世の中のすべての萌えるを。

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大阪メイン小説

1 :名無しさんちゃうねん :2003/07/04(金) 18:27 ID:???
みんなで大阪の小説を作ろう・・・・・まぁ適当に書いてくれ(ぇ

401 :名無しさんちゃうねん :2005/07/15(金) 16:37 ID:???
>>400
更新乙

402 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/24(日) 01:34 ID:???
・・・そろそろラストを書き上げようかな・・・。

403 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/25(月) 20:54 ID:???
続き書きたいけどUPできない・・・。どうしよう。

404 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/25(月) 22:50 ID:???
ああ、板復帰したみたいですね。
よかったよかった。さぁ、続きだ。

405 :名無しさんちゃうねん :2005/07/26(火) 09:40 ID:???
続きは・・・・翔とよみはどうなったんだ・・・?

406 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/26(火) 18:57 ID:???
書こうとしたら眠くなってしまったので・・・w
大丈夫です。今夜は更新します。

407 :名無しさんちゃうねん :2005/07/27(水) 07:48 ID:???
>大丈夫です。今夜は更新します

・・・orz

408 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/27(水) 20:50 ID:???
>>407
どうも最近眠り虫が私に取り付いているようです・・・。
寝ないうちに今から更新します。

409 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/27(水) 20:56 ID:???
――――ハ――ハ――ハハ―――

「・・・誰の・・・声?」
ふと目を覚ますと、周りは花畑になっていた。
「あれ・・・ここは・・・?翔は・・・?・・・なんで花畑なんだ・・・?」
翔とHをしたあと、心地よさのあまり寝てしまったようだが、何故景色が変わっているかがまったく見当がつかない。
ただ、どこからともなく不思議な笑い声が聞こえるだけで・・・。
「一体誰の声なんだ・・・これ・・・。おーい!誰なんだー!?」
・・・返事はない。
「なんなんだ・・・まったく。夢にしたって気持ち悪すぎる・・・。」
ふと振り返ると、見覚えのあるブサイクなネコのヌイグルミが宙を浮いていた。
「あれ・・・?これ、大阪がちよちゃんにプレゼントしたヌイグルミじゃ・・・。」
「ヌイグルミではない。」
「・・・え?・・・ヌ、ヌイグルミがしゃべったぁぁー!?」
「ちよの父です―――。3年間、娘と仲良くしていただき、ありがとうございます。」
このヌイグルミが、ちよちゃんのお父さん・・・?何かの冗談だろう。いや、夢に冗談も何もないのだが・・・。
「君の彼氏が・・・病気だったそうだね。」
「え、ええ。もう治りましたけど・・・。」
「残念だ・・・。君の彼氏はもういない。」
「・・・はぁ?」
「いや・・・正確に言えば、いなくなるのだが・・・。」
「ちょ、ちょっと待ってください!どういうことですか、それ!」
「だが、安心したまえ。彼は君に素敵なものを残していった。」
「素敵なものなんて・・・。翔が生きていてくれないと私は・・・。」
「むぅー、それはだめだ。もう決まってしまったことでなー、覆すことはできんのだよ。」
間延びのした声で、ちよちゃんのお父さんと名乗るヌイグルミは言った。
「・・・やめた。だいたいちよちゃんのお父さんのわけないし・・・。・・・翔はどこだろう・・・?」
「ぬぅぅ・・・・・・。」
ヌイグルミは赤、黄、青、緑、紫・・・と体の色を変化させている。・・・怒っているのだろうか?
「ふん、信じてほしかったら翔が死ぬなんて言わないことだなっ!」
「私は本当のことしか言わない。翔君は死ぬ。君にプレゼントを残して。君がそのプレゼントを捨てるか育てるかは、君次第なのだ・・・。」
「育てる・・・?育てるってどういうことだ?」
「ゆーーっくり自分で考えることだ。今の君には無理かもしれんが・・・。」
「まっ、待てっ!!」
理解しがたい言葉を残し、ヌイグルミは空を飛んで行ってしまった。

410 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/27(水) 21:18 ID:???
「はっ・・・夢・・・か?」
目を覚まし、あたりを見回して水原は気付いた。
「翔が・・・いない・・・?」
先ほど見た夢が水原の体を跳ね上がらせた。
部屋を飛び出し、廊下を駆け下り、風呂場、食堂、玄関、旅館中を駆け回った。・・・が、翔は見当たらない。
「まさか・・・本当に・・・?」
丁度、旅館の老婆が外から帰ってきていた。
「おや、お目覚めかね?二度寝はあまり感心せんよ、わしゃあ・・・。」
「は、はい!すみません!あっ、あの!翔は!?私と一緒にいた人、ご存知ないですか!?」
「はて・・・。いないのかね?」
「私が寝ている間に、どこかに・・・。」
「あららら・・・。でも、ま、あんた達、恋人同士だろう?あんたみたいなべっぴんさんを置いて、どこかへ行っちまうなんてこたぁないでしょう・・・。」
「そ・・・それもそうなんですけど・・・。」
「まぁまぁ、お茶でも飲んで落ち着きなさい。ほれ、おいで。」
そうだ・・・。所詮夢のことだ。実際に翔が死ぬなんて、馬鹿げている。
お婆さんの言うとおりだ。ここはじっと、翔を待とう・・・。

30分・・・40分・・・50分・・・。翔がいなくなってから、もうじき1時間が経とうとしていた。
「あの・・・この辺りってなんかあるんですか・・・?」
「ないねぇ・・・。ふもとまで歩いて20分はかかるし、何も言わないで行っちゃうなんてこたぁ・・・。」
「それは・・・ないです。・・・お財布、置いていってるし・・・。」
「外に出て・・・冬眠から覚めた熊が出なけりゃいいけどねぇ・・・。」
「熊・・・!?熊なんているんですか・・・!?」
「ほっほっほ、なぁに、冬眠から覚める熊なんて、そうそうおらんよ。心配なさるな、心配なさるな・・・。」
「あっ・・・そういえば、おじいさんは・・・。」
「・・・はて、そういえば見当たらんのぉ・・・。どこに行ったんじゃろうか。」

ズドーン・・・! ズドーン・・・!

「銃!?」
「ああ、そうじゃった、爺さんは狩りに出とるんじゃった。帰る前に、うまい料理を食べさせたくてのぉ・・・。」
「あは・・・ありがとうございます・・・。」

411 :名無しさんちゃうねん :2005/07/27(水) 21:30 ID:???
ぁぁぁ・・・まさか・・・

412 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/27(水) 21:32 ID:???
銃声がしてから10分ほど経った頃だった。玄関から、けたたましい音が聞こえてきた。
「ばっ・・・!ばぁさんや!ばぁさんや!!」
老爺が帰ってきたようだ。それにしては、様子がおかしい。水原は急いで玄関に向かう老婆の後を追った。
「はいはいはい・・・どうしたんじゃ?」
「くっ・・・熊じゃ!熊が出おったー!!」
「ありゃ・・・!それで爺さん、怪我は・・・!」
「わ、ワシは大丈夫じゃ!じゃが・・・。」
じゃが・・・? 水原はとても嫌な予感がした。
「じゃが・・・どうしたんですか!?」
「おぉ!あんたか!あんたの男前さんが、ワシの手伝いをしたいと言ってきての・・・!」
「それで!?それでどうなったんですか!?まさか・・・翔が・・・!?」
「違うっ!黙って聞けっ!」
今まで荒い呼吸をあげていた老爺は3回深呼吸をすると、改めて成り行きを話した。
「・・・ワシらが森の近くに行ったとき、子供の悲鳴が聞こえての、走って行ってみれば子供が3人、熊に襲われそうになっていたんじゃ。
 そして、彼はその子供を助けようとして、ワシも猟銃をぶっぱなした。命中はしたんじゃが・・・致命傷にはいたらなかったようでの・・・。
 熊は攻撃してきたワシを敵対視したようでの、一気に襲ってきおった・・・!そこを彼が身を挺して助けてくれたんじゃ・・・!」
老爺は一気に事を話すと、玄関に倒れてしまった。
「しっかりしてください・・・!それで、それで翔は・・・!?」
「助ける時にワシは山から突き落とされて、今じゃどうなってるか・・・。不幸中の幸いと言おうか、銃は彼が持っているはずじゃ・・・。」
「場所・・・!場所はどこですか!?」
「待てぃ!行ってどうする気じゃっ!あんたも熊と戦う気かっ!」
「違います・・・!翔を助けるんです!おばあさん!警察に電話しておいてください!私、翔を探してきます!おじいさん!場所ッ!」
「・・・そこを出て、右に曲がって突き当たりまで真っ直ぐ行け。立て札があるから、すぐにわかるじゃろ・・・。」
「ありがとう・・・!」

413 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/27(水) 22:04 ID:???
ぐあ・・・力作が改行が多すぎるとかで消滅してしまった・・・。

414 :名無しさんちゃうねん :2005/07/29(金) 13:32 ID:???
お前って奴は・・・

415 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/31(日) 00:20 ID:???
山中を走りながら、水原は思った。
もし、翔が気まぐれを起こして猟についていかなければ・・・!
もし、子供たちが最初から山で遊んでなんかいなければ・・・!
もし、冬眠中の熊と遭遇しなければ・・・!
脳内が『もし』の言葉で埋め尽くされていく。
考えていなければ、厳しい現実と直面しそうになるから・・・。
その重圧に心が押しつぶされてしまいそうだから・・・!

子供たちと会って、既に5分は走っている。だが、翔の姿どころか熊の姿も見えない。
「翔は・・・どこだ!?」
山中は昼間とは思えないほど不気味なぐらい静まり返っており、水原の息遣いが森の中に響いていた。

ズドーン!!

その緊迫感を、一発の銃声が何の予兆もなく切り裂いた。銃声は森中に響き、山鳥が一斉に飛び立つ音が聞こえた。
「銃声・・・!こっちかっ!」
銃声の方向・・・それは、崖の下だった。崖といっても、5mほどだが、木々で下の全貌が明らかになっていない。
よく見れば、足元には血が飛び散っていた。翔のものだか、熊のものだか明らかではないが、この下にいることは間違いないだろう。
水原は躊躇することなく、崖を滑り降りていった。擦り傷を負うことなど、水原はとんと気にかけていない。
いや、翔のことで頭がいっぱいで、それを気にする暇がなかったのだ。

416 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/31(日) 00:40 ID:???
「・・・いた!」
崖の下、地面は血で真っ赤に染められていた。
滑り降りた場所のほんの3m先ほどに、倒れている熊と、木に寄りかかっている男、翔がいた。
「翔・・・!翔ーーーーー!!」
水原は大声で叫び、翔の元へ駆け寄った。・・・息はしている。が、呼吸音がとても弱々しい。
「翔!?大丈夫!?ねぇ!!」
水原は翔を抱きかかえ、必死に呼びかけた。目を閉じていた翔が、ゆっくりと目を開いた。
「・・・・・・・あ・・・?・・・よみ・・・ちゃん・・・?」
「翔っ!なんで私を置いて猟なんかに行ったんだよぉっ!馬鹿ぁっ!」
「・・・ごめ・・・ん・・・。おいしい・・・猪・・・な・・・べ・・・。」
翔は、水原に内緒で猟に出かけ、猪鍋を食べさせようと思っていたようだ。
「馬鹿・・・!馬鹿・・・!翔が死んじゃったら・・・私・・・!」
「・・・俺が・・・死んでも・・・・・・よみちゃんは・・・生きて・・・よ・・・。」
「だめ!死ぬなんて言うな!翔は死なない!生きるって強く信じて!せっかく病気に勝ったのに、こんなことで・・・!」
「・・・そうだ・・・な・・・。せっかく・・・病気に勝ったのに・・・。はは・・・はは・・・ははは・・・。」
「そうだよ!病気に勝ったんだよ!?なのに、なのに・・・!」
「・・・嬉しかった・・・。」
「え?」
「毎日・・・俺を見舞いに来てくれる・・・よみちゃんが・・・嬉しかった・・・。死ぬかと思ってたのに・・・見捨てない、君が輝いて見えていた・・・。」
「翔・・・!」
「指輪・・・つけてる・・・?」
「つけてる・・・つけてるよ・・・!」
水原は指輪をつけている左手を翔に見せた。結婚指輪は、水原の左手薬指に美しくきらめいていた。
すると、翔はゆっくりと手を伸ばし、両手でその左手を包み込んだ。
「満たされていた・・・俺の・・・人生は・・・。俺が・・・死んでも・・・よみちゃんは・・・新しい・・・恋を・・・見つけて・・・強く、俺の分も・・・生きてくれ・・・。」
「だめ!だめ!翔は死なない!生きる希望を持って!」
「ごめん・・・ね・・・。よみ・・・ちゃん・・・。」
翔はポタポタと涙を零した。その涙は、翔が握っていた水原の左手、薬指へと流れていった。
「・・・寒気が・・・する・・・。・・・寒い・・・。」
「ダメ!ダメ!ダメ!死んじゃダメだよ!翔!死んじゃ嫌だよ!」
「・・・少し・・・抱き締めて・・・くれないか・・・。」
水原は、言われるがままに翔を抱いた。熱く、抱いた。翔は水原の唇にキスをすると、かすれた声で何かを呟いた。
・・・・・・言い終えた後、翔の頭はダラリと下がり、何の言葉も発さなくなった。
「かけ・・・る・・・?嘘・・・だよね?・・・いつもの・・・冗談だよね・・・?あなたは・・・死んだり・・・しないよね・・・?ねぇ・・・返事をしてよ・・・翔・・・!」
既に事切れた翔を抱き締めると、水原は大声で泣いた。
翔が最後に残した言葉、それは・・・。

『俺は・・・幸せ・・・だ・・・。愛するよみちゃんの・・・胸の中で・・・死ねる・・・から・・・。強く・・・生きて・・・。』

417 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/31(日) 00:56 ID:???
「翔太ー!翔子ー!お母さん出かけてくるけど、おばあちゃんとおじいちゃんに迷惑かけちゃだめよー!」
「「はーい!」」

翔の死後、水原は双子を産んだ。温泉宿での一晩で、水原は身篭っていたのだ。
親からはそのことに少し戸惑ったが、反対も特にしなかった。翔のことを、両親もよく知っていたからだ。
産まれた子供はなんと男と女の二卵性双生児。水原は迷わず翔の名前を取り入れた名前をつけた。

今日は高校の同窓会。10年ぶりに会う旧友達に、水原は少し浮かれていた。

榊は大阪の兄と結局結婚したらしい。大阪自身は2人が暮らすマンションの隣の部屋に住んでいるらしい。
邪魔になっていないだろうか・・・。榊は夢が叶い、動物の医師をしているらしい。
大阪は・・・自分でも「よくわからんねん」と言っていた。深く関わるのはよそう・・・。
滝野はその元気さを活かし、男子校の寮の寮母の手伝いをしているらしい。
毎日が大変、というならわかるが、毎晩が大変、という言葉は少し気になった。
ちよちゃんは身長も145cm程度で成長はストップ。少し嘆いていた。
アメリカから帰国し、今は超大手の外資系の会社で働いているらしい。美浜財閥も拡大されつつあるようだ。
神楽は、母校の体育教師になったようだ。黒沢先生と一緒にワイワイ楽しくやっているらしい。一緒に暮らしている、というのが引っかかるが。

そして、水原はというと・・・。
「ねぇねぇ、よみぃ。あんた今何の仕事してんのー?」
「んー、普通の会社。子供いるしね。」
「あ・・・そか・・・翔の・・・。・・・今年で、何歳になるんだっけ?」
「10歳。いやぁ、みーんな青春が謳歌できていいねー。私はもう育児に疲れたよ・・・。」
「うっわ、ここにババァがいる!ババァだー!」
「なぁにぃー!?」
宴会場に、10年前と同じ笑い声が響いていた。ただ、1人の男子の笑い声足りないことに少し胸を痛めいている少女がいた。



『翔・・・。私、強く生きてるよ・・・。今も、ずっと、私はあなたを愛しているからね・・・!』

418 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/07/31(日) 00:58 ID:???
終わった・・・やっと終わった・・・。
長かった、よみ編・・・。
最初は翔を殺す気ではなかったけど、いやはや空気の流れは怖い。
私の意志に逆らって死んでいきました、彼は。キャラの持つ『運命の重力』を感じました。(荒木先生風に)

感想待ってます!
(次回作は・・・なんにしようかなー♪)

419 :名無しさんちゃうねん :2005/07/31(日) 09:07 ID:???
素直に感動した。

人を感動させることって難しいよな。
お前はそれをやったんだから大したもんだと思うよ。

感想、あんまり長く言い過ぎるとアレだからやめとく。

次回作品も期待。(にゃも×神楽か!?)

420 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/07/31(日) 10:13 ID:???
翔はお星様になってよみを見守っててくれます
お疲れ様でした

421 :ライダーキック小さじ二杯 ◆jPZ1HpW6/Q :2005/07/31(日) 20:59 ID:???
完結お疲れです。
文章にパワーを感じますね。

422 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/02(火) 18:09 ID:???
うわぁ・・・今過去ログ見てきたんですけど、これって3/2から始めてたんだ・・・。
ほぼ5ヶ月も使って作り上げたのか、コレは・・・。末恐ろしい・・・。

次は何にしようかな・・・。まだ何も考えてないけど、>>419さんの要望に答えようかな・・・。
どうしようかな、リクエスト待ってます。

423 :名無しさんちゃうねん :2005/08/03(水) 20:30 ID:???
ちよすけキボンヌage

424 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/03(水) 21:16 ID:???
>>423
ち・・・ちよすけ・・・。
・・・・・・えと、PTAの関係者の人とか見てないですよねコレ。(おどおど)
・・・考えときます。(おもしろそうだと思っている自分がいます。)

425 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/05(金) 15:26 ID:???
・・・うーん、どこからどう発展させても短編のエロ系しか思いつかない・・・。
智がずっと噛ませな存在だったから今度は智にスポットライトを当てようかと思います。
ネタが思いつき次第一気に書いていくので、期待しててください。

426 :名無しさんちゃうねん :2005/08/06(土) 07:25 ID:???
完結したか、んー翔の死に方に無理があるような。
そういえばどこかの本で読んだが、日本人はハッピーエンドを嫌う
人種なんだそうな・・って感想になっとらんな
とにかく乙
次回作は智メインでやって欲しいところ、個人的には百合系はあちこちで
やってるんでノーマル純愛が見たいなあ・・と。
多少ご都合主義でもいいからハッピーエンドがいいなあ。

427 :名無しさんちゃうねん :2005/08/06(土) 21:12 ID:???
あー、>>426の人と同じく最後がちょっと・・・
無理矢理、主人公を死なしてしまうシーンはちょっと白けました・・・
いきなり白血病にして感動系にしなくても良かったんでは?
少し展開が強引だと思いました。
前の時も思ったんですが蛇足の部分が多いと思います。(特に最後辺り)

428 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/07(日) 23:07 ID:???
白血病にしたのは、一度殺そうとしたんです。
でも、「あ、これは殺さないほうが感動か?」と思って殺さなかったんですが・・・。
うう、なんで殺したんだろう。殺したほうがなんかしっくりきたんだけどな・・・。
一応殺さずにいた状態では娘が1人で、翔が主夫になってよみが家を支えていく、という設定だったんですが・・・。
わからない。やっぱりキャラの持っていた『運命の重力』だったと諦めて受け止めてください。
次回作、本当は寮の生徒と入れ替わり立ち代りのえろえろな話を書こうと思っていたんですが、汚名返上、感動系でいきます!


蛇足は少し目をつぶってください。メモ帳とかに下書きせずに一気に書き上げてるので・・・(汗)

429 :名無しさんちゃうねん :2005/08/07(日) 23:37 ID:???
>>428
乙 でもえろえろな話がいいなー。

430 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/09(火) 01:41 ID:???
大学卒業後、真剣に大阪兄と榊が付き合うことになり、さすがの滝野でもその状況を邪魔するつもりにはなれなかった。
「あーあ・・・。よみには子供がいて、榊ちゃんには涼太さんがいて・・・。私にも王子様が現れないかなー。」
だが、今の滝野には王子様探しより職探しのほうが先決だった。いつまでも親の仕送りに頼り続けるわけにはいかない。
かといっても、バイトだけではいわゆる『フリーター』だ。ちゃらんぽらんな人生を送る滝野だが、それに関してはちゃらんぽらんに過ごすつもりはさらさらなかった。

「職・・・。職、職、職!!あー、もう!何か職はないのかー!ムキー!」
公園でパンをかじりながら求人情報誌を読んでいた滝野。いい加減見飽きてきた。
「早いとこ職を見つけないといけないし、王子様も探さないといけないし、大変だ・・・。」
パタン、と求人情報誌を閉じて深く溜息をついた。目の前を子供づれの母親達や昼休みで職場から出てきたサラリーマン達が通り過ぎていく。
「・・・リストラされた人って、こんな感じなのかなー。・・・なんかせつなーい。」
足をぶらぶらと振り、人だかりを見つめる。しかし、そのせわしい動きを見ると、嫌悪感が走った。
「やっぱり私は、こういうの向いてないよな・・・。さっさと結婚して主婦ライフが送れたらどれがけ楽か・・・・・・ん?」
ふと、向こうから大荷物を抱えた女性がヨロヨロとベンチへ近寄ってくる。慌てて情報誌やパンの袋をまとめて、膝の上に乗せる。
「ふぅ・・・よい、しょっ・・・と・・・。」
横目でちらちらと隣に座った女性を見やる。遠目からではわかりにくかったが、結構歳をとっているようだ。30後半、ぐらいだろうか。
シワやシミがところどころにちょびちょびと見える。
・・・しかし、この荷物の量は一体なんなんだろうか。スーパーの大きめのビニール袋が6つもある。
そのうちの1つには、2リットルペットボトルが3本も見える。単純計算で、この袋ひとつだけでも6kgあるのだ。この炎天下、この大荷物で一体どこへ?
いつもなら心の中で『大変だねぇ』と一言同情するだけだった。だが、好奇心が中年女性に質問するように心を誘導していく。
「あの、その荷物、重そうですね。なんでそんなにたくさん買ったんですか?」
いつものようにあっけらかんとした口調で質問したが、内心は心臓がバクバクいっていた。
「あ、ああ、これ?あっはっはっは、私ね、寮母やってんのよ。いつもなら自転車で買出しなんだけどね、壊れちゃって。仕方なく徒歩で買出しよ。
 まったくもう、嫌になっちゃよ。聞いてくれる?私がいつも通り買い物終わらせて土手走ってたら、わけのわかんないオッサンが自転車で私にぶつかってきたのよ!
 それで転んじゃって、ほらみてぇ、ここ。擦りむいちゃったのよ。しかもその男ったら謝りもしないで自分の自転車立てたらさっさと逃げちゃって。
 私の自転車もそん時壊れちゃったのよ。ほんと、弁償してほしいわ!」
たった一言話しかけただけなのだが、中年女性は機関銃のように返事を返してきた。普通の人なら、「ああ、そうですか」と二言三言交わしたあと、そそくさと立ち去る。
が、この普通でない【滝野 智】は立ち去るどころかその話に思いっきり反応した。
「えーっ!それは許せないですね!とっつかまえてボッコボコにしてやらないと気がすまーん!」
「ほんとよぉ!」

その後、ベンチで30分ほど暑さを忘れて話し込んだ。自転車男の話から、最近の暑さ、最近の物価へと話は移り、最終的には最近の男はというディープな話題にまで浸っていた。
「あらやだ、こんな時間!あららら、中に冷凍モノいれてんのよ!どうしましょ!」
「あ、私手伝いますよ。ここから寮までどれくらいですか?」
「10分ぐらいだけど、お願いしちゃっていいのかしら?」
「ええ!どうせ私、暇ですから!」

431 :名無しさんちゃうねん :2005/08/09(火) 13:26 ID:???
>「ええ!どうせ私、暇ですから!」
>「ええ!どうせ私、暇ですから!」
>「ええ!どうせ私、暇ですから!」

テラカナシスwww

寮・・・か。入れ替わり立ち代り云々ではなく「感動系」なのか?

432 :千影 :2005/08/13(土) 23:33 ID:???
まだかい・・・兄くん・・・

433 :名無しさんちゃうねん :2005/08/14(日) 19:50 ID:???
寮の生徒に輪姦されまくるエロを期待してるんですが・・・

434 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/17(水) 21:09 ID:???
冷静に考えたら輪姦嫌いなんです、私。
和姦派なので。(過去の物にも輪姦などのはないでしょ?)

>>426-427にああ言われては感動させてやらないと気がすまないのです。
というわけで、久しぶりの更新です。

435 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/17(水) 21:30 ID:???
公園から10数分ほど歩いたところで、やっと寮に着いた。割と新しく、大きさにしても母校の体育館ぐらいの大きさはある。
たったの数分ではあったが、真夏の日差しとその暑さ、さらにはとても重たい荷物を運んだことで滝野は大汗を掻き、Tシャツがベッタリと体に張り付いていた。
「あー、疲れたー!おもーい!おばさん凄いんですねー。こんな量を1人で運んでたんですね。」
「いやいや、今日は特別多くて、歩きだったからね。しっかしあんた、汗ビッショリだね。どう?シャワーでも浴びていったら?」
「え、いいんですか?わーい!じゃ、お言葉に甘えてしまおう!」
「さ、入って!今日は平日だから生徒はみーんな学校だから、遠慮することはないよ!」
寮の中に入ってみると、玄関はとても綺麗に整頓されていた。寮のおばさんの働きもあるのだろうが、寮の生徒たちも良く出来ているのだろう。
自分の家の玄関と比べると・・・。見習わなくてはならないな、と心の隅でちょっぴり思ってしまった。
いつもならポーン、と脱ぎ捨てる靴も綺麗に揃えて置いた。いつもしない上品なことをして少し気分がよくなった。
「綺麗ですねー、ここ。私の住んでるとこなんか大爆発してますよー!」
「あらら、女の子ならちゃーんと掃除しないとダメよー?男の子に嫌われちゃうわよ?」
「え、えへへへ・・・。」
「でも、男臭くない?芳香剤とか置いてみてるんだけど、それでも根負けしちゃうのよ。男の子の臭いってのは強いねー。」
「え?男の子って・・・。」
「ああ、さっき話さなかったかね?ここ、男子校の寮なんだよ。○×男子校ったら有名でしょ?」
「えええー!?○×のー!?マジですか!?」
「そ、マジ。ほらほら、さっさと入った入った。着替えも貸したげるから、こっちおいで。」
まさか・・・。○×男子校の寮だったとは・・・。あそこは昔から名門として名高い高校だ。
滝野にしてみれば、勉強ができるやつは勉強だけしかできなくて、他は家族に甘えっぱなしで何もできない甘ちゃん、という印象が強かった。
が、この寮を見てみれば、少なくとも寮生は整理整頓がきちんとできる、自分の嫌いな甘ちゃんタイプではない気がしてきた。

436 :大阪の兄@41 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/17(水) 21:43 ID:???
「風呂は沸かしてあげたいんだけど、今から沸かすと不経済だからね。本当に悪いんだけど、シャワーだけで許してね。シャンプーとかこだわりある?」
「えっと、マシェリがあれば・・・。」
「ああ、確か斉藤君がそれ使ってたね。彼はいっつも置きっぱなしだから、それ使っていいよ。丁度よかったね!」
置きっぱなし。整理整頓ができる生徒ばかりではないのか。少し残念だったが、みんながみんな綺麗好きだと逆に気持ちが悪い。やっぱ男の子だな、という了解をすることにした。

シャワー室に入り、斉藤君とか言う生徒のシャンプーを手に取った。他人のシャンプーを使うのは少し気になったが、言わなければ気がつかないだろう。
シャワーのコックをひねり、熱めの湯を頭から被る。労働の後のシャワーは気持ちがいい。シャンプーを手に取り、泡をたてて髪を洗った。
高校時代のショートカットはやめて、今では後ろに髪を纏め上げた『ポニーテール』にしている。キューティクルには気を遣うつもりでシャンプーも変えた。
少し硬めだった髪は今では榊のようにサラサラになっている。その自慢の髪を、愛用のシャンプーで丁寧に洗い上げた。
リンスがないことに少し不満を持ったが、家に帰ってもう一度風呂に入ればいい。
汚い汗を流し、職探しに不安になっていたわずらわしい嫌な気分もついでに洗い流してやった。

437 :名無しさんちゃうねん :2005/08/18(木) 00:09 ID:???
更新キタキタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

>>434
同意!同意!

それにしてもポニテか・・・
だめだwww想像できんwww

438 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/18(木) 22:12 ID:???
>>437
書いた本人が言うのもなんですが、私もです。(汗)
ポニテが個人的に好きなのでとりあえずポニテにしたんですが、失敗だったかなぁ・・・。
誰か絵を描いてー・・・。

439 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/18(木) 23:57 ID:???
シャワー室を出て、とりあえず寮母がいそうなところを探してみた。
食堂、居間、玄関。探してみたが寮母の姿は見えない。
「おっかしいなー。どこ行っちゃったんだろ。」
Tシャツを借りたまま勝手に外に出るわけにもいかない。どうしようか?その時、玄関の扉が開いた。
「あらっ、もう出たの?もっとゆっくりしてるかと思ったよ。ごめんね。」
「いえいえ、いいんですよ。シャワーありがとうございました!・・・あれ?それ・・・。」
寮母が両手で何やら丸いものを抱えている。スイカだ!丸々としたおいしそうなスイカを持っているではないか!
「あー!スイカだー!」
「んっふっふっふ、手伝ってもらったからね、これぐらいのお礼はしないとね。」
「シャワー浴びさせてもらって、スイカまで・・・!今日はいい日だーー!!」
早速台所へと向かい、包丁で大きめにスイカを取ってもらった。4分の1はあるが、スイカ好きの滝野には軽いものだった。
「いっただっきまーーっす!」
甘く、瑞々しいスイカが火照った体をひんやりと冷ましてくれる。
食べながら寮母と他愛もない話で談笑していたのだが、ふとある話題があがった。
「あなた、まだ職は決まってないの?もうすぐ8月よ?どうなの?」
「えと・・・。一応定職には就きたいんですけど・・・。なかなか決まらなくて。」
「・・・あなたさ、そのちゃんとした職が見つかるまで、ここでアルバイトしてみない?」
「えっ!?アルバイトですか!?」
「そ!最近人手が減ってねー。私を含めて2人しかいないのよ。これだけおっきい寮だから、最低でも3人は欲しくてねー。
 新しい人に来てもらうように校長先生に頼んだんだけどね。夏休みの間中は補充できそうにないらしいのよ。
 こういう長期休み中が一番厄介なのに!まったくもう、わかってないわ!」
「あ、今夏休み中ですよね。なんでここの人たちは皆いないんですか?」
「部活が主だけど、バイトに出てる子も結構いるのよ。だから帰ってくるのはだいたいみーんな6時過ぎちゃうのよ。」
「へぇ〜・・・。」
寮でアルバイト。家事は普段あまりしないだけで、苦手なわけではない。大阪のところにしばらく住んでいるときにも、
家事はある程度学んだし、料理もできるようになった。まさにうってつけといえよう仕事だ。
今はアルバイトだと言っているが、もしかするとこのまま職につけるかもしれない。ここは燻らずに、今すぐ返事をしておくのが得策だろう。
「よーっし!私、アルバイトやります!やらせてください!」
「ほんとー!?よかったわぁー!」

440 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/19(金) 00:17 ID:???
「今日は何の準備もできてないから、明日からお願いするわね。今日のうちに仕事内容を書いた紙を渡すから、家である程度目を通しておいてね。」
「あ、はーい!わかりました!」
今日はなんていい日だろうか!数時間前まではただのプー子だったのに、アルバイトとはいえど自分にはうってつけの職にありつけた。
これがそのまま本職となれば、願ったり叶ったりといものだ。
「それじゃ、書き終わるまでの間はとりあえずかる〜いお仕事をしてもらおうかしら。」
「・・・え”?」
「『え”』じゃないわよー。仕事は早めに覚えてもらっておいて損はないもの。」
「そ、そうですね。えと、何をすればいいんですか?」
「そうね。今外の掃除をしても汗掻いちゃうだけだからー・・・。さっき食べたスイカの後始末とかしてもらおうかしら。」
「はーい。」
なんだからおかしいことになってきた。確かに仕事を早く覚えるのは必要なことだが、寮母1人が勝手に決めたアルバイトという不安定な地位にいるのに、
決まったその日から仕事をさせられるとは・・・。明日からこき使われるんじゃないかという気持ちでドキドキしてきた。
が、やることは家庭ですることと変わらないはず。スイカは生ゴミ、食べるときに使った食器を洗ってかわかす。なんてことはない。
「あーら、こらこらこら、違う違う!」
「はい?」
食器を洗うときに余計な洗剤を使ったはずではないし、スイカの皮も台所付近にあったゴミ箱に捨てたのだが・・・。
「ああ、ごめんね。普通の家庭にはないかもしれないものね。生ゴミはね、あの生ゴミ処理機に入れるの。微生物が分解してくれて、『えころじぃ』なのよ。」
「『えころじぃ』ですか・・・。なるほど。」
また洗剤が多いだとかオバサン臭いことを言われるのかと身構えてしまったが、なんてことのないこの寮の単純な決まりで安心した。

441 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/19(金) 00:39 ID:???
「ちなみにね、この寮って畑と井戸があるのよ。さっきのスイカもね、畑で育てて、ある程度大きくなったから井戸で冷やしてね。
 生ゴミ処理機でいい肥料もできるし。それにね、やっぱ冷蔵庫とかで冷やすより井戸で冷やしたほうがおいしーのよ。」
・・・・・・。なんだか、凝り性のようだが、あまりにも凝りがひどすぎる気がする。
実は最近辞めてしまった人というのは、この寮母の凝り性に耐え切れなくなったのではないのだろうか・・・。
何はともあれ、スイカもきちんと所定の場所に捨てたし、これで文句言われる筋合いはないはずだ。
「はい、ご苦労様!やることは紙に書いたから、これを持って帰って家で見てね。まだ3時半か・・・。どうする?」
「家に帰ってもすることないし・・・。どうしようかなー。」
「あ、じゃあ、とりあえず家に帰っちゃいなさい。それで、7時ぐらいにまた来なさい。お夕飯、みんなで食べましょうよ。あなたのことも紹介したいし。」
「えー、いいんですかー?・・・それじゃ、今日はとことん甘えさせてもらおうかなー・・・。とりあえず、また後で!」
「あいよ!服も洗っておいてあげるからね!」

家に帰った。案外寮はあの公園から10分程度かかっていたが、よく近所を見渡してみればなんてことない、自分の住んでいる家のごくごく近所だった。
この分だと出勤はとても楽なものになりそうだ。大学でもよく遅刻をしていた滝野にとって、この仕事や場所はもう最高といっても過言ではなかった。
「さて・・・と。仕事はいったいどんなんがあるのかなー?・・・え!?」
紙を見てギョッとした。二つ折りにして漫画一冊ぐらいの大きさだったのだが、中に書いてある字は米粒のように小さかった。
「ちょ・・・なんだこれー・・・!?」

※あなたはアルバイトだから、私たちは朝6時から色々しないといけないんだけど、大目にみて9時からでいいからね。

まず紙の一番上に書かれていた文字がこれだった。朝九時?大学にも行くこともなくなり、最近は朝10時起きが主流なのに、
9時からとなると7時には起きないとまずいではないか。7時起きなんて、高校以来だ。
既にその日常に慣れてしまっている滝野にとって、寮母にはラクラクの9時出勤も、とてもつらいものであった。
しかも、その仕事の量ときたら尋常ではなかった。
料理、洗濯、掃除は当たり前のことなのだが、その人数の多さから1回1回の時間の間取りが1時間やら2時間やらでその日にキチンと終えるかどうか怪しいぐらいだ。
「うわぁ・・・。これ見てからバイトするって言えばよかったなー・・・。」
だが、バイトをすると言わなければまた今日の午前中のように仕事仕事とつぶやく毎日になっていたに違いない。
仕方なく、ここはおとなしくバイトをすることにした。

442 :名無しさんちゃうねん :2005/08/20(土) 22:10 ID:???
大学寮か・・・
俺なー。寮生活するのが夢なんだよなー。

>あなたのことも紹介したいし。
紹介されたときの寮生の反応に期待してみる

443 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/21(日) 13:16 ID:???
>>442

高校寮のつもりだったんだけどなぁ・・・。(汗)

>紹介されたときの寮生の反応に期待してみる
これで全てが決まりますからね。期待しまくっててください。

444 :ライダーキック小さじ二杯 ◆jPZ1HpW6/Q :2005/08/21(日) 21:28 ID:???
もちろん期待しまくりです。

445 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/08/22(月) 23:42 ID:???
・・・寮の見取り図を描きたいのですが、絶対ズレる・・・。
AA作るときみたいな特殊なツールがあるんですよね。
どなたかオススメのツールを教えてください。

446 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/08/22(月) 23:44 ID:???
自分はギコペ使ってます
プレビューもあるんでズレはないと思います

447 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/09/01(木) 19:52 ID:???
あ・・・やっと復活した。

ギコペがなんか使い方わからないからとりあえずその見取り図が出るあたりまで話を進めることにしました。
・・・今日は時間がないので明日以降になりますが。とりあえずage。

448 :名無しさんちゃうねん :2005/09/02(金) 04:02 ID:???
期待して待ってます。

449 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/09/07(水) 01:41 ID:???
夕方まで時間を潰し、そろそろかという頃に、一応着飾って出かけることにした。
可愛らしい服装にするか、動きやすそうな服装にするか・・・。
ここは寮生たちの印象をよくするために、お気に入りのワンピースにバングルを着けて行くことにした。

寮への道を進んでいると、途中高校生らしき4人の集団が同じ道を歩いていることに気付いた。
『こいつら、寮生かな・・・?』
チラチラと横目で見ながら歩いていると、あちら側も気付いたらしい。コソコソと喋りながら、こちらの様子を伺っている。
『ふふん、まんざらでもないじゃない。私の魅力に高校生はタジタジ?』
すると、高校生らは何かに気付いた様子で、寮の道へ向かって走っていった。どうしたのだろうか?
今、滝野はT字路にいる。左に曲がれば寮の道。正面からは・・・1人、先ほどの学生と同じ制服の男が歩いてきていた。
背は180を簡単に越えている。体は痩せ型のようだが、半袖から見えているその腕の筋肉はしっかりとしていた。
コツコツ、という男の革靴の音が妙に辺りに響いていた。その静寂な雰囲気から漂う威圧感は、滝野でさえ不気味に感じ取っていた。
どうやら、その男も寮生のようだ。同じ道を離れて歩き、なんだか不安になってきた。
そして男は寮に着くと、急に後ろを振り返った。こっちを睨んでいるように見える。
『うっわー・・・。こわー、こいつ・・・。まじで高校生かよ・・・。』
滝野が寮の入り口に近づいても、男はまだ立ったままだった。やがて滝野が入り口の前に立つと、
「・・・・・・新しい・・・寮母の方でしょうか。」
男の声はとても低く、見た目からはあまり想像もつかないような丁寧な口調だった。
「えと・・・。はい。そうです。一応・・・。アルバイトなんですけど・・・。あ、滝野っていいます!」
「そうですか・・・。おれ・・・僕は・・・坂本・・・坂本涼太です。・・・よろしくお願いします・・・。」
「あ、よろし・・・」
男はそう言い残すと、滝野の返事を待たずにそそくさと寮へと入ってしまった。
『ははーん、照れてたんだな?私って罪な女だなぁー、あははは!」

450 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/09/07(水) 02:03 ID:???
うは、続き楽しみですよ

451 :名無しさんちゃうねん :2005/09/07(水) 07:13 ID:???
さっそくツンデレルートかっ!?

452 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/09/12(月) 23:38 ID:???
「あの・・・滝野さん・・・。ぼ、ぼくあなたのことが・・・!」
「うふふ・・・。困ったもんね、あんたには・・・はい、いらっしゃい・・・?」
そして、滝野に与えられた寮室には毎夜淫猥な音が響くのであった・・・。
「・・・!!・・・!?・・・・・・・!!!!」
『あら・・・?この声は誰の声だろう。また私の美貌に耐え切れなくなった寮生が私の体を求めにきたのか?
うふふ・・・、美しさって、ほんっと、罪だよなー!』



「コラ!姉ちゃん、ボーッっとしとらんと、そこどかんかい!」
ムニュッとした感覚を尻に覚え、滝野は我に返った。
「あ、あれ?・・・・・・っておまえー!何を勝手に私のお尻触ってんだー!」
「お、なかなかええケツしとるやんけ。今度やらせたってな。」
「人の話を聞けー!勝手に触るなー!」
「ワシが何回話しかけても無視してボーッっと入り口でつったっとる姉ちゃんが悪いんや!それに、あんた誰や。えらい見ん顔やんけ。」
突然の痴漢行為に、取り乱していて気付かなかったが、どうやら久しぶりにモテたことがあまりに嬉しく、妄想行為に浸っていたらしい。
それも、寮の入り口のど真ん中で。通行の邪魔もいいとこだ。
「あ、ごめんごめん。私はね、明日からこの寮でバイトさせてもらうことになった、滝野智っていうの。よろしくね。」
「・・・バイト・・・?・・・クックック、ほうかほうか。ワシは渡部草太。ワタナベやないで、ワタベや。間違えんなよ姉ちゃん。」
「姉ちゃ・・・。わ、私はこれでももう22なんだからな!滝野"さん"って呼びなさい!」
「・・・知らんわ。それよりな、この寮、・・・・・・なんでもないわ。ほな、ワシさっさと着替えたいから先に失礼させてもらいますー。」
「あ、そう?じゃ、私もそろそろ入ろうかな。」
坂本を見るなり逃げ出した数人の寮生、それに反して礼儀正しい坂本、そして、意味深な発言を残していった渡部。
しかし、滝野の頭の中にそれらの出来事はほとんどなんでもないことと処理されていた。

「さーってと、今のうちに挨拶考えておかないとねー!エッチなこと言ってみようかなー?にゃはははー!」
・・・・・・こんな調子の子ですから・・・。

453 :名無しさんちゃうねん :2005/09/13(火) 06:58 ID:???
うほっ!更新してるwww

智ちゃんの尻テラモミタス

454 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/09/13(火) 23:22 ID:???
軽く妄想をしながら、滝野は大きな寮の扉を開いた。

バコーン!!!

――――瞬間に、滝野の顔面に何かがぶつかってきた。

「・・・いったーい・・・!」
玄関に思わずしゃがみこんで、顔面を押さえ込む。と、足元には鍋がクワンクワンと音を立てて転がっていた。
「もぉ、草ちゃん!なんなのよ、また私のことバカにしてぇー!」
「やかまし!えぇ加減にその言葉遣いやめんかい!気色悪ぅてしゃあないわ!」
高い声と、先ほど聞いたばかりの声が言い争いをしている。様子から見て、恋人同士の喧嘩だろうか?
「ちょ・・・・・・っとあんたたちぃー!痛いじゃないのー!」
怒鳴りつけると同時に、滝野は立ち上がり、言い争いをしている2人を睨んだ。
「・・・あら?あらあらあら?・・・かっわいー!誰あなたー!?」
かわいらしい口調、高い声で近寄ってきたのは、かわいい女の子・・・・・・でなく、坂本と同じぐらいの背丈で、髪型はスポーツ刈り、顔は少しくどめの・・・男だった。
「うげっ!あんた何!?男なんでしょ!?なんでそんな口調なの!?」
声から女だと思っていたところが、実は男。その事実が、滝野の怒りを一挙に困惑へと変えてしまった。
「あら、失礼ね。私は阿久津博己。ひーちゃんって呼んでね!あなたは?」
ああ、そうか・・・。ゲイなのか・・・。理解した滝野は、とりあえず質問に答えることにした。
「・・・滝野智です。明日からここでバイトをすることに・・・」
全てを言い終わる前に、ひーちゃんが素早く近寄ってきて、滝野の両手を握った。
「ホント!?ここで!?明日から!?ほんとーに!?」
ズイッ、と顔を近づけてきた。息は爽やかな香りで、嫌な気持ちはしなかった。
「う・・・うん。・・・どうして?」
握っていた手を離すと、滝野に背中を見せ、演劇のようなポーズを取りながら、ひーちゃんは叫んだ。
「だって・・・だってだって・・・。この寮、女の子がいないんですもの!私、色々おしゃべりとかしてみたいのに、相手はみーんな男の子!
 草ちゃんはおしゃれさんだから、一緒に話そうかと思ったら、どう言ったと思う!?『キモい』よ!?
 そりゃ私は男よ!?紛れもない事実!でもしょうがないのよ!私、自分が男なんて耐え切れないんだもの!だからせめて気持ちだけでも女の子になりたいのに・・・!」
寮母のおばちゃん並のマシンガントーク。普通の人間なら『しょうがないだろ・・・』などと判断し、それなりに会話を流して逃げるものなのだが・・・。
「わ、ひどーい、渡部!アンタ、ちょっとはひーちゃんのことわかってあげなさいよ!」
その場からこっそりと逃げようとしていた渡部に、後ろから怒鳴り上げた。
「な、なんやなんや!あんた初対面の人間に何ゆーてんねん!」
顔を赤くし、階段の前で渡部が反論した。
「何よ、草ちゃんだって私に『キモい』って言ったじゃない!それに比べたら、かわいいもんよ!ねぇー?」
「ねぇー?」
すっかり滝野はひーちゃんの性格とシンクロしてしまっている。渡部は、『うるさいのが増えた・・・』という半ば諦めたような表情をすると、そそくさと階段を登っていってしまった。
「あ、待ちなよ渡部!」
「あん、いいのよ、滝野さん。それより、ごめんなさいねぇ?オナベぶつけちゃって、痛かったでしょー?可愛い顔に傷でもついちゃったら大変・・・!」
「いやー、ちょっとびっくりしちゃったかなー。・・・それより私、寮母さんに会いたいの。どこにいる?」
「あ、可奈ちゃん?可奈ちゃんはね、さっき外に出ちゃったの。すぐ戻ってくると思うから、ちょっと待っててもらえるかしら?」
「うん、わかった。」
そうか、寮母はいないのかー・・・。という手持ち無沙汰な雰囲気がひーちゃんに伝わったのだろうか、再び手を握ってきて、さっきのように情熱的に話しかけてきた。
「ねぇねぇ、それまで、私のお部屋で遊ばない?みーんな2人部屋なのに、私だけ1人部屋なのよー。広さは一緒なのにね、寂しいったらありゃしないわ。
 ・・・でも、しょうがないわよね。私、みんなからしてみたら・・・草ちゃんの言うとおり、気持ち悪いものね・・・。」
ひーちゃんはうつむいて、しょんぼりとしたような口調で話した。
「んー、私も最初はびっくりしたけど、今は大丈夫だよー。ね、ひーちゃんの部屋見せてよ。」
顔をパッとあげると、少し影のあった顔にみるみるうちに明かりがさし、とても美しい表情でうなずいた。

455 :名無しさんちゃうねん :2005/09/14(水) 23:39 ID:???
「それまで、私のお部屋で遊ばない?」
じつはひーちゃんがアレなのは演技。

知らない智ちゃんはひーちゃんの部屋へ

渡部登場

これはもう・・・アレだな。

456 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/09/14(水) 23:50 ID:???
ヤられちゃうのですか…

457 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/09/15(木) 23:09 ID:???
「・・・・・・あれ?」
ひーちゃんの部屋は、全体的にピンクに装飾されていそうな気がしたが、案外普通の装飾だった。
「ふふっ、ここがぁ、私のお部屋!・・・あら、どうしたの?」
もっと乙女的な装飾が施されていると予想していた滝野は、部屋の入り口でぼーっとしていた。
「いや・・・。あの・・・もっと、こう・・・レースのピンクのカーテンとかありそうだなぁ・・・なんて思ってたんだけど・・・。
 案外普通だね・・・。」
その言葉を聞いたひーちゃんは、少し頬を膨らませると、
「もぉー、ちょっと心外ー!私、女の子には憧れてるけど、そうゆう常識はわきまえるつもりなのっ!」
「いやいやいやいや、・・・わきまえてないじゃん。」
「あら、やっぱり?うふふふっ・・・!・・・ホントはね、前までしてたの。だけど、なんだか違うなー、って思ってきて。」
遠い目をした天井を見つめ、ふぅっ、と吐息を吐いた。
しばらく沈黙が続いたが、その沈黙を先に破ったのは滝野だった。
「ねぇ、ひーちゃん。何かファッション雑誌なーい?何かはなそー?」
「あ、あるわよあるわよー?ほら、コレなんか、最近の・・・・・・!」
2人はしばらく、ファッションについて語り合った。・・・・・・時を忘れて。そう、『時』を忘れて。

「・・・ってわけなの!おっかしーでしょ!?」
「あっはっは、なーんでアンタ女に告白されてんのよー!わっけわかんねー!」
「しかもね、その子ったらしばらくしたら『オカマなんて私が治してあげる!』なんて言うのよぉ?しっつれーよねぇー!?」
そんな話に盛り上がっていると、ふと時間が気になって、涼太がくれた腕時計をチラリと見てみる。
時計の短針は7と8の間を、長針は10のあたりにいた。
『7時50分かー。そっかー。・・・・・・ん?』
「あーーーーーーーーーー!!!!!!!」
滝野が大声を出すと、コーヒーを飲んでいたひーちゃんは、驚いて吹きこぼしてしまった。
「ごほっ、ごほっ・・・!もぉー、ビックリさせないでよぉ!」
「どうしよう!どうしよう!もう8時近いじゃん!ご飯は!?私お手伝いするつもりだったのに!どうしよぉー!」
頭を抱えて泣き始めた滝野を前に、ひーちゃんは依然キョトンとした様子で滝野を見ている。
「・・・ご飯、まだよ?」
「・・・・・・え?」
「あのね、私たちの学校、勉強も盛んなんだけど、スポーツも盛んなのよね。で、この寮にいる人、どっちかというと運動部の人が多いのよ。
 だからぁ、ご飯はみんなが帰ってくるのがだいたい8時だから、休憩時間も考えて8時半からが普通なのよ。
 ・・・あ、でももう料理始めちゃってるでしょーね。」
「そ、そうなの!?よかった!・・・でもよくない!行かなきゃ!」
「あ、待って!私のせいでもあるんだし、私も行って謝るわ!」
「そう!?ほんと!?ありがと!!じゃ、行こう!」

食堂の奥、厨房に行くと、寮母が1人で料理をしていた。
「あ、あの!すいません!手伝おうと思ってたんですけど!」
「私、私が悪いの!私が話にずーーーっと付き合ってもらってたから!!」
滝野が肩に息してやってきた様子を見ると、寮母は特に表情を変えることなく、
「あら、いいのよ。明日からで。もう少しでご飯できちゃうから、それまで色々見てまわりなさい。」
「でも・・・!」
「でもじゃなーいの。ま、何かしたいんだったら、玄関のとこいなさい。運動部の子達がそろそろ帰ってくるだろうから、
 驚かしてあげなさいよ。ネ!」
そう言って、戸惑っている滝野にウィンクをしてから、再び調理へと戻っていった。

「・・・どうする?」
「そうねぇ・・・。可奈ちゃんがああ言ってるんだし、いいんじゃないかしら?」
「うーん・・・。じゃあ、どうやって驚かそうか・・・。」
「あ、それだったらいいのがあるわ。私が着ようと思って買ったんだけど、サイズ合わなくて結局着れなかったいいのがあるの!」

458 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/09/15(木) 23:18 ID:???
ひーちゃんかわいい
渡部との絡みあるかしら

459 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/09/15(木) 23:48 ID:???
「うわ・・・これって・・・。」
「ね!?かわいーでしょ!?最近流行ってるし、丁度いいでしょ?」
『・・・涼太の前でよく着てたんだけどな・・・。』
複雑そうな表情をしている滝野を見ると、ひーちゃんは猫なで声で言ってきた。
「可奈ちゃんのお手伝いなんでしょー?しなくていいのー?」
「・・・まぁ、別にいいんだけどねー?」
「じゃ、決まり!着て着てーん!」


寮の扉が開いた。扉の向こうから、騒がしい声が聞こえる。
「あー、つ・か・れ・た・ぜー!飯ーーー!!!」
「やかましいですね・・・。静かにしたらどうです?」
「・・・・・・同感。」
影の数からして、3人のようだ。
「それにしても、今日の坂セン、うざかったなぁ・・・はぁ!?」
一番最初に入ってきた、一番うるさかった男が寮に入った瞬間、奇声を発した。そのまま固まっている。
「どうしたんですか、赤城く・・・え!?」
二番目に入ってきた、いかにもインテリ系の眼鏡をかけた男の子は、またしても奇声を発し、同じように固まってしまった。
「・・・どうかした?・・・・・・あ・・・。」
最後に入ってきた、いかにも口数が少なそうな男の子は、奇声こそあげなかったものも、前の2人と同じように、固まってしまった。

「おかえりなさいませ、ご主人様っ!☆」
ひーちゃんから着せられた服は、メイド服だった。それに限らず、ヒートアップして猫耳に猫しっぽまでつけている。
男臭い男子学生寮に、そのコスプレは異世界のムードを漂わせていた。
「・・・ひーちゃーん。やっぱコレ無理あるってー。見てよ、固まってるしー。」
固まってしまうという反応に不安を抱いた滝野は、思わずひーちゃんに助けを求めてしまった。
「そんなことないわよ、かわいいわよ、とっても!キュートだわ!」
ひーちゃんが柱の陰から現れたのを見ると、一番前に立っている、赤城という男がやっと口を開いた。
「・・・おい、阿久津。・・・・・・ソレ、誰?」
震える指を突き出して、顔を引きつかせて赤城が質問をした。
「あ、この人ね、滝野智さんって言って、明日からここでバイトするんですって!うれしいわねー!かわいいでしょぉー?」
「かわいい・・・っていうか・・・その・・・。」
その格好に強い影響を受けたのか、赤城はきょどきょどと目線を泳がせている。
「わ・・・私は認めない!男子寮に、女性を置いて前にも問題があったんだろう!それを再び繰り返すわけ・・・ごふゥッ・・・!」
眼鏡の少年が何かを言いかけていると、途中で嗚咽を吐くような声を出すと、後ろにいた少年にもたれかかった。
「少し、寝てな?」
物静かそうな少年は、そう一言眼鏡の少年に言うと、担いだまま階段を上がっていってしまった。
「・・・そ、そうだそうだ!おおお、俺も認めん!だだ、断じてだ!い、いいな!」
顔を伏せたまま滝野を指差してそう言残すと、赤城もバタバタと階段を上がっていった。

「・・・ふぅ、あの子たちにも困ったもんね。」
「・・・あの子たちの名前、わかる?」
「えっとね、あのうるさかった子が、赤城浩介。で、眼鏡の子が大山誠。あと、しずかーな子は鼎忍(カナエシノブ)。
 3人ともテニスやってて、強いのよー。特に、鼎君が。赤城君が強そうだけど、あの中では一番弱いの。」
「ふぅん・・・。・・・ね、それより・・・。」
滝野は顔を強張らせて、ひーちゃんに詰め寄った。
「・・・なにかしら?」
「・・・・・・・・・これ、脱いでいい?」
数秒、間の抜けた空気が吹き抜けた。
「・・・もぅ!脱いでらっしゃいな!」

460 :名無しさんちゃうねん :2005/09/15(木) 23:53 ID:???
輪姦される予感

461 :名無しさんちゃうねん :2005/09/16(金) 07:30 ID:???
テニス部3人か・・・

もしかして他の部も合流してくるのか!?
ちょwwwキャラ多杉www

輪姦だな、こりゃ。

462 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/09/17(土) 00:35 ID:???
みなさん頑なに輪姦を希望しますね・・・。
キャラはまだ増える予定なのですが。ええ、もう男版ネギま!のごとく。

463 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/09/17(土) 00:47 ID:???
和姦で…

464 :名無しさんちゃうねん :2005/09/17(土) 15:19 ID:???
和姦!和姦!

465 :名無しさんちゃうねん :2005/09/17(土) 15:42 ID:???
ていうか感動系じゃなかったの?

466 :名無しさんちゃうねん :2005/09/17(土) 22:34 ID:???
すばらしき世界・・w

467 :名無しさんちゃうねん :2005/09/17(土) 22:38 ID:???
ROM陣がすごく前に出てきてる件。

感動系・かつ非エロが読みたい気もするが、お兄ちゃんに任せることにするよ。

468 :名無しさんちゃうねん :2005/09/17(土) 23:02 ID:???
まあ、ここまでオリジナルキャラクターが出てくると
もはやあずまんが大王じゃなくてただのオリジナルSSだと思うけど。

469 :名無しさんちゃうねん :2005/09/18(日) 02:23 ID:???
別に問題はないだろう、原作と同じことやってもなんの面白みもないし
原作レギュラーばっかでやってもつまらんし、それよりオリキャラ絡ませた
方が世界が広がって面白いと思う。

余談かもしれんが原作がオタ向けって呼ばれるのは、殆どメインキャラ6人
しかいないから、気の合う友達だけの非常に狭い閉じた居心地のいい世界。
そんな部分がそういわれるんだと思う。
むしろ積極的に知らない人間とかかわっていって成長していって欲しいなと
このSSでは、続き期待してます・・エロも(笑)

470 :名無しさんちゃうねん :2005/09/18(日) 02:45 ID:???
男版ネギま!になるんだったら
登場する男キャラクター全員にそれぞれのストーリーがあってほしいな

471 :大阪の兄 ◆vN8PWvI6WE :2005/09/18(日) 16:03 ID:???
うわぁ、間違えてクッキー全消ししてしまった。
合ってるかな・・・これで。

>>470
あと5,6人は多分出ます。・・・全員分の裏話書いてたら年内に終わるかどうかが怪しくなっちゃいます。
実は、智が最後に誰とどうなるかはまだ決めてません。キャラの持つ重力に任せるばかり。
・・・・・・つまり、ひーちゃんと・・・・・・なことになる可能性がなくはないのです。怖いですねー(笑)

472 :大阪の兄 ◆vN8PWvI6WE :2005/09/18(日) 16:04 ID:???
ああ・・・違うし・・・。
でも、本人ですから。そこんとこ了解願います。

今夜更新するかもです。

ってかROMの人こんなにいたのか・・・。びっくりだ。いつから隠れてたー!

473 :名無しさんちゃうねん :2005/09/18(日) 16:14 ID:???
年内に終わらなくてもいいから書いてくれーーーーー!!

474 :大阪の兄 ◆vN8PWvI6WE :2005/09/22(木) 00:53 ID:???
滝野がメイド服を脱いでいるときに、ひーちゃんの部屋をふと見回してみた。
「・・・他にも、まだ色々あるのかなぁ・・・?」
メイド服を取り出してきたのは、部屋の奥のほうにある大きめのクローゼットの中からだった。
きっとその中にも、他の衣装が・・・。
滝野は、メイド服をぞんざいにテーブルの上に置くと、クローゼットに向けて歩み始めた。
「うっわぁ・・・!すっげー・・・!」
クローゼットの中は、まるで違う世界のようだった。
チャイナドレス、着物などのほかにも、ナースやウェイトレスの明らかにコスプレ志向の物まであった。
「すごい、すごい・・・。どれか・・・着てみても・・・。時間・・・まだ大丈夫だよな・・・?」
そうブツブツと呟きながら、下着姿のままで色んな服を手にとってみては、クローゼットに戻す行為を繰り返した。

ガチャッ!

「あの、阿久津君。そろそろご飯です・・・よ・・・。」
突然扉を開いて出てきたのは、痩せ型で、身長は低く、オタクというよりヒッキーという言葉がぴったりそうな少年だった。
滝野の下着姿を見て、動きがピタリと止まっている。
「あ・・・あれ・・・?」
戸惑った様子で、かけていた分厚いレンズの眼鏡を手に取り、綺麗に拭き取った後、再びマジマジと見直してきた。
「・・・・・・阿久津・・・君・・・・・・?」
以前までの癖で、下着姿を見られていてもほとんど気にはならなくなっていたものの、相手が新鮮な反応を示すため、滝野自身も恥ずかしくなってきた。
「・・・えと、違います。・・・出て行ってもらえる?」
その一言を聞くと、ヒッキーのような少年は何かグチャグチャと聞き取れない言葉を発すると、扉も閉めぬまま飛び出ていってしまった。
「あ・・・やばいな。ご飯・・・遅れちゃう。」
先ほど脱ぎ捨てたメイド服を綺麗にハンガーにかけてクローゼットに戻すと、元の服装に戻してひーちゃんの部屋を後にした。

475 :大阪の兄 ◆vN8PWvI6WE :2005/09/22(木) 01:12 ID:???
食堂に入ると、数十人の男の子達の目線が一気に滝野に集まった。
それまで各々が雑談をし、談笑をしていたところに、1人の女が食堂に入ってきたのだ。
驚きを隠せない者、隣同士でざわめき合う者、馴れ合いから手を振っている者、睨みつけている者、特に動かなかった者・・・。
滝野はその置かれた状況にいたたまれなくなり、寮母のいる台所へと小走りで入っていった。
と、同時に、後ろの方から大声で男子達の感想が聞こえる。
「誰!?今の女!」
「つーか何!?ロリ系!?」
「あーら、しっつれーね、あんた達!そんなこと言うもんじゃないわよ!」
「なかなかだったな。またやっちまうか?」
「馬鹿!でけぇ声でんなこと言ってんじゃねぇ!!」
一人一人のその感想を、滝野は上手く聞き取ることは出来なかったが、あまりいい印象ではなかったようだ。
「・・・やっぱり、ワンピにポニテじゃ・・・ロリ系っぽいかなぁー・・・。ちょっとショックー。」
寮母が滝野が入ってきたのを確認すると、料理を盛った皿を運び出した。
「さ、ご飯の準備!お皿運ぶの、お願いね。」
「はーい。」
人数分の皿を取り出すために、一度食堂にいる男子の数を数えてみた。
「・・・・・・えーっと・・・。17人?」
「ええ、17人。智ちゃんも合わせて、18人。」
滝野と寮母の2人で料理を運び、滝野は台所から椅子を運んできてひーちゃんの隣に席を作らせてもらった。

おもむろに寮母がやってくると、手をパンパンと叩いて、注目を集めさせた。
「はい、皆こっち見て!入ってくるときに見ただろうけど、この子が新しいバイト、滝野智さん!
 夏休み中だけかもしれないけど、もしかしたらこのまま働いてもらうことになるかもしれないわ。
 はい、智ちゃん、挨拶しちゃって。」
ほとんどの自己紹介を寮母にされてしまって、「どうしろっていうんだ!」と心の中で突っ込みながら、席を立った。
緊張していたが、持ち前のテンションを生かした自己紹介へと持ち込んだ。
「どーもー!滝野智でーっす!23さーい!君たちより年上だー!ちっちゃいからってなめんなよー!?
 家事は一通りなんでもできます!得意料理とかもたまに出させてもらうつもりなので、よろしくおねがいしまーす!」

パチパチパチパチパチパチ!!!!

と、拍手をしたのは・・・・・・ひーちゃんだけだった。
他の男子は、ぱっちりぱっちりとけだるそうにしたり、音が聞こえないくらい小さくパチパチ、と恥ずかしそうにしたり、
拍手すらしない男子までいた。・・・どうも、前途多難な滝野の職場となりそうだ。

「はいはいはい、あんたらまいっかい愛想がないね。罰として、一人一人自己紹介!はい!!」
食堂から「え〜!?」という声が響き渡る。こういうのは、どこでもいつでも同じだ。
学校でも、転校生だって、恥を多少かくし、そこの生徒も強制的な自己紹介でみんなから笑われたり。
そんな状況を思い出して、滝野は思わず「アハッ」と小さく笑ってしまった。

476 :名無しさんちゃうねん :2005/09/23(金) 09:26 ID:???
お兄ちゃん天才。
俺はブログ書きなんだが、その文才を3分の1でいいから分けてくれ・・・

じゃ、ROMに戻りますわ。

477 :大阪の兄 ◆vN8PWvI6WE :2005/09/25(日) 00:25 ID:???
>>476
私もブログ書いてますが、イマイチ人気ないです。
まず人が来ないし・・・w

478 :名無しさんちゃうねん :2005/09/25(日) 13:59 ID:???
otuage

479 :大阪の兄 ◆vN8PWvI6WE :2005/09/28(水) 22:32 ID:???
大仕事が待ち受けており、再来週の火曜まで手がつけられないと思います。
仕事をしつつも、生徒の名前、キャラ設定は確保しておこうと思うので、期待しててください。

P.S ageよろしくお願いします。

480 :名無しさんちゃうねん :2005/10/01(土) 00:33 ID:???
まかしときんしゃい

481 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/07(金) 19:43 ID:???
「はいはい、まず私!」
と、先陣を切ったのはやはりひーちゃんだった。
「えーっと、阿久津博己、高2!趣味はおしゃれ。現在、彼氏募集中でーっす!」
最後の言葉に、男子生徒からの「きもいぞー!」などとの笑い声まじりのヤジが飛び交った。
「滝野さんとは、もう会話を交わしました。とっても面白い人だから、みんなも話してみてねー!」
と、言うとひーちゃんは座ってしまった。先ほどのように、ヤジ交じりながらも拍手が起こった。

ひーちゃんは滝野の耳元に顔を近づけると、
「ここのみんな、やっぱり男子校だから女性に緊張しちゃってるみたいなの。
 みんないい人だから、今は気にしないであげてね。」
そう言うと、にっこりと滝野の顔を見て微笑んだ。
『やべ・・・。ゲイじゃなかったら、ちょっと惚れてたかも・・・。』
思わず、滝野は頬を少し赤らめてしまった。

482 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/07(金) 20:06 ID:???
次に立ったのは、滝野の席からは少し離れたところにいた男だった。1人でなく、一斉に2人立ち上がって。
しかも、それだけでない。その2人は、どっちを見てもそっくりだった。
外観としては、昔のがり勉君にありがちな黒ブチの眼鏡、七三分け、センスのない服装。
違いといえば、よーく目を凝らせば気付く。七三分けが右分けか、左分けか、だ。
たとえその違いに気付いたところで、どちらがどちらかを見分けるなんて、よっぽど付き合いの長い友人などでないと無理だろう。
「我ら!」
「一文字兄弟!」
各々が一言ずつ言葉を発した。
「僕が一文字勉!(いちもんじ つとむ)」
「そして僕が一文字学!(いちもんじ まなぶ)」
「「2人揃って!!」」
2人はグッとポーズをとると、
「「勉学ブラザーズ!!」」
と、叫んだ。
その瞬間、男子生徒が一斉に歓声をあげた。
「いいぞー!がり勉きょうだーい!」
「またやってくれたなー!他のネタも考えろー!」
・・・どうやら、以前にもこの『勉学ブラザーズ』の自己紹介は行われたらしい。

「はいはい、質問!」
滝野は手を挙げて、勉学ブラザーズに質問をした。
「はい、なんでしょうか!」
答えたのは、右分けの男だった。
「ごめん、・・・・・・違いがわかんなーい!」
その発言に、またも一斉にドッと笑い声が上がった。
「ん、ンン!えー、みなさん、静かに!この際だから、はっきりさせておきましょう!
 我ら兄弟、見分けをつけるためにある目印をつけさせていただきました!
 僕、兄である勉は右分け!」
「そして弟である学は左分け!」
「「この完璧なまでの目印、一度で覚えたでしょう!!」」
またもハモって、自己主張。
「いや、どうせ違いつけるならどっちか丸刈りにしなよ。」
しかしながら、滝野はその主張をバッサリと切り裂いてしまった。
またも全員大うけ。勉学ブラザーズは顔を真っ赤にしている。
「ちっ、違う!双子で姿格好を似せるのには意味があるのです!」
「そう、我ら勉学ブラザーズ、親からいただいたこの名の通り、日々勉学に勤しんできました!」
「しかし、やはり大きな壁にぶつかったりするものです!そこで、我らはお互いに姿を似せ、励ましあう術を発見したのです!」
そしてお互い向かい会うと、
「兄さん、理科の勉強に疲れました・・・。」「学のいくじなし、英語があるじゃないか!」
「学、数学の定理を覚えるのに疲れてきた・・・。」「兄さん、古典をやればいいじゃないか!!」
「「このように、我らは日々勉学に全身全霊を注ぎ込み、待ち受ける戦いへと準備しているのです!!」」
さすがにここまで自己紹介をしたことがないのだろう、全員から「おぉ〜・・・」という感嘆の声が漏れ出していた。
「うぬ〜、恐るべきは勉学性双生児・・・!」
「あの、滝野さん、ソレ何?」
滝野の1人ボケに、ひーちゃんは竹馬の友、水原のように欠かさずツッコミを入れてくれた。

483 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/07(金) 20:33 ID:???
「ぬぬぬ〜、我々も負けていられませんな、間氏。」
「まったくだ!これはもう行くしかありませんな、織手殿。出動命令を、魁殿!」
「よし、行くぞ!」
勉学ブラザーズの自己紹介が終わった後、立ち上がったのは3人の男だった。
明らかに外観が違うから、今度は三つ子なんてことはないようだ。
・・・が、彼らを取り巻く『空気』は先ほどの兄弟より同調しているような気がする。
「ぼ、僕は間秀!(はざま しゅう)」
「わ、わ・・・ワタクシはッ!織手雅!(おりて みやび)」
「そして俺が、魁悟!!!(さきがけ さとる)」
間と名乗った男は、手をビシュッと挙げると、
「あだ名はマシュー!」
次に手を挙げたのは、織手。
「あだ名はオルテガ!」
最後に手を挙げたのは、魁。
「そして俺のあだ名がガイア!つまりッ!」
魁がパチンッと指を鳴らすと、各々が縦に並ぶと、
「我々こそが、○×高校の『黒い三連星』なのだー!!!」
しかし、勉学ブラザーズの時のような歓声は沸きあがらなかった。
なんだか、「うわぁ・・・」という言葉が丁度いい、俗に言う『イタイ』雰囲気に見舞われてしまっている。
その空気に耐え切れなくなったのか、一斉に座ってコップの水をグビグビの飲み干し始めてしまった。


「えーっと・・・・・・次いきましょ、次・・・。」

484 :名無しさんちゃうねん :2005/10/07(金) 20:54 ID:???
ちょwww
復帰早々キャラ濃すぎるぞwww

全員使いきれるのか!?

485 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/10/07(金) 23:04 ID:???
黒い三連星テラワロスwwww

でも彼らも何れは『祝!○○卒業!』に・・・

486 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/10/07(金) 23:27 ID:???
3連星まで出てくるとは、これから楽しみ

487 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/08(土) 13:17 ID:???
>>484
ネタ切れの影・・・とか言ってみるテスト。

>>485-486
彼らの必殺技、炸裂するんでしょーかねー・・・?(ニヤニヤ)

まぁ、こうご期待ってことで。またしばらく更新できませんのでー。
(キャラ・・・どうしよっかなー・・・。)

488 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/09(日) 10:04 ID:???
今更ですが、
間→マ 秀→シュウ  =マシュー
織手→オルテ 雅→ガ =オルテガ
魁→ガイ 悟→ア   =ガイア

ぶっちゃけ、魁はカイと読むのですが、そこはもう・・・許してください。
名字がガイと読める人なんていなさそうなんだもの・・・!(魁って名字の人いるのかな?)

489 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/12(水) 21:45 ID:???
次に立ったのは、先ほどコスプレをしたとき出迎えた、眼鏡の少年だった。
「・・・大山誠。高2。テニス部に入ってます。」
だからであろうか、滝野自身に自己紹介をするのをとても拒むかのような、けだるけな声で言った。
しかし、滝野が気にしていたのはそんなことではなかった。あの顔・・・、どこかで・・・。
「ねぇ、ちょっといい!?」
滝野はビシッと大山に向かって指を指した。
「・・・なんでしょうか?と、いうより、早く指差すのをやめていただけますか?」
一人称が『私』であるのといい、かなりの潔癖症な人間のようだ。
「あ、ごめんごめん。・・・でさ、あんた、もしかして・・・お兄さんいない?」
大山はピクリと眉を動かすと、
「・・・いますが、何故?」
「もしかしてさ、その人、今年から社会人だったり!?」
「ええ、その通りです。何故ご存知なのですか?」
大山は、依然落ち着いたまま質問を返してきた。普通なら、少し驚いたりするものだが・・・。なんとも、可愛げのない少年だ。
「やっぱり〜!?あんた兄弟顔そっくりだねー!私、あんたのお兄さんと同級生で、同じクラスだったこともあったんだよ!」
「・・・!?・・・・・・へぇ、そうなんですか。」
同じ学校。その事実が、少々大山に精神的ダメージを与えたようだ。
「めっちゃ頭よかったよねー、あんたのお兄さん!」
「ええ、そうですね・・・。・・・ですが!」
大山は突如声に力を込めた。
「さっきからあんたあんたと・・・。私には誠という、親から授かった立派な名前がある!呼ぶなら呼ぶで名字か名前で呼んでいただきたい!」
その迫力に、普通の人なら一言謝って、この様子から「大山」と呼び捨てにする気持ちも出てこなくなる。
しかし、滝野はやはり違った。
「もぉー、固いこと言うなよぉー。・・・しょうがないな。ごめんね、マコちゃん!」
「マコ・・・!?ふ、ふざけないでください!!」
「あー、マコちゃんじゃだめ?他にもまこピーとかマコさんとか色々候補が・・・。」
「どれもやめてください!兄には『大山君』と呼んでいたのでしょう!?それなら私も・・・!」
「やだよ。だって被るじゃん?マコちゃんでいいじゃん、かわいくて!」
何が恥ずかしかったのか、大山は少し顔を赤くすると、顔を背けてしまった。
「ねー、みんな、マコちゃんでいいよねー!?」
その質問に、皆は賛成の意を込めて拍手をした。「いいぞー!」「マコちゃーん!」などとの声も上がっていた。
大山は眉間にシワを寄せ、唇をグッと噛み締めると、椅子にどっかりと腰を落としてしまった。

490 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/12(水) 21:56 ID:???
椅子に座った大山に、最初に話しかけたのは、先ほど見事に撃沈した黒い三連星の一員、マシューだった。
「『マコちゃん』先輩、よかったじゃないですか。あんなかわいい女性にあだ名をつけてもらって・・・。」
グフフ、と気色の悪いオタク笑いを添えて、ニヤニヤした表情で言った。
あだ名をつけられて、寮生全員からの屈辱を受けただけでも爆発寸前だった大山は、その一言で・・・。
「おい・・・、貴様。私にそのような態度を取ることが、どのような結果をもたらすか・・・身を持って知りたいのか?」
小さな声で、だがかなりドスのきいた声で、マシューのアゴをがっしりと掴んで力を込め始めた・・・。
「ひゃ・・・ひゃい・・・。しゅいましぇん・・・。」
アゴを掴まれてうまく喋れないマシューは、情けのない声を出して大山に詫びた。
「・・・ふん、そもそも先輩にそのような口をきいていいと思っているのか?無礼者め。」
半泣きになったマシューのアゴを離すと、大山は席を離れてどこかへ行ってしまった。

「・・・どこ行っちゃうんだろ?」
「さぁ?恥ずかしかったんじゃないかしら。彼、結構恥ずかしがり屋さんだから。」
・・・大山の気持ちを他所に2人はぽっかりとした考えしか持っていなかった。

491 :名無しさんちゃうねん :2005/10/13(木) 19:59 ID:???
ツンデレルート(男版)だな。

492 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/13(木) 21:36 ID:???
>>491
・・・え、これもツンデレって言うんですか・・・?

赤松の脳内がどうなっているのか気になった今日この頃。
(女だったらたくさん出せそうだけど、野郎は・・・。やっぱ同性だと捻りにくい。)

493 :名無しさんちゃうねん :2005/10/14(金) 20:27 ID:???
赤松作品は、「AI止ま」だけだ!
あとは「くりとるまぎい」が描いてるんだぞ?

それはどうでもいいんだが

シ ョ タ を 出 せ ・ ・ ・ !

494 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/15(土) 19:47 ID:???
>>493
それ、いただきです。(ショタがあったか・・・。)

495 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/19(水) 22:07 ID:???
最近忙しくて更新ができません・・・。
もうしばしお待ちを。

496 :27GETTER ◆pXWVmj9lto :2005/10/20(木) 18:46 ID:???
>>495
待ちます、待ちますとも!

497 :質問推奨委員長 ◆EIJIovdf8s :2005/10/20(木) 19:03 ID:???
3年は待ちます

498 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/29(土) 00:28 ID:???
ほんとに3年待たせそうな勢い。
明日は多分更新できるので、期待しててください。

499 :名無しさんちゃうねん :2005/10/29(土) 01:35 ID:???
がんがれ!!

漏れはリアルで3年待ちますぞw

500 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2005/10/30(日) 00:46 ID:???
「えーっと、私合わせて7人自己紹介したのね。次で半分ってとこかしら。誰がするのー?」
「あ、はいはい!僕やります!」
手を挙げた男は、高校生とは思えないほど小さな少年だった。
くりくりとした目、サラリとした黒髪、華奢な体つき。男子校の寮だとわかっていなければ、女の子と見間違いそうだ。
「えっと、加藤浩太、高3です!」
「えっ、うそ!?」
声をあげたのは、もちろん滝野だった。
「高3!?え、ほんとに!?」
「えへへ、よく言われます。本当に高3ですよ。大学ももう決まってますし。」
「うわ〜・・・。ねぇ、身長いくつ?」
「えと・・・138cmだったかな・・・。」
「ちっちぇー!!140cmないのー!?」
その一言にはさすがにムッときたらしく、加藤は子供のように頬を少し膨らませて文句を言った。
「親が小さいから、血筋なんです!ほっといてください!」
「あ・・・ごめんごめん、怒った?もー、許してよー。」
「・・・いいですけどね・・・?身長のことだけは、言わないでくださいよっ?」
「へーい。」

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