世の中のすべての萌えるを。

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きのうものすごい、恐ろしい体験をした

1 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 15:15
夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
壁のむこうから誰かの喘ぎ声が聞こえてきたんや・・・




みたいな感じで書いていってやー。

2 :名無しさんちゃうねん :2002/08/18(日) 18:12
嫌だ

3 :名無しさんちゃうねん :2002/08/23(金) 07:56
9/11の朝にマンハッタンに居ましたが、何か?

4 :キルロイ ◆IofpVHHg :2002/08/24(土) 15:44
夜、道路で一人っきりで歩いてた時、 どこからともなく・・・・
8頭身にゃもが乗った車がものすごい勢いで追いかけてきたんや・・・・


5 :名無しさんちゃうねん :2002/08/31(土) 23:13
>>1
「壁の向こうから」なのならば「どこからともなく」ではないような気が…

6 :名無しさんちゃうねん :2002/09/01(日) 21:19
夜、なかなか寝れなくてボーっとしてた時、どこからともなく・・・
子どものっぽいげっぷが聞こえてきたんや・・・

7 :名無しさんちゃうねん :2002/09/04(水) 21:26
ふと気がつくと、いつのまにか
「大阪近鉄バファローズ」が
「大阪バファローズ」に・・・

8 :名無しさんちゃうねん :2002/09/07(土) 22:31
>>1

http://lounge.dip.jp/upboard/img-box/img20020830154355.jpg


9 :名無しさんちゃうねん :2002/10/09(水) 01:40
>>8

「ガキの使い」の24時間耐久鬼ごっこを思い出した…

10 :大阪 :2002/10/10(木) 10:11
あたしの口からいきなり……
「きゃるーん」とか
「まいっちんぐ」とか
「メイっぱい」とかいう言葉が飛び出してきたんや……

11 :美紗さん(・∀・)イイ!! :2002/10/10(木) 15:38
>>10
それは恐ろしい事ではないっスよ♪。
むしろ喜ばしい事っス!
更に「するっス」という言葉が出てくるようになればみんなを幸せに出来るようになるっス!

「みーんな幸せにするっス!」

12 :大阪 :2002/10/10(木) 16:08
いつのまにかてひひひーとか言ってました。
どうしたらええのっすかー?
あ、なにこれ。羽根?

13 :名無しさんちゃうねん :2002/10/16(水) 19:34
夜、部屋に一人っきりのとき、知らない男の人から電話がかかってきて・・・
「すーぱーろぼっとたいせんに出てみませんか?」言われたんや・・・
「なにゆーてんの?」言って切ったけど、いまだに意味がわからへんねん・・・

14 :名無しさんちゃうねん :2002/10/16(水) 22:16
>>13
そ、それはたしかに怖い体験や…

15 :智ぴ〜 :2002/10/16(水) 22:24
昨日ちよパパに犯されたんや・・・

16 :名無しさんちゃうねん :2002/10/16(水) 23:29
>>15
死ぬようなことを…(ズゴゴゴゴゴ…)

17 :名無しさんちゃうねん :2002/10/17(木) 07:28
>>15
>>16
ねじ込まれても死なない頭もあるので、君も一度ねじ込まれてみなさい。
…ていう同人誌知ってる?
ねじ込まれるのは榊で、
大阪は榊になすびを突っ込みに来るだけなんだけど。

18 :名無しさんちゃうねん :2002/10/18(金) 00:06
夜、部屋に一人っきりのとき
どこからともなく・・・
蚊が飛んできたんや…

19 :名無しさんちゃうねん :2002/10/18(金) 00:14
                      、
                 フ   r┐  ┼┐ヽ
                    て   ノ   / 、/  ・ ・ ・
      _,,. --,.、- ..,__                  _,. --  ..,,     へ      へ
   ,. ‐ニ--  ′ ` " `'ー 、            ,. ‐''"::::::::::::::::::::::::`ヽ、 /  ヽ   /   ヽ
  /  /   ,、,.、         ヽ            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`/     ヽ /    ヽ
 i  / ,  /   `、 ト、 ヽ ヽ. ',        /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/     ‐`‐'‐     ゙,
. !  i  | ,/-─- `、 |'ヾ~|ヾ i i       /:::::::::n::::n::::::::::::r;:::::;ィ:::::::/                 ゙,
/ _,| ,| /-─‐-、ヽ.ir‐ヽ!‐ヽ|ヽl       i:::::::::::| i:;;|_ヽ:::::/. !:/ _|::::,'                  ゙,
 i´'| / |/|     }ー!.    |i,| !      |::ハ:::l ヽ! ヽ'  '/~ .レ'i                 i
 ヾ|/}  ''ー---‐''  'ー---‐|゙        '   〉!  ○     ○   ! , -r‐;- 、   ,. -r‐:;- 、    i
  \_ し            l              i              i 〈  |;;;;;|  〉 〈.  |:::::|  .〉   i
  / ト、        u./!              ヽ、    r─┐ J i  `'‐'--'‐'"  `''‐'--'‐'"     i
,/   i. ヽ     つ  ,/ヽ,|             ト、  ヽ ,ノ   ,|                    !
ヽ    i  `''‐--‐''i"   | ト、            /:::::`':.、 _,.. '"|       `(二フ′           l
\\,_ i─-    /  // ヽ          /::::::::::::;:r‐|.   |                    |


20 :名無しさんちゃうねん :2003/03/25(火) 01:15 ID:???
age

21 :ちよちゃんの弟子 :2003/03/27(木) 14:23 ID:???
昨日鼻を指でつまんで鼻から息をだしたんや・・・
いつもなら耳が「ビグジョッ!」っていうのに
目から息が出てきて「ピ〜〜〜」って鳴ったんや
恐ろしかったわ〜

22 :名無しさんちゃうねん :2003/06/21(土) 14:14 ID:???
test

23 :名無しさんちゃうねん :2003/08/05(火) 04:18 ID:???
「きのう、ものすごい恐ろしい体験をした。
 部屋にひとりっきりのとき、どこからともなく
 私のやないおならのにおいがしてきたんや……

 それで、ふと上を向くと、天井に毛むくじゃらのおじさんがへばりついてたんや。
 あー、さっきのおならはこの人がしたんやなー思て見てると、
 そのおじさんが壁をつたってするするとおりてきたんよ。
 それで、私にこういうんや。
『わしの姿を見たことは誰にも言うな』

 どうや? おそろしいやろ?」

24 :名無しさんちゃうねん :2003/08/05(火) 04:18 ID:???
 何かが天井から降りてきた。
「約束を破ったな……」
 春日歩の背後に降り立った毛むくじゃらの男は、低い声でそう呟くと、
おもむろに懐中から刃物を取り出した。
 
 赤いものが飛び散った。

 鮮血が智の顔にふりかかる。
 思わず両目をつむった。
 なにかが裂け、砕けていく音が聞こえた。
 足元に何か重いものが転がる。

 春日歩の生首だった。
 血だまりの中、彼女の二つの瞳は、何があったか理解できぬかのように
ぽかんと空を向いていた。

25 :名無しさんちゃうねん :2003/08/05(火) 04:18 ID:???
 驚愕と恐怖のため思わず叫び声をあげながら、智は目を覚ました。
「なんだ、夢か」
 ほっとため息をつく。
 鼻を、硫黄のようなにおいがついた。
 なにげなく上を見上げた智の視界に、
 毛むくじゃらの男が天井にへばりついているのが見えた。

26 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/08/05(火) 07:49 ID:???
それは確かに恐ろしいな……。

27 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/08/05(火) 20:34 ID:???
怖ぁ・・・・

28 :名無しさんちゃうねん :2003/08/09(土) 02:50 ID:???
「こわい話教えたる。
 そのかわり、途中で逃げちゃだめやで?」
 踏み切りの前に立った少女に、関西なまりの声が語りかけてきた。

29 :名無しさんちゃうねん :2003/08/09(土) 02:50 ID:???
「きのう、部屋にひとりっきりのとき、
 どこからともなく私のやないおならのにおいがしてきたんや。
 それで、後ろをふりむいてみたらな。
 部屋のドアが開いてて、知らない男の人が立っとったんよ。
 その人は、右手に赤い包丁を持っとった。
 血で染まってたんよ、その包丁。
 たぶんあの人にお父さんとお母さんも殺されたんや。
 最近、一家惨殺事件がはやっとるからな。
 だから私、必死で逃げたんや。
 窓から外に出て、はだしのままで走って逃げたんよ。 
 それで、ここの踏み切りにさしかかったんや。
 あの人はまだ追ってくる。
 ああどうしよう思っとると、かんかんかんって踏切がおりてきたんよ。
 ここをすばやくくぐりぬけて向こう側に逃げれば、あの人から逃げ切れる。
 そう思て、急いで踏み切りをくぐったんや」

30 :名無しさんちゃうねん :2003/08/09(土) 02:50 ID:???
「それで、このざまや」
 電車にはねられ引きちぎられた春日歩の上半身は、そう言って話をしめくくった。

31 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/08/09(土) 03:02 ID:???
イヤァアァアアァア

32 :名無しさんちゃうねん :2003/08/15(金) 10:04 ID:???
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

33 :名無しさんちゃうねん :2003/08/17(日) 03:13 ID:???
「こわい話教えたる。
 そのかわり、途中で逃げちゃだめやで?」
 踏み切りの前に立った少女に、関西なまりの声が語りかけてきた。

34 :名無しさんちゃうねん :2003/08/17(日) 03:14 ID:???
「きのう、部屋にひとりっきりのとき、
 どこからともなく私のやないおならのにおいがしてきたんや。
 それで、後ろをふりむいてみたらな。
 部屋のドアが開いてて、知らない男の人が立っとったんよ。
 その人は、右手に赤い包丁を持っとった。
 血で染まってたんよ、その包丁。
 たぶんあの人にお父さんとお母さんも殺されたんや。 」

 そこまで聞いたとき、少女は声の主の居場所を見つけた。
 遮断機のわきにぼうぼうと茂る雑草の中に、その声の主はいた。
 彼女は、雑草の中に横たわっていた。
 顔があった。
 首があった。
 胸があり、肩があった。
 腹部から先は、ちぎれていた。
 赤い液体が地面を浸し、緑の草が赤色に染められている。
 
 その、上半身だけの少女が、彼女に語りかけているのだった。

35 :名無しさんちゃうねん :2003/08/17(日) 03:14 ID:???
「――――!」
 ありうべからざる光景を見た少女は、声にならない悲鳴をあげ、一目散に駆け出した。
「人の話は――」
 後ろからのんびりした声が追ってくる。
 彼女は、走った。
 かの幽霊から、逃れるために。
 地面をつま先で弾く。
 風が、耳をかすめる。
 胴に、何かが当たった。
 棒。
 黄色と黒の縞模様。

 それが遮断機だと気づいたときは、既に遅かった。
 全速力で走っていた彼女は、勢いあまって前のめりに飛んだ。

 耳元で轟音。
 高速で踏み切りを横切る列車にぶつかり、少女の胸から先がけしとんだ。
 車両が赤色に染まる。
 弾き飛ばされた彼女の下半身が、ほどなくしてぼたりと線路わきの地面に落下した。

「最後まで聞かなあかん。
 途中で逃げたらあかんゆーたやん」 
 切断面からどくどくと血を流す少女の下半身に向かい、春日歩は呟いた。

36 :名無しさんちゃうねん :2003/08/26(火) 22:52 ID:???
(((( ;゚Д゚)))なんでこんな線路だらけなんだよぉ!!

37 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
 彼女たちが高校を卒業してから、四ヶ月ほどの時が流れた。
 大学生となった彼女たちに、長い夏休みが訪れる。高校の頃の夏休みとは桁
違いの日数を、自由に費やせるのだ。
 そこで提案されたのが、みな揃っての旅行である。
 皆、例年どおり美浜ちよの別荘に行く心づもりであった。しかし、美浜ちよ
自身が、留学先でごたごたと雑事が絶えぬらしく、都合のあう日がなかったた
め、今年は彼女ぬきで集まることと相成った。

 数度にわたる電話やメールのやりとりから定められた事項は次の通り。
 集合場所は、海岸沿いの旅館の一室。
 集まる人数は、智、暦、春日歩、榊、神楽にかおりんを加えた六人である。
はじめ、暦はかおりんを呼ぶことには否定的であった。なぜなら、現在彼女は
大学受験のため浪人中の身。『天王山』とも呼ばれる夏の貴重な時間のうち数
日を遊んで暮らすのは、かおりんにとってあまりにも危険であると暦は考えた
のである。
 しかし、仕切り役の智は、暦の危惧にまるでとりあわなかった。
「去年の夏だって、ちよちゃんの別荘にみんなで行ったじゃん? 数日勉強し
てないからって、どうってことないって。それに受験生にも息抜きは必要だし
さー」
 軽口を叩き、直後にかおりんに誘いをかけたのである。
 勿論、はじめ、かおりんは遊びに行くことに乗り気ではなかった。
 しかし、「榊も来る」と智が告げた途端にかおりんの態度は豹変し、鼻息も
荒く二つ返事で誘いを受け入れたのである。
――彼女の受験生活は、よほど潤いに欠けたものであるようだ。  (1/5)

38 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
 約束の日。
 かおりんは、足どりも軽く、集合場所である海岸沿いの旅館に向かった。
 夕陽が赤い。一日じゅう夏の日差しを受けとめていたアスファルトの舗道か
ら、むっとする熱気が立ちのぼってくる。地面から流れる暖気の渦が、体全体
にまとわりつきながら空気に溶け込んでゆく。
 額から流れる汗を、手にした花柄のハンカチでさっと拭った。
「暑いなあ」
 呟いた。
 その顔には笑みがのぞいている。
 頬が心もち赤いのは、暑さのためばかりではない。

 海を眺めながら坂を登りつめると、しばらく先の道筋に旅館が見えた。
「はたごや……はたごや」
 手元のメモ用紙と行く先に見える看板の文字を見比べ、確かめる。遠くの文
字がよく見えないので、看板を見やる時に少し目を細めた。勉強のしすぎで少
し視力が落ち……もとい、視力が悪くなったのかもしれない。
 ともあれ、行く手に見える旅館は彼女が目指している場所に間違いないとい
うことが確認できた。懐かしい友たち、そして憧れの人と再び会える喜びに、
かおりんはすっかり有頂天になって急ぎ足で坂道を下ったのである。(2/5)

39 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
 302号室。
 木目の鮮やかな薄茶色の扉の前に立ち、かおりんは胸に手を当てた。
 目を閉じ、大きく息を吸い込む。
 ゆっくりと息を吐き終えると、ノブに手を伸ばし、扉を押し開けた。
 がちゃと音がして、戸が開く。
 玄関と部屋の間に、山の絵が描かれた襖があった。
「来たよー」
 声をかけながら、襖を横にひいた。
 部屋は畳敷き、中央にテーブルがおかれていて、左側の壁には押入れ、右側
の壁には寝るときにテーブルをたてかけて置けるだけのスペースがあった。部
屋の奥には大きな窓があり、窓の向こうには海の見えるベランダがある。
 そして、テーブルの周りには智、暦、大阪、神楽が座っていた。それぞれの
手元に湯のみとカードがある。どうやら、トランプか何かをしているところの
ようだ。
「お、きたかかおりん」
 神楽がトランプから目を離し、入ってきたかおりんに声をかけた。
「ひさしぶりー」
 他の三人も、続いて挨拶する。 
 一人足りない。
「あの、榊さんは?」
 かおりんは、部屋を見回しながら四人に尋ねた。
 答える者はなかった。
 皆、顔をうつむけ、黙っている。
「……どうか、した?」
 かおりんが問いかけた。四人は頭を寄せ、ひそひそと何か話し合っている。
「どうしたのよー」
「……かおりん、何も聞いてないのか?」
 不満げに声を上げたかおりんに、暦が低い声で言った。
「……榊は――、ここに来る途中、交通事故で死んだんだ」     (3/5)

40 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:51 ID:???
 放心状態だった。
 温泉に入っているときも、夕飯を食べるときも、彼女はうわのそらだった。
 他の四人も、元気がない。
 そうこうして、間もなく寝る時間がやってきた。
 いつもならばはしゃいで枕投げなどをするであろう智も、さすがに今日はお
となしく布団にもぐる。
「それじゃ、電気消すよ」
 全員が布団に入ったのを確認して、暦がスイッチに手を伸ばした。
 その時である。
 扉をノックする音がした。
「は、はい」
「……遅れた……」
 かおりんが反射的に起き上がりながらノックに応じると、ドアの向こうから
聞き覚えのある声が聞こえた。低い、静かな声がひとつ――まさしく、それは
ここに来る途中交通事故で死んだはずの榊の声だった。 
「榊さん!」
 かおりんは、叫ぶと、電気仕掛けの人形のように立ち上がった。
「待て、かおりん!」神楽が遮った。
「あいつは……死んだんだ」暦が静かに呟く。
「ドアを開けちゃだめだかおりん、連れて行かれるぞ」智が布団の中で震えながら叫ぶ。
「こんな時は死んだふりやー」大阪はそう言って目を閉じた。
 かおりんは、止まらなかった。
 神楽を押しのけ、入り口に走った。
(榊さん――榊さん!)
 ドアに飛びつき、鍵を開けた。                 (4/5)

41 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 01:52 ID:???
 目の前に、榊の長身があった。
 長い黒髪、切れ長の眼、筋の通った細い鼻、小さな口――
 昔のままの、榊だった。
「榊さん……」
 かおりんは、うっとりと榊を見つめる。
「……かおりん」
 榊が、口を開いた。
「……今回のことは、……残念だったな」
「え?」
「……まだ、聞いてないのか。
 あいつら四人は、ここに来る途中、交通事故で……死んだんだ」
「えっ!」
 榊の言葉に驚き、振り返って見ると、部屋の中には誰もいなかった。 (5/5)

42 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/09/24(水) 02:08 ID:???
オカ板で見た事があるような・・・

43 :名無しさんちゃうねん :2003/09/24(水) 02:28 ID:???
>>42
(;´д`)マジカヨ

44 :名無しさんちゃうねん :2003/09/27(土) 19:24 ID:???
でも(・∀・)イイ!!

45 :名無しさんちゃうねん :2003/10/05(日) 05:03 ID:???
ゆかり車
 
 みんなでちよちゃんの別荘にいくことになりました。
 ゆかり先生と黒澤先生が車で連れて行ってくれることになったんですけど、
ゆかり先生は運転がすごく下手糞だと黒澤先生は言っていました。そのことは、
ゆかり先生の車のいたるところがぼこぼこにひしゃげていることからも想像できます。
 じゃんけんに負けた私とちよちゃんは、ゆかり先生の車に乗ることになりました。

 バックミラーを何気なく見てみたら、見えるのは運転席にいるゆかり先生のはず
なのに、なぜか知らない男の人が見えるんです。しかも、頭とか口とか鼻とか、
そこらじゅうからだらだらと真っ赤な血を流していて、目玉がほとんど飛び出てるんです。
そして、その男の人は、時々苦しそうに顔を歪めながら、「あー、うー」って呻くんです。
怖なってゆかり先生を呼んでみたら、運転席から振り向いたのはたしかにゆかり先生でした。
それで、「この車、どこで買ったんですかー」って訊いてみたんです。そしたら、
「あー、父さんが中古で買ってきたのよ。なんか事故車らしくて、すごい安かったんだって」
 って先生が言ってました。
 そらそうや、バックミラーから前の持ち主さんが恨めしそうに見とるで。

 とにかくまあ、前の持ち主さんは見てるだけやし、じきに慣れたんです。
 でも、今度は他の人が窓の外から覗いてるんです。
 時速80キロや。でもぴったり窓にくっついてのぞいとるんです。
 おじいさんです。顔中しわだらけで、目じりに目やにがたまってます。
 一本も歯の残ってないふにゃふにゃの口で、にやにや笑ってます。
 あ、ちよちゃんが気づいた――
「あー! おじいちゃんが、おじいちゃんがー!」
 ちよちゃんが叫ぶと、そのおじいさんは、こっちを追い越して走り去ってしまいました。

46 :名無しさんちゃうねん :2003/10/05(日) 05:03 ID:???
他の別荘

 夜です。夏といえば怪談です。
 よみちゃんが「なんか怖いの知ってるの?」と聞いてきたので、さっきの
ゆかり車での出来事を話そうかとも思ったのですが、帰りもあの車に乗るとなると
今人に喋ったら悪いことが起こりそうな予感がしたので、やめておきました。
 そしたら、ちよちゃんが話しはじめたんです。
「他の別荘の話で、夏にゴキブリが大量発生して、もうそこらじゅう――」

 え! 
 ちよちゃん、なんで知っとるの!?
 去年の夏、私の別荘にゴキブリが大発生したこと、なんで知っとるの!?
 それで、帰ってみたら家もゴキブリに占領されてて……
 倒しても倒しても、次々とゴキブリが出てきます。

 占い師さんの話では、どうも私のお父さんがゴキブリの霊に呪われてるらしくて……
 そのせいか、私のお父さん、今年の春に死んでしもうたんや。
 お父さんが朝起きてこないので部屋に様子を見に行ったら、お父さんの周りに
ゴキブリが山のようにたかってて……。殺虫剤を持ってきて吹きかけたら、生きてる
ゴキブリはみんなにげていったんですけど、うつぶせになってるお父さんをひっくり返してみたら、
耳とか鼻とか口とか、あらゆる穴にゴキブリの死骸がぎっしりつまってました。
あとでわかったことやけど、肺とか胃袋とか腸にもぎっしりゴキブリが入り込んでた
らしくて……。お父さんは、窒息死でした。

 結局家を引っ越すことになったんやけど、この話前にちよちゃんにしてたんかな。

47 :名無しさんちゃうねん :2003/10/05(日) 05:04 ID:???
自白

「ドラマやったらこーゆー状況で連続殺人があったりすんねんなー」
「あーそだなー」
 よみちゃんが私の話を聞いてくれてます。
 
 第一の被害者 ともちゃん、そして次々と殺されるみんな……
「犯人は私!」

「……思い出したのか……」
 私の言葉に、よみちゃんがぽつりと呟きました。

 目が覚めると、血まみれの包丁が私の手に握られてました。腕も服も真っ赤です。
 部屋を見渡してみると、みんな血まみれになって死んでました。

 ちゃうねん。
 これはな……ちゃうねん。
 涙が止まりませんでした。

48 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/10/05(日) 05:57 ID:???
>>45-47
こ、怖わぁ〜。

49 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2003/10/05(日) 09:58 ID:???
恐っ!

50 :◆Chihiro :2003/12/27(土) 16:33 ID:???
kosoritest

51 :♯z :2003/12/27(土) 16:35 ID:???
kosoritest

52 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/12/28(日) 09:17 ID:???
>>50
>>51
なんだかわかりませんが、阻止しておきますね。

53 :名無しさんちゃうねん :2004/01/21(水) 00:45 ID:???
保(略

54 :大阪XP ◆HaiBaNe. :2004/01/21(水) 01:48 ID:???
ここはdat落ちしないから保守しなくても大丈夫ですよー

でももうすぐdat落ち機能が付くという噂。

55 :大阪 ◆LNZbyB1zfI :2004/01/23(金) 01:35 ID:???
夜中にな。雨が降るような音で目が覚めてん。ザーッザーッてね。
なんや雨かいな、嫌やな思てたら、何かちゃうねんて気がついたんや。
音が近すぎるねん。目を開けたらな、視界の端を何かが通ったんや。
あれは、人の足やった。暗がりではっきりは見えんかったけど、誰かが
四つん這いで歩いてるねん。わたしすぐ泥棒や思うてな、震えとったんや。
せやけどな、何かおかしいねん。ずっとその音はわたしの布団の周りをまわってるねん。
それでわたし、思い切って正体見たろ思うて目を大きく開いたんや。
するとな、どうも私の周りを廻っているのは足だけやねん。正確に言うと
人の腰から下だけやねん。下半身だけが膝をずりながらザーッザーッて這ってるねん。
わたし固まってしもうてな。そんでもずっと音がし続けるねん。
…ザーッザーッザーッザーッザーッザーッ…
もう気が狂いそうになって「ええかげんにせぇ!」って思わず叫びながら
身体を起こしたんや。
で、そっから記憶ないねん。
布団の周りを這っていたのは人の下半身だけやった。ほならやー、上半身は
どこやったんやろ?なんかわたしな、身体を起こした時にものすごく恐ろしい
ものを見たんやないかと思うけど…。ひょっとして残りの上半身?
ずっと私の上に乗ってた…。
あかん怖いわ…。もう思い出すのやめよう…。ほなさいなら。

56 :名無しさんちゃうねん :2004/01/23(金) 18:41 ID:???
>>55
マジで怖いのは止めてくれ〜!
俺も畳の部屋で寝る人間なんだよう。
想像したらめっちゃ怖いやんか〜。

57 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:03 ID:???
智、神楽、よみの三人は人気の無い雪道をいつものように帰宅していた。
いつもは通らないのだが、今日は智が雪合戦をしたいといって空き地にいったため、この道を通っていた。
「よみ〜また太っただろ!!」
「何を〜〜」
「ほーら、ぷにょんぷにょん!」
そういって、よみの腹をつつく。
「こら〜!」
よみが雪球を投げる。しかし、智は素早くかわし反撃にでた。
ボカッ!ドサッ・・・
智の投げた雪球はよみの顔面に命中、そのままよみは倒れた。
「おいっ!よみ!!大丈夫か!?だいじょ…ぐっ!?」
近寄る智に、よみは立ち上がるや否や、首を片手で締め上げ持ち上げる。
「ぐっ!かふっ…かはぁ…」
「おい!よみ!!止めろ!智が死んじまう!!」
よみの尋常でない行動を神楽が止めようとした、が…
「うわっ!」
よみはもう一方の手で神楽を突き飛ばし、近くの氷柱を手に取り、神楽の腹に突き刺した。!
「かっ…かぐ…」
「に…げろ…」
よみが途切れ途切れの声で智に訴える。
「よみ、一体…?」
「身体の…自由が… もう一人の私が…早く逃げて…」
「もしか…して… 二重人格って…やつか…」
「ああ…智、逃げて…そうじゃないと…」
「ぅ…ぁ…」
智は最後の力を振り絞って氷柱を抜いて、よみに突き刺そうとした。が…
―だめ…それじゃぁよみが死んじゃう。私そんなこと…!!!
ボキィ!
「ぐがっ!」
「智ぉぉぉーーーーーー!!」
よみの力は智の首を絞めるどころか首の骨を砕いてしまった。智の身体は糸の切れたマリオネットのように雪道の上に落ちた…

58 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:04 ID:???
「ふふふふふ…」
よみが気味悪く笑う。もはや彼女はよみの身体だが、精神はよみではない。彼女は氷柱を手に持って、一歩、また一歩、神楽に近づく。
「やっ…やめ…」
「あーなにやっとるん?」
そう言って出てきたのは大阪だ。それを聞いたよみは大阪の方を向き、氷柱を振りかぶる。
「大阪!危ねぇ!!」
「えっ?」
ザクッ…
神楽は最後の力を振り絞って大阪の前に立ちはだかり、自ら大阪の盾となった。氷柱が今度は神楽の胸を貫いた。
「よっ、よみちゃん!何やっとるん!?」
「逃げるんだ…よみは二重…じんか…く…智もやられ…っっ!!!」
そこまでいったとき、神楽の喉を氷柱が貫いていた。
「かっ、神楽ちゃ…いややぁぁ〜〜〜」
大阪はすぐさまその場を走って家まで逃げていった…

59 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:05 ID:???
次の朝、大阪はとぼとぼと学校に向かっていた。
―夢や!あんなの、絶対夢や!!
そうだ、あんなことは夢だ。と思い、警察にも電話はしていない。運がいいのか、悪いのか、家族は全員旅行に出かけている。
学校に行ったらいつものように笑顔で迎えてくれるはずだ…
しかし、そう思いながらも、家中の刃物を全て持ってきているのは、どこかでそう信じていない現われなのだろう。
そして、学校につき、玄関にはいろうとしたという時…
ザッザッザッザッ…
その時、後ろから誰かが歩いてくる音が…
―!!まさか!!!
大阪は準備していた包丁を握る。そして…勇気を振り絞って振り返った。
そこに立っていたのは予想していた人物だった。いつもなら冗談でも言って、一緒に教室に行ったことだろう。
しかし、そこに立っているよみの手にはナイフが…
「いややぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大阪はすぐに部屋においてあった刃物を片っ端からよみに投げつける。
ドスッ!ザシュッ!ガスッ!!
よみの身体に次から次へと包丁やらカッターやらが突き刺さる。が、彼女は一歩一歩近づく。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
全ての刃物を使い切った大阪はよみを突き飛ばし、玄関に飛び込んで、階段を駆け上がり、教室へ…

60 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:05 ID:???
「うわぁ!」
教室に入った瞬間、大阪は床につまずいた。そして、顔に生暖かいものが…
「ちっ、ちよちゃん!!あっ!ゆかり先生!!」
つまずいたのは喉をぱっくりと裂かれたちよの死体…さらにそのそばにはゆかりの生首が…
そして、ベランダには昨日のままの格好で凍り付いている智と神楽…
「いやや!そんな!!」
あたりを見回した。周りは一面血の海。割られた窓の間から吹き込む吹雪で、血は凍り、死体もカチカチである。
「だっ!誰かぁ!誰かぁぁ〜〜!」
大阪は半狂乱になって学校中を駆け回った。
他のクラス、他の学年、教官室…
しかし、どこにも生はなかった。あるのは死体の山。
かおりんも上半身と下半身を真っ二つにされ、にゃも先生は階段から突き落とされたらしく、頭を割られて死んでいた…
「そんな… !!」
その時、よみが来た。体中を刃物に突き刺されながら…ここは倉庫。出口は無い…
「いやっ!よみちゃん!元に戻って!お願いや!!」
大阪は座り込みながら後ずさりをする。
「た…すけ…て…身体が…」
「よみちゃん!がんばって!お願いや…おね…!!」
とうとう、大阪の背中が壁に着いた。
「………」
「よみちゃん!止めて!やめっ…!!」
その時、大阪の喉を熱いものが走った!!


そして、その日の午後…
「午後のニュースをお伝えします。今日、東京都○○区、東高校で生徒、教官、合わせて623人が変死しているのが発見されました。
 犯人は今だ不明です。しかし、女子生徒1名の死体が発見されず行方不明となっており…」

61 :眠い名有り :2004/01/23(金) 23:08 ID:???
さぁ、こんなことが貴方の身にもおこらないとは限らない。
二重人格は誰にでもおこりうる…
次にこんなことになるのは貴方かもしれない…

62 :名無しさんちゃうねん :2004/01/24(土) 07:44 ID:???
>>57-60
残酷な話ではありますが、怖さの演出が出来ていません。
これではむしろギャグになってしまいます。
なぜか?
あずまんがのキャラは普通の人間なので、
人間離れしたアクションなどは不可能です。
(首を片手で締め上げ持ち上げる、ひとりで600人以上殺すなど)
ですから人間ではありえない行動をとらせると
それはギャグにしかならないのです。

むしろオリジナルで超人的なキャラクターを使った方が良いでしょう。
(例えばモンスターが暦の姿だけを真似ているなど)
どんな話でもリアリティがないと興ざめしてしまいます。

63 :眠い名有り :2004/01/24(土) 11:41 ID:???
>>62
あれですよ。ほら、人間は力を100%出せていないって。
だから力を100%使えばそのくらいできるかな〜って…







出直してきます。

64 :名無しさんちゃうねん :2004/01/24(土) 13:29 ID:???
……また藻前か

65 :新大阪駅 ◆oSakaLmHFc :2004/01/24(土) 13:55 ID:???
>>57>>60怖かないがおもしろいのでグッドっぽい

66 :名無しさんちゃうねん :2004/01/25(日) 23:16 ID:???
家で一人勉強していると、携帯が鳴った。智からだった。
昼間のちよちゃんの家でのことを詫びていた。
「…だからさ。ごめんよ、よみ。元気出してくれな。」
「あぁ、いいよ別に。いつものことじゃないか。もう気にしてないよ。」
「そ、そっか…。…?あれ?」
「どした?」
「そっち誰か居るの?」
「いや、一人で勉強していたんだが?」
「え?だってよみ以外の声がするよ?」
「あぁ、ラジオだろ。今聞きながら勉強してるんだよ。」
「え…。でもさぁ。」
「なんだ?」
「その声、『こっち見て、こっち見て』って笑いながら言ってるんだよ…」

〜終〜

67 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 13:23 ID:???
あう…。ちょっと会話が変。修正します。


家で一人勉強していると、携帯が鳴った。智からだった。
昼間のちよちゃんの家でのことを詫びていた。
「…だからさ。ごめんよ、よみ。元気出してくれな。」
「あぁ、いいよ別に。いつものことじゃないか。もう気にしてないよ。」
「そ、そっか…。…?あれ?」
「どした?」
「そっち誰か居るの?」
「いや、一人だが?」
「え?だってよみ以外の声がするよ?」
「あぁ、ラジオだろ。聞きながら勉強してるんだよ。」
「え…。でもさぁ。」
「なんだ?」
「その声、『こっち見て、こっち見て』って笑い声で言ってるんだよ…」

〜終〜

68 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 14:28 ID:???
>>66-67
修正しなくても十分怖いです。
なんか想像したらどんどん怖くなってきた……。

69 :潜む者@ :2004/01/26(月) 19:34 ID:???
学校の帰り道、よみは1人で歩いて帰っていた。腐れ縁の智は、今日は大阪と一緒に駅前へ寄り道をしている。
久しぶりに物思いに耽りながらの静かな帰り道だった。

「なんだかショボくれたおっさんだなぁ」
よみは歩きながら思った。
ショボくれたおっさんというのは、しばらく前からよみの前を歩いている男のことである。
その男は背は高いが猫背気味で、ヨレヨレのスーツを着ていた。全体の雰囲気から中年ぐらいの男に思える。
その後ろ姿は古文担当の木村先生に似ているが、違うのはスーツがつんつるてんなところだ。
ファッションとかのレベルでは無く、サイズが2周りは小さいのではないかというくらいに袖の短いスーツを着ている。
ヤバイおっさんかも知れないと思い、よみは男を追い越さないように気を付けながら歩いた。

どのくらい経っただろうか。男は依然とよみの前をヒョコヒョコ歩いている。どうやら、男の目的地はよみの自宅の方向
のようである。
「こんなおっさん近所にいただろうか?」
よみの記憶では、こんな男に心当たりはない。挙動不審な人間が近所に住んでいれば、近所づきあいが薄れている現代とは
言え、うわさとして耳に入る。が、こんな男については記憶に無い。
「ま、どうでもいいか。」
同年代の男ならまだしも、ショボくれた中年男に興味を持つことが馬鹿馬鹿しくなったよみは、その男についてあれこれ考える
のを止めた。自宅への道の最後の曲がり角を曲がるまでは、完全に関心を無くしていた。

70 :潜む者A :2004/01/26(月) 19:34 ID:???
最後の曲がり角を曲がったとき、よみは信じ難い光景を見た。前方を歩いていた男が突然1軒の家の門扉をすり抜けるように
入って行ったのである。その家はよみの自宅であった。
「な?!あぁん?なんだ、あのおっさん!」
男は門扉脇の呼び鈴を鳴らすでもなく、すっと入っていった。空き巣だろうか?今日は両親の帰りは遅い。留守番はよみの
仕事である。普通の女の子ならここで近所に駆け込むか、携帯で警察を呼ぶかするところだろうが、よみは不審人物との
対決姿勢を高めていた。自宅の門扉まで走り、用心しながらも中に入る。時間的にも男はまだ家には入っていないはずだ。
表には人影は無かった。よみは庭に練習用に置いてある父親の安物のゴルフクラブを手に取ると、家の裏に回った。
しかし、人影はなかった。その後、家の周囲を何回か回ったが、不審な人物を見つけることは出来なかった。
「おっかしーなー。確かに入ったのを見たのに…」
よみはこの出来事の合理的に処理しようとし、自分が裏に回っている内に外に出ていったとストーリーで納得することにした。
ポケットから鍵を出すと鍵穴に差し込み捻る。カチャっという音と共に鍵が解除された。玄関は鍵が掛かっているのである。
中に入られたということは無いだろう。そう思ってよみは靴を脱ぎ、家に上がった。

バタン!!

戸が閉まる大きな音がした。突然の物音に、よみは思わず固まった。音のした方を見ると父親の書斎の方だった。
「な、中に入ってやがったのか?」
よみは玄関の傘立てに挿してある木刀を手に取ると、恐る恐る父親の書斎へ行った。勢いよくドアを開け木刀を構える。
が、何も気配はない。書斎を見回すが、人影はない。机の下も見たが何も居なかった。人が隠れられそうなところは
無かった。父親のクローゼットを除けば…。

71 :潜む者B :2004/01/26(月) 19:35 ID:???
父親のクローゼットは大きい。紳士服を入れるものだからそれは当然だろう。人間2人くらいは隠れることが出来そうだ。
よみは開けたらすぐ離れて何が飛び出しても木刀で打ち据える事が出来るよう、頭の中でシュミレーションを繰り返しながら
心の準備をした。覚悟が出来たところで、思い切ってクローゼットを開き、すぐさま木刀を上段に構えた。
しかし、何も居なかった。ただ、父親の紳士服やコート、Yシャツがいくつも下がっているだけであった。木刀の先でつついてみたが
服の陰に誰かが隠れている様子もなかった。
「わかわからん…。疲れてるのかな…」
ドアの閉まる音は空耳だったかも知れない。いや、空耳だったんだ。よみは自分にそう言い聞かせながら、クローゼットの戸を閉めた。
そして、ふとクローゼットの戸を見たときに、よみは眼鏡がずり落ちそうになった。
クローゼットの戸の下から、スーツの裾がはみ出していた。さっき開けたときはスーツは全て突っ張り棒に掛かっており、戸の下から
裾がはみ出るようなスーツは無かったはずだ。誰かがそこでスーツを着たまましゃがんでいるのでなければ…。
よみが見ている前で、はみ出したスーツの裾は、ズッズッと中に引っ込んでいった。

よみはゆっくり踵を返すと書斎を出、靴を履き、木刀を傘立てに戻し、外に出た。玄関の鍵を掛けると、隣の智の家へ向かった。
ちょうど智は帰ってきていたので、部屋に上がらせて貰った。そしてそのまま両親が帰ってくるまでよみは智の部屋に居座った。
智は相変わらずの馬鹿話でよみをからかったりしていたが、この時ばかりは智の馬鹿話も、よみにとっては救いになった。

(終)

72 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 20:03 ID:ez-SomWfG7c
>>69-71
読者が気になるところをあえて伏せておくのが
良いですね。
気になって夜も眠れそうにありません。

73 :名無しさんちゃうねん :2004/01/26(月) 22:49 ID:???
俺なら放火して自宅ごとオッサンを燃やしちまうな……

74 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/26(月) 23:35 ID:???
ども。66と67、69-71を書いた者です。

>>72
お褒めに預かり恐縮です。ありがとうございます。
本当に怖い怪談というものは、やはり、聞き手の想像力を煽るような話だと思います。
敢えて正体をボカす。真相は明らかにしない。これが原則だと思ってます。

>>73
燃える相手なら、ね…。

75 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:09 ID:???
「記念写真1」

2学期が始まって…。ある日の昼休み。
「お〜い。夏の別荘の写真出来たぞー」
「わー。智ちゃんありがとう」
「はい、これ大阪の分ね」
「智ちゃん、おおきにー」
「これちよちゃんの」
「ありがとうございます」
「これは〜っと、よみ」
「サンキュッ」
「神楽はこれ」
「おっ。サンキュー」
「榊ちゃんはこれ」
「…ありがとう」
「去年は榊ちゃんの後ろに怖いものが写ってたやんか〜。今年はどうやろな?」
「え…」」
「今年は、あたしもよく見たけどさー。残念ながら無かったよん」
「そっか〜。残念やな〜」
「…よかった…」
「…ん?何か変やな…。ん?」
「どした?大阪」
「ん。何でもあらへん。何でもあらへんよ」

76 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:09 ID:???
「記念写真2」

下校時。
「あんな〜みんな。私あれからずっと写真見てたんやけどな〜」
「大阪…。おまえ授業中珍しく起きてると思ったら、そんなことしてたのか」
「ん〜。昼休みにパ〜と写真を見てた時に、ちょっと引っかかる写真があったんやわ〜
 で、どうしても気になってしもて」
「え?なになに。心霊写真見つけたの?」
「う〜ん。それがよくわからへんねん」
「わからん…ってどういうことだよ」
「この写真なんやけど」
「帰りに撮った集合写真じゃん。これがどうかしたのか?」
「わからんかな〜?よく見てみ」
「誰のものでもない手とか足でも写ってたのかな?」
「じゃあしらみつぶしにチェックしてみようぜ」
「あ〜。そーやなくてー」
「言うな言うな。大阪に分かって私に分からんのは悔しい。まだ言うなよ」
「まずよみの周り!…特に何も無いな〜」
「智の周り…も別に写ってないな…」
「最有力の榊ちゃんの周り…もないね」
「大阪の周り…もない」
「私の周りもないですねー」
「あたしも無いよ」
「にゃもちゃんも…ないね」
「ゆかり先生…もないな」
「ん〜?何か他にも写ってるか?」
「……。あ…!(ブルブルブル)」
「あ〜榊ちゃんは気付いたようやな」
「え?榊さんも?え〜何だろ…。…!あ、あ、あぁ…」
「え?何だよ?おまえら3人何怖がってんだよ。この写真の何がおかしいんだよ?」

「よみさん…。この写真。全員が写ってますよね…」
「あぁ。全員が写ってるよ。それがどうかした…。!!」
「気付きましたか。この写真…一体誰が撮ったんでしょう?」
「た、確かにゃも先生が、自分は他所のクラスだからって、撮ってくれた覚えが…」
「じゃ、じゃぁ…ここに写ってるにゃも先生って一体…?」

-終-

77 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:57 ID:???
赤い女 其の1

「あんな〜。私、最近気になることがあるねん」
と大阪が窓枠に腰掛けながらそう言った。

薄曇の、今にも雨が降りそうな日曜の午後。ちよ、暦、智、榊、神楽、大阪の6人は
珍しく大阪の自宅へ集まって過ごしていた。
智が突発的に立てた企画「あなたのお部屋に訪問」で集まることになったのだ。
もちろん目的などはない。集まってお菓子をつまみながら話をしていた。
話のネタが尽き、6人が6人とも思い思いに過ごしている時、大阪が切り出したのだ。

「な〜に〜。ちょっとお姉さんに話してみ」
「また、大阪の気になる話か。まぁいいや、ちょうど退屈してたところだ。で、何が気になるの」
「私な。東京へ越してきてもう2年経つやんか」
「そうですね。もう2年になるんですね」
「越してきたばかりの頃はな、こうして窓から外を眺めてな、大阪と東京の違いってなんなん
 やろ?って考えてたんやわ」
「ふ〜ん。それで?」
「で、いつの間にやら窓の外を眺めるゆうんが私の習慣になってしもたんや」
「?あぁ。そうなの。で?」
「最近は、町並みよりも、この窓の下に見える細い路地を眺めてるんや。ネコとかも通るんやで」
「…ネコさんの集まる路…」
「ん。ネコも多いけど、たまに人も通るんや」
「そ、そりゃぁ通るだろ」
「でな、最近気付いたんやけど。ちょうど今日みたいな曇りの日で、雨が降り始めるとこの通りを
 同じ人が通るねん」
「ふ〜ん」
「その人、全身赤で統一した服装でな。スカートはいてたから女の人やと思うんやけど」
「それはまた派手だな」
「いつも広い通りの方から、この細い通りの方へ、あっちからそっちへ歩いていくねん」
「…それで?」
「30分ぐらいするとな。また、通りのほうから同じ格好をした人があっちからそっちへ歩いてくねん」
「ふーん。このへんをぐるぐる散歩してるんかね?」
「多い時は1時間に3回くらい見かけるねん」

78 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/27(火) 01:57 ID:???
赤い女 其の2

「か〜っ。大阪〜。おまえずっと見てたのかよ。そんなのよく眺めてられるな。暇な奴〜」
「何を話したかったのかよく分かりませんでしたが、変わった人もいるんですね」
「大阪も変わってるよ!」
5人は大阪の話を、いつものわけの分からない話として流した。
空が暗くなってきて、ポツポツと雨が降り始めた。
部屋が薄暗くなったが、部屋の主である大阪は明かりを点けようとしない。

「あんな…」
「あん?まだ続きがあるのか?」
「この通りな…。ちょっと行くと袋小路やねん」
「?」
「高い塀に囲まれて行き止まりやねん」
雨の降りがやや強くなり、窓の外からサーーッという音がした。
「この先、行き止まりなのに、あの赤い服を着た女の人、何度も何度も広い通りから、行き止まりの
 細い通りに入ってくるねん」
部屋は次第に暗さを増してくる。
「ずっと見ててもな…逆に広い通りに出て行くのは見てないねん」
部屋の空気が粘り気を帯びたように重くなってきた。
「あの人、どうやって行き止まりの道から広い通りに戻ってるんやろな?」
薄明るい窓を背景に、大阪のシルエットが浮かび上がっている。みな、大阪から目を離せなくなっている。
沈黙の中、サーーッという雨の音のみが響いている。
「あの女の人、何のために行き止まりの道へ何度も入って行くんやろな」
暗い大阪の影の中、話を続ける大阪の白い歯だけが浮かび上がっている。
「な?不思議やろ?」
雨足は少しずつ強くなって行った。
「そろそろ…。来そうやな…」
大阪が口の端を吊り上げながら笑ったように見えた。

(終)

79 :名無しさんちゃうねん :2004/01/27(火) 07:10 ID:???
>>75-76は怪談のポイントはきっちり押さえてあるものの、
お話自体は無難なものだと思います。
しかし>>77-78は本当に怖い。
赤い服、雨、袋小路などの恐怖を連想させるキーワードの使い方や
謎が謎のまま残る歯切れの悪さなどが実に巧みです。
大阪の謎の笑みが短編の締めくくりにピタリとはまっていますね。

80 :名無しさんちゃうねん :2004/01/27(火) 12:13 ID:???
「それにしても榊ちゃんが あたしの家に来てくれたなんてびっくりやった〜」
「ん?なに?大阪の家に榊ちゃん来たの?」
「せやで〜 あたしがともちゃんから借りたビデオを見てたらな〜」
「うんうん」
「なんや井戸みたいなのんが写ってて…」
(私そんなビデオ貸したっけ……?)
「その井戸から髪の長い女の人がでてきてん そうしたらTV画面から這い出てきたんや〜」
「……へ?」
「それでな?はじめは誰かわからへんかったんやけど……
 髪が長い知り合いいうたら榊ちゃんやーってピンときたんや〜」
「……それでどうしたんだ?」
「とりあえず座ってもらってー ジュースとお菓子をだしてあげた〜
 そうしたら爪が剥がれてたみたいやから…… 手当てしてあげてー
 あと 少し汚かったからお風呂に入れてあげたで〜」
「ふ、ふーん……それでどうしたんだ……?」
「そうしたらなー?榊ちゃんが妙に低い声で…」

『……………もういいよ…』

「って言ってTVの中に帰ってしもた〜」
「………あんた……すごいな… ついでにそれ榊ちゃん違うと思うぞ?」
「あーやっぱりなー…… 榊ちゃん前髪あんな長くしてへんもんな〜」
「目の付け所が………ちょっと違う」

81 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 01:09 ID:???
>>79
ん〜。ご指摘の通り、「記念写真」はオーソドックスな怪談話です。
あずまんがのキャラたちに当てはめて書いてみましたが、
もうちょっとシンプルに書いたほうが良かったかな?
「赤い女」は、むか〜しラジオか何かで聞いた話を、うろ覚えで
思い起こして書きました。元の話はオチがあったような気がするんですが
忘れてしまいましたので。

82 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:01 ID:???
よみの不合格のわけ

よみはホテルの一室で、赤本のチェックに余念が無かった。
時刻はすでに夜中の11時を廻っている。

よみが滑り止めのつもりで選んだ大学は、朝イチで行くには少しばかり遠かった。
そのため、今回に限り、大学近辺のホテルに一泊することになった。
宿泊先として選んだホテルは、この時期になると受験生向けに営業展開をしている
ごく一般的なビジネスホテルだった。部屋の中にはベッドとちょっと仕事が出来る程度の机、
ユニットバス一式が揃っており、更によみが予約したホテルの部屋はユニットバスの前に大き
な姿見が掛けてあるので、チェックアウト前に身だしなみを整えられるようになっている。

「ん〜〜〜っ。もう11時半か。明日に備えてそろそろ寝るか」
よみは明日の準備を整えた後、伸びをすると軽くストレッチをした。そして、ベッドに潜り込ん
で、枕元のスイッチを切って部屋の明かりを全て消した。
よみは真っ暗でないと眠れない性質なのだ。

83 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:02 ID:???
よみの不合格のわけ 其の2

…ピチョン、…ピチョン、…ピチョン…
水が滴るような音で、よみは目が覚めた。枕もとの携帯電話を見ると午前2時を差していた。
「あれ?蛇口の栓、ちゃんと締めて無かったかな…」
よみはふとんを出るとメガネをかけ、明かりも点けずにそのままスタスタとユニットバスの戸の
前に立った。
…ピチョン、…ピチョン、…ピチョン…
音は中から聞こえてくる。戸の側のスイッチを入れて戸を開けると、ユニットバスの蛇口から
水滴が滴っていた。栓をきつく締めたが、水滴は止まらない。しばし蛇口付近を眺めていた
よみは、シャワーと蛇口を切り替えるレバーを強く蛇口側にひねってみた。
果たして、蛇口からは勢いよく水が出、すぐに止まった。シャワーのホースに溜まっていた
水が原因のようだった。原因が分かったのにホッとし、また原因を見事突き止めた自分に
「冴えてる冴えてる。今日の試験は大丈夫だ」などと嬉しくなり、よみは意気揚々とユニットバス
から出た。
戸を閉め、スイッチを切り、ベッドに向かう。途中、姿見に映った自分が目に入った。
姿見はよみの全身をはっきりと映し出していた。よみはまっすぐ立ってみたり、
ちょっとポーズをとってみたりした。
「勉強に根を詰めてたからな。少しはダイエットになったかな」
腰に手を当てたりして入念にチェックする。一通り気の済むまでチェックしたが、
こんなことしてる場合じゃないと気付き、そそくさとベッドに潜った。

84 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 02:05 ID:???
よみの不合格のわけ 其の3

「ん?」
何かがよみの心に引っかかった。しばらく天井を眺めていたよみは、急激に自分の心に不安な
気持ちが膨れ上がるのを感じた。
何かがおかしい。
よみは上体を起こした。そして目を凝らしながら部屋を見回した。
真っ暗である。
多少、カーテンの隙間から漏れる夜明かりで朧気に室内の様子は分かる程度である。
ベッドから姿見の位置は見えるが、姿見は黒い四角い板にしか見えない。

なぜ、あの暗闇の中で、自分は姿見にはっきりと映っていたのか。パジャマの柄までもはっきりと
映っていたのか。部屋は真っ暗だったのに…。

よみはふとんを頭まで被った。
必死で眠ろうとしたが、鏡の件を合理的に納得できず、なかなか寝付けなかった。

試験の結果は無残だった。
以来、よみは明かりを点けたまま寝るようになった。

(終)

85 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 08:11 ID:???
>>80
怖い話のあとに読むとホッとするような話ですね。
大阪らしさがよく出てます。

>>81
元ネタの方にはオチがあったのですか……。
でも>>77-78のほうが完成度は高いと思いますね。

>>82-84
少し話の流れが苦しいですね。
映らないはずのものが映っていた、というのが伝わりにくいせいでしょうか。
読者を誘導するような仕掛けがあると良いでしょう。

86 :名無しさんちゃうねん :2004/01/28(水) 12:58 ID:???
いや、ここ最近の全部素晴らしいと思う。
つーか、何だこのスレ!?
レベル高過ぎ

87 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 14:57 ID:???
>>85
う〜ん。苦しかったですか。
読み返してみると確かにそうかも…。
元ネタは先輩に聞いた話で、サラリーマンが主人公でした。
真っ暗闇の中で見えるはずのない自分の身だしなみを整えて
寝るときにその異常さにハっと気づくという話です。

もうちっとよく推敲してみますね。
厳しい意見ですが、参考になりました。

88 :85 :2004/01/28(水) 16:27 ID:???
>>87
苦しい、というのはあくまで怪談としての部分ですから……。
あまり気にしないでください。
それよりも暦の裏話としての部分が良く書けていると思います。

89 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/28(水) 23:46 ID:???
全然怖くないですが…

「花粉症」

花粉症の季節がやってきた。
症状が目に来る人も大変だが、鼻に来る人も大変だ。
よみは鼻に来る方で、日中は薬で抑えているが、
家に帰ればティッシュ箱を抱えて過ごしている。

ある休日、その日も鼻水が止まらないよみは
ティッシュを傍に置きながら自室で本を読んでいた。
さっき新品を開けたばかりのティッシュは、もう残り
わずかしかない。
何回かかんでいたらラスト一枚になってしまった。

紙を引っ張ると抵抗があった。おかしいと思いながらも
強引に引っ張ったら難なくとれた。
が、次の瞬間箱から白い手がすっと伸びティッシュをつかんだ。
呆気にとられるよみをよそに、その白い手は箱に引っ込んでいった。

ち〜ん……。……へーちょ…。
箱からくしゃみが聴こえた気がした。

〜終〜

90 :伯爵 :2004/01/29(木) 12:03 ID:???
こう言うのは好きですw

91 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 18:05 ID:???
>>82->>84

おい!
これ読んだら、夜暗がりで鏡が視界に入るのが
怖くなっちまったじゃねーかよ…
どうしてくれるの〜?!

92 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 19:20 ID:???
>>91
スレの素人

93 :名無しさんちゃうねん :2004/01/29(木) 21:40 ID:???
>>92
レスじゃぁ・・・

94 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/30(金) 02:16 ID:???
「覗き」

学校で天文部に入っているかおりんは、自宅にも自分の天体望遠鏡を持っている。
学校に入って間もなく父親から贈られたものだ。
星が見える夜は天体観測をするのが日課になっているかおりんだが、最近は覘きというよからぬことも
日課にしていた。

きっかけはちょっとした好奇心だった。
「榊さんの家は遠いけど、ひょっとして窓から見えるのかな」
天体を眺めるのと、クラスメイトの榊へ一方的に憧れることは似ているのだろう。
かおりんの自宅は町ではやや高台にあり、町内を一望できる。
かおりんはすぐさま、クラス名簿の住所と地図を照らし合わせ、それを窓からの風景に置き換え、
という窓の景色から榊の家を特定する作業に没頭し始めた。まるでいつも星を探す時のように…。

その時は結局、榊の家がかおりんの自室からでは窓の中が見えない角度であることが分かり、
目的は達成できなかったが、かおりんはそれ以来、他所様のプライベートを覗き見る面白さという
ものを知ってしまった。

その日も一通りの天体観測を済ませた後、天体望遠鏡を自室に持ち帰って窓際にセットし、明かりを
消して覗き見を始めた。
「今日はどのへんを見ようかしら…」
望遠鏡には次々と、他人の生活風景が飛び込んで来る。
テレビを見てくつろいでいる人、風呂上りのおっさん、机に向かって勉強している様子、etc...。
他愛もない風景だが、それが面白い。
「あら?榊さんそっくり…」
あるコーポの窓を覘くと、こちらに背を向けてソファーに座り、テレビを見ているらしい女性が見えた。
髪が長く、様子から見て背も高そうに見えたので榊さんそっくりだと思い込んだのだ。
「どんな人なんだろう…。こっち向かないかしら。」
ドキドキと期待しながら、しばらく様子を見ていた。しかし、その女の人に動きは無かった。というより
微動だにしない。たいてい、途中で姿勢を変えたりするのだが、そういう様子はない。
「あれ?テレビを見ているんじゃないのかな…」
かおりんはしばらく見ていて気付いたが、その女の人の前にあるテレビらしきモノは画面が真っ暗だった。

95 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/30(金) 02:19 ID:???
「覘き」其の2
何分ぐらい眺めていただろうか。女の人は相変わらずソファーに座ったまま微動だにしない。
一向に動かない女の人に、かおりんもさすがに興味を失った。
しかし、もう止めようと思った頃、女の人が突然立ち上がった。そして直後その部屋の明かりが消えた。
消える寸前女の人がこちらを振り返ったように見えた。

急に室内が寒くなった。夏だというのに鳥肌が立ってくる。
同時に何か腐敗したような匂いも漂ってきた。
背後に何かの気配を感じたのと、かおりんの両肩に突然手が置かれたのはほぼ同時だった。
ぞっとするほど冷たい手だった。かおりんは思わず小さな悲鳴を上げて固まってしまう。
「覘いちゃ…ダ・メ・ヨ」
ややくぐもっているが若い女の人のような声がかおりんの頭上から聞こえた。
「でもそんなに私が見たいなら…。見せてあげる…」
手が肩を掴み、かおりんを後ろに向けさせようとする。
(見たらヤバい。絶対にヤバい)
かおりんは足を踏ん張って振り向くまいと必死で抵抗た。しかし肩を掴む手の力は強く
徐々に徐々に振り向かされる。それでもせめて首だけとも、顔を必死で背ける。
突然視界が暗闇に覆われた。暗闇の正体が長い髪の毛に覆われたことによるものと気付くのに
しばし時間を要した。突然視界を遮られ、かおりんは恐慌に陥った。
頭上から小さな柔らかいものがポロポロ落ちてくる。それは首筋などに容赦なく進入してくる。
てに落ちてきたものを見るとウジだった。ウジに驚いた瞬間、かおりんは頭を掴まれ
上を向けさせられた。

ガン!ドターン!!バタッ!ドドドドドッ

かおりんの両親が居間でくつろいでいると、階段から転げ落ちるように娘が駆け下りてきた。
顔は青ざめ、目は大きく見開き、口は何かを言おうとしているが声にならない様子で、荒い息をしながら
階段前の廊下に倒れていた。娘のただならぬ様子に、父親が用心しながら2階を見回ったが特に何も無かった。
両親が事情を聞こうとしても、かおりんは「きょ、今日は下で寝させて…」というだけで何も分からない。
結局何があったのか両親は聞きだせず、とりあえず娘を1階で休ませることになった。

これを機にかおりんは覗きをきっぱりと止めた。
あのコーポの例の部屋は、昼間に通ると空き室となっていた。
おそらくは何かあったんだろう。
しかしそれを調べてみるよりは、あの時のなにもかもを忘れてしまいたい
かおりんだった。特にあの時上を向いて見てしまったものについては…

(終)

96 :PASCO ◆LNZbyB1zfI :2004/01/30(金) 02:24 ID:???
予告

次に怖い目に合うのは、にゃも。

97 :伯爵 :2004/01/30(金) 02:38 ID:???
 かおりんっぽいひどい目の会い方ですなw
 思わず対抗意識が芽生えてしまうじゃないですか(←子供)
 では、私も今晩中に一つ。

98 :『一つ目』 :2004/01/30(金) 05:40 ID:???
 目を閉じて深い闇の中に落ちていく。
 深く息を吸って四つ数えて、気管を締めないで一秒
息を止めてゆっくりはきながらまた四つ。意識の区切
り呼吸の区切りをしてしまわないように気を付けて。
そうしておいて闇の中に投射する。力の赤い三角形、
知恵の黄色い四角形。
 夜の闇の中で智の胸元が深い呼吸に上下した。
 魔法使いになる本。
 智がそんな題名の本を見つけたのは、学校の図
書室の単行本コーナーだった。古い書棚の一角に
ひっそりと置かれたその本は陳腐な題名とは裏腹に、
表紙のデザインがかなりこっており、中身も緻密な
銅版画が大部分をしめる興味深い本だった。
「魔法使いになる方法、か」
 図書室から借りて読んでみようと思ったのは興味と、
ありえないとは思いつつも願望があった結果である。
 魔法使いになれるかもしれない。
 一読して理解が難しく、それでも自分なりの儀式が
出来るようになったのはつい最近のことである。
 と言っても本に書いてあるとおりではなく、(罪人
の左腕とか刑場の土なんてどうすればいいのだ! )適
当にアレンジしたものだ。
 特殊な呼吸と瞑想を真っ暗な部屋の中で横になって行なう。
細かな部分をかなり省いたが、これでも十分効果があるはずだ。
現に魔術の象徴の図形を暗闇の中に描き出すことが出来るよう
になった。
「これさえ出来るようになればもうあっという間だって書いてあったな♪」
 このイメージを暗闇の中に投影していけば遥か異世界への扉が
開かれるという。魔法使いになるためにはそこで力を手に入れな
くてはならないのだ。
「ヨッド・ヘー・バウ・ヘー」
 暗闇に智の声が溶ける。 ふわりと体が浮いた。

99 :『一つ目』 :2004/01/30(金) 05:47 ID:???
 浮いたのはイメージの身体だ。
 世界が後ろに飛び去っていく。
 闇の向こう側白い点が見える。
 白い点は地平線へと変わって。
 智はくるくると宙を舞い上り。
 その彼方のなる闇へまた闇と。

 吸い込まれていく闇の果てはぐんぐん迫ってきて。
 その闇が瞼を開いた。
 闇と目が合った。
 目に吸い込まれる前に、目が覚める。
 手にはべっそりと汗をかいていた。

「そんなことがあったんだよー」
 ちよちゃんの別荘で智がこの話をしたのは、怪談話を
せがむ大阪に答えての事。しかし、智がこの話を二度と
しなかったのは、自己の体験に比べて皆がそれほど怖がって
くれなかったからではない。

 その日同じものをみてしまったからだ。
 

100 :名無しさんちゃうねん :2004/01/30(金) 12:55 ID:???
>>99
ごめん…。どこらへんが怖いのかよく分からない。
闇=大阪の目だったってこと?

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