世の中のすべての萌えるを。

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あずまんがSSを発表するスレッド パート4!!

1 :あずまんが王子 ◆N1Y4rpky/o :2005/05/14(土) 00:04 ID:???
前スレのリンクです。
あずまんがSSを発表するスレッド パート3

http://so.la/test/read.cgi/oosaka/1081700484/

暴力・猟奇・グロなど読み手を選ぶ内容のSSは以下のスレッドに投下する点は前スレと同じです。

グロまんが大王
http://www.moebbs.com/test/read.cgi/oosaka/1081698529/

新しいスレでも、またがんばりましょう。

262 :眠名有 :2005/12/04(日) 20:17 ID:Ai/cX5oI
さーて、予告どおり続きの投下じゃー

263 :キトクの智 :2005/12/04(日) 20:17 ID:Ai/cX5oI
「大丈夫だよお譲ちゃん。人間、肺炎くらいじゃ死なないよ」
「「「へ!?」」」
流石にこれの答えには全員が素っ頓狂な声を上げた。
肺炎!?
智は肺がんで危篤のはずである。
「あの、だってともちゃん『キトク』って……」
それを聞いて、その医者が突然笑い出した。
「はっ、あははははは」
「え、ええ?」
突然のことに動揺する三人。
「貴方たちもですか。まぁうちの病院では良くあることらしいですけど……
 私がこういうのに遭遇したのは初めてなもんで」
「私も、ちょっと気になっていたんだ」
どうやら榊も少し気になっていた節があるようだ。
「ここの病院の名前って……」
榊に言われ、ちよと暦が医者の胸の刺繍に視線をやる。
「「ああ――――――――っ!!!!」」
そこには緑色の糸でこう縫われていた。



『木徳病院』

264 :キトクの智 :2005/12/04(日) 20:18 ID:Ai/cX5oI
「私が?肺がんで危篤!?んなわけねーに決まってるじゃん!あはははははは」
「あははははは〜〜〜 そうやったんかぁ。どおりで妙にあせっとるおもったけど」
「やべぇ、腹痛ぇよ〜〜」
病室にも聞こえたらしく、三人が入った瞬間もう大爆笑である。
まさかボンクラーズにこうも笑われることがあるとは思っても見なかった。
「ほ、本当に心配したんですからっ!」
「っくそぉ。今ほど恥ずかしい思いはしたことねぇぞ」
「けど、こうなって本当に良かった。」
まったくもってその通りだ。
ギャグとして済んでめでたしめでたしである。
「で、大阪さんと神楽さんはさっきなんで泣いてたんですか?」
確かに。
事情を知っている二人があんなグシャグシャの顔をしていなければ、すぐに誤解が解けたはずだ。
「それはだな」
「これやー」
大阪が背後から取り出したのは…… シャキッとした歯ごたえが美味しそうなタマネギサラダだ。
「大阪がさぁ、家で作ってくればいいのにこっちで作るんだって言うからさぁ」
「せや、これは切り立てのシャキッと感が大切なんや」
どうやらそれが大阪のこだわりらしい。
「まぁ火使わないからいいけど、私の頭の側で切るもんだからこっちも目が痛いのなんの」
なるほど、三人が泣いていたのはこれが原因というわけである。
結局、こういうオチになってしまった。
「ったく、どうしてこういうのでも心配してバカ見るかなぁ……」
本当に智がいなくなるという事を真剣に受け止めようとしていた暦は嬉しいやらアホくさいやらだ。
「普段野菜食べへんからなー、ともちゃんの血がドロドロ血や思うて作ったんや。タマネギは血をサラサラにするねんで」
確かに。智は鍋などでも肉ばかりしか食べなさそうだ。
「あの、ところで電話の時はなんていってたんですか?」
そう。もう一つの誤解の原因である。
「あー、あれなぁ。えーっと……」
はて、何と言ったかと大阪は頭の整理をしていく。
答えが出るのには数秒かかった。
「『ともちゃんが肺が肺炎になってもーて今木徳病院やねん』て言ったんや」
「『前に前進する』とか『馬から落馬する』とかならばまだわかるが……」
この大ボケには、流石のよみも突っ込む気がうせた。
大体「が」を連続して使用すること自体、日本語としておかしい。
普段なら訂正が聞くものの、今回は本当に洒落になって…… 否、洒落になってしまったか。

265 :キトクの智 :2005/12/04(日) 20:19 ID:Ai/cX5oI
「これで良かったじゃないですか」
「まぁな」
これでよかったのだ。
智は死なないし、悲しみなんてものも無い。
どんなにバカにされたって、悪戯されたって、こうして全て笑って終わればそれでいい。
帰る途中で、暦は泣いたり心配したりして疲れた分という理由をこじつけてタイヤキを買った。
また智に何か言われるかもしれないが、それでもいい。
どうせ笑って終わらせれるから。

266 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/12/04(日) 22:36 ID:???
>>263-265
やられた・・・
見事に騙されました。
お疲れ様です。

267 :名無しさんちゃうねん :2005/12/05(月) 01:52 ID:???
>>263-265
うわ、すごいですね。
こういうとき電話の「…」の部分はオチが隠されてるものだけど今回は騙されましたよ。

268 :あさひわ ◆UCHU/Xh/xE :2005/12/15(木) 18:46 ID:???
>>257-265
逆手に取ったネタや良し

269 :眠名有 :2005/12/23(金) 20:05 ID:3MYyrnCE
皆さん、感想ありがとうございます。
死ぬようなSSばっかり書いていたので、引っ掛けてみようとやってみました。
初めての挑戦でしたが、好評でよかったです。

さて、次を投下します。。

270 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/23(金) 20:06 ID:3MYyrnCE
 神楽…… あの、その……

 ?

 き、君の事が好きなんだ。

 何言ってるんだ?そんなの当たり前じゃないか。

 いや、友達としてじゃなくて、恋愛対象として……

 えぇっ!?

 変だよな。女の子同士でこんなこと。

 あの、その……

 ごめん。私、どうかしてた。今のは忘れ―――

 いいよ。

 え?

 別に榊のこと嫌いじゃねーし、愛せるかどうかは付き合ってみなきゃわかんねぇよ。

 本当に、本当にいいのか?

 ったく、今言ったじゃねーかよ。

 ――っ。神楽ぁ……!

 おいおい泣くなよ。お前らしくもねえぞ。

271 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/23(金) 20:07 ID:3MYyrnCE
早いなぁ。
あれからもう一年半も経つのか。
昼休み。屋上で寝そべってた私は、青空を見上げながらあの時のことを思い出していた。
我ながら、何でその場でOKできたのかわからない。
けど、榊と一緒になって本当のあいつを知ることができた。
それまでは無口で無愛想。それでいて成績もスポーツも抜群で、単にライバルとしてかっこいいと思ってた。
だけど、本当はやさしくてかわいいものが好き。
今思うと、あいつを無視してマウンテンバイクの話をしていたのが恥ずかしいな。
あいつにそんな趣味は無い。
でも、私の話を聞いてくれた。
何であんなに真剣に聞いてくれたのか、聞いたことがあった。
答えは「神楽とお喋りするなら、どんな話でもいい」だった。
いつもあいつは私を優先して、気を配ってくれている。
友人やライバルとしてではなく、恋人としてあいつを見るようになって、いつの間にか、あいつといる時が一番の幸せになっていた。
「はぁ……」
でも、それも今日でお別れだ。
今日は卒業式―――皆が離れ離れになってしまう日だった。
ちよちゃんはアメリカに。
ともと大阪は同じ大学、
私とよみは同じ大学にいくメンバーはいないけど、大学はともや大阪のと近い。
けど、榊は……

272 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/23(金) 20:08 ID:3MYyrnCE
 神楽。私、本命が受かったんだ。

 マジかよ!やったな、榊!!

 うん……

 どうしたんだよ?うかない顔して。

 それが、北海道大学なんだ。まさか、受かるとは思ってなくて、半分記念受験で……

 …… 遠いな。

 神楽とも、離れ離れに……

 そうだな。

 蹴ろうかな。この大学。

 な、何言ってるんだよ!せっかく受かったんだろ!?

 私は、この高校に来るまで友達と呼べるような友達を持ったことがなかった。
 初めてがちよちゃんや智だったんだ。
 そして、友達を超えて親友になったのも、それをも超えて恋人になったのも、君が始めてだ。

 …………

 私が何を心の支えにしてきたと思う?
 胸を張って「神楽の恋人です」て言えるようになりたい。
 その気持ちと、神楽と一緒にいる時間。
 それが心の支えになっていたんだ。

 それと大学と何の関係があるんだよ?別に別れるわけでもあるまいし。

 神楽……

 なんだよ。

 君は強いな。

 ?

 私は弱い。君がいないとダメになってしまいそうだ。

 え?

273 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/23(金) 20:08 ID:3MYyrnCE

 私、無口だろ?
 だから、誰にも話せないで、一人で悩んで……
 それなのに、何でかわからないけど、君には全て言えた。
 いや、こっちから言いたくなった。
 いつも私の悩みや相談を聞いてくれて、慰めて、癒してくれた。

 そ、そうなのか?

 もう、神楽無しじゃ生きていけない気がするんだ。
 北海道で暮らし始めたら、私は誰と顔を向けて話せばいいんだ?
 手紙やメールでも、君には会えない。
 遠く離れた人になったという虚しさが増すだけだ。

 …………

 バカなのかもしれない。
 神楽と別れるというわけでもないのに、自分の夢を捨てるのは。
 理性ではわかっている。けど、感情がそれを許さない。
 君と会えなくなるのが怖い。

 お前、そこまで……

 神楽。いつも君は、私をリードしてくれた。
 学校でも、お喋りの時も、デートの時も。
 そして、私が悩んだときも……

 榊……
 
 この前の大学だって、あそこほどではないけど良い所だし、神楽の大学とも近い。
 頼む、今回も私を導いてくれ。
 君の選択で間違ったことは無い。

 …………私は、
 私は榊が正しいと信じる方をやるしかないと思う。
 私だって、榊と離れ離れになるのは辛い。
 だけど、そんなことで人生振っちゃいけないと思うんだ。
 でも、もし私がいないことが、榊を潰してしまう。
 それだけは嫌だ。
 だから、榊の決断に任せる。

 …………

 こ、これじゃぁ導いたことになってないよな。けど……

 ううん。今回も導いてくれたよ。
 まだ、入学金の振込みまで時間がある。だから、その間一人で考えてみる。
 ありがとう、神楽。

274 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/23(金) 20:10 ID:3MYyrnCE
私は、それから榊とあまり喋らないようにした。
榊の決断に干渉しないように。
確か、あいつの入金て明日だっけ?
結局答えはどうなったんだろう。
カチャ
屋上の扉が開いた。
「あんた、こんなとこで何やってんの?」
かおりんだ。
「別に。ちょっと考え事。これからのこととか」
「へぇー」
何だろ。かおりん、どこか幸せそうだ。
妙にウキウキしてる。
「どうした?何か嬉しいことでもあったのか?」
「へっへー。実は、北海道大学の獣医学科。合格しちゃった!」
「!!それって」
「まさか、繰り上げで合格できるなんて夢にも思わなかった。ああ、神様。私を見捨てなかったんですね……」
それからも「ああ、榊さんと同居申し込もうかな」とか「もしも榊さんと職場まで同じになったら」とか、自分の世界に入り込んでる。
でも、すごいよなこいつ。ここまで榊に惚れてるんだから。
私よりも、かおりんの方が恋人になる資格があるのかもしれない。
「でさ。丁度あんたに聞きたいことがあったのよ」
「何?」
「どうすれば榊さんと仲良くなれるの!?」
そんなこと考えてもなかった。
いつの間にか仲良くなって、いつの間にか付き合って。
私は私らしく、榊は榊らしく行動していただけ。
それだけだったから。
「あんた、あの無口な榊さんとすっごく上手く喋れるじゃない。
 どうすればあんなに話題が繋がるのよ?
 私は、榊さんと同じ大学に行くんだ。だから、上手に話せるコツとかあれば教えてほしいなぁ……」
かおりんは、自分の夢が榊と一緒になることになっている。
人生をかけていると言ってもいいな。
「あいつは、喋るのが苦手だ。だから、こっちから話しかけていけばいい」
「うんうん」
「それと、ああ見えてかわいいものが好きだ。ねここねことかな」
「へぇー」
真剣な目でこっちを見ている。
もしメモ用紙とシャーペンがあれば、メモを取りそうなくらい真剣だ。
すごい。榊に対してここまで……
こいつと一緒の方が、榊は幸せかもしれない。
そんなことを考えてしまった。
ただでさえ不器用なのに、こんな不安定な精神。
思いついてしまったことを止めることはできなかった……
「あ、ちょっと用事を思い出した。悪い!じゃぁな、かおりん!!」
適当に理由をつけて、私はその場を去った。
榊は、まだ校内にいるはずだ。

275 :眠名有 :2005/12/23(金) 20:11 ID:3MYyrnCE
前半終了です。
後半は(もしかしたら3回になるかもしれないから、中盤?)は今週か来週の土日に。
それではまたー

276 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/12/23(金) 21:01 ID:???
>>270-274
乙!
何方の作品かと思えば、名有り氏の作品でしたか。
ああ・・・なんて言うか・・・萌えるなぁ、もう。

後半にご期待させていただきます。

277 :名無しさんちゃうねん :2005/12/24(土) 15:57 ID:???
>>275
GJ!
ああ…神楽、はやまらないでくれよ
榊さんにとって自分がどういう存在かよ〜く思い出せよ

ドキドキして待ってます

278 :眠名有 :2005/12/24(土) 23:43 ID:xd2ebIE2
短いけど区切りがいいので投下しまつ

279 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/24(土) 23:44 ID:xd2ebIE2
「神楽、どうしたんだ?こんな所に連れてきて」
私は、教室の前にいた榊を体育館に連れ込んだ。
誰もいない体育館の壁は、校舎からの笑い声などを遮ってしまい、不気味なほど静かだった。
「今日、決心したんだ」
「何をだ?」
「その、そのだ……」
言いたくねぇ。言いたくねぇよ。
けど、言わなくちゃいけねぇんだ!
もう決心したんじゃないか。何を迷ってるんだよ私!!
「うん」
私の葛藤が通じてるのかもしれない。
榊は、無言で待ってくれた。
「――っ、別れよう」
「え?」
言っちまった。
とうとう、言ってしまった。
「神楽、もう一度言ってくれ」
榊だって、今のを幻聴だと思いたいんだ。
聞き逃してなんかいないのはわかる。
目尻に涙が浮かんでるから。
「別れ……よう」
もう一度、今度は少し涙声で言った。
それを聞いた榊の目から、涙が溢れ出した。
でも、目を拭わなかった。
「嘘…… だろ?」
「私の存在が榊を苦しめるなら、私は」
「苦しんでなんかない」
「苦しんでるじゃねぇか!」
思わず怒鳴ってしまった。
榊が一歩後ずさる。
「そうやってお前は、いっつも一人で考え込んで。
 私だけにしか、言いたいことを言えないのか!?
 私無しじゃ生きていけないのか!?
 もし、もしもだ。私が死んだりしたら、お前は私を追って死ぬのかよ!!」
「私は……」
チクショウ。何で視界が霞むんだよ。
これでいいのに。これでいいはずなのに……

280 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/24(土) 23:45 ID:xd2ebIE2
「お前言ったよな。私がいつもリードしたって!
 だから、今回も私が先だ。
 榊が私のために人生を振るのは嫌だ!!」
「…………」
私だって、これを決心するまでにすごく悩んだ。
こんなこと言って北海道に行っても、榊が潰れるような感じがした。
けど、かおりんがいる。
あいつと一緒なら、榊も安心だ。
「分かってる。分かってるんだ……」
こいつだって分かってるんだ。
分かってるけど、できないんだろ?
だから、もう私という幻影に振り回されちゃいけない。
叶わない想いは、キッパリと断たないといけないんだ。
「それと…… 好きな人ができたんだ。男で。告白したら、OKされた」
「!!」
嘘だ。けど、こうでもしねぇとこいつは別れることができない。
そんなやつだって事は、この付き合ってきた時間でよく分かっていた。
「どうして……!」
榊の顔が見る見る青ざめていった。絶望しているのかもしれない。
榊の気持ちは痛いほど良く分かるさ。けど、もう少し、もう少しなんだ。
私は無理に平静を装って話を続けた。
「別にお前が嫌いになったわけじゃない。けどさ、私たち女同士だろ?
 結婚もできないし、子供も作れない。虚しくなるだけのような気がしてさ。
 だから、卒業を機に」
「もういい!!」
私の言葉を最後まで聞かないで、榊は体育館から飛び出していった。
こんなのは初めてだ。
涙を拭いもせずにドアを開けっ放しにして、あいつは出て行った。
これで会うことも無いから、あいつとの最後の別れか……
「―――っ、ひっく」
溜まっていた涙が溢れ出した。
榊と別れることじゃない。嘘をついてしまったことに。
どうしてこう私は無神経なんだろう?
最後の嘘なんて必要なかったんじゃないのか。
榊を、絶望させるつもりなんてなかった。
だけど、これでいいんだ。これが私たちにとって最善の道なんだから……

281 :眠名有 :2005/12/24(土) 23:46 ID:xd2ebIE2
>>276-277
どうも。今回は短いですが、たぶん予想できてたんだろうなぁ。
この後どうしようかすごく迷っているので、少し遅れるかもです。

282 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/12/24(土) 23:49 ID:???
>>279-280
お疲れ。
リアルで見ました。
自分は百合とかあまり分からない人ですが、
恋愛物として普通に読むことができました。
続きにご期待しています。

283 :名無しさんちゃうねん :2005/12/24(土) 23:51 ID:???

>>281
この手のものはageるなと前から何度も言われてるはずですが?
学習能力ないんですか?あなたは。

284 :名無しさんちゃうねん :2005/12/24(土) 23:53 ID:???
仕方ない下げに協力しよう
>>281さんいい加減に理解してね
そんなだから叩かれるんじゃないの?

285 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/12/25(日) 00:00 ID:???
沈下にご協力させていただきます。

百合っていうジャンルも、やはり読み手を選ぶのですかね。

286 :名無しさんちゃうねん :2005/12/25(日) 00:06 ID:???
>>279-281
お疲れ様です。

さて、自分も沈下に協力しますよ。

>>284
その言い方は流石にあてつけがましいのでは?

287 :名無しさんちゃうねん :2005/12/25(日) 00:07 ID:???
上げていいSSのジャンルってなんなんだろうね
沈下協力さげ

288 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/12/25(日) 00:15 ID:???
>>287
ほのぼのマターリ系〜ソフトなえっち未満な作品とかでしょうか?
誰でも気兼ねなく読めるといった感じの。

まぁ、敢えてage、sageの選択方法を決め付けてしまう必要は無いと思うのですが、
そこは作者さんの自己判断と言った具合でしょうかね?

289 :名無しさんちゃうねん :2005/12/25(日) 01:00 ID:???
百合は百合萌えスレでだけやれよなとは思うな
百合嫌いとしては。

290 :名無しさんちゃうねん :2005/12/25(日) 01:50 ID:???
>>281
乙です。
自分としては復縁して欲しいけどなぁ
個人的にTHE ENDよりはHAPPY ENDが読んだ後ホッとするし
何より好き同士なら困難があっても一緒にいる方が幸せだと思うしね。
とにかく期待と不安を渦ませながら続きを待ってます。

291 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/12/25(日) 20:26 ID:???
せっかくクリスマスなので一本書いてみました。
【諸人こぞりて】

292 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/12/25(日) 20:27 ID:???
刺すような寒さの中を夕日が静かに地平線の下に沈んでゆく。
クリスマスソングをハミングしながら、目標は西に向かって歩いていく。
いつもは勘の強いヤツだけど、浮かれてて私達には気付かれていない。
ちきしょう。絶対現場を抑えてやるからな。

293 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/12/25(日) 20:28 ID:???
「かぐらー。明日のイブ、ちよちゃん家でお泊り会するんだ。あんたも来ない?」
私は昨日そう言って誘ったら。
「あ、ごめん。用事があるんだ」
断りやがった。
彼氏か?って聞いたらそんなんじゃねえよって言ってたけど、この智ちゃんの目は節穴じゃない。
裏切り者は許せねー。
というわけで今日はお泊り会は中止。
神楽を尾行する会に変更だ。
「ねえ、ともちゃん。人のプライベートを覗くのはよくないですよー」
「わかってないなあ、ちよちゃん。友達なのに隠し事する方がまずいに決まってるじゃん」
「そうかなー?」
「大丈夫、神楽の選んだ彼氏がどんな顔かちょっと見るだけだから」
よみの声に榊ちゃんも無言で頷く。
「うー……でもやっぱりだめですよー」
「そういうちよちゃんは何でここにおるん?」
「それはその……えへへ」
ちよちゃんが照れくさそうに笑う。
なんだ、優等生ぶってるくせしてやっぱり神楽の彼氏見たいんじゃん。

294 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/12/25(日) 20:28 ID:???
美味しい豚まん屋の前を30mほど行った店の前で神楽は立ち止まった。
私達は急いで電柱の陰に隠れる。
そっと様子をうかがうと、神楽はガラス越しに店の中を覗いていた。
「何の店だ?えーと、ローマ字でなんか書いてあるな。……ほげつどってなんだ?」
「宝月堂。ケーキ屋だな。あ、誰か来るぞ」
よみの声に少し頭を引っ込めて、注意深くその誰かを確認する。
そいつは白髪で眼鏡をかけていた。同じくケーキ屋の前で立ち止まる。
すると神楽はそのおっさんと何か話を始めた。
「神楽、オヤジ趣味だったのか?」
「ちょっと待ってください。あれは教頭先生じゃないですか?」
「何?」
なるほどな、昔から疑問だったんだ。
あいつが私と同じ高校に入れるなんて絶対おかしい。
きっとあの胸で教頭を誑かしていたに違いない。
よし、みんな踏み込むぞ!
と思った瞬間口をふさがれた。
「うーうー」(なにするんだよ、よみー)
「慌てるな。まだ決まった訳じゃない」
そんな事言って決定的瞬間を逃したらどうするんだよー。
「あ、神楽ちゃん教頭先生と別れてまた歩き始めたで」
……
「ほらな」
うるせー。

295 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/12/25(日) 20:29 ID:???
しばらく尾行を続けると神楽はコンビニに入っていった。
「ここで待ち合わせかな」
「ありえるな。暖かいし雑誌とか立ち読みしてれば時間を潰せるし」
「それに対して私達は寒空の下で待たなきゃならないわけか。ちくしょー!責任者でてこーい!」
「言い出しっぺはお前だろ」
なにおう!
よみにあまりに腹立つことを言うので何か言い返そうといろいろ考えてみたけれど、うまい文句が思い
つかなかった。
これで勝ったと思うなよ、よみ。
「でも、そんなに待たなくて済みそうですよ。ほら、もう出てきました」
もうかよ。ちょっと拍子抜けだな。
見ると玄関の辺りで誰かと話してる。
背は私と同じくらいの短髪の男の子……
「ちゃうねん。あれは千尋ちゃんや」
なんだとー!!
「相手とは違うみたいだな」
「いや、わかんないぞ。神楽は男っぽいし女の子を好きになっても不思議はない」
「んなわけないだろ。第一千尋にはちゃんと彼氏がいるぞ」
「え?ウソ」
「ウソなもんか。ほら、噂をすれば陰だ」
よみの指先をたどると良く知った顔が向こうから歩いてきた。
「うちのクラスの長谷川?あいつら付き合ってたの?」
「知らなかったのか」
……どいつもこいつも私に黙ってうかれやがって。
ひやかしてやるー!
と思った瞬間羽交い絞めにされた。
なにするんだよ、よみー。
「あとにしろ。今は神楽の相手を探る方が先だ」
あ、そうか。
仕方ない、千尋の件は冬休み明けの楽しみに取っておこう。

296 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/12/25(日) 20:30 ID:???
さらにしばらく尾行を続けると、神楽はなんか白い家の前で立ち止まった。
神楽がドアチャイムを鳴らすとすぐドアが開いて、誰か出てきた。
神楽はぺこりと頭を下げると家の中に入っていく。
ドアが閉まった。
「なあ、今神楽を招きいれた人の顔、見えたか?」
「いいや。逆光だったからな。大阪はどうだ?視力両方2.0なんだろ?」
「あかんかった。でも大人の男の人みたいやったで」
「これは確定だな。顔を見れなかったのが残念だけど、しかたない」
ちっちっ。よみくん。ここであきらめるなんて2年3組の峰不二子こと滝野智の名が廃るってものよ。
横目でよみを確認する。
……よし、油断してるな。
いっせーのーで!
私はチャイムに向かってダッシュした。

297 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2005/12/25(日) 20:31 ID:???
「おい、こら待て!」
よみも追ってきたけどもう遅い。
間一髪でチャイムをプッシュ。
ぴんぽーん♪
「やっちゃった」
「やっちゃったじゃねー!」
ちょっとあって、ドアが開いた。
「はい、どなたですか?」
落ち着いた男の声。
そこにいたのは30歳くらいのちょっと渋くてかっこいい男だった。
「おまえが神楽の彼氏かー!」
「こら、智。ごめんなさい、なんでもないんです」
すると男はにっこり微笑んだ。
「ああ、神楽さんのお友達ですか。私達の教会へようこそ。歓迎しますよ」
教会?
あれ?
まごまごしていると神楽がドアからひょっこり顔を出した。
「あれ、何でおまえらここに?ちよちゃん家でお泊り会じゃなかったのか?」
あー、その、えーと。
「実はー、たまには教会でクリスマスを迎えるのもいいかな、って思いまして」
お、ちよちゃん、ナイスフォロー。
「へー、そうなんだ」
「しかし、意外だな。神楽が切支丹なんて」
「切支丹ってなんだよ。クリスチャンだよ」
「まあまあ、外で話しているのもなんですから中にお入りください。いくつか賛美歌を歌いますので
これをどうぞ」
そう言って牧師さんが渡してくれたのは、楽譜のコピー。
題名は聞いたことのないものだったけど、ちよちゃんがこっそり小声で歌ってくれたのを聞いたら
よく知ってる曲だった。
だからそこでついほっとしてしまったんだ。
その後起こる惨劇を予測するべきだったのに。
(Fin)

298 :風児 ◆iQwkicAw :2005/12/25(日) 22:33 ID:???
神楽が・・・新しいですね。
よみにかかれば賛美歌も惨事歌に・・・w

乙です。

299 :名無しさんちゃうねん :2005/12/26(月) 21:14 ID:???
久しぶりの蛍石さんだー。
乙です。

300 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/12/26(月) 22:13 ID:???
>>292-297
お疲れ様です。
神楽についての題材の着眼点にとても良い意味で凄く驚かされました。

それにしても・・・嗚呼。 その後の惨事が目に浮かぶ・・・

301 :眠名有 :2005/12/27(火) 18:26 ID:???
>>283-288
すいません。
sage進行スレじゃなかったのでつい……

>>291-297
蛍石さん乙ー
最後のよみさんの歌という落ちもよかったです。

302 :眠名有 :2005/12/31(土) 20:50 ID:???
大晦日一斉投下、3回目ー

303 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/31(土) 20:50 ID:???
私は、また屋上にいた。
これでいいはずだ。
榊は私を忘れて、新しい大学生活を始める。
たぶん私のことを恨んでる。
だからこそ私を忘れて、かおりんと榊は一緒に幸せに暮らす。
もしかしたら、二人は恋人になるかもしれない。
いや、きっとそうなるな。
ぶっきらぼうで、マイペースな私と違って、かおりんは榊が全てだ。
榊が好きになったっておかしくない。
私があいつの中にいたら、またあいつは悩んで、苦しむ。
だから、これが一番の方法のはずだ。
なのに……
「何で、何でだよ」
何で涙が止まらねーんだよ!?
「榊ぃ」
やっぱり、榊と別れるのはつらい。
でも、私が決めたことだ。
もう済んだことだ。
これから悩んだってしょうがないじゃないか!
私は自分にそう言い聞かせて涙を拭いった。
けど、すぐに視界が曇る。
くそっ、止まれよ!ちくしょう……

ドタドタドタ
やけに派手に階段を上る音がした。
ともか?
丁度良いいや。
あいつとだべりながら帰ったら気もまぎれるだろうな。
そんなことを思いながら、私は明るく振舞おうと涙をぬぐって、無理に笑みを作った。
そんで、出入り口から出てきた人物に挨拶しようとした時だった。
「ちょっと、あんた!」
その影は私の胸倉を掴んで、壁に叩きつけた。
「な、なにするんだよ!」
「あんたこそ、何で榊さんを泣かせたのよ!!」
影はかおりんだった。
半分怒って、半分泣いている。
「全部聞いてたわよ!あの話!」
どうやら全部聞かれてたみたいだ。
「で、それが何なんだよ?」
「何なんだよじゃないわよ!あんた、あんなこといわれて榊さんがどれほど傷ついたか分かってるの!?」
「榊と一緒に暮らすんだろ?私はもうあいつの力にはなれない。だから、お前が」

304 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/31(土) 20:52 ID:???
パァン!
私の頬に平手打ちが飛んだ。
手加減なし。かなり痛い。頬がヒリヒリする。
「あんたはまったく分かってないわ!私じゃ、あんたほど榊さんの力にはなれない!
 私は、榊さんと仲良くなれる方法聞いた。けど、あんたに別れろなんて言ってない!!」
かおりんの押し付ける力が、前よりも強くなった。
後ろのコンクリートに背中がゴリゴリ当たる。
「榊さんは、私じゃだめなの!あんたじゃなきゃ!!
 何年間も付き合ってきて、そんなことも分からなかったの!?
 それとも、あんたは榊さんに別れ話を言われて耐えれる?耐えれないでしょ!」
耐えられるわけねーだろ。
くそっ、また視界が霞んできた。
「私だって辛いさ!今も泣いてたよ!!
 けど、私のせいで榊の夢を潰すんなら、私はあいつの前から姿を消す。
 私なんかのために、人生を振ってほしくねーんだよ!」
「まだ分からないの!?
 榊さんにとって、あんたは生き甲斐になってるのよ!
 あんたと一緒に喋って、笑って、愛し合って…… それが全てだったの!
 北海道に行ってもあんたを忘れずに、いつか戻ってきてくれる。
 そのぐらい自分の恋人に自信持ったらどうなのよ!?」
また、力強く壁に押し付けられた。
頭を思いっきり打ったけど、不思議と痛みは感じない。
今、そんなことよりも考えることすらできなかったから。
「もう、いいんだよ」
誰に言ったんだろう。
かおりん?榊?
それとも私自身に?
私はかおりんの腕を引き離した。
ぜんぜん力をこめずに、ただ、普通に物をどかすように。
「ちょっとあんた!」
無論、かおりんはそれを許さない。
もっと強く私を押し付ける。
かおりん、お前の言いたいことは良く分かるよ。
けど、私はもうダメなんだ……
榊に言われて気づいちまったんだよ。
あいつを忘れないで離れ離れになってしまったら、私は―――
榊は私を強いと言った。
けど、あいつに言われて気づいちまったんだ。
だから―――
「一人にしてくれ」
もう傷を抉らないでくれよ。
私は、もう戻れないんだから。

305 :神楽と榊とかおりんと :2005/12/31(土) 20:52 ID:???
「もういいわ!」
ガッ!!
今度は平手打ちじゃなかった。
思いっきりグーで、まだ痛みのひいていない頬を。
受け身を取る気力もなかった。
頬と同じように後頭部ももう一回強打した。
口の端から血が流れた。
「あんたがどういう人間かもう分かった!榊さんは、榊さんは私がっ―――」
途中で言葉を止めて、踵を返してしまった。
結局、私は望みどおり一人になった。一人ぼっちに……
「良いんだよな。これで……」
起き上がる気力も、痛みを感じる気力も、血や涙を拭う気力すらも、体から消えうせていた。
空を見上げた。
卒業式の天気の代名詞とでも言いたくなるような春の青空が、どこまでも広がっていた……

306 :眠名有 :2005/12/31(土) 20:54 ID:???
うーん、最後のやつは神楽が何も考えられていないっていうのを表現してみたかったんだが……
難しいなぁ……

307 :名無しさんちゃうねん :2006/01/04(水) 19:23 ID:???
百合萌えスレでやれって、また叩かれるぞ。

308 :名無しさんちゃうねん :2006/01/04(水) 20:09 ID:???
やってしまった以上、もうどうにもなりますまい。

309 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:13 ID:???
投下します。

「婦警さん」

310 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:13 ID:???
天気がいい。本当に天気がいい。でも、仕事。私は憂悶気にミニパトに乗り込んだ。
あぁ・・・面倒くさい・・・。天職だと思ってたけど、どうだかなぁ・・・。
高校も大学も何となく・・・さすがに警察学校だけは何となくじゃ入れなかったけど。
やるときはやるっていうか、やっとかないとまずかったし・・・。

「大人になった」って言われるようになった。
・・・どうなのかな?良く分からない。大人になるってどういうことかな?
「大人になった」っていうか・・・今までが「子供すぎた」んじゃないかな?
いや、あんまり偉そうな事は言えないけど・・・打算的なところはあんまり変わってないし。
いつまでも「暴走女子高生」・・・「暴走婦警官」・・・なんて言ってられないじゃん。

昨日、よみから電話がかかってきた。結婚式来てくれって。
「ギャグ?」って言いかけちゃったけどなんとか呑み込んだ。
素直に「おめでとう」って言えた。(これも大人になったからかな?)
来週の日曜日は久々に皆に会えるっぽい。なんとまぁちよちゃんは研究で
忙しいのに教授さんに無理言って時間つくってもらって帰国して来る・・・らしい。
・・・でも分かんない。そりゃ勿論嬉しいんだけど。・・・不安なのかな?何がって。
変わってしまった自分を皆に見られることが・・・、怖い。
元気で、明るくて、羞恥心を知らない滝野智はもう・・・いないから。
全然恥じる事じゃ無いのも分かってる。人は変わるものだから・・・。・・・だけど。

311 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:14 ID:???
「大人になる」って「つまらない人間になる」って事なんだよね、多分。
私自身、こんなに変わるなんて思わなかった。あの頃は・・・
「大人になってもこのままだな!」なんて思ってた。頭悪くて。運動できなくて。
人に迷惑かけまくって。そんな自分がどういうわけか・・・嫌いじゃなかった。
楽しかった。周りもそんな私を蔑む事なんてなかった。今思うと・・・私はすごく
友達に恵まれてたんだ。それが実感できる。皆に、「ありがとう」って言いたい。
心の底から、「こんな私と友達でいてくれてありがとう」って言いたい。

そう。こんな事を考えてる私はきっとつまらない人間なんだよ。
現状じゃなくて、過去ばっかり見て、「あの頃は良かった」の繰り返し。
その上、現状を「つまらない」「面倒くさい」なんて思ってる。最悪だよ。
どうしようもないんだ。こんな自分を見られたくない。これが、会いたくない理由。
・・・きっとよみに怒られるだろうなぁ・・・「子供じゃないんだから」って。

―ぁあ、あんなところに。駐禁だよそこ。私はミニパトを止めた。
ドアを開けると爽やかな風が舞い込んだ。真夏ってことを忘れさせてくれる。
まるで小春日和・・・夏でもこんな日はたまにあるもんだよね。

312 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:15 ID:???
印をつける。交通違反の検挙率って低いんだよね。きっとこの車の運転手も
「どうして自分が当たってしまったんだ・・・」なんて言い訳するんだろうな・・・。
ご愁傷様。運が悪かったとしか言い様がありません。徹底してないからね。
「運が悪かった」なんてきっと警官の私が言っちゃいけないんだろうけど。
だって実際徹底してないじゃん。点数稼ぎのためにふらりと気まぐれに街に出て検挙。
そんなもんじゃん。・・・私も・・・そうだもん・・・。職務怠慢?・・・はっ。「仕事」はしてんじゃん。
・・・「怠慢」じゃないもん・・・。
嫌だな。「するべきこと」して、「点数稼ぎ」なんてレッテル貼られる。
・・・ううん。「するべきこと」・・・つーか、「それしかできない」んだよ。

「おわ!?」

・・・な、何だぁ?私は不意に声をあげた。・・・え・・・と、・・・お花・・・かな?
いや、そうじゃなくて。・・・子供は音もなく傍らに忍び寄ってきたりする。
気付かなかった。私は、傍らにかがみこんで地面に花の落書きをしていた子供を見やった。
私の駐禁の印が、「お絵描き」に見えたんだろう、きっと。・・・不思議な子・・・いや、
変な子、かな?変わった格好をしてる。頭には白いバンダナ、腰にポーチを下げている。
傍らのかごには満開のバラが詰め込まれていた。着込んでるのは・・・なんて言ったらいいんだろう。
とりあえず、「マッチ売りの少女」?っぽい。背中に羽がついてるけど。・・・よくわからん。
でも、可愛いかな。4つに結った緑の髪に、緑の目。日本人じゃなさそう。
ちょっと雰囲気がちよちゃんに似てる・・・かな。いや、幼すぎるか・・・。

313 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:15 ID:???

「あ あのね これはお絵かきしてるんじゃなくてね?えーと」

私は言葉を選んだ。駐禁って言っても分からないだろうな・・・。

「悪い車にしるしをつけてるの。だからおえかきしないでね?」

「だから」って全然理由になってないけど、まあいいや・・・。伝わってくれれば。

「あ!ねーちゃんおまわりさんだ!!」
「あ うん そう」

緑目の女の子は頓狂な顔を私に向けた。・・・そんなリアクションされても・・・。
私はただ黙っていた。邪険に「あっちへいけ」と言うわけにもいかず、女の子の
次の一手を待った。・・・別に子供は嫌いじゃないしね・・・。

「これわるいくるま!?」
「うん そーなのよー」

そう。本当にそう。公衆の迷惑・・・それ以上に、いつも私をさっきみたいな
嫌ーな気分にさせる駐禁車。本当に嫌。この子よく分かってくれてる。ありがとう。

314 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:17 ID:???
「みろ!みろ!」
―女の子はポーチをごそごそと探り、水鉄砲を取り出した。なんだろう?
・・・・・・。

「な?」

―あ?

「あ?」

・・・・・・・・・。

「これを やる」

―え?

「え?」

唐突に差し出されたバラ。・・・わぁ。綺麗だな。花のことは
良く分からないけど、「綺麗」なら「いい」んだよね。

「わぁ ありがとう」

ありがとう・・・。そう。素直に感嘆できるようになったんだよね、私。

・・・大人になったから。

315 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:17 ID:???
「じゃあよつばはゆく! ねーちゃんもがんばれ!」

よつば・・・?よつばちゃん?うん、ありがとう。

「ありがとうねー」

・・・何でもない、体験。それでも、大切にしたい、体験。
不思議でちょっと変な子。背の羽が遠ざかる。私はその小さな背をしばらく見送った後、
もう一度手の中のバラを見やった。綺麗。本当に、綺麗。

「がんばろう」

自然に口をついて出てきた。なんだか、すがすがしい。仕事への憂鬱も、自分への嫌悪も、
どうでもよくなった。どことも知れない、どこから来たのかも知れない不思議でちょっと変な
女の子から貰った、不思議な気持ち。これからもきっと私は悩むんだろう。だけど、この不思議な
気持ちはきっと忘れない。ただ、ここにいる幸せ。忘れてしまっていたあの気持ち。
思い出させてくれてありがとう。・・・よつばちゃん。

来週の日曜日、楽しみだな。皆に会える。
・・・さっさと仕事済ませちゃおう。私は警棒を握りなおした。
                    
                                    終

316 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/09(月) 23:19 ID:???
以上です・・・
あず&よつばとリンクな妄想でした。

317 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/09(月) 23:20 ID:???
>>310-315
お疲れです。
あー・・・なんかこう、しみじみと情景や感情が伝わって来るって言うんでしょうか。
時の流れは残酷であるっていうのも感じられましたが、
それ以上に、爽やかな感じも受け止められました。

随分と挨拶が遅れましたが、今年もまたよろしくお願いいたします。

318 :眠名有 :2006/01/09(月) 23:27 ID:???
乙です。
宿題に負われながら読ませていただきました。

最初から最後までは短時間。それでいて感情がガラリと変化するのに、
ぜんぜん違和感が無く、スラスラと読むことができました。

319 :名無しさんちゃうねん :2006/01/12(木) 17:39 ID:???
乙。

あずとよつばとがうまくリンクしてるなぁ・・・。

320 :風児 ◆iQwkicAw :2006/01/12(木) 22:34 ID:???
>>317
げたさん感想ありがつです。
2人称小説は個人的にも好きな型でして。
ただ語り手の心情を淡々と書き綴っていくのが
どうしようもなく楽しい。そんな自分がいる。

あけまして・・・今年もよろしくです。
余談ですが今年の詣で引いたおみくじは凶。
・・・いざ現実でやらかすと全然おいしくねえっつの。
そんな近況。合掌。

>>318
感想ありがとです。眠さん。
上記参照のように2人称小説が好きな私。
全体の「流れ」を大切にして書きました。
違和感なく、見てくれが風の如くスラスラと読める作品。
・・・そう、眠さんの感じて下さったそれこそ私の求める
至高なる作風だったりします。・・・私は風になりたいのです。

>>319
感想ありがとうです。
・・・あの婦警さんの後姿がなんとな―――く成長した
ともちゃんに見えるのは多分私だけ・・・。
たこさんウインナーは成長とともに消えていった・・・。
合掌。

321 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2006/01/12(木) 22:37 ID:???
>>320
俺は自分の文章にもっと狂気さとか迫力とかを出したいですね。
ですが、風ですか・・・なってみたいなぁ・・・

322 :名無しさんちゃうねん :2006/01/23(月) 01:01 ID:???
>>305の続きってどうなったの?
ちょっと気になるのだが。

323 :名無しさんちゃうねん :2006/01/24(火) 20:02 ID:???
ところで>>305の続きはどうなるんだ?
少し気になるのだが。

324 :名無しさんちゃうねん :2006/01/25(水) 00:41 ID:???
続きは百合スレで書け。

325 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/05(日) 12:13 ID:???
時期ネタ。
【いじわる】

326 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/05(日) 12:14 ID:???
冬って何ですぐに日が落ちてしまうのかな。
まだ5時半なのに、辺りが暗くなり始めている。
さっきまで波間から見えていた川底の石も、見えなくなってしまった。
岸壁のコンクリートに腰をおろし、ふと思いついて奪ってきた教科書を開いてみる。
えーと、てゃれ……あれ……
だめだ。まるで暗号だ。全然読めない。
「かず君、こんなところにいたんだ」
聞きなれた自分の名前を呼ばれて振り向くと、僕の幼馴染が立っていた。
ちょっとだけ息を切らしているところを見ると、僕を追ってきたらしい。
「何の用?」
「何の用ってことは無いでしょ。ちよちゃん、泣いてたよ。悪いこと何もしてないのに、
どうしていじわるされるのかわかりませんって」
わかってるさ。
僕を悪く言いに来たんでしょ?
みるちーは幼馴染の僕より、ちよちゃんとの方が仲良しだもんね。
「謝ったほうがいいと思うよ」
言うと思った。
だけど。
「謝らないよ。ちよちゃんは裏切り者だから」
「裏切り者?」
「そうさ。だって考えてみろよ。いくら勉強ができるからって、一人で高校行かなくたっ
ていいじゃないか。5年のキャンプも、6年の修学旅行も一緒に行って、それから一緒に
中学に上がって、同じ制服着て、部活にも入って、それが普通だろ?なのにちよちゃんは
僕達を置いて、高校生になっちゃおうとしてる。そんなの卑怯じゃないか。これが裏切り
じゃなくて何なんだよ!」
「それで、ちよちゃんの教科書を奪って逃げ出したんだ。邪魔をするつもりで」
みるちーはため息をついた。

327 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/05(日) 12:14 ID:???
……そうだよ。高校にはテストでいい点を取らないと入れないって、親戚のお姉ちゃんか
ら聞いたんだ。いくらちよちゃんでも教科書が無きゃ勉強できないし、勉強が出来なきゃ
いい点なんて取れないはずだ。そしたらちよちゃんが高校に行っちゃうことは無いだろ?
「バカ」
「バカってなんだよ」
「バカだからバカなのよ。もう2月も真ん中じゃない。高校入試は3月の始めだよ?それ
に、ちよちゃんはちっちゃいけどすごく頑張りやさんだから、教科書なんかなくっても高
校受かっちゃうよ。かず君が何をしても、もう無駄。だからさ、謝ったほうがいいと思う。
早く謝っておかないと、ちよちゃんは高校に行っちゃって謝れなくなっちゃうよ。そした
ら一生いじわるっこだって思われちゃうよ?それでもいいの?」
そして、みるちーは僕からちょっと目をそらしたような気がした。
「好きなんでしょ?ちよちゃんのこと」
「な、何でわかるんだよ、そんなこと」
「それだけ顔に書いていればわかるよ。ましてや、かず君のことなら私は何でも知ってる
もん。とにかく、ちよちゃんとかず君が気まずいのは、私は嫌なの。どっちとも仲良くし
たいもん」
「そんなこと言ったって、もう手遅れだよ」
「そんなことない。大丈夫。ちよちゃん優しいから、謝れば許してくれるって」
「でも」
「そんなに心配なら、私も一緒に謝りにいってあげようか?」
ばかやろ。女の子につきそわれて謝りに行くなんて、いくらなんでもそんな格好悪いこと
できるかよ。
僕は勢いをつけて立ち上がった。
「行くよ。行けばいいんだろ?」
「うん。行ってらっしゃい」
みるちーがにっこり笑って手を振る。
あれ?うまくのせられたかな?
まあいいや。

328 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/05(日) 12:15 ID:???
ちよちゃんの家は、話には聞いてたけど、すごく大きかった。
門とかあって、庭が広くて、玄関までちょっと遠い。
だから、門についてたチャイムを鳴らしてもなかなか出てこないって思ってたのに。
その間に覚悟を決めるつもりだったのに、すぐ女の人の声で「どなたですか?」って返事
が返ってきたので意表をつかれてしまった。
おかげで少し声が上ずっちゃったじゃないか。
それでも何とか名前を告げると、声がちよちゃんに変わった。
「山内君ですか?どうしてうちへ?」
「あ、いや、今日のこと謝ろうと思って。それに教科書も返さなきゃいけないだろ」
「そうですか。今そちらへ行きますね」
ちょっとあって、家のドアが開いて、ちよちゃんが出てきた。
軽く駆け足で、こちらに来る。
「わざわざありがとうございます」
……まずこっちから謝ろうって決めてたのに、先にお礼を言われてしまった。
仕方ない。鉄格子の間から教科書をねじ込む。
「確かに返したからな。それと、今日はごめん」
そして今までしたことが無いくらい頭を下げる。
「そんな、いいですよ。ちゃんと、こうして返しに来てくれたんですし、気にしません」
「あ、ありがとう」
思わずお礼の言葉が出て、そして気付いた。
「ちよちゃん、エプロン姿だね」
「え?あ、えへへ」
ちよちゃんが照れくさそうに笑う。
「お母さんみたいだね。お手伝い?」
「今日は違いますよ。実は……あ、ちょっと待ってて下さいね」
そういい残してちよちゃんは家に戻っていった。
一体なんなんだ?
でも、その疑問はすぐに解けた。
「はい、これ。一日早いですけど」
ちよちゃんがそう言って差し出したものは。

329 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/05(日) 12:15 ID:???
「バレンタインチョコ?」
「手作りですよー。お口に合うといいんですが」
そんな。
「もらえないよ。僕、ちよちゃんにひどい事したのに」
「気にしませんって言ったじゃないですか。クラスのみんなには内緒にしておくから大丈
夫ですよ。それとも私の手作りじゃ嫌なんですか?」
そんなわけ絶対ありえない。あるわけない。
でも、はずかしいからなるべくあっさりと答える。
「そんなことないよ。嬉しいよ」
「じゃあ、もらってください」
僕は、素直にこくりとうなずいた。
「じゃあ、また月曜日に」
くるりときびすを返したちよちゃんに、僕は呼び止めるように言った。
「あのさ、ちよちゃん」
「はい、何でしょう?」
えーと
「……高校行っても頑張れよ」
「はい。ありがとうございます」
ちよちゃんが、僕の方を見て。
にっこり笑った。
(Fin)

330 :眠名有 :2006/02/05(日) 21:12 ID:???
乙ー
ほのぼのしていて、尚且つ歯切れが良くてよかったです。

331 :名無しさんちゃうねん :2006/02/07(火) 19:47 ID:???
あずまんが的ほのぼの感が満ちてますな。
ただ台詞にちょっとひっかかりを感じた。
説明口調っぽかったり、小学生らしいのかマセているのかの
語調が一定でなかったり。
あと蛍石さんなら、話の展開にもう一ひねり加えることもできるのでは。
まぁでもよかった。次作も期待。

332 :蛍石 ◆tzCaF2EULM :2006/02/08(水) 06:47 ID:???
>>331
感想ありがとうございます
口調の調整はHP掲載時に直すとして、一ひねりということはちゃんとみるちー側の
視点でも書いたほうがいいかな?




ところでなぜ「山内君」なのか気付く人は何人いるんだろう……

333 :風児 ◆iQwkicAw :2006/02/14(火) 00:16 ID:???
>蛍石様
はじめまして。
そして乙です。みるちーサイドも是非見たいです。

山内君・・・?はて・・・?

334 :名無しさんちゃうねん :2006/04/02(日) 17:48 ID:???
「オチツケともちゃん」

原作
オチツケオチツケこうたオチツケ
さとうとしなお作 岩崎書店

335 :オチツケともちゃん@ :2006/04/02(日) 17:49 ID:???
オチツケオチツケともちゃんオチツケ

パパ ママになんどいわれたろう
せんせいに なんど いわれたろう

オチツケオチツケ
いつのまにかあたしの口からも
オチツケオチツケともちゃんオチツケ

せんせいの ふやふやした こえ
ともだちの ほうせきばこみたいな ふでばこ
うんどうじょうから きこえる うんどうかいの れんしゅう
あの子の くるくるかわる えがお
きゅうしょくの おばさんの スリッパの音
あたしの あたまのなかは はやまわしの ビデオのよう

とおくから きゅうきゅうしゃの音
なに なに?
おもわず 立ちあがって
まどまで かけだしたら
ともちゃん スワリナサイ
ともちゃん オチツキナサイ
そうそう オチツケ オチツケ

オチツカナイ ぼくは
オチツイテル みんなと
オチツカナイ

ちひろちゃん パレットの上に とってもきれいないろ
がようしには とってもじょうずな おかあさんのかお
あたしの おかあさんは へんなかお

「ちひろちゃん そのいろ ちょうだい」
「やーよ まだ つかうんだから」
「かして」
「や」
「かして」といって あたしが手を のばしたら
水のたっぷりはいった バケツが ばーん!

あたしの はやまわしのビデオは
ときどき ていしボタンもきかなくなる
アタシハ ワルイコナンダ

336 :オチツケともちゃんA :2006/04/02(日) 17:50 ID:???
ひるやすみ こよみちゃんと ぶらんこ
ジュンバンよ ジュンバン
そう ジュンバン ジュンバン

でも あたしの はやまわしのビデオは
やっぱり とまらない
いつのまにか こよみちゃんの せなかをおして

こよみちゃん ぶらんこの下で ないている
こよみちゃん はなから ちが ながれている

せんせい とんできて
どうして ともちゃんは ワルイコなの
どうして ジュンバンが まもれないの
どうして こよみちゃんを なかせるの
どうして? どうして? どうして?
おおきなこえで ワンワンワン
アタシ コヨミチャン ダイスキダ
アタシ ダレヨリ コヨミチャント トモダチニナリタイ
アタシハ ワルイコナンダ

ママ また 学校に よばれた
せんせいたちの こまった かお
くどくど くどくど ちくちく ちくちく
ナントカ ナリマセンカ オカアサン
ママ あたまを さげたまま
いちども かおを あげないまま
ハイ ハイ ハイ ハイ
ちいさなこえで
スミマセン スミマセン スミマセン

アタシハ ワルイコナンダ

かえりみち
ママ
あたしのうでを
きつく にぎって
どんどん どんどん
ひっぱっていく
夕やけのなかに
ママのかおが
きえていく

337 :オチツケともちゃんB :2006/04/02(日) 17:51 ID:???
うちのなか あさ あたしが ひっくりかえした
テーブルが そのままに なっている
さらが われ ごはんが ちらばっている

ママ はえたたきを もつと
あたしのせなかを なんども たたく
ドウシテ ママヲ コマラセルノ
ママのかおも あたしのかおも ぐちゃぐちゃ
あたし ママ だいすきなのに
どうして イイコに なれないんだろう
あたしは どうして ワルイコなんだろう

ぱちんと はえたたきのさきが とんだ

338 :オチツケともちゃんC :2006/04/02(日) 17:52 ID:???
それから なんにちかして
でんしゃに のって
あたしは となりまちの
おいしゃさんに いった
あたしは くるくるまわる
いすに のって
おいしゃさんのまえを
ローラースケート
おいしゃさんは
にこにこして
あたしを みている

「おこまりのことは なんですか」
おいしゃさんが ママに やさしく きいた

ママ ぽつりぽつり ぽつりぽつり しゃべりはじめた
とちゅうで ハンカチ とりだした
「おかあさん ほんとうに よく がんばってきましたね」
と おいしゃさんが しずかに いった
ママ こえをあげて なきはじめた

「ともちゃん おいで ここに すわってくれる」
おいしゃさんが あたしを よんだ
あたしが いすに すわると
「ありがとう すわってくれて ありがとう」
そういった
「ともちゃんは かしこい子だ
おちつかなきゃ いけないって わかってる
ともだちに いじわるしちゃ いけないって わかってる」
ソウ ソウナンダ ワカッテルンダ
アタシハ ワカッテルンダ
「でも ついつい やっちゃう
それはね ともちゃんが いま
ブレーキのききにくい 車に
のっているようなものなんだ」
そういって あたしのあたまを なでた

あたしは ADHDなんだって
さんすうの にがてな 車
おんがくの にがてな 車
みんな いろんな 車に のっている
あたしが のってる ADHD号は
ブレーキが にがてな 車
あたしが じょうずに のれば
この車は けっこう すごいらしい
そう おいしゃさんが おしえてくれた

339 :オチツケともちゃんD :2006/04/02(日) 17:52 ID:???
かえりみち ママ あたしの手を
やさしく にぎって あるいてくれた
「ママ べんきょうしなくっちゃ
ともちゃんのきもちが わかるように
べんきょうしなくっちゃ」
そういって あたしのかおを にこにこみた
わらってる ママのかお ひさしぶりに みた

それから ママも パパも 学校のせんせいも みんな みんな
はげましてくれる ほめてくれる
ありがとうと いってくれる
あたしを みていてくれる
あたしの オチツカナイむしも
イジワルむしも やっぱり ときどき かおを だすけど
でも ママが わらっている日
おおくなってきた

きょうも あたしは つぶやく
オチツケ オチツケ
ともちゃん オチツケ
アタシ スグ イイコニ ナレナイケド
デモ アタシハ ワルイコジャ ナインダ

340 :オチツケともちゃん :2006/04/02(日) 22:24 ID:???
以上、滝野智が自称暴走女子高生であることの所以

たまたま絵本を読んでそのまま思いついて書きました。
原作が良く出来ているのでいじるにいじれず、結果としてほぼ丸写しになりましたが。

341 :名無しさんちゃうねん :2006/04/02(日) 23:00 ID:???
(o^-')bグッジョブ
よみが何だかんだ言って、腐れ縁で長く付き合っているのも、
智の真の理解者は、自分しかいないという思いもあるのか(*´Д`)ハァハァ

342 :名無しさんちゃうねん :2006/06/19(月) 04:09 ID:i-FD33ahhE
人集めのためにあえてageさせてもらいます。

343 :衣刀 ◆I179IHOA0g :2006/06/30(金) 19:25 ID:???
書いてもよろしいですか?

344 :衣刀 ◆I179IHOA0g :2006/06/30(金) 19:29 ID:???
「本音」

(中略)
ちよ「…ミートボール」
智「うわっ子供がいる!」
ちよ「子供じゃありませんー」
智「♪こっども〜こっども〜こっども〜!」
ちよ「じゃあ智ちゃんは何が好き?」
智「お、私か!?私は…」
よみ(どうせバナナとでも言うんだろうなぁ)
智「…ちよちゃんかな」
ちよ「へ?」
よみ「何!?お前…どういう意味で?」
智「そのままだよ。ちよちゃんが好き。」
よみ「バカだなコイツ。ちよちゃん、こんな奴の相手なんてしなくていいよ……ちよちゃん?」
ちよ「あの、智ちゃん。私のこと好きなんですかぁ?」
智「おうよ!私は嘘はつかないよ!」
ちよ「そうですか、えへへ…//
 ………でも、私は食べ物じゃないですよ(にこにこ)」
よみ(うわー、ちよちゃん、かわいー)

345 :衣刀 ◆I179IHOA0g :2006/06/30(金) 19:29 ID:???
一応終わりです、あ、もしかしてageた方が・・?

346 :名無しさんちゃうねん :2006/06/30(金) 20:02 ID:i-E17F7W0s
おお、確かに可愛い(≧∀≦)

347 :眠名有 :2006/06/30(金) 23:12 ID:???
おお、短くまとまってて面白く手よかったです。
乙。

348 :衣刀 ◆I179IHOA0g :2006/07/01(土) 21:20 ID:???
ありがとうございます、光栄です。m(__)m
暇ができたら、また書かせていただきますです。

349 :名無しさんちゃうねん :2006/07/02(日) 00:13 ID:i-m9hb2USY
>>344
ちよ好きの私にとっては、効きました。
百合なんだけど、百合ということをあまり感じさせず、シリアスに、尚且つ短くて、何度でも読み直せる…
今までの小説とはちょっと違った感じです。シリアスだけど効くってのは。ってか、保存しました。

350 :名無しさんちゃうねん :2006/07/02(日) 01:27 ID:???
どうでもいいけどさげようね。

351 :名無しさんちゃうねん :2006/07/02(日) 02:58 ID:???
新作投稿の直後は、ageてもいいと思うけど。

352 :名無しさんちゃうねん :2006/07/02(日) 03:01 ID:???
いや〜SSスレはsupersage進行がお約束でしょう
てかageられた方が書き手がやりにくいような気が

353 :名無しさんちゃうねん :2006/07/02(日) 03:13 ID:???
今まで色々あったからねえ

354 :名無しさんちゃうねん :2006/07/02(日) 08:28 ID:???
控え室はsageだけど、ここは別にageでもいい希ガス

355 :名無しさんちゃうねん :2006/07/03(月) 16:33 ID:???
しかし、今までにSSスレが上がったことによって息を吹き返した例も、あります。


では、このスレはageでもsageでもよくて、控室はsage進行っとのはどうでしょう?

356 :衣刀 ◆I179IHOA0g :2006/08/25(金) 23:28 ID:???
今回はギャグ。しかも一部パクリ・・出展は「せん○いのお時○」


ちよ「智ちゃん、すごい熱ですよ??お医者さんに注射してもらった方が・・」
智「痛いのイヤッ!私かよわいしー!こわいーー!!」
ちよ「智ちゃん?」
智「・・今度は何よ」
ちよ「そういえばそのピアスの穴、どうやってあけたの?」
智「 『ふとん針』 金ねーし」

357 :名無しさんちゃうねん :2006/10/31(火) 20:28 ID:???
ここはまったりしてていいねぇ

358 :USA :2006/11/15(水) 04:32 ID:???
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359 :USA :2006/11/16(木) 23:11 ID:???
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360 :USA :2006/11/19(日) 11:26 ID:???
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361 :USA :2006/11/21(火) 07:19 ID:???
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