世の中のすべての萌えるを。

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大阪メイン小説

1 :名無しさんちゃうねん :2003/07/04(金) 18:27 ID:???
みんなで大阪の小説を作ろう・・・・・まぁ適当に書いてくれ(ぇ

586 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/02(土) 02:30 ID:???
ここですぐさま返信してしまうとがっついてるようでかっこ悪い・・・!
もう少し時間を置いて、いいタイミングを見計らうのだ!



・・・だが、その思惑とは裏腹に、30秒後にはメールの返信を打ち終えて送信していた。



榊の反応はとてもかわいらしいもので、誰にも教えてやる気はない。

せいぜい指を咥えて俺の幸せ物語を見ていてくれ!


・・・気分が高揚していると、誰もいないのに無性に語りかけたくなるのは何故だろうか?




6月、中旬。

梅雨真っ只中。

人々は梅雨明けを待ちわびる。

俺も待っていた。

自分の中の梅雨明けを。

今まで降り止むことのなかった心の雨は

10数年ぶりに梅雨明けを迎えていた。

587 :名無しさんちゃうねん :2006/09/03(日) 09:06 ID:???
GJ、このノリで突っ走れ

588 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 13:51 ID:???
それでも付き合い始めはぎくしゃくしていた。

夏であったからかも知れないが、暑いからということを理由に手も繋がずに一緒に下校していた。
・・・たまに、一緒に帰らない日さえあった。

お互い、恥ずかしがっていた。


だから、メールではとても親密な事すら話すのに、一緒にいる時には昨日見たテレビの話・・・などの、くだらない話題しか話せなかった。

ぐだぐだとした関係は、付き合い始めて約1ヶ月後の夏休みに入るまでつづいていた。

俺は思ったのだ。

このままでは何の進展もない。・・・デートに誘おう。


『なぁ、榊。夏休みに入ってお互い時間に余裕もできたわけだしさ。・・・デートしない?』

返事はすぐに返ってきた。

「うん。行きたい。どこに行く?」
『・・・映画とか・・・どうかな。』
「・・・嬉しい。」


初めてのデートは、映画だった。

589 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:03 ID:???
映画にはたくさん種類があったけど、榊が動物を大好きってことは知っていたから、俺は迷わず動物の出る映画を選んだ。

ポップコーンも何も買わずに、劇場に入るとまだ誰もいなかったので、後ろの列の真ん中あたり、特等席に座ることができた。
始まるまで20分以上あったが、お互い初めてのデートで舞い上がっていたからだろうか、メールの時みたいに楽しく会話ができた。

映画が始まって・・・。俺は映画の内容よりも、他のことに気をとられていた。


榊と手を繋いでみたい・・・。


でも、急に手を繋いだら思いっきり意識しているような感じだし・・・・・・葛藤はしばらく続いた。

だが、チャンスはすぐに訪れた。
映画の内容は飼い猫から産まれた子猫が一匹迷ってしまい、さまよい歩く・・・ちょっと悲しい・・・『子猫物語』。
そのチャンスとは・・・。
子猫が迷って2日目、雨が降り・・・グショグショになってるところを車が水を跳ねてされにグショグショになって・・・。
もう、いたたまれないシーン・・・。榊は、泣いていた。
グッと拳を握り締め・・・悲しみに耐えているようだった。

チャンスをずっと待っていた俺は、榊の手をそっと包んだ。
やっぱり驚いたようで、ビクッとした反応があったが・・・そのままおずおずと俺の手を握り返してくれた。


そのまま、俺たちはラストまで――飼い主と出合って母猫たちと幸せに暮らす――手を繋いで迎えた。

590 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:07 ID:???
気が早い俺は、もう次の段階に進みたがっていた。

榊とキスがしたい。

榊とエッチをしてみたい。

だが、付き合い始めて1ヶ月で初めて手を繋ぐような純情野郎にそんな行為ができるわけでもなく・・・。
映画を見た後は、喫茶店でパンフレットを一緒に見て別れた。

・・・普通の、デート。

でも、幸せだった。


一度デートをしてしまえば、一度手を繋いでしまえば不思議なもので、
いくらでもデートができたし、その際に何度も手を繋いだ。
慣れたのだ。その状況に。



しかし・・・慣れは恐ろしいもので、次の段階へ早く進めと急かす原因ともなった。

せめて、キスだけは・・・。

メールをしていても、一緒にいても、そのことが何度も何度も脳裏を横切っていた。

591 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:14 ID:???
チャンスは時と共に訪れるものなのだろうか。

キスをするには最大のチャンスが到来。


誕生日。


俺の誕生日なのだ。
8月24日。夏休み終わり際だから宿題を溜め込んでいる人間が多いので友人に祝ってもらったことは少なかった。
だが、今年は違う。最愛の彼女がいるのだ。俺を祝ってくれる彼女。・・・素晴らしい。

事はトントン拍子に進んだ。
俺の誕生日は付き合い始めた頃に既に話していたから、8月の上旬には誕生日プレゼントは何がいいかすら聞かれていたから。
正直なことを言ってしまうと、『榊』そのものが欲しかったのだが、お互い純情であるし、キスもしてないのにいきなりそれは頼めなかった。

だけど、漫画とかだと付き合ってすぐエッチをしたりするし・・・俺の誕生日というビックイベントだ。


も・・・もしかしたら・・・?


気がつけば8月23日の深夜、1km先のコンビニまで自転車を飛ばしていた。

592 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:24 ID:???
8月24日。
誕生日会は自分の家で行うことにした。
初めて榊と一緒に遊んだあの日、家に誘って愛犬を見せる約束もしていたし。

犬に会えるということで、榊はとても喜んでいた。

午前11時。親は共働きなので夜遅くまで帰ってこない。完璧なシチュエーションだ。誰にも文句は言わせない。
昼食は榊が家に来る際に買って来たマグネトロンバーガーだった(何故かお子様限定のセットを榊は買えていた)が、
夕食は榊が作ってくれる予定だ。

なんていい日なのだろうか!

昼食を食べ終えた後、庭に出ると柴犬のマメタロウが『俺』を迎えてくれた。
誰にでも人懐っこいマメが、何故か榊に向かって吠えているのだ。
初対面の相手にはよくあることだが、ちょっと異常なまでに・・・。

榊はしょんぼりしている。・・・かわいそうだ。
『おいおい、マメ!俺の彼女なんだぞ!ちょっとは愛想よくしたらどうなんだ?』
・・・この時、『俺の彼女』という言葉を口に出して、一瞬自己満足の世界に入り込んでしまったのは内緒の話だ。

しばらくすればさすがのマメもやっと榊になつき、榊もとても嬉しそうだった。
頭をずーっとなでなでなでなでなでなでなでなで・・・・・・・・・。
お腹の毛をわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ・・・・・・・・・。



・・・あの、俺は?

593 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:31 ID:???
30分以上、マメと戯れていた。
さすがの俺も待ちきれず・・・家に入って窓からその光景を眺めているしかなかった。

マメは昼にはずっと寝ている。歳でもあったし、榊と遊ぶのをやめて小屋に入ってしまった。
・・・その瞬間、初めて榊は俺がいないことに気づいたらしく、恥ずかしそうな顔をしながら家に入ってきた。

「・・・ごめん。」

真っ赤な顔をして、うつむいて榊は言った。
・・・あまりにもかわいい表情で・・・・・・どぎまぎとした上ずった声でしか返事できなかった。


・・・2時になった。
やることがない。
どうやら榊はゲームをすることはほとんどないらしく、ゲーセンでもUFOキャッチャーしかしないらしい。
仕方ないので、アルバムを引っ張ってきてマメの写真を見ていた。

こうゆう状況で、恋人同士ってのはどうゆうことをまったく知らない俺は、そうゆうことぐらいしかできなかった。

ぐだぐだとした時間を過ごし・・・4時。
ちょっと遅めのおやつにすることにした。
榊の手作りクッキー(妙な形をしていた。動物のつもりだったらしいが、何の動物か全くわからなかった。)にジュース。
形をひとつひとつ確認して、お互いに楽しみながら食べていた。

・・・和気藹々とした雰囲気。


チャンスだ。

594 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:37 ID:???
『榊・・・。』
「・・・なんだ?」
緊張していたせいか、低めの声で話しかけてしまい、ちょっと警戒心を与えてしまった。
だが、ここまで(といっても話しかけただけだが)来たのだ。絶対に決行する!

『お願い・・・聞いてくれるか?』
「・・・なんだ?」
『・・・・・・キス・・・・・・していいかな・・・。』
「・・・っ!」

榊は目を見開いて、俺を見た。
俺はじっと榊の目を見つめ返した。

榊は恥ずかしそうに目線を反らして・・・顔を真っ赤にしているだけだった。

『だめ・・・かな・・・。』

・・・返事をしない代わりに、榊はギュッと目を閉じた。
目を閉じた榊の顔をじっくりと眺めてみた。

化粧もしていないのに長いまつげ。
ツンっとした高い鼻。
つつくと崩れてしまいそうなぐらい柔らかそうな唇。

俺はゆっくりと顔を近づけ・・・榊の唇に自分の唇を重ねた。

595 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:44 ID:???
甘い・・・。

初めてのキスは、甘いジュースの味がほんのりと薫った。
榊の唇は予想以上に柔らかくて・・・。
言葉ではうまく説明できないような、幸せな感情に包まれた。

最初はただ唇を重ねていただけだったけれど、俺は榊をグッと抱き寄せると、舌を絡めさせようとしてみた。
歯が舌の進入を拒んだが、俺の舌の存在に気づくと榊は少し口を開いて・・・俺の舌を受け入れてくれた。

今まで知らなかったが、人の舌は案外ひんやりとしていて・・・舌を絡ませていると、なんとも言えない気持ちになる。
お互いの初めてのキス。だから、舌は何をしていいか全くわからずに、ただただお互いの口の中で暴れまわるだけだった。


しかし、俺の理性を飛ばすには十分であった。

慣れ。

恐ろしいこの感情は、またしても次の段階へ無理やりステップアップさせようと俺の背中を押す。
しかし、俺にはもう理性はなかった。

抱き寄せていた腕をはがすと、榊の巨乳に服の上から触れていた。

榊はやはりビクッとしたが、されるがままに揉まれていた。
とても柔らかく、大きすぎて手に包み込めない・・・。

今まで想像の中でしかなかった白黒の世界が、どんどん彩られていく。


車は急に止まれない。

人の理性も同じこと。


胸を揉んだ勢いで、俺は榊をベッドに押し倒した。

596 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:51 ID:???
「ちょっ・・・ふぐぅっ・・・。」
何かを言おうとした榊の口を、自分の口で塞いだ。
胸を右手で揉みしだき、左手は榊の股間へと・・・。

榊の今日の格好はいつもよりおめかしだった。そう、いつもよりは。
だから下はジーパンだった。
股間のあたりを摩ってみたが、感触はジーパンの生地だけ。その下がどうなっているのか全くわからない。
しかも焦っているためか、脱がしてみようとしてもどこをどうすればいいのかすらもわからない。
仕方なく、流れで榊の乳首を吸ってみたくなり、口を離すと榊のシャツを脱がそうとした。

・・・だが、それは榊の手で拒まれた。

「・・・や・・・やめよう?」

とても怯えた表情だった。

・・・俺はハッとなった。


俺がしていたことは、付き合っているとはいえ、レイプとほとんど変わらなかった。

『・・・ああ。・・・・・・ごめんな。』

・・・すごく、恥ずかしかった。事を急ぎすぎたあまり、榊を悲しませてしまった。

しかも、このことは俺すらも悲しませることとなった。

「・・・帰る・・・。」
『えっ・・・?・・・・・・夕飯は・・・?』
「・・・・・・ごめん。」

最悪だ。
もう終わりだ。
付き合って3ヶ月たつかたたないかの時に、よりによって俺の誕生日に、別れることになるのだろうか。

597 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 14:55 ID:???
とりあえず俺は、榊を家まで送ることにした。

無言のまま歩く二人。超きまずい。


榊の髪はさっきの騒動でちょっとくしゃくしゃになってしまっている。
・・・・・・もう、俺は一体何をやらかしたんだろうか・・・。

自己嫌悪の状態だと、時が進むのは案外早く、家に到着するちょっと前の辺りで榊が別れをつげてきた。
ちょっとだけ、希望を残して。

「・・・後で、メールする。」
『・・・うん。』
「じゃあ・・・。」


たったそれだけの会話をして、別れた。



家に着いて残っていたのは、榊が持ってきていた俺への誕生日プレゼントだった。

・・・・・・涙が流れた。

俺はなんてことをしてしまったのだろうか。

・・・・・・ボロボロと涙が流れた。

598 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 15:03 ID:???
プレゼントの中身は猫のぬいぐるみ。
一緒に手紙も入っていた。


誕生日おめでとう

あまり普段喋らない私に優しくしてくれてありがとう。

何もしてあげられない私と付き合ってくれてありがとう。

いつか私からも何かをしてあげたい。

それがいつになるかわからないけれど、きっとする。

          愛する健介へ



・・・俺は、泣くしかなかった。
メールを送ろうにも、今の俺にはそんな資格がないようにしか思えなかった。

その矢先、榊からメールが届いた。

599 :大阪の兄 ◆HE9HPX9s7M :2006/09/03(日) 15:06 ID:???
急に帰ってごめん。

約束の夕飯も作ってあげられなくてほんとにすまないと思ってる。

ただ、勘違いしないでほしい。

健介が嫌いになったから帰ったんじゃなくて、

ただちょっと驚いてしまったから・・・つい・・・。

気を悪くしないでくれ。

誕生日プレゼント、置いてきてしまった・・・。

中はもう見た・・・?頑張って選んだんだ。飾ってくれたら嬉しい・・・。

直接言いたかったけれど、誕生日おめでとう。






・・・俺は、今日、人生で一番多く涙を流したかもしれない。

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