世の中のすべての萌えるを。

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大阪メイン小説

1 :名無しさんちゃうねん :2003/07/04(金) 18:27 ID:???
みんなで大阪の小説を作ろう・・・・・まぁ適当に書いてくれ(ぇ

201 :名無しさんちゃうねん :2005/02/25(金) 23:45 ID:???
>>198
時間、ないねん。

202 :199 :2005/02/25(金) 23:48 ID:???
>>200
専ブラはいろいろ便利ですよね。
たまの誤爆が珠にキズ

203 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/02(水) 12:47 ID:???
諸事情により、こちらによみメインの小説を書くようにします。

204 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/02(水) 12:48 ID:???
「さぁ〜!今夜もやってまいりましたっ!毎週土曜のおもしろ投稿ラジオ番組『お笑いチョップ』のお時間ですっ!」
始まった。最近の自分の楽しみといえば、このラジオ番組だ。
もちろん自分も参加している。こんなに面白い番組に参加しないなんて損だとしか言いようがない。
と、言ってもまだ初投稿から3日しか過ぎていない。つまり、今回の放送で自分の初投稿が読まれるか、読まれないかという緊張もある。
「パーソナリティはわたくし、寒空一景と!」
「そしてわたくし、久坂舞がお送りいたします!」
「はい!それではさっそく今夜の第一作目を紹介しましょう!」
・・・どうだろうか。この番組は、初投稿はだいたい中盤あたりで読まれる。
出だしに読んで滑ったり、終盤に読んで滑れば台無しになるからだ。まぁ、どの番組も一緒だろうが。
「一作目は・・・コイツだぁっ!『涙のダイエット少女』ちゃんっ!!」
「わー!きましたー!この子はもう毎週ですよねっ!」
出た。『涙のダイエット少女』さんだ。この人は一体いくつぐらいなのだろうか?
親が一緒にいるから・・・中高生ってとこだろうか。
それはともかく、この人の投稿はおもしろい。毎度のことながらダイエットの失敗談なのだが、そのまとめ方がナイスだ。
「それではいきますっ!えー・・・」
『寒空さん、久坂さん。こんばんわ!」
「「はいこんばんわー!」」
『私は先日から肉抜きダイエットを始めました。肉は食べず、魚などで代用するのです。』
「まぁ〜たこの子ったらダイエットか!今度は大丈夫かな!?」
『これがなかなか大変で、色んな食べ物に肉が入っていて、肉抜き料理を探すほうが大変なのです。』
「あ、わかるわかる〜!」
『でも今回は食べちゃいけないってわけでもないので、頑張れそうです!来週には痩せた!という報告をしようと思っているので頑張ります!!』
「おぉ〜っと!まだ挫折してないのかぁ〜!?今度はできるといいね『涙のダイエット少女』ちゃん!」
「応援してるよ〜!がんばってくださいね〜!」

205 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/02(水) 12:52 ID:???
肉抜きダイエットか。しかも今回はまだ挫折していないらしい。
痩せられたら痩せられたでネタにならなくて面白くない・・・が、やっぱり頑張って痩せてもらいたいものだ。
「それでは次の投稿にまいりましょうっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15分が過ぎた。常連の様々な面白ネタが飛び交っていた15分が。
「それではちょっと合間を挟んでリクエスト曲!『Raspberry heaven』です!』
・・・だいたいリクエストの曲が終わったあたりから初投稿の紹介が始まる。
つまり、この曲が終われば・・・。

ジャカジャジャジャジャーン!お笑い☆チョーーップ!

CMが終わった。・・・そろそろだ。
「そぉ〜れでは!今から初☆投☆稿ってやつを読ませていただきますっ!」
「わぁ、楽しみ〜!」
「初投稿の熱い魂でリスナーをもっと熱くしてやれ!『早口言葉で舌を切る』君!!」
・・・残念。自分ではなかった。
「早口言葉で舌を切る〜!?わっ、痛そう〜・・・。」
「それでは読ませていただきますっ!!えー・・・」
『・・・・・・・・・!!・・・・・。・・・・・・・!?・・・・!!』
・・・・・・つまらない。・・・つまらなさすぎる。ただのダジャレじゃないか。なんだ『和尚が2人でお正月』っていなくても訪れるよ。
しかも今は春だ。お正月シーズンはとっくに過ぎ去っただろうに。・・・初投稿は所詮こんなものか。
「はい、ありがとうございました『早口言葉で舌を切る』君!」
「ん〜・・・舞ちゃんあんまり面白くなかったな〜。」
「えぇっ!?本当かい?それでは『早口言葉』君。今度は頑張って舞ちゃんを笑わせてくれっ!」
「期待してマ〜ス☆」
「それでは次の投稿!・・・・・・・」
・・・・・・結局。今夜に読まれることはなかった

206 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/02(水) 12:53 ID:???
月曜の朝。眠い目をこすりながら学校へ向かう。
とろとろと歩いていると、後ろから元気な会話が聞こえてきた。
「よ〜み〜!昨日の『世界ぶるるん滞在記』見た〜!?」
「ああ。なかなかよかったな。・・・イタリアだったっけ。」
「そうそうそう。あのピザ作るやつやってみてーなー!作ったら自分で食べれるしね!」
「ピザ・・・か。いいよな。チーズなんかたっぷり乗せてなっ!」
「お〜!いいね〜!」
昨夜のTV番組の話をしながら、とろとろと歩く自分を追い越してその2人組は行ってしまった。
3年になってから初めて一緒のクラスになった。『滝野智』と『水原暦』。
うるさいほうが滝野で、クラス唯一のハイソックスが目立つほうが水原だ。
特に水原。よく食べ物の話をしている。食べることが好きなのだろうが、今も少し太めだ。
このまま太ってあの美貌を捨てることにならなければいいが。『涙のダイエット少女』さんを見習ってほしい。
『おはよ〜』『おっはよ〜!』『ぅはよ』
教室に入ると、みんなが口々に挨拶をしている。うん、今の時代柄、挨拶をするのは結構珍しいと思う。
「よ!おはよう春日!」
「ん、おはよ。・・・随分ハイテンションだな滝沢。なんかあったのか?」
「へっへっへ・・・。実はさっき水原のパンチラが見えてさぁ・・・!」
「・・・で、何色だったよ!なんて聞くとでも思ったかぁ〜!!」
友人の『滝沢守』に軽めの突っ込みをいれて笑いを取る。最近はこれが日常になっている。

207 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/02(水) 12:53 ID:???
「いてて・・・。まぁまぁまぁ、ちゃんと聞けって春日!なんとシマシマの水色だったんだぞ!?」
「聞いちゃいねーっつの。だいたいそんな大きい声で喋るなよ。壁に耳有りっている言葉を知らないのか?」
小範囲とはいえ大声でクラスメートのパンツの色をバラしている滝沢を止めないわけにもいかない。
「・・・いやらしいんやなぁ〜。滝沢君と春日君って。」
やや斜め後ろのほうから声が聞こえた。この間延びした特徴のある大阪弁は・・・。
同じ名字の『春日歩』だ。といっても、自分の下の名前は幸い『春日翔』(かすがかける)だ。・・・歩と翔ってのもなんか・・・。
「よみちゃんに言ったろーかなー。」
「わっわっ!待ってよ大阪さぁ〜ん!ね!?ほら!春日もどうにか言え!!」
「私も春日やで〜。」
「・・・なぁ、春日さん。訂正してくれ。いやらしいのは滝沢だけだぁっ!!!」
「なぁにぃ〜!!裏切ったな春日めぇっ!」
「あはははは!ホンマや〜。エッチなんは滝沢君だけなんやぁ〜。」
「えぇい!そうさっ!俺はエロスさ!さぁ者共!我の元にひれ伏すがいいっ!!」
「誰がひれ伏すか。」
コントめいた会話。自分はこれがなかなか気に入っている。
「まぁよみちゃんに言うゆーのは冗談や。せやけど、そんなん言うてたら嫌われてまうで。気ぃつけなあかんで。」
「「へ〜い」」
普段ボ〜っとしている春日に注意されるとは思ってもみなかった。
・・・裏がないわけないじゃないか・・・・・・。
春日は水原のところに行った。その間、水原は頬を赤らめてこっちを睨んでいた。
・・・さしずめ春日は水原の使命でこっちに来たわけか・・・。・・・多分嫌われたかな。
「でさ、水原の・・・」
「まだ言うか!!」

キーンコーンカーンコーン・・・キーンコーンカーンコーン・・・

208 :名無しさんちゃうねん :2005/03/03(木) 00:01 ID:???
おお!ついに来た・・
これからどうなるのか楽しみですw

209 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/05(土) 10:45 ID:???
「はーい、みなさんおっはよー!昨日まで休みだったからって寝惚けてたらダメよー!」
元気な声で入ってきた担任、谷崎先生だ。2年まで担任だった黒沢先生と同級生だったらしい。
元気というより、子供っぽい。が、最近の教師を見てみると新鮮だし、生徒の気持ちもわかってくれる。
ある意味理想の教師ってとこだ。・・・遅刻するところはどうかと思うが。

HRを終え、授業を済ませ、昼休みとなった。
「おい、春日〜。お前今日食堂?」
「ん?ああ。なんで?」
「いっや〜、買いに行くのメンドくせ〜からさ帰りに購買部でパン買ってきてくれないか?」
「自分で行けよ・・・。だいたい俺戻ってくるのに20分はかかるぞ?」
「ああ、いいよ。MDでも聞いてるから。」
「没収されないようにな。」
一言残して教室をあとにする。以前谷崎先生にゲームをしているところを発見された生徒は、没収されて未だに帰ってきてないとか。
・・・多分、先生自身がやっているのだろうが。
食堂のカウンターでカレーうどんを受け取ると、席を探す。
・・・どこも空いていない。と、遠くの方にひとつだけ席が空いている。
座っているのはどうも女子のようだが、ここは椅子だけでも借りて・・・。
近づいていくと、座っている女子が誰だかはっきりわかってきた。
水原、滝野、春日。そしてかの天才少女ちよちゃんに物静かな榊。そしてスポーツ特待生の神楽までいる。
だからどうということもないが・・・。
「ごめん、この椅子持ってくよ?」
さりげなく。精一杯さりげなく椅子を持っていこうとする。
「あ、春日君や〜。一緒ご飯食べよ〜。」
・・・。ああ・・・春日よ・・・。何故そこまで俺を追い詰める・・・。
「あ、いいですねっ!春日君とは一度話したいと思ってたんですよー!」
「・・・うん。」
ちよ・榊ペアまでゴリ押しをかけてくる。というか一度話したいって一体なんなんだ?
「カレーうどんやろ〜?伸びてまうで?はよ座りや〜。」

210 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/05(土) 10:57 ID:???
「なにぃっ!カレーうどんだと!?みんな逃げろっ!汁が飛ぶっ!」
「うん、そだろ?俺あっちに・・・。」
「何言ってるんですか?春日君は汁を飛ばさずに食べれるじゃないですか。」
「・・・ちよちゃん。なんで知ってるの?」
「春日君はよく食堂に来てはうどんばっかり食べてますから、見てる人はみんな知ってますよ〜。」
「そう・・・情報通だねちよちゃん・・・。」
なんなんだこの子供は!?俺は・・・観察されているのか?
恐怖感を覚えながら席に座る。その正面には、水原がいた。なにやら弁当を食べている。
・・・中に妙に赤いコロッケが見える。血か?
「あの・・・水原さん。そのコロッケ・・・なに?」
「ん?あ、ああ。激辛唐辛子コロッケだよ。うまいぞ〜?」
「へぇ〜。辛いもの好きなんだ。俺も結構好きだね。」
「食べてみるか?」
「いや、悪いよ。人の弁当もらうなんてさ。俺うどんあるし。」
「まぁまぁ。レア物だぞ?鷹のツメもたくさん入ってるし。」
・・・唐辛子じゃん。
「あかんで春日君!鷹のツメゆーたら唐辛子のことや!騙されたらあかんで!」
「うん・・・知ってるから・・・。でもまぁ・・・話のタネに少しもらおっかな。」
水原の弁当から激辛コロッケを少し取ると、口に運ぶ。
・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!
「げほっ、ごほっ!!な、なんだこれっ!!」
辛味を取るために一気に口へカレーうどんを運ぶ。唇が痛い。舌も痺れていて味がわからない。
「あっはっはっはっはっは!!大丈夫か〜?」
水原が爆笑しながら心配してくる。なんだよそれ・・・。
「みっ・・・みずっ・・・みずぅっ・・・!」
「ほら、これでも飲め。」
水原は食堂の隅にある売店で売っている紙パックのお茶を差し出す。

211 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/05(土) 11:09 ID:???
「悪い!買って返すから!!」
ストローの刺さった紙パックを取ると。一気に飲み干す。グビリ、グビリと音を立てるたび、咽喉が快感を覚える。
「・・・っぷはぁ・・・。ごめんな水原。ちょっと買ってくるな。」
席を立とうとすると、滝野が口を開いた。
「あ〜!間接キッスだぁ〜!春日君ってや〜らしぃ〜!」
「「なっ・・・!」」
水原と同時に反応。お互い『そんなつもりはない』という気持ちでいっぱいなはずだ。
「・・・お前なぁ。小学生かよ?間接キスごときで・・・。」
「や〜い、照れるな照れるな〜!」
「クソッ!!」
水原が滝野のほっぺを引っ張っている。・・・無視してそのまま売店へ歩いていった。

「はい、水原さん。ありがとう。・・・しかしまぁよくあんなに辛いの食べれるね。」
「辛いもの食べたら痩せるっていうのに、よみはプニプニですなぁ〜。」
滝野が水原のわき腹を揉みながら言うと同時に、滝野の頭部にチョップが落ちた。
「・・・あはは・・・。ごめん、忘れて。もとい、忘れろ春日!!」
「お、おう・・・。でも・・・水原さんって太ってるようには見えないけどな〜?」
「何言ってんだ〜!男大阪!これを見てみろ〜!」
水原の制服の上側をバッとめくると、目に飛び込んできたのは水原の巨乳だった。
「何するんだこのぉ〜〜〜〜!!!」
滝野の顎にアッパーカットが入った。・・・素晴らしいまでに見事に入った。
「春日!見たか!?見たのか!?見たんだな!?」
「・・・うん。ごめん・・・。」
「とぉ〜〜〜〜・・・もぉ〜〜〜〜・・・。」
水原が滝野に襲い掛かった。これ以上ここにいて何の疑いがかけられるかわかったもんじゃない。
カレーうどんを男ならではの早食いで片付け、売店でパンを買うとそそくさと食堂を後にした。

212 :名無しさんちゃうねん :2005/03/05(土) 22:04 ID:???
来ましたな・・・よみと主人公のやり取りがイイ!
読んでるこっちがこっぱずかしくなるくらいの甘々な展開を期待したいとこですw
どういう方向に行くのか分かりませんが

213 :名無しさんちゃうねん :2005/03/05(土) 22:54 ID:???
「男大阪」ってのがツボ

214 :名無しさんちゃうねん :2005/03/05(土) 23:01 ID:???
「W春日」と呼びたいなw

215 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/03/05(土) 23:39 ID:???
ほのぼのしてていいですね
ラジオの会話のところなんかうまいですね

216 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/06(日) 10:33 ID:pi/lznCs
その日、家への帰路で今日の出来事を思い返した。
・・・。水原の胸・・・。デカかったなぁ・・・。
ふと右手を見つめ、ギュッギュッと手を軽く握り締める行為を繰り返す。
「・・・この手じゃ入りきらないんじゃないのか・・・?」
一瞬しか目撃できなかった胸の大きさを思い出しながら道を歩く。
「おい!春日!!」
!!!!! ・・・この声は・・・。後ろをゆっくり、ゆっくり振り返る。
・・・水原だった。
「何度も呼んでるのに、無視すんなよ。」
「あ・・・ああ。ごめんごめん。ちょっと考え事しててさ・・・。と、ところで・・・滝野さんがいないじゃないか。どうしたの?」
「・・・昼間のこと忘れたとは言わせないぞ。」
「ああ・・・喧嘩したのね。・・・ってか忘れろって言ってなかったっけ?」
「後から言ったほうが正しいんだよっ!」
・・・ジョジョ?
「まぁ、大丈夫。誰にも言ってないから。」
「当たり前だ!言ってたら・・・。」
顔をしかめっ面にしてこっちをグッ睨むと、顔を赤くしてそっぽを向いた。
「あははははは・・・!やっぱ恥ずかしかったんだ。」
「あ・・・当たり前だ!春日で言うとこの、パンツ1枚になるようなもんなんだぞ!」
「やぁ〜だぁ〜。パンツ1枚ですって〜。水原さんって、やぁ〜ら〜・・・ゴバァッ!!」
・・・調子に乗りすぎた。昼間滝野に炸裂していたアッパーカットが、俺の顎に。・・・音ほど痛くはなかった。

217 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/06(日) 10:33 ID:???
sage忘れてました。失敬失敬。

218 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/06(日) 10:46 ID:???
「まったく・・・。いい加減にしろよな!」
「・・・!かーんかーんかーん!アッパーカットでK.O!K.Oです!勝者〜・・・!水原〜暦〜!!」
ちょっとボクシング実況風に言ってみる。水原は、クスッと笑った。
『あ・・・かわいい。水原って笑うとかわいいんだな・・・。』
「ああ・・・よかった。笑ってくれて。無視されたらどうしようかと思ったよ。」
「ははは・・・くっだらね〜な〜・・・。春日っていっつもそういうこと言ってるよな。楽しいか?」
「う〜ん・・・。いや、俺自体は面白くないけど、それで周りが笑ってくれれば俺も笑えるから。俺笑い上戸だからさ。」
「ふ〜ん・・・そうなんだ。じゃあ、さっきのは私を笑わせてくれようとしたんだな?」
「まぁ、自己満足も入ってるけどね。ネタを見つけちゃせずにはいられない!」
「ネタか・・・。確かにな。」
空を見上げ、なにやら意味ありげな言葉をつぶやいた。
「じゃあさ、明日半ドンだろ?私の家に来ないか?」
「え・・・。み、水原さんの家に?」
「”さん”なんてつけなくていいよ。なぁ、ダメか?」
「はは〜ん・・・さては、オイラに惚れたニャ!?」
照れ隠しに、子供っぽいことを言ってみる。
これで断られたら断られたで残念だが、今日話したばかりの女子の家に行くのはどこか恥ずかしいものがある。
「ばぁ〜か。」
俺の額を人差し指でトーンと押してきた。そして、2人で笑った。
「あははは・・・。まぁ、いいよいいよ。行ってみるよ。いやぁ、女子の家に遊びに行くなんて何年ぶりだろ?」
「うわ、年単位か?女運なかったんだなぁ・・・。」
「そういう水原こそ、男運には恵まれてるんですか?」
「・・・いや・・・その・・・。でも、年単位ではないぞ!」

219 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/06(日) 11:00 ID:???
「残念ですが、俺には水原を襲う勇気なんてないぜ〜。」
「いやいや、全然残念じゃねーよ。」
・・・?おかしい。随分一緒の道を歩いている。もうそろそろ自分の家だが。
「なぁ、水原の家ってこっちなのか?」
「・・・はぁ?お前、何言ってるんだ?」
「・・・何言ってる・・・って・・・え・・・?」
「ほら、あれが私の家で、そこがお前の家だろ?」
「・・・ハイィィ!?
驚いた。自分の家から水原の家まで、およそ100mぐらいしかないではないか。
「うそぉ!?めっちゃ近所じゃん!!!」
「うん。・・・知らなかったの?」
「知るもなにも・・・。全然!まったく!俺は小中学校、地元じゃなかったし!」
「地元だったらともも一緒だったんだぞ〜。」
「ほへ〜・・・。びっくりだ・・・。本当に・・・。」
自分の家と水原の家を交互に見ながら、その距離の短さを何度も何度も確認する。
「なんなら、今日の夜私の部屋に来てもいいんだぞ?」
「なぁにぃ〜!?・・・水原、もっと自分を大事に・・・ゲボゴホグブハァッ!!!」
水原のストレート、フック、アッパーの3連コンボが炸裂する。やはり、音ほど痛くない。
「か、勘違いするな!私の部屋は窓から入れるようになってるんだ。12時過ぎになるとともが来るから、一緒にどうだ、って話だ!」
「遠慮しときます・・・。また殴られたらかなわね〜し・・・。」
「いや・・・なのか?」
泣きそうな顔でこっちを見る。・・・なんで?
「いやじゃない、いやじゃない!・・・俺も男だ。襲わないように堪えます。」
「いや〜ん、ケ・ダ・モ・ノ。」
よみが体をくねらせ、ふざけた口調で言う。そしてまた、2人で笑った。
「なかなか水原ってコメディアン精神あるんだな〜。」
「んじゃ、今夜な。」
『・・・。堪えられるわけ・・・ないだろう・・・。昼間あんな巨乳を見せておいて・・・。』
今夜は拷問になりそうだ・・・。そう考えると、立ちくらみがしてその場にしゃがみこんだ。

220 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/06(日) 11:13 ID:???
『コツン、コツン』
『開いてる、入れ。』
ガラス窓を2度叩くと、中から返事があった。
「おじゃましま〜す・・・ぅおおぉ!?」
水原の格好が、おかしかった。下はオレンジのチェック模様のパジャマ。
上が・・・白のタンクトップ。頭にはタオルを巻いているから、風呂上りなのだろうか?
「水原・・・その格好。」
「ん・・・んぁぁ!こ、こっち見るな!あっち向いてろ!!」
だが、向かなかった。タンクトップの2つの膨らみの頂点には、ピンク色の突起が見えた。
「み・・・水原・・・。」
「や・・・やめろ春日。な?ちょっとまとう。な?なぁ!?」
「う・・・うぉぉぅ・・・。」
なんとか堪えた。・・・出だしから、キツイパンチをお見舞いされた。
「みずばらのあぼ〜・・・ぞんなぼんみぜんなよ〜・・・。」
普段濁音が付かないような言葉にまで濁音をつけて訴える。もう股間は臨界点だ。
「悪い悪い・・・。あ・・・!まずい!」
椅子に座っていた水原が勢いよく立ち上がる。その勢いで、巨乳がぶるるんっと震えた。
「ぎゃぁぁ〜!!!!!やめろぉ〜!!必死で我慢してんだこっちはぁ〜!!!」
「あ・・・ご、ごめん!ちょっとベッドでうつぶせにでもなってろ!ともが・・・ともが来る!
水原が扉に向かっていくと、ドアが向こう側からガチャリと開いた。
「はぁ〜、サッパリしたぁ〜!あ、男大阪だ。やっほ〜。」
!?!?!?滝野は、下は白のパンティー。上も同じように白のブラジャーだった。
「ばっ、ばか!とも!服着ろ!」
「わ、そうだった!男大阪!こっち向くなよ!」
・・・一夜にして、2人分の下着姿を目撃するとは。随分恵まれた日だ・・・。

221 :名無しさんちゃうねん :2005/03/06(日) 13:42 ID:???
おっ!もしかしてエロですか?

222 :名無しさんちゃうねん :2005/03/06(日) 15:24 ID:???
ラブコメですか?

223 :名無しさんちゃうねん :2005/03/06(日) 15:44 ID:???
なんか・・・イイ!

224 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/06(日) 22:50 ID:???
「・・・よし、いいぞ春日。」
「まったく、私たちの裸をただ見するとは!いい度胸だぁー!」
「・・・ひどい言い分だよ。俺はただ水原に来いって言われただけで・・・。」
「うん、知ってる。わかって言ったし。」
・・・こいつは・・・。
「で、水原。俺を呼んだ理由って・・・なんなの?」
「ん、いや。特に何もない。ただ話そうと思っただけだ。結構面白いからなぁ、お前。」
「んだよ・・・俺は水原の暇つぶしのために存在してるんじゃないんだぞ?」
「まぁまぁ、いいだろ?な?」
水原が肩に手を回してくる。水原がコソコソと耳打ちをする。目の前には・・・水原の巨乳が。
「お願い・・・話す。話すから・・・。こっちは必死で我慢してるんだから!」
「あっ・・・と、ごめんごめん。」
「おぉ、すごいぞ男大阪。あの巨乳を前にして我慢するとは。」
「まぁね。これでも俺は紳士!を目指してるからな。」
水原と滝野は顔を見合わせると、大声で笑い始めた。
「あーっはっはっはっは!し、紳士ぃ〜!!」
「教室で猥談ばっかりしてるお前が、紳士ぃ〜!!」

225 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/06(日) 23:02 ID:???
「う、うるせっ!仮に紳士じゃないとしても、フェミニストであることに間違いはないぞ!」
「・・・フェ・・・?なぁ、よみ。フェ・・・フェ・・・?フェラニスト?」
「違うだろ!恥ずかしいことを言うな!フェミニストだ!!」
水原の鋭いチョップが滝野の頭部を襲う。
「むきゃー!!叩かなくたっていいだろー!!」
「まぁまぁまぁまぁ・・・滝野もそう怒らないで。」
「で、フェミニストってなんだ?」
「まぁ・・・女性尊重みたいな、そんな感じだ。」
「へぇ〜・・・。・・・いいなぁ・・・。それ・・・。」
滝野が天井を見上げ、ボーッとした表情で言った。
「だってさぁ・・・。・・・むふふふふ・・・。」
「ど、どうしたんだとも?」
滝野がニヤけた表情でボソボソッと水原に耳打ちをした。
と、同時に水原の顔が真っ赤になり、滝野と顔を見合わせるとこっちを向いてニヤニヤ笑い始めた。
「な・・・なんだよ・・・。なんか文句あんのかよ・・・。男が紳士目指してどこが悪いんだよ!」
「ん〜・・・?榊ちゃんがね〜?優しい人がね〜?いいって言ってたからね〜?どうかな〜って。」
滝野がニヤニヤ笑いながら榊の好みを言ってくる。
「そんなん言われてもな・・・。榊さんは俺の好みのタイプじゃないし・・・。」
「ほう!じゃあどんなのがタイプだ!」

226 :名無しさんちゃうねん :2005/03/07(月) 21:43 ID:???
びみょーにえろえろかつ甘々な展開になってるなあ。
この調子で突っ走れー

227 :名無しさんちゃうねん :2005/03/11(金) 14:14 ID:???
すごく楽しみにしているんだが・・・
どうした?>>41

228 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/11(金) 14:23 ID:???
>>227
ああ、ごめんなさい・・・。もう少し(多分今夜)したら書くのでしばしお待ちを・・・。

229 :名無しさんちゃうねん :2005/03/11(金) 18:56 ID:???
syhthsrzthjsr

230 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/12(土) 10:37 ID:???
「・・・んと、そうだなぁ・・・。どっちかというと、俺は性格重視なんだよね、うん。体型とかは別に・・・。」
「おぉー!じゃあよみなんかピッタリじゃ〜ん!よかったなー!」
「なんでそうなんだよなんでぇ・・・!」
「えぇ〜?だってムニムニのよみと付き合ってくれるのはかひゅがふはいひは・・・。」
「黙れよ〜・・・黙れよぉ〜・・・。黙ってくれよぉ〜・・・。」
水原が滝野の頬をグイグイ引っ張っている。
「ひょもひょもひょみっふぇかひゅがほふぉとしゅきっふぇ・・・。」
「わぁ〜!!そ、それ以上言うな!言うなぁ〜!殺すぞ!?」
「・・・なんて言ったんだ?」
「プハッ!・・・だから、よみは・・・ぐおぁっ!」
水原のボディーブローが滝野の鳩尾にクリーンヒットした。
「うわっ、痛そう・・・。」
「す、すまん春日!ちょっと今夜帰ってもらっていいかな!?こいつをちょっと・・・な!?な!?」
「あ、ああ・・・。わかった。じゃあな。」
来た時通り、窓を通って水原家を出る。・・・来てからまだ30分ほどしか経っていないのに。
「一体なんだったんだろうな・・・。滝野の言っていたのって・・・。」
頬をつねられてきちんとした言葉になっていなかった。
その言葉を必死に通常語に戻そうと発奮しながら家に帰った。

(水原の部屋にて)
「ばかっ!喋るなっつっただろ!?バレたらどうしてくれるんだよぉ!」
「だぁってさぁ、いくら家が近いからって夜に家に呼ばれるとなると、普通誰だって気付くぞ?」
「でも・・・その・・・回を重ねないでそんなことしたら・・・。」
「やぁ〜、相変わらずロマンチストですにゃー。春日もめいっぱいロマンチストみたいだし、お似合いですねー。」
「う・・・うるさいなぁ・・・・・・もぉ〜!」
「痛い痛いイタイイタイ!!叩くなよぉ!」
「あ、ご・・・ごめん・・・。」
「そんなことしてたら春日君に嫌われちゃいますよ〜?いいんですか?よみ君。」
「う・・・。」
「明日っから突っ込まれる心配がなくなりそうだなー!よかったよかった!」

231 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/12(土) 10:54 ID:???
「あれ・・・もう朝か・・・?ちっくしょー!寝ちまったか・・・。」
昨晩、家に帰った後、しばらく滝野の言葉について考えていた。
『ひょもひょもひょみっふぇかひゅがほふぉとしゅきっふぇ』
『ひょもひょも』は『そもそも』で間違いない・・・。
だから『ひょみ』は『そみ』になる。
感覚からして『ふぇ』は『て』だ。
だが、文を繋げると「そもそもそみって』になってしまう。・・・謎の文だ。
結局、わからずじまいで眠ってしまったのだ。
「まぁいいか。今日学校で聞けば・・・。」

朝、学校についたが水原の姿は見えなかった。
「なぁ、滝野。水原は?」
「おやおや〜?朝来たと思ったらいきなりよみの心配ですかにゃ〜?」
「な・・・なんだよそれ・・・。」
「別にぃ〜?よみはね、朝迎えに行ったら熱出して寝てるってさ。残念だったね春日。」
「え〜?何が残念なん?なぁなぁ、教えてや春日君。」
一緒にいた春日まで・・・。
「いや・・・俺は・・・残念っちゃあ残念だけど・・・。」
「なにぃ!?や・・・やっぱり・・・。」
「クラスメートの1人が熱出して苦しんでいるっていうのは・・・。」
「・・・んだよ・・・。紛らわしいこと言うなっ!」
滝野からチョップを喰らった。水原ほどいい音は出ないが、素で痛い・・・。
「いてぇ・・・。」
「それはよみ君からの突っ込みだと思いたまえ!!」
「なんでそこで水原が出てくるんだよ・・・。」

キーンコーンカーンコーン・・・キーンコーンカーンコーン・・・

232 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/12(土) 14:41 ID:???
学校を終えて、家に帰る。
「おーい!春日ー!」
「春日くーん!」
滝野と春日が走って追いかけてくる。
「なんだ?2人して。・・・というかちよちゃんや榊さんやらは一緒じゃないのか?」
「いや〜、榊ちゃんはちよちゃん家に遊びに行ったから。・・・て、それはいいの!」
「なんなんだよ・・・。」
「今日、よみのとこにお見舞いに行く?」
「あ・・・。・・・いや、行くつもりじゃなかった。」
「ダメなやつだ!行くぞ!」
「あ・・・ああ。でも行っていいのか?」
「いや、むしろ来て欲しいんじゃな・・・。いや、なんでもないよ〜?なんでも。」
「あはは〜、智ちゃんおもろいなー。」
「いや・・・一体なにが・・・。」
「うるさい!行くぞダブル大阪!」
「おー!」
「お・・・おー・・・。」

233 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/12(土) 14:52 ID:???
ピンポーン  『はーい。あら、暦のお友達ね?どうぞ上がって。』
「「「おじゃましまーす。」」」

「春日君。君から入りたまえ。」
「え・・・?ここは普通親友の滝野が・・・。」
「いいから入れぇ!」
「わ・・・わかったよ。」
「あ!・・・私たちがいるのは黙っておけよ・・・?」
「・・・了解・・・。」
ドアをノックする。
コンコン  『誰〜?入っていいぞ〜。』
「・・・よ。体調どう?」
「わっ・・・か、春日!?うん・・・大丈夫・・・。」
「学期始めっから風邪ひくなんてなぁ・・・。昨夜何やってたんだ?」
「いや・・・ちょっと湯冷めしたらしくて・・・。」
「あんな格好でいるからだろ・・・。」
「あはは・・・。ごめんごめん。次からは気をつけるよ。」
顔はまだ少し赤みをさしている。熱はひいていないのだろうか?
水原はさっきから周りをキョロキョロと見渡している。
「どうかしたのか?」
「いや・・・きょ、今日は1人で来たのか?」
「いや、さんに・・・・・・いや、1人っちゃあ1人だね。うん。」
「なんだそれ。・・・フフッ、まぁいい。・・・今日はありがとうな。」
「なぁ〜に、いいってことよぉー!タハァッ♪」
変なポーズを取って笑わせようとする。
「あはははは!何やってんだよ!・・・立ってるのもなんだ。こっち来いよ。」
ベッドをぽふぽふと叩いて、促す。
「いや、そこに椅子あるし・・・。」
「あ・・・そ、そうだよな。あははは・・・。」
・・・さっきから妙だ。
「まだ少し・・・顔赤いな。熱あるのか?」
「ん・・・どうなんだろうな・・・。熱あるって自分じゃわかりにくくて・・・。」
「どれ・・・触らせて。」
水原の元に寄った。水原の額に手を当て、自分の額に手をあてる。
「・・・・・・わかりにくいな・・・。あははは・・・。まぁ、平熱に近いんじゃねーの?俺平熱高いからさ。」
「・・・ひ・・・額を当てれば・・・。」
「あ、なるほどな!・・・って、いいのか?」
「うん。・・・かまわない。」

234 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/12(土) 15:03 ID:???
「ほんじゃま・・・失礼して・・・。」
顔を近づけていく。目前には、美女・・・。つい、とどまってしまった。
「・・・どうしたんだ?」
「いや・・・その・・・なぁ・・・?」
「さ、はやく計ってくれよ・・・。」
「・・・はい。」
再び顔をゆっくりゆっくり近づける。水原は眼鏡をかけておらず、そのはっきりとした美貌がよくわかる。
キスでもするんじゃないかという近距離まで顔を近づけて、額をくっつける・・・。
何故か、とても胸がドキドキしてしまう。キスをするわけでもないのに・・・。
「おーい!!よ〜〜〜〜み〜〜〜〜!」

ゴツッ!!!!

「いってーーー!!」
滝野の突然の声に驚いて強烈なヘッドバッドをかましてしまった。
「いたぁ・・・。」
「あぁっ・・・!ご、ごめん水原!大丈夫か!?」
「おぉ?何をしようとして頭突きになっちゃったんですかな?」
キッと滝野を睨む。『こうゆうことだったのか?』と目で訴えながら。
「そ・・・そう睨むなよ春日・・・。怖いじゃないか・・・。」
「あ・・・ご、ごめん。つい・・・。」
「か・・・春日君怖かったわ・・・。おっかない目してたで・・・?」
「ご、ごめんってば・・・。悪気は・・・。」
「春日・・・痛いじゃないか・・・。」
水原が涙声で言ってきた。目を向けると、眼に涙まで浮かんでいる。しまった・・・。
「ごめん!本当にごめん水原!!」
「いや・・・。大丈夫・・・。だが、こっちの願いを聞いてもらうぞ。」
「ひぇぇ・・・ごめんなさい・・・。」
『今夜、私の部屋に来てくれ・・・。』
「え・・・それってなんで・・・。」
「さぁ!私は風邪をひいているのだぁ!静かにしてくれーっ!」
質問をさせんとばかりに声を出す。・・・元気じゃないか。


「それじゃあよみ、元気出せよ?」
「元気でなぁ〜、よみちゃん。」
「じゃあ。」
「今日はありがとう・・・。じゃあな。」
挨拶をして、水原の部屋を出て、水原家を後にする。

『今夜、私の部屋に来てくれ・・・。』
この言葉がいつまでも頭にこだましていた・・・。

235 :名無しさんちゃうねん :2005/03/12(土) 19:43 ID:???
おお!なんか急展開
いいですなあ・・これはえろえろを期待していいのか?
続き楽しみにしてます。

236 :名無しさんちゃうねん :2005/03/14(月) 01:07 ID:???
おいおい・・・純愛だよな?

期待してる。

237 :名無しさんちゃうねん :2005/03/14(月) 01:16 ID:???
>>236
わからんぞ、また大阪と智が乱入してくるかもしれんぞ。

238 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/15(火) 02:04 ID:???
「・・・どうもハメられてる気がしてならない・・・。」
――――――彼、春日翔は過去に女子にハメられた経験があった。
付き合うみたいな感じでアピールしてきた女子との色々なやりとりは・・・他の女子にまで知れ渡っていたり。
そう、具体的に言えば、恥ずかしい内容のメールであったり・・・。
勿論、彼は水原のことをそんな人間だと思っているわけではない。が、過去のトラウマがその考えを取り払うことを許さないのだ。―――
「・・・よし!ここはひとつ・・・。」
水原の家に向かう前に、コンビニに向かった。買ったものは、そこまで大きいものではなく、ミニサイズのコンビニ袋の中に納まりきっていた。
コンコン  『春日かー?』
「ああ。入るぞ?」
窓を開けて中に入る。・・・水原はベッドに寝たまま、春日を迎え入れた。
「やぁ・・・いらっしゃい。」
「なんなんだよ・・・。俺だけ呼び出したりして・・・。」
「うん・・・まぁ・・・なんだ・・・。その・・・頼み事とゆうか・・・。」
「あ!やっぱりそうだったんだな!?」
「えっ・・・。」
水原はドキッとした表情をすると、顔をサッうつむけた。耳まで赤くなっている。どんな表情をしているか丸分かりだ。
「ふっふっふ・・・この春日翔の目は誤魔化せないぞ?」
「えっ・・・じゃあ・・・。」
「おぅよ!見ろぉー!」
右腕に下げていたビニール袋の中身を取り出す。中身は・・・。
「暴君・・・ハバネロ?」
「そう!水原は辛いもの好きなんだろ?お見舞いに行ったのに手ぶらだったから怒ってるかと思ってな!」
・・・勿論、そんなことで呼び出したわけでもないのは分かっている。
が、こうでもして笑いをとらないとプレッシャーに押しつぶされそうだったのだ。
「あ・・・あは、そう!そうなんだよ!この気の利かないやつめっ!」
「あっはっは、ごめんごめん。俺、これ食べたことないんだよな。おいしい?」
「ああ。すっっっっげーうめぇ。」
「・・・どうせまた前の激辛唐辛子コロッケみたいなもんなんだろ?」
「まぁまぁ、話のタネに・・・だろ?」
「・・・よく分かってるじゃん、俺のこと。」
袋の封を破き、中身のチップスを1枚取り出す。・・・真っ赤に染まっていて、いかにも辛そうだ。
「んじゃま・・・。」

パク

「・・・そう・・・でもないな。辛いけど・・・うまいな。」
「だろ?そうだろ?」
だが、そのうまいという概念は一瞬で取り払われる。
「・・・!!!うっわ!なんだコレ!!後から辛いのが・・・うわぁ〜!!」
「あっはっはっはっは!」
「水・・・水が・・・ない!どうしよう!」
「春日・・・じゃぁ〜ん!」
水原が取り出したのは、ポカリスエット(2Lサイズ)だった。

239 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/15(火) 02:18 ID:???
「おぉ!ありがたい!」
水原の手からペットボトルを奪うと、口はつけずにガブ飲みをした。・・・以前の教訓の一環ってやつだ。
「あぁ・・・ありがと。・・・うわぁ、まだ辛いや・・・。でもこれ、癖になる辛さだな。」
「一緒に食べよう。コレ、いっぺんにたくさん頬張るとそこまで辛くなくなるんだ。」
そう言って、二人でもくもくとハバネロチップスを食べていった。
しばらくの沈黙の後、水原が口を開いて言った。
「なぁ・・・私が呼んだ理由、このためだと思ってきたのか?」
「・・・ンなわけないだろ・・・。」
「まぁ、いくら鈍感なお前でも・・・気付くよな・・・。」
・・・やはり・・・やはりこれは・・・。こっ・・・告白!?
「私・・・春日のことが・・・。・・・・・・・・・・・・。」
「俺のことが、なんだ?」
水原は顔を伏せ、黙り込んでしまった。・・・やはりそんなことはないか。
残り少ないハバネロチップスを数枚口にほおりこんだ瞬間・・・!
「春日ッ・・・!」
突如、水原が自分の唇を奪ってきた。とても不器用な、キスを。
―――よく雑誌とかで、『ファーストキッスは甘い』等と語られるが・・・。
全然そんなことはない!辛いではないか!―――
水原はしばらくすると、体を離し、壁側を向いてしまった。
「・・・ごめん・・・春日・・・わ・・・私・・・。」
水原の唾液が含まれたハバネロチップスを噛み砕くと、ポカリスエットで流し込む。
「・・・まったくだよ・・・!なんてやつなんだ、水原は!」
水原の体がビクッと跳ねた。小刻みに震えている。後悔の念だろうか・・・泣いているのだろうか・・・。
「ハバネロ食べてちゃ・・・せっかくのキスの味がわからないじゃないか・・・。」
水原を後ろから抱き締めて、耳元で囁いた。水原の震えがピタリと止まる。
「こっち、向いてくれよ・・・。キス、できないだろ?」
水原がゆっくりと顔を向けてきた。その目には・・・涙が浮かんでいた。
「春日ぁっ!」
水原が突如抱きついてきた。さっき自分が抱き締めたときより、強く、強く。
「水原・・・。」
しばらく見詰め合うと・・・再び、キスを交わした。
―――今度のキスは・・・酸味とピリッとしたスパイスのある、唐辛子のような味だった。―――

240 :名無しさんちゃうねん :2005/03/15(火) 07:30 ID:???
ついに・・・来た。

241 :名無しさんちゃうねん :2005/03/15(火) 07:33 ID:???
風邪がうつる・・・・・

242 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/15(火) 21:12 ID:???
>>241
あっ・・・ネタ言われた・・・。

243 :名無しさんちゃうねん :2005/03/18(金) 11:43 ID:???
〜シチュエーション〜
授業をサボり、屋上への踊り場でオナニーしていた大阪兄と、方向音痴でバッタリ
兄と出くわした大阪・・・。そこへ階段を上る足音が!仕方なく、屋上へ避難する二人
そして欲情した大阪兄が・・・!?
頑張りマッスル

244 :名無しさんちゃうねん :2005/03/18(金) 13:46 ID:???
>>243
ガンガレ。
けど、メール欄はsageにした方がいいと思うよ。

245 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/18(金) 18:38 ID:???
>>243
あと名前も。区別しにくいので。
一緒に頑張りましょう。

246 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/21(月) 01:09 ID:???
「なぁ・・・。なんで、俺なんかを・・・。」
キスを終え、同じベッドの、同じ布団に入って話した。
「私・・・ずっと前から、春日のこと・・・好きだったんだ。」
「・・・いつ頃から?」
「中3の・・・冬。」
「そ、そんな早くから?」
「うん・・・。ともと一緒にカラオケに行ったときだっけな・・・。」
その後、水原は淡々と自分に出会ってから、どんな想いをし、どんなことをしたかを話した。
・・・まったくもって記憶にないが・・・。
「ただの・・・片思いで・・・。今も無理矢理キスしてしまって・・・。」
「い、いや・・・お、俺も・・・水原のこと・・・好きだったし・・・。」
「あはっ・・・無理しなくていいよ。」
「本当さ!」
「だって・・・私を、処女を奪おうとしないじゃない・・・。」
「す・・・好きだからこそだ!」
「・・・え・・・?」
「好きだから・・・好きだから傷つけたくない・・・。大事なんだ・・・水原が。」
「・・・春日・・・。」

ガンガンガンガン!!!

『おーい!開けろ〜!見舞いに来たぞ〜!!』
・・・はぁ。また、滝野だ。一度ならず二度までも・・・。
「春日!隠れろッ!」
水原が突如布団を被せてきた。温かい布団の中、目の前には美しい少女がこちらを見つめている。
『おーい!・・・寝ちゃったのかな〜?しょうがない。帰るかっ!』
滝野の声がする。その独り言に、顔を見合わせてククッと小声で笑った。
そして再び抱き合って・・・キスをした。

247 :名無しさんちゃうねん :2005/03/21(月) 20:02 ID:???
おお!ついにキターーー
いいですなあ、布団の中で2人っきりw
こういう甘い展開は大好きです・・続き楽しみにしてます。

248 :名無しさんちゃうねん :2005/03/21(月) 20:05 ID:???
つ・づ・き!!つ・づ・き!!

249 :名無しさんちゃうねん :2005/03/26(土) 09:22 ID:???
そろそろ上げるべきかと言ってみるテスト

250 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/26(土) 22:31 ID:???
『しょうがないなぁ・・・帰るか!』
サク、サク、サク・・・

滝野が窓から離れていくのが足音で確認できる。
「行ったかな・・・?」
「・・・多分ね・・・。」
「「クククク・・・・アッハッハッハッハ!!!」」
布団の中、2人で大声で笑った。
「っあぁ〜。まいったねぇ。」
「ホントだな・・・。ともには今日来ないでいいって言ったのにな・・・。」
布団を跳ね除け、体を起こして話す。
「クククッ・・・。じゃ、俺帰るな。」
「えっ・・・帰っちゃうのか?・・・その・・・アレは・・・してくれない・・・のか?」
「ごめんなっ・・・。さっきも言ったけど・・・。水原のこと、大事にしたいからさ。」
「・・・うん、ありがとう。・・・でも、女にここまで言わせておいて何もしないなんて、春日も罪な男ってやつよ?」
「あはは・・・ごめんな。正直っ・・・水原を抱いてあげる、勇気がないんだ・・・。」
「そう・・・。じゃあ、勇気が出たら、いつでも言って。・・・待ってるから。」
頭をコクリと縦に振ると、軽く手を振って窓を出る。
「やーーーーっぱりっ、いたぁ!」
「うわわわわわ!!」
窓に足をかけたところで突然声をかけられ、驚いて落っこちてしまった。

251 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/26(土) 22:34 ID:???
「春日ぁぁぁ・・・中で何をしていたぁぁぁ・・・。」
「うわ・・・滝野・・・。」
「窓の前にサンダルがあったから、絶対中にいることはわかってたんだぞぉ・・・。」
・・・しまった。とんだイージーミスをしてしまった。
「中で何をしていたぁぁぁ・・・。」
「いっ・・・いやっ・・・ただの、お見舞い・・・。」
「じゃあなんで入れてくれないんだよー!バカー!!」
滝野がブンブン手を振り回して怒る。その手には、ビニール袋がかかっていた。
「せっかく・・・よみにと思ってお菓子持ってきたのに・・・。」
ビニール袋の中には、『暴君ハバネロ』が入っていた。・・・考えることは一緒か。

252 :名無しさんちゃうねん :2005/03/28(月) 15:16 ID:???
続きキタタタタタ━━━(∀゚Ξ゚∀)━━━!!

がんがってくだたい。

253 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/30(水) 14:28 ID:???
「あ・・・あはは・・・。いや・・・。」
「もー!春日なんてキライだー!」
滝野はビニール袋を思い切り俺にぶつけると、走り去ってしまった。
窓越しに、水原を見る。
「・・・。」
「(追いかけてやってくれ。)」
右手の親指をたて、クイクイッと合図を取る。
・・・水原の頼みとなっては仕方ない・・・。
と、言われずとも追いかけるつもりではいたが。なんたって、自称紳士の名に傷が付く。
ザッ、ザッ、ザッ!
玄関を走りぬけ、あたりを見回す。
「・・・右かっ!」
右の方向、自分の家とは真逆の方向だ。その方向に滝野の家があるのだろうか?
タッ、タッ、タッ・・・!
滝野の背中を追って走る。徐々にその距離をつめていく。
ザッ!
ふいに滝野は方向を変え、公園の中へと走っていってしまった。
だが・・・これを逃がしてしまっては・・・男がすたる!
「待てよ!滝野ッ!!」
スパートをかけ、公園の噴水前でどうにか滝野を捕まえた。
「離せー!はーなーせーー!!」
「なんでだよッ!俺はただ水原の見舞いにッ・・・!」
「そんなウソ必要ねーよー!中で・・・中でえろえろなことでもしてたんだろー!」
「なッ・・・!・・・ンなわけねーだろ!やったのはキスだ・・・あっ・・・!」
「ほらみろ・・・。」
「・・・キッ・・・キスぐらい・・・!」
「いいわけないだろー!・・・ずっと・・・ずっと好きだったのにーー!!!」
「え・・・?」
その時、噴水の音だけが静かに公園に鳴り響いていた。

254 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/30(水) 14:36 ID:???
「ずっと・・・って・・・。」
「よみと・・・同じ時に好きになって・・・。どっちが先に彼氏にするかって・・・。」
「・・・。」
「私もずっと・・・ずっと呼んでたのによみの方にばっか行って・・・。」
「・・・。」
「・・・よみのことが・・・好きなの・・・!?」
俺は黙って首を縦に振った。
「・・・スして・・・。」
「え?」
「キスして・・・!・・・それでスッパリ諦めるから!」
「・・・ダメだよ。・・・俺は紳士を通す・・・。水原と付き合うと決めた以上・・・そんなことはできない。」
「・・・ふんっ!女の子にここまで恥をかかせておいて・・・どこが紳士だよー!」
「だから・・・。」
「だから、なんだよー・・・!」
「これは2人だけのナイショ・・・。」
そう言って、俺は滝野にキスをした。最初で最後の、滝野とのディープキス。
滝野の目に溜まっていた涙が、ボタボタとこぼれた。頬を伝って、口の中に入ってきた。
とても・・・苦しい、涙の味が口いっぱいに広がった。
「・・・ありがとう・・・。」
滝野はその場に崩れ、泣いていた。
俺は噴水の淵に腰掛けると、滝野の傍らでその涙の奥に秘められた俺への愛を受け止め続けた。

255 :名無しさんちゃうねん :2005/03/30(水) 16:21 ID:???
・゚・(ノД`)・゚・。
・・・ともちゃん・・・

256 :名無しさんちゃうねん :2005/03/30(水) 21:43 ID:???
切ない・・・だがイイ!
こういうのが見たかった。

257 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 00:53 ID:???
「・・・あー・・・。泣いたらスッキリしたなー・・・。」
滝野も噴水の淵に座らせ、俺は滝野の肩を抱いていた。
「・・・ごめんな。滝野。」
「なんで謝るんだよー!」
そう言って滝野は俺の頭部にチョップを落としてきた。・・・痛い。
「ともちゃんは!こんなことで落ち込んだりしないのだ!!」
「・・・な・・・。」
『泣いてたじゃん。』そう言いそうになったが、言葉を飲み込んだ。
「春日のことを彼氏にしたいとは思ったが!友達でも十分私は幸せだ!」
「・・・そ、そう?・・・随分慕われてるみたいで・・・なんか恥ずかしいな・・・。」
「そう!ともちゃんは幸せなのだ!全然悔しくないのだ!泣いたりしないぞ!!」
夜空を見上げて滝野は叫んでいたが・・・。俺はその目に浮かんだ涙を決して見逃したりしなかった。
「・・・滝野。・・・今夜だけは、泣いていいんだ・・・。いいんだ・・・。」

258 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 00:56 ID:???
俺はギュッと滝野を抱き締めた。ふと、プルプルと滝野が震えだした。泣いているのだろうか?
「っえーいい!!離れろー!!」
ガバッと手を振り上げると、俺は撥ね退けられてしまった。
「ともちゃんは泣かないんだ!だからもう心配はいらないの!」
「・・・そっか!悪かった悪かった!滝野は強い!!」
「そう!私は強い!・・・春日!!」
「ん?」
「どーーーーーん!!」
「わっ、わっ・・・!」   バシャーン!!
なんてこった・・・。何を思ったかしらないが、滝野に噴水に叩き込まれてしまった。
「へっへー!ともちゃんを泣かしたバツだー!じゃ、私は帰るから!また明日ーー!」
「・・・くっそー・・・。」
噴水から上がって、夜空を見上げた。・・・都会とは思えないほど、星が空に瞬いていた。


「・・・くしゅっ!」

259 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 01:03 ID:???
「えーっと、今日はー・・・春日君がおやすみね!なんでも風邪をひいたらしいわ。」
「・・・おい、とも・・・。あの後何があったんだ・・・?」
「え・・・え?し、知らないよ!?私は!!よ、よみの風邪がうつったんだよ!きっと!」
「え・・・やっぱそうかな・・・。悪いことしちゃったな・・・。」
「風邪ひいてるくせにキスなんかするからだよー!」
「なっ・・・なんでそれを・・・?」
「(ぐっ・・・しまった・・・。)」
「春日め・・・、余計なコトを・・・!」
「はーい!そこうるさいわよ!!・・・じゃ、HRしゅ〜りょ〜。後は勝手にやっといて〜。」
―――――昼休み 屋上にて
「えー!?よ、よみちゃん春日君とキスしたん!?ホ、ホンマに!?」
「・・・うん・・・。えへへへへへ・・・。」
「くあー!この幸せデブがー!」
「誰が幸せデブだこんにゃろが・・・!」
「でっ・・・でも、ちょっと意外です。よみさん、春日君のこと好きだったんですね。」
「あははー!・・・ずっと・・・好きだったからさ・・・。」
「もぉー!大阪!今日あんたん家遊び行くからね!」
「え・・・で、でも、お兄ちゃんもおるし・・・。」
「え!?あんたお兄ちゃんいたの!?マジで!?よっしゃ!今日は大阪の家に行こう!けってーい!!」
「・・・かっこいい・・・人・・・?」
「(一同)・・・榊さん(ちゃん)が・・・ちょっと燃えてる!」

260 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 01:15 ID:???
「う〜ん・・・かっこいいってゆうんかな〜・・・?優しい感じ・・・。」
「やっぱり大阪弁なのか?」
「いや〜、それがな?お兄ちゃんはなんでか知らんけど標準語なんや。お父ちゃんが東京の人やったから。」
「ふ〜ん・・・。なんか、カッコ良さそうだな!よみも来るか!?」
「いや・・・私は・・・。」
「あー!はいはいはい!春日の家に行ってイチャつくんだろ!風邪移した張本人がさ!」
「うっ・・・。」
「あっ・・・そうか、風邪ひいてるときにキスしたんですね。それは風邪ひいちゃいますよー。」
「・・・・・・風邪は万病のもとって言うから・・・。気をつけたほうがいいぞ・・・。」
「あかんわよみちゃん。いくら風邪はうつしたら治りが早いって、キスしてまでうつすなんでそらやりすぎやで。」
「はい・・・ごめんなさい・・・。」
「んでさ!今日キスしてよみが風邪ひいたりしてな!アハハハハハ!!」
「くっ・・・!」
「・・・いいですねー、みんな恋をして・・・。私、まだ12歳ですから・・・よくわからないです。」
「・・・ちよちゃん・・・。わ・・・私もまだ恋をしたことはないから・・・。おんなじだ。」
「榊さんもですかー!そうなんですかぁー・・・。恋に年齢は関係ないんですねー。」
「そんな榊ちゃんも、今日大阪のお兄さんに惚れたりしてな!アハハハハ!」
「あっ・・・アカン!お兄ちゃんは・・・!」
「んっ・・・?なんでだめなの?」
「えと・・・その・・・な・・・なんでもええやん!」
キーンコーンカーンコーン・・・
「ほ、ほら、チャイム鳴ったで!さ!行こや!」
「なんか釈然としねー・・・。」

261 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 01:22 ID:???
ピンポーン  『あい・・・。』
「あ、あれ!?春日!?起きて大丈夫なのか!?」
『大丈夫じゃね・・・。マジでつらい・・・。鍵開けるから・・・待ってて・・・。』
・・・本当に・・・死にそうだ。
滝野に噴水に叩き落されたせいで・・・熱が38℃も出てしまった・・・。
「はい・・・いらはい・・・。」
「う、うわ・・・顔真っ赤じゃねーか・・・!おっ・・・親はいないのか?」
「俺ん家・・・父子家庭なんだ・・・。オヤジは・・・仕事行ってて夜遅くにしか帰ってこねー・・・。」
「へ・・・へぇ〜・・・。ご、ごめんな、そんなこと聞いて・・・。」
「なんだその言い方・・・。おふくろは生きてるぞ・・・。離婚したが・・・。」
「わぁ〜!そういう身の上話はしないでくれ〜!苦手なんだ〜!」
「・・・ははははは、すまん・・・すま・・・。」
まずい・・・   バタンッ!
「わー!か、春日ー!!」
意識が遠のく中・・・目の前には愛する彼女の顔だけが写っていた・・・。
『大げさだな・・・俺って・・・。』
そう思うと、目の前が真っ暗になってしまった。

262 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 01:30 ID:???
冷たい・・・とても冷たい物が・・・触れている・・・。
「・・・ん・・・んぁ・・・。」
目を覚ました。・・・自分の部屋のベッドに寝ている。・・・まさか、水原が?
「あ・・・起きたか。大丈夫か?」
・・・誰だコイツ。
目の前にいたのは、何処かで見たことあるような感じの男だった。
「ビックリしたよ。妹の友達が家に駆け込んできて・・・。」
・・・妹?
「あ、ああ。ごめんな、わかんないよな。俺、君のクラスメート、春日歩の兄の春日涼太だ。よろしく。」
「は・・・はぁ。よろしく・・・。俺、いや、僕、春日翔っていいます・・・。」
「同じ名字なんだな。アハハハ!ま、気が付いたんだし、君の彼女を連れてきてあげるよ。」
・・・妙に涼しげな人だ・・・。
「おーい!歩ー!!翔君目覚ましたぞー!!」
「え〜!?ホンマ〜!?よみちゃん、春日君起きたんやて!はよ行かな!」
「う・・・うん・・・。」
「じゃっ!お邪魔虫の俺らは帰るから!ごゆっくり!」
・・・余計なお世話だ。ここは俺の家だ・・・。
「・・・春日、大丈夫か?」
「あ・・・ああ。ごめんな、世話かけちまって・・・。」

263 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 01:45 ID:???
「びっくりしたよ・・・。いきなり目の前で倒れるからさ・・・。」
「それで大阪ブラザーズを呼んだわけか・・・。」
「あ・・・あはは、だって春日重くてさ・・・。1人じゃ運べなかったんだもん・・・。」
「いや・・・いいんだ。ありがとう。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
・・・いかん。会話のネタが・・・ない。
「そ、そうだ・・・。そこにさ、CDあるからなんかテキトーにかけていいぞ。」
「あ・・・うん。・・・あれ?これって・・・。」
水原は机の上にあったハガキを手に取った。ネタは書いてないが、ラジオ番組への宛名だけはしっかり書いてある。
「あっ・・・は、恥ずかしいな・・・。深夜ラジオの投稿ハガキだよ・・・それ。」
「ふ〜ん・・・。」
「そのさ、お笑いチョップに毎回投稿してる涙のダイエット少女って人がおもしろくってさー!」
「へ・・・へぇ〜・・・。」
「毎回ダイエットネタ投稿してんだけど、ことごとく失敗してんだよ〜。」
「女にとって体重・体型は重要な問題なんだよ!!!」
「・・・お、大声出さなくてもいいだろ・・・。」
「あ・・・ゴメン・・・つ、ついな・・・。」
「俺は体型とか・・・別段気にしないけどな。なんか滝野が水原のことデブデブー!とか言ってるけど、俺は水原ぐらいのが好きだな。」
「・・・え、えへへへ・・・。で、でも春日って・・・恥ずかしげもなくよくそんなこと言えるな・・・。」
「ああ、簡単なことだよ。ちょっと待っててよ。」
俺はベッドから降りると、リビングへと向かい、ある物を持って戻ってきた。
「ほら、コレさ。」
「わぁ〜・・・かわいいな〜・・・ハムスターか?」
「いや、モルモットだ。おっきいだろ?」
「へぇ〜・・・で、これがなんなんだ?」
「ほら、こういう生き物に向かって普段から『かわいい』とか言ってるとだな、さっきみたいな時に恥ずかしくもなくサラッと言えるんだ。」
「なるほどな〜・・・。」

264 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 01:53 ID:???
「でもさー、不思議だよな。人間って血筋者同士で子供作ると奇形が生まれるって言うじゃん?なんでモルモットとかは大丈夫なんだろうな?」
「さぁ〜?・・・でも、近親相姦なんてそうないんじゃ・・・。」
「・・・ま、それもそっか。」
「くふふ・・・案外大阪とあのお兄さんがエッチしてたりしてな・・・。」
「・・・ありえるな・・・。大阪、普段トロッとしてるけど・・・あの目の奥には何か光るものが・・・。」
「あのさ・・・こ、このモルモット・・・私の手の中で寝ちゃったんだけど・・・。」
「あ、ああ。貸して。寝床に寝かしてくるよ。」
水原の手からモルモットを受け取ると、もう一度リビングへ行った。
「は〜・・・。随分楽になってきたな・・・。」
「そうか?よかった・・・。私のせいで風邪ひいたから・・・。」
「え?」
「え?・・・だって・・・私とキスしたから風邪がうつったんじゃ・・・。」
「あ、ああ。そういう考え方もできるな・・・。」
「なにかあったの?」
「いや・・・なんでもないよ。あっ・・・あの後風呂入って腹出して寝たからかな〜?って思ってたんだ・・・。」
「なんだよ〜、ゆかりちゃんの言うとおりだったのかー。・・・でも、私が引き金を引いたって言い切れなくないもんな。」
「そんな責任感じなくていいよ。元々丈夫だし、俺。」

265 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 02:05 ID:???
「・・・6時か・・・。・・・そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」
「・・・うん、そうだな。」
「じゃ、今日はありがとな。」
ぐぅぅぅ〜・・・。
しまった・・・。腹の虫が・・・。
「くっ・・・あはははははは!ぐぅぅ〜だって!!マンガみてー!!あははははは!!」
「うっ・・・うるせーやい。今日は朝飯しか食ってないからしょうがねーんだよー。」
「・・・朝ごはんしか食べてないのか?そりゃダメだよ。ご飯食べなきゃ治る風邪も治んないよ。」
「あ・・・うん。」
「よし!私が手料理を披露してやろう!大丈夫だ、期待してていいぞ!」
「うん・・・。」
「なんかリクエストあるか?・・・っても、風邪ひいてるんだ。消化のいいものがいいよな。」
「ああ・・・まかせるよ。」
「よっし、じゃあ卵粥でも作ってやるよ!うまいぞ〜・・・?」
「へへぇ。期待して待ってます。」
ふ〜ふふ〜ふふ〜ふ〜・・・♪
『・・・音痴だな、水原は・・・。』
台所から聞こえる水原の鼻歌を聴きながら、そう思った。・・・半端じゃねー・・・。
いかん・・・頭痛までが・・・。
20分ぐらいしてから、水原が部屋におかゆを持って入ってきた。
「ほ〜い、よみさん特製の卵粥だー!」
「うん、いい香りだ。これは期待できるな。」
水原は盆を机の上に置いて、器を手に取った。
「ふーっ、ふーっ・・・。はい、あーん♪」
「・・・・・・うわぁ・・・。すっげぇ恥ずかしい・・・。」
「なーに言ってんだよ。さっ、口開けて。」
「う・・・うん。あーん・・・。」
もぐもぐもぐ・・・
「・・・・・・!!!!」
「どうした〜?うまいのか〜?」

266 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 02:17 ID:???
「すっげぇうめぇ!!すげぇよ水原!!感動したぜ俺〜!!」
「ふっふーん、伊達にともにデブ呼ばわりされてないよ〜ん!」
「・・・その自虐ネタ、NG・・・。」
「え・・・えへへへへへ・・・。ダメだった?」
「それに・・・水原はデブじゃないよ。俺にとって・・・とてもかわいくて大事な人だ。」
「・・・ほっ、褒めてもなんにもならないぞ!ほら、あーん!」
水原の手で食べさせてもらった卵粥は・・・無限の愛の味がした。
「ごちそーさまでしたっ!」
「お粗末様でしたっ!」
「いいねー、水原!その腕前ならどこにでも嫁にいけるぜ?」
「・・・かっ・・・カスガノ・・・オヨメ・・・サンニ・・・。」
「・・・う〜ん・・・かわいいなー・・・!水原は・・・!大好きだぞ!」
辛抱たまらず、水原を抱き締めた。
「・・・・・・幸せだなぁ・・・。」
「・・・ああ。怖いぐらいに・・・。」
「なぁ、幸せついでに・・・お願い、聞いてくれるか?」
「病人だから簡単なので頼むぜ・・・?」
「・・・水原なんて呼ばないで・・・下の名前で呼んでほしい・・・な。」
「・・・そんなことか。まかせろよ。よみちゃん!」
「・・・・・・。」
水原はとても嬉しそうな表情で、顔を真っ赤にしてうつむいた。
「よ〜み〜ちゃん!」
「わっ・・・わかったから・・・ありがとう・・・だっ・・・だから・・・やめて・・・。」
「なんだ〜?恥ずかしいのか〜?じゃあもっと言ってやらないとなー。」
「やっ・・・やめて・・・。」
「外で呼ぶとき、いちいち恥ずかしがってたら俺まで恥ずかしいじゃんかよー。」
「そ・・・そう・・・なの?」
「そうだよ。・・・ついでだ、俺のこともさ、翔って呼んでくれよ。春日じゃあ大阪と間違えられるだろ?」
「・・・うん。か・・・翔・・・。」
「なんだ〜い?よみた〜ん?」
思いっきり変な顔で返事をしてみせた。そのくせポーズはダンディな感じで。
「ぷっ・・・あはははははは!」
「人の顔見て笑うたぁどういう了見だぁよみちゃんよぉ!」
「あはははは!・・・ごめんごめん・・・だって・・・翔が変な顔・・・。」
「だぁ〜れが変な顔だぁ〜!」

267 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/03/31(木) 02:24 ID:???
「きゃあ〜!や、やめて〜!」
「うるさいっ!こうしてやる!コチョコチョコチョコチョ・・・。」
「きゃ、きゃははははは!ははははは!やっ、やめて!!腰はやめてぇ〜!!」
「っあ〜・・・あはははは。ゲホッ、ゴホッ、ゴホッ!!」
「ば、ばか!だからやめろって言ったんだ!ほら、ちゃんと寝て・・・。」
「うん・・・ありがと・・・。」
「風邪薬どこにある?卵粥食べたんだし、薬も飲まないとな。」
「えと・・・リビングの本棚の隣に薬箱が・・・。」

その日、水原は夜の8時まで一緒にいてくれて、俺の看病にあたってくれた。
「じゃ、私、そろそろ帰るね。」
「今日はホントありがとう。明日、絶対学校行くからさ。」
「うん。ちゃんと来てね。・・・そうだ!明日一緒に学校に行こう!」
「あー、いいかもな、それ。」
「ともも一緒だけどな・・・。いいだろ?」
「うん、全然構わない。」
「じゃ、明日朝7時半に迎えに来るからな。」
「え!?はやっ!」
「遅刻すんなよ〜?あははははは・・・。」
水原は笑いながら部屋を出て、家へと帰っていった。

268 :名無しさんちゃうねん :2005/03/31(木) 23:46 ID:???
おお!前作とリンクしたわけか!
素晴らしいぞ!>>41

269 :名無しさんちゃうねん :2005/04/01(金) 00:04 ID:???
ともちゃん、彼に振られた事が原因でマゾにまで堕ちちゃうわけね・・・

270 :名無しさんちゃうねん :2005/04/01(金) 01:48 ID:???
>>269
素晴らしいなw

271 :名無しさんちゃうねん :2005/04/01(金) 02:25 ID:???
>>270
何が?

272 :名無しさんちゃうねん :2005/04/01(金) 02:31 ID:???
>ともちゃん、彼に振られた事が原因でマゾにまで堕ちちゃうわけね・・・

ともちゃん、水原さんと彼が泣いているぞ〜w

273 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/01(金) 10:50 ID:???
ピンポーン・・・
「あ・・・もう来たのか。」
今日はいつもより早く起きた。7時半に向かえに来るというのだから、いつもより30分早い行動になる。
「どうした?友達か?」
「ああ。おやじ、鍵閉め忘れないでくれよ。」
「おう。・・・今日は多分会社に泊まることになるから、悪いが夕飯は1人で済ませてくれ。」
「はい。・・・っていっつも俺1人じゃんかよ!」
「はははは、そうだったな。気をつけて行けよ。」
「ありがとう。おやじもな。じゃ、行ってきます!」
多少ぶっきらぼうなところもあるが、俺はおやじが大好きだ。

「・・・ぅはよ。」
「おはよう。」
「おっはよーーーーー!!!」
挨拶ついでにチョップをかますやつがあるか・・・。もう滝野には近寄らないでおこう。頭がいくつあっても足りなくなる。
「でもさ、こんなに朝早いのになんでよく滝野は遅刻するんだ?」
「いやね?一応起きはするんだけど用意が間に合わないから先に行ってー!って。」
「まぁ、ありがちだね。・・・こんなに早く行って何かするのか?」
「早起きは三文の得って言うだろ?それに、朝早く行って友達と話していればいいじゃないか。」
「ふーん・・・。あ、そうだ。昨日大阪のお兄さんに会ったんだけど、滝野達も会ったのか?」
「いっ・・・いや・・・。そ、その話は学校に着いてからな?」
・・・変なヤツだ。

274 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/01(金) 11:06 ID:???
―――昼休み 屋上にて
「・・・で、大阪のお兄さんのことなんだけど・・・。どうだったんだ?」
「どうもなにも・・・春日も見たんだろ?話す必要ないじゃん!」
「いやいや、俺から見た涼太さんは、見たさ。でもお前らから見た涼太さんの感想をだね?」
「・・・・・・・・・かっこいい・・・人だった・・・。」
「やめてや〜、榊ちゃん〜・・・。」
「話せなかったですけどね。だから、春日君に名前聞くまで涼太って名前だなんて知りませんでしたよ。」
「あれ?話さなかったの?」
「だって〜、よみが来てから「たったたたたた大変なんです!ととととりあえず来て!!」って言って連れ去ったんだもん。」
「しょ、しょうがないだろ!翔が倒れたんだから!私1人じゃどうしようもなかったんだよ!」
「翔〜?アンタ、そこまで進展したんだ〜?早いですにゃ〜・・・。くふっ、くふっ・・・。」
「・・・・・・。」
「ま、まーまーまー!春日君と、よみさんのことですから・・・。」
「ちよ助は黙ってな!」
「ちよ助・・・。」
「私と、春日は!ただならぬ仲なんだよ!なー、春日君!」
「なんだよそれ・・・。」
うっ・・・何か水原が睨んできている。・・・付き合って一週間もしないうちに、修羅場か?
・・・嫌過ぎる。やはり俺と滝野は相性が悪いらしい。
目配せで水原に気持ちを伝えようと試みる。
『そんなわけないだろ。俺が愛しているのは、お前だけ。」
伝わるか!?
「・・・んふふー・・・♪」
水原は笑顔を作ったが・・・口元が引きつっている。・・・言い訳として伝わってしまったようだ・・・。ああ・・・。
「涼太・・・さん・・・か・・・。」
「おや!?榊さんが遠くに!も、もしやこれは・・・!」
「えっ・・・!わ・・・私、教室に戻る・・・。」
そそくさと榊が屋上から出て行ってしまった。まったく、滝野は他人をからかうことに関してはプロ並だな。

275 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/01(金) 11:22 ID:???
「今日は・・・木曜か。」
「何かあるんですか?」
「いや・・・。随分前のだけど、遊園地の優待券があったから・・・。日曜にでも行こうかなー、なんて・・・。」
「何枚あるんですか?」
・・・ちよちゃんが目をキラキラさせながら聞いてくる。・・・そうだよな、まだ子供だもんな。遊園地行きたいよな・・・。
「・・・7枚。」
「おぉ!?私とー、よみとー、榊さんとー、大阪とー、ちよちゃんとー、神楽とー、春日か!ぴったりじゃん!」
・・・やっぱりそうなるのか。
「だ、だめですよー!よみさんとデートなのに、私たちが行っちゃ・・・!」
「馬鹿だなー、ちよ助は。まだデートに関して初心者なこいつらは、2人で行ったところで気まずい雰囲気のなかデートすることになるの!」
・・・なかなか核心をつくな。その通りだ、と声に出したいところだが・・・水原が怖いのでやめておこう。
「だから!私たちが一緒に行っていい雰囲気を作ってやるのが一番いいのだ!」
「そ・・・そうなんですか?で、でも・・・。」
水原に再び目配せを送る。
『どうする?』
『・・・しょうがないんじゃないか・・・?』
水原は溜息をつきながら、首を縦に振った。・・・うーん、機嫌を損ねてしまったのだろうか・・・。
「じゃ、あとで榊さんと神楽に言っておかなくちゃな!」
「・・・そーいえば、最近神楽さんを見かけませんね?どうしたんでしょうか・・・。」
「あ、あいつ?最近にゃもちゃんに毎日しごかれてるよ。」
「え、何かしちゃったんですか?」
「テストの点が悪いからって、スク水でお勉強してる。」
・・・なんでスク水で?
「へ・・・へぇ〜・・・。でも、日曜大丈夫なんでしょうかね?」
「土曜で終わるって言ってたから大丈夫だと思うよ〜。」

276 :涙のダイエット名無し :2005/04/01(金) 18:48 ID:???
>「テストの点が悪いからって、スク水でお勉強してる。」
>・・・なんでスク水で?

まさか・・・次回作への伏線か?

277 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/01(金) 18:59 ID:???
>>276
いや・・・ネタのつもりで書いたんですけど、そういう考えもありですね。
・・・うん、そうしようかな・・・。(ニヤリ)

278 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/04/01(金) 19:12 ID:???
どうしよう
神楽ちゃんの方がすごい気になってきた…

279 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/02(土) 00:39 ID:???
>>278
次回作にしますから、期待しててください。
っても・・・この作品まだまだ続きそうです。(多分卒業まで行く)
まぁ、ダラダラ書かずにあとは要点(夏休み・体育祭など)だけにしますが。
さっき、前作読み返してたら恥ずかしくて泣きそうになりました・・・。
なんで智を「はなこ」にしたんだろうな・・・?なんでだろうな・・・?

280 :名無しさんちゃうねん :2005/04/02(土) 04:24 ID:???
少しage

281 :名無しさんちゃうねん :2005/04/02(土) 04:25 ID:???
うん。僕も「はなこ」はすこし萎えでした・・w
戒名できたらしてください(わがまま

282 :名無しさんちゃうねん :2005/04/02(土) 05:00 ID:???
前回の話といい今回の話も
少しともちゃんがかわいそうな役だったので
ともちゃん好きな自分としてはともちゃんメインの話も書いて欲しいかな〜
と思ってみたり・・・

283 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/02(土) 15:29 ID:???
>>282
ああ・・・すいません。どうも脳内で智=ダイアーさん=噛ませ犬 って変換されてて・・・。
しろというならしましょう。神楽の次は智だ!(神楽の時も智は噛ませになるかも。)

284 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/03(日) 21:18 ID:???
――――日曜日 美浜家にて

ザァーーーーーーー・・・

「雨降っちゃいましたね・・・。」
「楽しみにしてたのにな・・・。」
それぞれが大きな溜息をついていた。
「どうする・・・帰る?」
「いや!せっかくちよ助の家に来たんだ!遊ぶ!」
「で、でもちよちゃんに悪いんじゃ・・・。」
「私は構いませんよ〜。今日はお父さんもお母さんも朝早く出かけましたから!」
「忠吉さんは・・・?」
「もちろんいますよ!とりあえず、私の部屋に行きましょう!」
「俺もいいのか・・・?」
「はい!遠慮しないでください!」
「・・・ところで、神楽は?」
「あー、体調くずしたってメールがあった。慣れない勉強したからじゃない?あはははは!」
「ぷっ・・・案外そうかもな・・・。」
「ダメですよー。人の悪口言っちゃー。」
「ち・・・ちよちゃん。とりあえず入ろう・・・。」
どこからしら、榊はソワソワしている。動物好きってのは本当らしいな。
・・・なんてでかい家だ。
東京の一等地にこれまででかい家を建てられるなんて・・・どんな仕事してるんだ。

―――――ちよの部屋にて
「うわっ!広っ!!」
「フフン。」
滝野が何故か勝ち誇った表情をしている。
「・・・なんだよ。」
「フフフ・・・。」
何か負に落ちない・・・。


榊は部屋に入ってからずっと忠吉さんとかいう犬と遊んでいる。
大阪は妙なネコのような生き物を枕にして寝ている。
滝野はちよちゃんのおさげを引っ張ったりして遊んでいる。
水原は俺の隣でファッション雑誌を読んでいる。
・・・が、俺だけやることがない。外は大雨・・・。退屈だ。
「ほ〜れほれ、ちよ助〜。」
「痛いですー・・・!やめて〜・・・!」
何やってんだか・・・。
「翔。・・・暇そうだな。」
「まぁね・・・。あははは・・・。」
「なんかゲームでもするか!」
滝野がちよちゃんのおさげを引っ張るをのやめて、声をあげた。
「ゲーム?」

285 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/03(日) 21:55 ID:???
「何するんだ?」
「ふふふ・・・おうしゃまげぇ〜・・・うっ・・・!」
全てを言い終わる前に水原が突っ込んだ。
「男がいるんだ!パス!」
「だからいいんじゃねぇ〜かよ〜。何?春日をとられるのが怖い?」
「あ・・・・・・。う・・・。」
「いや〜、よみちゃんも純情〜!か〜わいい〜!な、春日!」
「あ・・・あははは・・・。・・・そうだな。」
「いいじゃん!王様ゲームやろうよー!」
「エッチなことはダメですよ〜。」
「あ!じゃあエッチは抜きで王様ゲーム!それならいいだろ!?」
「か・・・春日が何て言うか・・・。」
「俺は別に構わないぞ。」
「なっ・・・!」
「じゃあ決まり〜!はい、ちよちゃん割り箸持ってきて〜!」
「は〜い。」
「ほら、大阪も起きた起きた!ゲームやるよ、ゲーム!」
「私もやらないと・・・だめなのか?」
榊がおそるおそる滝野に質問している。・・・嫌がっている様子ではないが。
「あったりまえじゃ〜ん!」
「な・・・なら仕方ないな・・・。」
・・・ちょっとワクワクしてるように見える。榊はむっつり・・・ってやつだろうか。

286 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/03(日) 22:01 ID:???
「はーい、割り箸ですよ〜。」
「あ、私に割らせて〜。」
大阪はひとつ割り箸を取ると、ゆっくり、ゆっくりと割り箸を開き始めた。
「大阪・・・俺も手伝おうか?」
「今話かけんといて!」
・・・すごい集中力だ。

ぱきっ!

割り箸は綺麗にふたつに割れた。
「へへへ〜。」
隣にいた榊に嬉しそうに見せている。戸惑ったような表情で笑っている。・・・客観的に見ると面白い。
「あー、もう!時間かかるから残りは私が割るよ!」
滝野は残った割り箸を素早くパキン、パキンと割った。
どちらも片方ずつに寄って割れている。
「あー!アカンやん!どれがどれかわかってまうやんかー!」
「ハサミで切ればいいじゃん。」
「あ・・・そうか。」
「・・・いや、滝野も色んな意味で間違っているけどな・・・。」
「え!?普通そうしない!?」
「そもそも王様ゲームなんてしないよ・・・。」
「え〜!?小学校の修学旅行のときとかしなかった!?バスとか、夜とか!」
「そうそう、こいつの修学旅行のときときたら・・・。もううるさくてうるさくて・・・。」
「もー、うるさ〜い!始めるぞ〜!」

287 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/03(日) 22:08 ID:???
1回目・・・。俺は、4番だ。
「王様だーれだ!」
「あ、私だ〜。」
王様:ちよちゃん
「え〜っと、え〜っと・・・。」
「なんでもいいんだよ〜。キスでもいいぞ〜。」
「違うだろ。」
軽く水原が滝野に突っ込んだ。
「じゃあ、4番さんが〜・・・。」
うっ・・・
「1番さんの肩を揉む〜!」
「ベッタベタじゃねぇかーーー!!!」
・・・はっ・・・。つい突っ込んでしまった・・・。
「あはははは!そうだー!ベタだぞー!」
「え〜ん・・・!じゃあどうすればいいんですかぁ〜!」
「ま、まぁ、最初はこんなんでいいんじゃないのか?私は2番だから関係ないけど・・・。」
「私5番や〜。」
「俺、4番なんだよな・・・。」
「私・・・1番・・・。」
「くっそー、榊ちゃんかー!」
「じゃ・・・揉ませていただきます・・・。」
「あ・・・ハイ、よろしくお願いします・・・。」
ぎこちない手つきで、榊の肩を揉む。・・・榊の髪のいい匂いがする。
「ところで、ちよちゃん。どれぐらいやればいいんだ?」
「とりあえず、榊さんが満足するまでお願いします。」
「うぇ〜・・・。流そうだなチクショー。」

288 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/03(日) 23:27 ID:???
誤字
流そうだな→長そうだな

289 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/03(日) 23:39 ID:???
もみもみ・・・もみもみ・・・
「あ・・・そこ・・・気持ちいい・・・。」
「ん・・・ここか・・・?」
「あぅ・・・そこ・・・。」
随分色っぽい声を出すな・・・。
「声だけ聞いてたらもうアレしか想像できねーなー・・・。なぁよみ!」
「・・・。」
・・・ごめん水原。
「あぁ・・・。ありがとう、春日。もう、いい。」
「はぁ〜、やっと終わったよ・・・。はい、王様、終わりましたよ〜。」
「よろしい〜!エヘヘ、王様ゲームって面白いですねー。」
「えろえろ抜きだから私は微妙〜。」
「いいんだよ、それで!」

2回目・・・。  またも4番を引く。死、死?・・・縁起でもない。
「王様だーれだ!なんちゃってー!私だよーん!」
よりにもよって――――!!!
「お手やわらかに頼むよ、滝野。」
「めちゃくちゃな命令だったら即終了だからなー。」
「わかってるって!じゃあねー、今さっき肩だったから、次は腰で行こう。腰!」
「・・・それさ、俺がやったらマズイんじゃないのか?」
「え〜?春日ってそんなことする人だったの〜?」
「し、しね〜よ!」

290 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/03(日) 23:53 ID:???
「えーっと、やっぱ王様の私が揉まれることにしよう!で、揉む人は〜・・・。」
4番以外4番以外4番以外4番以外―――――!!!
「2番!」
「あ〜、私や〜。」
「ち!大阪か!しょうがない、やってくれ!」
「う〜。智ちゃん長そうやな〜・・・。」
「あ、そうだ。追加命令。残りの人はブリッジの体勢で待機!」
「なっ・・・!それはないぞとも!」
「王様の命令だも〜ん。他の人が暇にならないように考慮したまでだも〜ん。」
「くっ・・・。」
「いいじゃねぇか水原は・・・。体柔らかいんだから・・・。俺なんか硬いかたキツいだろうな〜・・・。」
「私は・・・別にいいけど・・・。」

開始。

もみもみ・・・もみもみ・・・
「ほら〜、もっと力を入れる!」
「うわ〜ん、もぉいやや〜・・・。」
「そ・・・れ・・・は・・・。くっ・・・。こっちの・・・セリフだっ・・・!」
キツい。キツすぎる。腰が折れそうだ・・・。
「大丈夫か?翔・・・。もっと、こう・・・。」
水原が優雅なブリッジを披露している。榊もかなり柔らかいようだ。
ちよちゃんは・・・何度も何度もバランスをくずしてこけている。
・・・水原も榊も・・・ブリッジで胸が・・・。
・・・・・・心のどこかで『滝野よくやった』と思ってしまった・・・。

10分後・・・。
「もぉ〜!大阪気合入れてやれ〜!」
「だめや・・・。も・・・もう力が・・・。」
「しょうがないな。じゃ、しゅうりょ〜!」
や・・・やっとか・・・。ブリッジを早いところ解かなければ・・・。
・・・動けない。
「うぉ〜い・・・助けてくれぇぇ・・・。体が動かないぞぉぉぉ・・・。」
「かっ・・・翔!大丈夫か!?」
「わっ・・・わたしも動けないですっ・・・!」
「ちよちゃん・・・。」
体の柔らかい2人が、俺とちよちゃんの救援にまわってくれたおかげでなんとか助かった。
「とも!次からはこんな無理なのよせよ!」
「ほ〜い。」
「私も動けへん・・・。」

291 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/04(月) 00:06 ID:???
3回目・・・。  またしても4番を引く。呪われているのか?
「王様だ〜れだ!」
「私・・・。」
「榊ちゃんかー!どんな命令かなー!」
榊の命令か。榊は教養がありそうだから、無茶なのはないだろうな・・・。
「・・・4番が・・・。」
嘘だろ・・・。
「あそこにある着ぐるみを着て・・・。私を抱き締めて。」
「・・・榊ちゃん、変な命令するね〜・・・。で、4番誰?」
「はぁ〜い・・・。」
「翔、また4番なのか?・・・呪われてるんじゃねーの?」
「俺もそう思うヨ・・・。あははは・・・。この着ぐるみ、俺でも着れるの?」
「フリーサイズですよー。」
「なんでこんなんあるの・・・?」
「福引で当てたんですー。」
・・・・・・ちょっとキツいな。
「はーい、ね〜こさ〜んで〜すよ〜。」
「あ・・・。」
榊が頬を赤らめている。そこまでかわいいものが好きなのか・・・。
「は〜い、ギュッとしましょ〜ね〜。」
榊を軽く抱いた。・・・強く抱き返された。
「え〜、よみ君。彼氏が他の女性を抱いている姿はどうですか〜?」
「うるせぇよ・・・。」
「あ、よみちゃん嫉妬しとる〜。あはは〜、かわええな〜。」
「2人してやめてくれよ・・・。」
水原がちょっと涙ぐんだ声で言った。・・・ちょっとマズいな。
「榊、もういい?」
「・・・もうちょっと・・・。はぁ〜・・・。いいなぁ・・・。」
・・・何が?猫が?俺が?・・・どうか、どうか前者であってくれ・・・。
「・・・うん、いいよ。ありがとう。もうひとつ、命令だ。」
「ずるいぞ〜、榊ちゃ〜ん!」
「そのまま着けて続けて。」
・・・勘弁してくれ。結構暑いんだぞこの中・・・。さぁ、止めろ滝野!
「あ、その程度ならいいや。」
なに―――――!?
しょうがない・・・運命だ。受け止めよう。

292 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/04(月) 00:16 ID:???
「じゃー、4回目いっくよー!」
「あ、悪い。ちょっと待って。」
「なんだ着ぐるみ。」
「・・・黙ってろよ。」
さっきから、水原に活気がない。・・・ほっとけない。
「水原、ちょっと・・・。みんな、悪いけど・・・ちょっと時間くれ。」
部屋を出る。
「なんだよ・・・。大人気の春日君。」
イヤミな言い方だな・・・。
着ぐるみの頭部を外す。
「っぷぅ・・・。よみちゃん。俺が愛してるのは、間違いなく、よみちゃんだけだ。」
「なっ・・・。わ、わかってるよ・・・。わかってるけど・・・。」
水原は顔を背けた。・・・わかってても、そう思えないって気持ちがひしひしと伝わる。
「ほら・・・よみちゃんなら、命令がなくてもいつだって抱いてあげるよ・・・。」
榊を抱いたときより、強く、強く水原を抱き締めた。
水原も、強く抱き返してきた。着ぐるみ越しだったが、水原のぬくもりがわかる。
「翔・・・翔っ・・・!」
水原が涙をこぼし始めた。・・・そこまで、俺のことを・・・。
「不安になるよな・・・そりゃ・・・。ごめんな・・・。」
頭を撫でながら、声をかけた。
「うぅ・・・わぁぁぁーーーー!!」
ふいに水原が泣き始めた。
「わっ・・・俺、なんか言っちゃった!?ご、ごめん!泣かないでくれよ!」
「・・・違う・・・・・・ヒック。・・・うれ・・・ヒックしい・・・んだ・・・。」
バターン!!! 急にドアが開いた。
「こらー!春日ー!よみを泣かせたなーーーー!!!!」
「なっ・・・なっ・・・。」
「ほらみろー!目が真っ赤じゃねーかー!!よくもよみをーーー!!」
「だめだ!」
榊が襲い掛かってくる滝野を後ろから羽交い絞めにして取り押さえた。

293 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/04(月) 00:23 ID:???
「ごめん・・・続けて・・・。」
「やめろー!離せ榊ちゃんー!」
ドアが閉まった。
水原はあっけにとられ、流れる涙も拭かず、ポカーンとした表情をしている。
「・・・ほら、涙拭いて・・・。」
着ぐるみのままの手で、水原の涙を拭った。
「・・・翔・・・。」
「よみちゃんに・・・涙は似合わないよ。俺は太陽みたいに笑ってる・・・よみちゃんが好きだな。」
「・・・翔ぅっ・・・!」
水原が涙をボタボタとこぼしながら抱いてきた。
「ほらほら、また涙が・・・。」
「うれしい涙なら・・・。笑って流しても、いいだろ・・・?」
涙を流し、にっこりと笑っている水原の表情は、とても―――美しかった。
「・・・いいじゃん〜。いいじゃんいいじゃん、よみちゃん。最高だよ、その表情!」
思わず抱き返す。
・・・しばらく沈黙が続いた。
「・・・戻ろうか。」
「・・・うん。・・・その前に・・・。」
「ん?――――!」
・・・キスをされてしまった。
「・・・えへへへ・・・。」
俺は軽く笑い返すと、着ぐるみの頭部をとりつけて部屋へ戻った。

294 :名無しさんちゃうねん :2005/04/04(月) 22:01 ID:???
キターーーー!

295 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/06(水) 00:52 ID:???
「あはは・・・ごめんな。」
部屋に戻って、水原が謝った。
「よみも泣くなよなー。あーあ、冷めちゃったよ。」
・・・さっきまで『よくも泣かしたな』と言っていなかったか?
「じゃあ、やめますか?」
「そうだなー。またよみに泣かれたら面倒だもんなー。」
「そこまで引っ張るかこのやろ・・・。」
水原と滝野が取っ組み合いを始めてしまった。
・・・放っておこう。
「あ、そうだ。榊、これ脱いでもいい?」
「え・・・。」
・・・思ってた以上にガッカリした表情をしている。
「あ・・・うん。いいぞ、脱いで・・・。」
「明らかに脱ぐなゆー顔しとるやんけ自分!」
「あははははー。春日君、突っ込むとき大阪弁なんやなぁー。」
大阪が笑った。榊も一緒に笑っている。・・・水原と滝野はケンカをしていて聞いちゃいないが。ちよちゃんはケンカの仲裁で忙しいようだ。
「いや・・・別に大阪に行ったことなんか1回もないからね?一応言っておくけどさ。」
「あれ〜?どうしたんですか〜?みんなして笑って〜。」
仲裁を終えたちよちゃんが話しに参加してきた。
「そうだ!お笑い大会やろうぜ!お笑い大会!!」
ケンカで髪がボサボサになったままの滝野が提案してきた。
水原はまだ髪を整えたりメガネを拭いたりしている。
「お笑い大会か・・・。俺は別に・・・。なんでもいい。暇さえ潰せれば。」
「よしけってーーーーい!!」
「あ・・・う・・・・・・・・・。」
榊が困惑した表情をしている。・・・榊はお笑い向けではないよな。
「あ、じゃあ榊は審判でいいからさ。な、いいよな滝野。」
「別にいいんじゃなーい?」
榊がホッとした表情になった。その時、水原から睨まれたような感覚をかすかに覚えた。

296 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/06(水) 22:13 ID:???
それからは・・・大変だった。
水原と滝野のどつき漫才で大げさに吹っ飛んだ滝野がちよちゃんの私物を破壊寸前まで持ち込んだり・・・。
大阪が持ち前の天然っぷりで動き回り、こけてまたもちよちゃんの私物を破壊寸前まで持ち込んだり・・・。
ちよちゃんの忠吉さんとのムツゴロウさんのような犬芸を見せられ、暴走した忠吉さんが俺に突っ込んできたり・・・。
ラジオに投稿したちょっと自信のあるネタをやったら満場一致で寒がれたり・・・。(これが一番痛かった)
ちょっと傷ついた雨の日の日曜だった。

「・・・いやー、春日はツッコミは上手くても、ボケはだめなんだなぁ・・・。」
「・・・あそこまでひかれるなんて思ってなかったけどな。あは、あはははは・・・。」
「乾いた笑いがいっそう哀愁を引き立てるな・・・。」
「で、でも、面白かったですよね!?榊さん!」
「いや。」
・・・。無口・無表情の榊から即答で否定されるなんて・・・。
がっくりしていると、水原が腕をまわして体を密着させてきた。
「2人で・・・帰ろ?」
耳元で、ボソボソッと呟いてきた。少しくすぐったかったが、異様な心地よさを感じた。
「あーあー、んっ、んんっ!ごめん!俺ら2人で帰るわ!」
「なっ、ばっ、ばか!」
「はいはい・・・一緒に帰りましょうねー、よみちゃーん。」
軽く脚払いをかけ、よろけた水原を抱きかかえると呆然と玄関に立ち尽くす友人を置いてその場をあとにした。」

「ばかっ!降ろせよっ!こんなの人に見られたら恥ずかしいじゃねーか!」
「言われなくても降ろすさ。」
美浜家の門を出たところで水原を降ろした。
「・・・なんであんなこと言ったんだよ。」
「んー、皆に『俺はよみちゃんを愛しているぞ!』ってことをアピールしておきたかった・・・かな。」
「だからってあんな・・・!」
「だってさ、よみちゃんなんか怖かったんだもん。俺のこと疑ったりしてなかった?」
「・・・・・・。」
水原は黙って怒った表情で俺を睨んでいる。
「あ、ごめんごめん、言えるわけないか。・・・だから、皆へのアピールと、よみちゃんの疑いを晴らすためにやったの。・・・だめ?」
「・・・ばかやろぉ・・・。」
軽く俺の腹を小突くと、水原は体を寄せてきた。
美浜家の門から少しも離れていない場所、水原は俺を抱き締めてくれた。

297 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/10(日) 08:34 ID:???
――――時は流れ、修学旅行一週間前

「・・・ってのがあったんだ。笑えるよなー。」
「あははは、そりゃいいな。・・・修学旅行のことなんだけどさ・・・。」
「ん?ああ、ガイドブック見るか?どこ観に行こうかなー・・・。」
「多分一緒に行動できないと思うんだ。」
「え・・・なんでだ?」
「俺と一緒の班の奴・・・。全員彼女ナシで・・・。」
「で?」
「この修学旅行で彼女作ろうと必死なんだ。だからその・・・。よみちゃんの友達に毒牙が・・・。」
「・・・毒牙・・・って、そんな大げさな・・・。」
「・・・。」
「大げさじゃ・・・ないって?」
「うん。」
「・・・そ、それじゃ仕方ないな・・・。あーあ、楽しみにしてたのになぁ・・・。」
水原は天井を仰いでベッドに勢いよくドサリと倒れこんだ。
「・・・そっちが構わないんだったら、夕食後の自由時間にそっちの部屋に行けばなんとかなるけど・・・。」
「あー、なるほどな。」
「1人でも俺のこと嫌いな人が居たら行くわけにゃいかないけどさ・・・。大丈夫かな?」
「あ、大丈夫大丈夫。あいつら翔のこと、ちゃんと私の彼氏ってわりきってるから。」
「・・・余計にマズいんじゃないの?・・・他の人、彼氏いないんだろ?」
「・・・ははは、翔は何にも知らないんだな・・・。ま、知らないほうが幸せかな・・・。」
「え、え・・・?何、何?きになるじゃん。教えてよ。」
「知らないほうが幸せな・の。」
「・・・はい。」
「とりあえず、夜は私らの部屋に来いよ。・・・消灯時間後も一緒にサ・・・。」
「皆がいるなかエッチするの!?」
「・・・ばーか。」

298 :名無しさんちゃうねん :2005/04/10(日) 20:50 ID:???
よみの嫉妬恐ぃょぅ

299 :名無しさんちゃうねん :2005/04/11(月) 14:24 ID:???
もし、次スレが必要になったら、
http://so.la/test/read.cgi/oosaka/036322460/l50
こっちに書き込めばOK!

300 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/04/12(火) 22:51 ID:???
そして、当日――――

空港で水原たちと軽く挨拶を交わすと、自分の班からの毒牙から守るためにササッと元に戻った。
「さー!今日は修学旅行ですがー!帰るまでが修学旅行でーす!」
・・・飛ばしてるなぁ。
前列で神楽と滝野の騒ぐ声が聞こえた。飛行機が初めてなのだろうか・・・。
隣では班の連中が「女女女女女女・・・!!」と共鳴している。・・・着くまで寝よう。

―――夕食後
「おい春日!どっか女子の部屋になだれ込もうぜ!」
「・・・遠慮しとく。」
「ちっ、いつまでもネンネなやつだ!俺たちはお前みたいなバカとは違う!行くぞ野郎ども!」
滝沢を筆頭に班の連中は女子の部屋へと特攻していった。

「ほーい、こんばんわー。おじゃましますよ。」
「あ、春日だ!」
「わーい、春日君だー!」
「お菓子持ってきたぜー。皆で食べよー。・・・何人かいないね?」
「あ、神楽さんはお風呂で、大阪さんはお家に電話、よみさんはベランダで涼んでますよー。」
「あ、そうなんだ。」
「もー、バカだなぁ、ちよちゃんはー。」
「え?」
「春日は、最初っからよみが目当てなんだからよみだけ言えばいーの。他の連中は所詮オマケなんだからさ。」
「お、おい・・・そんな言い方・・・。」
「はいはい、いーからベランダにさっさと出た出た!」

「ったく・・・。」
「・・・ここまで聞こえてたぞ。」
「あ・・・そう?あははは・・・。まぁ、当たってるんだけどさ・・・。・・・あ、お風呂入ったんだ。」
水原の髪からはシャンプーの上品な香りがサラリと香る。
「うん。・・・ほら、翔が来るから・・・。」
「・・・いい匂いだ・・・。」
沖縄の夜空を眺めていた水原を抱き寄せて耳元で囁く。
髪はほんのりと湿っていて、なおその香りを引き立たせていた。
「あ・・・か、翔!ちょっと・・・!」
「ん・・・どうかした?」
「後ろ・・・後ろ・・・!」
後ろを振り返ると、カーテンの隙間から部屋の連中全員が覗いていた。榊やちよちゃんまで・・・。
「こ・・・こらー!覗いてるんじゃねー!」
「なー、キスしろよー。なー。でへへへへ・・・ぐぉっ!」
性懲りもなくちょっかいをかけた滝野が水原のチョップを喰らってその場に沈んだ。
「・・・翔、中に入ろっか・・・。」
「そだな・・・。お菓子持ってきたんだ。よみちゃんの好物のハバネロも持ってきてるよ。」

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