました。
 私、怖いんです。もしかしたら、風藻お姉ちゃんに怪我させたのは私かもしれないって。もしかしたら私が殺そうと…」
「そんなこと無い!!」
よみは立ち上がって大声で言った。一瞬智のことを喋りそうになった。が、感情を押さえてそれは喋らずにすんだ。

372 :眠い名有り :2004/01/02(金) 22:50 ID:???
香緒音はじっとよみを見つめる。
「香緒音さんがそんなことするわけない!それに、百歩譲ってそんなことをしたとしても、今の貴方はもう違う人なんだ!
 そんなこと気にしなくていいんだ!香緒音さんは香緒音さんであって、記憶を無くす前の人なんて関係ないんだ!」
「水原さん…」
よみは落ち着きを取り戻した。
「すみません、私のような他人が…」
「いいえ。ごめんなさい。こんな話。でも、貴方のおかげで勇気付けられました。」
香緒音は涙をはらう。
「何でだろう…水原さんのこと…ずっと前から知っていたような気がする…不思議ですよね。
 だから、こんなことも貴方に打ち明けれたんだと思います。
 水原さん、何か知りませんか?私達の過去。榊さんも、風藻お姉ちゃんのこと知っていたみたいだし…知ってたら教えてください!」
「香緒音さん…」
貴方は…本当は…本当は、滝野智かもしれない!そう言いたかったが、それを言うのをなんとかこらえた。
「いいえ、残念ですが私は…」
「そう…ですか。」
その時、視界に白い光が浮かび上がる。
「あ、雪。」
「わぁ、本当だ。」
香緒音に言われてよみも空を見上げた。
二人に月光を反射した雪が静かに降り注ぐ。

373 :眠い名有り :2004/01/02(金) 22:52 ID:???
「あ、かよ寝ちゃった。」
見ると、香緒音の指に止まっていたハトが眠っている。
よみには分からないが、香緒音の指に止まっているのがかよ、
そして香緒音のそばで寝ている二匹の内、どちらかがきよで、どちらかがみちなのだろう。
「よみさ〜ん風邪ひいちゃいますよ〜。香緒音さんも〜。そろそろご飯ができるそうですよ〜。」
ちよがはしごのしたで二人を呼ぶ。
「さぁ、行くわよ。」
香緒音は微笑みながら三匹のハトを優しくカゴに入れる。よみにはその微笑が智のものと重なって見えた。
よみは自分に言い聞かせた。
 違う!香緒音さんは智じゃない。智がこんなに静かな人になれるわけが無い。
 よみはそう考えた。そう考えないと何かの衝動で香緒音さんに智のことを話してしまいそうで怖かったのだ…
 そうだ、智は…バカで、おっちょこちょいで、いつもへらへら笑ってて、私の悪口ばっかり言って…
よみの右目から涙があふれる。
 私の…私の一番の大切な友達…いつも一緒で…いつまでも一緒だと思っていた…
 何で私は薬の治し方を言ったんだろう。何で、あんなことを言ったんだろう…
 私が薬のことを教えていたら!私があんなことを言わなければ!智も、神楽も、大阪も…
「っっ!」
傷が痛む。神楽に刺された傷が…これは、私の罪の証だ…
「水原さん、どうしたんですか?」
「いいえ、何でもありません。ちょっと…」
「?」
よみは涙をぬぐった。
「さぁ、ご飯を食べに行きましょう。」
「はい。」
二人ははしごを降りて、部屋に入った。

374 :眠い名有り :2004/01/02(金) 22:53 ID:???
以上続きです。
指摘をビシバシお願いします。

375 :眠い名有り :2004/01/04(日) 01:00 ID:???
その間、室内では…
「グオオォォォ・・・・・」
「まったく酔っぱらうとこれだ。うぃっく…」
「にゃも先生も人のこと言えませんよ。」
二人の教師はすでは完全に泥酔してゆかりに関しては爆睡中である。榊は静かに二人を見ている。
「(くすっ)おもしろい先生方ですね。」
「おい!」
ビクッ!
全員が驚く
「お前らぁ…」
「よみ、なんだ。寝言か…」
「偶然きゃもしれにゃいけどよぉ…」
「ゆかりったら…呂律が回ってないみたいね〜 ひっく!」
「お前らの、みょふき…ZZZ…」
「一体何が言いたかったんでしょう?」
「知らない。」
トクトクトク…
にゃもはさらに酒をコップに注ぐ。
「そらっ!お前らも飲め!!」
「にゃも先生ー、先生がそんなことしちゃだめですーー。」
「うるせーなー!なら、風藻さん!桜さん!あんたたちが飲んでよ〜」
「それじゃー私…」
「だめよ、桜。私達は未成年…って、そういえば私達まだ年齢決めてなかったね。」

376 :眠い名有り :2004/01/04(日) 01:01 ID:???
「そういやそうだね。」
「そうだ!榊さん、貴方達はいくつですか?」
「私?19だけど…」
「それじゃぁ、ここで会ったのも何かの縁です。貴方達と同い年にしましょう。」
「それじゃぁ、風藻お姉ちゃんが19で、私が18、香緒音が17?」
「ううん、それじゃぁ香緒音がかわいそうよ。」
「じゃぁ・・・」
「全員19よ。」
「でも…」
「いいの。細かいことは気にしない!」
「そうだね。」
「誕生日は…やっぱり、私達の知り合った1月1日ね。」
「そうだね。」
(!!智ちゃん、神楽さん、大阪さんがいなくなたのは12月20.じゃぁやっぱり…)
「なんだ〜!それじゃぁ誰も私と酒を飲めないじゃないか〜!」
「あの、先生、そろそろお酒は…」
「うるせ〜〜!ちよ!!飲め!!」
「わっ!先生!?」
にゃもは強引にちよに酒を飲ませる。
「ああ!にゃも先生、だめですよ!!」
榊がすぐにちよをにゃもから離す。
「ちよちゃん、大丈夫!?」
「う〜〜大丈夫ですけど…体が熱いですー。」
「あっ、ご飯できた。水原さん遅いなぁ… 桜、香緒音と水原さん呼んで来てくれる?」
「あっ、私が行きます〜〜」
「大丈夫か?」
「大丈夫ですよ〜〜、それじゃぁ行ってきます〜」

377 :眠い名有り :2004/01/04(日) 21:41 ID:???
いま思ったらちよが酔っぱらった姿って想像できん…(汗
イメージ作らなきゃ…

378 :名無しさんちゃうねん :2004/01/04(日) 22:47 ID:???
>>368
ちとワラた

379 :名無しさんちゃうねん :2004/01/04(日) 22:49 ID:???
>>377
名前欄にタイトル入れれば?
どのSSの続きかわかりやすいと思うよ。

380 :眠い名有り :2004/01/04(日) 23:08 ID:???
>>379
そーですね。
では

381 :名無しさんちゃうねん :2004/01/04(日) 23:09 ID:???
阻止

382 :愛は :2004/01/04(日) 23:22 ID:???
よみと香緒根が部屋に戻ってくる。
「なにやってたの?上で」
「ちょっと、この子たちを寝かせに・・・」
そう言って香緒音は桜に三匹の入ったカゴを見せる。
「あれっ?ゆかり先生は?」
「寝たわよーー!まったく、誰が私の相手をするのよー!」
「私がしますよー!」
ちよは酒が回ってきたみたいで、顔は赤く、歩き方もふらふらしている。
「わー!何言ってるのちよちゃん!?」
「実はさっき、黒沢さんがお酒を飲ませて…」
「もっと飲みますー!」
「おう!もっと飲めちよー!」
「ちよちゃん!だめっ!だめっ!」
にゃもが進めるのをよみが必死にちよを止める。
「おう!よみちゃんよぉ!私とちよちゃんの友情を引き裂こうってのか!?まだもう一本あるんだぞ!」
「いや、そういう問題じゃ…(あんた本当に教師かよ?)」
「じゃぁ、いくらなんでも美浜さんに飲ませるのはいけませんから私達で飲みましょうか?」
「さっ!桜さん!?」
よみが驚いた表情で桜を見る
「私達19なんですからお酒の影響は20歳とほぼ変わらないと思いますし。」
(おいおい…)
「ちょっと待って、いつ私達が19って決めたの!?」
「今さっきよ」
「おし!じゃぁ、法律なんか気にするな!皆来い!飲め!!」
「じゃぁ、お言葉に甘えて〜」
「かっ!香緒音さん!だめだって…」
と言って自分で酒をコップに入て飲む。
「ほらほら皆も〜」
香緒音とにゃもに誘われて全員がテーブルに座っていった。
ああ、やっぱりコイツらは大阪と智の血が流れてるのかもな〜〜
なんだか頭が痛くなってきたよみであった。

383 :眠い名有り :2004/01/04(日) 23:23 ID:???
題名考えている途中で改行させちゃった・・・(汗
題名は…まだ決まってません(ぉぃ

384 :眠い名有り :2004/01/04(日) 23:31 ID:???
題名…どーしよー
アイディアください(マジデ

385 :名無しさんちゃうねん :2004/01/04(日) 23:37 ID:???
題名(ヘイ姉さん!お世話になりやすぜ!!)

386 :眠い名有り :2004/01/05(月) 09:32 ID:???
…他には?(ぉぃ
まじめな題名でお願いします。

387 :名無しさんちゃうねん :2004/01/05(月) 10:43 ID:???
題名 「おたくの細道」

388 :名無しさんちゃうねん :2004/01/05(月) 15:35 ID:???
タイトル「人はいさ心も知らずふるさとは」

……でも、オチが決まっているなら自分で付けた方がいいと思いますよ。
私の場合、オチと密接に関わってくる付け方なので……いえ、私個人の場合ですが……

389 :名無しさんちゃうねん :2004/01/05(月) 15:45 ID:???
タイトル
                          キタ
                        キタ━!!!
                      キタ━━━━!!!
                    キタ━━━━━━━!!!
                  キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
                キタ━━━━(゚∀゚)━(゚∀゚)━━━━!!!
              キタ━━━━(゚∀゚)━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
            キタ━━━━(゚∀゚)━━━!!!━━━(゚∀゚)━━━━!!!
          キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
        キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!    キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
      キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!        キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
    キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!            キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
  キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!                キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!! キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!  キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
  キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!                 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
    キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!             キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
      キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!         キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
        キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!     キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
          キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
            キタ━━━━(゚∀゚)━━━!!!━━━(゚∀゚)━━━━!!!
              キタ━━━━(゚∀゚)━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
                キタ━━━━(゚∀゚)━(゚∀゚)━━━━!!!
                  キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
                    キタ━━━━━━━!!!
                      キタ━━━━!!!
                        キタ━!!!
                          キタ

390 :眠い名有り :2004/01/05(月) 15:57 ID:???
題名決めました。
「友情は奇跡を呼ぶ」
にしました。
あ、ついでに”メッセージ”のヒントでも。
全員の会話をよーく読んでみてください。

391 :眠い名有り :2004/01/05(月) 15:58 ID:???
酔っぱらったちよちゃんを出現させる予定。
でも、まだどんなのにするか決めてない…

392 :名無しさんちゃうねん :2004/01/05(月) 17:39 ID:???
奇跡を呼ぶことを先に言っちゃうのですか……

393 :名無しさんちゃうねん :2004/01/05(月) 20:29 ID:???
ベルセルクをあずまんが化したら面白いかも・・・。

一匹狼の傭兵・神楽は傭兵団を率いる榊との決闘し、すんでのところで敗れた。
負けた方が相手の言うことに従うという約束だった。
「力づくというのも嫌いじゃない」
そう不敵に微笑むと、榊はその条件を受け入れたのだ。
「神楽、私の手下になるか?」
「……糞ったれ!」
途端、骨のひしげるような嫌な音。
「ぐあああっ!」
関節をはずされ、神楽は激痛に地面を転がりまわった。
そこへ、榊の仲間たちが駆け寄って来る。
「へっ、ざまあねえな」
髪をつかみあげ、神楽を嬲り者にしようとする配下の智を、しかし榊は静かに制す。
そして神楽の顔を手で挟むと、じっと目を見つめて、こう言った。……
「これで君は私のものだ」

<続く>

394 :狂戦士大王 :2004/01/05(月) 20:52 ID:???

榊の部下として赫々たる武勲を挙げていく神楽。
始めは神楽を毛嫌いしていた傭兵たちも、神楽を受け入れていく。
そして、神楽もまた初めて「仲間」というものを知り、受け入れていった。
そんな中、榊を極端に慕うかおりんだけは何度も神楽と衝突を繰り返し、二人はどうしても反りが合わない。
「どうして榊さんがあんたなんか……!」
そんな折、戦闘の真っ最中に生理が来てしまったかおりんは、どうといこともない敵に圧倒され、断崖から転落してしまう。
神楽は巻き込まれ、一緒に崖下に転落。運良く渓流の只中に落ちた神楽は激しい急流からかおりんを救い上げ、岸まで泳ぎきる。
「あんたにだけは、助けられたくなかった……」
目を覚まし、涙交じりにこういうかおりん。
はじめは暴れていたかおりんだが、神楽が「ほら着ろ」と自分が身に着けている布切れを差し出すと、素直に従った。
「お前は何で傭兵になんかなったんだ?」
そう聞くと、打ち震えていたかおりんは、しかし、少しずつ語りだす。貴族に身売りされたこと、犯されそうになったこと、そんなときに榊が自分の前に顕われたこと。
そうして、かおりんはその場で、榊に連れて行ってくれと叫んでいた。……
「でも、剣も毛布もあなたがくれたんです」

395 :狂戦士大王 :2004/01/05(月) 21:16 ID:???

神楽は無事にかおりんを守りきり、「百人斬り」の荒業をやってのけた。
以降、榊率いる「鷹の団」の活躍で、百年戦争は次第にミッドランドが優勢になっていく。
そんな折、神楽は薄暗い任務を榊に与えられる。
榊がこの国で這い上がっていくためにどうしても邪魔な相手、王族の暗殺だった。
「これは汚い仕事だ。失敗も許されない。やってくれるか?」
「命令すればいいだろ。いつもみたいによ」
ポロポリと頭を掻いていた神楽は、ふと、榊をじっと見据える。
「――これがお前の夢につながる道なんだろ?」
そして、神楽は見事に任務を達成するが、誤って子供を殺してしまい、心に深い傷を負ってしまう。
「ちょっと、あんた。今日は私の隊とあんたの隊で合同訓練のはずだったでしょ?――一体、どうしたの?」
ふと出てきたかおりん。神楽の様子がおかしいと気づく。
そこへ、榊がちよ姫と話しているところへ出くわしてしまった。
榊はちよに夢について語る。そして、友とは自分を縋ってくるものではなく、
自分と対等に立って夢を妨げるものはたとえ自分にでも挑んでくるものだという。
それを聞き、神楽の頭の中で何かが変わっていく。因果律の糸は今結ばれた。……
「私にとって友とはそういう対等の存在なんだ」

<続く>

396 :名無しさんちゃうねん :2004/01/05(月) 21:33 ID:???
『狂戦士大王』

……気に入った。続きキボンヌ。
なにげにいい役だな、かおりん。

397 :狂戦士大王 :2004/01/05(月) 21:46 ID:???
>>393-395

やがて、敵国との一大決戦に勝利し、榊たち「鷹の団」は救国の英雄として王都に凱旋した。
そんな中、ただ一人、神楽だけは榊の元を去る決意を固めていた。
「私にとって友とはそういう対等の存在なんだ」
そこへ、暦と智が引き止めにくる。
智は、これから地位も栄光も手に入るというのに、何もかも捨てて去っていく神楽が理解できぬという。
「私は、自分だけの何かを掴みたいんだ……」
神楽の心に響くのは榊のあの言葉。
「ふざけんな! お前は榊とは違う! お前は榊になれっこなんかねえ!」
そう激昂すると、智は酒場から出て行った。
「まあ、あいつにも色々あったのさ」
語り始める暦。智は元は山賊のリーダーだったこと。榊に敗れて仲間になったこと。
そして、自分にも夢があったということ。やがて、皆と同じように、現実に埋もれていったのだということを……。
「でも、後悔してるわけじゃないぞ。私はこれはこれで今の自分を気に入ってる。……神楽、達者でな」
やがて、神楽が門を出ると、智、暦、かおりん、大阪、みなが待っていた。――そして榊も。
榊は目に殺気を走らせている。笑ってじゃあなというわけにはいかないらしい。
「君はあのとき私のものになったんだ。私の腕から出て行きたいのなら、私を倒してから行け」
剣を抜く榊。本気でやるつもりだ。
だが、剣の天才榊も、幾多の死線をくぐり抜けて来た神楽の修羅の剣に通用するかどうか。
下手をすれば勢い余って神楽を殺しかねない。
「それでもいい。手に入らないのなら、それでも――」
そう、心の中で叫ぶと、榊は一気に踏み込んだ。
二人の剣が一閃。
榊の神速の剣捌きは、しかし、神楽の剛剣の前に剣戟の音とともにたたき折られてしまった。
へたりと葛折れる榊。そんな榊を神楽は振り向きもせずに去っていく。……
「じゃあな」

今、運命の扉は開かれた。

398 :狂戦士大王 :2004/01/05(月) 22:29 ID:???
>>397

神楽が去った後、榊はまるで抜け殻のように放心していた。
そして、心配する仲間たちをよそに、何を思ったのか榊は突然後宮に忍び込んだ。
「榊さん、こんなところへどうして!?」
突然バルコニーに現れた榊に驚くちよ。
「まずは入れていただけないかな。ここは雨にぬれてしょうがない」
恥じらいながらも榊を部屋に引き入れてしまう。それがどんな結果をもたらすか、まったく分かっていない。
「どうして、戦が終わったらすぐに私のところへ来てくださらなかったんですか? 私、すごく榊さんに会いたくて――」
部屋に入るなりふくれて見せるちよ姫の唇を、榊はいきなり奪った。
「――ンっ! んうッ!」
舌を深く差し入れるとともに、ちよの小さな膨らみに指を這わせる。
途端、ちよのか細い体がビクンと跳ねた。
「怖いのか、ちよちゃん」
口を離し、すっかりぐったりしたちよを、榊はベッドに押し倒す。
「怖いのなら何もかも火にくべてしまえばいい」
そうして二人はひとつになった。
だが、その情事を女官の一人が見ていたのだ……。
ちよの部屋から降り立つ榊。そこへ、衛兵がわらわらと現れ、榊を取り囲む。
「榊将軍ともあろう御方が、こんな時分に後宮に何の御用ですかな。王家に対する謀反の恐れもあるゆえ、拘束させていただく」
咄嗟に榊は腰に手を這わせるが、
(そうか、剣は……)
しかし剣は神楽との決闘失われていた……。

<続く>

399 :狂戦士大王 :2004/01/05(月) 22:30 ID:???

「引ったてい!」
やがて、半裸で地下室にぶら下げられている榊の前に国王が現れる。
「榊よ、お前はゆくゆくはミッドランドの片翼を担う武人に大成するものと思っていた。あのときの言葉、嘘ではないぞ」
顔を蒼ざめ、無言でぶら下がる榊。王はいきなり激昂し、鞭を振り上げた。
激しく鞭打たれ、血をたらしながら、ぎしりと揺れる榊。
「だが、盗人は盗人、所詮下賎の血は購えぬかっ!?」
そうして、頭を抱え、なにやらぶつぶつ言う王に、榊は余計な挑発をしてしまう。
「いっそ、私が――抱きたい、いや、あなたが抱かれたいのか?」
そうして榊は王が実の娘に注ぐ歪んだ愛情を暴いていく。
榊の言葉に自らの痴情を赤裸々に突かれた王は、怒り狂い、何度も何度も鞭を振るう。
しかし、榊は平然と、どこか醒めた目で薄ら笑いを浮かべていた
「……ふん。いつまでその目が続くかな。――拷問官!」
呼ばれてひょこひょこと奇形の小男が出て来る。
王は最後に一言はき捨てると、供を従え去っていった。暗い地下牢の光が閉ざされた。……
「これで終わりだ。鷹は地に堕ちた」

<続く>

400 :狂戦士大王 :2004/01/05(月) 22:53 ID:???
>>399

やがて一年が過ぎた。
各地を放浪し、剣の腕を磨いていた神楽は、ある日とんでもない噂を耳にする。
「王都で謀反を起こした反逆者『鷹の団』の女首領かおりんがこの山に立て篭もっている」

かおりん達「鷹の団」は、あの日、突如国王軍の攻撃を受け、半数が殺されてしまった。
もし、咄嗟にかおりんが指揮を執っていなければ、その場で全滅すらしていただろう。
それからはかおりんがリーダーとなり、各地を逃げ回っていったのだが、
そのかおりんは重責に耐えかね、心身がボロボロになっていた。
「かおりん、ちょっと休めよ。お前ろくにメシも食ってないだろ」
心配する暦。だが、かおりんは適当に受け流し、聞き入れない。
暦が帷幄からでると、かおりんは机に突っ伏し涙を流した――
そのとき。不意に喚声が上がった。敵が襲撃してきたのだ。
兵営から飛び出し、的確に指示を出すかおりん。と、そこへ手練の敵が襲来する。
「くっ」
かおりんは奮戦むなしく剣を弾き飛ばされ、倒されてしまった。
剣が首に当てられる。
「三つ数える。選ぶべし!」
カウントダウン。絶体絶命。そのとき。
「四つ」
剣を突きつけた男が、いきなり頭を蹴っ飛ばされて飛んだ。
「よお」
そこに現れたのは神楽だったのだ。……
「久しぶりだな、大将。しっかりやれよ」

401 :狂戦士大王 :2004/01/05(月) 22:57 ID:???
引かれてないか心配だったり。

402 :名無しさんちゃうねん :2004/01/05(月) 23:34 ID:???
↑ いいや、楽しませてもらっているよ。安心して続けれ。

403 :名無しさんちゃうねん :2004/01/06(火) 00:03 ID:???
面白いと思う。
元ネタを知らないだけになんともいえないけど、
ただ単にキャラの名前を置き換えただけのような作品にはなりませんように。

404 :名無しさんちゃうねん :2004/01/06(火) 00:46 ID:???
>>401
いやいや。引くどころか、惹かれてますって。
面白いです。
是非、続けてください。

405 :眠い名有り :2004/01/07(水) 09:11 ID:???
狂戦士大王さん全然ひきません。続きを早くキボンヌ

さて、自分の続き〜

406 :出会いのあとには別れが来る そして新しい出会いが始まる… :2004/01/07(水) 09:14 ID:???
数十分後
慣れてない酒のせいか他の人物は風藻、よみをのぞき精神崩壊状態である
「マヤァー…」
「おう!酒だぁー!酒ぇー!」
「う〜何かだるい…あ・・あれ?ふぁ…」
ドサッ!
「ああ!桜さん!?」
「大丈夫だよ〜ちょっと目まいが…」
「まったくこの子は…香緒音、あんたもそろそろ止めなさい。」
「私は全然大丈夫!ねぇ!!」
「うん!よみぃ〜酒だぁ!」
「(よみって…)ちよちゃんが壊れた…」
「うふふふ…」
「?何かおかしいですか、風藻さん…」
完全に酔っぱらった榊が近づいてくる。
「いえ、こんなに騒いだことって無いから…ほら、ここ周りに家すらないし…」
「そうだよね。でも、いいなぁ、風藻さんは。」
「えっ?」
「だってさ、いい姉妹もっているじゃん。香緒音さんと、桜さん。」
「ええ、でも、私って病気になりやすいから、あの子たちに迷惑ばっかりかけて…
 私のせいで記憶を取り戻しにいけない…私達…特に香緒音は記憶を無くす前の自分が知りたいんです…」
「へぇー。でも、取り戻していい記憶もありますけど、取り戻さないほうがいい記憶だってあるんです。」
榊の目から大粒の涙が零れる
「大事なものを失ったり…もう二度と取り返しのつかないことになったり…そんなことは思い出すだけでっっ…」
「榊さん、もしかして、昨日言っていた大阪さんのこと…」

407 :出会いのあとには別れが来る そして新しい出会いが始まる… :2004/01/07(水) 09:15 ID:???
コクリ、と榊はうなずく。
「でもさ、悲しいことだけど…生命(いのち)という悲しい運命(さだめ)かもしれないけど、生きとし生けるもの全てに死は訪れる。
 それと同じように、出会いには別れがつき物。永遠に一緒なんて、無理なことなんだよね…」
「私はそんなことないと思うな。」
風藻は榊を慰めるように言った。
「たとえ、その人が死んだとして…肉体が朽ち果てたとしても、その人の魂は永遠に死なないと思う。
 そうじゃなきゃ…悲しいだけですから…だから、その大阪さんもきっと貴方達のことを見てくれてると思いますよ。」
「………」
「もう酒がない〜!」
「それじゃぁ、そろそろ後片付けをしましょう。ほらっ、香尾音、手伝って」
「はぁ〜い」
といって返事したのは桜…
「(完全に酔っぱらってる…)いいわ。私達がやる。」
「まったく、ちよちゃんも、榊も、早くかたずけるぞ!」
「ふぁひ〜?」
「じゃぁ、ちよちゃんと榊はお皿を持っていって。私はお皿を洗うから。」
「ありがとうございます。それでは私は床の間の用意をしてきます。」
ちよ榊と一緒に皿を台所に運んでいく
(う〜気持ち悪い…飲みすぎたかな? あれ?なんだろうこの粉?)
台所の床に黒い粉が落ちているのだ。ちよはそれを指につけて舐めてみた。
(この味…どっかで…)
「ちよちゃ〜ん。これも運んで〜」
「は〜い。(まっ、別に気にすることじゃないか…)」

408 :眠い名有り :2004/01/07(水) 09:15 ID:???
題名変えました。(ぉぃ
さぁ、がんばるぞ〜

409 :名無しさんちゃうねん :2004/01/07(水) 13:00 ID:???
fight!

410 :眠い名有り :2004/01/07(水) 20:59 ID:???
あんがと〜

411 :名無しさんちゃうねん :2004/01/07(水) 22:24 ID:???
ハ輪さん来ないかな?

412 :名無しさんちゃうねん :2004/01/08(木) 13:57 ID:???
そういや、どうしたのかな

413 :眠い名有り :2004/01/08(木) 16:45 ID:???
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1073220026/82
だそうです。

414 :名無しさんちゃうねん :2004/01/08(木) 18:58 ID:???
ハ輪さんって「はわ」って読むのかなぁ。それとも「はちりん」って読むのっかなぁ。
どっちだ?

415 :名無しさんちゃうねん :2004/01/08(木) 19:00 ID:???
ハ輪さん来い!!

416 :名無しさんちゃうねん :2004/01/08(木) 21:47 ID:???
来いって言って来るもんでもないでしょう。
待ってあげましょうよ。

417 :眠い名有り :2004/01/08(木) 23:20 ID:???
>>414
「はちわ」「はりん」も考えられますね。

>>416
確かにそうです。しかし、願いはいつか天の神がきいてくれて我々の…(約三十行ほど語る)よって、祈れば神が願いを聞いてくれるであろう!(爆)

で、八輪さん話題になってますが、続き〜

418 :眠い名有り :2004/01/08(木) 23:21 ID:???
「はぁ〜、やっと片付いた!」
「いつもはこんなにありませんからね。ちょっと疲れました。まったく桜も香緒音も皆をそそのかして…」
「おう!お前ら!」
ビクッ!
見ると酔っぱらったにゃもが…
「にゃっ、にゃも先生!」
「確かにさぁ、こいつらがそそのかしたけどよぉ!飲みたい奴にはそれなりの理由があるのよー!
 例えば、何か大きなことに失敗して何も考えたくなくなったとか!こいつらにもそういう理由が…」
この意見によみがすかさず突っ込む。
「先生、責任転換しようとしてませんか?」
「………
 とにかく!私が言いたいのは!そんな過去のことにいちいち構うなってことだ!もうどんなことしても終わったものは終わったんだ!
 未来を大切にしていけー!未来をだぞー!」
「先生、話題をずらそうとしてませんか?」
「うるせー、例えばだ。よみの体重が1年の一学期から二学期の間に(ピー)kg増えたとしても、それはもう終わっ…」
それを聞いた瞬間、よみの顔が真っ青に…
「先生、何でそれを!?」
「うるせー!私は保健体育の教師だぞー!お前らの身体測定もやってるんだ〜!」
「先生!今のこと、ここ以外にも言ってないでしょうね!?」
半泣き、半狂乱のよみに対してにゃもはキッパリと言った。
「覚えてない」
「ああ〜それじゃぁ、どっかで言ったってことも…きゃーきゃ〜」

「よみさん、にゃも先生、そろそろ寝ましょう」
「そうね。じゃぁ、今回はすでに寝てる人もいるし、床の間で寝ましょう。それじゃぁ、布団運ぶの手伝ってもらえますか?」
「は〜い。」
風藻とちよは寝室へ風藻、桜、香緒音の分を、榊、よみ、にゃもは床の間へ、その他の分の布団を取りに行った。

419 :眠い名有り :2004/01/08(木) 23:23 ID:???
今回はこれだけ。。

次の部分はちょっと長くなるので、短いですが載せました。

ばんばんご指摘お願いします。

420 :名無しさんちゃうねん :2004/01/08(木) 23:26 ID:???
またタイトル忘れトル……

421 :眠い名有り :2004/01/08(木) 23:30 ID:???
>>420
あ゜…
「出会いのあとには別れが来る そして新しい出会いが始まる…」
です。
長い…(汗

422 : :2004/01/09(金) 11:49 ID:???
>>414
恐らく「ぱわー」さんではないかと……

>>421
意図的に長いタイトルをつけるのはそう変でもないです……といいますか、私自身にも経験が……あはは…

423 :名無しさんちゃうねん :2004/01/09(金) 19:37 ID:???
そういえばハ輪さんって、なんか敬語以外で書き込みしたところみたことがない。
あの智にでさえ敬語をつかってた。すごく礼儀正しい人なの?

424 :狂戦士大王 :2004/01/09(金) 21:57 ID:???
>>400

神楽の活躍で敵を撃退し、つかの間の安息を得る皆。神楽は一年ぶりの仲間たちと同じ火を囲む。
「それで答えは見つかったのか」と暦。神楽は傍の剣を手に取る。
「やっぱし、私にはこれしかないんだなって」
旅の間に分かった。自分は生を受けてより今に至るまで、
手で触れるより剣を通して触れてきたものの方がずっと多いのだと。
その弾け跳ぶ火花の一瞬の煌きの中に己の命を賭けて来たのだと。
「真顔でそれだけ言えれば十分さ」
暦がにこやかに微笑む。何かを悟ったような二人の間を大阪が不思議そうな目で見ていた。
「私は認めないぞ」
神楽たちの団欒に背を向けていた智が不意に口を挟む。
「こいつは私たちが一番大変だったときに勝手にいなくなりやがったんだ。そんな奴を仲間だなんて認められるかよ」
「智ちゃん、また〜」
「うるせえ」
そこへかおりんがやって来る。神楽に二人きりで用があるという。

「話ってなんだ?」
二人が滝を臨む崖っ縁に差し掛かったとき。無言で背を向けていたかおりんが、突然斬りかかってきた。
「お、おい! 何を!?」
次々と繰り出される刃には明らに殺気がこめられている。
「ちょっと待てったら! いくらなんでも、いきなりこれはねえだろっ!?」
「あんたの……せいよ」
「え?」
「あんたのせいよ!!」
かおりんは泣いていた。つぶらな瞳からポロポロと涙を溢れさせ、一心に剣を振るっていた。
「榊さんがあんなことになったのはあんたのせいよ!!」
剣先が神楽の肩口にめり込んだ。

425 :狂戦士大王 :2004/01/09(金) 21:58 ID:???

「! あんた……」
「私のせいなのか?」
神楽が一歩踏み込む。
「私のせいなのか……?」
「馬鹿、よしなさい! 下がって!!」
「そんなはずないだろ。 あの榊が私のことなんかで……」
「下がりなさい、馬鹿ァーッ!!」
とうとう、かおりんは剣を手放した。
「だから、あんたは馬鹿なのよ……!」
かおりんは地面に突っ伏し語り始める。神楽がいなくなって榊はおかしくなってしまったのだと。
榊にとって神楽はいつしか自分の国を手に入れるという夢以上に大きな存在になっていたのだと。
「あの人はそんなに強い人じゃない! 支えてくれる人が必要なのよ。
私はそれにはなれなかった。あんたじゃなきゃ駄目なのよ!それをあんたは……!」
「…………」
「私、必死になったわ。あの人の夢を壊したくなかったから。でも、もう疲れた。疲れたの。
生きているか死んでいるかもわからない人の夢を守り続けるなんて、もう私には耐えられない」
かおりんは立ち上がった。絶壁を背にして。
「後は……あんたがやって」
最後に微笑んで。かおりんは身を投げた。

刹那のとき。

落下していくその体を、腕を、神楽の手がしっかり支えていた。
「馬鹿野郎!! 二度とはしないぞ!」
(憎んでいるのに……)
神楽が全身の力を込めてかおりんを引き上げていく。
(今でも、殺したいくらい憎んでいるのに……!)
しなだれるかおりんの横で神楽が荒い息をついている。
どちらからともなく二人の目が合った。そして、どちらからともなく二人は唇を交わした。

そうして二人は結ばれた。

<続く>

426 :名無しさんちゃうねん :2004/01/09(金) 23:21 ID:???
うぉぉぉぉー、何気に神楽×かおりんのカップリングがっ! 激萌!
まぁ、キャスティングを考えればわかっていたことだが! すると、この後……かおりんは、かおりんはっ!

427 :名無しさんちゃうねん :2004/01/11(日) 15:03 ID:???
ところであずキャラがBRやるSSはどーなったんだろ?
実は昨日、今更ながらBRをレンタル屋で借りて見たので、無性に続きが読みたいのです。

428 :名無しさんちゃうねん :2004/01/11(日) 20:47 ID:???
真面目に八輪さんどうしたんだろ…

429 :名無しさんちゃうねん :2004/01/11(日) 21:02 ID:???
>>427
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/038927164/l50
このスレのこと?

430 :427 :2004/01/11(日) 22:50 ID:???
>>429
いや、このスレのですじょ?

431 :ハ輪 :2004/01/11(日) 23:49 ID:???
みなさんすいません。最近仕事が忙しくて。本当にすいません。SSを捨てた
わけではないのでこれだけは信じてください。もうすこしで仕事にもくぎり
がつきますのでその時に、いっきにSSをすすめたいと思っています。
本当にすいませんでした。

432 :名無しさんちゃうねん :2004/01/12(月) 00:09 ID:???
本人キタ━⊂( ^D^)⊃ ━| |゚ο゚)| ━ノwゝ゚д゚ノw━川□-□||━| || ’_ ’ )|━ヽゝ^〜^ν━!
待ってるよーん。(社会人だったのねん)

433 :眠い名有り :2004/01/12(月) 00:18 ID:???
寝室では、風藻とちよが布団を押入れから出している。
「未来を大切に、か…」
「風藻さん?どうしました〜?」
ちよに風藻が思いつめた様子で聞く。
「美浜さんは…過去と未来、どっちが大切だと思いますか?」
「どうでひょうね〜?どっちも大切ですよ〜過去を振り返ってこそ未来があるわけでふから〜」
ちよはまだ酔いが覚めていないようで、ろれつが回っていなく、足元もふらついている。。
「そうですか…」
「でも、過去にこだわりゃないことも大切だとおもいまひゅ〜。もう終わったことをくひゃんでも〜」
「美浜さん、大丈夫ですか?」
「だいひょ〜…ふがっ!」
ちよが小さいカゴにつまずき、転んだ。その中からポテチ、飴玉、チョコレートなどのお菓子が出てくる。
「ああっ!まったく香緒音も桜も…」
「おいひほーでふねー」
そこに桜が二人を呼びに来た。
「お姉ちゃーん。あっちの布団は終わったよ〜 ああっ!お菓子!」
「桜知らないの?」
「なんなら持っていって皆で食べよう」
「えっ!?」
「私に内緒で食べてた罰だ!皆で山分けしよ」
「わーい」

434 :眠い名有り :2004/01/12(月) 00:18 ID:???
三人が居間に戻ってくると、香緒音が待ちわびたように迎えた。
「あ、お姉ちゃん来た来た。遅いよ!」
「ふふふ…さぁ!香緒音、これ、なぁ〜んだ!」
「あーそれ私の!!」
「私達に黙っていた罰よ。さぁ、山分け!皆さん食べましょう!」
「ふぇ〜ん(泣)」
半泣きの香緒音を無視して桜がカゴをあけると、バラバラバラと飴やらポテチやらが出てくる。
「(あ、ウサギさんのチョコだ)あ、頂きます…」
「私も〜」
「おいおい、夜食うと太るぞ。」
「あ、そうでふね〜 ひょみひゃんは…」
「ちよちゃんまだ酔っぱらってる…」
「体重(ピーー)kgだからダイフェット…」
「わー!ちよちゃん!それは言っちゃダメ!ダメ!」

435 :眠い名有り :2004/01/12(月) 00:20 ID:???
「(モグモグ)おいし〜」
「私のお菓子なのに〜」
「………」(←ウサギがかわいそうで食べれない。)
「ご馳走様。香・緒・音♥」
「う゜〜 ならたくさん食ってやる〜!(ガツガツ)」
「ふぁ〜」
こうやって楽しく過ごしていた。そして何気なく、ちよが”それ”を口にした瞬間、ちよの酔いが一気に覚めた!
―これって台所の… !!そうだ!これって!!! でも、何でこの人達が…
「まったく、私達に黙っておくことないじゃない。」
「桜お姉ちゃん卑怯よ〜 お姉ちゃんだってこの前一緒に食べてたくせに…」
「桜もしてたの…まったく。」
「へへへ〜」
「あ、桜お姉ちゃん、キャンデーもうない?」
しかしキャンデーは桜が持っているもので最後のようだ。
「仕方ないわね〜」
桜は綺麗なピンク色をしたその飴を歯でガリッっと半分に砕くと半分を香緒音に渡した。
「はい。」
「ありがとー。へへへ。」
「さぁ、もうお菓子も切れたし、電気消すわよ〜〜」
パチッ!っと風藻が電気を消すと、部屋の中は闇に包まれた。

436 :ハ輪 :2004/01/12(月) 09:18 ID:???
>>346
みんなは再びバスに乗せられた。そして、2時間くらい走ってバスは停車した
みんなはバスからおろされた。そこは、海だった。

軍人「これよりボートに乗り、最前線にむかう。」
智「ボートの運転なんか、したことねぇよ!」
軍人「一定の地点までは、自動操縦で進む。実際に操舵の必要があるのは、
   湾の中にはいってからだけだ!」

ふざけやがってと思いつつも、ボートに乗るしかなかった。ボートは5隻だっ
たので、出席番号順に8人ずつ乗った。1時間くらいして、目的の島が見えた

無線「全員に告ぐ。全員に告ぐ。これより作戦開始をかくにんする。時計を合
   わせろ!現在0600。各自ナビをだし、地図を確認しろ!敵が立てこ
   もるは丘の上のアジト。突入地点は3ポイントに分かれていて、東側が
   ポイントA。北がポイントB。南がポイントC。地図上では島はいくつかの
   エリアに分かれていて、禁止エリアは1時間おきに更新される。時間に
   なってもエリアに残るものは、首輪が爆発するので、すぐにエリアから
   エリア外にでること!」

不意にボートの速度がおちた。

智「手動に切り替わったんだ!誰か操縦できないか!?」
千尋「は、はい!私がやってみます。」

千尋はへっぴり腰で操縦しはじめた。ボートは再び元の航跡に乗った。いつの
まにか明るくなっていた朝日が、5隻のボートの進路を映し出していた。

437 :ハ輪 :2004/01/12(月) 09:28 ID:???
>>436
よみ「なぁ、あれはなんだろう?」

よみは丘の上を指さした。そこには、明らかに人造物とわかる四角い建造物が
立ち並び、その建物には、無数の旗がはためいている。

大阪「なんやねん、ここ!」

大阪が呆けたように言った。その時、建造物の窓の1つから微かな光が見えた
そして、うしろのボートから悲鳴があがった。

438 :ハ輪 :2004/01/12(月) 09:43 ID:???
ちなみに俺のハンドルネームの読み方は(はわ)です。カタカナの
「ハ」に漢字の「輪」で「はわ」です。

439 :眠い名有り :2004/01/12(月) 10:19 ID:???
おお!ハ輪さん復活!

あ、連続投稿の場合は>>○○というのはいりません。最初の奴だけに>>○○の続きと書いておけばいいです。

440 :ハ輪 :2004/01/12(月) 10:44 ID:???
>>437
久住が撃たれたらしく、血だらけになって倒れていた。そして、久住の
パートナーである井口の首輪から聞き覚えのある電子音が鳴った。井口
はパニックにおちいった。

井口「いやだー!!死にたくねぇよ!!助けてくれ!誰か首輪をどう
   にかしやがれ!!!」
三谷「落ち着け井口!このせまいボートの中ではどうしようもない!
   せめて俺たちを巻き込まないように海にとびこめ!!」
井口「結局は自分のことしか考えてねぇじゃねえか!いいよ?みんな
   まきこんでやる!!!」
智「よせー!!!」

智はAボートから叫んだが、パニックになっているBボートには聞こえる
わけがない。そうこうしてるうちに、あたりはいつの間にか、弾の雨に
なっていた。そして、井口の首輪は爆発した。井口はわざとボートのエ
ンジンを首輪の爆発にまきこんだらしく、Bボートは大爆発をおこした。

女子9番宮田 10番川原
  11番久住 12番阿部

男子9番谷岡 10番加藤
  11番井口 12番三谷
              死亡 残り32人

智「なんでだよ。なんで仲間どうしで殺し合えなんて誰がいったよ?
  狂ってるよ!仲間を殺して何になるんだよ!!」

441 :ハ輪 :2004/01/12(月) 10:48 ID:???
>>439
すみません。クセなんです。今後からはそうします。

442 :名無しさんちゃうねん :2004/01/12(月) 14:17 ID:???
>>441
狙撃されたということが映画見ていないと
分かりづらいと思う。もうちょっとはっきり書いたほうが良い。

とはいえ、復活お目手とう。期待しとるけん。

443 :眠い名有り :2004/01/12(月) 17:24 ID:???
ぶっちゃけ言わせてもらうと、>>○○いらない(スレ移りしたり、かなり時間をおいてなければ)

続編がんばれ〜っと。
高校行ったら一人暮らしが出来るかも… そしたらあずまんがと一緒にBR借りてみるか…

444 :ハ輪 :2004/01/12(月) 22:45 ID:???
敵のアジトからは、なおも銃弾がとんでくる。その時、敵のアジトがまぶしく光った。
そして、Dボートが一瞬にして爆発炎上した。敵は迫撃弾だ!

河田「おい智!相手は迫撃砲を持っている。このままじゃこのボートが沈められるのも、時
   間の問題だ!早く上陸しないと、抵抗もできずにみんなやられちまうぜ!!」
智「・・・・・・・・千尋。スピードあげられるか?」
千尋「やってみます!」

千尋はどうすればスピードがあがるのかわからなかった。だから適当にいじってみた。次
の瞬間、ボートのエンジンが爆音をあげ、スピードがいっきにあがった。

女子13番自谷 14番武田
  15番可合 16番牧野

男子13番坂口 14番高木
  15番水野 16番小原
              死亡 残り24人

スピードをあげたAボートは弾の嵐をくぐりぬけ、岸についた。

智「みんな、上陸する!早くボートを降りろ!」
中澤「おう!早くあの崖下にもぐりこみ、ほかのみんなをまとうぜ!!」
千尋「そうだね。あの崖の下なら攻撃をうける心配はないし。」

話してる間にも、弾はとんでくる。そして、あの迫撃弾が智たちのすぐそばに落ちて爆発
した。智の体は衝撃でふっとんだ。

智「うわー!!!」
河田「智!大丈夫か!?」
智「大丈夫。それより話してるひまはない!早く崖下へ!!」
千尋「そんなこと言っても、弾が邪魔して前に進めないよ!」
智「今はいくしか道はない!いくしかないんだ!!さあ、早く走るんだ!!生きて神楽の
  かたきをうつんだろ!?」
千尋「ありがとう。」

みんなで崖下へと走った。そして目的の崖下についた。奇跡的にも、撃たれたものは一人
もいなかった。そして、CボートとDボートも岸につき、上陸たいせいにはいった。その中
には大阪の姿も確認できた。

  

445 :眠い名有り :2004/01/12(月) 23:10 ID:???
ん!?
>そして、Dボートが一瞬にして爆発炎上した。敵は迫撃弾だ!
となってるのに
>そして、CボートとDボートも岸につき
となってますよ。

446 :ハ輪 :2004/01/13(火) 00:45 ID:???
Eボートの間違えでした。
岸に着いたのはCボートとEボートです。

447 :名無しさんちゃうねん :2004/01/13(火) 01:04 ID:???
BRにしろ「狂戦士大王」にしろ思うのは……
キャラクターだけあずまんがで、あとは元ネタをなぞっただけ、
などという話は絶対書いてほしくない。
それで面白い話ができたとしても、それは作者の手柄では
ないのだから。

お二方の創意工夫に期待しております。

448 :くろまんが大王 :2004/01/13(火) 16:30 ID:???
最近ネタ切れなんで、調子に乗ってリク受付なんてやりだしたら
あぽ−んされまつか?

449 :名無しさんちゃうねん :2004/01/13(火) 17:01 ID:???
待ってましたよくろまんがさん。
リク受付も作品が面白ければ、むしろ望まれるところかと。
とりあえず俺は内容はなんでもかまわないから新作希望。

450 :名無しさんちゃうねん :2004/01/13(火) 17:13 ID:???
>>447
2人に嫉妬してるの?

451 :名無しさんちゃうねん :2004/01/13(火) 18:08 ID:???
>>450
前に手柄目的でSSでも書いて、失敗したんじゃねぇの?

452 :眠い名有り :2004/01/13(火) 18:54 ID:???
>>447
それは無いかと。
キャラの性格がピタリと一致することはほとんどありませんから、キャラの性格を変えない限りそういうことにはならないかと…

453 :名無しさんちゃうねん :2004/01/13(火) 19:20 ID:???
>>447
二人のSSはかなり面白いからいいんじゃないの?しかも、完全なパクリじゃなく
オリジナルな所も多いし。それより、早くBRの続き見たい。ハ輪さん、続きを早く
お願いしますぜ。

454 :名無しさんちゃうねん :2004/01/13(火) 22:24 ID:???
>>349
つまり抜くんやな!?

455 :454 :2004/01/13(火) 22:25 ID:???
ごめん。誤爆した

456 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 00:35 ID:???
>>448
そんなことないない。

う〜んリクですかぁ。くろまんがさんには、その巧みな表現力を生かして
是非とも怖くて哀しい物語を書いて欲しいですな。
昔ペットセメタリーっていう映画がありましたが、あんなようなストーリー
で榊さん、又はよみさんを主役でやると面白いかも。
榊さんの場合はマヤー、よみさんの場合はともで、ね。
【参考】
http://www5d.biglobe.ne.jp/~bubucafe/movie/reviews/pet_seme.htm
http://www.interq.or.jp/blue/mits/deniiro/syoukai/petsematary.htm

457 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 02:20 ID:???
放課後、いつものように屋上へ呼び出される。
気が重い…いっそ階段からわざと落ちて保健室にでも運ばれようかとも思う。
まぁ、やったところで場所が屋上から保健室に変わるだけなんだが……
階段を登りきったところで、鉄製の重いドアを引く……

「遅いぞ!なにやってんだよ!」
「そんなに怒鳴るなよ〜ストレス太りはなかなか痩せないらしいですぜー」

声を無視して空を見てみる。
あぁ……雲ひとつない…綺麗な冬の青空だ…
腹に鈍い衝撃が走る。内臓を吐き出すかと思うほど苦しい…

「……ちゃんと聞いてる?」

水原だ…足を突き出してるところをみると、どうやら蹴られたらしい…
その場に倒れ込む俺を、滝野が起こしてくれる。

「あんまり雑に扱うと壊れちゃうだろー!探してくるの大変なんだからなー」

そう…俺も滝野にハメられたんだっけ………だから…こんな……

滝野に呼び出されて…行ったら顔を真っ赤にして「好きです」なんて言ってきて……
いきなり服脱ぎだしたんだっけ……あの時誘いに乗らなきゃよかったんだ…
滝野によりそったら…急に泣き顔になって……そこを水原に写真撮られて…
誰がどう見たってあの写真じゃ俺が強姦してるみたいだ……
あとは写真脅しの王道まっしぐら……今じゃしっかり奴隷やって…

「じゃあ始めようか?」

……水原ぁ…今日は…ちゃんと言う事聞くから……せめて痛くしないで…

458 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 10:03 ID:???
うわぁw

459 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 15:38 ID:???
>>457
ををっ! おもろい!
是非続ききぼん!

460 :くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s :2004/01/14(水) 16:41 ID:???
>>449>>456さんありがとう。

>>456やってみます。

ご期待に副えるかどうか・・・。

ちなみに、最近は別のとこでアトリエシリーズというゲームのパロ書きまつたよ。
元ネタ知ってて良かったら見てやって。(また、痛い自己宣伝やってもうた)

>>457
続ききぼん

461 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 18:04 ID:???
>>457
別スレいけ

462 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 19:48 ID:???
くろまんがさん次回作期待してます。

463 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 19:49 ID:???
>>462
あわててフォロー入れんでも、彼は書きますって。

464 :名無しさんちゃうねん :2004/01/14(水) 22:38 ID:???
>>456
あ、俺その映画見たことある。怖いというより
ただひたすら哀しく切ない物語だった覚えが…。
2はクソだけどな。

>>460
ガンガレ!期待してまつ。

465 :名無しさんちゃうねん :2004/01/16(金) 17:30 ID:WS0q2IQQ
ひょっとして皆さんセンター試験?

幸運を!

466 :眠い名有り :2004/01/16(金) 17:36 ID:???
単元テストだ…英語が…

467 :名無しさんちゃうねん :2004/01/16(金) 18:01 ID:???
>>460
んじゃぁ、おいらはスーフリの餌食になる彼女たちを、エロパロ板でキボン。
舞台は卒業後の各々のキャンパスで、キャストはちよちゃんを除く5人+α。

ストーリーとしては、例えば5人の内の誰かが犠牲になって、それを残った者
が貞操の危機にさらされながら助け出すとか、全員が餌食になっちゃうとか、
逆転サヨナラホームランで大阪が逆に組織を乗っ取ってしまうとか…。

468 :名無しさんちゃうねん :2004/01/16(金) 18:41 ID:???
誰でもいいSSをキボン!

469 :晩秋の夕方… :2004/01/16(金) 22:10 ID:???
…っぼっ…

 水原暦は暖を取るため石油ストーブの火をつけた。今日の外の天気は,
今年の冬の厳しさをうかがわせるほど冷え込み,コート無しでは寒くて歩けないほどだった。
冷え切っていた部屋の中の空気が,少しずつ温かみを帯びてゆく。
着ていた学校指定のコートを壁にかけ,カバンから教科書、ノート、参考書の三点セットを取り出し机に向かう。

 年明けの受験を控え,師走も押し迫った11月の末の夕方。既に太陽は沈み,あたりは黒く染まる。
窓から漏れる光と月明かりに照らされて見える風景は,どこかしらさむざむとしていた。

 ベランダへと続く窓の外から見えていたその風景,それを消し去るかのようにカーテンを閉める。

 「もう受験まで時間は無いんだ…。」

 今日友達がつぶやいた言葉が,未だに耳に残る。自分のペースで勉強をしてきたよみにとっても,
周りの空気が,少しづつではあるが,変化していくことを感じていた。4月の始業式の日にゆかり先生に言われた言葉,
「あんたらも今年は受験生」,その言葉の実感は,3年生の学校生活が進むにつれ,すこしづつ沸いてきた。

 ちよちゃんに榊ならまだしも,今日はあの智が,さっきまで自分に付いて,学校じゃなく区の図書館で一緒に自習していた。
流石に,智もようやく自分の行くべき道を真剣に考えるようになったのだろうか。
ICPOが冗談か本気かは別にしても,自分自身に対して,正面から向き合える一人の人間になったことは,
悪友であれどもやはり評価すべきだろう。

 彼女はしょっちゅうウチにやってくる,まるでよみの部屋が自分の隠れ家のように,そして3日と空けずに。
よみの母は智の事を小学校の時から知っている,だから智を,まるでよみの妹のように相手にしている。

 ちょっと前なら,よみは智がウチにやってくるのは,まんざら嫌な事ではなかった。だけど,やはり自分のペースがある。
それによみは,絶え間ない努力をコツコツ重ねるタイプだ,ちょっとのサボりがすぐに実力ダウンに繋がる。
だから,最近は智にはウチに来るのをなるべくやめて欲しいと,面と向かっては言わなかったが,
長年の付き合いを信じてそぶりで解かってもらおうとしていた。

470 :晩秋の夕方… :2004/01/16(金) 22:11 ID:???
 それが通じたかどうかは解からないが,ここ最近は,智とは通学路と学校以外では顔を合わす機会が無い。
今日図書館で一緒に勉強したのも何時以来か,直ぐには思い出せない。

 智と一緒に勉強すると別段勉強がはかどるわけでもない,むしろ,心なしかペースが遅くなる。
智から色々話し掛けられたり,それに乗ったり,智がわからないところを教わりに来たり。
その遅れを取り返そうと,今日は何時もよりこなす量を多めに取った。

 幸い,勉強の方は興に乗り出した。この勢いなら,今日の遅れの分を取り返してあまりあるかもしれない。
そんなさなか,ベランダの方からガラスをノックする軽い音がした。

 ベランダからよみの部屋に入って来ようとする人物は智,その一人しかないはずだ。
そんな無粋な人物に対しては無視を決め込むのが一番だろう。何度かノックの音がするも,
よみはその音を無視して勉強を続ける。せっかく調子が乗り出したのだ,
ここで中断してはまたいつノリが良くなるかはわからない。第一,智にしても自分ひとりでやるべき事を見つけたはずだ。
彼女のためにもここは無視すべき。何度ノックされようが,よみは聴こえなかったそぶりで参考書から目を離さなかった。

 しかしながらノックの音の主は,よみがサッシを開けるのをせかすようにノックの音を続ける。
いくら昔からの友達でも,こうも諦めが悪いのだと流石に折れる。
外はさらに寒さは厳しくなっているはずだ。よみは立ち上がりカーテンの開けた。

 そこに映っていた顔は…さむさに震えながらも笑顔でよみを見つめている大阪だった。

 よみはすばやい手つきでサッシのカギをあけ,窓を開いた。

 「よみちゃんありが…」

 大阪の声を聴く間をもたず,彼女の腕をひっぱり部屋の中に引きずり込む。
よみがつかんだ,大阪の着ていた黒いスェード地のスタジャンはとても冷たく,外の気温の寒さを物語る。

471 :晩秋の夕方… :2004/01/16(金) 22:12 ID:???
よみの目に映る大阪の姿…潤いを失いカサついた髪,そして赤く染まった頬が,寒さを物語る。

 しかし,一体なぜに,わざわざ自分の所までにやってきたのだろうか,よみには見当もつかない。
冷え切った大阪を暖めるため,ストーブの強さを一段階上げた。先ほどまで寒さに震えていた大阪は,
今はベッドに腰をかけ,着ていたジャケットを脱ぎ,毛布を肩にかけて暖かそうにしている。
足は真っ白な靴下のまま,多分靴はベランダに登って来た時に脱いだのだろう。だとしたら文字通り,
つま先まで寒さにさらされていたはずだ。

 よみに一抹の不安がよぎった。今ここで大阪にカゼでも引かれたら勉強どころじゃなくなる。
大阪のおでこをよみの額と重ねる。

 「熱は…無いようだな…あんなに寒いところにいたのに…。」
 「えへへ。生まれてこの方,カゼだけはひいた事無いのがとりえやねん。」
 「寒かったろ…なにか暖かいもの持ってくるよ。」
 「お〜きにな〜。」

 よみは大阪を置いて部屋を出て行った。一人大阪はよみの部屋の中を見回す。
かおりんや千尋達と度々この部屋に遊びに来ていたから,見ている風景にはなじみがある。
女の子にしては飾りっ気の無い,シンプルな部屋。

 置いてある家具も少なく,小さなタンスと学習机に背の低いテーブル,それにベッドとサイドテーブルだけだ。
ぬいぐるみも無い,ポスターも無い,あるのは必要最低限の家具。
几帳面なよみらしく整理整頓が行き届き,掃除もされホコリ一つ見つからない。

 その張り詰めた緊張感のある部屋の中で,アルミで出来たフォトフレームがひときわ目立っていた。
映っている写真はよみと智,制服は紺色のセーラー服,大阪の知らない,二人が中学生だった頃の写真だ。

472 :晩秋の夕方… :2004/01/16(金) 22:12 ID:???
 「智とは一度,別になりたいけどな。小学校からずっと一緒だ…。」

 前によみが言っていた言葉が脳裏に響く。ずっと一緒だった二人。
自分は神戸,大阪と渡り歩いて,ようやく安住の地とも言える場所に落ち着いたけど,
「よみと智」のような「幼馴染」と言えるような旧知の友達はここにはいない。
大阪が知らない智に,大阪が知らないよみを,二人は知っている。
その二人のカンケイが,大阪は正直うらやましい。けれども,それだけの間長い間付き合っていた二人も,
卒業と同時に別れるのかもしれない。その時,二人はどんな気持ちになるのだろう…。

 「おまたせ。」

 大阪が振り向いた先には,よみが漆塗りのおぼんに雪のように真っ白な,
陶器のマグカップを二つ載せて立っていた。

 「いいでしょ,そのフォトフレーム?」
 「かっこえぇな〜…よみちゃん,これいつの写真なん?」
 「えっと確か…今の高校の合格発表を見に行った帰りに撮ったやつだ,
ほら,ちょっと私の目が腫れてるだろ?」
 「あ,ほんとや…ちょっと赤いな〜。…泣いちゃったん?嬉しくて?」
 「うん…。今思うと,智と離れるのがちょっと怖かったのかもな…。
アイツにこの事言ったって言うなよ。」
 「わかったで…。」

(つづく…)

473 :眠い名有り :2004/01/16(金) 22:50 ID:???
>>433-435の続き。

「ねぇ、よみさん、まだ起きてますか?」
「なんだ?まだ起きていたのか。」
「ええ、明日で…ここを離れるんですよね。」
「ああ。」
「風藻さん達とも別れるんですよね。」
「そうだな。」
「本当のこと、話さない方がいいんでしょうか…」
「ああ、そう思う。過去を知ったら、あのことも…」
「でも…私は…」
「今あいつらは姉妹としての絆がある。その絆を傷つけることになる。そんなことはしたくないんだ。」
「…そうですよね。これからも風藻さん達と友達になればいいんですよね。」
「そうだ。あのことはもう忘れよう。あのことは…」
―そうだ、あの後何かを見つけて…そうだ!バックの底!!
ちよはいきなり起きるとバックの中をひっくり返した。
「うわっ!ちよちゃん、何してるんだ!」
「ここの…あった!これ!!」
そう言ってちよは本を取り出した。

474 :眠い名有り :2004/01/16(金) 22:50 ID:???
「それ…智の読んでいた黒魔術の本…」
そしてページを開く。悪魔を呼び出す呪文、相手に呪いをかける呪文、入れ替えの薬、毒薬…
―あった!これ!入れ替えの…じゃぁやっぱり!でも誰が
その時1枚の封筒が本から落ちた。挟んであったようだ。
「ん?これは?」
「なんでしょう?」
二人はその手紙を読んだ。それは…
「あいつ… 本当にバカだよあいつ!」
そういったよみのほおには涙が伝っていた。
「私達は本当に言わなくていいんでしょうか?本当のこと…」

それとほぼ同時刻、ある人物は計画実行のための準備を完了していた。
―これで準備は整った。これであいつは…
その時、彼女の思考に一つの疑問が生じた。
―でも、いまさらこんなことをしていいのだろうか? いまさら…
しかし、彼女はすぐにその疑問を打ち消した。
―もう、遅いんだよね。もう…
彼女の目から一筋の光が落ちていった…

475 :名無しさんちゃうねん :2004/01/16(金) 23:02 ID:???
段々上達してきているな。
がんがれ〜

476 :名無しさんちゃうねん :2004/01/17(土) 18:30 ID:???
>>469-472
続きキボン!!

477 :ハ輪 :2004/01/17(土) 19:26 ID:???
智「大阪!!こっちだ!早く!!」
大阪「智ちゃん無事やったかー。今いくでー!」

大阪達は必死で走った。そして、無事に崖下へついた。

大阪「智ちゃん、これからどうすればいいのん?」
智「わからない。だが、とりあえずここにいれば弾はさけられる!だからじっくり
  作戦をたててから行動しよう!!」

不意にすぐ目の前の砂地が爆発した。崖下に隠れていた智達は爆風でなぎ倒された。

大阪「あかん!敵は迫撃砲の高度を上げて撃ちはじめたんや!このままでは
   もっと手前に落ちてくるで!!」
よみ「このままではいぶり出されて全滅する!一か八か突っきろう!!」
鈴木「この弾の嵐の中じゃ無理だ!!」
智「今はそれしかない!行こう!!」

その時、誰かが小銃を投げ捨て、頭を両手でかかえながら砂浜に飛び出した。

小島「冗談じゃない!私帰る!!」
伊藤「なにやってるんだ!戻れ!!」

小島とペアを組む伊藤が、小島を連れ戻すためにその後を追った。しかし、伊藤は
撃たれて倒れ込んでしまった。

伊藤「ぐわぁぁー!」
中澤「伊藤!大丈夫か!!?」

中澤は崖下から叫んだ。

478 :名無しさんちゃうねん :2004/01/17(土) 21:10 ID:???
う〜んこの智と大阪頭いいなぁ〜〜(笑)
あっ、八輪さん、改行は「、」「。」でしたほうがいいかもです。

479 :名無しさんちゃうねん :2004/01/17(土) 21:32 ID:???
「う〜んこ」の「智と大阪」? スカトロはけーん!

480 :名無しさんちゃうねん :2004/01/17(土) 22:08 ID:???
>>478
ウン━━━━(゚∀゚)━━━━コ!!

481 :名無しさんちゃうねん :2004/01/17(土) 22:09 ID:???
>>479
変なレスはひかえたほうが・・・・・。

482 :名無しさんちゃうねん :2004/01/17(土) 23:44 ID:???
>>481
えー! 軽くボケただけなのに。マジレスより、絶妙な突っ込みを入れて欲しかった。
まぁ、いいや。アデュー。

483 :481 :2004/01/17(土) 23:53 ID:???
>>482
ゴメンナサイ

484 :さかちー :2004/01/18(日) 01:06 ID:???
>>469-472
相変わらず丁寧に作りこんでいていい作品です。
よみの心理と思考がとてもわかりやすく書かれています。
特に>>470の後半部は一瞬にして移り変わるよみの態度が面白かったです。
話の展開がどうなるかはわかりませんが、期待しています。

ひとつ気になったのは、

>よみがつかんだ,大阪の着ていた黒いスェード地のスタジャンはとても冷たく,外の気温の寒さを物語る。
>
>471 名前: 晩秋の夕方… [sage] 投稿日: 2004/01/16(金) 22:12 ID:???
>よみの目に映る大阪の姿…潤いを失いカサついた髪,そして赤く染まった頬が,寒さを物語る。

レスを分けているとはいえ、「寒さを物語る」という表現が2行連続で出てくるのはよくないと思います。

485 :469-472 :2004/01/18(日) 03:44 ID:???
>>484
おー,忘れてたw
サンクスコ

486 :名無しさんちゃうねん :2004/01/18(日) 20:27 ID:???
んーかなり出遅れたが、くろまんがさんにリクさせていただきます。
ゆかり視点で、時間の流れとしては原作をベースにしたお話を希望。
できればエロ無しで、いつも奔放かつ横暴な振る舞いを見せるゆかりが、担任として
生徒たちをどんな目で見ていたのか、くろまんがさんの解釈で書いていただければ。

これ自分で書くモチベーションがあったんですが、ちょいと忙しくなってむりぽです
誰かにアイディアを託すならくろまんがさんしかいないと思ってました。
生徒たちはやや脇役にして、職員室の面々の人間模様を、シニカルでアンニュイなんだけど底のところには
優しさがある、そんな雰囲気で描くイメージでしたが、そこら辺は任せます。
スルーでも結構ですし、書いてくださるなら456さんの後でもいくらでも喜んで待ちますんで。

487 :くろまんが :2004/01/19(月) 18:58 ID:???
リク三件ありがたく頂戴いたしました。
もう少し待ってください。波を上手く自分でコントロールできません。
最近、体調が悪いうえに電波が降りてこないんで・・。

(これでショボイの書いたらしめられそうだな・・・ガクガクブルブル)

488 :名無しさんちゃうねん :2004/01/19(月) 23:31 ID:???
なんだかよくわからないけど、ageときますね。

489 :488 :2004/01/19(月) 23:31 ID:???
しまった!

490 :名無しさんちゃうねん :2004/01/19(月) 23:43 ID:???
>>487
わたしが電波送ろうか〜?
ほな、いくで〜。
みゅ〜ん、みゅ〜ん、みゅ〜ん

491 :名無しさんちゃうねん :2004/01/20(火) 01:04 ID:???
では…私は何か吸おう。
ちゅうちゅう…ちゅうちゅう…

492 :名無しさんちゃうねん :2004/01/20(火) 07:23 ID:???
思うのだが、自分のリクエストとかの前に自分で書いてみたらどうだ?
人に頼むのも否定しないけど、自分で作品を生み出すのも、また違ったおもしろさがある。(と思う。(ぇ)

493 :名無しさんちゃうねん :2004/01/20(火) 08:18 ID:???
>>942
リクエストされた人は頼られたみたいでなんだかうれしい
リクエストした人も好きな書き手さんのを自分が読みたかった内容で読めてうれしい
作品作りってそうだと思う・・・とりあえず僕はそう・・・・
それに今回はしてくれって作者さんが言ったのだから・・・・

でも自分で書いてみたらっていうのも賛成
どんどん作り手さんが増えて欲しい・・・・

494 :名無しさんちゃうねん :2004/01/20(火) 08:47 ID:???
>>492
純粋にくろまんが氏の文体が好きなのさ。

495 :名無しさんちゃうねん :2004/01/21(水) 18:26 ID:???
age

496 :名無しさんちゃうねん :2004/01/21(水) 19:27 ID:???
過去にガイシュツなのかも知れませんが、ちょうど6人なのでWizardryネタ
で誰か書いてくれないかなぁ。ってWizardry自体、マイナーかな。

自分で書こうと思って設定は考えていたけれど、巧く書けにゃい…。
舞台は#1 狂王の試練場
種族は全員人間で、職業は、
【前衛】
 榊 …侍(能力値ボーナスが高くて)
 神楽…戦士
 よみ…僧侶(後に転職して君主に)
【後衛】
 智 …盗賊(後に盗賊の短刀で忍者に)
 大阪…魔術師
 ちよ…司教
属性は榊・神楽・よみ・ちよが善、智・大阪は中立
その他のキャストは、
狂王トレボー …木村先生「一等賞〜!」
ワードナ   …何故かこれも木村先生
訓練場    …にゃも
ギルガメッシュ酒場…ゆかり先生
ボルタック商店  …かおりん
カント寺院  …千尋

497 :名無しさんちゃうねん :2004/01/21(水) 19:40 ID:???
ちなみにこんなスレがあります。

うぃずまんが大王
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1042816917/

498 :497=さかちー :2004/01/21(水) 19:44 ID:???
「うぃずまんが大王」も「スレッド探すスレッド」に
SSスレとして紹介するべきなんだろうか……?

499 :496 :2004/01/21(水) 19:56 ID:???
>>497
あ、ありがとうございます!!

スレタイが平仮名だったのか…。俺もまだまだだなぁ。
大分埋もれているようですが、サルベージしてみます。

500 :名無しさんちゃうねん :2004/01/23(金) 00:52 ID:???
>>498
読んだけどなかなか面白い出ないの。
紹介してもいいと思う。

501 :名無しさんちゃうねん :2004/01/23(金) 12:57 ID:???
「はじめから無かったんだ、私達に行き場所なんて…。そんなの
 わかっていた。戻れる場所だってなかったんだ!わかったよ。
 これが戦争なんだろ?あんたたち一生懸命戦っているんだろ?
 でも、死んだらみんなロウソクか!!」

と、言っている智を早く見たい。BRの続きをキボンヌ。

502 :age :2004/01/23(金) 15:42 ID:???
age

503 :名無しさんちゃうねん :2004/01/23(金) 23:07 ID:???
亀だが、486になんか惹かれた。つーか、イメージが湧いてきた。
俺が書いちまおうかとも思ったが、本人が是非くろまんが氏にって言ってるし、ここは見送るべきだな。
ネタスレにボンクラネタでも書くか…

504 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2004/01/24(土) 21:47 ID:???
>>486
……うーむ。ちょっと書いてみましたが、没。
何事にもストレートな彼女でサイドストーリーは難しいですね。
ここは「裏・ゆかり」みたいな感じで、原作で描写されていない
方面から原作の展開を破綻させない範囲で意外性を演出するのが良いと思います。
たとえば、彼女がコメディの演出上だとはいえ誇張されて妬み・恨みを
過剰に抱く性格でかつそれをその場で発散させようとする傾向。
これをなにかのコンプレックスに結びつけ、その上でトラウマを準備して
正伝のストーリー展開に搦めて心理描写のみでオチへと結びつけたりとか。

505 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2004/01/24(土) 21:51 ID:???
普通に書いたら、
美浜ちよの黒日記になってまう……

506 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2004/01/24(土) 23:10 ID:???
3本書いてこれが一番まともなので投稿してみる。


げんじつ (原作4巻125P)

 12月にもなると、担任してる生徒どもがちょっと
ブルーで雰囲気悪くて鬱陶しい。一部には滝野や大阪みたいに
余裕つーかまるで自分が受験生である自覚のたりねー脳足りんもいるが、
おおむねはごく普通のおつむだから、それなりに悩んでいるようだ。
これも青春というか、うちのクラスは戦力的には
良い――いやあまり役に立たなかったが畜生! ――が、
それは個人的に受け持つ私が面白いとか、体育祭で勝てるとか、
まあそういうことだ。

507 : :2004/01/24(土) 23:11 ID:???
 それでクラス担任なんてしちめんどくせー役割なんて
教頭のバカから仰せつかってる以上、
私としてもなんとかしてやらねばなーとはなんとなく
思ったり思わなかったりだが、暗くて鬱陶しいのはだいっきらいなので、
結局半分放置してるだけになってしまってるわけだが。
あー、新しいゲームの発売日じゃねーか。帰りに買おっと。
で、なんだったっけ? ――そうそう、放置しちまってるのは、
あーゆー青春てゆーかそーゆーもんはいくら前向きに
なんとかって言ったところで、またはえんえんと聞いてやったところでも、
まるで説得にもなんにもならねーわけだからさ。
私としては仲がいいフリくらいは出来るが、結局のところ、
あいつらが自問自答して解決するしかねーわけで、
こちらに出来ることっつーたら、カンフルだけさ。
そもそもカウンセラーみてーな器用な芸当、
私なんかにはできねーんだよ。

 バカだから。

508 : :2004/01/24(土) 23:12 ID:hSchvn7U
 うわ嫌なこと思った。なんで自分のことバカって。
私はお利口なんだぞ? ――だって、にゃもが彼氏とラブラブだったころ、
にゃもに気付かれずにいろいろ裏工作して別れさせることに
成功してきたんだからな。中学のときも、高校のときも、大学のときも。
だってにゃものやつ、私を世話してくれないものだから、
急に部屋が汚くなったり遅刻するようになったりして不便だったからね。
そう、私は、利口だ。

509 : :2004/01/24(土) 23:12 ID:hSchvn7U
 なのに教頭のやろう、私がバカだって? いったい何様だってんだ。
私はちゃんと生徒たちをすこやかーに導いてやってるじゃねーか。
ああん? 教師にだってちゃーんとなってるじゃねーか。
猫の毛皮を10枚は被ってなんとか3度目で合格したわけだけどさ、
担任だって受け持ってるんだぜ。世の中には、
担任になるまでに10年はかかる無能がごろごろいるっつってんのに、
私はぴちぴちで、お年玉もまだ貰える美貌で、担任だ。
けっしてこの学校が人手不足なわけじゃないよ?

510 : :2004/01/24(土) 23:13 ID:hSchvn7U
 ――なんだ? 大阪。私はいま忙しい……なんだってー!!
素敵な発想の生徒を育てられるだと? 大阪がかぁー?
「どうでしょう」って、なにゆーてんじゃ大阪ぁ! それに、ちよ助のバカ!
大阪のやつが教師なんかになれるわけねーだろ?
じゃあボンクラの大阪でもなれるような教師って、
どーゆー職業だってゆーんだー? 私だってなあ、
それなりに理想を持って目指して、やっとなれたんだぞ?
それが、思いつきでなれるような職業なわけねーだろ! 聖職だぞ聖職!
いちおう聖職なんだぞ! この野郎! うお、もう教室だ。
こういうときははえーな自分……とにかくちよ助だ。

511 : :2004/01/24(土) 23:13 ID:hSchvn7U
「ちよすけぇ!! あんた私をバカだと思ってるでしょ」
「??」
 驚きに見開いた眼で反応できてないちよすけ。
自分が犯した禁忌に気付いてねえ? この野郎! 繰り返して聞いてやる。
「あんた私をバカだと思ってるでしょ!」
 ……一瞬の躊躇のあと、いいやがった。
「はい」
 ちょーっぷ!

                END

512 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2004/01/24(土) 23:32 ID:???
>>503
創作意欲つーもんは、ヒントを元に脳内連想装置がスタートしたら、
そーゆー遠慮とは無関係に生まれてしまうもんやねん。
誰が発表してもええよーな感じにも取れましたんで、
くろまんがさんには悪いですが即興させてもらいました。
創作傾向は人によってまるで異なるので、
私の描くものはもちろんくろまんがさんの描くものとは
まったく異なるわけで、お題の重なりは関係ないと
思った次第であります。

513 :名無しさんちゃうねん :2004/01/25(日) 00:46 ID:???
おお、さすがはうちゅーさんだ! よいしごと!

514 :名無しさんちゃうねん :2004/01/25(日) 01:58 ID:???
さすがうちゅーさん、うまい。
これは黒日記なのか、普通の独白なのか……
どっちだとしてもおかしくないんだよな、ゆかりの場合。

515 :486 :2004/01/25(日) 10:37 ID:4GyjXdfg
>>うちゅーさん
俺とは違うイメージで書かれていますが、おもしろいです。ぜひ続けてください。
>>503さん
ぜひ書いてください。多くの書き手さんにそれぞれの個性と解釈で書いていただけたら、
それは非常に面白いことだと思うんで(てか単純に嬉しいし、光栄な事です)。
俺も春ごろには時間できそうになったんで、もうちょっと構想練ったら投下してみようかと思います。

516 :486 :2004/01/25(日) 10:39 ID:???
ええい感想なのにアゲちまった畜生。すんません

517 :ハ輪 :2004/01/25(日) 16:58 ID:???
伊藤は最後の力をふりしぼって立ち上がった。そして中澤にこうさけんだ。

伊藤「中澤!さ、榊を殺せ!俺の代わりにぶっ殺せー!!」

言い終えると、伊藤は力尽きてその場に倒れ込んだ。そして伊藤のペアである小島
の首輪から電子音が鳴り始めた。

小島「いや、いやー!誰か助けてー!!」

彼女は絶対に訪れる死の恐怖でパニックになり、そこらじゅうを転げ回った。そして
彼女の首輪は爆発した。

女子20番 小島

男子20番 伊藤 死亡 残り22人

不意にローター音が聞こえ、一同は上を見上げた。頭上には黒いヘリが飛んでいた。
そして、無線から声が聞こえた。

一一これより弾薬を投下する。弾は大切に、無駄撃ちはするな!

どこから来たかはわからないが、黒いヘリが上空に姿をあらわした。その横腹の窓
が開き、中から無数の物体が放り出された。そして、パッと空中で何かがひらいた。
パラシュートだ。このパラシュートには、それぞれ箱がくくりつけられている。
弾薬箱だ。

518 :ハ輪 :2004/01/25(日) 17:00 ID:???
智「弾だ!みんな行くぞー!!」

智はそう言うと、崖下から飛び出した。その後に一同が続いた。次の瞬間、敵は攻撃
を再開した。それでも一同は走り続けた。もし立ち止まりでもしたら、いつ、敵に狙
い撃ちされてもおかしくないからだ。しばらく走り続けると、さきほどヘリが投下し
た弾薬箱が見えてきた。一同はそれを立ち止まることなく拾い上げた。そして、もう
しばらく走ると、おそらく建物の一部であっただろうコンクリートの壁が見えてきた。

河田「みんなー。しばらくここに身を潜めて弾薬の確認をしよう!!」
智「そうだな。みんなー!!早くしろー!!!」

一同はそのコンクリートの壁に身を潜めた。そして、かおりんが一番に弾薬箱を開け
た。その箱の上ぶたには、なぜかアタリの文字が書かれた紙がはってあった。その箱
のなかには、弾や手榴弾などいろいろ入っていた。かおりんのすぐ後ろにいた千尋も
弾薬箱を開けた。その箱にはハズレと書いた紙がはってあり、中にはトイレットペー
パーが三つ入っていた。

千尋「と、トイレットペーパー?そんなのつかえないよう。」

千尋は今にも泣きだしそうな声で言った。そして、他のみんなも次々に弾薬箱を開けた。
一同はそれぞれ入っていた弾を自分の銃にセットした。その時、智は大切な事に気づい
た。

智「弾があるのはいいとして、これどうやって撃つの?」

519 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 20:00 ID:???
>>518

 ⊂ ヽ ミ ヽ ⊂ ヽ ミ ヽ ⊂ ヽ ミ ヽ ⊂ ヽ    
    \\ ∧_∧ ノノノ _∧ ノノノ _∧ ノノノ _∧  
╋┏┓ \ ( ´∀`) ゚∋゚)´∀`) ゚∋゚)´∀`) ゚∋゚)´∀`)
┃┣┫━━>  ⌒ヽ  ⌒ヽ  ⌒ヽ  ⌒ヽ  ⌒ヽ ⌒ヽ  ⌒ヽ  ━━┃┃┃
╋  ┃  /   . へ \ へ \ へ \ へ \ へ \ へ \ へ \.  ・ ・ ・
     /    /   \.\   \\ .\\ \\ \\ .\\ . \\ 
     レ  ノ    ノヽ_つノ ヽ_ミ  ヽ_つ ヽ_ミ ヽ_つ ヽ_ミ  ヽ_つ 
    /  /  /  /  /  /  /  /  /  / /  /  /  /  
   /  /|  /  /| /  /| /  /| / . /|/  /|  /  /|

520 :眠い名有り :2004/01/26(月) 20:18 ID:???
>>517-518
八輪さんキター

521 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 20:56 ID:???
>518モットモット!!!

522 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 22:13 ID:???
>>517-518
セリフの少ないシーンだから読んでいて少しかたい気がするけど、相変わらずイイ!!

523 :狂戦士大王 :2004/01/26(月) 22:27 ID:???
>>424-425

こうして「鷹の団」のメンバーは再び結集したのだ。そして、神楽の帰還を好機として榊救出作戦が開始された。
「私たちだってこの一年間、ただ逃げ回ってきたんじゃない」と暦。
かおりん達は逃げながらも王都に密偵を送り込み、情報を収集することに尽力してきたという。
その結果、榊は地下牢獄の奥深く、その最下層に投獄されていることが分かった。
そこから榊の呻きとも悲鳴ともつかぬ声が絶えず聞こえるのだということも……。
「ここ一ヶ月はその呻きすらも聞こえなくなったらしい。……急がなければならない」
部隊は二手に分かれた。部隊の主力はバックアップとして街道の要所要所に配置される。
そして少数精鋭からなる救出隊が王都に潜入することとなった。かおりん・神楽・暦・大阪の四名である。
「こんな所でどうしようってんだ」と神楽。一行が身を隠し辿りついた王都郊外。物寂しい墓地である。
「こーいう城にはいざというときに王族が逃げる隠し通路があるものなんだよ」
「そんなものが簡単に見つかれば傭兵なんて廃業だろ」と暦に毒づく神楽の前で、あっさりと墓石の下の隠し通路が露になった。
「傭兵廃業だな」
ぽかんとする神楽を尻目に皆が階下へと下りていく。
そして、地下水路へと続く暗い通路の奥底で待っていた人物とは。
「お待ちしておりました」
「――あんた、お姫さんじゃないか!?」
そう。神楽の前に現れたのはフードを被り、従者を従えたちよ姫だった。
「どうしてあんたがここに……?」
分けが分からぬ神楽を放っておいて、かおりんがちよに恭しく会釈をする。
「協力者がいたということさ」
暦が横から説明する。
「いくら俺たちでも内通者がいなければ王都に潜入するなんてことはできない。
彼女のような大物が協力してくれたから、救出作戦の計画も練れたのさ」
「――そんなことより、先を急ぎましょう」
松明を手にかおりんが促す。皆が続く。神楽は、しかし、今ひとつ釈然としないでいた。
いくら榊に好意を抱いていたからとはいって、王の娘であるちよが侵入者を手引きするという大それたことをするとは。
見れば、暗闇のなか橙色に映えるちよの顔は表情がなく、凍りついたような冷たさを照り返していた。

524 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 22:46 ID:???
↑ こっちもキタ━⊂( ^D^)⊃ ━| |゚ο゚)| ━ノwゝ゚д゚ノw━川□-□||━| || ’_ ’ )|━ヽゝ^〜^ν━!

525 :狂戦士大王 :2004/01/26(月) 23:16 ID:???
>>523

果てしなく続くかと思われた長い水路の先に冷たい外気と星々の瞬きが差し込んだ。
王城の内苑である。榊が投獄されている「再生の塔」はその外れにあるという。もう少しだ。
王宮だけあって、無論、あちこちに巡回の衛兵がうろついていた。神楽が剣を手に殺気立つ。
ところが、途中でてくる見張りはその度にちよが巧みに反らしてくれた。
衛兵たちはちよを見ると、皆一様に「姫様! 陛下からあれほど御出になるなと……」と驚くが、
ちよがずっしりと重い皮袋を手渡すと、皆一様にへらへらと愛想笑いを浮かべて消えていった。
「やるじゃないか。あんた! 私はてっきりあんたは自分じゃ何にもできない箱入り娘かと思ってたぜ!」
神楽の無礼な物言いに同じくフードを被った侍女二人がむっとした顔をつくるが、ちよが「いいんです」と手で抑える。
「その人の言うとおりです。私は、自分では何も決められない人間でした。今だって、あの人の為じゃなければ……」
「…………」
かおりんは陰鬱な面持ちでそんなちよを見つめていた。やがて――
「ここだな」
物陰から覗く夜空には石造りの古い塔が佇んでいる。番兵が二人立っていた。
「お姫さんはちょっと目をつぶっててくれよ」
大阪がちよの目を隠すのを見てから、暦は一気に茂みから飛び出し両手を素早く振りぬいた。
反応する暇もあればこそ。喉に投げナイフを突き立てられた番兵がドサリと地面に倒れ伏す。
「よし、行こう」
素早く塔の中に駆け込む一行。その背後で見守る視線に気づかずに。
塔の中は吹き抜けになっていた。天井へも、そして地下へも。
底知れぬ闇を湛えた深い穴。その巨大な縦穴の周りを廻るように掘り下げて、地下牢が設けられている。
一行は螺旋状の階段をひたすら地下へと下りていった。
「お聞きしたいのですが――」
かおりんが意を決したように口を開く。
「あの晩、榊さんの身に何が起こったのですか? あなたは、知っておられるはずです」
ちよは一瞬、びっくりした様に目を見開いたが、やがて俯き、か細く言葉をつむぎ始める。
「はい……みなさんがご想像しているように、私は榊さんと――」
かおりんが震える。そして、ちよがその先を言おうとしたとき。
「待て、ついたみたいだぞ」
神楽が先をしめす。松明の炎に照らされた先には行き止まり、そして最下層の牢獄が。
「話は後だ。先を急ぐぞ」
番兵から入手した、分厚い扉の鍵を開ける。一片の光も差し込まない牢獄の中には――
「榊……?」

526 :狂戦士大王 :2004/01/27(火) 00:42 ID:???
>>525 (グロ注意)

ぼんやりとした影が明かりに照らされてはっきりとした輪郭を有(も)った。
ヘルメットを被り、干物のように痩せさらばえた人間が倒れ伏していた。
背中の皮を大きくはがれ、筋肉の筋が丸見えになっている。
「! 榊……!?」
すぐに神楽たちが駆け寄る。抱き起こして神楽は戦慄した。
(手足の腱を切られてる……舌も……)
榊の体は見る影もなかった。
痩せこけて、皮と骨だけになったその体の、至る所がむごたらしく傷つけられていた。
体中の皮が剥がれて、あちこちに衰えた筋肉を露にしている。
力なく空けられた口に舌はない。両手足の手首と足首は、腱が切断されている。
乳首と陰核は切除され、性器には焼き鏝を当てて潰されていた。
呆然とするかおりん達をよそに、神楽と暦は震える手でヘルメットの鍵を開ける。そこには――
「!!」
息を呑み、硬直した二人の下に、「なに、なんなの!?」とかおりんが駆け寄ろうとする。
「近寄るんじゃねえ!!」
神楽は、近寄るかおりんを凄まじい声で一喝した。そうして、目を再び――
「そんなはずねえ……これがあの榊のはずがねえ……!!」
やがて――榊がうっすらと目を開いた。
「榊……!」
そう。彼女の目の前にはあの人物がいた。
闇の底に実を浸し続けた榊に唯一生きる糧となったその人物が。
消えてしまいそうになる榊の生を唯一繋ぎ止める楔となったその人物が。
榊が神楽の首に手を這わせた。
「!」
息を呑む暦の目の前で。だが、神楽は強くと榊を抱きしめていた。
震え、歯軋りしながら。必死に声を殺して泣いていた。
ヘルメットの上に涙が滴り落ちてくる。その下の榊の目がやがて細められていく。
そのとき。
「そこまでだあよ」
重い音を立てて、突然扉が閉められた。格子越しに醜い奇形の男が縋り付いていた。あのときの拷問官である。

527 :狂戦士大王 :2004/01/27(火) 00:43 ID:???

「もう、お前らおしまいだど。兵隊さん呼んだからな。おとなしくししてれ。
これでまた新しい玩具が手に入っただ。王様にも褒めてもらえるし。きしし」
「きゃあああっ!」
あまりに醜い風貌にちよが悲鳴を上げる。
「ひ、姫様。そんな声出さないでくんろ。それきずつくだ。すごく……」
神楽がゆらりと立ち上がった。
「――お前か、榊をこんなにしたのは?」
「お、怒っても無駄だど。この扉は並みの四倍の厚さがあるだ。ハンマーで叩いたってびくともしね。
それによ、王様が好きにしていいっていうからオラやっただ。だからオラ悪くね」
その言葉に泣き叫んでいたちよがぴたりと凍りつく。
拷問官は神楽たちはもはや何の抵抗もできないと思ったのか、得意げに語りはじめた。
「いやぁ、オラもそんな綺麗なしと手にかけたのは初めてだからよ。なんつうか、こう、拷問にもリキが入っちまってなぁ。
まず逃げ出せないように手足の腱を切ってよ、それからは飯と練る時間以外、皮剥いだり、焼き鏝当てたり、熱湯に浸したり、
オラたち夫婦みてえに付きっ切りだ。死なねえよう看病してやるのもオラだしい。離れられねえ仲って奴か。きしし!」
嬉々として『拷問官』は続ける。背中を向けた神楽の表情など知る由もない。
「それによ! オラほどの拷問のプロフェッショナルになると、うわべだけじゃない筋や筋肉の美しさも分かるだ。
いやぁ、感動したど。その綺麗な顔をぱっくり裂いたとき、中から覗かせたピンク色の筋。
筋も筋肉も百人に一人、いや千人に一人のべっぴんだぁ。あ、そうそう。見てくんろ。オラの宝物」
『拷問官』がなにやら取り出し、口に含んだ。
「舌だあ、そいつの」
瞬間、凄まじい衝撃が扉を揺らした。
「だからあ、無駄だって……ばっ!?」
二度目の衝突で神楽の大帯剣は扉をぶち破っていた。『拷問官』の胴体ごとに。
「おぎゃああああああ!!」
奇声を上げる『拷問官』の顔にか神楽はナイフを近づける。
「やめれ、やめれ!! やめれろ……」
「これから死ぬのに、二枚舌だと天国に行けねえだろ?」
「れろ!!」
刺し貫かれた奇形の体が痙攣し始める。舌が切り落とされた。
「駄目だ。お前の口は臭すぎる。地獄行きだな」
神楽が言い捨てた。断末魔の絶叫を上げながら、『拷問官かぎ』の体は縦穴の底へと落ちていく。
そこへ、ボウガンの矢が降り注いだ。
「そこまでだ。神妙にしろ!」
階上に駆けつけたミットランドの兵隊が。
「おい……おい! しっかりしろっ!!」
神楽に怒鳴られて、真っ青になって震えていたかおりんがようやく面を向ける。
神楽の目は……憎悪で塗りつぶされていたのだ。
「榊は頼んだ……いくぞ」
神楽は剣を手に竜巻のように駆け上っていった。

(続く)

528 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 09:56 ID:???
描写が、いい。

529 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 13:49 ID:???
思い切り引かれたか

530 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 20:25 ID:???
>>527
カエレ(・∀・)

531 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 21:30 ID:???
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
いいぞ、がんがれー♪

532 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 21:41 ID:???
>>530
ガンガレ!!

533 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 21:43 ID:???
ゆかりSSを書こうと思っているんですが、不慣れな事なもんで、大筋を考えているうちに
ちょっとした疑問が出てきました。予め二つだけお伺いしたい。
・ちょっぴり長くなりそうなんだが、SSスレの趣旨にそぐうだろうか
・原作には無い設定をつける行為はどの程度ゆるされるだろうか
今んとこ自分なりに、ストーリーのテーマと上記の問題との兼ね合いについて出来る限りの
検討をしています。住人さんの率直な考えを聞かせてください。

>>狂戦士大王さん
ともあれ、おつ

534 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 21:59 ID:???
>>533
(・∀・)ニヤニヤ

535 :533 :2004/01/28(水) 22:02 ID:???
なるほど率直だ

536 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 22:03 ID:???
>>534

> ・ちょっぴり長くなりそうなんだが、SSスレの趣旨にそぐうだろうか

いいと思われ。

> ・原作には無い設定をつける行為はどの程度ゆるされるだろうか

こればっかりは作品を読んでみないとわかんない。
原作に忠実でもカエレ! と言いたくなるSSもあるし、逆にかなり逸脱しててもグッジョブ!なものもあるし。
とりあえず、アプしてみたらどうですか?

537 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 22:23 ID:???
>>533

486の人?やっぱり原作のサイドストーリーなん?もしそうなら原作からぶっとびすぎるとマズイかもだ。
試しにその引っ掛かってる設定書いてみたら?

538 :533 :2004/01/28(水) 22:52 ID:???
>>536
やっぱり作品次第ですかね。やっぱりあげてみる事にします。ありがとう。
おそらく二月に入る頃には作品を出せるかと。

>>537
486です。
まず、ゆかりとみなもの人物設定がいじられます。ゆかりはただの能天気には描かれないし、
みなもも原作のような「いい先生」ではなくなるかもしれません。
あとこのSSにおいて、ゆかりは担任二回目でみなもは初担任となります。
書き進めるうちにまた変わるかもしれませんが、おおまかにはこんなところです。

539 :537 :2004/01/28(水) 23:04 ID:???
いいんじゃない?書いてみたらいいよ。後は書かなきゃわからん。
そんでダメなら誰かしらケチつけてくれるし。

540 :533 :2004/01/28(水) 23:06 ID:???
そうします。ありがとう。

541 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 23:36 ID:???
>>530>>532
逝ってよし

542 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 16:27 ID:???
>>541
オマエモナー

543 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 18:14 ID:???
久しぶりにこのやりとりを見たw

544 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 22:01 ID:???
555が来たらどうする?

545 :527 :2004/01/29(木) 22:49 ID:jP.jNIig
やっぱ、皆に愛されている榊さんをあんな目に遭わせたのがいけなかったのか……
原作どおりにしたんだが。続きどうしようか。

546 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 23:11 ID:???
ただ530と532が厨なだけでは?
確かにちょっと反感あったけど。

547 :名無しさんちゃうねん :2004/01/30(金) 00:51 ID:???
>>545
いや、元ネタとキャラ配置考えれば、当たり前の展開じゃん。
気にするなー。ガンガン書いて、現在連載のシーンまで早く追いつくのだー。

548 :名無しさんちゃうねん :2004/01/31(土) 21:32 ID:???
まあ、何にしても好き嫌いってのはあるから。
半分くらいの人がよければいいんでない?

549 :名無しさんちゃうねん :2004/02/01(日) 18:29 ID:???
「……で なんで逃げたりしたのん?」

ニコニコと可愛らしい笑顔を僕に向けてくる。

「別にそういうわけじゃ……ないです…」
「ほならどういうわけなん?」
「あの…来る途中でゆかり先生にプリント運ぶの手伝わされちゃって……それでその…」
「ふーん… 今ならまだ許してあげるで?」
「へ?」
「あんな〜?あたしさっきまでゆかりせんせーと一緒やったんやで?」
「……………で、でも」
「どうなん?」
「……その……ごめ、ごめんな…さい…
 本当は気づかれないように…帰ろうとしてました…」

大阪がそっと僕の頭に手を乗せた。

「別に嘘をつくことは悪いことやないんやで?」

目の奥が熱くなってきた…もう泣き出す一歩手前だぁ…

「あたしも今嘘ついてしもたし……
 ほんまはゆかりせんせーとは一緒やなかったんや……」
「そんなぁ…じゃ、じゃあ僕は…」
「でもな? ……君があたしを騙すのは…絶対にやったらあかんねんで?」
「いやだ…いやだよぉ……こっちにこないで…お願い……近寄らないでください…」
「大丈夫や…今日一日かけてじっくりわからせてあげるから…」
「わかりたくない……そんなのわかりたくないよ…」
「そないに暴れて……今日は痛くされたいん?」
「うぅ……」
「そうそう 素直なんが一番やで…」

大阪の手が、そっと僕の学ランのボタンを外しはじめた…

もうどうにでもなれ…

550 :名無しさんちゃうねん :2004/02/02(月) 01:10 ID:???
>>549って>>457とは別物?

551 :名無しさんちゃうねん :2004/02/02(月) 01:23 ID:???
似てるけど別物だと思う

552 :名無しさんちゃうねん :2004/02/03(火) 04:49 ID:???
一つネタを思いついたので

(コミックス2巻P142「遊び人」参照)

大阪「あっ 神楽ちゃん まっくろやー」
神楽「水泳部だからな」
大阪「なんか遊んでるーって感じや 遊び人やー」
神楽「汗)やっぱそう見える?」
ちよ「そうですねー 小学校の時クラスの男子とかそんな感じでしたよー」
大阪「そーゆー遊びとは ちょっと違う」
ちよ「?」
神楽「汗)」
とも「だから つまり ヤリ○ン ってことだよ」
ちよ「??」
神楽「真っ赤)ななな なにいってんだよ へ 変な事を言うな!!」
大阪「あー そやなー」
ちよ「・・・?ヤリ○ン ってどういう意味ですか?」
とも「えっとー それはね モゴモゴッ」
神楽「汗)ははは さあ 早く出発しよう(この馬鹿とも)」
ちよ「???」

ヤリ○ン?どういう意味なのかな・・・そうだ、神楽さんのことだから
元気が良くて『ヤル気まんまん』ってことかな、きっとそうだよね

553 :名無しさんちゃうねん :2004/02/03(火) 04:50 ID:???
後日、学校の運動会にて

※※「女子100m競争に出場する人はゲート前に集まってください」
神楽「さーて 本番だ 頑張るぜー!!」
よみ「おー 気合はいってるな」
神楽「なんてったって今日のメインだからな」
ちよ「全校生徒の注目の的ですよ」
神楽「応援よろしく頼むぜ みんな」

スタート間近 選手紹介のアナウンスが響く

※※「さあ3コースは2年3組・・・」
とも「よーし ちよちゃん 学級委員として神楽に一言 激励してやれ」
ちよ「ハ ハイ わかりました」
※※「優勝候補の 神楽さん でーす」
一同「ワァー パチパチパチ」

ちよ「大声)ヤリ○ンの神楽さーん いつもの調子で がんばってくださーい!!」

一同「――――えっ!?」

ちよ「Re大声)ヤリ○ン神楽さん! ヤリ○ンパワーでぶっちぎり 優勝だー!!」

554 :名無しさんちゃうねん :2004/02/03(火) 04:51 ID:???
後日談 

※プライバシー保護のため音声は変えてあります

「あの時の神楽ちゃんの顔はもう言葉ではいい表せれへんほど真っ赤やったな。
 ほんまトマトみたいやった、トマトやで 食べれへんけどな」

「それでさー、またアホな男子が煽るわけ『ヤリ○ン子 ガンバレ〜』ってさ
 もうあいつボロボロ泣いちゃってさ かける言葉もなかったよ
 ちよすけもよく言うねー わたしでも無理」

「もちろん、まともに走れるわけないさ。榊には負けちゃって。まあ記録は残らなかったけど
 記憶には十分残ったと思うぞ。運動会の後もそのままあだ名にされて随分からかわれてたな
 え?そのあだ名?私の口から言わせるつもりか」

「・・・・・・・・・・・まあ、ちよちゃんは悪気があって・・・その・・・い 言ったわけではないし・・・
 こ これ以上聞くな ぶっ飛ばすぞ!!」

「みなさんこの話をするとなんか様子がおかしいんです。聞いてないふりをしたり。
 どうしてだと思います? え? 何驚いてるんですか? でも神楽さんあれから
 学校中ですごい人気者になっちゃって。いろんな人から『ヤリ○ン』っていわれて
 神楽さんいつも照れていますよ」

 
 みなさん、数年後『ヤリ○ン』の本当の意味を知って恥ずかしさに身悶えする
 ちよちゃんを想像してみて下さい。

 どうですか?想像できましたか?

 それでおしまいです。

555 :名無しさんちゃうねん :2004/02/03(火) 13:26 ID:???
ゲロ笑った。
ところで最近書き込みが少ないのはやっぱり容量が心配だからかね?

556 :なも ◆zQyv8380ig :2004/02/03(火) 15:57 ID:???
神楽…強ぇw

そして顔を真っ赤にして身悶えするちよちゃん萌え。

557 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 01:01 ID:???
>>554
むしろ、意味を知って、泣きながら全力で神楽に謝るちよしか思い浮かばん。

558 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 02:21 ID:SLCC8iZ6
>>552-554
神楽たん可哀想過ぎる・゚・(ノД`)・゚・。
でも、このあとセクハラ攻めにあって悔しさに震える神楽たん萌えw
つーか、それが元になって男子によってたかって輪姦されたり(;´Д`)ハアハア

559 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 02:26 ID:???
>>558
本当に可哀想だと思ってる?

560 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 02:34 ID:SLCC8iZ6
微妙、つーか勃って来た

561 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 18:45 ID:???
ああ、神楽…

562 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 20:04 ID:???
>>555 今何バイトってか、あとどんぐらい書けんの?

563 :名無しさんちゃうねん :2004/02/04(水) 20:31 ID:jMGDry3M
>>562
IEで見れば左下のほうに現在の容量が出てる。
現在227kBで1スレの容量の限界は500kBくらいのはず。

564 :晩秋の夕方… :2004/02/04(水) 23:22 ID:???
 少しだけ恥ずかしそうに,顔を淡い桜色に染めたよみは,
おぼんをサイドテーブルに載せ,マグカップを大阪に差し出す。
鮮やかで柔らかい薔薇の香りを放つマグカップの中には,
ガーネットを溶かしたような,澄んだ赤色の飲み物が注がれていた。

 マグカップを触れた,赤みを帯びて冷え切った大阪の手は,
マグカップの暖かさのおかげで感覚がよみがえってゆく。
指先まで流れる血の勢いを,手のひら全体で感じた。

 そっと大阪は飲み物を口に含む。よみが気遣ってくれたのだろう,
猫舌の大阪でも飲みやすく,かといって,さめてぬるま湯のようになっているわけでもない,丁度良い温度。
口の中で,レモンやみかんのようなかんきつ類とは違う,
爽やかで優しい酸味が口全体に広がり,そしてバラの香りが口から鼻へと翔けてゆく。

 「これなんなん〜?」
 「ハーブティーの一つで,ローズヒップって言うんだ。赤色が綺麗でしょ?」

 よみの言葉を聴きながら,大阪は再びハーブティーをすする。
淹れてくれたハーブティーの味から,よみの趣味の奥ゆかしさを改めて感じる。
学校では,少なくとも智と一緒だからなのだろう,こんな彼女を見る機会はほとんど無かった。
だけれど,今の大阪の目の前には,一人の女の子,もとより,一人の成熟した女性のよみがいる。
智と一緒にはしゃいでるよみと,自分に気遣って優しくしてくれるよみ。
どちらが本当のよみなんだろう…それは大阪にも,よみ本人にも知るすべは無かった。

565 :晩秋の夕方… :2004/02/04(水) 23:23 ID:???
 「でさ,今日は何しに来たの?こんなに寒いのに…。」

 デスクワーク用の黒い椅子に深く腰をおろしてよみは大阪に問い掛けた。

 「あ〜,そやそや。これ…よみちゃんと一緒に…。」

 厚手のキャンバス地の,真っ白なトートバッグから,大阪は白いボール紙で作られた小ぶりの箱を取り出した。
空けられたその箱の中には,白い陶器の皿に映える,黒玉のような気品のある黒色のチョコレートケーキが二つ。
よみにはそのケーキには見覚えがある。カカオが練りこまれたスポンジケーキを,
甘さを抑えたビターチョコレートでコーティングした「ザッハ・トルテ」。
そんじょそこらの甘いチョコレートケーキとは違う,高貴な苦味と甘味バランスが絶妙なこのケーキは,
よみが一度食べてトリコになったケーキだ。だけどなぜに,大阪が今ここに持っているのだろう?

 「妹と一緒に作ったんやけどな,作りすぎてもうたんや。
今朝焼いたもんでな,今日中には食べヘンとわる〜なってまうねん。
でな,いつもよみちゃんによくしてもろうてるから,一緒にどうや〜っちうことやねん。」

 確かに,三角形に切られたそのケーキは普通よりも大きめ,ということは,このケーキを作った段階では,
どれだけ大きな円を描いていたのかが察しがつく。そして,こんな大きなケーキが焼けるということは,
春日家のオーブンはかなりの大きさということになる。

566 :晩秋の夕方… :2004/02/04(水) 23:23 ID:???
 「あ,それじゃ下からフォークを…」
 「いまここにあるで〜。」

 大阪はカバンの中から,緑色のねここねこのフォークとお皿をそれぞれ取り出した。
彼女にしては用意周到だなとおもいつつ,よみは期待もしていなかったティーパーティーを味わうことにした。

 受け取ったフォークでケーキの鋭角を崩し,食べやすい大きさにそろえて口へと運ぶ。
体温で解けるビターチョコレートの苦味もきつすぎず,それでいて甘味も抑えてあり,
よみ好みのオシャレな味わいだ。

 「結構いいじゃん,妹って料理上手なの?」
 「そやで〜,私よりすっごい上手やねん!これ作ったのも殆ど妹一人やで。」
 「大阪は何したの?」
 「チョコレートを混ぜたり小麦粉の分量量ったり,あと味見ぐらいやな。」
 「けどさ,このケーキって味のバランスが大切よ,大阪も意外とやるじゃん。」
 「でも…」
 「自信持ってもいいと思うよ,味見だって,十分立派な才能の一つだと思うし。」
 「そうなん〜?嬉しいわ〜。」

 ほめられる事なんて,人生で数度しか思い出せない大阪。
ツッコミ上手で人を見抜くのがうまいよみの言葉は,大阪にとって心地のいい言葉だ。
いつもは苦いけど…その中にあるほのかな甘味がやさしい,
ちょうど,今口の中で広がるケーキの味わいのように。

(まだまだ続く…。)

567 :可哀想な神楽さん :2004/02/05(木) 04:15 ID:???

始まりはちょっとした切っ掛けだった。それがどんどん悪い方向に彼女を押し流していった。
潜在的な悪意と嗜虐は今、水面上にはっきりとした形を取って波紋となり、巨大な波を起こして彼女を飲み込もうとしていた。
――悪夢のみなもに。

「きやがったぜ」
「ヒヒ」

男子生徒が何人か薄ら笑いを浮かべる。彼女が近づいてきたから。
教室の扉を前にして彼女の絶望はどんどん膨らんでいく。

ガラガラガラ……

……果たして教室の中で彼女を待っていたのは冷たい侮蔑と下卑た好奇の織り成す悪意の波動だった。
そして、黒板を目にして彼女――神楽は、全身を石のように硬直させた。

568 :可哀想な神楽さん :2004/02/05(木) 04:16 ID:???

『ヤリマン 神楽』

あの日の事件以来、神楽に対するからかい、侮辱はどんどんエスカレートしていった。
もはやそれは悪質なイジメといってよかった。男たちの「ヤリマン、ヤリマン」と囃し立て、
スカートをめくっては逃げる遊びなどはむしろ可愛げのあるものになった。
今や、男子生徒たちは平然と神楽に性的な暴力を振るうようになった。
女子たちのそれはもっと陰湿であった。徹底して神楽を無視し、汚いものを見るような目で
あざ笑いながらコソコソと陰口をたたく。そうして、短慮な男子生徒たちを使嗾しては、
よってたかって神楽に性的な暴行を加えさせたのだ。

「ねえねえ、神楽さんってちょっと私たちと感覚違わなくない?」
「ちょっとずれてるよね。面と向かって人にバカとか言ったりしてさ」

元々、こうなる要素は潜在していた。はっきりとものを言い、何事もさばけた神楽に反感を感じる女生徒は少なくなかった。
平気で男子生徒の輪に入っていき、そして男子からも人気があったのも(勿論、プロポーションの良さの為なのだが)悪く働いた。
しかし、それはあくまで潜在的なものであるはずだった。

569 :可哀想な神楽さん :2004/02/05(木) 04:16 ID:???

神楽が席につく。するとその場の空気がすぐに異質なものへと化していった。
口々に薄ら哂いを浮かべて彼女に集中する視線。押し殺したような沈黙。
暗黙のうちに交わされた悪意の波動。それに射ぬかれて神楽の心はボロボロになっていく。

ふらふらと、神楽は席を発った。いたたまれなくなったのだ。
そうして、窓際で固まっている五人組へと近づく。
こんなとき、助けてくれる友達がいる。いや、いるはずだった。
現にはじめは彼女を庇ってくれたのだ。

「あ、あの……」

返事は無い。神楽が近づいた瞬間から五人は押し黙り、面白くもなさそうな顔でそっぽを向いている。

570 :可哀想な神楽さん :2004/02/05(木) 04:17 ID:???

「あ……私も、仲間に入れてくれないかな……?」
「――あのさ」
不意に智が口を開いた。
「お前ウザいんだよ。消えろ」
瞬間、神楽は凍りついた。目を大きく見開き、そのまま氷の彫刻のように硬直してしまった。
そんな彼女に五人は冷ややかな視線を向けている。
「聞こえなかったか、消えろって!!」
「痛っ!」
智が、ドンと神楽を突き飛ばした。尻餅をつき、床にしたたかに腰をぶつけてしまう。
「迷惑なんだよ。早くあっち行ってくれ」
「あんたおるとなぁ〜、わたしらまでイジメられてしまうやないの〜。どっか消えぇな、なあ」
口々に残酷な言葉を投げかける。かつて親友だった少女たちは。
「さ、榊……」
神楽は縋るような目をその内の一人に向けた。黙って机についていた榊が口を開いた。
「死ね」

571 :可哀想な神楽さん :2004/02/05(木) 04:17 ID:???

……やがて、予鈴が響き渡る。

「おい、あの先生今日も遅刻だってよ」
「やりぃ! 一時間目自習じゃんよ。それなら……」

猿轡、ロープを手に手に、男子たちがその肉の塊に近づいていく。
そう。それは男にとっては劣情を喚起する芳潤な肉人形だった。
だが、彼女にとっては、もはやただの肉塊でしかなかった。

572 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 13:48 ID:???
おいおい、かんべんしてくれYO!

573 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 14:00 ID:2k3KGfNM
グロは結構平気だが、「可哀想な〜」のようないじめ系は
何故か苦手だ。

574 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 16:51 ID:???
こういうのがうpされたときに毎回誰かが賞賛するが、
そいつは相当心が歪んでないか?

575 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 16:54 ID:RGhNxn42
>>574
うーん、そうかな? 躊躇なく徹底的に書ける人ってのは、自分にはそうそうできないので素直に感心してしまうのだけど・・・
本当の「黒」を知らない人は、真実の「白」もわからないと思う。

576 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 17:16 ID:??-aMtMrCa6
あずまんがのキャラをイジメ殺すほど楽しいことはない。

577 :575 :2004/02/05(木) 17:34 ID:???
>>576
うん? それはちょいとゆがんでますよ? あ、ネタ?

578 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 17:45 ID:???
幸せに暮らしていた少女達がムゴイ目に遭い
ズタボロに壊れていくのをみるとゾクゾクする。
たまんない。

579 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 17:47 ID:???
>>578
確かに歪んでるけど、自分の理解出来ない物を徹底的に叩くのも歪んでる。

580 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 18:57 ID:???
>>573 579
そこはかとなく同意。
一番見苦しいのは、自分の価値観が絶対的に正しいと思ってるよういな発言だと思う。

>>563
たしか大阪板じゃ250kbくらいしか書けなかったと思うのは俺の妄想か?

581 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 18:59 ID:???
↑スペース入れ損ねた。573と579に同意ね。

582 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 21:41 ID:???
「禁煙」と「喫煙」が分かれているスペースではさ、「喫煙」の所でタバコ吸うのは当然の権利。
しかし、分かれていない場所で、近くに誰かいたら「吸っていいですか」と訊ねるのがマナー。
もちろん聞かれたほうも、自分はタバコが嫌いでも「どうぞ」と許す寛容さが期待されるけど。

黒ネタもタバコと同じじゃないかな。

583 :さかちー :2004/02/05(木) 22:57 ID:???
どんな偉い人に諭されようと、どんな正論を並べ立てられようと、
俺はあずキャラが酷い目にあったり酷いことをする話は嫌いだし、
そういうものを書いた人にいい感情は持たない。
彼女らはいいところも悪いところも含めて魅力的な人間だと思うし、
そういう面がたくさんの人に愛されているし、俺もそれを気に入っているし、
いい人、好きな人には幸せになってもらいたいから。

彼女らに理不尽な不幸が訪れることがどうしても我慢ならない。
どの主張に理があろうとなかろうと、そこだけは認めてもらいたい。
俺にとってはタバコは百害あって一利なしなんです。俺にとっては。
(もちろん、そういう話を書いた努力と労力は認めます)


そして俺も人に対する理解を深めたいので、お尋ねします。
どうしてあずキャラが酷い目にあう話を読んで喜ぶのでしょうか?
「好きな人に意地悪する」心理は理解できても、
「好きな人が酷い目にあって喜ぶ」心理は理解できません。
説明していただけるとありがたいです。

そもそも、そういう人はあずまんが大王を好きなんでしょうか?

584 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 23:04 ID:???
サディズム。

585 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 23:04 ID:???
美しいものを壊すことは美しい行為です
魅力的で誰からも愛される少女が無残に壊されていくのは最高の快楽です
幸せにならばければいけなかった人が理不尽な死を迎えるのは至高の絶頂をもたらしてくれます

586 :さかちー :2004/02/05(木) 23:10 ID:???
>幸せにならばければいけなかった人が理不尽な死を迎えるのは至高の絶頂をもたらしてくれます

だからなんでそうなのかを説明していただきたいのですが……
(全部サディズムで説明つくのでしょうか?)

587 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 23:15 ID:???
無粋だなw切ないラブストーリーとかみて腹をたてたりするクチか?

588 :名無しさんちゃうねん :2004/02/05(木) 23:31 ID:???
>>583
自分の意見は絶対に曲げないと宣言しながら、
他人の趣向を批判しだす神経がなんとも(ry

いや、程ほどにしときますが(w

589 :564-566 :2004/02/05(木) 23:58 ID:???


       _,..-――-:..、    ⌒⌒
     /.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::.\      ^^
    / .::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::..ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  :::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::
   :::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::
     :::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::     ∧_∧
      ::::::::::::::::::::::::::::       ( ::;;;;;;;;:) 夕日がきれいだね…。
        ::::::::::::        /⌒`'''''''''''^ヽ
               /⌒ヾ/ / .,;;;;;;:/.:;|
-―'――ー'''‐'ー'''―‐'―''''\,./ / .::;;;;;;:/‐'| :;|'''ー'-''――'`'
 ,, ''''  `、 `´'、、,   '''_ソ / `:;;::::ノ,,, | :;| '''  、、,
    ,,,   ''  ,,   ''''' ξ_ノ丶ー'ー< ,ゝ__> '''''  ,,,,
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,, '''''''      ,,,,       ,,    :::::::::::::;;;;;;;;::::::

590 :春日すばくはく ◆kN/JYlFSNI :2004/02/06(金) 00:20 ID:???
>>589
>>564-566
>>469-472

お疲れ様でした。
……まだ連載の途中以前みたいな感じだったので突っ込んだことは言えないのですが、
なかなか良かったですよ。
こういうほのぼの系は私好きなんで。

ややこしい連載形式には個人的には反対派なのですが……
……というか、さっさと逝くところまで逝って欲しいですw

ひとまず、続きを楽しみにしてます。

591 :伯爵 :2004/02/06(金) 00:41 ID:???
>>564-566
 ザッハトルテは生クリームと一緒に食べるとウマーですな。
あれはなかなか焼き具合が難しいと話しに聞いたことがあります。
 ビターなよみとミルクチョコな大阪の物語の続きをお待ちしております。

592 :名無しさんちゃうねん :2004/02/06(金) 01:01 ID:???
「SSを発表するスレ」であって「議論する」スレじゃないから、あまり白熱してSS書く方のやる気を削いでは
元も子もないし。

ノーマル(萌えBB的には、百合もこの範疇?)なSSと黒いSSは別スレに住み分けりゃいいじゃん。
>>582的にいえば、禁煙席と喫煙席を分けるように。
でもこの板、SSスレ多いから新設するのもどうかと。
このスレをいっそ喫煙席にしちまってヤニでまっ黒にしちまうのも吉か?

>>583
個人的には、あんたの考え方嫌いじゃないぞ。がんがれ。

593 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2004/02/06(金) 07:36 ID:???
さかちーさんに対する煽りレスはすべて単なるヤジにすぎない。
議論とは相手を気に入ってるとか気に入らないといった感情論を
度外視して進めるのが本道で、その原則を無視する名無しには感心しない。
よほど訓練を受けた弁論の達人でない限り、人はなにかを語るだけで
必ず矛盾が生じる。その成分をフィルターを通して除き、
残った本質のみで語るべきであり、喧嘩がしたいなら他でして頂きたい。
ここはSSに関して語るスレだ。SSに関しての好き嫌いは範疇内だが、
個々人の好き嫌いをしかも名無しになって語るのはマナー違反である。

594 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/06(金) 09:01 ID:???
某スレのように、過激な内容になる場合は
タイトルに【閲覧注意】などと付けておけば
よろしいのでは?

595 :名無しさんちゃうねん :2004/02/06(金) 10:40 ID:???
それでいいじゃん。もうこのネタは終了

596 :名無しさんちゃうねん :2004/02/06(金) 23:54 ID:???
>>552

>>567
を描いたのは同じ人ですか?

597 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 09:53 ID:???
エロパロ板にスーフリネタ(閲覧注意)がうpされてたけど
ひょっとしてくろまんが氏復活?

598 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 13:30 ID:???
>>580
妄想です。SS書きの控え室などの容量がいっぱいになったスレをみてください。

>>597
その質問はエロパロでしたほうがいいのでは?

599 :N :2004/02/09(月) 15:49 ID:???
書いてやってんのにガタガタいってんじゃねえよ、クズどもが

600 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 15:54 ID:???
そんな0.1秒で偽者とわかる騙りをやらなくても……

601 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 20:38 ID:???
age

602 :ゆかりとおはなし(序文 1/3) :2004/02/09(月) 21:30 ID:???

 ある空想の話をしたい。なんの成果も生じない、不毛な空想であるのだが……
「自分を過去からやり直せる」という仮定と、それに基づいて巡らされるとりとめのない想像。
即ち、人生を遡って、かつて若さに任せて食いつぶしてきた時間を一分の隙もなく有用に消費し、
自分の世界を再構築する機会を得たなら、どうか……ということである。

 こうして書いてみても気恥ずかしく、苦笑いしてしまって、
人に聞かせるのも憚れる絵空事のようだ。けれど、何かにつけてそうした夢想に
没頭したがる人というのは、案外少なくないようである(けっこうみんな能天気だ)。
彼らはその白昼夢において貪欲に知識を吸収したり、意志はあってもして来なかった努力で
才能を丹念に磨いたり、恐れない行動力によって地位や人脈を築いたり、
まあそんなこんなして、理想的な自己を形成していく。
想像力豊かな人であれば、幾多の苦難と試練を乗り越えて
途方もない夢を成し遂げたりするかもしれない。事実無根の成功秘話に拍手喝采、みたいな。
もう目も当てられない。どうしようもない。どうしようもないが、そんなに悪いわけでもない。
思いのほか、現実に立ち返った時惨めな気持ちにもならないものである。

603 :ゆかりとおはなし(序文 2/3) :2004/02/09(月) 21:30 ID:???

さて、ようやく彼女、谷崎ゆかりの出番だ。
ゆかりは現在、彼女自身も生徒として3年間を送った某私立高校に英語担当の教師として
勤めているのだが、教師という職業は彼女にとって決して夢と呼べるようなものではなかった。
ではどうして教師なのかと言えば、それは単に結果なのである。
彼女が彼女として20余年を生きたゆえに、高校教師という資格を手に入れた。
そしてうまい具合に母校の教壇に立てることになった。
つまりはそれが結果であり、それだけのことなのだ。

 彼女もまた、時に理想の空想に泳ぐことを好む癖を持っていた。
その度ごとに異なる設定を練り、いい加減なストーリーを綴るのだが、
そこへ必ず水を差すようにふらふらと浮かんでくるのが、志を抱いていた友人の思い出であった。
中2か中3のクラスメートに、柔道で全国大会に出場した娘がいたっけな。
末はオリンピックだとか何とか大真面目に言って毎日遅くまで練習してた。
高校の時の親友、成績悪いくせに医大目指して猛勉強して、
おかげで私たちとは疎遠になっちゃったけど、今ごろ立派な女医になってるだろうか……。
 そんな事を考え出したところで、彼女の空想遊泳はおしまいになる。
あの少女たちには、その年頃にしか持ち得ない、特殊とも言える情熱があった。
ゆかりにはなかった情熱だ。
遊びたくて大学にあがり、ちょっと得意だった英語で教員免許を取った。
行き当たりばったりの青春を送ってきたゆかりには無縁の感情。
 もし私にもあの娘たちのように、情熱に震えるエネルギーを注げるだけの何かがあったなら、
少し違う今だったのかもな。適当にまとめて落ち着くと、彼女はいくぶん意識的に
口元だけで笑う。まるで人事であるかのような、皮肉な笑いかたである。

604 :ゆかりとおはなし(序文 3/3) :2004/02/09(月) 21:31 ID:???

 後悔があるわけではない。むしろ現状に満足もしている。
昨年の春からは、初めて担任として2年生のクラスを任されている。
横暴ではあるが、若く快活なゆかりは生徒たちからもそれなりに親しまれており、
好き放題やりながらもどうやら無事に担任の務めを果たせそうである。
 そして彼女は、このクラスと1年間向き合い、一つの確信を持った。もしくは決意といっても
いいのかもしれないが、それはつまり、自分の教師という仕事に対する姿勢についてである。
夢を追っていった友人たちの漲りに引け目を感じたくはなかった。
自分の生きた青春を無為の一語で否定するのも嫌だった。
私は何も変わらない。私は私として、1年間やって見せたじゃあないか。
実績がゆかりに自信を与えたのである。
好きなようにやればいいさ――ゆかりはそれを信条とした。


 もうすぐ3月。
自分を担任として受け入れてくれた最初の生徒たちとはお別れ(まあ同じ学校には通うんだけど)。
 そして、前庭に立ち並ぶ桜の木々が色めき、におやかに咲き誇って……
あるいはもはや春風に吹かれ散ったその花が虚空に乱れ舞って……
淡紅色に彩られた校門が新しい生徒たちを迎え入れる頃、ゆかりはそいつらの担任となる。

605 :ゆかりとおはなし(第1話 1/8) :2004/02/09(月) 21:32 ID:???

「ねえ、起きなさいってば……ゆかり、ちょっとほら……」
ゆかりは友人の声に対して全く無反応であった。起こしている友人にしてみれば、
わざとそうしている様にしか思えないほどである。
「起きろって言ってんでしょ!起きろったら、ゆかり!」
友人が苛立って声を荒げると、ゆかりはようやく思い瞼を上げた……が、それも束の間の事で、
再び目を閉じて間の抜けた声で呻くと、頭から毛布をかぶってそっぽを向いてしまった。
 かわいそうなのは友人である。毎度の事とはいえ、いい加減嫌にもなってくる。
このあわれな友人――黒沢みなもは、ゆかりとは職場を同じくする教師であり、
また中学校からの旧い付き合いであって、二人の間柄はさしずめ親友……そうでなければ
腐れ縁とでも言えるような性質のものだ。
 その腐れ縁の友人から見て、ゆかりのだらしなさときたら学生の頃からちっとも進歩がない。
まったく世の中にはこういう馬鹿を叩き起こすプロフェッショナルがいても良さそうなものだがと、
みなもは近ごろ本気で考えるのだが、さもありなんである。
「起きろ!こら!春休みだからっていつまでもだらだら寝てんじゃないの!」
みなもがむりやり毛布をはぎ取ると、やっとゆかりは面倒くさそうにリアクションをとった。
もっとも、依然目は閉じられたままであったけど。

606 :ゆかりとおはなし(第1話 2/8) :2004/02/09(月) 21:33 ID:???

「……んー……?……今日なんかあったっけ……?」
「あんたが焼肉食べに行こうって言ったんじゃない」
「そうだっけ……あー……じゃあいいや。それ中止」
「え?何言っ……いやそれはいいわよこの際!でもあんたもう夕方よ!?夜まで寝てる気なの!?」
「うーん……朝日がまぶしくってあんたの声が聞こえないぃ……」
「だから夕日だってばそれ!ていうか意味わかんないこと言ってごまかすな!
いいから起きなさい、早くほら!」
ここまで言われて、はじめてゆかりは(毛布もないので)起き上がった。
着崩れした寝巻き。ボサボサの髪を寝ぼけ眼でぼりぼり掻きまわす社会人。
そして窓から差し込んでいるのは朝日ではなく夕日。なんだかみなもの方が情けなくなってくる。
「あんたさあ、いい加減私や母親から自立しようとはおもわないの?」
「自立してんじゃんよ。お金も自分で稼いでるし」
「私は生活の話をしてんだよ。もうあんたも私も新米教師ってわけじゃないんだからさ。
少なくとも社会人はふつう平日に夕方まで寝てたりはしないわよ」
「社会人だから休息が必要なんですよ―だ。しかも私はあんたと違って担任という責務を
終えた後なのよ。短い休暇ぐらい休ませろっつーの」
みなもにとって納得のいかないのはそこであった。
なんでこんな奴が私より先に担任を任されたのか。
しかし、それを口に出してしまうと、ゆかりは必ずみなもが体育教師である事を理由に
見下した態度を取ってくるので、みなもは黙って流すのが正解だと判断した。
それに、あと半月もすれば事情は違ってくるのだ。

607 :ゆかりとおはなし(第1話 3/8) :2004/02/09(月) 21:34 ID:???

「そんなこと言ったって、あんた学期明けたらまたクラス持つんじゃない」
「あー、そうだった……そんであんたも念願の初担任と」
「んふふふふ、そう言うことよ」
みなももまた、4月から新入生の担任となることが決まっている。
 ゆかりと違い、彼女は高校生の時既に教師を志しており、彼女は自分にとって
母校で担任を務める事が一つの夢の達成であると考えていた。
 つまり、彼女にとって来る4月は悲願成就の時であり、少々有頂天にもなっていた。
「わからない事だらけだけどさ、結構自信はあるのよねえ。ほら、授業でも生徒とは
うまくやれてたしさ。そりゃ不安も多いけど、あんたにもやれたぐらいだしね、それに……」
一気にまくしたてられて、寝起きの頭には少々鬱陶しかったが、それでもゆかりは
冷めた目線でみなもを見つめていた。
(大丈夫かねえ、こいつ……)
 ゆかりは内心ではみなものはしゃぎっぷりを見て心配っぽい事もしていた。
長い付き合いだ、こいつの事はそれなりに理解している。
こいつもやっぱり私と似ていて、適当な所で折り合いをつけたがる奴なんだ。
変にはりきって、おかしなことにならなきゃいいけど。
「……ってわけだからね、まあなんかあったらフォロー頼むわよ、一年先輩?」
みなもの話は全然聞いていなかったが、とりあえず自分の腹が減っているのは理解できた。
「焼肉だー」
「は?」
「食いに行く約束でしょ。焼肉行こう、今から」
「さっき中止って言わなかった?」
「中止を中止」
「あっそう……じゃ、早く準備しなさいよ」
ゆかりにとって焼肉食べるのになんの準備も要らなかったが、一応着替えだけは済ませた。

608 :ゆかりとおはなし(第1話 4/8) :2004/02/09(月) 21:34 ID:???

 二人の行きつけの焼肉屋は、ゆかりの家から学校とは逆方向に歩いて10分ほどのところ。
車もないので、飯を食うにも酒を飲むにも顔を出す店は大体決まっている。
しかも双方容姿についてはなかなかのものなので、顔を覚えている店員も多いようだが、
いつも女二人でやってくる客について彼らがどう思っているのかは定かでない。
「よっしゃー!今日は食うわよー」
ついさっきまで寝ぼけていたゆかりだが、肉の焼ける匂いと音にもはやテンションは最高潮である。
テーブルの上には既に、タンだのホルモンだのカルビだのといった各種の肉と、
更にゆかりのためにジョッキ3杯の生ビールがずらりと並んでいた。
「あんたねえ、せめて1杯目飲んでから次を頼みなさいよ」
「どうでもいい事言ってないで肉焼けよ肉」
これはゆかりの悪い癖である。決して酒に強い方ではないのに、やたらと量を飲みたがる。
「じゃああれだ、あんたの初担任祝いって事にしよう。それで文句ないでしょ。
しっかりやれよ、まあ私の知ったこっちゃねえけど」
「だから私は大丈夫だって言ってんでしょ。むしろ私はあんたの方が心配だよ」
「にゃにをぅ!?新米担任で人の心配たぁ10年早ぇーぞこら!」
「いや、だってほら、結局あんたのクラスに決まったじゃない、あの子」
「ああ……あれか」
「本当になんであんたなんかに任されたのかしら、こんな大変な役目」
「まあ賢明な判断だろ。うちの教師やお偉いさんは、あれで頭が柔らかいからねえ」
 ここで話されている「あの子」とは、この春新入生としてゆかりたちの学校に入学する
ちょっとした問題児の事である。ちょっとした、と言ったが、あるいはとんでもないトラブルの
元になるかもしれない。しかし問題児とはその生徒と接する事になる現場の教師からの見方であって、
その生徒自身は非常に優秀であるし、学校側からも歓迎されていた。

609 :ゆかりとおはなし(第1話 5/8) :2004/02/09(月) 21:35 ID:???

 ではなぜその優等生が教師たちの議論の矢面に立たされるのか。説明を要するだろう。
その生徒の名前は美浜ちよ。10歳、女子――。
 これだけでその異常さが理解できるはずである。10歳で高校生などと、冗談もいいところだ。
どういった道理でこんな事態が起こるのかと言えば、それは一口に彼女が並外れて優秀だからである。
 裕福な家庭に生まれたちよは、幼い頃からその非凡な才覚を周囲に見せつける。
語学などの英才教育を自ら進んで受け、また驚異的なスピードでそれらを修得していった。
平凡な公立小学校に入学したちよだったが、当然そこでの授業のレベルに満足できるわけがなく、
国にその資格があることを認めさせ、高等学校への異例の飛び級を果たしたのだ。
つまり、雑に言ってしまえば、天才なのである。美浜ちよという少女は。
 そんな天才少女が入学すると言うのだから、学校は喜んで迎え入れるはずである。
一方、教師たちの不安ももっともな事だ。アメリカじゃあるまいし、なにしろ前例がない。
どんな問題が起こるかもわからない。受け入れる体制については、慎重な話し合いがなされた。
 一番重要な担任については、当初は経験ある教師が務めるべきだろうという考えで
話が進められていたが、一人の男性教師がこれに異論を唱えた。
その男性教師は、こともあろうか、なんとゆかりを担任に推したのだ。
前例のないことだけに、経験は少なくても思考の若い教師の方が柔軟に対応できるはずであり、
問題が生じればその時は職員が全員でフォローすればよい、とまあそんな内容のことを彼は言った。
意見は割れたが、ゆかり本人が受け入れる意志を表明すると、その姿勢が買われ、
より多くの支持を得てゆかりが美浜ちよの担任を任されたのである。
 この結論が正しいかどうかは判断できないが、とにかくゆかりの評する通り
この学校の教員には融通の利く頭の持ち主が多いのは確からしい。

610 :ゆかりとおはなし(第1話 6/8) :2004/02/09(月) 21:35 ID:???

「あんたどうして自分からやるなんていったのよ、あんな面倒な事。絶対に嫌がると思ったのに」
「ふぉいくふぁえなひのふぁんふぁ?」
「……ごめん、私が悪かったから先にビビンバ飲み込んじゃって」
ゆかりはビールで米を流し込んだ。それまで飲んでいたのとは別のジョッキだった。
「あんた腹減ってないの?全食わねえじゃん」
「食べてるわよ。でもまだ5時半じゃない。晩御飯にはちょっと早いのよ。
まあ、あんたは朝から何も食わずに寝てたから別でしょうけどね」
「うん、別」
「……イヤミ言ってんだよ。まったく、ほんとに心配だわ。
まるであんたが小学生みたいじゃない。そんなんでちよちゃんの担任が務まるの?」
「大丈夫だよ。おととい会った時もお行儀よくていい子だったし」
 確かにそうだった。一昨日、美浜ちよが入学の説明を受けに母子で来校したのだが、
廊下でみなもと擦れ違うと、ちょこんと愛らしく頭を下げて丁寧に挨拶してきた。
おさげの似合うかわいい女の子だったし、母親も上品な感じの素敵な女性で、
いわゆる教育ママとつんとして生意気な少女を想像していたみなもは一人で勝手に驚いたものだ。
「でもさ、本人に問題はなくても、周りの生徒もやっぱり戸惑うじゃない」
「そうだよなー。天才で金持ちで、しかも性格もいいなんて納得いかないもんね。
ふつう妬んで当然って言うかさー」
「おい」
本気で不安になったみなもだが、目の前の肉が猛烈な勢いで減っていく事に別な不安を覚えて、
取りあえず自分も食を進めることにした。

611 :ゆかりとおはなし(第1話 7/8) :2004/02/09(月) 21:36 ID:???

 店を出ると、もう星が輝いていた。まだ日もそんなに長くなっていないようだ。
「んあー、食ったあ」
「ほんとよく食べたわね。給料出たばっかだからって調子に乗って」
「いいのいいの。金があるうちに好きなだけ食べておくのが賢いのだ」
いい気分で酔っているようである。まったく、なんで焼肉食べに来てまで
そんなに酔わなきゃならんのだとみなもは思うのだが、言うだけ無駄なこともわかっている。
 不意に、みなもはさっきゆかりに聞きそびれたのを思い出した。
「ねえ、結局なんでよ。不精のあんたがちよちゃんの担任買って出たの」
ゆかりの足元はおぼつかない。前を向いたまま、酔っ払いの声色で答えた。
「ああん?まだこだわってたのかよそんな事。自分の心配しろっての」
「うるさいわね。だって気になるでしょ、あんたが自分から厄介な仕事受けるなんて。
なんか裏があるとしか思えないわよ」
「裏も糞もねーだろ、頭悪いなあんたは。よく考えなさいよ。天才少女よ?
こんな人材頂かない手はないじゃない」
「は?」
みなもはゆかりの言う事が理解できなかった。人材?頂く?
こいつクラスまとめてなんか一旗あげようってのか?
 そんなみなもの様子を察して、酔っ払いは話を続けた。
「いいか、にゃも。私は1年間の担任しての務めで気付いた事がある!よく聞けい!
クラスの色はね、濃ければ濃いほどいいのよ!あんたも覚えときなさい」
「たった1年で何を偉そうに……」
「おい、このやろう。私が説教してんだから謙虚に聞けい。
第一ね、担任なんて面倒に決まってんだから、同じ面倒やるなら面白いほうが得じゃないの。
教え子たちが粒ぞろいなら退屈しなくて済むってもんよ」

612 :ゆかりとおはなし(第1話 8/8) :2004/02/09(月) 21:36 ID:???

 どこまで本気で言ってるんだこいつは。みなもは呆れながら聞いていたが、ゆかりの話には
これから初担任の仕事を迎えるみなもの心に適うものがあることも確かだった。
「面白いほうが得、か……」
 そうだ。わたしも同じ気持ちだ。私は今、期待と同じくらいのプレッシャーを感じてるけど、
自分の満足のいく仕事だなんて、要するに、自分が楽しめればいいって事じゃないのか?
夢に燃える若い教師の、心のどこかの本音であった。
「ようし、酒買って帰ろー!」
「ちょっと、まだ飲む気なの!?」
「あんたのお祝いだってばさ。堅いこと言うなよ」
「うー、もうしょうがないわねえ……」
 この時、彼女たちの気持ちは晴れやかだった。
ゆかりは今のままぼちぼちやっていけると思っていたし、みなもは自分の甘美な理想に
なんの疑いもなかった。――教師は聖職だとか言うけれど。

「あら、月がきれいねえ。ほら」
「お、ロ―ソンだロ―ソン。寄ってくよー」
おめでたい3月が過ぎて行く。

613 :ゆかりとおはなし(書いたやつ) :2004/02/09(月) 21:41 ID:???
486=533です。アップ始めました。
くろまんがさん、リクしときながら自分で書いちゃってすいません。
また、質問に答えてくださった住人さんに感謝します。
見通しでは20話前後の話になると思われますが、
ゆっくり書き進めていくので、冷ややかに見守っていてください。

614 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 23:26 ID:???
本気で続きが楽しみなSSは久しぶりだ。
ダメな大人のハートをがっちりキャッチしてつかみはOK (・∀・)b
冗漫にもならず、巧みにユーモアを盛り込んだ文章もレベル高いし、
何よりちゃんと主題を感じさせるSSって貴重だ。
長編ご苦労様ですが、ぼちぼち見守っていきたい所存。

615 :名無しさんちゃうねん :2004/02/09(月) 23:30 ID:???
おお、これは…
正直期待してなかったが、てか不安だったがなかなか面白い。
長くなりそうだががんがれ!

616 :615 :2004/02/09(月) 23:57 ID:???
感想追加
最大の魅力はユーモアのセンスだな。
文章はまだ少し甘さを感じさせるが、特に会話で見られる皮肉のこもったジョークが
全体にアダルトな雰囲気をつくってる!
そのセンスを大切にする事だよ。文章は書いてるうちに勝手に上手くなるから。

617 :ゆかりとおはなし(書いたやつ) :2004/02/10(火) 00:24 ID:???
お二方、ありがとうございます。この上ない賛辞です。マジで嬉しいです。
ただ二次創作とはいえ、SSなんて経験のないことなんで、「書き方がわからない」って感じでした。
厚顔に思われるでしょうが、率直に言って厳しい批評が頂きたい所です。
ここでそういったレスを求めるのはスレ違いですかね?

618 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/10(火) 00:43 ID:???
>>602-611
素晴らしいです。
久々に読み応えのあるSSですね。
正直こういう日常的なテーマのSSが、
私は一番好きです。
続きを期待してます。

批評は…、それを出来るほど私も上手くないんで…。
むしろ手本にしたいくらいです。

619 :615 :2004/02/10(火) 00:52 ID:???
批評が欲しいなら、ラウンジでコテハンさんにお願いしたら?
ここでもスレ違いじゃないけど、その方がレベル高い書き手も多いし。
関係ないけど、タイトルがなんかいいなw

620 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 01:03 ID:???
まあ、そういうことならラウンジのここが最適やろうか
http://www.moebbs.com/test/read.cgi?bbs=azuentrance&key=1064083852

621 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 01:13 ID:???
>>617
これが初めてとはとても思えません。
久しぶりに力のある新人が現れてくれました。

コテハンかどうかは批評できるかどうかに関係ないと思います。
誰でも自由にやっていいのではないでしょうか?
かくいう自分はコテハンを持っていますが、うまいこと批評の
言葉も出てこないため名無しでレスさせていただきました。

622 :ゆかりとおはなし(書いたやつ) :2004/02/10(火) 01:33 ID:???
みなさんありがとうございます。
明日、じゃなくて今晩にでも620さんの所にお邪魔しようかと思います。

623 :伯爵  :2004/02/10(火) 02:18 ID:???
 だれない、めげない、つぶれない呼吸がきちんとなされていて
各センテンスの区切りを生かした文章運びはストレスを感じさせません。
ケレンも無く骨太かつ豪快なスピード感。キャラクターの感じるわくわく
が焼き肉の残り香とともに漂ってまいります。
 一読し、襟を正して再読させていただきました。この連作だけに収まら
ぬような原作への愛と読み込みを感じます。第二話にてお会いできるこ
とを心よりお待ちしております。

624 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 02:42 ID:???
>>602-612

雰囲気でていてすっごくいいなぁ…。

#先生達の中の人も大変だけど楽しそう…。

625 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 15:07 ID:???
ラウンジでコテハン達がこのスレのこと語ってたぞ
ゆかりとおはなしは評判いいがそれ以外がボロクソだった

626 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 15:51 ID:???
ふむ
確かにラウンジも公開された場である以上
あっちでの話によそで言及されたとしても文句は言えないわけだが

……自戒すべきことでもあるな

627 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 19:00 ID:???
どのスレッドだよ?

628 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 19:58 ID:???
雑談スレらしいね。500あたり。さかちーは見てて逆に好感すら覚えたよ。
あと、>>620にゆかりSSの人が書き込んでるね。あんなにさがってちゃ誰も気付かないんじゃないか?

629 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 20:14 ID:???
紛らわしいことのないように誘導すると雑談スレ316の500あたりからだな。

630 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 20:41 ID:???
>>447 >>眠い名有り
遅レス&長文レスすまないけれど。
 確かにハ輪氏のバトルロワイアルはどう贔屓目でみても、構成から基本設定、キメ台詞や名シーンまで
本家「BRU」からそっくりそのままのコピー。文体にオリジナリティもなく、この内容からでは「パロディ」の定
義から外れ、人物の名前を差し替えただけの模造作になってしまいます。手厳しいことを云うようですが、版
権は脚本家である深作健太氏と木田紀生氏に依存する以上、ここまで酷似したものを不特定多数を相手に
オンラインで公開しちゃうのは歴とした著作権法違反、犯罪行為になってしまいます。通報があれば逮捕もで
きます。板全体のこと考えるなら、即急に太田出版なり深作組なりに許可を乞うメールを送り、承諾を貰った
上で連載を続けるのが当然の義務でしょう。

……とまあ心にも無い正論を述べてみましたが、現実問題としてこの程度の違法行為ならそこら中のサイトで
行われていることだし、未成年の喫煙と同じで、今更とやかく云うのは野暮かもしれません(結果的に映画の
宣伝にもなっているし)。ですので、その辺りはハ輪氏の善意に任せます。このままただ深作フィルムをなぞり
続けるもよし、ハ輪氏が本来持つ独創性をふんだんに取り入れてまったく新しい作品に生み変えるもよし、模
作行為の奨励はしませんが、書きたいように書いてください。SS書きである、あなたを応援しています。

631 :628 :2004/02/10(火) 20:44 ID:???
で、ゆかりSSの人が書き込んでるのはこのスレの>>620のリンク先と。
>>629 フォローサンクス。

632 :へーちょ :へーちょ
へーちょ

633 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 22:19 ID:???
これが元で、また前みたいに荒れなきゃいいけど・・・・

634 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 23:47 ID:???
>>632
そう思うのは勝手だが、それをスレの総意だとは思うなよ。

635 :名無しさんちゃうねん :2004/02/10(火) 23:55 ID:???
漏れはさかちー氏の反応に好感を持っている。……ピュアだ。

636 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 00:08 ID:???
>>635 だよな。
同じ拒絶するなら、理屈こねるよりあんぐらいの方がさっぱりしてていい。
少なくとも、自分の価値観には正直な人なんだろ。

637 :(・∀・)イイ! :2004/02/11(水) 01:11 ID:ヽ(・∀・)ノ
コテ叩きは基本的に即規制・・・

638 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 04:26 ID:???
こねた(←何故かあまり面白くないけどせっかく書いたので)

男生徒「し、失礼しマース。黒沢先生いますか?」
にゃも「はい、どうしたの?」
男生徒「あ、あのお、授業でちょっと分らない所があって教えて欲しいなあなんて」
にゃも「どこらへん?」
男生徒「・・・えと、人体の構造とか」
にゃも「んー、教科書みてもわからないの?」
男生徒「!?いや・・・実物とか見ないと・・・」
にゃも「は?どういうことなの?」
男生徒「!!す、すいません失礼しましたー」

ゆかり「最近多いわね、質問しにくる奴」
にゃも「そうねえ、何か様子も変だし・・・どうしたのかしら」
木 村「黒沢先生・・・。少しわからないことがあるのですが・・・」
にゃも「はい?」

とも「くくくっ」
よみ「どうしたんだよ、突然」
とも「ふふ、あのさ、ある噂を流したんだよ」
よみ「なんて?」
とも「にゃも先生は授業でわからない所があれば放課後体を使って教えてくれるって」
とも「馬鹿な男子だよなあ、結構引っかかってる。なんと、あの大山君も」
よみ「あはは、それは面白いな」
とも「また笑えるのはね、ゆかり先生について同様の噂も流したんだよ、でも・・・」
よみ「誰も引っかからないってかww」
とも「そうそうww」

ゆかり「っくしゅん!・・・風邪は引いたかな?」

639 :なも ◆zQyv8380ig :2004/02/11(水) 05:28 ID:???
>>638
ワロタw

でも実際に男食ってそうだ…。
「やっぱり若い子はいいわね〜…オバさんは嫌い?」
「そそそそそそ,そんなことないです!」

640 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 07:32 ID:??-HlLAzaww
>バカもいるし。さかちーとか(W公開オナニーが好きなんでしょ。

こんな形でしか自分を表現できない人間何だからそっとしておいてやれよ。

641 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:05 ID:xtvjSb.U
506 :さかちー :2004/02/10(火) 02:02 ID:???
急に話かえるけど……
SS発表スレの新人さん、すごいうまいなあ。
あのスレはなもさんとうちゅーさん以外に
ロクなSSがなかっただけに、今後が楽しみ。

642 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:06 ID:xtvjSb.U
524 :ケンドロス :2004/02/10(火) 02:10 ID:???
>>516
まああれだけ大半の人間には受け入れがたいSSばかりでは無理も
あるまいて。
おかげでその他のSSはほとんど脚光浴びてないし・・・

643 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:07 ID:xtvjSb.U
519 :ナモルァ!!⊂(゚ロ゚⊂⌒`つ ◆udoDX7zzsI :2004/02/10(火) 02:09 ID:???
>>516
ぐろ&不幸物が続いたからね…。

523 :さかちー :2004/02/10(火) 02:10 ID:???
>>517
そんな壮大な企画は無理でしょw

>>519
そういうことじゃなく、文章のレベルも低かったなあ、と。

644 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:08 ID:xtvjSb.U
534 :春日すばくはく ◆kN/JYlFSNI :2004/02/10(火) 02:16 ID:???
>>523
というか……
なんだか方向の違うマニア化が進行しすぎて、読みづらくなったから、
あずまんがの時代は終わったという気にすらさせられましたけどね、あのスレ見たときには。
今、あそこのSS見ている人はどれだけいるのか……

537 :さかちー :2004/02/10(火) 02:19 ID:???
>>534
だから、あのゆかり主役のSSには多大な期待を寄せています。

645 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:09 ID:xtvjSb.U
518 :さかちー :2004/02/10(火) 02:08 ID:???
>>512
すいません、忘れてました。
あれはいいSSだったと思います。
(丸ごと手直しした人って何者なんだろう?)

548 :さかちー :2004/02/10(火) 02:27 ID:???
>>539
あれほどいいSSを何故手直ししたのかは全く不明。
しかし、丸ごと手直しならまだいいかもしれません。
同じスレで長期連載されてる2つのSSなんか
悪い箇所を指摘やる気も起きないほどへぼい出来ですから。

646 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:10 ID:xtvjSb.U
552 :さかちー :2004/02/10(火) 02:35 ID:???
>>550
俺が言ってるのは「バトロワ」と「体入れ替わり&記憶喪失」です。

647 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:12 ID:xtvjSb.U
557 :伯爵  :2004/02/10(火) 02:39 ID:???
 今回のSS読んでて思ったのは。あのSSを書いている人は
原作への愛情と、自分の読みたい話への欲求が高まった上での
爆発であることも確かだが、その上でくろまんが氏の文章への
尊敬があるようにも(あとがきを読む限りでは)思えます。
 そう考えると文章の持つ力とは恐ろしくも面白いもので

560 :さかちー :2004/02/10(火) 02:45 ID:???
>>557
ううむ、昔の俺は人の創作物に素直に感動できたのになぁ。

648 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:13 ID:xtvjSb.U
575 :さかちー :2004/02/10(火) 02:58 ID:???
>>569
眠い名有りさんの最大の欠点は「無駄に長い」ことかな。
そのせいで、最初の作品もそうだったのだが、
冗長感があり、感動がない。
文章にメリハリをつけなければならない、ってことは
次に何かうpしたときにでも言っておくべきか。
(もちろん、次に発表されたときにそれが改善されていれば
指摘しませんが)

649 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:19 ID:xtvjSb.U
883 :amns ◆FqzSak5tNk :2004/02/10(火) 18:43 ID:???
>>882
イッヒ トリンケン ビアー とかやりましたっけ

ところで今しがたエロパロに
「四匹スレや大阪板にもいらっしゃいな」と書き込んだのはさかちーさん?
私は書き込みたいのにハネられてる最中……

885 :さかちー :2004/02/10(火) 18:46 ID:???
>>883
いいえ、それ俺じゃありませんよ。
「荒らしに反応したら荒らし」って言ったのが俺です。
普段はあまり敬語使っていなかったり。
あの書き込みがさらに荒らしを呼んだみたいで後悔してます。


書き込みをしたいならかわりにやりましょうか?
IDが同じだと不都合なら他の誰かに頼むか日付が変わるまで待つか。

650 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:20 ID:xtvjSb.U
888 :さかちー :2004/02/10(火) 19:07 ID:???
>>887
Nが大阪板のある人と同一人物かどうか、なんてことは
考えないことにして……(本人が否定しても信じてない人はいるようで)
4匹スレにグロSSは絶対書いて欲しくない。
やっぱ雰囲気ってものが大事なので。

890 :さかちー :2004/02/10(火) 19:18 ID:???
>>889
グロいの投下する人は、それ一つで
雰囲気が全く変わってしまうことをわかってないのかな……

あーラブレター書けねー

ノシ

651 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:20 ID:xtvjSb.U
892 :さかちー :2004/02/10(火) 19:23 ID:???
エロパロにこんな書き込みがあったんです。

542 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 04/02/10 13:39 ID:MrtbtlRU
最近この漫画を初めて読み、目からウロコがおちた者です。
さっそくこのスレを見つけたのですが、
                      
い き な り グ ロ で し た _| ̄|○

今年一番の大衝撃でしたね。いや、いいんですけど・・・





この人はある程度グロに耐性があったのでしょうが、
そうでなかったら、グロSSはせっかくスレに来てくれた
あずまんがファンを門前払いにしてるだけな気がしてならない。

652 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:20 ID:xtvjSb.U
896 :さかちー :2004/02/10(火) 19:53 ID:???
>>894
おひゃ

>>895
それを聞きたくてSSを発表するスレで質問したのですが、
まともな回答はほとんど貰えませんでした。
このままだと「グロを好む奴にまともな奴はいない」という
結論を下さざるをえない。

653 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:21 ID:xtvjSb.U
905 :さかちー :2004/02/10(火) 20:08 ID:???
>>899,901
いくらか納得。
いや、グロを好む人の心理を追求すれば面白いかな、
という好奇心があったのですが、まともな回答が得られなくて
ちょっとまずったかと思ったのです。

918 :さかちー :2004/02/10(火) 20:18 ID:???
>>914
だったらイイさんは四六時中誰かに剥がれていることに……

>>915
多分、まともな返事を返してもらえず話にならないでしょうね。
返事が返ってくる保証がないのがこういう場所での話し合いの短所。
でも勢い余って相手を殴ってしまう危険もないのが長所。

654 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 14:29 ID:???
いちいち貼った所で釣られません。
ええ釣られてやるもんですか!!

655 :くろまんが大王 :2004/02/11(水) 15:07 ID:???
何やら、しばらく来ないうちにえらいことになってますね……
一応、リクしていただいたSS書き留めている途中なんですが、どうしましょう。
正直言って投下するのが怖いです。私も某氏のように「自分に正直」な方ですから。
(エロパロの方にも名無しで出張っているみたいだし)

656 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 15:42 ID:???
>>655
人が本音を語るのは自由なことで、
大事なのはそれがふさわしい場所かどうか、TPOの問題。
彼ら自身は、たとえ本音ではいろいろ思っていても、
このスレにおいてはあくまで場を乱さない程度に自重している。
なのに他所で語られた本音が気に入らないからといって
いちいちこっちに持ってくる者こそ迷惑。
あなたは堂々と投下すればよろしい。
あなたを支持する読者も待っているのだから。

657 :くろまんが大王 :2004/02/11(水) 15:56 ID:???
いや、向こうだから許されるというものでもないと思います。

私も前は「萌えの雰囲気はよい」といった訳ですが、
今回のを見て前言を撤回せざるを得ないかな、なんて。

コテ同士の馴れ合いはともかく、
人様のSSを叩きを肴するのはどうかと思いますよ。特に約一名
私がどうこう言われるのは構いませんよ。
実際、グロといわれればグロSSなんですから。
ええ、グロ好きですよ?
「グロを好む奴にまともな奴はいない」そうですしね。

だけど、一生懸命書いてる人をこんな風に扱っていったい何の意味があるのかと。
指摘なり批判なりはそのスレでやればいい話しでしょ。
そうすればダイレクトに書き手に伝わるわけだから。
拙いなりにがんばってる人にコソコソ陰口をたたく人間は正直、気持ち悪いです。
2chの叩きの方がまだ健全ですよ。

「萌えが2chになってほしくない」なんて言ってるご当人こそ
2ch以下の常識しかない・荒れる原因だと分かってないみたいで……

658 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 16:04 ID:???
>>657
愚痴は雑談スレッドで本人に言ってあげてください。
ここはSSを発表するスレッドであって議論をふっかける場所ではありません。

659 :656 :2004/02/11(水) 16:22 ID:???
雑談スレ316の968から抜粋ですが
「googleで検索することさえできる公共の場で喋っている以上、
不特定の誰かに読まれることは了解しているし、決して「ヒソヒソ話」
のつもりはなく誰が見ていたとしても発言を変える気はないし、
人に見られて困るような発言はしないつもり」とさかちー氏の弁。
あとは>>658氏に同意です。

660 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 16:22 ID:???
>>658
最初に議論をふっかけたのは>>583のような気がするが。

661 :さかちー :2004/02/11(水) 16:39 ID:???
>>657
俺の言葉なんか聞きたくもない、というのでなければこちらを読んでください。

ここのコテハン達に一言!
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1060962498/282


>>660
なぜ人が虐げられる内容のSSを好むのか、と質問したつもりですが、
前半部分が争いの火種になることは先に気づいて添削しておくべきでした。
質問の内容自体、SSと直接の関係がないこともまずかったです。

662 :くろまんが大王 :2004/02/11(水) 16:53 ID:???
>>661
さかちーさん了解しました。
あなたの言うとおりここでこれ以上するのは大人の態度ではないですね。
ですが、愚痴ついでにここでひとつ告知します。

私はもうここへは来ないようにしようとします。荒れる元にもなったし、
このままこの手のSSを不快に思う人がいる中、敢えて書き続けるのも申し訳ないかなと。

せっかくリクしてくださった方には本当に申し訳ないが、グロとまではいかなくともそういうのが入るわけだし、
そういうのを嫌がるさかちーさんみたいな人がここに存在する以上、やっぱり,無理に書くことはむつかしいです。
誘いうけでもなんでもなく。
私なんぞのSS、嫌いな人々の気分を害し、「ここロクなSSがないなー」と言われてまで書く価値はないです。

そういうわけでどこかへいきます。「狂戦士大王」も実は私なんですが、期待してくださった少数の方、本当にごめんなさい。
「ゆかりとおはなし」の方、特に申し訳ないが、御自分のSSのほうが私のSSなんかよりよっぽど上等なので
御自分の道を進まれてください。さようなら

663 :ゆかりとおはなし(書いたやつ) :2004/02/11(水) 18:36 ID:???
いまこの事態に気付きました。非常に残念です。
丁度、>>620さんのリンク先にくろまんが氏の作品について個人的に思うところを書いてきたところです。
初めてSSを書いてみて、その苦労を少し知り、改めて書き手さんたちに尊敬の念を
抱いていたのですが、その尊敬すべき人たちに憤りを感じないといけないのが残念です。

くろまんがさん、あなたがいなくなることで、きっとこのスレは今より空虚なものになると思います。
あなたの作品を楽しみにしていたのは、きっと少数ではなかったと信じています。
引き止めることはしませんが、あなたが帰ってくるとしたら、
きっと多くの人が心から歓迎するだろうと言う事を、心のどこかで忘れないで下さい。

664 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 19:01 ID:vsr/2ehY
第三者から自作自演と思われてしまうとあなたに迷惑がかかるので、IDを晒させていただきます。
>>662
もう少し考えていただけないでしょうか。確かにあなたのSSは、失礼を承知でいうと暴力描写に富
み、模作の向が強く、生理的に受け付けないという住人もいらっしゃるかもしれません。
ですが、あなたの作品を楽しみにしている者がここにいます。
もしあなたに創作意欲が残っているのなら、少しずつでもいいので、活動を続けて欲しいのです。
ここが嫌なら、ムリには薦めません。新しい場を設けてみてはいかがでしょうか。確かに大阪板はSS
スレが多い状態ですが、必要があるのなら新規に立てても問題ない、むしろそれによって別の嗜好
のSSを書く場所ができるのなら、私は推奨するべきだと思います。

665 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/11(水) 19:18 ID:???
>>662
そんなのに負けるなー!!
貴方は全然悪くない!
グロ小説は異常と思う奴がいるかもしれないけど、気にするな。。
とやかく他人の非難ばっかりする奴は無視すればいい。
まじで狂戦士大王期待してたのに…

666 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 19:24 ID:???
ところで狂戦士大王の元ネタって何でしたっけ?

667 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 19:38 ID:???
ベルセルクでしょ

668 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 19:40 ID:???
グロでも何でも面白ければ何でもいいよ。面白ければ。

669 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 20:09 ID:???
なんつーか皮肉だな…
「ゆかりとおはなし」の人ってくろまんがのSS好きだったんだろ?>>620のスレ見ると。
そいつのSSがきっかけで雑談スレでここの事が話題になって、最終的にくろまんが引退と…
ほんとに誰が悪かったわけでもないと思うんだがな…。流れってやつかな。

670 :この中の誰かが :2004/02/11(水) 20:21 ID:???
初めての文化祭の翌日、自宅一階の物置の中、ちよはネコの着ぐるみの頭を手に少し困っていた。
今日は打ち上げと称してお馴染みの四人全員が遊びに来てくれる予定だが、中でも大阪と榊が早く来ている。
その二人と文化祭の苦労話をしていた折、あの時作ったネコの着ぐるみをもう一度着て見せてくれとリクエストされた。
ちよ自身には分からないが、自分がこの着ぐるみを着るとおかしなことになるらしい。
大阪は智からそのことを聞いて、まだ一度も見ていないので是非、とのことだった。
そうして着ぐるみを保管してある一階物置で途中まで着込んだものの、背中のチャックが自力では締められないことに気づく。
扉の外で待っている彼女らに頼もうと声を出そうとした瞬間、ちよの身に戦慄が走った――。

「……あ、もしもし智ちゃん?」
「んー、大阪?今もうちよちゃん家の近くまで来てんだけど、何か用?」
「いや、この前貸したMD忘れんと持ってきてくれたかなー、て思て」
「あー、あー、電波がー」
そのままブツッと切れた。
どうやらまた忘れたらしい。大阪は嘆息して携帯電話をしまう。
しかし一旦返すのを忘れるとそのまま忘れ続けてしまうといった経験は自分もよくあるので、あと二回くらい許すことにした。
「ちよちゃん遅いなー」
そう言って隣に立っている榊を見る。
「もう20分くらい経つで」
「いやそんなには経ってないと思うけど……。トイレじゃないかな」
ちよが入っていった扉を見ながら、榊が答える。
そこには「ちよ」と書いたプレートが付けてある。
この部屋は元々ちよが幼いころ使っていたが、成長して部屋を移してからは物置として使っている、とちよが説明してくれたのを思い出す。
成長と共に部屋を変える必要が大阪には解らなかったので、「ヤドカリやな」とコメントを返したら変な顔をされた。
「その、横にある……」
榊が静かに付け足しながら、ちよが入った扉の右にある扉を指す。こちらは「W.C」とプレートがある。
「それ、この物置部屋と繋がってて行き来できるみたいだから」
恐らく榊はこのトイレを使ったことがあって、その時もう一つ出入り口があるのを見たんだろう。
部屋とトイレが直に続いてるのは変な気がしたが、ちよが幼いころ使っていた部屋だということに関係があるんだろうと思い直した。
「トイレが何個もあるんてすごいわ。さすがちよちゃんや」
「うん。大きなお屋敷だから」
「もうとっかえひっかえ、トイレ行きたい放題やで」
なぜか榊が困った顔をする。何かおかしな事を言っただろうか、と考えたその時、
「きあぁぁ!?」
部屋の中から甲高い悲鳴が聞こえた。
榊と顔を見合わせ、すぐに扉を開ける。鍵はかかっていなかった。
「ちよちゃん、何かあった――」
部屋の中を見た瞬間、大阪は言葉を切って短い悲鳴を上げた。
目の前の光景の意味を考え、悲しみと恐怖が身を襲う。
「どうした!?」
大阪のただならぬ様子に、後ろに控えている榊が緊張した大声を上げる。彼女が大声を上げることは極めて珍しい。
しかし大阪は振り返らず、脇に目もくれず、埃っぽい部屋の真ん中に転がっているものに駆け寄った。
美浜ちよの死体に。

671 :この中の誰かが :2004/02/11(水) 20:23 ID:???
正確には、それはネコの着ぐるみだった。
文化祭でクラスメイトが作ったものだが、今のそれは背中をアイスピックか何かを使ったようにズタズタに引き裂かれている。
獣に襲われたような、乱暴な傷跡だった。
そしてこの中には――。
「あのー、大阪さん」
もう、ちよちゃんとは一生――大阪の目に涙があふれてくる。
「大阪さんってば」
声に振り返ると、ちよが困ったように笑って立っていた。
再び着ぐるみに目を遣る。頭部を取ってみると、中には誰も入っていなかった。
緊張の糸が解け、ほっと息を吐く。
「なんや、良かったー。誰かに殺されてしもたんかと思たわ」
「勝手に殺さないでください」
そうちよが答える横で、榊も安心したような、困ったような複雑な表情で笑っている。
「だって窓も開けっ放しになってるし」
「埃っぽいから開けといたんですよ。で、着込んでる途中トイレに行きたくなって……」
ちよはそう言いながら、入り口右手にある扉を見る。やはりトイレに続いているらしい。
「それで済ませてこの部屋に戻ったら、ネコが……その、そうなってて。びっくりさせちゃってごめんなさい」
「いや、いいよ」
榊がそう優しく答えているのを聞きながら、大阪は恐らく三人ともが思っているであろう疑問を口にした。
「でも、誰がこんなことを?」
しかし誰が答えられるはずもなく、三人とも黙って開けっ放しにされた窓を見る。小雨が降り始めていた。
小さく雨音が響く中、来客を告げるチャイムが鳴る。
「智ちゃんかよみさんだ」
そう言ってちよが玄関に迎えにいったので、大阪も榊と共に続く。

ちよは玄関の戸を開けた。
「あ、いらっしゃい。二人で来たんですね。」
「こんちゃー。いや、途中で出会って……おぉ、中は暖けーなぁ!ホールにも暖房入ってんのか、贅沢だなー」
智が大げさに身振りを交えながら入ってくる。確かにここ最近グッと冷え込んできており、北海道ではもう雪がちらついているらしい。
「つーか、民家なのにホールなんてもんがある時点で次元が違うけどな……こんちは」
暦がぼやきながら、智に続く。
どうやら二人一緒に来たか、途中で出会ったらしい。
「あれ、よみちゃん……」
後ろで大阪が言う。何やらじっと暦を見つめている。
「ん?何だ?」
しかし大阪は暦の疑問に答えず、長い間をおいて「あぁなるほど。やっぱええわ」と呟いた。

672 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/11(水) 20:41 ID:???
>>670-671
雰囲気読んで…
前置きぐらいかいてほしいなぁ…

いい作品ですね。続きをキボン

673 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 21:21 ID:???
言いすぎ。だが、ちょっと我慢ならないのは同意。
今は雑談スレや編集会議室での動向を見守りたい。

>>663-664
同意。帰ってきてくれ、くろまんがさん……。

674 :名無しさんちゃうねん :2004/02/11(水) 21:24 ID:???
ありゃ、もう消されてたか。スマソ。

675 :この中の誰かが :2004/02/11(水) 23:26 ID:???
「何だよ一体……それに、ちよちゃんも榊もどうしたんだ?なんか浮かない顔して」
目ざとく暦が、いつもと違う空気に気づく。
「えぇと、実は――」
ちよはさっき起こった不可解なことを話しながら、その現場に案内する。
暦は話を聞き、「マジか……?」と顔をしかめて見せた。
「うわ、本当だ。ひっでー」
智は物置に入るなり、気ぐるみを見て率直な感想を漏らす。
そして開けっ放しの窓(このせいで部屋が随分寒くなってきた)を見て、
「犯人はそっから逃げたのか?」
と続けた。「犯人」という言葉に、何となくちよの心は重くなる。
「中にちよちゃんが入っていると勘違いして襲ったのかな?」
その智の言葉に、ちよはギョッとする。
そんな自分の様子を見てか、慌てて暦がフォローを入れてくれる。
「無闇に脅かすなよ。いくらなんでも、中に人が入ってるかどうかの見分けくらいつくだろ」
「あの、でも、実際大阪さんは見間違えたし――」
「大阪だからな」
その言葉に半分納得する。が、トイレに行くとき頭部を胴体部に繋げて置いたから、全くあり得ない事でも無いように思えてくる。
「大体何のために」
智が怪訝な顔で暦に聞く。
「んなこと私に聞かれても。まあ仔猫殺して喜ぶような奴がいるんだし、他人家入り込んでこんな事する奴がい……るわけないか」
元々その場しのぎに言った事だろうが、ちよと榊の顔が渋くなったのを見て暦は語尾を濁す。
「ちよちゃん」
大阪が突然、何やら窓から下の方を覘きがら、
「忠吉さんて、やっぱ知らん人が来たら吼えたりするん?」
と尋ねてくる。
そういえば事件前に窓を開けたとき、飼い犬の忠吉さんが窓のすぐ下で丸まっているのが見えた。
ちよも窓に近寄りながら答える。
「はい。怪しい人が来たら知らせてくれますよ」
見ると、未だ窓の下に忠吉さんはいた。この家は二階が少し突き出てる形になっているので、家の周りにいれば雨はかからない。
彼はこちらの声に反応して耳をヒクヒクさせており、完全には寝ていないようだった。
大阪は家の周りだけ濡れていない事に興味を抱いたらしく、「こっから濡れやんと玄関まで行けるんやな」と小さく呟いた。
「ええ。でも敷地の外に出るには、濡れてしまいますけど」
その何でもないちよの返答も大阪を刺激したらしく、「せやねん。それやねん」とこちらにはも合わせず言った。
「じゃあ、これは密室殺人だ!」
ちよと大阪の会話を黙って聞いていた智が、唐突に、そしてここぞとばかりに叫ぶ。

676 :この中の誰かが :2004/02/11(水) 23:27 ID:???
全員ポカンとしてるのを意に介せず、智は意気込んで言う。
「廊下に出る戸の外にはずっと大阪と榊ちゃんがいたんだろ?で、犯行のあった間、トイレにはちよちゃんがいた。
そうなると窓が唯一の出入り口だけど、そこには怪しい人がいたら吼えてくれる忠吉さんがいた!つまり密室だ!」
智の口調は普段どおり快活だったが、どことなく空回りしている。
印隠滅滅とした空気を嫌って、無理に元気に振舞ってる様子が見て取れた。
「いやそうじゃなくて。殺人じゃねえってば」
暦が気だるそうに突っ込みを入れる。そして何を思ったのか、「ちょっと…」言ってそっと部屋を出て行った。
「それに密室じゃ――」
ちよも苦笑して続けようとしたが、途中で口を閉ざしてしまう。
忠吉さんが吼えない人ならなら自由に出入りできると言おうとしたが、それは身内に犯人がいると言う事とほぼ等しい。
しかし例えばここにいる誰かや、自分の父母がこんな事するとは思えないし思いたくない。
でもじゃあ本当に密室――?
慣れない悲しい出来事とわずかな不可解のせいで、ちよは頭がグッタリするのを感じた。
見れば皆も似たようなことを考えているのか、難しい顔をしている。
そんな中、ふと思いついた事があって言ってみる。
「あの、この雨で多少は地面ぬかるんでますよね?だったら――」
「足跡なら、無かったよ」
暦が部屋に戻ってくるなり言う。同じ事を先に考えていて、確認しにいっていたんだろう。
よほど外は寒いらしく、眼鏡に少し曇った後が残っていた。
「うん。よみちゃんと智ちゃんの分がうっすら残ってるだけやった」
大阪は暦たちを出迎えた時、既に観察していたらしい。
「大阪たちの分は?」
「雨が降り始めたのは私たちが来た少し前だから、地面はまだ乾いていたんだ」
智の疑問に、大阪に替わりに榊が答える。
それぞれの表情から察するに、少なくとも智と大阪以外はこの議論の意味するところに気づいているようだった。
犯人はまだこの家の中や屋敷の外周、とにかく敷地内にいるか、あるいはこの中の誰かが――。
いや、そんなわけはない。もしかしたら、足跡を残さずに去る方法が、いや、無作為的に消えた?
考えれば考えるほど混乱してくる。それは榊も暦も同じであるらしかった。
「警察呼んだほうが良いんじゃね?」
智がぽつりと言う。
「今度もまた着ぐるみだけとは限らないんだしさー」
「怖いこと言わないで下さい」
だが今度は面白がっているのでなく、本気でちよの身を案じているらしかった。気味悪そうに着ぐるみを見ている。
警察。その言葉一つで、この身に降りかかったこの小さな災厄が冗談などではないことを思い知らされる。
重い空気が流れた。
が、それは長く続かず、大阪が場にふさわしくないいつもののんびりした声を発した。
「犯人がわかりました」

677 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/12(木) 02:35 ID:???
>>670-671
>>675-676
そ、そこで切りますか。続きがめっちゃ気になりますね。
楽しみにしてます。
大阪というキャラはけっこう探偵役がハマりますね。


>>663-669
同意です。
>>662
くろまんが大王さん。なんとか考え直していただけないでしょうか。
私は貴方のペットセメタリーが読みたかったです。
確かにこのスレにグロは厳しかったかもしれません。
例えが変ですが、レンタルビデオ屋で棚が未整理なために、グロが嫌いな人が
グロビデオを手にしてしまうようなものだったかもしれません。
しかし、ここまできちんとした書き手と未知数ですが期待している読み手も
いるジャンルならば、>>663氏の言われるように独立したスレを立てるのも
一つの方法だと思います。
せめて、完全にこの大阪板から離脱することだけは、避けて欲しいです。
お願いします。

678 :855 :2004/02/12(木) 03:09 ID:???
くろまんがさん、>>662の後ここには来たんだろうか……
来てるとしたら、なんとかもう一度返事が欲しい。
あなたの作品を待っている人が、これだけいる事がわかったんだから。
これだけのレスを受けても決心が変わらないと言うならしょうがないと思う。
それでも、もう一度返事が欲しい……。

679 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 03:11 ID:???
名前消し忘れ……失礼

680 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 07:15 ID:???
妥当な考えなら、犯人は忠吉さんか?

681 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/12(木) 09:25 ID:???
どんでん返しでちよちゃんとか。。
第一、窓を開けたのはちよちゃん本人だし。。


でも、やっぱり忠吉さん?

しょーこがねーんだぁ!!

682 :670 :2004/02/12(木) 10:02 ID:???
ごめんなさい、忘れてくださいw
一応考えてた犯人は忠吉さんです。
消去法で可能性を潰してくタイプの推理にしようとしたんですが、色々破綻と矛盾が。
中途半端なことしてごめんなさい。

683 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/12(木) 11:09 ID:???
>>682
犯人を言い当てられようとも、最後までやりましょうよ。
二次創作SSは、原作とは異なる場面での各キャラのロールプレイが面白いのではないですか?
少なくとも私は謎解きだけが楽しみだったわけじゃないですよ。
こういう終わり方は残念です。

推理ものは、最後の場面から書けば矛盾点を潰していけると思いますよ。
書き上げてから投稿する方が良いかと…。

684 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 12:28 ID:???
とりあえず全部うpしていただきたく……

685 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 12:44 ID:???
推理物を全文を書き上げずに時系列順にうpしたという姿勢に驚きです。
しかし、推理物である以上犯人を言い当てられる可能性はゼロとは言い切れないわけで、
それを理由に途中でやめるのはよくないと思います。
矛盾が生じたのならこじつけましょう。もしかしたら、それによって意外な結末が
生まれるかも。
たとえそうならなくても、続きを読みたいと思っている人間はここにもいます。

686 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:00 ID:y0oWr5r2
>>678
いいじゃん、別に。去りたければ去れば。
苦労して書いたものをこれだけボロクソに言われちゃ
本人もやる気が失せるだろうし。

それよりむしろ、偉そうに眠い名有り氏や八輪氏をこき下ろした
誰かさんのSSがじゃあそんなにたいしたレベルなのかっつー話だが(w

687 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:21 ID:???
煽りはわざわざアゲるからわかりやすいな
…でも、雑談スレの連中って今回の事なんとも思ってないの?
コテハンに一言スレじゃくろまんが氏とPASCO氏が、編集会議室じゃゆかりSSの人がなんか言ってんのに、
さかちー以外の当事者はなんの反応もないじゃん。雑談スレでもくろまんが氏の引退はたいして話題にもなんなかったし。
自分たちは関係ないって事?納得いかねー

688 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:26 ID:???
ID曝すためよ。

つーか、はっきりいってさかちーのSSつまんねぇ。

荒れた責任とって名有り氏と八輪氏に土下座すべきだな。

689 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/12(木) 15:40 ID:???
自分としては、くろまんが氏が去るほど暴言を吐いた人を追放してほしいな。。

自分は言われても別にいいけどね。。慣れてるし(ぇ

690 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:45 ID:???
>>689
オレにいわせてもらえば眠い名有りのほうがムカつくけどね。
鬼の首とったように盛り上がって、笑わせる。

691 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:46 ID:???
>>688
発表スレでそんな事言うな。スレ違いだ。
おまえが責任取って二度と来るな。

692 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:49 ID:???
そろそろやめようよ誰が悪いとか悪くないとか
こんな議論はいいから早く新しいSSが読みたい

693 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:53 ID:???
>>690-691
さかちーさん名無しになると随分威勢がよろしいようで(w

694 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 15:54 ID:y0oWr5r2
ま、大して面白くもないSSしか書けんくせに
人様の事をボロクソにいうバカは氏ねっつーことだな

695 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:04 ID:???
じゃあ君も死ななきゃ

696 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:10 ID:???
>>695
オマエガナー、さかちー

697 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:24 ID:???
どうやらグロSS書きさんはよほどさかちーさんのことがお嫌いなようで。
まあグロSS書いてるような人だからねー

698 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:34 ID:???
さかちー必死だな・・・

699 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:40 ID:???
感情を理性の上に立てて話すと荒れるよ。
荒らしになんてなりたくないはずでしょう、みなさん?
落ち着いて、ね?
また、こういった会話は編集会議室などでするのが適切かと考えます。

700 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:40 ID:OujQvtlo
やめろよお前ら。
そんなこと言ってほんとに・・・・何になるんだ

701 :なも ◆zQyv8380ig :2004/02/12(木) 16:43 ID:???
>>699
編集会議室はその用途に使われていないので,
他でやっていただきたい。

702 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/12(木) 16:45 ID:???
>>693-698
お気持ちはお察ししますが、そろそろこのスレではその話題は止めませんか?
新しい作品を迎え入れるためにも…。

当事者に言いたいことがあればラウンジへどうぞということで。
「SS書きの編集会議室」
ttp://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1064083852/l50
「ここのコテハン達に一言!」
ttp://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1060962498/l50
実際既に何人か書き込まれてますし。

職人の皆様方、新作を心よりお待ちしております。

703 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:48 ID:???
いっそのことラウンジに「骨髄反射で深い考えもなく言いたいことをいいまくる
スレ」でも作って、そこをガス抜きにつかうというのは?
(2chにある『業者広告貼り付け専用スレ』みたいなカンジで)

704 :なも ◆zQyv8380ig :2004/02/12(木) 16:51 ID:???
>>702
ラウンジに来られると迷惑。

>>703
不要。
吹き溜まりになるのが目に見えているので,
結局は他のスレに流れる。

705 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:58 ID:???
>他でやっていただきたい。

たとえばどのあたりが適切でしょう?

706 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 16:59 ID:???
コテハン同士の馴れ合いキモ・・・

707 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 17:24 ID:???
>>701>>704
何だか随分感じが悪いなぁ。
古参のコテハンの皆さんに対して、閉鎖的で排他的な印象を受けるよ。
我関せず、勝手にしてくれ、だけどオレらのところには来るなってことですか。
ラウンジの主旨って何?コテハンだけのもの?

真っ向から返してきただけ、さかちー氏の方がはるかにマシだよ。

708 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 17:56 ID:??-dPaTGYBU
特権階級の方々なんですよ。
ありがたくヘボ小説に対するラウンジ様のご批判を聞こうじゃありませんか!

709 :(・∀・)イイ! ◆EEE802ToMo :2004/02/12(木) 18:15 ID:???
ここはSSを発表するスレなんでしょう、議論があるなら>>702のスレでやるべきかと思います。

>>687
私はグロだとかは関係なしに全くSSを読みませんから・・。
ラウンジの住人の半分くらいは読んでないんじゃないでしょうか。
話題に上らないのも仕方ないでしょう。
ただ全く関係無いとは思ってませんよ。

710 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 19:47 ID:???
もしかしていつの間にかラウンジ対ここみたいな構図にされてるの?
結構関係ない人とかもいるんだけどあそこに書き込んでるやつらが全員意見言わないとダメなのか?

711 :(・∀・)イイ! ◆EEE802ToMo :2004/02/12(木) 19:49 ID:???
>>710
なってるね。

無関係な人まで悪く言うのはやめてほしいです・・。

712 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/12(木) 20:14 ID:???
これ以降は会議室とか雑談スレでやりましょか

713 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 20:18 ID:???
>>712
雑談スレはやめようよ。せめて会議室で・・・・・・

714 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/12(木) 20:49 ID:???
んじゃ、この話を振り切るためにSSをうpしますね。

715 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/12(木) 20:49 ID:???
「おはようございます!」
勢い良く挨拶をして起きたのは香緒音だ。今日は、彼女も猟の格好をして立っている。
外では何の音だろうか?大きい機械音がする。
「おはようございます…?なんですか、あの音?」
「あ、あの音ですか。除雪車ですよ。今日は除雪車が来る日ですから… これで帰れますね」
確かに、これで帰れる…だが、それは別れを意味するのだ。あの日失った友との…
本当にこれが別れとなるのだろうか… 本当に、本当に…
それに、気になるのはあの人の言動… もしかしてあの人は…
「どうしたんですか?美浜さん?」
「あっ、いえ、何でもないです」
「?」
もう一つ気になるのは"あれ" 。 何で"あれ"がここにあったのか?もしかしたら…
「おーい!車が出てきたぞー!」
ゆかりの声が、ちよの思考を中断させる。
「エンジンも別に異常はないみたいね。これで帰れるわ」
「じゃぁ帰りは私がー…」
無論、ちよはゆかりの運転を阻止する。
「さぁ、帰るわよ。乗った乗った」
「はい…」
ちよとよみ、特にちよは心残りがあった。もしあの人が… いや、杞憂だ。
ちよは自分の考えを忘れ、車に乗った。そして全員が車に乗地終わると、車が動き出した。
「風藻さん、桜さん、香緒音さん、ありがとう。本当に楽しかった。ねぇ、来年も、また会えるかなぁ?」
よみもここを離れたいとは思っていなかった。いや、彼女だけではないだろう。おそらく、全員がそう思っている。
「また来て下さい。いつでもいいですよ」
「さようなら…お元気で…」
「さようならー!また来て下さいねー!!」
ちよも、よみも、榊も、風藻も、桜も、香緒音も… 皆、相手が見えなくなるまで見つめていた…

716 :名無しさんちゃうねん :2004/02/12(木) 22:33 ID:???
>>710 なってないと思うよ

名有りさん、お疲れさま。

717 :名無しさんちゃうねん :2004/02/14(土) 10:18 ID:???


718 :名無しさんちゃうねん :2004/02/14(土) 19:33 ID:???
もう終わりだなここ

719 :眠い名有り ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/14(土) 20:48 ID:???
自分は、終わったら次スレは立てずに、控え室のほうで続きしたほうがいいと思います。。

720 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/20(金) 00:26 ID:???
盛り下がってますね…。

昨日、景気づけにSSを1本と思ったのですが、内容が内容だけに
随分手間を掛けてエロパロ板に投下してきました。
(トリップが同じなので分かると思います)

大学が冬休みに入ったんですかね?
あの板は今専用ブラウザじゃないと入れないようで。

721 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/20(金) 00:40 ID:???
>>720
人が少なくなったら見よう

722 :名無しさんちゃうねん :2004/02/20(金) 01:29 ID:???
>>720
今初めて気づいたわ
アンタますます実力者認定

723 :名無しさんちゃうねん :2004/02/20(金) 18:30 ID:eAcXUG/M
>>719
じゃあ、グロ話はどこでうpすればいいのん?

724 :名無しさんちゃうねん :2004/02/20(金) 19:13 ID:???
控え室は
>「あずまんが、よつばとのキャラが殺される、または虐待されるなど、
> 残酷な描写はしないでください」
というルールがあるからね
やっぱこの際「過激なSSスレ」でも立てた方がいいかな
伸びる伸びないは別として

725 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/20(金) 19:14 ID:???
>>723
控え室でも一向に構わないと思います。。

726 :くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s :2004/02/20(金) 21:58 ID:???
お約束通り曝しておきます。

727 :ケンドロス :2004/02/21(土) 04:57 ID:???
>>724
新スレたてるのは?控え室は3パートだから発表スレもパート3に
なっても問題ないと思う。それかあなたの言う通りにするか。

>>725
スレ建てた人がダメって言ってたから無理。控え室でのUPは。

728 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/21(土) 09:48 ID:???
>>727
じゃぁ、発表スレもVを立てなきゃ…

自分もうpしなきゃ…(鬱

729 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 09:50 ID:???
伸びなくても建てた方がいいでしょう。一応置いておかないと、発表の場がなくなってしまいますから。
それに、その場ならグロ話を嫌う人も文句は言わないでしょう。スレごとスルーするか、もしくは非難の言葉自体がスレ違いと断定できますから。

730 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 10:01 ID:???
書く人いないかもだから、次グロSS書いた人が自分で建てたら?

それよりゆかりとおはなしの続きまだー?
待ちくたびれ(AA略

731 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 10:27 ID:???
建て方知らない人もいるのですぅ。

ところで、今日深夜でやる「ヴァージン・スーサイズ」をあずまんがでやるのは、他のスレでもいいのかな?
いや、たとえ話なんだけども。

732 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 10:38 ID:???
「ここでやっても」でなく「他のスレでやっても」という質問の
意図がイマイチよくわからんな…
どこでやるのんー?

733 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/21(土) 10:46 ID:???
>>726
了解です。
近いうちにSSの相談やら雑談やら送るかも知れませんのでよろしく。
あと、ラウンジの方にも投下された方がいいかも、です。

734 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 11:25 ID:???
>>732
大阪板の「百合」「控え室」、その他のSSスレのことです。
加えるなら四匹スレとか、エロパロ板とか……
内容によるでしょうけど、あずキャラが死ぬのに酷く拒否反応を示す方もいるので。
かといって、誰も見ないようなところだと自己顕示欲が満たされず……
我が儘と言われれば、その通りですけれど、ね。

735 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 11:39 ID:???
>>734
ごめん、「ヴァージン・スーサイズ」の内容を知らんかった。

ここじゃダメなの?最近作品が少ないからレスもないけど、ギャラリーはいると思うよ。
百合スレや控室はやめといた方がいい。2ちゃんは最近行かないからわかんにゃい…

736 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 11:45 ID:???
>>734

> 大阪板の「百合」「控え室」、その他のSSスレのことです。
> 加えるなら四匹スレとか、エロパロ板とか……
> 内容によるでしょうけど、あずキャラが死ぬのに酷く拒否反応を示す方もいるので。

「他の」なんて曖昧に言わず、そのSSが受け入れられそうなスレを紹介してやれよ。
第一、あなたが例としてあげた「百合」「控え室」「四匹」スレだって、レイプやグロなSSを受け入れる雰囲気
の場所ではないぞ。このスレさえ平穏ならそれでいいのかい?
2chエロパロ板のスレですら、最近それ系のSS絡みで揉めまくったのに。

737 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 11:54 ID:???
>>736
いや、734は聞いてる側なんだが…。

738 : :2004/02/21(土) 12:08 ID:???
731&732&734は同一人物です。ごめんなさい、紛らわしくて。
そうですね。ここでいいと思うのです。でも、ここが終わったら困ってしまってワンワン。

739 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 12:21 ID:???
732は=735で俺だと思います。ワンワン。
いっぱいになったら次スレ建てる方向になってます。数レス前くらい読んでくれないとワンワン。

740 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 12:27 ID:???
729・731・734でした…
いやぁん、だって、次スレ立つか心肺だったですもんニャンニャン。

741 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 21:10 ID:???
>>720
読みました。相変わらず素晴らしいですな。
作品発表のペースもしっかりしてるし。見習いたいです。

>>730
ごめんなさい。第1話より更に難航しているのです。文章が苦しい……。
でも今日はやたら筆が進むので、早ければ今日か明日にはアップできるかもです。

>>くろまんがさん
ありがとうございます(お礼を言うのは変かもしれないけど)。
俺も近々言い残した事だけでも連絡したいと思います。

742 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 22:06 ID:???
>>441
ガンガレーガンガレー

743 :名無しさんちゃうねん :2004/02/21(土) 23:54 ID:???
>>737
はぁ? どこが「聞いてる側」やねん?
どこかと問われて応えてるレスやん。

744 :名無しさんちゃうねん :2004/02/22(日) 00:08 ID:???
>>743
落ち着いて流れを読め。
そして自分のレス内容を見ろよ!

745 :警告 :2004/02/22(日) 08:47 ID:???
↓:日本で年間三万人を超えてる事象が題材

746 :遠く、重く、遙かに :2004/02/22(日) 08:47 ID:???
「向こうでも一緒だぜ?」
「ああ、そうだな」
 世界を覆う青空は雲一つ無く、無限の宇宙にまで広がっている。
 遠い地平は、降り注ぐ陽光に舞いあげられた蒸気で白く霞んでいた。
 パタパタとはためくシャツの裾。
 心地よい風の中、二人はそこにたたずんでいる。
 久しぶりに一点の曇りなく、いい気分だった。
「でも、もしかしたら別々になっちゃうかもな」
「……何でだよ」
暦は眼鏡の奥から冷めた視線を短い髪の少女に向ける。
 いつものことだが、こういう時にまで智は水を差す。せっかくの、この日に。
「だってさ、私は天国で、よみは地獄じゃん」
あほか。
「逆だろう」
「えぇ?! そんなことねーよ。罪の重さ考えたら一目瞭然じゃん!」
 どの面下げて、そんな戯言ほざきやがる。飽きもせずツッコんでやる私も私だが。
 そう思いながら、やはりツッコんでやる彼女。
「確かにお前の頭だけは天国行きだな」
「どーゆー意味だよ」
「ま、一生考えてろ」
にべもなく、だが、接続は切らず、暦は智に声を渡す。
 ごく自然の、リラックスした、日常の会話。
 本当に久しぶりにした気がする。今日はいい日だ。
「一生、ね」
 智は空を仰いだ。暦もそれに倣う。
 広大に響く音、音、音。
 それは自由に吹く風の音と、下界のみんなが生きてる音。
 羨ましいなんて思わない。私たちは自由で、生きている。少なくとも今とこれからは。
 どちらともなく手を繋いだ。

747 :遠く、重く、遙かに :2004/02/22(日) 08:48 ID:???
「大丈夫。絶対離れないさ。絶対なんて絶対ないけど、これだけは絶対だ」
「よくわかんねーよ」
「わかんなくていい」
 あまり追求されると恥ずかしいから。
 それに、多分気持ちは伝わってる。
「でもさ、もし、別々でも……」
「ん?」
 掻き上げる髪の向こうで智が微笑んでいる。目が穏やかで、それがちょっと暦の胸を叩いた。
「別々でも、また一緒になれるよ。地獄までよみを追いかけてくから」
 じわり、と来た。
 ああ、やっぱり、ともはともだ。暦は思う。
 好きで良かった。
 何の力もない二人には世界はとてもつらかったけれど、それでもともを好きで良かった。
 幸せになれるだろう。ともと一緒なら。
「どうした? 感動した? 感動しちゃった?」
 突如として笑みと瞳に悪戯な色が入り込み、感傷的な雰囲気が一遍に吹っ飛ぶ。
 暦は慌てて取り繕った。
「バ、バーカ、あきれてたんだよ。マラソンですぐバテるようなヤツが、どうやって追ってこれるんだ?」
「簡単さ。だって私は飛び降りるだけでいいんだ、お前ンとこへ。簡単だろ?」
「……そうだな」
 確かに、簡単だ。
 たった一歩でいいんだから。
 それだけ踏み出すだけで、二人はいつまでも一緒になれる。

748 :遠く、重く、遙かに :2004/02/22(日) 08:48 ID:???
「そろそろ、行くか」
「ん」
縁を靴裏でなぞり、境界線を確かめる。
 その先には何もない。でも、ゼロは無限だ。何でもある。
「とも」
「何?」
 私を好きでよかったか?
「何でもない」
「何だよ、それ」
 危うくとも以上の馬鹿になるところだった。本当にもうさっさと行こう。
「一、二の」
息を合わせる。

749 :遠く、重く、遙かに :2004/02/22(日) 08:49 ID:???
「三、って言ったら出発な。……ありゃ、引っかかんなかったか」
「たりめーだ」
 ちょっぷ。
「バレバレだっての。いつからの付き合いだと思ってる」
 そう、バレバレだ。私は緊張なんかしてないぞ。
「馬鹿やってねーで、行くぞ」
「わーたよ、シャレのわからん連中よのぅ。はいはい、行きますって」
凸と凹のしっくりはまる関係を顕示して、二人は改めて定位置についた。
気分は青空のように澄み渡っている。それでも暦は智に感謝の言葉なんてかけるつもりはなかった。
「一、二の」
「三」 
 暦の右足と智の左足が、手と同じく一緒に前へ出る。一歩だけの二人三脚。
「よみ」
「何」
 身体が重力に引かれていく途中、智は確かにこう言った。
 ――私、よみが好きでよかった。
 もし、言い返すことができたら、暦はやはりツッコんでいただろう。
 ――バーカ、そんなこと、当たり前だ。
 今日、この日は、二人が二人でいられた日だったから。
一瞬は永遠に。永久は刹那に。
それを願い、二人は

750 :名無しさんちゃうねん :2004/02/22(日) 12:28 ID:???
おもしれー
これが「ヴァージン・スーサイズ」?それとも>>731とは別人?

751 :名無しさんちゃうねん :2004/02/22(日) 20:41 ID:???
>>750
それっぽいね。 ↓ヴァージン・スーサイズ
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/THE_VIRGIN_SUICIDES.htm

てか早まるな! おまいらいつの間に恋人になった!?

752 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/22(日) 21:18 ID:???
>>746-749
乙です。
でも…何で死んじゃったんだろう? その辺の物語もあったらキボンです!

ああ、自分の作品が虚しく見えてくるなぁ…(鬱

753 :名無しさんちゃうねん :2004/02/23(月) 09:52 ID:???
>>750
同一人物です。あずキャラが自殺する話は他スレではどうなのか、という意図で質問してみました。
多分拒否反応を示すだろうなぁ、SS考えても発表できないだろうなぁ、ここが無くなったら悲しいなぁ、
と考えたもので。
SSは本当は書くつもりはなかったのですが、会話だけでレスを進めてしまったので、お詫びのつもりで。
背景は皆さんの想像に任せます。それを超える物語を紡ぐのは、今のあちきには無理でござんす。

754 :名無しさんちゃうねん :2004/02/24(火) 19:07 ID:???
>>746-749
すごく描写がきれい。乙です。

で、age

755 :名無しさんちゃうねん :2004/02/24(火) 19:09 ID:Fpc9Wf92
間違えた。失礼。

756 :ゆかりとおはなし(第2話 1/18) :2004/02/24(火) 19:10 ID:???


 穏やかな青。心の深いところに優しく触れるような懐かしい陽射し。
空にも季節があるものだと、ゆかりはつくづく思う。
4月9日、入学式。その日は快晴であった。
 
 体育館にきれいに並べられた席は、既に新入生とその父母たちによって埋められている。
緊張した顔つきから見てとれる表情はそれぞれ違ってはいるが、共通するものを挙げるとすれば
それは「希望」であろう。変化と成長への希望は、若者の財産である。
 ゆかりは生徒たちのそういった表情を観察して、一人でにやにやしていた。
ゆかりにとっては、中学生あがりの垢抜けない坊ちゃん嬢ちゃんたちが、
期待で胸がいっぱいですとでも言いたげに目を輝かせてずらりと並んでいるのが
微笑ましいというか可笑しいというか、とにかく笑いがこみあげてきてしょうがない。
あのね、君たちね、何に期待してるのか知らんけどね、高校時代の3年間が自分にとって
かけがえのない青春でしたーなんて言うやつは、君たちが思うよりずっと少ないのだよ。くふふ。
……彼女にすれば悪意でもなんでもないのだが。
 進行役の教師がネクタイの結び目を気にしだした。式の開始までもう間もないようだ。
「ねえゆかり。ちょっと指摘しなきゃいけないことがあるんだけど」
話しかけてきたのはみなもである。新入生の担任となる教員は、1組担当からクラス順に並んで
座っており、3組のゆかりと5組のみなもの間にはもう一人4組担当の中年教師がいたので、
彼が席を立つタイミングを見て声をかけたらしい。
「あんた今日がどういう日かは理解してるわよね」
「はあ?入学式に決まってんじゃん」
「そうね。で、入学式ってのは、学校のとっても大事な式典よね」
「うん、そうだね」
「それでなんであんた思いっきり普段着なのよ」

757 :ゆかりとおはなし(第2話 2/18) :2004/02/24(火) 19:11 ID:???

一瞬ゆかりはポカンとして、それから自分の服装を確認してみた。
特に問題はないようだけど。ジャケットも落ち着いた柄のを選んできたし、
スカートもVネックのシャツも無地で地味な感じのやつだ。どこが間違っているというのか。
「……おめでたい色のが良かった?入学式だし。でもあんたのスーツも黒いじゃん」
「違うわよ!ふつう礼服でしょ、こういう時は!きちんとした格好しろって言ってんの!」
「ああ……え?そういうもんなの?」
「あたりまえでしょ!あんただけよ、そんな格好してんの」
「でもそれっぽいの持ってないしー」
「だから私が買うときいっしょに買えって言ったんじゃない」
 思い返せば、大学の儀式でもここへの着任の挨拶でも、ゆかりが正装した姿など
みなもは見たことがなかった。
幸いと言うべきかこの学校では、入学式や卒業式に出席する職員は該当する学年を受け持つものと
その他一部だけであったので、ゆかりは今まで正装する必要がなかったのである。
まさか未だに礼服を一着も持っていないとは、みなもは考えもしなかった。
「あはは、ほんとだ。主任のおばちゃん着物なんか着てら。ばかでー」
馬鹿はおまえだ……。みなもが頭を抱えたところで、4組の担任が戻ってきた。
どうやら式が始まるようである。
「新入生、職員、起立」
ゆかりの服装とは関わりなく、式は厳かに進められた。

758 :ゆかりとおはなし(第2話 2/18) :2004/02/24(火) 19:13 ID:???

「あー、緊張したわ」
みなもはため息をついた。式が終わり、職員室を後にして、いよいよ生徒たちの待つ教室へ
向かわんというところであるのだが、会話の内容はどうやら既に終了した入学式についてのようだ。
「あんたったら本当に情けなかったわねえ。脚ガクガク震わしちゃって」
「うるさいわね。あんたなんか生徒の名前読めなくなって、むにゃむにゃ言って
ごまかしちゃったじゃない。生徒たち笑いこらえてたわよ」
「ガキに変な名前付ける親が悪いんだよ。あんなん読めるわけねーじゃん。
なんだ崇魅主(すみす)って、族の車のステッカーかっつーの」
「まあ確かにな……」
なんの話をしているかと言うと、各クラスの担任が生徒の名前を一人ずつ呼び、
生徒がそれに応えるというお約束の作法についてである。二人とも、その担任初仕事において
ちょっとした失態をやらかしたのだった。
「そんなことより、これからもっと緊張するのよー。ほらほら、教室が見えてきた。
夢いっぱいの新入生たちがにゃもちゃん先生を待ってますぞー」
「ちょっとは励ましなさいよ……ああ、どうしよう、どうしたらいい?
やっぱり最初が肝心よね。自己紹介は名前だけの方が無難かしら。」
「にゃはははは、無様ねにゃも。まあリラックスしてやることね。
昨日さんざん私相手にホームルームの練習なんてこっ恥ずかしい事やったんだから」
「そうなんだけど……ああ、着いちゃったじゃん……」
「ようし、行ってきなさい!あんたの最期はこの私がしかと見届けたわよ!」
みなもはそれには答えず、じろりとゆかりを睨むと、意を決して教室の扉を開けた。
「さてさて、お手並み拝見といこうかしらねえ」
ゆかりは後でみなもをからかうネタにするべく、しばらく廊下で立聞きすることにした。
入学式のようにあほみたく緊張して、面白い奇行を見せてくれると思っていたのだが、
事態はゆかりの予想に反する展開を見せた。
教室に入ったみなもは、ゆかりの前での挙動とはうって変わって落ちついた態度で、
騒々しいクラスを一声でまとめると、流れるように自分の挨拶に持ち込んだのだ。

759 :ゆかりとおはなし(第2話 2/18) :2004/02/24(火) 19:14 ID:???

それから後は、もうみなものペースであった。容姿と若さは強力な武器となる。
自己紹介をしただけで調子のいい男子からひゅうっと声があがり、それを機に再び
教室がさんざめいた。みなもが生徒をたしなめる声から、浮かれた様子が手に取るようにわかる。
「……なんだい、にゃものやつ」
 ゆかりは拍子抜けを通りこして不愉快だった。そりゃ口調がのび太君みたいにもなる。
おいおい、さっきまでめそめそしてたにしちゃあ、ちょっと出来が良すぎるんじゃないの?
さては不安がってたのは半分ポーズだったんだな、しょうがねえやつだ、とゆかりは解釈した。
 とにかく、これ以上ここにいる意味はもはやない。ゆかりは自分の教室へと向かった。
「やりたいようにやる」という、己にとっての歴とした哲学を持つ彼女であったから、
当然緊張などするはずもないのだが、それとは別の、なんだか変な気分を感じてもいた。
なんというか、焼肉で胸焼けでもしたような、すっきりしない気分(もっとましな喩えはないものか)。
 その原因はさっぱりわからない。けれど、ちょっと思うところはあるにはある。
考えてみりゃこの学年のやつらって、順調に行けば私がこのまま、3年生まで受け持つ事に
なるんだよなあ。入学から卒業まで、ずっと面倒見てやるわけだ。
言うなら恩師ってやつ?……になるの?私が?わお、すげー実感ねえ。

 気がつくと、教室の前で足が止まっていた。室内の連中はやはり、やかましく騒いでいる。
ゆかりは思った。もうどうでもいい事考える必要はない。もっと良いことに時間を使おう。
そうだ、3年間の付き合いになるからこそ、私の居心地がいい環境づくりに妥協は出来ない。
入学式のようなミスはもうたくさんだ。これ以上新入生なんかになめられてたまるか。
見とけ、これが教師・ゆかりのやり方だ!
ゆかりは勢いよく扉を開けた。

760 :ゆかりとおはなし(第2話 5/18) :2004/02/24(火) 19:15 ID:???
「はいはーい、席に着いてー。ホームルームを始めますよー」
 教師・ゆかりのやり方は、まさしく新入生たちに早くも認識される事となった。
ただし、予想外の形と、予想以上のインパクトを以ってである。
 結果から言おう。ゆかりは教室を間違えた。
彼女が入ったのは4組の教室。つまらない気がかりのために、開くべき扉を見誤ったのである。
 ゆかりが出席簿をばんばん鳴らしながら教室に入ってきた時点で、教室の多くの者が
そのおかしな事態に気づいていた。入学式で彼らの名前を呼んだ男性教師の顔を覚えていたのだ、
中には、両隣が美人の担任で羨ましいなあなどと思っていた男子もいたのだから、確かな筈である。
 そして、ゆかりは更なる醜態を重ねる。
教室の空気にも無頓着に、ゆかりが「3組の担任」として自己紹介を始め、
生徒たちの疑惑が確信に変わった時、一人の勇気ある男子生徒が手を挙げた。
無論その挙手はゆかりの失敗を指摘するためにしたものであったのだが、
男子生徒の緊張に赤らんだ頬を見て、ゆかりは突拍子もない誤解をした。
即ち、こいつは私のスリーサイズを聞こうとしているに違いない、と。
 まったくもって奇天烈な発想である。しかしこの思考も、ゆかりにとっては自然なものであった。
彼女にしてみれば、つまり、男子から見て自分が魅力的でないわけがない。
とすれば、彼らが自分について関心を抱くべき事は、まずスリーサイズか男関係。
加えて顔が赤みを帯びている事を考慮し、スリーサイズが濃厚と判断。実に筋の通ったロジック。
 ゆかりとしては機先を制したつもりであった。
おずおずと切り出す男子生徒を抑え、毅然とした態度でスリーサイズは教えない意志を表し、
更に自分の体型が見くびられるのを避けるべく冗談めかしたフォローを入れる。
ほぼ完璧に思われる対応も、勘違いと言う前提があっては独り相撲にしかならなかった。
「いえ、あの、先生のクラスはとなりです……。ここ4組……」

761 :ゆかりとおはなし(第2話 6/18) :2004/02/24(火) 19:15 ID:???

 決定的な台詞であった。ゆかりの顔から表情が消えた。
教室がここぞとばかりにざわつきだす。聞こえてくる言葉の内容は、あるいは嘲笑、あるいは同情。
曰く、「やだー!なにスリーサイズって、意味わかんないし」
曰く、「超うける!てゆうか普通教室とか間違えないっしょ」
曰く、「笑っちゃ悪いよ……これかなり恥ずかしいぞ、実際」
曰く、「つーかこの人担任でいいよ。担任おっさんとか考えらんねえし、まじで」
曰く、「おっさんいいじゃん。可愛かったじゃん、ピグモンみたいな顔して」
曰く、「ぎゃはははは!ピグモン近いね、かなり!」
曰く、「ねえねえ、それよりさ、どんな反応すんのかなこの人……ぷぷ」
 生徒たちは笑い出す準備も万全で、あとはゆかりがどう応えるかを待つだけであった。
照れ隠しに冗談でも言うのか、それともそそくさと退室するのか。
しかし、ゆかりのやり方は、ここへきて遂にその本領を見せた。
「うるせー!!好き勝手言ってんじゃねーぞクソガキ!!」
 その発言は生徒たちの理解を超えていた。もはや誰も笑ったり出来なかった。
逆ギレ。これほどゆかり的な行動もなかなか無いだろう。
ゆかりは返事を求めず、援護も求めず、自分が怒鳴らなければならない理由だけをぶち上げた。
どうして私が教室を間違えなきゃいけないのか。
どうしてお前らはもっと早く間違えを教えなかったのか。
どうして高一の砂利に私が馬鹿にされているのか。
どうして男子たちからひゅうっという声があがらないのか。
どこまでも自分本位の暴言に、生徒たちは自身の責任も見つけられず戸惑うばかりであった。
 そうしているうちに、ピグモンみたいなのが何やらピーピーわめきながら入室してきたが、
ゆかりは最終的にそれをも罵倒すると、唖然とする生徒たちを尻目に教室を後にした。
その場に残されたのは、嵐の前ならぬ、嵐のあとのサイレンスである。
ピグモンの吐いた「なんてこった」という嘆息が、長いこと生徒たちの耳から離れなかった。

762 :ゆかりとおはなし(第2話 7/18) :2004/02/24(火) 19:16 ID:???

「ぷあははははは!!うひはははは、ひぃひぃ……」
 店内の客は、先ほどから不定期に聞こえてくる耳障りな馬鹿笑いにいささか呆れていた。
飲み屋と言っても、まだ7時前だ。酔っ払いが騒ぎ出すにはちょっと早い。
しかし、黒沢みなもの笑い声は、酒のせいではないのだ。
「笑いすぎだ、このやろう!いい加減黙れ!」
「あはははは、だってあんた……うくくっ、ひいははは……」
 みなもは昼間からずっとこの調子である。言うまでもなく、ゆかりの晒した大恥のためだ。
みなものこの状態もまあ、当然と言えば当然である。何しろ今朝までは形成が逆だったのだから。
ゆかりにしたってそうだ。新入生との対面が終わって、いつもの飲み屋で焼酎飲みながら
相手にからかわれているのは、自分ではなくみなものはずだったのに。
 ゆかりにとって更にまずかったのは、4組の教室でわめき散らしたその罵声が、
両隣の教室に丸聞こえだった事である。つまり、自分のクラスと、そしてみなもに。
本人に聞かれてしまったのだから、当然ごまかしようもない。結局為すすべなく、
馬鹿にするはずだったみなもから逆に言いたい放題されているのだった。
「いや、実際凄かったわよあんた。うちのクラスもしーんとして聞き耳たてちゃってさ。
隣の教室から生徒の声が聞こえないんだもん。ひたすらあんたの怒鳴り声だけ」
「あー……教壇てのがあんなに孤独な場所だとは思ってなかったわよ」
「でもまあ良かったんじゃない?自分のクラスの子たちにも聞こえてたんでしょ?
あんたが3組に入った時の大爆笑も聞こえてきたわよ。人気者じゃん、ぷふぅーはははは!」
みなもが再び笑い声をあげた。店内の目線にこだわる素振りもない。
ゆかりはもう馬鹿笑いをやめさせるのは諦めた。

763 :ゆかりとおはなし(第2話 8/18) :2004/02/24(火) 19:16 ID:???

「人気者ね……確かに自分の教室入ったときは盛大に迎えられたけどね。
男子なんか指さして笑いやがんのよ。人気もなにもあったもんじゃないわよ」
「あははは、そりゃそうだ」
「目上の人間に対する敬意ってもんがないのよ、あの連中には。
中でもあの玉木のやつときたら、あーもう、腹立つわ!くそ!」
「玉木?誰よそれ」
「違う。玉木じゃなかった。なんつったっけ、あいつ、ほら……くそう、あいつめ……」
「なに言ってんのよ一人で」
「滝野だ!思い出した!そう、滝野。名前間違えたのよ、私。
なんかさ。先生のお郷じゃ担任が隣のクラスに挨拶して回る文化もあるんですかーとか
ぬかしやがる女がいたからさ、出席簿で名前調べたのさ。
そしたら名前が玉木だったのよ。で、コケにされて腹立ってたからさ、こっちも言ってやったの。
女の癖に玉木なんて悲惨な名前だなー、やーいタマキンタマキンってさ。
そしたらその女が、私滝野です、タマキンじゃありませーんとか言いやんの。
数えなおしたら席一つ間違えててね。玉木ってそいつの後ろの娘だったのよ。
それでまたクラス中から笑われてさ。ちくしょう、むかつくなあ」
「それは……ほんとに悲惨だったわね。いや玉木さんが」
 さすがにみなもも笑っていなかった。自分のクラスでまでそんな暴挙を行っていたとは。
こんなやつが40人からのクラスの担任だなんて、許されていいのか?
 みなものゆかりに対するこのような軽蔑は、今日に始まったことではない。
1年前、ゆかりが初めて担任を任された時から、内心ではゆかりのことを認めていなかった。
自分の好きなようにやること、それが正しい認識だと信じるゆかりの行動は、
いつも一緒にいるみなもが贔屓目に見ても、身勝手としか捉えることができなかった。
ゆかりは自分の主義主張や心境を喋ったりしないから、なおさらである。

764 :ゆかりとおはなし(第2話 9/18) :2004/02/24(火) 19:17 ID:???

 周りのことを考えず、自己中心的な言動しかしないゆかり。
こんなやつが生徒から心底好かれ、信頼されるわけがない。みなもはそう考えていた。
私は違う。私は生徒に好かれるような、いい先生になりたい。
ゆかりはその頃、みなもの反面教師ですらあったのだ。
 みなもはあるいは、ゆかりと比較する事で自らの公正さに自負を抱いていたのかもしれない。
ともかく、自分がゆかりに対して時に見下した態度を取る事を、ある程度自覚はしていた筈である。
「あんたね、もっと自分の立場に責任ってもんを感じなさいよ」
「いやー、確かに悪いとは思ったわよ?一応その玉木さんにも謝っといたしさー」
「そうじゃなくてさ。いや、そうなんだけど、今言ったのはそういう意味じゃなくて。
仮にもあんたは担任なのよ?生徒たちはみんなあなたを見てるのよ?そこんとこ分かってんの?」
「……はあん?」
「調子っぱずれな声だしてんなよ。ていうか分かってねえなこいつ……。
いい?要するによ。あんたは自分の行動が生徒たちにどう影響を与えるか考えなさすぎなのよ。
生徒たちのことを考えて、行動で正しい在り方を示すから、教師は心から信頼されるんじゃない。
あんたみたいに好き勝手やって、色モノ扱いで生徒に仲良くされても、それだけじゃだめよ」
「おい待て、誰が色モノ扱いか」
「いいから真面目に聞けよ。第一あんたはいっつもいっつも……」
「はいはいはい、分かったわよ。あんたは偉いよ。正しいわよ。
なんだっけ?生徒を第一に思って?行動で尊敬させろ?
そんで、自分の立場ってやつを考えるのが教師の責任だっけ?
すげー。グレートティーチャーじゃんグレートティーチャー。いやGTO読んだこと無いけど。
私が高校生の時は、そんな先生いなかったわ」

765 :ゆかりとおはなし(第2話 10/18) :2004/02/24(火) 19:17 ID:???

 ゆかりは、いささか調子に乗って説教を垂れるみなもが鬱陶しかったのだろう。
あからさまな態度でみなもを拒絶すると、焼き鳥を一串、一気に頬張った。
みなももみなもで、ゆかりのそんな素振りにいよいよ呆れ果ててしまった。
双方ともに、自分が間違っているなどと言う発想は生まれるはずも無いのである。
 二呼吸ほどの沈黙の後、みなもがため息をつきつつ口を開いた。
「……いったい、なんであんた教師なんかになったのよ」
ゆかりはみなもに視線を合わせ、頬張っていた焼き鳥を飲み込むと、
焼酎のグラスを湯飲みのように手に持って答えた。
「まったく、なにかにつけて理由を欲しがるのは若者の悪い癖だのー」
「誰だよおまえ」
もちろん、みなもの問いに答える気はさらさらない。
「にゃも、これだけ言っといてやる。教師にはな、裏と表があるんだよ。
そんで表はスカッスカのプラスチックで出来てんだ。」
「なんだそりゃ。じゃあ裏はなんなのよ。天然素材?」
「うんにゃ、裏もプラスチック」
「……裏表ねえじゃん」
「ばかやろう、いろいろ違うんだよ。色とか手触りとか」
ゆかりの思いつきの格言で、とりあえずその話題はおしまいになった。

766 :ゆかりとおはなし(第2話 11/18) :2004/02/24(火) 19:18 ID:???

 その後一週間、これと言ったハプニングも無かったが、その平穏な日常での振る舞いさえ、
生徒たちのゆかりに対する「色モノ」という評価を決定付けるには充分なものであった。
まあそれらは本当に些細な出来事であって、たとえば3組での英語の初授業でやったことが
「席替えと自己紹介」であった事とか、クラスの委員長を外見だけで決定した事とか、
その委員長に英語の点数で負け、悔し紛れに凄んで見せた事とか、そんな感じの事である。
 そしてもう一つ、生徒の名前をなかなか覚えられない事も、
ゆかりが生徒たちからとんだ変わり者だと認められるのに一役買っていた。
これは人の名前を覚えるのが苦手だとかそう言う事ではなく、はっきり言えば覚える気がないのだ。
もう少し優しく言い方をすると、覚える事に真剣でない。自然に覚えるだろうと思っているのである。
しかし現実はそうもいかず、入学から日曜を一回挟んで更に一週間がたっても、
ゆかりが自分のクラスで顔と名前が一致するのは、わずかに5人だけであった。
黒沢みなもは既に自分のクラスの生徒の名前は完璧だと言い、ゆかりをからかったが、
ゆかりからすればわざわざ名前を覚えるための努力などする方が理解不能なのである。

 さて、ゆかりに名前を覚えられた名誉ある5人だが、どいつにもやはりそれなりの理由があった。
まず、入学早々ゆかりに恥をかかせた滝野と玉木。
玉木はこれといって目立たず、ゆかりは下手すれば名前を忘れてしまうところだったが、滝野は違った。
フルネームは滝野智。自身を暴走女子高生と称し、毎日キャンキャンと暴れ回っている。
みなもは似た者同士なんじゃないかと言っていたが、ゆかりはそうは思わなかった。
ゆかりは智と自分との間に決定的な差を見出していた。それはつまり、智は確信犯だと言う事である。
ゆかりに言わせれば、彼女と智の行動は、まずその動機が根本から違う。
自分が感情のままに動いているのに対し、智のモチベーションは芸人気質とでも呼べるようなものだ。
言ってみれば、奴のは「ボケ」だ。自分と一緒にされちゃ困る、というのがゆかりの内心であった。
 次に名前を覚えられたのが例の委員長で、大山と言う名前の男子。
担任であり英語教師であるゆかりを差しおいて、英語のテストで100点なんかとってくれたのだ。
よもやこのままで済まされるとも考えられない。

767 :ゆかりとおはなし(第2話 12/18) :2004/02/24(火) 19:18 ID:???

 それからもう一人、ゆかりに強烈な印象を与えたのは、極めて洗練された容姿を持つ女子であった。
身長は170cmはあるだろう。鋭くも優しい瞳を携えた顔貌は、美を体現したかのようである。
細身の身体はしかし決して華奢ではなく、彼女の生命の若さ、強さを秘め、瑞々しく脈打っている。
豊満な乳房はまるで彼女のためにあしらわれたが如く、肉体の調和をあでやかに完成させ、
そしてその身体に降り注ぐ絹の髪の艶かしさが、酔えるほどに官能的である。
 ゆかりは朝のSHRに向かう途中、廊下でこの女子を見かけ、不覚にもはっとさせられたが、
何食わぬ顔で横に並び、歩きながら彼女の身体をまじまじと観察した。
なんだ?この胸は。すげえな、馬鹿にしてんのか?といった具合に。
しかし、ゆかりはおかしな事に気付いた。ここは2階である。彼女は階段を上る気配も無い。
もしかしてこいつ1年?嘘だろ?これで一月前まで中坊だったの?
だが驚くべきはそれだけではなかった。彼女はゆかりと一緒に3組の教室に入ってしまったのだ。
これにはゆかりも面食らった。まさかこんな奴が自分のクラスにいたのに気付かなかったとは。
その場で調べると、彼女の名前は榊といった。これもゆかりにはすぐ覚えられた。
 ゆかりが榊の存在に気付かなかった事の一因は、どうやら榊の内向的な性格であるらしかった。
ゆかりは、たとえば自分の担任と並んで歩いていても挨拶すらしないような無口で暗い奴は、
正直言ってあんまり好きではない。そんなわけで榊は、その容姿から第一印象こそ鮮烈だったものの、
まあ適当に付き合っときゃいいや、とあっさり見放されてしまった。
 そして5人目である。その生徒は誰よりも早く、ゆかりに顔と名前を覚えられた。
けれども級友たちとは、これから初めて顔を合わせることになる。
入学から一週間遅れの、この日に。

768 :ゆかりとおはなし(第2話 13/18) :2004/02/24(火) 19:19 ID:???

「おはよーございまーす」
 ゆかりが職員室に入ってきた。心底かったるいと言いたげな前傾姿勢で。
「どうしたのよ、あんた。いつにもましてやる気なさそうね。」
「久しぶりに一週間も仕事したからよー。春休みには無かった感覚だわ。
日曜日のありがたさと月曜日のユウウツさを同時に痛感してるのよ」
「ああ、なるほどな……」
しかしみなもは、ここでゆかりを誉めるべき材料を見つけた。
「でもあんた、今日はやけに早いじゃない。いつも遅刻ぎりぎりなのに」
「んー、まあ今日ぐらいはな。わざわざ昨日も早く寝てやったさ」
「?どう言う事?」
ゆかりが答えようとしたところに、教頭が割り込んできた。
まあ、そのおかげで、みなもの疑問はゆかりが説明するまでもなく解消されたのだが。
「おお、谷崎君、やっと来たか。早く校長室に行ってくれ。もう美浜君も来ているよ」
「はーい、すぐ行きます。」
ゆかりの返事を聞くと、教頭は自分も一足早く校長室へ向かった。
向き直ってきたみなもの顔は、なぜかにやついていた。
「……ちよちゃんか」
「うん。今日からだ」

769 :ゆかりとおはなし(第2話 14/18) :2004/02/24(火) 19:19 ID:???
「ていうか、あんたやっぱり人待たせてんじゃん。いつもと変わってないわよ」
「うるせー。こんだけ早く来りゃ上出来だろが」
みなもはにやにやしたまま、ゆかりの顔を見つめた。気勢を削がれて、ゆかりもぽりぽりと頭を掻く。
「行ってこいよ。なにも大したこっちゃないわよ」
「うん、わかってる。じゃあね。」
みなもは幾分あてが外れて面白くないと感じつつ、ゆかりの後姿を見送った。
ゆかりの表情に、不安だとか心配だとかが本当に露ほども見てとれなかったので。

 ゆかりが校長室に入ると、校長と教頭、そして美浜ちよの3人が彼女を待っていた。
校長と教頭が一つのソファーに並んで座り、その向かいの席にちよが座っている形であった。
10歳の女の子にしても小柄なちよが、姿勢も正しくソファーのまん中にぽつんと座っていると、
ただでさえ大仰なソファーが更にやたらと大きく見えて、それがなんだか可笑しかった。
「あ、谷崎先生、おはようございます」
ゆかりの姿を認めると、ちよはわざわざ立ち上がって、例によって慇懃に挨拶してきた。
「おはよう、ちよちゃん。制服は初めてね。かわいいじゃん」
「そうですかー?ありがとうございます」
照れつつも嬉しそうなちよのはにかんだ笑顔は、お世辞ではなく本当に愛らしかった。

770 :ゆかりとおはなし(第2話 15/18) :2004/02/24(火) 19:20 ID:???

 ゆかりがちよの隣に腰をおろすと、校長と教頭がちよになんやかんやと説明を始めた。
もちろん本人の前で教師たちの心配事など話すはずもなく、その内容は
困った時は相談してくれだとか、そんな他愛もない事ばかりであった。
ちよはにこにこしながら話を聞いていたが、急に真面目な顔になって、一つの質問をした。
「あの、クラスメートのみなさんは、私が入ってくる事をどう感じているのでしょうか」
頭のいい子である。自分の存在がクラスの和を乱す可能性を心得ているのである。
校長と教頭は言葉に詰まって、顔を見合わせてしまった。
そこでゆかりが、からからと笑いながらその問いに答えた。
「まあねえー。そりゃびっくりしてるわよ。小学生が転入してくるなんて言うんだから。
あ、みんなには今日あらためて紹介するけど、一応もうあんたの事は説明してあるわ。
でもね、驚いてるって言っても、別に戸惑ってるとかそんな風じゃないよありゃ。
むしろはしゃいでるわよ。10歳の天才少女って聞いて、すげーすげーって。
だからちよちゃんみたいないい子なら、あいつらとはすぐ仲良くできるわ。多分」
 どこか遠慮のない言葉だったが、ちよはそれで逆に安心させられたようだ。
笑顔の戻ったちよを見て、ゆかりは更に続けた。
「それにねちよちゃん。10歳ってのは、ある意味有利な条件よー。
うまくすれば、年上のクラスメートを意のままに扱えるわ。つまりねー……」
ゆかりは調子づいてきたところだったが、苦い顔をした教頭がわざとらしく咳払いしたので、
渋々そこで止めておいた。

771 :ゆかりとおはなし(第2話 16/18) :2004/02/24(火) 19:21 ID:???

「あーったく、シャレの分からない連中だわ」 
20ウン歳のゆかりは、10歳のちよになだめられながら教室へと向かっていた。
SHRのチャイムを待ってから校長室を後にしたので、廊下には他に誰もいない。
「せっかく、生きてくための知恵ってやつをちよちゃんに教えてあげようと思ったのに。
ちよちゃんも聞きたかったよなあ?」
「いえ、そのー……まあ、その話はまた今度と言う事で……」
「え?そう?じゃあいいや、それは。それよりどうよ?緊張してきた?」
「緊張してますよー、さっきから。でも、平気です。先生が大丈夫だって言ってくれたから」
 まったく出来すぎたガキだと、ゆかりは思った。なんというか、張り合いがない。
それだけ才能にも家柄にも恵まれてるんだから、もっと性格悪くてもよさそうなのに。
ゆかりはちよを見て考える。もし自分がこいつみたいだったらどうだろう。
裕福な家庭に生まれ、並外れた頭脳をもったちよは、自分とはスタートラインからして違っている。
こいつのような奴もいるってことだ。生まれた時点で、その先ずっと成功が決定されてるような奴。
羨ましいとすら思えない。自分とは何もかも違いすぎる。
そのくせこんなに可愛らしいんだから、自分と比べるだけ惨めである。
ゆかりは溜息をつきたくなったが、そこへちよがおかしな事を言い出した。
「……谷崎先生」
 いやにあらたまった口調であった。
「ん?なに?」
「私、谷崎先生みたいな人が担任でよかったです」

772 :ゆかりとおはなし(第2話 17/18) :2004/02/24(火) 19:21 ID:???
ゆかりはあっけにとられた。と言うより、言っている意味が理解できなかった。
は?なに言ってんだこいつ?……あるいは、声に出ていたかもしれない
いや、そりゃ自分は言うまでもなくいい先生ですよ?才色兼備。担任が美人ならそれで充分でしょ?
しかし、唐突にこんなことを言われては、いつもの勢いでリアクションもできない。
むしろ、ちよが真剣な表情なので、がらにもなく心配になってしまった。
「なに言い出すのよ、急に。どうしたの?」
「いえ、本当にそう思うんです。なぜだかよく分からないけど、そう言いたくなったんです。」
 なんだか鼻の辺りがむずむずしてきた。まさか天才少女にこんなこと言われるとは。
ひょっとして、これが他人を取り込むためのこいつの手段か?
そんな考えも浮かんだが、それにしても悪い気はしなかった。
「ふーん、そう……そりゃよかったわね」
「はい、よかったです」
ひねくれたゆかりの返事にも、ちよは素直に応えた。
 しかし、「谷崎先生」か……。もうクラスの生徒は、みんな私をなめきって、
「ゆかり先生」などとなれなれしく呼んでくる。こいつも近いうちそうなるんだろうな。

773 :ゆかりとおはなし(第2話 18/18) :2004/02/24(火) 19:22 ID:???

 あれこれ喋っているうちに、もう教室である。室内の連中は飽きもせず騒いでいる。
扉の窓から教室の中をしきりに覗き込むゆかりを見て、ちよが尋ねた。
「あのー、何してるんですか?」
「ん?いやね、私こないだ教室間違えちゃったのよ。それから慎重になってるのよね」
「あはは、そうなんですかー」
嘘である。そんな事、いちいち気にするゆかりではない。
「お、滝野さんがいた。ここで間違いなさそうだわ」
ゆかりは今度はちよの顔を覗き込んだ。
「んじゃ、行くわよ?」
「はい!」
要らない心配だったか。ちょっと残念。
 ゆかりはいつもと同じように、思いきり扉を開けた。
天才少女を迎え入れるクラスの声は、ゆかりの怒鳴り声にも勝る歓呼であった。

774 :名無しさんちゃうねん :2004/02/24(火) 19:23 ID:???
>>758-759
名前欄数字ミス。失礼

775 :伯爵 :2004/02/24(火) 19:39 ID:???
 たっぷりと贅沢な筋立てで、目が離せません。
 伏線の張り方もみごとです。再読性が高い。
 次章の展開をお待ちしております。

 手を抜かず、さりとて力を込めすぎず。
 素晴らしいです。

776 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/24(火) 20:41 ID:???
長い割りにきれいに改行されていて、キャラの個性も十分引き出されていてすばらしい作品だと思います。
次回作も期待してます。

777 :名無しさんちゃうねん :2004/02/24(火) 21:51 ID:???
実は楽しみにしてた俺がいる。乙!

778 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 00:12 ID:???
冗談なのか本気なのかよくわからん雰囲気がいいと思うのです。

779 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 00:39 ID:???
ごめんなさい、タイプミス
>>766 9行目 「優しく言い方をすると」→「優しい言い方をすると」

>>775-778
ありがとう。これで続きも頑張れるってもんです。

780 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 10:10 ID:???
やっぱり自分の頭の中にある物語を文章化するって結構大変な
作業ですよね、みなさんすごいですね
私だったら20行位書くのに1時間とかかっちゃう
それはそれで気にいらなかったり・・・
>>779
乙でした。続き頑張ってください!

781 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 11:07 ID:sjr48DaE
一時間で20行って割と早くないか?

782 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 11:08 ID:???
しまった!あげちゃった!ゴメソ!

783 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 12:41 ID:???
これに限らず、SSをいろいろ読んできて思うことだが
結局、上手い人は最初から上手いもんだなと思う
ある意味残酷なことだが「才能」ってやっぱあるもんだね

784 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 15:02 ID:???
99パーセントは努力だがな。
自分の才能に見切りをつける権利は、それだけの努力をした者にだけある。

785 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 17:55 ID:???
>>783
それはSS書きの職人さん達に対して大変失礼だ。
よく知りもしない相手の技量を才能の一言で片付けるなよ。

>>784
禿道
後天的なものに関して、強いて才能と呼べるものがあるとしたら
子どもの頃からの積み重ねだと思うよ。
本が好きだったとか、作文が好きだったとか、空想の物語が好きだったとか…ね。

786 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/02/25(水) 20:06 ID:???
BRはどうなったんだ?

787 :名無しさんちゃうねん :2004/02/25(水) 20:06 ID:???
俺は783の言うことにも一理あると思うがな。
ただ、才能があれば苦もなく作品を作れるかっつーとそうじゃないじゃん。
すぐ上にあるから例えに出すけど、このゆかりSSなんかかなり苦労して書いてると思うし

788 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2004/02/25(水) 21:27 ID:???
>>779
 お疲れ様です。大変興味深く読ませていただきました。
 ゆかり先生の(外側から見たら傍若無人そのものだけど)
自分の生き方に対する強烈な自負と、常識に囚われる他者への
冷ややかな視線が、丹念に書かれているように思いました。
 皮肉っぽく世の中をみている彼女ですが、ちよちゃんみたいな
真っ直ぐな存在は、却って眩しく感じられてしまうのでしょうね。
 もう一人の転校生があらわれた時の反応が楽しみです。

789 :ゆかりとおはなし(書いてるやつ) :2004/02/25(水) 21:53 ID:???
>>788
ありがとうございます。ていうか、やっぱりコテ名乗って書いてる人って凄いなあ……

作品も持たずに名乗って語るのは恐縮なんですが。
一応の書き手になって思うのは、紅茶菜月にしろ伯爵さんにしろ、勿論名無しでレスつけて下さった方も、
ものすごく適切にこちらの意図を読み取ってくれるのだなあと。
そして、そういう才能を持った方が自分の作品を見守っていてくれるという事が、
それだけで非常に心強いことに感じられたり。

そんだけです。ちょっと独り言が言いたくなっちゃいました。
ご容赦ください。

790 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/26(木) 01:12 ID:???
>>756-773
たった今読み終わったところです。
お疲れ様です。
ゆかり先生とにゃも先生の価値観の対比が鮮やかに書かれていて、
大変面白かったです。等身大の2先生をリアルに感じました。

これを読んだ後に、ちょっと原作1巻の対応する箇所を読み直して
みたのですが、溢れんばかりに行間が埋まってしまって…。

続きが楽しみです。
頑張ってください。

791 :会議室2の94 :2004/02/26(木) 10:57 ID:???
伯爵さん、すんまへん。
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1076610111/96-97より

大阪「ナタデココって言えばや〜」

ちよ「なんですか?」

大阪「木の切り方って知ってるか〜?」

ちよ「…?それがナタデココとどういう関係が?」

大阪「木に目印を付けて置いてな〜」

ちよ「はい」
   ....
大阪「鉈でここを打つ」

ちよ「!!」

極寒…。ごめなさい。

792 :会議室2の94 :2004/02/26(木) 10:58 ID:???
ルビずれてるし…。
重ね重ね申し訳ない。

793 :伯爵 :2004/02/26(木) 11:04 ID:???
>>791
いいよ、いいよー。
ありがちなネタかもしれないが、キャラクターが上手な序破急に
なってる。仕事明けの初笑い。

 極寒…。ごめなさい。

 という誤字と、筆者独白もいい味出してる。
 中々寡作ですよ。これは。

 グリンピースでも書いてみていただきたいw

794 :うちゅー ◆ZzAZUxozdw :2004/02/26(木) 18:05 ID:PCUcQ3MI
>>756-773
レベル高いにょ、面白そうだにょ。
つづきガンバにょー!

         / `、  ``-、           _,.,.-''".__,.. -――一ッ、
        / ::::`、    `-、_,.........._   _/__',.-'"´      / .|
        l ::::::;;`、   ,. -'" i   `、~フ,イ"- ̄``-、    /  .|
        | :::::::::;;|  /  ,. へ  ノ 〃 ( _,.、  |  ` 、 /    |
         | ::::::::;;;;{  (  /,.:::::::::`'、 .|l ,.-'´:::::::\    )'::    .|
        .| ::::::::;;;;;;} _>'::://:::::::::::::`"'::::::::::::::、:::::\--/:::     l
   _,....----┴、.._,..-'',.-'´:::://::::;:::::::::;}:::/;};;;、::::::\::::\ {:::     {
 /    :::;;;;;;;;;;;;`;-<::::::::::/;;l::::::,,l:::;l::::||/;;;;;;;}:::;;ヽ:::::::ヽ:::::\、::    }
/     :::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ::::/;;;{::::::;;{:::;;}:::||;;;/;;;;{:::::;;;ヽ:::i:::\::::;;;\,.-''" ̄ ̄ `ヽ、
{  ,,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l  ,| |  l| ::::} |'`-'`'||::::;;|;`、:!  `、 /    :::;;;;;;;;;::::\
{  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;} / ;::|、.....|:|...,,|;..||;;;  ||、 .}、`l、}....::;ヽ:`、.........:::::::::;;;;;;;;;;;;:::::ヽ
、  :;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::{;;|l;;|`、::|-|:;;;|、:||:::  |ム::::|'`、|、|::::::;;`l`l:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|  にょ
`、 ::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ{::::|;;|:`|彡|ミ、;;|`、|::   |`、::|三l|、N::::::;;,,!::|:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::}
  `-、_::::::::::::,,,,,,:::_,.'"/:>:::{;|/'〉';o;;;;;;;、`! `|  / ';ヘ!o;;;;,、ヽ}::/_;;`,|::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::ノ
    `''''''''フッ'"{ /i' ヘ::{;;| {;;;;;;;;;;;;;;}   ` '  {;;;;;;;;;;;;;;;} ):/  };l:|、;;;;;;;;;;;;;;;;::::::_,. '´
       //  `l ハ :::ヽヽl.!;;;;;;;;;;;;ノ      !;;;;;;;;;;;丿/i ノ;;;;||;|``-=、一''"
      .{{    `{::::`--{``、`''''''´   ┌┐ `''''''''´ ノ/-'/\l^    }
       {     ヽ/\;/`-、_ _,..,   `'"    _,. -'" `'

795 :会議室2の94=PASCOは只今残業中 ◆LNZbyB1zfI :2004/02/26(木) 19:44 ID:???
やっぱりちゃんと名乗ろう。
あまりに親父臭いダジャレだったもんで恥ずかしかったけど。

ネタ振りを見て脊髄反射的に思いついて書き込んだんですわ。仕事中だっつーに…。
最近、忙しくてテンションがナチュラルハイで、書き込みにもつい地が出てしまう。

誤字にも全く気付かず、伯爵さんには皮肉られてしまった。
でも普段「ごめなさい」って言ってるような気もする。

グリーンピースですか…。難しいですな…。
グリーンピースは環境保護団体、緑豆、えんどうまめ、青豆、、、、、
う〜ん。今はちょっと思いつかないな。そのうち書きますわ。

796 :伯爵 :2004/02/26(木) 19:50 ID:???
>>795
 皮肉って、ないよー。
 偶然の面白さもあるのよ。
 つぼでしたわ。おねえさま。

797 :名無しさんちゃうねん :2004/02/26(木) 19:57 ID:???
>>791
そんなあなたはねこぢるファン

798 :そろそろ帰ろうかなPASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/26(木) 20:04 ID:???
>>796
え〜と。どうも。多謝。
やはり直感が大事かな。

それと795は関西弁で読んでおくんなまし。
申し訳ないですが、お姉言葉はちょいと苦手なもんで。

799 :名無しさんちゃうねん :2004/02/26(木) 23:46 ID:???
>>794 何やってんすか……w
>>798 残業おつ

800 :名無しさんちゃうねん :2004/02/27(金) 16:30 ID:???
かなりの大作になりそうだな。
分量としては文庫一冊くらいにならないか。

色々と原作の裏を埋め合わせるのも面白いが、
途中で読者が飽きないように配慮を忘れずに。

801 :名無しさんちゃうねん :2004/02/27(金) 18:09 ID:???
それは俺も思った。第2話も上手いけど、長いせいか序文〜第1話ほどのパワーは感じなかったし。期待してるから言うんだけどね。

802 :出張で最終バスに乗り遅れて1時間歩いて今自宅に着いたPASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/28(土) 00:47 ID:???
>>801
そのへんは話の緩急だと思いますよ。
でなきゃ、読み手も書き手も疲れますよ。
全楽章激しい交響曲は聴いてて疲れますし。
あまりプレッシャーをかけては……。

803 :名無しさんちゃうねん :2004/02/28(土) 13:55 ID:???
力のある人には要求も厳しくなろうというもの。
でも、ま、つぶれないように、ね。

804 :紅茶菜月 ◆5xcwYYpqtk :2004/02/28(土) 13:57 ID:???
>>789
連載ものを書く場合、読者の感想によって方針を変えるよりも
自分が書きたいものをそのまま出した方が、結果的には
良くなると思いますよ。

805 :ゆかりとおはなし(書いてるやつ) :2004/02/28(土) 21:01 ID:???
>>800-801
 ご指摘ありがとうございます。たしかに、それは一番心配している事でもあるんですよね。
構想を練り直して、切る所は切って、もう少し短くしようかとも考えていた所です。
いずれにせよ20話以上にはならないと思いますが。
 ただ、心持ちとしては、「原作の裏の埋め合わせ」と言うつもりでは書いていないんですよね。
ゆかりとみなもの心情描写に不必要なエピソードは極力省くつもりです。
冗長に感じさせてしまう事があったら、それは私の力量の問題でしょうね……。精進します。
 ご忠告、心に留めておきます。
また何か気付いた事があったら容赦なく言ってやってください。

>>802-804 ありがとう。てか、ありがたい。
作品を発表する以上、「自分が書きたいもの」だけは出し惜しみしないつもりです。
気負いすぎず、ぼちぼち書き進めていきたいですな。
>>794 うちゅーさんもしぇんきゅー

806 :今日は息子のお遊戯会だった…すげぇ疲れたPASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/02/28(土) 22:28 ID:???
どうにも、恐怖ネタがまとまらないので、
発想の転換を促す意味でも普通のSSを書いてみようかと思う今日この頃。

伯爵さんのアイデアを借りて食べ物ネタで書いてみようかな。
安易なダジャレに終わらないように気をつけながら。
以前、2chの板でちょっと盛り上がった話題があって、それをネタに
書いてみようかなと。

>>805
焦らず気負わずマイペースに執筆してくださいです。

807 :800 :2004/02/28(土) 23:11 ID:???
>>805
余計なことを謂ったかも知れない。
まずは思うように書いてください。それからです。
独自のお話を書く積りだそうですけど期待してますわ。

808 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/01(月) 01:42 ID:???
百合萌え向けに作ったはずが全然あさってな作品ができてしまったのでこっちに投稿
させて下さい。
題名【体操座りの少女】

809 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/01(月) 01:42 ID:???
「恭子、ナイスレシーブ!」
女の子達がバレーをやってる。
スパッツに代わったのはいつ頃からだっただろう。
私はブルマのまま、ひざを抱えて彼女達の試合を見てる。
でも、見学してるわけじゃない。
私はクラスメイトじゃないもの。
あの娘達は私を名前で呼ばない。
ただ、体操座りの女の子って呼ぶ。
仕方ないよね。
私の声は誰の耳にも届かないんだから。

810 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/01(月) 01:43 ID:???
事の起こりは高校二年の体育祭の時。
スプーン競争の競技中、突然運動場が歪んで……気がつくと倒れていた。
足をひねって保健室に運ばれたわ。
怪我自体は大した事はなかったけど。
その後何度か同じように世界が歪んで、私は病院へ行った。
そこで大きな病院を紹介されて精密検査。
即入院。
告げられた病名は……白血病。
余命は告げられていたけれど、みんなには何も言わなかった。
お見舞いに来てくれた日は、必死になって笑顔を作った。
特にちよちゃんが来た日には。
「大丈夫!すぐ治りますよ!治れ〜」
なんて、お下げを硬直させておまじないしてくれたっけ。
だけどよみちゃんにだけは気づかれていたみたいで。
いつも小声で無理するなって言われてた。

811 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/01(月) 01:43 ID:???
ちよちゃんがアメリカに旅立った日の翌日。
私は無菌室に入り、骨髄移植を受けた。
何度も吐き戻し、口内炎を我慢して薬を飲んで。
そしてある日、急に身体が軽くなったと思ったら、私は体操服姿で学校の校庭にいた。
何故か手に鉢巻を握り締めて。

812 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/01(月) 01:44 ID:???
それからいろんなことがあった。
黒沢先生は姓が代わって退職した。
かわりに神楽さんが先生として赴任し、しばらくして黒沢先生と同じように学校から去った。
木村先生の娘が入学して、3年間の学園生活を楽しく過ごしていった。
世界的に有名な科学者になったらしいちよちゃんが、講演に来た。
私の学んだ校舎が老朽化して取り壊され、代わりに4階建ての校舎が建った。
そして私は名前を忘れられ、グラウンドにたたずむ体操座りの女の子として、母校の七不思議の
一つになった。
だから、名前で呼ばれた時、驚いて顔を上げたんだ。何十年も俯いたままの顔を。

813 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/01(月) 01:45 ID:???
目の前に立っていた少女は、私と同じ格好――体操服にブルマ――をしていた。
よく知っているどんぐり眼におかっぱ頭。
「かおりん!」
「懐かしいわね。高校時代はそう呼ばれてたっけ」
微笑む顔は、しわ一つない。私が覚えている姿そのまんま。
「どうして?あれから何十年も経ってるのに!」
「どうしてって……あんた先に逝っちゃったくせに知らないの?」
彼女は呆れたように肩をすくめた。
「人はね、死んで霊になると一生で一番心に強く残ったときの姿になっちゃうのよ。
私はね、看護婦になって、榊動物病院に就職して、結婚退職して、子供が二人できたけれど
やっぱり榊さんとのフォークダンスが一番心に残ってたらしくてこんな格好なのよ」
……
ああ、そうか。
それで私は成仏できなかったんだ。
「ねえ、かおりん。お願いがあるの」
「分かってるわよ。私はそのためにここに来たんだもん」
かおりんは私の隣に座り、くるぶしを合わせる。
あの日つながらなかった脚が鉢巻でつながった。
「じゃあ、1で内側からね」
「うん」
1、2。1、2。
私はやっと天国への道を走り出した。

814 :名無しさんちゃうねん :2004/03/01(月) 01:55 ID:???
なるほど、そうきましたか。
変わった視点の物語が面白かったです。
幸せでありつつも、
百合萌えのやつとは違う意味で切ない。

815 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/01(月) 02:09 ID:???
>>808-813
切なくも美しい話ですね。
ちょっとジンときました。

816 :名無しさんちゃうねん :2004/03/01(月) 02:44 ID:???
>>809-813
千尋が消えたのにはそんな訳が……!

817 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/01(月) 08:55 ID:???
肯定的なご意見いただけているようで嬉しいです。
百合萌えの【千尋の谷】の舞台は千尋の病室ってことにしてください。
余命幾ばくもない千尋が、最後にかおりんに告げたかったこととは、って感じで。

あと、細かいようですが誤字修正
競争→競走

818 :名無しさんちゃうねん :2004/03/01(月) 21:36 ID:T6I8gWMY
>>809-813
あなたさてはUD使いですね?

819 :名無しさんちゃうねん :2004/03/01(月) 22:06 ID:???
UDて何?

820 :名無しさんちゃうねん :2004/03/02(火) 00:35 ID:???
ほら、北斗の拳でマミヤの肩に焼き付けられていたあの烙印さ……

821 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/02(火) 01:13 ID:???
>818
ビンゴです。

>819
UDとは、みんなのパソコンのCPUの余りを使って薬を開発しようよ!というプロジェクトです。
詳しくはここへ↓
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/3969/index2.html

822 :名無しさんちゃうねん :2004/03/02(火) 15:08 ID:???
>>808-813
今更ですが読みました。面白かった。

皆のそれからが触れられながら時が移り変わっていく描写で
切なさを上手く醸し出すことに成功しています。
そして、(バレですが)最後にかおりんがやってくるところで
見事に感動的なラストを描き切れています。
ジーンときました。

なかなかよいものを読ませていただきました。
なかなか実力のある方だとお見受けします。
これからも何ぞ書いていただきたい。

823 :他人の設定を使うN改め真・N :2004/03/02(火) 16:23 ID:???
ちよちゃん悲劇

ゆかり「ダイビングって初めて!ちょー楽しみ!」
ちよ「あ、私はやったことあるんですけどでも」
ゆかり「このガキ海に叩き込めー!」
ちよ「ぎゃーーーーーーーーーーーーー」

ツルッ
ドポーンーーーーーー

ちよ(ぷくぷくぷくぷく……)
ゆかり+智「あ………………(汗」

ちなみにその後ちよちゃんは5分後無事救出されたがその後…………

824 :真・N :2004/03/02(火) 16:41 ID:???
学校にて……
智「どうだ?よくとれてんだろ榊の水着姿」
かおりん「ねぇ…………これいくら?」
智「ふふふふふ………1万ね!」
かおりん「くっ、ちょっと待ってて!家まで取りに行くから!」
智「嫌!冗談だって!!無料だ無料」
ちよ「どうしたんですか?二人そろって?」
かおりん「あっちよちゃん。修学旅行の写真できたんだけどちよちゃんも見る?」
ちよ「こここここここここれ…………」
かおりん「私の写真から見える海を取ったんだけど綺麗でしょ。」
(海……ガタガタガタガタガタガタ……)
「あれ?ちよちゃん?」
ちよ「(プチ)どかーーん、どかーーーーん、どかーーーーーーーーーーーん」
かおりん「ちよちゃん!?」智「しっかりしろちよちゃん!」
ちよ「どーーーん」

車に続き新たなトラウマを作るちよちゃんだった…………。

825 :名無しさんちゃうねん :2004/03/02(火) 18:58 ID:???
>>823-824
乙。
面白かったが、どうも原作の読み込みが足りないような…。

ちよちゃんの「ドカーンドカーン」は、スプラッタなモノを
見聞きしたときに、それを遮るための反応だと思うんだが…。
この場合は、心神喪失状態になって、
「ともちゃん…、ゆかりせんせぇ、やめてください…やめてください…」
「手をはなさないでください、おねがいします、おねがいします」
「プチッ)いやぁぁぁぁ、はなさないでぇぇぇ、そらがぁ、うみがぁぁぁぁ」
となる方が自然じゃないかと…。

ま、解釈は人それぞれだが。

826 :名無しさんちゃうねん :2004/03/02(火) 21:04 ID:???
>>817

泣けた〜♪
それはさておき、ゆかり先生はどうなったの?もしや未だに……未婚?
生きながらにして、千尋と並ぶ七不思議のひとつに〜(w

827 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/02(火) 23:43 ID:???
>822
ありがとうございます。
またネタを思いついたら書かせていただきます。

>826
【体操座りの少女】上ではそんな面白い設定はないです。
ゆかり先生は、にゃもはおろか神楽にまで先を越されて慌てて適当な男と結婚……かな。
よみは商社のOL、ともは警察職員、大阪は公務員ってとこで。

828 :名無しさんちゃうねん :2004/03/03(水) 01:12 ID:???
大阪の公務員ってぞっとしないな

829 :名無しさんちゃうねん :2004/03/03(水) 01:20 ID:???
>>823-824 カ・エ・レ

830 :名無しさんちゃうねん :2004/03/03(水) 07:03 ID:???
>>823-824
トラウマ……というよりもむしろゆかりと智を嫌いになると思う。
ゆかりと智には暴行罪が適用される可能性もある。

831 :名無しさんちゃうねん :2004/03/03(水) 14:53 ID:HfgEBH/M
>>830
行列のできる法律相談所で取り上げて欲しい。

832 :真・N :2004/03/03(水) 20:20 ID:???
よみ「どうやらお前の事誉めてくれる人や突っ込みを入れてくれる人がいるが>>829がお前の登場を好ましく思ってないらしいぞN」
やはりな………まぁエロパロスレのIDがIhなんたらみたく馬鹿や死ねを連呼する奴が今の所いないのは奇跡なくらいだな………。
とりあえず私は明日四匹スレで復活する。まぁ向こうで書きたい物を書いたらここでもかくさ。もちろん他人の設定を無許可で使ってね。それまでこのスレでは書き込まんぜ。
よみ「まぁ今書いたらこのスレが荒れる事を予想しているのはいいが五日しか立って無いのに復活は早すぎるだろ?」
ちっちっち。『五日しか』じゃない『五日も』だ。SSを書かない一日は私には一週間に感じるのだよよみ君。
あと>>825私を誉めてくれた事を感謝する。まぁどかーーーんモードのちよちゃんのが可愛くてこっちの方がいいと思いね。
>>830大丈夫。多分 ちよ「ひどいですよー智ちゃんにゆかり先生」 ゆかり+智「いやー悪い悪い(笑)」 よみ+にゃも「ちゃんと反省しろ!」(ビシッ)
で済む。なぜならこれはあずまんが大王だから。この世は彼女等のみ人権が保障されているのだよ。(←おいおい……)
ついでに>>829私を叩く事を自由化したのに悪いがやはり悪口だけのレスは最悪板に「Nを叩くスレ」でも立ててくれ。私は構わんが他の人が迷惑するんでね。
まぁ出来たらぜひ教えてくれ。私もちょくちょく見に行くから。
よみ「おいおい(汗)。いいのかそんなレスで。お前いっつも自覚せずに他人の神経を逆撫でするからな……」
細かい事は気にするなよみ君。そんな神経使うから体重と年齢が比例関係に
よみ「激・ダブルチョップ!!!」
ぐはぁ!!

833 :名無しさんちゃうねん :2004/03/03(水) 20:25 ID:???
それは人の神経を逆なでするだけで何も得るものはないから
やめたほうがいいぞ。

834 :名無しさんちゃうねん :2004/03/03(水) 21:17 ID:???
>>832
まず、その喋りたがり過ぎるクセを直しなさい。
自分のことを長々と喋る人って、「みんなオレに注目してるだろう?」的な
自意識過剰ぶりを見せつけてるに等しい。
よっぽどあなたに関心ある人でない限り、うっとおしく感じるだけ。
おどけて自虐的にネタにしてみせたって、イタさは変わらない。
あなたが嫌われてきたのは、書いたSSの内容よりも、その辺が一番の原因だよ。

835 :伯爵 :2004/03/03(水) 21:31 ID:???
>>834

その辺の話題は、
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1060962498/l50
このコテハン達に一言

スレでお願いしたいのですが

よろしくです

836 :名無しさんちゃうねん :2004/03/04(木) 15:06 ID:???
一体、何がしたいんだこの厨房??
意図的に場を荒そうとしているとしか思えん

837 :名無しさんちゃうねん :2004/03/04(木) 16:41 ID:???
いや、よそでのレスを見た感じ、悪気はなさそうなので、
言いたいことは>>835で言って、それでも不快ならスルーがよろしいかと。今のところは。
なんにしても、書く人が増えるのは良い事だろうし。

838 :伯爵 :2004/03/04(木) 17:33 ID:???
>>836
>>837
 はいな
 どうやら、>>836は、すでにコテハンへ一言スレに行ったらしいですが……。他の方へのメッセージも含めて、書き込ませていただきます。 
 この板には、SS書きの為の会議室や、>>835にあげたコテハンへの意見場所などもあるので、出来ればこちらを活用していただきたい。
 SSに関しての不備や感想などを超えた、書き手への直接の悪意は、もし筋が通っていても、場が荒れるきっかけとなるので。
 そして、この書き手への意見は、書き手への直接の意見と思われるので、やはり、>>835へ行っていただければ、と。

 もしも、スレ内でレスしあうべきだ、などの色々な意見がありましたら、編集会議室
 http://www.moebbs.com/test/read.cgi/azuentrance/1076610111/l50
で話をしましょう。

 そして、都合のいい願望かもしれませんが、とりあえずコテハンスレ、編集会議室で行われた議論は、ここまで持ち込まないようにして欲しいなあ。
 勿論他のサイトのことも。
 折角『他種に渡るあずまんがSS』の読める場所と言うスレが確立しつつあるので。
 なにとぞよろしくお願いしたい。
 

839 :名無しさんちゃうねん :2004/03/05(金) 00:29 ID:???
>>823-824
ちゃんとあずまんが大王を理解した上で書け。

840 :名無しさんちゃうねん :2004/03/05(金) 03:08 ID:???
>場が荒れるきっかけとなるので

もう既に荒れかけてるじゃん

841 :伯爵 :2004/03/05(金) 03:15 ID:???
>>840
荒れかけているのと、荒れているのはニュアンスが異なると思います。つまり、まだ荒れきっていないと言うことで、めでたい。
しかしまあ、>>838で書きました通り、私の文章に関してはこちらではなく、しかるべき場所に記していただきたい。
よろしくお願いします。

842 :名無しさんちゃうねん :2004/03/05(金) 08:18 ID:???
>>823-824
直前のSSが珠玉だったが故に余計みずぼらしく見えるのは、まあ同情できないこともない。

843 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 01:19 ID:???
まだ導入部しかできてませんが、ちょっとほのぼの系の長めのSSを投下します。

844 :この橋を駆け抜けろ-1:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 01:22 ID:???
雲一つなく、やや白みがかった柔らかい青色の空のもと、春日歩は1人自転車を走らせていた。
お気に入りの麦わら帽子が飛んでしまわないよう、ゆっくりとペダルを漕ぎながら、
温かい風が頬に当たる心地良さを楽しみながら…。
彼女の目的地は街の少し外れにある川の、柔らかい草が一面に生い茂った土手である。
この日はとても天気が良かったので、春の陽気に誘われてちょいと河原で日向ぼっこしながら昼寝をしよう、
と思い立ったのだ。ちょっと運転がフラフラしているのは、花粉症を抑える薬の副作用のせいだ。
「うわ〜。頭がほわんほわんするで〜。このまま寝たらめっちゃ気持ちええやろな〜」
歩は副作用の心地良い眠気に、程良い抵抗をしながら、なんとか自転車を進めた。

川の土手には既に先客が何人か来ていた。
キャッチボールをしている親子や、川縁をプラプラと散歩している子連れの若い母親など、
春の休日らしい光景だった。
歩は自転車を降りると、適当な場所を探して自転車を倒しておき、目が届く範囲に座布団大の
シートを広げた。シートに腰掛けると、途端に花や土や草の匂いが入り交じった、いわゆる晴れた日の匂い
が鼻腔をくすぐる。
「っあーーー!ええ気持ちやーー」
言いながら両手を思い切り空めがけて突き出しながら伸びをし、そのまま後ろに倒れた。
柔らかい若葉の感触を背中に感じながら空を見上げると、太陽が視界の真ん中に飛び込んできた。
「へ…へーちょ!」
たまらずくしゃみが出てしまう歩だった。

土手に寝そべりながら空をぼんやり眺めていると、視界の端に黄色い菜の花が揺れ、
時折ヒラヒラと、おそらく紋白蝶であろう、チョウが舞っているのが見えた。
「あぁ。春やなぁ」
目を閉じると、日の光で瞼がオレンジ色に映る。
たまにそよぐ風が気持ちいい。
川辺で子ども達が遊ぶ声や、遠くで何か工事をしている音が、子守歌のように聞こえてきて眠気を誘う。
だんだん頭の中がとろけるような感覚が広がり、いつしか歩は静かに寝息を立て始めた。

845 :この橋を駆け抜けろ-2:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 01:23 ID:???
ちょうどその頃。
美浜ちよは忠犬忠吉を連れて、川の土手を散歩していた。
天気がとても良かったので、昼間から忠吉の散歩をすることにしたのだが、せっかくだから土筆でも見て春を楽しもうと
いつもの散歩コースではなく街外れにあるこの川へ行くことにしたのだ。
いつも一緒に忠吉の散歩に付き合ってくれるクラスメイトの榊弥生も誘ったのだが、あいにく留守だったので、
この日は久しぶりにペットと飼い主だけでの散歩になった。

土筆やたんぽぽを探して、春を感じながら土手をゆっくり散策していると、見覚えのある少女が土手で横になっているのが見えた。
その少女は、薄い緑色のワンピースの上から若草色のカーディガンをはおっていたので、一瞬、麦藁帽子を被った頭だけが
土手の上にぽこっと生えているように見えた。
人違いかもしれないと思いつつ近寄ってみると、やはりちよがよく知る人物であった。
「おーさっかさん。なーにしってるーんでーすかっ?」
ちよは歩の傍にしゃがみ込み、耳元で呼びかけた。が、熟睡しているのか反応はない。
「おーさっかさん。かーぜひっきまっすよっ」
やはり反応はない。死んだように眠っている。
ちよの頭に某ゲームの『へんじはない。ただのしかばねのようだ』のメッセージが浮かび、思わず吹いてしまった。
「さてさて、どうしましょうか」
ちよはこのまま歩を置いていくのもどうかと思い、どうやって起こすかを考えた。

(続く)

846 :名無しさんちゃうねん :2004/03/06(土) 05:27 ID:???
乙、神。続きが気になる。普通に文章構成が上手いな。
しょうもない酷いのを読んだあとだから特に素晴らしい。ガンガレ

847 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/06(土) 09:07 ID:???
神の後に投下するのも気が引けますが……
投下してみます。
【おとうとのこと】

848 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/06(土) 09:08 ID:???
「しょおらいはおとおさんのおよめさんになるうとおもいます……なるうってなんやろ?」
神楽ちゃんに聞いたら、カラカラ笑った。
「"なろう"の間違いだろ。本当に昔ッからバカなんだな、ともは」
ここはよみちゃん家。
ちよちゃんが風邪を引いたんでみんなでお見舞いに行こうという計画なんや。
で、午後1時にここに集合なんやが、ともちゃんがまだ来ぃへん。
しゃーないから暇つぶしによみちゃんのアルバムを見してもろてたんやけど、その付録にともちゃん・
よみちゃんの小学校1年の頃の文集がついていたってわけや。
「そんなことを言ってはいけない」
榊さんがフォローする。
「子供らしくてかわいい……」
「な、十分笑ったんだし、もういいだろ?返せよ」
顔を紅くして動揺するよみちゃん。
でも、取り返そうと伸ばす手は全部神楽ちゃんがはじき返しとる。
よほど自分の作文を読まれたくないんやろうな。
でも逆効果やで。そんなに焦るほどのものならぜひとも読ませてもらわなあかん。
眠りの小五郎ならぬ眠りの歩の名折れや。
このへんやろかと開いたページはひらいゆりこって人のページやった。
よみちゃんはみずはらこよみやからもうちょっと後の方やな。
ぺらぺらとページをめくると、すぐに目的のものを発見できた。
えーと……
『おとうとのこと みずはらこよみ』
そこにはそう書かれていた。

849 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/06(土) 09:08 ID:???
「あれ、よみちゃん。弟なんていたっけ?」
私が聞くと、よみちゃんはがっくりとうなだれた。
「……いない」
ぼそりとした呟き。
「……まさか、死んでしまったとか?」
神楽ちゃんが慌てて謝る。
「ごめん。お前の気持ちも考えないで。ごめんな。私、どうしてこんなにバカなんだ」
でも、よみちゃんは首を振った。
「そうじゃない。……いや、ある意味そうかもしれないが……生まれてこなかったんだ。
弟ができることがすごく嬉しくて楽しみにしてて、それがいきなりだめになって、それがどうしても納得
できなくて……想像で作り上げちゃったんだ。居もしない弟を。私、バカだろう?
そんなことを思い出すから、この文集はこっそり隠しておいて記憶から消してたんだ。ま、それが逆
効果で、うっかりアルバムごとお前らに渡してしまったわけだけどさ」
それだけ言うとよみちゃんはすっきりしたように笑った。
「わがままで気まぐれで猫みたいな奴だったよ。で、私はお姉さんぶって説教していた。余所から見れば
すごく不気味だっただろうな。何も居ない空間に話し掛けてたんだから」
と。
ぴんぽーん
呼び鈴が鳴る。
「あ、ともが来たみたいだ」
よみちゃんは椅子から立って玄関に向かった。
チャイムに気が向いた私の手から、抜かりなく文集を取り上げて。

850 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/06(土) 09:09 ID:???
結局よみちゃんの作文は読めへんかったけど。
私はそれなりに満足しとる。
なぜって?
よみちゃんが何でともちゃんにかまうのか、やっとわかったからや。

851 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/06(土) 09:14 ID:???
おわり。

852 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/06(土) 10:00 ID:???
>>847-850
お疲れさまです。貴方のSSは透明な美しい雰囲気があって好きです。
貴方こそ神ですよ。
私なんぞ、他の職人さんの足下にも及びません。

親の身として読んでも、けっこう切ない話だなぁ。(TωT)
うちの坊主達は2人兄弟だから寂しくないようだが…。
同じ保育園のお友達で兄弟のいない子がけっこういるけど、特に女の子の場合
マセてる分、架空の兄弟を作ったりってよくあるらしいね。
いろいろな事情で兄弟を産んであげられないのも辛いと思う。
経済的事情だったり、身体の事情だったり…。

853 :伯爵 :2004/03/06(土) 11:08 ID:???
>>851
オルゴールのような小品、楽しく読ませていただきました。
榊さんの、ぽつり、といれる突っ込みが、何気なしに読者を、はっ、とさせてくれます。

次回、よみとともがお話で絡むものがありましたら、ぜひ、よみとも萌えスレッドにも投下してください。
あそこは、百合ベースですが、友情ものも飢えておりますので。
(友情のさくスペースが、少ないといえば少ないのですがw)

854 :名無しさんちゃうねん :2004/03/06(土) 13:07 ID:???
>>847-850
やべっ!
考えてたSSの構想と大部分かぶってる!
さっさと書けばよかった。

ともかくいい作品でした。ご苦労様です。

855 :名無しさんちゃうねん :2004/03/07(日) 09:29 ID:???
>>854
まめちしきー
「ご苦労様です」は目下の苦労をねぎらう言葉なんや。
使いどころを間違えると大変なことになるでー。

856 :名無しさんちゃうねん :2004/03/07(日) 09:37 ID:???
じゃ、お疲れ様ってのは?

857 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/07(日) 11:49 ID:???
>>853
いま、よみとも萌えスレに投下してきました。

>>854-856
それは新社会人が一番陥りやすい罠ですね。
苦労をねぎらう場合は「ご苦労様」ではなく「お疲れ様」だと叩き込まれたものです。

858 :854 :2004/03/07(日) 13:41 ID:???
了解。
いままでご苦労様とお疲れ様を同じ意味で使ってました。
(昔「汚名挽回」などと言っていたことを、ふと思い出す)

859 :856 (≠854) :2004/03/07(日) 18:55 ID:???
>855
僕が読んだ本に「ご苦労様です」は自分と同等“あるいは”目下に使い、だから目上には
使えないのでご注意と書いてあった気がします・・・・・・・・

この場合>854氏と>847氏は同じSS書きなわけだし、同輩とみて構わない気が。
いえ、すみませぬ。しっかり確認してまいります。

860 :856 :2004/03/07(日) 19:00 ID:???
補足。ええと。つまり>854は間違っちゃいないんじゃないかなって。

今後SSや実社会でも使う表現なんで、ぜひ教えていただければありがたい。

861 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/07(日) 23:00 ID:???
一般的には、
目上の人に対しては、「お疲れ様でした」
対等またはそれ以下の人に対しては、「ご苦労様でした」でOKです(=゜ω゜)ノ

相手が年上でも、こちらの立場が上なら「ご苦労様」。
分かっちゃいるけど、心苦しい。
仕事柄、下請けさんが50代の社長さんだったりするけど、
平気でごくろうーさんって言ってますよ同年の同僚は。

たぶん、順位としては
1.立場の違い
2.年齢の違い
3.個人的心情
で決まると思います。3.は甘いかも。

862 :854 :2004/03/08(月) 01:07 ID:???
もちろん、そんなこと考えて使った言葉ではありませんが。
ともかく、指摘と指南ありがとうございます。

863 :856 :2004/03/08(月) 10:16 ID:???
>861
THANKS! SSでは語感からも使うキャラが決まりそうですね。
暦や谷崎は「ごくろーさん」 ちよや黒沢は「おつかれさま」といった具合に

864 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 12:45 ID:???
>>854
よし、じゃあここは名誉返上のために、新作書いてくれ

865 :名無しさんちゃうねん :2004/03/08(月) 21:41 ID:???
>>864
汚名挽回のチャンスだw

866 :仕事中にコソーリ PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/12(金) 15:32 ID:???
まだまだ途中ですが、書き進めていくために投下します。

867 :この橋を駆け抜けろ−3:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/12(金) 15:33 ID:???
水原暦は、調子っぱずれの鼻歌を歌いながら、町外れの川の土手を歩いていた。
駅前の本屋で参考書を買ってそのまま家に帰るつもりだったが、あんまり天気が良かったので、
暦は思いつきで家とは逆方向に歩き出し、春の風に吹かれるままブラブラしているうちに、ここへ辿り着いてしまった。
眼前には淡い緑に覆われた土手が二本、緩やかなカーブを描いて伸びている。
草は程良く伸びていて、フカフカして座り心地が良さそうである。
せっかくだからどこか適当な場所に座ってこのぽかぽか陽気の下で参考書を読んでみようか、
などと考えながら良さそうな場所を探して歩いていた。
すると、ふと前方に、暦のよく知る小柄な少女と大型の白い犬がしゃがみこんでいるのが見えた。
そのすぐ傍らに、麦わら帽子をかぶった女の人が倒れており、また更に少し離れた場所には
自転車が無造作に転がされていた。
誰かが自転車で転んで倒れているのを介抱しているのか?、と思ったのはごく自然な感想だろう。
社会規範にうるさく常識の人である暦は、私も助けねばと、小柄な少女=ちよがしゃがんでいる場所まで駆けていった。

「ちよちゃーん」
ふいに呼びかけられてちよが振り向くと、メガネを掛けた女が、長い茶髪をなびかせながら土手の上を駆けてくるのが見えた。
「あっ。よみさーん。ちょうど良いところに来ました」
「どうしたんだ?大丈夫なのかその人?」
「え?何のことですか?全くもって大丈夫ですよ」
「大丈夫って…。あれっ?大阪じゃないか。どうしたんだ?」
「いえ。散歩で通りかかったら、大阪さんがここで寝ていたんですよ」
「ははは。なーんだ、そっかー。てっきり自転車が倒れてるから土手から自転車で転げ落ちて怪我でもしたんかと思ったよ」
「ふふふ。それもそうですね。それにしても、大阪さんはこのまま放っておくと、夕方まで起きそうにないですね」
「そうだな」
「風邪を引くと大変ですから、さっきから起こそうと呼びかけてるんですが。全然反応がないんですよ。どうしたらいいでしょうか?」

868 :この橋を駆け抜けろ−4:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/12(金) 15:34 ID:???
「ふむ。私に任せな」
暦は2〜3度咳払いをしてから、歩の耳元に口を寄せた。
「わたしの授業中に寝るとはいい度胸をしているじゃないか」
歩の目が大きく開き、ガバっと半身を起こした。
「ふぇぇあ?わたし寝てませんよ。ちゃんと起きてました。……あれ?」
「はっはっは。一発で起きたな」
「よみさん。さすがです。ゆかり先生の声そっくりでした」
「あれ〜。ちよちゃんによみちゃんに忠吉さんや〜。いったいどないしたん」
「私は忠吉さんの散歩をしていました。大阪さんが昼寝しているのが見えたので寄ってみたんですよ」
「私は、自転車を放って倒れている女をちよちゃんが介抱しているのが見えたから、何事かと来てみたわけだ」
「あ〜。そう見えてしもたか。自転車取られんようにー思て、傍に置いたつもりやったんだけど」
「サドルが下側になって置いたんじゃ、転んだようにしか見えないぞ」
「ところでずいぶんぐっすり寝てましたけど、ここ気持ちいいんですか?」
「ん?めっちゃ気持ちええよ〜」
「私も寝ころんでみたいです」
「私もちょっと休もうかな。駅前からここまで歩いたらさすがにちょっと疲れたよ」
「え?駅前からですか?凄いです」
「ようさん歩いたな〜よみちゃん。新しいダイエットなん?」
「違う」
暦に額をチョップされ、歩はにへっと笑った。

「えーと、どこに寝ようかなー」
「どこでも気持ちええと思うよ。あ、このシート使ってや。おしり濡れてまうで」
「はい。ありがとうございます」
ちよは辺りをうろつきながら適当なところを探したが、結局歩が寝ていたところから大して離れていない場所に落ち着いた。
ちよが寝ころぶと、忠吉が駆け寄り、すばやく頭をちよの後頭部の下に滑り込ませて枕になった。
「あっ忠吉さん。ありがとう」
「いいなーちよちゃん。私も枕にしていいかな」
「わたしもやってええか〜?」

869 :この橋を駆け抜けろ−5:PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/12(金) 15:34 ID:???
「ワホッ」
忠吉は尻尾を振りながら嬉しそうに吠えた。
「忠吉さんは良いですよと言ってますよ」
「じゃ遠慮なく。よろしくな忠吉さん」
「忠吉〜シルブプレー」
3人は忠吉を枕にし、歩を真ん中にして、川の字で土手に寝そべった。
忠吉のよく手入れされた毛並みは気持ちよく、極上の枕になった。
「忠吉さんの枕って、むっちゃ気持ちええなぁ」
「はぁ〜〜〜。これは…、なかなか…、良い」
「ヘヘヘー。忠吉さんは枕名人ですよー」
暦は歩き疲れていたせいか、仰向けになった途端に空が回るように感じ始めた。
「うわー。なんか空が回りながら落ちていくみたいだ…」
「疲れていて、すぐに横になるとそうなりますよね」

それから、3人はしばらくの間、少しぼやけたような青色をした春の空を、ボゥっと眺めていた。
少しだが雲が出てきた。
綿菓子のような形をしたのが、春の風に吹かれてゆっくりと流れていく。
空ばかりを眺めていると、逆に自分の方が雲と反対方向に流れているような感覚になる。
3人とも会話が少なかったが、そんなことが気にならないような時間だった。
時折、風に揺れた草が頬をくすぐった。

ホーーー…ホケキョッ。
「あっウグイスですね」
「いいねー春らしいねー」
「な?ええやろ?よみちゃん、土手での昼寝も」
「うん。いいなぁ。うん…。本当に寝てしまいそうだ」
暦はすっかりくつろいだ顔をしていた。
「…。こうしてボーッとして、空を見上げるなんて何年ぶりかな…」
「わたしは昨日もみたで〜」
「ハハハ。毎日来てここで寝てるのか」
「場所はいろいろやけどな。家のベランダやろ、デパートの屋上やろ…」
「大阪さんったら…」

870 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/12(金) 15:37 ID:???
とりあえず今回はここまで。

お仕事に戻ります。

871 :名無しさんちゃうねん :2004/03/12(金) 15:47 ID:???
>>867-869
大阪、ちよ、よみの三人の組み合わせはなかなか良いな。
ボケとつっこみのバランスが絶妙。

872 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 19:19 ID:???
月並みですが投下。
【器用じゃないから】

873 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 19:19 ID:???
ぱぁん
突き抜けるような青空の下で。
小麦色の掌が、まだ水にぬれたままの私の頬を張った。
「あの、どうしたんですか?」
ちよちゃんが突然の出来事におろおろしている。
「ちょっと。私の榊さんに何するのよ」
かおりんが割って入って。
「暴力はあかんで〜神楽ちゃん」
春日さんまで私の味方をしてる。
待って、みんな。そうじゃない。私が悪いんだ。
でも、言い出せない。
わかって欲しいのに言葉にならない。

874 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 19:19 ID:???
私は。
部活に入っていない。
とりわけスポーツジムに通っているわけでもない。

なのに私は。
別に欲しくもないのに、彼女の欲しいものを簡単に手に入れてしまう。
天は不公平だ。

だから私は。
せめて水泳だけは。
こっそりと。
でも。

875 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 19:20 ID:???
体育の時間が終わっても、次の英語の時間が終わっても、彼女は話し掛けてくれなかった。
昼ご飯の時間は、一人でお弁当を抱え込むようにもそもそ食べて。
何者も寄せ付けないオーラ。
滝野さんですら近寄れないほど。
いつもなら通販の本を持って、マウンテンバイクの話をしにくるのに……
このままではいけない。
だけど……
戸惑っていると、千尋ちゃんが私を呼んだ。
「榊さん。黒沢先生が職員室まで来いって」

876 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 19:20 ID:???
職員室。
「失礼します」
声をかけると、黒沢先生は書類を書く手を止めて振り向いた。
「来たわね、榊さん」
「どんな御用でしょうか」
「うん。今日の神楽との事なんだけど」
顔は笑っているが、口調がどことなく厳しい。
「あなたの気持ちはわかる。でもね、神楽の気持ちも考えてあげなさい。あなたは優しさのつもりでも、
神楽にとっては侮辱なのよ」
ゆっくり、たしなめるような声で告げられて。
「どうしてわかったんですか?」
「甘く見ないで。こう見えても私は体育教師なんだから」
つ……
頬の上を冷たいものが伝った。
「黒沢せんせい……ごめんなさい……私、どうすれば」
「そうね。じゃあ、これをあげる」
そうして手渡された紙は。

877 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/13(土) 19:21 ID:???
再び、教室。
私は彼女の前に立つ。
「なんだよ、榊。あっちいけよ。お前の顔なんて見たくない」
「じゃあ、見なくていいから、聞いて欲しい。今日、君ともう一度勝負したい」
「何冗談言ってるんだよ」
「冗談なんかじゃない。ほら」
黒沢先生からもらった紙を机の上に置く。
「スポーツジムの利用券……?」
私は頷く。
「二枚ある。室内プールもこれで使えるそうだ」
彼女は私をじっと見つめ、それから引ったくるように券を受け取った。
「手加減しないからな」
私の答えは決まってる。
「今度は負けない」
(Fin)

878 :amns ◆FqzSak5tNk :2004/03/13(土) 23:07 ID:???
リアルに考えればそんな葛藤はあったとしてもおかしくないと思うんだよねー
とにかくグッジョブ

879 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 08:05 ID:???
>「ちょっと。私の榊さんに何するのよ」
かおりん…(;´Д`)

880 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 10:08 ID:???
相変わらず読者のツボをついてくるのがうまいですね。
わざと負けるという行為を実行した場合、実行しなかった場合で
それぞれ想像がありますが、(手加減しなかった方は「FRYERS」を参照)
こちらも「男の友情」が演出されててグッジョブです。

881 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 11:06 ID:???
【器用じゃないから】で没にした原稿。
読み返して惜しくなったのでちょっと再利用してみました。

【器用じゃないから・番外編】

882 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 11:06 ID:???
駅前の飲み屋で女教師二人。
焼き鳥つつきながら教育談義。
「そういえばちよちゃんから聞いたんだけどさー。榊、神楽に挑戦されて負けたんだって?水泳で」
「うん。まあね」
「で、平手食らったってか。青春だねえ……はっ!くだんねー」
「ちょっと、そういう言い方は」
「わかってる、わかってるって。あたしにとっちゃくだんねーけど、命かけてんだよなぁ、神楽」
「……そうね。あんたも一応教師だもんね。そのくらいわかるか」
「だけど、そーいうのわかってくれる男は案外少ないから、男には苦労するぜ、神楽。あんたみたいに、
見合いで引かれたりしてな」
「何で知ってるの!」
「うんにゃ、想像で言ってみただけ。でも図星みたいだな」
「もー」
「でも、かえって良かったんじゃないか?あんたの魅力わかんねー男なんてどーせ大した男じゃないって」
「……なんか口説き文句みたいね」
「あ〜?あたしがあんた口説いちゃ悪いか〜?」
「ビールはほどほどにしたほうがいいわよ。あんた弱いんだから」
(Fin)

883 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/14(日) 11:11 ID:???
教育談義じゃなくバカ話の方がぴったりするやろか……

884 :名無しさんちゃうねん :2004/03/14(日) 12:11 ID:???
これもいい感じです。
二人の関係は腐れ縁すら通り越しているような。

885 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/15(月) 01:20 ID:???
>>872-877
お疲れ様です。
爽やかなSSでした。読んでいる最中にカルキ臭と汗のにおいとが
漂ってきたかのような錯覚が(変かな?)しましたよ。
なぜ、少ない文字数でこんなにも濃い文章を書けるのでしょう。
素晴らしいです。

正々堂々とした、こういう友情っていいなぁ。
神楽の真っ直ぐさもいいし、榊さんの優しさと誠実さも
よく出ていて、黒沢先生もらしいセリフでグッドです。
原作の行間を、ごく自然にさらりと埋めたSSでした。

>>882
これも、>>872-877の付け合せとしていいですね。
良い薬味になっています。
>>883
ここは、ちょい本気の話で合ってるでしょう。
もっとも、蛍石さんの書く、2人のバカ話も読んでみたいですが。



…しかし、私のSSが幻の如く霞んでしまった。
やはり完成してからまとめて投下するべきだったか。
猛省…。

886 :失ったものと得たもの :2004/03/17(水) 03:39 ID:???
 私には、歳の離れた兄がいた。十歳以上離れていただろうか。
両親が共働きのために私はいつも兄に面倒を見てもらっていた。
私に暦という名をくれたのは兄だった。由来は知らないが、私はなんとなく
自分の名前を気に入っていた。
 やんちゃだった私はよく兄を困らせた。高い木に登って降りられなくなって
泣き続けるなんていうのはおとなしいほうで、近所の男の子とケンカをして
兄と一緒に謝らされるなんてしょっちゅうだった。兄ともよくケンカをしたが、
次の日にはタイヤキをおごって仲直りしてくれた。そして必ずアンコの
たくさん入っている頭の部分を渡してくれた。ときには、お腹いっぱいだからと
言って全部食べさせてくれたこともあった。
 私が泣いていると必ず、こよみ、好きなだけ泣いていいよ。俺がついてるから、
と頭を撫でてくれた。その手はとっても優しかった。
 人はまれに、好きな人や慕っている人の言葉遣いを真似てしまうことがある。
私もそれだったのだろう。使う言葉は自然と男子のそれになっていったが、
違和感を覚えることはなかった。自分の性格に向いていたのかもしれない。
 私は兄をとてもよく慕っていたし、兄もそれがまんざらではなかったはずだ。
たとえ心のどこかでやんちゃで兄を困らせてばかりだった私を疎ましく思っていた
としても、私を嫌ってなんかいなかった。今の私にはそう断言できる。
 とにかく私たちは仲のいい理想的な兄妹だった。私が5歳のときの、
あの出来事までは。

887 :失ったものと得たもの :2004/03/17(水) 03:41 ID:???
 滅多に一緒に長い休みをとれない両親だったが、珍しくそれを実現できて家族で
数日かけて登山をしようという計画が上った。登山ルートや日程の計画など
頭に入っているわけもなくただついていくだけだったが、兄についていくことに
不安はなかった。だから、私と兄だけがすっかりはぐれてしまったことなど
全く気づかなかった。
 結局もとのルートには戻れず、大した装備も持たないままその場をしのぐことになった。
秋になると高山の夜中はかなり冷える。適当に風を防げる場所でじっとして、兄の体は
私を包んでくれた。あの温かさはこの先ずっと忘れない。夜が明けて歩き回っても
登山ルートに帰還できるものではなく、じっと助けを待つことにした。本当に助かるのか、
不安で泣きたくなった私の頭を兄は撫でて、今は泣くな、と言った。体力の消耗を
懸念してのことだろうが、当時の私にはそんなことはわからずとも泣くことをこらえた。
兄が泣くなと言ったから。
 それより重要なのは空腹の問題だった。私たちは軽装だったため、大した食料を
持っていなかったのだ。二人でわずかな食料を分け合うべきだが、兄は、俺はいいから
こよみが食え、とそれを全部差し出した。空腹きわまっていた私はそれに従った。
 そうして何日もじっとしていた。救助されたときには、私は衰弱死寸前だったそうだ。
何日たってから救助されたのか、どんな経緯があったのかはよく覚えていない。
……ただ、私を包んでくれていたはずの兄の温かさが、少しずつなくなっていったのは
妙に印象に残っている。いや、忘れてはならないものなのだろう。
 私の記憶の中で次に現れる兄の姿は、私が退院した頃に行われた葬儀で横になった
ままのものだった。私は兄の亡骸にすがりついて、泣きながら場をわきまえず
貧困な語彙で力の限り兄を罵った。

バカ!
なんで死ぬんだよ!
そんな死に方するなよ!
私の気持ちを考えろ!
自分で食えよ!
自分で……食えよ……。

 泣いても泣いても、兄の手は私を撫でてくれなかった。
 私はその日から兄を嫌いになった。勝手に死んで私を悲しませた兄を。
 思い返してみれば、私が甘いものをよく食べるようになったのもその頃からだった。

888 :失ったものと得たもの :2004/03/17(水) 03:42 ID:???
 家族を失った私は失意の中でずいぶん大人しくなり周囲を心配させたが、
それも長くはなかった。小学校に入学してから出会った同級生、滝野智のせいだ。
 ともはかつての私以上にやんちゃな女の子だった。教室で暴れてガラスを割ったり、
体育の授業で勝てもしない競走を挑んだり、いたずらで火災報知器を鳴らしたり。
(何回もやるから、この中のどれか一つは自爆ボタンだと嘘を教え込んでやめさせた)
 あまりの暴走ぶりに普通なら敬遠してしまうだろうが、私はそんなともを
放っておけなかった。毎日のように騒動を起こしては、私はその後始末に奔走した。
やらされたという意識はない。ともに頼まれたわけでもない。それでも、
私はともの後始末係という役割が定着した。
 ともから見れば、私の行動は余計なおせっかい焼きでしかなかったかもしれない。
教室で暴れるなと叱りつけたときは、ガラスが新しくなるからいいじゃん、
などと言って私の言葉を全く聞こうとしなかった。それでも私はおせっかいを
やめたりはしなかった。
 ともに直接聞かれたこともある。なぜそんなに口うるさいのかと。私はとも以外の
相手にはそんなに拘っていなかったのだ。しかし、聞かれても答えられなかった。
――結局兄のことを忘れられない私が何か楽しいことで気を紛らせようとしたこと、
兄の死をきっかけに変わってしまった自分と違って、ずっと元気でいられるともが
羨ましかったということ、いつのまにか兄が私に演じていた役割を、私がともに演じて
しまっていることが幸せであるということ。――小学生だった私にそんな自己分析が
できるわけないのだから。
 でも一つだけわかってたことがあったから、それだけは答えておいた。
――あんたが好きだから、と。

889 :失ったものと得たもの :2004/03/17(水) 03:42 ID:???
「天気がいいとお弁当もおいしいよねー」
 昼休み、屋上、晴天、弁当。そして、隣に座るとも。いつからだろう、
ともの隣に私がいることが日常となったのは。思い出せないのは、きっとそれが
特別なことではないから。私がこの高校を受けると決めたとき、ともが隣にいる
日常を振り切ったつもりでいた。でも、ともは私が隣にいる日常を選んでくれた。
 ああ、なんとなく美味しく感じるな、と食べながら同意を返す。
けれども美味しいと思う理由は、きっとそれだけではない。
 今になっては、兄を思い出すことは少なくなってきた。理由は簡単、ともがいるから。
こんなやっかいな妹がいるのだから、私はきっと兄よりも苦労しているはずだ。
だから、今では兄の気持ちがよくわかる。
何が何でも守りたい。ずっとそばにいてやりたい。そんな純粋な気持ち。
しかし、私は兄のようになる気はない。このなんでもない日常をくれたともを
手放しはしない。ともに私と同じ気持ちを味合わせはしない。
ともと一緒に美味しい弁当を食べていたいから。

「ねえよみ、これ食べてよ」
 ともが自分の弁当箱からサトイモを取り出した。
ネチャネチャした歯ざわりが嫌いだとか言っていた。
 ……今は状況が違うということはわかっている。
それでも、同じ過ちは繰り返さない、ともを離したくない、
決して口にしない思いを込めて、私は言う。
「……自分で食えよ」

(了)

890 :さかちー :2004/03/17(水) 03:45 ID:???
以上、1巻90ページのセリフの謎に迫ってみました。

891 :名無しさんちゃうねん :2004/03/17(水) 14:09 ID:???
そ、そんな悲しい過去やったんかー!?
短くもまとまった構成と切なさの伝わる表現がグッドでした

892 :名無しさんちゃうねん :2004/03/17(水) 15:18 ID:???
>>886-889
私は、暦には妹というよりは姉というイメージを持っているので
兄がいたという設定は新鮮に感じました。
智の面倒をみているのも、兄の面影を追い求めるためなのでしょうか。
なんだか切ないですね。

893 :名無しさんちゃうねん :2004/03/19(金) 22:34 ID:???
>>886-889 乙

さて、もう第二話から一ヶ月になるわけだが。

894 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/20(土) 01:44 ID:???
新作投下です。
【白詰草の友達】

895 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/20(土) 01:44 ID:???
夕日に赤く照らされたレンガ道を、落ち葉がかさかさと音を立てて通り過ぎる。
二人と一匹で歩く公園。
「昨日はありがとうございます」
ちよちゃんが少し申し訳なさそうに、私の顔を見上げる。
「だめですねー、私は。みんなに追い抜かされちゃいました。ゆかり先生には悪いですけど、榊さんが
頑張ってくれなかったら、私が悪者にされちゃってましたよねー」
私はそっと首を振る。
そうじゃない。
私だって、ちよちゃんがいなかったら。

896 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/20(土) 01:45 ID:???
――昔見た夢は、いつも哀しかった。
白詰草の花畑。
花冠を作って、友達の頭に載せてあげる。
でも、その子の顔はいつだってぼんやりと霞んでた。

897 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/20(土) 01:46 ID:???
私は足が速かったから。
誰より高く跳べたから。
いつだって体育系の部活から誘われていた。
少しつり目だったから。
背が高かったから。
私に近づく人はいつだってよそよそしくて、遠慮がちだった。
そう思ってた。
誰も、私のことを理解してくれないって、そう思ってた。
お城の周りにわざわざ茨を生やした、救いようのないお姫様。

898 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/20(土) 01:46 ID:???
だけどおさげのかわいい騎士様は、莫迦な私を助け出してくれた。
みんなと一緒に別荘に誘ってくれた。
一緒にカラオケ歌っていいんだよって、教えてくれた。
マジカルランドで、みんなで騒いでもいいんだよって、にっこり笑ってくれたんだ。
ちよちゃんがいなかったら、私は今でも森の奥に閉じこもったままで。
運動会も醒めた目で見てて。
きっとリレーなんて適当に頑張ってやり過ごしてた。
私があんなに頑張れたのは、きっと夢が哀しくなくなったから。
白詰草の友達がちよちゃんの顔になったからだ。

899 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/20(土) 01:46 ID:???
口に出したら不思議そうな顔をされそうだから、
心の中だけで呟くけれど。
本当は言葉で伝えたい。
ありがとう……って。
(Fin)

900 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:13 ID:???
連投ですが
【かっこええ女】

901 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:13 ID:???
「はあ……すっかり遅くなってしまいましたね」
本屋を出る頃にはとっくに日が落ちていました。
「ごめんな〜、ちよちゃん。私がついとったのに」
「いえ、大阪さんのせいじゃないですよ。私がついつい時間を忘れて立ち読みしていたのが
いけないんですから……でも」
私は墨絵の空を見上げながらため息をつきます。
「忠吉さん、怒ってるかなあ」
こんな時間になっちゃったんじゃ、お散歩も無理です。
しかたない。謝って、今日は庭の中だけで我慢してもらおう。
カバンに買ったばかりの文庫本をしまって、私達は家路を急ぎました。

902 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:13 ID:???
大通りを中に入った頃でしょうか。
後ろに誰かの足音がぴったりくっついてきているのに気づいたのは。
初めは気にしすぎかと思いましたが、足音はいつまでたっても私達を追い越してくれません。
ちらりと後ろを見ると、誰かがさっと隠れました。
その人は……一瞬見えた背の高いコート姿のその人は、眼鏡をかけてマスクをしていました。
――ごくり
私はつばを飲み込みました。
まっすぐ行けば家だけど、まだまだ距離があります。
でも、左手の小さな公園を抜ければ……
よし。
「大阪さん、ちょっと」
「ちよちゃん、どうしたん?」
「変な人が私達をつけてます」
「ほんまか?ちよちゃん」
「冗談言ってどうするんですか。この公園の向こうにコンビニがありますから、駆け込んで助け
を呼びましょう」
「せやな」
「じゃあ、1、2の3でダッシュですよ。1、2の……3!」
私は覚悟を決めて左手に向かってダッシュしました。

903 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:14 ID:???
足音の主は一瞬戸惑ったようでしたがすぐ気を取り直したらしく、私達を追いかけて来ました。
子供(+大阪さん)の足では、大人にはすぐに追いつかれてしまいます。
でも、公園は子供の遊び場。
大人から逃げる技はたくさんあります。
横をすり抜けると同時に思いっきりブランコを揺らしてやる。
丸太ステップの間を走り抜ける。
滑り台の下を潜る。
追跡者は私が仕掛けたトラップにいちいち引っかかってくれました。
後もう少しだ。
このまま行けば逃げ切れる!
そう思ってちょっと油断してしまったのがいけなかったでしょうか。
こつん
何かが足に当たったのを感じた瞬間、私の身体は地面に叩きつけられていました。
遊歩道を仕切るブロック。
私はそれにつまづいてしまったんです。

904 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:14 ID:???
「ちよちゃん!大丈夫か!」
大阪さんの声が聞こえます。
「大阪さんだけでも逃げてください!」
私は声を一杯に叫ぶと、大阪さんに怒鳴りかえされました。
「そんなんできるわけないやんか、ばかー!!」
そうしているうちにも足音は迫ってきます。
もうだめだ!と思った瞬間、私の身体は持ち上げられていました。
私は高校生ですけど、身体は小学生です。
軽いです。
でも、大阪さんの細腕に持ち上げられてしまうほどではないと思っていました。
でもでも、大阪さんは私を植え込みに隠してくれました。
火事場のクソ力って本当にあったんだ。
ドキドキする心臓を押さえながら、私はそんなことを考えていました。

905 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:15 ID:???
怪しい人はハァハァ息を吐きながら私達を探しています。
目の前を何度か通り過ぎました。
私はあきらめてくださいって祈ったけれど、さっぱりあきらめる様子がありません。
それどころか、端から植え込みをひとつひとつチェックし始めたんです。

906 :名無しさんちゃうねん :2004/03/21(日) 09:21 ID:???
おとうさんに愛情一本 ちよビタドリンク

907 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:23 ID:???
「こら、そのうち見つかってまうな」
大阪さんが小声で囁きます。
そしてその次の言葉は。
「あいつは私がひきつけるから、ちよちゃんはその間に逃げるんや」
「そ、そんな!だめですよ!」
すると大阪さんはにっこり微笑んで。
「うさぎちゃんはな、私と同じで勉強も運動もだめやったけど、最後には一人で敵の大ボスと
闘ったんやで?私は変身スティックなんて持ってへんけど、相手も普通の人間や。大丈夫。
負けへん」

908 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:24 ID:???
「何を言ってるんですか!マンガじゃないんですよ?」
「わかっとる。でもそうでも言わんと勇気なんか出ぇへん。私はな、榊ちゃん目指しとるんや。
あんなカッコええ女になりたいんや。でもな、ちよちゃんをここで守れへんかったら、一生なれ
んと思う」
植え込みを探す音はもうすぐそこに迫っています。
「ええか、私が飛び出したらすぐ逃げるんやで」
「や、やっぱりだめですよ、大阪さん!」
私は止めたけど、大阪さんは私の手を振り切って立ち上がりました。
「変態さん、私はここやで!この大阪マンが相手や!」

909 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:24 ID:???
一瞬の沈黙の後に聞こえたのは、とってもよく知ってる声でした。
「変態はちょっとひどいんじゃないか、大阪」
「よみ……さん?」
「本屋であんた達を見かけたんでね。このごろ変な奴が多いって言うし、ちょっと心配になった
んで、こっそり家まで見送ろうと思って。だめじゃないか、ちよちゃん。こんなに遅くなる
まで本屋に居ちゃあ」
「すみません……でも、なんでマスクをしてるんですか?」
「え?ああ、ごめんごめん。確かにこれじゃ私が危ない人みたいに見えるね。これは花粉症対策」
「あーそういえば」
へーちょ。
思い出したように大阪さんがくしゃみをします。
私は急に可笑しくなって、思わず笑ってしまいました。
見ればよみさんもお腹を抱えて笑ってます。
「ちよちゃんもよみちゃんも、そんな笑わんかてええやん」
「でも、大阪さんも笑ってますよ」
「え?私、笑てる?」
「笑ってる笑ってる」
笑い声の響く綺麗な星空の下。
私は前よりもっと大阪さんを好きになった気がしました。
大阪さん、すっごくカッコ良かったですよ。
(Fin)

910 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/21(日) 09:36 ID:???
野望まであと9つ(謎)

911 :名無しさんちゃうねん :2004/03/21(日) 21:44 ID:???
あずまんが大王の四匹スレが無くなったんですけどもし
復活しないようであればあそこで書いていたSSをここで最初から書かせてもらって
よろしいでしょうか?
それにしても最後の約束の続きはどうなったんだか……

912 :名無しさんちゃうねん :2004/03/21(日) 22:24 ID:???
>>911
なくなってません。単なるサーバ移動です。
(アドレスでいうと「comic2」の部分が「comic3」に変わった)
かちゅーしゃの場合なら「ボード一覧の更新」をして
アニメサロン板から再取得すればOK

913 :名無しさんちゃうねん :2004/03/21(日) 23:38 ID:???
>>912
えっそうなんでしたか!!すいません!

914 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/22(月) 01:54 ID:???
>886-890
乙です。たった今拝読させて頂きました。

あのセリフにこんな哀しい背景があったとは…。
よみさんも見掛けによらず、心に深い傷をもっていたのですね。
人知れず腹にしまい込んでいるものがあるなんて、漢ですね。

あのセリフの意味だけでなく、よみさんの男のような喋り方、
智を構う理由、甘いものを好む理由などが上手く説明されていますね。
文章も暦視点で、感情移入しやすかったです。

>>887の部分が切ないですね。
幼くして身内の、それも兄弟の死に直面するというのは、かなり辛い話です。
このくらいの年の子だとなかなか死というものが受け入れられないというか理解
できないものなので、最初に読んだ時は、兄を罵るシーンのセリフが年齢不相応
に感じてしまいました。しかし、息子たちのクラスメイトを思い出してみると、
5歳ぐらいの女児は、大人が思っている以上にオマセになっていることがあるので、
それもありかなと思い直しました。
兄の亡骸にすがりつく暦5歳を想像すると目頭が熱くなります。
余談ですが、男の子だとそのまんまガキです。
こんなセリフを言える子は多分滅多にいないです。

ただ、こればっかりは親として?だったのですが…。
5歳児を果たしてそんな危険な登山に連れて行く親がいるだろうか、と。
ごめんなさい。リアルに親なもんで、どうもそのへんにリアリティを
求めてしまっていけない。

915 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/22(月) 02:18 ID:???
>>蛍石さん
お疲れ様です。
相変わらず、原作の行間を埋めるのが巧いですね。
こういう作品を読んでから原作を読み直すのが、最近の私の楽しみです。
【白詰草の友達】
 確かに、ちよちゃんが榊さんを別荘に誘っていなかったらと考えると、なるほどなと
 思いますね。榊さんの暖かい感情が伝わってきました。

【かっこええ女】
 こういう大阪さん、好きです。私も大阪さんは普段あんなだけど、いざというときに
 一番大事なことが分かっているキャラだと思っています。
 しかし、よみさん怪しい…。ちょっとひねると怖い話になりそうな…(私ってこればっか)。

ただちょっと、非常に些細なことですが、細かい指摘。
作品が非常によく出来ているだけに、気になってしまうのですが、
>>904
>私は声を一杯に叫ぶと、大阪さんに怒鳴りかえされました。
>「そんなんできるわけないやんか、ばかー!!」
関西の人間はこういうときにバカとは言わないのでは?
たいていアホだと思いますよ。バカは心底侮蔑の意味があると
大阪の友人から聞いています。また、咄嗟の時もなかなかバカが
出てこないとも。

916 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/22(月) 08:22 ID:???
>PASCOさん
いつも温かいお言葉ありがとうございます。
「ばかー」の件ですが、「あほー」より「ばかー」の方が大阪さんらしいかと思った
んですが私だけですか、すみません。
話は変わりますが。
一般的にバカは関西人にとって心底侮蔑の意味があると言われますが、私の経験上
心底侮蔑したときには関西人はこう言いますね。
「ボケェ」
ここに「カス」も付ければ最強です。

917 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 10:22 ID:???
>>916
「アホォ!」
「ボケェ!」
「カスゥ!」
「いてまうぞ?!」

ミナミや河内を代表とする、特にガラの悪い大阪弁の
最強4段口撃

918 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 15:07 ID:???
>886-890
遅レスなのですが、乙かれ様です。
久しぶりのSSですが、「リベンジ」は上手くいきましたか?
次作も期待していますので、頑張ってください。

919 :「ゆかりとおはなし」作者 :2004/03/23(火) 20:35 ID:???
お詫び。(どうでもいいよ、って方はスルーして)

第2話をアップしてから一ヶ月が経とうとしておりますが、
次回のアップまでにはもう1〜2週間ほどかかりそうです。
この度の執筆遅滞の原因は、3月に入ってからの私的な都合での忙しさ、
を言いわけにしたい所ですが、僕自身の作品に対する姿勢の甘さのせいであると言わざるをえない感じです。
4月以降はかなり時間に余裕が出来そうなので、今月分の遅れを取り戻すつもりで
ガリガリ書き進めたいと、(今現在は)本心で思っております。

もし僕の作品を待ってくださっている方がいるとしたら、本当にごめんなさい。
そしてそれ以上に、心から感謝の意を表します。

920 :「ゆかりとおはなし」作者 :2004/03/23(火) 20:59 ID:???
あと、半月振りくらいにここ覗いて、ログの読み応えに驚いております。
やはり多くの書き手さんが集まると、様々な切り口の作品に触れられていいものですね。
特に蛍石さんとPASCOさん。きちんと執筆ペースを守る姿勢は見習わねば。
さかちーさんや最近このスレにいらっしゃらない名有りさんも、
このスレでどんどん作品発表していただけると個人的には非常に嬉しいです。
今から全ての作品に感想つけることはしませんが、このスレのSSは全部読んでますよ。
書き手の皆さんを心から応援するとともに、
このスレがより豊富なSSで発展していく事を願います。

921 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/24(水) 01:09 ID:???
>>919-920
焦らずじっくりガンガレ〜!

>きちんと執筆ペースを守る姿勢は見習わねば。
いや、その、私も最近滞ってますですよ、はい。

>さかちーさんや最近このスレにいらっしゃらない名有りさんも、
>このスレでどんどん作品発表していただけると個人的には非常に嬉しいです。
>>886-890はさかちーさんだよ。念のため。

922 :名無しさんちゃうねん :2004/03/24(水) 01:59 ID:???
>>821
>>886-890はさかちーさんだよ。念のため。」
820はわかってるから名指しで応援したんじゃないの?

しかし、つくづく君たちはいい奴だな… >>819-821
最近色んなスレで攻撃的な書き込みや
ケンカばっかり見るから…
萌えのナアナアの雰囲気が好きなのに。

923 :名無しさんちゃうねん :2004/03/24(水) 02:05 ID:???
>>922
レスアンカーに+100せよ。

924 :922 :2004/03/24(水) 02:49 ID:???
ほんまや…鬱
けっこうマジで語っちゃったのに…

925 :名無しさんちゃうねん :2004/03/25(木) 04:57 ID:???
>>919-920

Festina lente

926 :名無しさんちゃうねん :2004/03/25(木) 09:28 ID:???
遅レスだが螢石殿、二作品読みました。

面白かった。

ここ最近で読んだあずまんがSSの中で最も面白かったし、上手いと思った。
はっきり言ってダントツだろう。

まず、文章が上手い。基礎的な事を抑えているのはもちろんのこと、
小説の文章としてこなれている。ありがちな、せりふ+「〜は〜した」の
組み合わせに陥らず描写できているのはレベルが高い証拠だろう。

「かっこええ女」は追われるちよの緊迫感が一人称でありありと伝わってきたし、
「白詰草の友達」なども、読み手をぐいぐいと引っ張っている。
最近の中じゃ一番読ませる。つか、見習いたい。

もちろん、偉そうなことを言わせてもらえば改善すべき点もそれなりあるのだが、
全体的にはかなりの出来だろう。これからも励んでくれ。

927 :名無しさんちゃうねん :2004/03/25(木) 14:12 ID:???
>>925 どーゆー意味?

928 :名無しさんちゃうねん :2004/03/25(木) 14:24 ID:???
>>926 俺はこのスレのSSしか見てないが、禿堂。
蛍石氏はかなり仕上がってる。
「ゆかりとおはなし」やPASCO氏のSSも楽しませて頂いてるが、
偉そうな事を言うとまだ甘い。
有望な成長株として期待させてもらってる。

要するに、最近このスレ面白いですよね?と言いたい!

929 :「ゆかりとおはなし」作者 :2004/03/25(木) 17:48 ID:???
>>927
えっと……英語じゃないよね?多分。イタリアとかっぽい。
ごめん、わかんないや。本人の解説希望。

>>928
図々しいかもしれませんが、よろしかったら僕の作品を批評していただけませんか?
>>926氏や蛍石氏も、もし僕の作品を読んでくださっていたら、ぜひ。
厳しいお言葉も望むところです。
第1話アップした時も皆さんにお願いしたんですが、スレの流れもあり、
残念ながら批評的な内容のレスはいただけなかったので。

あ、もしご批評いただけるなら、ラウンジの編集会議室スレの方がいいかもです。

930 :928 :2004/03/25(木) 22:24 ID:???
>>929 これから会議室にちょっと書いてくるよ

931 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2004/03/26(金) 08:24 ID:???
>>929
じゃ、私も書いてくるです。
でも私の批評は結構キツイよ?

932 :名無しさんちゃうねん :2004/03/27(土) 08:54 ID:???
>蛍石さん
うわすげぇ!よく書けますね… へーちょが笑えました。


ところで、ここと控え室ってどこが違うの?

933 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/03/27(土) 12:58 ID:???
>>932
控え室は紅茶菜月さんが>1で書かれているとおり、SS書きの人達が
技術的な相談をうpしたり、新作を書き込んだりする場です。
ラウンジの編集会議室に似ていますが、あちらはSSは書き込めません。

対して、こちらは文字通りSSを発表するためのスレです。
控え室との線引きは正直なところ曖昧になっている気もしますが、
こちらの方が比較的自由に感想レスその他を書き込める雰囲気があり、
率直な反応を見るのにはいいスレになっていると思います。

控え室
→SS書き同士でのSS発表、品評・討議の場。基本的にsage進行。
発表スレ
→SSを大阪板を訪れる人達に公開する場。

かな?

934 :名無しさんちゃうねん :2004/03/27(土) 13:38 ID:???
まあ、特にこれといった使い分けの定義があるわけでもないんですけどね。
そもそもこのSS発表スレも最初は立て逃げ的にいきなり作られて
「他にSSスレあるからイラネ」としばらく放置されてたくらいですから。
確かにスレによって顔ぶれが固定してる感はありますが
特に取り決めてそうなったというよりは、何となく流れでそうなってるという程度でしょう。

935 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/03/27(土) 14:12 ID:???
自分的にここの次スレはいらないと思うのだが…(控え室とあんま変わんないし)

936 :名無しさんちゃうねん :2004/03/27(土) 14:37 ID:???
ただし控え室には「残酷禁止」のローカルルールはある。
ここをなくすとしたら、そういうのの持って行きどころをどうするか、という
以前からの問題がある。
残酷専用スレを立てるかという案も出たり消えたりしているが……。

937 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/03/27(土) 17:44 ID:???
>>936
年齢制限つきSS発表スレとかにするとか…

エロやグロはこちらでー

みたいなの

938 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 01:38 ID:??-izd.kHcU
ところで、くろまんがってもう復活しないの?
ネタの為たたかれていたが、けっこう好きだったんだが。

蛍石とどちらが上だろうか?

パスコ・ゆかりとお話し両名もまあまあだが、スリリングが足りない。ただほのぼのした日常を描くのみで読ませるには凄まじい力量が必要と思われ。

眠い名有りは論外。

939 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/03/28(日) 09:12 ID:???
>>938
おうっ!?


そりゃぁ、年季が違いマスカラー

940 :名無しさんちゃうねん :2004/03/28(日) 12:32 ID:???
>>938
PASCOはともかく、「ゆかりとおはなし」は全20話のうちまだ2話。
スリルについて言及するのは酷。
てか、いたずらに書き手の格付けみたいな事するのは感心せん。
それと、くろまんがはもうここでは書かないそうだ。

>>939
他は知らないが、「ゆかりとおはなし」は彼の処女作だ。
つまらん言いわけせずに、君なりに良い作品を作る努力をすりゃいい。
別にヘタクソだろうがなんだろうが書き手はスレの貴重な戦力だ。

941 :◆4VymWDIuME :2004/03/29(月) 00:25 ID:???
>>938
なんでほのぼのしたストーリーを書こうとしている職人さんに対して、
スリリングが足りないという評価になるのか分けがわかりません。
アイスクリームを食べながら、唐辛子が足らんというようなもんだ。
あと、よろしければ
>ただほのぼのした日常を描くのみで読ませるには凄まじい力量が必要と思われ。
の具体的根拠を示してもらえんかね?

>>940
>てか、いたずらに書き手の格付けみたいな事するのは感心せん。
激〜しく同意。
書き手に囚われず、作品のみで評価するのが望ましい。
もっとも書き手も、己の人格と作品を切り離している必要があるが。

942 :榊ちゃんの独白 :2004/03/29(月) 12:50 ID:???
私にとって高校の3年間はかけがいのないものだった。

小学校、中学校と私はいつも一人で窓際の席で外を眺めていた。
その頃を思い出そうとしてもこの光景が頭に浮かぶ。
友達と呼べるような人はいなかった。
それは積極的に話そうとしない私自身が悪い。
悪いとわかっているのだが、どうしても私は受身になってしまう。

他の人たちがこれからの高校生活に期待で胸を弾ませている最中。
私はこれからの3年間が容易に想像できた。
その運命を受け入れることに抵抗はなかった。
大体私には友達と上手く付き会っていくことに自信が持てなかった。
既に付き合っていくこと事体に煩わしさを感じ始めていたと思う。

私があの時図書館でちよちゃんに声をかけられたのはそんな私に
見かねた神様が賜ってくれた1つの奇跡かも知れなかった。

始めのうちはとまどいや不安があった。
1年生、2年生、3年生とだんだん友達と一緒に過ごす楽しさがわかってきた。
私のアルバムに友達と笑顔で写っている写真が多くなった。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、私は大学生になった。
高校に入学した時とは違う、私の中で膨らむ感情。

初めての講義を待つ間物思いに耽りながら、ふと隣の子を見るとねここねこの筆箱がある。
私は思わずその子に近寄り声をかけた。

「はじめまして」

それは今までの私から新しい私に対する言葉かもしれない。

943 :名無しさんちゃうねん :2004/03/29(月) 13:06 ID:???
ありがちなネタなのにグっときたage

944 :名無しさんちゃうねん :2004/03/29(月) 13:08 ID:???
これ面白いなぁ。
高校の3年間の思い出はかけがえのない宝物になって、
これからも宝物を産み出してゆく。
こんなふうにして榊さんは生涯の伴侶と出会うんじゃないか、
という妄想をしたりもして。

945 :変わらないもの。 :2004/03/29(月) 21:22 ID:???
はじめてなんで下手かもしれませんが。

「もうすっかり春ですねー」
大きな公園にたった一本だけ立った桜の樹を見て、私はそう言った。
高校を卒業して、…私がアメリカに来て、もう1年になる。私みたいな飛び級の子の受け入れもしてくれるアメリカの大学の講義は、聞いていてとても楽しい。
忠吉さんとも一緒に暮らせてるし、親戚のおじさんとおばさんはとても親切にしてくれる。ここでの生活に不満なんてない。…だけど、どうしても思い出してしまうことがある。
「…もう、すっかり春ですね」
さっきと同じセリフを、もう1度呟いた。…1年前、いつも一緒にいたみんながこの言葉を聞いたら、いったい、なんて言ってくれるんだろう。

「せやなー。こういう日は、眠くなってかなわんわー」のんびりやの大坂さんは、きっとこんな風に返してくれるだろう。
「そう春!それは出逢いの季節!よみにはなくても私にはある!」「なんだとー!」ともちゃんとよみさんは、きっとこんな風に口ゲンカを始めるだろう。
「ああ、春はいいよな。だけど、私はやっぱり夏が好きだ。くーっ、早く泳ぎたい!」スポーツマンの神楽さんは、きっとこんな風に言うだろう。
「…うん、春は、いいな…」もの静かで桜が似合う榊さんは、きっとこう言ってうなずいてくれるだろう。
「酒ー!酒だー、花見だー!」「ゆかり、何言ってんのよ、生徒の前で!」騒ぐゆかり先生を、きっと黒沢先生はこんな風に止めるだろう。

「…みんな、元気にしてるでしょうか…」
ひらひら、ひらひらと風に舞う桜の花びらが、私のほっぺたをなでる。…ほんの少しだけ、泣きたくなった。
「…ともちゃんがいたら…笑われちゃいますね…」
…ずっとずっと、みんなのことは忘れられない。あの日、空港で私を見送ってくれたみんな。がんばれって言ってくれたみんな。
「…逢いたいですね…」
ゆっくりと瞳を閉じて、深呼吸をした。メールなんかはたまにやりとりしてるのに、こんなに寂しくなっちゃうなんて、私もまだまだ子供です…。
「あのー、すいません」
「あ、はい、なんでしょう」
誰かの声で、私は我に返った。…振り返って、…アメリカなのに特徴的な日本語で話しかけてきたその人の顔を見て、私は驚いた。
「あー、やっぱりちよちゃんやー」
大阪さんは、久しぶりやなー、と言って笑った。1年前と変わらない、ほんわかとした笑顔。

946 :変わらないもの。 :2004/03/29(月) 21:23 ID:???
「大阪さん…!どうしてここに…」
私がそう言ったら、大阪さんは少し困ったような顔をして、家族で旅行に来たのだけどはぐれてしまったこと、この近くにあるはずであるホテルを探しに来たけど、途中で道に迷ってしまったことなどを話してくれた。
「ホテルなら、この近くには一つしかありません。一緒に行きましょう、大阪さん」
「ありがとなーちよちゃん。私英語分からへんから、ほんま助かったわー」
にっこりと笑ったその顔も、柔らかい大阪弁も…すごくなつかしくて、なぜか、うれしかった。
「…大阪さん、他のみんなはどうしてますか?」
「みんな元気にしとるでー。ともちゃんは大学でも相変わらずやー。よみちゃんからたまにともちゃんにメールが来るんやけどなー、ともちゃんはおせっかいやー、ゆうて怒るねん。
あとなー、神楽ちゃんも体育大学でがんばっとるみたいやでー。この間近くのコンビニで逢ったんやけどな、お腹減るーゆうていっぱいお弁当買っとったわー。
榊ちゃんはホンマに獣医さんになるみたいやでー。この間来たメールに、覚えることいっぱいで大変やーって書いてあったねん。
あ、それからゆかりちゃんとにゃもちゃんからなー、春休み中に同窓会やろうゆう手紙が来たねん。そん時に、ちよちゃんに逢ったってゆうとくなー」
「…そうですか…」
みんな、それぞれの道を歩いている。…だけど、みんなつながってる。あの時と変わらないままの大阪さんが、そのことを私に教えてくれた。
「…大阪さん」
ホテルの近くの道で、立ち止まって声をかけた。
「どないしたん?」
「…もう、すっかり春ですね」
突然、笑顔で言ったその言葉。大阪さんはびっくりするかと思ったけど、笑って言葉を返してくれた。
「せやなー。こういう日は、眠くなってかなわんわー」
…大坂さんがそう言ったのと一緒に、風にまじって桜の花びらがとんできた。
「あー、桜の花びらやー」
「…きれいですね」
私はそれをそっと唇に当てて、桜笛を吹いた。

…どんなに時間がたっても、変わらないものがある。…それは、上手く言えないけど、笑顔とか、過ごした時間とか、みんなとの関係とか…とっても大事なもの。
(明日、みんなにメールを送ろう)
大坂さんと一緒に、ホテルに入った。


その時、日本では桜笛の音を聴いた女性が何人かいたのだが。
それはまた、別の話。

947 :名無しさんちゃうねん :2004/03/30(火) 00:56 ID:???
いいですね。ちよちゃんの寂しさと嬉しさがとてもよく伝わってきます。
春って浮かれた気持ちとなんとも言えない寂しさが同居した
変な気分になって……、このSSはそれを思い出させてくれます。

948 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 03:31 ID:2TbgnkMY
キャラのダークな面を描いたSSも読んでみたいな

949 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 09:28 ID:???
>>948
最近見かけなくなったね…。
今はトレンドがほのぼの系のようだし。

950 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/03/31(水) 09:35 ID:???
>>948
くろまんが氏がいなくなったせいだろう…

951 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 10:13 ID:???
>>950
いや。
グロじゃなくて、ダークだよ。
黒ちよとかさ。

952 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 12:12 ID:???
>>951
榊×神楽や大阪のSSで、ダークなの書く予定はありますが…

953 :「ゆかりとおはなし」作者 :2004/03/31(水) 17:32 ID:???
うーん、別にほのぼの系のおはなし書いてるつもりはないんだけどなあ……。
文章と言うのはかくも難しいものか。

それより、次スレどうしましょうか?
いろいろご意見はあるようですが、僕は思うところあって
今のまま控え室と分けておいたほうがいいという考えなんですが。
個人的にもその方が嬉しいし。

954 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 22:11 ID:2TbgnkMY
転校前の大阪はいじめられこだった とかはありがちだろうか。

955 :名無しさんちゃうねん :2004/03/31(水) 22:13 ID:???
>>954
そういう設定のSSはいくつかある。
しかし、いくつかあるということは
これからも同じ設定を使える可能性は
十分にあるわけで。

956 :FFDQ板住人 :2004/03/31(水) 23:58 ID:IP8CJo4Q
>蛍石 ◆tzCaF2EULMさん
あずまんがもいいですけどターニア純愛小説の方もよろしくお願いします。
純愛スレは落ちちゃったんで「ターニアたんに萌える会」の方に書いてくださいです。

957 :名無しさんちゃうねん :2004/04/01(木) 00:42 ID:???
>>953 てか別に統合する理由も無いし、いいんじゃないだろうか。問題は誰が次スレをたてるかなんだが。

958 :私が名無しさんだー! :2004/04/01(木) 00:56 ID:???
ペースから言って、980を踏んだ人が立てればいいんじゃないか?

959 :私が名無しさんだー! :2004/04/01(木) 01:47 ID:???
>>958
あぁっ!!名前欄が!!

960 :明日に架ける橋 :2004/04/02(金) 23:34 ID:???

生きることに疲れ果て 惨めな気持ちで
ついに涙ぐんでしまう時 その涙を僕が乾かしてあげよう
僕は君の味方だよ どんなに辛い時でも
頼る友が見つからない時でも
荒れた海に架ける橋のように
僕はこの身を横たえよう

私が過去を振り返る時、いつも彼女は私の傍にいた。
彼女に纏わる思い出は今でも私の心を熱くする。
親友より上位の存在、『心友』とでもいうだろうか。

この前の同窓会の時久しぶりに彼女に会ったのだが
彼女は昔と相変わらず元気いっぱいで皆の中心となって騒いでいた。
私はその様子を見ながら「あいかわらずだな」と苦笑した。
しかし彼女の幼馴染として長年付き合ってきた中で幾度と無く
私は彼女の笑顔に励まされ、助けられてきたことだろう。
――「ありがとう」

――「どういたしまして」
私はそれほど強い人間でもない、他の人と同じように悩み苦しむ時もある。
ただ私は表面にそれを出さずに生きてきた。
周りの人は私を見て私の生き方に憧れていたのだろうか。
けれどもその私は私自身によって構築された虚像であるかもしれなかった。
そんな私の偽りの笑顔を見抜けるのは彼女だけだった。
いつも私を見守ってくれていた。

私が歩んできた人生。彼女が歩んできた人生。
思い出がかすめる同じ歳月を共に生き。
ひっそりと同じ不安を分かちあい。ひっそりと同じ幸せを分かちあう。
これからも一緒に行こう。これからもよろしく。

荒れた海に架ける橋のように
僕はこの身を横たえよう

荒れた海に架ける橋のように
僕はこの身を横たえよう

961 :名無しさんちゃうねん :2004/04/02(金) 23:35 ID:???
うーん、まあ色々と想像してください

962 :名無しさんちゃうねん :2004/04/03(土) 01:29 ID:???
はい、『私』と『彼女』が誰なのか、たっぷり想像させてもらいます。

963 :名無しさんちゃうねん :2004/04/04(日) 22:09 ID:???
つーか、冒頭とラストだけ、何故「僕」?

元ネタあり?

964 :名無しさんちゃうねん :2004/04/04(日) 23:51 ID:???
↑ある詩の引用だけど説明しても面白くないので。

965 :名無しさんちゃうねん :2004/04/05(月) 00:46 ID:???
ある詩っていうか、タイトル…

966 :名無しさんちゃうねん :2004/04/05(月) 11:11 ID:???
有名どころですね

967 :名無しさんちゃうねん :2004/04/08(木) 23:24 ID:dIjZYzd.
三年生になった、別に特に生活が変わるわけじゃない、大学も決めていない私にとっては世間が思うほど
この一年の始まりに気合を入れるほど私の中では重要ではなかった。
だが、心とは裏腹に頭はそうではないらしい、最近良く眠れない、新しいクラスになってよく話す友達もいなくなってしまい何かと考え込んでしまう
そういう風にしていると行き着く先はなぜか進路だ。
不安でしょうがなくなるたびに「どうでもいい!」と必死になって頭から離す、そこにはさすかな自己嫌悪が生まれる
もはや帰りだけ一緒になってしまった友達と家路を急いだあとにはもうやることは無くなる、ボーっとしているとまた今夜も眠れない気がする
久しぶりに走ってみよう・・・なぜか浮かんだ考えに私はトレーニングウェアに着替えた
親にはもうすぐスポーツテストだからと言って準備体操をして家を出た。
コースの四分の一くらいまではちょっときついがもうすぐなれてくるころだ、ちょうど交差点に差し掛かったとき

968 :名無しさんちゃうねん :2004/04/08(木) 23:58 ID:dIjZYzd.
やけにペースの速い・・・・・・・・女の子・・・!?
神楽さんだった、何の因果か並んで走る形になってしまった、もともとあまり女子と話すのに慣れてない私は
目が合ってへいぜんを装って会釈するしかできなかった。
神楽さんもうっすらと汗ばんだ顔に軽い笑みを浮かべ「アレ?奇遇だなあ」
少しの間無言だったが、なぜかコースが同じで、と言うかまっすぐの道だったのでとりあえず走っていた
それにしても速い、これでもすこしは体力に自信はあるほうだ、帰宅部で体力が落ちるのも嫌だったので一時期定期的にこのコースを夜走っていた
そのせいか体育では陸上部以外には何とかタメをはれている・・・・そろそろきつくなってきた・・もういつものペースよりだいぶ速い、話には聞いていたが実感するまでわからないものだ。
一方神楽さんは走ることに集中しているようだ、ちょっとその一生懸命さが溢れる様に伝わってくるその横顔を見ていた
「どうかしたか?」しゃべり方は普通だったが明らかに顔が赤くなっていた、なんとなく悪い気がしてすぐさま「あ、ごめん、」と謝った。
やはり駄目だなあ、どうも緊張してしまう、このなんともいえない空気の中で走るのは余計にきつい
まあぶっちゃけた話どうやら私は神楽に特別な感情を抱いているようだほかの女子とは違い緊張するが話したい、そんな気持ちがある、訳の解らないいきなりの自分の考えに自分で驚きながらも必死になってぺーすwを落とすまいとしていたが
そろそろ限界らしい、情けない話だ。
とそのとき

969 :名無しさんちゃうねん :2004/04/09(金) 00:31 ID:W5R9G.ak
彼女はだんだんとペースを落とし、歩き始めた、多少疑問はあったものの何よりありがたかった
「っふう〜」彼女は軽い深呼吸をした、私はと言うと顔に内心を出さないようにするのでせいいっぱいだった
「やるなあアンタ、ちょっとムキになっちゃったよ」気を使ってくれたのか本心かもうどうでも良かった
「神楽さん速いなあ〜付いていくのでやっとでした」
・・・・!?しまった、そしたらわざわざ付いてきたみたいじゃないか、
慌てている私をよそに、彼女は笑いながら「ちょうどよかったよ、競争相手がほしかったから」
無意識の助け舟に「確かに一人で走るのは飽きますしね」何とか普通の会話にすることができた、
呼吸も整ったし思考も正常に働いてきたら急に(いまさらだが)神楽さんと会話している喜びがこみ上げてきた
元々表面的には無関心なほうでにやけてしまうと言う最悪の事態は回避できたが(かろうじて)そのことに必死で会話が途切れてしまった。
「・・ぃ・・・お〜い」我に返ると彼女は不思議そうにしている、「大丈夫か?」「ハイ、ご心配なく!」すぐさま答えるとあの笑顔が見えた、
曇りの無い純粋な笑顔、本当に安らぐ「お前は面白いなあ〜」どうやらウケ狙いに聞こえたのか少しの間彼女は笑っていた
「でもアンタ部活動やってたっけ?」切り出してくる話題に私は「いや帰宅部です、ホラ、もうすぐスポーツテストだから」さっき親にも使ったいいわけだ、
ホントは、何も考えない時間がほしかった。
「へえ〜じゃあしばらく続けるのか?」「元々寒くなってたからサボってただけなんで」すると思いもよらない(だがとても感激する)事を彼女は言ってきた「じゃあさ!いっしょに走らない?」嬉しかった、内心できたらなと思っていたことが実現する、
しかしいささか慌てた「でも、私のほうがペース遅いし迷惑じゃないですか?」
だが「何言ってんだ!そのほうがお互いにいいって!」彼女のことだから深い意味は無いのだろうが妄想の翼の大きい年頃の私にとっては赤面するのに十分な言葉だった。
「嫌か?」即座に顔中の血液がなくなるような顔(といっても私が感じたほどじゃなかっただろう)になった彼女を見て「いや、神楽さんがよければ・・・」
言い終わらないうちに「よし!じゃあ決まりだ!明日はこの時間より三十分ほど早いからな」まあ別に問題は無い、だがふとした疑問があった「あの、神楽さんてどのくらい走るんですか?」
幸せには多少の苦難はつき物だ「アタシ?アタシは・・・う〜ん十キロぐらいかな?」「!?」軽く私の一点五倍だ・・・「まあ部活の無い日だから軽くだけどな!なんならもう少し多いほうがいいか?、大丈夫だぞアタシは」・・・・・
学校で挨拶されるのは夢にまで見たことだが同時に少しだら汗が出る笑顔でもあった。

970 :名無しさんちゃうねん :2004/04/09(金) 00:40 ID:W5R9G.ak
まず最初に・・・・・・・・ごめんなさい(土下座)って言うか初心者だろお前!何いきなり!
ハイ解っております、もう何もいえません・・・絵〜常連の方々、お目汚し大変失礼しました、元々文章を読むのが好きなものでここのSSは大変楽しめました
だからと言うわけではないですが今日ジョギングしていたときふと思ったことを形にさせていただきました、なにぶん何の才能も無い高校生のがきのたわごとと思い広い目で見ていただければ何よりです
では(実は続きも無いこともないのですが・・・w)

971 :名無しさんちゃうねん :2004/04/09(金) 01:23 ID:???
ならばまず助言を。
改行をしっかりしましょう。
句読点の使い方に気をつけましょう。
これだけでだいぶ読みやすくなるはずです。

こうしたWeb上で発表する小説に文才なんてものを
云々することに大した意味はないと思います。
所詮素人なんですから。自分は初心者とか下手とか
思わずに、最善を尽くしてください。

972 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/04/09(金) 19:54 ID:???
改行がないと見にくいです。
参考として、メモ帳で、はみ出ないくらいが丁度いいと思います。

出来れば題名もつけてぃ

973 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/04/10(土) 23:39 ID:???
>>715の続きや。短いけど、クライマックスは一気にドーンと

974 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/04/10(土) 23:41 ID:???
ブウウウゥゥゥゥ…
にゃもの車が、除雪されて綺麗になった道を走っていく。時々忙しそうに除雪に追われている作業員の姿が見える。
「ちよちゃん、どうしたの?元気ないじゃん」
「そ、そうですか?」
別に元気が無いわけではない。ただ、気がかりなことがあるのだが、確証がないのだ。
「あ、そういえばゆかり先生、昨日何言おうとしてたんですか〜?」
ちよはとっさに話題を変えた。
「えっ、何のこと?」
「ほら「お前らの、みょふき…」ってやつですよ」
ちよの言葉を聞いて、ゆかりはしばらく考えて思い出したようだ。
「ああ、あれはね―――」

「そ、それです。そうですよ!!」
ちよの頭の中にバラバラになっていたものが、パズルのように一つへ結びついていく…
「ち、ちよちゃん!?」
「先生、早く戻って!!」
ちよがにゃもの腕を掴む。
「えっ!?なんなのよ!?」
「いいから早く!!」
「どけにゃも!!」
ゆかりは強引ににゃもを助手席に移らせると、急ターンして猛スピードで来た道を戻っていった。

寒い風が体を刺す。でも、何も感じない…心まで冷え切っているからかな?
チャキッ
私は猟銃に銃弾を込めた。絶対外さない。
これで確実に彼女を葬り去る。そして私は

975 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/04/10(土) 23:42 ID:???
「あ、あそこです!!」
ちよが指差した先、遠くて見難いがそこには銃を持った彼女がいた。そしてその銃口は…
「な、何やってるんだよ!!止めないと!」
「で、でもどうやって?」
榊がいうように、そこは道路のカーブ沿いの崖下にあるが、道路との距離は数十メートルある。
降りて走ったとしても、この雪では行くまでに、彼女が引き金を引いてしまう…
「榊さん!!カーブの遠心力を使って、私を投げてください!」
「なっ、何言ってるのちよちゃん!?」
「今すぐ行くには迷ってる暇は無いんです!!早くしないと…」
確かに、それならばすぐにあそこまで到達できるだろう。
しかし外れれば、顔面から真っ先に雪に突っ込む。凍りついた雪は、刃物のようにちよの顔を…
「迷ってる場合じゃないわよ!もうカーブよ!!」
「榊さん!!」
ちよの一言で、榊は決心した。窓から半身乗り出すと、ちよを彼女に向かって投げつけた!!

976 :◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:39 ID:???
名有りさん、お疲れ様です。いよいよクライマックスですか。
失礼な言い方かもですが、書きはじめの頃とは見違えるようです。
あと少し、がんばって。

あと、これから僕も作品投下するんですが、それでスレがほぼ一杯になっちゃうんで、
次スレをたてようと思うんですが、構いませんかね?
あなたはたしか次スレは必要ないというご意見でしたので、一応お伺いしときます。

977 :ゆかりとおはなし(第3話 1/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:42 ID:???

 一度でいいから、やってみたかったんだ。実に一週間来の憧れ。
思いつきで恋い焦がれたシチュエーションだった。まさかこれほど早く出くわそうとは。
所在無さげに教卓にあごを乗せていたゆかりは、悪巧みに胸を高鳴らせつつ、やおら立ち上がった。
 標的の席は廊下側から2番目、後ろからも2番目。ポジションはなかなか悪くない。
クラスの全員が配られたプリントに黙々と取り組み、シャープペンシルの芯が
かりかりと机を叩く音だけが教室に響いている。
そんな中、一人だけ。机に顔を俯せもせず、ゆらゆらと舟をこいでいる少女。
狙いはその額である。ゆかりはやや短めのチョークを選んだ。
 生徒たちは一人としてゆかりの挙動に気付いていない。
ゆかりはタイミングを待っていた。まだだ、慌てるな。焦りは敗者の心理に違いない。
こいつの頭の位置が固定される一瞬。その一瞬の勝負に勝てばいいのだ。
 程なく、こくりと落ちた少女の頭が、ゆっくりと元の高さまで戻り、頂点でその動きを止めた。
勝機。ゆかりはそれを見逃さなかった。
「おらぁ!!」
静寂は引き裂かれた。空を切る白墨は粉末を散らしつつ、少女の顔面へ……。
「あだっっ!!」
「ありゃ?」
突然の飛来物。予期せぬ衝撃を受けた少女、目には涙を浮かべてわめく。
「な、何すんだよゆかり先生!!私なんもしてないぞ!?」

978 :ゆかりとおはなし(第3話 1/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:44 ID:???
 どうやら、ちょっとばかり手を離すのが遅かったようである。
投じられたチョークが命中したのは、標的の隣の前の更に前の席、滝野智の鼻っ面であった。
「あー、ごめんごめん。智ちゃんを狙ったわけじゃないのよ?ちょっと手元が狂って……」
「勘弁してよー。いたたた……。なんか絶対鼻血出てるような気がするしー。
ちょっとよみ、鼻血出てない?鼻から血」
「あ?出てないけど。っつーかぎゃあぎゃあ騒ぐな。うるせえ」
 よみ、と呼んだ眼鏡の少女に正論で毒づかれた智。この正論には理不尽を感じたはずである。
実際、智がこのような仕打ちを受ける道理はどこにも見当たらないのだから。
智の怒りの視線は教室をぐるぐる巡り、すぐに見出した。
彼女の隣の後ろの更に後ろの席。居眠りに耽る一人の少女を。
「おい、春日ちゃん、起きろよー!あんたのせいで私がとばっちり食ったじゃんか!」
 この騒ぎにも眠り続けていた少女は、自分の名前を呼び立てられて、ようやく目を覚ました。
そこからは、我らがゆかりの役目である。懲りもせず眠たげな少女の席へ歩み寄る。
「おはよう、春日さん」
「あ……おはようございます……」
「転入早々居眠りとはいい度胸ね。しかも担任の授業で。」
「ちゃ、ちゃうんです……寝てたと言うか……起きてはおらんかったんですけど……」
弁解は待たれず、ゆかりは的を外れたチョークを拾い上げ、
至近距離で少女の頭に命中させた。

 それにしても、かねて期待を寄せていた新人が斯様にすっとろい女だった事は、
ゆかりにとってとんだ誤算であった。
期待の新人とは即ち、この度の居眠り少女、春日歩の事である。

979 :ゆかりとおはなし(第3話 1/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:45 ID:???

 美浜ちよの編入からわずか一ヶ月。大阪からやってきた時期外れの転入生を
自分のクラスに獲得するのは、ゆかりといえども容易な業ではなかった。
しかしながら、だからと言って他所のクラスにほいほいと譲ってしまうには、
「関西人」とはあまりに魅力的な肩書きではないか。
こいつなら、うちのクラスを新たなカラーで彩ってくれるに違いない。
そう思ったから、無理を通し、道理を蹴散らして二人目の転入生を迎え入れたのだ。
それが――それで――それなのに!いったいなんだ、この様は。
転入から数日で、既に周囲に認識されているそのトンマっぷり。
おつむの出来から日常何気無しの所作まで、まさに万能型の劣等生である。
これでは、チョーク投げの的ぐらいにしか使えないではないか。

「がーっ、関西人め!!」
 昼休みの職員室に、あまりにも突然発せられた心の叫びは、比較的ゆかりの側にいた
ごく数名の教師を驚かせただけであった。無論その「ごく数名」の頭数には、
その時までゆかりとナチュラルな会話を展開していた黒沢みなもも含まれる。
「ど、どうしたのよ急に。関西人?って、春日さんのこと?」
「他にいるか!?関西人が!関東に!」
「いるだろいっぱい。そんで、春日さんがどうしたの」
「どう?どうっつったのか、今?いったいどの口だ、そんな戯言ぬかしやがんのは。
こっちが聞きたいわよ!何がどうしちまったんだ、あれは!」
もはや、言葉が思いを伝達しきれない。

980 :ゆかりとおはなし(第3話 4/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:46 ID:???

「……まあ、何となく言いたい事はわかるわ。彼女、なんかちょっとずれてるからねえ。
でもいいじゃない。あんたクラスの色は濃い方がいいとか言ってたでしょ、確か。
あれも個性っちゃ個性じゃん。なかなか独特の空気持ってるわよ、あの娘」
 このフォローがまったく無意味なものである事は、言った直後でみなも自身にも悟られた。
そんな事はゆかりだって充分承知している。納得いかないのは、そういう「理屈」ではない。
気持ちの問題だ。際限を知らない欲求の問題なのだ。
期待していたものに失望させられた事、それにより蓄積する遣るかたない鬱憤。
それがゆかりの場合、怒ってみせるという行為で表されるだけなのである。
即ち。放っておくのが一番よろしい。
話題はみなもによって、今もっとも相談しなければならない事柄に移された。
「そういやあんた、準備できてんの?次の日曜の」
「日曜?ああ、結婚式か。準備?……って……」
頼りない表情で行われる頼りない思案。そして生み出された頼りない返事。
「……礼服必要ですか?」
しょうがねえな、という風にみなもが肩をすくめてみせる。
それは昔馴染みの友人に対する非難の気持ち、ではなく、
あんたの事なんか何でもお見通しだよという、ある種の親しみの表れのようで――
あるいは友人よりも人品的に優位であらんとする、高慢な自尊心に安住するために――?
「要するに用意してないのね。まあ、そんなこったろうと思ったわよ。
いい機会だわ、今日一緒に買いに行こう」
「あ!?今日!?」
「今日。どうせ予定ないでしょ、あんた」
「んな急に言われたって……お金とか無いし……」
「じゃ、銀行寄ってから行こう。5万もあればそれなりの物買えるわよ。
一着持っときゃ、この先何かと使えるんだから」

981 :ゆかりとおはなし(第3話 5/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:47 ID:???

 そう言われても、あんまり突然すぎるじゃないか。
面倒な問題は先送りにしなければならない。たぶん正しい認識の筈である。
なにか体のいい言い訳はないものか。
ゆかりは体調不良やら、ドラマの再放送やらを逃げ口上にしてみたが、勿論通用するべくも無い。
切り札であった「みなもの水泳部」も、「今日は生徒に任せる」の一言で斬り捨てられ、
もはやゆかりには戦うための武器も手段も残されていなかった。
「それじゃ、帰ったら通帳とか準備して待ってて。迎えに行くから」
迎えに、と言ってもどうせ目的地まで徒歩である。この女の場合。
更に積もった不満は、最後っ屁と姿を変えて飛び出した。
「早く車買えよ」

 ゆかりにしてみりゃそれは誘拐であった。
行き先も告げられずにひた歩きひた歩き、駅についたのが銀行を出てから更に20分後。
たかが服を買うためだけに知らない街へ連行され、
改札を出たゆかりを迎えたのは、ぎらぎらまとわりつく雑音と人ごみの匂い。
胃がもたれそうだった。
「帰りは、絶対バスだかんな」
「はいはい、わかったって。ほら、そこの通り入ってすぐよ」
 雑踏をすり抜けていく二人。それぞれの姿勢で。
見失わないように監視してるのもお互い様で、半分は自分のため、半分は相手を気にかけているから。
二人はつまり、こういう関係。ずっとずっとそうだった。

982 :ゆかりとおはなし(第3話 6/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:48 ID:???

 交差点を渡って通りへ入ると、いくらか人もまばらになってきた。
これなら声も届く。
「なんだって服買うのにこんなとこ来なきゃいけないのよ」
出てきたのはやっぱり悪態だった。まあ、無理もないというか、ゆかりだから、とても自然。
「文句言うなって。いい物を安く買おうと思ったら、こういう所に来なきゃ駄目なのよ」
近所のデパートでも充分ゆかりのセンスに適うものは揃っているのだが、
それについてはもう言及しなかった。
来てしまったものは仕方ないし、それに何より
ゆかり自身も思いがけなかった、なにやら感慨めいた感覚があったのだ。
「何年ぶりだろ、わざわざこんな街まで出てきて買い物なんかすんの。
昔はよくニッポリだのハラジュクだの行ったんだけどねえ」
みなもの意外そうな表情はゆかりの予想と寸分違わなくて、可笑しかった。
「あんたが?嘘。昔っていつの話よ」
「んー?高校とか大学2、3年までとかそんぐらいかな。
で、お目当ての店はまだかよ」
「え?ああ、もう着くよ。ほら、そこの店の地下」
「地下?」
「そう。上は全然関係ない香水屋だけど、あとで覗いてく?」
「いや、いらん」
 階段は薄暗く殺風景で、洒落た感じだとか高級感と言った雰囲気はイメージしにくかった。
おや、これは、と不思議に思って店内に入ると、照明こそ明るくなったものの、
地味な装飾はあいかわらずで、どことなくごみごみとした印象さえ受ける。
ブティックだのヨーロッパ調だのといった単語しか、それまでのゆかりの頭には無かったのだが。

983 :ゆかりとおはなし(第3話 7/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:49 ID:???

「なんだここ。こんななら、地元の駅前でも良かったんじゃないの」
「モノと値段がいいのよ、この店は。店員もうざったくないから気楽に買い物できるしね。
さ、何とかあんたの予算内で一式揃えちゃおう」
何とか、とみなもが言ったのはつまり、ゆかりの預金通帳の貧弱さが彼女を驚かせたからであった。
独り身で、しかも私立高校の教師なんかやっているのだから、
けっこう金には余裕があっていいはずなのだが、そこはゆかりである。
手に入れた金は主に娯楽のために使い尽くしてしまい、
手元には金どころか物品としてすら残らないのであった。
「でも楽勝なんじゃないの?7万も下ろしたんだぜ、なけなしの預金から。
あんた5万もあれば充分とか言ってたじゃん」
「うん、けど女性の場合小物とかアクセサリーも重要だからね。
それに、そこからお祝儀も出さないといけないじゃない。けっこう厳しいわよ」
「ああ、そう言やそうだ。お祝儀ってどんくらい包めばいいの?」
「えっと、20代で女性なら、大体3万くらいが一般的なんじゃないかな」
「さんまん!?」
「たぶんそのくらい」
「円で!?」
「うん」
その金額はゆかりの色んな価値観を超越していた。
じゃあ今ここにある7万は、友人の結婚のために残らず消えると言うのか?

984 :ゆかりとおはなし(第3話 8/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:50 ID:???

「なんで今さら3万も払うんだよ!友だち同士で!」
「なんでって、そりゃ友達だからじゃないの?
まあ幾らって決まってるわけでもないし、もうちょっと少なくてもいいのかもしれないけど」
「ちくしょー……友人から3万て。お祝儀でぼろ儲けじゃねえか、理子のやつ」
 はっとした。
きまりが悪くて、目の前のマネキンから目線を外せなかった。どうやらみなもも同じ様子で、
二人して黒いドレスにつばの広いハットをかぶった品のいいマネキンを見つめていた。
 理子。それが、ゆかりたちより一足早く結婚する友人の名前。
今まで名前を口にしなかったのはおそらく、無意識のうちに働いた意識がそうさせたから。
 正直、自分たちにとっては表面的な友情だったと、ゆかりもみなもも思っている。
嫌いじゃない。嫌いじゃあないけど。
初めて知りあったのは高校の時で、ゆかりとは同じ大学へも通っていた。
と言うより、むしろ理子があえてゆかりの志望する大学を選んだようにも思える。
少しとがった気性がたたって周囲から疎まれている感のあった理子は、
自分を拒絶しようとしないゆかりを、好むポーズで、依存していた。
みなもと付き合いが深かったのも間にゆかりを介していたからだとは、確信をもって言える。

985 :ゆかりとおはなし(第3話 9/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:50 ID:???

 基本的には(上辺だけは、とも言い換えられるが)来る者拒まずの二人であったから、
向こうが懐いてくる間は交友が続いていた。
連絡が途切れだした時も、追うような事はしなかった。
ぽつりぽつりと続いていた音信がすっかり途絶えてから1年近くが経って、
出し抜けに結婚を知らせる便りが届いた時は、ゆかりも少なからず驚いたものだ。
その時すぐに電話しようかとも思ったけど、何となく出来なかった。
みなもが「式にはゆかりと一緒に出席する」と返事をして、それっきり。
ゆかりが理子と1年ぶりに言葉を交わすのは、結婚式当日の事となる。
「なーんか本当に今さらって感じだよな、理子と会うったって」
 先に沈黙を破ったのはゆかりであった。
その口調は思いのほか空々しくもなく、しかし目線は依然ハット帽のマネキンに向けられていた。
「しかもいきなり結婚とか言い出してなあ。自慢のつもりかって話だよ」
「本当にねえ。私たちなんか呼ぶ必要もなかったのに」
言いながらみなもはマネキンから目線を外し、店の奥へと進んだ。
後姿に催促されて、ゆかりもそれに続く。店内は意外に広い。
「ほら、この辺。結婚式に着ていくような感じのセミ・アフタヌーンドレス」
雑然とした店の中では、かなり小綺麗な一角であった。

986 :ゆかりとおはなし(第3話 10/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:51 ID:???

「この辺のなら何でもいいの?スーツみたいなのとか普通にあるけど。」
「えっと……ど、どうなんだろ。そんなに細かい決まりはないと思うけど」
「なんだよ、わかんねえのかよ。使えねえなあ」
「うるさいな。あ、このアンサンブル、いい色じゃない。着てみようかな」
「あ?あんたが買うのかよ!」
「何だよ、いいでしょ。あんたより金持ってるんだから」
「じゃああんたが私の分も払っとけばいいじゃん」
なんだか、悪くなかった。面白い話でもないのに、けらけら笑った。
最近は一人で買い物する方が気楽で、他人とショッピングなんか誘われても行かなかったし、
みなもとだって飲み食いや映画なんかには行っても、一緒に服を選ぶことなんか無かった。
でも、煩わしいけどでも、人から見れば退屈で馬鹿みたいな話で
こうやって盛り上がりながら品定めするってのは、久しぶりで新鮮だった。
「ねえ、さっきの話」
 浮ついた満足に浸っていたゆかりの表情は、みなもの言葉の先への悪い予感に
一気にけだるさを取り戻した。
「あんた、こういうとこ買い物来てたとかって、やっぱり理子と一緒だったの?」
果たして予想通りの話題である。
「違うわよ。一人に決まってんじゃん」
「嘘言いなさいよ。あんた大して服とかこだわってなかったじゃん。
一人ならいちいち遠出して買い物なんかしないでしょ」
「あーもう、うるさいな。好きで一緒に行ったんじゃないわよ。
めんどくせーっつってんのに、あいつがしつこいから」

987 :ゆかりとおはなし(第3話 11/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:52 ID:???

 たしかにゆかりの記憶の中では、理子とのオデカケは決して楽しいものではなかった。
そりゃそうである。みなもと理子じゃ、一緒にいる時のゆかりのテンションが違いすぎる。
「うん、まあ、なんて言うの。かなり自己主張の強い娘だったしねえ」
クラスメイトたちの理子に対する評価は、だいたいみなもと同じ感じであった。
ゆかりの目から見ると、もうちょっと情の深い奴ではあるのだけど。
「あんたとじゃ、気も合わなそうなのにね」
なるほど、それはその通りかもしれない。どうして二人は角目も立てずやってこれたのだろう。
 理子は、一言でもって言うと自意識の過剰な女性であった。
他人に気にしてもらいたい、と言う願望が並外れており、
自分を周囲に押し売りするような行動は、誰よりも激しかった。
そのせいで級友たちから敬遠されたりしたのだが、理子は他人の視線に敏感ではないものの、
ひどくそれを気にするタチではあったので、人知れずおびえ、苦しんではいたようだ。
そのくせとげとげしい態度をとって、虚栄に溢れ、変にプライドが高いものだから始末に負えない。
彼女が唯一その内なる恐怖を告白できたのが、他でもないゆかりであったのだ。
と言ってもその内容は相談のようなものではなく、烈火の如く怒ったふりをして
理子が叩きつける言葉を、ゆかりがたまに相槌を返したりしながら聞いているだけのものであった。
 問題は、なぜゆかりが理子を拒まなかったのかという事だが、
そもそもゆかりもクラスの中では微妙に浮いた存在であった。
しかし、それは理子の場合と異なり、彼女は当時から
一歩引いた所で世界を見ていようとする姿勢をとっていて、おそらくそれが原因だ。
それはひょっとすると、ゆかりがそう在りたいと願っていただけなのかもしれないけれど、
とにかくゆかりは自分が思う以上に色んな人間がいて、色んな弱さとか悩みを
抱えているのは理解しているつもりでいた。
そして、そんな人たちが自分に何を求めるのかも。

988 :ゆかりとおはなし(第3話 12/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:53 ID:???

 ゆかりは、聞き上手なのである。適当な距離で人と付き合う事を覚えているから。
(それは要するに、めんどーな関係を嫌がっているだけなんだけど)
でも、仮に理子でなく、みなもが似たような事をしてきたとしたら、
ゆかりは不愉快だろうし、聴きに徹するなんて事もしないだろう。
明確な線引きは無いけれど、間違いなくみなもはそういう位置付けになっているのだ。
「しっかし、わかんないもんよねえ」
 やけに饒舌なみなも。漏れてくるような言葉の響きは、
意味以外のもので形づくられているようにゆかりは感じた。
「高校ん時は、あいつ絶対結婚できないよなんて言う奴も多かったのにね」
「んにゃ、私は、理子はさっさと結婚すると思ってたよ。
ところでなんつったっけ?旦那の名前」
「えっと、伸行さんて言ったっけな。わりと稼ぎいいらしいよ」
「いや、それも凄い大事だけど、名字。名字なんてえの?」
「名字?たしか、栗山じゃなかったっけ」
「栗山?栗山……クリヤマミチコ、か。だははは、けっこう可愛いじゃん」
「あ?ぷ、あはははは!そうね、いいかもしんない、栗山理子」
「な。一段と映えるよなあ」
 そう言えば、理子がゆかりとの最後の電話で話したのも、彼女の旦那になる人の事だった。
大学を卒業して、小さな会社の事務を務めることになった理子は、
学生の頃にも増してゆかりに愚痴をこぼすようになった。

989 :ゆかりとおはなし(第3話 13/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:54 ID:???

自分は周りのつまらない連中とは違う。そんな意識が人一倍強い理子であったから、
脚光を浴びる事のないその仕事を不満に思うのはゆかりにもわかっていた事で、
それでもまずかったのは、理子の心のどこかに、教師になった二人への羨望があったこと。
もともとゆありは、聞き上手とは言っても、心の広い人間な訳ではない。
人の気も知らずに身勝手な独り言をゆかりに押し付ける理子は、
もはやゆかりにとって、「外」に置いておきたい存在になっていた。
 たぶん、理子もゆかりの変化、もとい自分に対するゆかりの心の変化に
気付いていたのだろうとゆかりも思う。
しだいに減っていった理子からの電話。彼女は必要以上にさっぱりとした口調で、
自分が会社で嫌われている事とか、仕事を辞めようと思っている事を話すようになった。
そして、最近付き合っている男がいる、とゆかりに言ったのが一年近く前。
素敵な人だとか、ひとしきり彼氏の自慢をされて、それが理子からの最後の電話だった。
その、栗山伸行さん、だっけ?とお付き合いが始まったのがその頃だとすると、
かなり早い結婚と言う事になる。
「どんな人なんだろうね、理子の旦那さん」
 沈黙を避けるかのように、話題を提供するみなも。
ゆかりは平気なふりをして、お値段29,800円からのコーナーを荒らしている。

990 :ゆかりとおはなし(第3話 14/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:55 ID:???

「あの理子のお眼鏡に適うくらいだからさ、よっぽどいい男なんじゃない?」
「さあ、どうだかねえ。案外、焦って妙な男につかまったのかもよ。
お、これなんかどうよ?格好良くない?」
「だめよ。パンツタイプのスーツなのは譲るとしても、思いっきり白いじゃない」
「え?なんで白が駄目なの?」
「白は花嫁さんの色なの。結婚式の主役は理子なんだから。それとも、あんたが花嫁になる?」
「う……じゃ、じゃあこれ」
ゆかりが替わりに選んだのは、落ち着いた黒のワンピースだった。
値段の割に高級感のある素材で、袖の所だけ生地と色が他の部分と違っている。
みなもとしては認め難かっただろうが、なかなかにセンスの良い選択だった。
「うん、いいんじゃない?なんだかんだ言って、あんた黒が似合うし。
店員さんに言って仕立ててもらう?」
「いいよ、面倒くせえ。多分このまま着れるし」
「そう?ならいいけど。試着室すぐそこよ」
 白は花嫁の色、か。試着室に入ったゆかりは、乱暴に服を脱ぎ捨てながら息を漏らした。
私はごく一般的なお嬢様方とは違って、生まれてこのかた花嫁衣裳に憧れた事なんか無い。
無いけど、自分の知合いが、それもあんまり好きじゃなかった友達が
自分より先に結婚するとなると、これはなんだか、なんつーかその、
嫉妬、しちまうもんだなあ。
そんな柄にもない感傷を自覚すると、なおさら溜息をつきたくなった。

991 :ゆかりとおはなし(第3話 15/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:56 ID:???

「ねえ、ゆかり」
カーテンの向こうからもみなもは話しかけてくる。
なんだか、今はありがたい。
「ゆかり。……あんた、結婚とかしたいと思う?」
「ああ?しようにも、相手がいねえもん。あんたこそどうなんだよ」
「そりゃ、素敵な人が見つかったらしたいとは思うわよ。
でも、無理に急いでしたいとは思わないわね」
「あれあれ?て事は、去年まで付き合ってた彼氏はステキな人じゃなかったのかな?」
「あ、あいつのことはもう言うなって言ってんでしょ!!」
「にゃはははは、無理しちゃって。本当は理子に妬いてるくせに」
「うるさい!あんただって同じでしょ!」
そうだよ。とは、言えないか。
「私は大丈夫だよーん。八つ当たりする相手もいることだし」
「だから妬いてんじゃん、それ。ていうか私に当たんないでよ」
「心配しなさんな。今、理子の結婚を記念した抜き打ちテストを製作中なのだ」
「生徒に当たんのかよ……」
 少しの間会話が途切れて、代わりにゆかりが着替えをするごそごそと言う音が空間を支配した。
ふと、今夜理子に電話してみようかと思ったが、その考えはすぐに打ち消した。
話さなきゃいけない事なんかないし、心にもない祝福なんか出来ない。
貧困な話題と社交辞令のストックは、日曜までとっておこう。

992 :ゆかりとおはなし(第3話 16/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:58 ID:???

「おーい、まだ着替え終わんないのー?」
 つくづくみなもは、沈黙に耐えることにおいてタフでない。
「待て、もうちょい……この、背中のファスナーが……こうか……」
苦心しながらひょいと顔をあげると、見慣れない自分がいた。
あれ?
私ひょっとして、割といい感じなんじゃないか?これ。
みなもの言う通り、ゆかりに黒い服は、いやに中性的な色気が漂ってきて、よく似合う。
鏡の前でくるりと一回転。なんだか、数年ぶりに女の子してるぞ、私。
「おい、まだかよー」
「今出るってばよ」
もうちょっと鏡と見合っていたかったけど、しかたない。
とりあえず、目の前の凛とした女の姿を見つめながら、満ち足りた気分で自分の自信を確かめた。
私は、私だ。見た目は、大事だ。
鏡の中の自分に向かって、みなもに聞こえないように呟く。
「結構きれいじゃん、あんた」

「本当きれいね、ゆかり」
 朝からずっとおだてられっぱなしであった。
流石にこれはお世辞を言ってるんじゃないかとゆかりも思ったが、
まあせっかく誉めてくれているので、気持ちよく舞い上がらせてもらう事にした。
「誉めすぎよ、みんな。こいつ調子乗っちゃうじゃない」
「おや、どうしたのかね、にゃも君。自分のおニューのドレスが全然注目されないのが
そんなに悔しいかね?」

993 :ゆかりとおはなし(第3話 17/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:58 ID:???

「だーかーら、調子に乗るな!バッグのアクセサリーも私に選ばせときながら!」
「にゃにぃ!?それ言うなら、あんたが高い小物ばっかり選んだせいで
お祝儀15000円しか包めなかったんだぞ!」
「やらしい話すんなよ!てか、それはあんたが金持ってないのが悪いんでしょ!」
周りの友人たちが吹き出しそうになっているせいで、喧嘩をしている当人たちも
なにやら可笑しくなってきてしまい、みなもが我慢できなくなったのをきっかけに
そこにいた全員、大声を出して笑ってしまった。
やはり、再会はいいものだ。大学卒業以来、一度も会っていなかった友人たちだから、なおさら。
「あはははは、あー面白い」
「でも、本当にみんな変わってないわねえ。10年近く会ってないのもいるってのに」
「そうねえ。でも、麻美のショートカットには驚いたわ。しかも似合ってるし」
「やだ、本当に?ありがと、みなも」
高校時代の友人を集めたのはおそらく、大学の違うみなもへの理子なりの気遣いで、
その点についてはありがたいと、ゆかりもみなもも思っていた。
披露宴の会場で新郎新婦を待ちながら、旧友とどうでもいい事を話している、この小さな幸せ。
「でも、理子はちょっと変わったわよね」
 言い出したのが誰かはどうでもよくて、とにかくすぐさまみんなが同調した。
「うん、何て言うか、感じ良くなった」
「そうそう。あんな良い笑顔の理子、初めて見たような気さえするわ」
みなもも含めてその席は理子の話題で盛り上がり、ゆかりだけが一人黙っていた。
変わってないよ。理子は、ちっとも。

994 :ゆかりとおはなし(第3話 17/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 01:59 ID:???

 ゆかりが理子と言葉を交わせたのは、教会での挙式が終わった後だった。
高校や大学の友人から祝福されて、職場の同僚はそこにはいなかったけど、
理子は満面の笑顔で。ゆかりは、笑顔の部品が理子に貼りついてるみたい、と思った。
 ゆかりとみなもはその直後、新郎新婦と4人で話す機会にも恵まれた。
そこでゆかりが知ったのは、理子が旦那にベタ惚れの、ふりをしていること。
栗山伸行の容姿はどう贔屓目に見てもごく平凡なサラリーマンで、
肩書きはかなりいいらしいけど、なんだか大した男じゃないっぽかった。
彼女の優しさに惹かれてなんたら、皆様に支えられながらかんたら、
一生彼女を幸せにうんたら、身を尽くす覚悟でどうたら。
そいつの言葉には、心が通っていない。
本当につまんねえ男につかまっちまったんだな、とゆかりは思ったが、
少し考えてみたら、どっちがつかまったのかもよくわからなかった。
 理子は、連絡が途絶える以前にも増してゆかりに懐いてきたが、
時折、昔は持っていなかったはずの蔭りを覗かせてみせた。
「私、幸せになるよ。死ぬほど幸せになる」
見た事もないほど、優しくて、悲しくて、きれいな表情でそう言った理子に、
ゆかりは何もこたえられなかった。

995 :ゆかりとおはなし(第3話 19/19) ◆Ry/////V2E :2004/04/11(日) 02:00 ID:???

「きゃー、理子、きれー」
 式で着ていたのとは違う、真っ白なウェディングドレスに身を包んだ理子。
ゆかりの席の連中は沸き立った。
旦那と腕を組み入場する理子の笑顔。ああ、またあの笑顔だ。
「正直、あの旦那じゃ釣り合いとれないわね」
「ほんとね。昔から美人だったしね、理子」
「何言ってんの。男は見ためじゃないのよ。仕事さえ出来りゃ、それでいいの」
「えー、やっぱり結婚するなら、奥さん想いの人じゃないと」
「まあどっちにしろ、外見はそんなに重要じゃないって事ね」
好きな事を言う友人たちの会話には参加せず、ゆかりは新郎を見つめた。
どうしてこの人は、一度も理子の顔を見ないんだろう。わけもなく腹が立つ。
 なんだか、この旦那を見ていると、ゆかりは考えてしまうのだ。
私たちは、生きている。生きてるから、情熱がある。
たぎる情熱を、燻る情熱を、後ろ向きの情熱を、私たちはあらゆる方向に推進させている。
きっとそれが生きるってこと。
この旦那は、「恋」ですらそれが出来ていないんだと思った。
 キャンドルに美しい炎が灯されて、みんなの醜さが目についた。
死人のような顔をした伸行。
幸せの虚像にすがった理子。
そんな二人を好き勝手に批評する友人。
そして、彼らと何ら変わりのないはずの、自分。

 拍手が二人を覆って、新郎新婦は、会場に灯かりを灯しながら歩きつづけた。
理子のつくる嘘の笑顔と、彼女の母親の本当の泣き顔。
「幸せになりなよ、理子」
誰にも届かなかった呟きは、心の通う言葉だった。――はず。

996 :名無しさんちゃうねん :2004/04/11(日) 22:41 ID:P6RNgMgs
どうも、967を書いたものです、先輩方からいろいろアドバイスいただきまして
またこれからもこれらのてんを改善して望みたいと思っています。
ありがとうございました

997 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/04/11(日) 23:28 ID:???
>>976
別にいいんじゃない?賛成の人がいるなら…
でも作るべき人物は>>1000

998 :おしらせ :2004/04/12(月) 01:03 ID:???
時々問題になっているグロ問題の解決のためグロ専門スレを立てました

グロまんが大王
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1081698529/l10

1 :名無しさんちゃうねん :2004/04/12(月) 00:48 ID:???
あずまんが大王の殺人・猟奇・グロ全般はこちらへどうぞ

お約束:
・絶対上げない!メール欄のsage確認は投稿直前直後必ずする
・作者さんを叩かない
・他のスレや板、住人さんに迷惑をかけない
・ここはグロ専門スレです。見ちゃっても泣かない文句を言わない
・あずまんがを愛する心はみんな一緒

住み分けが成功してみんながSSを楽しめますように

999 :名無しさんちゃうねん :2004/04/12(月) 01:21 ID:???
新スレ立てました!

http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1081700484/

1000 :名無しさんちゃうねん :2004/04/12(月) 01:32 ID:???
乙です
これからもあずまんがのSSが、書き続けられていきますように

1001 :1001 :Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててください。

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