世の中のすべての萌えるを。

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 最新50 スレ内検索



スレッドが大きすぎます。残念ながらこれ以上は書き込めません。

【他作品】クロスオーバー・あずまんがSSスレッド【コラボ】

1 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/09/03(土) 23:44 ID:???
ここはあずまんが×他作品のクロスオーバー作品用スレッドです。
あずまキャラを他の世界観に置き換えたり、また逆も然り。
そんな想像を作品にしてどんどん投下していって下さい。
また〜り楽しんでいただければ幸いです。

★主な注意事項
1.対象範囲は「あずまんが大王」及び、連載中の「よつばと」とします。
2.ここの作品はいわゆる「戦い系」の長編作品を多く含みます。
3.他人の作品に対し罵倒、中傷は絶対にしないでください。
※その他の注意事項は、>>2以降で記載します。

426 :第63話 「銀色の瞳のイザク」 :2005/12/29(木) 20:57 ID:???
「これ以上放ってはおけません!私達も出撃します!」
「了解!」
様子を見ていたHOLYはついに出撃を決意する。
前回とはほぼ同じ布陣に加えてちよもブルードラゴンで出撃をする。
しかし、各隊員には迷っている事がありありと分かるほど、その顔は冴えない。

「何故、あの宇宙生命体がイザクに対して地球生物の痕跡を残したか分かるか?」
通信が入ってきた。防衛部長の寺林だった。

「我々にわからせる為だ。あのイザクはかつて我々人間が絶滅させたという事に気づかせる為に」
寺林の言葉を全員黙って聞いている。寺林自身もまた苦渋に満ちた表情をしている。

「だが、ここでもしイザクを倒す事に躊躇すれば、あの生命体は
また別の絶滅した生物を利用して送り込んでくる。その連鎖を
断ち切る為にもイザクをここで倒さなければならないのだ」
そこで寺林は通信を切った。

「私はあれをイザクとは思わない。普段と同じ怪獣と思うことにする」
吹っ切れたのか暦はイザクに対して先制攻撃を仕掛ける。しかしイザクは宙返りをしてそれをかわす。

「もうやるしかねーのか」
「畜生!!わりぃイザク!!」
智も神楽もついに決心したのか分離して、イザクを挟み込んでレーザーを発射する。
イザクの背中と後頭部にそれぞれ命中する。イザクは火炎を吐いてコンビナートを破壊しつつ、二機に飛び掛る。

「させません!」
飛んだ所をちよがミサイルで攻撃する。足に命中してイザクは地面に着地する。

(ごめんなさい、イザク)
ちよは心の中で詫びている。地上の榊はまだ迷っていた。攻撃するべきか、しないべきか。
歩もジャストランサーを見つめて考え込んでいた。

(私は変身するべきなのか。それとも)
榊は葛藤していた。変身すべきか、しないべきか。

(ジャスティス、あたしはどうしたらええの?)
『それを決めるのは私ではない。君自身だ』
とジャスティスから答えが返ってきた。

427 :第63話 「銀色の瞳のイザク」[ :2005/12/29(木) 20:59 ID:???
(もしもマヤーがイザクと同じようになったら・・・・・・)
榊はもしもマヤーがイザクと同じ状況になったらと相像した。

(駄目だ。私には撃てない)
榊にはその引き金を引く事は出来ない。しかしイザクは攻撃の手を緩めない。
次々に破壊されていく建物。イザクの吐いた火炎で火の手はどんどんあがっていく。

「榊さん、迷っているのね」
「無理ないかもね」
その様子はかおりんや千尋にも伝わった。
しかし、その時ちよの乗るブルードラゴンがイザクに捕まった。

「しまった!」
「ちよちゃん!!」
思わず榊はイザクを撃ってしまう。
しかし、それでブルードラゴンはイザクの手から離れる事に成功した。

「ありがとうございます榊さん」
「お礼を言われるほどの事はしていない」
ちよにお礼を言われて榊はほんの少しだけ笑ったのだった。

「イザク、あんたは悪くないかのかもししれへん。でもあたしにも守りたいものがあるんや!ジャスティース」
ついに歩はジャストランサーを掲げてウルトラマンジャスティスへと変身する。

「うわっ!」
暦の乗るホワイトウイングはイザクの火炎攻撃にさらされ、機体を回転させながら宙を舞う。
だが、そこをジャスティスによって救われる。

「ジャスティス!」
暦は安堵の表情を浮かべる。ジャスティスはイザクと向き合う。

「がるるるる、うがあああああ」
イザクは咆哮をあげてジャスティスに飛び掛ってくる。両者は互いに接触して地面にもつれ合った。
地面を転がりあった後に、互いに後ろに跳躍して間合いを計る。

「だあっ!」
ジャスティスが空中で一回転して近づく。するとイザクもそれに対抗して空中で一回転する。
ジャスティスとイザクはそれぞれすれ違う。
ジャスティスが走ると、イザクもその俊敏さを生かして移動する。

「はっ!」
ジャスティスはジャスティススマッシュを放って牽制しようとした。
だが、イザクは低い姿勢で移動して回避した。
そしてジャスティスの周囲を包囲するように回り始めた。
そしてついに背後から目にも見えないスピードで一撃を加えてきた。

428 :第63話 「銀色の瞳のイザク」 :2005/12/29(木) 21:04 ID:???
「ぐはっ!」
ジャスティスは転ばされ、その場に倒れこんだ。蹴りを仕掛けるが、それも当らない。
逆にイザクに掴まれ、投げ飛ばされてしまう。立ち上がった所に素早い突進攻撃をくらう。

「はえぇ〜、何てスピードだよ!」
「さっきよりもずっと早い!」
智も暦も、いやこの場にいる中でそのスピードを捉える事が出来るのは榊ただ一人だけだ。

(歩・・・・・・・)
榊は固唾を飲んでこの状況を見守っている。

「ぐおおおおおおお!」
至近距離からの火炎攻撃をくらってジャスティスは吹き飛ばされた。

「ジャスティス!!」
たまらず神楽はジャスティスを援護しようとする。だが、ジャスティスはそれを拒否する。

「手を出すなって事かよ、ジャスティス」
「ジャスティス、宇宙人であるあなたがどうしてそこまでしてくれるんですか?」


「はああああああ!でやっ!」
ジャスティスはクラッシャーモードへとチェンジする。

「だあっ!」
イザクのスピードを見切り、ジャスティスはイザクの鬣を掴んだ。
そしてそれを持って投げ飛ばす。
空中戦になった時もイザクの爪の攻撃をかわして、逆に脇腹に蹴りを入れて地面に落下させる。
イザクが掴みかかってきたが今度はその勢いを利用してイザクを地面に叩きつけた。

「おおおおおおおっ!」
ジャスティスは勝負を決めようとダグリューム光線の発射体勢に入る。
だが、その時・・・・・・・

「俺は生きる!ジャスティス、俺はこの地球で生きる!!」
それは確かにイザクの声だった。それがジャスティスをはじめ、この場にいる全員に響いてきた。
そしてそれはかおりんや千尋も例外ではない。

「ねえ、かおりん。今のって?」
「もしかしてイザクの声?でもまさか・・・・・・・」
二人も戸惑っている。

429 :第63話 「銀色の瞳のイザク」 :2005/12/29(木) 21:06 ID:???
「いいえ。あれはイザクの心の叫びです!私にも聞こえました!」
きっぱりとちよは言い切った。

「私にも聞こえた・・・・・・」
榊も素直に呟いた。暦、神楽、智も頷いた。イザクは鬣を振り乱しながらジャスティスに向かってくる。

(ジャスティス、イザクは必死に生きようとしとる。だから)
『分かっている!そのイザクの気持ちに全力で応えよう』
ジャスティスはダグリューム光線の発射をやめ、砂塵を巻き上げながらイザクを迎え撃つ。
二人は素早いスピードで正面衝突をして大きく後ろに吹き飛ぶ。

「ジョアッ!」
ジャスティスのラリアートが決まり、イザクは地面に引き倒される。
しかし、イザクはそのジャスティスの足をすくいあげ逆に転ばせる。
ジャスティスが手を持って投げればイザクも逆に投げ返す。
イザクの火炎を受けながらもジャスティスは下から拳を突き上げてイザクを吹き飛ばす。

「ジャスティス・・・・・・・イザク・・・・・・・」
戦士の戦いを堀江紗奈も見守っていた。
ジャスティスの活動限界を知らせるカラータイマーが青から赤に変わるが、
ジャスティスはそんな事を気にもせずに戦い続ける。

「がああああああああ!!」
イザクが再び咆哮をあげる。超スピードでの一撃でジャスティスを地面に倒した後、
上にまたがってその爪で引っ掻こうとする。だが、ジャスティスはそれを頭一つ動かしてかわした。
逆にイザクの顔面に強烈な拳の一撃を叩き込む。
よろめいたイザクの鬣を掴んでそのまま地面に叩きつける。

「シュワッ!」
ジャスティスは空中高く飛び上がる。

「がるるるるる」
イザクもそれに対抗して跳躍する。

「だあああああああ!!」
ジャスティスは急降下しつつ右拳を突き出す。イザクも爪を突き立てる。

430 :第63話 「銀色の瞳のイザク」 :2005/12/29(木) 21:08 ID:???
ジャスティスとイザクがぶつかり合った瞬間、無数の光が弾け飛んだ。
そして最後に立っていたのはジャスティスだった。イザクは光の粒子となって消えた。
ジャスティスは自らの手でイザクを葬ったのだった。

「・・・・・・・・」
しばし榊はジャスティスから目を離せないでいた。ジャスティスは消え、歩の姿に戻った。

「イザク・・・・・・・」
ちよは一言そう呟き天を見上げる。

「歩、大丈夫か?」
榊は地面に膝をついている歩を発見して駆け寄る。

「弥生ちゃん・・・・・・・あたしにもはっきり聞こえたんや。
イザクが「生きたい!」って言ってるのが・・・・・・・」
歩は榊の方を見ないままに、喋った。

「こんなに後味の悪い勝利はないな。それがこれまで我々人間が犯してきた過ちという訳か」
寺林は静かに目を閉じる。だが、その拳は強く握られていた。

「中々面白い見世物だったぞ、ははははは」
宇宙空間に漂うちよ父は体を光らせつつ笑っていた。

「彪乃お姉ちゃん」
紗奈の肩をポンと叩く者がいたので振り返ると、そこには神楽がいた。
沈痛な面持ちをしている。

「ごめん紗奈。私はイザクを助ける事が出来なかった。
紗奈との約束を守る事が出来なかった」
「彪乃お姉ちゃんは悪くないよ!だから・・・・・・泣かないで。
お姉ちゃんが泣くと私も悲しいから」
いつの間にか神楽の頬には雫がこぼれていた。
紗奈にもそれはこぼれた。紗奈は神楽の胸の中に飛び込み、号泣した。

「そうだな。泣いたら駄目だよな。でも今は紗奈と一緒に泣きたい気分なんだ」
神楽はそんな紗奈を強く抱きしめる。

431 :第63話 「銀色の瞳のイザク」 :2005/12/29(木) 21:12 ID:???
「なあよみ。今度こそイザクは静かな眠りにつけたのかな?」
「さあな。でもそうであってほしいな」
地上に降りた智と暦はイザクが召されていった天を見上げていった。

「どうしてまた悲劇が起こるのかな?この前の大山君の時から立て続けに」
「千尋・・・・・・・」
辛い事を思い出したのか千尋は顔を背けてしまう。
そんな千尋にかおりんは声をかける事が出来なかった。
かおりんもまたほぼ同じ気持ちだったからだ。

「あたしがコズミューム光線を撃つようにジャスティスに言っていれば
もしかしたら救えたかもしれへん。でもあたしにはそれが言えなかったんや」
「でもそれじゃあ何も解決しない」
それまで歩の言葉を黙って聞いていた榊が口を開いた。

「もしあの時、コズミューム光線でイザクを救えたとしても、
あの宇宙生命体はきっとまた新しく人間に滅ぼされた
動物を改造して送り込んでくる。また同じ事のくりかえしになる」
「そして、その時はコズミューム光線も通じないように改造されている。
その時に私達はまた同じ思いをする事になるだけです」
声がしたので向くと、そこにはちよがいた。一瞬歩と榊はドキッとなったが、
ちよは言葉どおりの意味に捉えていたので大して気にした様子はなかった。

「イザクを倒したのは君たちじゃない。アルテスタイガーを絶滅させた我々人間なのだ。
その過ちは君達若い世代が背負うものではない。かつてイザクを絶滅させた世代である
我々が背負うべきものだ。我々はイザクの死を忘れない」
寺林が再び、通信回線に割り込んでそのメッセージを残していった。

「ちよちゃん」
「行きましょう。いつまでも落ち込んでいたら、また舞先生に怒られてしまいますよ」
ちよは明るく振舞ってそう言った。しかし、明らかに無理をしているのが分かる。

「そうだね、ちよちゃん。でもね・・・・・・・・」
「分かってるねんてちよちゃん。でもな〜ちよちゃんも
無理せんでええんやで。泣きたい時は思い切り泣いてもええと思うんや」
歩はちよと同じ目線になってしっかりと向き合う。

432 :第63話 「銀色の瞳のイザク」 :2005/12/29(木) 21:19 ID:???
「わ、私はそんな、泣くつもりなんて泣くつもりなんて、大阪さん!」
ちよはその場で泣きじゃくった。あえて歩は何も言わず、そのままにしておいた。
そんな時、一つの星が燦然と輝く。それはどの星よりも強く輝いていた。

「何かあの星、やけに輝いて見える」
「実際そうなんだろうな」
「もしかしたらあれがイザクなのかもな」
「うん、きっとそうだよ。彪乃お姉ちゃん」
智が言い出して暦、神楽、紗奈はその星に目を奪われている。

「あれがイザクなのかな」
「多分そーや」
「私はそうであると信じます!」
ちよは榊と歩にしっかりと手をつながれながら、その星を見上げる。

「イザクにとってみれば私達があの宇宙生命体に見えたかもしれない」
「千尋?」
衝撃的なセリフを吐く千尋にかおりんはぎょっとなった。しかし、千尋はすぐに何事も
なかったかのように笑顔になってかおりんの方に向き直った。

「なんでもない。みんなのとこに行こう。かおりん。そしてあの星を見に行こうよ」
「そうね、ここから見てもあの星はとても綺麗だしね」
とてつもなく重い言葉を言った後、千尋はかおりんと一緒にみんなの元に行った。
その星は千尋やかおりんが行った後もしばらく輝いていたのであった。

この地球で生まれ、そしてこの地球で必死に生きようとしたイザクはこうして
夜空の星になったのであった。

(イザク、あなたの事は決して忘れません)
ちよは心の中に深くイザクの事を刻むこむ事を決意するのだった。
第63話 終                 第64話へ続く

433 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2005/12/29(木) 21:30 ID:???
次 回 予 告

「とーちゃん、やまにいこー!」
よつばのこの一言でよつばと小岩井、そしてジャンボに恵那、みうらと
以前に釣りをしたメンバーに加え、やんだとゆかりとみなもを
加えて山へと出かける事になった。

「何であたし等があんた達のピクニックに付き合わなきゃならないのよ〜」
「ゆかり!誘ってもらっておいてそれはないでしょ!」
「何でお前までいんだよ!」
「やんだ、きらい!!」
何だかんだで盛り上がる一行。

しかし、彼等は恐るべき場所へと迷い込んでしまった。
そこは怪獣達が闊歩する恐るべき魔境だったのだ!

次 回 ウルトラマンジャスティス
第64話 「恐るべき怪獣魔境」
一行はこの魔境から生きて帰れるか?

434 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2005/12/29(木) 21:34 ID:???
リクエスト話終了です。
27氏にイザクを救う結末では駄目か?と聞かれましたが、
悲劇的にしろとのリクエストと、それでは何の解決にもならないと
劇中で触れている通り、結局この結末になりました。
今年最後の話が悲劇的なものとは何とも複雑です。

次回はレウルーラさんのリクエストの話でゆかり先生(ととーちゃん)
メインの話になりそうです。

435 :名無しさんちゃうねん :2005/12/29(木) 23:04 ID:???
今年のSSはこれで最後かな?

436 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2005/12/30(金) 00:59 ID:???
>>422
お疲れ様です!!!

>>433-434
お疲れ様です!!…お、次回、楽しみにしてますよ、KISSを。

>>435
……いや…「試作用」とはいえど、最後はこの私が…

437 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2005/12/31(土) 18:52 ID:???
===========================
この作品は暴力的・及びグロテスクな表現が含まれています!
閲覧は自己責任で!!!!!
===========================



「仮面ライダーゼルバ」  〜文章版パイロットフィルム(?)其の壱〜

−試作用『出だし』的シーン−


−西暦2016年

 空気が冷え切って冬の到来を思わせる11月のある日。深夜の公園。普通ならば誰もが
眠っているであろうこの時間に、三体の姿が入り込んできた。
もっとも、その三体の姿は、「人間」とは言い難く、概ね人の体型をしてはいるが、醜悪に蠢く
六本の腕と口から伸びる太い牙、黒に黄色の斑模様の太くやや短めな尾。蜘蛛を思わせる
目をした怪物だったのだが…。

「…こ、ここまで来れば……」

必死に走ってきたのか、蜘蛛のような姿をした彼等−もしくは彼女等?−はその場にうずくまり、
息を切らして激しく呼吸している。少し落ち着いてから周囲を見回し、やっと安心した様子で別の
方向へ向かおうとしたそのとき!・・・

Buoooo!Gyukiiii!!

公園の中にもう一つ、やや細身の影がオートバイのエンジン音と共に現れた。その影の姿は
全身にフィットする薄手のレザースーツのような黒い体皮と、
胸部や上腹部等は、胸筋や腹筋等を形作ったような青く染まった装甲が施されている。
腕部、脚部、肩、上腹部等の関節部分は筋肉繊維が剥き出しにでもなっているかのようで
少しグロテスクであるが、
その体躯は胸部と臀部の丸みをおびた膨らみと脇腹から腰にかけての括れなど身体の
格部分に見られる曲線は女性のそれである。
腰に金属製の大きなベルトをつけ、そのバックル部分は装甲と同様に青く輝いている。

「き、来たやがったか!」

先にいた蜘蛛の怪物達が数歩引き、身構えた。
だが、やや細身の影は随分と乱暴にバイクを止め、そのバイクから降りると、ゆったりとした歩調で
相手に近づいている。
そのたびに構えた彼らは後退し、公園の端にあった地下道の入り口に追いやられていく。

「随分とまぁ、往生際が悪いのね。他人は簡単に殺せるクセに、いざ自分が殺される側になると
こうなんだから。ま、そりゃそういうモンだわな〜」

438 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2005/12/31(土) 19:17 ID:???
やや細身の影が街灯の光の中に入った。その声、喋り方、体躯からして女性であることは確実だろうが、
彼女の仮面を被ったような顔は、それを思わせない面構えだった。
仮面全体の造形は見ようによってはドクロ(もしくはバッタ)のようにも見え、
昆虫の複眼を彷彿させる僅かに吊り上りぎみの大きな目は青く輝き、
口と思わしき部分は牙−それも肉食動物の歯というより、昆虫の顎−のようなカバーに覆われており、
額からはアンテナのように伸びる触覚器のようなモノが上空に向けて伸びている。

一方、今、彼女と向き合っている蜘蛛が人間に進化でもしたかのような怪物達は、六本の腕の先が鋭く
尖っていて、その腕は紅い血で染まり、それまで、その怪人達が行ってきた殺戮を容易に思い起こさせた。

追い詰められていた蜘蛛怪人達は開き直り、
三人のうち二人が仮面の女性に対して、口から糸を吐きかけた。女性はそれを側転して避ける。
そこに、あともう一人の蜘蛛怪人が腕を勢いよく振り下ろす。女性は体を捻ってそれを避け、回転した勢いで、
腕を振り下ろす攻撃をしてきた蜘蛛怪人の一人の顔面に肘打ちを叩き込み、たたらをふんでよろけた蜘蛛怪人に
上段回し蹴りを叩き込み、吹っ飛ばして地下道入り口脇の街灯に叩きつけた!

Gaguoon!

蜘蛛怪人達のうち、糸を吐いて攻撃してきた二人は、先ほど仮面の女性に蹴り飛ばされた一人を見捨てて
地下道に逃げ込んだ。

「お、おい!…酒井!大友!」

街灯のひしゃげた支柱からずり落ちた蜘蛛怪人は頭から、人間の物とは違う薄く透明度の高いピンク色の血液を
流しながら、自分を見捨てて逃げた仲間の『人間だった頃』の姓を呼んだ。
そして、仮面の女性−谷崎(たにざき)ゆかり−は、その蜘蛛怪人の前に立ち止まり、地下道のほうを
一瞬見やってつぶやく。

「ほんじゃ、そっちはお任せするかな。小岩井君」

439 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2005/12/31(土) 19:49 ID:???
蜘蛛怪人二人は薄暗い地下道をひた走る。と、その先にもう一つの影が、またしてもオートバイの
エンジン音と共に現れ、彼らの行く手を阻んだ。

Buooo!Kikiii!

その影はバイクを止め、そのバイクから降りるとヘルメット脱いだ。体型は普通タイプで、髪型は毛先が
少しボサボサぎみのセミロング、眠たそうな小さな目をした、どこにでもいそうな普通の人間の男性だ。
これ幸いと蜘蛛怪人達は彼に襲い掛かろうとした。が……
−−−違う。こいつは人間じゃない。さりとて自分達と同じ生命体とも少し違う。
直感的に彼等はそう判断した。そして、それを目の前で証明するかのように、男性は一瞬だけ左手を前にして
構え、直後に大きく開いた右手を突き出して叫んだ。

「変身!!」

そう叫んだ男性−小岩井修輔(こいわい・しゅうすけ)−の全身を紅蓮の炎が包み込み、徐々に退いていった炎の中から、
全身にフィットする薄手のレザースーツのような体皮、筋肉繊維が剥き出しになったような腕部や脚部等の関節部分、
ドクロ(バッタ)のような顔の、額の触覚器、牙のようなカバーに覆われた口、
と、先ほどの仮面の女性−谷崎ゆかり−に似た姿が現れた。ただし、こちらは少し違い、
胸部と上腹部や肩等の装甲と、腰の金属製のベルトのバックル部分の色は紅く、
全身の格部分に見られる直線的で引き締まったラインの体躯は男性のそれである。
そして昆虫の複眼のような僅かに吊り上りぎみの大きな双眸は、装甲とベルトのバックル部分と同じ色で
血のような紅い輝きを放って蜘蛛怪人達を威圧している。
先ほどの仮面の女性の姿を思い出し、そして目の前にいる男性のその姿を見て、蜘蛛怪人の一人は「人間だった頃」に
聞いた、ある『都市伝説』を思い出した。

(「『悪あるところに現れる正義の異形…鋼鉄の騎馬を駆るドクロ面の戦士…その名は…』」)

440 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2005/12/31(土) 19:55 ID:???
はい。以上、「試作用『出だし』的シーン」でした。
えーと、あずキャラの身体強化に関しましては、既に改造手術とかして本当に肉体強化とかしているので
戦闘とかできて当たり前なのだと納得していただければ幸いです。
正式版は仮面ライダー板のSSスレに投下する予定です。

P.S.
どうでもいいことなのでしょうが、『あずまんが漂流教室』という同人誌には素直に感動しました。

441 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/12/31(土) 20:02 ID:???
>>437-449
乙。
というかお疲れ様です。
全体的な文章や描写が凄くお上手ですね。
読んでてそう感じられましたよ。
大阪板への投下では無いようですが、投下される際は一声を。
是非とも拝読させていただきます。

『あずまんが漂流教室』ですか・・・俺もあれは読みましたよ。
あれはエロシーンさえ無ければ・・・とは思いますが、アレはアレでWW
ちなみに二号機の人は、いろんな面であの大阪に近いかもです。

容量が450を軽く越えていますが、次スレは480くらいででしょうか?

442 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2005/12/31(土) 20:09 ID:???
>>441 上
どうもです。試作用として予定しているのが全て投下し終わり次第、
正式版を仮面ライダー板に投下しますので、そのときは必ず一声、呼びかけます。


それが良いと思います。

443 :眠名有 :2006/01/01(日) 02:23 ID:???
>>422
いやはや、やっぱり描写の細かさはすごいですね。
あのグロの所とか。


>>434
乙ですー
次回はよつばと!ですね
楽しみにしてますよー

>>440
お、とーちゃんとゆかり先生ですかー
これは意外な組み合わせ。
期待してます。


さてさて、年末に全部落とそうと思ってたけど、こいつだけ送れてしまったので、新年最初の投下になりますよよよ。

444 :眠名有 :2006/01/01(日) 02:23 ID:???
五星が左のおさげをひっぱりながら答える。
無論、ちよはその間で弄ばれている状態だ。
「なんだか緊張するよなぁ…… だって軍神とか言われてた人だぜ?」
「そう?私なんかぜーんぜん緊張しなかったよ!最初に会ったのがー、五星を壁にぶつけた時ー!!」
「はきゃぁ〜〜〜……」
先ほどよりもつよめに引っ張る。
「未来から来た、て特権が無かったら使い物にならん奴だけどな」
「確かに、使い物にならないどころか、邪魔になるな」
「うみゃぁ〜〜〜……」
それに合わせて五星も強めに引っ張る。
ちよの小さな悲鳴には誰も気を止めず、どんどん話が進んでゆく。
「なんだと!私の戦闘機の腕を見ただろ!!」
「強度の弱い零戦で、いつ空中分解してもおかしくない速度で飛び回るバカがどこにいる。零戦の値段知ってんのか?」
「私はなー、度胸があるんだ度胸が!」
「……胸はねーけどな」
「うるさーい!私だっていつか神楽を越すくらい大っきくなるんだもんね――――!」
「なっ…… そんなことを大声で言うな!!」
「神楽いいよなー、一体サイズどんだけなんだ〜?」
「少なくともお前よりはでかいな」
「うるさぁ〜い!私だっていつかでっかくなるんだからな〜〜〜!!」
「お前、その台詞高校時代から言ってるぞ」
「ゔ!チクショー、よみも胸でかいからって神楽の味方するなー!」
「ったく、お前は……」
「そういえば」
五星が唐突にちよのおさげから手を離し……

445 :あずまんが太平洋戦記 :2006/01/01(日) 02:25 ID:???
「うわっ!」
「はぎゃぁ!!」
一気に力のバランスが崩れ、ちよもろとも智が椅子から転げ落ちる。
「あのクローン博士はどこ行きました?見かけませんでしたけど。」
「…………」
ちよは死んでいる。
無論、表現上であって実際に死んではいない。
「あーっと、それじゃぁ西島少尉は?」
「由なら、さっきあの白髪のやつと話してたよ」
「あいつと?いい趣味してんな」
桜には感情がない。”いい趣味”とはそういうことだ
「で、大阪さんは?」
「あー、捕虜の所だ」
「デイビットの所か?」
「あれ、五星ってあの小田雄二とキムタクとみのもんたとタモリを足して割ったみたいな捕虜と知り合いなの?」
よく分からない例えだ。
「まぁな。駐米武官補の時のな」
「あ、あのY.Gて」
「あのライターか。あれにはちょっとした逸話があってな……」
ここから五星の話が始まるが、長いので省略する。
「てなことがあったんだ」
「ふーん。あ、そういえばさぁ」
ここで智が何かに気づいたようだ。
「五星ってさ、記憶無かったてちよちゃんから聞いたんだけどさ、その五星大和って名前、どうやってつけたの?」
「ああ、この名前はだな……」

446 :あずまんが太平洋戦記 :2006/01/01(日) 02:25 ID:???
五星とちよが最初に出会ったのは海岸だった。
彼がボロボロな姿で浜辺に倒れていたのを発見したそうだ。
すぐに病院に連絡した。
医師の話では(まぁ彼女も大体分かっていたのだが)ちょっと海水を飲んだのと、体力を消耗しているだけとのこと。
しかし、記憶をまったく失っているという事も聞かされた。
困った人を見つけると助けたいのが彼女の性分だ。
数日置きに見舞いに来た。
大阪も一緒に見舞いに来た日のことだった。
「すいません、毎日」
「いえ、仕事場が近いんです」
とりあえず、将来五星と名乗るようになる男は、すでに体力を回復。
もうすぐで退院と言う所までにきていた。
「けど、名前が無い言うんは不便やなぁ」
「そうですね。そうだ、美浜さんと大阪さん。貴方方が名前を決めてください」
そういわれても困ったもんだ。
名前など結構長い月日を要して考えるもの。
こんな短時間で作れるものではない。
「あ!私にええ考えがあるで」
「へぇ、どんなですか?」
「山田太郎」
「「…………」」
数秒間時間が停止した。
「え?」
「大阪さん、それはどうかと……」
その後もいくつか意見が出た。
大阪一人で次々と出していく。
「田中太郎」「トム・スミス」「名無し権兵衛」「御子野 三養基」以下三十個ほど出たが、全部却下された。
「う〜ん、名前考えるのて難しいなぁ」
大阪は腕を組んで、目を瞑り「う〜〜〜」と唸る。
「大阪さん、まじめに考えてます?」
「あ!」
また何か閃いたらしい。
今回も適当なものだろうと思っていたら……
「奈良五星!」
まぁ、前よりはまともになっている。
「どこから思いついたんですか?」
「それ!」
と指差したのは、机の上に無造作に広げられていた新聞。
小さく「古代の神器か?謎の剣発見」という見出しだった。
読んでみると、奈良県で「伍星乃劔」という刀が発見されたというものであった。
それよりも、四メートルほども離れた位置で、こんな小さな記事を発見できるとは、流石は視力2.0。
たぶん、絶対にそれを超過しているが、計っていないので不明だが。
「それじゃぁ奈良は昔『大和』と言いましたから、『五星大和』というのはどうでしょう」
「ああ、それええなぁ」
「それならいいですね」
これで三人とも納得できる名前になった。
「なぁ、やっぱり『台 焼』言うんはだめかな」
「…………」

447 :あずまんが太平洋戦記 :2006/01/01(日) 02:26 ID:???
「ということだ」
変わった名前かと思えば、意外に単純な命名方法だった。
「面白くねー!だったら大阪の言った『台 焼』のほうが絶対よかったぞー!」
「人の名前で遊ぶな。そんなにいいなら自分の名前にしろ」
「いや、結構」
とりあえず、連合艦隊まで到着するにはヒマなのだ。
『海燕』を使っても良いのだが、4人も一編には運べない。
ヘリは陸上部隊の戦車を入れてしまったため格納庫から取り出せない。
つまり、この『やまと』で連合艦隊まで行かねばならないのだ。

「静かダ……」
窓から夕焼の光が入ってくる。
「ZZZ……」
大阪はまだ彼の膝枕の中で夢の中だ。
一応これでも軍人らしいが、絶対にそうは見えない。
敵の膝の上で寝るなど、いくら手錠をしていたとしても殺される可能性は高い。
自分を信頼しているのか、それともただのお人よしか、何にも考えていないのか。
もう一度窓の外を見ると、海鳥が夕焼空を駆けていた。

「土井大尉、五星さんは…… 何を考えているんですか」
「どういうこと?」
由は桜と右舷甲板に立っていた。
一応警戒しているが、イージスシステムは使用していないから大丈夫だ。
もしもイージスシステム展開中に甲板に出ようものなら、レーダーの電波が電子レンジ代わりとなり、あっという間に丸焦げだ。
「貴方は見た感じ五星さんと親しそうです。まぁ軍人なら機密を守るのが当然なんですけど……
 あの五星中佐にはそういうのよりも、個人的に行動しているような気がするんです」
潮風が桜の長い髪を棚引かせる。
夕焼けを綺麗に跳ね返すそれは、まるで宝石のようだ
「そう。それで、貴方の推理ではどんなことをしているの?」
「それがわかったら苦労しません。けど、貴方なら教えてくれそうだから」
「私もわからないし、別に知ろうとは思わない。でも、確かに何か考えてるよ」
由は頭をボリボリ掻く。何なのだろう、五星は悪い人ではない。
だが、腹のうちまで読めない……
それが彼女のどこか恐怖心を彼女の中に植えつけているのだ。
「この艦は太平洋戦争を一気に逆転する力を持っている。
 大本営とかよりも、山本長官や五星ちゃんのような人間が使ったほうが絶対効率的なのは間違いないわ」
それを、監視カメラで集音もしながら見ている人物がいた。
コピーだ。
この会話を見て何を思うのか。
自分のオリジナルとの親しい人物が、何をしようとしているのか。

448 :あずまんが太平洋戦記 :2006/01/01(日) 02:26 ID:???
ちよとコピーは五星を疑っている。
ともは何も考えていない。
大阪は寝ている。
暦と神楽は、人を傷つけずにこの戦争を終わらせたいと思っている。
榊は、傷ついた人を助けたいと思っている
五星の考えは不明。何かを狙っているのは確かだ。
桜は感情自体がない。
由は五星の考えを探っている。

幾人もの心を乗せて、『やまと』は夕焼の海を進む……

449 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/01(日) 20:02 ID:???
>>444-448
新年最初の作品投下、お疲れ様です。
登場人物の関係脈略の後の情景が眼に浮かぶようです。
それにしても、本当に絶好調ですね。
遅筆な俺には羨ましい限りです。

ただ今容量は473〜4程度ですが、次スレは480を目処に立てさせて頂きます。

450 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2006/01/01(日) 21:42 ID:???
>>444-448
お疲れ様です

>>443>>440
どうもです

451 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/01/02(月) 16:26 ID:???
>>440
お疲れさまです。とーちゃんとゆかりのコンビがまたライダーとは珍しい。
改造された経緯も気になります。

>>448
お疲れ様です。何個も短期間のうちに投稿できるそのひらめきが
とても羨ましい限りです。

>>449
お願いします

452 :名無しさんちゃうねん :2006/01/08(日) 09:17 ID:???
暇なのか?

453 :名無しさんちゃうねん :2006/01/08(日) 10:25 ID:???
>>453
何で会議室と同じ質問してんの?楽しい?

454 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/12(木) 00:47 ID:???
新年の挨拶・及びお詫び。

新年、あけましておめでとうございます。
お待たせいたしました。
CHANGE GETTER・・・略称「チェジゲスト」の9話目、(1)が出来上がりました。
これが新年初の投下となるのですが(昨年はどうも有難うございました)、
今回も、自分の筆力不足と言うか、作品の都合と言うようなことで、
「あずまんが大王」のキャラが一切出てきておりません。
新年早々これはどうしたものかといった感じかもしれません。
ですが、今回は視点がゲッターサイドということで、
どうかご了承ください。

455 : CHANGE GETTER ROBOT THE STORY 第9話 −DEEP RED− :2006/01/12(木) 00:49 ID:???
CHANGE GETTER ROBOT THE STORY
第9話 −DEEP RED−


「うおおおおおおおおりゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――――――――――ッ!!!!!!!!!!!」

修羅と異形。
二つの怒号が荒野に響く。
巨大な蟻が右腕を高々と振り上げ、それを自らに迫る紅い塊へと振り下ろす。
紅い塊の直径ほどもの刃渡りのある鉤爪の付いた、鎌の様な右腕を。

ガキィッ・・・

鈍く、だが鋭い周波の音が起く。
振り下ろされた刃はバツの字を斬って構えられた小振りな戦斧によって、
緑色の硝子のようなフィルターを甲羅のような頭部に散らばせた紅い鬼の眼前で留められていた。

だが質量の差は明確だった。

剣圧によってゲッター1の機体全体に負荷がかかり、
装甲のヒビは、ついに機械内部にまで亀裂を深め、
刃を受け止めた瞬間全身からは赤いオイルがぶわっと溢れ出した。
溢れ出した赤いオイルは、ゲッター1の赤い装甲更に赤く染め上げながらどくどく滴り落ち、
褐色に焼けた地面へと伝わっていく。
そしてその地面を、ゲッター1の足が踏み抜く。
オイルが染みこんだ土をぐしゃぐしゃと潰しながら、ゲッター1の両足の爪先が地面に喰い込んでいく。
女王蜂を持ち上げた際に入った、脚部装甲の亀裂からべきべきという悲鳴を上げさせながら。

それを褐色色の装甲で身を包んだ巨大な蟻は見降ろしていた。
蟻の口元でがちゃがちゃと忙しなく蠢いている触覚とは対照的に、
粗悪なプラスチックのような無機質な眼球の視線は、自分の眼下に存在する赤い塊。
それの一点にじっと注がれていた。

456 :CHANGE GETTER ROBOT THE STORY 第9話 −DEEP RED− :2006/01/12(木) 00:50 ID:???
「グギャググギャギャギャグググ・・・・」

自分の体躯を大きく下回る、それも満身創痍と言って違わない状態の
その赤い物体に黒い影を降ろしながらながら蟻が啼く。

「グギャアァァァァァァァァァァ」

組み合っている刃にぎりぎりと自重を重ねながら、長く余韻を漂わせるようなかんじで蟻が啼いた。
音程はまるで違うが、猫が欠伸を掻いた様な感じだ。
刃に込められる蟻の重量によってゲッター1の両足が、更に土の中深くへと埋まっていく。
亀裂からは、尚もオイルが溢れている。

「しぶとい」

蟻はそう言っている。
先程の啼き声の意味はそれだ。
頬を歪め、歯を剥きだしにして、格下のものを見下すように。
人間で例えるなら、正にそんな感じで蟻は言っている。

グ・・・ゴゴゴゴゴ・・・

ごりごりという摩擦音と共に、何かが動き出す。
そして、地面に一筋の太い柱の影が降りた。
それは、空高く挙げられた、右腕と対になる左腕だ。

「ギャアグゥアァアァァアァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」

叫びの中に、殺意を込めながらの咆哮と共に、刃を下す。
陽光を浴びて白色の光を纏った刃が、地面と垂直に光の線を垂らしながら、
組み合った刃の束のその先へと落ちていく。

刃が、機体の眼前へと迫る。

その時だ。

457 :CHANGE GETTER ROBOT THE STORY 第9話 −DEEP RED− :2006/01/12(木) 00:51 ID:???


「―――ンだよ」


鬼が、口を開いた。
にやっと広がった唇の奥から覗く牙のような歯の奥で、
不敵さに満ちた声が零れた。

「ッ!?」

蟻の体が、誤作動を起こしたかのようにがくんと震える。
その声で。
不敵さと、暴力に満ちたその声で。

「図体のワリにゃあ・・・大したコトねェじゃねぇか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!」

真紅の鬼を駆る修羅。
流竜馬の、その声で。







TO BE CONTINUED

458 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/12(木) 00:53 ID:???
二度目・・・よりも多いかもしれませんが(板のほうでも書いたので)、
今年もまた、宜しくお願いいたします。

459 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/01/12(木) 22:07 ID:???
>>458
お疲れさまです

460 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:09 ID:???
ウルトラマンジャスティス
第64話 「恐るべき怪獣魔境」
溶岩怪獣グランゴン 冷凍怪獣ラゴラス 登場

「とーちゃん、やまにいこう」
小岩井よつばの一言でとーちゃんこと小岩井は山に行く事になった。

「なんかこうしてみんなで出かけるの久し振りだね〜」
綾瀬恵那が生き生きとした表情で山を登る。

「私は釣りをした時の事思い出したな〜」
みうらも軽快な足取りで山を登っていく。

「それに今回は俺たちだけじゃないしな」
とジャンボは後ろを振り返る。

「何でお前がいんだよ!!」
「やんだ、きらい!!」
「俺もお前が大嫌いだよ!」
好青年風の男がよつばと喧嘩していた。彼はやんだ。小岩井やジャンボの後輩である。
見た目に反して大人げなくよつばとは犬猿の仲だ。

「何であたし等が付き合わなきゃなんないのよ〜」
「ゆかり、誘っておいてもらっておいてそれはないでしょう!」
それは谷崎ゆかりと黒沢みなもだった。前回のフロッグ星人の事件以来、
急速に親しくなった(と思っている)ゆかりと小岩井の仲を深める為にと
ジャンボやみなもが今回の事を企画した事は知る由もない。
よつばには山に行くとだけ伝えて小岩井を連れ出す事に成功したのだ。
何故それしか話さなかったかと言うと、よつばにはそれ以上の事を話しても
理解出来なかったであろうと判断された為である。
実際よつばは山に行くと言ったら最後まで話を聞かずに
飛び出してしまったくらいなのだから・・・・・・・
もちろん恵那もみうらもこの事は聞かされている。

「先輩も行くのか。だったら俺も行く!!」
本当はやんだは予定になかったのだが、たまたま遊びに来ていたやんだに
それを聞かれて、彼も一緒に来る事になったのだ。

461 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:11 ID:???
(まあ予定外の奴が一人いるけど問題ないだろう)
(何でよつばちゃんとやんださんはあんな仲悪いんだろう?)
(さあ。私としては紗奈や澪も連れてきたかったけど、予定合わないんじゃ
しょうがないよなぁ)
(こういうのに付き合うのって私もお人よしよね。また母さんにお見合いの話されそう)
各人がそれぞれの思惑を胸にしつつも、ハイキングを楽しむのだった。

「えな、みうら〜きょうそうしよう!」
そう言いながらよつばはいきなり駆け出した。

「あ、よつばちゃん!待って!!」
「いきなり走り出すと危ないぞ〜」
恵那とみうらは慌てて駆け出す。

「本当、元気ね。あの子。ちよすけとそっくり外見なのに中身は全く
正反対っていうか」
「ああ、よつばは無敵だからな」
小岩井とゆかりは意図した訳ではないだろうが、一緒になって歩いていた。

「竹田先輩!小岩井先輩と一緒に歩いているあの女の人誰だよ?
何が起こったのか教えてくれよ」
「分かった分かった。説明するからあんまり顔を近づけるな」
ジャンボはやんだに親しくなった経緯を話した。

「ふーん、そうなのか。先輩がねぇ。そういう事なら協力しないと」
恵那は純粋に手伝おうと思っているが、このやんだとみうらは面白そうだから
手伝うというスタンスをとっていた。

「問題はどうやっていいムードを作らすかよね」
みなもは体育教師なだけあって何の苦もなく山を登っていく。

「あーあとチビ達を見失わないようにしなきゃな。はぐれたら元も子もない」
一応まだ見える範囲内にはいる。しかしそれでもジャンボ達はペースを少しあげる。

「あ、待ってください!」
やんだ達も慌てて後を追う。彼等は気づいていなかった。恐るべき場所に迷い込んだ事に・・・・・・・

462 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:13 ID:???
「あーあれなんだ〜」
よつばが指差した方向には虹が見えていた。

「本当だ。でも何かがおかしいよ」
「あれ?あの虹って上下逆さまじゃん」
みうらの指摘した通りそれは上下逆だった。それと同時に地震が起こった。

「地震!?」
しばらく揺れ続けていたがやがておさまった。

「おーいみんな大丈夫か?」
大人達が駆け寄ってくる。しかしよつば達に怪我した様子はない。

「ね、ねえこれ」
みなもが驚いた声をあげてみんなを呼ぶ。

「何なのにゃも。大げさな声だして」
「これを見て!コンパスが!!」
言われた通りコンパスを見てみると針が狂っていた。

「うわ、こりゃあやばいんじゃないの?先輩」
やんだはその割にはあまり緊張感なさそうな声で言った。

「いやでも大丈夫だろ。ここまで来た道はほとんど直線だったから、
それに沿えば迷う事はないだろう」
小岩井も楽観的である。しかし、直後にそんな気分も吹き飛ぶ事態が起こった。

「とーちゃん、あそこにあながある。いってみよ〜」
「おい、ちょっと待てよつば!」
小岩井の制止も聞かず、よつばは穴の中へと走っていってしまった。
慌ててよつばを追う他のメンバーだが、その洞穴までの道のりはかなりあった。

「お前よくこんなの見つけられたな」
「よつばちゃん、凄い視力」
「よーしはいろう〜」
よつばはどんどん先に行ってしまう。

463 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:14 ID:???
「何だよ、あいつ。体力底なしかよ」
やんだは息が上がっている。

「全くよ。追いかけるこっちの身にもなりなさいっての!」
「だらしないわねぇ。二人共」
ゆかりも小岩井に手をひかれる感じでへばっている。そんな二人を見てみなもは呆れる。

「おーいそっちに何かあったのか〜?」
ジャンボが三人に声をかける。

「なんかでっかいのがいた」
よつばの指差した先には暗くてよく見えないが、確かにそれとおぼしき巨大な生物がいた。

「ねえこれってどう見ても怪獣だよね?」
「それもモーグの時みたいに友達になってくれそうな顔じゃないよ」
それは以前みうらや恵那が目撃したモーグとは比べ物にならないくらい大きかった。
そしてその怪獣が炎のように赤い目を開いたのだ。

「おい、怪獣が目を開けたぞ!!」
「何か凄い目で睨んでないか?」
「ほら何やってるの?早く逃げましょう!!」
慌てて彼等はその場を離れた。それから数刻の後に岩を崩し、怪獣が現われる。
四足歩行で鉱物のような体をしている。また背中の部分は目と同じで
溶岩のように真っ赤だった。
怪獣は自分達を目覚めさせたゆかり達を狙いはじめる。

「こっちに来るよ〜」
「まったくヘトヘトなのに、また走らなきゃいけないなんて」
「そんな事言ってる場合じゃないだろ。追いつかれたら終わりだぞ!」
やんだやゆかりも疲れた体に鞭打って走る事になった。怪獣は火炎を吐いて
よつば達の近くを爆撃した。

「わーすごい!ひをはいた〜」
「よつばちゃんってどんな時でもマイペースだね」
「この状況を楽しめるあんたが羨ましいよ」
よつばはこんな時でも笑顔である。しかし、よつばの機転(というべきか)の
おかげで助かったのも事実である。

464 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:15 ID:???
「とーーーーーーー!!」
よつばは少し大きめの石を拾い上げ、それを投げる。思った以上に
飛距離が伸び、怪獣はその石に目を奪われ、その石を追いはじめた。

「た、助かった」
「よつばちゃん、ありがとう」
何とか危機を脱し、みうらと恵那はホッと一息ついた。

「それにしてもお前、よくあんな事思いついたな。感心したぞ」
小岩井はよつばの頭を撫でる。

「あーあれな。いしがあったからなげた」
「つまり深く考えて投げた訳じゃないんだな。そんなこったろうと思った」
よつばの呑気な答えにジャンボはやれやれと両手を肩のとこにあげた。

「それにしてもここ何なのよ!怪獣なんて聞いてないわよ!」
「まったくだ!こんな危険なとこだったなんて聞いねーよ!!」
ゆかりとやんだは息をきらしながら不満を洩らす。

「とんだハイキングになったわね」
流石のみなもも疲れた表情で椅子に座った。

「そうか〜よつばはたのしいぞ〜」
「あれが楽しい〜?バッカじゃねーの!お前!!」
「ばかじゃない!やんだのほうがばかだ!!」
「俺はバカじゃねーよ!!」
またも喧嘩を始めてしますやんだとよつば。

「落ち着けよやんだ」
「何やってんだか・・・・・・・・!!」
ジャンボが後ろから抑える。しかし、その直後大きな音がして何かが背後から
歩いてくる音がした。

「ね、ねえみんなあれ・・・・・・・」
みなもが青ざめた顔で指を指す。

465 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:17 ID:???
「何をそんなに驚いているのよ、にゃも・・・・・・・!!」
からかうように笑ったゆかりだが、後ろを見て驚愕する。
そこには先程と違った怪獣が姿を現したからだ。
二足歩行でさっきの怪獣とは逆で氷のような真っ青の体色をしており、
ブーメランのような角を生やしていた。

「おいおいここは怪獣の溜まり場かよ!」
「そんな事より早く逃げようって!!」
ジャンボはうんざりした表情で言った。
みうらは恵那とよつばの手をひいて逃げる。他もそれに続く。
この怪獣は口から冷凍光線を吐いてきた。それは木々を一瞬のうちにして凍りつかせた。

「お〜すげえ。こんどはこおりだ〜」
「いちいち驚く事じゃないって」
やはりどことなく楽しそうなよつばであった。このまま何とか逃げ切ろうと
するメンバーだったが、ゆかりが足を踏み外して坂を転がり落ちてしまう。

「きゃああああああ!!」
「あっゆかり!!」
「俺が行く!!」
みなもが行くより先に小岩井が飛び出していた。

「とーちゃん!」
「小岩井!!」

それより少し時間は遡る。
HOLY基地内でも今回のハイキングの事は話題になっていた。

「みんなでハイキングですか。何か楽しそうですね〜」
「ふっふっふっ、甘いな。ちよすけ。このハイキングはそれだけではないぞ〜
何とあのゆかりちゃんととーちゃんをいい機会だからくっつけようって側面もあるんだ」
「ああ、確かにあの二人満更でもなさそうだったからな」
ちよに対して智は指で「チッチッチッ」としながら、説明した。その説明に納得する神楽。

「長谷川君、かわいそうやなぁ。せっかくゆかり先生派やのに・・・・・・・」
「春日さん、だから違うって!長谷川君が好きなのは」
とかおりんは千尋の方を見るが、当の千尋は不思議そうに首を傾げる。

「どうしたのかおりん?私の顔に何かついてる?」
しかし、千尋は全く気づいていない様子だった。

466 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:19 ID:???
「そういえばゆかり先生達は一体どこにハイキングに行ったんだ?」
暦はカロリーメイトを食べながら聞いてきた。智が「太るぞ」とからかったが、
「これくらいなら大丈夫」と切り返す。

「えーと確か霧隠山(きりがくれやま)だね」
千尋が彼女達が行った場所をサーチする。

「おい、そこってまさか・・・・・・」
「うん、ちょっと厄介なとこに行っちゃったみたいだね」
「どういう事?」
暦と千尋が難しい顔をしたので、榊が尋ねてみた。

「霧隠山はあらゆる磁気が狂ってしまって迷いやすい事で有名なの。魔境とも呼ばれてる。
下手をすると魔境に迷い込んでそのまま行方不明って事もある。
しかも最近になってそこに怪獣が現われたって情報まで入ってきてるの。
目撃情報まで寄せられてるわ。言うなれば怪獣魔境って奴」
「怪獣が現われたのはいつ頃から?」
「ジェネシス事件のあたりからだったと思う」
その時、ちよが複雑な顔をした。

「その怪獣の映像は出せるか?」
「ええ、今出すからちょっと待ってて」
千尋がスイッチを押すとよつば達を襲った二匹の怪獣が映し出された。

「これは?」
「片方は溶岩怪獣グランゴン。その見た目通り口から火球を吐く。生物でありながら
鉱物に近い特性を持ってる」
「つまり溶岩の中でも平気って訳か」
「もう一体は冷凍怪獣ラゴラス。口から吐くマイナス240℃の冷凍光線が武器だね」
「ちょっと待って!今霧隠山を検索してみる」
かおりんは慌てて霧隠山をサーチする。すると見事に怪獣反応が出た。

「怪獣反応が二つある!どっちも今は動いてないけど、いつ動き出すか分からないわ!」
「え!それじゃあゆかり先生達が危ないんちゃうん?」
「急ぎましょう!手遅れになる前に出撃しましょう!!」
「航空メカは使えないよ。磁場が狂ってから下手すると墜落の危険性がある」
「だとすると地上用のブラックイーグルとシルバースコーピオンしか使えないって訳か」

467 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:21 ID:???
暦は腕を組んで考えこむ。

「とにかくこうしててもしょうがねぇ!出撃しようぜ!!」
「神楽の言う通り!行こうぜ!!」
「そうですね!ゆかり先生達を救出に向かいましょう!」
こうして彼女達も出撃する事になった。ブラックイーグルに榊、歩、
シルバースコーピオンには智、神楽、暦、ちよが乗る事になった。
霧隠山に着くとひどく通信状態が不安定となった。そして智が奇妙なものを見つけた。

「何だあれ?虹が逆さまだ」
「恐らくあそこが魔境の入口だろう!入るぞ!!」
「今の場所を覚えておきましょう。帰れなくなるかもしれませんから」
メンバーは意を決して魔境へと潜入する。そしてここをしっかり記憶しておく。
一応まだ通信は通じているが、いつ通信不能になるかは分からない。
入って早々に一同はグランゴンと遭遇する。

「おわ、いきなり出たよ!!」
「急ぎましょう!冷凍弾発射!」
「おうよ!」
グランゴンの火炎をかわして、神楽は冷凍弾をグランゴンに撃ち込んだ。
瞬時にグランゴンは凍りついた。

「とどめだ!!」
暦の撃ったレーザーによりグランゴンは粉々に砕け散った。

「やった!」
「意外にあっけなかったな」
「急ごう。よつばちゃん達を助けよう!!」
急いでよつば達の元へ向かう一行。そのよつば達だが、ラゴラスに襲われていた。
絶体絶命かと思われたその時、HOLYが到着した。

「氷とくればやっぱ炎だな」
各自それぞれ銃のカートリッジを取替え、バーナーをラゴラスに向かって発射する。
ラゴラスはそれを嫌がったのか、一度冷凍光線を吐いて抵抗を試みた事以外は
あっけない程に逃げたのだった。

468 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:23 ID:???
「やりぃ!どっちも大した事ねーな!!」
神楽はすっかり上機嫌だ。

「みんな大丈夫ですか?」
「まあ、ここにいるメンバーはね」
尋ねるちよに対して疲れた表情でみなもは答えた。

「ゆかり先生と小岩井さんはどないしたん?」
歩が気になって発した言葉によつば除く全員がうっとなる。

「さっき智達が追っ払った怪獣が襲ってきた時、はぐれちゃったんだ!」
「向こうの方だよ」
と恵那はゆかり達が転がり落ちた方角を指差す。

「おめーらがHOLYか。何だ女ばっかなんだな」
やんだは初めて見るHOLYを凝視していた。

その頃、落ちたゆかりと小岩井だが幸いな事に二人共無事だった。

「いたたたた、これは結構効くわ」
ゆかりは落ちた時に背中を痛めたらしく、背中をさすっていた。

「どうやら二人共、無事みたいだな」
「そうみたいね。あーもうこんな気味の悪いとこ抜けてさっさとにゃも達と
合流しよう!」
「そうだな。よつば達が心配だし」
「痛っ!」
しかしゆかりは立ち上がろうとして右足に痛みを感じて座り込んでしまう。

「どうした?」
「どうも足を捻ったみたい。ちょっと痛い」
ゆかりは苦痛に顔を歪めながら言った。

「確かにちょっと辛そうだな。しょうがない」
そういうと小岩井は彼女の体をひょいと抱き上げ、おぶった。

「え?ちょっと何してるのよ!?」
珍しくゆかりが動揺して抗議の声をあげる。

469 :第64話 「恐るべき怪獣魔境」 :2006/01/12(木) 22:25 ID:???
「足を引きずって走るのはきついからこうした方がいいかと思ったんだけど」
「・・・・・・・・・」
照れているのか頬を染めて黙るゆかり。いつもの彼女らしくない珍しい反応だ。

「とにかく小岩井さんとゆかり先生を急いで探しましょう」
「そうやな〜」
シルバースコーピオンには既に二人以外のメンバーを乗せている。

「よつばもとーちゃんさがす!」
「駄目だ!下手に動かれて迷子になったらもう戻って来れないんだぞ!」
探しに行こうと駄々をこねるよつばを神楽は止めた。迷子という言葉に反応したのか
よつばはそれに従った。

この時、二大怪獣の活動の影響なのか霧隠山が噴火した。幸いよつば達の方には
溶岩は流れ込んで来なかったのだが、これの影響でグランゴンの破壊された
断片が元通り再生して復活を遂げる。

「そんな、どうして!?」
「流れ出した溶岩がグランゴンの体を再構成したんだよ!」
驚くかおりんに千尋は説明する。まだ通信機能は異常をきたしていない。

「あーもう!しつこい奴だな!倒したと思ったのに!!」
智が地団駄を踏む。

「ねえ、あっちを見て!!」
「どないしたんにゃも先生〜?」
みなもに言われて歩がそちらに視線を向けると、先程追い払ったはずの
ラゴラスが再び姿を現した。

「ちよちゃん、早くここから脱出しよう!このままじゃやばい!」
「でも小岩井さんとゆかり先生がまだ・・・・・・」
暦に言われちよは迷った。グランゴン、ラゴラスに先程と同じ攻撃を繰り出すが、
耐性がついたのか二匹ともその攻撃は通用しなくなっていた。
グランゴンとラゴラスはまるで何かに引き寄せられるように互いに近づいていった。
HOLYに攻撃されても全く取り合おうとしなかった。

470 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2006/01/12(木) 22:26 ID:???
リクエスト第2弾でした。

471 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/12(木) 22:27 ID:???
>>460-469
お疲れ様です
リアルで閲覧させていただきました。
久々に搭乗したよつばとキャラ、及び初登場のやんだ氏達の
後編に期待しております。

472 :レウルーラ ◆iCj5r1a15w :2006/01/13(金) 00:36 ID:???
>>460-470
お疲れ様です!
>>468-469
お?王道的な展開ですね。後半を楽しみに待っております。

………実を言うと、この64話を読んで気持ちが高ぶった勢いに乗って『仮面ライダーゼルバ』の
「試作用『必殺』的シーン」を投下しようと思っていたのに、それの文章を書いておいたルーズリーフを
紛失してしまったために、投下を延期せざるを得なくなってしまったため、ちょっとブルーな気分です。

473 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/14(土) 19:12 ID:???
容量が結構なものになってきましたね。

質問推奨委員長さんに質問なのですが、以前G2の戦闘についての
コトをお尋ねしましたが、8話(6)のアレで、原作のGの速度などを
文章で読者の方々に伝えることができてたでしょうか?

474 :名無しさんちゃうねん :2006/01/15(日) 23:56 ID:???
|
|        超高速で〆のレス!! |     (巛ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡ミ彡)ミ彡)
\_ ______________/   ,,从.ノ巛ミ    彡ミ彡)ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡)''"
  ∨                       人ノ゙ ⌒ヽ         彡ミ彡)ミ彡)ミ彡)'
   / _             ,,..、;;:〜''"゙゙       )  从    ミ彡ミ彡)ミ彡,,)
  / ̄\     ,,..、;;:〜-:''"゙⌒゙          彡 ,,     ⌒ヽ     ミ彡"
  (・3・  )─::゙:゙                    '"゙          ミ彡)彡''"
  \_/  ``゙⌒`゙"''〜-、:;;,_              )   彡,,ノ彡〜''"
   \  ̄           ゙⌒`゙"''〜-、,,     ,,彡⌒''〜''"
      ゴオーーーーーッ            "⌒''〜"

     ゜     ゜  。
   ゜。 ゜////。  ゜
    /′::::::::/_∧                  .
   /::∧∧::::::::ノ ::=___ _____ ‥.‥
  ⊂(・3・⊂⌒二つ:::::≡:::≡ ̄::::: ::::::::::::::::″.… ..….
   \::::::::::: ̄::::::/″ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ¨.….
    `\√ゴオーーーーーッ
      ′。 ゜ ゜   。

      ゜。 ゜// //。  ゜
       /′::::::::/_∧                  .
      /::∧∧::::::::ノ ::丿___ _____ ‥.‥
     ⊂(・3・⊂`つ≡≡≡::::: ::::::::::::::::″.… ..…. ..….
      \:: :::: :::::::::::/″ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ¨.….
       `\√ズゴオーーーーーッ          ..….
        ゜。 ゜。 ゜ ゜   。
          ゜     ゜ 。

475 :名無しさんちゃうねん :2006/01/16(月) 00:03 ID:???
  (~''''''ー-、,厂ヽ ,,,,,,,,,,,                     ,,, r''''''~~ ̄ ̄ ̄~` ヽ、,
  ~`ヽ、,,,,,>ー-、,.  ヽ,                 ,r'''~;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、           /
      (,ー-、i.    i               ,,r'' '''''      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ,        |
      (,,,,,,,,,  '>.   ir、             ,r'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ハ;;;;;;/,r;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,       |
      ( ,,,,,,,つ´ヽ,. i::::ヽ、          r'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ i;;;;∠,,!;;ハ;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,      ./
      ヽ、'~     ノ:::::::::::ヽ、.       /; ;;;;;;;;;;;;;;ハ;;iヽ,;;!.、;;;;;;;;;;/ /っ;;; ~ヽ .i;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ     / 
.        丶、,,,,  /::::::::::::::::::::`丶,.    / i;;;;;;;;;;;;ト.ニー-、,,, \;;/ヽ' .!;;;;;;;;;i  .i .!;;;;/i;/ヘ;;`、   /
.         i;;;;;;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、.  ′i;;;;;;;;;;;;;!/~ i;;;;;;;;;i`     ゝ::;;ノ  .!. ''' ''.イ .);;;ヽ  .ヽ、   さぁ、次スレに行くぞ!
         i;;;;;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、. !;;ハ;;;;;i.! ゝ;;;;;ノ              '' ./;;;;;;;ヽ    `i
.        ト;;;;;;;;/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、!/ ヽ、;i^.、     、     ,.ィ      ノ;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ   |
        ヽ'-イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ,  i.`      .   '.´   i    ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ  |
.         ''''''、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ!.      i       i   .イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ .|
.           丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\,     ヽ      !  イ;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ'ー、;;;;;;;;;, | これからもよろしくな!!
              `丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ー-、.  ヽ、  .,.イ イ/|;;;;;i\;;;;;;;;;ヽ    |
.                `ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~ヽヽ''':::ー-- ~.''::::::/ .ト\i `''''''';;;ヽ  .|
                   `ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ、. i ̄''''' ̄ ̄ 〈`ー、,,,,,,   丶  |
                     ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::i~'''ー-----'ナ:::::::::::::ヽ     |
.                       ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::i   -ー''~  i::::::::i::::::へ、    .|
                        ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::i        i:::::y::::/::::::::i    .|
.                          ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\i        i:::':/::::::::::::i   .|
                            ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i         i''~:::::::::::::::::`i  .|
                             >ー-::::::::::::::::::::::::::::::::i     i    .i:::::::::::::::i::i::::ヽ  \

500 KB  
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver2.0 beta3 (03/08/25)