世の中のすべての萌えるを。

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 最新50 スレ内検索

あずまんがSSを発表するスレッド パート4!!

1 :あずまんが王子 ◆N1Y4rpky/o :2005/05/14(土) 00:04 ID:???
前スレのリンクです。
あずまんがSSを発表するスレッド パート3

http://so.la/test/read.cgi/oosaka/1081700484/

暴力・猟奇・グロなど読み手を選ぶ内容のSSは以下のスレッドに投下する点は前スレと同じです。

グロまんが大王
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1081698529/

新しいスレでも、またがんばりましょう。

43 :シンデレラ? ◆QkRJTXcpFI :2005/05/23(月) 17:44 ID:???
「・・・ごしごし・・・ごしごし」
 つぎはぎだらけのドレスを着た少女が雑巾がけをしている。
「ごしごし・・・ごしごし・・・ふぅ。これで半分ですね」
「ちよ。ちよは何処?」
「あ、はい。ただいま」
 呼ばれ、少女は立ち上がる。
「あら、まだこんなところにいたの?頼んでいたドレスは出来てるのかしら?」
「おまえ・・・ずいぶんノリノリだな」
「意地悪お姉さんって、はまり役ですからね〜」
 ちよが掃除していた舞台に、3人の女性が入ってくる。
 義姉である、智とかおり。義母である暦だ。
「にしても、なんで私が母親なんだ?しかも、意地悪って」
「ぷぷぷ。はまり役」
「お前が言うな!!」
「あの〜・・・えっと・・・ドレスは出来てるんですけど・・・」
 ちよが奥からドレスを持ってくる。
 少々裾を引きずっているがそこは愛嬌でごまかした。
「意地悪やらせたらよみにかなう人はいねぇだろ!」
「なに〜!?どの口が言うんだどの口が!!」
「バーカ!バーカ!!」
「わけわかんねぇよ!!お前の方が馬鹿だろ」
 ちよは手にドレスを持ったままオロオロとその場で二人を見ている。
「えっと、じゃあ、二人でやろうか」
「あ、かおりさん・・・はい」
 笑顔になったあとに、まじめな顔になってかおりがちよに向けて指をさす。
「ドレスは受け取ったわ。いいこと。今日は舞踏会だけど、アナタはお留守番よ!!お〜っほっほっほ」
「・・・かおりさんもはまり役なんじゃ・・・」
「あ、私のセリフとった!!かおりん、ここじゃセリフねぇじゃん」
「智ちゃんが喧嘩してるのが悪いんだよ〜だ」
「はぁ、どうでもいいけど、終わったんならはけるぞ」
 暦が智とかおりんの背中を押して舞台袖へとはけていく。
 ちよがあっけにとられていると、舞台を照らしていたライトが昼間のものから夜へと唐突に切り替わった。
「あ、あははは・・・えっと・・・・・あ、続き続き・・・舞踏会に私も行きたかったなぁ」
「ホンマに行きたいんか?」
「あなたは!?」

44 :シンデレラ? ◆QkRJTXcpFI :2005/05/23(月) 17:45 ID:???
 突然、部屋の一部分がスポットライトで照らされる。
 そこに立っている黒いローブとフードで身を包んだ女性が立っている。
「魔法使いの大阪や・・・でな、ホンマに行きたいんか?舞踏会」
「え?あ。。。。あの?」
「ちよちゃんが行ってもまだおもろないで?途中で疲れて寝てまうのが落ちや」
「いや、落ちって」
 大阪が徐々にちよに近づいてくる。
「でな、思ったねん。ちよちゃんじゃなくて私が舞踏会に行くねん」
「あの。それは、シンデレラから」
「と言うわけでや。この毒リンゴ食べてくれへんか?」
 大阪がリンゴを取り出してちよに差し出す。
「何処に持ってんですか!!それに、毒リンゴはシンデレラじゃなくて白雪姫です。大阪さん、もう少しまじめに」
「私はマジメやで?そかぁ・・・行きたいかぁ。しゃあないなぁ。ならネズミとカボチャを持ってきてぇな」
「あ。はい」
 ちよが舞台袖にはける。
 数秒後、ちよはカボチャをかかえ、後ろに二人の男性をつれて戻ってくる。
 二人の男は灰色の布を頭からすっぽりとかぶっているだけだ。
「なんや、この二人?ネズミ男でももっとましやで?」
「ひ、ひどい」
「うぅ。こんな役なら裏方の方がよかったよ」
「あ、あの。カボチャとねずみさん・・・ですけど」
「ちよちゃん。もっと男を見る目つけなあかんで。・・・えぇわ。今回はこれで手を打ったる」
 大阪は持っていた杖を高くかかげ、掛け声と共にそれを振り下ろす。
 同時に舞台上に大量のスモークが。
 まったく何も見えなくなる。
「けほけほ。少し・・・煙・・・多すぎです」
 徐々に煙がはれてくる。
 ちよのそばには大阪も二匹のネズミ男もいなくなっていた。
「ちよちゃん。その馬をつかってぇな。ほななぁ」
「ふぅ・・・え!?えぇぇぇぇ」

45 :シンデレラ? ◆QkRJTXcpFI :2005/05/23(月) 17:45 ID:???
 煙が晴れ、そこに現れたのは運動着姿の1人の女性。
「強気に本気、素敵に無敵、元気に勇気!名馬神楽、神に遣わされただいま参上ぅ!」
「あ。あわわわ。。。。大阪さ〜ん、ねずみは二匹でしたし、カボチャは?カボチャは〜??」
「ふっふっふ。ちよちゃん。細かいことは言いっこなしだぜ」
 神楽はちよを背負う。
「しゃべると舌噛むから、黙ってろよ〜。いっくぜ〜〜」
 ちよを背負ったまま神楽が走り出す。
 舞台を飛び降り、客席の通路を走る。
「あ、わ、わ、わ、わ、わ」
 そのまま、ドアを開けて外に出てゆく。
 同時に、流れる優雅なメロディー。
 舞台はいつの間にか、舞踏会の会場へと変貌を遂げていた。
「王子さま。今日はお招きにあずかりありがとうございました」
「いやぁ。派手だねぇ」
「さ、さか・・・榊さんの王子様姿・・・うぅぅぅぅぅぅ・・・・写真撮らせてください!!」
 暦が智とかおりの頭を小突く。
「いや。うん・・・来てくれてありがとう」
 困ったような顔で榊が軽く手を上げる。
「今日は王子様のお妃様を探されるとか・・・では、後は若い者に任せて」
 そう言って暦がスススと後ろに下がる。
「えっと・・・」
「あ、あの。お、踊ってくれませんか?」
 真っ赤な顔をしたかおりが一歩前に出る。
「あ。う、うん」
「や、やったぁぁぁぁ。あぁ、榊さん、私は一生この日を忘れません。えぇ、忘れませんとも、日記にも書いて永久保存版ですぅぅぅ」
 あまりのかおりの壊れっぷりに一歩引く榊。
「んじゃ、私は何しようかな。あ、よみ!!料理ばっか食ってるとまた太るぞ!!」
「いいんだよ、甘いものじゃねぇから」
「・・・いや、その理屈はおかしい」
 先ほど後ろに下がった暦は、皿に大盛りの料理を載せて頬張っていた。
 かおりは、無理やり榊を引っ張って踊りだし、智は暦をからかっている。
 突然、客席側のドアが勢いよく音を立てて開かれる。

46 :シンデレラ? ◆QkRJTXcpFI :2005/05/23(月) 17:45 ID:???
 同時に鳴り止む音楽。
 全員の動きがとまり、その方を見る。
 当てられるスポットライト。
 そこには、美しいドレスに身を包んだちよ(リボンプラスバージョン)が立っていた。
「・・・王子様。私と・・・踊ってください」
 ちよは微笑みながら、舞台に向かう。
「よろこんで」
 榊は顔を真っ赤にして応える。
 かおりの手を振り解き、近づいてくるちよに手を差し出す。
 ちよは、みなが見ほれるほど可愛らしかった。
 可愛いもの好きの榊から見ればその効果は数十倍にもなっている。
「王子様」
「ちよちゃん」
 二人が手を取り合うと、再度音楽が流れ始める。
 流れるようなダンス。
 身長差がありながら、二人のダンスは息のあった綺麗なものだった。
『・・・さっき言い忘れてもうたんやけどな、ちよちゃん。12時になったら魔法のドレスは消えるで〜』
 急に場内スピーカーから大阪の声が聞こえる。
「あう。大阪さん・・・雰囲気ぶち壊しです」
 同時に鳴り出す鐘の音。
「12時!?・・・あ、帰らないと」
 ちよは王子の手を振り解き舞台を降りる。
 客席から通路を駆けてゆく。
「ちよちゃん!」
 しかし、いかんせんちよの足は遅い。
 客席を抜ける前に12時の鐘がなり終わった。
「残念やったなぁ」
 目の前に大阪が現れる。
「え?」
「12時になったら魔法のドレス消えるて言うたやん」

47 :シンデレラ? ◆QkRJTXcpFI :2005/05/23(月) 17:45 ID:???
 言うと同時に、ちよのドレスの肩から生えていた一本の紐を引っ張る。
「え?・・・きゃぁっ」
 ドレスがバラバラになり、足元へと落ちる。
 ちよは、その場でスクール水着姿になってしまった。
「ありゃ。水着きっとたんかぁ・・・下着姿を期待しとったんやけどなぁ」
「お・お・・・さか・・・さん」
「なんや?」
「そこ!どいてください!!」
 ちよは顔を真っ赤にしながら客席を駆け抜けていった。
「え・・・えっと。あ、こ、この靴はさっきのちよちゃんの!」
 呆気にとられていた榊がなんとか元の話に戻す。
「兵士たちよ!この靴にあうちよちゃんを探してくるんだ。その人が私の妃だ」
 暗転する舞台。
 いつの間にか大阪も姿を消していた。
「ふぅ。それにしてもあのちよちゃん誰だったのかな?」
「おい。その会話は何かおかしいぞ?榊のセリフもそうだったが」
「そうねぇ。ちよちゃんを探すなんて、そう簡単なことじゃないのに」
「だから!!ちよちゃんイコール謎のお姫様みたいな使い方は間違ってるだろ」
 最初のセットにもどり、暦と智とかおりがお茶をしている。
 ちよはそのすぐそばでお盆を持って立っていた。
 そこに兵士の格好をした男性がやってくる。
「ここに、可愛らしいちよちゃんはいないか?いたら、この靴を履いてみるんだ」
「・・・あぁ、もうどいつもこいつも。ほら、ちよちゃんご指名だよ。早く履いてみて」
「え?あ・・・でも、先によみさんたちが」
「いいんだよ。こんな茶番劇にはこれ以上付き合えない」
 そういって、テーブルに顔を突っ伏す。
「くくく。そんなこと言って、さっき食べ過ぎて動きたくないだけだろ」
「むぐ!そ、そんなわけないだろ」
「じゃあ、立てよ」
「てめぇ!!」
「あの、あの。私が履きますから、喧嘩はやめてください」
 ちよが差し出された靴を履く。
「あぁ、ぴったりです」
「はいはい。よかったよかった。めでたしめでたし、はい解散」
「うぅ。ともちゃんひどいです」

48 :シンデレラ? ◆QkRJTXcpFI :2005/05/23(月) 17:46 ID:???
「もう。なんなんですかあの舞台は」
「台本なし。配役も本人以外には伝えない限界ギリギリの舞台はどうだった?」
 舞台袖に集まった役者たちに担任であるゆかりが声をかける。
「むちゃくちゃですよ・・・水着を着てなかったらどうなってたか」
 むくれるちよ。
「ご飯はおいしかった。うん」
「お前、そればっかだなぁ」
 料理を思い出し悦にひたる暦とつっこむ智。
「私は榊さんが・・・かっこよかったから」
「ちよちゃんが。可愛かった」
 お互いに好きな物がみれてよかったかおりと榊。
「あんな。王子様のキスはどこいったん?」
「もう少し出番ほしかったな」
 相変わらず勘違いしている大阪。
 少しだけ不満げな神楽。
「んじゃ、今度は西遊記やってみよ〜」
『今度!?』

(完)

243 KB  
続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail (省略可) :

read.cgi ver2.0 beta3 (03/08/25)